JP4179172B2 - 音響シミュレーション装置及びそのプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、音響シミュレーション装置に関する。
ある領域に位置する音源から別の領域に位置する受聴体に向けて音声を出力した場合に、その受聴体で観測されるであろう音声を擬似的に生成して出力するシステムが提案されている。この種のシステムを開示した文献としては、例えば特許文献1がある。この文献には、車両の運転者に対し、車両と目的となる建物等との間にある障害物を音響変化によって案内するナビゲーションシステムが開示されている。同文献によると、このシステムは、GPS(Global Positioning System)を利用して車両の現在位置を随時計測する一方で、計測した現在位置と目的となる建物等との間に音波を遮る障害物があるかどうか、つまり、目的となる建造物から発せられた音波が車両に直接伝播しうるかを判断する。その結果、音波が直接伝播する経路がないときは、その障害物を回折してくるであろう回折波のみを表現する音声をスピーカから出力する一方、音波が直接伝播する経路があるときは、回折波と直接波の合成を表現する音声をスピーカから出力する。このように音波の伝播を遮る障害物の有無に応じて音声の定位を違えることで、物体が乱立する環境の中における車両と目的物との位置関係を感覚的に把握させることができる。
特開2002−131072号公報
ところで、ある空間内の特定の領域に位置する物体から他の特定の領域に位置する物体に向けて発せられた音波の伝播経路は、その空間内において音波を遮蔽したりする可能性のあるすべての線(その空間が3次元であれば面)と両物体間を結ぶ線分とが交差するか否かをすべて計算することによって特定するというのがこれまで一般的であった。かかる従来手法を比較的単純な例を挙げて説明すると、例えば図8に示すように、線分a乃至dにより形成される矩形の内部に線分eを挟んで音源Sと受聴体Lとが配されたケースであれば、音源Sと受聴体Lとを結んだ直線と交差するか否かを線分a乃至eのそれぞれについて計算することによってはじめて、音波を遮蔽するのが線分eであることを特定できた。このため、上述したナビゲーションシステムのように、空間内にある2つの物体の位置関係が随時変動し、且つリアルタイムでの伝播経路の探索が要求される場合においても上述した従来手法によって伝播経路の探索を行なうとすると、極めて大きな計算負荷を演算部に強いることになってしまうという問題があった。
本発明は、このような問題を解決すべく案出されたものであり、空間内にある2つの物体の位置関係が随時変動する状況下においても、演算部に過度の計算負荷をかけることなくリアルタイムで伝播経路を特定し、その伝播経路に応じて反射、回折や定位などの音響効果の信号処理がなされた音声を出力しうる装置を提供することを目的とする。
本発明の好適な態様である音響シミュレーション装置は、仮想的に分割された複数の領域を有する空間内において、音源と受聴体の前記空間内における配置を複数想定し、前記音源が配置される領域と前記受聴体が配置される領域の各組み合わせ毎に、当該音源から当該受聴体に至る音波の伝播経路の候補を示す複数の伝播経路候補情報であって該伝播経路における音波の反射の有無及び回折の有無が夫々異なる複数の伝播経路候補情報を記憶する記憶部と、音響信号を入力する信号入力部と、音源の位置を示す音源位置情報と受聴体の位置を示す受聴体位置情報とを入力する位置入力部と、前記音源位置情報を基に、音源が位置する領域を特定する第1の領域特定部と、前記受聴体位置情報を基に、受聴体が位置する領域を特定する第2の領域特定部と、前記第1の領域特定部が特定した領域と前記第2の領域特定部が特定した領域との組み合わせに対応付けられた複数の伝播経路候補情報を前記記憶部から読み出す経路候補読出部と、当該読み出した伝播経路候補情報に応じた信号処理を、前記信号入力部から入力された音響信号に施す信号処理部と、前記信号処理部によって信号処理が施された音響信号を出力する信号出力部とを備える。
また、本発明の別の好適な態様である音響シミュレーション装置は、仮想的に分割された複数の領域を有する空間内において、音源と受聴体の前記空間内における配置を複数想定し、前記音源が配置される領域と前記受聴体が配置される領域の各組み合わせ毎に、当該音源から当該受聴体に至る音波の直接波の経路を示す伝播経路候補情報と、当該音源から当該受聴体に至る音波の反射を含まない回折経路の伝播経路候補情報と、当該音源から当該受聴体に至る音波の回折を考慮しない反射経路の伝播経路候補情報と、当該音源から当該受聴体に至る音波の反射と回折を含む経路の伝播経路候補情報とを記憶する記憶部と、音響信号を入力する信号入力部と、音源の位置を示す音源位置情報と受聴体の位置を示す受聴体位置情報とを入力する位置入力部と、前記音源位置情報を基に、音源が位置する領域を特定する第1の領域特定部と、前記受聴体位置情報を基に、受聴体が位置する領域を特定する第2の領域特定部と、前記第1の領域特定部が特定した領域と前記第2の領域特定部が特定した領域との組み合わせに対応付けられた複数の伝播経路候補情報を前記記憶部から読み出す経路候補読出部と、当該読み出した伝播経路候補情報に応じた信号処理を、前記信号入力部から入力された音響信号に施す信号処理部と、前記信号処理部によって信号処理が施された音響信号を出力する信号出力部とを備える。
本発明の別の好適な態様である音響シミュレーション装置は、仮想的に分割された複数の領域を有する空間内において、音源と受聴体の前記空間内における配置を複数想定し、前記音源が配置される領域と前記受聴体が配置される領域の各組み合わせ毎に、当該音源から当該受聴体に至る音波の伝播経路の候補を示す複数の伝播経路候補情報であって該伝播経路における音波の反射の有無及び回折の有無が夫々異なる複数の伝播経路候補情報を記憶する記憶部と、音響信号を入力する信号入力部と、音源の位置を示す音源位置情報と受聴体の位置を示す受聴体位置情報とを入力する位置入力部と、前記音源位置情報を基に、音源が位置する領域を特定する第1の領域特定部と、前記受聴体位置情報を基に、受聴体が位置する領域を特定する第2の領域特定部と、前記第1の領域特定部が特定した領域と前記第2の領域特定部が特定した領域との組み合わせに対応付けられた伝播経路候補情報を前記記憶部から読み出す経路候補読出部と、前記音源と前記受聴体との位置関係を基に前記読み出した伝播経路候補情報の示す伝播経路候補音波が伝播するか否かを評価し、伝播すると評価された伝播経路候補を音波の伝播経路として確定する経路確定部と、当該確定した伝播経路に応じた信号処理を、前記信号入力部から入力された音響信号に施す信号処理部と、前記信号処理部によって信号処理が施された音響信号を出力する信号出力部とを備える。
本発明の別の好適な態様である音響シミュレーションプログラムは、仮想的に分割された複数の領域を有する空間内において、音源と受聴体の前記空間内における配置を複数想定し、前記音源が配置される領域と前記受聴体が配置される領域の各組み合わせ毎に、当該音源から当該受聴体に至る音波の伝播経路を示す複数の伝播経路候補情報であって該伝播経路における音波の反射の有無及び回折の有無が夫々異なる複数の伝播経路候補情報を記憶する記憶部と、音響信号を入力する信号入力部と、音源の位置を示す音源位置情報と受聴体の位置を示す受聴体位置情報とを入力する位置入力部と、音響信号を出力する信号出力部とを備えたコンピュータ装置に、前記位置入力部から入力された音源位置情報を基に、音源が位置する領域を特定する第1の領域特定処理と、前記位置入力部から入力された受聴体位置情報を基に、受聴体が位置する領域を特定する第2の領域特定処理と、前記第1の領域特定処理にて特定した領域と前記第2の領域特定処理にて特定した領域との組み合わせに対応付けられた伝播経路候補情報を前記記憶部から読み出す経路候補読出処理と、当該読み出した伝播経路候補情報に応じた信号処理を、前記信号入力部から入力された音響信号に施し、当該信号処理を施した音響信号を前記信号出力部から出力させる信号処理とを実行させる。
本発明によれば、演算部に過度の計算負荷をかけることなく、空間の内部を伝播する音波の経路を特定し、特定した伝播経路に応じて、反射、回折や定位などの音響効果の信号処理がなされた音声をリアルタイムで提示することができる。
(発明の実施の形態)
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。本実施形態に係る音響シミュレーション装置は、特定の仮想的な形状(2次元形状でも3次元形状でもよい)を有する空間を複数の領域に分割し、その空間内に各々配置された音源から受聴体に至る音波の伝播経路の候補を、音源を配置するであろう領域と受聴体を配置するであろう領域の各組合せ毎に記憶したテーブルとして予め準備している点を特徴としている。
この装置は、上述したような仮想的な空間内の特定位置から発せられた音を別の特定位置で受聴した場合に観測されるであろう擬似音の生成を上記テーブルを参照しながら行なうことで、擬似音を生成するための必須工程である音波の伝播経路の探索を高速化する。これにより、仮想空間の特定の場所に位置する音源から発せられた音を他の特定の場所で観測した場合の音響効果をリアルタイムでシミュレートすることができる。
図1は、本発明の実施形態にかかる音響シミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示すように、この装置は、条件入力部11、条件記憶部12、テーブル記憶部13、伝播経路算出部14、信号入力部15、信号処理部16、信号出力部17、及び信号提示部18を備えている。
条件入力部11は、音響効果のシミュレーションに必要な各種条件を入力する。具体的には、音響効果をシミュレートする仮想的な形状の空間を示す識別情報、その空間の内部において音源と受聴体とを配する各位置とそれらの向き等を入力する。音源と受聴体を配する位置は、選択された空間の形状が2次元形状であればX座標とY座標とによってそれぞれ指定し、3次元形状であればX座標とY座標とZ座標とによってそれぞれ指定する。
条件記憶部12は、条件入力部11から入力された内容を一時的に記憶する揮発性記憶素子である。
テーブル記憶部13は不揮発性記憶素子であり、形状を異にする数種の仮想的な空間に応じてそれぞれ準備された各伝播経路テーブルを記憶する。この記憶部に記憶されたテーブルの各々は、仮想的な形状の空間を分割して得た各領域から音源を配置する領域と受聴体を配置する領域とをそれぞれ選択した場合における、領域の各組合せに対応付けられた複数のセルからなっている。そして、同テーブルを構成する各セルには、経路候補情報がそれぞれ記憶されている。経路候補情報とは、音源が発した音波を受聴体で受聴する場合に想定される一又は複数の音波の伝播経路の候補を示す情報である。
音響効果をシミュレートする擬似音の生成時には、音源から受聴体までの音波の伝播経路を特定する工程を不可避的に実行しなければならない。リアリティのある擬似音を再現するためには、音波が音源から受聴体まで直接伝播せずに何らかの障害物を回折して伝播されるのであればその回折経路に応じて音響信号の到来時刻を遅らせる必要があるし、音源から発せられた音波が、空間の形状を構成する一又は複数の線(仮想的な空間内における壁に該当する、3次元形状の空間であれば面)を経由して伝播し得るのであればその反射音の信号を音響信号に重畳する必要があるからである。
ところが、空間内の任意の位置にある音源から他の任意の位置にある受聴体までの音波の伝播経路は無数に想定できるので、それらの経路を介して伝播しうるか否かを計算により一つ一つ検証していくのは極めて非効率である。
そこで、本実施形態では、仮想的な形状の空間を複数の領域に分割し、その空間内において様々な位置関係をとることが想定される音源と受聴体との間の音波の伝播経路をそれら各位置関係毎に個別に計算しておき、その計算過程で得た情報を、音源が位置する領域と受聴体が位置する領域の組合せ毎にグループ化した上で記憶した伝播経路テーブルを準備することにした。音響効果をシミュレートするときは、そのテーブルの内容を援用して伝播経路の探索を行なうことにより、経路を確定するまでの計算量が削減されることになる。
各伝播経路テーブルを構成するセルの編成、及び各々のセルに書き込まれるべき経路候補情報の取得はすべて人為的作業により行われる。具体的には、図2に示すような手順に従って1つの伝播経路テーブルが作成される。
まず、テーブルの作成者は、音響効果をシミュレートする仮想的な空間の形状を決める(S110)。例えば、図3(a)に示すような2次元の形状が決定されたと仮定する。この空間は、線分f乃至線分iによって囲まれた矩形の中に、その一端を線分fと垂直に接した線分jと、線分hと垂直に接した線分kとを配して形成される。空間の形状が決定されると、今度はかかる形状の空間を複数の領域に分割し(S120)、分割した領域のうち、音源又は受聴体が存在可能な領域に各々を識別するIDを割り振る(S130)。空間をいくつの領域に分割するか、また各領域間の境界をどこに設けるかは各作成者の裁量に委ねられるが、少なくともその形状を有する空間の内部において音波を遮蔽しうる線(3次元の形状であれば面)は領域の境界と重なるように分割を行うことが望ましい。例えば、図3(a)に示した2次元形状であれば、少なくとも図3(b)に示すようなA乃至Fの6つの領域に分割されることが望ましい。
分割を終えると、今度は、分割した各領域から音源を配置する領域と受聴体を配置する領域とを選択した場合における領域の各組み合わせに応じた複数のセルからなるテーブルを作成し、そのテーブルの各々のセルに、計算によって求められた各経路候補情報をそれぞれ書き込む(S140)。最後に、すべてのセルに経路候補情報を書き込んで完成した伝播経路テーブルをテーブル記憶部13に記憶する(S150)。
テーブル及びそのセルに記憶されるべき経路候補情報の作成作業について更に詳述する。本実施形態では、形状が決定された1つの空間に対して4つのテーブルがセットで作成されることになっている。4つのテーブルとは、直接波の経路を示す経路候補情報を記憶したテーブル、反射を含まない回折経路の経路候補情報を記憶したテーブル、回折を考慮しない反射経路の経路候補情報を記憶したテーブル、及び反射と回折を含む経路の経路候補情報を記憶したテーブルである。
ここで、これらのテーブルのうち前2者は、例えば、図4に示すように、音源を配した領域と受聴体を配した領域の組合せの各々と、参照すべきセルとが一対一で対応付けられるのに対し、後2者は、図5に示すように更に細分化されたセルからなり、各領域に配した音源から放射される音波を最初に反射し得る各線(3次元形状であれば面)と、参照すべきセルとが一対一で対応付けられる。即ち、後2者のテーブルの場合、音源と受聴体とを配した領域を特定するだけでなく、その音源と受聴体とを結ぶ反射波が最初に反射されるであろう線(又は面)を設定することによって初めて、参照すべきセルが一意に特定される。
ここで、上述した4つのテーブルの各セルに記録されるべき伝播経路情報の具体的な記述内容を順に説明する。なお、以降の説明においては、空間を分割して得た各領域のうち、音源を内部に配する領域を音源領域と呼び、受聴体を内部に配する領域を受聴体領域と呼ぶ。
<直接波の経路を示す経路候補情報を記憶したテーブル>
このテーブルの各セルに記録される経路候補情報の内容は以下のようになっている。
音源領域内のどの位置に音源を配し、受聴体領域内のどの位置に受聴体を配して観測したとしても直接波が遮蔽される場合、そのような領域の組み合わせと対応するセルには、「必ず遮蔽」を意味する内容の経路候補情報が記録される。このような記述をしておけば、音源と受聴体とを結ぶ線分と、仮想形状を形成する各線(3次元形状であれば面)とが交わるか否かの計算を一切行なうことなく、音波が直接伝播される経路があり得ないことを確定させることができる。
これとは反対に、音源領域内のどの位置に音源を配し、受聴体領域内のどの位置に受聴体を配して観測したとしても直接波が遮蔽されない場合、そのような領域の組み合わせと対応するセルには、「遮蔽される可能性なし」を意味する内容の経路候補情報が記録される。
一方、音源領域内の音源の位置と受聴体領域内の受聴体の位置との関係によっては遮蔽される可能性がある場合、遮蔽の原因となり得る線(又は面)の番号を示す経路候補情報が記録される。このような記述をしておけば、音源と受聴体とを結ぶ線分と、経路候補情報として記述されている線(又は面)とが交わるか否かを計算するだけで、空間の形状を構成している他の線(又は面)と交わるか否かをすべて計算しなくても直接波の遮蔽の有無を確定させることができる。
<反射を含まない回折経路の経路候補情報を記憶したテーブル>
このテーブルの各セルに記録される経路候補情報の内容は以下のようになっている。
音源領域内のどの位置に音源を配し、受聴体領域内のどの位置に受聴体を配したとしても音波が回折される経路がない場合、そのような領域の組み合わせと対応するセルには、「回折される可能性なし」を意味する内容の経路候補情報が記録される。
一方、音源領域内のどの位置に音源を配し、受聴体領域内のどの位置に受聴体を配したとしても必ず特定の回折点(3次元形状であれば線)で音波が回折する場合、回折の原因となる点(又は線)の番号を示す経路候補情報を記録する。
更に、複数の点(又は線)で回折した後に受聴点へ伝播される場合、それら各点(又は線)の番号とその回折順とを示す経路候補情報を記録する。このような記述をしておくことで、無数に想定できる経路を計算によって逐一検証していくことなしに、回折経路を確定させることができる。
また、回折するかもしれないが、音源と受聴体の位置関係に応じてその回折経路が複数想定できる場合、曖昧さを残す表現によってそれらの回折点又は線と回折順とを示した経路候補情報を記録する。このような記述をしておくと、一つの経路の評価の過程で得た計算結果を他の経路の評価に一部援用することにより、重複した計算を繰り返すことなく経路を確定させることができる。例えば、「まず最初に点Sで回折し、その後は点Mか点Lのいずれかで回折する。」を意味するような曖昧さを残す表現で経路候補情報が記録されていた場合、「音源→点S→点M→受聴体」という経路の候補と、「音源→点S→点L→受聴体」という経路の候補の2つが想定できるが、前者の経路を伝播するか否かを確定させる際に点Sで回折するか否かの計算は一度行なわれるので、後者の経路を検証する際は、それ以降の経路(点S→点L→受聴体)を伝播し得るか否かを計算によって求めればよい。
<回折を考慮しない反射経路の経路候補情報を記憶したテーブル>
このテーブルの各セルに記録される経路候補情報は以下のようになっている。
上述したように、このテーブルを構成する各セルは、音源から放射された音波を最初に反射しうる各線(3次元形状であれば面)と一対一に対応付けられている。そして、ある線(又は面)を経由する反射波が、受聴体へ伝播される前に必ず遮蔽される場合、そのような線(又は面)と対応するセルには、「必ず遮蔽する」を意味する内容の経路候補情報が記録される。
これとは反対に、ある線(又は面)を経由する反射波が、遮蔽されることがあり得ない場合、そのような線(又は面)と対応するセルには、「遮蔽される可能性はない」を意味する内容の経路候補情報が記録される。
ある線(又は面)を経由する反射波が遮蔽されるかもしれない場合、遮蔽の原因となり得る他の線(又は面)の番号を示す経路候補情報が記録される。このような記述をしておけば、経路候補情報として記述されている線(又は面)を原因として反射波が遮蔽されるか否かを計算するだけで、空間の形状を構成している他の線(又は面)を原因として反射波が遮蔽されるか否かを計算しなくても、その反射波が遮蔽されるか否かを確定させることができる。
<反射と回折を含む経路の経路候補情報を記憶したテーブル>
このテーブルの各セルに記録される経路候補情報は以下のようになっている。
このテーブルを構成する各セルも、音源から放射された音波を反射しうる線又は面と一対一に対応付けられている。そして、ある線(3次元形状であれば面)を経由する反射波が、回折されることがあり得ない場合、そのような線(又は面)と対応するセルには、「回折される可能性はない」を意味する内容の経路候補情報が記録される。
また、ある線(又は面)を経由する反射波が回折するかもしれないが、音源及び受聴体の位置に応じて回折後の経路が複数想定できる場合、そのような線(又は面)と対応するセルには、曖昧さを残す表現によってそれらの回折点又は線と回折順とを示した経路候補情報を記録する。このような記述をしておけば、一の反射経路の評価の過程で得た計算結果を他の反射経路の評価に一部援用することにより、重複した計算を繰り返すことなく経路を確定させることができる。
図1に示した各部の説明に戻る。
伝播経路算出部14は、伝播経路テーブルの各セルのうちから参照すべきセルを特定し、このセルに記憶した経路候補情報を条件入力部11からの入力内容を基に評価することで、音源から受聴体までの音波の伝播経路を確定させる。信号入力部15は、音源から発せられたと想定する音を示す音響信号を入力する。信号処理部16は、信号入力部15から入力された音響信号に対し、伝播経路算出部14が算出した伝播経路の内容に応じた信号処理を施す。信号出力部17は、信号処理部16によって信号処理が施された音響信号を出力する。信号提示部18は、信号出力部17から出力された信号を複数のスピーカにより発音させることで、擬似音を提示する。
続いて、実施形態の動作を説明する。本実施形態の動作はシミュレーション処理と信号処理とに分けられる。
図6は、シミュレーション処理を示すフローチャートである。
この処理が開始されると、まずステップ210において、音響効果のシミュレートに必要な各種条件が条件入力部11から入力される。条件が入力されると、ステップ220に進んでその条件を条件記憶部12に記憶する。続いて、条件記憶部12から音源の位置を示す音源位置情報を獲得すると共に(S230)、受聴体の位置を示す受聴体位置情報を獲得する(S240)。その後、ステップ250にて、仮想的な形状の空間に含まれるどの領域に音源が位置しているかを判定し、続くステップ260では、どの領域に受聴体が位置しているかを判定する。
次に、伝播経路テーブルを構成する各セルのうち、上記判定によって特定した2つの領域の組み合わせと対応するセルを参照する(S270)。ここで、上述したように、テーブル記憶部13には内容を異にする4つの伝播経路テーブルがセットで記憶されているが、この処理では、まず直接波の経路を示す経路候補情報を記憶したテーブル内のセルが参照される。続いてステップ280に進み、参照したセルに記憶されている経路候補情報を読み出し、その内容を評価する。
上述したように、伝播経路テーブルには、回折や遮蔽の原因となりうる線、面の番号を示す内容や「必ず遮蔽される」、「遮蔽される可能性はない」を意味する内容の経路候補情報が記憶されている。従って、例えば、回折や遮蔽の原因となりうる線や面の番号が示されているときは、音源が位置する座標と受聴体が位置する座標とを結ぶ線分と、経路候補情報に示された線や面とが交わるか否かを計算することで、その経路を実際に伝播するか否かを評価する。一方、「必ず遮蔽される」を意味する内容であるときは、そのような経路を伝播し得ないことが明らかなので、直ちに次のステップに進む。
ここで、伝播経路テーブルには、曖昧さを残す表現によって複数の経路を示す経路候補情報が記述されていることがあることは上述した。このような経路候補情報の記述がなされている場合、ステップ280に戻って処理を繰り返すことにより、そのような曖昧表現によって想定されるすべての候補を個別に評価する。2回目以降の評価では、既に行なわれた評価の過程で得た計算結果を一部援用することが可能である。
すべての経路候補を評価することにより経路を確定すると、今度は参照する伝播経路テーブルを別のものに変えて、ステップ270以降の処理を実行する。但し、上述した4つのテーブルのうち、回折を考慮しない反射経路の経路候補情報を記憶したテーブルと反射と回折を含む経路の経路候補情報を記憶したテーブルは、各領域に配した音源から放射される音波を最初に反射し得る各線(3次元形状であれば面)と各セルとを一対一で対応付けて編成されているので、それらの両テーブルを参照するにあたっては、音源及び受聴体の位置と空間の形状を構成する線(3次元形状であれば面)との関係から音波を最初に反射するであろう線(又は面)をまず設定し、設定した線(又は面)をインデックスとして、参照すべきセルを一意に特定する。
上述した4つのテーブルについて係る処理を繰り返すことにより、直接波の伝播経路、回折波の伝播経路、反射波の伝播経路がすべて確定する。
すべての伝播経路が確定すると、確定した伝播経路の結果を信号処理部16に設定する(S290)。条件入力部11から条件が再び入力されると、以上説明したような処理が実行される。
図7は、信号処理を示すフローチャートである。
この処理は、上述したシミュレーション処理に従って確定した伝播経路を信号処理部16に設定した状態で、信号入力部15から音響信号が入力されると開始される。
ステップ310で、音響信号が入力されると、信号処理部16は、設定された伝播経路に応じた信号処理をこの音響信号に施す(S320)。具体的には、確定した経路に応じた残響感や音場感の付与、更には音声の定位などの音響効果を加えるために必要な所定の係数を図示しないメモリから読出し、入力された音響信号にそれらの係数を作用させることによって、フィルタ処理、遅延処理、畳み込み処理といった各種信号処理を行う。続いてステップ330に進み、信号処理部16は、信号処理を施した音響信号を、信号提示部18に出力する。これにより、信号提示部18からは、音響信号の内容に応じて定位された擬似音が放音される。
以上説明したように、本実施形態は、仮想的に分割された複数の領域を有する空間内に音源と受聴体を配置した場合の当該音源から受聴体に至る一又は複数の音波の伝播経路を、音源と受聴体を配置する領域の組合せ毎に記録したテーブルを準備しており、条件入力部11から入力された音源と受聴体の位置情報をキーとしてテーブル内のセルを特定した後、そのセルに定義された数通りの経路のいずれを音波が伝播するかを評価するだけで、音源と受聴体との間の音波の伝播経路を確定させることができる。このように、テーブルを参照することで、想定される音波の伝播経路を数通りに絞込み、絞り込んだ伝播経路の各々を計算によって個別に評価することで経路を確定させるような構成をとっているため、比較的少ない計算量で音波の伝送経路を効率的に探索することができる。
また、伝播経路テーブルの各セルに記憶されるべき経路候補情報は、例えば、「まず最初に点Sで回折し、その後は点Mか点Lのいずれかで回折する」といったように複数の経路候補を1つにまとめたような曖昧な表現で記述できるようになっている。このような曖昧な表現で記述することにより、テーブルに記録するデータのサイズを削減することができる。また、一方の経路の評価の過程で得た計算結果を他の経路の評価に一部援用することにより重複した計算の繰り返しを省くことができる。
(他の実施の形態)
本願発明は、種々の変形実施が可能である。
上記実施形態において、各伝播経路テーブルを構成するセルの編成、及び各々のセルに書き込まれるべき経路候補情報の書き込みはすべて人為的作業により行なわれるものであった。これに対し、仮想的な空間の形状を決めた後、その形状を複数の領域に分割する工程を所定のアルゴリズムに従って自動化してもよい。このような自動化を導入する際は、BSP(Binary Space Partitioning)ツリーアルゴリズムに従って空間の分割を実行させるとなおよい。このBSPツリーアルゴリズムとは、空間を再帰的に2分割していき、最終的には分割された各領域内のオブジェクトが1つになるまで分割を繰り返して行うアルゴリズムを意味する。かかるアルゴリズムに従って仮想的な形状の空間を分割することで、概ね最適化された複数の領域を効率的に得ることができる。
テーブル記憶部13に記憶される伝播経路テーブルの編成はあくまで一例を示したものである。従って、他の好適な編成によってこれを作成してもよい。例えば、上述の実施形態においては、直接波の経路を示す経路候補情報を記憶したテーブル、反射を含まない回折経路の経路候補情報を記憶したテーブル、回折を考慮しない反射経路の経路候補情報を記憶したテーブル、及び反射と回折を含む経路の経路候補情報を記憶したテーブルの4つを1セットとしてテーブル記憶部13に記憶していたが、反射を含まない回折経路の経路候補情報を記憶したテーブルに、回折を考慮しない場合の経路候補情報、即ち、「必ず遮蔽」や「遮蔽される可能性なし」といったような直接波の経路の確定を支援する経路候補情報をも含めて記録するようにすることで、直接波の経路を示す経路候補情報を記憶したテーブルを個別に設ける必要がなくなる。同様に、反射波と回折を含む経路の経路候補情報を記憶したテーブルに、回折を考慮しない場合の反射経路の経路候補情報を含めて記憶するようにすれば、回折を考慮しない反射経路の経路候補情報を記憶したテーブルを個別に設ける必要がなくなる。
また、上述の4つのテーブルのうち、回折を考慮しない反射経路の経路候補情報を記憶したテーブルと、反射と回折を含む経路の経路候補情報を記憶したテーブルは、各領域に配した音源から放射される音波を最初に反射しうる各線(3次元形状であれば面)と、参照すべき各セルとが一対一で対応付けられるように編成されていた。これに対し、2次反射、3次反射された音波の経路が遮蔽又は回折されうるかまで個別の計算によって予め求めることができるときは、そのような各反射経路において順次経由される線(又は面)及びその経由順と、参照すべきセルとが一対一で対応するように編成してもよい。これにより、各セルに記憶されるべき経路候補情報の内容をより厳密なものとすることができるため、より少ない計算量で反射経路を一意に確定させることが期待できる。
上述した条件入力部11を、音源の位置を指示する第1のジョイスティックと、受聴体の位置を指示する第2のジョイスティックとにより構成してもよい。このような構成とすることで、音源及び受聴体の位置を極めて簡易な操作によって自在に変更することができる。
また、上記実施形態の伝播経路テーブルにおいては、音源を配置する領域と受聴体を配置する領域とを入れ替えたものは別々の組み合わせとして取り扱われ、各々と対応するセルに個別の経路候補情報を記憶していたが、音源と受聴体の位置の逆転した場合の伝播経路は逆転前の結果から容易に類推可能であるため、テーブルとしては一方を省略するようにしてもよい。このように構成することで、伝播経路テーブルの作成負担を軽減できると共に、テーブル全体のデータ量も削減できる。
上記実施形態では、音源及び受聴体を、文字通り「点」として取り扱っていたが、音源や受聴者が一定の大きさを持つ場合に、それらを擬似的に点と捉えて取り扱うことで、その音響効果をシミュレートするようにしてもよい。また、音源及び受聴体を指向性を持つものとして取扱うこととし、伝播経路を求めた後、その伝播経路に音源と受聴体の向きに応じた所定の重み付けを行うようにしてもよい。
上記実施形態に係る音響シミュレーション装置は、信号入力部15を備えており、この入力部を介して外部から入力された音響信号に、仮想的な伝播経路に応じた信号処理を施すようになっていたが、標準的な音響信号のデータをメモリに予め記憶しておき、このメモリから読み出された音響信号に信号処理を施すようにしてもよい。このような変形例の構成及び動作を概念的に示すと、「仮想的に分割された複数の領域を有する空間内において、音源と受聴体の前記空間内における配置を複数想定し、前記音源が配置される領域と前記受聴体が配置される領域の各組み合わせ毎に、当該音源から当該受聴体に至る1または複数の音波の伝播経路候補を記憶すると共に、音響信号を示す信号データを記憶した記憶部と、音源の位置を示す音源位置情報と受聴体の位置を示す受聴体位置情報とを入力する位置入力部と、前記音源位置情報を基に、音源が位置する領域を特定する第1の領域特定部と、前記受聴体位置情報を基に、受聴体が位置する領域を特定する第2の領域特定部と、前記第1の領域特定部が特定した領域と前記第2の領域特定部が特定した領域との組合せに対応付けられた伝播経路候補を読み出す経路候補読出部と、信号データを前記記憶部から読み出す音響信号読出部と、当該信号データが示す音響信号に、前記読み出した伝播経路候補に応じた信号処理を施す信号処理部と、前記信号処理部によって信号処理が施された音響信号を出力する信号出力部とを備える音響シミュレーション装置。」となる。
また、上記実施形態に示した各部と同様の動作を行わせるプログラムを公知のコンピュータ装置に実装させ、これを音響シミュレーション装置として用いてもよい。
実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。 伝播経路テーブルの作成手順を示すフローチャートである。 仮想的な2次元形状とその分割例を示す図である。 仮想経路テーブルの編成を示す図である。 仮想経路テーブルの編成を示す図である。 シミュレーション処理を示すフローチャートである。 信号処理を示すフローチャートである。 仮想的な形状を示す図である。
符号の説明
11…条件入力部、12…条件記憶部、13…テーブル記憶部、14…伝播経路算出部、15…信号入力部、16…信号処理部、17…信号出力部、18…信号提示部

Claims (4)

  1. 仮想的に分割された複数の領域を有する空間内において、音源と受聴体の前記空間内における配置を複数想定し、前記音源が配置される領域と前記受聴体が配置される領域の各組み合わせ毎に、当該音源から当該受聴体に至る音波の伝播経路の候補を示す複数の伝播経路候補情報であって該伝播経路における音波の反射の有無及び回折の有無が夫々異なる複数の伝播経路候補情報を記憶する記憶部と、
    音響信号を入力する信号入力部と、
    音源の位置を示す音源位置情報と受聴体の位置を示す受聴体位置情報とを入力する位置入力部と、
    前記音源位置情報を基に、音源が位置する領域を特定する第1の領域特定部と、
    前記受聴体位置情報を基に、受聴体が位置する領域を特定する第2の領域特定部と、
    前記第1の領域特定部が特定した領域と前記第2の領域特定部が特定した領域との組み合わせに対応付けられた複数の伝播経路候補情報を前記記憶部から読み出す経路候補読出部と、
    当該読み出した伝播経路候補情報に応じた信号処理を、前記信号入力部から入力された音響信号に施す信号処理部と、
    前記信号処理部によって信号処理が施された音響信号を出力する信号出力部と
    を備える音響シミュレーション装置。
  2. 仮想的に分割された複数の領域を有する空間内において、音源と受聴体の前記空間内における配置を複数想定し、前記音源が配置される領域と前記受聴体が配置される領域の各組み合わせ毎に、当該音源から当該受聴体に至る音波の直接波の経路を示す伝播経路候補情報と、当該音源から当該受聴体に至る音波の反射を含まない回折経路の伝播経路候補情報と、当該音源から当該受聴体に至る音波の回折を考慮しない反射経路の伝播経路候補情報と、当該音源から当該受聴体に至る音波の反射と回折を含む経路の伝播経路候補情報を記憶する記憶部と、
    音響信号を入力する信号入力部と、
    音源の位置を示す音源位置情報と受聴体の位置を示す受聴体位置情報とを入力する位置入力部と、
    前記音源位置情報を基に、音源が位置する領域を特定する第1の領域特定部と、
    前記受聴体位置情報を基に、受聴体が位置する領域を特定する第2の領域特定部と、
    前記第1の領域特定部が特定した領域と前記第2の領域特定部が特定した領域との組み合わせに対応付けられた複数の伝播経路候補情報を前記記憶部から読み出す経路候補読出部と、
    当該読み出した伝播経路候補情報に応じた信号処理を、前記信号入力部から入力された音響信号に施す信号処理部と、
    前記信号処理部によって信号処理が施された音響信号を出力する信号出力部と
    を備える音響シミュレーション装置。
  3. 想的に分割された複数の領域を有する空間内において、音源と受聴体の前記空間内における配置を複数想定し、前記音源が配置される領域と前記受聴体が配置される領域の各組み合わせ毎に、当該音源から当該受聴体に至る音波の伝播経路の候補を示す複数の伝播経路候補情報であって該伝播経路における音波の反射の有無及び回折の有無が夫々異なる複数の伝播経路候補情報を記憶する記憶部と、
    音響信号を入力する信号入力部と、
    音源の位置を示す音源位置情報と受聴体の位置を示す受聴体位置情報とを入力する位置入力部と、
    前記音源位置情報を基に、音源が位置する領域を特定する第1の領域特定部と、
    前記受聴体位置情報を基に、受聴体が位置する領域を特定する第2の領域特定部と、
    前記第1の領域特定部が特定した領域と前記第2の領域特定部が特定した領域との組み合わせに対応付けられた伝播経路候補情報を前記記憶部から読み出す経路候補読出部と、
    前記音源と前記受聴体との位置関係を基に前記読み出した伝播経路候補情報の示す伝播経路候補音波が伝播するか否かを評価し、伝播すると評価された伝播経路候補を音波の伝播経路として確定する経路確定部と、
    当該確定した伝播経路に応じた信号処理を、前記信号入力部から入力された音響信号に施す信号処理部と、
    前記信号処理部によって信号処理が施された音響信号を出力する信号出力部と
    を備える音響シミュレーション装置。
  4. 想的に分割された複数の領域を有する空間内において、音源と受聴体の前記空間内における配置を複数想定し、前記音源が配置される領域と前記受聴体が配置される領域の各組み合わせ毎に、当該音源から当該受聴体に至る音波の伝播経路を示す複数の伝播経路候補情報であって該伝播経路における音波の反射の有無及び回折の有無が夫々異なる複数の伝播経路候補情報を記憶する記憶部と、
    音響信号を入力する信号入力部と、
    音源の位置を示す音源位置情報と受聴体の位置を示す受聴体位置情報とを入力する位置入力部と、
    音響信号を出力する信号出力部と
    を備えたコンピュータ装置に、
    前記位置入力部から入力された音源位置情報を基に、音源が位置する領域を特定する第1の領域特定処理と、
    前記位置入力部から入力された受聴体位置情報を基に、受聴体が位置する領域を特定する第2の領域特定処理と、
    前記第1の領域特定処理にて特定した領域と前記第2の領域特定処理にて特定した領域との組み合わせに対応付けられた伝播経路候補情報を前記記憶部から読み出す経路候補読出処理と、
    当該読み出した伝播経路候補情報に応じた信号処理を、前記信号入力部から入力された音響信号に施し、当該信号処理を施した音響信号を前記信号出力部から出力させる信号処理と
    を実行させるプログラム。
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