JP4215371B2

JP4215371B2 - Method for producing high quality cooked rice

Info

Publication number: JP4215371B2
Application number: JP2000073360A
Authority: JP
Inventors: 鈴木　　誠; 和宏前田
Original assignee: Mizkan Group Corp
Current assignee: Mizkan Group Corp
Priority date: 2000-03-16
Filing date: 2000-03-16
Publication date: 2009-01-28
Anticipated expiration: 2020-03-16
Also published as: JP2001258487A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、品質の優れた炊飯米の製造方法に関し、さらに詳しくは、防腐力（保存性）に優れると共に、炊飯後はもとより、炊飯米の再加熱の際にも酢酸臭のような刺激臭の発生を抑制することのできる、品質の優れた炊飯米の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
炊飯米は、生米に水を加えて加熱し炊飯して製造される。近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストアー等で販売される弁当や惣菜等を購入して持ち帰って食する、いわゆる「中食」と呼ばれる食習慣の普及などに伴って、調味加工等をほとんど施していない、いわゆる白飯そのものや、また、弁当やおにぎり等に加工して利用される炊飯米の生産が増大してきている。
【０００３】
上述のように弁当やおにぎり等に加工して利用される炊飯米は、製造されてから比較的長時間経過後に食膳に供されることになる。このため、微生物増殖による腐敗の防止や炊飯米の澱粉老化防止などの保存性の付与が必要であり、種々の加工方法や炊飯改良剤が開発されている。
【０００４】
炊飯米ではないが、蒸し米飯へ防腐性を付与するものとして、特開平５−１７６６９４号公報には、グルコノデルタラクトン、有機酸又はその塩類を蒸し器により蒸す時以前に添加し、蒸した後の米飯のｐＨを４．０〜４．８とする方法が提案されている。
一般に、中食用の炊飯米は、ほとんど調味加工を施さずに食されることが多く、また、電子レンジ等で再加熱されてから食されることも多い。そのため、炊飯改良剤で主に用いられる有機酸とその塩類としては、電子レンジ等での再加熱の際にも酸臭が発生しにくい、グルコン酸やクエン酸などのいわゆる不揮発酸とその塩類が使われる場合もある。
しかしながら、そのような不揮発酸は、防腐力の点で必ずしも充分ではない。
【０００５】
防腐力の点からいえば、有機酸又はその塩類の中で最も優れているのは酢酸やその塩類であることから、酢酸やその塩類を主体成分として使用した炊飯改良剤も開発されている。
しかしながら、酢酸はいわゆる揮発酸の一つであり、炊飯米に独特の刺激臭を付与してしまう傾向がある。特に、この種の炊飯改良剤を添加した炊飯米を電子レンジ等で再加熱等すると、酢酸臭がより強く発生して風味を著しく低下させるという欠点があった。
【０００６】
特に酢酸含有炊飯改良剤は、生米当たりの酢酸濃度を０．０１〜０．１６重量％程度とし、炊飯米のｐＨが５．０〜６．２になるようにして用いられる。
しかしながら、このような状態の炊飯米は、再加熱前でも酢酸臭が感じられ、さらに電子レンジ等により再加熱すると、酢酸が揮発しやすい状態となるので、酢酸臭がより一層強くなるという欠点があった。
【０００７】
従って、防腐力（保存性）に優れ、しかも炊飯後はもとより、炊飯米の再加熱の際にも酢酸臭のような刺激臭の発生をできるだけ抑制できる方法の開発が強く望まれていた。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解消し、防腐力（保存性）に優れると共に、炊飯後はもとより、炊飯米の再加熱の際にも酢酸臭のような刺激臭の発生を抑制することのできる、品質の優れた炊飯米の製造方法を提供することを目的とするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、まず防腐力（保存性）に優れた酢酸含有炊飯改良剤を使用することを前提とした上で、特にｐＨ５．０〜６．２で酢酸含有炊飯改良剤を添加して炊飯米を製造する場合において、該酢酸含有炊飯改良剤を炊飯前に添加使用する際に、アミノ酸の一つであるグリシンを極く微量共存させることにより、炊飯米の酢酸臭を抑制することができ、さらに再加熱した際にも酢酸臭（独特の刺激臭）の発生を著しく抑制することができることを見い出し、この知見に基いて本発明を完成するに至った。
【００１０】
すなわち、請求項１に係る本発明は、酢酸含有炊飯改良剤を炊飯前に添加して炊飯米のｐＨが５．０〜６．２となるように炊飯する際に、グリシンを生米当たり０．０００５〜０．０５重量％添加することを特徴とする、品質の優れた炊飯米の製造方法を提供するものである。
【００１１】
なお、グリシンには防腐機能があることが知られており、有機酸及びその塩類、酢酸塩などとグリシンを併用した食品の防腐剤の例が既にある。
例えば、特開平８−１９６２５２号公報には、リゾチーム、アミノ酸またはその塩、有機酸またはその塩および酢酸塩を含有することを特徴とする食品日持向上剤および保存性食品が開示されている。
【００１２】
しかしながら、この発明では、抗菌物質であるリゾチームを必須としており、しかも実施例におけるグリシンの食品中への添加濃度は、０．０５重量％以上と比較的高い濃度であり、また、本発明におけるようなグリシン添加による酢酸臭の抑制効果については未だ開示されていない。
【００１３】
また、特開平９−２３８６０号公報においては、酢ないし酢酸と、特定の群より選ばれた１種又は２種以上の有機酸及び／又は有機酸塩とを混合してなる食品保存料が例示され、さらに好ましくは、これにグリシン等のアミノ酸を含有させることにより酢酸の酸味を緩和することができることが開示されている。
しかしながら、この場合の食品保存料の食品への添加は、ｐＨ５．０以下、好ましくはｐＨ３．０〜４．８で実施され、またグリシン等のアミノ酸の食品への添加終濃度も０．１〜５重量％が好ましいとされており、上記した食品日持向上剤の場合とほぼ同様に比較的高濃度である。
【００１４】
さらに、特開平７−２０３９４２号公報には、食品用加工酢に関する発明ではあるが、食酢の酸味を軽減させる効果を有するものの一つとして、グリシンの存在が開示されている。
しかしながら、この場合のグリシンの食品中への添加濃度については、０．１〜０．３重量％であると計算され、比較的高濃度であった。
【００１５】
これらの従来の報告に対して、本発明においては、酢酸含有炊飯改良剤が、炊飯前に炊飯米のｐＨが５．０〜６．２になるように添加され、かつグリシンの添加量は生米当たり０．０００５〜０．０５重量％であり、より好ましくは０．００１〜０．０１５％と非常に極微量であって、グリシンについては防腐力を期待したものではなく、しかも酢酸味抑制ではなく、酢酸臭の抑制（香りの改良）であるという点で、これらの発明とは相違している。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
請求項１に係る本発明は、品質の優れた炊飯米の製造方法に関し、酢酸含有炊飯改良剤を炊飯前に添加して炊飯米のｐＨが５．０〜６．２となるように炊飯する際に、グリシンを生米当たり０．０００５〜０．０５重量％添加することにより、再加熱時の酢酸臭の発生の抑制された炊飯米を製造することを特徴とするものである。
【００１７】
請求項１に係る本発明においては、酢酸含有炊飯改良剤を炊飯前に添加して炊飯米のｐＨが５．０〜６．２となるように炊飯する。
請求項１に係る本発明において使用する酢酸含有炊飯改良剤は、酢酸を含有しているものである。ここでいう酢酸には、酢酸そのものの他、酢酸塩も含まれるものとし、請求項１に係る本発明においては、酢酸そのもの又は１種或いは２種以上の酢酸塩を用いても良いし、或いは酢酸を１種又は２種以上の酢酸塩と組み合わせて用いてもよい。この酢酸含有炊飯改良剤のｐＨは１．６〜５．０に調整されている。
【００１８】
使用される酢酸は、化学合成されたものでもよいが、発酵により製造される、いわゆる食酢を酢酸の供給源として利用するのが望ましい。また、酢酸塩としては、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸とアルカリ金属との付加塩、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等の酢酸とアルカリ土類金属との付加塩等を挙げることができる。
【００１９】
このような酢酸含有炊飯改良剤は、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じて、酢酸以外の他の有機酸（グルコン酸やクエン酸など）やその塩類を含有させたものであってもよく、また必要に応じて、澱粉老化防止作用を付加するために各種の塩類や糖、糖アルコール等を所定量含有させたものであってもよい。
【００２０】
このような酢酸含有米飯改良剤は、炊飯前、すなわち炊飯時の加熱前に添加される。酢酸含有米飯改良剤の添加量は、生米当たりの酢酸量として０．０１〜０．１６重量％程度、好ましくは０．０３〜０．０８重量％程度である。
【００２１】
なお、炊飯の方法としては、上記酢酸含有炊飯改良剤を炊飯前に添加して炊飯米のｐＨが５．０〜６．２、好ましくは５．２０〜５．８０となるように炊飯すること以外は、通常実施されている方法で良く、何ら制限されない。
ここで炊飯米のｐＨが５．０未満となると、有機酸に起因する酸味が強くなり、一方、炊飯米のｐＨが６．２を超えると、防腐性の点から酢酸及び／又はその塩を添加する意味がなくなるので、いずれも好ましくない。
【００２２】
通常、炊飯米のｐＨがｐＨ５．０〜６．２となるように酢酸含有炊飯改良剤を添加すると、炊飯後に酢酸臭が発生し、さらに再加熱すると酢酸臭が強くなるが、驚くべきことに、これに後記するようにグリシンを特定割合で含有させると、炊飯後の酢酸臭が予防され、しかも再加熱後の酢酸臭も抑制されるという、優れた効果を得ることができる。
【００２３】
請求項１に係る本発明においては、上記のような酢酸含有炊飯改良剤を用いて炊飯する際に、グリシンを共存させることを特徴とする。
グリシンの添加量は、生米に対する添加濃度として、０．０００５〜０．０５重量％、好ましくは０．００１〜０．０１５重量％とする。グリシンの添加量が０．０００５重量％未満であると、グリシンの酢酸臭抑制効果が殆ど発揮されないし、一方、０．０５重量％を超えて添加した場合には焦げ臭などの異臭が強くなり、炊飯米の品質が低下するため、いずれも好ましくない。
特に、グリシンの添加量を０．００１〜０．０１５重量％とすると、グリシンの酢酸臭抑制効果がより強く発揮され、かつグリシンの弊害が認められないため、より好ましい。
【００２４】
請求項１に係る本発明においては、前記したような酢酸含有炊飯改良剤と共存させる必要があることから、グリシンの添加時期は、炊飯前、すなわち炊飯時における加熱前とする必要がある。炊飯終了後に添加したとしても、グリシン添加による所望の酢酸臭抑制効果は得られない。
【００２５】
なお、グリシンは、食品添加物のものが使用されるが、この他にグリシンを高濃度含有する食品素材を用いても差し支えない。
【００２６】
以上のようにして、請求項１に係る本発明に示される、品質の優れた炊飯米を製造することができる。
このようにして炊飯された炊飯米は、適宜、必要に応じて、容器詰めされ、低温流通などを経て使用に供され、必要に応じて電子レンジ等での再加熱等を行って食されることになる。
【００２７】
なお、グリシンと酢酸含有炊飯改良剤とは、それぞれ別々に調製して添加しても添加効果は得られるが、操作性向上の観点からは、酢酸含有炊飯改良剤中に所望量となるようにグリシンを含有させて一体化して製剤化した酢酸及びグリシン含有炊飯改良剤とした方がより好ましい。
【００２８】
このようにして、防腐力（保存性）に優れると共に、炊飯後はもとより、炊飯米の再加熱の際にも酢酸臭のような刺激臭の発生を抑制することのできる、品質の優れた炊飯米が得られ、また、そのような炊飯米を簡便に製造することのできる炊飯改良剤が得られる。
このようにして炊飯された炊飯米は、前記した如く、適宜、必要に応じて、容器詰めされ、低温流通などを経て使用に供され、さらに必要に応じて電子レンジ等での再加熱等を行って食されることになる。
【００２９】
なお、酢酸含有炊飯改良剤を使用する際に、グリシンを添加した場合の炊飯米の防腐性及び酢酸臭抑制効果などについて確認すべく、以下の試験（試験例１，２）を行った。
【００３０】
試験例１
酢酸含有炊飯改良剤として、第１表から第３表に示す組成のものを調製した（酢酸含有炊飯改良剤Ａ〜Ｃ）。
【００３１】
【表１】
第１表（酢酸含有炊飯改良剤Ａ）

【００３２】
【表２】
第２表（酢酸含有炊飯改良剤Ｂ）

【００３３】
【表３】
第３表（酢酸含有炊飯改良剤Ｃ）

【００３４】
上記の酢酸含有炊飯改良剤Ａ、Ｂ及びＣを用いて炊飯する際に、その添加濃度を種々変化させると同時に、それぞれについて、グリシンを０．０００１重量％〜０．１重量％の範囲で段階的に変化させて添加し、それぞれの酢酸臭抑制効果を比較した。結果を第４表に示す。また、防腐力に関しては、下記の方法により３０℃で４８時間培養後の炊飯米の生菌数を測定することにより評価した。結果は後記した。
【００３５】
なお、第４表中のｐＨは、酢酸含有炊飯改良剤単独で、又は酢酸含有炊飯改良剤とグリシンとを添加して、それぞれ炊飯した炊飯米を、蒸留水で約２．５倍に希釈し、ホモジナイザーでホモジナイズし、ｐＨを測定した結果である。
【００３６】
また、生菌数は、炊飯終了後の炊飯米１ｇ当たり１０¹個の枯草菌を接種し、その後インキュベーターを用いて３０℃で４８時間培養後の米飯１ｇ当たりの生菌数を測定した結果である。生菌数の測定は、栄養培地を用いて、常法に従って実施した。
【００３７】
また、官能評価（酢酸臭及び異臭）については、炊飯終了後の炊飯米を２０℃で５時間保存後、電子レンジで再加熱した直後の香りを評価した結果である。
【００３８】
なお、酢酸臭についての評価は、以下の内容である。
×：酢酸臭が強い。
△：酢酸臭をやや感じる。
○：ほとんど酢酸臭を感じない。
◎：酢酸臭を感じない。
【００３９】
また、異臭についての評価は、以下の内容である。
×：異臭が強い。
○：ほとんど異臭を感じない。
◎：全く異臭を感じない。
【００４０】
【表４】
第４表（グリシンの添加効果）

【００４１】
［第４表の脚注］
※：酢酸添加量は酢酸ナトリウムも含む。
【００４２】
第４表の結果から、以下のことが明らかである。
まず、本試験例１においては、生米当たりの酢酸濃度が０．０１〜０．１５６重量％程度になるように酢酸含有炊飯改良剤を添加したが、この範囲において、グリシンを０．０００５重量％〜０．１重量％共存させて得られる炊飯米は、電子レンジで再加熱した場合にも酢酸臭の発生を著しく抑えることができることが明らかとなった。
【００４３】
但し、グリシンを０．０５重量％よりも高濃度で共存させた場合には、グリシンの高濃度化に伴い、焦げ臭などの異臭が強くなり、炊飯米の品質が低下した。一方、グリシンを０．０００１重量％共存させた場合、或いは無添加の場合には、いずれも酢酸臭が残り、炊飯米の品質は低いものであった。
以上の結果より、グリシンの添加濃度範囲は、０．０００５〜０．０５重量％、好ましくは０．００１〜０．０１５重量％であることが確認された。
【００４４】
なお、３０℃、４８時間保管後の炊飯米の微生物検査の結果は、全ての試験区で１０００００個／ｇ未満と問題のないレベルを示し、いずれも防腐力（保存性）が充分であることが分かった。
【００４５】
試験例２（炊飯終了後にグリシンを添加した例；比較試験例）
上記試験例１では、グリシンは酢酸含有米飯改良剤と同時に炊飯加熱前に添加したが、本試験例２では、酢酸含有炊飯改良剤をグリシンとは別に炊飯加熱前に添加して炊飯し、炊飯終了後にグリシンを試験例１と同濃度添加した試験を実施した。
その結果、酢酸臭抑制効果は、試験例１に比較して、非常に弱いものであった。従って、グリシンの添加は、炊飯の際の加熱前に酢酸含有炊飯改良剤と共に実施することが必須であることが判明した。
【００４６】
以上の結果から、酢酸含有炊飯改良剤を用いて炊飯米のｐＨが５．０〜５．８になるよう炊飯する際に、炊飯加熱前に、グリシンを０．０００５〜０．０５重量％、好ましくは、０．００１〜０．０１５重量％含有させることにより、炊飯米の再加熱時の酢酸臭を著しく抑制することが可能であることが判明した。
【００４７】
【実施例】
以下、本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【００４８】
実施例１（グリシン及び酢酸含有炊飯改良剤Ｄの製造）
以下の第５表に示すようなグリシンを含有したグリシン及び酢酸含有炊飯改良剤を製造した。
【００４９】
【表５】
第５表（グリシン及び酢酸含有炊飯改良剤Ｄの組成）

【００５０】
実施例２（グリシン及び酢酸含有炊飯改良剤Ｄを用いての炊飯米の製造）
上記のグリシン及び酢酸含有炊飯改良剤Ｄを用いて、炊飯米の製造を行った。
すなわち、生米（こしひかり）６．５ｋｇを洗米し、約２時間水に浸漬した。
次いで、水切りしたのち、５升釜のガス炊飯釜に投入し、水８ｋｇを加えたところへ、グリシン及び酢酸含有炊飯改良剤Ｄを６５ｍＬ投入し、攪拌した後、常法により加熱して炊飯した。その後、加熱を止め、３０分間の蒸らし工程を経て、炊飯を完了した。このようにして調製した炊飯米は、冷却後、２００ｇ入りのパック容器に充填し、白飯とした。
この白飯は、２０℃で２４時間保存したのちに電子レンジで再加熱した後も、ほとんど酢酸臭を感じることなく、美味しく食することが可能であった。
【００５１】
【発明の効果】
請求項１に係る本発明によれば、防腐力（保存性）に優れると共に、炊飯後はもとより、製造後しばらく経過後の再加熱の際にも酢酸臭のような刺激臭の発生を抑制することができる。
従って、本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で販売される白飯そのものの製造をはじめ、弁当、おにぎり、惣菜等へ加工して利用される炊飯米の製造に有効に利用することができ、食品産業上有用である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing cooked rice with excellent quality , and more specifically, it has excellent antiseptic power (storability), and also has a stimulating odor such as acetic acid odor not only after cooking but also during reheating of cooked rice. The present invention relates to a method for producing cooked rice with excellent quality capable of suppressing the generation of rice.
[0002]
[Prior art]
Cooked rice is produced by adding water to cooked rice and heating it to cook rice. In recent years, with the spread of eating habits called so-called “meal”, you can buy lunch boxes and side dishes sold at supermarkets and convenience stores, etc. The production of cooked rice, which is processed into white rice itself, as well as bento and rice balls, is increasing.
[0003]
As described above, cooked rice that is processed into a lunch box, a rice ball, or the like is used for a meal after a relatively long time has elapsed since it was manufactured. For this reason, the provision of preservability, such as prevention of rot by microorganism growth and prevention of starch aging of cooked rice, is required, and various processing methods and rice cooking improvers have been developed.
[0004]
Although it is not cooked rice, it is added to the steamed rice as an antiseptic property, and after adding steamed glucono delta lactone, organic acid or its salt before steaming with steamer, A method of adjusting the pH of the cooked rice to 4.0 to 4.8 has been proposed.
In general, cooked rice for cooking is often eaten without seasoning, and is often eaten after being reheated in a microwave oven or the like. Therefore, organic acids and their salts mainly used in rice cooking improvers are so-called non-volatile acids such as gluconic acid and citric acid and their salts that are less likely to generate an acid odor when reheated in a microwave oven or the like. Sometimes used.
However, such non-volatile acids are not always sufficient in terms of antiseptic power.
[0005]
From the standpoint of preserving power, acetic acid and its salts are the most excellent among organic acids or their salts, and rice cooking improvers using acetic acid and its salts as main components have also been developed.
However, acetic acid is one of so-called volatile acids, and tends to give a unique pungent odor to cooked rice. In particular, when cooked rice to which this type of rice cooking improver is added is reheated with a microwave oven or the like, there is a drawback that the acetic acid odor is more strongly generated and the flavor is significantly reduced.
[0006]
In particular, an acetic acid-containing rice cooking improver is used so that the acetic acid concentration per raw rice is about 0.01 to 0.16% by weight and the pH of the cooked rice is 5.0 to 6.2.
However, the cooked rice in such a state has a disadvantage that the acetic acid odor is felt even before reheating, and further, when reheated with a microwave oven or the like, the acetic acid tends to volatilize, so that the acetic acid odor becomes even stronger. there were.
[0007]
Therefore, there has been a strong demand for the development of a method that is excellent in preservative power (preservability) and that can suppress the generation of an irritating odor such as acetic acid odor as much as possible not only after cooking rice but also during reheating of cooked rice.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned conventional problems, is excellent in antiseptic power (preservability), and suppresses generation of an irritating odor such as acetic acid odor not only after cooking rice but also during reheating of cooked rice. An object of the present invention is to provide a method for producing cooked rice with excellent quality.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies in view of the above problems, the inventors of the present invention first assumed that an acetic acid-containing rice cooking improver excellent in antiseptic power (preservability) was used, and in particular, pH 5.0 to 6 .2 When acetic acid-containing rice improver is added to produce cooked rice in step 2, when acetic acid-containing rice improver is added before rice cooking, a very small amount of glycine, which is one of the amino acids, is allowed to coexist. Found that the odor of acetic acid in cooked rice can be suppressed, and the occurrence of acetic acid odor (a unique irritating odor) can be significantly suppressed even when reheated, and the present invention has been completed based on this finding. It came to do.
[0010]
That is, in the present invention according to claim 1, glycine is added to fresh rice per cooked rice when adding an acetic acid-containing rice cooking improver before cooking rice so that the cooked rice has a pH of 5.0 to 6.2. The present invention provides a method for producing cooked rice with excellent quality, characterized by adding .0005 to 0.05% by weight.
[0011]
Glycine is known to have a preservative function, and there are already examples of food preservatives using organic acids and salts thereof, acetates, and the like in combination with glycine.
For example, JP-A-8-196252 discloses a food longevity improver and a preservative food characterized by containing lysozyme, an amino acid or a salt thereof, an organic acid or a salt thereof and an acetate.
[0012]
However, in the present invention, lysozyme, which is an antibacterial substance, is essential, and the concentration of glycine added to food in the examples is a relatively high concentration of 0.05% by weight or more, and as in the present invention. The effect of suppressing the odor of acetic acid by adding glycine has not been disclosed yet.
[0013]
JP-A-9-23860 discloses a food preservative prepared by mixing vinegar or acetic acid with one or more organic acids and / or organic acid salts selected from a specific group. More preferably, it is disclosed that the acidity of acetic acid can be alleviated by containing an amino acid such as glycine.
However, in this case, the food preservative is added to the food at pH 5.0 or less, preferably at pH 3.0 to 4.8, and the final concentration of amino acids such as glycine added to the food is also 0.1 to It is said that 5% by weight is preferable, and the concentration is relatively high as in the case of the above-mentioned food longevity improver.
[0014]
Furthermore, Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-203942 discloses the presence of glycine as one of the effects of reducing the acidity of vinegar, although it is an invention relating to processed vinegar for food.
However, in this case, the concentration of glycine added to the food was calculated to be 0.1 to 0.3% by weight, which was a relatively high concentration.
[0015]
In contrast to these conventional reports, in the present invention, an acetic acid-containing rice cooking improver is added so that the pH of the cooked rice is 5.0 to 6.2 before cooking, and the amount of glycine added is raw. It is 0.0005 to 0.05% by weight per rice, more preferably 0.001 to 0.015%, and it is extremely small amount. Instead, they differ from these inventions in that they suppress acetic acid odor (improve fragrance).
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The present invention according to claim 1 relates to a method for producing cooked rice having excellent quality, and cooks the rice so that the pH of the cooked rice is 5.0 to 6.2 by adding an acetic acid-containing cooked rice improver before cooking rice. At that time, by adding 0.0005 to 0.05% by weight of glycine per raw rice , cooked rice with suppressed generation of acetic acid odor during reheating is produced .
[0017]
In this invention which concerns on Claim 1, an acetic acid containing rice cooking improver is added before rice cooking, and rice is cooked so that pH of cooked rice may be 5.0-6.2.
The acetic acid-containing rice cooking improver used in the present invention according to claim 1 contains acetic acid. The acetic acid referred to herein includes acetic acid salt in addition to acetic acid itself, and in the present invention according to claim 1, acetic acid itself or one or two or more kinds of acetates may be used, or Acetic acid may be used in combination with one or more acetates. PH of this acetic acid containing rice cooking improver is adjusted to 1.6-5.0.
[0018]
The acetic acid used may be chemically synthesized, but it is desirable to use so-called vinegar produced by fermentation as a source of acetic acid. Examples of the acetate include an addition salt of acetic acid and an alkali metal such as sodium acetate and potassium acetate, and an addition salt of acetic acid and an alkaline earth metal such as calcium acetate and magnesium acetate.
[0019]
Such an acetic acid-containing rice cooking improver contains organic acids other than acetic acid (such as gluconic acid and citric acid) and salts thereof as necessary, as long as the purpose of the present invention is not impaired. In addition, if necessary, it may contain a predetermined amount of various salts, sugars, sugar alcohols and the like in order to add an anti-starch action.
[0020]
Such an acetic acid-containing cooked rice improving agent is added before cooking, that is, before heating during cooking. The addition amount of the acetic acid-containing cooked rice improving agent is about 0.01 to 0.16% by weight, preferably about 0.03 to 0.08% by weight as the amount of acetic acid per raw rice.
[0021]
In addition, as a method of rice cooking, the said acetic acid containing rice cooking improver is added before rice cooking, and rice is cooked so that pH of cooked rice may be 5.0-6.2, preferably 5.20-5.80. Except for this, it is possible to use a method that is usually performed, and there is no limitation.
Here, when the pH of the cooked rice is less than 5.0, the acidity due to the organic acid becomes strong. On the other hand, when the pH of the cooked rice exceeds 6.2, acetic acid and / or a salt thereof is added from the viewpoint of antiseptic properties. Since the meaning to add disappears, neither is preferable.
[0022]
Usually, when acetic acid-containing rice cooking improver is added so that the pH of cooked rice is pH 5.0 to 6.2, acetic acid odor is generated after cooking, and acetic odor becomes stronger when reheated. When glycine is contained in a specific ratio as described later, an excellent effect of preventing acetic acid odor after cooking and also suppressing acetic acid odor after reheating can be obtained.
[0023]
In this invention which concerns on Claim 1, when cooking using the acetic acid containing rice cooking improver as mentioned above, glycine is made to coexist.
The amount of glycine added is 0.0005 to 0.05% by weight, preferably 0.001 to 0.015% by weight, based on the concentration of raw rice. If the amount of glycine added is less than 0.0005% by weight, the effect of suppressing the acetic acid odor of glycine is hardly exerted. On the other hand, if the amount exceeds 0.05% by weight, a bad smell such as a burning odor becomes strong. Since the quality of cooked rice deteriorates, neither is preferable.
In particular, when the amount of glycine added is 0.001 to 0.015% by weight, the effect of suppressing the odor of acetic acid by glycine is exerted more strongly, and the adverse effect of glycine is not recognized, which is more preferable.
[0024]
In this invention which concerns on Claim 1, since it is necessary to make it coexist with an above-described acetic acid containing rice cooking improver, the addition time of glycine needs to be before cooking rice, ie, before the heating at the time of rice cooking. Even if added after the completion of cooking, the desired effect of suppressing acetic acid odor by adding glycine cannot be obtained.
[0025]
In addition, although the thing of a food additive is used for glycine, you may use the food material which contains glycine in high concentration besides this.
[0026]
As described above, the cooked rice with excellent quality shown in the present invention according to claim 1 can be produced.
The cooked rice thus cooked is packed in a container as needed, used through low-temperature circulation, etc., and eaten by reheating in a microwave oven or the like as necessary. It will be.
[0027]
In addition, glycine and acetic acid-containing rice cooking improver can be added to each other separately, but the effect of addition can be obtained, but from the viewpoint of improving operability, the acetic acid-containing rice cooking improver has a desired amount. It is more preferable to use acetic acid and a glycine-containing rice cooking improver containing glycine and integrated into a formulation.
[0028]
In this way, it has excellent antiseptic power (preservability), and it can suppress the generation of irritating odors such as acetic acid odor not only after cooking, but also during reheating of cooked rice. Rice is obtained, and a rice cooking improver capable of easily producing such cooked rice is obtained.
As described above, the cooked rice thus cooked is packed in a container as needed, and used for low temperature circulation, etc., and if necessary, reheated in a microwave oven or the like. To go and eat.
[0029]
In addition, when using an acetic acid containing rice cooking improver, the following tests (Test Examples 1 and 2) were performed in order to confirm the antiseptic properties and the acetic acid odor suppressing effect of the rice cooked rice when glycine was added.
[0030]
Test example 1
As the acetic acid-containing rice cooking improvers, the compositions shown in Tables 1 to 3 were prepared (acetic acid-containing rice cooking improvers A to C).
[0031]
[Table 1]
Table 1 (Acetic acid-containing rice cooking improver A)

[0032]
[Table 2]
Table 2 (Acetic acid-containing rice cooking improver B)

[0033]
[Table 3]
Table 3 (acetic acid-containing rice cooking improver C)

[0034]
When rice is cooked using the acetic acid-containing rice cooking improvers A, B, and C, the addition concentration is changed variously, and at the same time, glycine is stepped in the range of 0.0001% to 0.1% by weight. The effect of suppressing acetic acid odor was compared. The results are shown in Table 4. The antiseptic power was evaluated by measuring the number of viable rice cooked rice after culturing at 30 ° C. for 48 hours by the following method. The results are described later.
[0035]
In addition, pH in Table 4 is diluted about 2.5 times with distilled water by adding acetic acid-containing rice improver alone or adding acetic acid-containing rice improver and glycine, and cooking rice respectively. It is the result of homogenizing with a homogenizer and measuring pH.
[0036]
The number of viable bacteria is the result of inoculating 10 ¹ Bacillus subtilis per gram of cooked rice after cooking, and then measuring the number of viable bacteria per gram of cooked rice at 30 ° C. for 48 hours using an incubator. is there. The number of viable bacteria was measured according to a conventional method using a nutrient medium.
[0037]
Moreover, about sensory evaluation (acetic acid odor and off-flavor), it is the result of having evaluated the fragrance immediately after re-heating with the microwave oven after storing the cooked rice after cooking rice at 20 degreeC for 5 hours.
[0038]
In addition, the evaluation about an acetic acid odor is the following contents.
×: Strong acetic acid odor.
Δ: Slightly acetic acid odor
○: Almost no odor of acetic acid.
A: The acetic acid odor is not felt.
[0039]
Moreover, the evaluation about a strange odor is the following contents.
X: Strong odor
○: Almost no odor is felt.
(Double-circle): A nasty smell is not felt at all.
[0040]
[Table 4]
Table 4 (Effect of glycine addition)

[0041]
[Footnotes in Table 4]
*: The acetic acid addition amount includes sodium acetate.
[0042]
From the results in Table 4, the following is clear.
First, in Test Example 1, the acetic acid-containing rice improver was added so that the acetic acid concentration per raw rice was about 0.01 to 0.156% by weight. In this range, glycine was added at 0.0005% by weight. It has been clarified that cooked rice obtained by coexisting with 0.1 to 0.1% by weight can remarkably suppress the generation of acetic acid odor even when reheated in a microwave oven.
[0043]
However, when glycine was allowed to coexist at a concentration higher than 0.05% by weight, with the increase in the concentration of glycine, a strange odor such as a burnt odor became stronger and the quality of cooked rice deteriorated. On the other hand, when 0.0001% by weight of glycine was allowed to coexist or when no glycine was added, the acetic acid odor remained and the quality of the cooked rice was low.
From the above results, it was confirmed that the addition concentration range of glycine was 0.0005 to 0.05% by weight, preferably 0.001 to 0.015% by weight.
[0044]
In addition, the result of the microbiological examination of the cooked rice after storage at 30 ° C. for 48 hours shows a problem-free level of less than 100000 pieces / g in all the test sections, and all have sufficient antiseptic power (storability). I understood.
[0045]
Test example 2 (example in which glycine was added after cooking rice; comparative test example)
In the above Test Example 1, glycine was added before cooking rice heating at the same time as the acetic acid-containing cooked rice improver, but in this Test Example 2, the acetic acid-containing rice cooking improver was added separately from glycine and cooked before cooking. After completion, a test was performed in which glycine was added at the same concentration as in Test Example 1.
As a result, the acetic acid odor suppression effect was very weak compared to Test Example 1. Therefore, it has been found that it is essential to add glycine together with an acetic acid-containing rice cooking improver before heating during rice cooking.
[0046]
From the above results, when cooking rice so that the pH of cooked rice is 5.0 to 5.8 using an acetic acid-containing cooked rice improver, 0.0005 to 0.05 wt% glycine before cooking rice, Preferably, it has been found that by containing 0.001 to 0.015% by weight, the odor of acetic acid during reheating of cooked rice can be remarkably suppressed.
[0047]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated further in detail using an Example, this invention is not limited to a following example.
[0048]
Example 1 (Production of rice cooking improver D containing glycine and acetic acid)
Glycine containing glycine and acetic acid-containing rice cooking improver as shown in Table 5 below were produced.
[0049]
[Table 5]
Table 5 (Composition of rice cooking improver D containing glycine and acetic acid)

[0050]
Example 2 (Manufacture of cooked rice using glycine and acetic acid-containing rice improver D)
Using the above-described glycine and acetic acid-containing rice cooking improver D, cooked rice was produced.
That is, 6.5 kg of raw rice (koshihikari) was washed and immersed in water for about 2 hours.
Next, after draining, it was put into a gas cooker of 5 kg kettle, and after adding 8 kg of water, 65 mL of rice cooking improver D containing glycine and acetic acid was added and stirred, and then heated and cooked in a conventional manner. . Then, heating was stopped and the cooking of rice was completed through a steaming process for 30 minutes. The cooked rice thus prepared was cooled and then filled into a 200 g packed container to obtain white rice.
This white rice was stored at 20 ° C. for 24 hours and then reheated in a microwave oven, and it was possible to eat deliciously with almost no odor of acetic acid.
[0051]
【The invention's effect】
According to this invention concerning Claim 1, while being excellent in antiseptic | preservative power (preservability), generation | occurrence | production of irritating odors, such as an acetic acid odor, is suppressed not only after cooking rice but also at the time of reheating for a while after manufacture. be able to.
Therefore, the present invention can be effectively used for the production of cooked rice, which is processed into bento, rice balls, side dishes, etc., including the production of white rice sold in supermarkets and convenience stores, etc. It is useful above.

Claims

Add acetic acid-containing rice improver before cooking rice and add glycine 0.0005-0.05% by weight per raw rice when cooking rice so that the pH of cooked rice is 5.0-6.2. The manufacturing method of the cooked rice with excellent quality characterized by manufacturing cooked rice by which generation | occurrence | production of the acetic acid odor at the time of reheating was suppressed .