次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るスロットマシンの一例を示す全体正面図である。スロットマシン1の機枠1Aにはカバー部材の一例の前面枠1Bが開閉自在に設けられており、その前面枠の上方部分の前面側の所定箇所には表示窓が設けられている。この表示窓には、可変表示装置90(図2参照)によって可変表示される図柄等の識別情報を遊技者に視認させるための可変表示部5L、5C,5Rが設けられている。この左可変表示部5L,中可変表示部5C,右可変表示部5Rは、それぞれに上下3段に識別情報を可変表示可能な大きさに構成されている。前面枠1Bは、通常時は閉成状態で施錠されており、遊技場の係員が所定の鍵をドア開閉用鍵穴3aに挿入して操作することにより解錠されて前面枠1Bが開成可能となる。そして、前面枠1Bの開閉状態がドアスイッチ44により検出される。
スロットマシンの向かって左側にはカード処理装置76が設置されている。このカード処理装置76は、共通カードに記録されている記録情報により特定される遊技者所有の有価価値を使用してスロットマシン1によるゲームを可能にするためのものである。なお、共通カードとは、共通カードシステムに加盟している全国の遊技場において使用可能な第三者発行型のプリペイドカードのことである。遊技者がゲームを行なう場合には、まず共通カード販売機等により共通カードを購入し、使用可表示器77が点灯または点滅しているときに、その購入した共通カードを共通カード挿入・排出口79に挿入する。すると、挿入された共通カードの記録情報がカードリーダライタ78により読取られる。このカード処理装置76には、CPU,ROM,RAM等を内蔵するマイクロコンピュータ等からなるカード処理装置制御部80が設けられており、このカード処理装置制御部80によりカードリーダが制御される。そして、遊技者が貸出ボタン71を押圧操作すれば、その操作が貸出スイッチ72により検出され、その検出出力に基づいて所定枚数のコインがコイン払出口29からコイン貯留皿30内に払出される。その払出されたコインに相当する有価価値が、カード挿入・排出口79に挿入されている共通カードの記録情報によって特定される有価価値から減額される。そして、投入指示ランプ19が点灯または点滅しているときに、遊技者がそのコインをコイン投入口18から投入する。この投入指示ランプ19は、コインが3枚投入された時点(後述するボーナスゲームの中においては1枚投入された時点)で消灯する。遊技者がコインを投入してスタートレバー12を押圧操作すれば、可変表示装置90が可変開始されて各可変表示部5L〜5Rにより複数種類の識別情報が可変表示される。次に、遊技者が各ストップボタン9L,9C,9Rを押圧操作すれば、それに対応する各可変表示部5L,5C,5Rの可変表示が停止されるように構成されて
いる。なお、遊技者がいずれのストップボタン9L〜9Rをも押圧操作しなければ、所定の時間の経過により可変表示装置70が自動的に停止制御される。この可変表示装置90が可変開始されてから停止する1回の可変停止により1ゲームが終了し、可変停止時の表示結果が後述するように特定の識別情報になれば所定の遊技価値が付与可能となる。
後述するクレジットゲームではない通常のゲーム(コインゲーム)の場合において、遊技者が1枚のコインをコイン投入口18から投入してスタートレバー12を押圧操作すれば、可変表示部5L〜5Rにおける中段の横1列の有効ライン(当りライン)が有効となる。可変表示装置90の停止時に表示される識別情報が、この中段の横1列の有効ライン上において予め定められた特定の識別情報の組合せが成立した場合に、後述するビッグボーナスゲームやボーナスゲームの開始あるいは所定枚数のコインの払出し等の所定の遊技価値の付与が可能な状態となる。一方、遊技者がコインを2枚コイン投入口18に投入した状態でスタートレバー12を押圧操作すれば、可変表示部5L〜5Rにおける横3列の有効ラインが有効となり、可変表示装置90の停止時の表示結果がこの横3列の有効ラインのいずれかのライン上において特定の識別情報の組合せが成立した場合に、所定の遊技価値が付与可能な状態となる。さらに、遊技者が3枚のコインをコイン投入口18に投入した状態でスタートレバー12を押圧操作すれば、可変表示部5L〜5Rにおける横3列と斜め対角線上に2列の合計5本の有効ラインが有効となり、この5本の有効ラインにおけるいずれかのライン上において特定の識別情報の組合せが成立すれば、所定の遊技価値が付与可能な状態となる。すなわち、遊技者が1枚のコインを投入してスタートレバー12を押圧操作すればいわゆる1枚賭のゲームとなり、1本の有効ラインが有効となり、2枚のコインを投入してスタートレバー12を押圧操作すればいわゆる2枚賭のゲームとなり、3本の有効ラインが有効となり、3枚のコインを投入してスタートボタン12を押圧操作すれば、いわゆる3枚賭のゲームとなり5本の有効ラインすべてが有効となる。
本実施例におけるスロットマシン1は、いわゆるクレジットゲームもできるように構成されている。クレジットゲームとは、予め大量のコインを投入して有価価値として蓄積しておき、あるいは賞品として付与されるコインを有価価値として蓄積しておき、いちいちコインを投入することなくその予め蓄積されている有価価値を使用して遊技を行なうゲームである。遊技者はゲーム切替ボタン16を1回押圧操作することにより通常のゲームからクレジットゲームに切換えることができ、さらにこのゲーム切替ボタン16を再度押圧操作すればクレジットゲームから通常のゲームに切換えることができる。クレジットゲームの場合には、合計コイン50枚分の価値を予め記憶させておくことができ、クレジット操作ボタン14を1回押圧操作することにより前述した1枚賭のゲームとなり、クレジット操作ボタン14を2回押圧することにより前述した2枚賭のゲームとなり、クレジット操作ボタンを3回押圧操作することにより前述した3枚賭のゲームとなる。なお、それぞれの賭数に対応してクレジット操作ボタンを設け、1枚賭用クレジット操作ボタンを押圧することにより1枚賭のゲームとなり、2枚賭用クレジット操作ボタンを押圧することにより2枚賭のゲームとなり、3枚賭用クレジット操作ボタンを押圧することにより3枚賭のゲームができるように構成してもよい。コイン投入口18またはクレジット操作ボタン14とにより、前記1ゲームのゲーム結果に賭ける遊技者所有の有価価値の大きさに対応する数である賭数を入力するための賭数入力手段が構成されている。
図中21〜23は有効ライン表示ランプであり、前述した賭数に応じて有効となる有効ラインに対応する有効ライン表示ランプのみが点灯または点滅し、どの有効ラインが有効になっているかを遊技者が認識できるように構成されている。11L,11C,11Rはそれぞれに左操作有効ランプ,中操作有効ランプ,右操作有効ランプであり、それぞれに対応するストップボタン9L,9C,9Rの押圧操作を有効に受付ける状態になった旨を点灯または点滅表示するためのものである。なお、この操作有効の報知は、ランプ表示等に加えてあるいはそれに代えて、音により報知するようにしてもよい。また、ランプ等を
点滅状態から点灯状態に切換えたり、あるいは色を変えることで報知してもよい。図中25はゲーム回数・可変表示器であり、後述するビッグボーナスゲームカウンタやボーナスゲーム(レギュラーボーナスゲーム)カウンタの値を表示し、現在実行しているビッグボーナスゲームやボーナスゲームの回数を切換え表示し得るように構成されている。また、このゲーム回数・可変表示器25は、後述するようにビッグボーナスゲームの発生確率等可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となる確率を変動させるか否かを抽選表示するための可変表示を行なうものとしても利用される。たとえば、このゲーム回数・可変表示器25は、「00」〜「99」の10通りの可変表示が可能であり、「77」で2回確率変動制御を行ない、「33」で1回確率変動を行ない、その他の表示では確率変動を行なわないように制御する。また、図中70は貸出可表示器であり、カード挿入・排出口79に挿入された共通カードによって特定される遊技者所有の有価価値を使用してコインを貸出すことができるか否かを点灯または点滅表示するためのものである。75は残額表示器であり、カード挿入・排出口79により挿入された共通カードの記録情報に基づいて特定される遊技者所有の有価価値(残額)を表示するためのものである。73は返却ボタンであり、遊技者がこの返却ボタン73を押圧操作することによりその操作が返却スイッチ74より検出され、その検出信号に基づいてカード挿入・排出口79に挿入されている共通カードが遊技者側に排出されて返却される。26はクレジット表示器であり、クレジットゲーム時における記憶されている有価価値としてのコインの枚数を表示するためのものである。27は払出数表示器であり、入賞が成立した場合に付与されるコイン枚数を表示するためのものである。なお、クレジットゲームではない通常のゲームの場合には入賞が成立した場合には所定枚数(たとえば15枚)のコインがコイン払出口29から、コイン貯留皿30に払出され、クレジットゲームの場合には記憶上限(50枚)を越えない範囲内で付与されるコイン枚数が記憶される。なお、その記憶の上限(50枚)を越える場合にはその越えるコインがコイン貯留皿30内に払出される。
スロットマシン1の前面側における表示窓71の下方には前面パネル2が設けられている。また、後述するビッグボーナスゲームが終了してゲームオーバーとなった場合でかつ後述するゲームオーバー有りのモードになっている場合には、リセット操作を行なわない限り再びゲームの続行可能な状態にはならないのであり、そのリセット操作はリセット用鍵穴3bに所定のキーを挿入して反時計回り方向へ操作することにより行なわれる。このリセット用鍵穴3bの時計回り方向への操作がリセットスイッチ4により検出され、その検出出力に基づいてスロットマシン1がリセットされて再びゲームが可能となる。また、図中28はスピーカであり、入賞時やビッグボーナスゲーム時、ボーナスゲーム時における効果音の発生や異常時における警報音の発生等が行なわれる。また、スロットマシン1の前面側における表示窓71の上方には、遊技効果ランプ24が複数設けられており、ビッグボーナスゲームやボーナスゲームの発生時に点灯または点滅表示される。また、図中20はゲームオーバランプであり、スロットマシンが打止(ゲームオーバ)になったときに点灯または点滅表示される。前述したように、スタートレバー12の押圧操作以前に何枚コインがコイン投入口18から投入されたかあるいはクレジットゲームにおいてはクレジット操作ボタン14が何回押圧操作されたかによってスロットマシン1の1ゲームにおけるゲーム結果に対する賭数が決定されるのである。図中64は再ゲーム表示ランプであり、後述するように再ゲームが可能となった場合に点灯表示される。
図2は、スロットマシンの一部内部構造を示す全体背面図である。可変表示装置70は、複数(図面では3個)のリール6L,6C,6Rを有し、それぞれのリール6L,6C,6Rにはステッピングモータからなるリール駆動モータ7L,7C,7Rが設けられており、それぞれのリール駆動モータ7L〜7Rによりそれぞれのリール6L〜6Rが回転,停止するように構成されている。この各リール6L〜6Rの外周には、図3に示すような複数種類の図柄からなる識別情報が描かれている。そして、このリール外周に描かれていた識別情報が前記可変表示部5L〜5Rにより可変表示されるように構成されている。
図中8L,8C,8Rはリール位置検出センサであり、各リールの基準位置を検出するものであり、各リール6L〜6Rが1回転するたびに基準位置がこのリール位置検出センサ8L〜8Rにより検出されて検出出力が導出される。遊技者がストップボタン9L,9C,9Rを押圧操作すればその操作がストップスイッチ10L,10C,10Rにより検出される。遊技者がゲーム切替ボタン16を押圧操作すればその操作がゲーム切替スイッチ17により検出される。遊技者がスタートレバー12を押圧操作すればその操作がスタートスイッチ13により検出される。遊技者がクレジット操作ボタン14を押圧操作すればその操作がクレジットスイッチ15により検出される。遊技場の管理者等が所持する特定のキーを使用して確率設定用のキー操作が行なわれればキースイッチ43によりそれが検出され、その状態でドアスイッチ44(たとえばマイクロスイッチで構成されている)が能動化され、遊技場の管理者等がその能動化されたドアスイッチ44を操作することにより入賞確率を変更設定することが可能となるように構成されている。図中24は遊技効果ランプであり、25はゲーム回数表示器であり、26はクレジット表示器であり、27は払出数表示器であり、21〜23は有効ライン表示ランプである。なお、払出数表示器27は、後述するようにエラーが発生したときのエラー原因を特定するエラーコードも表示する。
コイン投入口18から投入されたコインはコイン径路31を通ってコインセレクタ32に誘導される。コインセレクタ32では、投入されたコインが有効なコインかまたは偽コイン等の不適正なコインかを判別し、不適正なコインである場合には流路切換ソレノイド33を励磁して流路を切換え、その不適正コインを返却径路34を通してコイン払出口29(図1参照)から返却する。一方、投入コインが適正なコインである場合にはその適正コインをコイン取込径路35側に誘導してそのコインをコイン貯留タンク37に取込んで貯留する。コイン取込径路35には賭数入力検出手段の一例の投入コインセンサ36が設けられており、このコイン取込径路35を通過するコインがこの投入コインセンサ36により検出される。一方、クレジットゲームではない通常ゲーム時において3枚を越えるコインが投入された場合またクレジットゲーム時においてクレジット数が50に達している場合には流路切換ソレノイド33が励磁されて流路が切換わりその4枚目以降の投入コインが返却径路34を通って返却される。
コインホッパー37が満タンとなり、それ以上コインを貯留できなくなった余剰コインは、余剰コイン誘導径路40を通って余剰コイン貯留タンク41に貯留される。この余剰コイン貯留タンク41には満タンセンサ42がが設けられており、この余剰コイン貯留タンク41が満タンになればそれが満タンセンサ42により検出されてその検出出力に基づいて満タンになった旨の報知等が行なわれるエラー処理が行なわれる。遊技場の係員はその満タンになった旨の報知に基づいて満タンになったスロットマシン1の余剰コイン貯留タンク41内のコインを回収する。
コインホッパー37の下方部分には、コイン払出モータ38が設けられており、このコイン払出モータ38が回転することによりコインホッパー37内のコインがコイン払出口29から1枚宛コイン貯留皿30内に排出される。その排出されるコインが払出コインセンサ39により検出され、所定枚数(たとえば15枚)の払出コインが検出された時点でコイン払出モータ38が停止制御される。なお、クレジットゲームの場合において、クレジット得点として記憶されているコイン枚数がその記憶の上限枚数(たとえば50枚)を越える場合には、その越えるコインがコイン払出モータ38によりコイン貯留皿30内に払出される。図中45はスロットマシンを制御する制御部であり、マイクロコンピュータ等を含む。なお、図中65は電源スイッチであり、これによりスロットマシン1の電源のON,OFFが可能となる。また、電源スイッチ65,キースイッチ43は、前面枠1Bを開成することにより前面側から操作可能に構成されている。図中、75は残額表示器、77は使用可表示器、78はカードリーダライタ、79はカード挿入・排出口、80はカ
ード処理装置制御部である。
図3は、左,中,右の各リールの外周に描かれた識別情報としての図柄(シンボルマーク)を示す展開図である。図3の左側に示した数字は図柄番号であり、0〜20の21個の図柄(シンボルマーク)が各リールの外周に付されている。図3の(a)は左リール6L(図2参照)の外周に描かれた図柄を示したものであり、(b)は中リール6Cの外周に描かれた図柄を示した図であり、(c)は右リール6Rの外周に描かれた図柄を示した図である。可変表示装置70の停止時の表示結果が賭数に応じた有効ライン(当りライン)上において「AAA」となればビッグボーナスゲームが開始されるとともにコインが15枚払出される。一方、有効な有効ライン上において「BBB」となればボーナスゲームが開始されるとともにコインが15枚払出される。さらに有効ライン上において「CCC」または「DDD」となれば小役の図柄の組合せが成立してコインが15枚払出される。有効ライン上において「EEE」となれば小役が成立してコインが8枚払出される。有効ライン上において左図柄と中図柄とが共に「F」となれば小役が成立して6枚のコインが払出される。また、有効ライン上において左図柄のみ「F」となれば小役が成立して3枚のコインが払出される。
さらに、ビッグボーナスゲーム中あるいはボーナスゲーム中ではない通常ゲーム中に、当りライン上に「G」すなわち「JAC」が3つ揃えば、再ゲームが成立して後述するようにコイン投入等を行なうことなくスタート操作を行なうのみで再度可変表示装置70が可変開始される。また、ビッグボーナスゲーム中にこの「G」が有効ライン上に3つ揃えばボーナスゲームの開始が行なわれる。また、ボーナスゲーム中にこの「G」が当りライン上に3つ揃えばボーナスゲーム中の入賞となりコインが15枚払出される。なお、ボーナスゲーム中に入賞が発生する有効な当りラインは可変表示部における中段の横一列のみである。また、賭数に応じた有効ラインが複数本存在する場合において前述したコインが払出される図柄の組合せが複数本の有効ライン上において同時に成立した場合には、各有効ライン上の図柄の組合せによって付与されるコイン枚数の合計枚数に相当するコインが付与されるのが原則である。しかし、1ゲームにおいて付与されるコインの上限が15枚と定められているために、15枚を超える場合にはその16枚目以降のコインが無効となる。
図4は、各リール6L,6C,6Rの側面図である。各リール6L,6C,6Rの外周は、各リール6L,6C,6Rの回転中心(リール駆動モータ7L,7C,7Rの駆動軸の軸心に相当する)を中心とした円周方向が所定中心角ごとに21の領域に分けられ、その各領域には、各領域を1つの図柄の範囲として図3に示される各図柄が描かれている。
図4に示される0〜20の数字は、図3に示される各図柄の図柄番号0〜20に相当するものであり、各図柄は、図4の破線にて示される位置をそのセンター位置として描かれている。図4の左側に示される円弧は、各可変表示部5L,5C,5Rの表示領域であり、図4から明らかなように、各可変表示部5L,5C,5Rには、縦方向に3つの図柄が表示される。
各リール6L,6C,6Rの円周方向の所定位置には、切欠きや突起等よりなるリール基準位置6La,6Ca,6Raが各々形成されており、そのリール基準位置よりも内周側には各リール基準位置6La,6Ca,6Raを検出するための各リール位置センサ8L,8C,8Rが設けられている。各リール位置センサ8L,8C,8Rはリール6L,6C,6Rが回転した場合、各リール基準位置6La,6Ca,6Raが通過するごとにそれらを検出する。
図5は、本発明のスロットマシンに用いられている制御回路を示すブロック図である。
制御回路は、制御中枢としての制御部(マイクロコンピュータを含む)45を含む。制御部45は、以下に述べるようなスロットマシン1の動作を制御する機能を有する。制御部45は、たとえば数チップのLSIで構成されており、その中には、制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU46とCPU46の動作プログラムを格納するROM47と、必要なデータの書込みおよび読出しができるRAM48とが含まれている。さらに、CPU46と外部回路との信号の整合性をとるためのI/Oポート49と、電源投入時等にCPU46にリセットパルスを与える初期リセット回路51と、CPU46にクロック信号を与えるクロック発生回路52と、クロック発生回路52からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にCPU46に与えるパルス分周回路(割込パルス発生回路)53と、CPU46からのアドレスデータをデコードするアドレスデコード回路54とを含む。
CPU46はパルス分周回路53から定期的に与えられる割込パルスに従って、割込制御ルーチンの動作を実行することが可能となる。また、アドレスデコード回路54はCPU46からのアドレスデータをデコードし、ROM47,RAM48,I/Oポート49,サウンドジェネレータ50にそれぞれチップセレクト信号を与える。
この実施例では、ROM47は、その内容の書換え、すなわち、必要が生じた場合にはその中に格納されたCPU46のためのプログラムを変更することができるように、プログラマブルROM47が用いられている。そして、CPU46は、ROM47内に格納されたプログラムに従って、かつ、以下に述べる各制御信号の入力に応答して、前述したリール駆動モータや各種表示ランプ等に対し制御信号を与える。
まず、遊技場の管理者等によってドアスイッチ44が操作された場合には、その操作信号がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に与えられる。所定のキーによりキースイッチ43がキー操作された場合には、その操作信号がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に入力される。このキースイッチにより、ゲームモードと確率設定モードの切換えが行なわれ、確率設定モードになっている場合には、ドアスイッチ44の検出出力に基づいて後述するように当りの確率が入力設定される。リセットスイッチ4が所定のキーにより操作された場合にはその操作信号がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に入力される。ゲーム切換ボタン16の押圧操作がゲーム切替スイッチ17により検出され、その検出信号がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に入力される。クレジット操作ボタン14の操作がクレジットスイッチ15により検出され、その検出出力がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に入力される。スタートレバー12の押圧操作がスタートスイッチ13により検出され、その検出出力がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に入力される。左ストップボタン9L,中ストップボタン9C,右ストップボタン9Rのそれぞれの検出信号が左ストップスイッチ10L,中ストップスイッチ10C,右ストップスイッチ10Rにより検出され、それぞれの検出信号がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に入力される。コイン投入口18から投入されたコインが投入コインセンサ36により検出され、その検出出力がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に入力される。コイン払出モータ38(図2参照)によりコインが払出された場合にはその払出コインが払出しコインセンサ39により検出されて、その検出出力がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に入力される。余剰コイン貯留タンク41が貯留コインにより満タンになれば満タンセンサ42によりその旨検出され、その検出出力がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に入力される。左リール6L,中リール6C,右リール6Rが回転してそれぞれのリールの基準位値(切欠き等が形成されている)が左リール位置センサ8L,中リール位置センサ8C,右リール位置センサ8Rより検出されれば、それぞれの検出信号がスイッチ・センサ回路55を介してI/Oポート49に入力される
。
制御部45は次の各種機器に対し制御信号を出力する。まず、モータ回路56を介して、左リール駆動モータ7L,中リール駆動モータ7C,右リール駆動モータ7Rにそれぞれリール駆動用制御信号(ステッピングモータ用のステップ信号)を出力する。モータ回路57を介してコイン払出モータ38にコイン払出用制御信号を出力する。ソレノイド回路58を介して流路切換ソレノイド33にソレノイド励磁用制御信号を出力する。LED回路59を介してゲーム回数表示器25,クレジット表示器26,払出数表示器27にそれぞれ表示用制御信号を出力する。ランプ回路60を介して遊技効果ランプ24,投入指示ランプ19,有効ライン表示ランプ21,22,23,左操作有効ランプ11L,中操作有効ランプ11C,右操作有効ランプ11R,ゲームオーバランプ20,再ゲーム表示ランプ64にそれぞれランプ制御用信号を出力する。サウンドジェネレータ50,アンプ61を介してスピーカ28に音発生用制御信号を出力する。
制御部45には、カード処理装置76に設けられているカード処理装置制御部80が電気的に接続されている。I/Oポート49から情報出力回路67を介してカード処理装置制御部80にコインの貸出が可能な状態になっているか否かを指定するためのコイン貸出モード信号が出力される。カード処理装置制御部80では、その信号を受けて、貸出可能なモードである場合には貸出可表示器70を点灯または点滅表示させる。遊技者が貸出ボタン71を押圧操作すれば、その操作信号が貸出スイッチ72からカード処理装置制御部80に入力され、カード処理装置制御部80からはコイン貸出指令信号が情報入力回路66を介してI/Oポート49に入力される。制御部45では、その信号を受けて、所定枚数のコインを払出すための制御信号をコイン払出モータ38に出力して所定枚数のコインを貸出す制御を行なう。所定枚数のコインが貸出されれば、I/Oポート49から情報出力回路67を介してカード処理装置制御部80に対し所定枚数のコインを貸出した旨のコイン貸出信号を出力する。共通カードが共通カード挿入・排出口79に挿入されてカードリーダライタ78により読取られれば、その読取データに基づいて特定される遊技者所有の有価価値(残額)を表示するための制御信号がカード処理装置制御部80から残額表示器75に出力される。さらに、カード処理装置制御部80と制御部45とが電気的に接続されていることを条件として、カード処理装置制御部80からカード処理装置接続信号が情報入力回路66を介してI/Oポート49に入力される。制御部45では、このカード処理装置接続信号の入力があることを条件としてゲームが能動化される。すなわち、このカード処理装置接続信号が入力されない場合には、各リール駆動モータ7L,7C,7Rを駆動制御しないようにしたり、貸出ボタン71が押圧操作されたとしてもコインを貸出さないようにしたりする等してゲームを不能動化する。なお、前述した各種機器や制御回路には電源回路62から所定の直流電流が供給される。また、RAM48にはバックアップ電源63から記憶保持のための電流が供給されるように構成されており、停電等により電源回路62からの電流の供給が行なわれなくなっても、確率設定値や遊技状態を所定期間記憶しておくことができるように構成されている。
図6ないし図9,図12ないし図17は、図5に示した制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
図6(a)は電源投入時に行なわれる処理プログラムである。スロットマシンの電源投入は、遊技場の営業開始時に行なわれる場合と、遊技場の営業中にたとえば停電等により一旦電源が立下がり再び停電が復旧した場合等のように営業中に行なわれる場合とが考えられる。図6において、まずステップS(以下単にSという)1において、リセットスイッチがONか否かの判断が行なわれる。このリセットスイッチ4はゲームオーバー(打止め)を機能するようにセットするか機能しないようにセットするかの選択設定に用いられるものであり、リセットスイッチ4がONになっていればS3よりゲームオーバー無のモ
ードに設定されてゲームオーバー(打止め)が機能しないように設定される。一方、リセットスイッチ4がOFFになっておればS2によりゲームオーバー有のモードにセットされてゲームオーバー(打止め)が機能するように設定される。なお、打止有無の選択を専用のスイッチで設定するようにしてもよい。次にS4に進み、キースイッチがONになっているか否かの判断が行なわれる。キースイッチ43がONの場合には確率設定モードでありキースイッチ43がOFFの場合にはゲームモードに設定されている状態であり、キースイッチがOFFの場合にはS5にすすみ、RAMが正常であるか否かの判断が行なわれ、正常である場合にはスロットマシンが電源遮断時の遊技状態に復帰する。つまり、図4に示したRAM48は、停電時等においてはバックアップ電源63によりバックアップされているために、後述するS33ないしS200のステップのうち、停電発生時点等の電源立下がり時点に実行していたプログラムのステップをこのRAM48が記憶しており、S5によりYESの判断がなされた場合にはその記憶している電源遮断時のステップにプログラム制御が復帰するのである。
一方、プログラムの暴走時等においては、S5によりNOの判断がなされてS6に進み、RAMが初期化されるとともに、入賞確率の設定値が初期化される。このS6による入賞確率の初期化は、たとえば設定値「3」となるように初期化される。設定値は、後述するように、一番低い確率である「1」から一番高い確率である「6」までの6段階用意されており、このS6による初期化により、ほぼ平均的な確率である「3」に初期化される。その結果、スロットマシンがプログラム暴走等により初期化された場合にはほぼ平均的な確率に設定されるために、プログラム暴走等を原因とした初期化を境にして入賞確率が極端に高い設定値に切替わったりまたは極端に低い設定値に切替わったりする極端な変化を防止できる利点がある。
一方、キースイッチ43がONすなわち確率設定モードに操作されている場合にはS7に進み、投入コイン流路を返却側に切替えて投入コインが返却されるように制御される。次にS8に進み、スタート操作があったか否かの判断が行なわれ、ない場合にはS10に進む。S10では、ドアスイッチ操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS13により現時点での確率の設定値をたとえば払出数表示器27で表示してS8に戻る。なお、専用の設定値表示器を設けてもよい。
このS8ないしS13の巡回途中で、遊技場の経営者や係員がドアスイッチ44(図1参照)を1回操作すれば、S10によりYESの判断がなされてS11に進み、確率の設定値が「1」歩進される。次にS12Aに進み、現時点での設定値が「7」であるか否かの判断がなされる。この確率の設定値の上限は「6」と定められているために、設定値が「7」になった場合にはS12Bに進み、設定値を再度「1」にする処理が行なわれS13に進む。一方、設定値が「7」になっていない場合には直接S13に進み、現時点での設定値の表示が行なわれる。遊技場の係員は、S13による確率の設定値の表示を見ながら所望の設定値になるようにドアスイッチ44を操作する。そして所望の設定値になれば、キースイッチ43をOFFに切替えてゲームモードに切替え、次にスタートレバー12(図1参照)を操作してスタートスイッチ13をONにすることによりS8によりYESの判断がなされる。その結果、既にキースイッチ43がOFFに切替えられているためにS14に進み、RAMの初期化,確率の設定値の確定,設定表示のクリアの処理がなされる。次に、S14Aにより、初期値としてコインの累積投入数と累積払出数とがそれぞれ「100」と「50」とに設定される。これにより、通常ゲーム時における小役の標準払出率が50/100×100%=50%となる。次にゲームスタート処理に移行する。
図6(b)はランダムカウンタ更新処理の割込プログラムを示すフローチャートである。この図6(b)に示す割込プログラムは前述したパルス分周回路53から定期的に入力されるパルス信号に基づいて行なわれるものであり、たとえば4msec毎に1回ずつ実
行される。まずS15により、ランダムカウンタの値Rを所定の数N加算更新する処理が行なわれる。次にS16に進み、ランダムカウンタの値Rが予め定められた最大値以上になったか否かの判断が行なわれ、未だに最大値以上になっていない場合にはS18に進み、1ゲームが終了したか否かの判断が行なわれる。この1ゲームは可変表示装置の停止時の表示結果コインが何ら払出されない場合にはその可変表示装置の停止時点で終了するがコインが払出される場合にはコインの払出しが終了した段階で1ゲームが終了する。1ゲームが終了していない場合にはそのまま割込プログラムが終了し、次回の割込待ちとなる。
一方、ランダムカウンタの値Rが最大値以上となっている場合にはS17に進み、ランダムカウンタの値Rをその最大値だけ減算更新する処理が行なわれた後にS18に進む。次に今回の割込プログラムが1ゲームが終了するタイミングで行なわれる場合にはS18によりYESの判断がなされてS19に進み、ランダムカウンタの値Rに基づきS15にて加算更新する値Nを変更する処理が行なわれる。この加算数Nは、予め設定されている複数種類の素数でかつ前記最大値をその素数で除した場合の商が整数にならないような素数の中から1つ選択されてS19により変更される。加算数Nはこのように設定することにより、ランダムカウンタの値Rが万遍なくあらゆる数値を取り得る状態となる。また、1ゲームが終了するごとにS19により加算数Nは他の素数に変更するために、ランダムカウンタの値Rがランダムの値となり、このランダムカウンタの値に基づいて後述する入賞か否かの決定を行なう場合にランダムな決定を行なうことができる利点がある。
図7(a)はエラーチェック処理を示す割込みプログラムのフローチャートである。まずS20Aによりカード処理装置76が接続されているか否かの判断がなされ、カード処理機接続信号が入力されていなければS20Bに進み、その旨のエラーを表わすエラーコード「CC」が払出表示器27に表示される。カード処理装置76が接続されていればS20Cに進み、払出すべきコインが欠乏したコイン切れ状態であるか否かの判断がなされる。コイン切れ状態でないと判断された場合にはS21に進み、投入コインが詰まったか否かの判断が行なわれる。投入コインが詰まっていない場合にはS22に進み、投入コインが余剰コイン貯留タンク41(図2参照)内で満タンとなったか否かの判断がなされ、満タンになっていない場合にはS23に進み、コインホッパー37(図2参照)から払出されるコインが詰まったか否かの判断がなされ、詰まっていない場合にはS24に進みエラー中であるか否かの判断がなされてエラー中でない場合には割込プログラムが終了する。
そして、払出したコインの枚数である払出数が1ゲームの終了の結果払出すべきコインの枚数である払出予定数に達しておらず、かつ、コイン払出モータ38が回転中にもかかわらず一定時間内にコインの払出が検出されない場合には、コイン切れと判定されてS20CによりYESの判断がなされ、S25により、エラーコード「HE」が払出数表示器27(図1参照)により表示される。一方、投入されたコインがコイン取込径路35内で詰まり、投入コインセンサ36(図2参照)が一定時間以上連続的にコインを検出している状態となった場合には、S22によりYESの判断がなされてS26によりエラーコード「CE」が表示される。また、余剰コイン貯留タンク41内に投入コインが満タンとなり満タンセンサ42(図2参照)が満タン検出すれば、S22によりYESの判断がなされてS27に進み、エラーコード「CO」が払出数表示器27により表示される。コインホッパー37から払出されるコインが詰まり払出コインセンサ39(図2参照)が一定時間以上連続的にコインを検出した状態となった場合には、S23によりYESの判断がなされてS28に進み、エラーコード「HJ」が払出数表示器27により表示される。後述するS85Hの判断の結果モータエラーが生じた場合にはS23AによりYESの判断がなされてS28Aに進み、エラーコード「EE」が払出数表示器27により表示される。さらに、前記S20ないしS23によりエラーである旨の判定がなされた後、後述するS
32によりそのエラーコードがクリアされるまでの期間中、S24によりYESの判断がなされてS29に進み、前記S25ないしS28Aのいずれかにより表示されているエラーコードの表示が引続き続行される。つまり、S29によるエラーコードの表示は、遊技場の係員によりエラー原因が取除かれた後においても、開成状態にある前面枠1Bが閉成されて後述するS32によりエラーコードがクリアされるまでは引続きエラーコードの表示が続行されるのである。
S25,S26,S27,S28,S28AあるいはS29の処理がなされた後に、S30に進み、スロットマシンのゲームを中断させ、エラー音をスピーカ28から発生させる処理が行なわれる。
スピーカ28からエラー音が発せられていることを遊技場の係員が聞きつければ、その遊技場の係員はスロットマシンのエラー原因を取除くべく、前面枠1Bを開成させ、さらに、払出数表示器27により表示されているエラーコードから発生しているエラー原因の種類を識別し、エラー原因の種類に応じた作業を行なって発生しているエラー原因を取除く。そして、その作業が終了した後に遊技場の係員は前面枠1Bを閉じる。すると、ドアスイッチ44が、前面枠1Bの閉じられたことを検出し、それに応じてS31によりYESの判断がなされる。その結果、制御はS32に進み、払出数表示器27により表示されるエラーコードがクリアされ、エラー音が停止され、中断発生時のゲーム状態からゲームが再開される。なお、前面材1Bを実際に閉成するのではなくドアスッチ44を指等で押圧操作することによりドアスイッチ44から検出出力を導出させてS31によりYESの判断を行なわせてもよい。
図7(b)および図8はゲームスタート処理を示すフローチャートである。S33により、流路切換ソレノイド33(図2参照)を制御して投入コインの流路を取込側に切換える処理が行なわれ、S34に進み、ゲーム切換操作があったか否かの判断が行なわれる。ゲーム切換操作がない場合にはS40に進むが、遊技者がゲーム切替ボタン16を押圧操作した場合にはS35に進み、今現在クレジットゲームモードになっているか否かの判断が行なわれ、なっていない場合にはS36によりクレジットゲームモードとする処理が行なわれる。一方、既にクレジットゲームモードになっている場合にはS37に進み、コインゲームモードにする処理が行なわれ、S38に進み、クレジットカウンタが「0」であるか否かの判断が行なわれる。このクレジットカウンタとは、クレジットゲーム時において賞品として付与されるコインの枚数や遊技者が投入したコイン枚数を計数して記憶しておくためのものであり、後述するS60,S179により「1」ずつ加算更新されるとともに、後述のS39,S56により「1」ずつ減算更新される。このクレジットカウンタが「0」の場合にはS40に進むが、「1」以上の場合にはS39に進み、コインを1枚払出すとともにクレジットカウンタを「1」減算更新する処理がなされてS38に戻る。このS39の処理をクレジットカウンタが「0」になるまで繰返して行ないクレジットカウンタのカウント値に相当する枚数だけのコインが払出し制御される。つまり、クレジットゲームモードとなっている状態で遊技者が切換え操作してコインゲームモードにした場合には、そのクレジットゲーム時において加算記憶されているクレジットカウンタの値に相当する枚数のコインを遊技者側に払出す必要があるため、このS39により払出し制御を行なうのである。一方、現時点でコインゲームモードになっている状態で遊技者がゲーム切替ボタンを押圧操作すればS36に進み、クレジットゲームモードに設定される。
次にS40に進み、スタート操作があったか否かの判断がなされ、未だにスタートレバー12(図1参照)が押圧操作されていない場合にはS41Aに進む。S41Aでは、コイン貸出指令信号があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS41Hに進む。一方、遊技者が貸出ボタン71を押圧操作すれば、貸出スイッチ72からその操作信号がカード処理装置制御部80に入力されてカード処理装置制御部80からスロットマシン1の制御
部45にコイン貸出指令信号が入力される。すると、制御はS41Bに進み、コイン貸出信号を制御部45からカード処理装置制御部80に出力するとともに、貸出数を「50」にセットする。一方、カード処理装置制御部80では、このコイン貸出信号を受けて、挿入されている共通カードの記録情報によって特定される遊技者所有の有価価値(残額)から1000円減額する。なお、本実施例では、コインの貸出単位を1000円としたが、貸出単位を100円とし、5枚払出す毎に100円ずつ減額するようにし、この処理を10回行なうことによって1000円ぶんのコインを貸出すようにしてもよい。このようにすれば、共通カードの残額に1000円未満の端数があっても、残額ぶん全部を貸出すことができるようになる。
次に、S41Cに進み、クレジットゲームモードになっているか否かの判断がなされ、クレジットゲームモードになっていない場合にはS41Fにより、コイン1枚を払出す制御を行なうとともに貸出数から「1」を減算する処理が行なわれてS41Gに進む。一方、遊技者がクレジット操作ボタン14を押圧操作してスロットマシン1を前述したクレジットゲーム状態に切換えておれば、S41CによりYESの判断がなされてS41Dに進み、クレジットカウンタが「50」になっているか否かの判断がなされる。クレジットカウンタとは、クレジットゲームを行なうために予め蓄えられている遊技者所有の有価価値(コイン枚数等)を計数するためのものであり、後述するS41D,S60により「1」ずつ加算され、S56により「1」ずつ減算される。そして、クレジットカウンタがその上限値である「50」になっている場合にはそれ以上クレジットカウンタに遊技者所有の有価価値を蓄えることができないために、S41Fに進み、コイン1枚払出制御が行なわれる。一方、クレジットカウンタがその上限値である「50」になっていない場合にはS41Eに進み、クレジットカウンタに「1」を加算するとともに貸出数を「1」減算処理する。
S41Gでは、貸出数が「0」であるか否かの判断がなされ、「0」になっていない場合にはS41Cに戻り、再びコインの払出かまたはクレジットカウンタへの加算処理を行なう。この処理を繰返すことによって、貸出数が「0」になればS41Hに進む。
次にS41Hでは、投入数カウンタが「3」であるか否かの判断が行なわれる。この投入数カウンタとは、1ゲームを行なうに際し遊技者がコイン投入口18から投入したコインの枚数あるいはクレジットゲーム中におけるクレジット操作ボタン14を遊技者が押圧操作した操作回数を計数して1ゲームにおけるゲーム結果に賭ける賭数を設定するためのものであり、後述するS57により「1」ずつ加算更新され、図示しないが、次のゲーム開始時にS33に関連してクリアされる。この投入数カウンタのカウント値に応じて賭数が入力設定され、その賭数すなわち投入数カウンタのカウント値が「1」の場合には有効となる有効ライン(当りライン)が1本に設定され、カウント値が「2」の場合には3本に設定され、カウント値が「3」の場合には5本に設定される。この投入数カウンタのカウント値の上限は「3]に設定されている。S41により投入数カウンタのカウント値がその上限である「3」になっていない場合にはS42に進み、ボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断が行なわれる。このボーナスゲームフラグとは、可変表示装置の停止時の表示結果に基づいてボーナスゲーム(レギュラーボーナスゲーム)が実際に開始される状態となった時にS162,S169によりセットされ、そのボーナスゲームが終了した場合にS188によりクリアされるものである。そして、ボーナスゲームフラグがセットされていない場合にはS47に進むが、セットされている場合にはS43に進み、投入数カウンタが「0」であるか否かの判断が行なわれ、「0」の場合にはS47に進み、「1」以上の場合にはS44に進む。つまり、ボーナスゲームの場合には、前述したように可変表示装置の組合せの有効ラインが1本のみ有効となるために、1枚賭のゲームしか認められず、そのために、投入数カウンタが「1」を越える値にならないように制御するのである。S44では、クレジットゲームモードになっているか否かの判断が行な
われ、クレジットゲームモードになっていない場合にはS46に進み、投入コイン流路を返却側に切換えてその後投入されたコインを返却する処理が行なわれた後にS40に進む。一方、クレジットゲームモードになっている場合にはS45に進み、クレジットカウンタが既にその上限値である「50」になっているか否かの判断が行なわれ、「50」になっている場合にはそれ以上クレジットカウンタの加算更新が行なえないためにS46に進み、投入されたコインを返却する処理が行なわれる。
S47では、コイン投入があったか否かの判断が行なわれ、あった場合にはS48に進み、投入数カウンタが既にその上限である「3」になっているか否かの判断が行なわれ、既に「3」になっている場合にはS60に進み、クレジットカウンタに「1」加算する処理が行なわれてS40に戻る。一方、投入数カウンタが「3」になっていない場合にはS49に進み、ボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断が行なわれ、ボーナスゲームフラグがセットされていない場合にはS57に進み、投入数カウンタのカウント値にまだ余裕があるためにそのカウント値に「1」を加算する処理が行なわれる。ボーナスゲームフラグがセットされている場合にはS50に進み、投入数カウンタが「0」であるか否かの判断が行なわれる。ボーナスゲームの場合には前述したように投入数カウンタの上限値が「1」となるために、投入数カウンタが「1」である場合にはS60に進み、クレジットカウンタに投入されたコインの枚数である「1」を加算する処理が行なわれるのである。次にS58に進み、前述したランダムカウンタ更新処理に従って加算更新されているランダムカウンタの値Rを呼出して格納する処理が行なわれる。このランダム値Rの格納は、前記S40によりスタート操作が行なわれた旨の判定がなされたときに行なうようにしてもよい。次にS59Aに進み、払出予定数と払出数を「0」にする処理が行なわれてS59Bに進む。払出予定数とは、可変表示装置の停止時の表示結果に基づいて入賞が決定された場合に、その入賞の種類に応じて遊技者に払出すコインの枚数のことであり、払出数とは、入賞に基づいて実際に払出されたコインの枚数のことである。
S59Bでは、投入数カウンタが「0」であるか否かの判断が行なわれ、「0」の場合にはS59Cに進み、前回の1ゲームを行なう際に投入されたコイン枚数に応じた有効ラインが点灯されてS40に戻る。一方、今回の1ゲームを行なうに際してコインが投入されておれば、投入数カウンタが「0」でないためにS59Dに進み、投入数カウンタに応じた有効ラインの表示が行なわれてS40に戻る。この有効ラインの表示は、投入数カウンタの値が「1」である場合には中央の横1列を表示する有効ライン表示ランプ21のみが点灯され、投入数カウンタが「2」の場合には横3列の有効ラインが表示する有効ライン表示ランプ21,22が点灯され、投入数カウンタが「3」の場合には横3列および斜め対角線上に2列の5本の有効ラインを表示する有効ライン表示ランプ21〜23のすべてが点灯表示される。
次に、S47によりコインの投入がないと判断された場合にはS51に進み、クレジットカウンタが「0」であるか否かの判断が行なわれ、「0」でない場合にはS52に進み、クレジット操作があったか否かの判断が行なわれ、クレジット操作がない場合にはS59Bに進む。一方、クレジットカウンタが「0」の場合にはS52による判断を行なうことなく直接S59Bに進む。これは、クレジットカウンタが「0」の場合にはいくら遊技者がクレジット操作ボタン14を押圧操作してクレジット操作を行なったとしても、そのクレジットカウンタのカウント値を使用してのゲームを行なうことができないために、クレジット操作があったか否かという判断を行うこと自体無駄となるためである。次にクレジット操作があった場合にはS53に進み、投入数カウンタが「3」になっているか否かの判断が行なわれ、既にその上限値である「3」になっている場合にはクレジット操作を無視してS59Bに進む。一方、「3」になっていない場合にはS54に進み、ボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断が行なわれ、ボーナスゲームフラグがセットされている場合にはS55に進み、投入数カウンタが「0」であるか否かの判断が行な
われ、投入数カウンタがボーナスゲーム時における上限値である「1」になっている場合にはクレジット操作を無視してS59Bに進む。一方、投入数カウンタが「0」の場合またはボーナスゲームフラグがセットされていない場合にはS56に進み、クレジットカウンタを「1」減算更新した後にS57に進み、投入数カウンタに「1」を加算する処理が行なわれる。
以上説明したように、1ゲームにおけるゲーム結果に賭ける賭数を入力設定するべく遊技者がコインをコイン投入口18から投入するごとにS58によりランダムカウンタのランダム値Rが読出される。そして、遊技者がコインを1枚だけコイン投入口18に投入して1ゲームをスタートさせた場合には、その1枚の投入コインに基づいて読出されたランダム値Rが格納されてそのランダム値Rを利用して可変表示装置の可変停止時の価値付与内容が事前決定される。一方、遊技者がコイン投入口18から2枚コインを投入すれば、1枚目のコインの投入に基づいて読出されたランダム値Rが消去されて2枚目のコインの投入に基づいて読出されたランダム値Rに更新され、その更新されたランダム値Rが格納される。そして遊技者がスタート操作すれば、その格納されたランダム値Rを利用して可変表示装置の可変停止時の価値付与内容が事前決定される。さらに、遊技者がコイン投入口18から3枚のコインを投入すれば、1枚目のコインの投入に基づいて読出されたランダム値Rが2枚目のコインの投入に基づいて読出されたランダム値Rに更新され、その更新されたランダム値Rがさらに3枚目のコインの投入に基づいて読出されたランダム値Rに更新され、その最終的に更新されたランダム値Rが格納されて可変表示装置の可変停止時の価値付与内容の事前決定に利用される。なお、ランダム値Rの抽出をスタート操作により行なうようにしてもよい。一方、クレジットゲーム時において遊技者が賭数を設定入力するべくクレジット操作ボタン14を押圧操作するごとに3回を限度としてS58によりランダムカウンタのランダム値Rが読出されて格納される。このランダム値Rの格納も、前述と同様に、ランダム値Rが2回読出されれば、1回目に読出されたランダム値Rが2回目に読出されたランダム値Rに更新されて格納され、ランダム値Rが3回読出されれば、2回目に読出されたランダム値Rがその3回目に読出されたランダム値Rに更新されて最後のランダム値Rが格納されることになる。
次に、遊技者がスタートレバー12を押圧操作すればS40によりYESの判断がなされてS61に進み、投入数カウンタが「0」であるか否かの判断がなされ、「0」の場合にはS41に進むが、「1」以上の場合にはS62に進み、流路切換ソレノイド33を制御して投入コイン流路を返却側に切換え、以降のリール回転制御に移行する。このS62の処理の結果、それ以降投入されたコインはコイン貯留皿30内に返却されることになる。
図9および図12は、リール回転処理のプログラムを示すフローチャートである。まずS63より1ゲームタイマが終了しているか否かの判断が行なわれる。この1ゲームタイマとは、1ゲームが開始されてから終了するまで最低限経過しておかなければならない時間(たとえば4.1秒)を計時するためのものであり、S65によりセットされる。なお、1ゲームタイマにセットする時間を賭数に応じて変化させ、賭数が1枚賭、2枚賭の場合には、3枚賭の場合よりも短い時間をセットするようにしてもよい。1ゲームタイマが終了していない場合にはS64に進み、タイマ終了待ち音がスピーカ28から発生されて1ゲームタイマが終了していない旨を遊技者に報知する。一方、1ゲームタイマが終了すれば、S65に進み、1ゲームタイマが新たにセットされ、操作無効タイマがセットされ、全リールの回転が開始される。この操作無効タイマとは、前述したように、ストップボタン9L,9C,9Rを操作してもその操作を無効とする時間を計時するためのタイマである。
次にS66に進み、格納されているランダム値Rを用いて所定の演算を行なう処理がな
される。その所定の演算とは、ランダム値Rに対し所定の値を加算したり減算したり乗じたり除したりあるいはランダム値Rを二乗または三乗したり、あるいは所定の関数にランダム値Rを代入して答えを算出したりする演算である。次にS67に進み、その演算結果を、投入数・設定値・確率変動カウンタ・小役判定モードに応じた当選許容値と比較する処理が行なわれる。
この当選許容値は、たとえば図10(c),(d)や図11に示されているように、ビッグボーナスゲーム(BB)当選許容値,レギュラーボーナスゲーム(RB)当選許容値,再ゲーム当選許容値,小役当選許容値の4種類から構成されている。この各当選許容値は、テーブルの形でROM47に記憶されている。図10(c)に示された当選許容値は、3枚賭で小役判定モードが「通常時」で確率変動カウンタが「0」で確率設定値が「4」の場合を示している。この小役判定モードは、スロットマシン1による遊技者への価値付与状況が予め定められた標準値と比較して、その標準値よりも高い場合は「通常時」に設定され、標準値よりも低い場合は「高確率時」に設定されるものであり、標準値に従って小役発生確率をフィードバック制御するために用いられるものである。また、「ビッグボーナス時」には、高確率で小役が発生するように制御される。確率変動カウンタとは、ビッグボーナスゲームの発生確率を何回向上させるかを記憶しておくためのものであり、後述するS195Nにより「2」となり、S195Pにより「1」となる。そして、確率を向上させない場合には「0」が記憶された状態となっている。「確率設定値」とは、前述したキースイッチの操作に従って設定された値のことである(S9〜S13参照)。
図10(c)に示すように、S66による演算値が、ビッグボーナス当選許容値b0未
満の場合にはビッグボーナスゲーム当選に該当し、b0以上でレギュラーボーナスゲーム
当選許容値b1未満の場合にはレギュラーボーナスゲームに該当し、b1以上で再ゲーム当選許容値b2未満の場合には再ゲーム当選に該当し、b2以上で15枚小役当選許容値b3
未満の場合にはコインを15枚払出す小役当選に該当し、b3以上で8枚小役当選許容値
b4未満の場合にはコインを8枚払出す小役当選に該当し、b4以上で6枚小役当選許容値b5未満の場合にはコインを6枚払出す小役当選に該当し、b5以上で3枚小役当選許容値b6未満の場合にはコインを3枚払出す小役当選に該当し、b6以上の場合にははずれに該当する。なお、図10(c)に示す、A34,B34,C31,D31,E31,F31,G11は、図10(a),(b)に示された値である。また、RMAXは、ランダム値Rを用いた演算結
果がとり得る上限値である。
図10(a)の一番左の列に示された数字1〜6は、確率設定値を示し、一番上の行に示された1,2,3の数字は、コインの投入枚数すなわち賭数を示し、BBはビッグボーナスゲーム、RBはレギュラーボーナスゲームを示す。また、「通常時」はビッグボーナスゲームの発生確率が通常状態のときを示し、「変動時」は、ビッグボーナスゲームの発生確率が向上した場合を示している。図10(b)の一番上の行に示された1,2,3はコインの投入枚数すなわち賭数を示し、その下の行に示された「通常」,「高確率」,「BB」は、小役判定モードが通常時か高確率かビッグボーナス時かを示している。
図10(c)の場合は、3枚賭で、小役判定モードが通常時で、確率変動カウンタの値が「0」で、確率設定が「4」である場合であるために、図10(a)の設定「4」で投入数が「3」でビッグボーナスゲームの発生確率が「通常時」に該当する欄に記載された数値、すなわち、ビッグボーナスゲーム当選許容値としてA34が、レギュラーボーナスゲーム当選許容値としてB34が用いられる。また、図10(b)において、投入数が「3」で小役判定モードが通常時の欄に記載された数値、すなわち、15枚のコインを払出す小役当選許容値としてC31、8枚のコインを払出す小役当選許容値としてD31、6枚のコインを払出す小役当選許容値としてE31、3枚のコインを払出す小役当選許容値としてF31、再ゲーム当選許容値としてG11が用いられる。なお、この図10(a),(b)に示さ
れたデータは、テーブルの形でROM47に記憶されている。
図10(d)は、3枚賭で、小役判定モードが「高確率時」で、確率変動カウンタの値が「0」で、確率設定値が「4」の場合を示している。この場合には、図10(a),(b)に従えば、ビッグボーナスゲーム当選許容値b0=A34、レギュラーボーナスゲーム
当選許容値b1=b0+B34、再ゲーム当選許容値b2 =b1 +G11、コイン15枚を払出す小役当選許容値b3=b2+C32、コイン8枚を払出す小役当選許容値b4=b3+D32、コイン6枚を払出す小役当選許容値b5=b4+E32、コイン3枚を払出す小役当選許容値b6=b5+F32となる。
図11(a)は、3枚賭、小役判定モードが「通常時」、確率変動カウンタの値が「0」以外の場合で、確率設定値が「4」の場合を示している。この場合には、図10(a),(b)に従えば、ビッグボーナスゲーム当選許容値b0=A44、レギュラーボーナスゲ
ーム当選許容値b1=b0+B34、再ゲーム当選許容値b2=b1+G11、コイン15枚を払出す小役当選許容値b3=b2+C31、コイン8枚を払出す小役当選許容値b4=b3+D31、コイン6枚を払出す小役当選許容値b5 =b4+E31、コイン3枚を払出す小役当選許
容値b6=b5+F31となる。
図11(b)は、3枚賭で、小役判定モードが「高確率時」で、確率変動カウンタの値が「0」以外の場合で、確率設定値が「4」の場合が示されており、図10(a),(b)の表に従って、図11(b)に示すように、各当選許容値が定められている。図11(c)は、3枚賭で、小役判定モードが「高確率時」で、ビッグボーナスゲーム当選フラグセット中あるいはレギュラーボーナスゲーム当選フラグセット中の場合が示されている。この場合には、ビッグボーナスゲーム当選許容値とレギュラーボーナス当選許容値とが存在しない。図11(d)は、3枚賭で、小役判定モードが「ビッグボーナス時」の場合が示されている。この場合はビッグボーナス当選許容値と再ゲーム当選許容値とが存在しない。また、この場合のボーナスゲーム当選許容値は、図10(b)の一番下の行の数値が用いられる。
以上のように構成することにより、小役判定モードが「通常時」よりも「高確率時」の方が、小役発生確率が高くなり、さらに、小役判定モードが「ビッグボーナス時」の場合にはさらに小役発生確率が高くなるとともにボーナスゲーム発生確率も高くなる。また、1枚賭よりも2枚賭、2枚賭よりも3枚賭の方がビッグボーナスゲーム発生確率,ボーナスゲーム発生確率,小役発生確率,再ゲーム発生確率が高くなる。また、確率変動カウンタの値が「0」のときよりも「0」以外のときの方が、ビッグボーナスゲームの発生確率が高くなる。なお、図10(a)にも示されているように、この実施例では、確率変動カウンタの値が「0」でなくビッグボーナスゲーム発生確率が向上する場合は、コイン投入数が3枚すなわち3枚賭の場合に限定される。この図10(a),(b)に示したデータを適当な値に設定することにより、小役払出率すなわち(各小役当選確率×コイン払出枚数)/コイン投入数×100%を適当な値にすることができる。たとえば、小役判定モードが「通常時」のときには50%、「高確率時」のときには100%、「ビッグボーナス時」のときには150%、等のように設定する。
次にS68に進み、ボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断が行なわれ、ボーナスゲームフラグがセットされていない場合にはS71に進み、ビッグボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断が行なわれ、ビッグボーナスゲームフラグがセットされていない場合にはS74に進む。S74では、リール回転音をスピーカ28から発生させ、次にS75に進み、ビッグボーナス当選フラグあるいはボーナス当選フラグがセットされているか否かの判断が行なわれ、既にセットされている場合にはS81に進むが、セットされていない場合にはS76に進む。
S76では、前記S67による比較結果、ランダム値Rを用いた演算結果がビッグボーナス当選許容値に含まれているか否かすなわち0≦演算結果<b0であるか否かの判断が
なされ、含まれている場合にはS77に進み、ビッグボーナス当選フラグがセットされてS80に進む。一方、前記S67による比較結果、ランダム値Rを用いた演算結果がビッグボーナス当選許容値ではないがボーナス当選許容値に含まれている場合(b0≦演算結
果<b1)には、S78によりYESの判断がなされてS79に進み、ボーナス当選フラ
グがセットされてS80に進む。S80では、遊技効果ランプ24(図1参照)を点灯開始させる処理がなされ、次にS85に進む。S80の処理により、ビッグボーナスあるいはボーナス当選した旨の報知が行なわれる。なお、S80による遊技効果ランプ24の点灯に代えて、専用の表示器を設けてビッグボーナス当選あるいはボーナス当選が生じた旨を報知するようにしてもよく、また、スピーカ28から所定の音を発生させて報知するようにしてもよい。このS80の処理の結果、遊技者がビッグボーナス当選あるいはボーナス当選したことを認識する状態となるが、後述するように、可変表示状態の停止制御中にリーチ状態となったとしてもビッグボーナス当選あるいはボーナス当選していない限りリーチ音の発生が行なわれないために(S108〜S110)、ビッグボーナスゲームあるいはボーナスゲームとなる可能性がないにもかかわらずリーチ状態の報知が行なわれることによる遊技者の不快感を防止得る。
S78によりNOの判断がなされた場合にS81に進み、S67の比較結果、ランダム値Rを用いた演算結果が再ゲーム当選許容値に含まれているか否かの判断がなされ、含まれていない場合にはS83に進むが、含まれている場合(b1≦演算結果<b2)にはS82に進み、再ゲーム当選フラグがセットされてS85に進む。このS82による再ゲーム当選フラグのセットにより、後述するように、コインを投入することなくスタート操作により自動的に可変表示装置が可変開始されて再ゲームできるように制御される。S83では、S67の比較結果、ランダム値Rを用いた演算結果が各小役当選許容値に含まれているか否かの判断がなされ、含まれていない場合にはそのままS85に進むが、含まれている場合(b2≦演算結果<b3,b4,b5,b6)にはS84に進み、含まれている小役の
種類に相当する当選フラグがセットされてS85に進む。
次に、ボーナスゲームフラグがセットされている場合にはS68によりYESの判断がなされてS69に進み、S67の比較結果、ランダム値Rの演算結果がJAC入賞許容値に含まれているか否かの判断がなされる。つまり、S68によりYESの判断がなされるということはスロットマシンのゲーム状態がボーナスゲーム中であるということであり、ボーナスゲーム中の可変表示装置の可変停止時の表示結果が「JAC」の停止図柄となった場合には前述したように、ボーナスゲーム中における入賞が発生してコインが15枚払出可能となるのであり、S69により、ボーナスゲーム中における入賞を発生させるか否かを判定しているのである。そして、S69によりNOの判断がなされた場合にはそのままS85に進むが、YESの判断がなされた場合にはS70に進み、JAC入賞フラグがセットされる。その結果、後述するように、ボーナスゲーム中における入賞を発生させる制御がなされる。
一方、ボーナスゲームフラグではなくビッグボーナスゲームフラグがセットされている場合にはS71によりYESの判断がなされてS72に進み、S67による比較結果、ランダム値Rを用いた演算結果がボーナスゲーム許容値に含まれているか否かの判断がなされる。スロットマシンのゲーム状態がビッグボーナス中において、可変表示装置の可変停止時の表示結果が「JAC」の停止図柄の組合せになった場合には、前述したようにビッグボーナスゲーム中におけるボーナスゲームが開始されるのであり、そのために、S72により、ビッグボーナスゲーム中におけるボーナスゲームを発生させるか否かの判定が行なわれるのである。そして、S72によりNOの判断がなされた場合にはS83に進むが
、YESの判断がなされた場合にはS73に進み、JAC入賞フラグがセットされてS85に進む。
次にS85では、操作無効タイマが終了したか否かの判断がなされ、終了するまで待機する。なお、この操作無効タイマにセットされる時間はS68〜S84の処理を行なうのに必要な時間以上の長さの時間(たとえば1秒)である。そして操作無効タイマが終了すればS86に進み、リール停止タイマをセットし、操作有効ランプ11L,11C,11R(図1参照)を点灯する制御が行なわれる。
次に、S85Aでは、左リール基準位置が検出されたか否かの判断がなされ、検出されない場合にはS85Cに進み、中リール基準位置が検出されたか否かの判断がなされ、検出されない場合にはS85Eに進み、右リール基準位置が検出されたか否かの判断がなされ、検出されない場合にはS85Gに進み、左,中,右基準位置検出フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS85Hに進み、操作無効タイマが終了したか否かの判断がなされ、終了していない場合にはS85Aに戻る。このS85AないしS85Hのループの巡回途中で、左リール基準位置6Laが左リール位置センサ8Lにより検出されれば、S85Bに進み、左基準位置検出フラグがセットされる。また、中リール基準位置6Caが中リール位置センサ8Cにより検出されれば、S85Dに進み、中基準位置検出フラグがセットされる。また、右リール基準位置6Raが右リール位置センサ8Rにより検出されれば、S85Fに進み、右基準位置検出フラグがセットされる。そして、左,中,右のすべての基準位置検出フラグがセットされれば、S85GによりYESの判断がなされてS85Iに進む。一方、左,中,右のリール基準位置が検出されることなく前記S65によりセットされた操作無効タイマが終了した場合には、リールが回転されていないかまたはリール位置センサが故障していることが想定されるために、モータエラーとなりエラー発生時の動作に移行する。
S85Iでは、操作無効タイマが終了するまで待機し、終了した段階でS86に進み、リールのストップ操作が有効化される。このように、各リールの基準位置が検出された後操作無効タイマが終了してからストップ操作が有効化される。また、S85Iの代わりに、S85Jのように、リールを回転するステッピングモータの送りステップ数が所定値になったか否かを判断し、なるまで待機し、なった段階でS86に進むようにしてもよい。S86では、リール停止タイマがセットされ、操作有効ランプ11L,11C,11R(図1参照)を点灯する制御が行なわれる。リール停止タイマとは、遊技者がストップボタン9L〜9Rをまったく操作しなかった場合に所定時間を計時してリールを自動的に停止させるためのタイマである。次にS87に進み、全リールが停止したか否かの判断がなされ、未だに停止していない場合にはS88に進み、リール停止タイマが終了したか否かの判断がなされる。リール停止タイマが終了したと判断されればS95に進み、左,中,右リールの停止フラグがセットされてS96に進む。一方、リール停止タイマが終了していない場合にはS89に進み、左リール停止操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS91により中リール停止操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS93により右リール停止操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS96に進む。一方、遊技者が左停止ボタン9Lを押圧操作すればS89によりYESの判断がなされてS90に進み、左リール停止フラグがセットされて左リールが停止制御される。次に遊技者が中停止ボタン9Cを押圧操作すればS91によりYESの判断がなされてS92に進み、中リール停止フラグがセットされて中リールが停止制御される。遊技者が右停止ボタン9Rを押圧操作すればS93によりYESの判断がなされてS94に進み、右リール停止フラグがセットされて右リールが停止制御される。次に、遊技者が各停止ボタン9L,9C,9Rの2つ以上を同時に押圧操作した場合を説明する。たとえば、遊技者が左停止ボタン9Lと中停止ボタン9Cとを同時に押圧操作した場合には、まずS89によりYESの判断がなされてS90に進み左停止フラグがセットされて後述するように左リールが停
止制御されるとともにS91によりYESの判断がなされてS92に進み、中リール停止フラグがセットされて後述するように中リールが停止制御される。このように遊技者が複数の停止ボタンを同時に押圧操作したとしても、その押圧操作された停止ボタンに相当するリールが停止制御されるのであり、いずれか一方のボタンの停止操作が無効にされてしまう不都合がない。これは、停止ボタン9L、9C、9Lの3つを同時に押圧操作した場合も同様である。
次にS96により左リール停止フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS100により中リール停止フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS104により右リール停止フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS108に進む。左リール停止フラグがセットされている場合にはS97に進み、左リールが回転中であるか否かの判断がなされ、回転中である場合にはS98によりリール停止制御が行なわれた後にS99に進み、左リール停止フラグがクリアされる。一方既に左リールが停止している場合にはS97によりNOの判断がなされて直接S99に進む。中リールおよび右リールについても左リールで説明したS96ないしS99と同様の処理が行なわれるために、ここでは説明の繰返しを省略する。次に、すべてのリールが停止した段階でS87によりYESの判断がなされて図16に示す入賞判定の処理に移行する。
一方、S104によりNOの判断がなされた場合にはS108に進み、停止しているいずれか2つのリールにより表示されている図柄がリーチ状態の図柄になっているか否かの判断がなされる。リーチ状態とは、複数の可変表示部5L,5C,5Rのうちのいずれか1つがまだ可変表示している段階で、既に停止している可変表示部の表示結果が、「AAA」,「BBB」等の特定の識別情報の組合せとなる条件を満たす所定表示状態となっている場合を意味する。そして、S108によりリーチ状態でないと判断された場合にはS87に進むが、リーチ状態であると判断された場合にはS109に進み、ビッグボーナス当選フラグまたはボーナス当選フラグがセットされているか否かの判断がなされ、いずれもセットされていない場合にはS87に進むが、いずれかがセットされている場合にはS110に進み、リーチ音をスピーカ28から発生させた後にS87に進む。このリーチ音が発せられることにより、遊技者が現在可変表示している可変表示部の停止時の表示結果次第で前記特定の識別情報の組合せが成立するかもしれないという遊技者の期待感を効果的に盛り上げることができる。なお、スピーカ28からリーチ音を発生させることに加えてあるいはそれに代えてリーチ状態が発生した旨の表示を行なうようにしてもよい。また、ビッグボーナス当選フラグセット時にのみリーチ時の報知を行なうようにしてもよいし、どちらかの当選フラグがセットされている方のリーチ時にのみ報知を行なうようにしてもよい。
図13ないし図15は、S98、S102、S106により定義されたリール停止制御の具体的内容を示すフローチャートである。まずS111により、現在の図柄番号を確認する処理が行なわれる。この図柄番号は前述したように0〜20(図3参照)の21個あり、リール駆動モータ(ステッピングモータ)7L、7C、7Rの送りステップ数とリール位置センサ8L、8C、8Rの基準位置検出信号とに基づいて確認される。次にS112によりボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断がなされる。ボーナスゲームフラグがセットされている場合にはS113に進み、他の2つのリールが停止しているか否かの判断が行なわれる。他の2つのリールとは、現時点で停止制御を行なわんとしているリール以外のリールを意味する。そして、他の2つのリールがまだ停止していない段階ではS120に進み、S111により確認した現在の図柄番号から4図柄先以内にあるJAC図柄を有効となっている有効ライン上に停止させる制御が行なわれ、S152に進む。スロットマシンの場合には、停止制御の仕方が不自然にならないようにするために遊技者がストップボタン9L,9C,9Rを押圧操作してから0.2秒程度のある限られ
た非常に短い所定時間内に対応するリールを停止させなければならず、その非常に短い所定時間内にリールが回転できる回転角度が4図柄分程度となっている。ゆえに、ストップボタンが押圧操作されてから4図柄以上先にあるJAC図柄を有効な有効ライン上に停止制御させることは不可能であるために、S120により、4図柄先以内にJAC図柄がある場合にJAC図柄を有効ライン上に停止制御させるのである。なお、図3に示すように、現在の図柄番号がJAC図柄でない場合において、その現在の図柄番号から4図柄先の範囲内に必ずJAC図柄が存在するように図柄配列が構成されている。このように現在停止せんとするリールが最後のリールでない場合にはJAC入賞フラグがセットされているか否かにかかわらず有効となっている有効ライン上にJAC図柄を停止させるように制御されるのであり、これにより遊技者は期待を持って以降のリールの停止を注視するようになる。次にS152に進み、操作有効ランプ11L,11C,11Rのうち停止されたリールに対応する操作有効ランプを消灯するとともにリール停止音をスピーカ28から発する制御が行なわれ、S99,S103あるいはS107のいずれかにリターンする。
ボーナスゲームフラグがセットされかつ他の2つのリールが停止しいる場合には、S104に進み、JAC入賞フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされている場合にのみS120に進み、セットされていない場合にはS115に進む。S115では、現在の図柄番号から4図柄先以内にあるJAC図柄を有効となっている有効ライン上から外して停止し、その後S152に進む。つまり、JAC入賞フラグがセットされていないために、有効となっている有効ライン上にJAC図柄の組合せを成立させる訳にはいかず、ゆえにJAC図柄を有効となっている有効ラインから強制的にずらして停止させるのである。
次に、ボーナスゲームフラグがセットされていない場合にはS116に進み、ビッグボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断が行なわれ、ビッグボーナスゲームフラグがセットされている場合にはS117に進み、JAC入賞フラグがセットされているか否かの判断がなされ、JAC入賞フラグがセットされている場合にはS118に進み、他のリールが停止しているか否かの判断がなされる。そして他のリールが停止していない段階では前記S120に進み、前述と同様にJAC図柄を有効となっている有効ライン上に停止させる制御が行なわれる。一方、他のリールが既に停止している場合にはS119に進み、現在の図柄番号から4図柄先以内にあるJAC図柄を停止しているリールのJAC図柄の有効ライン上に停止させ、有効となっている有効ライン上にJAC図柄の組合せが成立するように停止制御し、その後S152に進む。
一方、ビッグボーナスゲームフラグがセットされていない場合およびJAC入賞フラグがセットされていない場合にはS121に進み、再ゲーム当選フラグがセットされているか否かの判断が行なわれる。再ゲーム当選フラグがセットされている場合にはS122に進み、他のリールが停止しているか否かの判断がなされ、他のリールがまだ停止していない場合にはS123に進み、現在の図柄番号から4図柄先以内にあるJAC図柄を停止しているJAC図柄の有効ライン上に揃えて停止させる制御がなされてS152に進む。一方、他のリールが停止している場合にS124に進み、現在の図柄番号から4図柄先内にあるJAC図柄を停止しているJAC図柄の有効ライン上に揃えて停止させる制御がなされてS152に進む。
一方、再ゲーム当選フラグがセットされていない場合にはS125に進み、ビッグボーナス当選フラグがセットされているか否かの判断が行なわれる。ビッグボーナス当選フラグがセットされている場合にはS126に進み、他のリールが停止しているか否かの判断がなされ、他のリールがまだ停止していない場合にはS127に進み、現在の図柄番号から4図柄先以内にビッグボーナス図柄(本実施例ではA)があるか否かの判断がなされ、ある場合にはS128によりビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させた後S152
に進む。一方、現在の図柄番号から4図柄先以内にビッグボーナス図柄がない場合にはその回のゲームにおけるビッグボーナスゲームの開始を諦めてS139に進む。なお、S127によりNOの判断がなされた場合においても、ビッグボーナス当選フラグは引続きセットされたままの状態であるために次回のゲームにおいて再度ビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させんとする制御が試みられ、実際にビッグボーナス図柄が有効ライン上に停止するまでその試みが繰返し実行される。
次に、S126により他のリールが停止していると判断された場合にはS129に進み、有効ライン上にビッグボーナス図柄があるか否かの判断がなされ、ある場合にはS130に進み、停止しているビッグボーナス図柄の有効ライン上に停止できるビッグボーナス図柄が現在の図柄番号から4図柄先以内にあるか否かの判断がなされ、ある場合にS131に進み、ビッグボーナス図柄を停止しているリールのビッグボーナス図柄の有効ライン上に停止させる制御が行なわれる。一方、S130により、停止しているビッグボーナス図柄の有効ライン上に停止できるビッグボーナス図柄が4図柄先以内にないと判断された場合には、前述と同様にその回のビッグボーナスゲームの開始を諦めてS139に進み、次回のゲームにおいて再度ビッグボーナスゲームの開始が行なわれるような可変表示装置の停止制御が試みられる。
ビッグボーナス当選フラグがセットされていない場合にはS132に進み、ボーナス当選フラグがセットされているか否かの判断が行なわれ、ボーナス当選フラグがセットされている場合にはS133に進み、他のリールが停止しているか否かの判断がなされる。他のリールが停止していない段階ではS134に進み、現在の図柄番号から4図柄先以内にボーナス図柄(本実施例ではB)があるか否かの判断がなされ、ある場合にはS135に進みボーナス図柄を有効となっている有効ライン上に停止させる制御が行なわれ、S152に進む。一方、S134によりボーナス図柄がないと判断された場合にはS152に進む。次に、S133により他のリールが既に停止していると判断された場合にはS136に進み、有効ライン上にボーナス図柄があるか否かの判断がなされ、ない場合にはS139に進む。一方、有効ライン上にボーナス図柄がある場合にはS137に進み、停止しているボーナス図柄の有効ライン上に停止できるボーナス図柄が現在の図柄番号から4図柄先以内にあるか否かの判断がなされ、ない場合にはS139に進むがある場合にはS138に進み、ボーナス図柄を停止しているリールのボーナス図柄の有効ライン上に停止する制御がなされてS152に進む。
一方、S132によりボーナス当選フラグがセットされていないと判断された場合にはS139に進み、小役当選フラグがセットされているか否かの判断がなされ、小役当選フラグがセットされていると判断された場合にはS140に進み、他のリールが停止しているか否かの判断がなされ、まだ他のリールが停止していない段階ではS144に進む。S144では、セットされた小役当選フラグの種類に対応する小役図柄が現在の図柄番号から4図柄先以内にあるか否かの判断がなされ、ない場合にはS146に進みただちにリールを停止させてS152に進む。一方、S144により小役図柄があると判断された場合にはS145に進み、その小役図柄を有効ライン上に停止させる制御が行なわれてS152に進む。次に、他のリールが停止している段階ではS140によりYESの判断がなされS141に進み、有効ライン上に小役図柄があるか否かの判断がなされ、ない場合にはS147に進むがある場合にはS142に進み、停止している小役図柄の有効ライン上に停止できる小役図柄が現在の図柄番号から4図柄先以内にあるか否かの判断がなされ、ない場合にはS147に進むがある場合にはS143に進み、その小役図柄を停止しているリールの小役図柄の有効ライン上に停止する制御が行なわれた後S152に進む。
S139により小役当選フラグがセットされていないと判断された場合にはS147に進む。S147では、他の2つのリールが停止しているか否かの判断がなされ、まだ停止
していない段階ではS149に進み、現在停止させようとしているリールが左リールか否かの判断がなされ、左リールでない場合にはS150によりただちに停止制御した後S152に進むが、左リールであった場合にはS151に進み、単図柄Fが有効ライン上に停止しないように停止制御した後にS152に進む。つまりS139により小役当選フラグがセットされていないと判断されたにもかかわらず有効ライン上に単図柄Fが停止したのでは小役入賞が成立してしまうために、S151により、単図柄Fを有効ライン上に停止しないように強制的にずらして停止させるのである。また、他の2つのリールが既に停止している段階でS147によりYESの判断がなされてS148に進み、いずれの図柄も有効ライン上に揃わないように停止制御した後にS152に進む。このように、いずれの当選もなかった場合には、1番目,2番目に停止されるリールは、遊技者の停止操作が検出されることにより(S89,S91,S93)ほとんど瞬時に停止されるため、タイミングを図りながらストップボタン9L,9C,9Rを操作する技術に優れた遊技者の場合には、1番目,2番目に停止されるリールを頻繁にリーチ状態に停止させることが可能になる。そして、そのたびにリーチ音を発生させたのでは、騒々しく耳障りとなるが、本実施例では、S109に示したように、ビッグボーナス,ボーナス当選フラグがセットされているときのみリーチ音を発生させているために耳障りとなる不都合もない。小役当選フラグがセットされている場合には1ゲームの終了時点でその小役当選フラグをクリアする処理が行なわれる(S200参照)。ゆえに、小役当選フラグがセットされているにもかかわらずその回のゲームにおいてリールの図柄配列の関係上その小役当選フラグの種類に応じた小役図柄を有効ライン上に揃えることができなかった場合には、その小役当選フラグがクリアされて小役当選が無効となるのであり、次回のゲームにその小役当選フラグを引継いで次回のゲームにおいて小役図柄を有効ライン上に揃えるという制御は行なわないのである。
前記S63ないしS152により、前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段が構成されている。
図16は、入賞判定処理のプログラムを示すフローチャートである。まずS153により、ボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS159に進み、ビッグボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断がなされてセットされていない場合にS163に進み、有効ライン上に入賞があったか否かの判断がなされる。有効ライン上に入賞がなかった場合にはS164に進み、払出予定数を「0」にセットした後に、図16に示すコイン払出制御に移行する。一方、S163により有効ライン上に入賞があったと判断された場合にはS165に進み、入賞した有効ラインに対応する有効ライン表示ランプを点滅させる。なお複数の有効ライン上に入賞が生じたときには、その入賞の生じた有効ラインを点滅させる。次にS166に進み、その入賞がビッグボーナス入賞であるか否かの判断がなされる。ビッグボーナス入賞でないと判断された場合にはS168に進み、その入賞がボーナス入賞であるか否かの判断がなされ、ボーナス入賞でないと判断された場合にはS170により再ゲーム入賞であるか否かの判断がなされる。S170により再ゲーム入賞でないと判断された場合にはその入賞は小役入賞であるため、S175に進み、払出予定数を小役に対応する値にセットした後図17に示すコイン払出処理に移行する。
S166によりビッグボーナス入賞であると判断された場合にはS167に進み、各小役当選判定値をビッグボーナス時の値にし、ビッグボーナスゲームカウンタを「30」にセットし、ボーナス回数カウンタを「3」にセットし、ビッグボーナス当選フラグをクリアし、払出し予定数を「15」にセットし、ビッグボーナスゲームフラグをセットし、遊技効果ランプを第1態様で点滅させ、ビッグボーナス音をスピーカから発生させる処理が行なわれる。この各小役当選判定値をビッグボーナス時の値にセットして各小役当選判定値の個数を大幅に増やす制御がなされるために、各小役当選の確率が大幅に向上し、ビッ
グボーナスゲーム時においては高確率で小役図柄が揃うように制御される。なお、ビッグボーナスゲーム中においては特に小役当選の判定を行なうことなく、複数種類の小役当選フラグのうち所定のものを毎ゲームセットするようにしてもよい。一方、S168によりボーナス入賞であると判断された場合にはS169に進み、ボーナスゲームカウンタを「12」にセットし、JAC入賞カウンタを「8」にセットし、ボーナス当選フラグをクリアし、払出し予定数を「15」にセットし、ボーナスゲームフラグをセットし、遊技効果ランプを第2態様で点滅させ、ボーナス音をスピーカから発生させる処理が行なわれる。
次に、ボーナスゲームフラグがセットされている場合にはS153によりYESの判断がなされてS154に進み、ボーナスゲームカウンタを「1」減算し、S155に進み、有効ライン上にJAC入賞があるか否かの判断がなされ、ない場合には払出し予定数を「0」にセットしてコイン払出し制御に移行する。一方、有効ライン上にJAC入賞がある場合にはS156に進み、払出し予定数を「15」にセットし、JAC入賞カウンタを「1」減算し、S157により、入賞した有効ラインに相当する有効ライン表示ランプを点滅させた後コイン払出し制御に移行する。
次に、ビッグボーナスゲームフラグがセットされている場合にはS159によりYESの判断がなされてS160に進み、ビッグボーナスゲームカウンタを「1」減算し、S161により有効ラインにJAC入賞があるか否かの判断がなされ、ない場合にはS163に進むが、ある場合にはS162に進む。S162では、ボーナスゲームカウンタを「12」にセットし、JAC入賞カウンタを「8」にセットし、ボーナスゲームフラグをセットし、払出し予定数を「8」にセットし、遊技効果ランプを第2態様で点滅させ、ボーナス音をスピーカから発生させる。このように、前記S169はビッグボーナスゲームでない通常ゲーム時においてボーナスゲームが開始された時に行なわれる処理であり、S162の方は、ビッグボーナスゲームが開始されている段階でボーナスゲームが成立したときに行なわれる処理である。
一方、S170により再ゲーム入賞であると判断された場合にはS171に進み、ランダムカウンタのランダム値R(図6参照)を格納する処理がなされ、S172により、再ゲーム表示ランプ64を点灯または点滅させて再ゲーム表示を行なうとともに再ゲーム音をスピーカ28から発生させる処理がなされる。次にS173に進み、スタート操作があったか否かの判断がなされ、あるまで待機する。そして、遊技者がスタートレバー12を操作することにより制御がS174に進み、再ゲーム当選フラグがクリアされた後図9に示すリール回転処理に移行する。その結果、図7と図8に示したプログラムが実行されることなくリールの回転制御が行なわれるために、賭数の追加入力が受け付けられることなく前回既に入力されている賭数が持ち越されて再ゲームが行なわれる。
S175Aにより、払出予定数が小役対応値(図11の15,8,6または3)にセットされた後、S175Bに進み、ボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされている場合には図17に示すコイン払出処理に移行する。一方、セットされていない場合にはS175Cに進み、ビッグボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされている場合にはS17に示すコイン払出制御に移行する。そして、ビッグボーナスゲームフラグがセットされていない場合にはS175Eに進む。なお、S175Dは、後述する別実施例の場合に挿入されるステップである。S175Eでは、投入数カウンタの値が累積投入数に加算され、払出予定数の値が累積払出数に加算される処理が行なわれる。次にS175Fに進み、累積払出数/累積投入数
を算出する処理が行なわれ、スロットマシン1による価値付与状況を算出する処理が行なわれる。
次に、S175Gに進み、小役判定モードが「高確率時」になっているか否かの判断が
なされ、なっていない場合にはS175Hに進み、S175Fにより算出した算出値が0.4(通常時における下限値)未満であるか否かの判断がなされ、0.4未満の場合にはS175Iにより、小役判定モードを「高確率時」にセットした後S175Lに進む。一方、算出値が0.4以上であった場合には、そのままS175Lに進む。S175Gの判定結果、小役判定モードが「高確率時」になっている場合にはS175Jに進み、S175Fにより算出した算出値が0.5(高確率時における上限値)以上であるか否かの判断がなされる。そして、0.5以上の場合にはS175Kに進み、小役判定モードを「通常時」にセットした後S175Lに進む。一方、S175Jにより、算出値が0.5未満であると判断された場合にはそのままS175Lに進む。このように、小役判定モードが通常時の場合において小役の払出率が40%を割った場合に小役判定モードが「高確率時」に更新される。また、小役判定モードが「高確率時」の場合において小役の払出率が50%に達すれば、小役判定モードを「通常時」に復帰させる制御が行なわれる。
次にS175Lでは、累積投入数が「300」以上であるか否かの判断がなされ、以上でない場合にはそのまま図17に示すコイン払出制御に移行するが、以上の場合にはS175Mに進み、累積投入数,累積払出数をそれぞれ1/2の値に修正(小数点以下切上げ)する処理がなされた後にコイン払出制御に移行する。このS175L,S175Mの処理は、ゲーム数が多くなったときに累積投入数と累積払出数とがあまりにも大きな値になり過ぎるのを防止するための処理である。
コインの払出状況すなわち価値付与状況の算出方法は、S175Fに示した実施例に限定されるものではない。たとえば、(累積投入数−累積払出数)/ゲーム数 を算出するようにしてもよい。また、コインの累積払出数の代わりに累積払出回数を用いてもよく、あるいは、累積払出数と累積払出回数との両方を用いて算出してもよい。さらには、コインの投入数に応じて加算しコインの払出数に応じて減算する加減算カウンタを設け、その加減算カウンタの値を算出値とするようにしてもよい。本実施例では、小役発生確率についてのみ標準値との比較によって制御するようにしたので、通常ゲームにおける払出率を所定範囲内に保ちながら、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの発生についてはランダム値Rの抽出タイミングと設定値によって制御されることとなり、高設定でもボーナス発生回数が多いとは限らず、また低設定でも少ないとは限らなくなって遊技者に対しゲームの興趣を持続させることのできる遊技機とすることができる。
図16に示した実施例では、S175Fによる払出率の算出を行なうに際し、ビッグボーナスゲーム,レギュラーボーナスゲームを除く通常のゲーム時におけるコイン投入数,コイン払出数に基づいて算出するようにしたが、それに代えて、ビッグボーナスゲーム,レギュラーボーナスゲームにおけるコイン投入数,コイン払出数をも含めて算出するようにしてもよい。また、S175Fの算出,S175H,S175Jの判定を、コインの累積投入数が所定値に達した場合にのみ行なうようにしてもよい。
次に、S175Dのステップが挿入された別実施例を説明する。この別実施例は、通常ゲーム時において、3枚賭を行なった場合にのみ小役の確率制御を行なうものであり、S175Dにより、投入数カウンタが「3」の場合にのみS175Eに進んで小役の確率制御を行ない、投入数カウンタが「3」でない場合にはそのままコイン払出制御に移行する。この別実施例の場合には、図10(b)におけるコイン投入数「1」と「2」の場合の「高確率」の欄の各小役当選許容値C12,D12,E12,F12,C22,D22,E22,F22が不要となる。前記S175EないしS175Mにより、賭数入力手段により入力された入力数の累積値と価値付与手段により付与された有価価値の累積値および有価価値の付与回数の累積値のうち少なくとも一方とによって算出される価値付与状況を予め定められた標準値と比較し、該比較結果に基づいて前記可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となる確率を制御する確率制御手段が構成されている。
図17は、コイン払出制御のプログラムを示すフローチャートである。まずS176により、払出数が払出予定数に達したか否かの判断がなされ、達していない場合にはS177に進み、クレジットゲームモードであるか否かの判断がなされ、クレジットゲームモードでない場合にはS180に進み、コインを1枚払出しそれに応じて払出数を「1」歩進した後S176に戻る。一方、クレジットゲームモードになっている場合にはS178に進み、クレジットカウンタがその上限値である「50」になっているか否かの判断がなされ、なっている場合にはS180に進みコインの払出を行なうが、なっていない場合すなわちまだクレジットカウンタの記憶に余裕がある場合にはS179に進み、クレジットカウンタを「1」歩進するとともに、それに応じて払出数を「1」歩進した後S176に戻る。このS177ないしS180の処理を、払出数=払出予定数になるまで繰返し実行してそのたびにコインの払出あるいはクレジットカウンタへの加算処理が行なわれ、払出数が払出予定数に達した段階でS181に進む。
S181では、ボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断がなされ、ボーナスゲームフラグがセットされていない場合にはS182に進み、ビッグボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断がなされ、ビッグボーナスゲームフラグがセットされていない場合にはS200に進み、JAC入賞フラグをクリアし、小役当選フラグをクリアし、前回投入数を投入数カウンタの値に更新し、投入数カウンタをクリアして図7(b)に示すゲームスタート処理に戻る。一方、ボーナスゲームフラグがセットされている場合にはS185に進み、JAC入賞カウンタが「0」になったか否かの判断がなされ、なっている場合にはS186によりボーナスゲームカウンタがクリアされた後、S188により、JAC入賞カウンタがクリアされ、ボーナスゲームフラグがクリアされる。一方、JAC入賞カウンタが「0」でない場合にはS187に進み、ボーナスゲームカウンタが「0」であるか否かの判断がなされ、「0」の場合にはS188に進むが、「0」でない場合にはS200に進み、JAC入賞フラグがクリアされ、小役当選フラグがクリアされて図7(b)に示すゲームスタート処理に戻る。このように、ボーナスゲームカウンタが「0」になった段階またはJAC入賞カウンタが「0」になった段階でボーナスゲームフラグがクリアされてボーナスゲームが終了する。
次に、S189では、ビッグボーナスゲームフラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS190により遊技効果ランプ24を消灯する処理がなされてS200に進む。一方、ビッグボーナスゲームフラグがセットされている場合にはS191に進み、ボーナス回数カウンタを「1」ディクリメントする処理がなされ、S192により、ボーナス回数カウンタが「0」になったか否かの判断がなされる。ボーナス回数カウンタが「0」になっていない場合にS193に進み、遊技効果ランプを第1態様で点滅させ、ビッグボーナス音をスピーカ28から発生させる処理がなされてS200に進む。一方、ボーナス回数カウンタが「0」になっている場合にはS194に進み、ビッグボーナスゲームカウンタをクリアした後S195に進む。
一方、ボーナスゲームフラグがセットされておらずかつビッグボーナスゲームフラグがセットされている場合には、S183に進み、ビッグボーナスゲームカウンタが「0」であるか否かの判断がなされ、「0」でない場合にはS200に進むが、「0」である場合にはS184に進み、ボーナス回数カウンタをクリアする処理がなされてS195Aに進む。S195Aでは、ビッグボーナスゲームフラグをクリアしてビッグボーナスゲームを終了させるとともに、小役判定モードを「通常時」にし、累積投入数を「100」にし、累積払出数を「50」にし、遊技効果ランプを消灯する処理が行なわれる。つまりビッグボーナスゲームカウンタが「0」になった段階あるいはボーナス回数カウンタが「0」になった段階でビッグボーナスゲームが終了するのであり、それ以降通常のゲームとなるために、小役当選判定モードを「通常時」に復帰させるとともに、累積投入数と累積払出数
とを初期値(S14A参照)に戻す制御が行なわれるのである。
次にS195Bに進み、現時点におけるランダム値Rを格納する処理がなされ、S195Cにより、その格納した値を用いて所定の演算を行なう処理がなされる。この所定の演算とは、たとえば、格納したランダム値Rに対し、所定の数値を減算したり加算したり乗じたり除したり、あるいはランダム値Rを二乗したり三乗したり、さらには、ランダム値Rを所定の関数に代入して答えを算出する等の演算である。次にS195Dに進み、その演算結果を確率変動当選許容値と比較する処理がなされる。この確率変動当選許容値とは、ビッグボーナスゲーム発生確率を向上させることができる許容値のことである。この確率変動当選許容値は、確率変動状態を2回発生させる確率変動2回当選許容値と、確率変動状態を1回だけ発生させる確率変動1回当選許容値との2種類が定められている。S195Eにより、演算結果が、確率変動2回当選許容値の範囲内であれば、S195Fに進み、ゲーム回数・可変表示器25の予定停止図柄を「77」にセットする処理が行なわれてS195Jに進む。一方、演算結果が確率変動1回当選許容値の範囲内である場合には、S195EによりNOの判断がなされてS195GによりYESの判断がなされてS195Hに進み、ゲーム回数・可変表示器25の予定停止図柄を「33」にセットする処理がなされてS195Jに進む。一方、演算結果が確率変動2回当選許容値の範囲内ではなくかつ確率変動1回当選許容値の範囲内でもなかった場合にはS195Iに進み、ゲーム回数・可変表示器25の予定停止図柄をはずれ停止図柄にセットする処理がなされる。
次に、S195Jでは、ゲーム回数・可変表示器25を可変表示させるためのタイマがセットされて、可変表示が開始制御される。次にS195Kに進み、そのセットされたタイマが終了したか否かの判断がなされ、終了するまで待機し、ゲーム回数・可変表示器25を可変表示させ続ける。そして、タイマが終了した段階でS195Lに進み、ゲーム回数・可変表示器25を、前記S195F,195Hあるいは195Iによりセットされた停止図柄になるように停止制御する。次にS195Mに進み、停止図柄が「77」となる特別の遊技状態が発生しているか否かの判断がなされ、「77」である場合にはS195Nに進み、確率変動カウンタを「2」にセットする処理がなされてS195Qに進む。一方、停止図柄が「33」となる特別の遊技状態が発生している場合には、S195OによりYESの判断がなされてS195Pに進み、確率変動カウンタを「1」にセットする処理がなされてS195Qに進む。停止図柄がはずれ図柄であった場合には、S195N,S195Pの処理が行なわれない。次にS195Qに進み、確率変動カウンタの値が「0」であるか否かの判断がなされ、「0」の場合にはS196に進むが、「0」でない場合にはS195Rに進み、遊技効果ランプを第3の態様で点滅させ、ビッグボーナスゲーム発生確率が向上した確率変動状態であることを遊技者に表示した後S196に進む。なお、このS195Rの後にS195Sのステップを挿入してもよい。このS195Sは、小役判定モードを「高確率時」にセットする処理である。その結果、確率変動カウンタが「0」でない場合には小役判定モードが「高確率時」にセットされることになる。前記S175,S195Sの処理を行なうことにより、確率変動時になれば、ビッグボーナス当選確率が向上するとともに「高確率時」の小役払出率が100%(いわゆる等倍返し)となるため、ビッグボーナスに当選するまでの間コインを減らさずにゲームを行なうことができる。この実施例では、確率変動状態にするか否かを抽選表示する可変表示器を、ゲーム回数を表示するゲーム回数・可変表示器25により兼用構成したが、抽選専用の可変表示器を設けてもよい。また、リール6L,6C,6Rを用いて抽選表示を行なうようにしてもよい。さらに、確率変動回数は2種類に限定されることなく、1種類または3種類以上の回数であってもよい。また、確率変動回数を異ならせるのに代えてあるいはそれに加えて、確率変動時の当選確率を異ならせるようにしてもよい。また、前記S195N,S195Pでは、確率変動カウンタを「2」,「1」にセットする処理が行なわれているが、その代わりに、これらのステップが実行されるごとに+2,+1するようにしてもよい。また、確率変動カウンタが「0」でない場合には、当選を無効とするようにしてもよいし
、抽選を行なわないようにしてもよい。
さらに、確率変動を行なうか否かの抽選時期は実施例に限定されるものではない。たとえば、ビッグボーナス当選時,ビッグボーナス発生時,ビッグボーナスゲーム終了時の次のゲーム,特定の小役発生時,再ゲーム時,ボーナス当選時,ボーナス発生時,ボーナスゲーム終了後の次のゲーム等の時期であってもよい。前記S176ないしS200と、コインホッパー37,コイン払出モータ38,払出コインセンサ39により、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の有価価値を付与する価値付与手段が構成されている。また、前記S195BないしS195P,S77A,S77B,S67,図10(a),(b),図11(a),(b)に示したテーブルデータにより、前記遊技機の遊技状態が予め定められた特別の遊技状態になった場合に、前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率を変動させる確率変動制御手段が構成されている。
次にS196に進み、ゲームオーバー有にセットされているか否かの判断が行なわれる。電源投入時にリセットスイッチ4がONに操作されている場合には前述したようにゲームオーバー無にセットされ(S3参照)、リセットスイッチ4がOFFに操作された場合には前述したようにゲームオーバー有にセットされるのであり(S2参照)、このS196により、ゲームオーバーの有無を判定し、ゲームオーバー無の場合にはS200に進み、以降図7(b)に示すゲームスタートに戻り、ゲームスタート処理が開始される。一方、ゲームオーバー有と判断された場合にはS197に進み、コード「OF」を払出数表示器27により表示するとともにゲームオーバー音をスピーカ28から発生させる処理が行なわれる。これにより、スロットマシンがゲームオーバー(打止め状態)となる。そして、S198に進み、リセット操作があるか否かの判断がなされ、あるまでS197の処理が続行される。そして、遊技場の係員がリセット用鍵孔3bに所定の鍵を挿入してリセットスイッチ4を操作すれば、S198によりYESの判断がなされてS199に進み、「OF」のコード表示がクリアされ、ゲームオーバー音が停止された後S200に進む。このように構成することにより、遊技場の営業形態に応じて、スロットマシンが打止状態に達した段階でそのたびに景品交換を行なわせる遊技場においては打止選択手段により打止手段を機能させるように選択しておけばよく、一方、スロットマシンが打止め状態に達しても景品交換させることなく引続きゲームを続行させるいわゆる無定量方式を採用している遊技場においては、打止選択手段により打止手段が機能しないように選択すればよい。
このような遊技場の営業形態に合わせてスロットマシンの打止めに関する制御を行なう他の方法としては、次のようなものがある。
図17に示したS195の処理の次に、たとえば自動リセット用タイマをセットし、次にコード「OF」の表示とゲームオーバー音を発生する処理を行ない、次にゲームオーバーの有無を判定するステップを用意する。そして、ゲームオーバー無と判断された場合には、自動リセット用タイマが終了したか否かの判断を行なうステップに進み、タイマが終了していない場合には再び前記コード「OF」を表示しかつゲームオーバー音を発生するステップに戻る。そして、自動リセット用タイマが終了した段階でコード表示のクリア,ゲームオーバー音の停止を行なう処理を実行し、次に図17に示すS200に戻る。一方、ゲームオーバーの有無を判定するステップにおいて、ゲームオーバー有と判断された場合には、リセット操作の有無を判定するステップに移行する。そしてリセット操作がないと判断された場合には前記コード「OF」を表示しかつゲームオーバー音を発生する処理に戻る。そして、リセット操作有と判断された場合には前記コード表示クリア,ゲームオーバー音を停止する処理に進み、その後図16のS200に進む。
つまり、前記S1ないしS3により、ゲームオーバー無に設定されている場合には、自
動リセット用タイマが終了するまで待って、終了した段階で自動的にゲームオーバーを表わす旨のコード表示をクリアしてゲームオーバー音を停止させてゲームスタート処理に戻るようにし、ゲームオーバー有が設定されている場合には、リセットスイッチ4の操作があるまでゲームオーバーを表わすコード表示を行ないゲームオーバー音をスピーカから発生させる打止め状態を持続させるようにする。また、前記リセット操作があるか否かの判定を行なうステップとコード表示をクリアしかつゲームオーバー音を停止させる処理ステップとにより、手動操作により打止解除を行なう手動打止解除手段が構成されている。また、前記S1ないしS3により、前記自動打止解除手段による打止解除と前記手動打止解除手段による打止解除とのうちいずれか一方を選択する打止解除態様選択手段が構成されている。この別実施例によれば、ゲームオーバ無のモードになっている場合に、ビッグボーナスゲームが終了すれば一旦ゲームオーバ(打止状態)となり、所定時間が経過することにより自動的にゲームオーバが解除されるため、ゲームオーバとなっている所定時間だけゲームが行なわれない状態となる。その結果、ホール用管理コンピュータにより投入コイン等の利益情報や景品コイン等の不利益情報を集計する際にゲームが行なわれないゲームオーバ状態を区切りにしてゲームオーバ解除から次のゲームオーバまであるいはビッグボーナスゲーム開始からゲームオーバまでを一単位にして情報の集計を行なうことも可能となる。
なお、リールの回転開始からコインの払出終了までの間はコインの貸出しを行なわないようにしたが、常時貸出し可能にしてもよい。また、本発明は、コインの代わりにパチンコ玉を使用してゲームを行なうタイプのスロットマシンでもよい。その場合には、賭数入力手段は、遊技者が投入したパチンコ玉の個数を賭数として検出するものとなる。また、カード等の記録媒体を挿入し、その記録媒体の記録情報によって特定される遊技者所有の有価価値を使用してゲームが行なわれるスロットマシンでもよい。この場合には、前記遊技者所有の有価価値の一部を賭数として使用するための遊技者の操作を検出する操作検出手段が賭数入力手段となる。さらに、ストップボタンをなくして所定時間の経過により可変表示装置が自動停止するものあるいは、スタートレバーをなくして、賭数の入力により可変表示装置が可変開始するものでもよい。前記S176ないしS200と、コインホッパー37,コイン払出モータ38,払出コインセンサ39により、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の有価価値を付与する価値付与手段が構成されている。この価値付与手段は、コインを賞品として払出すものに代えて、たとえば、パチンコ玉を払出したり、得点を加算してゲーム終了時にその得点を記録した記録媒体を払出したりするものでもよい。なお、可変表示装置は、回転リール式に代えて、CRT,液晶,LED,エレクトロルミネセンス等からなる電気的表示装置により図柄を可変表示するものや、図柄が描かれた複数枚の円板が回転して可変表示するもの、図柄が描かれたベルトが移動するもの、あるいは、いわゆるリーフ式のもの等、可変表示装置の種類はどのようなものでもよい。また、可変表示部の数は3個に限定されるものではない。
コインおよびクレジット数が、遊技用価値の一例である。共通カードに代表されるプリペイドカードが記録媒体の一例である。処理装置制御部80、貸出ボタン71、および貸出スイッチ72によって記録媒体の記録情報に基づいて特定される前記遊技者所有の有価価値と引換に所定量の遊技用価値を貸出すことを指示するための貸出指示手段が構成される。
図3に示される図柄が、複数種類の識別情報を構成する。「A」および「B」という図柄が所定の特別遊技状態用識別情報を構成する。さらに、ビッグボーナスゲーム、ボーナスゲームに加えて、小役を発生させる表示結果が、該可変表示装置の表示結果の予め定められた特定の表示態様を構成する。
払出モータ38により、前記貸出指示手段の操作に応答して、前記所定量の遊技用価値を貸出すための貸出手段が構成される。
図8のS41Aにおいてコイン貸出信号が有ると判定された場合、S41Bで貸出数に50が設定され、S41C〜S41Gまでの処理が貸出数=0となるまで繰返し行なわれ、この間は他の処理ができないことにより、前記貸出手段による前記所定量の遊技用価値の貸出が開始した後は、前記所定量の遊技用価値の貸出が終了するまで、後続する処理を禁止することが開示されている。
図8のS41Bにおいて貸出数を一旦記憶すること、およびS41EおよびS41Fにおいて、それぞれ貸出数を−1することにより、前記貸出指示手段の操作に応答して、前記貸出手段から貸出する予定の遊技媒体数を記憶し、前記貸出手段により前記遊技媒体が一個払い出されるごとに、前記貸出する予定の遊技媒体数を対応して更新することが開示されている。
次に、本発明の別実施例を説明する。
(1) 確率変動開始条件が成立する特別の遊技状態としては、前記S66の演算結果が、たとえば、ビッグボーナス当選許容値の範囲内の一部または全部の値となったとき、レギュラーボーナス当選許容値の範囲内の一部または全部の値となったとき、各小役当選許容値の範囲内の一部または全部の値となったとき、再ゲーム当選許容値の範囲内の一部または全部の値となったとき、はずれの範囲内の一部の値となったときに発生するようにしてもよい。
(2) ビッグボーナスゲーム,レギュラーボーナスゲームが特定のパターンで終了した場合に前記特別の遊技状態が発生するようにしてもよい。たとえば、ビッグボーナスゲーム中の特定のゲーム数目においてボーナスゲームが発生した場合、あるいは、ボーナスゲーム中の特定のゲーム数目においてJAC入賞が発生した場合等が考えられる。また、前記ボーナスゲーム発生時のゲーム数と前記JAC入賞の発生時のゲーム数との組合せが特定のパターンとなった場合に特別の遊技状態が発生するようにしてもよい。
(3) リール6L,6C,6Rからなる可変表示装置が確率変動を開始するように定められた表示結果になった場合に特別の遊技状態を発生するようにしてもよい。たとえば、リールの図柄配列の中に専用の図柄を設け、その図柄が有効ライン(当りライン)上に停止した場合や、はずれとなる図柄組合せの一部(たとえば「AAB」)を確率変動開始となる表示結果と定め、その図柄の組合せが有効ライン(当りライン)上に停止した場合等に特別の遊技状態となるようにすることが考えられる。
(4) 所定期間(所定ゲーム数またはコインの所定累積投入数)ビッグボーナスゲームが発生しなかった場合に特別の遊技状態となるようにしてもよい。たとえば、所定期間ビッグボーナスゲームもレギュラーボーナスゲームも発生しない場合、所定期間ビッグボーナスゲームが発生しない場合、所定期間ビッグボーナスゲームが発生しないままレギュラーボーナスゲームが所定回数発生した場合等に特別の遊技状態となるようにしてもよい。
(5) 遊技機の差数や払出率が所定値となった場合に特別の遊技状態となるようにしてもよい。この場合に、差数や払出率は、遊技場の開店時からまたは前回のビッグボーナスゲーム終了時からまたは確率の設定変更時から計数することが考えられる。
(6) 確率変動制御を行なうに際し、ビッグボーナスゲームが発生する可変表示装置
の図柄の組合せ数を増加させるようにしてもよい。このようにすれば、実際の発生確率が向上した場合には、可変表示装置の表示用の発生確率も向上するようになる。
(7) 確率変動状態となったときには、(i)ビッグボーナスゲーム発生確率のみ、(ii)レギュラーボーナスゲーム発生確率のみ、(iii)各小役発生確率のみ、(iv)再ゲーム発生確率のみ、を変動制御するようにしてもよい。あるいは、前記(i)ないし(iv)のうち、2
つ以上のものを選びだして確率変動制御を行なってもよい。この2つ以上のものを選び出して確率変動を行なう場合には、確率変動の契機はそれぞれの確率変動対象物で同一であってもよく、また異なっていてもよい。
(8) 確率変動状態を終了する条件として、前記(1)の開始条件と同じ条件が成立した場合に終了させるようにしてもよい。この場合に、S66の演算結果が比較される特定の値は、前記(1)の開始条件と同じ値であってもよくまた異なった値であってもよい。
(9) 前記(2)に示した確率変動開始条件と同じ条件が成立した場合に確率変動を終了させてもよい。その場合に、前記(2)に示したゲーム数や特定のパターンは、確率変動開始条件と同じであってもよくまた異なっていてもよい。また、ビッグボーナスゲーム中の特定のゲーム数目においてボーナスゲームが発生しなかった場合やボーナスゲーム中の特定のゲーム数目においてJAC入賞が発生しなかった場合に確率変動状態を終了させてもよい。さらに、前記ボーナスゲームが発生したゲーム数と前記JAC入賞が発生したゲーム数との組合せが特定のパターンにならなかった場合に確率変動状態を終了させてもよい。
(10) リール6L,6C,6Rからの可変表示装置が確率変動を終了するように定められた表示結果となった場合に確率変動状態を終了させてもよい。具体的には、リールの図柄配列の中に専用の図柄を設け、その図柄が有効ライン上に停止した場合や、はずれの図柄となる組合せの一部を確率変動終了となる表示結果と定め、その図柄の組合せが有効ライン上に停止した場合等が考えられる。これらの場合には、専用の図柄や組合せの一部が、前記(3)の開始条件で定められた図柄や組合せと同一のものであってもよいし異なっていてもよい。さらに、レギュラーボーナスが発生する表示結果になった場合あるいは特定の小役が発生する表示結果となった場合に、確率変動状態が終了するようにしてもよい。
(11) 確率変動が開始された後所定期間が経過した場合に、確率変動状態を終了させてもよい。たとえば、(i)確率変動状態が開始した後、所定ゲーム数に達した場合やコ
インが所定累積投入数に達した場合に、終了させてもよい。あるいは、(ii)前記(7)に示した確率変動制御の対象となっている役が所定回数発生した場合に確率変動状態を終了させてもよい。さらには、前記(i)または(ii)のうちのいずれか早い方の条件が成立した
ときに確率変動状態を終了させてもよい。
(12) 遊技機の差数,払出率が所定値に達した場合に確率変動状態を終了させてもよい。この差数や払出率は、遊技場の開店時から、確率の設定変更時から、あるいは確率変動開始時から計数することが考えられる。
1 遊技機の一例のスロットマシン、90 可変表示装置、6L,6C,6R リール、5L,5C,5R 可変表示部、18 賭数入力手段の一部を構成するコイン投入口、12 賭数入力手段の一部を構成するスタートレバー、14 賭数入力手段の一部を構成するクレジット操作ボタン、36 投入コインセンサ、13 スタートスイッチ、45 制御部、8L,8C,8R リール位置センサ、76 カード処理装置、78 カードリーダライタ、80 カード処理装置制御部、25 ゲーム回数・可変表示器、71 貸出ボタン、72 貸出スイッチ。