JP4205904B2

JP4205904B2 - Method for producing oil-soluble compound-containing emulsion composition

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Publication number: JP4205904B2
Application number: JP2002190961A
Authority: JP
Inventors: 智三原; 安部　　忍; 高林　　禎; 靖山田
Original assignee: Ogawa and Co Ltd
Current assignee: Ogawa and Co Ltd
Priority date: 2002-06-28
Filing date: 2002-06-28
Publication date: 2009-01-07
Anticipated expiration: 2022-06-28
Also published as: JP2004033820A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品、医薬部外品、食品、食品添加物及びドリンクなど広範囲の用途に用いることができる油溶性化合物含有乳化組成物の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、医薬品、医薬部外品、食品及びドリンクなどの用途に用いる「油溶性化合物含有のソルビトール、キシリトールなどの糖アルコール」の粉末或いは造粒物は、通常、水を添加して、一旦、乳化組成物を製造し、次に、スプレ一ドライ装置（ＳＤ装置）、流動層造粒装置等により、水を除去、乾燥して製造されている。
【０００３】
しかしながら、この方法によって製造された油溶性化合物含有糖アルコ一ル粉末或いは造粒物は、香料の低沸点部の保留性に欠け、香味成分の発現性のコントロールにも限界があり、更に、口腔内において特有のざらつきがあるなどの課題がある。
【０００４】
一方、特公昭３４−５６００号公報、特表平７−５０２１８７号公報等には、油溶性化合物含有ガラスカプセルが開示されている。これらの公報に記載される油溶性化合物含有ガラスカプセルは、密閉容器中で、香味料と固体マトリックス成分（タンパク質、ハイドロコロイド、変性セルロースなどの高分子重合体、デキストリン、コーンシロップ固形物、セルラン、マルトースシロッブ固形物、高フルクトースコーンシロップ固形物）などの中程度の分子量の化合物、水、アルコール、グリセロール、水素添加した糖類、砂糖、有機酸などの可塑化剤、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリグリセロールエステル、中鎖トリグリセリドなどの乳化剤から選ばれる成分を混合し、加熱撹拌して溶融物を生成させ、少量物質の融点以上、基質のガラス温度以上で穴の開いたプレートを通して冷却したイソプロピルアルコールなどの溶媒中に押し出し、棒状粒子に成形し、ミルなどで整粒粉砕し、溶剤を遠心分離後、真空乾燥し、長期間保存しても結晶化しないガラス状物質として製造されている。
また、特開昭５８−７６０６２号公報には、キシリトールと少なくとも１種のフレーバーとの混合からなり、前記フレーバーがキシリトール内部に含有されていることを特徴とするフレーバー複合物、並びに、その製法はキシリトールを１５０℃以上、好ましくは１５０〜２３０℃の温度で加熱し、そのキシリトールを約８０℃付近まで冷却し、この冷却段階のキシリトールに少なくとも１種のフレーバーを添加して、フレーバー複合物を回収することを特徴とするものである。
【０００５】
しかしながら、上記前者の公報に記載される方法等により得られるガラスカプセルは、低沸点油溶性化合物の保留性が良いことはよく知られているが、香味成分がガラス質に封入されているため、その発現性に課題がある。更に、ガラスカプセル化法の欠点等は、脱水および冷却剤としてイソプロピルアルコール等の溶剤を用いることであり、冷却後、製品中に微量のイソプロピルアルコール等の溶剤が残留する点等に課題がある。
また、上記後者の公報に記載されるフレーバー複合物、並びに、その製法では、このフレーバー複合物を口腔内のモデルとなる水に浸漬すると、油分が水に浮く（油分が遊離する）ことからも明らかなように、ロに油の感触が広がり香味の発現性が悪い点に課題がある。更に、このフレーバー複合物は、油溶性化合物（フレーバー）がキシリトール結晶の間に吸着している構造であるため、保持できる油分の量は少なく、高含油の粉末香料を製造することができないという課題も有している。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、油溶性化合物をソルビトール、キシリトールなどの糖アルコール中で均一に分散せしめてなる構造物からなる香味の発現に優れた油溶性化合物含有乳化組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、従来におけるガラスカプセル化法で使用する固体マトリックス成分としての高分子重合体や中程度の分子量の化合物、並びに、可塑剤としての水やアルコールなどを使用することなく、油溶性化合物を乳化剤と共に、糖アルコール中で加熱溶融後、特定の条件下等で処理することにより、上記目的の油溶性化合物含有乳化組成物の製造方法が得られることに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の（１）〜（５）に存する。
（１）油溶性化合物と、乳化剤と、ソルビトール及び／又はキシリトールとからなる糖アルコール組成物を１１０〜１５０℃で加熱溶融した後、該加熱溶融物を５〜４０℃に保持して、油溶性化合物が乳化剤により被覆されて糖アルコール中に分散されてなる構造物を得ることを特徴とする油溶性化合物含有乳化組成物の製造方法。
（２）油溶性化合物が精油類、アルコール類、アルデヒド類、エステル類、フレーバー類から選ばれる少なくとも１種である上記（１）記載の油溶性化合物含有乳化組成物の製造方法。
（３）乳化剤がレシチン、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリグリセロールエステル、中鎖トリグリセリドから選ばれる少なくとも１種である上記（１）又は（２）記載の油溶性化合物含有乳化組成物の製造方法。
（４）加熱溶融物を５〜４０℃に保持する時間が２４時間以上である上記（１）〜（３）の何れか一つに記載の油溶性化合物含有乳化組成物の製造方法。
（５）エクストルーダー成形機を用いて製造する請求項１〜４の何れか一つに記載の油溶性化合物含有乳化組成物の製造方法。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の油溶性化合物含有乳化組成物の製造方法（以下、単に「本発明方法」という）は、油溶性化合物と乳化剤とを含有する糖アルコール組成物を加熱溶融した後、該加熱溶融物を５〜４０℃で冷却保持して、油溶性化合物が乳化剤により被覆されて糖アルコール中に分散されてなる構造物を得ることを特徴とするものである。
【０００９】
本発明方法で用いることができる油溶性化合物は、特に限定されるものでなく、油溶性の天然抽出物及び合成香味料のいずれも使用することができる。
油溶性化合物としては、例えば植物油、動物油、具体的には、オレンジ油、レモン油、ミント油、バニラのような精油類、メントールのようなアルコール類、バニリンのようなアルデヒド類、エチルヘキサノエートのようなエステル類、カニフレーバー、ビーフフレーバー、ポークフレーバー、チキンフレーバー、バターフレーバーのようなフレーバー類の1種以上を挙げることができる。
これらの油溶性化合物の含有量は、得られる構造物全量に対して、１〜２５重量％、好ましくは、２〜２０重量％とすることが望ましい。
この油溶性化合物の含有量が1重量％未満であると、香味の力価が弱くなり、また、２５重量％を越えると、油分のカプセル化が不十分となり、好ましくない。
【００１０】
本発明方法で用いることができる乳化剤は、油溶性化合物を糖アルコール中に均一に分散せしめるために含有するものであり、種々の乳化剤を用いることができる。
乳化剤としては、例えば、食品添加物として許可されたものを任意に使用できるが、特に、油分の含有量を上げる点から、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリグリセロ一ルエステル、中鎖トリグリセリドなどを用いることが好ましい。
これらの乳化剤の含有量は、得られる構造物全量に対して、０．０５〜５重量％、好ましくは、０．２〜３重量％とすることが望ましい。
この油溶性化合物の含有量が０．０５重量％未満であると、油溶性化合物の分散効果が十分でなく、本発明の効果が得られず、また、５重量％を越えると、香味に影響を与えるもの、すなわち、香味の発現性が悪く、好ましくない。
【００１１】
本発明方法に用いることができる糖アルコールとしては、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、マルチトール、ラクチトール、マンニトールから選ばれる少なくとも１種（単独又は２種以上の混合物）が挙げられる。
好ましい糖アルコールとしては、医薬品、医薬部外品、食品、食品添加物及びドリンクなどに用いられるものであれば、特に限定されるものではないが、香味の点から、ソルビトール、キシリトールの使用が望ましい。
これらの糖アルコールの含有量は、得られる構造物全量に対して、７０〜９８重量％、好ましくは、７５〜９７重量％とすることが望ましい。
この糖アルコールの含有量が７０重量％未満であると、油分のカプセル化が不十分となり、また、９８重量％を越えると、香味の力価が弱くなり、好ましくない。
【００１２】
その他の添加剤としては、必要に応じて、酸化防止剤、食用色素等を適宜含有することができる。
酸化防止剤としては、食品添加物として許容されているもの、例えば、ビタミンＣ、ビタミンＥ、ローズマリー、セージの抽出物等を用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、油溶性化合物の重量に対し０．１〜２重量％とすると良い。
【００１３】
本発明方法は、まず、ニーダー、耐圧容器を有する押出機、エクストルーダーなどを用いて、上述の油溶性化合物と乳化剤とを、ソルビトールやキシリトールなどの糖アルコール中１００℃以上、好ましくは、１１０〜１５０℃で、加熱溶融せしめて油溶性化合物と乳化剤とを、ソルビトールやキシリトールなどの糖アルコール中に満遍なく分散させる。
次いで、得られた加熱溶融物を取り出し、該加熱溶融物を５〜４０℃にて冷却保持することにより、目的の構造特性を有する乳化組成物が得られることとなる。すなわち、上記温度範囲（５〜４０℃の範囲）で加熱溶融物を保持することにより、初めて、油溶性化合物が乳化剤により被覆されて糖アルコール中に分散されてなる構造物が得られることとなり、上記温度範囲外（５〜４０℃の範囲外）の場合は、目的の構造物が得られないものとなる。
本発明方法により得られる上記構造特性を有する乳化組成物は、上記温度範囲で２４時間以上、好ましくは９６時間以上保持すれば得られることとなる。上記加熱溶融物の押し出しは、好ましくは、作業効率、揮発成分の散逸防止の点等から、１つ以上のスクリューを有するニーダー、エクストルーダー、耐圧容器を有する押出機の何れかで行われることが望ましい。
【００１４】
特に、本発明方法では、作業性、生産性、連続性などの点からエクストルーダー成形機を用いて製造することが特に好ましい。
用いるエクストルーダー成形機としては、一軸型エクストルーダー、二軸型エクストルーダーなどを使用することができる。このようなエクストルーダー成形機としては、神戸製鋼所社製、幸和工業社製、栗田鉄工所社製、スエヒロＥＭＰ社製、日本製鋼所社製など市販のものを使用することができる。
好ましいエクストルーダー成形機としては、二軸以上の回転軸を有しＬ／Ｄ＝１２以上を備えたものが望ましい。
【００１５】
本発明方法により得られる構造物は、医薬品、医薬部外品、食品、食品添加物及びドリンクなどの用途に応じて、粉砕機などにより所定の粒径になるように調製して目的の油溶性化合物含有乳化組成物を得ることができる。
上記温度範囲での保持時間が２４時間（１日）未満であると、構造物が生成しないことがあり、好ましくない。なお、この保持時間が２４時間（１日）以上であれば、目的の構造物がえられるものであるが、目的の効果を得るためには結晶構造を確定、すなわち、結晶構造の変動がない状態にするために、好ましくは９６時間（４日）以上保持することが望ましい。
【００１６】
このように構成される本発明方法では、従来におけるガラスカプセル化法で使用する固体マトリックス成分としての高分子重合体や中程度の分子量の化合物、並びに、可塑剤としての水やアルコールなどを使用することなく、ソルビトールやキシリトールなどの糖アルコールと、乳化剤を用いて、油溶性化合物との加熱溶融物を得、次いで、５〜４０℃で保持すれば、油溶性化合物が乳化剤により被覆されていてソルビトールやキシリトールなどの糖アルコール中に均一に分散されている油溶性化合物含有乳化物（構造物）が得られるものとなる。
本発明方法により得られる構造物は、従来のガラスカプセルや、キシリトールと少なくとも１種のフレーバーとの混合からなり、前記フレーバーがキシリトール内部に含有されているフレーバー複合物とは、その構造が相違するものであり、水中に浸漬しても油分が水に浮く（油分が遊離する）ものでなく、かつ香味の発現が強い油溶性化合物含有乳化組成物が得られるものとなる。
【００１７】
本発明方法により得られる構造物が従来のガラスカプセルと較べて、何故香味の発現に優れているかは、次の理由によるものと推察される。
すなわち、本発明方法では、油溶性化合物を乳化剤と共に、ソルビトールやキシリトールなどの糖アルコール中で加熱溶融せしめた後、冷却すれば、油溶性化合物が乳化剤により被覆されて糖アルコール中に分散された、Ｏ／Ｗ型様のエマルションが形成されるものとなる。この物は、水の添加によって油浮きの無いエマルションとなることからも判る。
これを急激に冷却固化すれば、従来の「ガラスカプセル」が生成することになるが、本発明方法では、加熱溶融物を５〜４０℃の温度で保持することにより、「ソルビトールやキシリトールなどの糖アルコールが結晶化した構造物」が生成することとなる。
【００１８】
本発明方法により得られる油溶性化合物含有乳化組成物は、従来のガラスカプセルに較べて、口腔内で溶解性がよく、かつ、香味の発現に優れたものとなるものである。
上記の推察等は、本発明方法で得られた各構造物を電子顕微鏡（ＪＳＭ−Ｔ２２０Ａ、ＪＥＯＬ社製、３５００倍）で確認したところ、径が０．１〜１０μｍ（多くは１〜２μｍ）の穴が見られ、含油量に比例してその数が増加し、更に含油量が増えると、蜂の巣状に存在していた点からも整合するものである。
【００１９】
【実施例】
次に、実施例及び比較例等により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、「部」は重量部を示す。
【００２０】
（実施例１）
配合処方：
(1) ソルビトール９６．５部
(2) メントール２．５部
(3) ショ糖脂肪酸エステル（ＨＬＢ＝２）１．０部
上記(1)〜(3)の成分を混合してオートクレーブ(ＡＣ−４０、アルブ社製)を用いて、１２０℃、３０分間、加熱溶融した。
次いで、この溶融物を室温（１５〜２０℃）に９６時間（４日間）放置して、構造物１を得た。これをミルで、１６〜６０メッシュの大きさになるように粉砕し、粒子状構造物１を得た。
この粒子状構造物１を官能評価（パネラー８名、以下同様）したところ、メントールの苦みが少なく、香味の発現が強かった。また、０．１４ｇの粒子状構造物１を５ｍｌの水に溶解したところ、油の析出のない、均一な乳化組成物が得られたことが判った（以後、本方法を「水溶解試験」という）。
【００２１】
（比較例１）
上記実施例１と同じ配合量なるソルビトール、メントール、ショ糖脂肪エステルを混合して、１２０℃、３０分間加熱溶融した。０℃以下に急冷して固体を得た。これをミルで１６〜６０メッシュの大きさになるように粉砕し、比較例１の粒子状構造物を得た。
この比較例１を官能評価したところ、メントールの苦味を強く感じ、香味の発現に欠けるものであった。
【００２２】
（比較例２）
上記実施例１と同じ配合量となるソルビトール、メントール、ショ糖脂肪酸エステルを混合して、１２０℃、３０分間加熱溶融した。−５℃に９６時間（４日間）放冷後、柔らかい物性の比較例２を得た。
この比較例２を官能評価したところ、メントールの苦味を強く感じ、香味の発現に欠けるものであった。これは、低温（−５℃）では構造物の生成反応が抑制されるため考えられる。
【００２３】
（実施例２）
配合処方：
(1) ソルビトール８６．０部
(2) メントール２．０部
(3) ミントオイル１．０部
(4) ショ糖脂肪酸エステル（ＨＬＢ＝２）１．０部
上記(1)〜(4)の成分を混合して上記実施例１と同様の装置を用いて、１２０℃、３０分間、加熱溶融した。
次いで、この溶融物を室温（１５〜２０℃）に９６時間（４日間）放置して、構造物２を得た。これをミルで、１６〜６０メッシュの大きさになるように粉砕し、粒子状構造物２を得た。
この粒子状構造物２を官能評価したところ、メントールの苦みが少なく、香味の発現が強かった。また、水溶解試験を行ったところ、均一な乳化組成物となり、油や固形物の析出はなかった。
【００２４】
（実施例３）
上記実施例１において、ショ糖脂肪酸エステル（ＨＬＢ＝２）の代わりに、ＨＬＢ＝１５のショ糖エステルを用いた以外は、実施例１と同じ条件で行い、粒子状構造物３を得た。
この粒子状構造物３を官能評価したところ、メントールの苦みが少なく、香味の発現が強かった。また、水溶解試験では、均一な乳化組成物となり、油やその固形物の析出は無く、粒子状構造物１の場合より、透明に近いエマルション状態になった。
【００２５】
（実施例４）
配合処方：
(1) ソルビトール８４．０部
(2) メントール１２．０部
(3) ショ糖脂肪酸エステル（ＨＬＢ＝１５）４．０部
上記(1)〜(3)の成分を上記実施例１と同様に処理して粒子状構造物４を得た。
この粒子状構造物４を官能評価したところ、メントールの苦味が少なく香味の発現が強かった。また、水溶解試験では、均一な乳化組成物となり油やその固形物の析出は無かった。
【００２６】
（実施例５）
配合処方：
(1) ソルビトール７８．０部
(2) メントール２０．０部
(3) ショ糖脂肪酸エステル（ＨＬＢ＝２）２．０部
上記(1)〜(3)の成分を混合して上記実施例１と同様の装置を用いて、１２０℃、４５分間、加熱溶融した。
次いで、この溶融物を室温（１５〜２０℃）に９６時間（４日間）放置して、構造物５を得た。これをミルで、１６〜６０メッシュの大きさになるように粉砕し、粒子状構造物を得た。
この粒子状構造物５を官能評価したところ、メントールの苦みが少なく、香味の発現が強かった。また、水溶解試験を行ったところ、均一な乳化組成物となり、油や固形物の析出はなかった。
【００２７】
（比較例３）
上記実施例５と同じ操作で得られた加熱溶融物を８０〜９０℃(＞４０℃)に冷却後、撹拌したところ、油成分が流出して構造物５は得られなかった。これは高含油の組成物を溶融後、結晶化前に機械的に撹拌すると、構造物が破壊され、その中の油分が流出するためである。
従って、本発明範囲となる実施例５で得られた構造物は、均一な状態のガラスカプセルではなく、結晶性の構造物であると考えられる。
【００２８】
（実施例６）
配合処方：
(1) キシリトール９６．０部
(2) メントール３．０部
(3) ショ糖脂肪酸エステル（ＨＬＢ＝２）１．０部
上記(1)〜(3)の成分を混合して上記実施例１と同様の装置を用いて、１００℃、６０分間、加熱溶融した。次いで、この溶融物を室温（１５〜２０℃）に９６時間（４日間）放置して、構造物６を得た。これをミルで、１６〜６０メッシュの大きさになるように粉砕し、粒子状構造物６を得た。
この粒子状構造物６を官能評価したところ、メントールの苦みが少なく、香味の発現が強かった。また、水溶解試験を行ったところ、均一な乳化組成物となり、油や固形物の析出はなかった。
【００２９】
（比較例４、特開昭５８−７６０６２号公報に記載の方法に準拠したフレーバー複合物の調製）
一定量のキシリトールを１２０℃にて加熱溶融した。次ぎに、このキシリトールを約８２℃まで冷却し、この点で理論量で１０％に相当する一定量のペパーミントフレーバーを急速に混合した。混合の間フレーバーの発散が認められた。その後、キシリト一ル／フレーバー混合物をキャンデートレーの中に注ぐと、１分以内で固体に凝集した。これをミルで、１６〜６０メッシュの大きさになるように粉砕し、比較例４のフレーバー複合物を得た。
【００３０】
（実施例７）
配合処方：
(1) ソルビトール８９．０部
(2) レモンオイル１０．０部
(3) ショ糖脂肪酸エステル（ＨＬＢ＝２）１．０部
上記(1)〜(3)の成分を混合して上記実施例１と同様の装置を用いて、１１２℃、２０分間、加熱溶融した。
次いで、この溶融物を室温（１５〜２０℃）に９６時間（４日間）放置して、構造物７を得た。この固形物をミルで、１６〜６０メッシュの大きさになるように切断し、流動性に富む粒子状構造物７を得た。
この粒子状構造物７を官能評価したところ、トップが強く、香味の発現が強かった。また、水溶解試験を行ったところ、均一な乳化組成物となり、油や固形物の析出はなかった。
【００３１】
（実施例８）
上記実施例７において、レモンオイルをペパーミントオイルに代えた以外は実施例６と同様に、粒子状構造物８を得た。
この粒子状構造物８を官能評価したところ、ペパーミントの香味の発現が強かった。また、水溶解試験を行ったところ、均一な乳化組成物となり、油や固形物の析出はなかった。
【００３２】
（実施例９）
配合処方：
(1) ソルビトール９５．５部
(2) メントール２．５部
(3) ペパーミントオイル１．０部
(4) ショ糖脂肪酸エステル１．０部
上記(1)〜(4)の成分を二軸エクストルーダー（日本製鋼所社製）を用いて、バレル内の温度１２０℃、圧力２ｋｇ／ｃｍ²、１分間、ホールドして加熱溶融した。次いで、この溶融物を排出後、室温（１５〜２０℃）に９６時間（４日間）放置して、構造物９を得た。これをミルで、１６〜６０メッシュの大きさになるように粉砕し、粒子状構造物９を得た。
この粒子状構造物９を官能評価したところ、トップが強く、香味の発現が強かった。また、水溶解試験を行ったところ、均一な乳化組成物となり、油や固形物の析出はなかった。
【００３３】
（実施例１０）
配合処方：
(1) ソルビトール６０部
(2) キシリトール３７部
(3) ペパーミントオイル２部
(4) ショ糖脂肪酸エステル１部
上記(1)〜(4)の成分を二軸エクストルーダー（日本製鋼所社製）を用いて、バレル内の温度１２０℃、圧力２ｋｇ／ｃｍ²、１分間、ホールドして加熱溶融した。次いで、この溶融物を排出後、室温（１５〜２０℃）に９６時間（４日間）放置して、構造物１０を得た。
これをミルで、１６〜６０メッシュの大きさになるように粉砕し、粒子状構造物１０を得た。
この粒子状構造物１０を官能評価したところ、トップが強く、香味の発現が強かった。また、水溶解試験を行ったところ、均一な乳化組成物となり、油や固形物の析出はなかった。
【００３４】
（比較例５）
配合処方：
(1) ソルビトール８８．０部
(2) メントール１０．０部
(3) ペパーミントオイル１．０部
(4) ショ糖脂肪酸エステル１．０部
上記(1)〜(4)の成分を二軸エクストルーダー（日本製鋼所社製）を用いて、バレル内の温度１２０℃、圧力２ｋｇ／ｃｍ²、１分間、ホールドして加熱溶融した。次いで、この溶融物を排出後、０℃以下に急冷して固体を得た。これをミルで、１６〜６０メッシュの大きさになるように粉砕し、比較例５を得た。
この比較例５を官能評価したところ、メントールの苦味を強く感じ、香味の発現にかけるものであった。また、この比較例５の水溶解試験を行ったところ、油の析出があり、不均一な乳化組成物であった。
【００３５】
（比較例６）
メントール、およびペパーミントオイルをレモンオイルに替えた以外は、上記比較例５と同様にして、比較例６を得た。
【００３６】
（比較例７）
水１５０ｇにアラビアガム３０ｇ及びデキストリン（ＤＥ１０）５０ｇを加えて撹拌し、８０℃で溶解殺菌後、４０℃まで冷却した。
これにメントール２０ｇを添加し、クレアミックス（エムテクニック社製）を用い、３０〜４０℃を維持しながら１８０００ｒｐｍにて１分間撹拌することにより乳化を行った。
得られた乳化液をスプレードライヤー（大川原化工機社製）を用い、送風温度１５０℃、排風温度８０℃で噴霧乾燥し、９０ｇのメントール粉末香料、比較例７を得た。
【００３７】
（比較例８）
メントールをレモンオイルに替えた以外は、上記比較例７と同様にして、レモン粉末香料、比較例８を得た。
【００３８】
（試験例１：タブレット試作品の官能評価）
上記で得たメントール含有乳化組成物など（実施例４、比較例５及び７）と、レモン含有乳化組成物など（実施例７、比較例６及び８）のそれぞれのオイルの量が一定（メントール賦香率：２．５％、レモンオイル賦香率：１．０％）になるように調合したタブレットを下記表１の処方にて行った。ソルビトール粉末、及び上記で製造した粉末香料などを添加し、常法に従って、打錠機にて、滑沢剤にショ糖脂肪酸エステルを用いて、錠菓を各々調製した。
この各錠菓（タブレット）を専門パネラー８名にて、香気香味の官能評価を行った。
これらの結果を下記表２に示す。
【００３９】
【表１】

【００４０】
【表２】

【００４１】
（試験例２：ガム試作品の官能評価）
下記表３の処方にて（上記試験例１と同様のメントール含有乳化組成物などと、レモン含有乳化組成物などを用いて）、板ガムの香気香味評価を下記方法により行った。
まず、ガムベース、砂糖、ブドウ糖、コーンシロップを混合し、これに上記で得たメントール含有乳化組成物など（実施例４、比較例５及び７）と、レモン含有乳化組成物など（実施例７、比較例６及び８）のそれぞれのオイルの量が一定（メントール賦香率：２．５％、レモンオイル賦香率：１．０％）になるよう添加し、常法に従って高剪断ミキサーを用いて約５０℃で混和し、冷却後ローラーにより圧展成形し、１枚３ｇとなる各々の板ガムを調製した。
この各板ガムを専門パネラー８名にて、香気香味の官能評価を行った。
これらの結果を下記表４に示す。
【００４２】
【表３】

【００４３】
【表４】

【００４４】
上記表１〜４の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例４、７のメントール含有乳化組成物など又はレモン含有乳化組成物など含有の錠菓（タブレット）、板ガムは、本発明の範囲外となる比較例５〜８のメントール含有乳化組成物など又はレモン含有乳化組成物など含有の錠菓（タブレット）、板ガムと比較して、香味の発現に優れているものであった。
【００４５】
（試験例３：ガム試作品の官能評価）
上記表３のＢ−４の処方〔ガムベース１００ｇ、砂糖２００ｇ、ブドウ糖４０ｇ、コーンシロップ（Ｂｘ．８５）６０ｇ〕にて、但し、粉末香料は比較例４と実施例８のペパーミント粉末香料（各５０ｇ）を用いて、上記試験例２と同様に板ガムを調製し、板ガムの香気香味評価を行った。
実施例８の粉末香料を含有した板ガムは、トップの香味がとても強かった。これに対して、比較例４の粉末香料を含有した板ガムは、トップの香味の発現に欠けることが判明した。
【００４６】
【発明の効果】
本発明方法によれば、医薬品、医薬部外品、食品及びドリンクなどの用途に用いることができる香味の発現に優れた油溶性化合物含有乳化組成物の製造方法が提供される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an oil-soluble compound-containing emulsion composition that can be used for a wide range of uses such as pharmaceuticals, quasi drugs, foods, food additives, and drinks.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, powders or granulated products of “sugar alcohols such as sorbitol and xylitol containing oil-soluble compounds” used for applications such as pharmaceuticals, quasi drugs, foods and drinks are usually added with water. An emulsified composition is produced, and then water is removed and dried by a spray dry device (SD device), a fluidized bed granulator or the like.
[0003]
However, the oil-soluble compound-containing sugar alcohol powder or granulated product produced by this method lacks the retentivity of the low-boiling part of the fragrance, has a limit in controlling the expression of the flavor component, There is a problem such as a peculiar roughness inside.
[0004]
On the other hand, Japanese Patent Publication No. 34-5600, Japanese Patent Publication No. 7-502187, etc. disclose oil-soluble compound-containing glass capsules. The oil-soluble compound-containing glass capsules described in these publications contain a flavorant and a solid matrix component (polymers such as proteins, hydrocolloids and modified cellulose, dextrin, corn syrup solids, cellulan, maltose in a sealed container. Medium molecular weight compounds such as sylobic solids, high fructose corn syrup solids), plasticizers such as water, alcohol, glycerol, hydrogenated saccharides, sugar, organic acids, lecithin, sucrose fatty acid esters, fatty acids Ingredients selected from emulsifiers such as monoglycerides, polyglycerol esters and medium chain triglycerides are mixed and heated to stir to form a melt, cooled through a perforated plate above the melting point of a small amount of material and above the glass temperature of the substrate Extrude into a solvent such as isopropyl alcohol , Formed into rod-like particles, sieved ground in such mill, after the solvent centrifugation, vacuum drying, are manufactured as a glass material that does not crystallize even after long-term storage.
JP-A-58-76062 discloses a flavor composite comprising a mixture of xylitol and at least one flavor, wherein the flavor is contained inside xylitol, and a method for producing the same. Xylitol is heated at a temperature of 150 ° C. or higher, preferably 150 to 230 ° C., the xylitol is cooled to about 80 ° C., and at least one flavor is added to the xylitol in this cooling stage to recover the flavor composite. It is characterized by doing.
[0005]
However, it is well known that the glass capsule obtained by the method described in the former publication has good retention of the low-boiling oil-soluble compound, but since the flavor component is enclosed in the glass, There is a problem in its expression. Furthermore, a disadvantage of the glass encapsulation method is that a solvent such as isopropyl alcohol is used as a dehydrating and cooling agent, and there is a problem in that a trace amount of a solvent such as isopropyl alcohol remains in the product after cooling.
Further, in the flavor composite described in the latter publication, and in the production method thereof, when this flavor composite is immersed in water serving as a model in the oral cavity, the oil component floats in the water (the oil component is released). As is apparent, there is a problem in that the oil feel spreads and the flavor expression is poor. Furthermore, since this flavor composite has a structure in which an oil-soluble compound (flavor) is adsorbed between xylitol crystals, the amount of oil that can be held is small, and a powdered fragrance with high oil content cannot be produced. Also have.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the present invention has been made in view of the above-mentioned problems of the prior art, and is intended to solve this problem. The flavor of the present invention is composed of a structure in which an oil-soluble compound is uniformly dispersed in a sugar alcohol such as sorbitol and xylitol. It aims at providing the manufacturing method of the oil-soluble compound containing emulsion composition excellent in expression.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies on the above-described conventional problems, the present inventors have found that as a solid matrix component used in the conventional glass encapsulation method, a medium molecular weight compound, and a plasticizer Without using water, alcohol, etc., the oil-soluble compound is heated and melted in a sugar alcohol together with an emulsifier, and then treated under specific conditions, etc. It succeeded in being obtained and came to complete this invention.
That is, the present invention resides in the following (1) to (5).
(1) With oil-soluble compounds , With emulsifier , Sorbitol and / or xylitol Sugar alcohol composition 110-150 ° C After heating and melting, the heated melt is maintained at 5 to 40 ° C. to obtain a structure in which the oil-soluble compound is coated with an emulsifier and dispersed in sugar alcohol. A method for producing the composition.
(2) The method for producing an oil-soluble compound-containing emulsion composition according to the above (1), wherein the oil-soluble compound is at least one selected from essential oils, alcohols, aldehydes, esters and flavors.
(3) The method for producing an oil-soluble compound-containing emulsion composition according to (1) or (2), wherein the emulsifier is at least one selected from lecithin, sucrose fatty acid ester, fatty acid monoglyceride, polyglycerol ester, and medium chain triglyceride. .
(4) The time for holding the heated melt at 5 to 40 ° C is 24 hours or more. The manufacturing method of the oil-soluble compound containing emulsion composition as described in any one of said (1)-(3) which is.
(5) The method for producing an oil-soluble compound-containing emulsion composition according to any one of claims 1 to 4, wherein the oil-soluble compound-containing emulsion composition is produced using an extruder molding machine.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
The method for producing an oil-soluble compound-containing emulsion composition of the present invention (hereinafter simply referred to as “the method of the present invention”) involves heating and melting a sugar alcohol composition containing an oil-soluble compound and an emulsifier, It is characterized by obtaining a structure in which an oil-soluble compound is coated with an emulsifier and dispersed in a sugar alcohol by being cooled and held at 5 to 40 ° C.
[0009]
The oil-soluble compound that can be used in the method of the present invention is not particularly limited, and any of oil-soluble natural extracts and synthetic flavors can be used.
Examples of oil-soluble compounds include vegetable oils, animal oils, specifically, orange oil, lemon oil, mint oil, essential oils such as vanilla, alcohols such as menthol, aldehydes such as vanillin, and ethylhexanoate. And one or more flavors such as crab flavor, beef flavor, pork flavor, chicken flavor and butter flavor.
The content of these oil-soluble compounds is 1 to 25% by weight, preferably 2 to 20% by weight, based on the total amount of the structure obtained.
When the content of the oil-soluble compound is less than 1% by weight, the flavor titer becomes weak, and when it exceeds 25% by weight, the oil is not sufficiently encapsulated.
[0010]
The emulsifier that can be used in the method of the present invention contains an oil-soluble compound in a sugar alcohol to be uniformly dispersed, and various emulsifiers can be used.
As the emulsifier, for example, those permitted as food additives can be used arbitrarily, but in particular, lecithin, sucrose fatty acid ester, fatty acid monoglyceride, polyglyceryl ester, medium chain triglyceride, etc. from the point of increasing the oil content Is preferably used.
The content of these emulsifiers is 0.05 to 5% by weight, preferably 0.2 to 3% by weight, based on the total amount of the resulting structure.
If the content of the oil-soluble compound is less than 0.05% by weight, the effect of dispersing the oil-soluble compound is not sufficient, and the effect of the present invention cannot be obtained. If the content exceeds 5% by weight, the flavor is affected. That gives the taste, that is, the flavor is poorly expressed.
[0011]
Examples of the sugar alcohol that can be used in the method of the present invention include at least one (single or a mixture of two or more) selected from sorbitol, xylitol, erythritol, palatinit, maltitol, lactitol, and mannitol.
The preferred sugar alcohol is not particularly limited as long as it is used for pharmaceuticals, quasi drugs, foods, food additives, drinks, and the like, but from the viewpoint of flavor, the use of sorbitol and xylitol is desirable. .
The content of these sugar alcohols is 70 to 98% by weight, preferably 75 to 97% by weight, based on the total amount of the structure obtained.
If the sugar alcohol content is less than 70% by weight, encapsulation of the oil becomes insufficient, and if it exceeds 98% by weight, the flavor titer becomes weak, which is not preferable.
[0012]
As other additives, antioxidants, food dyes and the like can be appropriately contained as necessary.
As the antioxidant, those permitted as food additives, for example, vitamin C, vitamin E, rosemary, sage extract and the like can be used.
The content of the antioxidant is preferably 0.1 to 2% by weight based on the weight of the oil-soluble compound.
[0013]
In the method of the present invention, first, using a kneader, an extruder having a pressure vessel, an extruder or the like, the oil-soluble compound and the emulsifier are added to a sugar alcohol such as sorbitol or xylitol at 100 ° C. or higher, preferably 110 to The oil-soluble compound and the emulsifier are uniformly dispersed in a sugar alcohol such as sorbitol or xylitol by heating and melting at 150 ° C.
Subsequently, the obtained heated melt is taken out, and the heated melt is cooled and held at 5 to 40 ° C., whereby an emulsified composition having the desired structural characteristics is obtained. That is, by holding the heated melt in the above temperature range (5 to 40 ° C.), a structure in which the oil-soluble compound is coated with the emulsifier and dispersed in the sugar alcohol is obtained for the first time. In the case of outside the above temperature range (outside the range of 5 to 40 ° C.), the target structure cannot be obtained.
The emulsified composition having the above structural characteristics obtained by the method of the present invention can be obtained by maintaining it in the above temperature range for 24 hours or more, preferably 96 hours or more. The extrusion of the heated melt is preferably performed in any one of a kneader having one or more screws, an extruder, and an extruder having a pressure resistant container from the viewpoint of work efficiency, prevention of dissipation of volatile components, and the like. desirable.
[0014]
In particular, in the method of the present invention, it is particularly preferable to produce using an extruder molding machine from the viewpoint of workability, productivity, continuity and the like.
As an extruder molding machine to be used, a uniaxial extruder, a biaxial extruder, etc. can be used. As such an extruder molding machine, commercially available products such as those manufactured by Kobe Steel Co., Ltd., Kowa Kogyo Co., Ltd., Kurita Iron Works Co., Ltd., Suehiro EMP Co., Ltd., and Nippon Steel Co., Ltd. can be used.
As a preferred extruder molding machine, a machine having two or more rotation axes and having L / D = 12 or more is desirable.
[0015]
A structure obtained by the method of the present invention is prepared to have a predetermined particle size by a pulverizer or the like according to uses such as pharmaceuticals, quasi-drugs, foods, food additives, and drinks. A compound-containing emulsion composition can be obtained.
When the holding time in the above temperature range is less than 24 hours (one day), a structure may not be generated, which is not preferable. If the holding time is 24 hours (one day) or longer, the target structure can be obtained. However, in order to obtain the target effect, the crystal structure is determined, that is, there is no change in the crystal structure. In order to make it into a state, it is desirable to keep it for 96 hours (4 days) or more.
[0016]
In the method of the present invention configured as described above, a high molecular weight polymer as a solid matrix component used in a conventional glass encapsulation method, a medium molecular weight compound, and water or alcohol as a plasticizer are used. Without using a sugar alcohol such as sorbitol or xylitol and an emulsifier, a heated melt of the oil-soluble compound is obtained, and if kept at 5 to 40 ° C., the oil-soluble compound is coated with the emulsifier and sorbitol Thus, an oil-soluble compound-containing emulsion (structure) that is uniformly dispersed in a sugar alcohol such as xylitol is obtained.
The structure obtained by the method of the present invention is different from conventional glass capsules and flavor composites comprising a mixture of xylitol and at least one flavor, wherein the flavor is contained inside xylitol. Even when immersed in water, the oil component does not float in water (the oil component is liberated), and an oil-soluble compound-containing emulsion composition having a strong flavor is obtained.
[0017]
The reason why the structure obtained by the method of the present invention is superior in flavor expression as compared with the conventional glass capsule is presumed to be as follows.
That is, in the method of the present invention, when the oil-soluble compound is heated and melted in a sugar alcohol such as sorbitol or xylitol together with an emulsifier and then cooled, the oil-soluble compound is coated with the emulsifier and dispersed in the sugar alcohol. An O / W-like emulsion will be formed. This can be seen from the fact that the addition of water makes the emulsion free from oil floating.
If this is rapidly cooled and solidified, a conventional “glass capsule” is produced. However, in the method of the present invention, by maintaining the heated melt at a temperature of 5 to 40 ° C., “such as sorbitol and xylitol”. A structure in which the sugar alcohol is crystallized "is generated.
[0018]
The oil-soluble compound-containing emulsion composition obtained by the method of the present invention has better solubility in the oral cavity and excellent flavor expression than conventional glass capsules.
The above inferences, etc. were confirmed by an electron microscope (JSM-T220A, manufactured by JEOL, 3500 times) for each structure obtained by the method of the present invention, and the diameter was 0.1 to 10 μm (many 1 to 2 μm). The number of holes increases in proportion to the oil content, and when the oil content further increases, it is consistent from the point of being in a honeycomb shape.
[0019]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples and comparative examples, but the present invention is not limited to the following examples. “Parts” indicates parts by weight.
[0020]
Example 1
Formulation:
(1) 96.5 parts sorbitol
(2) Menthol 2.5 parts
(3) Sucrose fatty acid ester (HLB = 2) 1.0 part
The above components (1) to (3) were mixed and melted by heating at 120 ° C. for 30 minutes using an autoclave (AC-40, manufactured by Albu).
Next, this melt was allowed to stand at room temperature (15 to 20 ° C.) for 96 hours (4 days) to obtain a structure 1. This was pulverized to a size of 16 to 60 mesh with a mill to obtain a particulate structure 1.
When this particulate structure 1 was subjected to sensory evaluation (eight panelists, the same applies hereinafter), the bitterness of menthol was small and the expression of flavor was strong. Further, when 0.14 g of the particulate structure 1 was dissolved in 5 ml of water, it was found that a uniform emulsion composition without oil precipitation was obtained (hereinafter, this method is referred to as “water dissolution test”). Called).
[0021]
(Comparative Example 1)
Sorbitol, menthol, and sucrose fatty ester having the same blending amounts as in Example 1 were mixed and heated and melted at 120 ° C. for 30 minutes. A solid was obtained by rapid cooling to below 0 ° C. This was pulverized to a size of 16 to 60 mesh with a mill to obtain a particulate structure of Comparative Example 1.
When this Comparative Example 1 was sensory-evaluated, the menthol had a strong bitter taste and lacked the expression of flavor.
[0022]
(Comparative Example 2)
Sorbitol, menthol, and sucrose fatty acid ester having the same blending amounts as in Example 1 were mixed and heated and melted at 120 ° C. for 30 minutes. After cooling to −5 ° C. for 96 hours (4 days), Comparative Example 2 having soft physical properties was obtained.
When this Comparative Example 2 was subjected to sensory evaluation, it was strongly felt that menthol was bitter and lacked in expression of flavor. This is considered because the structure formation reaction is suppressed at low temperatures (−5 ° C.).
[0023]
(Example 2)
Formulation:
(1) 86.0 parts of sorbitol
(2) Menthol 2.0 parts
(3) 1.0 part of mint oil
(4) Sucrose fatty acid ester (HLB = 2) 1.0 part
The components (1) to (4) were mixed and melted by heating at 120 ° C. for 30 minutes using the same apparatus as in Example 1.
Subsequently, this melt was allowed to stand at room temperature (15 to 20 ° C.) for 96 hours (4 days) to obtain a structure 2. This was pulverized to a size of 16 to 60 mesh with a mill to obtain a particulate structure 2.
When this particulate structure 2 was sensory-evaluated, there was little bitterness of menthol and the expression of flavor was strong. Moreover, when the water solubility test was done, it became a uniform emulsion composition and there was no precipitation of oil and solid substance.
[0024]
(Example 3)
In Example 1, the particulate structure 3 was obtained under the same conditions as in Example 1 except that sucrose ester of HLB = 15 was used instead of sucrose fatty acid ester (HLB = 2).
When this particulate structure 3 was subjected to sensory evaluation, the bitterness of menthol was small and the expression of flavor was strong. Moreover, in the water dissolution test, it became a uniform emulsion composition, and there was no precipitation of oil and its solid substance, and it became an emulsion state near transparency rather than the case of the particulate structure 1.
[0025]
(Example 4)
Formulation:
(1) 84.0 parts sorbitol
(2) Menthol 12.0 parts
(3) Sucrose fatty acid ester (HLB = 15) 4.0 parts
The components (1) to (3) were treated in the same manner as in Example 1 to obtain a particulate structure 4.
When this particulate structure 4 was sensory-evaluated, there was little menthol bitterness and the expression of flavor was strong. Moreover, in the water dissolution test, it became a uniform emulsion composition, and there was no precipitation of oil or its solid substance.
[0026]
(Example 5)
Formulation:
(1) 78.0 parts of sorbitol
(2) Menthol 20.0 parts
(3) Sucrose fatty acid ester (HLB = 2) 2.0 parts
The components (1) to (3) were mixed and heated and melted at 120 ° C. for 45 minutes using the same apparatus as in Example 1.
Next, this melt was allowed to stand at room temperature (15 to 20 ° C.) for 96 hours (4 days) to obtain a structure 5. This was pulverized to a size of 16 to 60 mesh with a mill to obtain a particulate structure.
When this particulate structure 5 was sensory-evaluated, there was little bitterness of menthol and the expression of flavor was strong. Moreover, when the water solubility test was done, it became a uniform emulsion composition and there was no precipitation of oil and solid substance.
[0027]
(Comparative Example 3)
When the heated melt obtained by the same operation as in Example 5 was cooled to 80 to 90 ° C. (> 40 ° C.) and stirred, the oil component flowed out, and the structure 5 was not obtained. This is because, when a high oil content composition is melted and mechanically stirred before crystallization, the structure is destroyed and the oil contained therein flows out.
Therefore, the structure obtained in Example 5 within the scope of the present invention is not a uniform glass capsule but a crystalline structure.
[0028]
(Example 6)
Formulation:
(1) Xylitol 96.0 parts
(2) Menthol 3.0 parts
(3) Sucrose fatty acid ester (HLB = 2) 1.0 part
The above components (1) to (3) were mixed and melted by heating at 100 ° C. for 60 minutes using the same apparatus as in Example 1. Subsequently, this melt was left at room temperature (15 to 20 ° C.) for 96 hours (4 days) to obtain a structure 6. This was pulverized to a size of 16 to 60 mesh with a mill to obtain a particulate structure 6.
When this particulate structure 6 was sensory-evaluated, there was little bitterness of menthol and the expression of flavor was strong. Moreover, when the water solubility test was done, it became a uniform emulsion composition and there was no precipitation of oil and solid substance.
[0029]
(Comparative example 4, preparation of flavor composite based on the method described in JP-A-58-76062)
A certain amount of xylitol was melted by heating at 120 ° C. The xylitol was then cooled to about 82 ° C. and a certain amount of peppermint flavor corresponding to 10% of the theoretical amount at this point was rapidly mixed. Flavor divergence was observed during mixing. The xylitol / flavor mixture was then poured into a candy tray and agglomerated to a solid within 1 minute. This was pulverized to a size of 16 to 60 mesh with a mill to obtain a flavor composite of Comparative Example 4.
[0030]
(Example 7)
Formulation:
(1) Sorbitol 89.0 parts
(2) Lemon oil 10.0 parts
(3) Sucrose fatty acid ester (HLB = 2) 1.0 part
The components (1) to (3) were mixed and heated and melted at 112 ° C. for 20 minutes using the same apparatus as in Example 1.
Next, this melt was allowed to stand at room temperature (15 to 20 ° C.) for 96 hours (4 days) to obtain a structure 7. This solid was cut with a mill so as to have a size of 16 to 60 mesh to obtain a particulate structure 7 having high fluidity.
When this particulate structure 7 was sensory-evaluated, the top was strong and the expression of flavor was strong. Moreover, when the water solubility test was done, it became a uniform emulsion composition and there was no precipitation of oil and solid substance.
[0031]
(Example 8)
In the above Example 7, a particulate structure 8 was obtained in the same manner as in Example 6 except that the lemon oil was replaced with peppermint oil.
When this particulate structure 8 was sensory-evaluated, the expression of peppermint flavor was strong. Moreover, when the water solubility test was done, it became a uniform emulsion composition and there was no precipitation of oil and solid substance.
[0032]
Example 9
Formulation:
(1) 95.5 parts sorbitol
(2) Menthol 2.5 parts
(3) Peppermint oil 1.0 part
(4) Sucrose fatty acid ester 1.0 part
Using the twin screw extruder (manufactured by Nippon Steel), the components (1) to (4) above were used, and the temperature in the barrel was 120 ° C and the pressure was 2 kg / cm. ² Hold for 1 minute to melt by heating. Next, after discharging the melt, the melt was left at room temperature (15 to 20 ° C.) for 96 hours (4 days) to obtain a structure 9. This was pulverized to a size of 16 to 60 mesh with a mill to obtain a particulate structure 9.
When this particulate structure 9 was subjected to sensory evaluation, the top was strong and the flavor was strong. Moreover, when the water solubility test was done, it became a uniform emulsion composition and there was no precipitation of oil and solid substance.
[0033]
(Example 10)
Formulation:
(1) Sorbitol 60 parts
(2) 37 parts of xylitol
(3) Peppermint oil 2 parts
(4) Sucrose fatty acid ester 1 part
Using the above-mentioned components (1) to (4) with a biaxial extruder (manufactured by Nippon Steel Works), the temperature in the barrel is 120 ° C. and the pressure is 2 kg / cm. ² Hold for 1 minute to melt by heating. Then, after discharging the melt, the structure was obtained by leaving it at room temperature (15 to 20 ° C.) for 96 hours (4 days).
This was pulverized to a size of 16 to 60 mesh with a mill to obtain a particulate structure 10.
When this particulate structure 10 was subjected to sensory evaluation, the top was strong and the expression of flavor was strong. Moreover, when the water solubility test was done, it became a uniform emulsion composition and there was no precipitation of oil and solid substance.
[0034]
(Comparative Example 5)
Formulation:
(1) 88.0 parts of sorbitol
(2) Menthol 10.0 parts
(3) Peppermint oil 1.0 part
(4) Sucrose fatty acid ester 1.0 part
Using the twin screw extruder (manufactured by Nippon Steel), the components (1) to (4) above were used, and the temperature in the barrel was 120 ° C and the pressure was 2 kg / cm. ² Hold for 1 minute to melt by heating. Subsequently, after discharging this melt, it was rapidly cooled to 0 ° C. or lower to obtain a solid. This was pulverized to a size of 16 to 60 mesh with a mill to obtain Comparative Example 5.
When this Comparative Example 5 was subjected to sensory evaluation, the menthol bitterness was strongly felt and the flavor was expressed. Moreover, when the water dissolution test of this comparative example 5 was done, there was oil precipitation and it was a non-uniform | heterogenous emulsion composition.
[0035]
(Comparative Example 6)
Comparative Example 6 was obtained in the same manner as Comparative Example 5 except that menthol and peppermint oil were replaced with lemon oil.
[0036]
(Comparative Example 7)
30 g of gum arabic and 50 g of dextrin (DE10) were added to 150 g of water, stirred, dissolved and sterilized at 80 ° C., and then cooled to 40 ° C.
Menthol 20g was added to this, and it emulsified by stirring for 1 minute at 18000 rpm, maintaining a 30-40 degreeC using CLEARMIX (made by M technique company).
The obtained emulsified liquid was spray-dried at a blower temperature of 150 ° C. and an exhaust air temperature of 80 ° C. using a spray dryer (manufactured by Okawahara Kako Co., Ltd.) to obtain 90 g of menthol powder fragrance, Comparative Example 7.
[0037]
(Comparative Example 8)
A lemon powder flavor and Comparative Example 8 were obtained in the same manner as Comparative Example 7 except that menthol was replaced with lemon oil.
[0038]
(Test Example 1: Sensory evaluation of a tablet prototype)
The amount of oil in each of the menthol-containing emulsion composition obtained above (Example 4, Comparative Examples 5 and 7) and the lemon-containing emulsion composition (Example 7, Comparative Examples 6 and 8) is constant (menthol) Tablets prepared so as to have a perfume rate of 2.5% and a lemon oil perfume rate of 1.0% were prepared according to the formulation shown in Table 1 below. Sorbitol powder, the powdered fragrance produced above, and the like were added, and tablet confectionery was prepared by a tableting machine using a sucrose fatty acid ester as a lubricant according to a conventional method.
Each tablet confectionery (tablet) was subjected to sensory evaluation of aroma and fragrance by eight professional panelists.
These results are shown in Table 2 below.
[0039]
[Table 1]

[0040]
[Table 2]

[0041]
(Test Example 2: Sensory evaluation of gum prototype)
With the formulation shown in Table 3 below (using the same menthol-containing emulsion composition and lemon-containing emulsion composition as in Test Example 1 above), the flavor and flavor of the board gum was evaluated by the following method.
First, a gum base, sugar, glucose and corn syrup are mixed, and the menthol-containing emulsion composition obtained above (Example 4, Comparative Examples 5 and 7) and the lemon-containing emulsion composition (Example 7, Add each oil amount of Comparative Examples 6 and 8) to be constant (menthol flavoring rate: 2.5%, lemon oil flavoring rate: 1.0%), and use a high shear mixer according to a conventional method. The mixture was mixed at about 50 ° C., and after cooling, it was press-molded with a roller to prepare each plate gum to be 3 g per sheet.
Each board gum was subjected to sensory evaluation of fragrance and flavor by eight panelists.
These results are shown in Table 4 below.
[0042]
[Table 3]

[0043]
[Table 4]

[0044]
As is apparent from the results of Tables 1 to 4, tablet confectionery (tablets) and board gums containing menthol-containing emulsion compositions of Examples 4 and 7, which are within the scope of the present invention, or lemon-containing emulsion compositions, Compared with tablet confectionery (tablet) and board gum containing menthol-containing emulsion composition or the like of lemon-containing emulsion composition of Comparative Examples 5 to 8 which are outside the scope of the invention, it is excellent in expression of flavor. It was.
[0045]
(Test Example 3: Sensory evaluation of gum prototype)
In the formulation of B-4 in Table 3 above (100 g of gum base, 200 g of sugar, 40 g of glucose, 60 g of corn syrup (Bx.85)), however, the powder flavor was the peppermint powder flavor of Comparative Example 4 and Example 8 (50 g each) ) Was used to prepare a plate gum in the same manner as in Test Example 2, and the flavor and flavor of the plate gum were evaluated.
The plate gum containing the powder flavor of Example 8 had a very strong top flavor. On the other hand, it was found that the plate gum containing the powder flavor of Comparative Example 4 lacks the expression of the top flavor.
[0046]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, there is provided a method for producing an oil-soluble compound-containing emulsion composition excellent in expression of a flavor that can be used for applications such as pharmaceuticals, quasi drugs, foods and drinks.

Claims

A sugar alcohol composition composed of an oil-soluble compound, an emulsifier, and sorbitol and / or xylitol is heated and melted at 110 to 150 ° C., and then the heated melt is held at 5 to 40 ° C. so that the oil-soluble compound is an emulsifier. A process for producing an emulsion composition containing an oil-soluble compound, characterized in that a structure is obtained which is coated with and dispersed in sugar alcohol.

The method for producing an oil-soluble compound-containing emulsion composition according to claim 1, wherein the oil-soluble compound is at least one selected from essential oils, alcohols, aldehydes, esters, and flavors.

The method for producing an oil-soluble compound-containing emulsion composition according to claim 1 or 2, wherein the emulsifier is at least one selected from lecithin, sucrose fatty acid ester, fatty acid monoglyceride, polyglycerol ester, and medium chain triglyceride.

The method for producing an oil-soluble compound-containing emulsion composition according to any one of claims 1 to 3, wherein the time for maintaining the heated melt at 5 to 40 ° C is 24 hours or more .

The manufacturing method of the oil-soluble compound containing emulsion composition as described in any one of Claims 1-4 manufactured using an extruder molding machine.