JP4161570B2 - Methods for testing the ability to control neuronal plasticity - Google Patents
Methods for testing the ability to control neuronal plasticity Download PDFInfo
- Publication number
- JP4161570B2 JP4161570B2 JP2001396289A JP2001396289A JP4161570B2 JP 4161570 B2 JP4161570 B2 JP 4161570B2 JP 2001396289 A JP2001396289 A JP 2001396289A JP 2001396289 A JP2001396289 A JP 2001396289A JP 4161570 B2 JP4161570 B2 JP 4161570B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amino acid
- acid sequence
- dna
- seq
- gene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、神経細胞可塑性を制御する能力の検定方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
脳神経機能は多種多様な神経細胞が作る神経回路の上に成り立っている。この複雑かつ正確なネットワークは、神経軸索が標的細胞へ正確に誘導され、正しい標的細胞とシナプス結合することにより形成されている。この誘導・結合過程では、神経軸索の伸長の制御(促進、抑制、誘引、反発等)が行なわれている。
最近の研究結果から、通常の老化に伴なう認識能力低下は、神経細胞やシナプスが無くなるというよりもむしろ、神経の機能不全によるものであることがわかってきた。このような神経の機能不全は、神経細胞が有する2種の突起(神経樹状突起と神経軸索)の構造的な可塑性(リモデリング:以下、神経細胞可塑性と記すこともある。)が何らかの原因により正常な状態に維持できなくなるために生じていると考えられている。同様に、精神遅延、アルツハイマー病による認識能力不全等においても神経細胞可塑性の異常が病因の一つであると考えられている。
従って、神経細胞の可塑性を適正に制御することにより、老化による認識能力不全、精神遅延、アルツハイマー病による認識能力不全等を効果的に改善することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、哺乳動物における神経細胞可塑性を制御するための薬剤の開発が求められており、かかる薬剤の有効成分として使用し得る物質を探索するために、神経細胞可塑性を制御する能力を検定する方法の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる状況のもと鋭意検討した結果、Eph AレセプターやRho GDP dissociation inhibitor(又はRho GTPase inhibitor)等の神経細胞可塑性の制御への関与が報告されている蛋白質の発現を、ある種の転写調節因子が制御していることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.下記のいずれかのアミノ酸配列(以下、本アミノ酸配列と記すこともある。)を有する転写調節因子に依存的な神経細胞可塑性を制御する能力の検定方法であって、
(1)前記転写調節因子を発現する哺乳動物細胞に被験物質を接触させる第一工程、及び
(2)前記第一工程後に、前記哺乳動物細胞において前記転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質遺伝子の発現量又はその量と相関関係を有する指標値を測定する第二工程、及び
(3)第二工程により測定された発現量又はその量と相関関係を有する指標値に基づき前記被験物質が有する前記能力を評価する工程、
を有することを特徴とする検定方法(以下、本発明検定方法と記すこともある。)、
<アミノ酸配列群>
(a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列、
(c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列、
(d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜2456で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列、
(e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜2440で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列;
2.本アミノ酸配列を有する転写調節因子に依存的な神経細胞可塑性を制御する能力の検定方法であって、
(1)本アミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子が導入されてなる形質転換哺乳動物細胞に被験物質を接触させる第一工程、及び
(2)前記第一工程後に、前記形質転換哺乳動物細胞において前記転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質遺伝子の発現量又はその量と相関関係を有する指標値を測定する第二工程、及び
(3)第二工程により測定された発現量又はその量と相関関係を有する指標値に基づき前記被験物質が有する前記能力を評価する工程、
を有することを特徴とする検定方法;
3.前記マーカー蛋白質遺伝子が、Eph Aレセプター遺伝子又はRho GDP dissociation inhibitor遺伝子であることを特徴とする前項1又は2記載の検定方法;
4.前記マーカー蛋白質遺伝子が、Eph Aレセプター遺伝子及びRho GDP dissociation inhibitor遺伝子であることを特徴とする前項1又は2記載の検定方法;
5.被験物質として異なる2種以上の物質を各々独立して用いた区における、マーカー蛋白質遺伝子の発現量又はその量と相関関係を有する指標値を比較することにより得られる差異に基づき前記被験物質が有する前記能力を評価することを特徴とする前項1又は2記載の検定方法。
6.異なる2種以上の物質のうち、少なくとも一つの物質が前記能力を有さない物質であることを特徴とする前項5記載の検定方法;
7.本アミノ酸配列を有する転写調節因子に依存的な神経細胞可塑性を制御する能力を有する物質の探索方法であって、前項1又は2記載の検定方法により評価された前記能力に基づき前記能力を有する物質を選抜することを特徴とする探索方法(以下、本発明探索方法と記すこともある。);
8.前項7記載の探索方法により選抜された物質またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含み、該有効成分が薬学的に許容される担体に製剤化されてなることを特徴とする神経細胞可塑調節剤(以下、本発明神経細胞可塑調節剤と記すこともある。);
9.哺乳動物細胞における神経細胞可塑性を制御するための、本アミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAの使用;
10.外来DNAを、哺乳動物細胞に、当該細胞で前記DNAが発現する位置に置かれるように提供することによって前記細胞における下記のいずれかのアミノ酸配列を有する転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質遺伝子の発現を制御するための、下記のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAの外来DNAとしての使用;
等を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明でいう「下記のいずれかのアミノ酸配列を有する転写調節因子」(以下、本転写調節因子と記すこともある。)とは、塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス(basic helix-loop-helix:以下、bHLHと記す。)モチーフとPASドメイン(Per-Arnt-Simホモロジードメイン)とを有する蛋白質であって、ヘテロ二量体を形成して特定の塩基配列を有するDNAに結合することにより転写調節因子として機能し、神経細胞可塑性の制御に関与する蛋白質である。
本発明でいう「下記のいずれかのアミノ酸配列(即ち、本アミノ酸配列)を有する転写調節因子に依存的な神経細胞可塑性」とは、本アミノ酸配列を有する転写調節因子(即ち、本転写調節因子)が関与する神経細胞可塑性(plasticity)であって、本転写調節因子が係わる代謝過程や信号伝達等のカスケード反応が起こると制御を受ける。かかるカスケード反応のことを本発明では「前記(即ち、本アミノ酸配列を有する)転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路」と記載する。また、当該経路に含まれ発現調節を受けている蛋白質であって、本発明において神経細胞可塑性の目安として利用し得る蛋白質のことを「前記(即ち、本アミノ酸配列を有する)転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質」という。具体的には、例えば、Eph Aレセプター、Rho GDP dissociation inhibitor(又はRho GTPase inhibitor)等をあげることができる。
Eph Aレセプターは、チロシンキナーゼ型の細胞膜レセプターであり、脳の発生に関わっていることが広く知られている。最近、Eph Aレセプターが大人の脳、特に海馬で発現していることが示され、当該レセプターのアゴニストやアンタゴニストを海馬に投与したときのLTP(シナプス伝達効率の長期増強)や行動の変化の観察などのいくつかの研究から、当該レセプターがシナプス可塑性、学習と記憶に関わっている証拠が揃ってきた。また当該レセプターは、記憶の強化にも関与していることが観察されている。
Rhoは、細胞内シグナル伝達物質の一つであり、細胞増殖の制御、細胞接着の形成調節、アクチン細胞骨格の構造形成等に関わっていることが広く知られている蛋白質である。Rhoの活性化を制御する因子として、Rho GDP dissociation inhibitor(又はRho GTPase inhibitor)と呼ばれる制御因子(抑制的蛋白質)が存在している。Rho GDP dissociation inhibitorは、RhoのGDP結合型と複合体を形成し、RhoがGTP結合型(Rhoの活性型)になることを妨げ、よってRhoの活性化(Rho GTPase活性)を阻害する。Rho GDP dissociation inhibitor は、上記のようにしてRhoのGTPase活性をコントロールすることにより神経細胞の可塑性を調節していると考えられている。
【0006】
本発明検定方法において用いられる「下記のいずれかのアミノ酸配列(即ち、本アミノ酸配列)を有する転写調節因子(即ち、本転写調節因子)」には、配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列(即ち、本アミノ酸配列)を有する蛋白質(ここで、配列番号1で示される本アミノ酸配列を有する蛋白質は、ヒト由来の本転写調節因子であり、配列番号2で示される本アミノ酸配列を有する蛋白質は、マウス由来の本転写調節因子であり、また、配列番号3で示される本アミノ酸配列を有する蛋白質は、ラット由来の本転写調節因子である。)、配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質、配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質、配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜2456で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質、配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜2440で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質が含まれる。このような蛋白質は、SDS-PAGEでの分子量として、約8〜10万程度の分子量であることが好ましい。
本転写調節因子のアミノ酸配列において認められる、配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列との相違としては、アミノ酸の欠失、置換、修飾、付加等の変異をあげることができる。これらには、部位特異的変異導入法や突然変異処理等によって人為的に導入され得る変異に加えて、動物の系統、個体、器官、組織等の違いによるアミノ酸配列の相違などの天然に生ずる多型変異も含まれる。
【0007】
本発明において「配列同一性」とは、2つの塩基配列又は2つのアミノ酸配列の配列の同一性及び相同性をいう。前記「配列同一性」は、比較対象の配列の全領域にわたって、最適な状態にアラインメントされた2つの配列を比較することにより決定される。ここで、比較対象の塩基配列又はアミノ酸配列の最適なアラインメントにおいて、付加又は欠失(例えばギャップ等)を許容してもよい。このような配列同一性は、例えば、FASTA[Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,4, 2444-2448(1988)]、BLAST[Altschulら、Journal of Molecular Biology, 215, 403-410(1990)]、CLUSTAL W[Thompson,Higgins&Gibson, Nucleic Acid Research, 22, 4673-4680(1994a)]等のプログラムを用いて相同性解析を行いアラインメントを作成することによって算出することができる。上記のプログラムは、例えば、DNA Data Bank of Japan[国立遺伝学研究所 生命情報・DDBJ研究センター (Center for Information Biology and DNA Data Bank of Japan ;CIB/DDBJ)内で運営される国際DNAデータバンク]のホームページ(http://www.ddbj.nig.ac.jp)等において、一般的に利用可能である。また、配列同一性は、Vector NTI、GENETYX-WIN Ver.5(ソフトウェア開発株式会社製)等の市販の配列解析ソフトウェアを用いて求めることもできる。
本発明におけるアミノ酸同一性は、例えば、90%以上であることが好ましい。
【0008】
また、上記の「ストリンジェントな条件下にハイブリダイズするDNA」としては、例えば、高イオン濃度下[例えば、6XSSC(900mM塩化ナトリウム、90mMクエン酸ナトリウム)などが用いられる。]に、65℃の温度条件でハイブリダイズさせることによりDNA-DNAハイブリッドを形成し、低イオン濃度下[例えば、0.1 X SSC(15mM塩化ナトリウム、1.5mMクエン酸ナトリウム)などが用いられる。]に、65℃の温度条件で30分間洗浄した後でも該ハイブリッドが維持されうるDNAをあげることができる。本転写調節因子の転写調節能は、例えば、後述のレポーター遺伝子を用いたアッセイ等に基づき評価することができる。
【0009】
本転写調節因子のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子(以下、本転写調節因子遺伝子と記す。)は、例えば、ヒト、マウス、ラットなどの動物の組織から、J.Sambrook,E.F.Frisch,T.Maniatis著;モレキュラー クローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールドスプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory発行、1989年)等に記載の遺伝子工学的方法に準じて取得することができる。
具体的には、まず、ヒト、マウス、ラットなどの動物の組織由来の全RNAを調製する。例えば、脳の組織を塩酸グアニジンやグアニジンチオシアネート等の蛋白質変性剤を含む溶液中で粉砕し、さらに該粉砕物にフェノール、クロロホルム等を加えることにより蛋白質を変性させる。変性蛋白質を遠心分離等により除去した後、回収された上清画分から塩酸グアニジン/フェノール法、SDS−フェノール法、グアニジンチオシアネート/CsCl法等の方法により全RNAを抽出する。なお、これらの方法に基づいた市販のキットとしては、例えばISOGEN(ニッポンジーン製)がある。得られた全RNAを鋳型としてオリゴdTプライマーをRNAのポリA配列にアニールさせ、逆転写酵素により一本鎖cDNAを合成する。次いで、合成された一本鎖cDNAを鋳型とし、かつ大腸菌RNaseHを用いてRNA鎖にニックとギャップを入れることにより得られるRNAをプライマーとして大腸菌のDNAポリメラーゼIを用いて二本鎖のcDNAを合成する。更に、合成された二本鎖cDNAの両末端をT4 DNAポリメラーゼにより平滑化する。末端が平滑化された二本鎖cDNAは、フェノール−クロロホルム抽出、エタノール沈殿等の通常の方法により精製、回収する。なお、これらの方法に基づいた市販のキットとしては、例えばcDNA合成システムプラス(アマシャムファルマシアバイオテク社製)やTimeSaver cDNA合成キット(アマシャムファルマシアバイオテク社製)等があげられる。次に、得られた二本鎖cDNAを例えば、プラスミドpUC118やファージλgt10などのベクターとリガーゼを用いて連結することによりcDNAライブラリーを作製する。尚、cDNAライブラリーとしては、市販のcDNAライブラリー(GIBCO−BRL社製やClontech社製等)を用いることも可能である。
また、ヒト、マウス、ラットなどの動物の組織片から、例えば、J.Sambrook,E.F.Frisch,T.Maniatis著;モレキュラー クローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールドスプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory発行、1989年)や、村松正寶、”ラボマニュアル遺伝子工学”(丸善1988)等に記載される通常の方法に準じてゲノムDNAを調製する。例えば試料が毛髪の場合には、毛髪2〜3本を滅菌水、次いでエタノールで洗浄した後、2〜3 mmの長さに切断し、これにBCL-Buffer[10mM Tris-HCl(pH7.5), 5 mM MgCl2, 0.32M Sucrose, 1 Triton X-100]200μlを加え、さらにProteinaseKを最終濃度100μl/ml 、SDSを最終濃度0.5 (w/v)になるようにそれぞれ加え混合する。この混合物を70℃で1時間保温した後、フェノール/クロロホルム抽出を行うことによりゲノムDNAを得ることができる。また、試料が末梢血の場合は、DNA-Extraction kit(Stratagene社製)等を用いて該試料を処理することによりゲノムDNAを得ることができる。得られたゲノムDNAをλgt10などのベクターとリガーゼを用いて連結することによりゲノムDNAライブラリーが得られる。尚、ゲノムDNAライブラリーとしては、市販のゲノムDNAライブラリー(Stratagene社製等)を用いることも可能である。
【0010】
上記のようなcDNAライブラリーやゲノムDNAライブラリーから、例えば、配列番号4、5、6又は33(もしくは34)のいずれかで示される塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いるポリメラーゼチェイン反応(以下、PCRと記す。)や、配列番号4、5、6又は33(もしくは34)のいずれかで示される塩基配列又は該塩基配列の部分塩基配列を有するDNAをプローブとして用いるハイブリダイゼーション法により、本転写調節因子遺伝子を取得することができる。
PCRに用いられるプライマーとしては、例えば、約10塩基から約50塩基程度の長さのオリゴヌクレオチドであって、配列番号4、5、6又は33(もしくは34)のいずれかで示される塩基配列の5’非翻訳領域から選択した塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及び、配列番号4、5、6又は33(もしくは34)のいずれかで示される塩基配列の3’非翻訳領域から選択した塩基配列に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをあげることができる。具体的には、フォワードプライマーとしては、例えば、配列番号7で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドや配列番号8で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをあげることができる。また、リバースプライマーとしては、例えば、配列番号9で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドや配列番号10で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをあげることができる。PCRの条件としては、例えば、反応液50μl中に、LA-Taqポリメラーゼ用10倍濃緩衝液(宝酒造社製)5μl、2.5mM dNTP混合液(各2.5mMのdATP,dGTP,dCTP及びdTTPを含む。)5μl(dATP,dGTP,dCTP及びdTTP各々の終濃度が0.25mM)、20μMプライマー 各0.25〜1.25μl(終濃度が0.1〜0.5μM)、鋳型cDNA 0.1〜0.5μg、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造社製)1.25ユニットを含む組成の反応液にて、95℃で1分間次いで68℃で3分間の保温を1サイクルとしてこれを35サイクル行う等の条件が挙げられる。
【0011】
ハイブリダイゼーション法に用いられるプローブとしては、例えば、配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102〜2507で表される塩基配列からなるDNA、配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜2456で表される塩基配列からなるDNA、配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜2440で表される塩基配列からなるDNA、配列番号33で示される塩基配列の塩基番号1419〜6164で表される塩基配列からなるDNA、又はこれらDNAの部分塩基配列を有するDNA等があげられる。ハイブリダイゼーションの条件としては、例えば、6×SSC(0.9M塩化ナトリウム、0.09Mクエン酸ナトリウム)、5×デンハルト溶液(0.1(w/v)フィコール400、0.1(w/v)ポリビニルピロリドン、0.1(w/v)BSA)、0.5(w/v)SDS及び100μg/ml変性サケ精子DNA存在下に、65℃で保温し、次いで1×SSC(0.15M塩化ナトリウム、0.015Mクエン酸ナトリウム)及び0.5(w/v)SDS存在下に、室温で15分間の保温を2回行い、さらに0.1×SSC(0.015M 塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム)及び0.5(w/v)SDS存在下に、68℃で30分間保温する条件等をあげることができる。また、例えば、5xSSC、50mM HEPES pH7.0、10xデンハルト溶液及び20μg/ml変性サケ精子DNA存在下に65℃にて保温し、次いで2xSSC中で室温にて30分間の保温を行い、さらに0.1xSSC中で65℃にて40分間の保温を2回行う条件をあげることもできる。
尚、本転写調節因子遺伝子は、例えば配列番号4、5、6又は33(もしくは34)のいずれかで示される塩基配列に基づいて、例えばホスファイト・トリエステル法(Hunkapiller,M.et al.,Nature,310,105,1984)等の通常の方法に準じて、核酸の化学合成を行うことにより調製することもできる。
【0012】
このようにして得られた本転写調節因子遺伝子は、例えば、J.Sambrook,E.F.Frisch,T.Maniatis著;モレキュラー クローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールドスプリング ハーバーラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)発行、1989年等に記載の遺伝子工学的方法に準じてベクターにクローニングすることができる。具体的には例えば、TAクローニングキット(Invitrogen社)やpBluescriptII(Stratagene社)などの市販のプラスミドベクターを用いてクローニングすることができる。
得られた本転写調節因子遺伝子の塩基配列は、Maxam Gilbert法 (例えば、Maxam,A.M & W.Gilbert,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,560,1977等に記載される)やSanger法(例えばSanger,F. & A.R.Coulson,J.Mol.Biol.,94,441,1975、Sanger,F,& Nicklen and A.R.Coulson.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,5463,1977等に記載される)等により確認することができる。
本転写調節因子遺伝子の具体例としては、配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102〜2507で表される塩基配列を有するDNA、配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜2456で表される塩基配列を有するDNA、配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜2440で表される塩基配列、配列番号33で示される塩基配列の塩基番号1419〜6164で表される塩基配列を有するDNA等をあげることができる。
本転写調節因子遺伝子は、当該DNAを外来DNAとして、哺乳動物細胞で発現する位置に置かれるように当該細胞に提供することによって、哺乳動物細胞における本転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質遺伝子の発現を調節するために利用することもできる。
【0013】
本転写調節因子遺伝子を、該遺伝子が導入される宿主細胞において利用可能なベクター(以下、基本ベクターと記す。)、例えば、宿主細胞中で複製可能な遺伝情報を含み、自立的に増殖でき、宿主細胞からの単離、精製が可能であり、検出可能なマーカーをもつベクターに、通常の遺伝子工学的手法に準じて組み込むことにより本転写調節因子遺伝子ベクターを構築することができる。
本転写調節因子遺伝子ベクターの構築に用いることができる基本ベクターとしては、具体的には大腸菌を宿主細胞とする場合、例えばプラスミドpUC119(宝酒造社製)や、ファージミドpBluescriptII(Stratagene社製)等を上げることができる。出芽酵母を宿主細胞とする場合は、プラスミドpGBT9、pGAD424、pACT2(Clontech社製)などをあげることができる。また、哺乳類動物細胞を宿主細胞とする場合はpRc/RSV、pRc/CMV(Invitrogen社製)等のプラスミド、ウシパピローマウイルスプラスミドpBPV(アマシャムファルマシアバイオテク社製)もしくはEBウイルスプラスミドpCEP4(Invitrogen社製)等のウイルス由来の自律複製起点を含むベクター、ワクシニアウイルス等のウイルスなどをあげることができ、昆虫類動物細胞を宿主細胞とする場合には、バキュロウイルス等の昆虫ウイルスをあげることができる。バキュロウイルスやワクシニアウイルス等のウイルスに本転写調節因子遺伝子を組み込むには、使用しようとするウイルスのゲノムと相同な塩基配列を含有するトランスファーベクターを用いることができる。このようなトランスファーベクターの具体的例としては、Pharmingen社から市販されているpVL1392,pVL1393(Smith,G.E.,Summers M.D.et al.:Mol.Cell.Biol.,3,2156-2165(1983))、pSFB5(Funahashi,S.et al.:J.Virol.,65,5584-5588(1991))などのプラスミドをあげることができる。本転写調節因子遺伝子を前記のようなトランスファーベクターに挿入し、該トランスファーベクターとウイルスのゲノムとを同時に宿主細胞に導入すると、トランスファーベクターとウイルスのゲノムとの間で相同組換えが起こり、本転写調節因子遺伝子がゲノム上にくみこまれたウイルスを得ることができる。ウイルスのゲノムとしては、Baculovirus,Adenovirus,Vacciniavirusなどのゲノムを用いることができる。
より具体的には、例えばバキュロウイルスに本転写調節因子遺伝子を組み込む場合、トランスファーベクターpVL1393,pVL1392等のマルチクローニング部位に本転写調節因子遺伝子を挿入した後、該トランスファーベクターのDNAとBaculovirus genome DNA(Baculogold;Pharmingen社製)とを昆虫細胞Sf21株(ATCCから入手可能)にリン酸カルシウム法等により導入し、得られた細胞を培養する。培養液から遠心分離等により、本転写調節因子遺伝子が挿入されたウイルスのゲノムを含有するウイルス粒子を回収し、これをフェノール等で除蛋白処理することにより、本転写調節因子遺伝子を含有するウイルスのゲノムを得ることができる。さらに、該ウイルスのゲノムを、昆虫細胞Sf21株などのウイルス粒子形成能を有する宿主細胞にリン酸カルシウム法等により導入し、得られる細胞を培養することにより、本転写調節因子遺伝子を含有するウイルス粒子を増やすことができる。
一方、マウス白血病レトロウイルスなどの比較的小さなゲノムへは、トランスファーベクターを利用せずに、本転写調節因子遺伝子を直接組み込むこともできる。例えばウイルスベクタ-DC(X)(Eli Gilboa et al.,BioTechniques,4,504-512(1986))などは、該ベクター上のクローニング部位に本転写調節因子遺伝子を組み込む。得られた本転写調節因子遺伝子の組込まれたウイルスベクターを、例えばAmpli-GPE(J.Virol.,66,3755(1992))などのパッケージング細胞に導入することにより、本転写調節因子遺伝子の挿入されたウイルスのゲノムを含有するウイルス粒子を得ることができる。
【0014】
本転写調節因子遺伝子の上流に、宿主細胞で機能可能なプロモーターを機能可能な形で結合させ、これを上述のような基本ベクターに組み込むことにより、本転写調節因子遺伝子を宿主細胞で発現させることの可能な本転写調節因子遺伝子ベクターを構築することができる。ここで、「機能可能な形で結合させる」とは、本転写調節因子遺伝子が導入される宿主細胞において、プロモーターの制御下に本転写調節因子遺伝子が発現されるように、該プロモーターと本転写調節因子遺伝子とを結合させることを意味する。宿主細胞で機能可能なプロモーターとしては、導入される宿主細胞内でプロモーター活性を示すDNAをあげることができる。例えば、宿主細胞が大腸菌である場合には、大腸菌のラクトースオペロンのプロモーター(lacP)、トリプトファンオペロンのプロモーター(trpP)、アルギニンオペロンのプロモーター(argP)、ガラクトースオペロンのプロモーター(galP)、tacプロモーター、T7プロモーター、T3プロモーター、λファージのプロモーター(λ-pL、λ-pR)等をあげることができ、宿主細胞が動物細胞や分裂酵母である場合には、例えば、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、シミアンウイルス(SV40)の初期又は後期プロモーター、マウス乳頭腫ウイルス(MMTV)プロモーター等をあげることができる。宿主細胞が出芽酵母である場合にはADH1プロモーター)などをあげることができる。
また、宿主細胞において機能するプロモーターをあらかじめ保有する基本ベクターを使用する場合には、ベクター保有のプロモーターと本転写調節因子遺伝子とが機能可能な形で結合するように、該プロモーターの下流に本転写調節因子遺伝子を挿入すればよい。例えば、前述のプラスミドpRc/RSV、pRc/CMV等は、動物細胞で機能可能なプロモーターの下流にクローニング部位が設けられており、該クローニング部位に本転写調節因子遺伝子を挿入し動物細胞へ導入することにより、本転写調節因子遺伝子を発現させることができる。これらのプラスミドにはあらかじめSV40の自律複製起点(ori)が組み込まれているため、oriを欠失したSV40ゲノムで形質転換された培養細胞、例えばCOS細胞等に該プラスミドを導入すると、細胞内でプラスミドのコピー数が非常に増大し、結果として該プラスミドに組み込まれた本転写調節因子遺伝子を大量発現させることもできる。また前述の酵母用プラスミドpACT2はADH1プロモーターを有しており、該プラスミド又はその誘導体のADH1プロモーターの下流に本転写調節因子遺伝子を挿入すれば、本転写調節因子遺伝子を例えばCG1945(Clontech社製)等の出芽酵母内で大量発現させることが可能な本転写調節因子遺伝子ベクターが構築できる。
【0015】
構築された本転写調節因子遺伝子ベクターを宿主細胞に導入することにより、形質転換体を取得することができる。本転写調節因子遺伝子ベクターを宿主細胞へ導入する方法としては、宿主細胞に応じた通常の導入方法を適用することができる。例えば、大腸菌を宿主細胞とする場合は、J.Sambrook,E.F.Frisch,T.Maniatis著;モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールドスプリング ハーバーラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)発行、1989年等に記載される塩化カルシウム法やエレクトロポレーション法等の通常の方法を用いることができる。また、哺乳類動物細胞又は昆虫類動物細胞を宿主細胞とする場合は、例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーション法、又はリポフェクション法等の一般的な遺伝子導入法に準じて前記細胞に導入することができる。酵母を宿主細胞とする場合は、例えばリチウム法を基にしたYeast transformation kit(Clontech社製)などを用いて導入することができる。
尚、ウイルスをベクターに用いる場合には、上述のように一般的な遺伝子導入法によりウイルスのゲノムを宿主細胞に導入できるほか、本転写調節因子遺伝子の挿入されたウイルスのゲノムを含有するウイルス粒子を、宿主細胞へ感染させることによっても、該ウイルスのゲノムを宿主細胞に導入することができる。
【0016】
当該形質転換体を選抜するには、例えば、本転写調節因子遺伝子ベクターと同時にマーカー遺伝子を宿主細胞へ導入し、マーカー遺伝子の性質に応じた方法で細胞を培養すればよい。例えば、マーカー遺伝子が、宿主細胞に致死活性を示す選抜薬剤に対する薬剤耐性を付与する遺伝子である場合には、該薬剤を添加した培地を用いて、本転写調節因子遺伝子ベクターが導入された宿主細胞を培養すれば良い。薬剤耐性付与遺伝子と選抜薬剤の組み合わせとしては、例えば、ネオマイシン耐性付与遺伝子とネオマイシンとの組み合わせ、ハイグロマイシン耐性付与遺伝子とハイグロマイシンとの組み合わせ、ブラストサイジンS耐性付与遺伝子とブラストサイジンSとの組み合わせなどをあげることができる。また、マーカー遺伝子が宿主細胞の栄養要求性を相補する遺伝子である場合には、該栄養素を含まない最少培地を用いて、本転写調節因子遺伝子ベクターが導入された細胞を培養すればよい。
本転写調節因子遺伝子が宿主細胞の染色体に導入されてなる形質転換体を取得するには、例えば、本転写調節因子遺伝子ベクターとマーカー遺伝子を有するベクターとを制限酵素等で消化することにより直鎖状にした後、これらを前述の方法で宿主細胞へ導入して該細胞を通常数週間培養し、導入されたマーカー遺伝子の発現を指標にして目的とする形質転換体を選抜し取得すればよい。また、例えば、上記のような選抜薬剤に対する耐性付与遺伝子をマーカー遺伝子として有する本転写調節因子遺伝子ベクターを前述の方法で宿主細胞に導入し、該細胞を選抜薬剤が添加された培地で数週間以上継代培養して、コロニー状に生き残った選抜薬剤耐性クローンを純化培養することにより、本転写調節因子遺伝子が宿主細胞の染色体に導入されてなる形質転換体を選抜し取得することもできる。導入された本転写調節因子遺伝子が宿主細胞の染色体に組み込まれたことを確認するには、当該細胞のゲノムDNAを通常の遺伝子工学的方法に準じて調製し、調製されたゲノムDNAから、導入された本転写調節因子遺伝子の部分塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーに用いるPCRや、導入された本転写調節因子遺伝子をプローブに用いるサザンハイブリダイゼーション等の方法を利用して、本転写調節因子遺伝子の存在を検出すればよい。かかる形質転換体は、凍結保存が可能であり必要に応じて起眠して使用することができるので、実験毎の形質転換体作製の手間を省くことができ、また、あらかじめ性質や取扱い条件の確認された形質転換体を用いて試験を実施することが可能となる。
【0017】
上述のようにして得られた形質転換体を培養することにより本転写調節因子を産生させることができる。
例えば、上記形質転換体が微生物である場合、該形質転換体は、一般微生物における通常の培養に使用される炭素源や窒素源、有機ないし無機塩等を適宜含む各種の培地を用いて培養することができる。培養は、一般微生物における通常の方法に準じて行い、固体培養、液体培養(旋回式振とう培養、往復式振とう培養、ジャーファーメンター(JarFermenter)培養、タンク培養等)などが可能である。培養温度及び培地のpHは、微生物が生育する範囲から適宜選ぶことができ、例えば、約15℃〜約40℃の培養温度にて、約6〜約8の培地pHで培養するのが一般的である。培養時間は、種々の培養条件によって異なるが、通常約1日間〜約5日間である。温度シフト型やIPTG誘導型等の誘導型のプロモーターを有す
る発現ベクターを用いた場合には誘導時間は1日間以内が望ましく、通常数時間である。
また、上記形質転換体が哺乳類、昆虫類等の動物細胞である場合、該形質転換体は一般の培養細胞における通常の培養に使用される培地を用いて培養することができる。選抜薬剤を利用して当該形質転換体を作製した場合は、該選抜薬剤の存在下に培養するのが望ましい。哺乳類動物細胞の場合、例えば終濃度が10%(w/v)となるようFBSを添加したDMEM培地(ニッスイ社製等)を用いて37℃、5%CO2存在下等の条件で数日ごとに新しい培養液に交換しながら培養する。細胞がコンフルエントになるまで増殖したら、例えば0.25%(w/v)程度となるようトリプシンが添加されたPBS溶液を加えて個々の細胞に分散させ、数倍に希釈して新しいシャーレに播種し培養を続ける。昆虫類動物細胞の場合も同様に、例えば10%(v/v)FBS及び2%(w/v)Yeastlateを含むGrace's medium等の昆虫細胞用培養液を用いて培養温度25℃から35℃で培養すればよい。この際、Sf21細胞などのシャーレからはがれやすい細胞の場合は、トリプシン液を用いずピペッテイングにより分散させ継代培養を行なうことができる。また、バキュロウイルス等のウイルスベクターを含む形質転換体の場合は、培養時間は細胞質効果が現れて細胞が死滅する前、例えばウイルス感染後72時間までとするのが好ましい。
上記形質転換体により産生された本転写調節因子の回収は、適宜、通常の単離、精製の方法を組み合わせて行うことができ、例えば、培養終了後、形質転換体の細胞を遠心分離等で集め、集められた該細胞を通常のバッファーに懸濁した後、ポリトロン、超音波処理、ダウンスホモジナイザー等で破砕し、破砕液を遠心分離して上清画分を回収することにより、本転写調節因子を含む画分を得ることができる。さらに、前記上清画分をイオン交換、疎水、ゲルろ過、アフィニティ等の各種クロマトグラフィーに供することにより、より精製された本転写調節因子を回収することもできる。また、本転写調節因子又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを、GSTとの融合蛋白質として産生させた場合には、グルタチオンセファロース(アマシャムファルマシア社製)を用いたアフィニティクロマトグラフィーで精製することができる。
このようにして製造された本転写調節因子は、例えば、本転写調節因子又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを認識する抗体を作製するための免疫抗原として用いることができ、また、本転写調節因子に結合する物質をスクリーニングするためのアッセイ等に用いることもできる。
【0018】
上述のように製造された本転写調節因子を免疫抗原として、例えばマウス、ウサギ、ニワトリ等の動物を、Frederick M.Ausubel et al.著;Short Protocols in Molecular Biology 3nd Edition, John Wiley&Sons,Inc 記載の免疫学的方法に準じて免疫感作することにより、本転写調節因子又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを認識する抗体を作製することができる。具体的には例えば、まず、抗原として用いる本転写調節因子と完全Freunds adjuvantとを混合してエマルジョン化する。得られたエマルジョンをウサギに皮下投与する。約4週間後に、不完全Freunds adjuvantと混合してエマルジョン化した抗原を投与する。必要に応じて、さらに2週間毎に同様に投与を行なう。採血して血清画分を調製し、本転写調節因子に対する抗体価を確認する。このようにして得られた本転写調節因子又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを認識する抗体価を有する血清画分を通常の硫安沈殿法等に準じて分画することにより、本転写調節因子又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを認識するIgGを得ることができる。
また、本転写調節因子の部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを化学合成し、これを免疫抗原として動物に投与することにより、本転写調節因子又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを認識する抗体を作製することもできる。免疫抗原として用いるポリペプチドのアミノ酸配列としては、例えば、配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列の中から、他の蛋白質のアミノ酸配列とのホモロジーがなるべく低くかつ免疫感作する動物種の有する本転写調節因子のアミノ酸配列とも相違の多いアミノ酸配列を選択する。選択されたアミノ酸配列からなる10アミノ酸から15アミノ酸程度の長さのポリペプチドを、通常の方法に準じて化学合成し、Limulus plyhemusのhemocyanin等のキャリアー蛋白質とMBS等により架橋した後、上記と同様にウサギ等の動物に免疫する。
このようにして本転写調節因子又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを認識する抗体を作製することができる。
【0019】
本転写調節因子に依存的な神経細胞可塑性を制御する能力(以下、本神経細胞可塑性制御能力と記すこともある。)を検定するには、(1)本転写調節因子を発現する哺乳動物細胞に被験物質を接触させる第一工程、(2)前記第一工程後に、前記哺乳動物細胞において前記転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質遺伝子の発現量又はその量と相関関係を有する指標値を測定する第二工程、及び、第二工程により測定された発現量又はその量と相関関係を有する指標値に基づき前記被験物質が有する前記能力を評価する工程を有する検定方法(即ち、本発明検定方法)を用いることができる。この際に、例えば、被験物質として異なる2種以上の物質を各々独立して用いた区における上記マーカー蛋白質遺伝子の発現量又はその量と相関関係を有する指標値(第一の測定量、第二の測定量)を比較することにより差異を調べる。その結果、得られる差異(第一の測定量と第二の測定量との差)に基づき前記被験物質が有する本神経細胞可塑性制御能力を評価することにより当該能力の検定を行う。このようにして評価された本神経細胞可塑性制御能力に基づき本神経細胞可塑性制御能力を有する物質であることを確認することができる。
このように本転写調節因子は、前記転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質遺伝子の発現量又はその量と相関関係を有する指標値を効果的に分析する方法に利用でき、物質が有する本神経細胞可塑性制御能力を検定するために利用される。
【0020】
本発明検定方法において用いられる哺乳動物細胞は、組織から分離された細胞や、同一の機能・形態を持つ集団を形成している細胞や、哺乳動物の体内にある細胞であってもよい。場合によっては前記細胞の抽出系でもよい。当該細胞の由来としては、例えば哺乳動物等を挙げることができ、さらに具体的にはヒト、サル、ウシ、ウサギ、マウス、ラット、ハムスターなどを挙げることができる。
本発明検定方法の第一工程において、本転写調節因子を発現する哺乳動物細胞と接触させる被験物質の濃度としては、通常約0.1μM〜約100μMであればよく、1μM〜50μMが好ましい。上記哺乳動物細胞と被験物質とを接触させる時間は、通常10分間以上2日間程度であり、好ましくは数時間〜1日間程度である。
上記哺乳動物細胞に被験物質を接触させる環境としては、当該哺乳動物細胞の生命活動を維持させるような環境が好ましく、例えば、当該哺乳動物細胞のエネルギー源が共存する環境をあげることができる。具体的には、培地中で第一工程が行なわれることが好都合である。
【0021】
さらにまた本発明検定方法の第一工程は、例えば、哺乳動物細胞に本アミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子が導入されてなる形質転換哺乳動物細胞(以下、本形質転換哺乳動物細胞と記すこともある。)に、被験物質を接触させる方法でもよい。
当該工程において、本形質転換哺乳動物細胞と接触させる被験物質の濃度は、通常約0.1μM〜約100μMであればよく、1μM〜50μMが好ましい。本形質転換哺乳動物細胞と被験物質とを接触させる時間は、通常10分間以上2日間程度が好ましく、より好ましくは数時間から1日間程度が挙げられる。
【0022】
前記本形質転換哺乳動物細胞は、以下のようにして調製することができる。
本転写調節因子遺伝子を、通常の遺伝子工学的手法を用いて、本転写調節因子遺伝子を導入する哺乳動物細胞において使用可能なベクターに発現可能な形でプロモーターと接続されるように挿入することにより、プラスミドを作製する。ここで用いられるプロモーターは、本転写調節因子遺伝子が導入される哺乳動物細胞で機能可能なものであればよく、例えば、SV40ウイルスプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター(CMVプロモーター)、Raus Sarcoma Virusプロモーター(RSVプロモーター)、βアクチン遺伝子プロモーター等が挙げられる。尚、このようなプロモーターをマルチクローニング部位の上流に含む市販のベクターを利用してもよい。
次いで、上記プラスミドを選抜マーカー遺伝子とともに哺乳動物細胞へ導入する。哺乳動物細胞への導入法としては、例えば、リン酸カルシウム法、電気導入法、DEAEデキストラン法、ミセル形成法等を挙げることができる。リン酸カルシウム法としてはGrimm, S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 10923-10927等に記載される方法、電気導入法及びDEAEデキストラン法としてはTing, A. T. et al., EMBO J., 15, 6189-6196等に記載される方法、ミセル形成法としてはHawkins, C. J. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 13786-13790等に記載される方法を挙げることができる。ミセル形成法を用いる場合には、リポフェクトアミン(ギブコ製)やフュージーン(ベーリンガー製)等の市販の試薬を利用するとよい。
上記プラスミドの導入処理を施した哺乳動物細胞を、例えば、当該プラスミドとともに導入された選抜マーカー遺伝子を利用し、当該選抜マーカー遺伝子に応じた選抜条件の培地で培養することにより、本形質転換哺乳動物細胞を選抜することができる。さらに選抜を続けて、本転写調節因子遺伝子が染色体に導入されてなる安定形質転換体となった本形質転換哺乳動物細胞を取得してもよい。導入された本転写調節因子遺伝子が哺乳動物細胞中に存在する染色体上に組込まれたことを確認するには、当該細胞のゲノムDNAを通常の遺伝子工学的方法に準じて調製し、本転写調節因子遺伝子の部分塩基配列を有するDNAをプライマーとして用いるPCRや、本転写調節因子遺伝子の部分塩基配列を有するDNAをプローブとして用いるサザンハイブリダイゼーション等の方法を利用して、ゲノムDNA中の本転写調節因子遺伝子の存在を検出・確認すればよい。
また、本形質転換哺乳動物細胞は、後述する形質転換非ヒト動物から通常の方法に準じて調製してもよい。
【0023】
本発明検定方法において、本転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質遺伝子の発現量又はその量と相関関係を有する指標値を測定する方法としては、例えば、
(1)前記マーカー蛋白質の量を、当該マーカー蛋白質を特異的に認識する抗体を用いるラジオイムノアッセイ(RIA)法、酵素標識抗体測定法(Enzyme Linked Immunosorbent Assay; ELISA)、ウエスタンブロッティング等で測定する方法、
(2)前記マーカー蛋白質の量と相関関係を有する指標値として、当該マーカー蛋白質のmRNAの、前記哺乳動物細胞内での存在量を測定する方法、
(3)前記マーカー蛋白質とハイブリダイズして、当該マーカー蛋白質のmRNAの量を測定することのできるオリゴヌクレオチドが固定されているDNAアレイ又はDNAチップを用いて、当該マーカー蛋白質の発現量を測定する方法、
等をあげることができる。
上記(2)におけるmRNAの定量には、RT−PCR法やノザンハイブリダイゼーション等の通常の方法(例えば、Sambrook J., Frisch E. F., Maniatis T.著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)等に記載されている方法)を用いればよい。
【0024】
上記のようにして本発明検定方法により測定された、被験物質として異なる2種以上の物質を各々独立して用いた区における、前記マーカー蛋白質遺伝子の発現量又はその量と相関関係を有する指標値を比較することにより得られる差異に基づき前記物質の本神経細胞可塑性制御能力を評価する。このようにして被験物質が有する本神経細胞可塑性制御能力の検定を行うことができる。
本発明検定方法において、前記異なる2種以上の物質のうち、少なくとも一つの物質を本神経細胞可塑性制御能力を有しない物質(例えば、溶媒、バックグランドとなる試験系溶液等であってもよい。)としこれを基準として、他の被験物質が有する本神経細胞可塑性制御能力を評価してもよい。また、前記異なる2種以上の物質のうち、少なくとも一つの物質が有する本神経細胞可塑性制御能力を基準として、他の被験物質が有する本神経細胞可塑性制御能力を評価してもよい。
本転写調節因子と被験物質とを接触させた場合における上記マーカー蛋白質の発現量又はその量と相関関係を有する指標値(以下、測定値1と記す。)を、本転写調節因子と被験物質とを接触させなかった場合の上記マーカー蛋白質の発現量又はその量と相関関係を有する指標値(以下、測定値2と記す。)と比較することによって、該被験物質の本神経細胞可塑性制御能力を評価してもよい。例えば、本神経細胞可塑性制御能力を、前記測定値を用いて、下記の式に従って制御率として表すこともできる。
制御率(%)=[(測定値1−測定値2)/測定値2]×100
【0025】
本神経細胞可塑性制御能力を有する物質を探索するには、本発明検定方法により評価された本神経細胞可塑性制御能力に基づき本神経細胞可塑性制御能力を有する物質を選抜すればよい。
例えば、被験物質の本神経細胞可塑性制御能力を表わす制御率の絶対値が、統計学的に有意な値を示す物質、具体的に好ましくは、例えば、30%以上を示す物質、より好ましくは50%以上を示す物質を、本神経細胞可塑性制御能力を有する物質として選抜する。ここで当該制御率が正の場合には、促進的能力を有する物質として選抜され、一方、負の場合には、抑制的能力を有する物質として選抜される。
尚、当該物質は、本神経細胞可塑性制御能力を有する限り、低分子化合物、蛋白質(抗体を含む)又はペプチド等のいかなる物質であってもよい。
本発明探索方法によって選抜された物質は本神経細胞可塑性制御能力を有しており、神経細胞可塑調節剤(例えば、認識能力不全改善剤、精神遅延改善剤等の治療剤等)の有効成分として使用してもよい。
【0026】
本発明探索方法により選抜される物質またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする神経細胞可塑調節剤(即ち、本発明神経細胞可塑調節剤)は、その有効量を経口的または非経口的にヒト等の哺乳動物に対し投与することができる。例えば、経口的に投与する場合には、本発明神経細胞可塑調節剤は錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の通常の形態で使用することができる。また、非経口的に投与する場合には、本発明神経細胞可塑調節剤を溶液、乳剤、懸濁液等の通常の液剤の形態で使用することができる。前記形態の本発明神経細胞可塑調節剤を非経口的に投与する方法としては、例えば注射する方法、坐剤の形で直腸に投与する方法等を挙げることができる。
前記の適当な投与剤型は許容される通常の担体、賦型剤、結合剤、安定剤、希釈剤等に本発明探索方法により選抜される物質またはその薬学的に許容される塩を配合することにより製造することができる。また注射剤型で用いる場合には、許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。
投与量は、投与される哺乳動物の年令、性別、体重、疾患の程度、動脈硬化病態増悪因子分泌抑制剤の種類、投与形態等によって異なるが、通常は経口の場合には成人で1日あたり有効成分量として約1mg〜約2g、好ましくは有効成分量として約5mg〜約1gを投与すればよく、注射の場合には成人で有効成分量として約0.1mg〜約500mgを投与すればよい。また、前記の1日の投与量を1回または数回に分けて投与することができる。
本発明神経細胞可塑調節剤の適用可能と考えられる疾患としては、老人による認識能力不全、精神遅延、アルツハイマー病による認識能力不全等の疾患をあげることができる。
【0027】
本転写調節因子遺伝子は、当該遺伝子を外来遺伝子として、哺乳動物細胞に、当該細胞で発現する位置に置かれるように提供することによって、哺乳動物細胞における本転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質遺伝子の発現を促進するために利用することもできる。
哺乳動物細胞としては、ヒト、サル、マウス、ラット、ハムスター等の哺乳動物由来の細胞を挙げることができる。当該細胞は、組織から分離された細胞や、同一の機能・形態を持つ集団を形成している細胞や、前記哺乳動物の体内にある細胞であってもよい。従って、哺乳動物がヒトである場合には、一般にいう遺伝子治療が施されたヒトの細胞から各種実験に使用されるような株化細胞までを意味し、また哺乳動物が非ヒト動物である場合には、一般にいう遺伝子治療が施された非ヒト動物の細胞から各種実験に使用されるようなモデル動物の細胞や株化細胞までを意味する。後者の場合には、ラット、マウス等を好ましい動物種として挙げることができる。さらに、哺乳動物細胞が精神遅延を伴う疾患又はアルツハイマー症に羅患していると診断されうる哺乳動物の体内にある細胞である場合をより具体的な例としてあげることができる。
【0028】
本転写調節因子遺伝子の調製は、上述と同等な方法に準じて行えばよい。また、高効率プロモーター(例えば、ヒトサイトメガロウィルスプロモーター)の制御下に本転写調節因子遺伝子を発現させるインビボ転写系によって調製することもできる。調製された遺伝子を用いて後述のように形質転換細胞を調製することにより、当該遺伝子が哺乳動物細胞で発現する位置に置かれるように提供された形質転換細胞を得ることができる。
本発明発現促進方法において「発現する位置に置かれた」とは、DNA分子が、その塩基配列からの転写及び翻訳を指向する(即ち、例えば、本転写調節因子をコードするRNAおよび本転写調節因子の産生を促進するような)塩基配列と隣接した位置に置かれていることを意味する。
本転写調節因子の発現レベルは、本転写調節因子遺伝子が提供されていない細胞と比較して上記マーカー蛋白質遺伝子の発現を制御するために十分である量であればよい。この場合、本転写調節因子遺伝子は、本転写調節因子の全体をコードするDNAであってもよいし、当該蛋白質の一部をコードするDNAであってもよい。
上記の発現促進方法において、本転写調節因子遺伝子がゲノムに組み込まれるように哺乳動物細胞に提供することにより、上記マーカー蛋白質遺伝子の発現を制御してもよい。
【0029】
上記の発現促進方法において、本転写調節因子遺伝子を哺乳動物細胞に導入するために用いられる遺伝子構築物(以下、本遺伝子構築物と記載することもある。)および移入送達手段には、当該遺伝子が導入される哺乳動物細胞に対して親和性を有する、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター又はその他のウイルスベクターを用いることができる。具体的には例えば、ミラー(Miller),Human Gene Therapy 15〜14,1990;フリードマン(Friedman),Science 244:1275〜1281,1989;エグリティス(Eglitis)およびアンダーソン(Anderson),BioTechniques 6:608〜614,1988;トルストシェフ(Tolstoshev)およびアンダーソン(Anderson),current opinion in Biotechnology 1;55〜61,1990;シャープ(Sharp),The Lancet 337:1277〜1278,1991;コルネッタ(Cornetta)ら、Nucleic Acid Research and Molecular Biology 36:311〜322,1987;アンダーソン(Anderson),Science 22-:401〜409,1984;モーン(Moen),Blood Cells 17:407〜416,1991;ミラー(Miller)ら、Biotechniques 7:980〜990,1989;Le Gai La Salleら、Science 259:988〜990,1993;およびジョンソン(Johnson),Chest 107:77S〜83S,1995等に記載される公知のベクターをあげることができる。ローゼンバーグ(Rosenberg)ら、N.Engl.J.Med 323:370,1990;アンダーソン(Anderson)ら、米国特許第5,399,346号等に記載されるレトロウイルスベクターは特に開発が進んでおり、臨床の場でもすでに使用されている。
また、本発明DNAの移入送達手段としては、非ウイルス的手法を用いることもできる。例えば、フェルグナー(Felgner)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413,1987;オノ(Ono)ら、Neurosci.Lett.117:259,1990;ブライアム(Brigham)ら、Am.J.Med.Sci.298:278,1989;シュタウビンガー(Staubinger)ら、Meth.Enz.101:512,1983)、アシアロソヌコイド・ポリリジン抱合(ウー(Wu)ら、J.Biol.Chem.263:14621,1988;ウー(Wu)ら、J.Biol.Chem.264:16985,1989等に記載されるリポフェクション、ウォルフ(Wolff)ら、Science 247:1465,1990等に記載されるマイクロインジェクション、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーション法及びプロトプラスト融合法、リポソーム法等があげられる。
【0030】
本遺伝子構築物において、本転写調節因子遺伝子は、当該DNAを構成的に発現させるようなプロモーターの制御下に置かれていてもよい。例えば、SV40ウイルスプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター(CMVプロモーター)、Raus Sarcoma Virusプロモーター(RSVプロモーター)、βアクチン遺伝子プロモーター等が挙げられる。
また、本転写調節因子遺伝子は、当該遺伝子の発現を環境刺激により調節するようなプロモーターの制御下に置かれていてもよい。例えば、上記遺伝子は、化学的信号もしくは薬物刺激等の外来性の信号もしくは薬物の導入により活性化されるプロモーターを用いて発現させてもよい。
また、本転写調節因子遺伝子は、組織特異的もしくは細胞型特異的なプロモーターの制御下に置かれていてもよい。かかるプロモーターには、哺乳動物における組織または細胞に特異的な転写制御に関与するプロモーター要素(エンハンサー等)が含まれていてもよい。例えば、必要に応じて、本転写調節因子遺伝子を発現させるために、神経細胞におけるDNAの発現を優先的に指向することが知られるエンハンサーを用いてもよい。また、本転写調節因子をコードするゲノムDNA(例えば配列番号33または34で示される塩基配列を有するDNA等)のクローンを本遺伝子構築物として用いる場合には、本転写調節因子遺伝子の元来の発現調節領域に含まれるコグネイト調節配列を介して本転写調節因子遺伝子を発現させることができ、必要に応じて、上記の任意のプロモーター又はプロモーター要素を付加して発現を制御することもできる。
尚、上記のようなプロモーターまたはプロモーター要素をマルチクローニング部位の上流に含む市販のベクターを利用することもできる。
【0031】
上記の発現促進方法を遺伝子治療の手段として応用する場合には、本遺伝子構築物は、上記マーカー蛋白質遺伝子の異常発現が予想される部位に対して適用される(例えば、注入によって)ことがよい。また、上記マーカー蛋白質の異常発現等の現象が予想される部位の近傍の組織又は上記マーカー蛋白質の異常発現が起こると予想される細胞に供給される血管に対してそれを適用してもよい。また、本遺伝子構築物を適用しようとする哺乳動物にとって外因性又は内因性の培養可能な細胞に、本遺伝子構築物を導入し、次いで、導入された細胞を血清学的に標的組織に対して注入することもできる。
理想的には、かかる遺伝子治療の手法により、少なくとも非罹患細胞における正常な本転写調節因子の細胞内レベルと同等の本転写調節因子の発現量がもたらされるとよい。
【0032】
以下に、一例として、哺乳動物が形質転換非ヒト動物である場合の上記発明についてより詳細に説明する。
形質転換非ヒト動物の作製における本転写調節因子遺伝子の導入法としては、例えば、マイクロインジェクション法、レトロウイルスを用いる方法、胚性未分化細胞(ES細胞)を用いる方法等を挙げることができる。このうち、マイクロインジェクション法が最も汎用されている。マイクロインジェクション法とは、マイクロマニピュレーターを用いて、顕微鏡下で受精卵の前核内部に上記DNAを含んだ溶液を注入する方法である。
まず、本転写調節因子遺伝子を受精卵に注入する。その際、当該遺伝子を高い確率で染色体へ組込むためには、当該遺伝子の単離に用いたベクター領域を可能な限り除去すること、mRNAの不安定化に寄与するAUに富む領域を除くこと、直鎖状にすることが好ましい。また、当該遺伝子に対してイントロンを予め挿入しておくことが好ましく、当該イントロンとしては、例えば、β−グロビンイントロン等を挙げることができる。
受精卵は、目的に応じた系統の非ヒト動物から採取する。例えば、マウスの場合には、近交系のC57BL/6マウスやC3Hマウス、あるいはC57BL/6マウスと他系統のマウスとの交雑系(例えば、(C57BL/6×DBA/2)F1等)、非近交系のICRマウスが挙げられる。受精卵は、通常、妊馬血清ゴナドトロピンとヒト絨毛性ゴナドトロピンとの両者の腹腔内投与により過剰排卵を誘発させた雌マウスと雄マウスとを交尾させた後、前記雌マウスから採取する。尚、採取した受精卵は培養用ドロップに入れ、CO2ガスインキュベーターで培養・維持することにより、上記遺伝子の注入操作まで保管することができる。
上記遺伝子の注入はマイクロマニピュレーターをセットした倒立顕微鏡下で行なう。用いられる受精卵としては、雄性前核が雌性前核より大きくなる頃から両前核が融合するまでの発達段階にあるものを用いるとよい。まず受精卵を固定し、当該受精卵の雄性前核内に当該遺伝子を含有するDNA溶液を注入する。当該DNA溶液は必要に応じて複合体として調製する。複合体形成に用いられる物質としては、リポソーム、リン酸カルシウム、レトロウイルス等を挙げることができる。DNA溶液の注入は雄性前核が膨らむことにより確認できる。遺伝子注入量としては、例えば、約200〜約3,000コピーの上記遺伝子を含む量を挙げることができる。
【0033】
このようにして、本転写調節因子遺伝子が注入された受精卵は胚盤胞になるまで前記と同様にして培養した後、仮親の子宮に移植する。好ましくは当該DNAの注入操作後ただちに仮親の卵管に移植するとよい。仮親としては、精管切断手術を施した雄マウスと交尾させて偽妊娠状態にした雌マウスを用いるとよい。具体的には、まず当該雌マウス背側の腎臓付近の皮膚と筋層を切開して卵巣・卵管・子宮を引き出し、卵巣膜を破いて卵管口を探し出す。次いで当該DNAの注入操作後に生き残った受精卵を該卵管口から移入し、卵巣・卵管・子宮を腹腔内に戻した後、筋層を縫合し、皮膚をクリップでとめる。約20日後に仔が生まれる。
得られた仔の体組織の一部、例えば尾の一部、を切り取り、当該部位から抽出されたDNAのサザンブロッティング等により当該遺伝子の存在有無を確認する。このようにして、当該遺伝子が非ヒト動物に導入されたことを確認できる。あるいは他の方法、例えばPCRなどの確認方法を利用してもよい。
【0034】
本転写調節因子遺伝子治療剤の有効成分となる、本転写調節因子遺伝子は、前述の如く調製すればよい。また、例えば、当該遺伝子を含有する組換えベクター又は組換えウイルス等の形態で使用されることもある。このような形態には、例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連性ベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、SV40ベクター、ポリオーマウイルスベクター、乳頭腫ウイルスベクター、ピコルナウイルスベクター及びワクシニアウイルスベクター等のウイルスベクターを利用することができる。さらに、アデノウイルスベクターを使用する場合には、例えばQUANTUM社製のAdEasy Kitを用い、本転写調節因子遺伝子をTransfer Vectorのマルチクローニングサイトに組み込み、得られた組換えベクターを直線化した後に、pAdEasy vectorと共に大腸菌にトランスフォームし、相同組換え体DNAをヒト293A細胞に組み込むことにより、本転写調節因子遺伝子を含有する組換えウイルスを産生させ、これを回収し、使用することもできる。また、ヒトサイトメガウイルスのプロモーター領域を有するプラスミドDNA等のような非ウイルス系のベクターを用いることもできる。本転写調節因子遺伝子を上記マーカー蛋白質の異常発現が予想される部位に直接注入する場合のように、非ウイルスベクターを用いて本転写調節因子遺伝子を局所的に送達するシステムにおいては、プラスミドDNAの使用は極めて有益である。体外に取り出された細胞に本転写調節因子遺伝子を含有する組換えベクターを導入して体内に戻す方法、すなわち、ex vivo法を使えば、あらゆる既知の導入方法が利用可能である。例えば、a)直接注入、b)リポソームを介する形質導入、c)リン酸カルシウム法・エレクトロポレーション法・DEAE−デキストラン法による細胞トランスフェクション、d)ポリブレンを介した送達、e)プロトプラスト融合、f)マイクロインジェクション、g)ポリリシンを使った形質導入などによって、非ウイルスベクターを導入することができる。
【0035】
本発明遺伝子治療剤は、その有効量を非経口的にヒト等の哺乳動物に対し投与することができる。例えば、非経口的に投与する方法としては、例えば、上述のような注射(皮下、静脈内等)等を挙げることができる。前記の適当な投与剤型は薬学的に許容される、例えば、水溶性溶剤、非水溶性溶剤、緩衝剤、溶解補助剤、等張剤、安定剤等の担体に本転写調節因子遺伝子(本発明DNAが組み込まれた組換えベクター、組換えウィルス、組換えプラスミド等の形態を含む)を配合することにより製造することができる。必要に応じて、防腐剤、懸濁化剤、乳化剤等の補助剤を添加してもよい。
投与量は、投与される哺乳動物の年令、性別、体重、疾患の程度、本脂肪蓄積抑制剤の種類、投与形態等によって異なるが、通常は、患者細胞において本発明蛋白質が細胞内で有効に働くような濃度レベルをもたらす有効成分量を投与すればよい。1日の投与量を1回または数回に分けて投与することができる。
【0036】
【実施例】
以下に本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(本転写調節因子遺伝子が含有されてなるベクターであるpGEM-mNXFの調製)
配列番号7で示される塩基配列(aagcacggag gaggaagccg ccggtgcgtc gggac)からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号8で示される塩基配列(ggagagcggc tccacgtctt gatgacaata tgcca)からなるオリゴヌクレオチドをそれぞれDNA合成機(アプライドバイオシステムズ社製モデル394)を用いて合成した。マウスBrain cDNAライブラリー(#10655−017ギブコBRL社製)10 ngを鋳型として、かつ、前記ポリヌクレオチドをプライマーとしてPCRを行った。当該PCRにおいて、反応液50μl当たり上記のポリヌクレオチド10pmolを添加し、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造社製)及び当該酵素を含むキットに添付されたバッファーを用いた。PCR反応液の保温は、PCRsystem9700(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、95℃1分間次いで68℃3分間の保温を1サイクルとしてこれを35サイクル行った。
次いで、PCR反応液の全量を、低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL:ニッポンジーン)に供した。約2.5kbのDNAの単一バンドを確認した後、当該DNAを回収した。回収されたDNAの一部とダイターミネーターシークエンスキットFS(アプライドバイオシステムズ社製)とを用いてダイレクトシークエンス用のサンプルを調製し、これを、オートシークエンサー(アプライドバイオシステムズ社製、モデル3700)を用いたダイレクト塩基配列解析に供した。
次に、上記のようにして回収されたDNA(約1μg)とpGEM T easyベクター(プロメガ社製)(10ng)とを混合し、この混合物にT4 DNAリガーゼを添加して反応させることにより、pGEM-mNXFを得た。得られたpGEM-mNXFの塩基配列をABIモデル3700型オートシークエンサーを用いてダイターミネーター法で決定した。決定された塩基配列を、前記のダイレクトシークエンスで得られた塩基配列と比較して、翻訳領域の塩基配列が完全に一致していることを確認した。
【0037】
実施例2(pRC/RSV-mNXFsense及びpRC/RSV-mNXFantisenseの調製)
哺乳動物細胞内において本転写調節因子の全長を発現させるためのプラスミド(以下、本発現プラスミドと記すこともある。)を、以下のようにして作製した。
実施例1で得られたpGEM-mNXFは、市販のpGEMベクターのSp6プロモーターの下流にマウス由来の本転写調節因子をコードする翻訳領域の開始コドンが位置するように構築されていた。そこでこのpGEM-mNXF(1μg)を鋳型にして、かつ、配列番号11で示されるオリゴヌクレオチド(フォワードプライマー 5´-gggcgctgcagcccagccaccatgtaccgatccaccaaggg-3´)および配列番号12で示されるオリゴヌクレオチド(リバースプライマー 5´-aatctcggcgttgatctggt-3´)をプライマーとして、KODplusポリメラーゼ(TOYOBO社製)を用いたPCRを行うことにより、本転写調節因子をコードする翻訳領域の開始コドンの直前にコザック配列(5'-CCAGCCACC-3')が導入され、さらにその上流にPstI制限酵素部位が導入された本転写調節因子の一部をコードするDNAを得た。尚、PCRの反応は、95℃1分間次いで55℃30秒間さらに72℃1分間の保温を1サイクルとしてこれを35サイクル行った。
このようにして得られたDNAをPstIとBssHIIとで切断した後、低融点アガロースゲル電気泳動(NusieveGTGアガロース;FMCbio社製)に供することにより精製・回収した。精製・回収されたDNAを下記で用いるインサートDNAとした。次に、pGEM-mNXFをPstIとBssHIIとで切断した後BAP処理して得られたDNAを低融点アガロースゲル電気泳動(AgaroseL;ニッポンジーン社製)に供し、前記DNAを回収した。回収されたDNA(0.1μg)に上記のインサートDNA(0.5μg)をT4 Ligaseで結合させることにより、マウス由来の本転写調節因子をコードする翻訳領域の開始コドンの直前にコザック配列(5'-CCAGCCACC-3')が導入されているプラスミドpGEM-mNXFコザックを作製した。
次に、プラスミドpGEM-mNXFコザックをPstI、NotI及びScaIの3者で同時に切断した後、これを低融点アガロース電気泳動に供し、約2.5kbpのDNA(mNXFコザックPstI-NotI)を回収した。そして、回収されたDNAをT4ポリメラーゼで平滑末端化し、得られたDNAをインサートDNAとした。RSVプロモーターを保有するプラスミドpRC/RSV(Invitorgen社製)をHindIIIで切断した後T4ポリメラーゼで平滑末端化して得られたDNAをBAP処理し、これをベクターDNAとした。このベクターDNA(0.1μg)に前記インサートDNA(0.5μg)をT4 Ligaseで結合させることにより、(a)コザック配列の下流にマウス由来の本転写調節因子をコードする翻訳領域が接続されてなるDNAのセンス鎖がRSVプロモーターの制御下に発現するプラスミドであるpRC/RSV-mNXFsense、及び(b)コザック配列の下流にマウス由来の本転写調節因子をコードする翻訳領域が接続されてなるDNAのアンチセンス鎖がRSVプロモーターの制御下に発現するプラスミドであるpRC/RSV-mNXFantisenseを作製した。尚、作製されたプラスミドが所望の構造を有することを、ベクターDNAとインサートDNAとの境界領域の塩基配列を調べることにより確認した。
【0038】
実施例3 (本転写調節因子によるEphA1の発現促進)
まず、約1x107のSK-N-MC細胞(ATCC No.HTB10;大日本製薬より購入した)を、10%FBSを含むDMEM培地(日水製薬製)を用いて37℃にて5%CO2存在下に、直径約10cmのシャーレ(ファルコン社製)を用いて培養した。翌日、培養された細胞をトリプシン処理により分散し、FBSを含まないDMEM培地で2回洗浄した後、再度1x107に細胞密度がなるようにFBSを含まないDMEM培地に分散した。この細胞分散液0.4mlに、実施例2で作製された本発現プラスミド((a)pRC/RSV-mNXFsense、又は(b)pRC/RSV-mNXFantisense)10μgを混合した後、この混合物をエレクトロポレーション用キュベットに移し、Geneパルサー(BIORAD社製)を用いたエレクトロポレーション法により200V、950μFの条件でトランスフェクションを行った。トランスフェクション後、培地を10%FBSを含むDMEM培地に置換してさらに10cmシャーレ内で約24時間培養した。培養後、シャーレ5枚の細胞を材料にして、市販のRNA精製及び放射能ラベル用市販キットである、Atlas Pure Total RNA Labeling system(K1038-1;クロンテック社製)を用いてDNAを含まないのtotalRNAを精製した。RNA収量は、(a)のプラスミド(即ち、pRC/RSV-mNXFsense)を用いた場合には23μgであり、また(b)のプラスミド(即ち、pRC/RSV-mNXFantisense)を用いた場合には26μgであった。次に、得られたRNAを材料にして、上記キットに含まれる特異的プライマー及び逆転写酵素を用いて[α-P32] -dATP(アマシャムファルマシア社製)でそれぞれのRNAを放射能ラベルした。次に、放射ラベルされたRNA(以下、プローブと記す。)を上記キットを用いて精製した後、精製されたRNAの1.3x105DPM相当分を以下のハイブリダイゼーションに使用した。ハイブリダイゼーションは、種々の遺伝子がブロットされたナイロン膜を含むキット(Atlas cDNA Expression array-Neurobiology ;7736-1 クロンテック社製)及び該キットに付属のハイブリダイゼーションバッファーを用いて、(a)pRC/RSV-mNXFsense導入細胞由来のプローブまたは(b)pRC/RSV-mNXFantisense導入細胞由来のプローブをそれぞれ添加し、同一条件のもとで18時間行った。ハイブリダイゼーションの後、各ナイロン膜を2XSSC、1%SDSバッファーで洗浄(68℃、30分間)した。これを4回繰り返した後、更に0.1XSSC、0.5%SDSバッファーで洗浄(68℃、30分間)した。それぞれのナイロン膜をプラスチックラップに包み、IPプレート(富士フィルム社製)に7日間感光させたのち、イメージングアナライザー(BASstation;富士フィルム社製)でナイロン膜上の種々の遺伝子に対応するハイブリダイゼーションシグナルの強度の定量と比較を行った。
その結果、EphA1遺伝子について、(a)pRC/RSV-mNXFsense導入細胞由来のプローブとハイブリダイズさせたナイロン膜上のハイブリダイゼーションシグナルが、(b)pRC/RSV-mNXFantisense導入細胞由来のプローブとハイブリダイズさせたナイロン膜上のハイブリダイゼーションシグナルよりも有意に強く検出された。このように本転写調節因子には、EphA1の発現を促進する能力が存在することが確認できた。
【0039】
実施例4 (本転写調節因子によるRho GDP dissociation inhibitorの発現抑制)
まず、約1x107のSK-N-MC細胞(ATCC No.HTB10;大日本製薬より購入した)を、10%FBSを含むDMEM培地(日水製薬製)を用いて37℃にて5%CO2存在下に、直径約10cmのシャーレ(ファルコン社製)を用いて培養した。翌日、培養された細胞をトリプシン処理により分散し、FBSを含まないDMEM培地で2回洗浄した後、再度1x107に細胞密度がなるようにFBSを含まないDMEM培地に分散した。この細胞分散液0.4mlに、実施例2で作製された本発現プラスミド((a)pRC/RSV-mNXFsense、又は(b)pRC/RSV-mNXFantisense)10μgを混合した後、この混合物をエレクトロポレーション用キュベットに移し、Geneパルサー(BIORAD社製)を用いたエレクトロポレーション法により200V、950μFの条件でトランスフェクションを行った。トランスフェクション後、培地を10%FBSを含むDMEM培地に交換してさらに10cmシャーレ内で約24時間培養した。培養後、シャーレ5枚の細胞をそれぞれ材料にして、市販のRNA精製及び放射能ラベル用キットである、Atlas Pure Total RNA Labeling system(K1038-1;クロンテック社製)を用いてDNAfreeのtotalRNAを精製した。RNA収量は、(a)のプラスミド(即ち、pRC/RSV-mNXFsense)を用いた場合には23μgであり、また(b)のプラスミド(即ち、pRC/RSV-mNXFantisense)を用いた場合には26μgであった。次に、得られたRNAを材料にして、上記キットに含まれる特異的プライマー及び逆転写酵素を用いて[α-P32] -dATP(アマシャムファルマシア社製)でそれぞれのRNAを放射能ラベルした。次に、放射能ラベルされたRNA(以下、プローブと記す。)を上記キットを用いて精製した後、精製されたRNAの1.3x105DPM相当分を以下のハイブリダイゼーションに使用した。ハイブリダイゼーションは、種々の遺伝子がブロットされたナイロン膜を含むキット(Atlas cDNA Expression array-Neurobiology ;7736-1 クロンテック社製)及び該キットに付属のハイブリダイゼーションバッファーを用いて、(a)pRC/RSV-mNXFsense導入細胞由来のプローブまたは(b)pRC/RSV-mNXFantisense導入細胞由来のプローブをそれぞれ添加し、同一条件のもとで18時間行った。ハイブリダイゼーションの後、各ナイロン膜を2XSSC、1%SDSバッファーで洗浄(68℃、30分間)した。これを4回繰り返した後、更に0.1XSSC、0.5%SDSバッファーで洗浄(68℃、30分間)した。それぞれのナイロン膜をプラスチックラップに包み、IPプレート(富士フィルム社製)に7日間感光させたのち、イメージングアナライザー(BASstation;富士フィルム社製)でナイロン膜上の種々の遺伝子に対応するハイブリダイゼーションシグナルの強度の定量と比較を行った。
その結果、Rho GDP dissociation inhibitor遺伝子について、(a)pRC/RSV-mNXFsense導入細胞由来のプローブとハイブリダイズさせたナイロン膜上のハイブリダイゼーションシグナルが、(b)pRC/RSV-mNXFantisense導入細胞由来のプローブとハイブリダイズさせたナイロン膜上のハイブリダイゼーションシグナルよりも有意に弱く検出された。このように本転写調節因子には、Rho GDP dissociation inhibitorの発現を抑制する能力が存在することが確認できた。
【0040】
実施例5 (本発明検定方法)
実施例2で調製されたpRC/RSV-mNXFsense導入細胞を、10%FBSを含むDMEM培地(日水製薬製)を用いて37℃にて5%CO2存在下に、直径約10cmのシャーレ(ファルコン社製)を用いて培養した。翌日、培養された細胞をトリプシン処理により分散し、FBSを含まないDMEM培地で2回洗浄した後、再度DMEM培地に分散する。
次に、分散させた細胞を、(a)DMSOのみを添加した培養液、又は(b)DMSOで種々の濃度に溶解した被験物質を添加した培養液、を予め加えておいた6穴プレートに106個/ウェルの割合で播種する。このプレート内で当該細胞を37℃で約24時間培養した後、プレートから培養液を除きPBS(-)で細胞を洗浄し、Isogen(ニッポンジーン社製)を用いてそれぞれの穴からtotal RNAを抽出する。
このようにして抽出されたtotal RNAを材料にして、oligodT(アマシャムファルマシア社製)及びReverse transcriptase(スーパースクリプトII、ギブコ社製等)を用いて一本鎖cDNAを作製する。次にこの一本鎖cDNAを鋳型としてLA-Taq(タカラ社製)、並びに、下記のフォワードプライマー(配列番号13〜17)と下記のリバースプライマー(配列番号18〜22)との組み合わせによりPCRを行なう。
<フォワードプライマー例>
5'-agtgaacagcaacagatact-3' (配列番号13)
5'-gcttcccgcgtccacgtgga-3' (配列番号14)
5'-gatgtgggcattcagctccg-3' (配列番号15)
5'-cagagcttcaccattcgaga-3' (配列番号16)
5'-gtggccctggtgtctgtccg-3' (配列番号17)
<リバースプライマー例>
5'-ctggcccgcgcgtggggcaa-3' (配列番号18)
5'-acacatgcttcgccactgcc-3' (配列番号19)
5'-taatggccgctctcacaggt-3' (配列番号20)
5'-agctgagtccctgaggcaga-3' (配列番号21)
5'-tgtgctgtgccctgacactg-3' (配列番号22)
PCRの条件は、95℃にて1分間次いで68℃にて1分間の保温を1サイクルとしてこれを30サイクルである。このようにしてtotal RNA中に存在するEphA 1のmRNAの量を算出し、DMSOのみを添加した培養液を用いて培養された細胞から抽出されたtotalRNA中のEphA 1のmRNAの量と、種々の被験物質を添加した培養液を用いて培養された細胞から抽出されるRNA中のEphA 1のmRNAの量とを比較することにより、被験物質が有する、本転写調節因子に依存的な神経細胞可塑性を制御する能力を検定・評価する。その結果に基づき所望の物質を選抜する。
【0041】
同様にして、下記のフォワードプライマー(配列番号23〜27)と下記のリバースプライマー(配列番号28〜32)との組み合わせによりPCRを行う。
<フォワードプライマー例>
5'-ttgcagcggagaacgaggag-3' (配列番号23)
5'-gatgagcactcggtcaacta-3' (配列番号24)
5'-gcatccaggagatccaggag-3' (配列番号25)
5'-ctggacaaggacgacgagag-3' (配列番号26)
5'-cctgcgaaagtacaaggagg-3' (配列番号27)
<リバースプライマー例>
5'-cctaccatgtagtcagtctt-3' (配列番号28)
5'-ggtcaggaactcgtactcct-3' (配列番号29)
5'-ttgggtgcctcctccacggg-3' (配列番号30)
5'-gcgggacttgatgctgtagc-3' (配列番号31)
5'-gtcttgtcgtcgtctgtgaa-3' (配列番号32)
このようにして、total RNA中のRho GDP dissociation inhibitorのmRNAの量を算出し、DMSOのみを添加した培養液を用いて培養された細胞から抽出されたtotalRNA中のRho GDP dissociation inhibitorのmRNAの量と、種々の被験物質を添加した培養液を用いて培養された細胞から抽出されたtotalRNA中のRho GDP dissociation inhibitorのmRNAの量とを比較することにより、被験物質が有する、本転写調節因子に依存的な神経細胞可塑性を制御する能力を検定・評価する。その結果に基づき所望の物質を選抜する。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、哺乳動物における神経細胞可塑性を制御するための薬剤の有効成分として使用し得る物質を探索するために使用される、神経細胞可塑性を制御する能力を検定する方法等が提供可能となった。
[配列表フリーテキスト]
配列番号7
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号8
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号9
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号10
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号11
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号12
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号13
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号14
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号15
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号16
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号17
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号18
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号19
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号20
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号21
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号22
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号23
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号24
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号25
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号26
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号27
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号28
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号29
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号30
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号31
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号32
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
【0043】
【配列表】
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for assaying the ability to control neuronal plasticity and the like.
[0002]
[Prior art]
The cranial nerve function is built on the neural circuit made by a wide variety of nerve cells. This complex and accurate network is formed by the nerve axon being accurately guided to the target cell and synapse with the correct target cell. In this induction / connection process, nerve axon elongation is controlled (promotion, inhibition, attraction, repulsion, etc.).
Recent studies have shown that the decline in cognitive ability associated with normal aging is due to nerve dysfunction rather than the loss of neurons and synapses. Such nerve dysfunction has some structural plasticity (remodeling: hereinafter also referred to as nerve cell plasticity) of two types of projections (neuron dendrites and nerve axons) possessed by neurons. This is thought to be caused by the failure to maintain the normal state due to the cause. Similarly, abnormalities in neuronal plasticity are considered to be one of the etiologies in mental retardation, cognitive dysfunction due to Alzheimer's disease, and the like.
Therefore, by properly controlling the plasticity of nerve cells, it becomes possible to effectively improve cognitive dysfunction due to aging, mental retardation, cognitive dysfunction due to Alzheimer's disease, and the like.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, there is a demand for the development of a drug for controlling nerve cell plasticity in mammals. In order to search for a substance that can be used as an active ingredient of such a drug, a method for testing the ability to control nerve cell plasticity Development was desired.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies under such circumstances, the present inventors have expressed the expression of proteins that have been reported to be involved in the control of neuronal plasticity, such as Eph A receptor and Rho GDP dissociation inhibitor (or Rho GTPase inhibitor). The present inventors have found that a certain type of transcriptional regulatory factor controls and have reached the present invention.
That is, the present invention
1. A method for testing an ability to control neuronal plasticity dependent on a transcriptional regulatory factor having any of the following amino acid sequences (hereinafter sometimes referred to as the present amino acid sequence):
(1) a first step of bringing a test substance into contact with a mammalian cell expressing the transcription regulatory factor; and
(2) After the first step, the expression level of the marker protein gene present on the transcription regulatory factor-dependent neuronal plasticization pathway in the mammalian cell or an index value correlated with the amount is measured. Two steps, and
(3) a step of evaluating the ability of the test substance based on the expression level measured in the second step or the index value having a correlation with the amount,
(Hereinafter sometimes referred to as the present invention assay method),
<Amino acid sequence group>
(A) the amino acid sequence represented by any one of SEQ ID NOs: 1 to 3,
(B) an amino acid sequence of a protein having an amino acid sequence showing 90% or more amino acid identity to the amino acid sequence represented by any one of SEQ ID NOs: 1 to 3 and having transcriptional regulatory ability;
(C) It has an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 102 to 2507 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 4, and transcriptional regulation An amino acid sequence of a protein having
(D) It has an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 51 to 2456 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 5 and transcriptional regulation An amino acid sequence of a protein having
(E) It has an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 35 to 2440 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 6, and transcriptional regulation An amino acid sequence of a protein having an ability;
2. A method for assaying the ability to control neuronal plasticity dependent on a transcriptional regulator having this amino acid sequence,
(1) a first step of bringing a test substance into contact with a transformed mammalian cell into which a gene having a base sequence encoding this amino acid sequence has been introduced; and
(2) After the first step, the expression level of the marker protein gene present on the transcription regulatory factor-dependent nerve cell plasticizing pathway or the index value correlated with the amount is measured in the transformed mammalian cell A second step, and
(3) a step of evaluating the ability of the test substance based on the expression level measured in the second step or the index value having a correlation with the amount,
An assay method characterized by comprising:
3. The assay method according to item 1 or 2, wherein the marker protein gene is an Eph A receptor gene or a Rho GDP dissociation inhibitor gene;
4). The assay method according to item 1 or 2, wherein the marker protein gene is an Eph A receptor gene and a Rho GDP dissociation inhibitor gene;
5. The test substance has the expression level of the marker protein gene or the difference obtained by comparing the index value correlated with the expression level in the group using two or more different substances as the test substance independently. 3. The test method according to item 1 or 2, wherein the ability is evaluated.
6). 6. The assay method according to item 5 above, wherein at least one of the two or more different substances is a substance not having the ability;
7). A method for searching for a substance having the ability to control neuronal plasticity dependent on a transcriptional regulatory factor having this amino acid sequence, wherein the substance has the ability based on the ability evaluated by the assay method according to item 1 or 2. A search method characterized by selecting (hereinafter also referred to as the present invention search method);
8). A nerve cell comprising a substance selected by the searching method according to the preceding item 7 or a pharmaceutically acceptable salt thereof as an active ingredient, wherein the active ingredient is formulated into a pharmaceutically acceptable carrier. A plasticity modifier (hereinafter sometimes referred to as the present nerve cell plasticity regulator);
9. Use of DNA having a base sequence encoding this amino acid sequence for controlling neuronal plasticity in mammalian cells;
10. Transcription regulator-dependent neuronal plasticization pathway having any of the following amino acid sequences in the cell by providing the foreign DNA to the mammalian cell so that the DNA is placed in a position where the DNA is expressed in the cell Use of DNA having a base sequence encoding any one of the following amino acid sequences as foreign DNA for controlling the expression of the marker protein gene present above;
Etc. are provided.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
In the present invention, “a transcriptional regulatory factor having any of the following amino acid sequences” (hereinafter sometimes referred to as the present transcriptional regulatory factor) is a basic helix-loop-helix: (Hereinafter referred to as bHLH.) A protein having a motif and a PAS domain (Per-Arnt-Sim homology domain), which forms a heterodimer and binds to DNA having a specific base sequence to regulate transcription It is a protein that functions as a factor and is involved in the control of neuronal plasticity.
As used herein, “neural cell plasticity dependent on a transcriptional regulatory factor having any of the following amino acid sequences (ie, the present amino acid sequence)” refers to a transcriptional regulatory factor having the present amino acid sequence (ie, the present transcriptional regulatory factor). ) Is involved, and is subject to control when cascade reactions such as metabolic processes and signal transduction involving the transcription factor occur. Such a cascade reaction is described as “the transcription regulatory factor-dependent neuronal plasticization pathway (ie, having the present amino acid sequence)” in the present invention. In addition, a protein that is included in the pathway and is subject to expression regulation, and that can be used as a measure of neuronal plasticity in the present invention is referred to as “depending on the transcription regulator (that has this amino acid sequence). -"Marker protein present on the nerve cell plasticization pathway". Specifically, for example, Eph A receptor, Rho GDP dissociation inhibitor (or Rho GTPase inhibitor) and the like can be mentioned.
The Eph A receptor is a tyrosine kinase-type cell membrane receptor and is widely known to be involved in brain development. Recently, it has been shown that Eph A receptor is expressed in the adult brain, particularly the hippocampus, and observation of LTP (long-term enhancement of synaptic transmission efficiency) and behavioral changes when agonists and antagonists of the receptor are administered to the hippocampus. Several studies have led to evidence that the receptor is involved in synaptic plasticity, learning and memory. It has also been observed that the receptor is involved in memory enhancement.
Rho is one of intracellular signaling substances, and is a protein that is widely known to be involved in control of cell proliferation, regulation of cell adhesion formation, structure formation of the actin cytoskeleton, and the like. As a factor that controls Rho activation, there is a regulatory factor (inhibitory protein) called Rho GDP dissociation inhibitor (or Rho GTPase inhibitor). Rho GDP dissociation inhibitor forms a complex with Rho's GDP binding type and prevents Rho from becoming GTP binding type (Rho active type), and thus inhibits Rho activation (Rho GTPase activity). Rho GDP dissociation inhibitors are thought to regulate neuronal plasticity by controlling Rho GTPase activity as described above.
[0006]
The “transcriptional regulatory factor having any of the following amino acid sequences (ie, the present amino acid sequence) (ie, the present transcriptional regulatory factor)” used in the assay method of the present invention is represented by any one of SEQ ID NOs: 1 to 3. A protein having the amino acid sequence (that is, the present amino acid sequence) (here, the protein having the present amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 is a human transcriptional regulatory factor, and the present amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 2) And the protein having the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 3 is a rat-derived transcriptional regulatory factor derived from a rat). A protein having an amino acid sequence showing 90% or more amino acid identity with respect to the amino acid sequence shown in FIG. A protein having an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with a DNA comprising the base sequence represented by the numbers 102 to 2507, and having transcriptional regulatory ability, a base sequence represented by SEQ ID NO: 5 A protein having an amino acid sequence encoded by a DNA that hybridizes under stringent conditions with a DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 51 to 2456 of FIG. A protein having an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 35 to 2440 of the base sequence and having transcriptional regulation ability is included. Such a protein preferably has a molecular weight of about 80,000 to 100,000 as a molecular weight in SDS-PAGE.
Examples of the difference from the amino acid sequence represented by any one of SEQ ID NOs: 1 to 3 found in the amino acid sequence of this transcriptional regulatory factor include amino acid deletion, substitution, modification, addition and other mutations. These include naturally occurring mutations such as differences in amino acid sequences due to differences in animal strains, individuals, organs, tissues, etc., in addition to mutations that can be artificially introduced by site-specific mutagenesis or mutation treatment. Type mutations are also included.
[0007]
In the present invention, “sequence identity” refers to the identity and homology of two base sequences or two amino acid sequences. The “sequence identity” is determined by comparing two sequences that are optimally aligned over the entire region of the sequence to be compared. Here, addition or deletion (for example, a gap) may be allowed in the optimal alignment of the base sequence or amino acid sequence to be compared. Such sequence identity can be determined, for example, by FASTA [Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 4, 2444-2448 (1988)], BLAST [Altschul et al., Journal of Molecular Biology, 215, 403- 410 (1990)], CLUSTAL W [Thompson, Higgins & Gibson, Nucleic Acid Research, 22, 4673-4680 (1994a)] and the like. The above program is, for example, DNA Data Bank of Japan [International DNA Data Bank operated within the Center for Information Biology and DNA Data Bank of Japan (CIB / DDBJ)] Is generally available on the homepage (http://www.ddbj.nig.ac.jp). Sequence identity can also be determined using commercially available sequence analysis software such as Vector NTI, GENETYX-WIN Ver.5 (Software Development Co., Ltd.).
The amino acid identity in the present invention is preferably 90% or more, for example.
[0008]
In addition, as the above-mentioned “DNA that hybridizes under stringent conditions”, for example, a high ion concentration [for example, 6XSSC (900 mM sodium chloride, 90 mM sodium citrate) or the like is used. Are hybridized under a temperature condition of 65 ° C. to form a DNA-DNA hybrid, and a low ion concentration [for example, 0.1 × SSC (15 mM sodium chloride, 1.5 mM sodium citrate) or the like is used. The DNA that can maintain the hybrid even after washing for 30 minutes at a temperature of 65 ° C. can be mentioned. The transcriptional regulatory ability of the transcriptional regulatory factor can be evaluated based on, for example, an assay using a reporter gene described below.
[0009]
A gene having a base sequence encoding the amino acid sequence of the transcriptional regulatory factor (hereinafter referred to as the transcriptional regulatory factor gene) is obtained from, for example, J. Sambrook, EFFrisch, T from animal tissues such as humans, mice, and rats. By Maniatis; Molecular Cloning 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory (published by Cold Spring Harbor Laboratory, 1989), etc.
Specifically, first, total RNA derived from animal tissues such as humans, mice, and rats is prepared. For example, brain tissue is pulverized in a solution containing a protein denaturant such as guanidine hydrochloride or guanidine thiocyanate, and the protein is denatured by adding phenol, chloroform or the like to the pulverized product. After removing the denatured protein by centrifugation or the like, total RNA is extracted from the collected supernatant fraction by a method such as guanidine hydrochloride / phenol method, SDS-phenol method, guanidine thiocyanate / CsCl method or the like. An example of a commercially available kit based on these methods is ISOGEN (manufactured by Nippon Gene). Using the obtained total RNA as a template, an oligo dT primer is annealed to the poly A sequence of RNA, and single-stranded cDNA is synthesized by reverse transcriptase. Next, double-stranded cDNA is synthesized using E. coli DNA polymerase I using the synthesized single-stranded cDNA as a template and RNA obtained by adding nicks and gaps to the RNA strand using E. coli RNaseH. To do. Furthermore, both ends of the synthesized double-stranded cDNA are smoothed with T4 DNA polymerase. The double-stranded cDNA with blunt ends is purified and recovered by conventional methods such as phenol-chloroform extraction and ethanol precipitation. Examples of commercially available kits based on these methods include cDNA synthesis system plus (Amersham Pharmacia Biotech) and TimeSaver cDNA synthesis kit (Amersham Pharmacia Biotech). Next, the obtained double-stranded cDNA is ligated with a vector such as plasmid pUC118 or phage λgt10 using a ligase to prepare a cDNA library. In addition, as a cDNA library, it is also possible to use a commercially available cDNA library (GIBCO-BRL, Clontech, etc.).
In addition, from tissue pieces of animals such as humans, mice, and rats, for example, by J. Sambrook, EFFrisch, T. Maniatis; Molecular Cloning 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory (Cold Spring Harbor Laboratory published) 1989), Masamura Muramatsu, “Lab Manual Genetic Engineering” (Maruzen 1988), etc., to prepare genomic DNA. For example, in the case where the sample is hair, two to three hairs are washed with sterilized water and then with ethanol, and then cut into a length of 2 to 3 mm, and then BCL-Buffer [10 mM Tris-HCl (pH 7.5 ), 5 mM MgCl 2 , 0.32M Sucrose, 1 Triton X-100], 200 μl, and proteinase K to a final concentration of 100 μl / ml and SDS to a final concentration of 0.5 (w / v) are added and mixed. This mixture is incubated at 70 ° C. for 1 hour, and then subjected to phenol / chloroform extraction to obtain genomic DNA. When the sample is peripheral blood, genomic DNA can be obtained by treating the sample with a DNA-Extraction kit (Stratagene) or the like. A genomic DNA library is obtained by ligating the obtained genomic DNA with a vector such as λgt10 using a ligase. As a genomic DNA library, a commercially available genomic DNA library (manufactured by Stratagene, etc.) can also be used.
[0010]
From the cDNA library or genomic DNA library as described above, for example, a partial base sequence of the base sequence represented by any of SEQ ID NOs: 4, 5, 6 or 33 (or 34) or complementary to the partial base sequence Polymerase chain reaction (hereinafter referred to as PCR) using an oligonucleotide having a base sequence as a primer, a base sequence represented by any of SEQ ID NOs: 4, 5, 6 or 33 (or 34) or a portion of the base sequence The transcriptional regulatory factor gene can be obtained by a hybridization method using DNA having a base sequence as a probe.
As a primer used for PCR, for example, an oligonucleotide having a length of about 10 bases to about 50 bases having a base sequence represented by any of SEQ ID NOs: 4, 5, 6 or 33 (or 34) An oligonucleotide having a base sequence selected from the 5 ′ untranslated region and a base sequence selected from the 3 ′ untranslated region of the base sequence represented by any of SEQ ID NOs: 4, 5, 6 or 33 (or 34) Examples include oligonucleotides having a complementary base sequence. Specifically, examples of the forward primer include an oligonucleotide having a base sequence represented by SEQ ID NO: 7 and an oligonucleotide having a base sequence represented by SEQ ID NO: 8. In addition, examples of the reverse primer include an oligonucleotide having a base sequence represented by SEQ ID NO: 9 and an oligonucleotide having a base sequence represented by SEQ ID NO: 10. The PCR conditions include, for example, 5 μl of 10-fold concentrated buffer for LA-Taq polymerase (Takara Shuzo), 2.5 mM dNTP mixture (each containing 2.5 mM dATP, dGTP, dCTP and dTTP in 50 μl of the reaction solution) .) 5 μl (final concentrations of dATP, dGTP, dCTP and dTTP are each 0.25 mM), 20 μM primer 0.25 to 1.25 μl each (final concentration is 0.1 to 0.5 μM), template cDNA 0.1 to 0.5 μg, LA-Taq polymerase (Takara Shuzo) For example, in a reaction solution having a composition containing 1.25 units, a temperature of 95 ° C. for 1 minute and then a temperature of 68 ° C. for 3 minutes is set as one cycle, and this is performed for 35 cycles.
[0011]
Examples of probes used in the hybridization method include DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 102 to 2507 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 4, and base numbers 51 to 2456 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 5. DNA consisting of the base sequence represented by SEQ ID NO: 6, DNA comprising the base sequence represented by base numbers 35 to 2440 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 6, and base numbers 1419 to 6164 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 33 DNA having a base sequence to be prepared, or DNA having a partial base sequence of these DNAs. As hybridization conditions, for example, 6 × SSC (0.9 M sodium chloride, 0.09 M sodium citrate), 5 × Denhardt's solution (0.1 (w / v) Ficoll 400, 0.1 (w / v) polyvinylpyrrolidone, 0.1 ( w / v) BSA), 0.5 (w / v) SDS and 100 μg / ml denatured salmon sperm DNA, incubated at 65 ° C., then 1 × SSC (0.15 M sodium chloride, 0.015 M sodium citrate) and 0.5 (w / v) Incubate twice at room temperature for 15 minutes in the presence of SDS, and further in the presence of 0.1 × SSC (0.015M sodium chloride, 0.0015M sodium citrate) and 0.5 (w / v) SDS, 68 An example of the condition is that the temperature is kept at 30 ° C. for 30 minutes. Further, for example, 5x SSC, 50 mM HEPES pH 7.0, 10x Denhardt solution and 20 μg / ml denatured salmon sperm DNA were incubated at 65 ° C, then incubated in 2x SSC at room temperature for 30 minutes, and further 0.1x SSC Among them, the conditions for carrying out the heat insulation at 65 ° C. for 40 minutes twice may be mentioned.
The transcription regulatory factor gene can be obtained, for example, based on the nucleotide sequence represented by any of SEQ ID NOs: 4, 5, 6 or 33 (or 34), for example, the phosphite triester method (Hunkapiller, M. et al. , Nature, 310, 105, 1984) and the like, and can also be prepared by performing chemical synthesis of nucleic acids.
[0012]
The transcription factor gene thus obtained is, for example, published by J. Sambrook, EFFrisch, T. Maniatis; Molecular Cloning 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory And can be cloned into a vector according to the genetic engineering method described in 1989 and the like. Specifically, for example, cloning can be performed using a commercially available plasmid vector such as TA cloning kit (Invitrogen) or pBluescriptII (Stratagene).
The base sequence of the transcription factor gene thus obtained is determined by the Maxam Gilbert method (for example, described in Maxam, AM & W. Gilbert, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 560, 1977) or the Sanger method ( (For example, it is described in Sanger, F. & ARCoulson, J. Mol. Biol., 94, 441, 1975, Sanger, F, & Nicklen and ARCoulson., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 5463, 1977, etc.) Etc. can be confirmed.
Specific examples of the transcription regulatory factor gene include DNA having the base sequence represented by base numbers 102 to 2507 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 4, and base numbers 51 to 2456 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 5. DNA having the nucleotide sequence represented, nucleotide sequence represented by nucleotide numbers 35 to 2440 of the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 6, nucleotide sequence represented by nucleotide numbers 1419 to 6164 of the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 33 And the like having DNA.
This transcriptional regulator gene is provided as a foreign DNA to the cell so that it is placed at a position where it is expressed in the mammalian cell, whereby the transcriptional regulator-dependent neuronal plasticization pathway in the mammalian cell. It can also be used to regulate the expression of the marker protein gene present above.
[0013]
The transcriptional regulatory factor gene can be propagated autonomously, including a vector (hereinafter referred to as a basic vector) that can be used in a host cell into which the gene is introduced, for example, genetic information that can be replicated in the host cell, The transcription regulator gene vector can be constructed by incorporating it into a vector having a detectable marker, which can be isolated and purified from the host cell, in accordance with ordinary genetic engineering techniques.
Specific examples of basic vectors that can be used for the construction of this transcriptional regulator gene vector include plasmid pUC119 (Takara Shuzo), phagemid pBluescriptII (Stratagene), etc., when Escherichia coli is used as a host cell. be able to. When budding yeast is used as a host cell, plasmids pGBT9, pGAD424, pACT2 (manufactured by Clontech) and the like can be mentioned. When mammalian cells are used as host cells, plasmids such as pRc / RSV and pRc / CMV (Invitrogen), bovine papillomavirus plasmid pBPV (Amersham Pharmacia Biotech) or EB virus plasmid pCEP4 (Invitrogen) Examples include vectors containing autonomous origins of replication such as viruses, viruses such as vaccinia viruses, and the like, and insect viruses such as baculoviruses when insect animal cells are used as host cells. In order to incorporate this transcription regulatory factor gene into a virus such as baculovirus or vaccinia virus, a transfer vector containing a base sequence homologous to the genome of the virus to be used can be used. Specific examples of such transfer vectors include pVL1392, pVL1393 (Smith, GE, Summers MD et al .: Mol. Cell. Biol., 3, 2156-2165 (1983)), pSFB5 commercially available from Pharmingen. (Funahashi, S. et al .: J. Virol., 65, 5584-5588 (1991)). When the transcription regulator gene is inserted into the transfer vector as described above, and the transfer vector and the viral genome are simultaneously introduced into a host cell, homologous recombination occurs between the transfer vector and the viral genome, and the transcription is performed. It is possible to obtain a virus in which a regulator gene is embedded in the genome. As the viral genome, genomes such as Baculovirus, Adenovirus, and Vacciniavirus can be used.
More specifically, for example, when the transcriptional regulatory factor gene is incorporated into a baculovirus, the transcriptional regulatory factor gene is inserted into a multicloning site such as transfer vectors pVL1393 and pVL1392, and then the DNA of the transfer vector and Baculovirus genome DNA ( Baculogold (manufactured by Pharmingen) is introduced into insect cell strain Sf21 (available from ATCC) by the calcium phosphate method or the like, and the resulting cells are cultured. Virus containing the genome of the virus into which the transcription factor gene has been inserted is recovered from the culture solution by centrifugation or the like, and the virus particles containing the transcription factor gene are removed by deproteinization with phenol or the like. The genome of can be obtained. Furthermore, by introducing the genome of the virus into a host cell having the ability to form virus particles such as an insect cell strain Sf21 by the calcium phosphate method or the like, and culturing the resulting cells, virus particles containing the transcription regulator gene are obtained. Can be increased.
On the other hand, the transcription factor gene can be directly integrated into a relatively small genome such as a murine leukemia retrovirus without using a transfer vector. For example, the viral vector-DC (X) (Eli Gilboa et al., BioTechniques, 4, 504-512 (1986)) or the like incorporates the transcription regulatory gene into the cloning site on the vector. By introducing the obtained viral vector into which the transcription factor gene is incorporated into a packaging cell such as Ampli-GPE (J. Virol., 66, 3755 (1992)), Viral particles containing the inserted viral genome can be obtained.
[0014]
The transcription regulator gene is expressed in the host cell by binding a promoter capable of functioning in the host cell upstream of the transcription regulator gene and incorporating it into the basic vector as described above. The present transcription regulator gene vector can be constructed. Here, “to bind in a functional manner” means that the transcription factor gene and the transcription factor are expressed in the host cell into which the transcription factor gene is introduced so that the transcription factor gene is expressed under the control of the promoter. It means to bind a regulator gene. Examples of a promoter that can function in a host cell include DNA that exhibits promoter activity in the host cell into which it is introduced. For example, when the host cell is Escherichia coli, the E. coli lactose operon promoter (lacP), tryptophan operon promoter (trpP), arginine operon promoter (argP), galactose operon promoter (galP), tac promoter, T7 Promoters, T3 promoters, λ phage promoters (λ-pL, λ-pR), and the like. When the host cell is an animal cell or fission yeast, for example, the rous sarcoma virus (RSV) promoter, site Examples include megalovirus (CMV) promoter, simian virus (SV40) early or late promoter, mouse papilloma virus (MMTV) promoter, and the like. In the case where the host cell is budding yeast, ADH1 promoter) and the like can be mentioned.
In addition, when using a basic vector that already has a promoter that functions in the host cell, this transcription is downstream of the promoter so that the promoter possessed by the vector and the transcription factor gene are linked in a functional manner. What is necessary is just to insert a regulator gene. For example, the plasmids pRc / RSV, pRc / CMV, etc. described above have a cloning site downstream of a promoter that can function in animal cells, and the transcription regulator gene is inserted into the cloning site and introduced into animal cells. Thus, the transcription factor gene can be expressed. Since these plasmids have SV40 autonomous replication origin (ori) incorporated in advance, when the plasmid is introduced into cultured cells transformed with the SV40 genome lacking ori, such as COS cells, The number of copies of the plasmid is greatly increased, and as a result, the present transcription regulator gene incorporated into the plasmid can be expressed in a large amount. The yeast plasmid pACT2 has an ADH1 promoter, and if the transcription regulator gene is inserted downstream of the ADH1 promoter of the plasmid or its derivative, the transcription regulator gene can be expressed, for example, by CG1945 (manufactured by Clontech). This transcriptional regulatory factor gene vector that can be expressed in a large amount in budding yeast such as
[0015]
A transformant can be obtained by introducing the constructed transcription regulator gene vector into a host cell. As a method for introducing the present transcription regulatory factor gene vector into a host cell, a normal introduction method corresponding to the host cell can be applied. For example, when Escherichia coli is used as a host cell, J. Sambrook, EFFrisch, T. Maniatis; Molecular Cloning 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory, published in 1989, etc. Conventional methods such as the calcium chloride method and electroporation method described can be used. In addition, when a mammalian cell or insect animal cell is used as a host cell, the cell is introduced into the cell according to a general gene transfer method such as a calcium phosphate method, a DEAE dextran method, an electroporation method, or a lipofection method. can do. When yeast is used as a host cell, it can be introduced using, for example, a Yeast transformation kit (manufactured by Clontech) based on the lithium method.
When a virus is used as a vector, the virus genome can be introduced into a host cell by a general gene transfer method as described above, and a virus particle containing the virus genome into which the transcription factor gene is inserted. The virus genome can also be introduced into a host cell by infecting the host cell.
[0016]
In order to select the transformant, for example, a marker gene may be introduced into a host cell simultaneously with the transcription regulatory factor gene vector, and the cell may be cultured by a method according to the property of the marker gene. For example, when the marker gene is a gene that confers drug resistance to a selected drug exhibiting lethal activity in the host cell, the host cell into which the transcription factor gene vector is introduced using a medium to which the drug is added Can be cultured. Examples of combinations of a drug resistance-conferring gene and a selective drug include, for example, a combination of a neomycin resistance-conferring gene and neomycin, a combination of a hygromycin resistance-conferring gene and hygromycin, and a blasticidin S resistance-conferring gene and blasticidin S. Combinations can be given. In addition, when the marker gene is a gene that complements the auxotrophy of the host cell, the cells into which the transcription regulator gene vector has been introduced may be cultured using a minimal medium that does not contain the nutrient.
In order to obtain a transformant in which the transcription regulator gene is introduced into the host cell chromosome, for example, the transcription regulator gene vector and a vector having a marker gene are linearized by digestion with a restriction enzyme or the like. Then, these are introduced into a host cell by the above-described method, and the cell is usually cultured for several weeks, and the target transformant is selected and obtained using the expression of the introduced marker gene as an index. . In addition, for example, the transcription regulator gene vector having a gene for imparting resistance to a selective drug as described above as a marker gene is introduced into a host cell by the above-described method, and the cell is cultured in a medium to which the selective drug is added for several weeks or more. By subculturing and purifying the selected drug-resistant clones that have survived in a colony state, a transformant in which the transcription regulatory factor gene is introduced into the host cell chromosome can also be selected and obtained. In order to confirm that the introduced transcription factor gene has been integrated into the host cell chromosome, the genomic DNA of the cell is prepared according to the usual genetic engineering method, and introduced from the prepared genomic DNA. This transcription regulator gene can be obtained using a method such as PCR using primers having oligonucleotides having a partial base sequence of the present transcription regulator gene as primers and Southern hybridization using the introduced transcription regulator gene as a probe. What is necessary is just to detect presence of. Such a transformant can be cryopreserved and can be used after sleeping, if necessary, so that it is possible to save time and effort for preparing the transformant for each experiment. It becomes possible to carry out the test using the confirmed transformant.
[0017]
The transcriptional regulatory factor can be produced by culturing the transformant obtained as described above.
For example, when the transformant is a microorganism, the transformant is cultured using various media appropriately containing a carbon source, a nitrogen source, an organic or inorganic salt, etc., used for normal culture in general microorganisms. be able to. The culture is carried out according to the usual method for general microorganisms, and solid culture, liquid culture (swivel shaking culture, reciprocating shaking culture, JarFermenter culture, tank culture, etc.) are possible. The culture temperature and the pH of the medium can be appropriately selected from the range in which the microorganism grows. For example, the culture is generally performed at a culture temperature of about 15 ° C. to about 40 ° C. and a medium pH of about 6 to about 8. It is. The culture time varies depending on various culture conditions, but is usually about 1 day to about 5 days. Has an inducible promoter such as a temperature shift type or IPTG inductive type
When the expression vector is used, the induction time is preferably within one day, usually several hours.
In addition, when the transformant is an animal cell such as a mammal or an insect, the transformant can be cultured using a medium used for normal culture in general cultured cells. When the transformant is produced using a selective drug, it is desirable to culture in the presence of the selective drug. In the case of mammalian cells, for example, using a DMEM medium (Nissui, etc.) supplemented with FBS to a final concentration of 10% (w / v), 37 ° C, 5% CO 2 Incubate while changing to a new culture solution every few days under the conditions such as the presence. Once the cells have grown to confluence, add PBS solution with trypsin so that the concentration is about 0.25% (w / v), for example, and disperse the cells in several times. Continue. Similarly, in the case of insect animal cells, for example, using a culture solution for insect cells such as Grace's medium containing 10% (v / v) FBS and 2% (w / v) Yeastlate at a culture temperature of 25 ° C to 35 ° C. What is necessary is just to culture. At this time, in the case of cells that are easily detached from the petri dish such as Sf21 cells, subculture can be performed by dispersing by pipetting without using a trypsin solution. In the case of a transformant containing a viral vector such as baculovirus, the culture time is preferably set to 72 hours after the virus infection, for example, before the cytoplasmic effect appears and the cells die.
The transcriptional regulatory factor produced by the transformant can be appropriately recovered by a combination of ordinary isolation and purification methods. For example, after completion of the culture, the transformant cells are centrifuged or the like. After the collected cells are suspended in a normal buffer, they are disrupted with polytron, sonication, Dounce homogenizer, etc., and the disrupted solution is centrifuged to collect the supernatant fraction. A fraction containing the factor can be obtained. Furthermore, the purified transcription factor can be recovered by subjecting the supernatant fraction to various types of chromatography such as ion exchange, hydrophobicity, gel filtration, and affinity. Further, when the polypeptide having the transcriptional regulatory factor or a partial amino acid sequence thereof is produced as a fusion protein with GST, it can be purified by affinity chromatography using glutathione sepharose (manufactured by Amersham Pharmacia). .
The transcriptional regulatory factor thus produced can be used, for example, as an immunizing antigen for producing an antibody that recognizes the transcriptional regulatory factor or a polypeptide having a partial amino acid sequence thereof. It can also be used in assays for screening substances that bind to factors.
[0018]
Using the transcriptional regulatory factor produced as described above as an immunizing antigen, for example, animals such as mice, rabbits, chickens, etc., described by Frederick M. Ausubel et al .; Short Protocols in Molecular Biology 3nd Edition, John Wiley & Sons, Inc. By immunizing according to an immunological method, an antibody that recognizes a polypeptide having the present transcription regulatory factor or a partial amino acid sequence thereof can be prepared. Specifically, for example, first, the transcriptional regulatory factor used as an antigen and complete Freunds adjuvant are mixed and emulsified. The resulting emulsion is administered subcutaneously to rabbits. About 4 weeks later, the antigen mixed with incomplete Freunds adjuvant and emulsified is administered. If necessary, administration is similarly performed every two weeks. Blood is collected to prepare a serum fraction, and the antibody titer against this transcriptional regulatory factor is confirmed. By fractionating a serum fraction having an antibody titer that recognizes the transcriptional regulatory factor or a polypeptide having a partial amino acid sequence obtained in this manner according to the usual ammonium sulfate precipitation method, the transcriptional regulatory factor is obtained. Alternatively, IgG that recognizes a polypeptide having the partial amino acid sequence can be obtained.
In addition, by chemically synthesizing a polypeptide having a partial amino acid sequence of the transcriptional regulatory factor and administering it to an animal as an immunizing antigen, an antibody that recognizes the transcriptional regulatory factor or a polypeptide having the partial amino acid sequence is produced. You can also Examples of the amino acid sequence of a polypeptide used as an immunizing antigen include, for example, animal species that have as low a homology as possible with amino acid sequences of other proteins from among the amino acid sequences represented by any of SEQ ID NOs: 1 to 3, and that are immunized. An amino acid sequence having a large difference from the amino acid sequence of the transcriptional regulatory factor of the present invention is selected. A polypeptide having a length of about 10 to 15 amino acids consisting of the selected amino acid sequence is chemically synthesized according to a conventional method, crosslinked with a carrier protein such as hemocyanin of Limulus plyhemus by MBS and the like, and then the same as above. Immunize animals such as rabbits.
In this way, an antibody that recognizes the transcription regulator or a polypeptide having a partial amino acid sequence thereof can be produced.
[0019]
To test the ability to control neuronal plasticity dependent on this transcriptional regulator (hereinafter also referred to as this neural cell plasticity regulating ability), (1) mammalian cells expressing this transcriptional regulator And (2) after the first step, the expression level or amount of the marker protein gene present on the transcription regulatory factor-dependent neuronal plasticization pathway in the mammalian cell after the first step; A second step of measuring an index value having a correlation, and an assay having a step of evaluating the ability of the test substance based on the expression level measured in the second step or the index value having a correlation with the amount. The method (ie, the assay method of the present invention) can be used. At this time, for example, the expression level of the marker protein gene in the section where two or more different substances as test substances are used independently, or an index value (corresponding to the quantity) The difference is examined by comparing the measured amount). As a result, based on the obtained difference (difference between the first measurement amount and the second measurement amount), the ability of the test substance to be tested is evaluated by evaluating the ability to control the nerve cell plasticity. Based on the neuronal plasticity control ability evaluated in this way, it can be confirmed that the substance has the neuronal plasticity control ability.
Thus, the present transcription regulatory factor is used in a method for effectively analyzing the expression level of a marker protein gene present on the transcription regulatory factor-dependent neuronal plasticization pathway or an index value correlated with the amount. Can be used to test the ability of the substance to control neuronal plasticity.
[0020]
The mammalian cell used in the assay method of the present invention may be a cell isolated from a tissue, a cell forming a population having the same function / morphology, or a cell in the body of a mammal. In some cases, the cell extraction system may be used. Examples of the origin of the cells include mammals, and more specifically humans, monkeys, cows, rabbits, mice, rats, hamsters and the like.
In the first step of the assay method of the present invention, the concentration of the test substance to be contacted with the mammalian cell expressing the transcription regulatory factor is usually about 0.1 μM to about 100 μM, and preferably 1 μM to 50 μM. The time for contacting the mammalian cells with the test substance is usually about 10 minutes to 2 days, preferably about several hours to 1 day.
The environment in which the test substance is brought into contact with the mammalian cell is preferably an environment in which the vital activity of the mammalian cell is maintained. For example, an environment in which the energy source of the mammalian cell coexists can be given. Specifically, it is convenient that the first step is performed in a medium.
[0021]
Furthermore, the first step of the assay method of the present invention is, for example, a transformed mammalian cell obtained by introducing a gene having a base sequence encoding the present amino acid sequence into a mammalian cell (hereinafter referred to as the present transformed mammalian cell). In some cases, the test substance may be contacted.
In this step, the concentration of the test substance to be contacted with the transformed mammalian cell is usually about 0.1 μM to about 100 μM, and preferably 1 μM to 50 μM. The time for which the transformed mammalian cell is brought into contact with the test substance is usually preferably about 10 minutes to 2 days, more preferably about several hours to 1 day.
[0022]
The transformed mammalian cell can be prepared as follows.
By inserting the transcription factor gene into a vector that can be used in a mammalian cell into which the transcription factor gene is introduced, in such a manner that it can be expressed in a form that can be expressed by a normal genetic engineering technique. A plasmid is prepared. The promoter used here may be any promoter that can function in a mammalian cell into which the present transcription regulatory gene is introduced. For example, the SV40 virus promoter, cytomegalovirus promoter (CMV promoter), Raus Sarcoma Virus promoter (RSV) Promoter), β-actin gene promoter and the like. A commercially available vector containing such a promoter upstream of the multicloning site may be used.
Next, the plasmid is introduced into mammalian cells together with a selection marker gene. Examples of the introduction method into mammalian cells include a calcium phosphate method, an electric introduction method, a DEAE dextran method, and a micelle formation method. As the calcium phosphate method, the method described in Grimm, S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 10923-10927, etc., as the electrophoretic method and the DEAE dextran method, Ting, AT et al., The method described in EMBO J., 15, 6189-6196 etc., and the micelle formation method is the method described in Hawkins, CJ et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 13786-13790 etc. Can be mentioned. When using the micelle formation method, commercially available reagents such as Lipofectamine (manufactured by Gibco) and Fugene (manufactured by Boehringer) may be used.
The transformed mammalian cell can be obtained by culturing a mammalian cell subjected to the plasmid introduction treatment, for example, using a selection marker gene introduced together with the plasmid in a medium under selection conditions according to the selection marker gene. Cells can be selected. Further, selection may be continued to obtain the present transformed mammalian cell that has become a stable transformant in which the present transcription regulatory factor gene has been introduced into the chromosome. In order to confirm that the introduced transcriptional regulatory factor gene has been incorporated into a chromosome present in a mammalian cell, the genomic DNA of the cell is prepared according to the usual genetic engineering method, and the transcriptional regulatory gene is prepared. This transcriptional regulation in genomic DNA using PCR, which uses DNA having a partial base sequence of the factor gene as a primer, or Southern hybridization using DNA having a partial base sequence of the transcriptional regulatory factor gene as a probe What is necessary is just to detect and confirm the presence of a factor gene.
Moreover, you may prepare this transformed mammalian cell according to a normal method from the transformed non-human animal mentioned later.
[0023]
In the assay method of the present invention, as a method for measuring the expression level of the marker protein gene present on the transcription regulatory factor-dependent neuronal cell plasticization pathway or the index value correlated with the amount, for example,
(1) A method for measuring the amount of the marker protein by a radioimmunoassay (RIA) method using an antibody that specifically recognizes the marker protein, an enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA), Western blotting, or the like. ,
(2) A method for measuring the abundance of mRNA of the marker protein in the mammalian cell as an index value having a correlation with the amount of the marker protein,
(3) Measure the expression level of the marker protein using a DNA array or DNA chip that is hybridized with the marker protein and to which an oligonucleotide capable of measuring the amount of mRNA of the marker protein is immobilized. Method,
Etc.
For the quantification of mRNA in (2) above, conventional methods such as RT-PCR and Northern hybridization (eg, Sambrook J., Frisch EF, Maniatis T., Molecular Cloning 2nd edition) And the method described in Cold Spring Harbor Laboratory press).
[0024]
As described above, the expression value of the marker protein gene or the index value having a correlation with the amount in the group using two or more different substances as test substances independently, measured by the assay method of the present invention Based on the difference obtained by comparing the above, the ability of the substance to control plasticity of the nerve cell is evaluated. In this manner, the test ability of the present nerve cell plasticity control ability possessed by the test substance can be carried out.
In the assay method of the present invention, at least one of the two or more different substances may be a substance that does not have the ability to control neuronal plasticity (for example, a solvent, a test system solution that serves as a background, or the like). ) And as a reference, this nerve cell plasticity control ability of other test substances may be evaluated. Moreover, you may evaluate this nerve cell plasticity control capability which another test substance has on the basis of this nerve cell plasticity control capability which at least 1 substance has among two or more different said substances.
When the transcriptional regulatory factor and the test substance are brought into contact, the expression level of the marker protein or an index value (hereinafter referred to as measured value 1) having a correlation with the amount is expressed as the transcriptional regulatory factor and the test substance. By comparing the expression level of the marker protein when not in contact with an index value (hereinafter referred to as measurement value 2) having a correlation with the expression level of the marker protein, You may evaluate. For example, the present nerve cell plasticity control ability can be expressed as a control rate according to the following formula using the measured value.
Control rate (%) = [(measured value 1−measured value 2) / measured value 2] × 100
[0025]
In order to search for a substance having the present nerve cell plasticity control ability, a substance having this nerve cell plasticity control ability may be selected based on the present nerve cell plasticity control ability evaluated by the assay method of the present invention.
For example, a substance having a statistically significant control rate representing the ability of the test substance to control neuronal plasticity of the test substance shows a statistically significant value, specifically preferably a substance showing, for example, 30% or more, more preferably 50 % Or more is selected as a substance having the ability to control neuronal plasticity. Here, when the control rate is positive, the substance is selected as a substance having a promoting ability, and when it is negative, the substance is selected as a substance having a suppressing ability.
The substance may be any substance such as a low molecular weight compound, a protein (including an antibody) or a peptide as long as it has the ability to control neuronal plasticity.
Substances selected by the search method of the present invention have the ability to control neuronal plasticity, and are used as active ingredients of neuronal plasticity modifiers (for example, therapeutic agents such as cognitive dysfunction-improving agents and mental retardation improving agents). May be used.
[0026]
The nerve cell plasticity regulator (ie, the nerve cell plasticity regulator of the present invention) containing a substance selected by the search method of the present invention or a pharmaceutically acceptable salt thereof as an active ingredient is effective orally or parenterally. In particular, it can be administered to mammals such as humans. For example, when administered orally, the nerve cell plasticity regulator of the present invention can be used in a usual form such as a tablet, capsule, syrup, suspension or the like. In addition, when administered parenterally, the nerve cell plasticity regulator of the present invention can be used in the form of a usual solution such as a solution, emulsion, suspension or the like. Examples of a method for parenteral administration of the above-mentioned form of the present neuronal plasticity-controlling agent include an injection method and a suppository method for rectal administration.
In the above-mentioned appropriate dosage form, a substance selected by the search method of the present invention or a pharmaceutically acceptable salt thereof is added to an acceptable normal carrier, excipient, binder, stabilizer, diluent, etc. Can be manufactured. When used in an injection form, acceptable buffering agents, solubilizing agents, isotonic agents and the like can be added.
The dosage varies depending on the age, sex, body weight, degree of disease, type of inhibitor of the exacerbation factor of arteriosclerosis, administration form, etc. of the mammal to be administered. About 1 mg to about 2 g as an active ingredient amount per dose, preferably about 5 mg to about 1 g as an active ingredient amount may be administered, and in the case of injection, about 0.1 mg to about 500 mg as an active ingredient amount may be administered as an adult. Good. In addition, the above-mentioned daily dose can be administered once or divided into several times.
Examples of the diseases considered to be applicable to the nerve cell plasticity regulator of the present invention include diseases such as cognitive dysfunction due to the elderly, mental retardation, and cognitive dysfunction due to Alzheimer's disease.
[0027]
This transcriptional regulator gene is provided as a foreign gene to a mammalian cell so that it is placed at a position where it is expressed in the cell, whereby the transcriptional regulator-dependent neuronal plasticization in the mammalian cell It can also be used to promote the expression of a marker protein gene present on the pathway.
Examples of mammalian cells include cells derived from mammals such as humans, monkeys, mice, rats, and hamsters. The cell may be a cell isolated from a tissue, a cell forming a group having the same function / morphology, or a cell in the body of the mammal. Therefore, when the mammal is a human, it means from a human cell subjected to general gene therapy to a cell line used for various experiments, and when the mammal is a non-human animal. The term means cells from non-human animals subjected to gene therapy in general to cells of model animals and cell lines used in various experiments. In the latter case, rats, mice and the like can be mentioned as preferred animal species. Furthermore, the case where a mammalian cell is a cell in the body of a mammal that can be diagnosed as suffering from a disease with mental retardation or Alzheimer's disease can be given as a more specific example.
[0028]
Preparation of the transcription regulatory factor gene may be performed according to a method equivalent to that described above. It can also be prepared by an in vivo transcription system that expresses the transcription factor gene under the control of a highly efficient promoter (eg, human cytomegalovirus promoter). By preparing a transformed cell as described below using the prepared gene, a transformed cell provided so that the gene is placed at a position where it is expressed in a mammalian cell can be obtained.
In the expression promoting method of the present invention, “placed at the position to be expressed” means that the DNA molecule directs transcription and translation from its base sequence (that is, RNA encoding the transcription regulatory factor and the transcription regulation, for example). It means that it is located adjacent to the base sequence (which promotes the production of factors).
The expression level of the transcriptional regulatory factor may be an amount that is sufficient to control the expression of the marker protein gene as compared to cells not provided with the transcriptional regulatory factor gene. In this case, the transcription regulatory factor gene may be DNA encoding the entire transcription regulatory factor or DNA encoding a part of the protein.
In the above expression promoting method, expression of the marker protein gene may be controlled by providing the transcription regulatory factor gene to a mammalian cell so that it is integrated into the genome.
[0029]
In the above expression promoting method, the gene is introduced into a gene construct (hereinafter also referred to as the present gene construct) used for introducing the transcription regulatory factor gene into a mammalian cell and the transfer delivery means. Retroviral vectors, adenoviral vectors, adeno-associated viral vectors or other viral vectors that have an affinity for mammalian cells to be used can be used. Specifically, see, for example, Miller, Human Gene Therapy 15-14, 1990; Friedman, Science 244: 1275-1281, 1989; Eglitis and Anderson, BioTechniques 6: 608-614. 1988; Tolstoshev and Anderson, current opinion in Biotechnology 1; 55-61, 1990; Sharp, The Lancet 337: 1277-1278, 1991; Cornetta et al., Nucleic Acid Research and Molecular Biology 36: 311-322, 1987; Anderson, Science 22-: 401-409, 1984; Moen, Blood Cells 17: 407-416, 1991; Miller et al., Biotechniques 7: 980 To 990, 1989; Le Gai La Salle et al., Science 259: 988-990, 1993; and Johnson, Chest 107: 77S-83S, 1995, and the like. Rosenberg et al. Engl. J. Med 323: 370, 1990; Anderson et al., US Pat. No. 5,399,346, etc., are particularly well developed and already used in clinical settings.
Further, as a means for transferring and delivering the DNA of the present invention, a non-viral technique can also be used. See, for example, Felgner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7413, 1987; Ono et al., Neurosci. Lett. 117: 259, 1990; Brigham et al., Am. J. Med. Sci. 298: 278, 1989; Staubinger et al., Meth. Enz. 101: 512, 1983), asialosonucoid polylysine conjugation (Wu et al., J. Biol. Chem. 263: 14621, 1988; Wu et al., J. Biol. Chem. 264: 16985, 1989, etc. And the microinjection, calcium phosphate method, DEAE dextran method, electroporation method and protoplast fusion method, and liposome method described in Wolff et al., Science 247: 1465, 1990.
[0030]
In the present gene construct, the present transcription regulatory factor gene may be placed under the control of a promoter that constitutively expresses the DNA. For example, SV40 virus promoter, cytomegalovirus promoter (CMV promoter), Raus Sarcoma Virus promoter (RSV promoter), β-actin gene promoter and the like can be mentioned.
Further, the transcription regulatory factor gene may be placed under the control of a promoter that regulates the expression of the gene by environmental stimulation. For example, the gene may be expressed using a chemical signal or an exogenous signal such as drug stimulation or a promoter activated by the introduction of a drug.
In addition, the transcription regulatory factor gene may be placed under the control of a tissue-specific or cell type-specific promoter. Such a promoter may include a promoter element (enhancer or the like) involved in transcriptional control specific to a tissue or cell in a mammal. For example, if necessary, an enhancer known to preferentially direct the expression of DNA in nerve cells may be used to express the present transcription regulatory factor gene. In addition, when a clone of genomic DNA (for example, DNA having the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 33 or 34) encoding the transcription regulator is used as the gene construct, the original expression of the transcription regulator gene The transcription regulatory factor gene can be expressed via a cognate regulatory sequence contained in the regulatory region, and if necessary, expression can be controlled by adding any of the promoters or promoter elements described above.
A commercially available vector containing the above promoter or promoter element upstream of the multicloning site can also be used.
[0031]
When the above expression promoting method is applied as a gene therapy means, the present gene construct is preferably applied to a site where abnormal expression of the marker protein gene is expected (for example, by injection). Further, it may be applied to a tissue in the vicinity of a site where a phenomenon such as abnormal expression of the marker protein is expected or a blood vessel supplied to a cell where abnormal expression of the marker protein is expected to occur. In addition, the gene construct is introduced into a culturable cell exogenous or endogenous to the mammal to which the gene construct is to be applied, and then the introduced cell is serologically injected into the target tissue. You can also
Ideally, such gene therapy techniques should result in an expression level of the transcriptional regulator that is at least equivalent to the intracellular level of the normal transcriptional regulator in non-affected cells.
[0032]
Below, the said invention in case a mammal is a transformed non-human animal is demonstrated in detail as an example.
Examples of the method for introducing the transcription regulatory factor gene in the production of transformed non-human animals include a microinjection method, a method using a retrovirus, a method using embryonic undifferentiated cells (ES cells), and the like. Of these, the microinjection method is most widely used. The microinjection method is a method of injecting a solution containing the DNA into the pronucleus of a fertilized egg under a microscope using a micromanipulator.
First, this transcriptional regulator gene is injected into a fertilized egg. At that time, in order to integrate the gene into the chromosome with high probability, the vector region used for isolation of the gene should be removed as much as possible, the AU-rich region contributing to mRNA instability should be removed, It is preferable to use a straight chain. Moreover, it is preferable to insert an intron in advance with respect to the gene, and examples of the intron include a β-globin intron.
A fertilized egg is collected from a non-human animal of a line according to the purpose. For example, in the case of a mouse, an inbred C57BL / 6 mouse, a C3H mouse, or a cross between a C57BL / 6 mouse and another strain of mouse (for example, (C57BL / 6 × DBA / 2) F1, etc.), Examples include outbred ICR mice. A fertilized egg is usually collected from the female mouse after mating a female mouse and a male mouse in which superovulation has been induced by intraperitoneal administration of both pregnant horse serum gonadotropin and human chorionic gonadotropin. The collected fertilized eggs are placed in a culture drop, and CO 2 By culturing and maintaining in a gas incubator, it can be stored until the gene injection operation.
The gene is injected under an inverted microscope equipped with a micromanipulator. As a fertilized egg to be used, a fertilized egg that is in a developmental stage from when the male pronucleus becomes larger than the female pronucleus to when both pronuclei are fused may be used. First, a fertilized egg is fixed, and a DNA solution containing the gene is injected into the male pronucleus of the fertilized egg. The DNA solution is prepared as a complex as necessary. Examples of the substance used for forming the complex include liposomes, calcium phosphate, and retroviruses. The injection of the DNA solution can be confirmed by the swelling of the male pronucleus. Examples of the gene injection amount include an amount containing about 200 to about 3,000 copies of the gene.
[0033]
In this way, the fertilized egg into which the transcription factor gene is injected is cultured in the same manner as described above until it becomes a blastocyst, and then transplanted to the uterus of the temporary parent. Preferably, it is transplanted to the oviduct of the temporary parent immediately after the DNA injection operation. As a temporary parent, a female mouse mated with a male mouse subjected to vasectomy surgery to be in a pseudopregnant state may be used. Specifically, first, the skin and muscle layer near the kidney on the dorsal side of the female mouse are incised to draw out the ovary, fallopian tube, and uterus, and the ovarian membrane is broken to find the fallopian tube mouth. Next, fertilized eggs that survived the DNA injection operation are transferred from the fallopian tube mouth, the ovaries, fallopian tubes, and uterus are returned to the abdominal cavity, the muscle layer is sutured, and the skin is clipped. A baby is born about 20 days later.
A part of the body structure of the obtained pup, for example, a part of the tail, is cut out and the presence or absence of the gene is confirmed by Southern blotting of DNA extracted from the site. In this way, it can be confirmed that the gene has been introduced into a non-human animal. Alternatively, other methods such as a confirmation method such as PCR may be used.
[0034]
The transcriptional regulatory factor gene, which is the active ingredient of the transcriptional regulatory factor gene therapeutic agent, may be prepared as described above. For example, it may be used in the form of a recombinant vector or a recombinant virus containing the gene. Such forms include, for example, retrovirus vectors, adenovirus vectors, adeno-related vectors, herpes simplex virus vectors, SV40 vectors, polyoma virus vectors, papilloma virus vectors, picornavirus vectors and vaccinia virus vectors. Viral vectors can be used. Further, when an adenovirus vector is used, for example, using AdEasy Kit manufactured by QUANTUM, this transcriptional regulatory factor gene is incorporated into the multi-cloning site of Transfer Vector, and the resulting recombinant vector is linearized, followed by pAdEasy A recombinant virus containing this transcriptional regulatory factor gene can be produced by transforming it into E. coli with a vector and incorporating the homologous recombinant DNA into human 293A cells, which can also be recovered and used. A non-viral vector such as plasmid DNA having a human cytomegavirus promoter region can also be used. In a system in which the transcription regulator gene is locally delivered using a non-viral vector, such as when the transcription regulator gene is directly injected into a site where abnormal expression of the marker protein is expected, Use is extremely beneficial. Any known introduction method can be used by introducing a recombinant vector containing the transcription regulatory factor gene into cells taken out of the body and returning it to the body, that is, using an ex vivo method. For example, a) direct injection, b) transduction via liposome, c) cell transfection by calcium phosphate method, electroporation method, DEAE-dextran method, d) delivery via polybrene, e) protoplast fusion, f) micro Non-viral vectors can be introduced by injection, g) transduction using polylysine, and the like.
[0035]
An effective amount of the gene therapy agent of the present invention can be parenterally administered to mammals such as humans. For example, the parenteral administration method can include, for example, the injection (subcutaneous, intravenous, etc.) as described above. The appropriate dosage form is pharmaceutically acceptable. For example, the transcription regulator gene (this can be used in a carrier such as a water-soluble solvent, a water-insoluble solvent, a buffer, a solubilizing agent, an isotonic agent, and a stabilizer). Including recombinant vectors, recombinant viruses, recombinant plasmids and the like in which the DNA of the invention is incorporated). You may add adjuvants, such as antiseptic | preservative, a suspending agent, and an emulsifier, as needed.
The dose varies depending on the age, sex, weight, disease level, type of the fat accumulation inhibitor, dosage form, etc. of the mammal to be administered, but the protein of the present invention is usually effective intracellularly in patient cells. It is sufficient to administer the amount of the active ingredient that brings about a concentration level that works. The daily dose can be administered once or divided into several times.
[0036]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
Example 1 (Preparation of pGEM-mNXF, a vector containing this transcriptional regulatory factor gene)
An oligonucleotide consisting of the base sequence shown in SEQ ID NO: 7 (aagcacggag gaggaagccg ccggtgcgtc gggac) and an oligonucleotide consisting of the base sequence shown in SEQ ID NO: 8 (ggagagcggc tccacgtctt gatgacaata tgcca) were each made into a DNA synthesizer (Applied Biosystems model 394) ). PCR was performed using 10 ng of mouse Brain cDNA library (# 10655-017 Gibco BRL) as a template and the polynucleotide as a primer. In the PCR, 10 pmol of the above polynucleotide was added per 50 μl of the reaction solution, and LA-Taq polymerase (Takara Shuzo) and a buffer attached to the kit containing the enzyme were used. The PCR reaction solution was kept warm for 35 cycles using PCRsystem 9700 (Applied Biosystems), with 95 ° C. for 1 minute and then 68 ° C. for 3 minutes as one cycle.
Subsequently, the entire amount of the PCR reaction solution was subjected to low melting point agarose gel electrophoresis (Agarose L: Nippon Gene). After confirming a single band of about 2.5 kb DNA, the DNA was recovered. Prepare a sample for direct sequencing using a part of the recovered DNA and Dye Terminator Sequence Kit FS (Applied Biosystems), and use this with Auto Sequencer (Applied Biosystems, Model 3700) It was subjected to direct base sequence analysis.
Next, the DNA recovered as described above (about 1 μg) and pGEM T easy vector (Promega) (10 ng) are mixed, and T4 DNA ligase is added to this mixture and reacted, whereby pGEM is reacted. -Obtained mNXF. The base sequence of the obtained pGEM-mNXF was determined by the dye terminator method using an ABI model 3700 type auto sequencer. The determined base sequence was compared with the base sequence obtained by the direct sequence, and it was confirmed that the base sequence of the translation region was completely identical.
[0037]
Example 2 (Preparation of pRC / RSV-mNXFsense and pRC / RSV-mNXFantisense)
A plasmid for expressing the full length of the transcriptional regulatory factor in mammalian cells (hereinafter sometimes referred to as the present expression plasmid) was prepared as follows.
The pGEM-mNXF obtained in Example 1 was constructed so that the initiation codon of the translation region encoding the present transcription regulatory factor derived from the mouse was located downstream of the Sp6 promoter of the commercially available pGEM vector. Therefore, using this pGEM-mNXF (1 μg) as a template, the oligonucleotide shown in SEQ ID NO: 11 (forward primer 5′-gggcgctgcagcccagccaccatgtaccgatccaccaaggg-3 ′) and the oligonucleotide shown in SEQ ID NO: 12 (reverse primer 5′-aatctcggcgttgatctggt) -3 ') as a primer, a Kozak sequence (5'-CCAGCCACC-3') immediately before the start codon of the translation region encoding this transcriptional regulator by performing PCR using KODplus polymerase (manufactured by TOYOBO) Was obtained, and DNA encoding a part of this transcriptional regulatory factor into which a PstI restriction enzyme site was further introduced was obtained. The PCR reaction was carried out for 35 cycles with 95 ° C. for 1 minute, then 55 ° C. for 30 seconds and 72 ° C. for 1 minute as one cycle.
The DNA thus obtained was cleaved with PstI and BssHII, and then purified and recovered by subjecting to low melting point agarose gel electrophoresis (Nusieve GTG agarose; manufactured by FMCbio). The purified and recovered DNA was used as the insert DNA used below. Next, the DNA obtained by cleaving pGEM-mNXF with PstI and BssHII and then BAP-treated was subjected to low melting point agarose gel electrophoresis (AgaroseL; manufactured by Nippon Gene Co., Ltd.), and the DNA was recovered. By binding the insert DNA (0.5 μg) to the recovered DNA (0.1 μg) with T4 Ligase, a Kozak sequence (5 ′-(5′−) immediately before the start codon of the translation region encoding the transcription factor derived from mouse is obtained. Plasmid pGEM-mNXF Kozak into which CCAGCCACC-3 ′) was introduced was prepared.
Next, the plasmid pGEM-mNXF Kozak was simultaneously cleaved by PstI, NotI and ScaI, and then subjected to low melting point agarose electrophoresis to recover about 2.5 kbp DNA (mNXF Kozak PstI-NotI). The recovered DNA was blunt-ended with T4 polymerase, and the resulting DNA was used as insert DNA. The DNA obtained by cleaving the plasmid pRC / RSV (manufactured by Invitorgen) having the RSV promoter with HindIII and then blunting with T4 polymerase was BAP-treated, and this was used as vector DNA. By binding the insert DNA (0.5 μg) to this vector DNA (0.1 μg) with T4 Ligase, (a) DNA in which a translation region encoding the present transcription regulatory factor derived from mouse is connected downstream of the Kozak sequence. PRC / RSV-mNXFsense, which is a plasmid in which the sense strand is expressed under the control of the RSV promoter, and (b) an anti-DNA of a translation region encoding the transcriptional regulatory factor derived from mouse downstream of the Kozak sequence. PRC / RSV-mNXFantisense, a plasmid whose sense strand is expressed under the control of the RSV promoter, was prepared. In addition, it was confirmed by examining the base sequence of the boundary region between the vector DNA and the insert DNA that the prepared plasmid had a desired structure.
[0038]
Example 3 (EphA1 expression promotion by this transcription regulatory factor)
First, about 1x10 7 SK-N-MC cells (ATCC No. HTB10; purchased from Dainippon Pharmaceutical Co., Ltd.) using DMEM medium (manufactured by Nissui Pharmaceutical) containing 10% FBS at 37 ° C. with 5% CO 2 In the presence, the cells were cultured using a petri dish (Falcon) having a diameter of about 10 cm. The next day, the cultured cells were dispersed by trypsin treatment, washed twice with DMEM medium not containing FBS, and again 1 × 10 7 The cells were dispersed in a DMEM medium containing no FBS so that the cell density was increased. After 0.4 μl of this cell dispersion was mixed with 10 μg of the present expression plasmid ((a) pRC / RSV-mNXFsense or (b) pRC / RSV-mNXFantisense) prepared in Example 2, this mixture was electroporated. The sample was transferred to a cuvette for transfection, and transfection was carried out under conditions of 200 V and 950 μF by electroporation using Gene Pulser (manufactured by BIORAD). After transfection, the medium was replaced with DMEM medium containing 10% FBS, and further cultured in a 10 cm petri dish for about 24 hours. After culturing, using 5 cells of petri dish, DNA is not included using Atlas Pure Total RNA Labeling system (K1038-1; manufactured by Clontech), a commercially available kit for RNA purification and radioactivity labeling. Total RNA was purified. The RNA yield is 23 μg when the plasmid (a) (ie, pRC / RSV-mNXFsense) is used, and 26 μg when the plasmid (b) (ie, pRC / RSV-mNXFantisense) is used. Met. Next, using the obtained RNA as a material, using the specific primer and reverse transcriptase included in the kit, [α-P 32 ] Each RNA was radiolabeled with -dATP (Amersham Pharmacia). Next, radiolabeled RNA (hereinafter referred to as probe) was purified using the above kit, and then 1.3 × 10 5 of the purified RNA. Five The DPM equivalent was used for the following hybridization. Hybridization was performed using (a) pRC / RSV using a kit containing a nylon membrane on which various genes were blotted (Atlas cDNA Expression array-Neurobiology; 7736-1 Clontech) and a hybridization buffer attached to the kit. -Probes derived from mNXFsense-introduced cells or (b) probes derived from pRC / RSV-mNXFantisense-introduced cells were added, and the reaction was performed under the same conditions for 18 hours. After hybridization, each nylon membrane was washed with 2XSSC, 1% SDS buffer (68 ° C., 30 minutes). This was repeated 4 times, and further washed with 0.1XSSC and 0.5% SDS buffer (68 ° C., 30 minutes). Each nylon membrane is wrapped in plastic wrap, exposed to an IP plate (Fuji Film) for 7 days, and then hybridization signals corresponding to various genes on the nylon membrane using an imaging analyzer (BASstation; Fujifilm) Quantification and comparison of the strength of were performed.
As a result, for the EphA1 gene, (a) the hybridization signal on the nylon membrane hybridized with the probe derived from pRC / RSV-mNXFsense-introduced cells hybridized with the probe derived from (b) pRC / RSV-mNXFantisense-introduced cells. It was detected significantly stronger than the hybridization signal on the nylon membrane. Thus, it was confirmed that this transcriptional regulatory factor has the ability to promote the expression of EphA1.
[0039]
Example 4 (Inhibition of Rho GDP dissociation inhibitor expression by this transcriptional regulatory factor)
First, about 1x10 7 SK-N-MC cells (ATCC No. HTB10; purchased from Dainippon Pharmaceutical Co., Ltd.) using DMEM medium (manufactured by Nissui Pharmaceutical) containing 10% FBS at 37 ° C. with 5% CO 2 In the presence, the cells were cultured using a petri dish (Falcon) having a diameter of about 10 cm. The next day, the cultured cells were dispersed by trypsin treatment, washed twice with DMEM medium not containing FBS, and again 1 × 10 7 The cells were dispersed in a DMEM medium containing no FBS so that the cell density was increased. After 0.4 μl of this cell dispersion was mixed with 10 μg of the present expression plasmid ((a) pRC / RSV-mNXFsense or (b) pRC / RSV-mNXFantisense) prepared in Example 2, this mixture was electroporated. The sample was transferred to a cuvette for transfection, and transfection was carried out under conditions of 200 V and 950 μF by electroporation using Gene Pulser (manufactured by BIORAD). After transfection, the medium was replaced with a DMEM medium containing 10% FBS, and further cultured in a 10 cm petri dish for about 24 hours. After culturing, DNA free total RNA was purified using Atlas Pure Total RNA Labeling system (K1038-1; manufactured by Clontech), a commercially available RNA purification and radioactivity labeling kit, using 5 cells each as a material. did. The RNA yield is 23 μg when the plasmid (a) (ie, pRC / RSV-mNXFsense) is used, and 26 μg when the plasmid (b) (ie, pRC / RSV-mNXFantisense) is used. Met. Next, using the obtained RNA as a material, using the specific primer and reverse transcriptase included in the kit, [α-P 32 ] Each RNA was radiolabeled with -dATP (Amersham Pharmacia). Next, radiolabeled RNA (hereinafter referred to as probe) was purified using the above kit, and then 1.3 × 10 5 of the purified RNA. Five The DPM equivalent was used for the following hybridization. Hybridization was performed using (a) pRC / RSV using a kit containing a nylon membrane on which various genes were blotted (Atlas cDNA Expression array-Neurobiology; 7736-1 Clontech) and a hybridization buffer attached to the kit. -Probes derived from mNXFsense-introduced cells or (b) probes derived from pRC / RSV-mNXFantisense-introduced cells were added, and the reaction was performed under the same conditions for 18 hours. After hybridization, each nylon membrane was washed with 2XSSC, 1% SDS buffer (68 ° C., 30 minutes). This was repeated 4 times, and further washed with 0.1XSSC and 0.5% SDS buffer (68 ° C., 30 minutes). Each nylon membrane is wrapped in plastic wrap, exposed to an IP plate (Fuji Film) for 7 days, and then hybridization signals corresponding to various genes on the nylon membrane using an imaging analyzer (BASstation; Fujifilm) Quantification and comparison of the strength of were performed.
As a result, for the Rho GDP dissociation inhibitor gene, (a) the hybridization signal on the nylon membrane hybridized with the probe derived from the pRC / RSV-mNXFsense-introduced cell was: (b) the probe derived from the cell introduced with pRC / RSV-mNXFantisense Was significantly weaker than the hybridization signal on the nylon membrane hybridized with. Thus, it was confirmed that this transcriptional regulatory factor has the ability to suppress the expression of Rho GDP dissociation inhibitor.
[0040]
Example 5 (Test method of the present invention)
The pRC / RSV-mNXFsense-introduced cells prepared in Example 2 were treated with 5% CO at 37 ° C. using DMEM medium (Nissui Pharmaceutical) containing 10% FBS. 2 In the presence, the cells were cultured using a petri dish (Falcon) having a diameter of about 10 cm. On the next day, the cultured cells are dispersed by trypsin treatment, washed twice with DMEM medium not containing FBS, and then dispersed again in DMEM medium.
Next, the dispersed cells are placed in a 6-well plate in which (a) a culture solution containing only DMSO or (b) a culture solution containing a test substance dissolved in various concentrations in DMSO is added in advance. 10 6 Seed at a rate of individual / well. After culturing the cells in this plate at 37 ° C for about 24 hours, remove the culture medium from the plate, wash the cells with PBS (-), and extract total RNA from each well using Isogen (Nippon Gene). To do.
Using the total RNA thus extracted as a material, single-stranded cDNA is prepared using oligodT (Amersham Pharmacia) and Reverse transcriptase (Superscript II, Gibco, etc.). Next, using this single-stranded cDNA as a template, PCR was performed using LA-Taq (manufactured by Takara) and a combination of the following forward primer (SEQ ID NO: 13 to 17) and the following reverse primer (SEQ ID NO: 18 to 22). Do.
<Example of forward primer>
5'-agtgaacagcaacagatact-3 '(SEQ ID NO: 13)
5'-gcttcccgcgtccacgtgga-3 '(SEQ ID NO: 14)
5'-gatgtgggcattcagctccg-3 '(SEQ ID NO: 15)
5'-cagagcttcaccattcgaga-3 '(SEQ ID NO: 16)
5'-gtggccctggtgtctgtccg-3 '(SEQ ID NO: 17)
<Example of reverse primer>
5'-ctggcccgcgcgtggggcaa-3 '(SEQ ID NO: 18)
5'-acacatgcttcgccactgcc-3 '(SEQ ID NO: 19)
5'-taatggccgctctcacaggt-3 '(SEQ ID NO: 20)
5'-agctgagtccctgaggcaga-3 '(SEQ ID NO: 21)
5'-tgtgctgtgccctgacactg-3 '(SEQ ID NO: 22)
The condition of PCR is 30 cycles with 95 ° C for 1 minute and then 68 ° C for 1 minute for 1 cycle. Thus, the amount of EphA1 mRNA present in the total RNA was calculated, and various amounts of EphA1 mRNA in the total RNA extracted from the cells cultured using the culture solution added with DMSO alone, By comparing the amount of EphA1 mRNA in RNA extracted from cells cultured using the culture medium to which the test substance is added, and the test substance has neuronal cells dependent on this transcriptional regulatory factor Test and evaluate the ability to control plasticity. A desired substance is selected based on the result.
[0041]
Similarly, PCR is performed using a combination of the following forward primer (SEQ ID NO: 23 to 27) and the following reverse primer (SEQ ID NO: 28 to 32).
<Example of forward primer>
5'-ttgcagcggagaacgaggag-3 '(SEQ ID NO: 23)
5'-gatgagcactcggtcaacta-3 '(SEQ ID NO: 24)
5'-gcatccaggagatccaggag-3 '(SEQ ID NO: 25)
5'-ctggacaaggacgacgagag-3 '(SEQ ID NO: 26)
5'-cctgcgaaagtacaaggagg-3 '(SEQ ID NO: 27)
<Example of reverse primer>
5'-cctaccatgtagtcagtctt-3 '(SEQ ID NO: 28)
5'-ggtcaggaactcgtactcct-3 '(SEQ ID NO: 29)
5'-ttgggtgcctcctccacggg-3 '(SEQ ID NO: 30)
5'-gcgggacttgatgctgtagc-3 '(SEQ ID NO: 31)
5'-gtcttgtcgtcgtctgtgaa-3 '(SEQ ID NO: 32)
In this way, the amount of Rho GDP dissociation inhibitor mRNA in the total RNA was calculated, and the amount of Rho GDP dissociation inhibitor mRNA in the total RNA extracted from the cells cultured using a culture solution containing only DMSO. Is compared with the amount of Rho GDP dissociation inhibitor mRNA in the total RNA extracted from cells cultured using a culture solution to which various test substances are added. Test and evaluate the ability to control dependent neuronal plasticity. A desired substance is selected based on the result.
[0042]
【The invention's effect】
INDUSTRIAL APPLICABILITY According to the present invention, it is possible to provide a method for testing the ability to control nerve cell plasticity, which is used to search for substances that can be used as active ingredients of drugs for controlling nerve cell plasticity in mammals. It was.
[Sequence Listing Free Text]
SEQ ID NO: 7
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 8
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 9
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 10
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 11
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 12
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 13
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 14
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 15
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 16
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 17
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 18
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 19
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 20
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 21
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 22
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 23
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 24
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 25
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 26
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 27
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 28
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 29
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 30
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 31
Oligonucleotide primers designed for PCR
SEQ ID NO: 32
Oligonucleotide primers designed for PCR
[0043]
[Sequence Listing]
Claims (7)
(1)前記転写調節因子を発現するヒト、サル、ウシ、ウサギ、マウス、ラットまたはハムスター由来の哺乳動物細胞に被験物質を接触させる第一工程、及び
(2)前記第一工程後に、前記哺乳動物細胞において前記転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質遺伝子の発現量又はその量と相関関係を有する指標値を測定する第二工程、及び
(3)第二工程により測定された発現量又はその量と相関関係を有する指標値に基づき前記被験物質が有する前記能力を評価する工程、
を有することを特徴とする検定方法。
<アミノ酸配列群>
(a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列、
(c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列、
(d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜2456で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列、
(e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜2440で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列A method for assaying the ability to promote or inhibit the dependent neuronal plasticity in the transcriptional regulatory factor having the amino acid sequence of any of the following,
(1) a first step in which a test substance is contacted with a mammalian cell derived from human, monkey, cow, rabbit, mouse, rat or hamster expressing the transcription regulatory factor; and (2) after the first step, the feeding A second step of measuring an expression level of a marker protein gene present on the transcription regulatory factor-dependent nerve cell plasticization pathway in animal cells or an index value correlated with the amount, and (3) the second step A step of evaluating the ability of the test substance based on the measured expression level or an index value correlated with the expression level,
A test method characterized by comprising:
<Amino acid sequence group>
(A) the amino acid sequence represented by any one of SEQ ID NOs: 1 to 3,
(B) an amino acid sequence of a protein having an amino acid sequence showing 90% or more amino acid identity to the amino acid sequence represented by any one of SEQ ID NOs: 1 to 3 and having transcriptional regulatory ability;
(C) It has an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 102 to 2507 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 4, and transcriptional regulation An amino acid sequence of a protein having
(D) It has an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 51 to 2456 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 5 and transcriptional regulation An amino acid sequence of a protein having
(E) having the amino acid sequence encoded by the DNA that hybridizes under stringent conditions with the DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 35 to 2440 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 6 and transcriptional regulation Amino acid sequence of the protein
(1)前記アミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子が導入されてなるヒト、サル、ウシ、ウサギ、マウス、ラットまたはハムスター由来の形質転換哺乳動物細胞に被験物質を接触させる第一工程、及び
(2)前記第一工程後に、前記形質転換哺乳動物細胞において前記転写調節因子依存的−神経細胞可塑化経路上に存在するマーカー蛋白質遺伝子の発現量又はその量と相関関係を有する指標値を測定する第二工程、及び
(3)第二工程により測定された発現量又はその量と相関関係を有する指標値に基づき前記被験物質が有する前記能力を評価する工程、
を有することを特徴とする検定方法。
<アミノ酸配列群>
(a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列、
(c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列、
(d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜2456で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列。
(e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜2440で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列A method for assaying the ability to promote or inhibit the dependent neuronal plasticity in the transcriptional regulatory factor having the amino acid sequence of any of the following,
(1) a first step of bringing a test substance into contact with a transformed mammalian cell derived from human, monkey, cow, rabbit, mouse, rat or hamster into which a gene having a base sequence encoding the amino acid sequence has been introduced; and (2) After the first step, the expression level of the marker protein gene present on the transcription regulatory factor-dependent nerve cell plasticizing pathway or the index value correlated with the amount is measured in the transformed mammalian cell And (3) evaluating the ability of the test substance based on the expression level measured in the second step or the index value having a correlation with the amount,
A test method characterized by comprising:
<Amino acid sequence group>
(A) the amino acid sequence represented by any one of SEQ ID NOs: 1 to 3,
(B) an amino acid sequence of a protein having an amino acid sequence showing 90% or more amino acid identity to the amino acid sequence represented by any one of SEQ ID NOs: 1 to 3 and having transcriptional regulatory ability;
(C) It has an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 102 to 2507 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 4, and transcriptional regulation An amino acid sequence of a protein having
(D) It has an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 51 to 2456 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 5 and transcriptional regulation An amino acid sequence of a protein having an ability.
(E) having the amino acid sequence encoded by the DNA that hybridizes under stringent conditions with the DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 35 to 2440 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 6 and transcriptional regulation Amino acid sequence of the protein
<アミノ酸配列群>
(a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列、
(b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列、
(c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列、
(d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜2456で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列。
(e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜2440で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質のアミノ酸配列A method for searching a substance having the ability to promote or suppress dependent neuronal plasticity in the transcriptional regulatory factor with any of the following amino acid sequences, is evaluated by the method of claim 1 or 2, wherein the said capability The search method characterized by selecting the substance which has the said capability based on this.
<Amino acid sequence group>
(A) the amino acid sequence represented by any one of SEQ ID NOs: 1 to 3,
(B) an amino acid sequence of a protein having an amino acid sequence showing 90% or more amino acid identity to the amino acid sequence represented by any one of SEQ ID NOs: 1 to 3 and having transcriptional regulatory ability;
(C) It has an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 102 to 2507 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 4, and transcriptional regulation An amino acid sequence of a protein having
(D) It has an amino acid sequence encoded by DNA that hybridizes under stringent conditions with DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 51 to 2456 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 5 and transcriptional regulation An amino acid sequence of a protein having an ability.
(E) having the amino acid sequence encoded by the DNA that hybridizes under stringent conditions with the DNA consisting of the base sequence represented by base numbers 35 to 2440 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 6 and transcriptional regulation Amino acid sequence of the protein
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001396289A JP4161570B2 (en) | 2000-12-27 | 2001-12-27 | Methods for testing the ability to control neuronal plasticity |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000398548 | 2000-12-27 | ||
JP2000-398548 | 2000-12-27 | ||
JP2001-77740 | 2001-03-19 | ||
JP2001077740 | 2001-03-19 | ||
JP2001396289A JP4161570B2 (en) | 2000-12-27 | 2001-12-27 | Methods for testing the ability to control neuronal plasticity |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002360276A JP2002360276A (en) | 2002-12-17 |
JP4161570B2 true JP4161570B2 (en) | 2008-10-08 |
Family
ID=27345584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001396289A Expired - Fee Related JP4161570B2 (en) | 2000-12-27 | 2001-12-27 | Methods for testing the ability to control neuronal plasticity |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4161570B2 (en) |
-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001396289A patent/JP4161570B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002360276A (en) | 2002-12-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH09509314A (en) | Nucleic acid encoding neuropeptide Y / peptide YY (Y2) receptor, and use of the nucleic acid | |
AU3789393A (en) | Dna encoding taurine and gaba transporters and uses thereof | |
US5756348A (en) | DNA encoding a glycine transporter and uses thereof | |
JPH11514886A (en) | Neurogenic differentiation (NeuroD) genes and proteins | |
US5766848A (en) | Methods for identifying compounds which specifically bind a human betaine/GABA transporter | |
US8038995B2 (en) | Human N-type calcium channel isoform and uses thereof | |
US6528303B1 (en) | Neuropeptide Y-Y5 receptor | |
EP1354951B1 (en) | Method of examining ability to control nerve cell plasticity | |
WO1999051636A9 (en) | Gaba b receptor | |
JP4161570B2 (en) | Methods for testing the ability to control neuronal plasticity | |
US5559021A (en) | DNA encoding a novel mammalian transporter homologous to neurotransmitter transporters and uses thereof | |
WO1994005776A9 (en) | Myocyte-specific transcription enhancing factor 2 | |
JP4269013B2 (en) | bHLH-PAS protein, gene thereof and use thereof | |
JP4161569B2 (en) | bHLH-PAS protein, gene thereof and use thereof | |
JP2007282502A (en) | Method for testing cell degeneration control ability | |
JP2007282501A (en) | Method for testing apoptosis control ability | |
US6300087B1 (en) | DNA encoding a human serotonin receptor (5-HT4B) and uses thereof | |
KR20060036466A (en) | Receptor | |
JP2003531599A (en) | GPR56 receptor agonist / antagonist as appetite regulator | |
EP0678028A1 (en) | Dna encoding a human betaine/gaba transporter and uses thereof | |
WO2000064919A1 (en) | Compositions, methods, and kits relating to the tig-1 gene, a novel tzd inducible gene | |
US20010025100A1 (en) | Translation initiation factor 4AIII, and methods of use thereof | |
JP2003171316A (en) | Fat accumulation-promoting agent containing nucleic acid encoding cell differentiation-promoting factor kklf | |
US20030166066A1 (en) | DNA encoding a human serotonin receptor (5-HT4B) and uses thereof | |
JP2003164296A (en) | Promoter and its use |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070619 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070820 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080129 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080512 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080701 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080714 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |