JP4203638B2 - Mesh-shaped shape memory alloy actuator and method for manufacturing the mesh body - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状記憶合金が記憶形状に変形する際の変形力によって各種装置を駆動させる駆動力を得るメッシュ状形状記憶合金アクチュエータ及びそのメッシュ体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来この種のアクチュエータとしては、特開昭59−88916号公報、特開昭61−193670号公報等があるが、これらは形状記憶合金のワイヤーをメッシュ状に編んでメッシュ体を形成してあり、このメッシュ体への通電のオンオフでメッシュ体をジュール熱で加熱したり冷却したりしてメッシュ体を伸縮させて駆動力を得るようになっている。またこのメッシュ体のワイヤーは絶縁のために柔らかい樹脂膜で被覆してある。
【0003】
ところが、上記アクチュエータにあっては、アクチュエートする度に、メッシュ体のワイヤーの重なる箇所が摺動するため、多数回アクチュエートすると、柔らかい樹脂膜では磨耗による膜の剥離が生じ、絶縁性がなくなるという問題がある。硬い樹脂膜ではアクチュエータの歪に追従できずに膜が崩壊するといった問題がある。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、絶縁層の表面の耐磨耗性、摺動性を向上させ、絶縁効果を高め、アクチュエータ性能を向上させることができるメッシュ状形状記憶合金アクチュエータ及びそのメッシュ体の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータは、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んで構成されたメッシュ体2を加熱または冷却することで形状変化により対象物を作動させるメッシュ状形状記憶合金アクチュエータにおいて、少なくともメッシュ状に形成した際摺接部となる部分の表面に軟質絶縁被膜部3aを被覆して形成された絶縁層3と、該軟質絶縁被膜部3aの外表面に硬質粒子5を分散形成した耐磨耗層4を有することを特徴とする。絶縁層3が軟質絶縁被膜部3aで軟質であるために形状記憶合金のワイヤー1の塑性歪に絶縁層3が剥離や破壊することなく追従する。さらに表面の硬質粒子5が絶縁層3の破壊を防ぐことで、表面の耐摩擦磨耗性能がアップしてワイヤー1間の擦れ摩擦にも対応可能である。
【0006】
また本発明の請求項2のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータは、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んで構成されたメッシュ体2を加熱または冷却することで形状変化により対象物を作動させるメッシュ状形状記憶合金アクチュエータにおいて、少なくともメッシュ状に形成した際摺接部となる部分の表面に軟質絶縁被膜部3aを被覆して形成された絶縁層3と、該軟質絶縁被膜部3aの外表面に摺動促進粒子6を分散形成した耐磨耗層4を有することを特徴とする。絶縁層3が軟質絶縁被膜部3aで軟質であるために形状記憶合金のワイヤー1の塑性歪に絶縁層3が剥離や破壊することなく追従する。さらに表面の摺動促進粒子6により表面の耐摩擦磨耗性能がアップしてワイヤー1間の擦れ摩擦にも対応可能である。
【0007】
また本発明の請求項3のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータは、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んで構成されたメッシュ体2を加熱または冷却することで形状変化により対象物を作動させるメッシュ状形状記憶合金アクチュエータにおいて、少なくともメッシュ状に形成した際摺接部となる部分の表面に軟質絶縁被膜部3aを被覆して形成された絶縁層3と、該軟質絶縁被膜部3aの外表面に硬質粒子5及び摺動促進粒子6を分散形成した耐磨耗層4を有することを特徴とする。絶縁層3が軟質絶縁被膜部3aで軟質であるために形状記憶合金のワイヤー1の塑性歪に絶縁層3が剥離や破壊することなく追従する。さらに表面の硬質粒子5及び摺動促進粒子6により表面の耐摩擦磨耗性能がアップしてワイヤー1間の擦れ摩擦にも対応可能である。
【0008】
また本発明の請求項4のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2に、液状化された軟質絶縁被膜材料7に硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた分散液をディップまたはスプレーコートのいずれかで被覆することを特徴とする。軟質絶縁被膜部3aよりなる絶縁層3と硬質粒子5や摺動促進粒子6を分散した耐磨耗層4をワイヤー1の表面に容易且つ低コストで形成できる。
【0009】
また本発明の請求項5のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2に液状化された軟質絶縁被膜材料7のみを最初にコーティングし、しかる後、硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた分散液をコーティングすることを特徴とする。硬質粒子5や摺動促進粒子6とは別に軟質絶縁被膜材料7のみを被覆することで母材であるワイヤー1と軟質絶縁被膜部3aとの密着性が向上する。
【0010】
また本発明の請求項6のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、耐熱性材料からなる軟質絶縁被膜材料7を液状化させると共に硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた分散液を形状記憶合金のワイヤー1にコーティングし、次いで、このワイヤー1をメッシュ形状に編んで所定形状に形成し、しかる後、形状記憶熱処理を行うことを特徴とする。このように製造することで低コストで量産できる。またメッシュ状に編む前にコーティングするので被膜厚みが安定する。
【0011】
また本発明の請求項7のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2に軟質絶縁被膜材料7を蒸着重合で被覆し、しかる後、硬質粒子5または摺動促進粒子6をコーティングすることを特徴とする。蒸着重合で被覆することにより、母材であるワイヤー1と被覆した軟質絶縁被膜部3aとの密着性を向上できると共に均一な薄膜を形成して応力集中による破壊を予防することができて絶縁品質をアップできる。
【0012】
また本発明の請求項8のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んでメッシュ体2を形成し、液状化された軟質絶縁被膜材料7に硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散すると共に、上記メッシュ体2を延伸させた状態で上記軟質絶縁被膜材料7をコーティングし、しかる後メッシュ体2の延伸を解除してメッシュ体2を元形状に戻し、再度上記コーティングを施すことを特徴とする。ワイヤー1をメッシュ状に編んでメッシュ体2を形成した後に被覆するものでも、ワイヤー1のクロス部分における軟質絶縁被膜材料7の「かたまり」を防止してメッシュ体2全域を確実に絶縁被覆できる。
【0013】
また本発明の請求項9のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2に軟質絶縁被膜材料7を蒸着重合し、しかる後、硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散した被覆材料をコーティングすることを特徴とする。蒸着重合で被覆することにより、母材であるワイヤー1と被覆した軟質絶縁被膜部3aとの密着性を向上できると共に均一な薄膜を形成できて絶縁品質をアップでき、さらに硬質粒子5の剥がれを防止できる。
【0014】
また本発明の請求項10のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、請求項4または請求項5において、形状記憶合金のワイヤー1を液状化された軟質絶縁被膜材料7の硬化温度まで通電加熱することを特徴とする。ワイヤー1を加熱してコーティングするために焼付が瞬時に行われ、コーティング時間が短縮される。このとき母材としてワイヤー1のみが加熱されてエネルギー効率よく加熱される。
【0015】
また本発明の請求項11のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2に軟質絶縁被膜材料7の溶剤8のみを最初にコーティングした後、該溶剤8の固化前に、液状化された軟質絶縁被膜材料7に硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた分散液をコーティングして耐磨耗層4を形成することを特徴とする。溶剤8にて母材としてのワイヤー1と軟質絶縁被膜部3aとの密着性を向上できる。
【0016】
また本発明の請求項12のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、請求項4において、形状記憶合金のワイヤー1にディップでコーティングした後、エアーブローを施すことを特徴とする。ディップでコーティングした後にエアーブローすることで、ディップでコーティングするものでも均一にコートできる。またエアーブローによりメッシュ体2のワイヤー1のクロス部分における被覆材料の「かたまり」を防止できる。
【0017】
また本発明の請求項13のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、請求項4において、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んで筒状または袋状のメッシュ体2を形成し、この筒状または袋状のメッシュ体2の表面側からコーティングして耐磨耗層4を形成した後、筒状または袋状のメッシュ体2を裏返して再度コーティングして耐磨耗層4を形成することを特徴とすることを特徴とする。スプレーコートする時「ブラインド」となるメッシュ体2裏側に確実にコートできる。
【0018】
また本発明の請求項14のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、請求項4において、形状記憶合金のワイヤーをメッシュ状に編んだ筒状のメッシュ体2をメッシュ体2の外径より大きい内径を持つ筒状カバー9内に入れて筒状カバー9内でスプレーコーティングすることを特徴とする。スプレーコート時不要な飛散を抑制し、スプレーする材料を効率よく利用できる。
【0019】
また本発明の請求項15のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、請求項4乃至請求項6または請求項8または請求項10または請求項12乃至請求項14のいずれかにおいて、分散液は、液状化された軟質絶縁被膜材料7にカップリング剤またはプライマー溶液を混入したものであることを特徴とする。母材となるワイヤー1と軟質絶縁被膜部3aとの密着性を向上できる。
【0020】
また本発明の請求項16のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータは、請求項1または請求項3において、硬質粒子5の表面に界面活性処理を施したものであることを特徴とする。分散中の硬質粒子5同士の凝集を防止できる。
【0021】
また本発明の請求項17のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法は、請求項4乃至請求項16のいずれかにおいて、軟質絶縁被膜材料7の層や粒子径がナノオーダーの硬質粒子5の層を形成した後に200℃以上400℃以下の環境に放置することを特徴とする。分散した硬質粒子5が熱処理により表面側に析出し、表面の耐磨耗性能がアップする。同時に母材としてのワイヤー1側の硬質粒子5が少なくなるので、ワイヤー1と軟質絶縁被膜部との密着性が向上する。
【0022】
また本発明の請求項18のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータは、請求項1または請求項3において、硬質粒子5は表面に有機薄膜コートを施したものであることを特徴する。軟質絶縁被膜部3aと硬質粒子5の密着性が向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】
まず、図1、図2に示す実施の形態の例から述べる。このメッシュ状形状記憶合金アクチュエータは、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んで構成されたメッシュ体2と、このメッシュ体2の形状変化をさせるために加熱や冷却する手段とで構成されている。メッシュ体2の加熱はメッシュ体2に通電することでジュール熱を発生させることで行われ、メッシュ体2の冷却は通電を遮断して放熱させることで行われるようになっている。メッシュ体2を配設した回路12にはスイッチ13と電流量を調整して温度制御する温度制御部14を設けてある。またメッシュ体2にはメッシュ体2を伸ばすために錘のようなバイアス15を作用させてある。
【0024】
メッシュ体2は形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んで構成されているが、このワイヤー1の表面には絶縁のための絶縁層3を全面に亙って被覆してあり、絶縁層3の表面には耐磨耗層4を全面に亙って被覆してある。かかる絶縁層3や耐磨耗層4を全面に亙って被覆するのはワイヤー1を編む前でもワイヤー1をメッシュ状に編んだ後であってもよい。
【0025】
ワイヤー1の形状記憶合金としては種々のものがあるが、例えばニッケルとチタンの配合比が50%の合金(ニチノール)がある。これはオーステナイト層(高温時)、マルテンサイト層(低温時)を有し、また熱処理により高温・低温の中間層R層も形成される。また若干の銅やアルミニウムが配合されていてもよい。
【0026】
温度制御部14のスイッチ13がオフの場合、形状記憶合金のメッシュ体2は放熱により冷却されて剛性が低下する。その際、図2(a)のようにバイアス15の力により、形状記憶合金のメッシュ体2が伸びた状態になる。一方、図2(b)のようにスイッチ13をオンにして通電を開始すれば、ジュール熱により形状記憶合金のメッシュ体2が加熱され、メッシュ体2が縮む形状回復動作と共に力を発生する。その際の変位の発生力をメッシュ体2に接触した出力部から取り出すことで(伸縮)アクチュエータを構成する。
【0027】
アクチュエータの発生力は形状記憶合金のワイヤー1の断面積に比例する。0.3mm以下程度の細線のワイヤー1をメッシュ状に編み込むことで比表面積は増大し、放熱性が高められるため、応答性に優れたアクチュエータを形成できる。
【0028】
アクチュエートする際、ワイヤー1同士がクロスする部分でワイヤー1同士の摺動が起きる。このとき絶縁層3の表面が耐磨耗層4で被覆されたことで、アクチュエートしたときワイヤー1同士が摺接する部分の耐磨耗性を向上させて絶縁層3が破損するのを防止できるので持続性が向上し、また耐磨耗層4は絶縁性の材料を用いているので絶縁効果を一層高めることができ、従って絶縁性能の長寿化ができる。また摺動性を向上させることでメッシュ体2の可撓性や伸縮率や発生力を向上できてアクチュエータの性能を向上させることができる。また上記のよう構成されることで、直流通電による低電流で高速加熱・連続挙動が実現できる。
【0029】
次に図3に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項1に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであるので異なる点だけを主に述べる。形状記憶合金のワイヤー1の全表面に軟質絶縁被膜部3aを被覆して絶縁層3を形成してあり、該軟質絶縁被膜部3aの外表面に硬質粒子5を分散形成して耐磨耗層4を形成してある。このとき、形状記憶合金のワイヤー1が図3(a)のように縮んだり、図3(b)のように伸びたりするように歪が生じても絶縁層3が軟質絶縁被膜部3aで軟質であるために形状記憶合金のワイヤー1の塑性歪に絶縁層3が剥離や破壊することなく追従する。また硬質粒子5も分散しているので、硬質粒子5間距離が増すのみで、形状記憶合金のワイヤー1の塑性歪による割れ、破壊等が生じない。また硬質粒子5が最外面にあるので、図3(c)のように対象物16に対して摺接して外部摩擦磨耗に対して強靭である。つまり、表面の硬質粒子5により表面の耐摩擦磨耗性能がアップしてワイヤー1間の擦れ摩擦にも対応可能である。
【0030】
上記硬質粒子5の材料としては、窒化ホウ素(BN)、炭化ケイ素(SiC)等があり、粒径はナノオーダ(1000nm以下)が望ましい。軟質絶縁被膜部3aの材料としては、ポリアミドイミド、ポリイミド、パリレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ等の柔軟有機材料、シリコン、天然ゴム等の柔軟材料等がある。
【0031】
次に図4に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項2に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであるので異なる点だけを主に述べる。形状記憶合金のワイヤー1の全表面に軟質絶縁被膜部3aを被覆して絶縁層3を形成してあり、該軟質絶縁被膜部3aの外表面に摺動促進粒子6を分散形成して耐磨耗層4を形成してある。このとき、形状記憶合金のワイヤー1が図4(a)のように縮んだり、図4(b)のように伸びたりするように歪が生じても絶縁層3が軟質絶縁被膜部3aで軟質であるために形状記憶合金のワイヤー1の塑性歪に絶縁層3が剥離や破壊することなく追従する。また摺動促進粒子6も分散しているので、摺動促進粒子6間距離が増すのみで、形状記憶合金のワイヤー1の塑性歪による割れ、破壊等が生じない。また摺動促進粒子6が最外面にあるので、図4(c)(d)のように対象物16に対してスムーズに摺接する。このとき摺動促進粒子6は外部摩擦により破壊され、図4(d)のように粒径が小さくなる。また破壊された粒子は表面に残り、滑りを促進する。このようにして表面の摺動促進粒子6により表面の耐摩擦磨耗性能がアップしてワイヤー1間の擦れ摩擦にも対応可能である。
【0032】
本例の場合も、軟質絶縁被膜部3aの材料としては、ポリアミドイミド、ポリイミド、パリレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ等の柔軟有機材料、シリコン、天然ゴム等の柔軟材料等がある。また摺動促進粒子6の材料としては、PTFE(テフロン(R))PTFE、2硫化モリブデン、黒鉛等がある。
【0033】
次に図5に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項3に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであるので異なる点だけを主に述べる。形状記憶合金のワイヤー1の全表面に軟質絶縁被膜部3aを被覆して絶縁層3を形成してあり、該軟質絶縁被膜部3aの外表面に硬質粒子5及び摺動促進粒子6を分散形成して耐磨耗層4を形成してある。このとき、形状記憶合金のワイヤー1が図5(a)のように縮んだり、図5(b)のように伸びたりするように歪が生じても絶縁層3が軟質絶縁被膜部3aで軟質であるために形状記憶合金のワイヤー1の塑性歪に絶縁層3が剥離や破壊することなく追従する。また硬質粒子5や摺動促進粒子6も分散しているので、硬質粒子5間や摺動促進粒子6間の距離が増すのみで、形状記憶合金のワイヤー1の塑性歪による割れ、破壊等が生じない。また摺動促進粒子6が最外面にあるので、図5(c)(d)のように対象物16に対してスムーズに摺接する。このとき摺動促進粒子6は外部摩擦により破壊され、図5(d)のように粒径が小さくなる。また破壊された粒子は表面に残り、滑りを促進する。また硬質粒子5が破壊されないで残るので、耐磨耗強度も維持される。このようにして表面の硬質粒子5及び摺動促進粒子6により表面の耐摩擦磨耗性能がアップしてワイヤー1間の擦れ摩擦にも対応可能である。
【0034】
本例の場合も、軟質絶縁被膜部3aの材料としては、ポリアミドイミド、ポリイミド、パリレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ等の柔軟有機材料、シリコン、天然ゴム等の柔軟材料等がある。また摺動促進粒子6の材料としては、PTFE(テフロン(R))、2硫化モリブデン、黒鉛等がある。また硬質粒子5の材料としては、窒化ホウ素(BN)、炭化ケイ素(SiC)等がある。
【0035】
次に図6に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項4に対応する例である。これはメッシュ状形状記憶合金アクチュエータのメッシュ体の製造方法であって、液状化された軟質絶縁被膜材料7に硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散すると共に、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2にディップまたはスプレーコートで上記軟質絶縁被膜材料7を被覆することにより製造している。ワイヤー1をメッシュ状に編んだとき必要に応じて形状記憶熱処理をする。図に示す例では硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた軟質絶縁被膜材料7をスプレー装置17にてスプレーコートしているが、ディップでコートしてもよい。ディップコートする場合、メッシュ体2をディップ槽に通す。上記のように製造するとき、スプレーコートの場合は摺動部のみを厚くする等の部分的な膜厚制御が容易であり、ディップコートは量産時の材料損失が少ない。
【0036】
上記のように製造することにより、軟質絶縁被膜部3aよりなる絶縁層3と硬質粒子5や摺動促進粒子6を分散した耐磨耗層4をワイヤー1の表面に容易且つ低コストで形成できる。またワイヤー1を編んだメッシュ体2にコートする場合、メッシュ体2のワイヤー1のクロスする部分は乾燥硬化するまで離したりする工夫が施される。また液状化した軟質絶縁被膜材料7としては、ポリアミドイミド、ポリイミド等の液層状態のもの、またはポリアミドイミド、ポリイミド、パリレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ等を溶剤に溶解させた溶液がある。
【0037】
次に図7に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項5に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2に液状化された軟質絶縁被膜材料7のみを最初にコーティングし、しかる後、硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた分散液18をコーティングすることにより製造している。図に示す例では図7(a)に示すように軟質絶縁被膜材料7をスプレー装置19でスプレーコートし、次いで図7(b)に示すように硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた分散液18をスプレー装置20でスプレーコートしている。このように硬質粒子5や摺動促進粒子6とは別に軟質絶縁被膜材料7のみを被覆することで母材であるワイヤー1と軟質絶縁被膜部3aとの密着性が向上する。つまり、軟質絶縁被膜材料7のみを被覆する方が母材としてのワイヤー1との密着性が高くなる(硬質材料、摺動促進材料等が母材に接触すると剥離しやすいからである)。液状化した軟質絶縁被膜材料7としては、ポリアミドイミド、ポリイミド等の液層状態のもの、またはポリアミドイミド、ポリイミド、パリレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ等を溶剤に溶解させた溶液がある。
【0038】
次に図8に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項6に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。ポリイミド等の耐熱材料の軟質絶縁被膜材料7を液状化させると共に硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた材料を形状記憶合金のワイヤー1に予めコーティングし、次いで、このワイヤー1をメッシュ形状に編んで所定形状に形成し、しかる後、形状記憶熱処理を行うことにより製造している。図8(a)に示すように供給ロール21から連続的にワイヤー1を供給し、硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた軟質絶縁被膜材料7の液槽にワイヤー1を連続的に浸漬させてコートし、ワイヤー1同士が付着しない程度に予備乾燥した後、巻き取りロール22に巻き取る。そして図8(b)に示すようにメッシュ状に編み、図8(c)に示すように形状記憶熱処理をしている。このように形状記憶熱処理をするが、軟質絶縁被覆材料7が耐熱性ポリイミドであれば、形状記憶熱処理(400℃、1時間)の高熱に耐えることができる。上記のように製造することで低コストで量産できる。またメッシュ状に編んだ後にコーティングした場合には、ワイヤー1同士の重なった部分とそれ以外の部分で被膜の厚みが異なりやすいが、メッシュ状に編む前にコーティングするので被膜厚みが安定する。
【0039】
次に図9、図10に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項7に対応する例である。形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2に軟質絶縁被膜材料7を蒸着重合で被覆し、しかる後、硬質粒子5または摺動促進粒子6をコーティングすることにより製造している。図9(a)に示すようにワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2にパリレン等の軟質絶縁被膜材料7を蒸着重合で被覆し、次いで図9(b)に示すように窒化ホウ素(BN)のような硬質粒子5をスプレー装置23でスプレーしてコーティングする。このようにすると、図10(a)の状態になるが、この状態から再び軟質材料24をスプレーして図10(b)の状態にして硬質粒子5と軟質材料24との密着性を確保すると更に好ましい。上記のように軟質絶縁被覆材料7を蒸着重合で被覆することにより、母材であるワイヤー1と被覆した軟質絶縁被膜部3aとの密着性を向上できると共に均一な薄膜を形成できて絶縁品質をアップできる。
【0040】
次に図11、図12に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項8に対応する例である。本例も上記図6の例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。これは形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んでメッシュ体2を形成し、液状化された軟質絶縁被膜材料7に硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散すると共に、上記メッシュ体2を延伸させた状態で上記軟質絶縁被膜材料7をコーティングし、しかる後メッシュ体2の延伸を解除してメッシュ体2を元形状に戻し、再度上記コーティングを施すことで製造している。
【0041】
まず、硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散した軟質絶縁被覆材料7をスプレー装置17でスプレーコートするとき、ワイヤー1が塑性歪を起こす程度の張力を与えてメッシュ体2を延伸させた状態で図11(a)に示すように行う。このようにメッシュ体2にスプレーコートした状態で軟質絶縁被覆材料7が図12(a)のようにワイヤー1のクロス部に全面に付着してかたまった状態となる。図12(a)のように固化した後に延伸を解除してメッシュ体2を強制的に元の状態に戻すと、図12(b)に示すようにかたまりが分離する。この状態で、図11(b)に示すようにスプレー装置17からスプレーすると、図12(c)の状態になってワイヤー1のクロス部に凝集する。この状態からメッシュ体2を延伸させると、図12(d)の状態になってかたまりが分離する。上記動作を周期的に繰り返すと、ワイヤー1のクロス部分に溶液が凝集することなく、塗り残しのないコーティングが可能になる。従って、ワイヤー1をメッシュ状に編んでメッシュ体2を形成した後に被覆するものでも、ワイヤー1のクロス部分における軟質絶縁被膜材料7の「かたまり」を防止してメッシュ体2全域を確実に絶縁被覆できる。
【0042】
次に図13、図14に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項9に対応する例である。これは形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだ後にワイヤー1に軟質絶縁被膜材料7を蒸着重合し、しかる後、硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散した被覆材料25をコーティングして製造している。まず、図13(a)に示すようにワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2にパリレン等の軟質絶縁被膜材料7を蒸着重合で被覆し、次いで硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散した被覆材料25をスプレー装置36でスプレーして被覆する。上記のように軟質絶縁被膜材料7を被覆するとき、蒸着重合するためにディップやスプレーコートに比べ、細部にも均一にコートされるので、メッシュ形状でも均一膜が形成でき、品質が向上する。従って蒸着重合で被覆することにより、母材であるワイヤー1と被覆した軟質絶縁被膜部3aとの密着性を向上できると共に均一な薄膜を形成できて絶縁品質をアップできる。また軟質絶縁被膜材料7と被覆材料25は有機材料同士で密着性が高く、硬質粒子5または摺動促進粒子6の剥がれを防止できる。
【0043】
次に図15に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項10に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。これは、形状記憶合金のワイヤー1に軟質絶縁被膜材料7を被覆するとき液状化された軟質絶縁被膜材料7の硬化温度まで通電加熱することにより製造するものである。ワイヤー1を編んだメッシュ体2に通電にて加熱する加熱装置26を接続してあり、硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた軟質絶縁被膜材料7をスプレー装置17でスプレーして被覆するとき、加熱装置26から通電してメッシュ体2を軟質絶縁被膜材料7の硬化温度まで加熱されるようになっている。このようにワイヤー1を加熱してコーティングするために焼付が瞬時に行われ、コーティング時間が短縮される。このとき母材としてワイヤー1のみが加熱されてエネルギー効率よく加熱される。
【0044】
次に図16、図17に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項11に対応する例である。これは、形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだ後にワイヤー1に軟質絶縁被膜材料7の溶剤8のみを最初にコーティングし、液状化された軟質絶縁被膜材料7に硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散すると共に、該溶剤8の固化前に上記軟質絶縁被膜材料7をコーティングすることにより製造するものである。
【0045】
まず、図16(a)のようにスプレー装置28から溶剤8をスプレーすることで図17(a)の状態から図17(b)の状態になるように溶剤8を被覆する。次いで、図16(b)に示すように硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた軟質絶縁被膜材料7をスプレー装置17からスプレーして図17(c)に示すように被覆する。すると図17(d)に示すように軟質絶縁被膜材料7が溶剤8に溶解し、元々あった溶剤8層が軟質絶縁被膜材料7の層に置換される。これにより硬質粒子5または摺動促進粒子6が形状記憶合金のワイヤー1の表面に析出しないので密着性が高くなる。従って、溶剤8にて母材としてのワイヤー1と軟質絶縁被膜部3aとの密着性を向上できる。
【0046】
次に図18乃至図20に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項12に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。これは形状記憶合金のワイヤー1にディップでコーティングした後、エアーブローを施すことにより製造するものである。
【0047】
硬質粒子5や摺動促進粒子6を分散させた軟質絶縁被膜材料7の液はディップ槽28に装填してあり、先ず図18(a)に示すようにワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2をディップ槽28に浸漬させ、次いで図18(b)に示すようにディップ槽28から軟質絶縁被膜材料7を付着させたメッシュ体2を取り出し、次いで図18(c)に示すようにブロー装置29にてエアーを吹き付けてコートした層を均一化すると共に硬化する。このとき図19のようにディップ槽28から取り出した際、通電にて加熱する加熱装置26にてメッシュ体2を加熱し、ブロー装置29にてエアーブローしてよい。このように加熱装置26にて軟質絶縁被覆材料7の硬化温度まで加熱しておけば、エアーブロー時の硬化が早くなる。また図20に示すようにエアーブロー時にメッシュ体2に連続的に可変な負荷を上下端に加える等してメッシュ体を揺動させればエアーブロー時にコートした層がより均等に広がる。上記のようにディップでコーティングした後にエアーブローすることで、ディップでコーティングするものでも均一にコートできる。またエアーブローによりメッシュ体2のワイヤー1のクロス部分における被覆材料の「かたまり」を低減できる。
【0048】
次に図21、図22に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項13に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。これは形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んで筒状または袋状のメッシュ体2を形成し、この筒状または袋状のメッシュ体2の表面側からコーティングした後、筒状または袋状のメッシュ体2を裏返して裏側から再コーティングすることにより製造する。
【0049】
図21の例の場合、メッシュ体2が手袋のような複雑な形状の袋状に形成されており、硬質粒子5や摺動促進粒子6を分散した軟質絶縁被覆材料7をスプレーコートするものである。この場合、まず、図21(a)に示すように袋状のメッシュ体2に表面からスプレーコートし、次いでメッシュ体2を裏返ししてメッシュ体2の裏側から再スプレーコートする。図22に示すようにメッシュ体2が単純は筒体の場合には図22(a)のように表面からスプレーコートした後に裏返して裏側から再スプレーコートする代わりに、図22(b)に示すように表面である外周部からスプレーコートした後、裏面である内部から再スプレーコートしてもよい。上記のようにして製造すると、スプレーコートする時「ブラインド」となるメッシュ体2裏側に確実にコートできる。
【0050】
次に図23、図24に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項14に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。これは形状記憶合金のワイヤー1をメッシュ状に編んだメッシュ体2をメッシュ体2の外径より大きい内径を持つ筒状カバー9内に入れて筒状カバー9内でスプレーコーティングすることにより製造するものである。硬質粒子5や摺動促進粒子6を分散した軟質絶縁被膜材料7をスプレー装置17でスプレーコートする際、図23に示すようにメッシュ体2の外径より大きい内径を持つ筒状カバー9内にメッシュ体2を入れ、この筒状カバー9内でスプレーコートしている。このようにして製造すると、スプレーコート時不要な飛散を抑制し、スプレーする材料を効率よく利用できる。またこのとき、図24に示すように吸引ポンプ等の吸引装置35で筒状カバー9の一端を吸引すれば、不要飛散物の回収効率が一層高まる。
【0051】
次に図25に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項15に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。これは、液状化された軟質絶縁被膜材料7にはカップリング剤またはプライマー溶液を混入することにより製造するものである。図25(a)に示すように軟質絶縁被膜材料7をスプレー装置19でスプレーコートし、次いで図25(b)に示すように硬質粒子5または摺動促進粒子6を分散させた分散液18をスプレー装置20でスプレーコートしているが、スプレーコートする上記軟質絶縁被膜材料7には少なくともカップリング剤またはプライマー溶液を混入している。かかるカップリング剤またはプライマー溶液としては例えばシラン系カップリング剤があり、例えば(株)ジャパンエナジー製の「イミダゾールシラン」等がある。このように軟質絶縁被膜材料7にカップリング剤またはプライマー溶液を混入すると、イミダゾール基であれば樹脂の硬化促進機能を有し、合金への高い吸湿性を有するため母材となるワイヤー1と軟質絶縁被膜部3aとの密着性を向上できる。
【0052】
本例の場合、カップリング剤を混入しているが、混入しなくて前処理としてカップリング処理、プライマー処理を行ってもよいことは言うまでもない。さらに母材としてワイヤー1の表面に、脱脂剤、溶剤、アルカリ等でプレ洗浄を行うことで母材への密着性が更にアップする。
【0053】
次に図26に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項16に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。これは硬質粒子5の表面に予め界面活性処理することにより製造するものである。界面活性剤32を入れた処理槽33に図26(a)に示すように硬質粒子5を浸漬して界面活性処理をし、この界面活性処理をした硬質粒子5を分散させた軟質絶縁被膜材料7をスプレー装置17にてメッシュ体2にスプレーコートしている。硬質粒子5の粒子径はナノオーダーなので、液状化された軟質絶縁被膜材料7に多くの粒子を分散させようとすると、凝集が起きる。そこで、粒子表面に界面活性処理をしておけば、溶液中の粒子比率を上げても、粒子同士が電気的に反発するため凝集が起こらず、ナノオーダーの粒子径を維持したまま分散する。
【0054】
次に図27に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項17に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。これは、軟質絶縁被膜材料7の層や硬質粒子5の層を形成した後に200℃以上400℃以下の環境に放置することにより製造するものである。上記例のような方法で図27(a)のように軟質絶縁被膜材料7の層や硬質粒子5の層を形成した後に、200℃以上400℃以下好ましくは250℃〜300℃に熱処理して図27(b)に示すように分散させた硬質粒子5を表面側に析出させている。ナノオーダーの粒子分散体(ナノコンポジット体)においては、均一分散された物質の表面を300℃前後に加熱すると、ナノオーダーの粒子が表面に析出する。粒子径がナノオーダーでなければ析出しない。上記のように製造すると、分散した硬質粒子5が熱処理により表面側に析出し、表面の耐磨耗性能がアップする。同時に母材としてのワイヤー1側の硬質粒子5が少なくなるので、ワイヤー1と軟質絶縁被膜部3aとの密着性が向上する。
【0055】
次に図28に示す実施の形態の例について述べる。これは請求項18に対応する例である。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。これは硬質粒子5の表面に有機薄膜コートを施すことにより製造している。図28(a)に示すように硬質粒子5にスプレー装置34によるスプレーコート、蒸着コート等で有機薄膜をコートし、次いでこの有機薄膜コートを施した硬質粒子5を軟質絶縁被膜材料7に分散させてスプレー装置17でメッシュ体2にスプレーコートしている。軟質絶縁被膜材料7は有機系が大半なので、分散する硬質粒子5の表面も有機コートされている方が軟質絶縁被膜材料7との親和性が高くなり、密着性も向上する。
【0056】
【発明の効果】
本発明の請求項1の発明は、少なくともメッシュ状に形成した際摺接部となる部分の表面に軟質絶縁被膜部を被覆して形成された絶縁層と、該軟質絶縁被膜部の外表面に硬質粒子を分散形成した耐磨耗層を有するので、絶縁層が軟質絶縁被膜部で軟質であるために形状記憶合金のワイヤーの塑性歪に絶縁層が剥離や破壊することなく追従するものであり、さらに表面の硬質粒子が絶縁層の破壊を防ぐことで、表面の耐摩擦磨耗性能がアップしてワイヤー間の擦れ摩擦にも対応可能なものである。
【0057】
また本発明の請求項2の発明は、少なくともメッシュ状に形成した際摺接部となる部分の表面に軟質絶縁被膜部を被覆して形成された絶縁層と、該軟質絶縁被膜部の外表面に摺動促進粒子を分散形成した耐磨耗層を有するので、絶縁層が軟質絶縁被膜部で軟質であるために形状記憶合金のワイヤーの塑性歪に絶縁層が剥離や破壊することなく追従するものであり、さらに表面の摺動促進粒子により表面の耐摩擦磨耗性能がアップしてワイヤー間の擦れ摩擦にも対応可能なものである。
【0058】
また本発明の請求項3の発明は、少なくともメッシュ状に形成した際摺接部となる部分の表面に軟質絶縁被膜部を被覆して形成された絶縁層と、該軟質絶縁被膜部の外表面に硬質粒子及び摺動促進粒子を分散形成した耐磨耗層を有するので、絶縁層が軟質絶縁被膜部で軟質であるために形状記憶合金のワイヤーの塑性歪に絶縁層が剥離や破壊することなく追従するものであり、さらに表面の硬質粒子及び摺動促進粒子により表面の耐摩擦磨耗性能がアップしてワイヤー間の擦れ摩擦にも対応可能になるものである。
【0059】
また本発明の請求項4の発明は、形状記憶合金のワイヤーをメッシュ状に編んだメッシュ体に、液状化された軟質絶縁被膜材料に硬質粒子または摺動促進粒子を分散させた分散液をディップまたはスプレーコートのいずれかで被覆するので、軟質絶縁被膜部よりなる絶縁層と硬質粒子や摺動促進粒子を分散した耐磨耗層をワイヤーの表面に容易且つ低コストで形成できるものである。
【0060】
また本発明の請求項5の発明は、形状記憶合金のワイヤーをメッシュ状に編んだメッシュ体に液状化された軟質絶縁被膜材料のみを最初にコーティングし、しかる後、硬質粒子または摺動促進粒子を分散させた分散液をコーティングするので、硬質粒子や摺動促進粒子とは別に軟質絶縁被膜材料のみを被覆することで母材であるワイヤーと軟質絶縁被膜部との密着性が向上するものである。
【0061】
また本発明の請求項6の発明は、耐熱性材料からなる軟質絶縁被膜材料を液状化させると共に硬質粒子または摺動促進粒子を分散させた分散液を形状記憶合金のワイヤーにコーティングし、次いで、このワイヤーをメッシュ形状に編んで所定形状に形成し、しかる後、形状記憶熱処理を行うので、低コストで量産できるものであり、またメッシュ状に編む前にコーティングするので被膜厚みが安定するものである。
【0062】
また本発明の請求項7の発明は、形状記憶合金のワイヤーをメッシュ状に編んだメッシュ体に軟質絶縁被膜材料を蒸着重合で被覆し、しかる後、硬質粒子または摺動促進粒子をコーティングするので、蒸着重合で被覆することにより、母材であるワイヤーと被覆した軟質絶縁被膜部との密着性を向上できると共に均一な薄膜を形成して応力集中による破壊を予防することができて絶縁品質をアップできるものである。
【0063】
また本発明の請求項8の発明は、形状記憶合金のワイヤーをメッシュ状に編んでメッシュ体を形成し、液状化された軟質絶縁被膜材料に硬質粒子または摺動促進粒子を分散すると共に、上記メッシュ体を延伸させた状態で上記軟質絶縁被膜材料をコーティングし、しかる後メッシュ体の延伸を解除してメッシュ体を元形状に戻し、再度上記コーティングを施すので、ワイヤーをメッシュ状に編んでメッシュ体を形成した後に被覆するものでも、ワイヤーのクロス部分における軟質絶縁被膜材料の「かたまり」を防止してメッシュ体の全域を確実に絶縁被覆できるものである。
【0064】
また本発明の請求項9の発明は、形状記憶合金のワイヤーをメッシュ状に編んだメッシュ体に軟質絶縁被膜材料を蒸着重合し、しかる後、硬質粒子または摺動促進粒子を分散した被覆材料をコーティングするので、蒸着重合で被覆することにより、母材であるワイヤーと被覆した軟質絶縁被膜部との密着性を向上できると共に均一な薄膜を形成できて絶縁品質をアップできるものであり、さらに硬質粒子の剥がれを防止できるものである。
【0065】
また本発明の請求項10の発明は、請求項4または請求項5において、形状記憶合金のワイヤーを液状化された軟質絶縁被膜材料の硬化温度まで通電加熱するので、ワイヤーを加熱してコーティングするために焼付が瞬時に行われ、コーティング時間が短縮されるものであり、このとき母材としてワイヤーのみが加熱されてエネルギー効率よく加熱されるものである。
【0066】
また本発明の請求項11の発明は、形状記憶合金のワイヤーをメッシュ状に編んだメッシュ体に軟質絶縁被膜材料の溶剤のみを最初にコーティングした後、該溶剤の固化前に、液状化された軟質絶縁被膜材料に硬質粒子または摺動促進粒子を分散させた分散液をコーティングして耐磨耗層を形成するので、溶剤にて母材としてのワイヤーと軟質絶縁被膜部との密着性を向上できるものである。
【0067】
また本発明の請求項12の発明は、請求項4において、形状記憶合金のワイヤーにディップでコーティングした後、エアーブローを施すので、ディップでコーティングした後にエアーブローすることで、ディップでコーティングするものでも均一にコートできるものであり、またエアーブローによりメッシュ体のワイヤーのクロス部分における被覆材料の「かたまり」を防止できるものである。
【0068】
また本発明の請求項13の発明は、請求項4において、形状記憶合金のワイヤーをメッシュ状に編んで筒状または袋状のメッシュ体を形成し、この筒状または袋状のメッシュ体の表面側からコーティングして耐磨耗層を形成した後、筒状または袋状のメッシュ体を裏返して再度コーティングして耐磨耗層を形成するスプレーコートする時「ブラインド」となるメッシュ体裏側に確実にコートできるものである。
また本発明の請求項14の発明は、請求項4において、形状記憶合金のワイヤーをメッシュ状に編んだ筒状のメッシュ体をメッシュ体の外径より大きい内径を持つ筒状カバー内に入れて筒状カバー内でスプレーコーティングするので、スプレーコート時不要な飛散を抑制し、スプレーする材料を効率よく利用できるものである。
【0069】
また本発明の請求項15の発明は、請求項4乃至請求項6または請求項8または請求項10または請求項12乃至請求項14のいずれかにおいて、分散液は、液状化された軟質絶縁被膜材料にカップリング剤またはプライマー溶液を混入したものであるので、母材となるワイヤーと軟質絶縁被膜部との密着性を向上できるものである。
【0070】
また本発明の請求項16の発明は、請求項1または請求項3において、硬質粒子の表面に界面活性処理を施したものであるので、分散中の硬質粒子同士の凝集を防止できるものである。
【0071】
また本発明の請求項17の発明は、請求項4乃至請求項16のいずれかにおいて、軟質絶縁被膜材料の層や粒子径がナノオーダーの硬質粒子の層を形成した後に200℃以上400℃以下の環境に放置するので、分散した硬質粒子が熱処理により表面側に析出し、表面の耐磨耗性能がアップするものであり、同時に母材としてのワイヤー側の硬質粒子が少なくなるので、ワイヤーと軟質絶縁被膜部との密着性が向上するものである。
【0072】
また本発明の請求項18の発明は、請求項1または請求項3において、硬質粒子は表面に有機薄膜コートを施したものであるので、軟質絶縁被膜部と硬質粒子の密着性が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明のメッシュ状形状記憶合金アクチュエータの一例の説明図、(b)はワイヤーの断面図である。
【図2】 同上の動作を説明する説明図である。
【図3】 同上の他の例を説明する説明図である。
【図4】 同上の他の例を説明する説明図である。
【図5】 同上の他の例を説明する説明図である。
【図6】 同上のメッシュ体の製造方法の一例を説明する説明図。
【図7】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図8】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図9】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図10】 図9の方法の状態を説明する説明図である。
【図11】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図12】 図11の方法の状態を説明する説明図である。
【図13】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図14】 同上の方法により加工されたワイヤー部分の断面図である。
【図15】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図16】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図17】 図16の方法の状態を説明する説明図である。
【図18】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図19】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図20】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図21】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図22】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図23】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図24】 同上の製造方法の他例+を説明する説明図である。
【図25】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図26】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図27】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【図28】 同上の製造方法の他例を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 ワイヤー
2 メッシュ体
3 絶縁層
3a 軟質絶縁被膜部
4 耐磨耗層
5 硬質粒子
6 摺動促進粒子
7 軟質絶縁被膜材料[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a mesh-shaped shape memory alloy actuator for obtaining a driving force for driving various devices by a deformation force when a shape memory alloy is deformed into a memory shape, and a method for manufacturing the mesh body.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
Conventionally, as this type of actuator, there are JP-A-59-88916, JP-A-61-193670, etc., and these are formed by meshing a shape memory alloy wire into a mesh shape. The mesh body is heated or cooled by Joule heat by energization of the mesh body to expand and contract the mesh body to obtain a driving force. The wire of the mesh body is covered with a soft resin film for insulation.
[0003]
However, in the above actuator, every time the actuator is actuated, the mesh wire-When the actuator is actuated many times, there is a problem that the soft resin film peels off due to wear and loses insulation. In the case of a hard resin film, there is a problem that the film collapses without being able to follow the strain of the actuator.
[0004]
The present invention has been made in view of the above points, and is a mesh-shaped shape memory alloy that can improve the wear resistance and slidability of the surface of the insulating layer, enhance the insulating effect, and improve the actuator performance. It is an object of the present invention to provide an actuator and a method for manufacturing the mesh body.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The mesh-shaped shape memory alloy actuator according to
[0006]
Claims of the invention2The mesh shape memory alloy actuator ofIn a mesh-shaped shape memory alloy actuator that operates an object by a shape change by heating or cooling a
[0007]
Claims of the invention3The mesh shape memory alloy actuator ofIn a mesh-shaped shape memory alloy actuator that operates an object by a shape change by heating or cooling a
[0008]
Claims of the invention4The mesh-shaped shape memory alloy actuator mesh body manufacturing method includes a
[0009]
Claims of the invention5In the method of manufacturing a mesh body of the mesh-shaped shape memory alloy actuator, first, only the liquefied soft
[0010]
Claims of the invention6The mesh-shaped shape memory alloy actuator mesh body manufacturing method of the present invention is based on the shape memory alloy of a dispersion liquid in which the soft insulating
[0011]
Claims of the invention7The mesh-shaped shape memory alloy actuator mesh body is manufactured by coating the
[0012]
Claims of the invention8The mesh-shaped shape memory alloy actuator mesh body is manufactured by forming a
[0013]
Claims of the invention9The mesh-shaped shape memory alloy actuator has a mesh body manufacturing method in which a soft insulating
[0014]
Claims of the invention10The method of manufacturing the mesh body of the mesh-shaped shape memory alloy actuator of claim4Or claims5The shape
[0015]
Claims of the invention11In the method of manufacturing the mesh body of the mesh-shaped shape memory alloy actuator, the
[0016]
Claims of the invention12The method of manufacturing the mesh body of the mesh-shaped shape memory alloy actuator of claim4The shape
[0017]
Claims of the invention13The method of manufacturing the mesh body of the mesh-shaped shape memory alloy actuator of claim4The shape-
[0018]
Claims of the invention14The method of manufacturing the mesh body of the mesh-shaped shape memory alloy actuator of claim4The
[0019]
Claims of the invention15The method of manufacturing the mesh body of the mesh-shaped shape memory alloy actuator of claim4To claims6Or claims8Or claims10Or claims12To claims14In any of the above, the dispersion is characterized in that a liquefied soft insulating
[0020]
Claims of the invention16The mesh shape memory alloy actuator of claim1Or claims3The surface of the
[0021]
Claims of the invention17The method of manufacturing the mesh body of the mesh-shaped shape memory alloy actuator of claim4To claims16In any one of the above, after forming the layer of the soft insulating
[0022]
Claims of the invention18The mesh shape memory alloy actuator of claim1Or claims3The
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, an example of the embodiment shown in FIGS. 1 and 2 will be described..This mesh shape memory alloy actuator is composed of a
[0024]
The
[0025]
There are various types of shape memory alloys for the
[0026]
When the
[0027]
The force generated by the actuator is proportional to the cross-sectional area of the
[0028]
When actuating, sliding of the
[0029]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 3 will be described. This is the claim1It is an example corresponding to. Since this example is basically the same as the above example, only the differences will be mainly described. An insulating
[0030]
Examples of the material of the
[0031]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 4 will be described. This is the claim2It is an example corresponding to. Since this example is basically the same as the above example, only the differences will be mainly described. The entire surface of the shape
[0032]
Also in this example, the material of the soft insulating
[0033]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 5 will be described. This is the claim3It is an example corresponding to. Since this example is basically the same as the above example, only the differences will be mainly described. An insulating
[0034]
Also in this example, the material of the soft insulating
[0035]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 6 will be described. This is the claim4It is an example corresponding to. This is a method for manufacturing a mesh body of a mesh-shaped shape memory alloy actuator, in which
[0036]
By manufacturing as described above, the insulating
[0037]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 7 will be described. This is the claim5It is an example corresponding to. This example is basically the same as the above example, and only the differences will be mainly described. A dispersion liquid in which only a liquefied soft insulating
[0038]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 8 will be described. This is the claim6It is an example corresponding to. This example is basically the same as the above example, and only the differences will be mainly described. A shape
[0039]
Next, an example of the embodiment shown in FIGS. 9 and 10 will be described. This is the claim7It is an example corresponding to. It is manufactured by coating a
[0040]
Next, an example of the embodiment shown in FIGS. 11 and 12 will be described. This is the claim8It is an example corresponding to. This example is basically the same as the example of FIG. 6 described above, and only the differences will be mainly described. This is made by forming a
[0041]
First, when the soft insulating
[0042]
Next, an example of the embodiment shown in FIGS. 13 and 14 will be described. This is the claim9It is an example corresponding to. This is because the shape
[0043]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 15 will be described. This is the claim10It is an example corresponding to. This example is basically the same as the above example, and only the differences will be mainly described. This is manufactured by energizing and heating to the curing temperature of the liquefied soft insulating
[0044]
Next, an example of the embodiment shown in FIGS. 16 and 17 will be described. This is the claim11It is an example corresponding to. This is because, after the shape
[0045]
First, as shown in FIG. 16A, the solvent 8 is sprayed from the
[0046]
Next, an example of the embodiment shown in FIGS. 18 to 20 will be described. This is the claim12It is an example corresponding to. This example is basically the same as the above example, and only the differences will be mainly described. This is manufactured by coating the shape
[0047]
The liquid of the soft insulating
[0048]
Next, an example of the embodiment shown in FIGS. 21 and 22 will be described. This is the claim13It is an example corresponding to. This example is basically the same as the above example, and only the differences will be mainly described. This is formed by knitting a shape
[0049]
In the case of the example of FIG. 21, the
[0050]
Next, an example of the embodiment shown in FIGS. 23 and 24 will be described. This is the claim14It is an example corresponding to. This example is basically the same as the above example, and only the differences will be mainly described. This is manufactured by placing a
[0051]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 25 will be described. This is the claim15It is an example corresponding to. This example is basically the same as the above example, and only the differences will be mainly described. This is manufactured by mixing a liquefied soft insulating
[0052]
In this example, a coupling agent is mixed, but it goes without saying that a coupling treatment and a primer treatment may be performed as a pretreatment without mixing. Furthermore, the adhesiveness to a base material further improves by performing pre-cleaning on the surface of the
[0053]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 26 will be described. This is the claim16It is an example corresponding to. This example is basically the same as the above example, and only the differences will be mainly described. This is manufactured by subjecting the surfaces of the
[0054]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 27 will be described. This is the claim17It is an example corresponding to. This example is basically the same as the above example, and only the differences will be mainly described. This is manufactured by leaving the layer of the soft insulating
[0055]
Next, an example of the embodiment shown in FIG. 28 will be described. This is the claim18It is an example corresponding to. This example is basically the same as the above example, and only the differences will be mainly described. This is manufactured by applying an organic thin film coating on the surface of the
[0056]
【The invention's effect】
The invention of
[0057]
Claims of the invention2The invention of,An insulating layer formed by coating a soft insulating coating on the surface of a portion that becomes a sliding contact portion when formed into a mesh shape, and abrasion-resistant particles in which sliding promoting particles are dispersedly formed on the outer surface of the soft insulating coating Since it has a wear layer, the insulating layer is soft at the soft insulating coating part, and therefore follows the plastic strain of the wire of the shape memory alloy without the insulating layer being peeled off or broken. As a result, the frictional wear resistance of the surface is improved and it is possible to cope with rubbing friction between wires.
[0058]
Claims of the invention3The invention of,An insulating layer formed by coating a soft insulating coating on the surface of a portion that becomes a sliding contact portion when formed into a mesh shape, and hard particles and sliding promoting particles are dispersedly formed on the outer surface of the soft insulating coating Since the insulating layer is soft at the soft insulating coating portion, the insulating layer follows the plastic strain of the shape memory alloy wire without peeling or breaking, and the surface is hard. The particles and the sliding accelerating particles improve the frictional wear resistance of the surface and can cope with rubbing friction between wires.
[0059]
Claims of the invention4According to the present invention, either a dip or a spray coat is applied to a dispersion in which hard particles or sliding accelerating particles are dispersed in a liquefied soft insulating coating material in a mesh body made of a shape memory alloy wire. Since it coats, an insulating layer composed of a soft insulating coating and an abrasion-resistant layer in which hard particles and sliding accelerating particles are dispersed can be formed on the surface of the wire easily and at low cost.
[0060]
Claims of the invention5In this invention, a mesh body in which shape memory alloy wires are knitted in a mesh shape is first coated only with a liquefied soft insulating coating material, and then a dispersion in which hard particles or sliding accelerating particles are dispersed is applied. Since the coating is performed, the adhesion between the wire, which is the base material, and the soft insulating coating portion is improved by coating only the soft insulating coating material separately from the hard particles and the sliding accelerating particles.
[0061]
Claims of the invention6In this invention, a soft insulating coating material made of a heat-resistant material is liquefied and a dispersion in which hard particles or sliding accelerating particles are dispersed is coated on a shape memory alloy wire, and then the wire is knitted into a mesh shape. Since it is formed into a predetermined shape and then subjected to shape memory heat treatment, it can be mass-produced at low cost, and the coating thickness is stabilized because it is coated before knitting into a mesh shape.
[0062]
Claims of the invention7In this invention, a soft insulating coating material is coated by vapor deposition polymerization on a mesh body made of a shape memory alloy wire in a mesh shape, and thereafter, hard particles or sliding accelerating particles are coated. As a result, the adhesion between the wire as the base material and the coated soft insulating coating can be improved, and a uniform thin film can be formed to prevent breakage due to stress concentration, thereby improving the insulation quality.
[0063]
Claims of the invention8According to the present invention, a shape memory alloy wire is knitted into a mesh shape to form a mesh body, in which hard particles or sliding accelerating particles are dispersed in a liquefied soft insulating coating material and the mesh body is stretched After coating the soft insulating film material, the mesh body is unstretched, the mesh body is restored to its original shape, and the coating is applied again. Therefore, the wire is knitted into a mesh shape to form the mesh body, and then the coating is performed. Even a thing can prevent insulation of the whole area | region of a mesh body reliably by preventing the "clump" of the soft insulation coating material in the cross part of a wire.
[0064]
Claims of the invention9In this invention, a soft insulating coating material is vapor-deposited on a mesh body made of shape memory alloy wire in a mesh shape, and then a coating material in which hard particles or sliding accelerating particles are dispersed is coated. By coating, the adhesion between the wire that is the base material and the coated soft insulating film part can be improved, and a uniform thin film can be formed to improve the insulation quality, and further, the peeling of hard particles can be prevented It is.
[0065]
Claims of the invention10The invention of claim4Or claims5In this case, the shape memory alloy wire is energized and heated to the curing temperature of the liquefied soft insulating coating material, so that the wire is heated and coated, and baking is performed instantaneously, thereby reducing the coating time. At this time, only the wire is heated as a base material and is heated efficiently.
[0066]
Claims of the invention11According to the present invention, a mesh body obtained by knitting a shape memory alloy wire in a mesh shape is coated with only the solvent of the soft insulating coating material first, and then, before the solvent is solidified, the liquefied soft insulating coating material is hard particles. Alternatively, since the wear-resistant layer is formed by coating the dispersion liquid in which the sliding accelerating particles are dispersed, the adhesion between the wire as the base material and the soft insulating coating can be improved with a solvent.
[0067]
Claims of the invention12The invention of claim4In this case, air blow is applied after the shape memory alloy wire is coated with a dip. It is possible to prevent the “clump” of the covering material in the cross portion of the body wire.
[0068]
Claims of the invention13The invention of claim4Then, a wire of shape memory alloy is knitted into a mesh shape to form a cylindrical or bag-shaped mesh body, and after coating from the surface side of this cylindrical or bag-shaped mesh body, a wear-resistant layer is formed, It is possible to reliably coat the back side of the mesh body that becomes a “blind” when spray coating is performed by turning the cylindrical or bag-like mesh body over and coating again to form a wear-resistant layer.
Claims of the invention14The invention of claim4In this case, a cylindrical mesh body made of knitted shape memory alloy wire is placed in a cylindrical cover with an inner diameter larger than the outer diameter of the mesh body and spray coated in the cylindrical cover, so it is not necessary for spray coating. The material to be sprayed can be used efficiently.
[0069]
Claims of the invention15The invention of claim4To claims6Or claims8Or claims10Or claims12To claims14In any of the above, the dispersion is a mixture of a liquefied soft insulating coating material mixed with a coupling agent or a primer solution, so that the adhesion between the base wire and the soft insulating coating can be improved. It is.
[0070]
Claims of the invention16The invention of claim1Or claims3In the above, since the surface of the hard particles is subjected to a surface active treatment, aggregation of the hard particles being dispersed can be prevented.
[0071]
Claims of the invention17The invention of claim4To claims16In any of the above, after forming a layer of a soft insulating coating material or a layer of hard particles having a particle size of nano-order, it is left in an environment of 200 ° C. or more and 400 ° C. or less, so that dispersed hard particles are precipitated on the surface side by heat treatment. In addition, the wear resistance performance of the surface is improved, and at the same time, the hard particles on the wire side as a base material are reduced, so that the adhesion between the wire and the soft insulating coating is improved.
[0072]
Claims of the invention18The invention of claim1Or claims3, The hard particles have an organic thin film coating on the surface, so that the adhesion between the soft insulating coating and the hard particles is improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is an explanatory view of an example of a mesh shape memory alloy actuator of the present invention, and FIG. 1B is a cross-sectional view of a wire.
FIG. 2 is an explanatory diagram for explaining the operation described above.
FIG. 3 is an explanatory diagram for explaining another example of the above.
FIG. 4 is an explanatory diagram for explaining another example of the above.
FIG. 5 is an explanatory diagram for explaining another example of the above.
FIG. 6 is an explanatory diagram for explaining an example of a method for manufacturing the mesh body according to the embodiment.
FIG. 7 is an explanatory diagram for explaining another example of the manufacturing method.
FIG. 8 is an explanatory diagram for explaining another example of the manufacturing method of the above.
FIG. 9 is an explanatory diagram for explaining another example of the manufacturing method.
FIG. 10 is an explanatory diagram for explaining the state of the method of FIG. 9;
FIG. 11 is an explanatory diagram for explaining another example of the manufacturing method.
FIG. 12 is an explanatory diagram for explaining the state of the method of FIG. 11;
FIG. 13 is an explanatory diagram for explaining another example of the manufacturing method of the above.
FIG. 14 is a cross-sectional view of a wire portion processed by the method described above.
FIG. 15 is an explanatory diagram explaining another example of the manufacturing method of the same.
FIG. 16 is an explanatory diagram for explaining another example of the manufacturing method of the above.
FIG. 17 is an explanatory diagram for explaining the state of the method of FIG. 16;
FIG. 18 is an explanatory diagram for explaining another example of the manufacturing method of the above.
FIG. 19 is an explanatory diagram illustrating another example of the manufacturing method of the above.
FIG. 20 is an explanatory diagram explaining another example of the manufacturing method of the same.
FIG. 21 is an explanatory diagram explaining another example of the manufacturing method of the same.
FIG. 22 is an explanatory diagram explaining another example of the manufacturing method.
FIG. 23 is an explanatory diagram explaining another example of the manufacturing method of the same.
FIG. 24 is an explanatory view explaining another example + of the manufacturing method same as above.
FIG. 25 is an explanatory diagram explaining another example of the manufacturing method of the same.
FIG. 26 is an explanatory diagram illustrating another example of the manufacturing method of the same.
FIG. 27 is an explanatory diagram explaining another example of the manufacturing method of the same.
FIG. 28 is an explanatory diagram explaining another example of the production method.
[Explanation of symbols]
1 wire
2 mesh body
3 Insulation layer
3a Soft insulation coating
4 Wear-resistant layer
5 Hard particles
6 Sliding acceleration particles
7 Soft insulating coating material
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