JP4184418B1 - 白色金合金の製造方法、及びこの白色金合金を使用した宝飾品 - Google Patents

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Abstract

【課題】宝飾品(身飾品)を成型した際に、割れや巣の発生が少なく、かつ明白色で、照り(鏡面性)を有する白色金合金(ホワイトゴールド)の提供。
【解決手段】Auに対し、Pt,Pd,Ag,及びCuを一定の割合に配合して溶融した後冷却する白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)の製造方法において、下記の(A)工程及び(B)工程を先に行い、更に(C)工程及び(D)工程を順次経ることを特徴とする白色金合金の製造方法。
(A)工程:PtとPdを溶融して、Pt−Pd合金を得る工程
(B)工程:AgとCuを溶融して、Ag−Cu合金を得る工程
(C)工程:Auに前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、Au−Pt−Pd合金を得る工程
(D)工程:前記(C)で得られるAu−Pt−Pd合金に、更に前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程
【選択図】 図1

Description

本発明は、指輪、ブローチ等の宝飾品(身飾品)を成型した際に、割れや巣の発生が少なく、かつ明白色で、照り(鏡面性)を有する白色金合金(ホワイトゴールド)に関し、特に、金の含有量が75%前後のK18(18金)であって、パラジウムが配合されて白色化された宝飾品用のパラジウム配合系白色金合金(地金)の製造方法、及びこの白色金合金(地金)を使用した宝飾品に関するものである。
金は、空気中で酸化されず、長期間にわたって光沢を失わない金属であるが、単独では硬度および強度が低いために、通常は、他の金属との合金(金合金(ホワイトゴールド))として使用する方が、耐久性、加工性等に優れている。
そして、指輪、ブローチ等の宝飾品用の原料(地金)に使用される金合金としては、金の含有率が約75%(実際には75%を下回ることなく、75.0〜75.5%)のK18(18金)の白色金合金(ホワイトゴールド)がよく知られている。
この白色金合金は、比重が大きく軟質、かつ高価なプラチナ(白金)と比べて、白金と銀との中間的位置を占める素材であり、さらに、色彩が白色であるため、宝飾品材料として適しているものである。
白色金合金においては、金の色調を白色に導くために、白金(Pt)と共に(に代えて)、通常パラジウム(Pd)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、錫(Sn),マンガン(Mn)等の元素が使用されるが、ニッケル(Ni)を配合した白色金合金には、金属アレルギーの問題がある。
発明者は、Auの色調を白色に導くための元素として、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、銅(Cu)に注目して、これらを従来知られていなかった一定の割合に配合して鋳造(合金)すれば、既知の白色金合金よりも、明白色で、照り(鏡面性)を有する白色金合金を得ることができることを知り、特許出願した事実がある(特許文献1)。
特願2007−228563 特開2004−60045 特開平9−137240 特開2001−207226 特開平9−78160 特開平10−60558 特開2006−265597 特開2006−346377 特開2000−80423
白色金合金(地金)を鋳造(合金)するには、通常下記の方法が採用されている。
(イ)主成分であるAuと、Au除く従成分である金属(Pt,Pd,Ag,及びCu)の全てを同時に溶融して鋳造する方法
(ロ)従成分である金属(Pt,Pd,Ag,及びCu)のみを同時に溶融して鋳造し、得られる合金(割金)を、主成分であるAuと再度合金加工(鋳造)して、目的とする白色金合金を得る方法
ところが、前記(イ)に限らず、これを改良した(ロ)により得られる白色金合金(地金)を用いて、指輪、ネックレース、イヤリング等を成型(キャスティング)すると、高頻度で割れや筋が発生する欠点があった。そしてこれらの欠陥品は再加工せざるを得ない。
そこで、発明者は、以上の欠点を解消するために鋭意研究したところ、(a)従成分である金属を、その融点を考慮して、PtとPd,及びAgとCuとに分けてそれぞれ鋳造(合金)してPt−Pd合金及びAg−Cu合金を得た後、(b)最初にAuとPt−Pdを鋳造してAu−Pt−Pd合金とし、(c)続いて、Ag−Cu合金を加えて鋳造(合金)して、Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金(白色金合金)とするか、叉は(b)と(c)の順序を逆にして、Au−Ag−Cu合金を得た後、Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金とすれば、前記欠点を解消することができることを知り本発明が完成した。
更に、前記白色金合金の原料であるAu、Pt、Pd、Ag、Cuは、鋳造する前に、それぞれを単独で溶融し、金属(間)結合中に包摂されている微量の窒素ガス等を放出させた(ガス抜きし)ものを使用すると、前記欠点をほぼ完全に解消することを知り本発明が完成した。
本願発明は、下記の請求項1〜請求項5により構成されている。
<請求項1> Auに対し、Pt,Pd,Ag,及びCuを、下記の(イ)〜(ヘ)に示す割合で配合して溶融した後冷却する白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)の製造方法において、下記の(A)工程及び(B)工程を先に行い、更に(C)工程、又は(D)工程を順次経ることを特徴とする白色金合金の製造方法。

(イ)Auが70〜78.0重量%
(ロ)Ptが4.5重量%以上
(ハ)Pdが8.0重量%以上
(ニ)PtとPdの和が19.0重量%以下
(ホ)Agが0,5〜3.0重量%
(ヘ)Cuが2.0〜8.0重量%

(A)工程:PtとPdを溶融して、Pt−Pd合金を得る工程
(B)工程:AgとCuを溶融して、Ag−Cu合金を得る工程
(C)工程:Auに前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、Au−Pt−Pd合金を得た後、更に前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程
(D)工程:Auに前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、Au−Ag−Cu合金を得た後、更に前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程

<請求項2> Auに対し、Pt,Pd,Ag,及びCuを、下記の(イ)〜(ホ)に示す割合で、かつ残部が実質的にAgとなるように配合して溶融した後冷却する白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)の製造方法において、下記の(A)工程及び(B)工程を先に行い、更に(C)工程、又は(D)工程を順次経ることを特徴とする白色金合金の製造方法。

(イ)Auが75.0重量%
(ロ)Ptが4.5重量%以上
(ハ)Pdが8.0重量%以上
(ニ)PtとPdの和が19.0重量%以下
(ホ)Cuが2.0〜8.0重量%

(A)工程:PtとPdを溶融して、Pt−Pd合金を得る工程
(B)工程:AgとCuを溶融して、Ag−Cu合金を得る工程
(C)工程:Auに前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、Au−Pt−Pd合金を得た後、更に前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程
(D)工程:Auに前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、Au−Ag−Cu合金を得た後、更に前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程

<請求項3> Auに対し、Pt,Pd,Ag,及びCuを、下記の(イ)〜(ホ)に示す割合で配合して溶融した後冷却する白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)の製造方法において、下記の(A)工程及び(B)工程を先に行い、更に(C)工程、又は(D)工程を順次経ることを特徴とする白色金合金の製造方法。
(イ)Auが75.0重量%
(ロ)Ptが7.0重量%
(ハ)Pdが11.0重量%
(ニ)Agが1.5重量%
(ホ)Cuが5.5重量%

(A)工程:PtとPdを溶融して、Pt−Pd合金を得る工程
(B)工程:AgとCuを溶融して、Ag−Cu合金を得る工程
(C)工程:Auに前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、Au−Pt−Pd合金を得た後、更に前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程
(D)工程:Auに前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、Au−Ag−Cu合金を得た後、更に前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程

<請求項4> Au,Pt,Pd,Ag,及びCuは,各々の単体を溶融し、金属結合中に包摂されているガス(気体)を放出させて除去したものを使用する請求項1〜請求項3に記載する白色金合金の製造方法。

<請求項5> 請求項1〜請求項4記載の製造方法により得られる白色金合金を使用した宝飾品。
本願発明を以上のように構成する理由は、次のとおりである。
(イ)AuとPt−Pd合金からAu−Pt−Pd合金を鋳造し、更に、Ag−Cu合金を加えて鋳造してAu−Pt−Pd−Ag−Cu合金とした地金を用いて、指輪、ネックレース、イヤリング等の宝飾品を成型(キャスティング)すれば、割れや、筋の発生を防止できること。
(ロ)AuとAg−Cu合金からAu−Ag−Cu合金を鋳造し、更に、Pt−Pd合金を加えて鋳造してAu−Pt−Pd−Ag−Cu合金とした地金を用いて、指輪、ネックレース、イヤリング等の宝飾品を成型(キャスティング)すれば、割れや、筋の発生を防止できること。
(ハ)前記(イ)、(ロ)に加えて、原料であるAu、Pt、Pd、Ag、Cuは、それぞれ単独でガス抜きしたものを使用することにより、ほぼ完全に割れや、筋の発生を防止できること(請求項4)
(ニ)従来品の白色金合金は、Pdが5%〜7%配合された、地金が主流で、そのΔE(後述)は、10〜14の範囲で、肉眼で見た感じは、薄茶色である。そのため、その白色金合金の上にロジウム(Rh)鍍金(メッキ)をかけて白色にして使用しているのが一般である。
しかしながら、これを指輪、ブローチ等に加工して使用を継続していると、鍍金が剥がれ、茶色く変色した感じになる欠点があった。
これに対し、Au、Pt、Pd、Ag、Cuを、請求項1〜請求項3に記載した一定の割合で配合し、前記(イ)、(ロ)、(ハ)等の方法により鋳造した地金を用いて宝飾品を鋳造すれば、従来品とは異なる明白色で、照り(鏡面性)を有する白色金合金製の宝飾品が、極めて効率よく得られること(請求項1〜請求項5)
本願発明に係る金合金を請求項1〜請求項3に記載した一定の割合で配合する理由は、次のとおりである。
(イ)Auの金色の脱色(白色化)作用がある元素はPdであるが、Pdは含有量が増すと、黒っぽくなるので、それを抑える為に、Ptを一定量配合すれば白さをだすことができること。
(ロ)PdとPtの配合割合が、下記の(a)〜(c)のとき、色バランスが良好となること。
(a)Ptが4.5重量%以上
(b)Pdが8重量%以上
(c)Pt+Pd<19重量%
(ハ)Pt+Pd>19重量%になる(を超える)と、仕上げ工程でのバフ(研磨処理)のノリが非常に悪くなり、その結果、照りが(鏡面性)がなくなること。これは、白金族の特徴である粘りが大きく影響しているからと思われる。
(ニ)バフのノリを良くするために、Cuを一定量加える必要があること。Cuを加えることにより、Cu合金の特徴である、硬さと磨耗性が増し、融点を下げることができる。
(ホ)Cuの添加効果を高めるために、Agの併用が重要であること。
本願発明において、白色金合金の白さを表す「ΔE(合金の色差)」とは、その合金の色を色差計によりLab方式で計測し、示された3つの数値(L,a,b)を、ロジウム鍍金色(L=87.05,a=1.18,b=2.68)を基準値0として、Δ数値(ΔL,Δa,Δb)に換算し、3つのΔ数値をそれぞれ2乗して加えた合計を√2で割った数値をいう。
具体的には、市販の色差計(例:紫外−可視分光光度計〔日本分光株式会社V−570〕で測定する。
白色金合金(ホワイトゴールド)の色の範囲は、ΔE0〜ΔE14までとする。
(a)指輪、ネックレース、イヤリング等の宝飾品を成型(キャスティング)する際に、割れや、筋の発生を生じない白色金合金の地金を得ることができる。
又、この地金を用いて、巣や割れのない種々の宝飾品を効率よく製造することができる。
(b)一般的な、白色金合金(ホワイトゴールド)は、硬く・脆く・照り(鏡面性)がでにくい合金が多く、白さはあっても照り(鏡面性)が無いため明るく見えず、その結果ΔEの値も、K18K(WG)=ΔE7程度である。
これに対し、本願発明に係る白色金合金は、ΔEの値が7以下(好ましくは6.0以下)の白色金合金を容易に得ることができる。
(c)ロジウム鍍金(メッキ)をかけないで、特有の白さを持った地金を得ることができる。
(d)良好な鋳造・加工性、良好な磨き具合・照り(鏡面性)のでき具合等を合わせ持った地金を得ることができる。
(e)従来のPd割(系)、Ni割(系)、Mn割(系)では、出せない白さを出すことができる。
(g)本願発明に係る白色金合金は、加工に適した硬さ(ビッカース硬さ(Hv)で、120〜140HV程度)を有している。
(f)通常金系の地金と同様に磨きを行うことができる。
本願発明に係る白色金合金の製造方法において、地金を合金する際に必要とする温度は、概ね次のとおりである。
a)Au−Pt−Pd−Ag−Cu
上昇温度 :1390℃〜1550℃
型に流す温度:1200℃〜1300℃
b)Pt−Pd
上昇温度: 1770℃〜1880℃
型に流す温度:1550℃〜1650℃
c)Ag−Cu
上昇温度: 1100℃〜1200℃
型に流す温度: 950℃〜1080℃
d)Au−Pd−Pt
上昇温度: 1450℃〜1650℃
型に流す温度:1350℃〜1450℃
e)Au−Ag−Cu
上昇温度: 1100℃〜1250℃
型に流す温度:1020℃〜1150℃
下記に記載する配合と方法により地金を鋳造し、得られた地金について、割れと筋の発生状態を調べた。
(1)地金(合金)の配合
Au:75.0重量%
Pt: 7.0重量%
Pd:11.0重量%
Ag: 1.5重量%
Cu: 5.5重量%
(2)地金の鋳造(合金)の順序
(a)Au、Pt、Pd、Ag、Cuを同時に鋳造してAu−Pt−Pd−Ag−Cu合金とする。
(b)Pt、Pd、Ag、Cuを鋳造して、Pt−Pd−Ag−Cu合金(割金)とした後、Auと鋳造してAu−Pt−Pd−Ag−Cu合金とする。
(c)予めPt−Pd、及びAg−Cu合金とした後、Au−Pd−Pt合金とし、次にAu−Pt−Pd−Ag−Cu合金とする。
(d)予めPt−Pd、及びAg−Cu合金とした後、Au−Ag−Cu合金とし、次にAu−Pt−Pd−Ag−Cu合金とする。
なお、Au、Pt、Pd、Ag、Cuを予め単体で溶融・精錬した元素を使用し、(a)〜(d)の方法で合金した地金を、それぞれ(A)、(B)、(C)、(D)とする。単体の溶融・精錬温度は、単体の融点プラス100〜250℃程度である。
(3)地金の合金温度
Au−Pt−Pd−Ag−Cu:1400℃まで上昇させ、その後1260℃まで下げ、型に流した
Pt−Pd:1780℃まで上昇させ、その後1600℃まで下げ、型に流した
Ag−Cu:1150℃まで上昇させ、その後1020℃まで下げ、型に流した
Au−Pd−Pt:1580℃まで上昇させ、その後1400℃まで下げ、型に流した
Au−Ag−Cu:1150℃まで上昇させ、その後1060℃まで下げ、型に流した
(4)1.1mm丸線試験
(イ)検体の作製
検体の寸法:直径1mm×4cmの円線
検体数:各20本
使用合金量:120.00g
使用鋳造機:TR式高周波発振器 型式NTR−0502SHI−S 出力5Kw 周波数50KHz カーボン坩堝使用(株)日精販売 メーカー(株)日電高周波
電気炉:(株)安井インターテック
鋳型温度:各740℃
鋳造温度:各1340℃
鋳型へセットしてから鋳造までの時間:3分30秒
前記8種類((a)〜(d)、(A)〜(D))のツリー形状(鋳型になる形状)、埋没方法、脱漏方法、及び鋳造方法は、下記により全て同一の条件で行った。
ツリー形状:直径8mm,高さ120mmの円柱に、試験資材を円柱に対して、上方向へ角度25度で上から4本ずつ配置し、20mm下の段から付けて、5段のツリー形状とした。
埋没方法:(株)ノリタケカンパニー社のギフトを使用し、水との混合比38%で、(株)愛工舎製作所の混和器で2分混合し、(株)安井インターテックの脱法器で1分空気を抜き、1時間乾燥の為放置した(室温25℃,湿度60%)。
脱漏方法:(株)カトーの温風ヒーターを使用し、温度設定150℃、1時間タイマーオフで中のワックスを抜いた。
鋳造方法:鋳型温度740℃,鋳造温度1340℃に設定した。その後真空状態にして、ゆっくり温度を上昇させ、設定温度に達したら、窒素ガスを使用し3気圧の圧力で地金を押し込んで鋳造した(鋳型セットから約3分30秒を要した)。
(ロ)割れと筋の判別方法
検体の表面を10倍のルーペにより肉眼で観察した。
(5)2.20×20×1mm板材試験
(イ)検体の作製
検体の寸法:(2.20×20×1)mm板材
検体数:各20枚
使用合金量:140.00g
使用鋳造機:TR式高周波発振器 型式NTR−0502SHI−S 出力5Kw 周波数50KHz カーボン坩堝使用(株)日精販売 メーカー(株)日電高周波
電気炉:(株)安井インターテック
鋳型温度:各740℃
鋳造温度:各1340℃
鋳型へセットしてから鋳造までの時間:3分30秒
なお、前記8種類((a)〜(d)、(A)〜(D))のツリー形状、埋没方法、脱漏方法、電気炉温度、及び鋳造方法は前記全て同一の条件で行った。
ツリー形状:直径8mm,高さ120mmの円柱に、試験資材を円柱に対して、上方向へ角度25度、上から4本ずつ配置し、20mm下の段から付けて、5段のツリー形状とした。
埋没方法:(株)ノリタケカンパニー社のギフト(埋没材)を使用し、水との混合比38%(株)愛工舎製作所の混和器で2分混合し、(株)安井インターテックの脱法器で1分間空気を抜き、その後混合した埋没材をツリーの型に流し込み、再度脱法器で1分間空気を抜き1時間乾燥の為放置した(室温25℃,湿度60%)。
脱漏方法:(株)カトーの温風ヒーターを使用し、温度設定150℃,1時間タイマーオフで脱漏器の中で、ワックスを溶かした。
電気炉温度:(株)安井インターテック社製の電気炉を使用し、10時間かけて、温度を740℃までゆっくり上昇させた。
鋳造方法:鋳型温度を740℃,鋳造温度1340℃に設定した。真空状態にし、ゆっくり温度を上昇させ、設定温度に達したら、窒素ガスを使用し、3気圧の圧力で地金を押し込んで鋳造した(鋳型セットから3分30秒)。
以下、通常の磨き仕上げ工程(電解研磨、磁気バレル、表面処理、形状成型、磨き工程等)を経て検体をえた。
(ロ)割れと筋の判別方法
検体の表面を10倍のルーペにより肉眼で観察した。
(6)割れと筋の発生状況を表1に示す。
表1の結果によれば、割れと筋の発生は、(C)、又は(D)の方法によれば、ほぼ完全に防止することができる。
下記の表2に、前記(C)の方法を用い、請求項3の範囲の配合を中心として、種々の配合で鋳造した白色金合金のΔEの値を示す。
表2中、Auの含有量が78.0重量%を超えるもの(No.1,2,4,5,7,10,19,22)は、Auの含有量が多すぎて、ΔEを7.0以下とすることができない。
又、Pt+Pd>19重量%である配合(No.31〜36)は、加工性が悪く、本願発明の範囲(請求項1)には入らないものである。
表3に、請求項4に記載した条件の配合で鋳造した白色金合金の配合とΔEの値を示す。
表3中、No.71に示す配合が、金含有量75重量%(K18)において最良の結果を示すものである(請求項5)。
なお、下記の表4(No.91〜95)に従来の白色金合金のΔEの値の例を示す。いずれもΔEの値が7.0を超えている。
実施例1の配合で、(D)の方法を用いて得られた地金から、真空吸引加圧鋳造法にて、宝飾品である指輪を試作した。ホワイトクリスタルバライト系埋没材、セラミック系埋没材、燐酸塩系埋没材が使用可能であった。
得られた指輪は、割れや筋等の欠陥、及び鋳巣が全くない良好な鋳造物が得られた。
又、この鋳造物を切削加工、バフ研磨を経て鏡面性(照り、金属光沢)を有する状態まで仕上げたところ、この工程でも割れや、筋等の欠陥、鋳巣は全く生じなかった。
前記段落〔0018〕(5)の「2.20×20×1mm板材」を試験体とし、下記の試験を行った。
(1)耐酸性
試験体:板材3枚のうち、1枚を保存用とし、2枚に下記の処理をした。
虐待試験:5%希硫酸に10分間浸漬後、水洗し、4週間、紫外線の当たる窓際に放置。
判定方法:10倍のルーペで肉眼により、確認した。
試験結果:変化なし。
(2)耐アルカリ性
試験体:板材3枚のうち、1枚を保存用とし、2枚に下記の処理をした。
虐待試験:28%アンモニア水に10分間浸漬後、水洗し、4週間、紫外線のあたる窓際に放置。
判定方法:10倍のルーペで肉眼により、確認した。
試験結果:変化なし。
(3)変色状況
確認の結果、変色は現われず、極めて、耐酸性・耐アルカリ性に優れた合金であルことが確認された。
表3のNo.71の白色金合金のΔEの測定結果を示す図である。

Claims (5)

  1. Auに対し、Pt,Pd,Ag,及びCuを、下記の(イ)〜(ヘ)に示す割合で配合して溶融した後冷却する白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)の製造方法において、下記の(A)工程及び(B)工程を先に行い、更に(C)工程、又は(D)工程を順次経ることを特徴とする白色金合金の製造方法。
    (イ)Auが70〜78.0重量%
    (ロ)Ptが4.5重量%以上
    (ハ)Pdが8.0重量%以上
    (ニ)PtとPdの和が19.0重量%以下
    (ホ)Agが0,5〜3.0重量%
    (ヘ)Cuが2.0〜8.0重量%

    (A)工程:PtとPdを溶融して、Pt−Pd合金を得る工程
    (B)工程:AgとCuを溶融して、Ag−Cu合金を得る工程
    (C)工程:Auに前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、Au−Pt−Pd合金を得た後、更に前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程
    (D)工程:Auに前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、Au−Ag−Cu合金を得た後、更に前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程
  2. Auに対し、Pt,Pd,Ag,及びCuを、下記の(イ)〜(ホ)に示す割合で、かつ残部が実質的にAgとなるように配合して溶融した後冷却する白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)の製造方法において、下記の(A)工程及び(B)工程を先に行い、更に(C)工程、又は(D)工程を順次経ることを特徴とする白色金合金の製造方法。
    (イ)Auが75.0重量%
    (ロ)Ptが4.5重量%以上
    (ハ)Pdが8.0重量%以上
    (ニ)PtとPdの和が19.0重量%以下
    (ホ)Cuが2.0〜8.0重量%

    (A)工程:PtとPdを溶融して、Pt−Pd合金を得る工程
    (B)工程:AgとCuを溶融して、Ag−Cu合金を得る工程
    (C)工程:Auに前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、Au−Pt−Pd合金を得た後、更に前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程
    (D)工程:Auに前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、Au−Ag−Cu合金を得た後、更に前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程
  3. Auに対し、Pt,Pd,Ag,及びCuを、下記の(イ)〜(ホ)に示す割合で配合して溶融した後冷却する白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)の製造方法において、下記の(A)工程及び(B)工程を先に行い、更に(C)工程、又は(D)工程を順次経ることを特徴とする白色金合金の製造方法。

    (イ)Auが75.0重量%
    (ロ)Ptが7.0重量%
    (ハ)Pdが11.0重量%
    (ニ)Agが1.5重量%
    (ホ)Cuが5.5重量%

    (A)工程:PtとPdを溶融して、Pt−Pd合金を得る工程
    (B)工程:AgとCuを溶融して、Ag−Cu合金を得る工程
    (C)工程:Auに前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、Au−Pt−Pd合金を得た後、更に前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程
    (D)工程:Auに前記(B)のAg−Cu合金を溶融して、Au−Ag−Cu合金を得た後、更に前記(A)のPt−Pd合金を溶融して、白色金合金(Au−Pt−Pd−Ag−Cu合金)を得る工程
  4. Au,Pt,Pd,Ag,及びCuは,各々の単体を溶融し、金属結合中に包摂されているガス(気体)を放出させて除去したものを使用する請求項1〜請求項3に記載する白色金合金の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4記載の製造方法により得られる白色金合金を使用した宝飾品。
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