JP4204757B2 - Vehicle headlamp - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、いわゆるH4ハロゲンバルブを備えた車両用前照灯に関するものであり、特に、フォグランプ配光パターンとハイビーム配光パターンとのビーム切換えを行い得るように構成された車両用前照灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
H4ハロゲンバルブは、その前部フィラメントの下方近傍に該前部フィラメントから下方へ向かう光を遮蔽するインナシェードが配置されているので、これを備えた車両用前照灯においては、ロービーム照射に適したカットオフライン(明暗境界線)を有する配光パターンを容易に形成することができる。また、H4ハロゲンバルブは前部フィラメントのほかに後部フィラメントをも備えているので、両フィラメントの点灯切換えを行うことにより、単一の光源バルブでロービーム配光パターンとハイビーム配光パターンとのビーム切換えを行うことができる。
【0003】
このようなH4ハロゲンバルブの特性を生かして、フォグランプ配光パターンとハイビーム配光パターンとのビーム切換えを行う灯具構成を採用することも可能である。この場合、フォグランプ配光パターンは前部フィラメントの点灯により形成され、ハイビーム配光パターンは後部フィラメントの点灯により形成されることとなる。その際、フォグランプ配光パターンの形成には、インナシェードよりリフレクタの下部反射面へ向かう光が遮蔽されるので、リフレクタの上部反射面での反射光のみが使用されることとなり、一方、ハイビーム配光パターンの形成には、反射面の全領域が使用されることなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フォグランプ配光パターンは、左右方向に大きく拡散する略均一な配光パターンとする必要があるのに対し、ハイビーム配光パターンは、遠方視認性を高めるため中心光度が高い配光パターンとする必要がある。
【0005】
しかしながら、上部反射面での反射光をすべてフォグランプ配光パターンの形成に使用すると、ハイビーム配光パターンのホットゾーン(高光度領域)を形成するために使用することができるのは下部反射面のみとなり、その中心光度を十分に高めることが困難となる、という問題がある。
【0006】
一方、上部反射面の一部をハイビーム配光パターンのホットゾーン形成用に使用することも考えられるが、このようにした場合にはフォグランプ配光パターンを略均一な配光パターンとすることができなくなってしまう、という問題がある。
【0007】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、H4ハロゲンバルブを備え、フォグランプ配光パターンとハイビーム配光パターンとのビーム切換えを行い得るように構成された車両用前照灯において、フォグランプ配光パターンを略均一な配光パターンに維持した上で、ハイビーム配光パターンの中心光度を十分に高めることができる車両用前照灯を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、所定のアウタシェードを設けるとともにリフレクタの反射面形状に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0009】
すなわち、本願発明に係る車両用前照灯は、
車両前後方向に延びる光軸に沿って前部フィラメントおよび後部フィラメントが配置されるとともに、上記前部フィラメントの下方近傍に該前部フィラメントから下方へ向かう光を遮蔽するインナシェードが配置されてなる光源バルブと、この光源バルブからの光を前方へ反射させる反射面を有するリフレクタとを備えてなり、
上記前部フィラメントの点灯によりフォグランプ配光パターンでビーム照射を行う一方、上記後部フィラメントの点灯によりハイビーム配光パターンでビーム照射を行うように構成された車両用前照灯において、
上記光源バルブの周囲に、上記前部フィラメントから上記インナシェードに遮蔽されずに上記反射面へ向かう光のうち上記反射面の周縁部へ向かう光を遮蔽するアウタシェードが設けられており、
上記反射面における上記アウタシェードの遮光作用で上記前部フィラメントからの光が入射しない光非入射周縁領域が、上記後部フィラメントからの光を上記ハイビーム配光パターンの中心部へ向けて反射させるように構成されている、ことを特徴とするものである。
【0010】
上記「反射面」は複数の反射素子からなる構成であってもよいし、滑らかな曲面からなる構成であってもよい。
【0011】
上記「アウタシェード」は、前部フィラメントからインナシェードに遮蔽されずに反射面へ向かう光のうち反射面の周縁部へ向かう光を遮蔽することができるものであれば、その具体的形状等は特に限定されるものではい。
【0012】
上記「光非入射周縁領域」は、反射面の周縁部であれば、その具体的な位置、範囲等は特に限定されるものではい。
【0013】
【発明の作用効果】
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用前照灯は、光源バルブとしてH4ハロゲンバルブを備えており、その前部フィラメントの点灯によりフォグランプ配光パターンでビーム照射を行う一方、その後部フィラメントの点灯によりハイビーム配光パターンでビーム照射を行うように構成されているが、光源バルブの周囲には、前部フィラメントからインナシェードに遮蔽されずに反射面へ向かう光のうち反射面の周縁部へ向かう光を遮蔽するアウタシェードが設けられており、また反射面におけるアウタシェードの遮光作用で前部フィラメントからの光が入射しない光非入射周縁領域は、後部フィラメントからの光をハイビーム配光パターンの中心部へ向けて反射させるように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0014】
すなわち、ハイビーム配光パターンのホットゾーンを形成するための反射領域として、インナシェードの遮光作用で前部フィラメントからの光が入射しない下部反射面だけでなく、アウタシェードの遮光作用で前部フィラメントからの光が入射しない上部反射面の光非入射周縁領域も使用することにより、ハイビーム配光パターンの中心光度を十分に高めることが可能となる。その際、反射面の周縁部に位置する光非入射周縁領域は、後部フィラメントの像を反射面の各部位のうちで最も小さい像として前方へ投射させることができるので、ハイビーム配光パターンの中心光度を効率よく高めることができる。
【0015】
また、上記光非入射周縁領域はフォグランプ配光パターン形成用としては使用されないので、該光非入射周縁領域をハイビーム配光パターンのホットゾーン形成用として使用しても、フォグランプ配光パターンが不均一になってしまうのを防止することができる。
【0016】
このように本願発明によれば、H4ハロゲンバルブを備え、フォグランプ配光パターンとハイビーム配光パターンとのビーム切換えを行い得るように構成された車両用前照灯において、フォグランプ配光パターンを略均一な配光パターンに維持した上で、ハイビーム配光パターンの中心光度を十分に高めることができる。
【0017】
上記構成において、反射面が複数の反射素子からなる場合には、光非入射周縁領域の境界線の位置を、これら複数の反射素子相互の区分線と略一致するように設定すれば、リフレクタの意匠を損なうことなくハイビーム配光パターン形成のための専用反射領域を形成することができる。
【0018】
上記「リフレクタ」は、光源バルブからの光を反射させる反射面のみを有する構成であってよいことはもちろんであるが、該反射面以外にこれと隣接する他の反射面を有する構成であってもよい。
【0019】
後者の場合には、H4ハロゲンバルブからの光を反射させる反射面と他の反射面とを有するリフレクタが1つの灯具に収容されることとなるため、H4ハロゲンバルブからの光を反射させる反射面の占有面積が小さいものとなってしまう。これに伴い、ハイビーム配光パターン形成のための専用反射領域も小さくなってしまうので、本願発明の構成を採用することが特に効果的である。
【0020】
その際、上記反射面と他の反射面とが上下に配置されている場合には、ハイビーム配光パターン形成のための専用反射領域がさらに小さくなってしまう傾向にあるので、本願発明の構成を採用することが一層効果的である。
【0021】
なお、上記「他の反射面」は、上記H4ハロゲンバルブ以外の光源バルブからの光を反射させるように構成された反射面であってもよいし、装飾用のダミー反射面であってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示す正面図であり、図2は、その側断面図である。
【0024】
これらの図に示すように、実施形態に係る車両用前照灯10は、素通し状の透明カバー12とランプボディ14とで形成される灯室内に、リフレクタユニット16が上下および左右方向に傾動可能に設けられてなっている。
【0025】
図3は、リフレクタユニット16を単品で示す正面図であり、図4は、その平断面図である。
【0026】
これらの図にも示すように、リフレクタユニット16は、H4ハロゲンバルブ18(光源バルブ)と、リフレクタ20と、このシェード22とを備えてなり、車両前後方向に延びる光軸Axを有している。
【0027】
H4ハロゲンバルブ18は、光軸Axに沿って前部フィラメント18aおよび後部フィラメント18bが配置されるとともに、前部フィラメント18aの下方近傍に該前部フィラメント18aから下方へ向かう光を遮蔽するインナシェード18cが配置されてなり、リフレクタ20の後頂部に挿着されている。
【0028】
前部フィラメント18aは、光軸Axと同軸で前後方向に延びており、後部フィラメント18bは、前部フィラメント18aの後方近傍における光軸Axに対して僅かに下方にオフセットした位置で前後方向に延びている。そして、インナシェード18cは、前部フィラメント18aを下方側から所定角度範囲(具体的には光軸Axを基準にして左右均等に中心角165°の範囲)にわたって囲むように形成されている。
【0029】
そして後述するように、実施形態に係る車両用前照灯10は、前部フィラメント18aの点灯によりフォグランプ配光パターンでビーム照射を行う一方、後部フィラメント18bの点灯によりハイビーム配光パターンでビーム照射を行うようになっている。
【0030】
リフレクタ20は、光軸Axを中心軸とする回転放物面上に複数の反射素子20sが形成されてなる反射面20aを有しており、この反射面20aによりH4ハロゲンバルブ18からの光を前方へ拡散偏向反射させるようになっている。
【0031】
前部フィラメント18aから下方へ向かう光はインナシェード18cによって遮蔽されるので、反射面20aには、光軸Axから左右両方向へ向かって7.5°下向きで延びる1対の明暗境界線Boが形成される。
【0032】
複数の反射素子20sは、灯具正面視において反射面20aを縦縞状に区分けするとともに両明暗境界線Boの下方近傍において、該明暗境界線Boと略平行に延びる1対の斜め境界線B1で上下に区分けされている。
【0033】
そして、この斜め境界線B1よりも上側の上部反射面20aUを構成する12本の反射素子20sのうち中央寄りの10本の反射素子20s(L1〜L5、R1〜R5)が、フォグランプ配光パターン形成用の反射素子20sとして使用されるようになっている。
【0034】
一方、ハイビーム配光パターン用には全反射素子20sが使用されるようになっている。その際、斜め境界線B1よりも下側の下部反射面20aLを構成する12本の反射素子20sと、上部反射面20aUにおける左右両側端部に位置する2本の反射素子20s(L6、R6)とが、ハイビーム配光パターンのホットゾーンを形成するための反射領域として設定されている。
【0035】
アウタシェード22は、キャップ状に形成されたシェード本体22aと、このシェード本体22aの下端部から後方へ延び、後端部においてリフレクタ20にネジ締め固定された取付ステー22bとからなっている。
【0036】
シェード本体22aは、前部フィラメント18aからインナシェード18cに遮蔽されずに反射面20aへ向かう光のうち反射面20aの周縁部(具体的には上部反射面20aUにおける左右両側端部に位置する2本の反射素子20s(L6、R6))へ向かう光を遮蔽するよう、その後端縁22a1の輪郭形状が設定されている。
【0037】
すなわち、図4に示すように、シェード本体22aの後端縁22a1は、前部フィラメント18aの後端位置と、反射素子20s(L6、R6)とその内側に隣接する反射素子20s(L5、R5)との区分線B2とを結ぶことにより形成される曲面との交線として、その輪郭形状が設定されている。
【0038】
これにより、前部フィラメント18aから反射素子20s(L6、R6)へ向かう光は、すべてアウタシェード22に遮蔽されてしまい、反射素子20s(L6、R6)に入射することはない。前部フィラメント18aから反射素子20s(L5、R5)へ向かう光は、前部フィラメント18aの前端寄りの部分からの光が部分的にアウタシェード22に遮蔽されるものの、それ以外の光はすべて反射素子20s(L5、R5)に入射する。前部フィラメント18aから反射素子20s(L1〜L4、R1〜R4)へ向かう光は、すべてアウタシェード22に遮蔽されることなく反射素子20s(L1〜L4、R1〜R4)に入射する。
【0039】
一方、後部フィラメント18bから反射素子20s(L6、R6)へ向かう光は、後部フィラメント18bの前端寄りの部分からの光が部分的にアウタシェード22に遮蔽されるものの、それ以外の光はすべて反射素子20s(L6、R6)に入射する。後部フィラメント18bから反射素子20s(L1〜L5、R1〜R5)へ向かう光は、すべてアウタシェード22に遮蔽されることなく反射素子20s(L1〜L5、R1〜R5)に入射する。
【0040】
図3において斜線で示す領域(すなわち、反射面20aにおいて1対の明暗境界線Boと1対の区分線B2とで囲まれた領域)20aFが、前部フィラメント18aからの光が入射する領域であり、この前部フィラメント光入射領域20aFからの反射光により、図5に示すようなフォグランプ配光パターンP(FOG)を形成するようになっている。
【0041】
このフォグランプ配光パターンP(FOG)は、左右方向に大きく拡散する略均一な配光パターンとなっている。これを実現するため、前部フィラメント光入射領域20aFに対応する反射素子20s(L1〜L5、R1〜R5)は、水平断面が凸状のシリンドリカル素子として形成されている。ただし、反射素子20s(L3、R3)の下部領域20s(L3a、R3a)は、水平断面の凸状の曲率が小さいシリンドリカル素子として形成されている。これにより、フォグランプ配光パターンP(FOG)の中央上部に小拡散配光パターンPa(FOG)を形成し、フォグランプ配光パターンP(FOG)の中央上端縁の明暗境界線をある程度明瞭なものとするようにしている。
【0042】
一方、図6に示すように、後部フィラメント18bの点灯により形成されるハイビーム配光パターンP(HIGH)は、反射面20aの全領域からの反射光により形成されるが、このハイビーム配光パターンP(HIGH)は、反射面20aにおいて1対の斜め境界線B1と1対の区分線B2とで囲まれた領域(前部フィラメント光入射領域20aFよりも僅かに広い領域)からの反射光により形成される大拡散配光パターンP1(反射素子20s(L3、R3)の下部領域20s(L3a、R3a)からの反射光により形成される小拡散配光パターンP1aを含む)と、下部反射面20aLを構成する12本の反射素子20sからの反射光により形成される集光配光パターンP2と、上部反射面20aUにおける左右両側端部に位置する2本の反射素子20s(L6、R6)からの反射光により形成される集光配光パターンP3との合成配光パターンとして形成される。
【0043】
その際、反射素子20s(L6、R6)は、後部フィラメント18bの像を反射面20aの各部位のうちで最も小さい像として前方へ投射させるので、集光配光パターンP3は、集光配光パターンP2よりもさらに小さい配光パターンとして形成される。これら集光配光パターンP2、P3は、ハイビーム配光パターンP(HIGH)の中心部に重畳されるように形成されており、これによりハイビーム配光パターンP(HIGH)の中心部にホットゾーンHZを形成するようになっている。
【0044】
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用前照灯10は、H4ハロゲンバルブ18の前部フィラメント18aの点灯によりフォグランプ配光パターンP(FOG)でビーム照射を行う一方、後部フィラメント18bの点灯によりハイビーム配光パターンP(HIGH)でビーム照射を行うように構成されているが、H4ハロゲンバルブ18の周囲には、前部フィラメント18aからインナシェード18cに遮蔽されずに反射面20aへ向かう光のうち反射面20aの周縁部へ向かう光を遮蔽するアウタシェード22が設けられており、また反射面20aにおけるアウタシェード22の遮光作用で前部フィラメント18aからの光が入射しない光非入射周縁領域(20s(L6、R6))は、後部フィラメント18bからの光をハイビーム配光パターンP(HIGH)の中心部へ向けて反射させるように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0045】
すなわち、ハイビーム配光パターンP(HIGH)のホットゾーンを形成するための反射領域として、インナシェードの遮光作用で前部フィラメント18aからの光が入射しない下部反射面20aLだけでなく、アウタシェード22の遮光作用で前部フィラメント18aからの光が入射しない上部反射面20aUの光非入射周縁領域(20s(L6、R6))も使用することにより、ハイビーム配光パターンP(HIGH)の中心光度を十分に高めることが可能となる。その際、反射面20aの周縁部に位置する光非入射周縁領域(20s(L6、R6))は、後部フィラメント18bの像を反射面20aの各部位のうちで最も小さい像として前方へ投射させることができるので、ハイビーム配光パターンP(HIGH)の中心光度を効率よく高めることができる。
【0046】
また、上記光非入射周縁領域(20s(L6、R6))はフォグランプ配光パターン形成用としては使用されないので、該光非入射周縁領域をハイビーム配光パターンP(HIGH)のホットゾーン形成用として使用しても、フォグランプ配光パターンP(FOG)が不均一になってしまうのを防止することができる。
【0047】
このように本実施形態によれば、H4ハロゲンバルブ18を備え、ハイビーム配光パターンP(HIGH)とフォグランプ配光パターンP(FOG)とのビーム切換えを行い得るように構成された車両用前照灯において、フォグランプ配光パターンP(FOG)を略均一な配光パターンに維持した上で、ハイビーム配光パターンP(HIGH)の中心光度を十分に高めることができる。
【0048】
しかも本実施形態においては、反射面20aが複数の反射素子20sからなり、光非入射周縁領域の境界線B2の位置が、上部反射面20aUにおける左右両側端部に位置する2本の反射素子20s(L6、R6)とその内側に隣接する2本の反射素子20s(L5、R5)との各区分線と略一致するように設定されているので、リフレクタ16の意匠を損なうことなくハイビーム配光パターン形成のための専用反射領域を形成することができる。
【0049】
なお本実施形態においては、透明カバー12とランプボディ14とで形成される灯室内にリフレクタユニット16が傾動可能に設けられてなる、いわゆるリフレクタ可動型の前照灯について説明したが、透明カバー12とリフレクタユニット16とが一体化されてユニットとして傾動する、いわゆるユニット可動型の前照灯についても、本実施形態と同様の構成を採用することにより本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0050】
ところで、上記実施形態に係る車両用前照灯10は、そのリフレクタ16が、H4ハロゲンバルブ18からの光を反射させる反射面20aのみを有する構成となっているが、該反射面20a以外に該反射面20aと隣接する他の反射面を有する構成とすることも可能である。
【0051】
例えば、図7に示す車両用前照灯110は、そのリフレクタ120が、上記実施形態と同様の反射面20aと、その上側に隣接する反射面120aとを備えた構成となっており、上側の反射面120aの後頂部にはH1ハロゲンバルブ118が挿着されている。この反射面120aは、車両前後方向に延びる光軸Ax´を中心軸とする回転放物面上に複数の反射素子120sが形成されてなり、該反射面120aによりH1ハロゲンバルブ118からの光を前方へ拡散偏向反射させてロービーム配光パターンを形成するようになっている。その際、H1ハロゲンバルブ118から反射面120a以外の方向へ向かう光は、該H1ハロゲンバルブ118の近傍に設けられたシェード122により遮蔽されるようになっている。
【0052】
この車両用前照灯110においては、反射面20a、120aを有する上下幅の広いリフレクタ120が、素通し状の透明カバー12とランプボディ14とで形成される灯室内に収容されることとなるため、反射面20aの占有面積を十分に確保することが困難となる。このため、図7に示す反射面20aの上下幅は、図1に示す反射面20aに比して狭くなっている。
【0053】
これに伴い、図7に示す反射面20aにおいては、ハイビーム配光パターン形成のための専用反射領域である下部反射面20aLもかなり小さくなってしまうので、上記実施形態と同様の構成を採用することが特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示す正面図
【図2】上記車両用前照灯を示す側断面図
【図3】上記車両用前照灯のリフレクタユニットを単品で示す正面図
【図4】上記リフレクタユニットを単品で示す平断面図
【図5】上記車両用前照灯からのビーム照射により形成されるフォグランプ配光パターンを、上記リフレクタユニットの後方から透視的に見て示す図
【図6】上記車両用前照灯からのビーム照射により形成されるハイビーム配光パターンを、上記リフレクタユニットの後方から透視的に見て示す図
【図7】上記実施形態の変形例を示す、図1と同様の図
【符号の説明】
10、110 車両用前照灯
12 透明カバー
14 ランプボディ
16 リフレクタユニット
18 H4ハロゲンバルブ(光源バルブ)
18a 前部フィラメント
18b 後部フィラメント
18c インナシェード
20、120 リフレクタ
20a、120a 反射面
20aF 前部フィラメント光入射領域
20aL 下部反射面
20aU 上部反射面
20s、120s 反射素子
20s(L1〜L5、R1〜R5) 反射素子
20s(L6、R6) 反射素子(光非入射周縁領域)
22、122 シェード
22a シェード本体
22a1 後端縁
22b 取付ステー
118 H1ハロゲンバルブ
Ax、Ax´ 光軸
Bo 明暗境界線
B1 斜め境界線
B2 区分線
HZ ホットゾーン
P(FOG) フォグランプ配光パターン
Pa(FOG) 小拡散配光パターン
P(HIGH) ハイビーム配光パターン
P1 大拡散配光パターン
P1a 小拡散配光パターン
P2、P3 集光配光パターン[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle headlamp provided with a so-called H4 halogen bulb, and more particularly, to a vehicle headlamp configured to be able to perform beam switching between a fog lamp light distribution pattern and a high beam light distribution pattern. Is.
[0002]
[Prior art]
In the H4 halogen bulb, an inner shade for shielding light traveling downward from the front filament is disposed in the vicinity of the lower portion of the front filament. Therefore, the vehicle headlamp equipped with the H4 halogen bulb is suitable for low beam irradiation. In addition, a light distribution pattern having a cut-off line (bright / dark boundary line) can be easily formed. In addition, the H4 halogen bulb has a rear filament in addition to the front filament. By switching the lighting of both filaments, beam switching between a low beam distribution pattern and a high beam distribution pattern can be performed with a single light source bulb. It can be performed.
[0003]
It is also possible to employ a lamp configuration that performs beam switching between the fog lamp light distribution pattern and the high beam light distribution pattern by making use of such characteristics of the H4 halogen bulb. In this case, the fog lamp light distribution pattern is formed by lighting the front filament, and the high beam light distribution pattern is formed by lighting the rear filament. At that time, since the light directed from the inner shade toward the lower reflection surface of the reflector is shielded in forming the fog lamp light distribution pattern, only the reflected light from the upper reflection surface of the reflector is used, while the high beam distribution is used. The entire area of the reflecting surface is used for forming the light pattern.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, the fog lamp light distribution pattern needs to be a substantially uniform light distribution pattern that greatly diffuses in the left-right direction, whereas the high beam light distribution pattern is a light distribution pattern having a high central luminous intensity in order to improve far visibility. There is a need.
[0005]
However, if all the reflected light from the upper reflective surface is used to form a fog lamp light distribution pattern, only the lower reflective surface can be used to form a hot zone (high light intensity region) of the high beam light distribution pattern. There is a problem that it is difficult to sufficiently increase the central luminous intensity.
[0006]
On the other hand, it is conceivable to use a part of the upper reflection surface for forming a hot zone of a high beam light distribution pattern. In this case, however, the fog lamp light distribution pattern can be made into a substantially uniform light distribution pattern. There is a problem of disappearing.
[0007]
The present invention has been made in view of such circumstances, and includes a H4 halogen bulb, and is configured to be able to perform beam switching between a fog lamp light distribution pattern and a high beam light distribution pattern. Therefore, an object of the present invention is to provide a vehicular headlamp that can sufficiently increase the central luminous intensity of a high beam light distribution pattern while maintaining the fog lamp light distribution pattern in a substantially uniform light distribution pattern.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is intended to achieve the above object by providing a predetermined outer shade and devising the shape of the reflecting surface of the reflector.
[0009]
That is, the vehicle headlamp according to the present invention is
A light source in which a front filament and a rear filament are disposed along an optical axis extending in the vehicle front-rear direction, and an inner shade for shielding light traveling downward from the front filament is disposed near the lower portion of the front filament. A bulb and a reflector having a reflective surface for reflecting light from the light source bulb forward;
In a vehicle headlamp configured to perform beam irradiation with a fog lamp light distribution pattern by lighting the front filament, while performing beam irradiation with a high beam light distribution pattern by lighting the rear filament,
Around the light source bulb, an outer shade is provided that shields light from the front filament that is not shielded by the inner shade and that is directed to the reflective surface, and that is directed to the peripheral portion of the reflective surface,
The light non-incident peripheral area where the light from the front filament is not incident by the light shielding action of the outer shade on the reflection surface reflects the light from the rear filament toward the center of the high beam light distribution pattern. It is characterized by being comprised.
[0010]
The “reflecting surface” may be composed of a plurality of reflecting elements, or may be composed of a smooth curved surface.
[0011]
The above-mentioned “outer shade” is not specifically shielded from the front filament by the inner shade, but is capable of shielding the light traveling toward the peripheral portion of the reflective surface among the light traveling toward the reflective surface. Not particularly limited.
[0012]
The “light non-incident peripheral region” is not particularly limited as long as it is a peripheral portion of the reflecting surface.
[0013]
[Effects of the invention]
As shown in the above configuration, the vehicle headlamp according to the present invention includes an H4 halogen bulb as a light source bulb, and irradiates the beam with a fog lamp light distribution pattern by lighting the front filament, while the rear filament It is configured to irradiate the beam with a high beam distribution pattern by turning on the light source, but around the light source bulb, the peripheral part of the reflecting surface out of the light traveling from the front filament to the reflecting surface without being shielded by the inner shade The outer shade that shields the light going to the outside is provided, and the light non-incident peripheral area where the light from the front filament does not enter due to the light shielding action of the outer shade on the reflection surface is the high beam light distribution pattern. Because it is configured to reflect toward the center of the That.
[0014]
That is, as a reflection region for forming the hot zone of the high beam light distribution pattern, not only the lower reflection surface where the light from the front filament does not enter due to the light shielding effect of the inner shade but also the light shielding effect of the outer shade from the front filament. By using the light non-incident peripheral region of the upper reflecting surface where no light is incident, the central luminous intensity of the high beam light distribution pattern can be sufficiently increased. At that time, the light non-incident peripheral region located at the peripheral portion of the reflective surface can project the image of the rear filament forward as the smallest image of each part of the reflective surface, so that the center of the high beam light distribution pattern The luminous intensity can be increased efficiently.
[0015]
Further, since the light non-incident peripheral region is not used for forming a fog lamp light distribution pattern, the fog light distribution pattern is not uniform even if the light non-incident peripheral region is used for forming a hot zone of a high beam light distribution pattern. Can be prevented.
[0016]
As described above, according to the present invention, the fog lamp light distribution pattern is substantially uniform in the vehicle headlamp that includes the H4 halogen bulb and is configured to be able to perform beam switching between the fog lamp light distribution pattern and the high beam light distribution pattern. It is possible to sufficiently increase the central luminous intensity of the high beam light distribution pattern while maintaining a simple light distribution pattern.
[0017]
In the above configuration, when the reflecting surface is composed of a plurality of reflecting elements, if the position of the boundary line of the light non-incident peripheral region is set so as to substantially match the dividing line between these reflecting elements, It is possible to form a dedicated reflection region for forming a high beam light distribution pattern without impairing the design.
[0018]
Of course, the “reflector” may have a configuration having only a reflective surface that reflects light from the light source bulb, but may have another reflective surface adjacent to the reflective surface. Also good.
[0019]
In the latter case, a reflector having a reflective surface that reflects light from the H4 halogen bulb and another reflective surface is housed in one lamp, and thus a reflective surface that reflects light from the H4 halogen bulb. Will occupy a small area. Along with this, the dedicated reflection area for forming the high beam light distribution pattern is also reduced, so that it is particularly effective to adopt the configuration of the present invention.
[0020]
At that time, when the reflection surface and the other reflection surface are arranged one above the other, the dedicated reflection region for forming the high beam light distribution pattern tends to be further reduced. Adopting is more effective.
[0021]
The “other reflective surface” may be a reflective surface configured to reflect light from a light source bulb other than the H4 halogen bulb, or may be a decorative dummy reflective surface. .
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0023]
FIG. 1 is a front view showing a vehicle headlamp according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a side sectional view thereof.
[0024]
As shown in these drawings, in the
[0025]
FIG. 3 is a front view showing the
[0026]
As shown in these drawings, the
[0027]
The
[0028]
The
[0029]
As will be described later, the
[0030]
The
[0031]
Since light traveling downward from the
[0032]
The plurality of reflecting
[0033]
Then, the 10 reflecting
[0034]
On the other hand, a
[0035]
The
[0036]
The
[0037]
That is, as shown in FIG. 4, the rear end edge 22a1 of the shade
[0038]
As a result, all the light traveling from the
[0039]
On the other hand, the light traveling from the
[0040]
In FIG. 3, a region indicated by diagonal lines (that is, a region surrounded by a pair of bright / dark boundary lines Bo and a pair of segment lines B2 on the reflecting
[0041]
This fog lamp light distribution pattern P (FOG) is a substantially uniform light distribution pattern that diffuses greatly in the left-right direction. In order to realize this, the reflecting
[0042]
On the other hand, as shown in FIG. 6, the high beam distribution pattern P (HIGH) formed by lighting the
[0043]
At this time, the reflecting
[0044]
As described above in detail, the
[0045]
That is, as a reflection region for forming a hot zone of the high beam light distribution pattern P (HIGH), not only the lower reflection surface 20aL where the light from the
[0046]
Further, since the light non-incident peripheral region (20s (L6, R6)) is not used for forming the fog lamp light distribution pattern, the light non-incident peripheral region is used for forming a hot zone of the high beam light distribution pattern P (HIGH). Even if it is used, the fog lamp light distribution pattern P (FOG) can be prevented from becoming non-uniform.
[0047]
As described above, according to the present embodiment, the vehicle headlamp is provided with the
[0048]
In addition, in the present embodiment, the reflecting
[0049]
In the present embodiment, the so-called reflector movable type headlamp in which the
[0050]
Incidentally, the
[0051]
For example, the
[0052]
In the
[0053]
Accordingly, in the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing a vehicular headlamp according to an embodiment of the present invention. FIG. 2 is a side sectional view showing the vehicular headlamp. FIG. 3 shows a reflector unit of the vehicular headlamp. FIG. 4 is a front sectional view showing the reflector unit as a single item. FIG. 5 is a perspective view of a fog lamp light distribution pattern formed by beam irradiation from the vehicle headlamp from the rear of the reflector unit. FIG. 6 is a diagram showing a high beam distribution pattern formed by beam irradiation from the vehicle headlamp as seen from the rear of the reflector unit. FIG. The same figure as FIG. 1 which shows the modification of [Description of numerals]
10, 110
18a
22, 122
Claims (4)
上記前部フィラメントの点灯によりフォグランプ配光パターンでビーム照射を行う一方、上記後部フィラメントの点灯によりハイビーム配光パターンでビーム照射を行うように構成された車両用前照灯において、
上記光源バルブの周囲に、上記前部フィラメントから上記インナシェードに遮蔽されずに上記反射面へ向かう光のうち上記反射面の周縁部へ向かう光を遮蔽するアウタシェードが設けられており、
上記反射面における上記アウタシェードの遮光作用で上記前部フィラメントからの光が入射しない光非入射周縁領域が、上記後部フィラメントからの光を上記ハイビーム配光パターンの中心部へ向けて反射させるように構成されている、ことを特徴とする車両用前照灯。A light source in which a front filament and a rear filament are disposed along an optical axis extending in the vehicle front-rear direction, and an inner shade for shielding light traveling downward from the front filament is disposed near the lower portion of the front filament. A bulb and a reflector having a reflective surface for reflecting light from the light source bulb forward;
In a vehicle headlamp configured to perform beam irradiation with a fog lamp light distribution pattern by lighting the front filament, while performing beam irradiation with a high beam light distribution pattern by lighting the rear filament,
Around the light source bulb, an outer shade is provided that shields light from the front filament that is not shielded by the inner shade and that is directed to the reflective surface, and that is directed to the peripheral portion of the reflective surface,
The light non-incident peripheral area where the light from the front filament is not incident by the light shielding action of the outer shade on the reflection surface reflects the light from the rear filament toward the center of the high beam light distribution pattern. A vehicle headlamp, characterized in that it is configured.
上記光非入射周縁領域の境界線の位置が、上記複数の反射素子相互の区分線と略一致するように設定されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。The reflective surface comprises a plurality of reflective elements,
2. The vehicle headlamp according to claim 1, wherein a position of a boundary line of the light non-incident peripheral region is set so as to substantially coincide with a dividing line between the plurality of reflecting elements.
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