JP4180658B2 - 難燃性ファスナと同の製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は難燃性ファスナに関するものであり、更に詳しく言うと、その裏面に感圧性接着剤を備えた難燃性の有頭突子ファスナに関するものである。
背景技術
確かな難燃性試験に合格するフックアンドループ式ファスナーには、裏側が平坦な仕様のものと感圧式接着剤仕様のものがある。しかしながら、フックアンドループ式ファスナーは高強度を要する工業固定用途には不適切である。或る種のエレクトロニクス、航空宇宙、鉄道輸送、自動車へ応用するには、適切な難燃特性を備える高強度工業品質のファスナが要求される。
有頭突子ファスナは多くの高強度固定用途に適しているが、難燃性の乏しさによって制限を受けていた。例えば、ミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company)から商標名Dual Lockで市販されているものなど、現在市販されている有頭突子ファスナは連邦航空規則(F.A.R.)25.853(a)(1)(iv)および(a)(1)(v)に定められた水平燃焼試験に適合しているものの、F.A.R.の垂直燃焼試験には適合していない。航空宇宙産業の必要に応じてF.A.R.25.853(a)(1)(i)および(a)(1)(ii)に定められた垂直燃焼試験は、そのようなファスナーに関する現在もっとも厳格な難燃性基準である。
難燃性を向上するために材料に添加される充填剤は、有頭突子ファスナに使用される材料の特性を変化させることがしばしばある。特に、感圧接着剤は、難燃性を実現するためには重量で5〜30%の充填剤を要する。約10%を越える充填剤は、粒子径ならびに充填剤の化学的性質によって表皮接着に悪影響が及び、粘着性が失われることがある。充填剤によって硬化が妨げられることすらある。例えば、一般にアクリル系接着剤で難燃性を得るためには大略30%の充填剤を要する。しかし、充填剤は、表皮の接着性および粘着性を減少するだけでなく、アクリル系接着剤の紫外線硬化を妨害する。
高性能ファスナの中には、係合回数1000回のサイクルライフにおいて207〜414kPa(30−60 lbs./in2)の範囲の動的引張脱離力を有するものがある。従って、ファスナ係止に利用される接着剤は、長時間にわたってかなりの剥離力および引張脱離力に耐えることができなくてはならない。充填剤によって材料の全体強度が減少する場合もある。
充填剤によって材料の溶融特性が変化することよって有頭突子ファスナの生産に関わる処理パラメータが変わる可能性がある。例えば、一実施態様において、有頭突子ファスナの頭部は熱変形によって形成される。充填剤熱変更が遅延もしくは妨害されることがある。顔料濃縮物、紫外線安定剤、老化防止剤などの充填剤を重量2%未満で含むポリマーを用いて最適形状の頭部を形成することに関して広範囲な調査を行った。結局、充填剤の添加および生産速度低下は、製品の全体コストを増大させる。
発明の開示
本発明は、裏面に感圧接着剤を有する難燃性の有頭突子付きファスナに関するものである。
難燃性ファスナは、第2のファスナに脱着可能に係着するのに適している。ファスナの裏打層は、露出接着面と支持面を有する難燃性のポリマー材料から作製される。複数の可撓弾性突子部は接着面と略垂直をなして突出している。末端突子部は、その末端には膨頭部を有する。膨頭部の上面は末端突子部と対向し、係合面は接着面と対向している。頭部は、裏打層の種々の部分に沿って第2のファスナと脱着可能に係着するように移動できるように配置される。支持面には、非難燃性の感圧接着剤が塗布される。
一実施態様において、非難燃性の感圧接着剤は、アクリル系発泡感圧接着剤の発泡体層である。あるいは、非難燃性の発泡体層は、支持面と感圧接着剤の間に設けられる。非難燃性の発泡体層は、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ネオプレン、およびシリコーンから成るグループから選択されることが好ましい。
発泡体層の厚さは、裏打層の厚さより薄いことが好ましい。発泡体層は裏打層より嵩が少ないことが好ましい。一実施態様において、発泡体層の最大厚は約0.889mm(0.035インチ)であることが好ましい。あるいは、発泡体層の最大厚は約3.05mm(0.120インチ)であることが好ましい。
非難燃性の感圧接着剤または接着剤/発泡体システムの最小垂直剥離強度は、好ましくは1428.8グラム/cm(8 lbs/インチ)であり、更に好ましくは2857.6グラム/cm(16 lbs/インチ)である。接着剤の剥離強度が強いほど、支持体に接着したときのファスナのサイクルライフが長くなる。感圧接着剤は実質的に剥離ライナーによって被覆される。裏打層はの厚さは、0.051mm〜3.05mm(0.002〜0.120インチ)の範囲であってもよく、好ましくは0.254mm〜1.52mm(0.010〜0.060インチ)の範囲であり、最も好ましくは0.51mm〜1.02mm(0.020〜0.040インチ)の範囲である。
一実施態様において、突子部は、長手方向に配向されて接着面に埋め込まれた非難燃性のポリマー材料から成る略U字形の単繊維である。難燃性のポリマー材料は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリプロピレン、およびポリエチレンから成るグループから選択されることが好ましい。
ファスナは、F.A.R.25.853(a)(1)(i)の、基板に取り付けない状態における垂直燃焼性試験の要件を満足することが好ましい。60秒のあいだ火炎にさらした後、15秒でファスナの垂直配向部の燃焼長は152.4mm(6インチ)未満とする。60秒のあいだ火炎にさらした後、ファスナの燃焼は15秒未満とする。滴は、落下後平均約3秒を越えて燃焼し続けなくてもよい。
一実施態様において、第2のファスナは、有頭突子ファスナを具備する。頭部は複数列、不規則構成、または正弦曲線状模様などのパターンに配設される。
【図面の簡単な説明】
図1は、難燃性ファスナの部分斜視図である。
図2は、難燃性ファスナの2つの対向部を係着した状態の断面図である。
好適実施態様の詳細な説明
図1と図2は、難燃性の裏打層22から突出する複数の有頭突子ファスナ部材21を有する難燃性ファスナ10、12、および14を示す。裏打層22は、1種類または複数種類の難燃性材料22aを含んでいる。有頭突子ファスナ部材21は、難燃性の裏打層22に埋め込まれて接着または融着された、複数のしなやかで弾性のある略U字形の単繊維から成る。単繊維24は、難燃性の裏打層22の接着面28と略垂直をなして突出する突子部26を有する。突子部26の末端には頭部30がある。頭部30は、突子部26と対向するカム形面38と、接着面28と対向する係合面40とを有する(図2参照)。
単繊維24群のバイト(bight)部36は、一連の略平行列を形成するように並んで配設されており、単繊維の各列は、一直線にそろった突子部26と頭部30を備えた列が二列となる。ここで、単繊維24は、難燃性の裏打層22上にランダムに配置してもよいし、正弦曲線状模様などのパターンに配置してもよいことを理解されたい。それぞれのU形単繊維24の突子部26と列に沿って隣接するU形単繊維24の隣接する突子部26は、ファスナ10の他方部の単繊維24の頭部30が実質的に突子部26を広げずに間に配置できるように、離れて配置されることが好ましい。U字形の単繊維は、長手方向に配向された非難燃性のポリマー材料から作製される。各単繊維24の突子部の長さは同じであることが好ましい。
発泡体層32は、接着剤によって難燃性の裏打層22の接着面28と対向する支持面に接着してもよい。発泡体層32の反対側は、剥離可能なシリコーン剥離ライナー35で覆われた粘着性の感圧接着剤20を備える。感圧接着剤の厚さは一般的に0.025〜0.635mm(0.001〜0.025インチ)の範囲内である。発泡体層32の厚さは、好ましくは0.051〜3.05mm(0.002〜0.120インチ)、更に好ましくは0.051〜1.52mm(0.002〜0.060インチ)、最も好ましくは0.051〜0.889mm(0.002〜0.035インチ)である。発泡体層32を備えない一実施態様において、難燃性の裏打層22の支持面に感圧接着剤20が塗布される。アクリル系接着剤などの特定間圧接着剤を塗布する前に、支持面にプライマーを塗布することが好ましい。更に別の代替実施態様において、発泡体層32は、以下に説明するように、アクリル系接着剤などの厚い接着剤から作製してもよい。アクリル系接着剤を利用するこれらの実施態様では、アクリル系接着剤を塗布する前に支持面にプライマー層を積層することが好ましい。
図2は、図1の難燃性ファスナ12、14の二部分を係着配置したものの断面図である。ファスナ12、14は、感圧接着剤20によって、基板16、18にそれぞれ接着されている。頭部30のカム形面38は、頭部30が互いに係着配置されるように移動するときに突子部26をそらせるのに役立つ。二次元係合面40は、突子部26から半径方向外側に延在し、対向ファスナ部12または14の1個または複数個の頭部のいずれか係合面40と係合する。係合面40は、ファスナ部12と14を分離する所定の力がかけられるまで、頭部30を係合状態に保持する。
突子部26の弾性偏向による頭部30の分離時に他方ファスナ部12または14の頭部30がその間に移動するだけで済むように、これら隣接突子部26の頭部30は、その直径よりも少ない距離をおいて配置されている。文献引用によって本明細書中の記載に代える米国特許第4,216,257号明細書(Schams他)に概ね記載されているように、ファスナ部12および14を分離しようとする力に対応して、発泡体層32は難燃性の裏打層22を撓ませて突子部26間の小さな長さの差を補正し、頭部30の大部分の係合面40が同時に係合してファスナ10の保持力が最大になるようにする。
当該難燃性ファスナ10は、文献引用によって本明細書中の記載に代える米国特許第4,290,174号明細書(Kalleberg)に開示されている方法などのいずれか適切な方法によって作製してもよい。有頭突子ファスナを作製するための射出成形プロセスは、文献引用によって本明細書中の記載に代える米国特許第5,077,870号明細書(Melbye他)に開示されている。
あるいは、裏打層22ならびに有頭突子21は、破壊的に脱離可能な脚部用鋳型を用いる射出成形によって作製してもよい。破壊的に脱離可能な脚部用鋳型を利用する射出成形プロセスの例は、いずれも文献引用によって本明細書中の記載に代える米国特許第5,242,646号明細書(鳥越他)および同第5,398,387号明細書(鳥越他)に記載されている。これに関し、破壊的に脱離可能な脚部用鋳型とは、金属製鋳型のコアとして使用され、例えば、超音波振動、溶融、水または溶剤による溶解、または粉状化によって脱離できる鋳型を指す一般用語である。この場合、破壊的に脱離可能な脚部用鋳型は、有頭突子の脚部および頭部に形成される切下と溝の一方または両方の鋳型として、有頭突子の基部と頭部を備えた脚部を一体成形した後に使用される。破壊的に脱離可能な脚部用鋳型は、適切な機械的または化学的方法によって脱離してもよい。あるいは、破壊的に脱離可能な脚部用鋳型は脚部の鋳型としてのみ使用し、切下と溝の一方または両方は適切な金属製の鋳型で成形してもよい。成形ファスナの場合、裏打層、脚部、および頭部は、難燃性のポリマー材料で作製してもよい。
好適発泡体層32は、非難燃性感圧発泡体または感圧接着剤システムを備えている。あるいは発泡体層32は、発泡体と接着剤を接合した複数層であってもよい。発泡体層32は、ホットメルトコーティング、コーティングおよび紫外線硬化、直接積層、または当該技術分野で周知の他の種々のテクニックによってかけることができる。非難燃性の発泡体層32の密度は、好ましくは少なくとも0.03グラム/立方センチメートル、更に好ましくは少なくとも0.096〜1.01グラム/立方センチメートル(6〜63ポンド/立方フィート)である。発泡体層32の厚さは、少なくとも0.05mm(0.002インチ)である。当該難燃性ファスナ10でしようするのに適しているものとして分かっている2種類の非難燃性の独立気泡感圧アクリル樹脂発泡体は、製品番号4905のスコッチブランドのVHBテープおよび製品番号Y−4251のスコッチ−マウントブランドのアクリル樹脂発泡体テープという商品名で販売されており、いずれもミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社から購入できる。4905のアクリル樹脂発泡体は、厚さ約0.5mm(0.020インチ)、密度約997キログラム/立方メートルである。Y−4251の一方の表面には更に0.05mm(0.002インチ)の感圧接着剤が積層されており、全体厚は約0.94mm(0.037インチ)であり、報告されている密度は515キログラム/立方メートル〜675キログラム/立方メートルである。
垂直表皮接着試験を施したとき、Y−4251アクリル樹脂発泡体接着剤は、厚さ0.51mm(0.020インチ)の下塗りを施した幅25.4mm(1インチ)×長さ203mm(8インチ)のポリプロピレン基材の切片に塗布して、これをステンレススチールのパネルに室温で保持時間1〜2時間で取り付けた場合、接着剤は1428.8グラム/cm(8 lbs./インチ)以上の力、一般的には2321.8〜2857.6グラム/cm(13〜16 lbs./インチ)に耐えることができる。
難燃性の裏打層22は、難燃性材料22aを含有する均一な非繊維性可撓ポリマー材料の層であることが好ましい。適切なポリマー材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、またはポリエステル樹脂などがある。耐衝撃性改良ポリプロピレン樹脂は、その耐熱性、機械的強度、加工性により、更に好ましい材料の1つである。材料の耐屈曲性を備えた折曲モジュールは、可塑剤、強靭化剤等を添加することなどによって任意に変更または変えることができる。ポリオレフィン樹脂は、一般に、アルミナ3水和物、三酸化アンチモン、酸化鉄、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、赤リン、シリコン、ホウ酸亜鉛などの難燃性の無機質成分または、などの難燃性無機質成分、または臭素化芳香族化合物、臭素化または塩素化脂肪族、リン酸エステル、ハロゲン化亜リン酸チャーフォーマー、およびリン化合物などの難燃性有機物を添加することによって難燃性にできる。
市販されている種々のV−O級の難燃性ポリオレフィン樹脂が、本発明の裏打層22として使用するのに適している。V−O級の材料は、保険会社研究所(Underwriters Laboratories=UL)の20mm垂直燃焼試験94V−0を満足するものであり、その内容を本明細書に引用したものとする。用途によっては、UL20mm垂直燃焼試験94V−1または94V−2級のポリマーが十分な難燃性を備える場合がある。例えば、発泡体層が十分に薄ければ、94V−1または94V−2級のポリマーでも、以下に記載するF.A.R.25.853を満足するに足るものとなることがある。
本発明の裏打層として使用するのに適した難燃性ポリプロピレンシート材料は、イリノイ州デスプレーンズのITWファステクス(Fastex)社市販されているFormex−20、Formex−40、および耐衝撃性改良Formex GK−10、Formex GK−17、Formex GK−30、Formex GK−40、ならびにFormex GK−62である。難燃性の裏打層22として使用するのに適した別の難燃性ポリプロピレン樹脂は、商品名Type PP301でニュージャージー州フリーホールドのモンマスプラスチック社(Monmouth Plastic Company)から市販されている。メーカーが提示する材料特性を以下の表1と表2にまとめる。
Figure 0004180658
Figure 0004180658
本発明の難燃性ファスナは、エレクトロニクス、航空宇宙、鉄道輸送、自動車への応用に適している。難燃性を評価する種々の基準が存在するが、連邦航空規則が現在もっとも厳格な試験である。従って、本発明の難燃性ファスナは、以下に説明するようにF.A.R.25.853のパラグラフ(a)(1)(i)に基づいて評価を行った。
F.A.R.25.853(1990年7月)に対する適合を示すための試験基準ならびに試験方法
垂直燃焼試験に関するファスナ試験基準であるサブパラグラフ(a)(1)(i)は、乗務員または乗客が占有する内部車室に関するものである。内部天井パネル、内部壁パネル、隔壁、厨房構造物、大型キャビネットの壁、構造用床材、および積込室の構造に使用される材料に関するものである。サブパラグラフ(a)(1)(ii)は、シートのクッション、詰め物、装飾または非装飾用コーティング布、皮革、トレイ、厨房備品、,電気道管、断熱ならびに防音被覆エアダクト、接合部ならびに端部被覆等に関するものである。これらの用途に使用される材料は、§25.853(a)(1)(i)および(a)(1)(ii)の手順に従って垂直に試験されるときに自消性を示さなければならない。
試験片は、水分平衡が24時間になるまで、相対湿度50%±5%で21.1℃±2.8℃(70±5°F)に調整しておかなくてはならない。各試験片は、火炎にさらす前まで調整環境に置かなくてはならない。試験片は、基板に取付られたり支えられたりしない状態で、2つの長縁部と上縁部がしっかりと保持されるように金属枠に縦向きに取り付けなくてはならない。航空機で使用する実際のサイズが幅50.8mm(2インチ)、長さ304.8mm(12インチ)以上のものであるなら、試験片の露出領域は少なくとも幅50.8mm(2インチ)、長さ304.8mm(12インチ)でなければならない。バーナーの火炎をあてる縁部は、試験片の仕上縁部すなわち保護縁部であってはならず、航空機に取り付ける材料の自然断面部に相当するものでなければならない。最低でも3個の試験片について試験を行って、結果を平均しなければならない。
試験片は、高さ38.1mm(1〜1/2インチ)の火炎を出すように調整した標準的な内径9.53mm(3/8インチ)の管を備えたブンゼンまたはチリルバーナーに宛てなくては成らない。較正熱電対パイロメータで測定する火炎中央の最低火炎温度は843.3℃(1550°F)でなくてはならない。試験片の下側縁部は、バーナーの上縁部の上方19.1mm(3/4インチ)にセットしなければならない。火炎は、試験片下側縁部の中央線に当たらなければならない。燃焼時間、燃焼長、および滴の燃焼時間(あれば)を記録しなければならない。
サブパラグラフ(a)(1)(i)は、火炎を60秒間当てた後に外すことを要求している。平均燃焼長は152.4mm(6インチ)を越えてはならず、火炎源を外した後の平均燃焼時間は15秒を越えてはならない。滴は、落下後平均3秒以上燃焼し続けてはならない。燃焼長とは、試験片の縁端部から最も遠い熱衝撃による損傷痕までの距離である。損傷痕には、部分または完全燃焼部、炭化部、脆化部を含まれるが、煤煙汚れ部、汚染部、歪部、変色部、ならびに熱によって材料が収縮または溶融した部分は含まれない。
サブパラグラフ(a)(1)(ii)は、火炎を12秒間当てた後に外すことを要求している。平均燃焼長は3インチを越えてはならず、火炎源を外した後の平均燃焼時間は15秒を越えてはならない。滴は、落下後平均5秒以上燃焼し続けてはならない。
実施例
裏打層、発泡体層、および/または感圧接着剤に難燃性材料を使用することの関係があるかどうかを調べるために、一連のサンプルを用意した。以下の実施例では、F.A.R.25.853(a)(1)(i)の垂直燃焼試験に従って、市販材料を組み合わせたものを試験した。製品の仕様はメーカーが公表する通りである。ここで用いた単繊維は、南カリフォルニアのコロンビアにあるシェイクスピア(Shakespeare)から市販されている直径0.38mm(0.015インチ)の非難燃性の黒色ポリプロピレンであった。F/Rとは難燃性材料のことを示す。
実施例 1
実施例1の発泡体はいずれも、マサチューセッツ州ローレンスにあるボルテック(Voltek)から市販されている、密度96kgs/m3(6 lbs./ft3)ポリエチレンフォームで、厚さは0.787mm(0.031インチ)ある。6EOフォームは非難燃性で、6TSフォームは難燃性である。特に指定のない限り、発泡体の両面には厚さ0.05mm(0.002インチ)の感圧接着剤が塗布してある。サンプル4〜7非難燃性の裏打層は、厚さ0.50mm(0.020インチ)の黒色ポリオレフィンで、突子密度は39本/平方センチメートル(250本/平方インチ)ある。サンプル4〜7の裏打層ならびに有頭突子、ミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社から市販されている製品番号SJ3440、商標名Dual Lockの標準的な脱着可能ファスナである。サンプル1と7は、ミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社から市販されている製品番号F−9460PCのスコッチブランドのVHBテープとして識別される非難燃性アクリル系接着剤を利用して作製した。サンプル2、3、4、および6は、ミネソタ州セントポールのH.B.フラー社(Fuller)から市販されている製品番号HL−2086のゴムベースの難燃性接着剤を利用して作製された。
サンプル5は、接着剤Aという非難燃性のホットメルト型接着剤を利用して作製された。接着剤Aは、米国特許第5,453,319号明細書に大略従って作製された感圧接着剤である。この接着剤の材料は、テキサス州ヒューストンのシェルオイル社(Shell Oil Company)から市販されているゴムKraton 1118を19.8重量%、テキサス州ヒューストンのハウスメックス社(Housemex, Inc.)から市販されているゴムSolprene 1205を20.8重量%、ジョージア州ブランズウィックのヘルクレス社(Hercules, Inc)社から市販されている樹脂Piccolyte A135を48.3重量%、テキサス州ヒューストンのシェルオイル社(Shell Oil Company)から市販されているオイルShellflex 371を10.1重量%、およびテキサス州マッキントッシュのチバガイギー社(Ciba Geigy)から市販されている老化防止剤Irganox 1076を1.0重量%などである。
サンプル6では、発泡体が無いので、裏打層の支持面に直接に難燃性(F/R)のゴムベース接着剤を塗布する。裏打層が無かったり、非難燃性裏打層が積層されたり、難燃性ならびに非難燃性発泡体と感圧接着剤との種々の組み合わせはF.A.R.25.853(a)(1)(i)にしたがった。結果を以下の表3にまとめる。
Figure 0004180658
サンプル1の難燃性発泡体と非難燃性接着剤は、垂直燃焼試験に不合格であった。同様に、サンプル2の難燃性発泡体を備える難燃性接着剤およびサンプル3の難燃性発泡体を備え難燃性接着剤も不合格であった。サンプル4の難燃性の発泡体およ接着剤と組合わせた非難燃性の裏打は不合格であった。非難燃性の裏打と難燃性の発泡体とで作製したサンプル5と7も不合格であった。
実施例 3
難燃性の裏打層と種々の非難燃性の発泡体層、単繊維、および感圧接着剤を利用することの効果を確認するために、一連のサンプルを作製した。材料の多くは既に実施例1において識別したものである。4492接着剤/発泡体システムは、厚さ0.25mmの白色のポリエチレンフォームテープであり、厚さ約0.8mm、密度約96kgs/m3(6 lbs./ft3)のアクリル系接着剤層を有しており、ミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社から市販されているものである。製品番号F−9473 PCのスコッチブランドVHBテープは厚さ0.254mm(0.010インチ)の透明なアクリル系接着剤転写テープで、ミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社から市販されている。
接着剤Bは、米国特許第5,453,319号明細書の実施例17に概ね従って作製されたゴムベースの感圧接着剤である。
イリノイ州デスプレーンのITWファステックス社から製品名Formex 20BKで市販されている厚さ0.51mm(0.020インチ)の難燃性ポリプロピレンを利用し、米国特許第4,290,174号明細書(Kalleberg)に開示されたプロセスに基づいて裏打層を作製した。裏打層は、6.45cm2(1平方インチ)あたり400本の有頭突子を有する。サンプル15−20の第2の寸法は、これらサンプルの裏打ち層よりも大きい接着剤の燃焼長を指している。試験結果の概要を以下の表5に記載する。
Figure 0004180658
表5から明白であるように、裏打層のみに難燃性の材料を利用し、発泡体層、接着剤層、および単繊維に非難燃性材料を利用してF.A.R.25.853(a)(1)(i)の垂直燃焼試験を満足することができる。
実施例 4
実施例4は、難燃性に関する裏打の厚さの効果を確認するための一連の試験に関するものである。厚さ0.94mm(0.037インチ)の白色のアクリル樹脂発泡体を種々の厚さの難燃性ポリプロピレンに積層することによって、一連の裏打/接着剤サンプルを作製した。裏打層は、突子の無いものを形成した。アクリル樹脂発泡体テープは、ミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社から製品名スコッチマウントブランドY−4251で市販されているアクリル樹脂発泡体テープである。裏打層は、イリノイ州デスプレーンのITWファステックス社から市販されている耐衝撃性改良ポリプロピレンシート材料で、製品名は厚さに応じてFormex−31自然色、Formex−40自然色、Formex GK−40黒色である。以下の表6に記載されているように、F.A.R.25.853(a)(1)(i)に従ってこれらサンプルに試験を実施した。
Figure 0004180658
燃焼滴が、既に滴下した材料に引火した。表6から、難燃性の裏打層が厚いほど、任意の非難燃性発泡体および接着剤の燃焼時間が短くなることが分かる。
実施例 5
実施例5は、難燃性に関する裏打の厚さの効果を確認するための一連の試験に関するものである。厚さ0.64mm(0.0220インチ)の透明なアクリル樹脂発泡体を種々の厚さの難燃性ポリプロピレンに積層することによって、一連の裏打/接着剤サンプルを作製した。裏打層は、突子の無いものを形成した。アクリル樹脂発泡体テープは、ミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社から製品名スコッチマウントブランドVHBテープ4905で市販されているものである。裏打層は、イリノイ州デスプレーンのITWファステックス社から市販されている耐衝撃性改良ポリプロピレンシート材料で、製品名は厚さに応じてFormex−31自然色、Formex−40自然色、およびFormex GK−40黒色である。以下の表7に記載されているように、F.A.R.25.853(a)(1)(i)に従ってこれらサンプルに試験を実施した。
Figure 0004180658
実施例4と5から、裏打層の厚さに伴って難燃性が向上することが分かる。非難燃性発泡体および接着剤の燃焼を阻止するために、裏打層は、十分な厚さと十分な嵩を有していなければならない。ファスナの単位面積あたりの嵩が非難燃性発泡体および接着剤よりも大きい難燃性裏打層を組み合わせることによって難燃性ファスナが作製できることが分かる。
実施例 6
米国特許第4,290,174号明細書(Kalleberg)に開示されている方法を利用して、突子が26.8本/cm2(170本/平方インチ)の有頭突子ファスナを作製した。裏打層は前述のFormex GK−30黒色で構成し、製品番号4905のスコッチブランドVHBテープを積層した。F.A.R.25.853(a)(1)(i)により試験を実施したところ、該サンプルの燃焼長は105mm(4.13インチ)、燃焼時間は0秒、滴の燃焼時間は1秒であった。該サンプルは試験に合格であった。
以上は、いくつかの実施態様を参照しながら本発明の説明を行った。当業者には、本発明の適用範囲を逸脱することなく前述の実施態様に多くの変更を施せることが明白であろう。従って、本発明の適用範囲は明細書に記載の構造に限定されるものではなく、クレームの文言によって説明される構造ならびにそれらの構造と等価なものによって限定されるものである。

Claims (1)

  1. 露出接着面(28)および支持面を有する難燃性のポリマー材料の裏打層(22)と、
    前記接着面(28)と略垂直をなして突出する複数の可撓弾性突子部(26)であって、その突子部(26)は前記接着面(28)に埋め込まれたU字形の非難燃性のポリマー材料から成り、前記突子部(26)の膨頭部(30)は前記突子部(26)の末端にあり、前記膨頭部(30)は前記突子部(26)に対向するカム形面(38)と前記接着面(28)に対向する係合面(40)を有し、前記頭部(30)は隣接する突子部(26)の間で移動できるように配設されている可撓弾性突子部(26)と、
    前記支持面に塗布される非難燃性の感圧接着剤(33)とを具備する、
    ファスナに脱着可能に係着するように構成された難燃性のファスナ(12、14)であって、連邦航空規則(F.A.R.)25.853(a)(1)(i)の、基板に取り付けない状態における垂直燃焼試験(難燃性試験)の要件であって、火炎に約60秒間あてた後の15秒における前記ファスナ(12、14)の垂直方向の燃焼長は152.4mm(6インチ)未満であり、火炎に60秒間あてた後に前記ファスナが燃焼するのは15秒未満であり、更に、火炎に60秒間あてた後で滴は落下後平均3秒を越えて燃焼し続けない、難燃性のファスナ。
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