JP4173228B2 - 負圧差潅水システム - Google Patents
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Description
本発明は、負圧差潅水システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
負圧差潅水システムは、土壌中に埋設した多孔質管内に水を飽和させ、この多孔質管内の水圧と、多孔質管に接する土壌水との圧力差によって潅水を行うものであり、土壌水分の制御に好適な方式といえる。そして、従来の負圧差潅水システムにおいては、規模の拡大により基本システムのコストは低減される。
【特許文献1】
特開平09−308396
【特許文献2】
特開平09−009802
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、きわめて小規模な、たとえば植木鉢をこの負圧差潅水システムにより栽培管理しようとすると、極めて高価なものとなる。すなわち、連続的にこの負圧差潅水システムを維持・管理するためには、水を循環させるライン中に発生する遊離空気の除去が必須となるため、常時ポンプによりライン中に水を流通・循環させるシステムが採用される。このシステムであると、システムを構成部品の数が多くなり、システム全体が大掛かりとなり製作が煩雑となるほか、メインテナンスの問題、ポンプの耐用年数等の問題もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記の諸課題を解決し、コンパクトで安価な、かつ負圧差潅水システムの利点を損なわない、植物栽培用に好適な負圧差潅水システムを提供すべく、種々検討を行ない、本発明に到達した。
【0005】
本発明では、上方に土壌層2、その下方に貯水部を有してなる容器1において、この土壌層2には多孔質管4が埋設され、この多孔質管4内を貯水部からの水で飽和させ、多孔質管4に接する土壌水の負圧と多孔質管4内の負圧との差異により、多孔質管4内の水を土壌層2中に毛管滲出させるようにされた負圧差潅水システムであって、上記貯水部は、第一貯水部3および第2貯水部3’よりなり、その各々は多孔質管4の一端とチューブ5、5’で導通され、かつ、第2貯水部3’は、その上端開口部が多孔質管4よりも高い位置にあるように設けられており、第二貯水部3’の底部は第一貯水部3の底部近傍でチューブ5’の一端に連結され、チューブ5’の他端は多孔質管4の一端に連結されてなり、 多孔質管4の他端にチューブ5の一端が連結され、チューブ5の他端が第一貯水部3の底部近傍に達するようにされてなり、第二貯水部3’の上端開口部に水を供給することにより、多孔質管4と貯水部を導通する流路内の水を強制的に流動させうることを特徴とする、負圧差潅水システムを提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明においては、容器1の上方に土壌層2、そしてその下方に貯水部が設けられている。土壌層4の土壌は、天然土壌、及び培養土等の人工土壌が一般的であるが、有機物を含まないものであっても本発明の負圧差潅水システムにより、植物栽培に用いうるものであれば、特に制限はない。本発明においては、常時、植物に必須の水分を随時供給しうるので、保水層としての土壌は比較的少量であってもよい。したがって、その分の空間を後述するコントロール装置等の収納にあてることもできる。土壌層の厚みは容器1の大きさに応じて、適宜選ぶことができる。
【0007】
容器の形状は、各種のプランター、植木鉢等、任意とすることができ、大きさも使用目的等により適宜選ぶことができる。また、その材質も特に制限されず、例えばプラスチック等が好適である。本発明において、上記土壌層2には、多孔質管4が埋設される。多孔質管4を埋設する深さは特に制限が無く、収納する容器1の大きさ、土壌層4の厚みにもよるが、通常、土壌表面から5〜50cm程度が好ましい。浅過ぎる場合には、地表の温度の影響を受け易く、水分が蒸発し易い点で不利であり、深すぎる場合には、植物の根域に水分を到達させることが困難となり好ましくない。
【0008】
多孔質管4の材料は、一般には、陶磁器、コンクリート、多孔質ガラスが好ましいが、金属焼結体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ゴム等のプラスチックを原料とした多孔質成型品のほか、更に、フィルター材料として利用できる素材を筒状に成型した物などが利用できる。多孔質管4は水蒸気や水を通過させる関係から、管内壁や小孔部分を親水性の材料によって親水化処理するのが好ましい。多孔質管4の小孔は、孔径0.01〜200μm程度の範囲で選ぶのが望ましい。孔径が0.01μmより小さい場合は、使用中に目詰まりが起こり易い上に流体の流動抵抗が大きいので水の流動性が悪く、また200μmより粗い(大きい)場合には、土壌層2空気が流入し、チューブ5、多孔質管4、チューブ5’より構成される水供給ラインを負圧に保持するのが困難となり易い。特に望ましい孔径は0.1〜50μm程度の範囲で、孔径分布が狭いものが好適である。中でも、石英質の多い陶土を成型し、焼成して得られた孔径が10μm前後の筒が好ましい。
【0009】
これら多孔質材料は、通常、筒状に成型して多孔質管4として利用される。その内径、肉厚、長さなどには特に制約はないが、内径が小さく小さ過ぎると、水が流れる際の抵抗が大きく、内径が大き過ぎると水供給ラインの内部で発生した気泡や、水供給ラインの外部から混入した気泡などを流し出すために、多量の水を循環させることが必要となる。したがって、チューブの内径は3〜100mm程度、好ましくは5〜50mmの範囲で選ばれ、肉厚は1〜30mm、好ましくは3〜15mmの範囲で選ばれる。多孔質管4の長さは特に制約は無いが、材質に応じてセラッミックなど可撓性に乏しく、たわみ応力で破損し易いものの場合には短めに、プラスチック材料のように可撓性に富むものは長くして接続箇所を少なくすることもできる。短い多孔質管4は、複数本を接続して所望の長さにすることができる。複数の多孔質管4の接続には、ポリ塩化ビニルチューブ、ポリエチレンチューブなどの比較的柔軟なチューブを使用するのが一般的である。多孔質管4が金属焼結体の場合には、金属製の接続具を使用することもできる。
【0010】
短い多孔質管4を複数本接続して所望の長さにする際には、内壁が滑らかなチューブ5、5’を使用し、さらには接続部で管径が急激に変化しないようにして、圧損が生じ難いような配慮が好ましい。貯水部3、3’は、前記土壌層2中に後記する方法で滲出させる水を溜めるものであり、水の種類は、特に限定されない。この場合、必要に応じて肥料等を溶解させておくこともできる。
【0011】
本発明に係る負圧式潅水システムでは、貯水部3、3’は、第一貯水部3と第二貯水部3’とより構成する。第一貯水部3は、容器1の土壌層2の下方に設けられ、第二貯水部3’は、その上端(開口部)が多孔質管4(中心)よりも高い位置にあるように配置されている。この第二貯水部3’は、他方の第一貯水部3より容積が小さく構成され、多孔質管4の一端とチューブ5’で導通されていれば、容器1内に配置されてもよいし(後記、図1参照)、容器1外に配置されていてもよい(後記、図2参照)。第一貯水部3の低部と、第二貯水部3’の低部は第1貯水部3の底部近傍で連結され、チューブ5は第一貯水部3の底部近傍に達するようにされてなる(後記、図1、図2参照)。
【0012】
上端開口部が多孔質管4(中心)よりも高い位置に配置された第二貯水部3’の開口部から水を供給することにより、チューブ5、多孔質管4、チューブ5’より構成される流路内(水供給ライン)に水を強制的に流動させることができる。したがって、本発明に係る負圧式潅水システムを最初の使用(稼働)時に、上端開口部に水を供給すると、流路内の気体(空気)を水とともに押し出し、流路を水によって満たすことができる。この際、多孔質管4の小孔から水を土壌層2に滲透させることができる。また、日常(稼働中)においては、上端開口部に適宜水を供給すると、流路内(水供給ライン)の気体(空気)を簡単に除去することができる。上端開口部への水の供給を停止すると、第二貯水部3’の水位は低下し、二つの貯水部3、3’の水位は同一水位となる。
【0013】
図1及び図2は、本発明に係る負圧差潅水システムの実施態様例を示すものである。図1において、容器1内に土壌層2及び第一貯水部3、第二貯水部3’が設けられており、土壌層2中には、多孔質管4が埋設されており、多孔質管4は、ポリ塩化ビニル製のチューブ5、5’により第一貯水部3及び第二貯水部3’の水と連通されている。流路内の水を流動させるために、第二貯水部3’に給水する際の水位を多孔質管4より高い位置まで給水すると、一時的に正圧となって給水終了と共に負圧状態にもどり、給水開口部からの供給過剰分は速やかに第一貯水部3に排出されることになる(6:水位)。図2は、第二貯水部3’を容器1の外側に設け、全体を外カバー7内に収納した場合の一実施態様を示す。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、コンパクトで安価な負圧差潅水システムを得ることができる。すなわち、負圧差潅水栽培の長所を生かし、かつ潅水の労力や過潅水の害を防ぎ、植物栽培の容易化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る負圧差潅水システムの一例の側面略図である。
【図2】 本発明に係る負圧差潅水システムの他の例の側面略図である。
【符号の説明】
1:容器
2:土壌層
3:第一貯水部
3’:第二貯水部
4:多孔質管
5、5’:チューブ
6:水位
7:外カバー
Claims (1)
- 上方に土壌層2、その下方に貯水部を有してなる容器1において、この土壌層2には多孔質管4が埋設され、この多孔質管4内を貯水部からの水で飽和させ、多孔質管4に接する土壌水の負圧と多孔質管4内の負圧との差異により、多孔質管4内の水を土壌層2中に毛管滲出させるようにされた負圧差潅水システムであって、上記貯水部は、第一貯水部3および第2貯水部3’よりなり、その各々は多孔質管4の一端とチューブ5、5’で導通され、かつ、第2貯水部3’は、その上端開口部が多孔質管4よりも高い位置にあるように設けられており、第二貯水部3’の底部は第一貯水部3の底部近傍でチューブ5’の一端に連結され、チューブ5’の他端は多孔質管4の一端に連結されてなり、多孔質管4の他端にチューブ5の一端が連結され、チューブ5の他端が第一貯水部3の底部近傍に達するようにされてなり、第二貯水部3’の上端開口部に水を供給することにより、多孔質管4と貯水部を導通する流路内の水を強制的に流動させうることを特徴とする、負圧差潅水システム。
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1998
- 1998-10-05 JP JP28249798A patent/JP4173228B2/ja not_active Expired - Fee Related
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