JP4184432B2 - 出口装置およびこのような出口装置を設けた遠心分離機 - Google Patents

出口装置およびこのような出口装置を設けた遠心分離機 Download PDF

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Description

本発明は、回転軸を中心として回転可能であり、かつ内部に存在する液体が遠心ロータが回転する時に回転軸に対向して回転軸を取り囲む自由液面を有する液体本体を内部に形成する室を形成する、遠心ロータ用の出口装置に関する。出口装置は、第1に、出口流路およびそれに連通する入口開口を形成し、かつ回転軸とほぼ平行にそこからいくらかの距離だけ離れて延びている旋回軸を中心として遠心ロータの動作中は回転可能になっており、それにより、遠心ロータの回転軸に向かうかもしくは回転軸から遠ざかる方向に移動可能であり、さらに、旋回軸を中心とする種々の回転位置において室の液体の無い部分からその中に存在する液体本体中へ自由液面を通って延び出口部材と、第2に、出口部材が、入口開口を、遠心ロータと共に回転する液体本体によって加えられる力の作用に抗して、自由液面の変動する半径方向のレベルにおいて少なくとも部分的に液体本体内に入れるために、出口部材を、遠心ロータの回転軸から遠ざかる方向に出口部材を旋回軸を中心として回転させようとする制御された力によって起動させるように構成されている起動手段とを有している。
この種の出口装置は、半径方向に移動可能な出口部材が自動的に遠心ロータ内の自由液面の半径方向動きを伴うようにすることができるために有利である。所望により、これは液面の半径方向位置を検出するのに使用したり、回転する液体本体との接触により出口部材によって消費されるエネルギを最小限に抑えるためだけに使用することができる。したがって、回転する液体本体への出口部材の浸漬深さは、液面の半径方向位置に関係なく不変とされる。
半径方向に移動可能な出口部材のもう1つの利点は、必要に応じて出口部材を前記液面の半径方向位置の調整に使用できることである。
例えば、DE656125およびDE3940053−A1に記載されている、ここに明記する種類の従来の出口装置は、半径方向に移動可能な出口部材の前記利点を最大限に使用できるようには設計されていない。したがって、前記2つの独国特許明細書に図示され説明されている2つの出口部材はいずれも、回転する液体本体内への浸漬深さが比較的浅くてもエネルギ消費が比較的大きくなるような形状とされている。さらに、従来既知の2つの出口部材は、レベル検出手段としては不安定となるように構成されている。したがって、例えば遠心ロータの揺動や振子運動により、前記液体本体の回転に突然外乱が生じると、満足に作動しなくなる。この種の動きに関して、回転する液体本体により加わる力は迅速に変化し、従来の出口部材の設計では、それは回転する液体により出口部材は所望するよりも遥かに深く液体本体中へ押し込められることを意味することがある。そのため出口部材の半径方向の動きに大きすぎる振動が生じることがあり、それは液面自体の半径方向の動きに対応せず、したがって、液面の実際の半径方向位置に関する正しい信号が得られない。
本発明の目的は、前述の従来の出口装置の欠点を伴わない、最初に明記した一般的な種類の出口装置を提供することである。
この目的は、最初に明記した種類の出口装置において、出口部材が、自由液面に沿って湾曲し、遠心ロータの動作中に室の液体の無い部分からその中に存在する液体本体中へ自由液面の領域を通って延びており、その領域は自由液面上の点の下流に位置しており、その点は遠心ロータの回転軸から旋回軸を通して引いた直線の延長上に位置しているようにすれば、本発明により達成することができる。したがって、出口部材が自由液面を通って延びる領域は、前記点と、遠心ロータの回転方向から見て前記点とは直径方向反対側に位置する自由液面上の場所との間に位置する。
好ましくは、出口部材の入口開口は、遠心ロータの動作中に、遠心ロータの回転軸から入口開口を通って延びている半径が、回転軸と旋回軸を通って延びている直線との間に80°から100°、好ましくは略90°の角度を形成するように設けられている。その結果、出口部材と前記入口開口の領域内の回転する液体本体の液面との間に形成される角度は、液面および出口部材の半径方向動作時にできるだけ変化しないようにされる。
好ましくは、出口流路は、遠心ロータの動作中に入口開口を通って流入する液体の流れの方向を出口流路内で強制的に変える延長部を有しており、出口部材は、出口部材に作用する反力によって、旋回軸を中心として遠心ロータの回転軸へ向かう方向へ回転させられる。
さらに、本発明の好ましい実施態様では、液体本体と接触するように構成された出口部材の外側の少なくとも一部が、出口部材が制御された力とは反対方向の揚力によって回転する液体本体によって起動させられるように、液体本体の回転方向に対して傾けられている。好ましくは、出口部材の外側は、室内で回転する液体本体と接触する外側の領域内で、室内の自由液面との間に10°よりも小さい角度を形成している。
前記制御された力は液体本体の回転によって生じる力とは無関係でなければならない。最も簡素なケースでは、制御された力はさまざまなスプリングにより得ることができる。また、例えば、ある物体(恐らくは、出口部材自体)をその重量および傾斜面により適応させて、出口部材が一定の所定の力で外向きに、そして回転する液体本体へ向かって押圧され一部その中へ入るようにすることができる。他の実施態様では、制御された力は空気圧手段により達成することができる。
本発明の出口装置では、半径方向に移動可能な出口部材は回転する液体本体の自由液面の半径方向の動きに自動的に従い、出口装置を通って液体が排出されるか否かに無関係に、常に高い精度で液体本体中に最小限浸漬されるようにすることができる。
本発明の簡素な実施態様では、出口部材はロータの回転軸を中心として回転することができない。しかしながら、本発明は、ロータとは異なる速度でロータの回転軸を中心として回転可能な出口部材と関連して使用することができる。
発明の範囲内で、出口部材は対の部材として形成することができる、すなわち室から液体が排出される時に、前記室内の液体の回転運動を圧力エネルギへ変換するように形成することができる。しかしながら、そのように形成する必要はない。出口部材を介した前記室からの液体の排出は、室内の液体に回転により生じる有効な圧力によってのみ行われる。
本発明は、また、遠心ロータおよび、そこから液体を排出するように構成された、前記したような出口装置を具備する遠心分離機にも関する。
次に、本発明の一実施例を示す、添付図を参照して本発明を説明する。
図1は、遠心ロータの縦断面の一部および本発明の出口装置の略図である。
図2は、図1の遠心ロータの出口部および本発明の出口装置を示す図である。
図3は、本発明の出口装置の一部を示す図である。
図1は、縦方向に見た、回転対称遠心ロータの一部の略図である。遠心ロータは、その内部でディストリビュータ2および仕切ユニット3を支持する、ロータ本体1を有する。
ディストリビュータ2は平面環状部4、上部円錐部5および下部円錐部6を有する。仕切ユニットは円筒状仕切7、2つの平面環状仕切8,9および円錐仕切10を有する。円錐仕切10とディストリビュータの下部円錐部6との間に一山の円錐台分離ディスク11が配置されており、それは間隔部材(不図示)により互いにある軸方向距離に維持されている。
ロータ本体1、ディストリビュータ2、仕切ユニット3および分離ディスク11は一緒に中央回転軸12周りを回転することが可能である。
ロータの中心にはディストリビュータ2により入口室13が形成されている。
ディストリビュータの周りには、ディストリビュータとロータ本体1との間に分離室14が形成されている。円筒状仕切7の半径方向内側で、軸方向に環状仕切8と9の間に下部出口室15が形成されている。環状仕切8の上で、環状仕切8とロータ本体1との間に上部出口室16が形成されている。
入口室13は、いくつかの半径方向その他に延びる流路17を通り分離室14に通じている。分離室14は、環状仕切9の半径方向内縁により形成されるオーバフロー出口18を通り下部出口室15に通じており、そして多くの流路19を通り上部出口室16に通じている。
静止入口管20が上からロータ本体1内へ延び、下端が入口室13内へ開放されている。入口管20の上部は出口管21により同心状に囲まれている。2本の管20、21はその間に環状出口流路22を形成する。出口流路22はその下端において、下部出口室15内に配置された対部材23の内部に通じている。
もう1つの出口管24がサポータ25を介して出口管21により支持されており、ロータの回転軸12に平行にそこからある距離だけ延びる旋回軸26周りに旋回可能とされている。出口管24は開閉弁28が配置されている出口管27に接続されている。
出口管24の形状は図2に最も良く図示されている。図から判るように、出口室16内に配置されている出口管24の下部は、出口管21の一部周りを延びロータの回転軸12から遠ざかる側に入口開口30を有する弧状出口部材29を形成する。
出口管24のロータの回転軸12と平行に延びる部分は、スプリング31を支持する。スプリング31は、いくつかのターンにより出口管24を取り巻きかつ一端部32がこの出口管に固定され、他端部33が出口管21に弾性的に衝合するスプリングスレッドにより形成されている。このようにして、スプリング31は図1の上から見て旋回軸26周りを反時計回りに周知の制御されたスプリングの力で出口管24を起動させるようにされている。したがって、スプリング31は、出口室16内のロータの回転軸12から遠ざかる方向に出口部材29を押圧する。
停止部材(不図示)が出口部材24の反時計回り旋回を制限して、出口部材29が出口室16内のロータ本体1と接触するのを防止するように配置されている。所望により、出口部材29の任意の所望位置において出口管24の反時計回り旋回を制限する手段を配置することができるが、出口部材29はこのような各位置からスプリング31の作用に抗して、ロータの回転軸12のより近くへ移されてしまう可能性がある。
図3は、ロータの回転軸12を横切する出口部材29の断面を示す。出口部材29は入口開口30から出口管24の内部へ延びる流路34を有する。
図3は出口室16内に形成された円筒状液面35の位置も示す。液面35を形成する出口室16内の液体本体は、遠心ロータの回転軸12周りの矢符36で示す方向への動作中に回転する。
旋回軸26周りを旋回可能な出口部材29はロータの回転軸12に向かう向きの内側37および同じ回転軸12から遠ざかる向きの外側38を有している。出口部材の入口開口30は外側38に配置されている。
さらに図3から判るように、出口部材29は、その外側38に、回転する液体本体中へ延びる突起39を有している。入口開口30が形成されている外側38の一部も液面35の半径方向外側に配置されている。これは液面35上の点P(図3)の下流領域で起こり、それは出口部材29の旋回軸26を通る回転軸12から引いた直線の延長上に位置している。出口開口30の上流で、出口部材の外側38の一部は回転する液体本体と接触し、外側38の残りは出口室16の液体の無い部分に位置している。図3から判るように、回転する液体本体と接触する領域における外側38の曲率半径は、液面35のそれと僅かしか違わない。
これは、液体本体と接触するように配置された外側38の前述の部分が、関連する接触領域内の液面35に対して、好ましくは10°よりも小さい、角度を形成することを意味する。したがって、外側38と回転する液体本体との接触により非常に小さな摩擦力が生じる。スプリング31により回転する液体本体に対して押圧される時に、出口部材29は液面35上に浮遊すなわち“波乗り”している。
入口開口30を一部画定する突起39は出口部材29を対部材として作動させる、すなわち開口30を流入する液体は、一部出口室16内で回転する液体から得られる運動エネルギにより、流路34さらには出口管24を通って運ばれる。
しかしながら、本発明は対部材として作動する出口部材29に依存するものではない。突起39が無くても、出口部材はその外側38の入口開口を通って出口室16から液体を排出することができる。これは、スプリング31が出口部材29を液体本体へ向けて押圧し一部その中へ押し込む結果として出口開口30が配置される深さにおいて、出口室16内で回転する液体本体の有効な液圧による場合しか生じない。
次に、本発明の出口装置が図1に示す種類の遠心ロータに関連して如何に使用されるかについて詳細に説明する。
図1の遠心ロータは、密度の異なり懸濁を形成する2つの液体を分離するのに使用するものとする。また、この懸濁には非常に少量の比較的重い液体、例えば水、が大量の比較的軽い液体、例えば油、の中に懸濁されているものとする。
分離操作を開始する前に、遠心ロータには−回転させられた後で−好ましくは所定量の予め分離された比較的重い液体がチャージされる。分離室14の半径方向最外部をはみ出して円錐仕切10の外縁内へ流れ込むほど大量の重い液体がロータ内へ導入される。
その後、入口管20を通した懸濁の供給が開始される。懸濁は入口管20から入口室13および流体路17を通して分離室14内へ導かれ、そこで遠心力により軽い液体と重い液体へ分離される。ほぼ円筒状の界面層L(図1)が分離室14内の分離された軽い液体と重い液体との間に形成される。分離された重い液体は分離室の半径方向最外部に、その中に存在する予め供給されたある量の液体と共に、集められ分離された軽い液体は分離室14内で半径方向内向きに変位される。
最後に分離された軽い液体は半径方向にオーバフロー出口18内へ達し出口室15内へオーバフローする。分離された重い液体は最後に流路19を通って出口部材16に達し、そこで半径方向内向きに移動する自由円筒面を形成する。
出口室16内に位置する出口部材29はスプリング31によりその半径方向最外部位置に維持され、出口管24と協働する停止部材によりさらに外向きに移動するのを防止される。分離操作のこの段階において、出口管27内の弁28は閉じている。
出口室16内の液面が出口部材29に達してその半径方向内向きの動きを継続すると、弁28が閉じているので、出口部材は液面上を浮動すなわち“波乗り”を開始し、液面の半径方向内向きの動きが継続する間、旋回軸26周りを時計回りに旋回する。したがって、出口部材は、出口室16内で回転する液体による揚力を受け、液体は出口部材29の傾斜する外側38に衝突する。この揚力はスプリング31により加えられる制御された力の反作用を受け、そのため出口部材は回転する液体本体との所望の接触を常に維持される。
図1は、小さい三角により、分離操作中に遠心ロータのさまざまな室内に形成される自由液面の位置を示す。図から判るように、出口室16内の分離された重い液体の液面は、分離室14内の分離された液体の液面よりもロータの回転軸から幾分遠い位置にある。
分離室14内の液面の位置は固定されており、オーバフロー出口18の位置により予め定められている。対部材23は分離室14からこの室へ流入する分離された全ての液体を出口室15から迅速に排出するような寸法とされている。しかしながら、前記したように、出口室16内の液面はまだ半径方向内向きに自由に動くことができる。
分離された重い液体は出口管24を通って遠心ロータを出ることができないので、このような分離された液体の量は分離室14内で増加する。その結果、分離された軽い液体と分離された重い液体間の前述の界面層Lは分離室14内で半径方向内向きに変位される。同時に、同じ理由により、出口室16内の自由液面は半径方向内向きにさらに変位される。
界面層Lが分離室14内のあるレベルに達すると、分離室内の分離が低下し重い液体の一部は軽い液体を伴って出口室15および出口流路22を通ってロータの外へ流出し始める。これは、例えば、出口流路22を通る液体流内に配置された比誘電率計により検出することができる。
出口流路22内の重い液体を検出すると、信号が自動的に遠心分離機(不図示)の制御装置から弁28へ送られ、弁28は開放され所定期間中開放されたままとされる。弁28が開放されると、出口部材29は分離された重い液体を出口室16から流路34を通しさらに出口管24を通して出口管27およびこのような液体の容器へ導く。
重い液体が出口部材16から流出すると、新しい液体が分離室14から流路19を通ってこの室へ流入し、界面層Lは半径方向外向きに移行する。
この期間が切れて弁28が閉じると、界面層Lは再び円錐仕切10の外縁付近に位置するようになるがまだその半径方向内側である。前述の全過程中継続された分離動作が前と同様に継続すると、界面層Lは弁28が再び開くまで再び半径方向内向きにゆっくり動き始める。
前記した過程中に出口部材29は、出口室16内の液面と接触した後で、最初に弁28が開くまで半径方向内向きに動き、次に、分離された重い液体がそこを通って放出される間半径方向外向きに動く。出口部材29の半径方向外向きの動きは、弁28が閉じる時、すなわち前記した停止部材が作用しなくなる時、終了し、その後出口部材は、出口室16内で液面上を浮動すなわち“波乗り”し続ける。したがって、全過程中に、出口室16内の液面の位置に無関係に、出口部材29はその表面のほぼ等しいサイズの部分が出口室16内で回転する液体本体と接触する。すなわち、半径方向に移動不能な出口部材が配置されている出口室内の液面の半径方向の動きに関連して生じる問題が解消される。
これに関して、本発明は米国特許第4,525,155号に開示され、前述のように分離された重い液体が絶えず出口部材から排出される分離動作に関連するこの特定の問題の解決策を構成するものである。この問題は別の方法でも解決されており、それは米国特許第4,662,029号に開示され、出口室16のエリア内で液体の循環ポンピングが行われる。この種の循環ポンピングにはある欠点が伴い、それは本発明を使用する時には生じない。
前述の分離動作は、本発明の出口装置の利点を使用することができるいくつかの動作の一つにすぎない。次に、もう1つの例について簡単に説明する。
図1に略示する種類の遠心ロータは通常もう1つの出口を有する。このような出口はロータの半径方向最外部に配置され、分離室からその中で分離された重い固体粒子を排出するようにされている。この種の出口を有するロータは、例えば、前記米国特許第4,525,155号および第4,662,029号に示されている。
従来のこの種の遠心ロータでは、分離された重い液体は通常分離された軽い液体と同様にロータから連続的に通される、すなわち図1に関して前述のように不連続ではない。2つの分離された液体がロータから連続的に外へ導かれると、ロータ出口室内の液面の半径方向の動きは比較的小さいため、半径方向に移動不能な出口部材は分離動作中に一方の液体が間欠的に排出される場合と同等の問題を生じることはない。
しかしながら、この点について、分離された重い液体用の遠心ロータ周辺出口が開かれる度に問題が生じる。このような開放の度に周辺出口を通って大量の分離された軽い液体が失われるのを回避するために、周辺出口が開かれる前に分離室は分離された重い液体で完全にもしくは一部充填される。これは、分離された重い液体用出口が閉じられ、その後ロータへの通常の懸濁供給を中断して予め分離された重い液体だけを供給することにより、分離された軽い液体が半径方向内向きに変位されて通常の軽い液体用中央出口を通って排出されるようにして実行される。
分離された軽い液体のこのような変位中に、軽い液体と重い液体間の界面層が分離室内を半径方向内向きに移行するだけでなく、重い液体用出口室内の分離された重い液体の表面も半径方向内向きに移行する。
従来の半径方向に移動不能な出口装置の替わりに本発明の出口装置を使用すれば、分離された重い液体用出口室内で、液面の動きにより遠心ロータの回転のための不要に大きいエネルギ消費および分離された重い液体用出口管内の不要に高い圧力を回避することができる。
図3は、実線円35の他に2本の一点鎖線同心円が示されている。これらは出口室16内の液面の別の位置を示すにすぎない。
分離された液体を出口室から連続的に排出するために、例えば図1に示す種類の、遠心ロータ内で本発明の出口装置を使用すると、出口管24はスプリング31により前述の停止部材に対して保持され、出口部材29がロータからの液体を排出しながら常にロータの回転軸から不変の距離に配置されるようにすることができる。これは、分離室から出口部材へ入るこのような分離された液体全体を排出するのに何の障害もないことを前提としている。したがって、この場合出口部材の位置により出口室内の自由液面の位置が決まる。出口装置にはスプリング31により出口部材29を任意所望の位置に維持する装置を設けることができ、それにより、出口室内の液面は出口室への液体流のサイズに無関係に所望のレベルに維持することができる。この種の出口装置は、必要に応じて、ロータの動作中に出口室内の液面の位置、およびロータの分離室内の界面層Lの位置(図1)を変えるのに使用することができる。
分離された液体用の2つの出口を有する遠心ロータだけに関して本発明を説明してきた。しかしながら、本発明の出口装置は分離された液体用の1つの中央出口しかない遠心ロータの単一出口装置としても使用することができる。もちろん、本発明の2つの出口装置をさまざまな分離された液体を排出する同じ遠心ロータに使用することもできる。

Claims (11)

  1. 出口流路(34)およびそれに連通する入口開口(30)を形成し、かつ回転軸(12)とほぼ平行にそこからいくらかの距離だけ離れて延びている旋回軸(26)を中心として遠心ロータの動作中は回転可能になっており、それにより、前記遠心ロータの回転軸(12)に向かうかもしくは回転軸(12)から遠ざかる方向に移動可能であり、さらに、前記旋回軸(26)を中心とする種々の回転位置において室(16)の液体の無い部分からその中に存在する液体本体中へ自由液面(35)を通って延び出口部材(29)と、
    前記出口部材が、入口開口(30)を、前記遠心ロータと共に回転する前記液体本体によって加えられる力の作用に抗して、前記自由液面(35)の変動する半径方向のレベルにおいて少なくとも部分的に前記液体本体内に入れるために、前記出口部材(29)を、前記遠心ロータの回転軸(12)から遠ざかる方向に前記出口部材を前記旋回軸(26)を中心として回転させようとする制御された力によって起動させる起動手段(31)とを有している、
    回転軸(12)を中心として回転可能であり、かつ内部に存在する液体が遠心ロータが回転する時に回転軸(12)に対向して回転軸(12)を取り囲む自由液面(35)を有する液体本体を内部に形成する室(16)を形成する、遠心ロータ(1)用の出口装置において、
    前記出口部材(29)は、前記自由液面に沿って湾曲し、前記遠心ロータの動作中に前記室(16)の前記液体の無い部分からその中に存在する前記液体本体中へ前記自由液面(35)の領域を通って延びており、該領域は前記自由液面(35)上の点(P)の下流に位置しており、該点(P)は前記遠心ロータの前記回転軸(12)から前記旋回軸(26)を通して引いた直線の延長上に位置していることを特徴とする、遠心ロータ用の出口装置。
  2. 前記入口開口(30)は、前記遠心ロータの動作中に、前記遠心ロータの前記回転軸(12)から前記入口開口(30)を通って延びている半径が、前記回転軸(12)と前記旋回軸(26)を通って延びている直線との間に80°から100°角度を形成するように設けられている、請求項1に記載の出口装置。
  3. 前記角度は90°である、請求項2に記載の出口装置。
  4. 前記出口流路(34)は、前記遠心ロータの動作中に前記入口開口(30)を通って流入する液体の流れの方向を前記出口流路(34)内で強制的に変える延長部を有しており、前記出口部材は、前記出口部材(29)に作用する反力によって、前記旋回軸(26)を中心として前記遠心ロータの前記回転軸(12)へ向かう方向へ回転させられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の出口装置。
  5. 前記出口部材(29)は前記液体本体と接触するように構成された外側(38)を有しており、この外側(38)の少なくとも一部が、前記出口部材(29)が回転する液体本体によって生じさせられた、前記制御された力とは反対方向の揚力をその外側の傾斜部上で受けるように、前記液体本体の回転方向に対して傾けられている、請求項1からのいずれか1項に記載の出口装置。
  6. 前記出口部材(29)の前記外側(38)は、前記室内で回転する液体本体と接触する前記外側(38)の領域内で、前記室(16)内の前記自由液面(35)との間に10°よりも小さい角度を形成している、請求項に記載の出口装置。
  7. 前記制御された力は前記液体本体の回転によって生じる力とは無関係である、請求項1からのいずれか1項に記載の出口装置。
  8. 前記起動手段(31)は前記制御された力によって前記出口部材(29)を起動させるスプリングを備えている、請求項1からのいずれか1項に記載の出口装置。
  9. 前記出口部材(29)は出口管(24)によって支持され、少なくともその一部は前記回転軸(12)に平行に前記旋回軸(26)と同軸に延びており、前記出口部材の前記出口流路(34)は前記出口管(24)の内部に連通している、請求項1からのいずれか1項に記載の出口装置。
  10. 前記出口部材(29)は、実質的に管状であり、かつ前記出口管(24)の一部を構成している、請求項に記載の出口装置。
  11. 回転軸(12)を中心として回転可能であり、かつ内部に存在する液体が遠心ロータ(1)の回転時に前記回転軸(12)に対向して前記回転軸(12)を取り囲む自由液面(35)を有する液体本体を形成するように形成された室(16)を形成する遠心ロータ(1)を有する遠心分離機において、
    該遠心分離機は液体を前記室(16)から排出するように構成された、請求項1から10のいずれか1項に記載の出口装置を有していることを特徴とする遠心分離機。
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