JP4217459B2 - Vibrator, vibrator manufacturing method, vibration wave drive device, and device having the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気−機械エネルギー変換素子と弾性部材を備え、電気−機械エネルギー変換素子に信号を供給することで弾性部材に振動を発生させる振動子とその製造方法、及びその振動子を用いた振動波駆動装置、並びにそれを搭載した機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでに超音波モータ等の振動型駆動装置に関する提案が数多くなされている。
【0003】
例えば、2つの金属等の弾性部材の間に、電気−機械エネルギー変換素子の一種である圧電素子と、この圧電素子に交流電圧を供給するためのフレキシブルプリント基板を配置し、これら各部材の中央に設けられた貫通孔にボルトを挿入し、ボルトの先端部にナットを締め付けることにより、ボルトに形成されたフランジとナットでこれら2つの弾性部材、圧電素子、及びフレキシブルプリント基板を挟み込んで固定した振動子を構成したものがある。また、弾性部材の内径部にネジがきってあり、このネジとボルトを締め付けることで、これら2つの弾性部材、圧電素子、及びフレキシブルプリント基板を挟み込んで固定した振動子を構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−8472号公報(第3−5頁、第1図、第3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以前より、圧電素子を弾性体で挟み込み、ボルトで締め付けた所謂ランジュバン型の振動子は、振動波駆動装置に限らず広範な用途に用いられてきた。
【0006】
その理由の1つは、振動子の中心部を締結することで、弾性部材の間に挟み込まれた各部材が均一に密着し、振動子の振動特性が安定するためである。圧電素子で発生した微小変位を弾性部材に効率良く伝達するためには、各部材の密着度を高める必要がある。
【0007】
そのため、弾性部材の締結部には大きな張力が必要とされ、この張力に耐えられる締結部材として強度の高いボルトが用いられていた。
【0008】
しかしながら、振動子を小型化すればボルトも小型化せざるを得ない。ボルトのねじれ破壊トルクはその直径の3乗に比例するので、振動子を小型化するとボルトのねじれ強度が急激に低下し、弾性部材の締め付け時にボルトが破断するおそれがある。
【0009】
また、ボルトの締結部でネジ山同士の微小な滑りが生じれば、圧電素子の振動変位を弾性部材に伝達する効率が低下し得る。さらにネジ山は螺旋形状なので、ボルトの軸心に対して完全な対称ではなく、振動子の振動変位も対称性に欠けることが予想される。
【0010】
振動変位が対称でないならば、この振動子を用いた振動波駆動装置では、振動子と移動子の摩擦面において不均一な加圧が生じ、摩擦面の偏磨耗や駆動効率の低下が生じることが考えられる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願発明は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素子を固定してなる振動子において、前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記複数の弾性部材を電気抵抗溶接して熱収縮させ、接合したことを特徴とするものである。
【0012】
同様に上記課題を解決するため、本願発明は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素子を固定してなる振動子において、前記複数の弾性部材とは別部材である締結部材を有し、前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記複数の弾性部材と前記締結部材とを電気抵抗溶接して熱収縮させ、前記締結部材を介して前記複数の弾性部材を接合したことを特徴とするものである。
【0013】
同様に上記課題を解決するため、本願発明は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素子を固定してなる振動子において、前記複数の弾性部材とは別部材である締結部材を有し、前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記締結部材と少なくとも一つの弾性部材とを電気抵抗溶接して熱収縮させ、前記締結部材を介して前記複数の弾性部材を接合したことを特徴とするものである。
【0014】
同様に上記課題を解決するため、本願発明は、上記振動子を用いた振動波駆動装置、および、該振動波駆動装置を有する機器とするものである。
【0015】
同様に上記課題を解決するため、本願発明は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素子を固定してなる振動子の製造方法において、前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記複数の弾性部材を電気抵抗溶接して熱収縮させ、接合したことを特徴とするものである。
【0016】
同様に上記課題を解決するため、本願発明は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素子を固定してなる振動子の製造方法において、前記複数の弾性部材が接合する締結部を前記振動子の軸方向に加圧した後、前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記締結部を電気抵抗溶接して熱収縮させ、接合することを特徴とするものである。
同様に上記課題を解決するため、本願発明は、複数の弾性部材の間に電気−機械エネルギー変換素子を固定してなる振動子の製造方法において、前記複数の弾性部材とは別部材である締結部材を有し、前記締結部材を一方の弾性部材がある方向に加圧した後、前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記一方の弾性部材と前記締結部材とを電気抵抗溶接して熱収縮させ、接合することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1から図3に第1の実施の形態における振動波駆動装置の振動子を示す。
【0018】
第1の実施の形態では、2つの弾性部材1、2の互いに対向する面にそれぞれ突起(あるいは凸部)1a、2aを設け、弾性部材に電流を流して突起の先端を局部的に溶融し、2つの弾性部材を電気抵抗溶接(スポット溶接)により溶接し接合させた。
【0019】
図1は電気抵抗溶接する前の振動子の断面および溶接用電極31、32を示す図である。
【0020】
2つの弾性部材1、2は快削性のオーステナイト系ステンレス JIS規格 SUS303を切削加工したものであって、その中心部には出力軸が配置される貫通孔を有している。
【0021】
弾性部材の材料はオーステナイト系ステンレスに限らず、マルテンサイト系ステンレスやフェライト系ステンレスの他、黄銅などの銅合金やアルミニウム合金でも使用可能である。但し、締結部の変形強さを考慮すると、一般には、非鉄金属に比べて変形抵抗が大きいため鉄系材料のほうが好ましい。
【0022】
また、鉄系材料の中でも後述するようにオーステナイト系ステンレスが電気抵抗溶接にとっては好ましい。比較的電気抵抗が大きく、熱伝導が小さいので溶融部(ナゲット)が局所的になって、必要な部分のみが確実に接合するからである。
【0023】
一方、ステンレスではなく快削鋼、炭素鋼あるいは合金鋼であってもクロメート処理、ニッケルメッキあるいはクロムメッキなどの表面処理を施せば実用に耐えられる防錆効果を得られる。これらを使用するときは、溶接部の表面処理を除去するか、表面処理のまま接合可能な溶接条件を選定するとよい。
【0024】
また、本実施の形態では弾性部材は切削加工により作製したが、プレス加工で作製するなら、JIS規格 SUS304 で代表されるオーステナイト系ステンレスが適当である。延性が大きいので絞り加工なども施しやすい上、快削成分を含有しないので溶接状態も良好だからである。
【0025】
摩擦材6、7はマルテンサイト系ステンレス板をプレス打抜きして、焼入れ硬化処理し、その後アンモニア分解ガスを用いるガス窒化処理によりさらに表面硬さを向上させたものである。
【0026】
ステンレスに窒化処理や浸炭処理を施すと著しく表面が硬くなり、耐磨耗性が格段に向上するので、振動波駆動装置の摩擦材として最適である。
【0027】
通常の軟鉄に窒化処理を施しても、その表面硬さは500Hv(ビッカース硬度)程度であるが、ステンレスにはクロムが含有されているため、窒化クロムが形成され1000Hv以上の硬さが容易に得られる。
【0028】
摩擦材6、7は表面硬さを向上させたあと、その端面をラップ加工した。ラップ盤は銅製であり、その上にダイヤモンド砥粒などを吹き付けて行なった。
【0029】
以上のような処理を施した摩擦材を電気抵抗溶接により弾性部材に予め接合させておいた。但し、摩擦材が薄い場合は、弾性部材に溶接した後、摩擦材が変形することもあるため、溶接後に摩擦材の摩擦面をラップ加工することが望ましい。
【0030】
本実施の形態では上述したように弾性部材1、2と摩擦材6、7はステンレスを用いた。2つの弾性部材1、2が同種の材料なので融点が近く、互いに溶け込みやすいため、溶接に適している。
【0031】
また、摩擦材6、7を接合した2つの弾性部材1、2の間に、円環状の圧電素子3、圧電素子に交番信号を給電するためのフレキシブルプリント基板(給電基板)4、および振動波駆動装置全体を支持するための支持板5を図1のように配置した。
【0032】
図2は弾性部材1、2において、互いに溶接される部分を拡大した図である。図2(A)は溶接前の拡大図であり、図2(B)は溶接後の拡大図である。
【0033】
圧電素子は高い絶縁特性を有しており、またフレキシブルプリント基板の基板部分はポリイミドフィルムなどの高絶縁性材料を用いているので、弾性部材1、2に印加した溶接電流はこれらの部材にはほとんど流れず、弾性部材1、2の締結部1a、2aに集中して流れる。
【0034】
さらに、弾性部材1の締結部である突起1aの先端はいわゆるプロジェクションと呼ばれる凸部1aaが設けられており、相手の締結部に圧接することで凸部1aaの一部がつぶれて電流が流れるための一定の面積が確保される。溶接時には凸部1aaの電流密度が大きくなり発熱も大きくなり、この部分を効果的に溶融させることができる。
【0035】
ところで、圧電素子は加熱すると分極解除が進み、一旦キュリー温度を超えると再び室温に戻したとしても圧電特性を失ってしまう。そのため、溶接時には圧電素子に熱がなるべく加わらないように注意する必要があるが、第1の実施の形態では発生する熱が局所的であるため、圧電素子の特性劣化は生じなかった。
【0036】
この点でも、極めて短時間に材料の溶融凝固が完了する電気抵抗溶接法は圧電素子を用いた振動子の接合に適していると言える。
【0037】
なお、本実施の形態では締結部1a、2aは弾性部材の内周部に設けられ、出力軸が貫通する孔部の周囲を覆うように構成されている。そして、締結部1a、2aは圧電素子と対向する面が出力軸に対して斜めになる円錐状に形成されている。
【0038】
そのため、圧電素子3、支持板5およびフレキシブルプリント基板4は締結部1a、2aの外周面に当接することでそれらの中心位置が容易に定まる。また圧電素子3の内径部は、締結部1a、2aの直径が最大である根元の部分とのみ当接する。
【0039】
つまり、圧電素子3の内径部と締結部1a、2aの溶接部との間には空隙S2が存在することになり、圧電素子3が加熱されにくくなっている。もちろん締結部1a、2aの形状は図2に示したものに限られるわけではない。
【0040】
図1における上電極31および下電極32はクロム銅製電極であり、溶接機に接続されている。
【0041】
各電極の間に弾性部材1、2を挟み、電極とワークとの接触面で電気抵抗が小さくなるように接触面を加圧し電流を流す。すると弾性部材1、2の突起1a、2aが溶融し、図2(b)に示すように溶接直前には存在した隙間S1がなくなり、弾性部材と圧電素子、フレキシブルプリント基板および支持板が密着して溶接が完了する。
【0042】
なお図1において、上下の各電極31、32の側面が弾性部材の内径部に接触して、そこに電流が流れると、電極31、32が弾性部材1、2に溶着したり、あるいはチリ(溶融微小金属の飛び散り片)を発生したりして不都合なので、各電極31、32の側面には予め絶縁塗料を塗布しておくのが好ましい。もちろん、ポリイミドフィルムのような絶縁性の高い部材を電極にかぶせておいてもよい。
【0043】
振動子を構成する複数の弾性部材を電気抵抗溶接により接合することの効果について、以下に説明する。
【0044】
前述したように圧電素子などの密着性を高めるためには、ボルト接合した場合のように高い締結張力が必要である。
【0045】
本実施の形態においては振動子の直径は12mmであって、よってそれを構成する弾性部材や圧電素子の直径も12mmとしたが、この弾性部材の間に挟む圧電素子等には全体で約300kgf程度の挟持力が加わっていないと、良好な振動子特性が得られないことが別の測定でわかった。
【0046】
それよりも小さい挟持力では、振動の減衰しにくさを示すQ値や振動子のアドミッタンスが小さく、振動子の特性が優れない。
【0047】
本実施の形態の振動子では、溶接時に各電極が弾性部材を押す力はわずか30kgf程度に設定した。しかし、それにもかかわらず、溶接後の振動子特性は極めて優れたものとなった。つまり、各電極による加圧力より大きな力が締結部に発生したことになる。
【0048】
これは、弾性部材に発生している締結張力の大部分は、締結部1a、2aの熱収縮により生じたと考えられる。つまり締結部の全面が溶融することで弾性部材の間の距離が急激に減少し、密着後に再度凝固し、さらに冷却する過程で強い接合張力が発生したと考えられる。締結部1a、2aの一部が金属の融点温度以上になって溶融し、その周辺は金属の融点から室温までの範囲で温度分布を持っているが、それらの領域が冷却する間に熱収縮し、最終的に圧電素子に密着力が残留したと考えられる。
【0049】
このように、弾性部材の接合手段として電気抵抗溶接を用いると、結果として小さい圧着力で大きな締結力が得られるので、弾性部材を接合させるための装置が大型化、複雑化することを避けられる。
【0050】
それ対し、本実施の形態をレーザ溶接で行なう場合を考えてみる。レーザ溶接やアーク溶接の場合、電気抵抗溶接とは異なり、瞬間的に全体を溶かして弾性部材間の距離を縮めることが出来ないため、予め弾性部材1、2と圧電素子などの各部材は互いに密着させておく必要がある。
【0051】
これらの溶接方法では、レーザ照射により順に溶融部を形成していくことになる。締結部の突起1aと突起2aの間には隙間を設け、この隙間に側面からレーザ光を照射する。レーザ光により溶かされた金属が隙間を橋渡しする格好で、順に溶接していくことになる。
【0052】
このとき、溶融部の残渣が隙間を通って圧電素子に付着して圧電素子の温度が上昇し、その特性劣化を招くこともある。これは、レーザ光の照射方向に酸化防止用としてアルゴンなどの不活性ガスを噴射するため、ガス噴射の勢いで、溶融金属が圧電素子の内周面に飛散するためである。また、順に溶接による凝固部が形成されるので、円環状の溶接部の周方向位置によって温度分布が異なり、熱収縮により発生する締結応力にムラが生じる。その結果、振動子の振動変位にもムラが生じる。
【0053】
また、弾性部材1、2の溶接部は金属材料の経時変化に基づく特性劣化に注意する必要がある。特にオーステナイト系ステンレスや高力アルミニウム合金では応力腐食割れに注意しなければならない。この点においても、本実施の形態では、溶接部は内部の密閉した部分にあるため腐食しにくい環境にある点で優れている。
【0054】
電気−機械エネルギー変換素子である圧電素子は、駆動効率を高めるためにも、なるべくその面積を大きくすべきである。したがって、圧電素子はなるべく外径側に配置することが望ましい。電気−機械エネルギー変換素子を弾性部材の間に挟んで、素子の内側を貫通する締結部により固定して振動子を形成する場合は、振動子の内部で溶接することになり、電気抵抗溶接以外の溶接方法では困難である。
【0055】
電気抵抗溶接以外の溶接方法として、例えばレーザ溶接法、電子ビーム溶接法、あるいはアーク溶接法などがある。締結部をレーザ溶接する場合は、前述したように、予め外部から軸方向に力を加えて弾性部材間の各部材を密着させた状態で、互いに隙間のある締結部にレーザ光を照射する必要がある。あるいは締結部を互いに嵌合させて、その角を溶接することになる。したがって弾性部材の貫通孔の内部から溶接を行なうことになり、特に振動子を小型化した場合には作業が困難になる。これは電気抵抗溶接を除いた他の溶接方法についても同様に言えることである。
【0056】
また、締結部の側面から溶接を行なうのでは、深い溶接を行うことができず、大きな締結張力に耐えることはできない。その点、電気抵抗溶接法であれば、締結部1a、2aを同時に全周にわたりある程度の幅をもって溶融することができる。しかも、他の溶接法に比較して極めて短時間で接合できるために熱拡散が少なく、圧電素子の特性を劣化させることもない。
【0057】
図3は図1に示した振動子の分解斜視図である。振動子を支える支持板5にはその放射方向に4本の延出部が設けられていて、後述するケースに固定するため予め折り曲げられている。この延出部は振動子として組立てられた後に折り曲げてもよい。
【0058】
本実施の形態では、圧電素子に交番信号である交流電圧を供給すると、振動子の摩擦面には複数の曲げ振動による定在波が発生し、これらが合成されて、弾性部材の中央の貫通孔を略中心として回転する進行波が発生する。本実施の形態の振動子の弾性部材の接合部は、螺旋形状のネジ山を有するボルトで接合したものと異なり、振動子の軸心に対して対称な形状となる。したがって、振動子は軸心に対する対称に優れており、摩擦面の振動変位もより均一にすることができる。
【0059】
また、上述したようにボルトのねじりトルクに対する破断強度は、ボルトの直径の3乗に正比例しており、直径を小さくすると破断強度は急激に小さくなる。それに対し、2つの弾性部材間における各部材の密着性を維持するために必要な締結張力は、振動子または圧電素子の直径の2乗に正比例しているとみられる。つまり振動子を小さくしていくと、振動子に必要な締結張力に対してボルトのねじりに対する破断強度のほうが急激に小さくなってしまい、ボルトの強度不足という課題が生じてしまう。
【0060】
ボルトを締め付ける時にボルトに加わる力は、締結部の軸方向の張力以外に、ねじれトルクによる力が加わって、それらの力の合力になる。そのため、締め付け時には加わる応力が最大になって、ボルトが破断してしまう恐れがある。そこで、ボルトの強度を向上させるために、焼入れ処理を施して硬くすることが考えられる。しかし、焼き入れ処理をしたものはその材料強度は向上するが、ネジの谷部における応力集中の影響が大きくなり、脆性破壊を起こしやすいので単に硬くすればよいというわけでない。
【0061】
これらの理由によって、ボルトを使用しての弾性部材の締結を行なう振動子は小型化に限界があった。
【0062】
これに対し、本実施の形態の形態にかかる振動子のように2つの弾性部材を電気抵抗溶接したものは、そもそもねじりによる締め付けを行なう必要がないため、ボルトのようにねじれ力が加わって破断するという恐れがない。したがって、ボルトを用いたものよりも小型の振動子を製作することができる。
【0063】
また、上述した従来例のように、ボルトの両側から弾性部材で締め付ける振動子では、各部材の挟持面に予め加圧力を与えることが困難であり、弾性部材が回転しながらフレキシブルプリント基板などに接触してくるので、各部材が互いにずれてしまうことがある。
【0064】
その点、上述したように電気抵抗溶接では軸方向に小さい加圧力を加えるだけで済むので、部品が回転方向の位置ずれを起こすことがなく、組立てが容易になる。
【0065】
また、溶接ではなく接着によって2つの弾性部材を接合することも考えられるが、接着面を多く必要とするため製造工程が増えるうえに、接着剤自体が大きな振動減衰特性を有しているため、振動子の電気−機械エネルギー変換効率の面からもあまり好ましくない。
【0066】
この点においても電気抵抗溶接であれば、2つの弾性部材が直接溶融して接合するため、振動減衰が大きくなることもなく、変換効率の高い振動子を構成できると言える。
【0067】
図4は本実施の形態において組立てられた振動子を用いた振動波駆動装置の分解斜視図を示す。
【0068】
中央に配置された振動子の両端部には、ロータ側摩擦材13、14とロータ本体11、12で構成された2つのロータをそれぞれコイルバネ15、16により圧接する構造になっている。
【0069】
出力軸21は振動子、ロータ及びコイルバネを貫通して、止めネジ19、20によって2つの回り止め17、18に固定される。
【0070】
振動子の摩擦面には圧電素子に供給された電圧により、例えば2つの2次の曲げ振動である定在波が発生し、これらが合成されて1次の進行波が発生する。その結果、振動子の両端部は首ふり運動を起こして、ロータを回転させ、ロータと嵌合する出力軸を回転させる。
【0071】
振動子の摩擦面に発生する変位は弾性部材に設けられたくびれ部によって拡大される。このくびれ部の大きさによって、回転速さの調節が可能である。
【0072】
図5は本実施の形態の振動子を用いた振動波駆動装置をケース内に収める時の様子を示している。上ケース24及び下ケース25にはそれぞれその中心部に軸受け22、23が設けられており、出力軸を保持する。また、振動子の外周部に延出した支持板が、上下ケースの間に挟まれて固定されている。この支持板により、出力軸の回転に伴い振動子に発生する反力を支え、振動部や駆動部が直接ケースの内側に接触することを防いでいる。
【0073】
本発明は上記の本実施の形態の形態によってのみ実現されるものではなく、様々な形態に適用することが可能である。
【0074】
そこで、以下に他の各実施の形態を示し、以上述べた実施の形態と構成の異なる個所を中心に説明を行なう。
【0075】
(第2の実施の形態)
図6は第2の実施の形態における振動子の断面図を示す。図7はその一部断面図である。
【0076】
この振動子における弾性部材は外側弾性部材1−1、2−1と内側弾性部材1−2、2−2から構成されている。
【0077】
外側弾性部材1−1、2−1はオーステナイト系ステンレス JIS規格SUS304の板材をプレス加工するものである。これら外側弾性部材にはくびれ部を構成するための外周側の段付き部と、締結部となる内周側の段付き部が設けられている。この段付き部は板の反対側の面を、ポンチで半抜き加工することで成形する。
【0078】
オーステナイト系ステンレスはマルテンサイト系ステンレスやフェライト系ステンレスに比べて延性が大きいので、このような半抜き加工も可能である。優れたせん断面が必要なら、ファインブランキング用金型を用いても良く、ファインブランキング用のプレス機械を用いることが望ましい。
【0079】
ところで、後述する窒化をすることで、耐食性が低下するのであるが、一定の耐食性を保持するためにも、ニッケルが含有されたオーステナイト系ステンレスは適切である。また、より高級なステンレスであるJIS規格SUS316Lは、モリブデンが含有されているので、たとえ窒化により耐食性が低下するとはいっても、日常の環境では充分な耐食性を保持している。さらに、プレス加工性はオーステナイト系ステンレスと比べると若干劣るが、クロム含有量が17%以上の一種の耐熱鋼を用いてもよい。
【0080】
そもそも、窒化により耐食性が低下する原因は、ステンレス中のクロムと窒素が結合してクロム窒化物を生成することで、ステンレス中に固溶しているクロム量が低下するからである。固溶しているクロム量が結晶粒界などのように、部分的でも約13%以下になると通常の大気中では不動態皮膜が形成しづらくなり、錆が発生しやすい。そのため、元々クロムが多く含有したステンレスを用いて窒化することも、耐食性の面では有効である。
【0081】
プレス加工の後、外側弾性部材をイオン窒化(プラズマ窒化)処理により、主に拡散層からなる約50μの厚さの窒化膜を形成する。
【0082】
ステンレスのように表面に原子の拡散を抑える不動態皮膜があると、通常は窒化も起こりにくいのであるが、イオン窒化ではこの不動態皮膜をスパッタ作用で除去しながら窒化が進行するので、膜形成速度が大きいので望ましい。
【0083】
また、窒素化合物の生成を制御できるとみられ、表面の肌荒れが少ない膜形成が可能である。窒素化合物が形成されるとは、一種の相変態が起こっているわけで、それにより例えば本来のステンレスなどに生じる相(あるいは結晶粒)とは異なった相(あるいは結晶粒)が、表面に新たに生成されるので、粗い表面になると思われる。母材の硬さすなわち変形抵抗が小さくても、この程度の膜厚があれば、膜自身で摩擦接触面に加わる応力に耐えることが出来て、膜が陥没することもない。
【0084】
摩擦材として、クロムを含有した鉄系材料に窒化したものが適している。特にステンレスに窒化したものは最適であった。
【0085】
その理由として、次に上げる4点が考えられる。
【0086】
第一に、ビッカース硬さで1000以上の硬い膜が形成されることがあげられる。これは、窒素と結合しやすいクロムが極めて硬いクロム窒化物を形成するからである。
【0087】
その上、このクロム窒化物があるおかげで、金属の焼き付きを防止しているとみられる。いわゆる、とも材(とも金)と呼ばれるように、同種の材料同士を摩擦接触させると、一般的には焼き付き(互いの相対位置が固定される状態)を生じやすい。固体拡散が盛んに起こるからである。同じ材料ではなくても、一般には全率固溶体となる金属同士や互いに固溶範囲の広い金属同士を摩擦接触させた場合も、やはりとも材の時のように焼き付きを生じやすい。
【0088】
焼き付きを生じるより一段階軽い状態がいわゆるシビア磨耗の状態と言われている。シビア磨耗の状態とは部分的に焼き付きを生じるのではあるが、焼き付き部をせん断するための力が摩擦力より小さく、固着状態には至らないで、互いの摩擦面の分離が維持される状態と考えられる。シビア磨耗の状態では激しい磨耗をおこすだけでなく、摩擦面も凹凸が大きくなって、安定した摩擦接触をしなくなる。
【0089】
しかし、以上のことは一般的現象であって、表面に安定な酸化膜が存在していれば、金属同士の直接接触が避けられ、焼き付きを起こさずマイルド磨耗を維持できる。だから、実際ステンレス同士の摩擦接触であっても、極めて安定してかつ磨耗量も少ない状態がある。
【0090】
さらに、クロム窒化物が一定量存在した場合は、窒化物自身が極めて硬いという理由からだけでなく、金属結合よりも安定した結合(例えばイオン結合や共有結合)をして母相とは別の相になっているので、焼き付きも生じにくいと考えられる。
【0091】
第二に、クロムを含有した鉄系材料の窒化膜は耐熱性が高いことがあげられる。摩擦表面は数百度の高温になっていると考えられる。摩擦摺動した面には実際ブルーイングと呼ばれる、青い膜が見られるからである。この膜は鉄系材料が数百度に熱せられた時生じる酸化皮膜である。そのような高温においても摩擦面の硬さ低下がないか、あるいは少ないことが望ましい。高温でも高い変形抵抗を維持することで、摩擦摺動面の変形が抑えられる。
【0092】
第三に、必要な耐食性が得られることがあげられる。振動波駆動装置の摩擦材料として使用する以上、錆の発生は好ましくないのだが、ステンレスであれば日常の耐食性は得られる。但し、13%クロムのステンレスに窒化したものは、やや耐食性に不安がある。
【0093】
その場合、窒化によって若干耐食性が低下するものの、前述したようにニッケルやモリブデンが含有するステンレス、クロム含有量で17%以上のステンレス、鋭敏化を防止するために炭素含有量が特に少ないJIS規格のL記号がついたステンレス、アルミニウムを含有したステンレスあるいは耐熱鋼に属する材料などを用いることで、耐食性の低下を補える。
【0094】
第四の理由は初期磨耗により摩擦面になじみを与えやすいことがあげられる。その原因は窒化膜の厚さ方向の組成分布、相分布によると考えられる。窒化膜は鉄中のクロムあるいは鉄と窒化物を形成した化合物部分と、鉄格子中に窒素が侵入しているだけの拡散部分から構成されているわけである。
【0095】
化合物部分は、クロムと窒素の割合が異なる各種クロム窒化物と、鉄と窒素の割合が異なる各種窒化鉄から構成されていると考えられる。そして、表面ほど化合物が多くなっていて、内部にいくに従って拡散部分が増加している。その結果、表面ほど硬くなる。すなわち、一種の傾斜材料になっているのである。
【0096】
ところで、振動波駆動装置の摩擦面は、初期の段階で摩擦面の中で部分的に負担が大きくなる個所がある。いわゆる、摩擦面同士がなじむまでは極めて面圧が高くなる個所がある。そのような個所は、シビア磨耗のきっかけとなり、その後は摩擦面全体でその状態になってしまうことがある。
【0097】
その点、クロムを含有した鉄系材料の窒化膜は表面ほど化合物が多いので都合がよい。なぜなら、化合物が多いと化学的な磨耗が先行して、磨耗量自体は決して小さいわけではないが、滑らかな磨耗状態を維持しやすいからである。そして、磨耗が進むにつれ摩擦面の形状的なじみが起こる。拡散部分の鉄が酸化膜を形成して、かつなじみが生じているため、表面の微小部分において応力が大きい所もなくなっていくので、酸化皮膜を破壊することもなく、その後は磨耗量が低下すると考えられる。化合物が多く存在する層では、酸化膜を形成する硬い鉄より化学的磨耗が顕著であるが、焼き付きは発生しにくいと考えている。そのため、ステンレスのようにクロムが一定量含有している材料が適当である。
【0098】
なお、一般には化合物層、拡散層と言うことがあるが、実際は化合物が多い層、鉄系材料の母格子が保たれた部分の多い層ということなので、ここでは前者の用語は避けた。
【0099】
以上、説明したように、加工性も比較的良好で、日常の耐食性もあり、硬い窒化膜が形成されるステンレスは摩擦材として最適である。
【0100】
ところで、締結部の先端は溶接するので、その溶接性を考慮して窒化膜が形成されないようにマスキングする。マスキングは底のある孔を設けた金属板に、締結部を入れることで行なう。もっとも、窒化膜が形成された部分でも条件さえ選べば、溶接は可能であった。
【0101】
一方、圧電素子3と直接接触する内側弾性部材1−2、2−2は、快削型オーステナイト系ステンレス JIS規格 SUS303を用いて切削加工した。単純な円環形状であるが、両端面部分に一定の精度を要求されるからである。プレス打抜き加工で製作した場合は、両端面を後でラップ加工などする必要があるので総工数を考慮して切削加工とした。
【0102】
溶接するに当たっては、2つの外側弾性部材1−1、2−1の締結部先端同士がまず突き当たる。その時、図7に示すように振動子のくびれ部のさらに内周側に隙間S3が出来る。上下電極31、32は溶接機に取り付けられているので、予め互いにその位置関係は定められていることになる。その上で、振動子の構成部品は互いに嵌合しているので、各部品の同軸精度を高く保つことが可能である。
【0103】
溶接後、隙間S3は消滅する。この外側弾性部材1−1、2−1と内側弾性部材1−2、2−2が互いに突き当たった部分の接触状態は重要である。この部分は振動子の振動において応力が高いので、接触状態が不均一であると振動子の特性にバラツキを生じる。そのため、図7からわかるように外側弾性部材1−1、2−1の内側の段差部はその外周部が先に突き当たるように、逆テーパがつけられている。接触部を逆テーパ部の外周部のみに限定し、振動子の曲げ剛性のバラツキを抑えるためである。また、圧電素子の内周側に加わる圧力が、余り大きくならないようにする効果もある。
【0104】
(第3の実施の形態)
図8は第3の実施の形態を示す断面図である。
【0105】
この振動子は摩擦面が端面ではなく、両端部より圧電素子側に一段近い、すなわち弾性部材の中間位置の面にある。
【0106】
くびれ部は2つ設けられているが、これは摩擦面において必要な振動方向と必要な大きさの変位を得るためである。この2つのくびれ部の間に摩擦面が存在する。
【0107】
第1の実施の形態や第2の実施の形態では、振動子の摩擦面は両端部にあり、その振動方向は振動子の軸心に対して内側に約45°向いた方向であった。その点、本実施の形態の振動子の摩擦面では外側に約45°向いた方向になっている。
【0108】
弾性部材1、2はオーステナイト系ステンレスである JIS規格SUS303を切削加工してから、イオン(プラズマ)窒化処理をした。通常、摩擦面はラップ加工などの平滑化処理を行なうのであるが、本実施の形態では切削加工のみである。
【0109】
一般には摩擦材は弾性部材に接合したり、塗布したりするため、摩擦材単独では平面度や平滑性が不足するので、後加工としてラップ加工などを加える。しかし、本実施の形態では、弾性部材の中間位置に摩擦面があるので、ラップ加工などは難しい。
【0110】
その点、窒化処理では条件を適切にすれば、その処理面が粗くなること、あるいは平面度が悪化することを抑えられるので、切削面をそのまま摩擦面として使用出来る。特に、イオン窒化処理では処理表面においての化合物部分の生成を制御しやすいので望ましい。化合物に相変態した部分は、その表面粗さが大きくなる場合が多いからである。
【0111】
弾性部材の摩擦面分は、切削加工により得られた面精度は、窒化後もほぼそのまま保つことが可能である。摩擦面については、切削加工時に先端の半径が大きいバイトを選択したり、送り速度を小さくしたりして、適切な切削条件を選択して良好な面精度に仕上げておくことが望ましい。さらに進んで、当てバイトを使用するか、場合によっては表面を押しつぶすバーニッシュ(Burnish)をしてもよい。
【0112】
(第4の実施の形態)
図9に第4の実施の形態における振動波駆動装置の振動子の断面図を示す。
【0113】
この振動子は出力軸が貫通する孔部が形成されていない。弾性部材2にはいわゆるくびれ部と言われる小径部はなく、弾性部材1のみにくびれを構成する小径部がある。
【0114】
弾性部材1の弾性部材2と対向する面の中央部に突起を有する締結部1aが設けられ、弾性部材2には弾性部材1と対向する面に締結部1aの嵌合する凹部が設けられている。締結部1aが弾性部材2の凹部に嵌合することで弾性部材1、2の互いの中心位置が定まる。したがって軸心位置を決めるための冶具を用いなくても、弾性部材1、2の軸心を正確な位置に固定したまま溶接することができる。
【0115】
また、弾性部材1、2とを溶接する際に、押さえ板30によって支持板5を介して圧電素子3とフレキシブルプリント基板4を押し付けると、振動子の各構成部材の位置が固定され溶接の際に位置ずれを起こすことがない。
【0116】
なお、締結部1aが嵌合する側面には、電流が流れないことが望ましいので、この部分には絶縁塗料などを塗布しておくとよい。
【0117】
弾性部材1、2を挟んでいる電極31、32は、それぞれ弾性部材1、2の端部を単に圧接しているだけであるが、このような構成であっても溶接電流は弾性部材1の締結部1aと、弾性部材2において締結部1aに対向する部位に集中し、電気抵抗溶接を行なうことができる。
【0118】
(第5の実施の形態)
図10に第5の実施の形態における振動波駆動装置の振動子の断面図を示す。
【0119】
図1から図9に示した振動子は電気抵抗溶接によって2つの弾性部材1と2とを直接接合させていたが、図10に示した振動子は、弾性部材1、2とは別部材である締結部材8を介して弾性部材1と2を接合する。
【0120】
また本実施の形態では、断熱部材として樹脂製の中空部材26が締結部材8と圧電素子3との間に配置されている。
【0121】
締結部材8はフランジ部を有し、このフランジ部が中空形状の弾性部材1の内径部に設けられた段差に当接した直後に、電気抵抗溶接が完了するように形成されている。
【0122】
圧電素子3、フレキシブル基板4および支持板5は、中空部材を介して締結部材によって各中心軸の位置決めがなされる。
【0123】
中空部材26を設けた理由は、溶接時に発生する熱から圧電素子を保護することと同時に、溶接時に発生することもある溶融チリが各部品に付着することで短絡などのような不都合な現象を回避するためでもある。
【0124】
締結部材8に上電極31を加圧接触させ、弾性部材2に下電極32を加圧接触させて電流を流すと、締結部材8と弾性部材2との間で電気抵抗溶接が行われる。
【0125】
弾性部材1は溶接によって直接固定されてはいないが、締結部材8に設けられたフランジ部によって弾性部材2に向かって加圧されるようになり、弾性部材1と弾性部材2との間には十分な締結張力を作用させることができる。
【0126】
なお、電気抵抗溶接を行なう前に、予め加圧治具34を用いて加圧することで弾性部材1、2間に挟まれた各部材の位置関係を固定することができ、溶接時に各部材が位置ずれを起こしてしまうことを防ぐことができる。
【0127】
また、この加圧力の大小で、溶接後に締結部材に残留する張力を調整することも出来る。
【0128】
(第6の実施の形態)
図11に第6の実施の形態における振動波駆動装置の振動子の断面図を示す。
【0129】
この実施の形態では締結部材8はその両端面の中心部が突出しただけの簡単な形状をしており、プレス加工によって形成できる。
【0130】
弾性部材1は図示していないがその端面の中央部に凹部があり、外周部の突起が摩擦摺動面になる。弾性部材2の弾性部材1に対向する部位は平面で構成されており、極めて簡単な形状であるため、両弾性部材とも丸棒から切削加工によって容易に形成できる。
【0131】
締結部材8の2箇所の突出した部分を、それぞれ弾性部材1、2に当接させて同時に電気抵抗溶接を行なうことで振動子を作製する。
【0132】
なお、図10と同様に弾性部材1、2間に挟まれる圧電素子3等の部材は締結部材8によって中心軸の位置決めがなされている。そして、電極31は弾性部材1の凹部に嵌合し、電極32の外周に軽嵌合したカラー32−1の内周部に弾性部材2が嵌合する。これにより、振動子を構成する各部材の位置合わせが容易に行なえる。
【0133】
なお、下側の電極32とカラー32−1を別部材にした理由は、電極の端面は時々メンテナンスとして研磨する必要があるからである。
【0134】
そのためには、電極とカラーは分離できるようにしておかなければならない。もちろん、軽嵌合でなくても、別のネジによる固定や、電極の外周にオネジを、カラーの内周にメネジを設けた構造でもよい。
【0135】
(第7の実施の形態)
図12に第7の実施の形態における振動波駆動装置の振動子の断面図を示す。
【0136】
本実施の形態では締結部材8にはその中心部に貫通孔が設けられており、この貫通孔に支持ピン27を貫通させて、締結部材8を弾性部材1、2に電気抵抗溶接すると同時に、支持ピン27を弾性部材2に電気抵抗溶接する。この支持ピン27の先端部を固定することで振動子を支持する。
【0137】
中空形状の締結部材8の内径部には段差が設けられており、この段差に支持ピン27のフランジ部が当接する。支持ピン27は締結部材8の内径に当接したフランジ部によって締結部材8と弾性部材2との間に固定されるため、電気抵抗溶接時に位置ずれを起こすことはない。
【0138】
なお、締結部材8はプレス加工で製作されるが、その時のダレとカエリを利用して、溶接部突起を設けている。支持ピン27は鍛造加工の一種である圧造(アップセット)で加工し、そのネジ部は転造加工されている。このネジ部を不図示の基盤等に固定することで振動波駆動装置全体を支持している。
【0139】
また、この実施の形態では溶接部に電流がスムーズに流れるようにするため、弾性部材1に圧接させる2つ割れの電極31は、弾性部材1の側面に配置した。
【0140】
(第8の実施の形態)
図13に第7の実施の形態における振動波駆動装置の振動子の断面図を示す。
【0141】
締結部材8はJIS規格 SUS304製のステンレスパイプである。
【0142】
中空形状の弾性部材1、2の内径部には段差が設けられており、この段差に締結部材8を当接させている。また、締結部材の端部外側には軸受け9、10が配置されており、これらも弾性部材1、2の内径部に設けられた段差によって位置決めがなされている。
【0143】
ステンレスパイプである締結部材8の両端部にそれぞれ2つの弾性部材を同時に電気抵抗溶接することによって振動子を形成する。
【0144】
(第9の実施の形態)
図14に、上述したいずれかの振動子を用いた振動波駆動装置を、ロボットマニュピレーターの指部分の駆動源として搭載した例を示す。
【0145】
指の関節部を動かすのにワイヤーやリンク機構が考えられるが、各関節を同時に動かす場合に複雑な制御が必要になる。なぜなら、他の関節、例えば腕部の関節のみを動かそうとする時にも、先端の指部の関節用モータを駆動する必要が生じるからである。
【0146】
図14の振動波駆動装置61、62は小型化しても発生トルクが十分に大きいので、ロボットマニュピレーターの指部分の内部に直接搭載することができる。各関節は関節軸45、46を中心軸として振動波駆動装置61、62によりウォームギヤ41、42とウォームホイール43、44を介して独立して駆動できるようになる。
【0147】
もちろん、各関節にそれぞれ振動波駆動装置を配置すれば、各関節を完全に独立させて駆動することができ、各々の関節は他の関節の動作に影響を受けることはないので制御が容易に行なえる。なお、指の長さ方向に振動波駆動装置の軸心を向けるようにすれば、小さな指の内部にも効率よく配置できるであろう。
【0148】
(第10の実施の形態)
図15および図16は上述したいずれかの振動子を用いた振動波駆動装置を、自動車の後方視覚確認に用いる電動式サイドミラーに搭載したものである。
【0149】
振動波駆動装置は、同程度の大きさであれば従来の電磁モータの10倍以上のトルクを発生できるため減速ギヤを簡素化できる。
【0150】
そのため、騒音を抑えることができ省スペース化も図れる。
【0151】
図15および図16に示した電動式サイドミラーは、通常の格納式ミラーの動作に加えて、上下方向にスライドできることが特徴である。
【0152】
図15に通常の電動式サイドミラーとしての使用状態を示し、図16に電動式サイドミラー本体を下方にスライドしたときの使用状態を示す。
【0153】
振動波駆動装置63は通常のミラーの格納動作を行い、振動波駆動装置64、減速用の平歯車51およびリードスクリュー47によってサイドミラーに固定されたスライドテーブル48を上下に駆動させる。
【0154】
ここでは、スライド機構としてリードスクリューを用いたが、ラックアンドピニオン方式などでもよい。
【0155】
ここで、スライド機構の意味について説明しておく。最近の自動車は、フェンダーミラーに代わりドア側面あるいはその付近に設置されるいわゆる本実施の形態のサイドミラーが主流になってきた。
【0156】
しかし、車種によってはこのサイドミラーが大きいものが多く、後方確認性が良好な反面、斜め前方の視野をサイドミラー自身でさえぎってしまう場合がある。
【0157】
特に、運転席側に曲がるとき(日本車では右折時)には横断歩道上の歩行者がサイドミラーで隠れてしまって、危険な状態がある。
【0158】
そこで、本実施の形態ではサイドミラーを上下にスライド可能とした。
実際に自動車を運転して気が付くのであるが、サイドミラーの位置を下げた場合であっても、運転席の横のドアパネルは視線を遮ることもなく、ガラスを通じてミラーを見ることができ、後方確認は十分に行なえる。個人の身長や座高などに合わせて、斜め前方の視野の邪魔にならず、かつ後方視野も確保できる位置にミラーを上下に移動させればよいであろう。
【0159】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば振動子の複数の弾性体を締結する際に、締結ボルトを用いずに電気抵抗溶接による締結を行ったため、ボルトのネジ山の微小滑りがなくなり、かつ、振動子の軸に対する形状の対称性を向上させることができる。そのため、振動子の電気―機械エネルギー変換効率が向上するとともに、振動子の振動変位のバラツキが改善される。
【0160】
また、この振動子を用いた振動波駆動装置を構成した場合、振動子と移動体との接触がより均一になるので、摩擦摺動よる駆動損失が低減され効率が高くなるとともに、摩擦材の偏磨耗が抑えられるため寿命が長くなる。さらに、摩擦面での接触が均一になるので、異音の発生が抑えられる。
【0161】
一方、弾性部材を接合する際に、弾性部材の締結張力に比較して相当小さな力で弾性部材を加圧すれば足りるため、接合時の工程が単純化され、精度のより優れた振動子および振動波駆動装置を提供することができる。
【0162】
さらに、弾性部材を固定するためのボルトが不要となり、部品点数を削減した簡易な構成の振動子を構成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における振動子の断面図
【図2】図1の振動子における溶接部の拡大断面図
【図3】第1の実施の形態における振動子の分解斜視図
【図4】第1の実施の形態の振動子を用いた振動波駆動装置の分解斜視図
【図5】第1の実施の形態の振動子を用いた振動波駆動装置と、これを支持するケースを示した斜視図
【図6】第2の実施の形態における振動子の断面図
【図7】第2の実施の形態における溶接部の拡大断面図
【図8】第3の実施の形態における振動子の断面図
【図9】第4の実施の形態における振動子の断面図
【図10】第5の実施の形態における振動子の断面図
【図11】第6の実施の形態における振動子の断面図
【図12】第7の実施の形態における振動子の断面図
【図13】第8の実施の形態における振動子の断面図
【図14】図1、図6、および、図8から図13に示す振動子のいずれかを用いた振動波駆動装置をロボットマニュピレーターの指部に搭載した様子を説明するための図
【図15】図1、図6、および、図8から図13に示す振動子のいずれかを用いた振動波駆動装置を自動車の電動式サイドミラーに搭載した様子を示す図
【図16】図15の電動式サイドミラーを下方にスライド移動させた状態を示す図
【符号の説明】
1、2 弾性部材
1a、2a 締結部
1aa 凸部
3 電気―機械エネルギー変換素子
4 フレキシブルプリント基板
5 支持板
6、7 摩擦部材
8 締結部材
9、10 振動子内軸受け
11、12 ロータ本体
13、14 ロータ側摩擦材
15、16 加圧バネ
17、18 回り止め
19、20 止めネジ
21 出力軸
22、23 ケース用軸受け
24 上ケース
25 下ケース
26 中空樹脂
27 支持ピン
30 押さえ板
31 上電極
32 下電極
34 加圧治具[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention includes a vibrator that includes an electro-mechanical energy conversion element and an elastic member, and generates a vibration in the elastic member by supplying a signal to the electro-mechanical energy conversion element, a method for manufacturing the vibrator, and a vibration using the vibrator The present invention relates to a wave drive device and a device on which the wave drive device is mounted.
[0002]
[Prior art]
There have been many proposals related to vibration type driving devices such as ultrasonic motors.
[0003]
For example, a piezoelectric element which is a kind of electro-mechanical energy conversion element and a flexible printed board for supplying an AC voltage to the piezoelectric element are arranged between two elastic members such as metals, and the center of each of these members A bolt is inserted into the through hole provided in the bolt, and a nut is fastened to the tip of the bolt, so that the two elastic members, the piezoelectric element, and the flexible printed board are sandwiched and fixed by a flange and a nut formed on the bolt. There is one that constitutes a vibrator. In addition, there is a screw configured in an inner diameter portion of the elastic member, and by tightening the screw and the bolt, there is a vibrator configured by sandwiching and fixing these two elastic members, a piezoelectric element, and a flexible printed circuit board ( For example, see Patent Document 1).
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2001-8472 A (page 3-5, FIGS. 1 and 3)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the past, so-called Langevin type vibrators in which a piezoelectric element is sandwiched between elastic bodies and tightened with bolts have been used for a wide range of applications, not limited to vibration wave driving devices.
[0006]
One reason for this is that by fastening the central portion of the vibrator, the members sandwiched between the elastic members are uniformly adhered, and the vibration characteristics of the vibrator are stabilized. In order to efficiently transmit the minute displacement generated in the piezoelectric element to the elastic member, it is necessary to increase the adhesion of each member.
[0007]
Therefore, a large tension is required for the fastening portion of the elastic member, and a high-strength bolt is used as a fastening member that can withstand this tension.
[0008]
However, if the vibrator is downsized, the bolt must be downsized. Since the torsional breaking torque of the bolt is proportional to the cube of its diameter, when the vibrator is downsized, the torsional strength of the bolt is abruptly reduced and the bolt may be broken when the elastic member is tightened.
[0009]
In addition, if a minute slip occurs between the screw threads at the fastening portion of the bolt, the efficiency of transmitting the vibration displacement of the piezoelectric element to the elastic member can be reduced. Furthermore, since the screw thread has a spiral shape, it is not completely symmetrical with respect to the axis of the bolt, and the vibration displacement of the vibrator is also expected to lack symmetry.
[0010]
If the vibration displacement is not symmetric, in the vibration wave drive device using this vibrator, non-uniform pressurization will occur on the friction surface of the vibrator and the slider, resulting in uneven wear of the friction surface and a decrease in drive efficiency. Can be considered.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention provides a vibrator in which an electro-mechanical energy conversion element is fixed between a plurality of elastic members.An adhesion force is applied to the plurality of elastic members and the electromechanical energy conversion element.Electrical resistance welding of the plurality of elastic membersAnd heat shrinkIt is characterized by being joined.
[0012]
Similarly, in order to solve the above-described problem, the present invention provides a vibrator in which an electromechanical energy conversion element is fixed between a plurality of elastic members.,in frontA fastening member which is a separate member from the plurality of elastic membersThe plurality of elastic members and the fastening member so as to apply an adhesion force to the plurality of elastic members and the electro-mechanical energy conversion elementAnd the electric resistance weldingThe plurality of elastic members through the fastening member.It is characterized by being joined.
[0013]
Similarly, in order to solve the above problems, the present invention provides a vibrator in which an electromechanical energy conversion element is fixed between a plurality of elastic members, and has a fastening member that is a separate member from the plurality of elastic members. AndThe adhesive force is applied to the plurality of elastic members and the electromechanical energy conversion element.Electrical resistance welding of a fastening member and at least one elastic memberHeat shrink, and through the fastening memberThe plurality of elastic members are joined.
[0014]
Similarly, in order to solve the above-described problems, the present invention provides a vibration wave driving device using the vibrator and a device having the vibration wave driving device.
[0015]
Similarly, in order to solve the above problem, the present invention provides an electro-mechanical energy conversion element between a plurality of elastic members.FixedIn the manufacturing method of the vibrator,AboveMultiple elastic membersAnd adhesion force to the electro-mechanical energy conversion elementElectrical resistance welding of the plurality of elastic membersAnd heat shrinkIt is characterized by being joined.
[0016]
Similarly, in order to solve the above problem, the present invention provides an electro-mechanical energy conversion element between a plurality of elastic members.FixedIn the vibrator manufacturing method,Multiple elastic members joinFastening partAboveAfter pressurizing in the axial direction of the vibrator,An adhesion force is applied to the plurality of elastic members and the electromechanical energy conversion element.Electric resistance welding of the fastening partAnd heat shrinkIt is characterized by joining.
Similarly, in order to solve the above-described problem, the present invention provides a vibrator manufacturing method in which an electromechanical energy conversion element is fixed between a plurality of elastic members, and is a fastening member that is a separate member from the plurality of elastic members. The first elastic member so as to apply an adhesion force to the plurality of elastic members and the electro-mechanical energy conversion element after pressing the fastening member in a direction in which the elastic member is present. The fastening member is subjected to electric resistance welding to be thermally contracted and joined.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(First embodiment)
1 to 3 show a vibrator of the vibration wave driving device according to the first embodiment.
[0018]
In the first embodiment, projections (or projections) 1a and 2a are provided on the mutually opposing surfaces of the two
[0019]
FIG. 1 is a view showing a cross section of a vibrator and
[0020]
The two
[0021]
The material of the elastic member is not limited to austenitic stainless steel, but may be martensitic stainless steel, ferritic stainless steel, copper alloy such as brass, and aluminum alloy. However, in consideration of the deformation strength of the fastening portion, generally, an iron-based material is preferable because the deformation resistance is larger than that of a non-ferrous metal.
[0022]
Among the iron-based materials, austenitic stainless steel is preferable for electric resistance welding as will be described later. This is because the electrical resistance is relatively large and the heat conduction is small, so that the melted portion (nugget) is localized and only the necessary portion is reliably joined.
[0023]
On the other hand, even if it is free-cutting steel, carbon steel or alloy steel instead of stainless steel, a rust-proofing effect that can withstand practical use can be obtained by applying surface treatment such as chromate treatment, nickel plating or chrome plating. When using these, it is good to remove the surface treatment of a welding part, or to select the welding conditions which can be joined with surface treatment.
[0024]
In this embodiment, the elastic member is manufactured by cutting. However, if the elastic member is manufactured by pressing, austenitic stainless steel represented by JIS standard SUS304 is suitable. This is because the ductility is large and drawing is easy, and since the free-cutting component is not included, the welded state is good.
[0025]
The
[0026]
When nitriding or carburizing is applied to stainless steel, the surface becomes extremely hard and the wear resistance is remarkably improved, making it ideal as a friction material for vibration wave drive devices.
[0027]
Even if nitriding treatment is applied to normal soft iron, the surface hardness is about 500 Hv (Vickers hardness), but since chromium is contained in stainless steel, chromium nitride is formed and hardness of 1000 Hv or more is easily formed. can get.
[0028]
The
[0029]
The friction material subjected to the above treatment was previously joined to the elastic member by electric resistance welding. However, when the friction material is thin, the friction material may be deformed after being welded to the elastic member. Therefore, it is desirable to lap the friction surface of the friction material after welding.
[0030]
In this embodiment, as described above, the
[0031]
Further, between the two
[0032]
FIG. 2 is an enlarged view of portions of the
[0033]
Since the piezoelectric element has high insulation characteristics, and the substrate portion of the flexible printed board uses a highly insulating material such as a polyimide film, the welding current applied to the
[0034]
Further, the projection 1a, which is a fastening portion of the
[0035]
By the way, when the piezoelectric element is heated, depolarization proceeds, and once the Curie temperature is exceeded, the piezoelectric characteristics are lost even if the temperature is returned to room temperature. Therefore, care must be taken so that heat is not applied to the piezoelectric element as much as possible at the time of welding, but in the first embodiment, the generated heat is local, and thus the characteristics of the piezoelectric element are not deteriorated.
[0036]
Also in this respect, it can be said that the electric resistance welding method in which the material is completely melted and solidified in an extremely short time is suitable for joining the vibrator using the piezoelectric element.
[0037]
In the present embodiment, the
[0038]
Therefore, the center position of the
[0039]
That is, a gap S2 exists between the inner diameter portion of the
[0040]
The
[0041]
The
[0042]
In FIG. 1, when the side surfaces of the upper and
[0043]
The effect of joining a plurality of elastic members constituting the vibrator by electric resistance welding will be described below.
[0044]
As described above, in order to improve the adhesion of the piezoelectric element or the like, a high fastening tension is required as in the case of bolt joining.
[0045]
In this embodiment, the diameter of the vibrator is 12 mm, and thus the diameter of the elastic member and the piezoelectric element constituting the vibrator is also 12 mm. However, the piezoelectric element and the like sandwiched between the elastic members is about 300 kgf as a whole. It was found by another measurement that good vibrator characteristics cannot be obtained unless a sufficient clamping force is applied.
[0046]
When the clamping force is smaller than that, the Q value indicating the difficulty of damping the vibration and the admittance of the vibrator are small, and the characteristics of the vibrator are not excellent.
[0047]
In the vibrator of the present embodiment, the force with which each electrode pushes the elastic member during welding is set to only about 30 kgf. Nevertheless, the vibrator characteristics after welding were extremely excellent. That is, a force larger than the pressure applied by each electrode is generated in the fastening portion.
[0048]
This is considered that most of the fastening tension generated in the elastic member is caused by thermal contraction of the
[0049]
As described above, when electric resistance welding is used as a joining means for the elastic member, a large fastening force can be obtained with a small crimping force as a result. Therefore, an apparatus for joining the elastic member can be prevented from becoming large and complicated. .
[0050]
On the other hand, consider the case where this embodiment is performed by laser welding. In the case of laser welding or arc welding, unlike electrical resistance welding, the entire member cannot be instantaneously melted and the distance between the elastic members cannot be shortened. It needs to be in close contact.
[0051]
In these welding methods, melted portions are formed in order by laser irradiation. A gap is provided between the protrusion 1a and the
[0052]
At this time, the residue in the melted portion may adhere to the piezoelectric element through the gap, and the temperature of the piezoelectric element may rise, leading to deterioration of the characteristics. This is because an inert gas such as argon is injected for preventing oxidation in the direction of laser light irradiation, so that the molten metal is scattered on the inner peripheral surface of the piezoelectric element by the force of gas injection. Further, since the solidified portion is formed by welding in order, the temperature distribution varies depending on the circumferential position of the annular welded portion, and the fastening stress generated by the heat shrinkage is uneven. As a result, unevenness occurs in the vibration displacement of the vibrator.
[0053]
In addition, it is necessary to pay attention to deterioration in characteristics of the welded portions of the
[0054]
The piezoelectric element, which is an electro-mechanical energy conversion element, should have as large an area as possible in order to increase driving efficiency. Therefore, it is desirable to arrange the piezoelectric element on the outer diameter side as much as possible. When an electromechanical energy conversion element is sandwiched between elastic members and fixed by a fastening portion that penetrates the inside of the element to form a vibrator, welding is performed inside the vibrator, and other than electric resistance welding This welding method is difficult.
[0055]
As a welding method other than electric resistance welding, for example, there are a laser welding method, an electron beam welding method, an arc welding method, and the like. When laser welding the fastening portion, as described above, it is necessary to irradiate the fastening portion having a gap with each other in a state where the members between the elastic members are brought into close contact with each other in advance in the axial direction from the outside. There is. Alternatively, the fastening portions are fitted to each other and the corners are welded. Therefore, welding is performed from the inside of the through hole of the elastic member, and the operation becomes difficult particularly when the vibrator is downsized. This is also true for other welding methods other than electrical resistance welding.
[0056]
Further, if welding is performed from the side surface of the fastening portion, deep welding cannot be performed and a large fastening tension cannot be withstood. In that respect, if it is an electrical resistance welding method, the
[0057]
3 is an exploded perspective view of the vibrator shown in FIG. The
[0058]
In this embodiment, when an alternating voltage, which is an alternating signal, is supplied to the piezoelectric element, a standing wave due to a plurality of bending vibrations is generated on the friction surface of the vibrator, and these are combined to penetrate through the center of the elastic member. A traveling wave that rotates about the hole as a center is generated. The joint portion of the elastic member of the vibrator according to the present embodiment has a symmetrical shape with respect to the axis of the vibrator, unlike the joint portion that is joined by a bolt having a helical thread. Therefore, the vibrator is excellent in symmetry with respect to the axis, and the vibration displacement of the friction surface can be made more uniform.
[0059]
Further, as described above, the breaking strength with respect to the torsional torque of the bolt is directly proportional to the cube of the diameter of the bolt, and the breaking strength decreases rapidly when the diameter is reduced. On the other hand, the fastening tension required to maintain the adhesion of each member between the two elastic members seems to be directly proportional to the square of the diameter of the vibrator or piezoelectric element. That is, when the vibrator is made smaller, the breaking strength against the torsion of the bolt is rapidly reduced with respect to the fastening tension required for the vibrator, resulting in a problem of insufficient bolt strength.
[0060]
The force applied to the bolt when tightening the bolt is a resultant force of a force due to torsional torque in addition to the axial tension of the fastening portion. Therefore, the stress applied at the time of tightening is maximized and the bolt may be broken. In order to improve the strength of the bolt, it is conceivable to harden it by quenching. However, although the material strength of the hardened material is improved, the influence of stress concentration at the valley of the screw is increased, and brittle fracture is likely to occur.
[0061]
For these reasons, there is a limit to downsizing a vibrator that uses bolts to fasten an elastic member.
[0062]
On the other hand, in the case of the vibrator according to the present embodiment, two elastic members that are electrically resistance-welded do not need to be tightened by torsion in the first place, so that a torsional force is applied like a bolt and breaks. There is no fear of doing. Therefore, it is possible to manufacture a vibrator that is smaller than that using a bolt.
[0063]
In addition, as in the conventional example described above, in a vibrator that is tightened with elastic members from both sides of a bolt, it is difficult to apply pressure to the clamping surface of each member in advance. Since they come into contact with each other, the members may be displaced from each other.
[0064]
In that respect, as described above, electrical resistance welding requires only a small pressing force in the axial direction, so that the components do not shift in the rotational direction and can be easily assembled.
[0065]
In addition, it is conceivable to join two elastic members by adhesion instead of welding. However, since a large number of bonding surfaces are required and the manufacturing process is increased, the adhesive itself has a large vibration damping characteristic. This is also not preferable from the viewpoint of the electro-mechanical energy conversion efficiency of the vibrator.
[0066]
In this respect as well, it can be said that if the resistance welding is performed, the two elastic members are directly melted and joined, so that the vibration attenuation is not increased and a vibrator having high conversion efficiency can be configured.
[0067]
FIG. 4 is an exploded perspective view of a vibration wave driving device using the vibrator assembled in the present embodiment.
[0068]
Two rotors composed of the rotor-
[0069]
The
[0070]
A standing wave, which is, for example, two secondary bending vibrations is generated on the friction surface of the vibrator by a voltage supplied to the piezoelectric element, and these are combined to generate a primary traveling wave. As a result, both end portions of the vibrator cause a swing motion, rotate the rotor, and rotate the output shaft fitted to the rotor.
[0071]
The displacement generated on the friction surface of the vibrator is magnified by the constriction provided on the elastic member. The rotation speed can be adjusted according to the size of the constricted portion.
[0072]
FIG. 5 shows a state when the vibration wave driving device using the vibrator of the present embodiment is housed in the case. The
[0073]
The present invention is not realized only by the form of the present embodiment described above, and can be applied to various forms.
[0074]
Accordingly, other embodiments will be described below, and description will be made with a focus on differences in configuration from the above-described embodiments.
[0075]
(Second Embodiment)
FIG. 6 is a cross-sectional view of the vibrator according to the second embodiment. FIG. 7 is a partial sectional view thereof.
[0076]
The elastic member in this vibrator is composed of outer elastic members 1-1, 2-1 and inner elastic members 1-2, 2-2.
[0077]
The outer elastic members 1-1 and 2-1 are formed by pressing a plate material of austenitic stainless steel JIS standard SUS304. These outer elastic members are provided with a stepped portion on the outer peripheral side for constituting a constricted portion and a stepped portion on the inner peripheral side serving as a fastening portion. This stepped portion is formed by punching the opposite surface of the plate with a punch.
[0078]
Since austenitic stainless steel has higher ductility than martensitic stainless steel and ferritic stainless steel, it is possible to perform such a half-cutting process. If an excellent shearing surface is required, a fine blanking die may be used, and it is desirable to use a press machine for fine blanking.
[0079]
By the way, although nitriding which will be described later reduces the corrosion resistance, austenitic stainless steel containing nickel is appropriate in order to maintain a certain level of corrosion resistance. In addition, JIS standard SUS316L, which is a higher-grade stainless steel, contains molybdenum, and thus retains sufficient corrosion resistance in an everyday environment even though the corrosion resistance is reduced by nitriding. Furthermore, although press workability is slightly inferior to that of austenitic stainless steel, a kind of heat-resistant steel having a chromium content of 17% or more may be used.
[0080]
In the first place, the reason why the corrosion resistance is lowered by nitriding is that chromium and nitrogen in stainless steel are combined to form chromium nitride, so that the amount of chromium dissolved in stainless steel is reduced. If the amount of chromium in solid solution is about 13% or less even partially, such as at grain boundaries, it is difficult to form a passive film in normal air, and rust is likely to occur. Therefore, it is also effective in terms of corrosion resistance to perform nitriding using stainless steel originally containing a large amount of chromium.
[0081]
After the press working, a nitride film having a thickness of about 50 μm mainly composed of a diffusion layer is formed on the outer elastic member by ion nitriding (plasma nitriding).
[0082]
If there is a passive film that suppresses the diffusion of atoms on the surface, such as stainless steel, nitriding is usually difficult to occur, but in nitriding, nitriding proceeds while removing this passive film by sputtering, so film formation High speed is desirable.
[0083]
In addition, it seems that the production of nitrogen compounds can be controlled, and film formation with less surface roughness is possible. The formation of a nitrogen compound means that a kind of phase transformation has occurred, and as a result, a phase (or crystal grain) different from the phase (or crystal grain) generated in, for example, the original stainless steel is newly formed on the surface. It appears that the surface is rough. Even if the hardness of the base material, that is, the deformation resistance is small, if the film thickness is such a level, the film itself can withstand the stress applied to the friction contact surface, and the film does not sink.
[0084]
As the friction material, a nitrided iron-based material containing chromium is suitable. In particular, those nitrided on stainless steel were optimal.
[0085]
There are four possible reasons for this.
[0086]
First, it is possible to form a hard film having a Vickers hardness of 1000 or more. This is because chromium that is easily combined with nitrogen forms extremely hard chromium nitride.
[0087]
In addition, this chromium nitride appears to prevent metal seizure. When the same kind of materials are brought into frictional contact with each other, so-called so-called material (also called gold), generally seizure (a state in which the relative positions of the materials are fixed) is likely to occur. This is because solid diffusion occurs actively. Even if they are not the same material, generally, even when metals that form a solid solution in a full ratio or metals that have a wide solid solution range are brought into frictional contact with each other, seizure is likely to occur as in the case of materials.
[0088]
It is said that a state that is one step lighter than the occurrence of seizure is a so-called severe wear state. Severe wear is a condition in which seizure occurs partially, but the force to shear the seizure is smaller than the frictional force, and the segregation of the friction surfaces is maintained without reaching the fixed state. it is conceivable that. In the severe wear state, not only intense wear is caused, but also the friction surface becomes uneven, and stable frictional contact is not achieved.
[0089]
However, the above is a general phenomenon, and if a stable oxide film exists on the surface, direct contact between metals can be avoided, and mild wear can be maintained without causing seizure. Therefore, even in actual frictional contact between stainless steels, there is a state where the amount of wear is extremely stable and the amount of wear is small.
[0090]
In addition, when a certain amount of chromium nitride is present, not only because the nitride itself is extremely hard, but also a stable bond (for example, ionic bond or covalent bond) rather than a metal bond, Since it is in phase, it is considered that seizure hardly occurs.
[0091]
Second, a nitride film of iron-based material containing chromium has high heat resistance. The friction surface is considered to be a high temperature of several hundred degrees. This is because a blue film called bluing is actually seen on the sliding surface. This film is an oxide film formed when an iron-based material is heated to several hundred degrees. It is desirable that the hardness of the friction surface does not decrease or is low even at such a high temperature. By maintaining high deformation resistance even at high temperatures, deformation of the frictional sliding surface can be suppressed.
[0092]
Third, the necessary corrosion resistance can be obtained. As long as it is used as a friction material for a vibration wave drive device, rust is not preferred, but stainless steel can provide daily corrosion resistance. However, those nitrided on 13% chromium stainless steel are somewhat uneasy about corrosion resistance.
[0093]
In that case, although the corrosion resistance is slightly lowered by nitriding, as described above, the stainless steel containing nickel or molybdenum, the stainless steel with a chromium content of 17% or more, and the JIS standard with a particularly low carbon content to prevent sensitization By using stainless steel with the L symbol, stainless steel containing aluminum, or a material belonging to heat resistant steel, the reduction in corrosion resistance can be compensated.
[0094]
The fourth reason is that the frictional surface tends to become familiar due to initial wear. The cause is considered to be the composition distribution and phase distribution in the thickness direction of the nitride film. The nitride film is composed of a compound portion in which chromium or iron and nitride are formed in iron, and a diffusion portion in which nitrogen only penetrates into the iron lattice.
[0095]
The compound portion is considered to be composed of various chromium nitrides having different ratios of chromium and nitrogen and various iron nitrides having different ratios of iron and nitrogen. And as the surface increases, the amount of the compound increases, and the diffusion portion increases toward the inside. As a result, the harder the surface. That is, it is a kind of gradient material.
[0096]
By the way, the friction surface of the vibration wave driving device has a part where the load is partially increased in the friction surface in the initial stage. There is a place where the surface pressure becomes extremely high until the friction surfaces become familiar with each other. Such a place may cause severe wear and then the entire friction surface may be in that state.
[0097]
In that respect, the nitride film of iron-based material containing chromium is convenient because the surface has more compounds. This is because, if the amount of the compound is large, chemical wear precedes and the amount of wear is not always small, but it is easy to maintain a smooth wear state. As the wear progresses, the shape of the friction surface becomes blurred. Because the iron in the diffusion part forms an oxide film and is familiar, there is no place where the stress is large in the minute part of the surface, so the oxide film is not destroyed, and the amount of wear decreases thereafter I think that. In a layer containing a large amount of compound, chemical wear is more remarkable than hard iron forming an oxide film, but it is considered that seizure hardly occurs. Therefore, a material containing a certain amount of chromium such as stainless steel is suitable.
[0098]
In general, the term “compound layer” or “diffusion layer” may be used, but in reality, the term “a layer containing a large amount of compound” or “a layer having many portions in which the base lattice of the iron-based material is maintained” is avoided.
[0099]
As described above, stainless steel on which a hard nitride film is formed is suitable as a friction material because it has relatively good workability and has daily corrosion resistance.
[0100]
By the way, since the tip of the fastening portion is welded, it is masked so that the nitride film is not formed in consideration of the weldability. Masking is performed by inserting a fastening portion into a metal plate having a hole with a bottom. However, welding was possible if the conditions were selected even at the portion where the nitride film was formed.
[0101]
On the other hand, the inner elastic members 1-2 and 2-2 that are in direct contact with the
[0102]
In welding, the front ends of the fastening portions of the two outer elastic members 1-1 and 2-1 first come into contact with each other. At that time, as shown in FIG. 7, a gap S3 is formed further on the inner peripheral side of the constricted portion of the vibrator. Since the upper and
[0103]
After welding, the gap S3 disappears. The contact state of the portion where the outer elastic members 1-1, 2-1 and the inner elastic members 1-2, 2-2 abut each other is important. Since this portion has a high stress in the vibration of the vibrator, if the contact state is not uniform, the characteristics of the vibrator vary. Therefore, as can be seen from FIG. 7, the inner stepped portions of the outer elastic members 1-1 and 2-1 are reversely tapered so that the outer peripheral portions first come into contact therewith. This is because the contact portion is limited only to the outer peripheral portion of the reverse taper portion to suppress variation in bending rigidity of the vibrator. In addition, there is an effect that the pressure applied to the inner peripheral side of the piezoelectric element does not become too large.
[0104]
(Third embodiment)
FIG. 8 is a cross-sectional view showing a third embodiment.
[0105]
In this vibrator, the friction surface is not an end surface, but is closer to the piezoelectric element side than both ends, that is, a surface at an intermediate position of the elastic member.
[0106]
Two constricted portions are provided in order to obtain a necessary vibration direction and a required displacement on the friction surface. A friction surface exists between the two constricted portions.
[0107]
In the first embodiment and the second embodiment, the friction surfaces of the vibrator are at both ends, and the vibration direction is a direction oriented approximately 45 ° inward with respect to the axis of the vibrator. In that respect, the friction surface of the vibrator of the present embodiment is directed to the outside by about 45 °.
[0108]
The
[0109]
In general, since the friction material is bonded to or applied to an elastic member, the friction material alone lacks flatness and smoothness, and therefore lapping is added as post-processing. However, in this embodiment, since there is a friction surface at the intermediate position of the elastic member, lapping or the like is difficult.
[0110]
In that respect, if the conditions are appropriate in the nitriding treatment, it is possible to prevent the treated surface from becoming rough or the flatness from deteriorating, so that the cutting surface can be used as it is as a friction surface. In particular, ion nitriding is desirable because it is easy to control the formation of the compound portion on the surface to be treated. This is because the portion that has undergone phase transformation into the compound often has a large surface roughness.
[0111]
As for the frictional surface portion of the elastic member, the surface accuracy obtained by the cutting process can be maintained almost as it is after nitriding. As for the friction surface, it is desirable to select a cutting tool having a large tip radius during cutting or to reduce the feed speed, select appropriate cutting conditions, and finish with good surface accuracy. Going further, you may use a batting tool or, in some cases, burnish the surface.
[0112]
(Fourth embodiment)
FIG. 9 is a cross-sectional view of the vibrator of the vibration wave driving device according to the fourth embodiment.
[0113]
This vibrator is not formed with a hole through which the output shaft passes. The
[0114]
A fastening portion 1a having a protrusion is provided at the center of the surface of the
[0115]
Further, when the
[0116]
In addition, since it is desirable that an electric current does not flow into the side surface which the fastening part 1a fits, it is good to apply an insulating paint etc. to this part.
[0117]
The
[0118]
(Fifth embodiment)
FIG. 10 is a cross-sectional view of the vibrator of the vibration wave driving device according to the fifth embodiment.
[0119]
The vibrator shown in FIGS. 1 to 9 has two
[0120]
In the present embodiment, a resin
[0121]
The
[0122]
The
[0123]
The reason why the
[0124]
When the
[0125]
Although the
[0126]
In addition, before performing electrical resistance welding, the positional relationship of each member pinched | interposed between the
[0127]
Moreover, the tension remaining on the fastening member after welding can be adjusted by the magnitude of the applied pressure.
[0128]
(Sixth embodiment)
FIG. 11 is a cross-sectional view of the vibrator of the vibration wave driving device according to the sixth embodiment.
[0129]
In this embodiment, the
[0130]
Although not shown, the
[0131]
A vibrator is manufactured by bringing two protruding portions of the
[0132]
As in FIG. 10, the central axis of the member such as the
[0133]
The reason why the
[0134]
For this purpose, the electrode and the collar must be separable. Of course, even if it is not light fitting, the structure which provided fixation with another screw, the external thread on the outer periphery of the electrode, and the internal thread on the inner periphery of the collar may be used.
[0135]
(Seventh embodiment)
FIG. 12 is a cross-sectional view of the vibrator of the vibration wave driving device according to the seventh embodiment.
[0136]
In the present embodiment, the
[0137]
A step is provided in the inner diameter portion of the
[0138]
The
[0139]
Further, in this embodiment, the
[0140]
(Eighth embodiment)
FIG. 13 is a cross-sectional view of the vibrator of the vibration wave driving device according to the seventh embodiment.
[0141]
The
[0142]
A step is provided in the inner diameter portion of the hollow
[0143]
A vibrator is formed by simultaneously performing electrical resistance welding of two elastic members to both ends of a
[0144]
(Ninth embodiment)
FIG. 14 shows an example in which the vibration wave driving device using any one of the vibrators described above is mounted as a driving source for the finger portion of the robot manipulator.
[0145]
Wires and link mechanisms can be considered to move the joints of the fingers, but complex control is required when moving each joint simultaneously. This is because it is necessary to drive the joint motor of the finger part at the tip even when trying to move only another joint, for example, the joint of the arm part.
[0146]
Since the generated vibration torque is sufficiently large even if the vibration
[0147]
Of course, if a vibration wave drive device is arranged at each joint, each joint can be driven completely independently, and each joint is not affected by the operation of other joints, so control is easy. Yes. If the axis of the vibration wave driving device is directed in the length direction of the finger, it can be efficiently arranged even in a small finger.
[0148]
(Tenth embodiment)
FIGS. 15 and 16 are obtained by mounting the vibration wave driving device using any of the vibrators described above on an electric side mirror used for visual confirmation of the rear of the automobile.
[0149]
Since the vibration wave driving device can generate a torque more than 10 times that of a conventional electromagnetic motor if it has the same size, the reduction gear can be simplified.
[0150]
Therefore, noise can be suppressed and space can be saved.
[0151]
The electric side mirror shown in FIGS. 15 and 16 is characterized in that it can slide in the vertical direction in addition to the operation of a normal retractable mirror.
[0152]
FIG. 15 shows a usage state as a normal electric side mirror, and FIG. 16 shows a usage state when the electric side mirror body is slid downward.
[0153]
The vibration
[0154]
Here, a lead screw is used as the slide mechanism, but a rack and pinion system or the like may be used.
[0155]
Here, the meaning of the slide mechanism will be described. In recent automobiles, the side mirror of this embodiment, which is installed on the side of the door or in the vicinity thereof instead of the fender mirror, has become mainstream.
[0156]
However, there are many large side mirrors depending on the vehicle type, and the rearward confirmation is good, but there is a case where the side mirrors obstruct the field of view obliquely forward.
[0157]
In particular, when turning to the driver's seat (when turning right in a Japanese car), a pedestrian on the pedestrian crossing is hidden by the side mirror, which is dangerous.
[0158]
Therefore, in this embodiment, the side mirror can be slid up and down.
You can notice by actually driving the car, but even when the position of the side mirror is lowered, the door panel next to the driver's seat can see the mirror through the glass without blocking the line of sight. Can do well. Depending on the individual's height, sitting height, etc., the mirror may be moved up and down to a position that does not obstruct the oblique front view and can also secure the rear view.
[0159]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when fastening a plurality of elastic bodies of the vibrator, fastening by electric resistance welding is performed without using a fastening bolt, so that there is no micro-slip of the screw thread of the bolt, and The symmetry of the shape with respect to the axis of the vibrator can be improved. For this reason, the electrical-mechanical energy conversion efficiency of the vibrator is improved, and variation in vibration displacement of the vibrator is improved.
[0160]
In addition, when a vibration wave driving device using this vibrator is configured, the contact between the vibrator and the moving body becomes more uniform, so that the drive loss due to frictional sliding is reduced and the efficiency is increased. Uneven wear is suppressed and the life is extended. Furthermore, since the contact on the friction surface becomes uniform, the generation of abnormal noise can be suppressed.
[0161]
On the other hand, when the elastic member is joined, it is sufficient to press the elastic member with a considerably small force compared to the fastening tension of the elastic member. A vibration wave driving device can be provided.
[0162]
Furthermore, a bolt for fixing the elastic member is not necessary, and a vibrator having a simple configuration with a reduced number of parts can be configured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a vibrator according to a first embodiment.
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view of a welded portion in the vibrator of FIG.
FIG. 3 is an exploded perspective view of the vibrator according to the first embodiment.
FIG. 4 is an exploded perspective view of a vibration wave driving device using the vibrator according to the first embodiment.
FIG. 5 is a perspective view showing a vibration wave driving device using the vibrator according to the first embodiment and a case for supporting the vibration wave driving device.
FIG. 6 is a sectional view of a vibrator according to a second embodiment.
FIG. 7 is an enlarged cross-sectional view of a welded portion in the second embodiment
FIG. 8 is a cross-sectional view of a vibrator according to a third embodiment
FIG. 9 is a sectional view of a vibrator according to a fourth embodiment.
FIG. 10 is a sectional view of a vibrator according to a fifth embodiment.
FIG. 11 is a cross-sectional view of a vibrator according to a sixth embodiment
FIG. 12 is a cross-sectional view of a vibrator according to a seventh embodiment
13 is a sectional view of a vibrator according to an eighth embodiment. FIG.
14 is a diagram for explaining a state in which a vibration wave driving device using any of the vibrators shown in FIGS. 1, 6, and 8 to 13 is mounted on a finger portion of a robot manipulator. FIG.
FIG. 15 is a diagram showing a state in which a vibration wave drive device using any of the vibrators shown in FIGS. 1, 6, and 8 to 13 is mounted on an electric side mirror of an automobile.
16 is a view showing a state in which the electric side mirror of FIG. 15 is slid downward.
[Explanation of symbols]
1, 2 Elastic member
1a, 2a Fastening part
1aa Convex
3 Electrical-mechanical energy conversion element
4 Flexible printed circuit boards
5 Support plate
6, 7 Friction member
8 Fastening member
9, 10 Bearing in vibrator
11, 12 Rotor body
13, 14 Rotor side friction material
15, 16 Pressure spring
17, 18 Non-rotating
19, 20 Set screw
21 Output shaft
22, 23 Bearing for case
24 Upper case
25 Lower case
26 Hollow resin
27 Support pin
30 holding plate
31 Upper electrode
32 Lower electrode
34 Pressure jig
Claims (22)
前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記複数の弾性部材を電気抵抗溶接して熱収縮させ、接合したことを特徴とする振動子。In a vibrator in which an electromechanical energy conversion element is fixed between a plurality of elastic members,
A vibrator characterized in that the plurality of elastic members are subjected to electrical resistance welding , thermally contracted, and bonded so as to apply an adhesion force to the plurality of elastic members and the electro-mechanical energy conversion element .
前記複数の弾性部材とは別部材である締結部材を有し、前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記複数の弾性部材と前記締結部材とを電気抵抗溶接して熱収縮させ、前記締結部材を介して前記複数の弾性部材を接合したことを特徴とする振動子。In a vibrator in which an electromechanical energy conversion element is fixed between a plurality of elastic members ,
The previous SL plurality of elastic members has a fastening member is a separate member, the plurality of elastic member and the electro - and the said plurality of resilient members so as to add the adhesion to the mechanical energy conversion element fastening member And a plurality of elastic members joined through the fastening members .
前記複数の弾性部材とは別部材である締結部材を有し、前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記締結部材と少なくとも一つの弾性部材とを電気抵抗溶接して熱収縮させ、前記締結部材を介して前記複数の弾性部材を接合したことを特徴とする振動子。In a vibrator in which an electromechanical energy conversion element is fixed between a plurality of elastic members,
A fastening member that is a separate member from the plurality of elastic members; and the fastening member and at least one elastic member so as to apply adhesion to the plurality of elastic members and the electro-mechanical energy conversion element. A vibrator characterized by heat-shrinking by electrical resistance welding and joining the plurality of elastic members via the fastening member .
前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記複数の弾性部材を電気抵抗溶接して熱収縮させ、接合したことを特徴とする振動子の製造方法。In a method of manufacturing a vibrator in which an electromechanical energy conversion element is fixed between a plurality of elastic members,
A method for manufacturing a vibrator , wherein the plurality of elastic members are subjected to electric resistance welding , heat-shrinked, and bonded so as to apply an adhesive force to the plurality of elastic members and the electromechanical energy conversion element .
前記複数の弾性部材が接合する締結部を前記振動子の軸方向に加圧した後、前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記締結部を電気抵抗溶接して熱収縮させ、接合することを特徴とする振動子の製造方法。In a method of manufacturing a vibrator in which an electromechanical energy conversion element is fixed between a plurality of elastic members,
After pressurizing the fastening portion to which the plurality of elastic members are joined in the axial direction of the vibrator, the said plurality of elastic members electro - electrical said fastening portion so as to add the adhesion to the mechanical energy conversion element A method of manufacturing a vibrator , comprising: resistance welding , heat shrinking, and joining.
前記複数の弾性部材とは別部材である締結部材を有し、前記締結部材を一方の弾性部材がある方向に加圧した後、前記複数の弾性部材と前記電気−機械エネルギー変換素子とに密着力を付加するように前記一方の弾性部材と前記締結部材とを電気抵抗溶接して熱収縮させ、接合することを特徴とする振動子の製造方法。 In a method of manufacturing a vibrator in which an electromechanical energy conversion element is fixed between a plurality of elastic members,
A fastening member that is a separate member from the plurality of elastic members, and pressurizing the fastening member in a direction in which one of the elastic members is, and then closely contacting the plurality of elastic members and the electromechanical energy conversion element the one and the elastic member and the fastening member by electric resistance welding and heat-shrunk, bonded Doko manufacturing method of vibration you characterized in that to add a force.
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