JP4166116B2 - Artificial tooth manufacturing method - Google Patents
Artificial tooth manufacturing method Download PDFInfo
- Publication number
- JP4166116B2 JP4166116B2 JP2003129594A JP2003129594A JP4166116B2 JP 4166116 B2 JP4166116 B2 JP 4166116B2 JP 2003129594 A JP2003129594 A JP 2003129594A JP 2003129594 A JP2003129594 A JP 2003129594A JP 4166116 B2 JP4166116 B2 JP 4166116B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- core
- lingual
- base
- artificial tooth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Dental Prosthetics (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、全部床義歯、部分床義歯等の義歯において使用される人工歯の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、レジンからなる多層構造の人工歯の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
義歯は、既製の人工歯の中から患者に適した形状、サイズ、色調のものを選択して、義歯床に埋設固定することで製作される。そこに使用される人工歯としては、審美性等において陶歯が優れているが、高価であり、品質の一定したものが得にくいといった難点がある。これに対し、成形用型内において重合させて成形したレジンからなる人工歯は、製造が容易であり、安価で品質が安定していることから多用されている。この人工歯は、2つに分割可能な成形用型を用い、レジン等の粉末とモノマー液とを混合することで得られた餅状またはペースト状レジンを成形用型のキャビティ内に填入して重合させることで成形されるものであって、通常は、天然歯に似た審美性等を得るため、図14に示すような多層構造が採用されている。図14は、人工歯101の一例として、3層構造の上顎前歯を示しており、これは、舌側からコア102、ボディ層103、エナメル層104の順に唇側に向かって積層されたものである。このような人工歯101は、2分割成形用型によって、以下のようにして成形される。
【0003】
すなわち、図15(a)に示されるように、コア用に色調等が調整された餅状またはペースト状レジンを、舌側部型106とコア部型107によって形成されるキャビティ内に填入して重合させ、コア102を成形する。そして、コア102を舌側部型106に残置しコア部型107を取り外す。次いで、図15(b)に示されるように、コア102が残置されている舌側部型106とボディ部型108によって形成されるキャビティ内に、ボディ層用に色調等が調整された餅状またはペースト状レジンを填入して重合させ、ボディ層103をコア102に積層成形する。そして、コア102にボディ層103が積層された状態のまま、ボディ部型108だけを取り外す。次いで、図15(c)に示されるように、コア102とボディ層103が積層された状態で残置されている舌側部型106とエナメル部型109によって形成されるキャビティ内に、エナメル層用に色調等が調整された餅状またはペースト状レジンを填入して重合させ、エナメル層104を積層成形させる。得られた人工歯101は、エナメル部型109と舌側部型106を分割し、取り出せばよい。
【0004】
図14に示されるような多層構造の人工歯101は、唇側において、その多層構造のため天然歯に似た審美性等を得ることができるものの、舌側は、コアが露出しており、コアの色調がエナメル層と異なり、また、エナメル層とコアとの境界における色調等の変化が目に付いたりすることから、図16に示すような天然の前歯110に比べ審美性等において満足できるまでには至っていない。
ところで、射出成形により特定のコアをエナメル層で被覆した多層構造の人工歯について、本出願人は特許文献1として出願している。この射出成形による人工歯は、射出成形機を必要とし、ランニングコストがかかる等の点から、高価となる。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−38527号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、図17(a)に示すように舌側のエナメル層111を舌側部型106と舌側のエナメル部型112からなる2分割成形用型によって成形し、その後、図15において説明したと同様にして、舌側から唇側に向かい順にコア、ボディ層、唇側のエナメル層を積層成形することで、歯冠がエナメル層で被覆された人工歯を検討した。しかしながら、このような成形による人工歯では、図17(b)に示すように舌側のエナメル層111を成形後、その2分割成形用型を分割する際、成形された舌側のエナメル層111が微妙にズレたり、成形用型から落下したりし易い。とりわけ、舌側のエナメル層111の微妙なズレを確認することは困難である。また、舌側のエナメル層111がズレたり、落下した場合、元の位置に正確に戻すことは、煩雑であり、困難でもある。そして、舌側のエナメル層111にコアを積層成形させる際、コア用の餅状またはペースト状レジンの填入によって、舌側のエナメル層111が成形用型内で移動したりして不良品となり易く、また、舌側のエナメル層111の位置がズレたままでは、その厚さが薄いことから、コアの成形時の圧力で、舌側のエナメル層111が破損したりすることにもなる。また、このような方法は、成形工程が増えることになり、好ましいものとはいえない。
【0007】
この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、前庭側(すなわち、前歯においては唇側、臼歯においては頬側)だけでなく舌側においても天然歯に似た審美性等を備えた人工歯およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、基底部型とコア用の前庭側型および舌側型によって形成されたキャビティ内に、コア用の餅状またはペースト状レジンを填入して重合させてコアを成形し、前記コア用の前庭側型および舌側型を分割し、前記コアを前記基底部型上に残置して、該基底部型と外層用の前庭側型および舌側型によって形成されたキャビティ内に、外層用の餅状またはペースト状レジンを填入して重合させて、前記コアの少なくとも基底面を除いて、前記コアに少なくとも一層の外層を積層成形する前記基底部型を共用した多層の人工歯の製造方法であって、最外層をエナメル被覆層として成形することを特徴とする。
【0009】
つまり、この発明は、いわば、基底部型を共用し、内層、および外層を、各層用の前庭側型、舌側型の3つの型(すなわち、3分割成形用型)の型内で、内層の重合から外層の重合へと順次成形して積層させる多層成形であり、最内層をコアとし、最外層がエナメル被覆層となっており、該エナメル被覆層が歯冠部を覆っている人工歯を得ることができる。基底部型を共用することにより、基底部型に対する各層用の前庭側型と舌側型の位置決めを容易かつ確実に行うことができ、目的とする形態等を備えた多層構造の人工歯が成形されることになる。これによって、前庭側(すなわち、前歯においては唇側、臼歯においては頬側)だけでなく舌側においても天然歯に似た審美性等を備えた安価な人工歯を得ることができることになる。
【0010】
従って後述するように、歯冠形状が、歯頸部においてアンダーカットとなっている人工歯を得ることができる。このような形状は、天然歯の歯冠に似た形状となることから、人工歯を義歯床に埋設固定した場合の義歯の審美性等が良好となる。
【0011】
また、前記基底部型には、成形時のズレ防止用の保持用突起が設けられてなり、前記基底部型とコア用の前庭側型および舌側型によって形成されたキャビティ内に、コア用の餅状またはペースト状レジンを填入して重合させて、基底面に前記成形時のズレ防止用の凹部または孔が形成されたコアを成形することが好ましい。ここにおいて、前記保持用突起がピンであることが好ましい。
また、前記基底部型には、成形時のズレ防止用の保持用凹部が設けられてなり、前記基底部型とコア用の前庭側型および舌側型によって形成されたキャビティ内に、コア用の餅状またはペースト状レジンを填入して重合させて、基底面に前記成形時のズレ防止用の突部または突起が形成されたコアを成形することが好ましい。ここにおいては、前記保持用凹部が孔であることが好ましい。
【0012】
また、前記コアを残置した基底部型とボディ用の前庭側型および舌側型によって形成されたキャビティ内に、ボディ用の餅状またはペースト状レジンを填入して重合させて、前記コアの少なくとも基底面を除く外周にボディを積層成形して被覆し、前記ボディ用の前庭側型および舌側型を分割し、前記コアにボディが積層された積層体を前記基底部型上に残置して、該基底部型とエナメル被覆層用の前庭側型および舌側型によって形成されたキャビティ内に、エナメル用の餅状またはペースト状レジンを填入して重合させて、前記ボディの外周にエナメル被覆層を積層成形して被覆することが好ましい。
ここにおいては、前記基底部型とコア用の前庭側型および舌側型が前歯用の基底部型と前歯コア用の唇側型および舌側型であり、ボディ用の前庭側型および舌側型が前歯ボディ用の唇側型および舌側型であり、エナメル被覆層用の前庭側型および舌側型が前歯エナメル被覆層用の唇側型および舌側型であることや、前記基底部型とコア用の前庭側型および舌側型が臼歯用の基底部型と臼歯コア用の頬側型および舌側型であり、ボディ用の前庭側型および舌側型が臼歯ボディ用の頬側型および舌側型であり、エナメル被覆層用の前庭側型および舌側型が臼歯エナメル被覆層用の頬側型および舌側型であることであることが好ましい。
【0013】
なお、この発明において、「前庭側」とは、前歯においては、唇側を、臼歯においては、頬側を意味するものとして使用しているが、成形用型としての「前庭側型」と「舌側型」は、以下の説明、および、後述する実施の形態等からも明らかなように、厳密な意味で使用されているものではなく、例えば、臼歯においては、咬合面側等をも含むものである。
【0014】
より具体的に説明すると、先ず、この発明の人工歯におけるコア、外層は、それぞれの層に適した色調等が調整された餅状またはペースト状レジン(以下、特に餅状レジンとペースト状レジンを区別しない場合は「餅状レジン等」を使用する。)が重合したものであり、重合形態としては、加熱重合が一般的であるが、これに限られるものではない。
【0015】
この発明において用いられる餅状レジンとしては、人工歯を成形するのに使用されるものであれば特に限定されるものではないが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の粉末状のポリマーと、メチルメタクリレート(MMA)に例示される液体状のモノマーとを主成分とし、前記モノマーによってポリマーが膨潤し餅状となったものであって、必要に応じて、ベンゾイルパーオキサイドに例示される加熱重合触媒、着色剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等が添加されたものを例示することができる。
【0016】
この発明において、外層は、少なくとも前記コアの基底面を除いて積層成形されていることから、ここにおける「被覆」とは、特に断らない限り歯冠側全体を切れ目なく(すなわち、前庭側と舌側を含む)を覆っていることを意味するものとして使用されているが、後述することからも明らかなように、例えば、歯冠の一部としての歯頸部から基底部にかけては被覆されていない場合をも含むものである。
【0017】
この発明の人工歯の多層構造は、少なくとも最内層としてのコアと、最外層としてのエナメル被覆層からなるものであればよく、2層(すなわち、最内層としてのコアと、その外層である最外層としてのエナメル被覆層)、3層(すなわち、最内層としてのコアと、その外層である中間層としてのボディ、最外層としてのエナメル被覆層)、3層以上であってもよい。
【0018】
また、ここにおいて、「填入」は、成形用型によって形成されるキャビティに餅状レジン等を充填することと、餅状レジン等に必要とする形状を付与することとを意味するものとして使用する。餅状レジン等への形状付与は、通常、成形用型を加圧することで行われる。
【0019】
この発明で使用する基底部型には、成形されたコアが基底部型上においてズレたりしないようにするために、保持用突部または保持用凹部が設けられていることが好ましい。保持用突起によって、コアの基底面に成型時のズレ防止用の凹部または孔が形成される。また、保持用凹部によって、コアの基底面に凸部または突起が形成される。基底部型に設けられた保持用突起または保持用凹部は、基底部型を成形された人工歯から分離する際、分離方向に対しアンダーカットにならないようになっていればよく、形状、方向等は特に限定されるものではない。保持用突起によって、コアの基底面に形成されたズレ防止用の凹部または孔は、人工歯を義歯床に埋設固定する際、この凹部または孔に義歯床用のレジンが侵入することで突起部が形成され、義歯床による人工歯の機械的維持が向上することになり、人工歯の脱落防止にとって有効となる。保持用凹部によって、コアの基底面に形成されたズレ防止用の突部または突起は、人工歯を義歯床に埋設固定することで、この突部または突起が義歯床に食い込み、義歯床による人工歯の機械的維持が向上することになり、人工歯の脱落防止にとって有効となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は以下の実施の形態によって限定されるものではない。
図1は、この発明によって得られた一形態である3層からなる人工歯を示す説明図である。
【0021】
図1に示される人工歯1は、上顎切歯(前歯)として示されており、最内層としてのコア2、中間層としてのボディ3、最外層としてのエナメル被覆層4の3層からなる。そして、この人工歯1は、その基底面1aにおいてコア2が大きく露出したものであって、ボディ3は、コア2を歯冠側において被覆しており、エナメル被覆層4はボディ3を被覆している。この人工歯1は、歯冠形状が歯頸部1bにおいてアンダーカットとなっており、天然歯の歯冠に似た形状となっている。また、この人工歯1には、コアに維持孔5が形成されている。
【0022】
次に、図1に示す人工歯1の製造方法を説明する。以下においては、コア、ボディ、エナメル被覆層用に色調等が調整された餅状レジンを用いるものであって、加熱することで、餅状レジンに添加された加熱重合触媒により餅状レジンが重合するものとする。
図2は、図1に示す人工歯を製造するための成形用型であって、(a)に、基底部型7、(b)に、コア用の唇側型8aとコア用の舌側型8b、(c)に、ボディ用の唇側型9aとボディ用の舌側型9b、(d)に、エナメル被覆層用の唇側型10aとエナメル被覆層用の舌側型10bを示す。基底部型7には、ズレ防止用のピン11が設けられている。
【0023】
図2に示す成形用型を用いて、図1に示す人工歯1を製造するには、先ず、図3(a)に示すように、基底部型7、コア用の唇側型8a、コア用の舌側型8bによって形成されるキャビティ内に、コア用の餅状レジンを填入し、加熱重合させることで、コア2を成形する。そして、コア用の唇側型8a、コア用の舌側型8bを分割し、成形されたコア2が基底部型7上に残置された状態とする。コア用の唇側型8aとコア用の舌側型8bとの分割において、コア2は基底部型7に設けられたピン11によってズレたりすることがない。また、仮にコアがずれたりした場合でも、コア2に形成された維持孔5をピン11に嵌め直すことで、コア2を基底部型7の所定の位置に容易に戻すことができる。
【0024】
次いで、コア2が基底部型7上に残置された状態において、図3(b)に示すように、コアが残置された基底部型7、ボディ用の唇側型9a、ボディ用の舌側型9bによって形成されるキャビティ内に、ボディ用の餅状レジンを填入し、加熱重合させることで、コア2にボディ3を積層成形する。そして、ボディ用の唇側型9a、ボディ用の舌側型9bを分割し、コア2にボディ3が積層された積層体が基底部型7上に残置された状態とする。ボディ用の唇側型9aとボディ用の舌側型9bとの分割において、この積層体は基底部型7に設けられたピン11によってズレたりすることがない。また、仮にこの積層体がずれたりした場合でも、コア2に形成された維持孔5をピン11に嵌め直すことで、この積層体を基底部型7の所定の位置に容易に戻すことができる。
【0025】
次いで、コア2にボディ3が積層された積層体が基底部型7上に残置された状態において、図3(c)に示すように、積層体が残置された基底部型7、エナメル被覆層用の唇側型10a、エナメル被覆層用の舌側型10bによって形成されるキャビティ内に、エナメル被覆層用の餅状レジンを填入し、加熱重合させることで、2層の積層体にエナメル被覆層4を積層成形し、図1に示す人工歯1を得る。そして、エナメル被覆層用の唇側型10a、エナメル被覆層用の舌側型10bを分割し、次いで、成形された人工歯1を基底部型7から分離すればよい。人工歯1と基底部型7との分離は、基底部型7のピン11が分離に妨げとならない方向(すなわち、分離方向に対しピンがアンダーカットとならない方向)に行えばよい。
【0026】
この人工歯1は、成形用型を用い、上記したようにして製造することで得ることができるものであって、製造が簡便であって、射出成形のような機器や、レジンの溶融等を必要とせず、安価なものでもある。
この人工歯1は、コア2の基底面を除き、その外周をボディ3が被覆し、また、ボディ3の外周をエナメル被覆層4が被覆した3層構造となっており、近心側、遠心側、唇側、舌側、いずれの方向からも形状、色調を含め天然の上顎切歯と遜色のない審美性が有るものであって、図14に示す従来の人工歯とに比べ、格段に優れた審美性を有するものである。そして、人工歯1の基底面1aに形成された維持孔5は、義歯に使用する際には、義歯床からの脱落防止用の孔として機能する。
【0027】
図4は、通法に従って、人工歯1の基底面1aおよび歯頸部1bまでを義歯床12に埋設固定させた状態を示す。人工歯1と義歯床12の固定は、義歯床用の餅状レジンの重合による接着と、人工歯1の基底面1aに形成された維持孔5の中に義歯床用の餅状レジンを侵入させ重合することで、突起状部が形成され、これによって、人工歯1と義歯床12との接着に加え機械的維持が得られる。
従って、この製造方法によれば、天然歯と遜色のない審美性に優れ、また、義歯床からの脱落を防止するための維持孔を備えた人工歯1を容易に得ることができることになる。
【0028】
図5は、この発明によって得られた人工歯の他の形態を示す説明図である。
図5に示される人工歯21も、上顎切歯(前歯)として示されており、最内層としてのコア22、中間層としてのボディ23、最外層としてのエナメル被覆層24の3層からなるものであるが、歯冠の一部としての歯頸部から基底部にかけて、ボディおよびエナメル被覆層によって被覆されておらず、コア22が歯冠部においても露出した点が、図1に示す人工歯1と異なる。このようにコア22の一部が歯冠部において露出していても、係る部分が義歯床に埋設されるようにすれば、外からは見えなくなることから、審美上も問題がない。コアとして義歯床と接着性の良好な素材を用いると、義歯床から脱落の防止に効果がある。
図5に示す人工歯21の製造は、ボディ用の唇側型とボディ用の舌側型、エナメル被覆層用の唇側型とエナメル被覆層用の舌側型の形状が稍異なることを除けば、図1に示す人工歯の製造方法と同様であることから、詳細な説明は省略する。
【0029】
図6は、この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図である。
図6に示される人工歯31も、上顎切歯(前歯)として示されており、最内層としてのコア32、中間層としてのボディ33、最外層としてのエナメル被覆層34の3層からなるものであるが、ボディ33がコア32の唇側だけに積層された点が、図1に示す人工歯1と異なる。
図6に示す人工歯31の製造は、ボディ用の唇側型とボディ用の舌側型、エナメル被覆層用の唇側型とエナメル被覆層用の舌側型の形状が異なることを除けば、図1に示す人工歯の製造方法と同様であることから、詳細な説明は省略する。なお、この人工歯の場合は、ボディの形状によっては、ボディの成形において、ボディ用の唇側型に対しコア用の舌側型を引き続き使用することでボディを成形することができる。図6に示す人工歯31のボディ32は、ボディ用の唇側型に対しコア用の舌側型を使用して成形したものである。
【0030】
図7は、この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図である。
図7に示される人工歯41も、上顎切歯(前歯)として示されており、最内層としてのコア42と最外層としてのエナメル被覆層44の2層からなるものである。
図7に示す人工歯41は、基底部型、コア用の唇側型とコア用の舌側型、エナメル被覆層用の唇側型とエナメル被覆層用の舌側型を用いて成形すればよいことから、詳細な説明は省略する。
【0031】
図8は、この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図であり、成形用型内の状態を示す。
図8に示される人工歯51も、上顎切歯(前歯)として示されており、最内層としてのコア52、中間層としてのボディ53、最外層としてのエナメル被覆層54の3層からなるものであるが、コア52に設けられた維持孔55の方向が図1に示す人工歯1と異なるものである。
図8に示す人工歯51の製造は、基底部型56に設けられたピン57の方向が異なるものを使用する以外は、図1に示す人工歯の製造方法と同様であることから、詳細な説明は省略する。
【0032】
図9は、この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図であり、成形用型内の状態を示す。
図9に示される人工歯61も、上顎切歯(前歯)として示されており、最内層としてのコア62、中間層としてのボディ63、最外層としてのエナメル被覆層64の3層からなるものであるが、歯冠の一部としての歯頸部から基底部にかけて、コア62がボディ63およびエナメル被覆層64によって被覆されておらず、コア62が歯冠部においても露出した点、および、コア62に維持孔が設けられていない点が、図1に示す人工歯1と異なるものである。
【0033】
図9に示す人工歯61の製造においては、図に示すような凹部66aが形成された基底部型66を使用する点に特徴があるものである。このような基底部型66を使用することで、図には示していないが、コア用の唇側型、コア用の舌側型を分割する際に、成形されたコア62のズレを防止できる。また、コア62にボディ63、エナメル被覆層64を積層成形する際、コア、あるいは、コアにボディが積層した積層体のズレを防止することができる。その他は、ボディ用の唇側型とボディ用の舌側型、エナメル被覆層用の唇側型とエナメル被覆層用の舌側型の形状が異なることを除けば、図1に示す人工歯の製造方法と同様であることから、詳細な説明は省略する。
【0034】
図10は、この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図であり、成形用型内の状態を示す。
図10に示される人工歯71も、上顎切歯(前歯)として示されており、最内層としてのコア72、中間層としてのボディ73、最外層としてのエナメル被覆層74の3層からなるものであるが、コア72に維持突起75が形成された点が、図1に示す人工歯1と異なるものである。
【0035】
図10に示す人工歯71の製造においては、図に示すような孔76aが形成された基底部型76を使用する点に特徴があるものである。このような基底部型76を使用することで、人工歯71の基底面にズレ防止用の維持突起75が形成される。このズレ防止用の維持突起75によって、図には示していないが、コア用の唇側型、コア用の舌側型を分割する際に、成形されたコア72のズレを防止できる。また、コア72にボディ73、エナメル被覆層74を積層成形する際のコア、あるいは、コアにボディが積層した積層体のズレを防止することができる。その他は、ボディ用の唇側型とボディ用の舌側型、エナメル被覆層用の唇側型とエナメル被覆層用の舌側型の形状が異なることを除けば、図1に示す人工歯の製造方法と同様であることから、詳細な説明は省略する。
図10に示す人工歯71に形成されたズレ防止用の維持突起75は、人工歯71を義歯床に埋設固定した場合には、人工歯71の義歯床からの脱落防止のための機械的維持に役立つものである。
【0036】
図11は、この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図である。
図11に示される人工歯81は、下顎第1大臼歯として示されており、最内層としてのコア82、中間層としてのボディ83、最外層としてのエナメル被覆層84の3層からなる。そして、この人工歯81は、その基底面81aにおいてコア82が大きく露出したものであって、ボディ83は、コア82を歯冠側において被覆しており、エナメル被覆層84はボディ83を被覆している。この人工歯81は、歯冠形状が歯頸部81bにおいてアンダーカットとなっており、天然歯の歯冠に似た形状となっている。また、この人工歯81には、コア82に維持孔85が形成されている。
【0037】
次に、図11に示す人工歯81の製造方法を説明する。以下において、コア、ボディ、エナメル被覆層用に色調等が調整された餅状レジンを用いるものであって、加熱することで、餅状レジンに添加された加熱重合触媒により餅状レジンが重合するものとする。
図12は、図11に示す人工歯を製造するための成形用型であって、(a)に、基底部型87、(b)に、コア用の頬側型88aとコア用の舌側型88b、(c)に、ボディ用の頬側型89aとボディ用の舌側型89b、(d)に、エナメル被覆層用の頬側型90aとエナメル被覆層用の舌側型90bを示す。ここで、コア用の頬側型88a、ボディ用の頬側型89a、エナメル被覆層用の頬側型90aは、咬合面側等をも含んでいるものとして示されている。基底部型87には、ズレ防止用のピン91が設けられている。
【0038】
図12に示す成形用型を用いて、図11に示す人工歯81を製造するには、先ず、図13(a)に示すように、基底部型87、コア用の頬側型88a、コア用の舌側型88bによって形成されるキャビティ内に、コア用の餅状レジンを填入し、加熱重合させることで、コア82を成形する。そして、コア用の頬側型88a、コア用の舌側型88bを分割し、成形されたコア82が基底部型87上に残置された状態とする。コア用の頬側型88aとコア用の舌側型88bとの分割において、コア82は基底部型87に設けられたピン91によってズレたりすることがない。また、仮にコアがずれたりした場合でも、コア82に形成された維持孔85をピン91に嵌め直すことで、コア82を基底部型87の所定の位置に容易に戻すことができる。
【0039】
次いで、コア82が基底部型87上に残置された状態において、図13(b)に示すように、コア82が残置された基底部型87、ボディ用の頬側型89a、ボディ用の舌側型89bによって形成されるキャビティ内に、ボディ用の餅状レジンを填入し、加熱重合させることで、コア82にボディ83を積層成形する。そして、ボディ用の頬側型89a、ボディ用の舌側型89bを分割し、コア82にボディ83が積層された積層体が基底部型87上に残置された状態とする。ボディ用の頬側型89aとボディ用の舌側型89bとの分割において、この積層体は基底部型87に設けられたピン91によってズレたりすることがない。また、仮にこの積層体がずれたりした場合でも、コア82に形成された維持孔85をピン91に嵌め直すことで、この積層体を基底部型87の所定の位置に容易に戻すことができる。
【0040】
次いで、コア82にボディ83が積層された積層体が基底部型87上に残置された状態において、図13(c)に示すように、積層体が残置された基底部型87、エナメル被覆層用の頬側型90a、エナメル被覆層用の舌側型90bによって形成されるキャビティ内に、エナメル被覆層用の餅状レジンを填入し、加熱重合させることで、2層の積層体にエナメル被覆層84を積層成形し、図11に示す人工歯81を得る。そして、エナメル被覆層用の頬側型90a、エナメル被覆層用の舌側型90bを分割すればよい。人工歯81と基底部型87との分離は、基底部型87のピン91が分離に妨げとならない方向(すなわち、分離方向に対しピンがアンダーカットとならない方向)に行えばよい。
【0041】
この人工歯81は、コア82の基底面を除き、その外周をボディ83が被覆し、また、ボディ83の外周をエナメル被覆層84が被覆した3層構造となっており、近心側、遠心側、頬側、舌側、咬合面側いずれの方向からも形状、色調を含め天然歯と遜色のない審美性が有るものであって、従来の人工歯とに比べ、格段に優れた審美性を有するものである。そして、人工歯81の基底面に形成された維持孔85は、義歯に使用する際には、義歯床からの脱落防止用の維持孔として機能する。
【0042】
以上の実施の形態においては、この発明の人工歯の製造方法において、2層、または、3層のものについて説明したが、これに限られず、4層以上であってもよいことはいうまでもない。その場合の4層以上の人口歯の製造は、前記した製造方法に準じて行えばよい。
その積層形態としては、前記実施の形態に限られず、例えば、人工歯の基底面から見て、ボディ、エナメル被覆層がコアを囲み、年輪状となっているものであってもよい。
なお、硬質レジン歯、コンポジットレジン歯の成形は、前記した餅状レジンを用いたレジン歯の成形方法に準じて行えばよいことから、詳細な説明は省略する。
【0043】
【実施例】
次に、実施例を示しさらに詳しく説明する。
【0044】
(実施例1)
図2に示すような基底部型、コア用の唇側型、コア用の舌側型、ボディ用の唇側型、ボディ用の舌側型、エナメル被覆層用の唇側型、エナメル被覆層用の舌側型を使用して、図1に示す3層からなる上顎切歯用の人工歯を前記したようにして成形した。
基底部用型に設けたズレ防止用のピンの直径は、2.5mm、長さは、3mmとした。
平均分子量850,000、平均粒径120μmの粉末状PMMA11重量部、MMA22重量部、加熱重合開始剤1重量部を使用し、コア用に色調を調製したコア用餅状レジン、ボディ用に色調を調製したボディ用餅状レジン、エナメル被覆層用に色調を調製したエナメル被覆層用餅状レジンを作製した。
加熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド1重量部を使用した。
【0045】
コア用の餅状レジンの加熱重合温度、重合時間は、80℃、10min、ボディ用の餅状レジンの加熱重合温度、重合時間は、80℃、10min、エナメル被覆層用の餅状レジンの加熱重合温度、重合時間は、100℃、10minとした。
コア、ボディ、エナメル被覆層の各成形において、各唇側型、舌側型の分割は、何れも容易に行うことができた。また、成形後の人工歯と基底部型の分離も容易に行うことができた。
また、成形された人工歯は、形状、色調を含め天然の上顎切歯と遜色のない審美性を有するものであった。
【0046】
【発明の効果】
この発明は、以上詳しく説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、この発明の人工歯の製造方法によれば、前庭側(すなわち、前歯においては唇側、臼歯においては頬側)だけでなく舌側においても天然歯に似た審美性等を備えた人工歯を、簡便にかつ安価に得ることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の人工歯によって得られた人工歯の一形態を示す説明図である。
【図2】 図1に示す人工歯を製造するための成形用型の一例を示し、(a)は、基底部型、(b)はコア用の唇側型とコア用の舌側型、(c)はボディ用の唇側型とボディ用の舌側型、(d)はエナメル被覆層用の唇側型とエナメル被覆層用の舌側型である。
【図3】 図2に示す成形用型を用いて人工歯を製造する工程を示す説明図である。
【図4】 図1に示す人工歯が義歯床に埋設固定された状態の説明図である。
【図5】 この発明によって得られた人工歯の他の形態を示す説明図である。
【図6】 この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図である。
【図7】 この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図である。
【図8】 この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図であり、成形用型内の状態を示す。
【図9】 この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図であり、成形用型内の状態を示す。
【図10】 この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図であり、成形用型内の状態を示す。
【図11】 この発明によって得られた人工歯の更に他の形態を示す説明図である。
【図12】 図11に示す人工歯を製造するための成形用型の一例を示し、(a)は、基底部型、(b)はコア用の唇側型とコア用の舌側型、(c)はボディ用の唇側型とボディ用の舌側型、(d)はエナメル被覆層用の唇側型とエナメル被覆層用の舌側型である。
【図13】 図12に示す成形用型を用いて人工歯を製造する工程を示す説明図である。
【図14】 従来の人工歯の一例を示す説明図である。
【図15】 図14に示す人工歯の製造工程を示す説明図である。
【図16】 天然の前歯を示す説明図である。
【図17】 人工歯の製造工程の他例の一部を示す説明図である。
【符号の説明】
1 人工歯
2 コア
3 ボディ
4 エナメル被覆層
7 基底部型
8a コア用の唇側型
8b コア用の舌側型
9a ボディ用の唇側型
9b ボディ用の舌側型
10a エナメル被覆層用の唇側型
10b エナメル被覆層用の舌側型[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an artificial used for dentures such as full dentures and partial dentures.toothIt relates to a manufacturing method. More specifically, the present invention relates to an artificial multi-layer structure made of a resin.toothIt relates to a manufacturing method.
[0002]
[Prior art]
A denture is manufactured by selecting a shape, size, and color tone suitable for a patient from among existing artificial teeth and embedding and fixing them in a denture base. As an artificial tooth used there, porcelain teeth are excellent in aesthetics and the like, but there is a problem that they are expensive and it is difficult to obtain a constant quality. On the other hand, artificial teeth made of a resin formed by polymerization in a molding die are frequently used because they are easy to manufacture, inexpensive and stable in quality. This artificial tooth uses a molding die that can be divided into two parts, and fills a mold-like or paste-like resin obtained by mixing a resin powder and a monomer liquid into the cavity of the molding die. In general, a multilayer structure as shown in FIG. 14 is employed in order to obtain aesthetics similar to natural teeth. FIG. 14 shows an anterior maxillary tooth of a three-layer structure as an example of the
[0003]
That is, as shown in FIG. 15A, a candy-like or paste-like resin whose color tone is adjusted for the core is inserted into a cavity formed by the
[0004]
Although the
By the way, the present applicant has applied for
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laying-Open No. 2003-38527 (FIG. 1)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
As shown in FIG. 17 (a), the present applicant forms the tongue-
[0007]
The present invention was devised as a result of intensive research in view of the above situation, and resembles natural teeth not only on the vestibular side (that is, the labial side of the anterior teeth and the buccal side of the molars) but also on the lingual side. It is an object of the present invention to provide an artificial tooth having high aesthetics and the like and a method for manufacturing the same.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention provides a cocoon-like or paste-like resin for a core in a cavity formed by a base part mold, a vestibular mold for a core, and a lingual mold.TheFillingdo itpolymerizationLet mecoreTheMoldingAnd dividing the vestibular mold and lingual mold for the core,Left on the base moldAnd the base typeResin-like or paste-like resin for the outer layer in the cavity formed by the vestibular mold and lingual mold for the outer layerTheFillingdo itpolymerizationLet meExcept at least the basal plane of the core, at least one outer layer on the coreTheLaminate moldingA multi-layer that shares the base typeArtificial teethIn the manufacturing methodThe outermost layer is molded as an enamel coating layerDoIt is characterized by that.
[0009]
In other words, this invention is,The base part mold is shared, and the inner layer and the outer layer are divided into three types of vestibular side type and lingual side type for each layer (ie, a three-part molding type).From the inner layer polymerization to the outer layer polymerizationSequential moldingMultilayer moldingAn artificial tooth in which the innermost layer is a core and the outermost layer is an enamel coating layer, and the enamel coating layer covers the crown portion.Can be obtained.Positioning the vestibular and lingual types for each layer relative to the base type by sharing the base typeTheThis can be easily and reliably performed, and a multi-layer artificial tooth having a desired shape and the like is formed. This makes it possible to obtain an inexpensive artificial tooth having aesthetics similar to natural teeth not only on the vestibule side (that is, the lip side for the front teeth and the buccal side for the molars) but also on the lingual side.
[0010]
Therefore, as described later,The crown shape is undercut at the neck.Artificial teeth can be obtained.Since such a shape becomes a shape similar to a crown of a natural tooth, the aesthetics of the denture when the artificial tooth is embedded and fixed in the denture base are improved.
[0011]
Also,The base mold is provided with a holding projection for preventing misalignment during molding, and a core hook is placed in a cavity formed by the base mold, the vestibular mold for the core, and the lingual mold. It is preferable to form a core having a concave or hole for preventing misalignment at the time of molding on the base surface by filling and polymerizing a resin in the form or paste. Here, the holding protrusion is preferably a pin..
Further, the base mold is provided with a holding concave portion for preventing misalignment during molding, and the core mold is provided in the cavity formed by the base mold, the vestibular mold for the core, and the tongue mold. It is preferable to form a core in which a protrusion or protrusion for preventing misalignment at the time of molding is formed on the base surface by filling and polymerizing the cocoon-like or paste-like resin. Here, the holding recess is preferably a hole..
[0012]
In addition, in the cavity formed by the basal part type and the vestibular side type and lingual side type for the body leaving the core, a bowl-like or paste-like resin for the body is filled and polymerized, and the core The body is laminated and coated at least on the outer periphery excluding the base surface, the vestibular mold and lingual mold for the body are divided, and the laminate in which the body is laminated on the core is left on the base mold. In the cavity formed by the base mold and the vestibular mold and lingual mold for the enamel coating layer, an enamel cage or paste resin is filled and polymerized to form an outer periphery of the body. Preferably, the enamel coating layer is laminated and coated.
Here, the vestibular type and the lingual side type for the basal part and the core are the basal part type for the anterior tooth and the lip side and the lingual side type for the anterior tooth core, The molds are the labial and lingual molds for the front tooth body, the vestibular and lingual molds for the enamel coating layer are the labial and lingual molds for the front tooth enamel coating layer, and the base The vestibular and lingual molds for the mold and core are the basal mold for the molar, the buccal and lingual mold for the molar core, and the vestibular and lingual mold for the body are the cheeks for the molar body It is preferable that the vestibular side type and the lingual side type for the enamel coating layer are the buccal side type and the lingual side type for the molar enamel coating layer.
[0013]
In the present invention, the “vestibule side” means the lip side in the anterior teeth and the buccal side in the molars, but the “vestibule side mold” and “ “Lingual type” is not used in a strict sense, as will be apparent from the following description and the embodiments described later. For example, in the case of molars, the occlusal surface side is also included. It is a waste.
[0014]
More specifically, first, the core and the outer layer of the artificial tooth of the present invention are a cocoon-like or paste-like resin (hereinafter referred to as a cocoon-like resin and a paste-like resin, respectively) whose color tone suitable for each layer is adjusted. If not distinguished, “resin-like resin or the like” is used.) Is polymerized, and the polymerization form is generally heat polymerization, but is not limited thereto.
[0015]
The cage resin used in the present invention is not particularly limited as long as it is used for molding artificial teeth. However, a powdered polymer such as polymethyl methacrylate (PMMA), and methyl methacrylate are used. A liquid monomer exemplified by (MMA) as a main component, and the polymer is swollen by the monomer to form a cocoon, and if necessary, a heat polymerization catalyst exemplified by benzoyl peroxide, Examples include those to which colorants, oxidation stabilizers, ultraviolet absorbers, pigments, dyes and the like are added.
[0016]
In the present invention, since the outer layer is laminated and formed at least excluding the base surface of the core, the term “coating” used herein means that the entire crown side is seamless (that is, the vestibular side and the tongue unless otherwise specified). It is used to mean that it covers (including the side), but as will be clear from the description below, for example, it is covered from the neck portion to the base portion as a part of the crown. This includes cases where there is no such thing.
[0017]
The multilayer structure of the artificial tooth of the present invention is sufficient if it comprises at least a core as the innermost layer and an enamel coating layer as the outermost layer, that is, two layers (that is, the core as the innermost layer and the outermost layer as the outer layer). There may be three or more layers (namely, an enamel coating layer as an outer layer) (that is, a core as an innermost layer, a body as an intermediate layer as an outer layer, an enamel coating layer as an outermost layer).
[0018]
Also, here, “filling” is used to mean filling the cavity formed by the molding die with a hook-shaped resin or the like and imparting the necessary shape to the hook-shaped resin or the like. To do. The shape imparting to the bowl-shaped resin or the like is usually performed by pressurizing the molding die.
[0019]
The base mold used in the present invention is preferably provided with a holding projection or a holding recess so that the molded core does not shift on the base mold. Due to the holding protrusion, a recess or hole for preventing misalignment at the time of molding is formed on the base bottom surface of the core. Moreover, a convex part or a protrusion is formed on the base surface of the core by the holding concave part. The holding projections or holding recesses provided on the base mold need not be undercut with respect to the separation direction when the base mold is separated from the molded artificial tooth, and the shape, direction, etc. Is not particularly limited. The recess or hole for preventing misalignment formed on the base bottom surface of the core by the holding protrusion causes the denture base resin to enter the recess or hole when the artificial tooth is embedded and fixed in the denture base. Thus, the mechanical maintenance of the artificial tooth by the denture base is improved, which is effective for preventing the occlusion of the artificial tooth. The protrusions or protrusions for preventing misalignment formed on the basal plane of the core by the holding recesses embed and fix the artificial teeth in the denture base so that the protrusions or protrusions bite into the denture base, The mechanical maintenance of the teeth is improved, which is effective for preventing the occlusion of the artificial teeth.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments will be shown and the present invention will be described in more detail. Of course, the present invention is not limited to the following embodiments.
FIG. 1 shows the present invention.One obtained byIt is explanatory drawing which shows the artificial tooth which consists of 3 layers which is a form.
[0021]
The
[0022]
Next, a method for manufacturing the
FIG. 2 is a molding die for manufacturing the artificial tooth shown in FIG. 1, wherein (a) shows a
[0023]
To produce the
[0024]
Next, in a state where the
[0025]
Next, in a state in which the laminated body in which the
[0026]
This
This
[0027]
FIG. 4 shows a state in which the base surface 1a and the tooth neck 1b of the
Therefore, according to this manufacturing method, it is possible to easily obtain the
[0028]
FIG. 5 shows the present invention.Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state.
The
The
[0029]
FIG. 6 shows the present invention.Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state.
The
The
[0030]
FIG. 7 shows the present invention.Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state.
The
The
[0031]
FIG. 8 shows the present invention.Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state, and shows the state in a shaping | molding die.
The artificial tooth 51 shown in FIG. 8 is also shown as a maxillary incisor (anterior tooth), and consists of three layers: a core 52 as an innermost layer, a body 53 as an intermediate layer, and an
The artificial tooth 51 shown in FIG. 8 is manufactured in the same manner as the artificial tooth manufacturing method shown in FIG. 1 except that the
[0032]
FIG. 9 shows the present invention.Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state, and shows the state in a shaping | molding die.
The
[0033]
The manufacture of the
[0034]
FIG. 10 shows the present invention.Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state, and shows the state in a shaping | molding die.
The
[0035]
The manufacture of the
The
[0036]
FIG. 11 shows the present invention.Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state.
The
[0037]
Next, a method for manufacturing the
FIG. 12 shows a molding die for manufacturing the artificial tooth shown in FIG. 11, wherein (a) shows a
[0038]
To manufacture the
[0039]
Next, in the state where the
[0040]
Next, in a state in which the laminated body in which the
[0041]
The
[0042]
In the above embodiment, the artificial tooth of the present inventionIn the manufacturing method ofAlthough two layers or three layers have been described, it is needless to say that the number of layers may be four or more. In this case, the artificial teeth having four or more layers may be manufactured according to the manufacturing method described above.
The laminated form is not limited to the above-described embodiment. For example, the body and the enamel coating layer may surround the core and have an annual ring shape as viewed from the base surface of the artificial tooth.
The molding of the hard resin teeth and the composite resin teeth may be performed in accordance with the above-described molding method of the resin teeth using the bowl-shaped resin, and thus detailed description thereof is omitted.
[0043]
【Example】
Next, the exampleShowThis will be described in more detail.
[0044]
Example 1
Base type, core lip side type, core lingual side type, body lip side type, body lingual side type, lip side type for enamel coating layer, enamel coating layer as shown in FIG. The artificial tooth for maxillary incisors having three layers shown in FIG.
The diameter of the pin for preventing misalignment provided in the base mold was 2.5 mm, and the length was 3 mm.
Using a powdery PMMA with an average molecular weight of 850,000, an average particle size of 120 μm, 11 parts by weight of MMA, 22 parts by weight of MMA, and 1 part by weight of a heating polymerization initiator, a core-like resin prepared for the core, and a color tone for the body The prepared bowl-shaped resin for the body and the bowl-shaped resin for the enamel coating layer whose color tone was adjusted for the enamel coating layer were prepared.
As the heat polymerization initiator, 1 part by weight of benzoyl peroxide was used.
[0045]
Heating polymerization temperature and polymerization time of the core-like resin for the core are 80 ° C. and 10 minutes, heating polymerization temperature and polymerization time of the cage-like resin for the body are 80 ° C. and 10 minutes, and heating the cage-like resin for the enamel coating layer The polymerization temperature and polymerization time were 100 ° C. and 10 min.
In each molding of the core, body, and enamel coating layer, each lip side mold and lingual mold could be easily divided. In addition, the molded artificial tooth and the base mold could be easily separated.
In addition, the molded artificial teeth had aesthetics comparable to natural maxillary incisors including shape and color.
[0046]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described in detail above, the following effects can be obtained.
IeThisAccording to the method for producing an artificial tooth of the present invention, an artificial tooth having aesthetics similar to natural teeth on the vestibular side (that is, the lip side on the front tooth, the buccal side on the molar tooth) as well as the lingual side is obtained. Therefore, it can be obtained simply and inexpensively.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 Artificial tooth of the present inventionObtained byArtificial toothOne formIt is explanatory drawing which shows a state.
2 shows an example of a mold for producing the artificial tooth shown in FIG. 1, wherein (a) is a base mold, (b) is a labial mold for a core and a lingual mold for a core; (C) is a lip side mold for the body and a lingual mold for the body, and (d) is a lip side mold for the enamel coating layer and a lingual mold for the enamel coating layer.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing a process for manufacturing artificial teeth using the molding die shown in FIG. 2;
4 is an explanatory view showing a state in which the artificial tooth shown in FIG. 1 is embedded and fixed in a denture base. FIG.
FIG. 5 shows the present invention.Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state.
FIG. 6Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state.
FIG. 7Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state.
FIG. 8Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state, and shows the state in a shaping | molding die.
FIG. 9Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state, and shows the state in a shaping | molding die.
FIG. 10 shows the present invention.Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state, and shows the state in a shaping | molding die.
FIG. 11Obtained byOther than artificial teethForm ofIt is explanatory drawing which shows a state.
12 shows an example of a mold for producing the artificial tooth shown in FIG. 11, where (a) is a base mold, (b) is a labial mold for a core and a lingual mold for a core; (C) is a lip side mold for the body and a lingual mold for the body, and (d) is a lip side mold for the enamel coating layer and a lingual mold for the enamel coating layer.
13 is an explanatory view showing a process for manufacturing artificial teeth using the molding die shown in FIG. 12. FIG.
FIG. 14 is an explanatory view showing an example of a conventional artificial tooth.
15 is an explanatory view showing a manufacturing process of the artificial tooth shown in FIG. 14. FIG.
FIG. 16 is an explanatory view showing a natural front tooth.
FIG. 17 is an explanatory view showing a part of another example of the process for producing an artificial tooth.
[Explanation of symbols]
1 artificial teeth
2 core
3 Body
4 Enamel coating layer
7 Basal type
8a Lip side mold for core
8b Tongue type for core
9a Lip side type for body
9b Tongue type for body
10a Lip side mold for enamel coating
10b Tongue type for enamel coating
Claims (8)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003129594A JP4166116B2 (en) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | Artificial tooth manufacturing method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003129594A JP4166116B2 (en) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | Artificial tooth manufacturing method |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004298599A JP2004298599A (en) | 2004-10-28 |
JP4166116B2 true JP4166116B2 (en) | 2008-10-15 |
Family
ID=33410524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003129594A Expired - Lifetime JP4166116B2 (en) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | Artificial tooth manufacturing method |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4166116B2 (en) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007236465A (en) * | 2006-03-06 | 2007-09-20 | Gc Dental Products Corp | Main body member for multi-layer artificial tooth |
EP2172168A1 (en) | 2008-10-01 | 2010-04-07 | 3M Innovative Properties Company | Dental appliance, process for producing a dental appliance and use thereof |
EP2482755B1 (en) | 2009-09-30 | 2019-06-26 | 3M Innovative Properties Company | Methods for making layered dental appliances |
CN102548498B (en) * | 2009-09-30 | 2015-06-17 | 3M创新有限公司 | Systems and methods for making layered dental appliances |
WO2011041193A1 (en) | 2009-09-30 | 2011-04-07 | 3M Innovative Properties Company | Systems and methods for making layered dental appliances from the outside in |
WO2011075349A1 (en) | 2009-12-18 | 2011-06-23 | 3M Innovative Properties Company | Method for making layered dental restorations |
JP6431679B2 (en) * | 2014-03-24 | 2018-11-28 | 株式会社ジーシーデンタルプロダクツ | Artificial teeth |
JP6874323B2 (en) * | 2016-10-20 | 2021-05-19 | 富士通株式会社 | Data generation program, data generation method, and information processing device |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003129594A patent/JP4166116B2/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004298599A (en) | 2004-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10130445B2 (en) | Arch expanding appliance | |
US10779916B2 (en) | Milling block, method for producing partial or total prostheses, and complete milling block system | |
EP2967771B1 (en) | System and process for manufacturing of dentures | |
US9744010B2 (en) | System and method for manufacturing layered dentures | |
US10251733B2 (en) | System and method for manufacturing layered dentures | |
US4175322A (en) | Complete denture prostheses and method of fitting | |
CN101297770B (en) | Method for producing individual bracket from preformed lingual bracket and products thereof | |
JP2018509248A5 (en) | ||
JP4166116B2 (en) | Artificial tooth manufacturing method | |
ITCO970015A1 (en) | PROCEDURE FOR THE PRODUCTION OF FIXED RESIN DENTAL PROSTHESES INSERTS FOR THE SAME AND FIXED PROSTHESES SO OBTAINED | |
US20220054361A1 (en) | Oral appliance as swallowing auxiliary device with coverage of maxillary teeth and a manufacturing method thereof | |
JP2007236465A (en) | Main body member for multi-layer artificial tooth | |
JPH10305044A (en) | Manufacture of dental repair object using premold | |
WO2016142407A1 (en) | Process for producing a denture | |
US3457644A (en) | Preformed pontic patterns | |
EP0535683A1 (en) | Prosthetic denture precursor and method | |
JP2005066166A (en) | Molding method for artificial tooth | |
US20120308962A1 (en) | Removable dental prosthesis with framework and soft base | |
RU2404723C2 (en) | Method for manufacturing of upper jaw denture with hollow obturator | |
JP2002238925A (en) | Artificial denture and denture with base | |
JP2004065578A (en) | Prosthesis for dental surface | |
US20180042710A1 (en) | Prosthesis base and method for integrally bonding at least one artificial tooth to a prosthesis base | |
KR20120072792A (en) | Metal mold for tooth and manufacturing method of denture using this and denture therefrom | |
JP5380011B2 (en) | Plated denture and method for producing the same | |
RU2811785C1 (en) | Denture and method of manufacturing denture |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080401 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080602 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080715 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080729 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4166116 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140808 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |