JP4193249B2 - Method for producing C-terminally labeled protein - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンパク質のC末端をラベル化試薬により効率的にラベル化する方法に関する。本発明のラベル化試薬によるタンパク質のC末端ラベル化法は、種々の無細胞翻訳系や生細胞で発現するタンパク質の検出および同定に有効であり、ゲノム解析によって集積する遺伝子の機能解析において、対応する機能を保持したタンパク質の同定,特に核酸ータンパク質相互作用やタンパク質ータンパク質相互作用のようなタンパク質の機能解析を効率化、自動化する上で極めて有効な手段を提供する。
【0002】
【従来の技術】
無細胞翻訳系や生細胞で発現させたタンパク質のラベル化には、35S, 3H, 14Cといった放射能元素でラベルしたアミノ酸を翻訳産物に取り込ませる放射能ラベル化法が一般的である。この場合、放射能を利用するため安全管理上、特別な施設等が必要とされる。このため、放射性化合物を使用しない方法として下記する方法が知られている。この方法によれば、まず、アミノ酸のリジンのε-アミノ基にビオチンを共有結合させ、これをリジンのアンチコドンをもつtRNAにエステル結合させたもの(ビオチン-リジン-tRNA)を合成し、無細胞翻訳系に投入し、翻訳産物をビオチン化する。翻訳産物は、電気泳動後、メンブレンに移し、アルカリフォスファターゼとストレプトアビジンの融合タンパク質によって、翻訳産物をアルカリフォスファターゼにより化学発光させる。これを、X線フィルム等を使って、翻訳産物を同定する(Promega社、(1993) Technical Bulletin, No.182, p2)。この方法は、合成したビオチン-リジン-tRNAが極めて不安定(ー70℃で6ヵ月)であり、高価であるという欠点を有する。さらに、同定までの処方が繁雑で時間がかかるという問題点もある。したがって、この方法は,大量の試料処理のための自動化には極めて不利である。さらに、翻訳されたタンパク質は、複数のリジン側鎖がビオチンで修飾されているために、機能および構造が本来のものと変化している可能性がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、無細胞翻訳系および生細胞における翻訳タンパク質のラベル化において、1)効率的である、2)簡便である、2)経済的である、3)ラベル化試薬が長期間安定である、4)翻訳産物の機能、構造が影響を受けない、5)安全性などの条件を満たした、C末端がラベル化されたタンパク質の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、標識物質よりなるラベル部と、タンパク質のC末端に結合する能力を有する化合物よりなるアクセプター部とから構成されるラベル化試薬の存在下、プロモーター領域の制御下にある、終止コドンが削除されたコーディング領域からなるDNAから転写された産物を鋳型として無細胞翻訳系または生細胞中でタンパク質合成を行わせると、タンパク質のC末端の機能を損なうことなく高分子量のタンパク質のC末端が効率的にラベル化されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)標識物質よりなるラベル部と、ピューロマイシンまたは 3 ’ -N- アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシドの化学構造骨格を有し、翻訳タンパク質のC末端に結合する能力を有する化合物よりなるアクセプター部とから構成されるラベル化試薬の存在下、プロモーター領域の制御下にある、終止コドンが削除されたコーディング領域からなるDNAから転写された産物を鋳型として無細胞翻訳系または生細胞系中でタンパク質合成を行わせることからなる、C末端がラベル化されたタンパク質の製造方法、
(2)コーディング領域が50−3,000アミノ酸残基に対応する長さからなるDNAである上記(1)に記載の方法、
(3)ラベル化試薬のラベル部が、蛍光性物質、放射性物質、または非放射性標識物質である上記(1)または(2)に記載の方法、
(4)無細胞翻訳系が小麦胚芽抽出液またはウサギ網状赤血球抽出液を使用する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法、
に存する。
本発明の特徴は、無細胞翻訳系または生細胞系にプロモーター領域の制御下にある、終止コドンが削除されたコーディング領域からなるDNAから転写された産物(加工mRNA)を鋳型として加え、最終濃度15〜50μMのピューロマイシンまたはピューロマイシン誘導体などのラベル化試薬の存在下でタンパク質合成を行わせると、翻訳タンパク質のC末端にラベル化物質が効率よく結合し、C末端がラベル化された高分子量のタンパク質が得られることにある。ピューロマイシンにフルオレセイン等の蛍光物質を化学結合させた化合物は、ピューロマイシンと同様、タンパク質のC末端の機能を損なうことなく翻訳タンパク質のC末端に結合するため、放射能物質を使用することなくタンパク質の同定が可能であることがわかった。すなわち、無細胞翻訳系に蛍光化ピューロマイシン等のラベル化試薬を加え反応後、その反応生成物を電気泳動し、ゲルをそのまま蛍光イメージアナライザーで読み取ることにより、容易に翻訳タンパク質を同定できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のタンパク質のC末端がラベル化されたタンパク質は、加工されたDNAの転写産物(加工mRNA)を無細胞翻訳系または生細胞系に鋳型として加え、標識物質よりなるラベル部と、タンパク質のC末端に結合する能力を有する化合物よりなるアクセプター部とから構成されるラベル化試薬の存在下でタンパク質合成を行わせることによって製造される。
【0006】
プロモーター領域の制御下にある、終止コドンが削除されたコーディング領域からなるDNAから転写された産物(加工されたmRNA)は、プロモーター領域と、終止コドンが削除されたコーディング領域とからなるDNAからRNAポリメラーゼを用いて転写することによって得られる。コーディング領域の長さは、50−3,000アミノ酸残基に対応する長さのDNAであるのが好ましい。すなわち,本発明の方法によれば、高分子量のタンパク質であっても効率よくそのC末端をラベル化できるので、ゲノム解析で得られるタンパク質の同定やその機能解析にきわめて有用である。
【0007】
本発明の方法では、ラベル化試薬によりタンパク質のC末端がラベル化される。ラベル化試薬は,ラベル部とアクセプター部とから構成される。ラベル部は、通常、蛍光性物質、放射性物質および非放射性標識物質から選択される。ラベル部の蛍光物質としては、フルオレセイン系列以外にも、フリーの官能基(例えばカルボキシル基、水酸基、アミノ基など)をもち、スペーサーを介してピューロマイシンまたはピューロマイシン様化合物などのヌクレオチド誘導体に連結可能な種々の蛍光色素(例えば、ローダミン系列、エオシン系列、NBD系列など)であれば如何なるものであってもよい。
【0008】
その他、ラベル部としては、33P、32P、35Sのような放射性標識物質、ビオチンのような補酵素、タンパク質、ペプチド、糖類、脂質類、色素、ポリエチレングリコールなどの非放射性標識物質、あるいはラベル化可能な化合物であれば、その化合物の種類、大きさを問わない。
【0009】
ラベル化試薬を構成する別の成分であるアクセプター部としては、通常、核酸または核酸誘導体が使用される。核酸誘導体としては、核酸とアミノ酸あるいはアミノ酸に類似した化学構造骨格を有する物質が化学的に結合した化合物を用いることができる。代表的な化合物として、アミド結合を有するピューロマイシン(Puromycin)、3'-N-アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド(3'-N-Aminoacylpuromycin aminonucleoside、 PANS-アミノ酸)、たとえば、アミノ酸部がグリシンのPANS-Gly、バリンのPANS-Val、アラニンのPANS-Ala、その他、全アミノ酸に対応するPANS-全アミノ酸化合物が挙げられる。また、化学結合として3'-アミノアデノシンのアミノ基とアミノ酸のカルボキシル基が脱水縮合した結果形成されたアミド結合でつながった3'-N-アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシド(3'-Aminoacyladenosine aminonucleoside,AANS-アミノ酸)、たとえば、アミノ酸部がグリシンのAANS-Gly、バリンのAANS-Val、アラニンのAANS-Ala、その他、全アミノ酸に対応するAANS-全アミノ酸化合物が利用できる。また、ヌクレオシドあるいはヌクレオチドとアミノ酸のエステル結合したものなども利用できる。その他、核酸あるいは核酸に類似した化学構造骨格および塩基を有する物質と、アミノ酸に類似した化学構造骨格を有する物質とを化学的に結合可能であれば、そのようにして結合した化合物は、すべて使用できる。
【0010】
上記したピューロマイシン(第1図のIの化合物)は細菌(Nathans,D. (1964)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,51,585-592; Takeda,Y. et al. (1960) J.Biochem. 48,169-177)および動物細胞(Ferguson,J.J. (1962) Biochim.Biophys.Acta 57,616-617; Nemeth,A.M. & de la Haba,G.L. (1962)J.Biol.Chem. 237,1190-1193)のタンパク質合成を阻害することが知られている。
ピューロマイシンの構造はアミノアシルtRNAの構造と類似しているため、リボソーム上のAサイトに入り、Pサイトに存在しているペプチジルtRNAと反応し、ペプチジルピューロマイシンとしてリボソームから遊離する(Harris, R.J. (1971)Biochim.Biophys.Acta 240, 244-262)。
【0011】
タンパク質合成系において、終止コドンをもたない切断されたmRNAを鋳型に用いた場合、タンパク質合成が停止することが知られている。このように、mRNAに対応するコドンがない場合は、アミノアシル-tRNAや終止因子はリボソーム上のAサイトに入ってもペプチド転移反応で触媒されない。一方、このような状態でもピューロマイシンや本発明の誘導体は、リボソーム上のAサイトでリボソームのペプチド転移反応により触媒され、タンパク質のC末端に効率よく結合できることがわかった。
【0012】
これを確かめるには、終止コドンをもつmRNAと終止コドンをもたないmRNAを作成し、蛍光性のピューロマイシン誘導体、たとえばフルオレセニルピューロマイシン(Fluorpur)(図1のIIの化合物)と共に無細胞翻訳系に加え、タンパク質のC末端の蛍光ラベル化の効率を調べる必要がある。
【0013】
タンパク質としては標準的な分子量をもつβ-ラクタマーゼ(分子量 32 kDa)の終止コドンのないものと、あるもののmRNAを調製するために、図2に示したような5'側からT7プロモーター、Kozak配列(コザック配列)、β-ラクタマーゼのコーディング領域、それと終止コドンのないもの(A)とあるもの(B)の 遺伝子DNAを作成した。
【0014】
蛍光性のピューロマイシン誘導体としては、ラベル部としてフルオレセイン、アクセプター部としてピューロマイシンを選び、両者を化学結合で連結した蛍光性のラベル化化合物、例えばFluorpur(第1図のIIの化合物)を化学合成した。
【0015】
真核生物の無細胞転写翻訳系、例えばウサギ網状赤血球抽出液(Nuclease treated Rabbit reticulocyte lysate)や小麦胚芽抽出液の翻訳系において、上記のT7プロモーター、Kozak配列、β-ラクタマーゼのコーディング領域、それと終止コドンのないものとあるもののDNAからの転写産物(加工mRNA)を鋳型として加え、Fluorpur存在下でタンパク質合成を行わせ、タンパク質の蛍光ラベル化について調べると、β-ラクタマーゼの全長タンパク質のC末端にFluorpurが、16μMの濃度で明確に結合していることがわかった(図3A)。Fluorpur によるβ-ラクタマーゼの全長タンパク質の蛍光ラベル化は、大腸菌の無細胞転写翻訳系でも確認された。特に、小麦胚芽抽出液の無細胞翻訳系を用いた場合、終止コドンのないmRNAの方(図3のレーン1)が終止コドンのあるmRNA(図3のレーン3)に比べ、10倍程度ラベル化効率が増大することが確認された。
【0016】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、下記の実施例は本発明についての具体的認識を得る一助とみなすべきものであり、本発明の範囲は下記の実施例により何ら限定されるものでない。
【0017】
実施例1
真核細胞の無細胞翻訳系(小麦胚芽抽出液、ウサギ網状赤血球抽出液)を使ったβ-ラクタマーゼのC末端蛍光ラベル化
<1>転写用DNAの構築とmRNAの作成
材料:β-ラクタマーゼ遺伝子の載ったpBR322プラスミド(Sutcliffe, J. G. (1978) Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75,3737-3741)は、石坂正道氏(九州大学、三菱化学生命科学研究所)より供与された。 E.coli pARベクター(Rosenberg, A.H. et.al. (1987) Gene 56,125-135)のT7プロモーターとKozak共通配列を含むDNAは日本製粉(株)で合成された。PCR用DNAプライマーはエスペックオリゴサービス、DNA/RNAプライマーは日本ジェンセットによってそれぞれ合成された。各種酵素、試薬等は市販のものを用いた:RNA分解酵素Ribonuclease A (シグマ) ;核酸修飾酵素 T4 DNA Polynucleotide Kinase (NEB), T4 DNA ligase (NEB) ;耐熱性DNA合成酵素 Gold Taq. Polymerase (Perkin-Elmer) ;RNA合成酵素キット Ribomax Large Scale RNA Production System (Promega) ;キャップアナログ RNA capping Analog (Gibco BRL) ;無細胞翻訳系キット:ウサギ網状赤血球抽出液 (Rabbit Reticulocyte Lysate Systems, Nuclease Treated, Promega), 小麦胚芽抽出液 (Wheat Germ Extract, Promega) ;電気泳動試薬 アクリルアミド、アクリルアミドービス、SDS、等はすべてナカライテスク製。プライマー除去剤Primer Remover はEdgeより購入した。
【0018】
方法:転写効率の高い大腸菌ウイルスT7のRNAポリメラーゼによって認識されるDNA配列(T7プロモーター配列)と翻訳の際に真核細胞のリボソームによって認識されやすい配列(Kozak コンセンサス配列)をもったDNA(図2)を次のようにして構築した。まず、上記の配列をもつ領域とβ-ラクタマーゼ遺伝子をもつ領域を独立に作成する。 T7プロモーター配列とKozakコンセンサス配列を含む1本鎖DNA(配列番号1)を化学合成し、DNAプライマー(配列番号2)とDNA/RNAプライマー(配列番号3)によってPCRを行う。一方、β-ラクタマーゼ遺伝子の載ったpBR322プラスミドを鋳型としてDNA/RNAプライマー(配列番号4)と DNAプライマー(配列番号5)でPCRすることにより、β-ラクタマーゼ遺伝子DNA領域を増幅する。これらをRRR法(Nishigaki, K. et al.(1995) Chem. lett. 131-132)に従って、それぞれのPCR反応液にリボヌクレアーゼ Aを加え、60℃で30分反応させることにより、 DNA/RNAプライマー(配列番号3と配列番号4)のRNAの3'側のリン酸ジエステル結合を切断して突出末端を作る。これらをフェノール抽出後、プライマー・リムーバー(Primer Remover)によってプライマーおよび切断されたDNA断片を除去しエタノール沈殿させる。乾燥後、T4 DNA リガーゼ用バッファーに溶解しT4 DNA ポリヌクレオチド・キナーゼ(Polynucleotide Kinase)を加えて45℃、30分反応後、さらに30分かけて徐々に16℃に温度を下げてからT4 DNA リガーゼを加え、上述の2つのDNA領域を結合させた。この反応液の一部を採取し、 DNAプライマー(配列番号2および配列番号5)を使って再度、PCRで増幅し、転写用に図2の(A)を作成した。
【0019】
一方、終止コドンをもつβ-ラクタマーゼ遺伝子からなる転写用DNA(図2のB)は、上記の方法においてDNAプライマー(配列番号5)の代わりに別のDNAプライマー(配列番号6)を用いることにより作成した。
上記の方法で作成した2つのDNAは、RNA合成キット Ribomax Large Scale RNA Production System (Promega)を使って転写した。合成効率を上げるためにキャップアナログ RNA capping Analog (Gibco BRL)を使い、mRNAの5'側を修飾した。キャップアナログおよび過剰のNTPを除去するためにプライマー・リムーバーを使ってエタノール沈殿を行なった。
【0020】
<2>蛍光レベル化試薬Fluorpurの調製
材料:ピューロマイシン(puromycin)はシグマから、フルオレダイト(6-N-carboxy-di-O-pivaloyl-fluorescein-hexyl-O-(2-cyanoethyl)-(N,N'-diisopropyl)-phosphoramidite)は日本パーセプティブから、テトラゾールは日本ミリポアから、クロマト用シリカゲルはメルクからそれぞれ購入した。
【0021】
方法:ピューロマイシン(26 mg、48 μmol)を3 mlの乾燥ピリジンに溶かし、減圧下で蒸発させ、脱水させる。この操作を3回繰り返す。これに5 mlの4%テトラゾール/アセトニトリル溶液とフルオレダイトを加え、室温で撹拌させる。反応はシリカゲルの薄層クロマトグラフィー(TLC、展開溶媒:クロロフォルム:メタノール=9:1)でモニターする。通常、反応は2時間で終了する。反応後、溶媒を減圧下で追い出し、これに0.1 Mのヨウ素をテトラヒドロフラン/ピリジン/水=80:40:2に溶かした溶液 2 mlを加え、室温で撹拌させながら生成したホスファイト-トリエステルを酸化させる。1時間半後、溶媒を減圧下で除去し、残部をクロロフォルムで抽出する。抽出液は無水硫酸マグネシウム存在下で乾燥させた後、減圧下で溶媒を除去する。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、クロロフォルム/メタノール=90:10で溶出させる。保護基のついたFluorpurはシリカゲルTLC(展開溶媒:クロロフォルム:メタノール=9:1)でRf 0.26のところに溶出される。次に保護基の脱保護を行う。保護基のついたFluorpurを濃アンモニア水/エタノール=2:1の混合溶液 1 ml に加え、β-シアノエチル基を除去するとFluorpur(図1のII)が7mg得られる。合成品がFluorpurであることは、そのpH 9の溶液の紫外可視吸収スペクトルが272 nm(ピューロマイシン部由来)と494 nm(フルオレセイン部由来)に現われることと、MALDI/TOFマススペクトロメトリーで[M+H]+の分子イオンがm/z 1010に現われることから同定された。
【0022】
<3>タンパク質の蛍光ラベル化
作成したmRNAは、(1)ウサギ網状赤血球無細胞翻訳系Rabbit Reticulocyte Lysate Systems, Nuclease Treated (Promega)および(2)小麦胚芽無細胞翻訳系Wheat Germ Extract (Promega)の2種類の翻訳系においてFluorpurの最終濃度が16μMになるように加え、それぞれの至適反応温度(ウサギ網状赤血球無細胞翻訳系;30℃、小麦胚芽無細胞翻訳系;25℃)で60分反応させた。
【0023】
<4>タンパク質のラベル化の確認
フルオレセニルピューロマイシン(Fluorpur)でラベル化されたタンパク質の確認は、上記の無細胞翻訳産物をサンプルとしてSDS-PAGEで20V定電圧、90分泳動したゲルを蛍光イメージング装置(FluorImager 595, Molecular Dynamics)で直接読み取ることにより行った。最も効率よく蛍光ラベルされた全長β-ラクタマーゼ(分子量 32kDa)は、小麦胚芽系無細胞翻訳系を用い、終止コドンのないDNA(図2のA)から転写したmRNAを使って、Fluorpurが最終濃度16μMになるように加えた場合に得られた(図3Aのレーン1)。しかし、同じ小麦胚芽系無細胞翻訳系を用いて、 Fluorpurが最終濃度16μMであっても終止コドンのあるDNA(図2のB)から転写したmRNAを使用した場合には、その蛍光ラベル化の効率は終止コドンのないDNAの場合に比べ10分の1以下であった(図3Bのレーン3)。また、ウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系においても、終止コドンのないDNAから転写したmRNAを使って翻訳させた系(図3Aのレーン5)では、終止コドンのあるDNAから転写したmRNAを使った場合(図3Aのレーン6)に比べ3〜4倍ラベル化効率が上昇した。比較のため、従来のタンパク質の蛍光染色法(SYPRO Orange)で同じゲルを染色したものが図3Bに示してある。SYPRO Orangeで染色した場合、投入したmRNAによって翻訳されたタンパク質(β-ラクタマーゼ)は、無細胞翻訳系由来のタンパク質の中に埋もれて確認することができなかった。以上のことから、本発明の方法によるタンパク質のラベル化がSDS-PAGEによる合成タンパク質の同定において有効であることが確認された。
【0024】
【発明の効果】
本発明により、原核細胞と真核細胞とを問わず無細胞翻訳系および生細胞を利用して翻訳合成されたタンパク質のC末端を効率よく蛍光等によりラベル化することが可能になった。本発明は、遺伝子から発現されるタンパク質の同定と、それらの相互作用などの機能解析をより迅速に、安全かつ経済的に実施することを可能にする。その他、本発明の方法で得られるC末端がラベル化されたタンパク質は、該タンパク質と結合するかあるいは相互作用し、その活性を阻害または活性化する化合物の同定にも有用である。すなわち、本発明の方法で得られるC末端がラベル化されたタンパク質を、スクリーニングしようとする化合物と結合ないし相互作用した結果、残存または消失する該タンパク質のC末端ラベルを検出する等の方法により該化合物をも同定できる。
【配列表】
【配列表フリーテキスト】
配列番号1−6:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】ピューロマイシンおよびその誘導体の化学構造。Iはピューロマイシン(puromycin)、IIはフルオレセニルピューロマイシン(Fluorpur)である。
【図2】β-ラクタマーゼの遺伝子DNAの構築図。Aは終止コドンのない遺伝子DNA、Bは終止コドンのある遺伝子DNA である。
【図3】β-ラクタマーゼのC末端へのFluorpurの結合を示すポリアクリルアミドゲル電気泳動写真(A)とそれをSYPRO Orangeで蛍光染色したポリアクリルアミドゲル電気泳動写真(B)。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for efficiently labeling the C-terminus of a protein with a labeling reagent. The C-terminal labeling method of proteins with the labeling reagent of the present invention is effective for detection and identification of proteins expressed in various cell-free translation systems and living cells, and can be used for functional analysis of genes accumulated by genome analysis. It provides an extremely effective means for efficient and automated protein identification, such as nucleic acid-protein interaction and protein-protein interaction, particularly for identification of proteins that retain the function to function.
[0002]
[Prior art]
For labeling proteins expressed in cell-free translation systems and living cells, a radioactive labeling method that incorporates amino acids labeled with radioactive elements such as 35 S, 3 H, and 14 C into translation products is common. . In this case, a special facility is required for safety management in order to use radioactivity. For this reason, the following method is known as a method not using a radioactive compound. According to this method, biotin is first covalently bonded to the ε-amino group of the amino acid lysine, and this is ester-linked to a tRNA having an anticodon of lysine (biotin-lysine-tRNA), and cell-free. Input into the translation system and biotinylate the translation product. The translation product is transferred to a membrane after electrophoresis, and the translation product is chemiluminescent with alkaline phosphatase using a fusion protein of alkaline phosphatase and streptavidin. A translation product is identified from this using an X-ray film or the like (Promega, (1993) Technical Bulletin, No. 182, p2). This method has the disadvantage that the synthesized biotin-lysine-tRNA is very unstable (6 months at -70 ° C.) and is expensive. Furthermore, the prescription until identification is complicated and takes time. Therefore, this method is extremely disadvantageous for automation for processing a large amount of samples. Furthermore, the translated protein may have a function and structure that is different from the original because a plurality of lysine side chains are modified with biotin.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The problems of the present invention are as follows: 1) efficient, 2) simple, 2) economical, and stable labeling reagent for a long period of time in labeling of translated proteins in cell-free translation systems and living cells. 4) The function and structure of the translation product are not affected. 5) The present invention is to provide a method for producing a protein labeled with a C-terminus, which satisfies conditions such as safety.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have found that a labeling reagent comprising a label part composed of a labeling substance and an acceptor part composed of a compound having the ability to bind to the C-terminus of a protein. When protein synthesis is performed in a cell-free translation system or in a living cell using a product transcribed from DNA consisting of a coding region with the termination codon deleted under the control of the promoter region as a template, the C-terminal of the protein The present inventors have found that the C-terminus of a high molecular weight protein can be efficiently labeled without impairing the function of the present invention, thereby completing the present invention.
That is, the present invention
(1) from the consisting labeling substance label part has a puromycin or 3 '-N-amino acyl puromycin aminonucleoside of chemical structure, the acceptor portion made of a compound having the ability to bind to the C-terminus of the translated protein Protein synthesis in a cell-free translation system or living cell system using as a template a product transcribed from a coding region with a coding region deleted from the stop codon under the control of the promoter region. A method for producing a protein labeled at the C-terminus, comprising:
(2) The method according to (1) above, wherein the coding region is DNA having a length corresponding to 50-3,000 amino acid residues,
(3) The method according to (1) or (2) above, wherein the label part of the labeling reagent is a fluorescent substance, a radioactive substance, or a non-radioactive labeling substance,
( 4 ) The method according to any one of (1) to (3) above, wherein the cell-free translation system uses wheat germ extract or rabbit reticulocyte extract,
Exist.
A feature of the present invention is that a product (processed mRNA) transcribed from DNA consisting of a coding region in which a stop codon is deleted under the control of a promoter region in a cell-free translation system or a living cell system is added as a template, and the final concentration When protein synthesis is performed in the presence of a labeling reagent such as 15-50 μM puromycin or a puromycin derivative, the labeled substance efficiently binds to the C-terminus of the translated protein, and the high molecular weight is labeled at the C-terminus. It is that the protein of is obtained. A compound in which a fluorescent substance such as fluorescein is chemically bound to puromycin binds to the C terminus of the translated protein without impairing the function of the C terminus of the protein, as with puromycin. It was found that identification of That is, after adding a labeling reagent such as fluorescent puromycin to a cell-free translation system, the reaction product is electrophoresed, and the gel is read as it is with a fluorescent image analyzer, whereby the translated protein can be easily identified.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The protein labeled with the C-terminus of the protein of the present invention is obtained by adding a processed DNA transcription product (processed mRNA) to a cell-free translation system or a living cell system as a template, a label portion comprising a labeling substance, It is produced by performing protein synthesis in the presence of a labeling reagent composed of an acceptor moiety composed of a compound having the ability to bind to the C-terminus.
[0006]
The product (processed mRNA) transcribed from the DNA consisting of the coding region with the stop codon deleted under the control of the promoter region (processed mRNA) is RNA from the DNA consisting of the promoter region and the coding region with the stop codon deleted. It is obtained by transcription using a polymerase. The length of the coding region is preferably DNA having a length corresponding to 50-3,000 amino acid residues. That is, according to the method of the present invention, even a high molecular weight protein can efficiently label its C-terminus, which is very useful for identification of proteins obtained by genome analysis and functional analysis thereof.
[0007]
In the method of the present invention, the C-terminus of a protein is labeled with a labeling reagent. The labeling reagent is composed of a label part and an acceptor part. The label part is usually selected from a fluorescent substance, a radioactive substance and a non-radioactive labeling substance. In addition to the fluorescein series, the label fluorescent substance has a free functional group (for example, carboxyl group, hydroxyl group, amino group, etc.) and can be linked to nucleotide derivatives such as puromycin or puromycin-like compounds via a spacer. Various fluorescent dyes (for example, rhodamine series, eosin series, NBD series, etc.) may be used.
[0008]
Other labeling parts include radiolabeled substances such as 33 P, 32 P and 35 S, coenzymes such as biotin, proteins, peptides, saccharides, lipids, dyes, non-radioactive labels such as polyethylene glycol, or If it is a compound which can be labeled, the kind and magnitude | size of the compound will not ask | require.
[0009]
As the acceptor part which is another component constituting the labeling reagent, a nucleic acid or a nucleic acid derivative is usually used. As the nucleic acid derivative, a compound in which a nucleic acid and an amino acid or a substance having a chemical structure skeleton similar to an amino acid is chemically bonded can be used. Typical compounds include puromycin having an amide bond, 3'-N-aminoacylpuromycin aminonucleoside (PANS-amino acid), for example, PANS-Gly having an amino acid moiety of glycine , PANS-Val for valine, PANS-Ala for alanine, and other PANS-all amino acid compounds corresponding to all amino acids. In addition, 3'-Aminoacyladenosine aminonucleoside (AANS-amino acid, 3'-Aminoacyladenosine aminonucleoside, connected by an amide bond formed as a result of dehydration condensation of the amino group of 3'-aminoadenosine and the carboxyl group of amino acid as a chemical bond For example, AANS-Gly whose amino acid part is glycine, AANS-Val of valine, AANS-Ala of alanine, and other AANS-all amino acid compounds corresponding to all amino acids can be used. Nucleosides or nucleotide-amino acid ester bonds can also be used. In addition, if a substance having a chemical structure skeleton and base similar to nucleic acid or a substance having a chemical structure skeleton similar to amino acid can be chemically bonded, all the compounds bonded in this way are used. it can.
[0010]
Puromycin (compound I in FIG. 1) is a bacterium (Nathans, D. (1964) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 51, 585-592; Takeda, Y. et al. (1960) J. Biochem. 48,169-177) and animal cells (Ferguson, JJ (1962) Biochim. Biophys. Acta 57,616-617; Nemeth, AM & de la Haba, GL (1962) J. Biol. Chem. 237, 1190-1193) It is known to inhibit synthesis.
Since the structure of puromycin is similar to that of aminoacyl-tRNA, it enters the A site on the ribosome, reacts with the peptidyl tRNA present at the P site, and is released from the ribosome as peptidylpuromycin (Harris, RJ ( 1971) Biochim. Biophys. Acta 240, 244-262).
[0011]
In protein synthesis systems, it is known that protein synthesis stops when cleaved mRNA without a stop codon is used as a template. Thus, when there is no codon corresponding to mRNA, aminoacyl-tRNA and termination factor are not catalyzed by the peptide transfer reaction even if they enter the A site on the ribosome. On the other hand, it was found that puromycin and the derivatives of the present invention were catalyzed by the peptide transfer reaction of ribosome at the A site on the ribosome and could efficiently bind to the C-terminus of the protein even in such a state.
[0012]
In order to confirm this, an mRNA having a stop codon and an mRNA having no stop codon were prepared and cell-free together with a fluorescent puromycin derivative such as fluorescylpuromycin (Fluorpur) (compound II in FIG. 1). In addition to the translation system, it is necessary to examine the efficiency of fluorescent labeling of the C-terminus of proteins.
[0013]
In order to prepare mRNAs of β-lactamase (molecular weight 32 kDa) with a standard molecular weight without β-lactamase (molecular weight 32 kDa) and some, the T7 promoter and Kozak sequence from the 5 ′ side as shown in FIG. (Kozak sequence), β-lactamase coding region, and the gene DNAs (A) and (B) without a stop codon.
[0014]
As a fluorescent puromycin derivative, fluorescein is selected as the label part, puromycin is selected as the acceptor part, and a fluorescent labeled compound in which both are linked by a chemical bond, for example, Fluorpur (compound II in FIG. 1) is chemically synthesized. did.
[0015]
In eukaryotic cell-free transcription and translation systems, such as the translation system of rabbit reticulocyte lysate and wheat germ extract, the above T7 promoter, Kozak sequence, β-lactamase coding region, and termination When transcripts of DNA with or without codons (processed mRNA) are added as templates, protein synthesis is performed in the presence of Fluorpur, and the fluorescent labeling of the protein is examined, the C-terminal of the full-length protein of β-lactamase Fluorpur was clearly bound at a concentration of 16 μM (FIG. 3A). The fluorescent labeling of the full-length protein of β-lactamase by Fluorpur was confirmed in the cell-free transcription translation system of E. coli. In particular, when a cell-free translation system of wheat germ extract is used, mRNA without a stop codon (
[0016]
【Example】
The present invention will be described more specifically with reference to the following examples. However, the following examples should be regarded as an aid for obtaining specific recognition about the present invention, and the scope of the present invention is not limited by the following examples. It is not limited.
[0017]
Example 1
C-terminal fluorescent labeling of β-lactamase using cell-free translation system of eukaryotic cells (wheat germ extract, rabbit reticulocyte extract) <1> Construction of transcriptional DNA and mRNA preparation material: β-lactamase gene PBR322 plasmid (Sutcliffe, JG (1978) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75, 3737-3741) is provided by Mr. Masamichi Ishizaka (Kyushu University, Mitsubishi Chemical Life Science Institute). DNA containing T7 promoter and Kozak consensus sequence of E. coli pAR vector (Rosenberg, AH et.al. (1987) Gene 56, 125-135) was synthesized by Nippon Flour Co., Ltd. DNA primers for PCR were synthesized by Espec Oligo Service, and DNA / RNA primers were synthesized by Nippon Genset. Commercially available enzymes and reagents were used: RNA-degrading enzyme Ribonuclease A (Sigma); Nucleic acid modifying enzyme T4 DNA Polynucleotide Kinase (NEB), T4 DNA ligase (NEB); Thermostable DNA synthase Gold Taq. Polymerase ( Perkin-Elmer); RNA synthase kit Ribomax Large Scale RNA Production System (Promega); Cap analog RNA capping Analog (Gibco BRL); Cell-free translation system kit: Rabbit Reticulocyte Lysate Systems, Nuclease Treated, Promega ), Wheat Germ Extract, Promega; Electrophoretic reagents Acrylamide, acrylamide-bis, SDS, etc. are all made by Nacalai Tesque. Primer Remover was purchased from Edge.
[0018]
Method: DNA having a DNA sequence (T7 promoter sequence) recognized by E. coli virus T7 RNA polymerase with high transcription efficiency and a sequence (Kozak consensus sequence) easily recognized by eukaryotic ribosomes during translation (Fig. 2) ) Was constructed as follows. First, a region having the above sequence and a region having a β-lactamase gene are prepared independently. A single-stranded DNA (SEQ ID NO: 1) containing a T7 promoter sequence and a Kozak consensus sequence is chemically synthesized, and PCR is performed using a DNA primer (SEQ ID NO: 2) and a DNA / RNA primer (SEQ ID NO: 3). On the other hand, the pBR322 plasmid carrying the β-lactamase gene is used as a template and PCR is carried out with a DNA / RNA primer (SEQ ID NO: 4) and a DNA primer (SEQ ID NO: 5) to amplify the β-lactamase gene DNA region. In accordance with the RRR method (Nishigaki, K. et al. (1995) Chem. Lett. 131-132), ribonuclease A was added to each PCR reaction solution and reacted at 60 ° C. for 30 minutes, whereby DNA / RNA primer Cleavage of the phosphodiester bond on the 3 ′ side of the RNA of (SEQ ID NO: 3 and SEQ ID NO: 4) creates a protruding end. After phenol extraction, the primer and the cleaved DNA fragment are removed with a primer remover and ethanol precipitated. After drying, dissolve in T4 DNA ligase buffer, add T4 DNA polynucleotide kinase (Polynucleotide Kinase), react at 45 ° C for 30 minutes, then gradually lower the temperature to 16 ° C over 30 minutes before T4 DNA ligase. And the above two DNA regions were combined. A part of this reaction solution was collected and amplified again by PCR using DNA primers (SEQ ID NO: 2 and SEQ ID NO: 5) to prepare (A) in FIG. 2 for transcription.
[0019]
On the other hand, a transcriptional DNA comprising a β-lactamase gene having a stop codon (B in FIG. 2) is obtained by using another DNA primer (SEQ ID NO: 6) instead of the DNA primer (SEQ ID NO: 5) in the above method. Created.
The two DNAs prepared by the above method were transcribed using an RNA synthesis kit Ribomax Large Scale RNA Production System (Promega). In order to increase the synthesis efficiency, cap analog RNA capping Analog (Gibco BRL) was used to modify the 5 ′ side of mRNA. Ethanol precipitation was performed using a primer remover to remove the cap analog and excess NTP.
[0020]
<2> Preparation material of fluorescence leveling reagent Fluorpur: Puromycin is from Sigma, fluoredite (6-N-carboxy-di-O-pivaloyl-fluorescein-hexyl-O- (2-cyanoethyl)-(N, N'-diisopropyl) -phosphoramidite) was purchased from Nippon Perceptive, tetrazole from Nippon Millipore, and chromatographic silica gel from Merck.
[0021]
Method: Puromycin (26 mg, 48 μmol) is dissolved in 3 ml of dry pyridine and evaporated to dryness under reduced pressure. Repeat this operation three times. To this is added 5 ml of 4% tetrazole / acetonitrile solution and fluoredite and allowed to stir at room temperature. The reaction is monitored by thin layer chromatography on silica gel (TLC, developing solvent: chloroform: methanol = 9: 1). The reaction is usually complete in 2 hours. After the reaction, the solvent was driven off under reduced pressure, and 2 ml of a solution of 0.1 M iodine dissolved in tetrahydrofuran / pyridine / water = 80: 40: 2 was added thereto, and the phosphite-triester produced was stirred while stirring at room temperature. Oxidize. After 1.5 hours, the solvent is removed under reduced pressure and the remainder is extracted with chloroform. The extract is dried in the presence of anhydrous magnesium sulfate, and then the solvent is removed under reduced pressure. This is subjected to silica gel column chromatography and eluted with chloroform / methanol = 90: 10. Fluorpur with a protecting group is eluted at silica gel TLC (developing solvent: chloroform: methanol = 9: 1) at Rf 0.26. Next, the protecting group is deprotected. Fluorpur with a protecting group is added to 1 ml of a mixed solution of concentrated aqueous ammonia / ethanol = 2: 1, and β-cyanoethyl group is removed to obtain 7 mg of Fluorpur (II in FIG. 1). The synthetic product is Fluorpur because the UV-visible absorption spectrum of its pH 9 solution appears at 272 nm (from the puromycin moiety) and 494 nm (from the fluorescein moiety), and MALDI / TOF mass spectrometry [M The molecular ion of + H] + was identified by appearing at m / z 1010.
[0022]
<3> Fluorescent labeling of proteins The mRNAs produced were (1) Rabbit Reticulocyte Lysate Systems, Nuclease Treated (Promega) and (2) Wheat Germ Cell Translation System Wheat Germ Extract (Promega). Add the final concentration of Fluorpur to 16 μM in the two translation systems, and react for 60 minutes at the optimal reaction temperature (rabbit reticulocyte cell-free translation system: 30 ° C., wheat germ cell-free translation system: 25 ° C.). I let you.
[0023]
<4> Confirmation of protein labeling Confirmation of the protein labeled with fluorescylpuromycin (Fluorpur) is performed using a cell-free translation product as a sample by SDS-PAGE and a gel run for 90 minutes at 20 V constant voltage. This was performed by directly reading with a fluorescence imaging apparatus (FluorImager 595, Molecular Dynamics). The most efficient fluorescence-labeled full-length β-lactamase (molecular weight 32 kDa) uses wheat germ cell-free translation system and mRNA transcribed from DNA without a stop codon (A in Fig. 2). It was obtained when added to 16 μM (
[0024]
【The invention's effect】
According to the present invention, it becomes possible to efficiently label the C-terminal of a protein synthesized and translated using a cell-free translation system and a living cell regardless of whether it is a prokaryotic cell or a eukaryotic cell. The present invention makes it possible to more quickly, safely and economically perform functional analysis such as identification of proteins expressed from genes and their interaction. In addition, the C-terminal labeled protein obtained by the method of the present invention is useful for identifying a compound that binds to or interacts with the protein and inhibits or activates its activity. That is, the C-terminal labeled protein obtained by the method of the present invention is detected by a method such as detecting the C-terminal label of the protein that remains or disappears as a result of binding or interaction with the compound to be screened. Compounds can also be identified.
[Sequence Listing]
[Sequence Listing Free Text]
SEQ ID NOs: 1-6: Synthetic DNA
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 Chemical structure of puromycin and its derivatives. I is puromycin and II is fluorescyl puromycin (Fluorpur).
FIG. 2 is a construction diagram of gene DNA of β-lactamase. A is a gene DNA without a stop codon, and B is a gene DNA with a stop codon.
FIG. 3 is a polyacrylamide gel electrophoresis photograph (A) showing the binding of Fluorpur to the C-terminus of β-lactamase and a polyacrylamide gel electrophoresis photograph (B) of which it is fluorescently stained with SYPRO Orange.
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