JP4225798B2 - セメント系断熱材及び防液堤の補修方法 - Google Patents

セメント系断熱材及び防液堤の補修方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメントと、発泡スチロールから生成したEPS骨材とを原料にしたセメント系断熱材、及び防液堤の補修方法に関するものである。本発明のセメント系断熱材は、EPS骨材や石炭灰などの廃棄物として処理される材料を有効に再利用するものである。
【0002】
【従来の技術】
低温液化ガス貯蔵槽施設の周囲には、液化ガスが漏出した場合に備えて防液堤が構築されている。この防液堤の内面には、漏出した液化ガスが地表面又は堤面からの入熱によって急速に初期蒸発することを抑制するために断熱材を敷設している(特許文献1参照)。
この断熱材として、従来から泡ガラス系断熱材が適用されているが、その断熱材の劣化が著しく補修時期を迎えているものも多い。従来の補修方法としては、劣化した断熱材を全て撤去し、新たなセメント系断熱材を構築する方法が多く採用されているが、補修時に撤去した多量の泡ガラス系断熱材の撤去屑が発生し、それを産業廃棄物として処理せざるを得ない状況にある。
一方、発泡スチロールの再利用技術の一つに、粉砕した発泡スチロールの表面に対して遠赤外線処理あるいは温風処理等を行ない、建設系の材料として利用する技術があり、吸音材、断熱材、軽量盛土などの材料として使用されている。
また、近年の環境問題への関心が高まるなか、企業には廃棄物の排出量の削減が求められ、廃棄物の再生・再利用の必要性がますます高まってきている。特に、火力発電所などの石炭燃焼施設においては、大量の燃料炭の燃焼灰(石炭灰)が発生し、その有効利用が重要な課題の一つになっており、これまでのコンクリート混和材(フライアッシュ)や土壌改良材としての利用法に加え、それ以外の用途に関し多くの検討が進められているのが現状である。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−338562号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来のセメント系断熱材にあっては、次のような問題点がある。
<イ>泡ガラス系断熱材の撤去屑を新たな補修用セメント系断熱材に混合して再利用しようとする場合、泡ガラス系断熱材の撤去屑をある程度の大きさまでに粉砕する必要がある。しかし、粉砕品は、粉砕作業により必然的に比重が大きくなり、また吸水率も高くなるので、それを使用した断熱材の見掛けの比重増加や、施工性の低減という欠点がでてくる。
<ロ>再生した発泡スチロールを断熱材の材料として使用した場合、断熱性能を確保するために多量の発泡スチロール再生骨材を用いると、断熱材の比重が非常に小さくなり強度が極端に低下するという問題が生じる。
<ハ>再生材料の多くは、コストを抑えるためにバージン材料製造時のような厳しい品質管理等の手間をかけられないのが現状であり、再利用の際に材料の品質変動が再利用品の品質変動に大きく影響を及ぼし問題となる場合が多い。
【0005】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、石炭灰や泡ガラス系断熱材の撤去屑などの従来産業廃棄物として処理されていたものを、原料として多量に使用できるセメント系断熱材を提供することを目的とする。また、再利用品の品質に影響を受けにくく、安定した品質を確保できるセメント系断熱材を提供することを目的とする。
さらに、所定の強度を確保でき、比重の調整が可能なセメント系断熱材を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明のセメント系断熱材は、セメントと、石炭燃焼施設より排出される石炭灰と、使用済みの泡ガラス系断熱材の粉砕材である泡ガラス粉砕材と、使用済みの発泡スチロールから生成したEPS骨材と、からなり、前記セメント100重量部に対して、前記石炭灰を11〜67重量部、前記泡ガラス粉砕材を25〜65重量部及び前記EPS骨材を10〜30重量部を混練し、微細気泡を全容積の20〜40%混入したことを特徴とするものである。特に、前記石炭灰と前記泡ガラス粉砕材と前記EPS骨材を足し合わせた重量が、セメント系断熱材の全重量の30〜65重量%となるように配合するのが好ましい。
また、前記セメントとして廃棄物の焼却灰を主原料として製造したエコセメントを使用することができる。
さらに、微細気泡を全容積の20〜40容積%混入するのが好ましい。
【0007】
また、本発明は、防液堤の補修方法であって、セメントと、石炭燃焼施設より排出される石炭灰と、防液堤から撤去した泡ガラス系断熱材を粉砕した泡ガラス粉砕材と使用済みの発泡スチロールから生成したEPS骨材と、を用い、前記セメント100重量部に対して、前記石炭灰を11〜67重量部、前記泡ガラス粉砕材を25〜65重量部及び前記EPS骨材を10〜30重量部を混練し、微細気泡を全容積の20〜40%混入して製造したセメント系断熱材を、防液堤の断熱材として使用することを特徴とするものである。
また、前記セメントとして廃棄物の焼却灰を主原料として製造したエコセメントを使用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
<イ>セメント系断熱材
セメントと、石炭燃焼施設より排出される石炭灰と、使用済みの発泡スチロールから生成したEPS骨材(発泡スチロール骨材)を主成分とする。また、必要に応じて使用済みの泡ガラス系断熱材の粉砕材である泡ガラス粉砕材を混入する。
本発明のセメント系断熱材の特徴は、従来の再生したEPS骨材を有効利用した断熱材の配合を基に説明すると、EPS骨材の一部を後述する泡ガラス粉砕材に置き換え、セメントの一部を石炭灰に置き換えた点にある(図1参照)。以下、セメント系断熱材を構成する各材料について説明する。
【0010】
<ロ>セメント
セメントは、公知の普通ポルトランドセメント、エコセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、低発熱型セメントなどが使用できる。
ここで、エコセメントとは、都市ゴミなどの廃棄物を焼却した灰を主原料に製造したセメントをいう。エコセメントは、都市部などで発生する廃棄物のうち主たる廃棄物である都市ごみを焼却した際に発生する焼却灰を主とし、必要に応じて下水汚泥などの廃棄物を従としてエコセメントクリンカーの主原料に用いて製造される資源リサイクル型のセメントの一種である。ゴミを資源として有効利用する有力な方法として注目されている。
【0011】
<ハ>石炭灰
石炭灰は、火力発電所などの石炭燃焼施設において燃料炭を燃焼することによって大量に発生する燃焼灰である。
石炭灰の中でも、微粉炭を燃焼する際の発煙中から集塵機で捕集した微粉末は、フライアッシュとしてセメントと置換することができる。フライアッシュをポルトランドセメントに混合したものが公知のフライアッシュセメントであり、強度の発現性がよい、乾燥収縮が小さい、水和熱が低い、化学抵抗性が強いなどの利点を有する。
また、フライアッシュの比重は、一般に2.2〜2.6程度とポルトランドセメントの比重(3.15程度)に比べて小さいので、ポルトランドセメントと置換することで、使用した断熱材の見掛けの比重を小さくすることが可能となり、断熱性能を改善できる利点を有する。
【0012】
<ニ>泡ガラス粉砕材
泡ガラス粉砕材は、使用済みの泡ガラス系断熱材を粉砕して製造する。
泡ガラスは、ガラス原料粉末に発泡剤を混合して成形し、得られた成形体を所定の温度に焼成することによって製造する。泡ガラスのガラス原料には、板ガラスやガラス瓶を粉砕した再利用品が使用できる。また、発泡剤には、炭素、ドロマイト、窒化ホウ素、石灰石粉等が使用できる。
こうして製造される泡ガラスは、その多孔質の構造により、優れた耐熱性、吸音性を発揮するため、建設用の泡ガラス系断熱材として使用される。低温液化ガス貯蔵槽施設の周囲に構築する防液堤の内面には、従来からこの泡ガラス系断熱材が使用されている。このため、泡ガラス粉砕材の原料となる使用済みの泡ガラス系断熱材は、防液堤の補修時には容易に得ることができるうえに、産業廃棄物として使用済みの泡ガラス系断熱材を処理する必要をなくす、又は削減することができる。
セメント系断熱材に泡ガラス粉砕材を混入することで強度を改善することができる。
泡ガラス粉砕材として、劣化したセローム(商品名)の粉砕品等を使用することができる。
【0013】
<ホ>EPS骨材
EPS骨材は、粉砕した発泡スチロールから製造する破砕粒子である。
例えば使用済みの発泡スチロールを15mm以下の大きさに粉砕し、その表面に遠赤外線を照射したり、温風を当てたりして、粒子の外形を整形したり、強度を向上させたりする。
【0014】
<ヘ>気泡
本発明のセメント系断熱材には、所要の量の微細な気泡を混入させる。
泡ガラス粉砕材の吸水率が大きい影響や、石炭灰の品質変動の影響によって、練り上りのセメント系断熱材のワーカビリティ(練り上り時のスランプ)が大きく変動する。この問題を解決するために、本発明においては微細な気泡をセメント系断熱材の全容積の20〜40容積%程度、混入する。こうすることで施工性が確保できるとともに使用材料の品質変動による影響を低減し、セメント系断熱材の品質安定性を確保することが可能となる。
また、泡ガラス粉砕材の混入によってセメント系断熱材の比重が大きくなることを、微細な気泡を混入することで調整することができる。
【0015】
<ト>添加剤
セメント系断熱材には、上記した材料に加えて必要に応じて添加剤を添加する。
添加剤には、公知の起泡剤、安定剤、コンクリート減水剤などがある。
起泡剤は気泡の作用により充填性を改善したり、重量を調整したりする添加剤であり、コンクリートの混和剤として使用される公知の材料が使用できる。例えば、アルキルオレフィンスルホン酸塩系起泡剤、アニオン系、ノニオン系又は蛋白系の起泡剤等が使用できる。
安定剤は、水に分散又は溶解し、あるいは吸水に粘性を高め、断熱材に使用する材料が混練後に分離することを抑制し、均一性を保つことが可能な公知の材料が使用できる。例えば、ホルマイト鉱物の水砕粉末、ベントナイト、カオリン等の無機系増粘材、メチルセルロース等のセルロース誘導体その他各種の合成高分子化合物や吸水性ポリマー等が使用できる。
コンクリート減水剤は、セメント粒子を分散させることにより、コンクリート等の所要のワーカビリティを得るのに必要な単位水量を減らすことが可能な公知の混和剤である。減水剤にはAE減水剤のように空気(気泡)連行効果を有するものがある。減水剤としては、アルキルナフタリンスルホン酸塩、メラミンのスルホン化結合物塩などのアニオン系減水剤、あるいはポリカルボン酸塩に代表されるノニオン系減水剤等が使用できる。
【0016】
【実施例】
<イ>配合の基本的な考え方
従来のEPS骨材を使用した断熱材の配合の基本的な考え方は、単位体積中に可能な限りEPS骨材を充填し、残りの空間をセメントペーストと微細気泡で補い固化体とするというものである。
これを踏まえて本発明のセメント系断熱材の配合を検討する。上述したように粉体であり潜在的水硬性を有するフライアッシュ(石炭灰の実施例)はセメントの一部と置換でき、固体であり断熱性能の改善がある程度期待できる劣化した泡ガラス粉砕材(例えばセローム粉砕品)はEPS骨材の一部と置換できる。
【0017】
配合を検討するにあたり、泡ガラス粉砕材とフライアッシュの基本物性を考慮すると、EPS骨材を泡ガラス粉砕材に置換する場合と、セメントをフライアッシュに置換する場合とで、出来上がるセメント系断熱材の物性値は大略、図2に示すような影響を受ける。
すなわち、同一配合条件(水・粉体比、気泡量が同じ)のもと、EPS骨材より密度が大きく粒径の小さい泡ガラス粉砕材の置換率を上げていくと、スランプは小さく、密度は大きく、強度は大きく、熱伝導率は大きくなる傾向を示すと考えられる。一方、セメントより密度が小さく粒径の小さいフライアッシュの置換率を上げていくと、スランプは小さく、密度は小さく、強度は小さく、熱伝導率は小さくなる傾向を示すと考えられる。
【0018】
<ロ>配合選定
今回、配合選定用に実験をおこなった配合ケースを表1に示す。なお、配合を検討するにあたってのセメント系断熱材の特性の目標値は、熱伝導率0.10〜0.12(kcal/mh℃)、絶乾密度0.50〜0.70(g/cm3)程度(練り上り密度で0.60〜0.80(g/cm3))、圧縮強度2〜3(N/mm2)以上、スランプ10〜15(cm)程度以上とする。
【0019】
【表1】
Figure 0004225798
【0020】
表1に示した配合により練り上げたセメント系断熱材の測定結果を表2に示す。なお、表2中のFAは単位体積あたりに含まれるフライアッシュの重量を、Cは単位体積あたりに含まれるセメントの重量を示す。
【0021】
【表2】
Figure 0004225798
【0022】
<ハ>フライアッシュの置換量に関する考察
図3にフライアッシュの置換率と、練り上りのスランプとの関係を示す。
図3においては、フライアッシュ置換率が増加するのに伴いスランプが低下する傾向がみられる。特に、泡ガラス粉砕材置換率がゼロの場合(図3(a))には、40%を超えるとスランプの低下が顕著になる。また、フライアッシュ置換率が50%の場合(配合No.5,9)は、打設翌日に型枠を撤去する際に供試体の一部が壊れる状況であった。
これらの練り上りの性状や強度発現性から考えると、フライアッシュの置換率は40%程度までが上限と考えられる。
【0023】
<ニ>泡ガラス粉砕材の置換量に関する考察
図4(a)に泡ガラス粉砕材置換率と練り上り密度の関係を示した。この図から密度の大きい泡ガラス粉砕材の置換量が30容積%を超えると練り上り密度が急激に大きくなることがわかる。密度が大きくなると断熱性能が低下するため断熱材の特性としては好ましくない。
また、図4(b)には、練り上り密度と気泡量の関係を示した。ここで、EPS骨材のみを使用した配合No.1〜5を黒丸(●)で記し、泡ガラス粉砕材を混入した配合No.6〜12を白丸(○)で記した。この図から、まず、今回目標とした練り上り密度0.6〜0.8(g/cm3)を満足させるには、全般的に見て気泡量を20〜50%程度の範囲で設定する必要があることがわかる。特に、EPS骨材の一部を泡ガラス粉砕材で置換すると固体部分の質量が重くなり、同程度の密度を確保するにはEPS骨材のみを使用した場合より多くの気泡が必要となることがわかる。従って、同程度の密度のセメント系断熱材では、相対的に強度は低めとなる傾向にある。
一方、図5に示した気泡量と圧縮強度の関係から、材齢28日時点で目標の2.0〜3.0(N/mm2)以上の圧縮強度を確保するには、気泡量を40容積%程度以下に抑える必要があることがわかる。
以上の結果より、気泡量を40容積%程度以下に抑えたうえで、泡ガラス粉砕材の置換量の上限を30%とするのが妥当と思われる。
【0024】
<ホ>選択された配合
以上の検討結果より、本発明のセメント系断熱材として好ましいと考えられる配合を選択した結果を表3に示す。表3は、上段に単位量(kg/m3)を、下段にセメントの重量を100重量部としたセメントの重量との比を示した。また、配合No. Eには、エコセメントを使用した。
【0025】
【表3】
Figure 0004225798
【0026】
表3に示した配合により製造したセメント系断熱材の特性を表4に示す。なお、比較のために従来品の特性も記載した。
【0027】
【表4】
Figure 0004225798
【0028】
表4に示すように、圧縮強度が同程度の従来品1のセメント系断熱材と比較して、同程度の熱伝導率を確保していることがわかる。また、絶乾密度が同程度の従来品2と比較して、熱伝導率が約50%と小さくなり、断熱性能に優れていることがわかる。このように、主材料に再生材を利用しても、充分に使用可能なセメント系断熱材とすることができる。
従って、表3の配合から、セメント100重量部に対して、石炭灰を11〜67重量部、泡ガラス粉砕材を25〜65重量部及び前記EPS骨材を10〜30重量部を混練したセメント系断熱材が好ましい配合であるといえる。
また、表3の石炭灰と泡ガラス粉砕材とEPS骨材を足し合わせた重量は、セメント系断熱材の全重量の30〜65重量%となり、従来廃棄物とされていたものを原料として有効に再利用しているといえる。
【0029】
【発明の効果】
本発明のセメント系断熱材及び防液堤の補修方法は、以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>石炭灰や泡ガラス系断熱材の撤去屑などの従来産業廃棄物として処理されていたものを、原料として多量に使用できる。このため、排出される廃棄物の総量を削減することができる。
<ロ>微細な気泡を全容積の20〜40容積%混入することで、再利用品の品質に影響を受けにくく、安定した品質を確保できるセメント系断熱材とすることができる。
<ハ>泡ガラス粉砕材を混入することで所定の強度を確保できる。また、セメント系断熱材の比重は気泡の混入量によって調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセメント系断熱材の配合の基本的な考え方の説明図
【図2】セメント系断熱材の物性値の大略を示す説明図
【図3】(a)泡ガラス粉砕材置換率が0容積%の配合におけるフライアッシュ置換率とスランプとの関係図(b)泡ガラス粉砕材置換率が30容積%の配合におけるフライアッシュ置換率とスランプとの関係図
【図4】(a)ライアッシュ置換率10重量%の配合における泡ガラス粉砕材置換率と練り上り密度の関係図(b)練り上り密度と気泡量の関係図
【図5】気泡量と圧縮強度の関係図

Claims (4)

  1. セメントと、
    石炭燃焼施設より排出される石炭灰と、
    使用済みの泡ガラス系断熱材の粉砕材である泡ガラス粉砕材と、
    使用済みの発泡スチロールから生成したEPS骨材と、からなり、
    前記セメント100重量部に対して、前記石炭灰を11〜67重量部、前記泡ガラス粉砕材を25〜65重量部及び前記EPS骨材を10〜30重量部を混練し、微細気泡を全容積の20〜40%混入したことを特徴とする、
    セメント系断熱材。
  2. 前記セメントとして廃棄物の焼却灰を主原料として製造したエコセメントを使用することを特徴とする、請求項1記載のセメント系断熱材。
  3. 防液堤の補修方法であって、
    セメントと、
    石炭燃焼施設より排出される石炭灰と、
    防液堤から撤去した泡ガラス系断熱材を粉砕した泡ガラス粉砕材と
    使用済みの発泡スチロールから生成したEPS骨材と、を用い、
    前記セメント100重量部に対して、前記石炭灰を11〜67重量部、前記泡ガラス粉砕材を25〜65重量部及び前記EPS骨材を10〜30重量部を混練し、微細気泡を全容積の20〜40%混入して製造したセメント系断熱材を、防液堤の断熱材として使用することを特徴とする、
    防液堤の補修方法。
  4. 前記セメントとして廃棄物の焼却灰を主原料として製造したエコセメントを使用することを特徴とする、請求項3記載の、防液堤の補修方法。
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