JP4216277B2 - 評価対象化合物の薬剤活性度評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、評価対象化合物の薬剤活性度評価方法に関する。
薬の開発では、生体を構成する高分子化合物の1つであるタンパク質に対する薬候補剤の活性度が評価される。すなわち、タンパク質に対する活性度の低いものは薬候補剤として適切ではなく、そのような低活性度のものは薬候補剤から除外される。しかるに、タンパク質には数十万以上の種類が存在し、機能が類似するにも関わらず臓器発現・生化学的特性の異なるタンパク質も存在する(タンパク質のサブタイプ)。例えば、下記先行技術文献には、薬候補剤としてフォルスコリンを側鎖修飾したフォルスコリン誘導体を各種生成し、タンパク質であるアデニル酸シクラーゼ(II型、III型、V型サブタイプ)に対する上記フォルスコリン誘導体の活性度を実験的に求めた実験結果が開示されている。
Takeshi Onda et al., J. Bio. Chem., 276(2001) 47785-47793
ところで、薬の開発においては、長い開発期間が大きな問題となっており、当該開発期間を短縮することによって競合他社に対して優位性を確保すると共に、開発コストの大幅な削減を行うことができる。しかしながら、上述したように、タンパク質、例えばアデニル酸シクラーゼに対するフォルスコリン誘導体の活性度を評価し、なおかつ複数存在するアデニル酸シクラーゼのサブタイプ毎に評価するためには、当該活性度を実験によって求める他なく、この実験には膨大な労力且つ時間と共に特殊技術を必要とするため、従来の活性度評価方法では非常に効率が悪いという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みたものであり、従来より短時間で高分子化合物に対する評価対象化合物の活性度評価を行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、高分子化合物に対する評価対象化合物の薬剤活性度を、当該評価対象化合物を構成する原子の内複数を解析ポイントとし、前記解析ポイントk毎における電荷密度ρ(r)を、下記求核的反応を示す第1の福井関数(3)、下記求電子的反応を示す第2の福井関数(4)に代入することで、前記解析ポイントk毎に求核的反応を示す第1の福井関数の値f k + と、求電子的反応を示す第2の福井関数の値f k - とを求め、前記第1の福井関数の値f k + に係る第1係数D k + 、前記第2の福井関数の値f k - に係る第2係数D k - から成る下記評価式(5)に基づいて前記高分子化合物に対する評価対象化合物の活性度Pを算出することを特徴とする。
Figure 0004216277
Figure 0004216277
Figure 0004216277
また、本発明では、第の解決手段として、上記第の解決手段において、評価対象化合物の複数の誘導体に関する活性度実験値Peと、前記各誘導体に関する第1の福井関数の値fk +及び第2の福井関数の値fk -とに最小二乗法を適用することにより、前記第1の福井関数の値fk +及び第2の福井関数の値fk -と活性度Pとの関係を示す第1係数Dk +及び第2係数Dk -を演算することを特徴とする。
また、本発明では、第の解決手段として、上記第の解決手段において、評価対象化合物の複数の誘導体に関する活性度実験値Peと、前記各誘導体に関する第1の福井関数の値fk +及び第2の福井関数の値fk -とを前記評価式に代入して得られる複数の方程式を連立方程式として解くことにより、前記第1係数Dk +及び第2係数Dk -を演算することを特徴とする。
また、本発明では、第の解決手段として、上記第またはの解決手段において、前記評価対象化合物の各誘導体を構成する原子の内、当該各誘導体に共通して存在している原子を解析ポイントとすることを特徴とする。
また、本発明では、第の解決手段として、上記第1〜いずれかの解決手段において、前記高分子化合物はタンパク質であることを特徴とする。
また、本発明では、第の解決手段として、上記第1〜5いずれかの解決手段において、前記評価対象化合物は薬候補剤であることを特徴とする。
本発明によれば、高分子化合物に対する評価対象化合物の活性度を、当該評価対象化合物を構成する原子の内複数を解析ポイントとし、当該解析ポイントについて数値計算により求めた福井関数の値を変数とする所定の評価式に基づいて算出するので、当該数値計算によって求めた福井関数の値を評価式に代入するだけで活性度を算出することができ従来のように実験に基づく活性度評価方法と比較して、非常に短時間で活性度の評価を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態は、高分子化合物としてのタンパク質、より具体的にはアデニル酸シクラーゼと、評価対象化合物としての薬候補剤、より具体的にはフォルスコリン誘導体との活性度評価方法に関するものである。
図1は、本活性度評価方法の処理手順を示すフローチャートである。まず、評価対象となるフォルスコリン誘導体の選定を行う(ステップS1)。図2は、フォルスコリン誘導体の分子構造を示す模式図である。この図において、R6、R7及びR13はフォルスコリン誘導体の側鎖を修飾するための原子または分子が結合する位置を示しており、当該位置にどのような原子または分子が結合するかによってフォルスコリン誘導体の物性が変化する。具体的には、アデニル酸シクラーゼに対する活性度が変化する。図3にフォルスコリン誘導体の側鎖を修飾する原子または分子の一例を示す。この図において、R6にH、R7にCH3、R13にCH=CH2が結合している「Forskolin」は、自然界に唯一存在するフォルスコリンであり、その他の「FD1」〜「FD6」は、側鎖の構造を変えることで人工的に生成されたフォルスコリンである。このように人工的に側鎖の構造を変えられたフォルスコリンをフォルスコリン誘導体という。本実施形態では、図3に示すフォルスコリン誘導体「FD5」を評価対象として選定し、以下説明する。なお、以下のステップS2〜S13は、第1原理計算法に基づいたコンピュータシミュレーションによって、評価対象として選定したフォルスコリン誘導体のアデニル酸シクラーゼに対する活性度を求める工程である。よって、以下説明する処理は、コンピュータシミュレーション上で行われるものである。
さて、上記のように評価対象となるフォルスコリン誘導体「FD5」を選定すると、次に、フォルスコリン誘導体「FD5」の化学式をコンピュータシミュレーションに入力する(ステップS2)。そして、フォルスコリン誘導体「FD5」を構成するベンゼン環におけるC(炭素)の内、いずれかを解析ポイントとして決定(入力)する(ステップS3)。本実施形態では、図2に示すようにC1〜C13までを解析ポイントとして決定する。なお、以下では、解析ポイントk(k=1〜13)に該当するCをCkと記載する。
上記のように、ベンゼン環におけるCkのように、各誘導体に共通して存在する、つまり安定的な位置に存在する原子を解析ポイントとして決定することで、以下に述べる活性度を精度良く求めることができる。また、解析ポイントkの数が多い程、活性度を精度良く求めることができる。
続いて、フォルスコリン誘導体「FD5」の化学式に基づいて波動関数Φ(r)、有効ポテンシャルV(r)及び電荷密度ρ(r)の初期値を設定し入力する(ステップS4)。なお、これら波動関数Φ(r)、有効ポテンシャルV(r)及び電荷密度ρ(r)において、rは3次元空間上の座標を示す変数である。
波動関数Φ(r)の初期値は、フォルスコリン誘導体「FD5」を構成する各原子が孤立原子として3次元空間上に存在する場合の波動関数を各原子毎に求め、当該各原子毎に求めた波動関数を全て加算したものである。同様に、有効ポテンシャルV(r)の初期値も、フォルスコリン誘導体「FD5」を構成する各原子が孤立原子として3次元空間上に存在する場合の波動関数に基づいて有効ポテンシャルを各原子毎に求め、当該各原子毎に求めた有効ポテンシャルを全て加算したものである。また、電荷密度ρ(r)の初期値は、上記波動関数Φ(r)の初期値を下記演算式(1)に代入することによって求める。なお、下記演算式(1)において、Φ*(r)は、波動関数Φ(r)の共役複素数である。
Figure 0004216277
次に、上記有効ポテンシャルV(r)の初期値及び電荷密度ρ(r)の初期値に基づいて下記Kohn Sham方程式(2)を解くことにより、フォルスコリン誘導体「FD5」の波動関数Φ(r)とエネルギ固有値εとを算出する(ステップS5)。
Figure 0004216277
そして、ステップS4で求めたフォルスコリン誘導体「FD5」の波動関数Φ(r)に基づいてフォルスコリン誘導体「FD5」の電荷密度ρ(r)及び有効ポテンシャルV(r)を算出し(ステップS6)、この電荷密度ρ(r)と当該電荷密度ρ(r)の前回値、つまりここでは初期値とが等しいか否かを判断する(ステップS7)。このステップS7において、「NO」、すなわち電荷密度ρ(r)の前回値(初期値)と、ステップS6で求めた電荷密度ρ(r)の今回値とが等しくないと判断された場合、ステップS6で求めた有効ポテンシャルV(r)及び電荷密度ρ(r)を新たな初期値と設定し(ステップS8)、ステップS5に移行して、再度Kohn Sham方程式(2)を解くことにより、新たな波動関数Φ(r)とエネルギ固有値εとを算出する。すなわち、ステップS7において、電荷密度ρ(r)の前回値と今回値とが等しくなるまでステップS5〜S8の処理を繰り返すことにより、Kohn Sham方程式(2)を満足する波動関数Φ(r)及びエネルギ固有値εが求まる。
一方、ステップS7において、「YES」、すなわち電荷密度ρ(r)の前回値と今回値とが等しいと判断された場合、上記のようにKohn Sham方程式(2)を満足する波動関数Φ(r)及びエネルギ固有値εが求まるので、この波動関数Φ(r)及びエネルギ固有値εに基づいて各原子に働く原子間力を算出すると共に、フォルスコリン誘導体「FD5」の構造の最適化を行う(ステップS9)。つまり、ステップS5〜S8の繰り返しで求めた波動関数Φ(r)等は、あくまで図2に示すような2次元平面上のモデルにおいて最適な値であって、実際には3次元空間上におけるフォルスコリン誘導体「FD5」の構造を考慮する必要がある。
具体的には、ステップS9では、フォルスコリン誘導体「FD5」を構成する各原子を、3次元空間上において波動関数Φ(r)から推測される最適な方向に所定の距離だけ移動させ、その時の各原子に働く原子間力を算出する。この時の原子間力が0になり、各原子が動かなくなった場合にフォルスコリン誘導体「FD5」の構造が最適化されたと判断できる。よって、移動後の各原子に働く原子間力を算出し、該原子間力が0になったか否かを判断する(ステップS10)。このステップS10において、「NO」、すなわち原子間力が0ではなく、構造が最適化されていない場合、各原子の移動後の構造における波動関数Φ(r)を求め、当該波動関数Φ(r)から求めた有効ポテンシャルV(r)及び電荷密度ρ(r)を新たな初期値と設定し(ステップS11)、ステップS5〜S9の処理を繰り返す。ここで、ステップS5に戻るのは、各原子の移動後の構造変化によって波動関数Φ(r)が変化するためである。
一方、このステップS10において、「YES」、すなわち各原子に働く原子間力が0になり、フォルスコリン誘導体「FD5」の構造が最適化された場合、その最適化された構造における波動関数Φ(r)に基づいて各解析ポイントCkにおける電荷密度ρ(r)を求め、この電荷密度ρ(r)を以下の求核的反応を示す第1の福井関数(3),求電子的反応を示す第2の福井関数(4)に代入することにより、各解析ポイントCkにおける第1の福井関数(3)の値としてのLUMOfk +及び第2の福井関数(4)の値としてのHOMOfk -を算出する(ステップS12)。
Figure 0004216277
そして、上記のように各解析ポイントCk毎のLUMOfk +及びHOMOfk -が求まると、下記活性度評価式(5)に代入することによってアデニル酸シクラーゼに対するフォルスコリン誘導体「FD5」の活性度Pを算出する(ステップS13)。なお、アデニル酸シクラーゼにはサブタイプが存在するので、実際には、このサブタイプi固有の活性度評価式(6)に基づいて活性度Piを算出することになる。
Figure 0004216277
なお、活性度評価式(6)において、Di,k +はLUMOfk +に係る第1係数、Di,k -はHOMOfk -に係る第2係数、nは解析ポイントkの総数、iはアデニル酸シクラーゼのサブタイプである。例えば、i=VならばV型アデニル酸シクラーゼに対する活性度Pv、第1係数Dv,k +、第2係数Dv,k -を示し、i=IIならばII型アデニル酸シクラーゼに対する活性度PII等を示す。つまり、アデニル酸シクラーゼのサブタイプiによって第1係数Di,k +及び第2係数Di,k -は変化するので、アデニル酸シクラーゼのサブタイプi固有の活性度評価式(6)が存在する。
ここで、第1係数Di,k +及び第2係数Di,k -の設定方法について説明する。図4は、フォルスコリン「Forskolin」及びフォルスコリン誘導体「FD1」〜「FD6」における解析ポイントC1〜C13について数値計算により算出したLUMOfk +の値である。また、図5は、同様にフォルスコリン「Forskolin」及びフォルスコリン誘導体「FD1」〜「FD6」における解析ポイントC1〜C13について数値計算により算出したHOMOfk -の値である。図6は、サブタイプi=V、つまりV型アデニル酸シクラーゼに対するフォルスコリン「Forskolin」及びフォルスコリン誘導体「FD1」〜「FD6」の活性度を示す実験値(図6において白色の棒グラフ)である。なお、図6において縦軸は、自然界に存在するフォルスコリン「Forskolin」の活性度を100%とした時の活性度を示している。
例えば、フォルスコリン誘導体「FD5」に着目し、図4及び図5からフォルスコリン誘導体「FD5」に関するLUMOfk +及びHOMOfk -を抽出し、図6からフォルスコリン誘導体「FD5」に関する活性度の実験値を抽出して活性度評価式(6)に代入すると下記方程式(7)が得られる。
Figure 0004216277
上記方程式(7)からわかるように、合計26個の未知数である第1係数Dv,k +及び第2係数Dv,k -が与えられる。すなわち、上記方程式(7)を26種類のフォルスコリン誘導体について求め、これら26個の方程式による連立一次方程式を解くことにより、V型アデニル酸シクラーゼに対する第1係数Dv,k +及び第2係数Dv,k -を求めることができる。または、 図4及び図5に示すLUMOfk +及びHOMOfk -の値と、図6に示す活性度の実験値とに多変数最小二乗法を適用することにより、第1係数Dv,k +及び第2係数Dv,k -を求めることもできる。なお、各サブタイプのアデニル酸シクラーゼに対する各種フォルスコリン誘導体の活性度に関する実験は、過去に様々な機関で行われており、上記実験値は既知のものを使用している。
上記のように、第1係数Dv,k +及び第2係数Dv,k -が求まれば、上記活性度評価式(6)に代入することで、V型アデニル酸シクラーゼに対する各種フォルスコリン誘導体の活性度Pvについての活性度評価式(8)が得られる。
Figure 0004216277
図6において、斜線の棒グラフは上記活性度評価式(8)を用いて算出したV型アデニル酸シクラーゼに対する各種フォルスコリン誘導体の活性度Pvの計算値である。この図に示すように、活性度評価式(8)を用いて算出した活性度Pvは、実験値と相関があることがわかる。
さらに、 図7はサブタイプi=II、つまりII型アデニル酸シクラーゼに対するフォルスコリン「Forskolin」及びフォルスコリン誘導体「FD1」〜「FD6」の活性度を示すものであり、下記活性度評価式(9)は、図7に示す活性度の実験値と、図4及び 図5に示すLUMOfk +及びHOMOfk -とに基づいて第1係数DIIk +及び第2係数DIIk -を求めることによって導出したII型アデニル酸シクラーゼに関する活性度評価式である。
Figure 0004216277
図7に示すように、活性度評価式(9)を用いて算出した活性度PIIは、実験値と相関があることがわかる。すなわち、活性度評価式(8)、(9)のように、アデニル酸シクラーゼのサブタイプ毎に予め活性度評価式を求めておき、ステップS1〜S13までの処理によって、評価対象となるフォルスコリン誘導体の各解析ポイントkにおけるLUMOfk +及びHOMOfk -を算出し、アデニル酸シクラーゼのサブタイプ毎に用意した活性度評価式に代入することで、評価対象として選定したフォルスコリン誘導体が、どのサブタイプのアデニル酸シクラーゼに対して、どの程度の活性度を示すかを計算によって求めることができるのである。
本願発明者は、他のサブタイプのアデニル酸シクラーゼに関する活性度評価式を求め、フォルスコリン誘導体「FD1」〜「FD6」以外の複数のフォルスコリン誘導体について当該活性度評価式に基づいて活性度を求め、実験値との相関を評価し、いずれも実験値と計算値とでは高い相関を示すことを確認した。つまり、上記活性度評価式(6)に基づく活性度評価は、非常に信頼性が高い評価方法といえる。
また、フォルスコリン誘導体としては理論的に無数の誘導体が合成可能であるが、上述したように、所定のアデニル酸シクラーゼに対して少なくとも解析ポイント数の2倍の種類のフォルスコリン誘導体の活性度についての実験値があれば、活性度評価式を求めることができるので、他のフォルスコリン誘導体についての活性度評価は上記活性度評価式に基づいて算出すれば良いことになり、従来と比べて非常に短時間で活性度評価を行うことができる。
さらに、上記活性度評価式(6)の特徴は、評価対象となるフォルスコリン誘導体における所定の解析ポイントkについてLUMOfk +及びHOMOfk -を数値計算により算出するだけでアデニル酸シクラーゼのサブタイプ毎に活性度を算出することができる、すなわち活性度を算出する過程において、フォルスコリン誘導体の結合相手であるアデニル酸シクラーゼの分子構造を全く考慮せずに活性度を算出可能であるということである。従来では、例えば、フォルスコリン誘導体とアデニル酸シクラーゼとの結合性を評価する場合、フォルスコリン誘導体の分子構造のみならず、高分子化合物であるアデニル酸シクラーゼの分子構造をも考慮する必要があり、非常に複雑で長時間を要する数値計算によって評価を行わざるを得なかった。しかしながら、本活性度評価方法では、上述したように予め実験で求められている既知の活性度を用いて、活性度評価式(6)を各サブタイプのアデニル酸シクラーゼに対して求めておけば、フォルスコリン誘導体の分子構造のみを考慮して数値計算を行うことによって短時間で活性度を算出することができる。
以上のように、本活性度評価方法によれば、飛躍的に活性度の評価効率を向上することができる。従って、薬の開発期間を大幅に短縮することによって競合他社に対して優位性を確保すると共に、開発コストの大幅な削減を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、高分子化合物としてアデニル酸シクラーゼ、評価対象化合物としてフォルスコリン誘導体を用いて説明したが、これに限らず、高分子化合物としては他のタンパク質でも良く、また、評価対象化合物としてはフォルスコリン誘導体に限定されない。
(2)上記実施形態では、福井関数として求核的反応を示すLUMOfk +と、求電子的反応を示すHOMOfk -とを用いて活性度評価式を構成したが、これに限らず、ラジカル反応を示す福井関数、すなわち、上記求核的反応と求電子的反応との両方を示す福井関数の値を用いて活性度評価式を構成しても良い。
(3)上記実施形態では、解析ポイントkをフォルスコリン誘導体を構成するベンゼン環のCとしたが、これに限らず、フォルスコリン誘導体を構成する他の原子でも良い。
(4)上記実施形態では、解析ポイントkを13個としたが、これに限定されない。しかしながら、活性度の計算値の精度を上げるためには、解析ポイントkは多数の方が好ましい。
本発明の一実施形態に係る活性度評価方法の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるフォルスコリン誘導体の分子構造モデル図である。 本発明の一実施形態におけるフォルスコリン誘導体に結合する側鎖の種類を示すものである。 本発明の一実施形態における各種フォルスコリン誘導体の各解析ポイントにおけるLUMOfk +の計算値である。 本発明の一実施形態における各種フォルスコリン誘導体の各解析ポイントにおけるHOMOfk -の計算値である。 本発明の一実施形態におけるV型アデニル酸シクラーゼに対する各種フォルスコリン誘導体の活性度に関する実験値及び計算値を示す棒グラフである。 本発明の一実施形態におけるII型アデニル酸シクラーゼに対する各種フォルスコリン誘導体の活性度に関する実験値および計算値を示す棒グラフである。

Claims (6)

  1. 高分子化合物に対する評価対象化合物の薬剤活性度を、当該評価対象化合物を構成する原子の内複数を解析ポイントとし、前記解析ポイントk毎における電荷密度ρ(r)を、下記求核的反応を示す第1の福井関数(3)、下記求電子的反応を示す第2の福井関数(4)に代入することで、前記解析ポイントk毎に求核的反応を示す第1の福井関数の値f k + と、求電子的反応を示す第2の福井関数の値f k - とを求め、前記第1の福井関数の値f k + に係る第1係数D k + 、前記第2の福井関数の値f k - に係る第2係数D k - から成る下記評価式(5)に基づいて前記高分子化合物に対する評価対象化合物の薬剤活性度Pを算出することを特徴とする評価対象化合物の薬剤活性度評価方法。
    Figure 0004216277

    Figure 0004216277
    Figure 0004216277
  2. 評価対象化合物の複数の誘導体に関する活性度実験値P e と、前記各誘導体に関する第1の福井関数の値f k + 及び第2の福井関数の値f k - とに最小二乗法を適用することにより、前記第1の福井関数の値f k + 及び第2の福井関数の値f k - と活性度Pとの関係を示す第1係数D k + 及び第2係数D k - を演算することを特徴とする請求項記載の評価対象化合物の薬剤活性度評価方法。
  3. 評価対象化合物の複数の誘導体に関する活性度実験値P e と、前記各誘導体に関する第1の福井関数の値f k + 及び第2の福井関数の値f k - とを前記評価式に代入して得られる複数の方程式を連立方程式として解くことにより、前記第1係数D k + 及び第2係数D k - を演算することを特徴とする請求項記載の評価対象化合物の薬剤活性度評価方法。
  4. 前記評価対象化合物の各誘導体を構成する原子の内、当該各誘導体に共通して存在している原子を解析ポイントとすることを特徴とする請求項または記載の評価対象化合物の薬剤活性度評価方法。
  5. 前記高分子化合物はタンパク質であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の評価対象化合物の薬剤活性度評価方法。
  6. 前記評価対象化合物は薬候補剤であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の評価対象化合物の薬剤活性度評価方法。
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