JP4176518B2 - コンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、コンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法に係り、特に、コンタクトレンズを購入したり、交換したりする際に、装用者の眼に悪影響を与えない、適切なコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを選定するための方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、コンタクトレンズは、主に屈折異常という疾病を治療するための器具であり、また、その安全性が確保されなければならないところから、医療用具として取り扱われており、購入するコンタクトレンズを決定するに際しては、一般に、以下のような検査が行なわれている。
【0003】
先ず、購入者(装用者)に対して、今までに罹った眼の病気や身体の病気等を問診した後、前眼部(角膜、前房)や外眼部(結膜、瞼)に傷や炎症がないか、水晶体の位置は正常か、濁っていないか、眼底に病気はないか、涙の量は適当かどうか等、眼における異常の有無が検査されると共に、装用者の眼にフィットし、良好な視力が確保されるコンタクトレンズを選ぶために、角膜の丸みや視力が測定されて、装用者の眼に適したベースカーブやレンズ度数等が調べられるのである。
【0004】
そして、そのような検査結果や、購入者が希望乃至は指定するコンタクトレンズのタイプ(例えば、ソフトコンタクトレンズやハードコンタクトレンズ、ディスポーザブルレンズ等)を考慮して、装用者にフィットするコンタクトレンズが選択されているのである(例えば、非特許文献1に開示されている)。また、かくの如くして、コンタクトレンズが選定されると、そのコンタクトレンズがより良い状態で、より長く使用され得るように、かかるコンタクトレンズの素材等に応じて、コンタクトレンズに付着する汚れ等を除去せしめるための液剤やそのような液剤を用いたケア方法等からなるケアシステムも同時に選定されている。
【0005】
一方、近年においては、眼に対する安全性を考慮して、コンタクトレンズに充分な酸素透過性を付与するために、有機シリコーン系成分(ケイ素含有成分)を高い割合において含むコンタクトレンズが、提案されてきているのであるが、そのようなコンタクトレンズにあっては、有機シリコーン成分の配合量を増加させることにより、Dk値(酸素透過係数)の向上が効果的に実現されるものの、それに付随して、涙液中に含まれる蛋白質や脂質等による汚れが付着し易いものとなっている。この種の汚れは、通常、適当なケアシステムを採用することによって除去され得るのであるが、涙液中に蛋白質や脂質等の汚れ成分が多く含まれている人にあっては、コンタクトレンズの表面や内部に汚れが特に付着し易いところから、通常のケアを施しても、汚れの除去を充分に行なうことが出来ず、汚れ成分の固着、蓄積によって、装用感の悪化や酸素透過性能の低下、レンズ寿命の低下、視力の低下、角膜障害等といった様々な問題が惹起される可能性が高く、その装用が望ましくないものとなっているのである。
【0006】
しかしながら、現状のコンタクトレンズの選定手法においては、コンタクトレンズのフィッティングやその装用感の検査が行なわれているに過ぎず、装用者がコンタクトレンズを汚し易く、上述せる如き問題を起こし易いか、起こし難いかどうかは、コンタクトレンズの購入後、装用者がそのコンタクトレンズを使用して、レンズが曇る、眼が充血する等といった自覚症状を感じ、そのコンタクトレンズを検査してからでなければ分からないのが実情であり、このため、コンタクトレンズの選定時に、装用者にとって望ましくないコンタクトレンズやケアシステムが選択されてしまうことが、往々にしてあった。
【0007】
なお、本発明に関連する代表的な先行技術文献情報としては、以下のものを挙げることが出来る。
【0008】
【非特許文献1】
株式会社メニコンホームページ内、“あなたのレンズができるまで”、[online]、[平成14年8月23日検索]、インターネット<UR L:http://www.menicon.co.jp/first/lens.html>
【特許文献1】
特開平4−170932号公報
【特許文献2】
特開昭58−222154号公報
【特許文献3】
特開昭58−222155号公報
【特許文献4】
特開2000−65840号公報
【特許文献5】
特開2001−166270号公報
【特許文献6】
特開平11−304803号公報
【特許文献7】
特開2002−116150号公報
【0009】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その主たる解決課題とするところは、コンタクトレンズに蛋白質や脂質等の汚れが付着,蓄積することにより、装用感の悪化や酸素透過性能の低下、レンズ寿命の低下、視力の低下、角膜障害等の眼への悪影響が惹起されるようなことを防止乃至は回避することにあり、特に、本発明にあっては、そのような問題の発生が可及的に回避され得るような、装用者に適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを選定することで、眼に対する安全性を高度に確保する方法を、提供することにある。
【0010】
【解決手段】
そして、本発明は、上述の如き課題を解決するために為されたものであって、その要旨とするところは、(a)コンタクトレンズ装用者における涙液中の蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量を検出するステップと、(b)該検出された蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量に基づいて、コンタクトレンズへの汚れ付着特性を推定するステップと、(c)該推定された汚れ付着特性に基づいて、複数のコンタクトレンズ及び複数のケアシステムの中から、前記装用者に適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを選定するステップと、を含むことを特徴とするコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法にある。
【0011】
要するに、かくの如き本発明に従うコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法においては、これまでコンタクトレンズの選定時に検査されることのなかった、装用者の眼のコンタクトレンズへの汚れ付着特性(装用者毎の眼の特性に基づくところのコンタクトレンズの汚れ易さの程度)を、涙液中の蛋白質成分及び/又は脂質成分を分析することによって検査し、その分析結果から、かかる装用者に適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを選定するようにしているところから、コンタクトレンズを使い始める前に、装用者に将来的に起こり得る、装用感の悪化や酸素透過性能の低下、レンズ寿命の低下、視力の低下、角膜障害等といった様々な問題を予測することが可能となり、装用者に対して、より安全性の高いコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを適切に提供することが出来るようになるのである。特に、コンタクトレンズを一度も装用したことの無い新規装用者に対して、適切なコンタクトレンズやそのケアシステムを選定するにあたっては、装用者の汚れ付着特性を予測することが極めて困難であるところから、本手法が、極めて有効に用いられるのである。
【0012】
なお、かかる本発明に従うコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法における好ましい態様の一つによれば、前記蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量の検出が、前記涙液を、発色試薬に接触せしめることにより行なわれることが、望ましい。このように、発色試薬を用いて、蛋白質及び/又は脂質の検出を行なうようにすれば、涙液中に微量に存在する、蛋白質や脂質の含有量を、色の濃淡(発色の程度)によって、検出することが可能となって、容易に且つ安価に、蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量の検出を行なうことが可能となる。
【0013】
また、前記涙液を発色試薬に接触せしめる手法としては、(1)前記涙液を所定の涙液採取媒体にて採取した後、該採取された涙液に対して、前記発色試薬を接触せしめる手法、(2)前記発色試薬を予め所定の涙液採取媒体に含有せしめた後、該涙液採取媒体にて前記涙液を採取することにより、前記発色試薬に該涙液を接触せしめる手法が、好適に採用され得る。
【0014】
さらに、本発明に従うコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法の好ましい態様の別の一つによれば、前記蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量の検出が、比色分析法、分光分析法、蛍光分析法、又はそれらのうちの2種以上の分析法を組み合わせた分析法にて行なわれることが、望ましく、このような分析法を採用することによって、従来から蛋白質若しくは脂質の検出に採用されている、電気泳動法、ガスクロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、イライザ法等の、長い検出時間を要したり、検出操作が煩雑であったり、高いコストが掛かる分析手法を用いることなく、短時間で、容易に且つ安価に、蛋白質及び/又は脂質の検出を行なうことが、可能となるのである。従って、装用者に対して、大きな経済的負担をかけることなく、また、検査の煩わしさを与えることも無く、コンタクトレンズ装用者に適したコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを、容易に選定することが出来るようになる。
【0015】
なお、前記蛋白質の含有量の検出のための前記発色試薬としては、ブロモクロロフェノールブルー、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル、及びテトラブロモフェノールブルーからなる群のうちの少なくとも1種が、好適に採用され得るのであり、このような発色試薬を用いることで、蛋白質の検出操作がより一層容易になると共に、より高感度での検出が可能となる。
【0016】
また、前記涙液採取媒体としては、糸、紙、中空管、ポリマーフィルム、又はスポンジが、有利に用いられ得るのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0018】
一般に、眼科やコンタクトレンズ販売店等には、図1に示されるように、複数の種類に分類されるコンタクトレンズ(図1中、レンズA〜レンズD)や、洗浄効果や消毒効果の異なる複数のケアシステム(図1中、CS−1〜CS−4)が用意されている。そして、複数種類のコンタクトレンズの中から、或るコンタクトレンズが選択されると、そのコンタクトレンズをケアするためのケアシステムも選択されるようになっている。なお、かかるコンタクトレンズは、商品毎に分類されても何等差支えないのであるが、レンズの汚れ易さは、主として、レンズの材質に大きく左右されるところから、少なくとも材質毎に分類されておれば充分であり、図1においては、材質に応じて、レンズA〜レンズDの4つのレンズに分類されている。また、本発明において、ケアシステムとは、コンタクトレンズをケアするために必要な液剤や錠剤、煮沸消毒器等のケア用品のみならず、その使用方法の提示をも含み、図1においては、使用方法の提示がないものの、洗浄,濯ぎ,消毒,保存が一つの液剤で可能なケアシステム1(CS−1)、洗浄,濯ぎ,消毒,保存が可能な液剤に、更に蛋白質除去液剤を組み合わせて、セット化したCS−2、液剤と錠剤とをセットにしたCS−3、液剤と煮沸消毒器をセットにしたCS−4が例示されている。
【0019】
そして、上述せる如き複数種類のコンタクトレンズからなるコンタクトレンズ群、及び複数種類のケアシステムからなるケアシステム群の中から、適切なコンタクトレンズやそのケアシステムが選定されることとなるのであるが、本実施形態にあっては、そのような選定に先立って、先ず、所定の検査が行なわれ、かかる検査の結果に基づいて、装用者乃至は購入者に適合するコンタクトレンズや、そのケアシステムの選定が行なわれるようになっており、そこに、大きな特徴が存しているのである。
【0020】
より詳細には、コンタクトレンズやケアシステムの選定を行なう前に、装用者の涙液中に含まれる、コンタクトレンズ汚れを惹起せしめる成分(以下、汚れ成分と呼称する)の検出が行なわれ、この検出された汚れ成分の量によって、装用者の眼におけるコンタクトレンズへの汚れ付着特性が推定されることとなるのである。即ち、先ず、装用者の眼から、涙液が、所定の涙液採取媒体を用いて採取される。なお、この涙液採取媒体としては、例えば、販売元が(株)メニコンである商品名「ZONE−QUICK」のような糸や、シルマー試験紙のような紙、キャピラリー管のような中空管、ポリマーフィルム、スポンジ等を挙げることが出来るが、本発明にあっては、涙液を採取することが出来るものであれば、これらに何等限定されるものではない。
【0021】
次いで、そのようにして採取された涙液中を、従来より公知の分析手法等を用いて分析することによって、涙液中の汚れ成分の含有量を検出するのである。このとき、検出する汚れとしては、具体的には、コンタクトレンズの装用感の悪化や酸素透過性能の低下、レンズ寿命の低下、視力の低下、角膜障害等の問題を招来する恐れのあるものとして知られている、蛋白質や脂質があり、蛋白質の含有量、或いは脂質の含有量、又は蛋白質及び脂質の合計含有量が、検出されることとなるが、蛋白質及び脂質の含有量がそれぞれ検出されることがより望ましい。
【0022】
ここにおいて、かかる涙液中の汚れ成分の含有量を検出乃至は分析する方法としては、蛋白質の場合には、例えば、電気泳動法、液体クロマトグラフィ、イライザ法等が挙げられる一方、脂質の場合には、ガスクロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ等が挙げられ、従来から公知の手法が、何れも、採用され得るのであるが、本発明においては、涙液を発色試薬に接触せしめ、その発色の程度によって、涙液中の汚れ成分量の検出を行なう手法が、容易且つ安価であるところから、特に好適に採用されることとなる。なお、かかる発色試薬による発色の程度は、比色分析法や分光分析法、蛍光分析法、又はそれらのうちの2種以上を組み合わせた分析法等により、目視や、分光光度計、蛍光光度計等にて、検出することが出来る。
【0023】
また、上述せるように、涙液を発色試薬に接触せしめて、汚れ成分量の検出を行なう手法を採用する場合には、涙液採取媒体により涙液を採取した後、採取された涙液に対して発色試薬を接触せしめるようにすること以外にも、涙液採取媒体に予め発色試薬を含有させ、その涙液採取媒体にて涙液を採取することで、涙液の採取と同時に、涙液を発色試薬に接触せしめるようにする(例えば、特許文献1参照)ことも、可能である。
【0024】
なお、この汚れ成分を発色し得る発色試薬としては、特に限定されるものではなく、従来より、汚れ成分の検出に用いられているものが、何れも、採用され得るのであるが、蛋白質や脂質等の汚れを選択的に染色し得るものが、より望ましく、具体例として、例えば、特開昭58−222154号公報(特許文献2)に提案されているニールブルー硫酸塩や、特開昭58−222155号公報(特許文献3)のエリトロシン、特開2000−65840号公報(特許文献4)に提案されている非塩基性染料や塩基性染料、特開2001−166270号公報(特許文献5)に開示の染料、また、特開平11−304803号公報(特許文献6)に提案されているトリフェニルメタン系色素等を挙げることが出来る。これらの中でも、蛋白質の検出に際しては、その検出操作がより一層容易になると共に、より高感度での検出が可能となるところから、特に、ブロモクロロフェノールブルー、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル、及びテトラブロモフェノールブルーからなるトリフェニルメタン系色素のうちの少なくとも1種が、好適に採用されることとなる。
【0025】
また、脂質の検出に際しては、上例の発色試薬による検出の他にも、▲1▼「コレステロールエステラーゼ+ペルオキシダーゼ+4−アミノアンチピリン+フェノール(又はp−クロロフェノール)+コレステロールオキシダーゼ」を用いる酵素法、▲2▼「コレステロールエステラーゼ+ペルオキシダーゼ+4−アミノアンチピリン+3,5−ジメトキシ−N−エチル−N−(2−ハイドロキシ−3−スルホプロピル)−アニリンナトリウム+コレステロールオキシダーゼ+アスコルビン酸オキシダーゼ」を用いる酵素法、▲3▼「ホスホリパーゼD+コリンオキシダーゼ+ペルオキシダーゼ+4−アミノアンチピリン+アスコルビン酸オキシダーゼ+3,5−ジメトキシ−N−エチル−N−(2−ハイドロキシ−3−スルホプロピル)アニリンナトリウム」を用いる酵素法、▲4▼「o−フタルアルデヒド酢酸溶液+硫酸」を用いる比色法等が、採用され得るのであり、例えば、上記▲1▼の酵素法を採用する場合には、和光純薬工業(株)より市販されている測定キット:コレステロールC−テストワコーが有利に用いられ得るのである。
【0026】
かくして、上述した検出手法(分析手法)や、その他公知の分析手法のうちの何れかを用いて、涙液中の蛋白質及び/又は脂質の含有量が求められると、その含有量に基づいて、装用者の眼のコンタクトレンズへの汚れ付着特性が、後述せるようにして推定される。なお、検出される含有量は、汚れ成分量を判断することが出来れば、数値以外にも、色の濃淡や色調であってもよい。
【0027】
そして、かかる推定された汚れ付着特性に基づいて、図1に示される如きコンタクトレンズ群及びケアシステム群の中から、上記の検査を行なった装用者に適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステム、換言すれば、汚れが付着,蓄積し難く、以て、装用感の悪化や酸素透過性能の低下、レンズ寿命の低下、視力の低下、角膜障害等といった問題が発生し難いと推測されるコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムが選定されるのである。
【0028】
そして、適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムが選定されると、装用者(購入者)は、その選定結果に基づいて、より安全性の高いコンタクトレンズを取得することが出来るのである。なお、かかる選定に先立って装用者が特定のコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを予め指定(希望)した場合には、装用者が指定したコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを、得られた選定結果と照合乃至は比較することにより、その指定したコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムが、該装用者に適合するか、否かの判定(適合性の判定)を行なうことも出来る。
【0029】
ところで、涙液中の蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量に基づいて、装用者のコンタクトレンズへの汚れ付着特性を推定し、その汚れ付着特性から、装用者に適合するコンタクトレンズとそのケアシステムの組合せを選定するに際しては、予め、適当な基準が設けられていることが望ましく、このような基準を設けることによって、コンタクトレンズへの汚れ付着特性の推定と、画一的及び客観的な選定が有利に実現され得ることとなる。
【0030】
なお、そのような基準の設定には、例えば、以下のような方法が、好適に採用され得るのである。
【0031】
<1.汚れ付着量及び臨床的な検査結果から基準を設定する方法>
先ず、複数のコンタクトレンズ及び複数のケアシステムの中から、それぞれ、1種ずつを選択して、組み合わせる。例えば、図1において、コンタクトレンズ群の中からレンズCを選択すると共に、ケアシステム群の中からCS−1を選択する。
【0032】
そして、任意の複数の被験者(Y1 〜Yn )に、所定期間(12週間)、レンズCの装用と、CS−1を用いたレンズCのケアを行なわせる装用試験を実施した後、試験後のレンズCに付着,蓄積した蛋白質汚れ付着量(P12 1 〜P12 n )と脂質汚れ付着量(L12 1 〜L12 n )をそれぞれ検出するのである。ここで、P,Lの上付きの数字「12」は、装用期間である12週間を示し、下付きの数字「1」〜「n」は、被験者を識別するための番号を示している。
【0033】
なお、コンタクトレンズに付着した汚れの付着量を検出乃至は分析する方法としては、コンタクトレンズに付着した汚れを、適当な抽出液にて抽出し、その得られた抽出溶液中に含まれる汚れを定量することにより、レンズに付着する汚れを間接的に定量する方法や、汚れの付着したコンタクトレンズを、直接、CCDカメラ等にて撮像することにより、付着する汚れを定量する方法(例えば、特許文献7)等が挙げられるが、如何なる手法が採用されても良い。
【0034】
また、このレンズCとCS−1の組合せでは、試験期間が12週間とされていたが、かかる試験期間は、レンズの種類に応じて、充分な装用期間が適宜に設定されるのである。例えば、ディスポーザブルレンズの場合には、1週間等といった使用期間(使用期限)が、予め設定されており、そのような使用期間を超えて装用試験を行なうことは望ましくないところから、例えば、かかる使用期間(使用期限)が、試験期間として好適に採用され得るのである。また、コンベンショナルレンズの場合は、使用期間が2,3年と極めて長いところから、そのような使用期間を試験期間とすることは困難であり、このため、被験者の汚れ付着量が略一定となるのに充分な期間が、試験期間として好適に採用され得ることとなる。具体的には、図2には、レンズCとCS−1の組合せを用いて被験者(Y1 〜Y3 )が装用試験を行なった際に、レンズCに付着,蓄積した汚れ付着量と装用期間の関係を示すグラフが示されているのであるが、どの被験者も、レンズCに付着,蓄積する汚れの量が、略12週目ぐらいで一定となっていることが分かる。このため、12週間以上の期間、装用試験を行なっても、大きな変化は見られないと考えられるところから、レンズCとCS−1の組合せでは、試験期間として、12週間が採用されているのである。
【0035】
また、かかる装用試験とは別に、装用試験後に、被験者(Y1 〜Yn )の眼について、臨床的な検査を実施し、その評価を行なうのである。かかる評価は、例えば、下記表1の評価基準を用いて、被験者毎にスコアを算出することによって行なわれる。なお、本実施形態においては、臨床的な検査として、自覚検査と他覚検査とを行ない、自覚検査では、被験者自身が、レンズCの装用感や眼の乾燥感等を評価する一方、他覚検査では、眼科医等の他人が、被験者の眼の乾きや充血、角膜染色(フルオレセイン等による角膜染色検査による角膜の染色)等を評価した。
【0036】
【表1】
【0037】
そして、そのようにして得られた臨床的な検査の結果を用いて、上述せる如くして検出された複数の被験者(Y1 〜Yn )の蛋白質汚れ付着量(P12 1 〜P12 n )と脂質汚れ付着量(L12 1 〜L12 n )の分布を、それぞれ、複数に分割して、かかるレンズCとCS−1の組合せの適合性を、複数のグレードに分ける等級分けを行なうのである。
【0038】
なお、かかる蛋白質汚れ付着量と脂質汚れ付着量の分布を複数に分割する手法としては、次の手法を一例として挙げることが出来る。具体的には、先ず、上記で得られた臨床的な検査の結果を、下記表2に示される評価基準にて4つに分け、「スコア3以上のものが無く、且つスコア合計が6〜9である」被験者のプロットには◇印を、また、「スコア3があるか、若しくはスコア合計が10以上である」被験者のプロットには■印を、更に、「スコア4がある」被験者のプロットには×印を用いて、検出された蛋白質汚れ付着量(P12 1 〜P12 n )と脂質汚れ付着量(L12 1 〜L12 n )を、被験者毎〔(P12 1 ,L12 1 )、(P12 2 ,L12 2 )・・・〕にプロットする(図3)。
【0039】
【表2】
【0040】
次いで、被験者(Y1 〜Yn )の汚れ付着量がプロットされた図3に示されるグラフを用いて、×印でプロットされた汚れ付着量の最小値若しくは該最小値よりも小さな値、■印でプロットされた汚れ付着量の最小値若しくは該最小値よりも小さな値、及び、◇印でプロットされた汚れ付着量の最小値若しくは該最小値よりも小さな値が、それぞれ、閾値となるように、蛋白質汚れ付着量(P12 1 〜P12 n )の分布と脂質汚れ付着量(L12 1 〜L12 n )の分布を、図3及び下記表3に示されるように、それぞれ、4つに分割して、等級分けを行なうのである。なお、かかる表3では、蛋白質汚れ:4通り×脂質汚れ:4通りの計16個の領域におけるレンズCとCS−1の組合せの適合性が、◎:装用に全く問題がない、○:装用に問題がない、▲:装用に注意が必要、●:装用が薦められない、という4つ等級に分けられている。
【0041】
【表3】
【0042】
しかしながら、かかる表3に示されるように行なわれたレンズCとCS−1の組合せにおける適合性の等級分けは、そのままでは、コンタクトレンズへの汚れ付着特性の推定や、本発明の目的とするコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定に、基準として用いることが困難であるところから、レンズCとCS−1の組合せにおける汚れ付着量〔(P12 1 ,L12 1 )〜(P12 n ,L12 n )〕と、前述せる如き涙液中の蛋白質の含有量及び脂質の含有量との相関関係を求めることとなる。このため、上記装用試験(レンズCとCS−1を用いた検査)とは別に、被験者(Y1 〜Yn )に対して、前述の涙液の検査を同様にして行ない、各被験者の涙液中に含まれる蛋白質量と脂質量〔(P0 1,L0 1)〜(P0 n,L0 n)〕を検出するのである。
【0043】
かくして、装用試験と涙液の検査が実施されると、下記表4に示されるように、被験者毎に、各検査の結果が得られることとなる。そして、そのようにして得られた結果から、装用試験における汚れ付着量(P12,L12)と涙液の検査における蛋白質の含有量及び脂質の含有量(P0,L0)との相関関係を、最小自乗法や多重解析法、多変量解析等の従来から公知の解析方法の何れかを用いて、求める。本実施形態では、最小自乗法を用いて、それらの関係を、汚れ成分別に求めたところ、下記式1,2に示される関係式が得られた。
【0044】
【表4】
【0045】
P0 =1.06×P12+1.40 ・・・(式1)
L0 =0.172×L12+0.032 ・・・(式2)
【0046】
このようにして、装用試験における汚れ付着量(P12,L12)と涙液の検査における蛋白質の含有量及び脂質の含有量(P0,L0)との相関関係が求められると、涙液の検査によって得られる蛋白質の含有量及び脂質の含有量(P0,L0)から、レンズCとCS−1を用いた装用試験を実際に行なわなくても、それらを使用した際に、レンズCに付着する汚れの量、換言すれば、汚れ付着特性を推定することが出来、その推定された汚れ付着特性から適合性の等級を一義的に求めることが出来るようになるのである。なお、本実施形態では、上記で得られた式1,2を用いて、装用試験における汚れ付着量(P12,L12)を、涙液の検査における蛋白質の含有量及び脂質の含有量(P0,L0)に換算することによって、上記表3のグレード表を、下記表5に示されるグレード表に変換した。
【0047】
【表5】
【0048】
このように、涙液検査における汚れ成分の含有量(P0,L0)に応じて等級分けが行なわれたグレード表(表5)を用いれば、涙液中の汚れ成分の含有量から、直ちに、レンズCとCS−1の組合せにおける適合性の等級を一義的に求められるようになっているのである。
【0049】
また、レンズCとCS−1の組合せ以外の組合せ(レンズAとCS−1、レンズBとCS−1、レンズDとCS−1、レンズAとCS−2、・・・、・・・)についても、同様にしてグレード表を作成すれば、図1に示されるコンタクトレンズ群及びケアシステム群から、装用者に適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを選定するためのデータベースが作成されるのである。
【0050】
そして、そのようにして作成されたデータベースを用いて、前記装用者(購入者)に適合するコンタクトレンズ及びそのケアシステムを選定するには、前述せるように、先ず、装用者に対して涙液検査を行なって、蛋白質の含有量(P0 )と脂質の含有量(L0 )を検出する。そして、各コンタクトレンズとケアシステムの組合せ毎に作成されたグレード表に、それぞれ、検出された蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量を当てはめて、各組合せ毎に適合性を求め、装用に問題がないと推測される組合せを抽出すれば、装用者に適合するコンタクトレンズとケアシステムの組合せが選定されるのである。例えば、装用者の涙液中の蛋白質の含有量と脂質の含有量が、それぞれ、8.0μgと0.6μgであった場合、レンズCとCS−1の組合せに関しては、表5のグレード表から、「装用に問題がない(○)」と推測され、適合するコンタクトレンズとそのケアシステムの1つとして抽出される。
【0051】
このようにして、基準となるデータベースを用いれば、装用者(購入者)の涙液中の汚れ成分量から、装用者に適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを、より一層適確に、且つ容易に選定することが可能となるのであり、装用感の悪化や酸素透過性能の低下、レンズ寿命の低下、視力の低下、角膜障害等の眼への悪影響が惹起されるようなことが、極めて効果的に防止乃至は回避され得るようになるのである。
【0052】
<2.汚れ付着量から基準を設定する方法>
上記の「1.汚れ付着量及び臨床的な検査結果から基準を設定する方法」と同様に、先ず、複数のコンタクトレンズ及び複数のケアシステムの中から、それぞれ、1種ずつを選択して、組み合わせ(ここでも、レンズCとCS−1)、任意の複数の被験者(Y1 〜Yn )に、所定期間(12週間)、レンズCの装用と、CS−1を用いたレンズCのケアを行なわせる装用試験を実施した後、レンズCに付着,蓄積した蛋白質の含有量(P12 1 〜P12 n )と脂質の含有量(L12 1 〜L12 n )を検出する。
【0053】
そして、上述せる如くして検出された複数の被験者(Y1 〜Yn )の蛋白質汚れ付着量(P12 1 〜P12 n )と脂質汚れ付着量(L12 1 〜L12 n )から、それぞれの平均値と標準偏差(σ)を求め、そして、その得られた平均値と標準偏差に基づいて、上記で検出された複数の被験者の蛋白質汚れ付着量及び/又は脂質汚れ付着量の分布を、複数に分割して、かかるレンズCとCS−1の組合せの適合性の等級分けを行なうのであるが、ここでは、下記表6に示される評価基準を採用して、下記表7に示される如き等級分けを行なった。なお、本実施形態において、汚れ付着量の平均値と標準偏差は以下のようであった。
蛋白質汚れ : 3.4±0.7(σ)
脂質汚れ : 2.4±0.6(σ)
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
かかる表7に示される適合性の等級分けは、上記の「1.汚れ付着量及び臨床的な検査結果から基準を設定する方法」における表3に対応するものであり、そのままでは、上例と同様に、汚れ付着特性の推定や、本発明の目的とするコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定に用いることが困難であるところから、上記の方法と同様に、被験者に対して、涙液検査を別に行なって、装用試験における汚れ付着量(P12,L12)と、涙液検査における汚れ成分の含有量(P0,L0)との相関関係を、最小自乗法等の公知の解析手法にて求める。これにより、涙液検査における汚れ成分の含有量(P0,L0)から、レンズCとCS−1を使用した際の汚れ付着量、換言すれば、汚れ付着特性を推定することが出来、ひいては、レンズCとCS−1を使用した際における適合性の等級を、一義的に求めることが出来るようになるのである。また、得られた関係式(ここでも、上記式1,2を用いる)から、装用試験の汚れ付着量(P12,L12)に応じて等級分けが行なわれた上記表7のグレード表を、涙液検査で検出される蛋白質と脂質の含有量(P0,L0)に応じて等級分けが行なわれるグレード表(下記表8)に変換することも出来る。
【0057】
【表8】
【0058】
そして、このようにして作成されたグレード表(表8)が、上記表5のグレート表と同様に、レンズCとCS−1の組合せにおける適合性判断の基準として好適に採用され得るのである。また、レンズCとCS−1の組合せ以外の組合せ(レンズAとCS−1、レンズBとCS−1、レンズDとCS−1、レンズAとCS−2、・・・、・・・)についても、同様にしてグレード表を作成すれば、図1に示されるコンタクトレンズ群及びケアシステム群から、装用者に適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを選定するためのデータベースが作成され、前記装用者(購入者)に適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの組合せが、上記と同様に、より一層適確に、且つ容易に選定され得るのであり、装用感の悪化や酸素透過性能の低下、レンズ寿命の低下、視力の低下、角膜障害等の眼への悪影響が惹起されるようなことが、極めて効果的に防止乃至は回避され得るようになるのである。
【0059】
以上、涙液中の汚れ成分の含有量から、コンタクトレンズへの汚れ付着特性を推定して、コンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを選定するための基準を設定する具体的な方法、換言すれば、コンタクトレンズへの汚れ付着特性を推定して、装用者に適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを選定する際に用いられるデータベースの作成方法を例示したが、本発明において、基準の設定は、上記した2つの方法に何等限定されるものではない。
【0060】
ところで、上述せる如くして得られた基準は、任意の被験者における装用試験の結果と涙液検査の結果とを基にして作成されているところから、被験者の人数:nが、多ければ多い程、基準の信頼性が向上し、より精度の良い選定が可能となる。このため、前記した涙液検査を行なって、涙液検査用コンタクトレンズに付着する汚れの含有量(P0,L0)が検出せしめられた装用者(購入者)に対して、追跡調査を行なって、その装用者の使用するコンタクトレンズとケアシステムの組合せにおける、蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量や、眼科的な問題(装用感、乾き、充血、角膜染色等)の発生状況等の追跡調査データを、更に、データベースに蓄積していくことが望ましい。
【0061】
最後に、上述せる如き選定方法を用いてコンタクトレンズを新しく購入しようとする装用者が、レンズを決定するまでの一連の流れを、図4のフローチャートを参照しつつ、説明することとする。
【0062】
先ず、装用者は、今までに罹った眼の病気や身体の病気等の問診を受ける(ステップ:S1)。次いで、前眼部(角膜、前房)や外眼部(結膜、瞼)に傷や炎症がないか、水晶体の位置は正常か、濁っていないか、眼底に病気はないか、涙の量は適当かどうか等の臨床的な検査を受ける(ステップ:S2)。そして、コンタクトレンズの装用に問題がなければ、次いで、装用者の眼にフィットし、良好な視力が確保されるコンタクトレンズを選ぶために、角膜の丸みや視力等が測定されて(ステップ:S3)、装用者の眼に適したコンタクトレンズのベースカーブや直径、レンズ度数等の規格が決定されるのである(ステップ:S4)。
【0063】
その後、本発明に従って、涙液が採取されて、その汚れ成分の含有量が検出され(ステップ:S5)、かかる汚れ成分の含有量に基づいて、コンタクトレンズへの汚れ付着性が推定されて、複数の商品の中から、コンタクトレンズ装用者に適合するコンタクトレンズとケアシステムの組合せが選定されるのである(ステップ:S6)。
【0064】
そして、装用者は、選定された組合せの中から適当なコンタクトレンズとそのケアシステムの組合せを選び、実際にコンタクトレンズを装用して、装用感や見え方等を試すと共に、更に、装用した状態で、フィッティングや視力等の眼科的な検査をした後、問題がなければ、その選んだコンタクトレンズとそのケアシステムに決定するのである(ステップ:S7)。
【0065】
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
【0066】
例えば、上記の実施形態では、蛋白質の含有量と脂質の含有量が、それぞれ、検出されていたが、どちらか一方のみが検出されるような構成も、或いは、蛋白質及び脂質の総量が検出されるような構成も、採用され得る。
【0067】
また、検出された蛋白質の含有量及び脂質の含有量(P0,L0)に基づいて、適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを選定するに際しては、上述せる如きデータベースが好適に用いられ得るのであるが、かかるデータベースを構築したり、またデータベースから、適合する組合せを抽出するに際しては、コンピュータ等の処理装置が有利に用いられ得る。
【0068】
さらに、本発明において、ケアシステムには、ケア用品だけでなく、その使用方法の提示等が含まれていても良い。例えば、洗浄,濯ぎ,消毒,保存が可能な液剤に、更に蛋白質除去液剤を組み合わせてセット化した、上例のケアシステム:CS−2の場合、かかるケアシステムCS−2を、使用方法の提示によって更に細分化して、蛋白質汚れの付着量が多いと推定される装用者に対しては、「蛋白質除去液剤の毎日の使用」、蛋白質汚れの付着量が少ないと推定される装用者に対しては、「蛋白質除去液剤の週1回の使用」等を提示することも出来る。
【0069】
また、上例では、臨床的な検査(ステップ:S2)等の後に、別途、涙液中の汚れ成分量の検出(ステップ:S5)が実施されていたが、ドライアイ等の診断のために行なわれる、涙液量の測定時に、かかる涙液中の汚れ成分量を求める検査を行なうようにすることも、勿論、可能であり、このように、涙液量の測定と同時に、涙液中の汚れ成分の含有量を求めるようにすれば、検査項目の増加が回避され得るのである。
【0070】
加えて、上記実施形態では、涙液中の蛋白質の含有量と脂質の含有量が、数値化されて求められていたが、発色試薬を用いる場合には、色調で含有量を判断することが可能であるところから、予め色調見本を作製し、その色調見本と対比することで、涙液中の蛋白質や脂質の含有量を求め、その結果から、コンタクトレンズへの汚れ付着特性を推定し、装用者に適合するコンタクトレンズやそのケアシステムを選定することが出来ることは、勿論、言うまでもないところである。
【0071】
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従うコンタクトレンズ及びそのケアシステムの選定方法によれば、所定の涙液検査が行なわれ、その結果に基づいて、コンタクトレンズへの汚れ付着性が推定されて、コンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムが選定されるようになっているところから、レンズに汚れが付着,蓄積することにより惹起される、装用感の悪化や酸素透過性能の低下、レンズ寿命の低下、視力の低下、角膜障害等といった問題の発生が効果的に回避され得るのであり、以て、眼に対する安全性が高度に確保され得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態において、複数のコンタクトレンズと複数のケアシステムを示す説明図である。
【図2】本実施形態において、コンタクトレンズCとケアシステム1を用いた装用試験において、装用期間と汚れ付着量との関係を表わすグラフである。
【図3】本実施形態において、コンタクトレンズCとケアシステム1を用いた装用試験において、コンタクトレンズCに付着する脂質汚れ付着量と蛋白質汚れ付着量の関係を表わすグラフである。
【図4】本発明に従う選定方法を用いてコンタクトレンズやそのケアシステムを決定する代表的な一例に係るフローチャートを示す図である。
Claims (7)
- コンタクトレンズ装用者における涙液中の蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量を検出するステップと、
該検出された蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量に基づいて、コンタクトレンズへの汚れ付着特性を推定するステップと、
該推定された汚れ付着特性に基づいて、複数のコンタクトレンズ及び複数のケアシステムの中から、前記装用者に適合するコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムを選定するステップと、
を含むことを特徴とするコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法。 - 前記蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量の検出が、前記涙液を、発色試薬に接触せしめることにより行なわれる請求項1に記載のコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法。
- 前記涙液を所定の涙液採取媒体にて採取した後、該採取された涙液に対して、前記発色試薬が接触せしめられる請求項2に記載のコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法。
- 前記発色試薬を予め所定の涙液採取媒体に含有せしめた後、該涙液採取媒体にて前記涙液を採取することにより、前記発色試薬に該涙液が接触せしめられるようにした請求項2に記載のコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法。
- 前記蛋白質の含有量及び/又は脂質の含有量の検出が、比色分析法、分光分析法、蛍光分析法、又はそれらのうちの2種以上の分析法を組み合わせた分析法にて行なわれる請求項1乃至請求項4の何れかに記載のコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法。
- 前記蛋白質の含有量の検出のための前記発色試薬が、ブロモクロロフェノールブルー、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル、及びテトラブロモフェノールブルーからなる群のうちの少なくとも1種である請求項2乃至請求項5の何れかに記載のコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法。
- 前記涙液採取媒体が、糸、紙、中空管、ポリマーフィルム、又はスポンジである請求項3乃至請求項6の何れかに記載のコンタクトレンズ及び/又はそのケアシステムの選定方法。
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