JP4203263B2 - ポンプ、ポンプ装置、分注ヘッド、分注ヘッドアレイおよび分注装置 - Google Patents

ポンプ、ポンプ装置、分注ヘッド、分注ヘッドアレイおよび分注装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプ、ポンプ装置、分注ヘッド、分注ヘッドアレイおよび分注装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば検体、試薬等の少量の液体の仕分け、希釈、混合、滴下作業などを行う分注装置が知られている。この分注装置は、例えば臨床検査の分野や基礎研究の分野などにおいて使用されている。
【0003】
従来の分注装置における分注ヘッドは、筒状体とこの筒状体内で摺動するピストンとを有するシリンジと、ピストンを移動させるピストン移動機構と、シリンジ内に連通するノズルとを備えている。そして、ピストン移動機構によってピストンを移動させ、シリンジ内の圧力を変化させることにより、ノズルの先端開口から液体を吸入・吐出する。
【0004】
しかしながら、従来の分注ヘッドでは、例えば送りねじなどを用いた機械的なピストン移動機構を必要とするため、構造が複雑であり、製造コストが高いという問題があった。
【0005】
また、ピストン移動機構の機械的ガタ、バックラッシュなどにより、ピストンの位置制御の精度向上が困難であるため、分注量の精度を向上するのが困難であった。特に、微量の液体を高い精度で分注することができなかった。
【0006】
また、ピストン移動機構は、機械的な動作を行うものであるため、比較的故障を起こし易く、耐久性にも劣っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な構造で、高い精度で流体の吸入・吐出を行うことができるポンプ、ポンプ装置、分注ヘッド、分注ヘッドアレイおよび分注装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(16)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 流体が流出/入する流出/入口が形成されたハウジングと、
前記ハウジング内に設置され、電圧または磁場を印加することにより体積が変化する物質で構成された複数個の体積可変部材と、
通電により、前記体積可変部材に電圧または磁場を印加する通電部とを有し、
前記通電部に対する通電または通電の解除をして、前記体積可変部材の体積を変化させることにより、前記流出/入口から流体を吸入/吐出するポンプであって、
前記各体積可変部材に対しそれぞれ個別に前記通電部が設けられており、前記各体積可変部材に対しそれぞれ独立して電圧または磁場を印加可能であることを特徴とするポンプ。
【0010】
(2) 前記流体は、作動流体である上記(1)に記載のポンプ。
【0011】
(3) 前記体積可変部材は、圧電材料または磁歪材料で構成されている上記(1)または(2)に記載のポンプ。
【0013】
(4) 複数個の前記体積可変部材は、それぞれ板状をなし、その厚さ方向に隙間を空けて重ねて配置されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のポンプ。
【0015】
(5) 前記ハウジングは、ほぼ円筒状をなしている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のポンプ。
【0016】
(6) 前記ハウジングは、扁平な形状をなしている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のポンプ。
【0017】
(7) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のポンプと、前記ポンプの作動を制御するポンプ制御手段とを有することを特徴とするポンプ装置。
【0018】
(8) 前記通電部への通電電圧を調整することにより、流体の吸入/吐出量を調整可能である上記(7)に記載のポンプ装置。
【0019】
(9) 通電または通電の解除をする前記通電部の個数を調整することにより、流体の吸入/吐出量を調整可能である上記(7)または(8)に記載のポンプ装置。
【0020】
(10) 複数個の前記通電部に通電または通電の解除をする際、各通電部に対し時間差をおいて通電または通電の解除を行う上記(7)ないし(9)のいずれかに記載のポンプ装置。
【0021】
(11) 前記時間差を調整することにより、流体の吸入/吐出速度を調整可能である上記(10)に記載のポンプ装置。
【0022】
(12) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のポンプと、前記ポンプの前記流出/入口に連通するようにノズルを装着可能なノズル装着部とを有し、
前記ポンプの作動により、前記ノズルの先端開口から液体を吸入/吐出して、液体を分注することを特徴とする分注ヘッド。
【0023】
(13) 上記(12)に記載の分注ヘッドを複数並設してなることを特徴とする分注ヘッドアレイ。
【0024】
(14) 前記各分注ヘッドは、扁平な形状をなしており、複数個の前記分注ヘッドをその厚さ方向に並設してなる上記(13)に記載の分注ヘッドアレイ。
【0025】
(15) 上記(7)ないし(11)のいずれかに記載のポンプ装置を吸引手段として少なくとも1つ備えることを特徴とする分注装置。
【0026】
(16) 上記(12)に記載の分注ヘッドを少なくとも1つ備えることを特徴とする分注装置。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポンプ、ポンプ装置、分注ヘッド、分注ヘッドアレイおよび分注装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の分注装置の実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す分注装置における分注ヘッドおよびノズルを示す縦断面図、図3は、図2に示す分注ヘッドにおける体積可変部材を示す斜視図、図4は、図1に示す分注装置のブロック図である。
【0029】
図1に示すように、分注装置1は、装置本体2と、分注ヘッド3と、分注ヘッド移動手段4とを有している。また、分注装置1は、本発明のポンプ装置6を吸引手段として備えている。この分注装置1は、ポンプ装置6が有するポンプ5が発生する吸引力により、分注ヘッド3に装着されたノズル300の先端開口302から薬液、検体等の液体500を吸入・吐出して、液体500の仕分け、希釈、混合、滴下作業などを行うものである。
【0030】
装置本体2は、ステージ21を有している。ステージ21上には、試薬容器収納部22と、反応容器収納部23と、ノズル収納部24とがそれぞれ設けられている。試薬容器収納部22には、薬液を貯留する試薬容器100を複数個収納(装填)することができ、反応容器収納部23には、反応液を貯留する反応容器200を複数個収納(装填)することができ、ノズル収納部24には、交換用のノズル300を複数個収納(装填)することができる。
【0031】
図2に示すように、分注ヘッド3は、本発明のポンプ5と、ノズル300を装着可能なノズル装着部31とを有している。以下、この分注ヘッド3の構成について説明する。
【0032】
ポンプ5は、ハウジング51と、ハウジング51内に設置された複数の体積可変部材52と、通電により体積可変部材52に電圧を印加する通電部53とを有している。
【0033】
ハウジング51は、ほぼ円筒状をなす筐体である。このハウジング51は、例えば各種金属材料、セラミック、硬質樹脂材料などの硬質な材料で構成され、実質的に伸縮しない剛体になっている。
【0034】
ハウジング51の底部には、作動流体としての空気(気体)が流出入する流出入口511が形成されている。ハウジング51の流出入口511以外の部分は、流体を通さないようにシールされ、気密性(液密性)が確保されている。
【0035】
ハウジング51の内部空間には、複数個(図示の構成では、14個)の体積可変部材52が設置されている。これらの体積可変部材52は、互いに同様の構成であり、それぞれ円板状をなしている。
【0036】
体積可変部材52は、電圧(電場)を印加することにより体積が変化する物質で構成されている。このような物質としては、特に限定されないが、例えば、水晶(SiO)、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電材料が挙げられる。
【0037】
図3に示すように、各体積可変部材52に対しては、それぞれ個別に通電部53が設けられている。通電部53は、薄板状の電極531および532と、電極531および532にそれぞれ接続されたリード線(信号線)533、533とで構成されている。電極531は、体積可変部材52の一方の面に接触して設けられており、電極532は、体積可変部材52の他方の面に接触して設けられている。リード線533、533は、それぞれ、外部に設けられたポンプ駆動回路12に対し電気的に接続されている。なお、図2中では、電極531、532およびリード線533の図示を省略する。
【0038】
図2に示すように、体積可変部材52と電極531、532とからなる複数の円板状部材は、流体が侵入し得る隙間を空けてその厚さ方向にほぼ等間隔で重ねて配置されている。このような配置により、複数個の体積可変部材52をハウジング51内のスペースに効率よく配置することができ、ポンプ5の小型化に寄与する。
【0039】
なお、体積可変部材52と電極531、532とからなる円板状部材のハウジング51内での支持構造は、いかなるものでもよく、例えば図示しないスペーサを用いた支持構造とすることができる。また、この支持構造は、各体積可変部材52が後述するような変形を自由にすることができるような構造になっている。
【0040】
図4に示すように、ポンプ駆動回路12は、制御部(CPU)11に接続されており、制御部11からの制御信号に基づいて、通電部53に対し通電するものである。制御部11は、記憶部18に格納されたポンプ5を制御するためのアプリケーションプログラムや、入力部19から入力された入力データに基づいて、ポンプ5の作動を後述のように制御する。なお、制御部11と、ポンプ駆動回路12と、記憶部18と、入力部19とで、ポンプ5の作動を制御するポンプ制御手段13が構成される。
【0041】
通電部53に通電されると、電極531と電極532との間に生じる電圧(電場)が体積可変部材52に印加される。体積可変部材52は、電圧が印加されると、圧電効果により、その厚さ方向に伸張し、直径方向に収縮する。そして、電圧の印加を解除すると、体積可変部材52は、元の形状に戻る。
【0042】
このような変形の前後における体積可変部材52の体積を比較すると、電圧を印加した状態での体積可変部材52の体積は、電圧を印加していない状態での体積より、僅かに大きい。すなわち、体積可変部材52は、電圧を印加すると体積が増大し、電圧の印加を解除すると、体積が減少する。
【0043】
体積可変部材52の体積が増大すると、ハウジング51内の残された空間(体積可変部材52等に占有されていない空間)の容積が減少するため、ハウジング51内の空気が流出入口511より流出する。逆に、体積可変部材52の体積が減少すると、ハウジング51内の残された空間の容積が増大するため、空気が流出入口511よりハウジング51内に流入する。このようにして、ポンプ5は、流出入口511より空気を吸入・吐出する。
【0044】
なお、本発明のポンプ装置6は、このようなポンプ5と、ポンプ制御手段13とで構成される(図4参照)。
【0045】
図2に示すように、ポンプ5の下側には、ノズル装着部31が形成されている。ノズル装着部31の内部には、流出入口511に連通する流路311が形成されている。ノズル装着部31にノズル300を装着すると、ノズル300の内腔は、流路311を介して流出入口511(ハウジング51の内部)に連通する。
【0046】
ノズル装着部31の下端側の部分は、下方向に向かって外径が漸減するテーパ状になっている。このテーパ状の部分がノズル300の基端開口301内に隙間なく挿入し嵌合することにより、ノズル300がノズル装着部31に対し着脱自在に気密的に固定される。ノズル300は、好ましくは、例えば各種樹脂材料等で構成されており、ディスポーザブル(使い捨て)となっている。
【0047】
異なる液体を分注する際には、ノズル300を交換することによりコンタミネーションを防止することができる。ノズル300の交換は、分注ヘッド3をノズル収納部24に移動させ、図示しないノズル交換機構により自動的に行うことができるようになっているのが好ましい。
【0048】
なお、本発明では、図示のような構成に限らず、ノズル装着部31に対しノズル300が例えば螺合により着脱自在に装着されるものであってもよく、ノズル300が分注ヘッド3に対し着脱できないようなものであってもよい。
【0049】
図1に示すように、分注ヘッド移動手段4は、以上説明したような分注ヘッド3を鉛直方向(Z軸方向)に移動可能に支持する昇降機構41と、昇降機構41を水平方向(Y軸方向)に移動するY軸方向移動機構42と、Y軸方向移動機構42をY軸に垂直な水平方向(X軸方向)に移動するX軸方向移動機構43とを有している。このような構成により、分注ヘッド移動手段4は、分注ヘッド3をステージ21上で3次元方向に移動させることができるようになっている。
【0050】
分注ヘッド移動手段4の作動は、記憶部18に格納された分注ヘッド移動手段4を制御するためのアプリケーションプログラムや、入力部19から入力された入力データに基づいて、制御部11により制御される。
【0051】
なお、昇降機構41、Y軸方向移動機構42およびX軸方向移動機構43は、いかなる構造の機構でもよく、例えば、送りねじ、ラック&ピニオンギア、サーボモータ、流体圧シリンダなどを利用した任意の機構とすることができる。
【0052】
このような分注装置1は、分注ヘッド移動手段4の作動により分注ヘッド3を各試薬容器100と、各反応容器200との間で移動しながら、液体500の仕分け、希釈、混合および滴下などの分注作業を行う。
【0053】
以下、分注装置1の作動を、試薬容器100中の液体500を反応容器200に仕分けする場合を例に説明する。
【0054】
[1] まず、ノズル300の先端開口302が空中にある状態で、すべての通電部53に所定の電圧で通電する。これにより、すべての体積可変部材52は、体積が増大した状態になる。
【0055】
[2] 次いで、分注ヘッド移動手段4を作動し、ノズル300の先端開口302が試薬容器100中の液体500の液面より下に位置するように分注ヘッド3を移動する。
【0056】
[3] この状態で、通電部53に対する通電を解除すると、体積可変部材52の体積が減少することにより、ノズル300内の空気が流出入口511からハウジング51内に吸入され、ノズル300内の圧力が低下する。この圧力低下により、液体500が先端開口302よりノズル300内に吸入される(図2参照)。
【0057】
このとき、通電を解除する通電部53の個数を調整することにより、ノズル300内に吸入する液体500の量を調整することができる。すなわち、通電を解除する通電部53の個数が1個の場合には、1個の体積可変部材52の体積減少量に対応した量の液体500がノズル300内に吸入される。そして、通電を解除する通電部53の個数を2個、3個、・・・、14個とすることにより、液体500の吸入量は、1個の通電部53の通電を解除したときに対し概ねその2、3、・・・、14倍となる。このようにして、液体500の吸入量を14段階に調整することができる。
【0058】
また、このとき、体積可変部材52が印加電圧をゼロにしても体積が完全には元の大きさ(基準の大きさ)に戻らないような性質のものである場合、すなわち、体積可変部材52の体積変化にヒステリシスがあるようなものである場合には、通電部53に対する通電を解除した後、体積可変部材52の体積が基準の大きさに戻るように、通電部53に逆方向の電圧を印加するような制御を行うこととしてもよい。また、前記[1]の前に、通電部53にある一定の基準電圧を印加しておき、[1]でこれより高い電圧を通電部53に印加し、[3]で通電部53への印加電圧を前記基準電圧に戻す、というような制御をしてもよく、この制御によりヒステリシスの影響を小さくすることができる。これらのような制御を行うことにより、より精度の高い分注を行うことができる。本明細書中では、上記のように、通電部53に対する通電を解除した後に逆方向の電圧を印加する場合や、通電部53への印加電圧をある一定の基準電圧に戻す場合も含めて、単に「通電の解除」と言う。
【0059】
このような液体500の吸入動作において、複数個の通電部53に対する通電を解除する場合、それらの通電部53に対する通電を同時に解除すると、液体500を高速に吸入することができる。
【0060】
また、複数個の通電部53に対する通電を解除する場合、各通電部53に対し時間差をおいて通電を解除してもよい。この場合、その時間差を調整することにより、液体500の吸入速度を調整することができる。すなわち、その時間差を長くすると、吸入速度を遅くすることができ、その時間差を短くすると、吸入速度を速くすることができる。
【0061】
[4] ノズル300内に液体500を吸入したら、分注ヘッド移動手段4を作動し、分注ヘッド3を反応容器200の位置に移動する。
【0062】
[5] 次いで、通電を解除した通電部53に対し、再度、所定の電圧で通電する。これにより、通電された体積可変部材52の体積が増大し、ハウジング51内の空気が流出入口511から流出してノズル300内の圧力が増大する。この圧力増大により、ノズル300内の液体500が先端開口302より吐出(排出)される。この吐出された液体500を反応容器200に滴下(落下)させることにより、反応容器200中に付与する。また、吐出された液体500が先端開口302付近に付着した状態になる場合には、分注ヘッド移動手段4を作動してノズル300の先端部を反応容器200の内壁またはその中の液体に接触させることより、吐出した液体500を反応容器200中に付与することとしてもよい。
【0063】
このような液体500の吐出動作の際には、前記の吸入動作のときと同様に、通電する通電部53の個数を調整することにより、吐出する液体500の量を調整することができる。
【0064】
また、このような液体500の吐出動作において複数個の通電部53に通電する場合、それらの通電部53に対し同時に通電すると、液体500を高速に吐出することができる。また、吐出量や、先端開口302の開口径等の条件によっては、液体500をノズル300から噴射するようにして吐出することもできる。
【0065】
また、液体500の吐出動作において複数個の通電部53に通電する場合、各通電部53に対し時間差をおいて通電してもよい。この場合、その時間差を調整することにより、液体500の吐出速度を調整することができる。すなわち、その時間差を長くすると、吐出速度を遅くすることができ、その時間差を短くすると、吐出速度を速くすることができる。
【0066】
[6] 分注ヘッド3を他の反応容器200に移動して[5]の動作を繰り返すことにより、試薬容器100中の液体500を各反応容器200に仕分けすることができる。
【0067】
このように、本発明のポンプ5は、体積可変部材52の体積変化によって流体を吸入、吐出するものであり、機械的な可動部がない。よって、機械的ガタ、バックラッシュなどの悪影響を受けないので、吸入量、吐出量を高い精度で制御(調整)することができる。特に、極めて微量の流体でも高い精度で吸入、吐出することができる。また、構造が簡単で、製造コストの低減にも寄与する。また、可動部がないことから、故障のおそれが少なく、耐久性にも優れる。
【0068】
また、このようなポンプ5(ポンプ装置6)を備えた本発明の分注ヘッド3および分注装置1では、分注量を高い精度で制御(調整)することができ、特に、極めて微量の液体でも高い精度で分注することができる。
【0069】
さらに、本実施形態では、複数個の体積可変部材52に対しそれぞれ個別に通電部53が設けられており、各体積可変部材52に対しそれぞれ独立して電圧を印加可能になっていることにより、吸入量、吐出量を容易かつ高精度に調整することができる。なお、本発明では、体積可変部材52を複数個設ける場合、その数は、特に限定されず、例えば2〜1000個程度とすることができる。体積可変部材52の個数を多くすることにより、吸入量、吐出量を微量から比較的多い量までより広範囲で高精度に調整することができる。
【0070】
なお、本発明では、体積可変部材52の設置個数が1個で、吸入量、吐出量が所定の値に定まっているようなものでもよい。また、体積可変部材52が1個の場合でも、通電部53への通電電圧を調整することにより、体積可変部材52の体積変化量を調整することができ、これにより、吸入量、吐出量を調整することもできる。
【0071】
また、複数の体積可変部材52が設置されている場合にも、通電部53への通電電圧を調整するようにしてもよい。これにより、吸入量、吐出量をより多段階に精度良く調整することができる。
【0072】
また、本発明では、体積可変部材52は、上述した実施形態と逆に、電圧の印加により体積が減少するようなものであってもよい。
【0073】
また、本実施形態では、空気(気体)を作動流体として吸入・吐出することにより目的の液体500を分注するものであったが、本発明では、作動流体は、絶縁性の液体でもよい。すなわち、ハウジング51内に絶縁性液体が充填され、流出入口511より吸入・吐出する絶縁性液体を介して液体500を分注するものでもよい。また、体積可変部材52および通電部53の表面に絶縁性の被膜を形成したような場合には、作動流体は、絶縁性のない液体でもよい。
【0074】
また、本発明では、体積可変部材は、磁場の印加によって(磁歪効果により)体積が変化する物質で構成されたものであってもよい。このような物質としては、特に限定されないが、例えば、Tb−Dy−Fe合金等の各種磁歪材料、超磁歪材料等が挙げられる。この場合、通電部としては、例えば、通電によりこの体積可変部材に磁場を印加するコイルを用いることができる。
【0075】
図5は、本発明の分注ヘッドアレイの実施形態を示す斜視図である。以下、この図を参照して本発明の分注ヘッドアレイの実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0076】
図5に示す分注ヘッドアレイ7は、複数個(図示の構成では、16個)の分注ヘッド71を並設してなるものである。分注ヘッド71は、その形状が異なること以外は、前記分注ヘッド3と同様である。
【0077】
分注ヘッド71におけるポンプのハウジング711は、扁平な直方体状をなしている。ハウジング711内には、複数(多数)の細長い板状の体積可変部材が重ねて配置されている。
【0078】
分注ヘッドアレイ7は、このような薄型の分注ヘッド71を複数個その厚さ方向に一列に並設してなるものである。本発明のポンプは、機械的な駆動源が不要な簡単な構造であることから、形状の自由度が高い。よって、このような薄型の分注ヘッド71や、配列ピッチの小さい分注ヘッドアレイ7を容易に実現することができる。
【0079】
このような分注ヘッドアレイ7を備えた分注装置によれば、複数箇所に対して一度に分注を行うことができ、例えば、行列状に多数の穴が形成されたマイクロプレート(多穴プレート)に分注を行う際などに、極めて高い効率で迅速に分注を行うことができる。
【0080】
図6は、本発明のポンプの他の実施形態を示す縦断面図である。以下、この図を参照して本発明のポンプの他の実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0081】
本実施形態のポンプ5’は、図6中の左側から右側に向かって流体を送出するものである。このポンプ5’は、分注装置に限らず、流体を送出する他の各種の装置に適用することができる。
【0082】
ポンプ5’は、前記ポンプ5とほぼ同様の構成になっており、ハウジング51’と、ハウジング51’内に設置された複数の体積可変部材52と、通電により体積可変部材52に電圧を印加する通電部53とを有している。
【0083】
ハウジング51’には、流体が流入する流入口512と、流体が流出する流出口513とがそれぞれ設けられている。すなわち、本実施形態では、ハウジング51’に流入口512と流出口513とが別個に形成されている。流入口512に接続された流路14の途中には、逆止弁(逆流防止弁)16が設けられており、流出口513に接続された流路15の途中には、逆止弁(逆流防止弁)17が設けられている。
【0084】
ポンプ5’が前記と同様にして作動すると、ポンプ5’は、流入口512より流体を吸入し、流出口513より流体を吐出する。これにより、流路14および15中の流体を図6中の右方向に送出することができる。
【0085】
すなわち、前記ポンプ5は、作動流体である空気(気体)を介して目的の液体500を吸入・吐出するものであったが、本実施形態のポンプ5’は、目的の流体を直接に吸入・吐出し、送出するものである。
【0086】
ポンプ5’が送出する流体としては、液体でも気体でもよい。なお、液体の場合には、体積可変部材52および通電部53の表面に絶縁性の被膜が形成されているのが好ましい。
【0087】
また、逆止弁16および17は、なくてもよいが、逆止弁16および17の少なくとも一方が設けられているのが好ましい。
【0088】
以上、本発明のポンプ、ポンプ装置、分注ヘッド、分注ヘッドアレイおよび分注装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ポンプ、ポンプ装置、分注ヘッド、分注ヘッドアレイおよび分注装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0089】
また、本発明は、1回の吸入/吐出量が比較的多いものから微量なものまで適用することができるが、特に、1回の吸入/吐出量が1ナノリットル〜100マイクロリットル程度の微量なものに好適である。
【0090】
また、体積可変部材は、板状のものに限らず、棒状、ブロック状など、いかなる形状のものでもよい。また、電圧または磁場を印加されたときの体積可変部材の変形態様もいかなるものでもよい。
【0091】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、流体を高い精度で吸入・吐出することができ、特に、微量の流体でも高い精度で吸入・吐出することができる。
【0092】
また、簡単な構造で上記効果を達成することができ、製造コストの低減にも寄与する。また、故障のおそれが少なく、耐久性にも優れる。また、流体を高速に吸入・吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分注装置の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す分注装置における分注ヘッドおよびノズルを示す縦断面図である。
【図3】図2に示す分注ヘッドにおける体積可変部材を示す斜視図である。
【図4】図1に示す分注装置のブロック図である。
【図5】本発明の分注ヘッドアレイの実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明のポンプの他の実施形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 分注装置
2 装置本体
21 ステージ
22 試薬容器収納部
23 反応容器収納部
24 ノズル収納部
3 分注ヘッド
31 ノズル装着部
311 流路
4 分注ヘッド移動手段
41 昇降機構
42 Y軸方向移動機構
43 X軸方向移動機構
5、5’ ポンプ
51、51’ ハウジング
511 流出入口
512 流入口
513 流出口
52 体積可変部材
53 通電部
531、532 電極
533 リード線
6 ポンプ装置
7 分注ヘッドアレイ
71 分注ヘッド
711 ハウジング
11 制御部
12 ポンプ駆動回路
13 ポンプ制御手段
14、15 流路
16、17 逆止弁
18 記憶部
19 入力部
100 試薬容器
200 反応容器
300 ノズル
301 基端開口
302 先端開口
500 液体

Claims (16)

  1. 流体が流出/入する流出/入口が形成されたハウジングと、
    前記ハウジング内に設置され、電圧または磁場を印加することにより体積が変化する物質で構成された複数個の体積可変部材と、
    通電により、前記体積可変部材に電圧または磁場を印加する通電部とを有し、
    前記通電部に対する通電または通電の解除をして、前記体積可変部材の体積を変化させることにより、前記流出/入口から流体を吸入/吐出するポンプであって、
    前記各体積可変部材に対しそれぞれ個別に前記通電部が設けられており、前記各体積可変部材に対しそれぞれ独立して電圧または磁場を印加可能であることを特徴とするポンプ。
  2. 前記流体は、作動流体である請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記体積可変部材は、圧電材料または磁歪材料で構成されている請求項1または2に記載のポンプ。
  4. 複数個の前記体積可変部材は、それぞれ板状をなし、その厚さ方向に隙間を空けて重ねて配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載のポンプ。
  5. 前記ハウジングは、ほぼ円筒状をなしている請求項1ないし4のいずれかに記載のポンプ。
  6. 前記ハウジングは、扁平な形状をなしている請求項1ないし4のいずれかに記載のポンプ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のポンプと、前記ポンプの作動を制御するポンプ制御手段とを有することを特徴とするポンプ装置。
  8. 前記通電部への通電電圧を調整することにより、流体の吸入/吐出量を調整可能である請求項7に記載のポンプ装置。
  9. 通電または通電の解除をする前記通電部の個数を調整することにより、流体の吸入/吐出量を調整可能である請求項7または8に記載のポンプ装置。
  10. 複数個の前記通電部に通電または通電の解除をする際、各通電部に対し時間差をおいて通電または通電の解除を行う請求項7ないし9のいずれかに記載のポンプ装置。
  11. 前記時間差を調整することにより、流体の吸入/吐出速度を調整可能である請求項10に記載のポンプ装置。
  12. 請求項1ないし6のいずれかに記載のポンプと、前記ポンプの前記流出/入口に連通するようにノズルを装着可能なノズル装着部とを有し、
    前記ポンプの作動により、前記ノズルの先端開口から液体を吸入/吐出して、液体を分注することを特徴とする分注ヘッド。
  13. 請求項12に記載の分注ヘッドを複数並設してなることを特徴とする分注ヘッドアレイ。
  14. 前記各分注ヘッドは、扁平な形状をなしており、複数個の前記分注ヘッドをその厚さ方向に並設してなる請求項13に記載の分注ヘッドアレイ。
  15. 請求項7ないし11のいずれかに記載のポンプ装置を吸引手段として少なくとも1つ備えることを特徴とする分注装置。
  16. 請求項12に記載の分注ヘッドを少なくとも1つ備えることを特徴とする分注装置。
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