JP4221529B2 - ディスクの記録及び/又は再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数枚のディスクを収容して記録・再生を行なうディスクの記録及び/又は再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
音声を再生する目的で車両に搭載されるディスクの記録及び/又は再生装置としては、ディスクプレーヤがある。このディスクプレーヤは、複数枚のCD(コンパクトディスク)をマガジンに収納し、マガジン単位でまとめて複数枚のCDを一度に交換する方式になっている。このため、大形化するので本体部分をトランク内に収容する一方、車室内には操作に必要な部分のみが設置されている。しかし、車両の走行中にCDを交換することはできず、停車してトランクを開けて行なうことが必要になり、面倒である。
【0003】
このため、近年では車室内に収容する車載用のディスクプレーヤが開発されている。車載用のディスクプレーヤは複数枚のCDを収容できるものが要求されており、車室内のインダッシュの定められた空間に収容される。従って、車載用のディスクプレーヤを小形化することが重要な課題となっている。
【0004】
この車載用のディスクプレーヤとしては、例えば1DINサイズ等と呼ばれる一定の寸法の枠体(シャーシ)内にCDを個別に載せるトレイを例えば6枚重ねてディスク収納部を構成し、6枚のCDは個別に挿入と排出とが可能であって、6枚のCDのうちの一枚を順次に選択して再生できるように構成されている。
【0005】
ディスク収納部におけるトレイ上へのディスクの挿入と排出とを行うためには、一対のローラ間に挟んでディスクを移送することが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一対のローラによりディスクを移送する場合は、ディスクの後端がローラから離れる位置までは移送できるが、トレイ上の決められた位置まで移送して正確に位置決めすることはできない。
【0007】
そこで本発明は、斯かる課題を解決したディスクの記録及び/又は再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するための請求項1に係るディスクの記録及び/又は再生装置の構成は、枠体の外部から該枠体の内部に設けられたディスク収納部へディスクを挿入・排出するための移送手段が設けられ、前記移送手段により前記枠体の内部へ挿入されたディスクを前記ディスク収納部へ押し込む押込手段が設けられ、該押込手段は、前記移送手段と前記ディスク収納部との間に設けられて相互に接近する方向へ付勢された一対のスライド台と、該一対のスライド台の夫々に回転自在に支持された一対のローラとを備え、該一対のローラどうしが最も接近した位置で、該一対のローラに当接するディスクが位置決めされるィスクの記録及び/又は再生装置において、
ディスクの位置決めを行う少なくとも一対の位置決めピンが枠体の反移送手段側に設けられる一方、枠体の移送手段側にはディスクの位置決めを行う少なくとも一本の位置決めピンが設けられ、該移送手段側の位置決めピンはディスクの挿脱高さ位置と対応する移動エリアの部分が除去され、該移動エリアに位置するディスクの移送手段側は前記一対のローラにより位置決めされることを特徴とし、
請求項に係るディスクの記録及び/又は再生装置の構成は、請求項において、前記ローラの両端にテーパ部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるディスクの記録及び/又は再生装置の実施の形態を説明する。
【0010】
この実施の形態は、音声を再生するディスクプレーヤに本発明を適用したものである。
(A)ディスクプレーヤの構造の全体構成
図1〜図20に示すように、ディスクプレーヤは大きく分けて外観形状を形成する枠体1と、枠体1内の前面側に配置されるとともにCDを収納するディスク収納部3と、枠体1の前面板1aの挿脱口4に設けられるとともに、ディスク収納部3内へCDを挿入したり排出したりするための移送手段5と、移送手段5の前面側に設けられるとともに前面板1aの挿脱口4を開閉する開閉手段6と、枠体1内の背面側に配置されるとともにディスク収納部3内のCDのうちのいずれか一枚を選択して再生する再生手段7と、ディスク収納部3の背面側の左右に設けられるとともに排出しようとするCDを移送手段5へ向かって押し出す押出手段8と、枠体1の左右の側板1b,1cの外側に主として設けられるとともに、ディスク収納部3や再生手段7等を操作するための操作手段9とで構成される。
【0011】
前記の再生手段7は、昇降するピックアップ昇降台10の両側に配置されるとともにディスク収納部3内の複数のCDのうちの選択されたCDの上下に空間を形成するための制御手段11と、ピックアップ昇降台10の上に回動自在に設けられた下アーム13と上アーム12とによって構成されるとともに前記空間に入り込んで選択されたCDを挟持する挟持手段14と、前記下アーム13に取り付けられるとともに挟持したCDを回転駆動するディスク駆動手段15と、前記下アーム13に設けられるとともに回転するCDから情報を読み取るピックアップユニット16と、CDを挿脱するための状態である挿脱モードとCDを再生するための状態である再生モードとのうちの再生モードのときにのみ前記移送手段5の駆動力を挟持手段14へ伝えて回動させる回動力供給手段17と、挟持手段14がCDを挟持する時期を設定する規制手段18とで構成されている。
(B)枠体
まず、枠体1について説明する。枠体1は前面板1aと側板1b,1cと天井板1dと底板1eとで構成され、背面は開放されている。そして、側板1b,1cと底板1eとは一体化されている。
(C)ディスク収納部
図3(a)に示すように、ディスク収納部3はディスク載置手段としての6枚のトレイ2と6枚のトレイ2を載せたディスク昇降台22とによって構成されており、枠体1内の前面側には支持手段として鉛直方向に沿う4本のガイド支柱23の両端が底板1e,天井板1dに結合して支持されている。
【0012】
トレイ2は図4に示すように薄いアルミ板2aの両側の上面にガイド部材としての樹脂2bを貼着して形成されている。夫々の樹脂2bの中間部と背面側には側方へ突出する一対のピン2c,2dが形成されており、前面側のものは長く、背面側のものは短い。樹脂2bの高さはCDの厚さと略同一の高さに設定されている。
【0013】
樹脂2bの上面にはアルミ板2aとの間にCDを挟むためのバネ手段としての板バネ2eの前面側が固着されている。図5に示すように、板バネ2eの背面側の内側にはCDを押える押え部2fが形成される一方、中間部の外側には後述する分離カム82の下面によって下方へ押さえられる受け部2gと、後述する上段嵌入部82jの下面によって上方へ向かう力を受ける受け部2hとが形成されている。板バネ2eにおける押え部2fの部分の構成を説明する。押え部2fは他の部分よりも少し高くなるように曲げて形成されており、CDの上面に当接する部分には下方へ突出する畝状突出部2mが形成されている。トレイ2の上へCDが押し込まれる際に、CDが押え部2fの下方へ案内されるようにするガイド部2nが押え部2fの内側の傾斜した部分に立ち上がるように形成されている。CDの中心はCDが当接する一対の樹脂2bの背面内側の一対の位置決め部2rによって決定されるが、図6のように何らかの原因により板バネ2eの背面側が持ち上げられてCDが樹脂2bの上に載ると、図6の左方へCD171が移動可能となって、CD171の位置決めがされなくなってしまう。このため、板バネ2eの背面側が樹脂2eの背面側の端面の位置で下方へ向かって折り曲げられて補助位置決め部2pを構成している。この補助位置決め部2pから背面側へ突出するようにしてCDに当接する当接部2qが形成され、板バネ2eによってCDが傷付かないようにR部を構成している。
【0014】
夫々の樹脂2bの前面側及び背面側には、前記ガイド支柱23を挿通するためのガイド孔2iが樹脂2b及びアルミ板2aを貫通して形成されている。アルミ板2aの両面におけるCDの外周面近傍が当接する部分には円弧に沿って図示しない緩衝材が貼着されている。最上段のトレイ2における樹脂2bの両端には、図3(a)にも示すように天井板1dと最上段のトレイ2との間に設ける付勢手段としてのコイルバネ24を受けるための円筒形のバネ受け2jが一体的に形成され、図3(b)に示すようにバネ受け2jの下端が内側へ少し突出して受け部2kが形成され、受け部2kでコイルバネ24の下端を受けるようになっている。これは、長いバネを用いることによって圧縮長さが大きくなっても圧縮に要する荷重があまり大きくならないようにするために設けられている。
【0015】
一方、ディスク昇降台22は、左右端を上方へ屈曲させた形状に形成されている。水平な部分には前記ガイド支柱23を挿通するためのガイド孔22aが形成され、左右の鉛直な部分の外側にはディスク昇降台22を昇降させるための一対のピン22bが水平方向へ突出させて固着されている。これらの一対のピン22bは、枠体1の側板1b,1cに夫々形成された2本の鉛直スリット25に挿通されて枠体1の外へ突出している。
【0016】
前記ディスク昇降台22と6枚のトレイ2とが、これらのガイド孔22a,2iにガイド支柱23を挿通させることで昇降自在に支持されている。そして、枠体1の天井板1d,底板1eには4本のバネガイド26の上端,下端が固着され、夫々のバネガイド26はバネ受け2jに挿通されている。そして、バネガイド26を囲繞するようにして設けられた付勢手段としてのコイルバネ24の下端がバネ受け2jの下端の前記受け部2kに当接している。
(D)移送手段
図2に示すように、移送手段5は、枠体1の前面板1aに設けられている。前面板1aには挿脱口4が形成されている。挿脱口4には駆動軸30と従動軸31とが回転自在に支持されている。駆動軸30の両端は回転自在に前面板1aに取り付けられている。従動軸31の両端は前面板1aの側面に鉛直方向へ長く形成された長孔32に挿通されている。駆動軸30,従動軸31の中間部を支持するため、図7に示すように下方への移動が拘束された樹脂軸受33の背面側の溝33aに駆動軸30の中間部の小径部が回転自在に嵌め込まれる一方、図示しない一対のガイド突起と一対のガイド溝とを介して昇降自在な樹脂軸受34の背面側の溝34aに従動軸31の中間部の小径部が回転自在に嵌め込まれている。従動軸31には樹脂からなる一対のローラ35が取り付けられ、駆動軸30にはゴムからなる一対のローラ36が取り付けられ、いずれも図示しない止め輪により軸心方向へのスライドが拘束されている。
【0017】
従動軸31と駆動軸30との間には、従動軸31を駆動軸30へ向かって付勢するためのバネ38が設けられている。バネ38は一対のローラ35,36の外側であって側板1b,側板1cの内側に一対設けられる。図10に示すように、このバネ38は一対のバネ片38aにより形成されている。バネ片38aはねじりコイル部38bと駆動軸30を挿入するための掛け部38cと、従動軸31に掛けるための掛け部38dとで形成されており、掛け部38dどうしを一体化して一対のバネ片38aを一体に形成する事により、バネ38が傾くことなく安定して装着される。なお、掛け部38cと駆動軸30との間および掛け部38dと従動軸31との間にスリーブを介在させてもよい。
【0018】
前記駆動軸30を駆動するための手段について説明する。図8に示すように、駆動軸30の右端には歯車39が固着され、右側板1cの内側には歯車40と、歯車41と、相互に一体化した歯車42,43が回転自在に支持されている。底板1eの上には歯車43に噛み合うウォーム44と歯車45とが一体となって回転自在に支持され、底板1eに取り付けた移送用モータ46の出力軸に固着したウォーム47が歯車45と噛み合っている。
【0019】
ローラ35,36によるCDの挿入が完了したのちに更に数ミリメートルだけCDを押し込む操作が自動的に行なわれるようにするため、図7に示すように押込手段48が設けられている。前面板1aにおける挿脱口4の上下には三対の長孔状のガイド孔49,50,51が水平方向に沿って形成されている。前面板1aの背面側の左右には一対のスライド台52が設けられ、スライド台52に固着された3本のガイドピン53,54,55が前記ガイド孔49,50,51に抜取不可能に挿通されている。夫々のスライド台52における背面側には鉛直軸56を介して押込部材としての樹脂製の縦ローラ57が回転自在に支持されている。一対のスライド台52を相互に接近する方向へ付勢するため、前面板1aに形成されたバネ掛部58とスライド台52に形成されたバネ掛部59との間には押込バネ60が設けられている。
【0020】
前記一対の縦ローラ57は、押込手段48として作用するだけでなく、CDの位置決め手段としても作用する。図11(b)に示すように底板1eと天井板1dとの間には背面側に2本の位置決めロッド172,173が設けられる一方、前面側には図7もに示すように底板1eに立設された位置決めロッド61a,62aと位置決めロッド61a,62aの延長線上に配置された位置決めロッド61b,62bが設けられ、円周方向での4個所でCDの位置決めがなされる。
【0021】
一方、CDを挿脱する為に位置決めロッド61a,62aと位置決めロッド61b,62bとの間の挿脱高さ位置にディスクの移動エリアが形成され、移動エリアに位置するCDは、これらの位置決めロッドにより位置決めされないことになる。このため、一対の縦ローラ57が位置決めロッドの作用を代理することになる。ディスク昇降台22と共にCDは上下動する為、CDが縦ローラ57の上下の端面に干渉しないように、図12に示すように縦ローラ57の上下端にはテーパ面57aが形成されている。
(E)開閉手段
前面板1aの挿脱口4を開閉する開閉手段6について説明する。図2に示すように前面板1aの前面側にはシャッタ64が昇降自在に設けられている。シャッタ64にはCDを通過させるための開口部64aが形成され、シャッタ64が上昇すると開口部64aの中間高さ位置がローラ35,36の境界位置(以下、挿脱高さ位置という)を占めて「開」になる一方、シャッタ64が下降すると「閉」になる。
【0022】
即ち、前面板1aの左右には上下で一対のガイドピン65が立設される一方、シャッタ64には鉛直方向へ長い一対のガイド孔64bが形成され、ガイド孔64bに挿通されたガイドピン65の先端には止め輪が嵌合されている。シャッタ64が上昇して「開」になったときにのみ一対のスライド台52の間隔が大きくなり得るようにするため、中央近傍の一対の前記ガイドピン54が他のガイドピン53,55よりも長く設定され、ガイドピン54を挿通するためのL字形のガイド孔64cがシャッタ64に形成されている。
【0023】
次に、シャッタ64を開閉するためのリンク機構について説明する。断面形状が略L字形の左右スライド板66の前面及び下面に左右方向へ長いガイド孔66aが形成される一方、当該ガイド孔66aへ挿通されたガイドピン67が前面板1a,底板1eに固着されている。シャッタ64の両側の下部にはカム孔64eが形成される一方、左右スライド板66の前面側の両端にはスライドピン66bが固着され、スライドピン66bがカム孔64eに挿通されている。左右スライド板66の下面と底面1eの下面とには図26(b)に示すように下方へ突出するバネ掛部66c,68が形成され、両者間には復帰バネ69が掛けられている。底板1eの左下面には前後方向へスライド自在に前後スライド板70が設けられている。即ち、前後スライド板70に一対のガイド孔70aが形成される一方、ガイド孔70aに挿通した図示しない頭付ピンが底板1eに固着されている。略L字形のレバー72の屈曲部が図7のように固定軸73を介して回動自在に底板1eの下面に取り付けられ、レバー72の先端には長孔72a,72aが夫々形成されている。そして、左右スライド板66,前後スライド板70に固着されたピン66d,70bが長孔72a,72aに遊嵌されている。前後スライド板70には後述する外スライダ140によって押圧される被押圧部70cが形成されている。
(F)再生手段
再生手段7は、ディスクプレーヤの奥行寸法をできるだけ小さくするため、ディスク収納部3の背後に接近して配置されている。再生手段7における挟持手段14は図2に示すようにピックアップ昇降台10の上に搭載されているので、最初にピックアップ昇降台10について説明する。
【0024】
ピックアップ昇降台10は水平板とその両側の鉛直板とを一体に形成したものであり、水平板の前面側にはCDがはい入り込むように円弧状の切欠部10aが形成されている。夫々の鉛直板にはピックアップ昇降台10を昇降させるための一対のピン77が水平方向へ突出させて固着されている。一対のピン77は同一高さに配置され、前記ディスク昇降台22の一対のピン22bよりも短くなっている。これらのピン77は、枠体1の側板1b,1cに形成された一対の鉛直スリット78に挿通されて枠体1の外へ突出している。
【0025】
▲1▼制御手段
図2に示すように、ピックアップ昇降台10における両側の鉛直板の内側には、上下方向へ重なり合うトレイ2の間へ挿入して選択されたCD(以下、単に選択CDという)の上下に空間を形成したり、ディスクの挿入・排出とディスクの支持とを制御する制御手段11として、樹脂からなる分離カム82が前後方向へスライド自在に設けられている。即ち、ピックアップ昇降台10における鉛直板の前面側上部にガイド孔10eが形成されるとともにガイド孔10eに挿通された頭付ガイドピン82aが分離カム82に固着される一方、図3(a)に示すように分離カム82の下部にガイド孔82bが形成されるとともにガイド孔82bに挿通された図2の頭付ガイドピン10bが鉛直板の前後方向での中間位置に固着されている。
【0026】
分離カム82は前記トレイ2へ向かって挿入し、トレイ2における両側の4本のピン2c,2dを押し上げることによってトレイ2を安定して支持しかつ再生するCDが載ったトレイ2の上下に空間を形成するものである。分離カム82は、前後方向の長さの異なる2枚の板にスリットを形成して貼り合せたような形状になっており、分離カム82をトレイ2の両側へ滑り込ませることにより、前面側はトレイ2の一対の長いピン2cを上動させ、背面側は一対の短いピン2dを上動させるように構成されている。
【0027】
即ち、図30のように構成されている。選択されたCDを載せる選択トレイ2及びこれより上方のトレイ2を上動させるために一対の第一分離制御部82c1,82c1が形成され、夫々の第一分離制御部82c1の上方には選択トレイ2よりも上方のトレイ2だけを上動させるための第二分離制御部82c2,82c2が形成されている。そして、第一分離制御部82c1と第二分離制御部82c2との間には選択トレイ2のみを保持する第三分離制御部82dが夫々形成され、第一分離制御部82c1と第二分離制御部82c2と第三分離制御部82dとで分離制御部を構成している。選択トレイ2よりも上方のトレイ2のピン2c,2dの位置を保持する上面82fと、選択トレイ2よりも下方のトレイ2のピン2c,2dの位置を保持しかつ板バネ2eの受け部2gを押さえ込む位置制限手段としての下面82hとが分離カム82の移動方向に沿って形成されている。
【0028】
選択トレイ2及び選択トレイ2より上のトレイ2のピン2c,2dは第一,第二分離制御部82c1,82c2の前進によって押し上げられるため、本来は例えばθ=45゜等の一定の値に設定される。しかし、ここではコイルバネ24を圧縮しながらトレイ2が上昇することになり、トレイ2の位置が高くなるほどコイルバネ24の圧縮量が大きくなってトレイ2を押し上げる際に加わる負荷が大きくなる。換言すればコイルバネ24の圧縮の初期の段階では負荷が小さい。このため、図30(a)に示すように第一,第二分離制御部82c1,82c2の上部は例えばθ1=45゜とする一方、下部は例えばθ2=60゜とし、両者の中間部を弧状の面により形成することで負荷が一定になるようにしている。
【0029】
次に第三分離制御部82d,82dについて説明する。第三分離制御部82d,82dは、上段嵌入部82j,82jと、降下制御部としての中段嵌入部82k,82kと、下段嵌入部82m,82mとで構成されている。上段嵌入部82j,82jは選択トレイ2の上下に空間を形成するためのものであり、中段嵌入部82k,82kは選択トレイ2及び選択CDを共に降下させて下アーム13のターンテーブル97上に選択CDを載せるためのものであり、下段嵌入部82m,82mは選択トレイ2のみを再び降下させて選択トレイ2を選択CDから離すためのものである。
【0030】
▲2▼挟持手段
制御手段11により形成された選択CDの上下の空間へ向かって回動させて選択CDを挟持する挟持手段14について説明する。ピックアップ昇降台10の左側には下アーム13と上アーム12との基端部が回動自在に取り付けられている。即ち、以下のようになっている。図14に示すように下アーム13には中空軸86の下端近傍が固着され、この中空軸86の下端がピックアップ昇降台10を回動自在に貫通し、抜け止めのために中空軸86の下端には平座金93と止め輪94とが取り付けられている。そして、上アーム12の基端部には銅合金からなるスリーブ87が貫通して固着され、スリーブ87に中空軸86が挿通されることにより下アーム13に対して上アーム12が平行な状態で、降下して選択CDが挟持されるようになっている。中空軸86の上端には平座金88が挿通されるとともに止め輪が取り付けられており、平座金88とスリーブ87との間には上アーム12を下方へ付勢する挟持バネ89が設けられている。また、中空軸86まわりに下アーム13と上アーム12とが相対的に回動することなく同期して一体的に回動するように、図13に示すように下アーム13に立設した摺動ピン90が上アーム12に形成した孔91に摺動自在に挿通されている。挟持手段14が回動したときに下アーム13上の後述するターンテーブル97とCDとの位置決めの精度を上げるため、ピックアップ昇降台10上の中空軸86の中には底板1eに立設した支柱92が挿通されている。
【0031】
ここで、図15に示すように、挟持手段14は非再生時には寸法Jだけピックアップ昇降台10および枠体1から背面側へ突出している。これは、挟持手段14の取付位置を本来取りつける位置よりも寸法Jだけ図中の左方の背面側へずらしたように見えるが、実際は枠体1を寸法Jの分だけ削除して小さくしたものである。このように枠体1を小さくしたのは以下の理由による。ディスクプレーヤは車室内のインダシュの定められた空間に収容されるため、ディスクプレーヤの奥行き寸法は出来るだけ小さくしたいという要求がある一方で、再生時には車両の走行による振動がディスクプレーヤに伝わらないように、枠体1を緩衝手段としてのバネを介して揺動自在に支持した状態でケース177内に収容するために枠体1とケース177の内壁との間に隙間を設ける必要があるが、非再生時にはこの隙間がなくても問題は生じない。
【0032】
このため、再生時には図41のように挟持手段14がA位置に移動するためにケース177の内壁Kと枠体1との間に隙間Jが生じ、非再生時には図40のように挟持手段14がB位置に戻るために内壁Kと枠体1(実際は挟持手段14のみ)とが当接するように構成されている。即ち、本来は図15において再生時,非再生時を問わず挟持手段14が隠れる内壁Kの位置まで枠体1を形成するため、隙間Mを形成する為には内壁Kの位置よりも外側に内壁Lを形成しなければならなかったが、隙間Jは再生時に存在すれば十分であることから、本来ならば内壁Lの位置に設定されるものが内壁Kの位置であれば足りることになり、寸法Mの分だけケース177を小さくすることができてインダッシュの占有空間を従来より小さくすることができる。
【0033】
▲3▼ディスク駆動手段
下アーム13の先端上面にはディスク駆動手段15が設けられている。即ち、図13に示すようにスピンドルモータ96が取り付けられ、スピンドルモータ96の出力軸にはCDの中央の孔へ嵌まり込むターンテーブル97が取り付けられている。一方、上アーム12の先端近傍には図44に示すように支持板98の一端が固着され、他端には円形の孔が形成されている。そして、樹脂によって形成されるとともに円板の下面に円に沿って畝状の凸部を形成したディスク保持手段としてのチャックプレート99が上方から孔に回転自在に嵌め込まれている。このチャックプレート99は、上アーム12の下面に一端が固着された図示しないバネ板の他端により抜け止めされている。CDはターンテーブル97とチャックプレート99によって保持される。
【0034】
▲4▼ピックアップユニット
下アーム13の上面には、図15のようにピックアップユニット16も搭載されている。ピックアップユニット16の構成を以下に説明する。下アーム13と一体に形成されたガイドレール161を介して光ピックアップ162が下アーム13の長さ方向に沿って移動自在に設けられている。そして、光ピックアップ162をガイドレール161に沿って往復移動させるための手段が設けられている。下アーム13の上面には一対の軸受部材163を介してねじ軸164が回動自在に支持され、光ピックアップ162の図示しないめねじ部がねじ軸164に螺合している。このねじ軸164には前記スリーブ87の近傍に固定した走査用モータ165の出力軸が連動連結されている。即ち、ウォームホイール166とねじ歯車167とを一体化した歯車168が回転自在に支持され、出力軸のウォーム169がウォームホイール166に噛み合う一方、ねじ軸164に取り付けられたねじ歯車170がねじ歯車167に噛み合っている。
【0035】
▲5▼回動力供給手段
前記移送用モータ46の駆動力で挟持手段14を回動させるための回動力供給手段17の構成を以下に説明する。枠体1の左の側板1bの内側には図8のように歯車列103が設けられている。即ち、歯車列103は、歯車103a〜103hによって構成されている。一方、前記駆動軸30の左端にも歯車104が固着されている。左の側板1bの内側には、鉛直方向へ移動自在にプレート105が設けられている。即ち、プレート105の上部には鉛直方向へ長いガイド孔105aが形成され、ガイド孔105aに挿通されたガイドピン106(図38参照)が左の側板1bに固着されてガイドピン106には止め輪が取り付けられている。プレート105の下部と枠体1の底板1eとにはバネ掛け部105b,107が形成され、プレート105を下方へ付勢する復帰バネ108が両者間に設けられている。プレート105には前記歯車103hの軸109(側板1bに固着されている)を挿通する逃げ孔105cが形成されており、軸109にはレバー110の基端部が回動自在に取り付けられている。このレバー110の先端にはレバー110を貫通する移動軸111が固着され、移動軸111には歯車103hと噛み合う歯車112が回転自在に取り付けられている。プレート105における逃げ孔105cの上方にはカム孔105dが形成され、移動軸111の貫通端部がカム孔105dに挿通されている。つまりプレート105を上動させると、カム孔105dが上動し、カム孔105dに挿通されている移動軸111は前面側へ移動することから、移動軸111に取り付けられた歯車112が、駆動軸30の歯車104とも噛み合うことになる。このプレート105を上動させるため、レバー113の中間部がピン114を介して左の側板1bの内側に回動自在に支持され、レバー113の一端がピン115を介して回動自在にプレート105の下部に結合されている。レバー113の他端はディスク昇降台22のピン22bが挿通される左の側板1bの一対のガイド孔25の前面側のものの下部に臨んでいる。つまり、ディスク昇降台22が最下位置にきて再生モードになると、ピン22bがレバー113の他端を下方へ押して歯車112が歯車104と噛み合う。
【0036】
次に、歯車列103の最上部の歯車103aと挟持手段14の下アーム13とが以下のようにして連動連結されている。図2に示すように前後方向へ長い鉛直部と鉛直部の背面側に一体に形成された水平部とからなるスライドバー116が設けられている。スライドバー116における鉛直部の両端近傍には一対のガイド孔116aが形成され、図7のように一対のガイド孔116aに挿通された一対のガイドピン117が左の側板1bの内側に固着されるとともに止め輪が取り付けられている。このようにして前後方向へスライド自在なスライドバー116における前面側の下部にはラック116bが形成されて前記歯車103aと噛み合う一方、背面側の水平部の先端には下方へ突出する係合ピン116cの上端が固着されている。この係合ピン116cは、図13のように前記下アーム13の基端部に一体に形成されるとともに上アーム12の高さまで延長した水平部の長孔13aに遊嵌されている。この長孔13aは図15のようにスリーブ87の軸心を通りかつスリーブ87と直角な半径方向の直線に沿って長く形成されている。
【0037】
▲6▼アームの位置決め手段
ディスクプレーヤには、ディスク収納部3内にCDを挿入したり排出したりする挿脱モードの状態と、CDを再生する再生モードの状態との2つの操作状態があり、前者の場合は挟持手段14は図40のようにB位置を占め、後者の場合は図41のようにA位置を占める。B位置とA位置との間での挟持手段14の回動は前記のように回動力供給手段17を介して行なわれる。しかし、選択CDと下アーム13上のターンテーブル97との位置決めを高精度に行なう必要があるので、図17の位置決め手段118が設けられている。
【0038】
位置決め手段118の構造を以下に説明する。図15,17に示すように下アーム13における中空軸86の近傍には、下方へ向かって突出する位置決めピン119の上端が固着されている。一方、挟持手段14が回動するときに位置決めピン119が移動する範囲と対応する部分のピックアップ昇降台10には円弧孔10cが形成され、円弧孔10cに位置決めピン119が遊嵌されている。ピックアップ昇降台10には下方へ突出してバネ掛け部10dが形成され、バネ掛け部10dと位置決めピン119との間にはトグルバネ120の両端が掛けられている。挟持手段14がB,A位置を占めるときに位置決めピン119が占める位置をb,a位置とすると、b,aの中間点であるc位置が位置決めピン119の運動の方向が変わる変曲点であり、c位置と対応する位置に前記バネ掛け部10dが配置されている。
【0039】
▲7▼アームロック手段
走行する車両の振動によりCDの非再生時に再生手段7を構成する挟持手段14が収納状態である図13のB位置からとび出すおそれがある。このため、挟持手段14をB位置でロックするアームロック手段が設けられている。アームロック手段は以下のように構成されている。図に示すように下アーム13の先端はピックアップ昇降台10の円弧状の切欠部10aに沿って長くなっており、その先端には上方へ向かって立ちあがる係合部13bが形成されている。
【0040】
一方、係合部13bに当接して下アーム13をロックするロック部材174が設けられている。図19に示すように、ロック部材174に形成された長孔174aに一対の頭付きピン175を挿入してピックアップ昇降台10に結合する事により、ロック部材174が分離カム82のスライド方向と直角な左右方向へスライド自在に設けられている。ロック部材174には、係合部13bに当接するロック部174bとバネ掛け部174cとが形成され、ロック部が係合部13bから離れる方向へ付勢する復帰手段としてのバネ176がバネ掛け部174cとピックアップ昇降台10上のバネ掛け部10fとの間に設けられている。又、バネ176の付勢力に抗してロック部174bを係合部13bへ向かって押出す機構が設けられている。ロック部材174を駆動する駆動手段として、制御手段11としての分離カム82が用いられている。ロック部材174における分離カム82と対向する部分にはテーパ部174dと摺動部174eとが「く」の字形に立ちあげて形成されている。一方、一対の分離カム82のうちの図2の右側のものにはテーパ部174dと摺動部174eとが入り込む凹部82tが形成され、凹部82tの内壁にはテーパー面82uが形成されている。
【0041】
▲8▼CDの位置決め手段
枠体1に対するCDの位置決めは、前記のように円周方向での4個所に配置した図11の位置決めピンによって行われる。一方、ターンテーブル97に対するCDの位置決めとして、図13のようにターンテーブル97の取り付けられた下アーム13における基端部側の立ち上がり部に、ピックアップ昇降台10の水平面と略直角に、CD位置決め手段としてのCD位置決め部13cが形成されている。図16に示すようにターンテーブル97に形成された円錐台部97aの傾斜面97bに沿ってCD171が降下するにしたがってCD171が位置決めされ、CDが確実に装着された状態でCD171とCD位置決め部13cとの間に僅かな隙間が形成されるように、CD位置決め部13cの位置が設定されている。CD位置決め部13cは、CDに傷がつかないように外面は円弧状にRが形成されている。
【0042】
▲9▼規制手段
前記挟持手段14の上アーム12は前記挟持バネ89により下方へ付勢されており、図13のように、この挟持バネ89の付勢力で上アーム12が降下する時期を設定するための規制手段18が設けられている。即ち、以下のように構成されている。
【0043】
ピックアップ昇降台10の上面であって前記挟持手段14と分離カム82との間には円筒板124が立設されている。この円筒板124はスリーブ87を中心とする円筒の一部である部分円筒を形成しており、図42,図43のように円筒板124には周方向に長い水平部125aと軸方向に長い鉛直部125bとからなるL字形のガイド孔125が形成されている。一方、上アーム12の基端部にはスリーブ87を中心とする半径方向の外側へ向かって突出するガイドピン12aが固着され、ガイドピン12aはガイド孔125に挿入されている。このため、図13において挟持手段14が待機位置のB位置を占めるときと、B位置から再生位置のA位置を占める直前まではガイドピン12aがガイド孔125の水平部125aに位置するため、挟持バネ89の付勢力が加わっていても上アーム12は降下することなく挟持手段14は開の状態を維持する一方、挟持手段14がA位置にくると、ガイドピン12aが鉛直部125bに位置するため、挟持バネ89の付勢力で上アーム12が降下してガイドピン12aも鉛直部125bの下端まで下がることになる。
【0044】
挟持手段14が図13のA位置まで回動してガイドピン12aがガイド孔125の鉛直部125bまで回動してきても直ちに挟持手段14が挟持動作をせずに、指令を与えて初めて挟持動作するようにするため、ガイドピン12aの下動を一時的に規制する第一規制手段と、規制後に前記分離カム82が前進し、選択CD及び選択トレイ2が降下して前記ターンテーブル97の上に載ったときに規制を解除して選択CDを挟持させる第二規制手段が設けられている。即ち、以下のように構成されている。前記ピックアップ昇降台10の上面であって前記円筒板124と前記分離カム82との間には図13,図40に示すように軸受板126が分離カム82と平行に立設されている。軸受板126の内側には図13に示すように回動軸129を介して回動自在に拘束レバー127の中間部が支持され、拘束レバー127の前面側には外側へ向かって突出するピン127aが固着され、背面側は内側へ向かって曲げられてガイド孔125の鉛直部125bに臨んでいる。そして、図40に示すようにこの拘束レバー127の背面側を下方へ向かって付勢するバネ128が設けられている。一方、拘束レバー127の前面側のピン127aは図42のように分離カム82の内側下部に形成されたカム溝82rに遊嵌されている。このカム溝82rは、図2の一対の分離カム82のうちの左側のものにのみ形成されている。このカム溝82rにおける背面側の上部には逃げ部が形成されており、分離カム82が前面側へ移動して選択トレイ2のピン2c,2dが中段嵌入部82k,82kにはいるとピン127aがカム溝82rの逃げ部に逃げ得る状態となって、拘束レバー127がバネ128により回動し、挟持バネ89の付勢力により上アーム12が降下するように設定されている。
(G)押出手段
押出手段8は、図28のように枠体1の内部の左右に一対設けられている。押出手段8を一対設けたのは以下の理由による。まず、押し出すべきCDの上下に他のCDが存在し、他のCDに接触することなく押し出すべきCDのみを押し出すには上下方向の高さの小さいレバーを用いなければならない。次に、CDは一対の板バネ2eによってトレイ2に付勢されることにより上下方向での位置決めがされているが、何らかの小さな外力が作用すると、板バネ2eの付勢力に抗してCDが傾く為、押出手段が単一の場合はCDにヒットしないおそれがある。このため、確実にヒットさせるように、押出手段8を一対設けたものである.
1対の押出手段8は略同一の構成なので一方についてのみ説明する。図1,図28に示すように、回動することによってCDを押し出すための押出レバー132が、枠体1の天井板1dから下方へ突出する固定軸133に回動自在に取り付けられている。押出レバー132の高さは前記ローラ35,36の間の高さ、即ち挿脱高さ位置に設定されている。そして、固定軸133を囲繞するようにして設けられた付勢手段としての復帰バネ134の両端が、押出レバー132に形成されたバネ掛け部132aと天井板1dに形成されたバネ掛け部とに掛けられている。
【0045】
一方、今までに述べた分離カム82の前面側へ移動することによる空間形成の作用とは反対の方向である背面側へ移動することで押出レバー132が回動するように構成されている。即ち、以下のようになっている。図13に示すように前記軸受板126の外側には前後方向へ一定量だけスライド自在にプレート135が設けられている。つまり、軸受板126に一対のガイド孔126aが形成される一方、夫々のガイド孔126aに挿通したガイドピン135aがプレート135に固着されている。プレート135の前面側端は内側へ折り曲げられて押出レバー132と一体の被押圧部132bと係合しうるようになっており、背面側端は外側へ折り曲げられて分離カム82の背後へ向かって突出している。
(H)操作手段
最後に、操作手段9について説明する。この操作手段9は、挿脱モードのときにはディスク昇降台22を昇降させて各段のトレイ2上のCDの挿脱を可能にし、更には前記開閉手段6を開いたり押出手段8を動作させたりし、再生モードのときにはディスク昇降台22を最下位置に保持した状態でピックアップ昇降台10を昇降させて選択されたCDを選択し、更には制御手段11を動作させかつ規制手段18を動作させる。
【0046】
図2,図20に示すように枠体1の左右の側板1b,1cの外側には、前後方向へスライド自在に内スライダ139と外スライダ140とが設けられている。左右対称なので、一方について説明する。内,外スライダ139,140の上下にガイド孔139a,140aが形成され、側板に固着したガイドピン158,159がガイド孔139aとガイド孔140aとの双方に挿通され、ガイドピン158,159には止め輪が取り付けられている。内スライダ139の背面側には、鉛直スリット78から突出するピックアップ昇降台10の一対のピン77を6段階に昇降させるための一対の階段スリット141が形成されている。内スライダ139の前面側には、鉛直スリット25から突出するディスク昇降台22の一対のピン22bを6段階に昇降させるための一対の階段スリット142が形成されるとともに夫々の階段スリット142の下には再生モードのときにディスク昇降台22を最下位置に保持してピックアップ昇降台10のみを昇降させるための床面スリット143が連続して形成されている。一方、外スライダ140には長いピンであるディスク昇降台22の一対のピン22bが入り込むスリットのみが形成されている。即ち、一対のピン22bを階段スリット142内に入れて上下動させるための四角形状の一対の挿脱モード用スリット144と、床面スリット143内に入れて最下位置に保持するための水平線状の一対の再生モード用スリット145と、外スライダ140をいずれかの方向へスライドさせることによりテーパ面146a,146bによりピン22bを上動又は下動させて一対の階段スリット142と床面スリット143との間で一対のピン22bの位置を入れ替えるための45゜に傾斜した切換用スリット146とが連通して形成されている。再生モード用スリット145どうしの上下方向の位置を同一にすると、スリットどうしが重なって連通してしまうことから、再生モード用スリット145,挿脱モード用スリット144,床面スリット143,階段スリット142と、これらに挿入するピン22bの高さが相互に異なっている。
【0047】
外スライダ140の背面側の上部は内側へ向かって直角に曲げられ、突出部140bが形成されている。外スライダ140と共にこの突出部140bが移動できるように、内スライダ139及び側板1bの背面側には逃げ切欠139b,逃げスリット147が形成されている。ピックアップ昇降台10と共に昇降する分離カム82の高さ位置に拘らず分離カム82が外スライダ140と一体にスライドさせられるようにするため、図2のように分離カム82の背面側の外側の面には鉛直方向沿って係合溝82sが形成され、当該係合溝82sに突出部140bがスライド自在に嵌め込まれている。また、左側の外スライダ140における前面側には枠体1の底板1eの下へ向かって折り曲げて係合部140cが形成されている。この係合部140cは、外スライダ140が背面側へスライドする際に前記被押圧部70cを背面側へ押圧し、復帰バネ69の付勢力に拘してシャッタ64を開くようになっている。
【0048】
次に、前記の内スライダ139,外スライダ140の右側のものと左側のものとを同期して同時にスライドさせるための駆動機構について説明する。図2,図8に示すように枠体1の底板1eの下であって背面側には二対の軸受を介して2本の連結軸148,149が回転自在に支持されている。夫々の連結軸148,149の両端にはピニオン150,151が固着され、これらのピニオン150,151は内スライダ139,外スライダ140の背面側の下部に形成されたラック139c,140dと噛み合っている。連結軸148,149には歯車152,153が固着されており、この歯車152,153には操作用モータ154,155が個別に連動連結されている。即ち、以下のようになっている。枠体1内の背面側の右側に配置されている前記軸受板126の内側の上下位置に操作用モータ155,154が取り付けられ、これらのモータ155,154の出力軸が軸受板126の内側に設けた2組の減速手段156,157を介して歯車152,153に連動連結されている。
【0049】
次に、斯かるディスクプレーヤの作用を説明する。
【0050】
(I)作用の全体構成
ディスクプレーヤの作用は、ディスク収納部3へのCDの挿入とディスク収納部3からのCDの排出と、ディスク収納部3にストックされた複数のCDのうちの一枚を選択して再生するCDの再生との3つの作用によって構成される。
【0051】
(J)CDの挿入
CDをディスク収納部3へ挿入する場合は、トレイ2に付されている番号(上から下へ向かって1〜6の番号が付されている)を選択して図示しない番号ボタンの例えば「2」のボタンを押したのちに図示しない挿入ボタンを押す。操作用モータ154の出力軸の回転が減速手段156,連結軸148に伝わり一対の内スライダ139がスライドする動きと、操作用モータ155の出力軸の回転が減速手段157,連結軸149に伝わり一対の外スライダ140がスライドする動きとが別個独立に行われる。外スライダ140の一対の挿脱モード用スリット144内に一対のピン22bが入り込んで、例えば図21のように一対のピン22bが挿脱モードにおけるモード切換位置にあるときにボタンが押されると、内スライダ139が後退することにより図22(a)に示すように一対のピン22bが階段スリット142の下から2番目まで上昇してそれと共にディスク昇降台22も上昇して上から2番目のトレイ2上のCDが挿脱高さ位置に設定される。なお、このとき、ピックアップ昇降台10も同時に上昇するが、これは不要な動きとなる。内スライダ139を更に後退させれば、ピン22bと共にピックアップ昇降台10が上昇し、順次に3〜6番目のトレイ2が挿脱高さ位置になる。
【0052】
次に、図22(a)の待機位置から挿脱モード用スリット144の前後方向での中間位置にピン22bが来るまで外スライダ140が後退すると、外スライダ140の係合部140cが底板1eの下で図2に示す被押圧部70cを背面側へ押圧するため、前後スライド板70の動きがレバー72を介して左右スライド板66へ伝わり、復帰バネ69の付勢力に抗して左右スライド板66が左方へ移動し、シャッタ64が上昇して図26(b)のように挿脱口4が開放される。
【0053】
以上の動作によりシャッタ64が開き、前記のように既に上から2番目のトレイ2が挿脱高さ位置になっているので、図26(a)のように上下のローラ35,36の間へCD171を挿入しようとすると、シャッタ64の手前中央に配置した図示しないセンサがCD171を検出し、移送用モータ46が回転を始める。移送用モータ46の回転力が歯車を介してローラ36に伝わるため、図27のようにバネ38によりローラ36へ付勢されるローラ35との間にCD171が噛み込まれ、ローラ35,36の回転によってCDは上から2番目のトレイ2の上に挿入されるが、CD171がローラ35,36から離れる位置までしか挿入されないので、残りの数mmは押込バネ60によって中央方向へ付勢される一対の縦ローラ57により押し込まれる。CD171はトレイ2上では一対の板バネ2eの押さえ部2fによりトレイ2上に保持される。CD171がローラ35,36から離れると、図示しないリミットスイッチが動作して移送用モータ46の回転が止まると同時に外スライダ140が前進して図22(a)の待機位置へ戻るため、背後側へ向かって押圧されていた被押圧部70cが開放され、復帰バネ69の作用でシャッタ64が閉じる。
【0054】
一対のピン22bが階段スリット142の他の高さ位置(下から1,3〜6番目)を占める場合も上記と同じ動作でCDを挿入できる。
【0055】
(K)CDの排出
CDをディスク収納部2から排出する場合は、例えば「2」の番号ボタンと排出ボタンとを押す。すると挿入時と同様に例えば図21の挿脱モードの切換位置から図22(a)の待機位置へピン22bが移動し、上から2番目のトレイ2上のCDが挿脱高さ位置に設定される。そして前記と同様に図22(b)の位置にピン22bが来るまで外スライダ140が後退するとシャッタ64が開く。ここまでの動作はCDの挿入時と全く同じである。
【0056】
次に、図23に示すように挿入モード用スリット144の前面側にピン22bが来るまで外スライダ140が更に後退すると、図28に示すように外スライダ140の背後側の突出部140bを介して外スライダ140と連動する分離カム82が後退し、分離カム82の背面がプレート135の背後側を押して後退させる。すると、プレート135の前面側が押出レバー132の被押圧部132bを背面側へ押し、押出レバー132が回動して上から2番目のCD171の両側を押し出す。このとき、板バネ2eで押さえられていたCD171は板バネ2eの付勢力に抗して傾くことがあり、押出レバーが単一の場合は押出レバーがCD171の外周面から外れて排出できないおそれがあるが、一対設けられているために外れるおそれは少ない。排出ボタンを押すと同時に移送用モータ46が回転してローラ35,36は既に回転しているので、押し出されたCD171が図29のようにローラ35,36間に挟まれて排出される。排出によりCD171が落下するのを防止するため、CD171の背面側の一部がローラ35,36に挟まれているときに図示しないリミットスイッチがこれを検出し、移送用モータ46の回転が停止する。このあとは手動でCD171を一対のローラ35,36間から抜き取ることになる。CD171が抜き取られたことを図示しないセンサが検出すると、外スライダ140が前進し、ピン22bが図23の位置から図22(a)の待機位置へ戻る。
【0057】
すると、分離カム82からプレート135へ加わっていた背面側への力が除去されるため、押出レバー132は復帰バネ134の付勢力により回動して図28(a)に実線で示す元の位置へ復帰し、続いてCDの挿入後と同様にシャッタ64が閉じる。
【0058】
一対のピン22bが階段スリット142の他の高さ位置(下から1,3〜6番目)を占める場合も上記と同じ動作でCDを排出できる。
【0059】
(L)CDの再生
CDの再生を行うには、選択されたCDの番号を付した番号ボタンの例えば「2」のボタンと再生ボタンとを押す。すると、前記の図22(a)の状態から内スライダ139が前進することにより図21のようにピン22bが挿脱モード用スリット144の最下位置まで降下してモード切換位置に来た後、外スライダ140が前進する。すると、切換スリット146の上テーパ面146b(図20(c)参照)が押圧されることによってピン22bが降下して内スライダ139の床面スリット143へ移動すると同時に、このピン22bは外スライダ140の再生モード用スリット145内へ移動して図24(a)のように再生モードに切り換わる。この切り換え時には、ピックアップ昇降台10の一対のピン77は階段スリット141の最下位置に止まったままである。このときのピン22bの位置は、再生モードにおける挿脱モードへの切換位置であり、この状態から外スライダ140を後退させると切換スリット146の下テーパ面146aが押圧されることによってピン22bが上昇して図21のように前記の挿脱モードにおけるモード切換位置へ戻ることができる。
【0060】
図24(a)に示すピン22bの外スライダ140に対する位置はモード切換位置であるだけでなくピックアップ昇降台10の高さのみを変えて再生するCDを選択するCD選択位置でもある。つまり、図24(a)の位置から内スライダ139のみを後退させれば、一対のピン22bは相対的に床面スリット143の中を前進するように見えて実際には鉛直スリット25の最下位置に保持されるためディスク昇降台22は最下の再生位置から動くことはないが、他方の一対のピン77は外スライダ140に隠れて見えないが相対的に階段スリット141に沿って上昇するように見えて実際には鉛直スリット78の中を段階的に上昇する。つまり、内スライダ139を後退させることにより床面スリット143の位置に付された番号1〜6の位置に一対のピン22bを位置させると、一対のピン77は上下方向に付された番号1〜6の高さまで昇降し、当該番号のCDを再生できる状態となる。図24(a)は6番のCDを再生できる状態であり、図24(b)は1番のCDを再生できる状態である。
【0061】
ここでは前記のように2番のCDが選択されているので、図25(a)に示すように一対のピン77が上から2番目の位置まで上昇する。以上の動作で再生しようとするCDが再生しうる状態になり、以後の動作は何番のCDが選ばれた場合も同じであり、外スライダ140の動きと移送用モータ46の駆動によって動作する。
【0062】
再生する2番のCDが選択された図25(a)の待機状態の後の作用を以下に説明する。図25(b)の外スライダ140上のD位置をピン22bが占めるときつまりは図25(a)の状態は待機状態であり、このとき分離カム82は図32の位置にあり、外スライダ140が前進してピン22bが第一段階としてE位置に来ると、分離カム82が前進して図30(a),図31(a)のように上から2段目と3段目とのトレイ2のピン2d同士の間へ分離カム82の背面側の下部先端が入り込み(ピン2cについても前面側の下部先端が入り込んで、以下ピン2dと同様の作用となる)、第二段階としてピン22bがF位置にくると上から2段目のトレイ2のピン2dが第一分離制御部82c1を摺動して上段嵌入部82jの上に載り、分離カム82の上部先端が上から1段目と2段目とのトレイ2のピン2d同士の間へ入り込んで図33の状態となり、第三段階としてピン22bがG位置に来ると、上から1段目のトレイ2のピン2dは第二分離制御部82c2を摺動して分離カム82の上面82fに載る。このため、第三段階でピン22bがG位置にくると、図34のように上から2番目の選択トレイ2の上と下とに空間が形成される。また、図2の右側の分離カム82の移動により、図19に示すバネ176で付勢されているロック部材174の摺動部174eが図31(b)のようにテーパー面82uを滑って凹部82tに入り込むため、下アーム13の係合部13bからロック部174bが離れ、挟持手段14がロック解除される。
【0063】
ピン22bが図25(b)のG位置まで来たことが図示しないセンサにより検出されると、移送用モータ46が回転を開始する。前記のように再生モードに切り換わったときに一対のピン22bが床面スリット143内に入り込んで回動力供給手段17のレバー113を下方へ押した状態になっているので、図38(a)の状態からレバー113がピン114を中心として反時計方向へ回動し、プレート105が上昇してレバー110が軸109を中心に時計方向へ回動し、図38(b)のように歯車112が歯車103hに噛み合いながら歯車104とも噛み合う状態に既になっている。従って、移送用モータ46の回転が駆動軸30と歯車列103とを介してラック116bを有するスライドバー116に伝わり、図39のようにスライドバー116が後退する。するとスライドバー116の背面側下部の係合ピン116cが長孔13aに遊嵌されていることから挟持手段14が前面側へ向かって回動し、図17(a)の位置決めピン119が変曲点であるc位置を越えると、トグルバネ120の付勢力が反対方向へ作用して図17(b)のように位置決めピン119がa位置まで回動し、図34に示すように選択されたCD171の上下に上アーム12,下アーム13と共にチャックプレート99,ターンテーブル97が入り込む。これを平面図で示すと、図40の状態から図41の状態になる。挟持手段14の回動を検出する図示しないリミットスイッチにより移送用モータ46の回転が止まる。
【0064】
第四段階としてピン22dが図25(b)のHの位置に来るまで外スライダ140が前進すると、選択トレイ2のピン2dが中段嵌入部82kの中へ降下するため、選択トレイ2及び選択CDが降下して図35のように選択CD171がターンテーブル97の上に載る。選択トレイ2の降下と略同時に外スライダ140と共に分離カム82が前進することによって規制手段18が動作し、挟持バネ89の作用によって挟持手段14の上アーム12が下動し、選択されたCD171がターンテーブル97とチャックプレート99との間に挟持される。即ち、挟持の作用を詳述すると以下のようになる。ピン22bがGの位置にあって挟持手段14が待機位置Bを占めるときは図42のようにガイドピン12aはガイド孔125の水平部125aに位置するが、挟持手段14が再生位置Aを占めるとき、図43(a)のようにガイドピン12aはガイド孔125の鉛直部125bに移動する。しかし、図30(b)に示すようにピン127aは分離カム82のカム溝82rの逃げ部へは逃げられないためにガイドピン12aは拘束レバー127の背面側に阻止されて降下できない。次に、ピン22bがH位置まで移動すると、分離カム82も前進するために図30(b),図43(b)に示すようにピン127aはカム溝82rの逃げ部へ逃げることが可能になり、バネ128で付勢される拘束レバー127のピン127aが分離カム82のカム溝82rの逃げ部へ向かって上動し、拘束レバー128の背面側が下がる。このため、図44のように挟持バネ89によって付勢されていた上アーム12が降下して前記のように選択CD171が挟持される。
【0065】
底板1eに立設した支柱92を把持手段14の回動中心である中空軸86に挿通することで挟持手段14の回動中心は底板1eの上で高精度に位置決めされ、かつトグルバネ120で位置決めピン119をピックアップ昇降台10に押圧した状態で保持するので、ターンテーブル97,チャックプレート99は円周方向の軌跡上で高精度に位置決めされる。一方、CD171が載るトレイ2を案内するガイド支柱23も支柱92と同様に底板1e上に立設されているためにCD171も底板1eの上で高精度に位置決めされ、また図11のようにCD171における円周上の4個所を位置決めする位置決めロッド61a,61b,62a,62b,172,173及び一対の縦ローラ57によりCD171は枠体1に対して高精度に位置決めされている。しかも、下アーム13の立ち上がり部に形成された図16のCD位置決め部13cの存在により、CD171と下アーム13つまりはターンテーブル97との相対的な位置決めが行なわれている。従って、選択CD171が降下する際にターンテーブル97の円錐台部97aの上部が確実にCD171の孔に入り込み、CD171はターンテーブル97に確実に装着される。このようにして、再生されるCDの中心と、ターンテーブル97の中心と、チャックプレート99の中心とが高精度で一致し、CD171の挟持が確実に行われる。
【0066】
最後の第五段階としてピン22bが図25(b)のI位置に来るまで外スライダ140が前進すると、図30(a),図31(a)のように選択トレイ2のピン2dが下段嵌入部82mまで降下し、それまでは選択CD171と接触していた選択トレイ2が図36のように降下して選択CD171から離れると同時に、図37のように選択CD171を押さえていた板バネ2eの受け部2hが分離カム82の背面側の上段嵌入部82jの下面に押されて押し上げられ選択CD171を開放する。このとき選択トレイ2より下方のトレイ2は分離カム82の下面82hによって押さえられており、選択トレイ2より上方のトレイ2はコイルバネ24によって下方へ付勢されているので、車両の振動する影響を受けてトレイ2が振動するのが防止される。
【0067】
以上のようにして選択CDが挟持手段14に挟持されたあとは、挟持手段14が図41のようにA位置に保持された状態でCDの再生が行われる。まずスピンドルモータ96が回転するとターンテーブル97を介してCDが回転する。次にピックアップユニット16の走査用モータ165が回転するとその回転がねじ軸164に伝わり、光ピックアップ162がねじ軸164に沿ってCDの半径方向の内側から外側へ向かって移動し、CDの再生が行われる。再生中は図41に示すように挟持手段14がA位置を占める為、図40の場合とは違って挟持手段14がケース177の内壁Kから離れ、ケース177の内部で揺動自在なフロート状態となる。従って走行する車両からの振動を直接に受けることはなく、再生が適正に行なわれる。
【0068】
CDの再生が行われた後はねじ軸164が逆回転して光ピックアップ162が元の位置へ戻ると走査用モータ165の回転が停止し、スピンドルモータ96の回転も停止する。その後は前記と逆の手順で外スライダ140が後退し、分離カム82も後退する。そして、図30(b)に示すようにピン127aがH位置からG位置へ戻ると、図43(b)の位置にあった拘束レバー127のピン127aが図43(a)のように分離カム82におけるカム溝82rの逃げ部から外れて下動し、拘束レバー127の背面側が上がる。このため、挟持手段14から外側へ向かって突出するガイドピン12aがガイド孔125の鉛直部125bに沿って押し上げられ、挟持手段14は回動し得る状態になる。このあとは図示しないセンサがガイドピン12aの上動したことを検出し、移送用モータ46が前記とは逆方向へ回転して挟持手段14が背面側へ回動する。そして、図17(b)のb位置を占めていた位置決めピン119が変曲点であるc位置を越えると、トグルバネ120の付勢力が反対方向へ作用して図17(a)のように位置決めピン119がb位置まで回動し、挟持手段14は待機位置であるB位置へ戻る。挟持手段14の回動を検出する図示しないリミットスイッチにより移送用モータ46の回転は止まる。挟持手段14は待機位置Bに位置していてもトグルバネ120により背面側へ付勢されているので、両車の振動による影響を受けることはない。このあと、分離カム82の移動によりロック部材174がテーパ面82uを乗り上げる為、バネ176の付勢力に抗してロック部材174が移動する。このため、ロック部174bが係合部13bに当接して挟持手段14が回動しないようにロックする。外スライダ140が後退してピン22bが図25(b)の待機位置Dまで戻ると、分離カム82も後退して第1〜3番目のトレイ2の全てが降下し、6枚のトレイ2が分離されない図32の状態に戻る。このとき、挟持手段14は図40のようにケース1から左方へ突出してケース177の内壁Kに当接するため、枠体1は揺動自在なフロート状態ではなく車両からの振動を受けるが、非再生時なので問題はない。
【0069】
上から2番目以外の他のCDを再生する場合は、図25(a)の状態から内スライダ139を前進又は後退させて図中の内スライダ139に付された1,3,4,5,6のいずれかの位置へピン22bを相対的に移動させたのちに、外スライダ140をスライドさせて図25(b)の外スライダ140上のD〜Iの位置をピン22bに順次合わせることにより、前記と同じ動作を繰り返すことができる。
【0070】
再生するための選択CDが図11中の挿脱高さ位置を占める場合には、位置決めピン61a,61b,62a,62bによる位置決めがなされないが、一対の縦ローラ57が位置決めピン61a,61b,62a,62bの代用となる。各CDの再生の前後の段階でCDが上下に移動することになるが、縦ローラ57の両端には図12のようにテーパ面57aが形成されているので、CDと縦ローラ57とが干渉することはない。
【0071】
なお、本実施の形態はディスクの記録及び/又は再生装置を音声の再生のためのディスクプレーヤに適用した場合について示したが、音声の記録用の装置あるいは記録及び再生用の装置、又は音声に限らず映像の記録及び/又は再生のための装置に適用してもよい。また、トレイの重なる方向が鉛直方向である場合として示したが、トレイの重なる方向を水平方向にすることもできる。更に、ディスクの大きさは12cmのものを用いるが、8cm等の他の大きさのものにも適用できる。
【0072】
また更に、本実施の形態ではディスク収納部を構成するトレイの数を6枚にしたが、5枚以下でも7枚以上でもよい。また更に、ディスク載置手段として本実施の形態では図3(a),図4に示す一枚のトレイを用いたが、図中に二点鎖線で示す部分を切断し、アルミ板2aのうちのCDの外周部が載る両端部のみを残して中央部を除去した一対の載置片を用いることもできる。
【0073】
また更に、反移送手段側に設ける位置決めピンは2本でなく3本以上でもよく、移送手段側に設ける位置決めピンは2本に限らず1本又は3本以上でもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜に係るディスクの記録及び/又は再生装置によれば、押込手段を設けたので、移送手段により挿入されたディスクがディスク収納部へ確実に挿入される。また、移送手段側の位置決めピンがディスクの移動エリアを貫通するために該位置決めピンが部分的に除去され、このため移動エリアに位置するディスクは位置決めされないことになるが、一対のローラどうしが最も接近した位置では当該一対のローラにより移動エリアに位置するディスクが位置決めされることになり、全てのディスクが枠体に対して位置決めされる。更に、ローラの両端にテーパ部を設けたので、ディスクが積層方向へ移動してもローラの端面にディスクが干渉することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディスクの記録及び/又は再生装置の実施の形態を示すディスクプレーヤの外観斜視図。
【図2】ディスクプレーヤの分解斜視図。
【図3】(a)はディスクプレーヤにおけるディスク収納部の分解斜視図、(b)はトレイの要部を一部破断して示す斜視図。
【図4】ディスクプレーヤにおけるディスク収納部に係り、(a)は平面図、(b)は正面図。
【図5】板バネの斜視図。
【図6】板バネが持ち上がった時の状態を示す説明図。
【図7】枠体の前面側の内部を背面側から見た斜視図。
【図8】移送手段及び回動力供給手段等の分解斜視図。
【図9】 (a)は駆動軸と従動軸との間に設けるバネの構成図、(b)は(a)の左側面図。
【図10】駆動軸と従動軸との間に設けるバネの斜視図。
【図11】枠体の内部に設けた位置決めピンと縦ローラとの関係に係り、(a)は平面図、(b)は正面図。
【図12】縦ローラの拡大図。
【図13】再生手段の斜視図。
【図14】挟持手段の要部断面図。
【図15】ピックアップユニットの平面図。
【図16】下アームに設けたCD位置決め部の説明図.
【図17】位置決め手段に係り、(a)は挟持手段が待機位置に位置決めされた場合の背面図、(b)は再生位置に位置決めされた場合の背面図。
【図18】アームロック手段の近傍を示す平面図.
【図19】アームロック手段の分解斜視図。
【図20】操作手段に係り、(a)はピックアップ昇降台及びディスク昇降台の正面図、(b)は内スライダの正面図、(c)は外スライダの正面図。
【図21】CDの挿入,排出を行うための挿脱モード状態であってモード切換位置を示す操作手段の作用説明図。
【図22】上から2番目のCDを挿脱する場合に係り、(a)は2番目のCDが選択された待機状態の操作手段の作用説明図、(b)はシャッタが開いた状態の操作手段の作用説明図。
【図23】上から2番目のCDを排出する場合における押出レバーが回動した状態の操作手段の作用説明図。
【図24】CDの再生を行うための再生モード状態に係り、(a)は上から6番目のCDを再生する場合の操作手段の作用説明図、(b)は上から1番目のCDを再生する場合の操作手段の作用説明図。
【図25】上から2番目のCDを再生する場合に係り、(a)はピンがD位置の待機状態にあるときの操作手段の作用説明図、(b)はピンがI位置の再生状態にあるときの操作手段の作用説明図。
【図26】CD挿入時のディスクプレーヤに係り、(a)は平面図、(b)は正面図。
【図27】CD挿入時のディスクプレーヤの側面断面図。
【図28】CD排出時の押出手段に係り、(a)は平面図、(b)は正面図。
【図29】CD排出時の押出手段の側面断面図。
【図30】一方の分離カムの作用に係り、(a)はトレイの動きとの関係を示す作用説明図、(b)は上アームの昇降との関係を示す作用説明図。
【図31】他方の分離カムの作用に係り、(a)はトレイの動きとの関係を示す作用説明図、(b)はアームロック手段との関係を示す作用説明図。
【図32】分離カムがトレイの分離を始める前の状態を示す側面図。
【図33】分離カムにより、トレイが2分離された状態を示す側面図。
【図34】分離カムにより、トレイが3分離された状態を示す側面図。
【図35】トレイが3分離された後に選択トレイのみが降下して選択CDがターンテーブル上に載り挟持手段に挟持された状態を示す側面図。
【図36】選択CDが挟持手段に挟持された後に選択トレイのみが再び降下して選択CDから離れた状態を示す側面図。
【図37】再生時に選択トレイの板バネが上がって選択CDが開放された状態を示す説明図。
【図38】回動力供給手段に係り(a)は回動力が供給されない状態の作用説明図、(b)は供給される状態の作用説明図。
【図39】回動力が挟持手段に供給されている状態を示す作用説明図。
【図40】挟持手段が待機位置を占める状態を示す作用説明図。
【図41】挟持手段が再生位置を占める状態を示す作用説明図。
【図42】挟持手段が待機位置を占めるときの規制手段の状態を示す作用説明図。
【図43】挟持手段が再生位置を占めるときの規制手段に係り、(a)は挟持を阻止している状態を示す作用説明図、(b)は阻止を解除した状態を示す作用説明図。
【図44】規制手段による阻止の解除により挟持手段がCDを挟持した状態を示す作用説明図。
【符号の説明】
1…枠体
3…ディスク収納部
5…移送手段
48…押込手段
52…スライド台
57…縦ローラ
57a…テーパ部
60…押込ばね
61a,61b,62a,62b,172,173…位置決めピン
171…CD

Claims (2)

  1. 枠体の外部から該枠体の内部に設けられたディスク収納部へディスクを挿入・排出するための移送手段が設けられ、
    前記移送手段により前記枠体の内部へ挿入されたディスクを前記ディスク収納部へ押し込む押込手段が設けられ、
    該押込手段は、前記移送手段と前記ディスク収納部との間に設けられて相互に接近する方向へ付勢された一対のスライド台と、該一対のスライド台の夫々に回転自在に支持された一対のローラとを備え、該一対のローラどうしが最も接近した位置で、該一対のローラに当接するディスクが位置決めされるディスクの記録及び/又は再生装置において、
    ディスクの位置決めを行う少なくとも一対の位置決めピンが枠体の反移送手段側に設けられる一方、
    枠体の移送手段側にはディスクの位置決めを行う少なくとも一本の位置決めピンが設けられ、該移送手段側の位置決めピンはディスクの挿脱高さ位置と対応する移動エリアの部分が除去され、
    該移動エリアに位置するディスクの移送手段側は前記一対のローラにより位置決めされることを特徴とするディスクの記録及び/又は再生装置。
  2. 前記ローラの両端にテーパ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスクの記録及び/又は再生装置。
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