JP4156977B2 - Microspectroscope - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微分光装置に関し、特に、アダマール変換法を用いた顕微分光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アダマール行列Hとは、要素が全て+1と−1のどちらかからなる正方行列であり、次の性質を有する行列の総称である。
【0003】
【数1】
アダマール行列の要素は全て+1か−1であるので、それを+と−で表記する方法が一般的に行われている。例えば4次のアダマール行列H4 は、
【0004】
【数2】
のように記述される。本明細書においても、今後この記述法を用いる。
【0005】
アダマール行列Hを用いたアダマール変換は、例えば非特許文献1に詳しく説明されているように、スペクトル分析や信号伝送、画像処理等、幅広い応用分野がある。例えば、アダマール変換を用いた分光法は、単一スリットを用いた通常の分光方法に比べると、一度に検出する光量が多くなる。したがって、単一スリットを用いた方法より高S/Nの分光強度分布を得ることが可能である。非特許文献2には、巡回性の255セルのアダマールマスクを用いることにより、単一スリットを用いる通常の方法に比べて、約8倍のS/Nが得られたことが報告されている。
【0006】
アダマール変換を用いた分光装置の代表的な装置の構成を、図26に示す。分光装置は、入射スリット1と、入射スリット1を透過した入射光を平行光にするためのコリメートレンズ2と、コリメートされた入射光を分光するための分光グレーティング3と、分光された入射スリット像を形成するスリット投影レンズ4と、分光された入射スリット像位置に移動可能に挿入されたアダマールマスク5と、アダマールマスク5を透過した分光成分で分光グレーティング3の像を投影するグレーティング投影レンズ6と、分光グレーティング3で生じた波長分散を補償する分散補償グレーティング7と、分散補償グレーティング7で分散補償された入射スリット像を再び結像するための撮像レンズ8と、再び結像された入射スリット像の強度を検出する検出器9とからなる。
【0007】
アダマールマスク5には、巡回行列である、いわゆるPaley型アダマール行列の心行列(アダマール行列の第1行目と第1列目を除いた部分行列)Sの要素に応じた開口が設けてある。Paley型アダマール行列は、心行列が巡回行列となっているアダマール行列である。
【0008】
以下に、7次の心行列Sの例S7 を用いて、心行列Sに対応するアダマールマスクの関係を説明する。図27に示すように、S7 の各行は、+1と−1からなる要素が7つ並んでおり、上の行から順に、右回りに1要素ずつ回転操作を行った関係にある。したがって、S7 の各行を上から下に、左側に1要素ずつずらしながら重ねることにより、13個の+と−の要素からなる行ベクトルν7 を定義できる。アダマールマスクは図27及び図28(b)に示すように、ν7 の要素と同じ数のセルが並んだ形状をしており、その各セルはν7 の各要素が+か−かに対応して開口を設定したものである。図27及び図28(b)の例では、ν7 の要素が+に対応するセルが開口部となり、−に対応するセルが遮蔽部となっている。一方、補助マスクは図28(a)に示すように、アダマールマスク(図の(b))の7つのセル分の長さの開口部を持つ。アダマールマスクにこの補助マスクを重ねると、合成開口(図の(c))が形成される。そして、固定された補助マスクに対してアダマールマスクを1セル分ずつ移動して行けば、S7 の各行に対応する開口パターンが順次得られる。このように、固定された補助マスクに対してアダマールマスクを1セル分ずつ移動可能に設置したのが、図26のアダマールマスク5である。
【0009】
アダマールマスク5の面上には、入射スリット1と分光グレーティング3とによって生成された入射光の分光スペクトルが投影される。アダマールマスク5は、その分光スペクトルを各セルの幅で定められる波長帯域毎に分割し、それぞれの波長帯域毎に各セルの透過、遮蔽による波長選択を行う。
【0010】
このように、S7 の各行に対応してそれぞれの波長帯域毎に波長選択を受けた入射光は、検出器9によってその選択を受けた部分の強度和が検出される。S7 の全ての行に対する強度和が検出された後、S7 の逆行列を用いてその強度和は復調され、各波長帯域毎の分光強度が算出される。
【0011】
【特許文献1】
米国特許第5,982,553号明細書
【0012】
【特許文献2】
特開平6−51340号公報
【0013】
【特許文献3】
特開平10−133225号公報
【0014】
【特許文献4】
米国特許出願公開第2002/0020819号明細書
【0015】
【非特許文献1】
喜安善市著「アダマール行列とその応用」(コロナ社)
【0016】
【非特許文献2】
J.A.Decker,Jr.,"Experimantal Realization of the MultiplexAdvantage with a Hadamard-Transform Spectrometer",Applied Optics,Vol.10,No.3,pp.510-514 (1971)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のアダマール変換分光法には、以下に述べる不都合が存在する。すなわち、アダマール行列H又はその心行列Sの全ての行又は列に対する分光変調を行わない限り、それを復調して目的の分光強度を算出することは不可能である。例えば、波長帯域255分割のアダマールマスクを用いて分光データを得るためには、アダマールマスクで波長選択部分を切り替えながら、255通りの選択を受けた部分の強度和を記録しなければならない。ところが、計測者が必要とする波長分解能は必ずしも一定ではない。もし、計測者が必要とする分光強度の波長分解能がアダマールマスクで決まる波長分解能よりも低いならば、必要以上に長い計測時間を取っていることになる。特に、微弱蛍光標本の分光を行う場合には、不要な計測時間は高速な分光計測の妨げとなったり、蛍光色素の褪色を早めてしまったりするので、好ましくない。
【0018】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、所望の波長分解能に応じて高速に分光計測することが可能なアダマール顕微分光装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の顕微分光装置は、少なくとも分光観測対象を顕微観察する顕微鏡と、前記顕微鏡からの入射光を波長分解する分光手段と、前記分光手段により波長分解された前記入射光をアダマール行列に即した所定の波長帯域毎に選択する複数の選択要素を有する分光選択手段と、前記分光選択手段で選択された所定の波長帯域の分光強度を検出する検出手段と、検出された分光強度から分光観測対象の分光強度を復調する復調手段とからなり、前記分光選択手段は、所定の次数のアダマール行列の要素に従って選択状態が定まるものであり、
前記分光選択手段が、アダマール行列の行又は列の選択状態を与える選択要素が少なくとも2列以上で構成され、その隣同士の列の選択要素の配列がお互いを補完するように列方向へずらされた配列を持つことを特徴とするものである。
【0020】
本発明の顕微分光装置においては、分光選択手段として、アダマール行列の行又は列の選択状態を与える選択要素が少なくとも2列以上で構成され、その隣同士の列の選択要素の配列がお互いを補完するように列方向へずらされた配列を持つものを用いているので、分光選択手段として、所定の波長帯域毎に選択する1列の複数の選択要素間にデットスペースを有する分光選択手段を用いる場合でも、その1列の選択要素間のデットスペースに入射する波長帯域の分光強度も、隣接する列の選択要素によって選択可能となるため、分光手段により波長分解された全ての波長帯域の分光強度をぬけなく検出することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の顕微分光装置の基本形態を図1、図2に従って説明する。図1は、顕微鏡として共焦点顕微鏡を用いる場合、図2は、通常の顕微鏡を用いる場合の本発明の顕微分光装置の基本形態の概略の構成を示す図である。
【0022】
図1の形態の場合、共焦点顕微鏡100の共焦点ピンホール101を通過した光束は、コリメータレンズ102により略平行な光に変換され、回折格子や分光プリズムからなる分散素子103に入射し、分散素子103によって分光された各波長帯域の光は第1のフォーカシングレンズ104によってアダマール行列に即した所定の波長帯域毎に選択する複数の選択要素を有する分光選択手段106の選択要素上に集光する。分光選択手段106で選択された所定の波長帯域の光は第2のフォーカシングレンズ107で検出器108上に集光され、その分光強度が検出される。分光選択手段106の選択要素の選択状態をアダマール行列の各行に対応して制御し、全ての行に対する分光強度を検出した後、そのアダマール行列の逆行列を用いて共焦点顕微鏡100の共焦点ピンホール101を通過した光の分光強度を復調手段110により復調するように構成されている。
【0023】
ここで、コリメータレンズ102と分散素子103と第1のフォーカシングレンズ104が本発明の分光手段105を構成しており、第2のフォーカシングレンズ107と検出器108が本発明の検出手段109を構成している。
【0024】
また、図2の形態の場合は、通常の顕微鏡111の1次結像面112に分散素子103が配置され、顕微鏡の対物レンズの射出瞳像を分光する。分散素子103で分光された光束は瞳投影レンズ113を経て射出瞳の像を投影する。その射出瞳の像の結像位置にアダマール行列に即した所定の波長帯域毎に選択する複数の選択要素を有する分光選択手段106が配置され、分光選択手段106で選択された所定の波長帯域の光は、分散素子103の像を投影する分散素子投影レンズ115を経て、分散素子で生じた波長分散を補償する分散補償素子116上に入射し、分散補償素子116により分散補償された像は検出器117により検出される。分光選択手段106の選択要素の選択状態をアダマール行列の各行に対応して制御し、全ての行に対する分光強度を検出した後、そのアダマール行列の逆行列を用いて、顕微鏡111の1次結像面112の各画素の光の分光強度を復調手段110により復調するように構成されている。
【0025】
この場合は、分散素子103と瞳投影レンズ113が本発明の分光手段114を構成しており、分散素子投影レンズ115と検出器117が本発明の検出手段118を構成している。
【0026】
ここで、本発明においては、分光選択手段106の複数の選択要素の選択状態を規定するアダマール行列は、従来と同様で格別の制限はないが、そのアダマール行列として、次数2v (vは自然数)のアダマール行列であって、初めの2w 個(wはvより小さい自然数)の行又は列の交番数が残りの全ての行又は列の交番数の最小値よりも小さいアダマール行列、あるいは、行又は列の交番数が昇順のアダマール行列の少なくとも一方のアダマール行列を用いることが望ましい。以下に、その理由を説明する。
【0027】
アダマール行列とは、いわゆるS型H行列と呼ばれるものであり、n次のS型H行列の一つHn は、以下の手順で帰納的に求めることができる。
【0028】
【数3】
ここで、Hn はn次のS型H行列である。このように、S型H行列は、n=2v (vは自然数)次数のみ定義されている。
【0029】
また、交番数とは、ある一つの行又は列内で、隣り合う要素の符号が異なる位置の数を表している。n=8の例だと、以下の通りとなる。
【0030】
【数4】
上記の(4)式の行列の右横に示した数が、各行に対する交番数である。
【0031】
この方法で求められたS型H行列の各行の交番数は、0からn−1の整数が一つずつ存在する。S型H行列は対称行列なので、列に対する交番数もこの順番となる。また、S型H行列の逆行列は、それ自身の1/nと等しい。すなわち、以下の通りとなる。
【0032】
【数5】
S型H行列の行又は列の交番数を昇順に並べ替えた(交番数順の)本発明で用いる行列H* も、やはりアダマール行列の一つである。n=8の例だと、以下の通りとなる。
【0033】
【数6】
これらのアダマール変換を用いた分光法は、波長帯域をn=2v 分割にサンプリングしたときの中心波長の行列λT ={λ1 λ2 ・・・λn }T に対する分光強度の行列xT ={x1 x2 ・・・xn }T を未知数(求めたい分光強度)として、アダマール行列Hの各行の要素に即して選択検出した信号強度の行列sT ={s1 s2 ・・・sn }T が、
【0034】
【数7】
で表されるので、求めたい分光強度は、(5)式を用いて、
【0035】
【数8】
の計算式より求まることが分かる。
【0036】
つまり、本発明の顕微分光装置は、図1や図2の構成により、顕微観察した分光観察対象からの光束を分光し、アダマール行列Hの各行の要素に即して分光選択手段の選択要素を作用させて検出した信号強度の行列を計測し、(8)式に基づいて、それらを復調することで、所望の分光強度を得るものである。
【0037】
ところで、一般的なアダマール行列を用いた分光法では、アダマール行列Hの全ての行に対する信号強度を求めなければ、上述の(8)式に基づいた復調はできない。それに対し、上記のように、分光選択手段で用いるアダマール行列として、初めの2w 個(wはvより小さい自然数)の行又は列の交番数が残りの全ての行又は列の交番数の最小値よりも小さいアダマール行列、あるいは、行又は列の交番数が昇順のアダマール行列の少なくとも一方のアダマール行列を用いるので、信号強度の行列の要素全てを計測しなくても、低分解能の分光強度を求めることができる。以下に、そのことを説明する。
【0038】
非特許文献1の第6章によれば、2n次の交番数順のアダマール行列H* 2nの上半分の要素は、n次の交番数順のアダマール行列H* n を用いて、
【0039】
【数9】
の形で表される。ここで、×の演算子は、クロネッカー演算子であり、
【0040】
【数10】
を表す。したがって信号強度の行列sの最初の半分は、
【0041】
【数11】
となり、この方程式を解くと、
【0042】
【数12】
の式が得られる。このことは、つまり、最初の半分の数の信号強度から、波長分解能が半分の分光強度が得られることを示している。同様にして、最初の1/4の数の信号強度から、
【0043】
【数13】
の式を用いて、波長分解能が1/4の分光強度を求められることが分かる。逆に言えば、交番数順のアダマール行列H* n の初めの2つの行に対する信号強度{s1 s2 }T を検出した時点で、波長帯域を2分割した分光強度を求めることができる。すなわち、
【0044】
【数14】
となる。さらに、アダマール行列Hの初めの4つの行列に対する信号強度{s1 s2 s3 s4 }T を検出した時点で、波長帯域を4分割した分光強度を求めることができる。すなわち、
【0045】
【数15】
となる。
【0046】
つまり、本発明の顕微分光装置では、次数2v (vは自然数)のアダマール行列であって、初めの2w 個(wはvより小さい自然数)の行又は列の交番数が残りの全ての行又は列の交番数の最小値よりも小さいアダマール行列を用いることにより、初めの2w 個の変調に対する計測値が求まった時点でも、分光データを求めることができる。また、行又は列の交番数が昇順のアダマール行列を用いることにより、低分解能から高分解能へと、順次波長分解能を上げてゆきながら分光データを求めることができる。さらに、両者を同時に用いることにより、途中でも所望の波長分解能になった時点で計測をやめ、分光データを取得することが可能となる。
【0047】
したがって、分光選択手段106の複数の選択要素の選択状態を規定するアダマール行列は、従来と同様で格別の制限はないが、そのアダマール行列として、次数2v (vは自然数)のアダマール行列であって、初めの2w 個(wはvより小さい自然数)の行又は列の交番数が残りの全ての行又は列の交番数の最小値よりも小さいアダマール行列、あるいは、行又は列の交番数が昇順のアダマール行列の少なくとも一方のアダマール行列を用いる構成によれば、従来例のアダマール分光器のメリットである、単一スリットを用いる通常の分光装置に対するS/N比の高さを維持したまま、所望の波長解像度において最短の時間で顕微分光計測が可能となる。これは、特に微弱な分光計測が主となる、蛍光標本等の顕微分光観察においては、蛍光色素の退色を避けられる等の理由で大きなメリットとなる。
【0048】
[第1実施形態]
本発明の顕微分光装置の好適な1実施形態としては、図1に概略構成図を示すように、顕微鏡に共焦点顕微鏡を用いる場合である。
【0049】
この場合は、顕微鏡は共焦点顕微鏡100であり、少なくとも、共焦点顕微鏡100の共焦点ピンホール101を通過した光束を略平行光にするコリメータレンズ102と、その略平行光を分光するための分散素子103と、分散素子103によって分光した光を集光するための第1のフォーカシングレンズ104とからなる分光手段105、アダマール行列に即した所定の波長帯域毎に選択する複数の選択要素を有する分光選択手段106、さらに、少なくとも、検出器108と、分光選択手段106で選択された波長帯域の光束のみを検出器108に集光するための第2のフォーカシングレンズ107とからなる検出手段109、及び、復調手段110で構成されるものである。さらに、分光選択手段106で選択要素に作用させるアダマール行列としては、前述のように、次数2v (vは自然数)のアダマール行列であって、初めの2w 個(wはvより小さい自然数)の行又は列の交番数が残りの全ての行又は列の交番数の最小値よりも小さく、さらに、行又は列の交番数が昇順のアダマール行列で構成することが望ましい。
【0050】
このような構成によれば、共焦点顕微鏡100で分光観測対象を顕微観察することにより得られた観察光の中、共焦点ピンホール101を通過した光束は、コリメータレンズ102で略平行光束にされ、この略平行光束が分散素子103で分光され、さらに、第1のフォーカシングレンズ104で分光選択手段106上に波長毎に集光される。この分光選択手段106では、分光選択手段106を構成する選択要素を作用させることにより、アダマール行列に即した所定の波長帯域の光束が選択され、検出手段109の第2のフォーカシングレンズ107で検出器108に集光され、計測される。アダマール行列の交番数に即して上記分光選択手段106の選択要素の作用を代え、所望の分光解像度が得られるまで計測を繰り返した後に、計測された分光データを、前述の(8)式を実現する復調手段110により復調することで、分光観測対象の所望の解像度の分光データが最短の時間で得られる。
【0051】
次に、以下に図面を用いて本実施形態の実施例について説明する。
【0052】
[第1実施例]
本発明による第1実施例の顕微分光装置は、顕微鏡として以下に示すようなレーザ走査共焦点顕微鏡(CLSM)を用いた場合の構成である。図3(a)はこの顕微分光装置の側面図、(b)はその上面図である。この顕微分光装置は、励起光を発するレーザ光源11と、レーザ光源11からの励起光を標本Oに向かう光路内に導くダイクロイックミラー12と、標本面上を2次元走査するための主走査ガルバノミラー13及び副走査ガルバノミラー14と、励起光を標本面上に集光させる対物レンズ15と、標本Oの集光領域以外からの光(いわゆるボケ像)を除去するための共焦点ピンホール16とからなる共焦点顕微鏡と、標本面で発生し共焦点ピンホール16を通過した蛍光を略平行光にする第1コリメータレンズ17と、その略平行光を分光するための分散素子としての分光プリズム18と、分光プリズム18によって分光した蛍光を集光するためのフォーカシングレンズ19とからなる分光手段と、分光された蛍光の波長帯域に所定のアダマール行列に即してオン(アダマール行列の+1成分)、オフ(アダマール行列の−1成分)の切替が可能な選択要素を持つ分光選択手段としてのプログラマブルミラー20と、プログラマブルミラー20で反射されたオンの波長帯域の光束のみを再び平行光束に戻すフォーカシングレンズ19(本実施例の場合、前述のフォーカシングレンズ19と共通)と、その平行光束を分散補償する前述の分散補償プリズム18(本実施例の場合、分光プリズム18と共通)と、分散補償された平行光束を再び集光するための第2コリメータレンズ23と、集光されたオンの波長帯域の成分を持つ光束を選択して検出する(光電子倍増管)PMT21とからなる検出手段と、前述の(8)式に即して分光データの復調をコンピュータ25内のソフトウエアで行う復調手段とで構成している。
【0053】
さらに詳しくは、図3(a)の一部を側面から見た図である図3(b)に示すように、共焦点ピンホール16を通過した蛍光は、第1コリメータレンズ17で略平行にされ、分光プリズム18により分光され、軸外し配置されたフォーカシングレンズ19によって集光されて、プログラマブルミラー20に斜め入射する。プログラマブルミラー20のオンの要素で反射した分光成分の光束は、再度フォーカシングレンズ19で平行光束にされて、分光プリズム18で分散補償された後に、第2コリメータレンズ23で集光され、PMT21に入射する。プログラマブルミラー20のオフの要素で反射した分光成分は、オンの要素で反射した分光成分とは異なる方向に反射され、ストッパ22により吸収される。プログラマブルミラー20はプログラマブルミラー駆動装置24を介してコンピュータ25に接続しており、コンピュータ25に記憶されたアダマール行列の要素に対応したパターンを交番順で順次発生する。PMT21は、PMT駆動装置27を介してコンピュータ25に接続している。コンピュータ25に接続された表示装置26に、アダマール変換から求めた分光強度分布を表示する。
【0054】
ここで、プログラマブルミラー20は、分光プリズム18の波長分散方向にアダマール行列の次数に等しい数の微小ミラーが並列してなる微小ミラー集合体であり、その微小ミラーの各々は独立に傾き角度制御することができるものである。そして、各微小ミラーの制御信号のオン、オフでその反射面の傾きを変えることができる。ここでは、オンの状態の微小ミラーで反射した光がPMT21に入射し、オフの状態の微小ミラーで反射した光はPMT21には入射せず、それ以外の方向であるストッパ22に向かうように設定されている。
【0055】
本実施例における分光測定の流れを、図4に示す。ここで、wは、2w が波長帯域の分割数を表す補助変数であり、mはアダマール行列の行番号を指定する補助変数(交番数+1 )である。wとmはまず0から出発する(ST1、ST2)。次に、分割数を表す補助変数wをまず1とする(ST3)。続いて、アダマール行列の行mを1から順に加算してゆきながら(ST4)、次数2v のアダマール行列H* v のm行目の要素に対応させてプログラマブルミラー20のオン・オフを切り替えて(ST5)、その切替によって計測した結果(PMT21からの出力)を順次記録する。そして、mが2w に一致した時点で(ST7)、それまで記録したm個の計測結果を用いて前述の(8)式より波長帯域2w 分割の分光強度を計算する(ST8)。算出された波長分解能が不十分ならば(ST7)、mを加算しながら(ST4)、さらに分光計測を継続し、波長分解能が十分になったか(ST10)、mがアダマール行列H* v の次数2v に等しくなった時点(ST9)で分光計測を打ち切る。本処理も、コンピュータ25内のソフトウエアで実現されている。
【0056】
このように、本実施例においては、交番数順のS型H行列を用いたことにより、各行に対する信号強度を全て検出せずとも、低分解能から高分解能に、順次解像を上げながら分光強度を求めて行くことができる。したがって、従来の方法と異なり、分解能に合わせて最も効率的に、つまり高速に分光計測が可能な方法である。
【0057】
[第1実施例の変形例1]
上記第1実施例の変形例として、図5にその要部のみを示す。この変形例は、分光選択手段として、第1実施例のプログラマブルミラー20の代わりに、グレイティング・ライト・バルブ・アレイ31を用いた点に特徴があるものであり、他の構成は第1実施例と同様である。
【0058】
グレイティング・ライト・バルブは、例えば特許文献1で提案されているものであり、IC製作技術等で同一基板上に等間隔の平行な反射型リボンを並列させて形成し、1本おきのリボンを残りのリボンに対して同一平面になるか、波長の4分の1程度後退あるいは前進させるかの制御をすることにより、前者では反射面、後者では反射型の回折格子になるものである。このようなグレイティング・ライト・バルブ310 をアダマール行列の次数に等しい数だけ、図5(b)、(c)に示すように、分光プリズム18の波長分散方向にアレイ状に並べて配置したものがグレイティング・ライト・バルブ・アレイ31であり、回折格子の方向は、図5(b)のようにアレイ31に沿った方向でも、図5(c)のようにアレイ31に直交する方向でもよい。このようなグレイティング・ライト・バルブ・アレイ31を、図3(b)と同様な図である図5(a)に示すように、共焦点ピンホール16を通過した蛍光は、第1コリメータレンズ17で略平行にされ、分光プリズム18により分光され、軸外し配置されたフォーカシングレンズ19によって集光されて、フォーカシングレンズ19の光軸に直角に配置されたグレイティング・ライト・バルブ・アレイ31に斜め入射する。グレイティング・ライト・バルブ・アレイ31のオンの要素である反射面で反射した分光成分の光束は、再度フォーカシングレンズ19で平行光束にされて、分光プリズム18で分散補償された後に、第2コリメータレンズ23で集光され、PMT21に入射する。グレイティング・ライト・バルブ・アレイ31のオフの要素である反射型の回折格子に入射して回折された±1次の分光成分は、オンの要素で反射した分光成分とは異なる方向に反射され、それぞれストッパ221 、222 により吸収される(図5(a)の場合は、図5(b)のグレイティング・ライト・バルブ・アレイ31を用いているが、図5(c)のグレイティング・ライト・バルブ・アレイ31を用いる場合は、図5(a)の紙面の前後にストッパ221 、222 が配置される。)。このグレイティング・ライト・バルブ・アレイ31は、図3(a)の場合と同様、駆動装置を介してコンピュータ25に接続しており、コンピュータ25に記憶されたアダマール行列の要素に対応したパターンを交番順で順次発生するように構成されている。
【0059】
なお、グレイティング・ライト・バルブ310 は、1本おきでなく複数本おきのリボンを残りのリボンに対して同一平面になるか、後退あるいは前進させるようにすることもできるので、グレイティング・ライト・バルブ・アレイ31のオフ、オフの制御を回折格子の有無でなく、回折格子の本数の制御による回折角の違いを利用するようにすることもできる。
【0060】
また、グレイティング・ライト・バルブ310 の代わりに、出射側の面に反射面が設けられたAOMを用い、このAOMを分光プリズム18の波長分散方向にアレイ状に並べて配置しても、同様の分光選択手段を構成できる。
【0061】
[第1実施例の変形例2]
上記第1実施例の変形例として、図6に図3(b)と同様な図を示す。この変形例は、分光選択手段として、第1実施例のプログラマブルミラー20の代わりに、1次元アレイ状に画素が配置された反射型の電気アドレス空間変調器32を用いた点に特徴があるものであり、他の構成は第1実施例と同様である。
【0062】
反射型の電気アドレス空間変調器32は、例えばTNやSTN、あるいは強誘電性液晶からなる反射型の液晶表示装置と同様であり、各画素の画素電極に印加する電圧の有無等により、入射する直線偏光の方向がそのままの状態で反射されたり、偏光面が90°回転して反射されるものであり、このような画素をアダマール行列の次数に等しい数だけ、分光プリズム18の波長分散方向(図6の紙面に垂直なa−a’方向)であってフォーカシングレンズ19の光軸に直角にアレイ状に並べて配置されて反射型の電気アドレス空間変調器32が構成される。そして、この反射型の電気アドレス空間変調器32に入射する光路中に偏光子33が、反射型の電気アドレス空間変調器32から反射される光路中に検光子34が配置される。
【0063】
この配置においては、図6に示すように、共焦点ピンホール16を通過した蛍光は、第1コリメータレンズ17で略平行にされ、分光プリズム18により分光され、偏光子33を経て所定の方向の直線偏光になった分光成分の光束は軸外し配置されたフォーカシングレンズ19によって集光されて、反射型の電気アドレス空間変調器32に斜め入射する。反射型の電気アドレス空間変調器32のオンの要素で反射した分光成分の光束は、直線偏光の方向を保ったまま再度フォーカシングレンズ19で平行光束にされて、検光子34を通過して、分光プリズム18で分散補償された後に、第2コリメータレンズ23で集光され、PMT21に入射する。反射型の電気アドレス空間変調器32のオフの要素で反射した分光成分の光束は、直線偏光の方向を90°回転されて再度フォーカシングレンズ19で平行光束にされて、検光子34に入射して通過が阻止される。この反射型の電気アドレス空間変調器32は、図3(a)の場合と同様、駆動装置を介してコンピュータ25に接続しており、コンピュータ25に記憶されたアダマール行列の要素に対応したパターンを交番順で順次発生するように構成されている。なお、検光子34の直線偏光の透過方向として、偏光子33の透過方向と同じ方向に設定するようにしてもよく、その場合は、反射型の電気アドレス空間変調器32の要素のオンとオフの状態は逆になる。
【0064】
なお、分光選択手段として、上記のように各画素がTN、STN、強誘電性液晶等からなる電気アドレス空間変調器を用いる場合、図7に示すように、第1実施例のプログラマブルミラー20の代わりに、1次元アレイ状に画素が配置された透過型の電気アドレス空間変調器32’を用いることもできる。その場合、図7に示すように、共焦点ピンホール16を通過した蛍光は、第1コリメータレンズ17で略平行にされ、分光プリズム18により分光され、同軸配置のフォーカシングレンズ19によって集光され、偏光子33を経て所定の方向の直線偏光になって、透過型の電気アドレス空間変調器32’に略垂直に入射する。透過型の電気アドレス空間変調器32’のオンの要素を透過した分光成分の光束は、直線偏光の方向を保ったまま検光子34を通過して、この場合は別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にされて、第2コリメータレンズ23で集光され、PMT21に入射する。透過型の電気アドレス空間変調器32’のオフの要素を透過した分光成分の光束は、直線偏光の方向を90°回転されて検光子34に入射して通過が阻止される。なお、別のフォーカシングレンズ19’と第2コリメータレンズ23の間に分散補償用の別の分光プリズムを配置するようにしてもよい。
【0065】
[第1実施例の変形例3]
上記第1実施例の変形例として、図8に図3(b)と同様な図を示す。この変形例は、分光選択手段として、第1実施例のプログラマブルミラー20の代わりに、1次元アレイ状に画素が配置された光書き込み反射型空間変調器(反射型の光アドレス型空間光変調器)35を用いた点に特徴があるものであり、他の構成は第1実施例と同様である。
【0066】
光書き込み反射型空間変調器35は、例えば特許文献2、特許文献3で提案されているものであり、一対の透明電極の間に光アドレス材料としての光導電層、誘電体ミラー及び液晶等の光変調材料層が順に積層されてなるもので、アドレス光が入射した位置の光導電層の抵抗が低下してその部分の液晶層に電圧がかかり、その部分の液晶層が光変調層として作用するもので、反射型の電気アドレス空間変調器32が要素のオン・オフ状態を電気的に制御するものに対して、光学的に要素のオン・オフ状態を制御するものと言うことができる。
【0067】
図8に示すように、光書き込み反射型空間変調器35の各画素のオン状態は、液晶表示装置(TV)等の表示装置36からの光(アドレス光)を投影レンズ37によりその画素の背面に入射させるように表示装置36の画素の表示状態を駆動装置を介してコンピュータ25により制御することにより制御され、例えば、光書き込み反射型空間変調器35のその画素の表面に入射する光の直線偏光の方向をそのままの状態で反射し、表示装置36からの光が入射しないオフ状態では、画素の表面に入射する光の直線偏光の方向を90°回転させて反射する。このような画素をアダマール行列の次数に等しい数だけ、分光プリズム18の波長分散方向(図8の紙面に垂直なa−a’方向)であってフォーカシングレンズ19の光軸に直角にアレイ状に並べて配置して光書き込み反射型空間変調器35が構成される。そして、この光書き込み反射型空間変調器35に入射する光路中に偏光子33が、光書き込み反射型空間変調器35から反射される光路中に検光子34が配置される。
【0068】
この配置においては、図8に示すように、共焦点ピンホール16を通過した蛍光は、第1コリメータレンズ17で略平行にされ、分光プリズム18により分光され、偏光子33を経て所定の方向の直線偏光になった分光成分の光束は軸外し配置されたフォーカシングレンズ19によって集光されて、光書き込み反射型空間変調器35に斜め入射する。光書き込み反射型空間変調器35のオンの要素で反射した分光成分の光束は、直線偏光の方向を保ったまま再度フォーカシングレンズ19で平行光束にされて、検光子34を通過して、分光プリズム18で分散補償された後に、第2コリメータレンズ23で集光され、PMT21に入射する。光書き込み反射型空間変調器35のオフの要素で反射した分光成分の光束は、直線偏光の方向を90°回転されて再度フォーカシングレンズ19で平行光束にされて、検光子34に入射して通過が阻止される。この光書き込み反射型空間変調器35を用いる例では、駆動装置を介して表示装置36がコンピュータ25に接続しており、コンピュータ25に記憶されたアダマール行列の要素に対応したパターンを交番順で順次発生するように構成されている。なお、検光子34の直線偏光の透過方向として、偏光子33の透過方向と同じ方向に設定するようにしてもよく、その場合は、光書き込み反射型空間変調器35の要素のオンとオフの状態は逆になる。
【0069】
[第1実施例の変形例4]
上記第1実施例の変形例として、図9(b)に、前記アダマール行列H* v に対応するマスク38を示すが、その白要素部分38a を反射鏡、黒要素部分38b を透明な穴空きあるいは吸収面とし、そのようなマスク38の行381 、382 、383 ・・・を相互に切り離して1行に並べて配置した固定パターン39を用い、その固定パターン39を分光選択手段として、第1実施例のプログラマブルミラー20の代わりに用いるものであり、他の構成は第1実施例と同様である。
【0070】
すなわち、図9(a)に示すように、共焦点ピンホール16を通過した蛍光は、第1コリメータレンズ17で略平行にされ、分光プリズム18により分光された分光成分の光束は軸外し配置されたフォーカシングレンズ19によって集光されて、固定パターン39に斜め入射する。固定パターン39のオンの要素の反射鏡で反射した分光成分の光束は、再度フォーカシングレンズ19で平行光束にされて、分光プリズム18で分散補償された後に、第2コリメータレンズ23で集光され、PMT21に入射する。固定パターン39のオフの要素の穴空きを通過した分光成分はフォーカシングレンズ19に戻ることが阻止される。この固定パターン39は、紙面に垂直なa−a’方向に機械的に移動する駆動装置を介してコンピュータ25に接続されており、コンピュータ25に記憶されたアダマール行列の要素に対応する行381 、382 、383 ・・・のパターンに順次切り替えられる。
【0071】
なお、フォーカシングレンズ19の集光位置に配置する固定パターンとしては、マスク38そのものを用いて、図9(a)のb−b’方向(マスク38の列方向)に機械的に順次移動させて、光路中に配置される固定パターンが順に行381 、382 、383 ・・・と切り替わるようになるようにしてもよい。
【0072】
さらに、この変形として、マスク38の行381 、382 、383 ・・・を切り離して、図9(c)に示すように、各々の行381 、382 、383 ・・・を円板80の半径方向に等間隔で別々に配置して、この円板80の回転軸をフォーカシングレンズ19の光軸と平行に配置して、円板80の回転角を順に変えることにより、光路中に配置される固定パターンが順に行381 、382 、383 ・・・と切り替わるようにしてもよい。
【0073】
あるいは、図9(d)に示すように、各々の行381 、382 、383 ・・・を多角柱81の各面に別々に配置して、この多角柱81の回転軸をフォーカシングレンズ19の光軸と垂直で分光プリズム18の波長分散方向に平行に配置して、多角柱81の回転角を順に変えることにより、光路中に配置される固定パターンが順に行381 、382 、383 ・・・と切り替わるようにしてもよい。
【0074】
このような固定パターン39を用いる場合、図7と同様に、透過型に構成することもできる。ただし、図9(b)の前記アダマール行列H* v に対応するマスク38の白要素部分38a は透明な穴空き、黒要素部分38b は反射面あるいは吸収面とする。このような行381 、382 、383 ・・・を1行に並べた固定パターン39を、図10に示すように、光軸に対して傾斜して配置し、共焦点ピンホール16を通過した蛍光が、第1コリメータレンズ17で略平行にされ、分光プリズム18により分光され、同軸配置のフォーカシングレンズ19によって集光され、固定パターン39に斜め入射する。固定パターン39のオンの要素を通過した分光成分の光束は、別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にされて、第2コリメータレンズ23で集光され、PMT21に入射する。固定パターン39のオフの要素で反射した分光成分の光束は、ストッパ22により吸収される。なお、別のフォーカシングレンズ19’と第2コリメータレンズ23の間に分散補償用の別の分光プリズムを配置するようにしてもよい。
【0075】
なお、この場合も、図9(a)の反射型と同様に、図9(b)のマスク38そのものを用いて、図10(a)のc−c’方向(マスク38の列方向)に機械的に順次移動させるようにしてもよいし、図9(c)に示すような円板80を用いて、この円板80を機械的に回転させて順次交換するようにしてもよいし、図9(d)に示すような多角柱81を用いて、この多角柱81を機械的に回転させて順次交換するようにしてもよい。
【0076】
また、この図10の例では、図9(b)の前記アダマール行列H* v に対応するマスク38の黒要素部分38b は、反射型回折格子で構成し、図5の場合と同様に回折光がストッパ22に入射して吸収されるようにしてもよい。
【0077】
[第1実施例の変形例5]
ところで、以上の第1実施例及びその変形例において、分光選択手段として用いる1次元の微小ミラー集合体からなるプログラマブルミラー20、1次元配置のグレイティング・ライト・バルブ・アレイ31、1次元アレイ状に画素が配置された電気アドレス空間変調器32、32’、光書き込み反射型空間変調器35にパターンを書き込む表示装置36、固定パターン39は、何れも選択要素の微小ミラー、ライト・バルブ、変調器、開口等(以下、選択要素400 とする。)を、図11に模式的に示すように、両矢符で示す分光プリズム18の波長分散方向に1次元アレイ状に並べて配置することにより、分光選択手段40を構成している。本来なら、選択要素400 は両矢符方向に隣接する選択要素400 と隙間なく配置(分割)されないと、正しい分光強度分布を得ることができず、そのような隙間の位置に対応する波長の分光強度が検出できない。しかしながら、微小ミラー、ライト・バルブ、変調器、開口等を並列配置する場合に、実際には、隣接するものとの間に隙間41が生じてしまう。
【0078】
そこで、これらの選択要素400 は、図12に模式的に示すように、両矢符で示す分光プリズム18の波長分散方向に、2列以上の複数列に並べて配置し、しかも、その隣同士の列の選択要素400 の配列を相互に補完するように列方向へずらして配列する。図12の場合は、2列に配置し、列同志で選択要素400 のピッチの半分だけずらして配列している。そして、その2列の選択要素400 各々をアダマール行列の1行又は1列に対応させてオン・オフを制御するようにすることにより、波長のぬけがない正しい分光強度分布を得ることができる。
【0079】
ただし、分光プリズム18により分光された各波長の光束をフォーカシングレンズ19によって分光選択手段40の列方向と直交する方向(図のd−d’方向)に広がりなく集光させると、2列以上の選択要素400 に各波長の光束が入射しないおそれが出てくる。そこで、フォーカシングレンズ19として、分光選択手段40の列方向と直交する方向(図のd−d’方向)には広がりがあり、分光プリズム18の波長分散方向(図の両矢符方向)には焦点が合ったベストスポット状態で集光する非対称な結像作用を持つレンズ系を用いることが望ましい。そのようなフォーカシングレンズ19としては、分光選択手段40の列方向と直交する方向に収差の発生があるレンズ系や、積極的に非対称なレンズ系がある。フォーカシングレンズ19として非対称なレンズ系を用いる場合の、共焦点ピンホール16からPMT21に至る光学系を図13に示す。図13(a)は、その光学系部分の上面図、図13(b)はその側面図である。
【0080】
この場合は、フォーカシングレンズ19は、例えば回転対称なレンズ42と円筒レンズ43によって構成され、共焦点ピンホール16を通過した蛍光は、第1コリメータレンズ17で略平行にされ、分光プリズム18により分光された光束は、フォーカシングレンズ19によって分光選択手段40の列方向と直交する方向(図のd−d’方向)には広がりがあり、分光プリズム18の波長分散方向(図の両矢符方向)には焦点が合ったベストスポット状態で集光されて、分光選択手段40に斜め入射する。例えば分光選択手段40がプログラマブルミラーからなるとき、分光選択手段40のオンの要素で反射された分光成分の光束は、別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にされて、分散補償プリズム18で分散補償された後に、第2コリメータレンズ23で集光され、PMT21に入射する。この場合、別のフォーカシングレンズ19’は、フォーカシングレンズ19で発生する非点収差を補正するように、同様に回転対称なレンズと円筒レンズとによって構成されることが望ましい。
【0081】
以上は、分光選択手段40として、選択要素400 を2列以上の複数列で構成することにより、選択要素400 間の隙間41による分光検出波長のぬけを防止するものであったが、図11のような隙間41がある1列の選択要素400 の配置でも、図14の正面図に示すように、各選択要素400 の入射側に一対一に対応して要素全体と両側の隙間41の各々半分を覆うように配置された微小正レンズ44からなるマイクロレンズアレイ45を分光選択手段40の入射側に配置することによっても、このような分光検出波長のぬけを防止することができる。
【0082】
[第2実施例]
本発明による第2実施例を図15に示す。図15は図3(b)に対応する上面図であって、第1実施例の検出部の一部に変更を加えたものであり、その他は第1実施例と同様に構成している。第2実施例では、2つの光電子倍増管(PMT211 及びPMT212 )を用いて、プログラマブルミラー20のオン・オフの両方の信号強度を同時に検出している。本実施例では、PMT211 とPMT212 からの出力を、加算器29で加算して和信号を生成している。また同時に、両者の出力を減算器28により減算して差信号を生成している。そして、加算器29と減算器28により生成した信号を、コンピュータ25(図3)に送っている。プログラマブルミラー20と2つのPMT211 、212 の間には、別のフォーカシングレンズ19’と分散補償プリズム18’と第2−1コリメータレンズ231 、第2−2コリメータレンズ232 が挿入されている。プログラマブルミラー20で反射したオンとオフの波長帯域の光束を別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にし、分散補償プリズム18’で分光プリズム18によって生じた波長分散を補償し、さらに、第2−1コリメータレンズ231 と第2−2コリメータレンズ232 でそれぞれのPMT211 、212 上に集光するようにしている。
【0083】
本実施例においては、プログラマブルミラー20がオンの分光成分とオフの分光成分の差信号を検出するようにしたので、プログラマブルミラー20がオンの分光成分のみを検出する第1実施例に比較して、PMTで発生するノイズの影響を少なくすることができる。その結果、第1実施例では用いていなかった、プログラマブルミラー20がオフの分光成分を計測するようにしたので、第1実施例に比べて、高いS/N比が得られる利点がある。さらに、本実施例においては、プログラマブルミラー20がオンとオフの両方の信号の和信号を常に検出しているので、光源11の出力あるいは検出器のオペアンプの感度のふらつきが生じても、それを補正することができる。よって、さらに精度の高い分光強度分布の算出を行うことができる。
【0084】
[第2実施例の変形例1]
上記第2実施例の変形例として、図16に図15と同様の要部のみを示す。この変形例は、分光選択手段として、第2実施例のプログラマブルミラー20の代わりに、第1実施例の変形例1で説明したグレイティング・ライト・バルブ・アレイ31を用いた点に特徴があるものであり、他の構成は第2実施例と同様である。
【0085】
グレイティング・ライト・バルブ・アレイ31のオンの要素である反射面で反射した分光成分の光束は、別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にされ、分散補償プリズム18’で分光プリズム18によって生じた波長分散が補償され、さらに、第2−1コリメータレンズ231 でPMT211 上に集光されるようになっている。他方、グレイティング・ライト・バルブ・アレイ31のオフの要素である反射型の回折格子に入射して回折された+1次の分光成分は、オンの要素で反射した分光成分とは異なる方向に反射回折され、別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にされ、分散補償プリズム18’で分光プリズム18によって生じた波長分散が補償され、第2−2コリメータレンズ232 でPMT212 上に集光されるようになっている。
【0086】
なお、グレイティング・ライト・バルブ・アレイ31のオフの要素の反射型の回折格子で回折された−1次の分光成分は、ストッパ22により吸収されようになっている。
【0087】
この例の場合も、グレイティング・ライト・バルブ・アレイ31のオフ、オフの制御を回折格子の有無でなく、回折格子の本数の制御による回折角の違いを利用するようにすることもできる。
【0088】
[第2実施例の変形例2]
上記第2実施例の別の変形例として、図17に図15と同様の要部のみを示す。この変形例は、分光選択手段として、第2実施例のプログラマブルミラー20の代わりに、第1実施例の変形例2で説明した反射型の電気アドレス空間変調器32又は透過型の電気アドレス空間変調器32’を用いた点に特徴があるものであり、他の構成は第2実施例と同様である。なお、図17は、反射型の電気アドレス空間変調器32を用いた場合を図示してあるが、透過型の電気アドレス空間変調器32’の構成は、図17と図7から明らかであるので、図示は省く。
【0089】
反射型の電気アドレス空間変調器32のオンの要素で反射(透過型の電気アドレス空間変調器32’の場合と透過)した分光成分の光束は、偏光子33を透過した直線偏光の方向を保ったまま別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にされ、偏光ビームビームスプリッター46に入射して、その偏光ビームビームスプリット面を透過し、第2−1コリメータレンズ231 で集光され、PMT211 に入射する。反射型の電気アドレス空間変調器32のオフの要素で反射(透過型の電気アドレス空間変調器32’の場合と透過)した分光成分の光束は、偏光子33を透過した直線偏光の方向から偏光面が90°回転されて別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にされ、偏光ビームビームスプリッター46に入射して、その偏光ビームビームスプリット面で反射され、第2−2コリメータレンズ232 で集光され、PMT212 に入射する。
【0090】
なお、別のフォーカシングレンズ19’と第2−1コリメータレンズ231 、2−2コリメータレンズ232 の間に分散補償用の別の分光プリズムを配置するようにしてもよい。
【0091】
[第2実施例の変形例3]
上記第2実施例の別の変形例として、図18に図15と同様の要部のみを示す。この変形例は、分光選択手段として、第2実施例のプログラマブルミラー20の代わりに、第1実施例の変形例3で説明した光書き込み反射型空間変調器35を用いた点に特徴があるものであり、他の構成は第2実施例と同様である。
【0092】
液晶表示装置(TV)等の表示装置36からの光(アドレス光)を投影レンズ37により光書き込み反射型空間変調器35の背面に入射させることによりオンにされた要素で反射した分光成分の光束は、偏光子33を透過した直線偏光の方向を保ったまま別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にされ、偏光ビームビームスプリッター46に入射して、その偏光ビームビームスプリット面を透過し、第2−1コリメータレンズ231 で集光され、PMT211 に入射する。光書き込み反射型空間変調器35の背面にアドレス光が入射しなかったオフの要素で反射した分光成分の光束は、偏光子33を透過した直線偏光の方向から偏光面が90°回転されて別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にされ、偏光ビームビームスプリッター46に入射して、その偏光ビームビームスプリット面で反射され、第2−2コリメータレンズ232 で集光され、PMT212 に入射する。
【0093】
なお、この場合も、別のフォーカシングレンズ19’と第2−1コリメータレンズ231 、2−2コリメータレンズ232 の間に分散補償用の別の分光プリズムを配置するようにしてもよい。
【0094】
[第2実施例の変形例4]
上記第2実施例の別の変形例として、図19に図15と同様の要部のみを示す。この変形例は、分光選択手段として、第2実施例のプログラマブルミラー20の代わりに、第1実施例の変形例4で説明した固定パターン39を用いた点に特徴があるものであり、他の構成は第2実施例と同様である。
【0095】
図9との関連で説明したオン要素が反射鏡でオフ要素が穴空きとなっているマスク38の行381 、382 、383 ・・・を相互に切り離して1行に並べて配置した固定パターン39、あるいは、その代わりに、そのような行381 、382 、383 ・・・を2次元的に配置したマスク38(図9(b))、あるいは、円板80の半径方向に等間隔で行381 、382 、383 ・・・を配置したマスク、あるいは、多角柱81の各面に行381 、382 、383 ・・・を配置したマスクを、図19の固定パターン39として用い、固定パターン39のオンの要素で反射した分光成分の光束は、再度フォーカシングレンズ19で平行光束にされて、分光プリズム18で分散補償された後に、第2−1コリメータレンズ231 で集光され、PMT211 に入射する。固定パターン39のオフの要素の穴空きを透過した分光成分は、別のフォーカシングレンズ19’で平行光束にされ、分散補償プリズム18’で分光プリズム18によって生じた波長分散が補償され、さらに、第2−2コリメータレンズ232 でPMT212 上に集光されるようになっている。固定パターン39の行381 、382 、383 ・・・の切り替えは第1実施例の変形例4の場合と同様である。
【0096】
なお、この例において、固定パターン39のオンの要素を反射鏡、オフ要素を反射型回折格子で構成し、その反射型回折格子の回折方向に上記別のフォーカシングレンズ19’、分散補償プリズム18’、第2−2コリメータレンズ232 、及び、PMT212 を配置するようにしてもよい。
【0097】
[第3実施例]
本発明による第3実施例の顕微分光装置の共焦点ピンホール16以降の要部の側面図を図20に示す。励起光を発するレーザ光源11、ダイクロイックミラー12、主走査ガルバノミラー13、副走査ガルバノミラー14、対物レンズ15の構成と配置は図3の場合と同様であるので、図示は省く。
【0098】
この実施例は、第1実施例のプログラマブルミラー20の代わりに、特許文献4等で知られているマルチチャンネル検出器(アレイディテクタ)47を用いるものであり、このマルチチャンネル検出器47は、分光選択手段の各選択要素に対応する検出チャンネル470 が分光プリズム18の波長分散方向に1次元アレイ状に並べて配置されているものであり、各検出チャンネル470 からの検出信号はコンピュータ25内に入力され、その中のソフトウエアにより、各検出チャンネル470 からの検出信号は選択的に取り込まれるようになっており、各測定の際に、オンの要素に対応する検出チャンネル470 からの検出信号をソフトウエアにより加算して取り込むことによって、第1実施例、第2実施例と同様にして分光データを求めることができる。
【0099】
なお、各検出チャンネル470 からの検出信号の選択的取り込みをソフトウエアでなく、マルチチャンネル検出器47に接続されたマルチプレクサー等のハードウエア(電気回路)で行うようにしてもよい。
【0100】
[第3実施例の変形例]
上記第3実施例の変形例として、図21に顕微分光装置の共焦点ピンホール16以降の要部の側面図を示す。励起光を発するレーザ光源11、ダイクロイックミラー12、主走査ガルバノミラー13、副走査ガルバノミラー14、対物レンズ15の構成と配置は図3の場合と同様であるので、図示は省く。
【0101】
この変形例は、分光選択手段として、マルチチャンネル検出器47の代わりに、分光選択手段の選択要素の数に等しい本数の光ファイバー480 の入射端を分光プリズム18の波長分散方向に1次元に並べて構成した光ファイバーアレイ48を用いて、各光ファイバー480 の射出端に各々に2分波スイッチ素子490 を接続し、各2分波スイッチ素子490 のオン側からの出力を合波素子501 に入力させ、各2分波スイッチ素子490 のオフ側からの出力を合波素子502 に入力させ、合波素子501 の出力光強度をディテクタ511 で、合波素子502 の出力光強度をディテクタ512 で検出するようにしてある。そして、光ファイバーアレイ48のチャンネル数に等しい数の2分波スイッチ素子490 各々のオン、オフ切り替えは、コンピュータ25に接続されたスイッチアレイ駆動装置52によって制御されるようになっている。
【0102】
このような構成であるので、光ファイバーアレイ48のオンの光ファイバー480 を経て検出された分光強度は、合波素子501 を経てディテクタ511 で検出される。また、光ファイバーアレイ48のオフの光ファイバー480 を経て検出された分光強度は、合波素子502 を経てディテクタ512 で検出される。したがって、ディテクタ511 で検出された分光強度を用いる場合は、第1実施例と同様な分光強度検出が行え、ディテクタ511 とディテクタ512 で検出された分光強度を用いる場合は、第2実施例と同様な分光強度検出が行える。
【0103】
[第2実施形態]
本発明の顕微分光装置の好適な別の実施形態としては、図2に概略構成図を示すように、共焦点顕微鏡以外の通常の顕微鏡を用いる場合である。
【0104】
この形態の場合は、図2に示すように、通常の顕微鏡111の1次結像面112に配され、顕微鏡111の対物レンズの射出瞳を分光するための分散素子103と、分散素子103によって分光された対物レンズの射出瞳の像を結像させるための瞳投影レンズ113とからなる分光手段114、分光された対物レンズの射出瞳の結像位置に配置され、アダマール行列に即した所定の波長帯域毎に波長選択可能な選択要素を有する分光選択手段106、分散素子103の像を投影する分散素子投影レンズ115と、分散素子103で生じた波長分散を補償する分散補償素子116と、分散補償素子116により分散補償された像を検出するための検出器117とからなる検出手段118、及び、復調手段110で構成されるものである。さらに、分光選択手段116で選択要素に作用させるアダマール行列としては、前述のように、次数2v (vは自然数)のアダマール行列であって、初めの2w 個(wはvより小さい自然数)の行又は列の交番数が残りの全ての行又は列の交番数の最小値よりも小さく、さらに、行又は列の交番数が昇順のアダマール行列で構成することが望ましい。
【0105】
本構成によれば、顕微鏡114で分光観測対象を顕微観察することにより得られた観察像が、分散素子103と瞳投影レンズ113により分光され、さらに、分光選択手段116を構成する選択要素をアダマール行列に即して作用させることにより所定の波長帯域の光束を選択し、検出手段118の分散素子投影レンズ115と分散補償素子116により分散補償された分光像を得て、この像を検出器117により検出する。アダマール行列の交番数に即して分光選択手段116の選択要素の作用を替え、所望の分光解像度が得られるまで計測を繰り返した後に、計測された分光像の各点において前述の(8)式を実現する復調手段110により復調することで、分光観測対象の所望の解像度の分光像が最短の時間で得られる。
【0106】
次に、以下に図面を用いて本実施形態の実施例について説明する。
【0107】
[第4実施例]
第4実施例として蛍光顕微鏡を用いた顕微分光装置を図22を用いて説明する。
【0108】
本発明による第4実施例の顕微分光装置は、図22(a)に示すように、少なくとも、励起光を発する光源61と、光源61からの励起光を標本Oに向かう光路に導入するダイクロイックミラー62と、励起光を標本面上に集光させ、標本Oの蛍光像を拡大するための対物レンズ63と、対物レンズ63により拡大された標本Oの像を結像させるための結像レンズ64とからなる顕微鏡、その顕微鏡の1次結像面に配され、対物レンズ63の射出瞳を分光するための分散素子としての分光グレーティング65と、分光された対物レンズ63の射出瞳の像を結像させるための瞳投影レンズ66とからなる分光手段、分光された対物レンズ63の射出瞳の結像位置に配置され、所定の波長帯域毎に波長選択を行う固定アダマールマスク67と、固定アダマールマスク67を横方向に移動するアダマールマスク駆動装置68とからなる分光選択手段、固定アダマールマスク67を透過した分光成分で分光グレーティング65の像を投影する分散素子投影レンズ69と、分光グレーティング65で生じた波長分散を補償する分散補償素子として分散補償グレーティング70と、分散補償グレーティング70により分散補償された蛍光像を撮像するための撮像装置71とからなる検出手段、さらに、前述の(8)式に即して分光データの復調を図示しないコンピュータ内のソフトウエアで行う復調手段で構成される。
【0109】
なお、当該コンピュータでは、撮像装置71とアダマールマスク駆動装置68の制御や蛍光像の分光像の表示等も行う。
【0110】
固定アダマールマスク67には、図22(b)にn=8の例のパターンを示すように、交番数順のアダマール行列H* に対応した開口パターンが開いている。対物レンズ63の射出瞳は、分光グレーティング65によってこのアダマールマスク上に縦方向の分光スペクトルとなって投影される。アダマールマスク駆動装置68でこの固定アダマールマスク67を横方向に順次動かしながら撮像装置71で撮像した画像を、コンピュータに蓄積して行く。そして、各画素毎に第1実施例で説明した(8)式に即した復調を行うことにより、分光画像を算出することができる。
【0111】
本実施例においても、固定アダマールマスク67に交番数順のアダマール行列の開口バターンを設けたことにより、第1実施例で説明したと同様に、計測の途中から低分解能の分光画像を順次得ることができ、その分高速化が図れる。
【0112】
[第4実施例の変形例]
上記第4実施例の変形例として、図23に図22と同様の図を示す。この変形例は、分光選択手段として、第4実施例の固定アダマールマスク67の代わりに、第1実施例の変形例2で説明した透過型の電気アドレス空間変調器32’を用いた点に特徴があるものであり、他の構成は第4実施例と同様である。
【0113】
透過型の電気アドレス空間変調器32’に入射する光路中に偏光子33を、その透過型の電気アドレス空間変調器32’を透過した光路中に検光子34を、電圧を印加した要素(画素)のみを標本Oからの蛍光が通過できるように配置する。そして、この透過型の電気アドレス空間変調器32’には、交番数順のアダマール行列H* の行又は列の+1に対応した要素(画素)に電圧が選択的に印加される。対物レンズ63の射出瞳は、分光グレーティング65によってこの透過型の電気アドレス空間変調器32’上に分光スペクトルとなって投影される。透過型の電気アドレス空間変調器32’上の電圧を印加する要素を選択しながら撮像装置71で撮像した画像を、コンピュータに蓄積して行く。そして、撮像した画像の各画素毎に第1実施例で説明した(8)式に即した復調を行うことにより、分光画像を算出することができる。
【0114】
[第5実施例]
この実施例の顕微分光装置は、図24(a)に示すように、少なくとも、励起光を発する光源61と、光源61からの励起光を標本Oに向かう光路に導入するダイクロイックミラー62と、励起光を標本面上に集光させ、標本Oの蛍光像を拡大するための対物レンズ63と、対物レンズ63により拡大された標本Oの像を結像させるための結像レンズ64とからなる顕微鏡、その顕微鏡の1次結像面に配され、対物レンズ63の射出瞳を分光するための分散素子としての分光グレーティング65と、分光された対物レンズ63の射出瞳の像を結像させるための瞳投影レンズ66とからなる分光手段、分光された対物レンズ63の射出瞳の結像位置に配置され、所定の波長帯域毎に異なる2つの周波数で周波数変調を行う周波数光変調器アレイ73からなる分光選択手段、周波数光変調器アレイ73を透過した分光成分で分光グレーティング65の像を投影する分散素子投影レンズ69と、分光グレーティング65で生じた波長分散を補償する分散補償素子として分散補償グレーティング70と、分散補償グレーティング70により分散補償された蛍光像を撮像するための撮像装置71とからなる検出手段、さらに、撮像装置71で撮像した画像の各画素の変調信号にロックイン検出器を経て、各画素の異なる2つの周波数それぞれで光変調された光強度を検出して、コンピュータに蓄積して行く。そして、各画素毎に第1実施例で説明した(8)式に即した復調を行うことにより、分光画像を算出することができる。
【0115】
ここで、周波数光変調器アレイ73は、図24(b)に示すように、電気光学変調器、音響光学変調器等の光変調器730 を分光グレーティング65の波長分散方向にアレイ状に配置してなるもので、各光変調器730 が分光選択手段の選択要素を構成しており、オンの要素である光変調器730 はある特定の周波数で対応する波長帯域の強度に周波数変調をかけ、オフの要素である光変調器730 はそれとは異なる特定の周波数でそれに対応する波長帯域の強度に周波数変調をかける。したがって、ロックイン検出器でそれぞれの周波数の強度を検出することにより、周波数光変調器アレイ73のオン・オフそれぞれの要素を透過してきら分光強度を検出することができるので、第4実施例と同様にこの周波数光変調器アレイ73を制御しながら撮像装置71で撮像した画像の復調を行うことにより、分光画像を算出することができる。
【0116】
なお、以上の実施例では、交番数順のアダマール行列を用いた例を説明したが、変調画像を復調できるのは、交番数が0から2w −1(wは任意の自然数) である行成分を用いた2w枚の変調画像を取得できた後となる。つまり、2w 枚の変調画像を取得する順序に制限はない。したがって、交番数順のアダマール行列の代わりに、初めの2w 個の行又は列の交番数が全て、残りの行又は列の交番数の最小値よりも小さいアダマール行列を用いても、初めの2w 個のの分光変調を行った時点で波長帯域2w 分割の低解像度の分光強度を求めることができるので、以上の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0117】
さて、以上の実施例及び変形例において、分光プリズム18、分散補償プリズム18、18’の代わりに、分光グレーティング(回折格子)を用いてもよく、また、分光グレーティング65、分散補償グレーティング70の代わりに、分光プリズムを用いてもよい。
【0118】
また、分散補償プリズム18’や分散補償グレーティング70は配置しなくてもよいが、検出器であるPMT21、211 、212 の受光面と別の別のフォーカシングレンズ19’や第2コリメータレンズ23、第2−1コリメータレンズ231 、第2−2コリメータレンズ232 を波長分散で広がった光束を検出可能なサイズにすればよい。
【0119】
また、分光選択手段が反射型のものは、透過型に変形することは容易に可能である。
【0120】
さらに、検出器としては、PMT以外に、アバランシェフォトダイオード等の高感度低ノイズ検出器を用いることができるのは当然である。
【0121】
また、分光選択手段として、固定パターンを用いる例(図9、図10、図19、図22)においては、分光手段側を移動させるようにしてもよい。図25に図9の場合に、分光選択手段として2次元配置マスク38を用いて、マスク38を移動する代わりに、分光プリズム18を破線から点線の位置に移動させることにより、分光手段の各要素のオン・オフ状態を変えるようにすることができる。
【0122】
以上述べた、本発明のアダマール顕微分光装置を整理すると以下のようになる。
【0123】
〔1〕 少なくとも分光観測対象を顕微観察する顕微鏡と、前記顕微鏡からの入射光を波長分解する分光手段と、前記分光手段により波長分解された前記入射光をアダマール行列に即した所定の波長帯域毎に選択する複数の選択要素を有する分光選択手段と、前記分光選択手段で選択された所定の波長帯域の分光強度を検出する検出手段と、検出された分光強度から分光観測対象の分光強度を復調する復調手段とからなり、前記分光選択手段は、所定の次数のアダマール行列の要素に従って選択状態が定まるものであり、
前記分光選択手段が、アダマール行列の行又は列の選択状態を与える選択要素が少なくとも2列以上で構成され、その隣同士の列の選択要素の配列がお互いを補完するように列方向へずらされた配列を持つことを特徴とする顕微分光装置。
【0124】
〔2〕 前記顕微鏡が共焦点顕微鏡からなり、前記分光手段が、少なくとも、前記共焦点顕微鏡の共焦点ピンホールを通過した光束を略平行光にするコリメータレンズと、その略平行光を分光するための分散素子と、前記分散素子によって分光された光を集光するための第1のフォーカシングレンズとからなり、前記検出手段が、少なくとも、検出器と、前記分光選択手段で選択された波長帯域の光束のみを当該検出器に取り込むためのレンズ系とからなることを特徴とする上記1記載の顕微分光装置。
【0125】
〔3〕 前記第1のフォーカシングレンズが、非対称な結像作用を持つものであることを特徴とする上記1又は2記載の顕微分光装置。
【0126】
〔4〕 少なくとも、前記分光手段が、前記顕微鏡の1次結像面に配され、前記顕微鏡の対物レンズの射出瞳を分光するための分散素子と、前記分散素子によって分光された対物レンズの射出瞳の像を結像させるための瞳投影レンズとからなり、前記分光選択手段が、分光された対物レンズの射出瞳の結像位置に配置され、前記検出手段が、少なくとも、前記分散素子の像を投影する分散素子投影レンズと、前記分散素子で生じた波長分散を補償する分散補償素子と、前記分散補償素子により分散補償された像を検出するための検出器とからなることを特徴とする上記1記載の顕微分光装置。
【0127】
〔5〕 前記検出手段が、少なくとも2つの検出器を用いて構成され、前記分光選択手段で定められたアダマール行列の+1成分と−1成分に対応したそれぞれの波長帯域の光束を別々に検出することを特徴とする上記1から4の何れか1項記載の顕微分光装置。
【0128】
〔6〕 前記アダマール行列として、次数2v (vは自然数)のアダマール行列であって、初めの2w 個(wはvより小さい自然数)の行又は列の交番数が残りの全ての行又は列の交番数の最小値よりも小さいアダマール行列、あるいは、行又は列の交番数が昇順のアダマール行列の少なくとも一方のアダマール行列を用いることを特徴とする上記1から5の何れか1項記載の顕微分光装置。
【0129】
〔7〕 前記分光選択手段が、周波数変調型の空間光変調器であり、アダマール行列の+1成分と−1成分に対応したそれぞれの波長帯域に別々の周波数変調をかけ、前記検出手段で周波数選別して片方若しくはそれぞれを検出することを特徴とする上記1から6の何れか1項記載の顕微分光装置。
【0130】
〔8〕 前記顕微鏡が共焦点顕微鏡からなり、前記分光手段が、少なくとも、前記共焦点顕微鏡の共焦点ピンホールを通過した光束を略平行光にするコリメータレンズと、その略平行光を分光するための分散素子と、前記分散素子によって分光された光を集光するための第1のフォーカシングレンズとからなり、前記検出手段が、少なくともマルチチャンネル検出器で構成されることを特徴とする上記1記載の顕微分光装置。
【0131】
〔9〕 前記分光選択手段として、ディフォーマブルミラー、ディジタルミラーデバイス、グレイティング・ライト・バルブ等の機械式変調器を用いることを特徴とする上記1から7の何れか1項記載の顕微分光装置。
【0132】
〔10〕 前記分光選択手段として、反射型若しくは透過型の電気アドレス空間変調器を用いることを特徴とする上記1から7の何れか1項記載の顕微分光装置。
【0133】
〔11〕 前記分光選択手段として、光書き込み反射型空間変調器を用いることを特徴とする上記1から7の何れか1項記載の顕微分光装置。
【0134】
〔12〕 前記分光選択手段として、アダマール行列の+1成分と−1成分にそれぞれ対応させた反射部分と透過部分を持つ固定パターン若しくは反射部分とグレーティング部分を持つ固定パターンを機械的に移動させるものを用いることを特徴とする上記1から7の何れか1項記載の顕微分光装置。
【0135】
〔13〕 前記固定パターンとして、アダマール行列の行又は列を、1次元に並べたもの、2次元に並べたもの、円板上若しくは多角柱の側面に並べたものを用いることを特徴とする上記12記載の顕微分光装置。
【0136】
〔14〕 前記波長選択手段が、マルチチャンネル検出器で検出後に電気回路若しくはソフトウエアで実現されることを特徴とする上記8記載の顕微分光装置。
【0137】
〔15〕 前記波長選択手段が、少なくとも、光ファイバと、分波スイッチ素子と、合波素子との組み合わせで構成されていることを特徴とする上記8記載の顕微分光装置。
【0138】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の顕微分光装置によれば、所望の波長分解能の分光強度分布が得られた時点で計測を打ち切っても、従来のアダマール分光装置と異なり、正確に分光データが得られるので、計測時間の効率化を図った高速な分光装置を供給できる。
【0139】
また、分光選択手段として、アダマール行列の行又は列の選択状態を与える選択要素が少なくとも2列以上で構成され、その隣同士の列の選択要素の配列がお互いを補完するように列方向へずらされた配列を持つものを用いているので、分光選択手段として、所定の波長帯域毎に選択する1列の複数の選択要素間にデットスペースを有する分光選択手段を用いる場合でも、その1列の選択要素間のデットスペースに入射する波長帯域の分光強度も、隣接する列の選択要素によって選択可能となるため、分光手段により波長分解された全ての波長帯域の分光強度をぬけなく検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】顕微鏡として共焦点顕微鏡を用いる場合の本発明の顕微分光装置の基本形態の概略の構成を示す図である。
【図2】顕微鏡として通常の顕微鏡を用いる場合の本発明の顕微分光装置の基本形態の概略の構成を示す図である。
【図3】本発明による第1実施例の顕微分光装置の構成を説明するための図である。
【図4】第1実施例の分光装置による分光計測のフローチャートを示す図である。
【図5】第1実施例の変形例1の要部のみを示す図である。
【図6】第1実施例の変形例2の要部のみを示す図である。
【図7】図6の変形例を透過型に代えた場合の要部のみを示す図である。
【図8】第1実施例の変形例3の要部のみを示す図である。
【図9】第1実施例の変形例4を説明するための図である。
【図10】図9の変形例を透過型に代えた場合の要部のみを示す図である。
【図11】選択要素を1次元アレイ状に並べて配置してなる分光選択手段の問題点を説明するための図である。
【図12】第1実施例の変形例5による分光選択手段の選択要素の配置を説明するための図である。
【図13】図12の分光選択手段のために用いるフォーカシングレンズの構成を説明するための要部のみを示す図である。
【図14】図11の配置の分光選択手段の問題点を解決するための別の手段を説明するための図である。
【図15】本発明による第2実施例の顕微分光装置の要部のみを示す図である。
【図16】第2実施例の変形例1の図15と同様の図である。
【図17】第2実施例の変形例2の図15と同様の図である。
【図18】第2実施例の変形例3の図15と同様の図である。
【図19】第2実施例の変形例4の図15と同様の図である。
【図20】本発明による第3実施例の顕微分光装置の共焦点ピンホール以降の要部の側面図である。
【図21】第3実施例の変形例の図20と同様の図である。
【図22】本発明による第4実施例の蛍光顕微鏡を用いた顕微分光装置の構成を示す図である。
【図23】第4実施例の変形例の図22(a)と同様の図である。
【図24】本発明による第5実施例の蛍光顕微鏡を用いた顕微分光装置の構成を示す図である。
【図25】本発明において分光選択手段として固定パターンを用いる場合の変形例を説明するための図である。
【図26】従来のアダマール変換を用いた分光装置の構成を示す図である。
【図27】従来の7次のS行列の例とそれに対応するアダマールマスクを示す図である。
【図28】従来のアダマールマスクによる波長選択の切り替えを表す図である。
【符号の説明】
O…標本
1…入射スリット
2…コリメートレンズ
3…分光グレーティング
4…スリット投影レンズ
5…アダマールマスク
6…グレーティング投影レンズ
7…分散補償グレーティング
8…撮像レンズ
9…検出器
11…レーザ光源
12…ダイクロイックミラー
13…主走査ガルバノミラー
14…副走査ガルバノミラー
15…対物レンズ
16…共焦点ピンホール
17…第1コリメータレンズ
18…分光プリズム
18’…分散補償プリズム
19…フォーカシングレンズ
19’…別のフォーカシングレンズ
20…プログラマブルミラー
21…PMT(光電子倍増管)
211 、212 …PMT(光電子倍増管)
22…ストッパ
221 、222 …ストッパ
23…第2コリメータレンズ
231 …第2−1コリメータレンズ
232 …第2−2コリメータレンズ
24…プログラマブルミラー駆動装置
25…コンピュータ
26…表示装置
27…PMT駆動装置
28…減算器
29…加算器
31…グレイティング・ライト・バルブ・アレイ
310 …グレイティング・ライト・バルブ
32…反射型の電気アドレス空間変調器
32’…透過型の電気アドレス空間変調器
33…偏光子
34…検光子
35…光書き込み反射型空間変調器(反射型の光アドレス型空間光変調器)
36…表示装置
37…投影レンズ
38…アダマール行列H* v に対応するマスク
38a …白要素部分
38b …黒要素部分
381 、382 、383 ・・・…マスクの行
39…固定パターン
400 …選択要素
40…分光選択手段
41…隙間
41が生じてしまう。
42…回転対称なレンズ
43…円筒レンズ
44…微小正レンズ
45…マイクロレンズアレイ
46…偏光ビームビームスプリッター
47…マルチチャンネル検出器(アレイディテクタ)
470 …検出チャンネル
480 …光ファイバー
48…光ファイバーアレイ
490 …2分波スイッチ素子
501 、502 …合波素子
511 、512 …ディテクタ
52…スイッチアレイ駆動装置
61…光源
62…ダイクロイックミラー
63…対物レンズ
64…結像レンズ
65…分光グレーティング
66…瞳投影レンズ
67…固定アダマールマスク
68…アダマールマスク駆動装置
69…分散素子投影レンズ
70…分散補償グレーティング
71…撮像装置
73…周波数光変調器アレイ
730 …光変調器
80…円板
81…多角柱
100…共焦点顕微鏡
101…共焦点ピンホール
102…コリメータレンズ
103…分散素子
104…第1のフォーカシングレンズ
105…分光手段
106…分光選択手段
107…第2のフォーカシングレンズ
108…検出器
109…検出手段
110…復調手段
111…通常の顕微鏡
112…1次結像面
113…瞳投影レンズ
114…分光手段
115…分散素子投影レンズ
116…分散補償素子
117…検出器
118…検出手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a microspectroscope, and more particularly to a microspectroscope using a Hadamard transform method.
[0002]
[Prior art]
The Hadamard matrix H is a square matrix whose elements are either +1 or −1, and is a generic name for matrices having the following properties.
[0003]
[Expression 1]
Since all elements of the Hadamard matrix are +1 or -1, a method of expressing them with + and-is generally performed. For example, a fourth-order Hadamard matrix HFourIs
[0004]
[Expression 2]
It is described as follows. In the present specification, this description method will be used in the future.
[0005]
The Hadamard transform using the Hadamard matrix H has a wide range of application fields such as spectrum analysis, signal transmission, and image processing as described in detail in Non-Patent
[0006]
FIG. 26 shows a typical apparatus configuration of a spectroscopic apparatus using Hadamard transform. The spectroscopic device includes an
[0007]
The Hadamard mask 5 is provided with an opening corresponding to an element of a so-called Paley-type Hadamard matrix heart matrix (a partial matrix excluding the first row and the first column of the Hadamard matrix) S, which is a cyclic matrix. The Paley-type Hadamard matrix is a Hadamard matrix whose heart matrix is a cyclic matrix.
[0008]
Below, an example S of a 7th-order heart matrix S7Is used to explain the relationship of the Hadamard mask corresponding to the heart matrix S. As shown in FIG.7In each row, seven elements consisting of +1 and -1 are arranged, and there is a relationship in which the rotation operation is performed one element clockwise in order from the upper row. Therefore, S7Are overlapped from top to bottom, one element at a time on the left side, so that a row vector ν consisting of 13 + and − elements.7Can be defined. As shown in FIG. 27 and FIG.7The number of cells is the same as the elements of, and each cell has ν7An opening is set corresponding to each element of + or-. In the example of FIGS. 27 and 28B, ν7A cell corresponding to + in the element is an opening, and a cell corresponding to-is a shielding part. On the other hand, as shown in FIG. 28A, the auxiliary mask has an opening having a length corresponding to seven cells of the Hadamard mask (FIG. 28B). When this auxiliary mask is overlaid on the Hadamard mask, a synthetic aperture ((c) in the figure) is formed. If the Hadamard mask is moved one cell at a time relative to the fixed auxiliary mask, S7Opening patterns corresponding to the respective rows are sequentially obtained. In this way, the Hadamard mask 5 in FIG. 26 is provided so that the Hadamard mask can be moved by one cell with respect to the fixed auxiliary mask.
[0009]
On the surface of the Hadamard mask 5, a spectral spectrum of incident light generated by the
[0010]
In this way, S7The incident light that has been subjected to wavelength selection for each wavelength band corresponding to each row of, detects the sum of the intensity of the selected portion by the detector 9. S7After the sum of intensities for all rows of is detected, S7The sum of the intensities is demodulated using the inverse matrix, and the spectral intensity for each wavelength band is calculated.
[0011]
[Patent Document 1]
US Pat. No. 5,982,553
[0012]
[Patent Document 2]
JP-A-6-51340
[0013]
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-133225
[0014]
[Patent Document 4]
US Patent Application Publication No. 2002/0020819
[0015]
[Non-Patent Document 1]
Kiyasu City "Hadamard procession and its application" (Corona)
[0016]
[Non-Patent Document 2]
J.A.Decker, Jr., "Experimantal Realization of the MultiplexAdvantage with a Hadamard-Transform Spectrometer", Applied Optics, Vol.10, No.3, pp.510-514 (1971)
[0017]
[Problems to be solved by the invention]
Incidentally, the conventional Hadamard transform spectroscopy has the following disadvantages. That is, unless spectral modulation is performed on all the rows or columns of the Hadamard matrix H or the heart matrix S, it is impossible to demodulate it and calculate the target spectral intensity. For example, in order to obtain spectroscopic data using a Hadamard mask divided into 255 wavelength bands, the sum of the intensities of 255 selected portions must be recorded while switching the wavelength selection portion using the Hadamard mask. However, the wavelength resolution required by the measurer is not always constant. If the wavelength resolution of the spectral intensity required by the measurer is lower than the wavelength resolution determined by the Hadamard mask, the measurement time is longer than necessary. In particular, when performing spectroscopic analysis of a weak fluorescent specimen, unnecessary measurement time is not preferable because it hinders high-speed spectroscopic measurement or accelerates the fading of the fluorescent dye.
[0018]
The present invention has been made in view of such problems of the prior art, and an object of the present invention is to provide a Hadamard microspectroscope capable of performing spectroscopic measurement at high speed according to a desired wavelength resolution.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
The microspectroscopic device of the present invention that achieves the above object includes a microscope for microscopically observing at least a spectroscopic observation object, a spectroscopic means for wavelength-resolving incident light from the microscope, and the incident light wavelength-resolved by the spectroscopic means A spectral selection means having a plurality of selection elements for selecting a predetermined wavelength band in accordance with the Hadamard matrix, a detection means for detecting the spectral intensity of the predetermined wavelength band selected by the spectral selection means, and And a demodulating means for demodulating the spectral intensity of the spectral observation object from the spectral intensity, wherein the spectral selecting means determines a selection state according to an element of a Hadamard matrix of a predetermined order,
The spectroscopic selection means includes at least two or more selection elements that give a selection state of a Hadamard matrix row or column, and the arrangement of the selection elements in adjacent columns is shifted in the column direction so as to complement each other. It is characterized by having an array.
[0020]
In the microspectroscopic device of the present invention, as a spectroscopic selection means, selection elements that give a selection state of rows or columns of a Hadamard matrix are composed of at least two columns, and the arrangement of selection elements in adjacent columns complements each other. Therefore, a spectroscopic selection unit having a dead space between a plurality of selection elements in one column selected for each predetermined wavelength band is used as the spectroscopic selection unit. Even in this case, since the spectral intensity of the wavelength band incident on the dead space between the selection elements in one row can be selected by the selection element in the adjacent row, the spectral intensities of all the wavelength bands resolved by the spectroscopic means It is possible to detect without passing through.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, the basic form of the microspectroscopic device of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 1 is a diagram showing a schematic configuration of a basic form of a microspectroscopic device of the present invention when a confocal microscope is used as a microscope, and FIG. 2 is a diagram when a normal microscope is used.
[0022]
In the case of the form of FIG. 1, the light beam that has passed through the
[0023]
Here, the
[0024]
In the case of the configuration shown in FIG. 2, the
[0025]
In this case, the
[0026]
Here, in the present invention, the Hadamard matrix that defines the selection states of the plurality of selection elements of the spectroscopic selection means 106 is the same as the conventional one, and there is no particular limitation.vHadamard matrix (v is a natural number)wAn Hadamard matrix whose w or column alternating number is less than the minimum of all remaining row or column alternating numbers, or an Hadamard matrix whose row or column alternating number is ascending It is desirable to use at least one Hadamard matrix. The reason will be described below.
[0027]
The Hadamard matrix is a so-called S-type H matrix, and is one of n-order S-type H matrices.nCan be obtained inductively by the following procedure.
[0028]
[Equation 3]
Where HnIs an n-th order S-type H matrix. Thus, the S-type H matrix has n = 2.v(V is a natural number) Only the order is defined.
[0029]
The alternating number represents the number of positions where the signs of adjacent elements are different in one row or column. In the case of n = 8, it is as follows.
[0030]
[Expression 4]
The number shown on the right side of the matrix of the above equation (4) is the number of alternations for each row.
[0031]
As the alternating number of each row of the S-type H matrix obtained by this method, there is one integer from 0 to n-1. Since the S-type H matrix is a symmetric matrix, the alternating numbers for the columns are also in this order. The inverse matrix of the S-type H matrix is equal to 1 / n of itself. That is, it is as follows.
[0032]
[Equation 5]
Matrix H used in the present invention in which the alternating numbers of rows or columns of the S-type H matrix are rearranged in ascending order*Is also one of the Hadamard matrices. In the case of n = 8, it is as follows.
[0033]
[Formula 6]
Spectroscopy using these Hadamard transforms has a wavelength band of n = 2.vMatrix λ of center wavelengths when sampling in divisionsT= {Λ1λ2... λn}TMatrix of spectral intensities for xT= {X1x2... xn}TIs an unknown (spectral intensity to be obtained), and a signal intensity matrix s selected and detected in accordance with the elements of each row of the Hadamard matrix HT= {S1s2... sn}TBut,
[0034]
[Expression 7]
Therefore, the spectral intensity to be obtained can be calculated using equation (5).
[0035]
[Equation 8]
It can be seen from the following formula.
[0036]
That is, the microspectroscopic device of the present invention splits the light beam from the spectroscopic observation object microscopically observed with the configuration of FIG. 1 and FIG. The matrix of the signal intensity detected by the action is measured, and the desired spectral intensity is obtained by demodulating them based on the equation (8).
[0037]
By the way, in a spectroscopic method using a general Hadamard matrix, demodulation based on the above-described equation (8) cannot be performed unless signal strengths for all rows of the Hadamard matrix H are obtained. On the other hand, as described above, as the Hadamard matrix used in the spectral selection means, the first 2wAn Hadamard matrix whose w or column alternating number is less than the minimum of all remaining row or column alternating numbers, or an Hadamard matrix whose row or column alternating number is ascending Since at least one Hadamard matrix is used, low-resolution spectral intensity can be obtained without measuring all the elements of the signal intensity matrix. This will be described below.
[0038]
According to Chapter 6 of
[0039]
[Equation 9]
It is expressed in the form of Here, the operator of x is a Kronecker operator,
[0040]
[Expression 10]
Represents. Thus, the first half of the signal strength matrix s is
[0041]
[Expression 11]
Then, solving this equation,
[0042]
[Expression 12]
The following equation is obtained. This means that a spectral intensity with half the wavelength resolution can be obtained from the first half of the signal intensity. Similarly, from the first 1/4 number of signal strengths,
[0043]
[Formula 13]
It can be seen that a spectral intensity having a wavelength resolution of ¼ can be obtained using the following equation. Conversely, the Hadamard matrix H in alternating order* nSignal strength for the first two rows of {s1s2}TThe spectral intensity obtained by dividing the wavelength band into two can be obtained. That is,
[0044]
[Expression 14]
It becomes. Furthermore, the signal strength {s for the first four matrices of the Hadamard matrix H1s2sThreesFour}TThe spectral intensity obtained by dividing the wavelength band into four can be obtained. That is,
[0045]
[Expression 15]
It becomes.
[0046]
That is, in the microspectroscopic device of the present invention, the order 2vHadamard matrix (v is a natural number)wBy using a Hadamard matrix in which the number of alternating rows or columns (w is a natural number less than v) is smaller than the minimum of the alternating numbers of all remaining rows or columns,wSpectral data can be obtained even when measurement values for individual modulations are obtained. Further, by using an Hadamard matrix in which the number of alternating rows or columns is ascending, spectral data can be obtained while sequentially increasing the wavelength resolution from low resolution to high resolution. Furthermore, by using both at the same time, it is possible to stop the measurement at the time when the desired wavelength resolution is reached even in the middle and acquire the spectral data.
[0047]
Therefore, the Hadamard matrix that defines the selection state of the plurality of selection elements of the spectral selection means 106 is the same as the conventional one and there is no particular limitation.vHadamard matrix (v is a natural number)wAn Hadamard matrix whose w or column alternating number is less than the minimum of all remaining row or column alternating numbers, or an Hadamard matrix whose row or column alternating number is ascending According to the configuration using at least one Hadamard matrix, while maintaining the high S / N ratio of a conventional spectroscopic device using a single slit, which is a merit of the conventional Hadamard spectrometer, at a desired wavelength resolution. Microspectroscopy can be measured in the shortest time. This is a great merit because, for example, in the microspectroscopic observation of a fluorescent specimen or the like, in which weak spectroscopic measurement is mainly used, fading of the fluorescent dye can be avoided.
[0048]
[First Embodiment]
As a preferred embodiment of the microspectroscopic device of the present invention, a confocal microscope is used as a microscope as shown in a schematic configuration diagram in FIG.
[0049]
In this case, the microscope is a
[0050]
According to such a configuration, the light beam that has passed through the
[0051]
Next, examples of the present embodiment will be described below with reference to the drawings.
[0052]
[First embodiment]
The microspectroscopic device according to the first embodiment of the present invention has a configuration in which a laser scanning confocal microscope (CLSM) as shown below is used as a microscope. FIG. 3A is a side view of the microspectroscope, and FIG. 3B is a top view thereof. This microspectroscopic device includes a
[0053]
More specifically, as shown in FIG. 3 (b), which is a side view of a part of FIG. 3 (a), the fluorescence that has passed through the
[0054]
Here, the programmable mirror 20 is a micromirror assembly in which micromirrors of the same number as the order of the Hadamard matrix are arranged in parallel in the wavelength dispersion direction of the
[0055]
FIG. 4 shows the flow of spectroscopic measurement in this example. Where w is 2wIs an auxiliary variable representing the number of divisions of the wavelength band, and m is an auxiliary variable (alternating number + 1) designating the row number of the Hadamard matrix. First, w and m start from 0 (ST1, ST2). Next, the auxiliary variable w representing the number of divisions is first set to 1 (ST3). Subsequently, while adding the row m of the Hadamard matrix sequentially from 1 (ST4), the degree 2vHadamard matrix of* vThe programmable mirror 20 is turned on / off in correspondence with the mth row element (ST5), and the measurement results (output from the PMT 21) are sequentially recorded. And m is 2w(ST7), using the m measurement results recorded so far, the wavelength band 2 from the above equation (8)wThe spectral intensity of the division is calculated (ST8). If the calculated wavelength resolution is insufficient (ST7), while adding m (ST4), further spectroscopic measurement is continued, whether the wavelength resolution is sufficient (ST10), m is the Hadamard matrix H* vDegree 2 ofvWhen it becomes equal to (ST9), the spectroscopic measurement is discontinued. This processing is also realized by software in the
[0056]
As described above, in this embodiment, by using the S-type H matrix in the order of the alternating number, the spectral intensity is increased while sequentially increasing the resolution from the low resolution to the high resolution without detecting all the signal intensities for each row. Can go for you. Therefore, unlike the conventional method, it is a method capable of performing spectroscopic measurement most efficiently in accordance with the resolution, that is, at high speed.
[0057]
[
As a modification of the first embodiment, FIG. This modification is characterized in that the grating
[0058]
The grating light valve is proposed in
[0059]
The
[0060]
The
[0061]
[Modification 2 of the first embodiment]
As a modification of the first embodiment, FIG. 6 shows a view similar to FIG. This modification is characterized in that a reflection type electrical address
[0062]
The reflective electrical address
[0063]
In this arrangement, as shown in FIG. 6, the fluorescence that has passed through the
[0064]
In the case where an electrical address spatial modulator in which each pixel is made of TN, STN, ferroelectric liquid crystal or the like as described above is used as the spectral selection means, as shown in FIG. 7, the programmable mirror 20 of the first embodiment is used. Alternatively, a transmissive electrical address
[0065]
[Modification 3 of the first embodiment]
As a modification of the first embodiment, FIG. 8 shows a view similar to FIG. In this modification, as a spectral selection means, instead of the programmable mirror 20 of the first embodiment, a light writing reflective spatial modulator in which pixels are arranged in a one-dimensional array (a reflective optical addressing spatial light modulator). ) 35 is used, and the other configuration is the same as that of the first embodiment.
[0066]
The optical writing reflective
[0067]
As shown in FIG. 8, each pixel of the optical writing reflective spatial
[0068]
In this arrangement, as shown in FIG. 8, the fluorescence that has passed through the
[0069]
[Modification 4 of the first embodiment]
As a modification of the first embodiment, FIG. 9B shows the Hadamard matrix H.* vA mask 38 corresponding to the
[0070]
That is, as shown in FIG. 9A, the fluorescence that has passed through the
[0071]
As a fixed pattern to be arranged at the focusing position of the focusing
[0072]
Further, as a variation of this, row 38 of
[0073]
Alternatively, as shown in FIG.1, 382, 38ThreeAre arranged separately on each surface of the
[0074]
When such a
[0075]
In this case as well, in the same manner as the reflection type of FIG. 9A, the
[0076]
In the example of FIG. 10, the Hadamard matrix H of FIG.* vThe
[0077]
[Modification 5 of the first embodiment]
By the way, in the above first embodiment and its modifications, the programmable mirror 20 made of a one-dimensional micromirror assembly used as a spectral selection means, the one-dimensionally arranged grating
[0078]
Therefore, these
[0079]
However, when the light beams having respective wavelengths separated by the
[0080]
In this case, the focusing
[0081]
The above is the
[0082]
[Second Embodiment]
A second embodiment according to the present invention is shown in FIG. FIG. 15 is a top view corresponding to FIG. 3B, in which a part of the detection unit of the first embodiment is modified, and the rest is configured in the same manner as in the first embodiment. In the second embodiment, two photomultiplier tubes (PMT21) are used.1And PMT212), The on / off signal strength of the programmable mirror 20 is simultaneously detected. In this embodiment, PMT211And PMT212Are added by an
[0083]
In this embodiment, the programmable mirror 20 detects the difference signal between the on-spectrum component and the off-spectrum component, so that the programmable mirror 20 detects only the on-spectral component. , The influence of noise generated in the PMT can be reduced. As a result, the programmable mirror 20 that has not been used in the first embodiment is measured for the off-spectral component, so that there is an advantage that a higher S / N ratio can be obtained compared to the first embodiment. Furthermore, in this embodiment, since the programmable mirror 20 always detects the sum signal of both the on and off signals, even if the output of the
[0084]
[
As a modification of the second embodiment, FIG. 16 shows only the main part similar to FIG. This modification is characterized in that the grating
[0085]
The light beam of the spectral component reflected by the reflecting surface which is the ON element of the grating
[0086]
The −1st order spectral component diffracted by the reflection type diffraction grating of the off element of the grating
[0087]
Also in this example, the grating
[0088]
[Modification 2 of the second embodiment]
As another modification of the second embodiment, FIG. 17 shows only the main part similar to FIG. In this modified example, instead of the programmable mirror 20 of the second embodiment, the reflection-type electric address
[0089]
The light beam of the spectral component reflected by the ON element of the reflective electrical address spatial modulator 32 (transmitted in the case of the transmissive electrical address
[0090]
In addition, another focusing lens 19 'and the 2-1
[0091]
[Modification 3 of the second embodiment]
As another modification of the second embodiment, FIG. 18 shows only the main part similar to FIG. This modification is characterized in that the optical writing reflective
[0092]
A light beam of a spectral component reflected by an element that is turned on by causing light (address light) from a
[0093]
In this case as well, another focusing lens 19 'and the 2-1
[0094]
[Modification 4 of the second embodiment]
As another modification of the second embodiment, FIG. 19 shows only the main part similar to FIG. This modification is characterized in that the fixed
[0095]
The
[0096]
In this example, the ON element of the fixed
[0097]
[Third embodiment]
FIG. 20 shows a side view of the main part after the
[0098]
In this embodiment, a multi-channel detector (array detector) 47 known from Patent Document 4 or the like is used instead of the programmable mirror 20 of the first embodiment.
[0099]
Each
[0100]
[Modification of Third Embodiment]
As a modification of the third embodiment, FIG. 21 shows a side view of the main part after the
[0101]
In this modification, instead of the
[0102]
With this configuration, the
[0103]
[Second Embodiment]
Another preferred embodiment of the microspectroscopic device of the present invention is a case where a normal microscope other than a confocal microscope is used, as shown in a schematic configuration diagram in FIG.
[0104]
In the case of this form, as shown in FIG. 2, the
[0105]
According to this configuration, an observation image obtained by microscopically observing a spectroscopic observation target with the
[0106]
Next, examples of the present embodiment will be described below with reference to the drawings.
[0107]
[Fourth embodiment]
A microspectroscopic device using a fluorescence microscope will be described as a fourth embodiment with reference to FIG.
[0108]
As shown in FIG. 22A, the microspectroscopic device according to the fourth embodiment of the present invention includes at least a
[0109]
The computer also controls the
[0110]
In the fixed
[0111]
Also in this embodiment, by providing the Hadamard matrix aperture pattern in the alternating number order in the fixed
[0112]
[Modification of Fourth Embodiment]
As a modification of the fourth embodiment, FIG. 23 shows a view similar to FIG. This modification is characterized in that the transmission type electrical address
[0113]
Elements (pixels) to which a voltage is applied are applied to the
[0114]
[Fifth embodiment]
As shown in FIG. 24A, the microspectroscopic device of this embodiment includes at least a
[0115]
Here, as shown in FIG. 24B, the frequency
[0116]
In the above embodiment, the example using the Hadamard matrix in the order of the alternating number has been described. However, the modulation image can be demodulated when the alternating number is from 0 to 2.wThis is after 2w modulated images using a row component of −1 (w is an arbitrary natural number) can be acquired. That is, 2wThere is no restriction on the order of obtaining the modulated images. Thus, instead of the alternating Hadamard matrix, the first 2wEven if a Hadamard matrix in which the number of alternating rows or columns is all smaller than the minimum number of alternating rows or columns is used, the first 2wWavelength band 2 when individual spectral modulations are performedwSince the spectral intensity of the divided low resolution can be obtained, the same effect as in the above embodiments can be obtained.
[0117]
In the above-described embodiments and modifications, a spectral grating (diffraction grating) may be used instead of the
[0118]
Further, the
[0119]
Further, if the spectral selection means is of a reflective type, it can be easily transformed into a transmissive type.
[0120]
In addition to the PMT, a high-sensitivity low-noise detector such as an avalanche photodiode can naturally be used as the detector.
[0121]
Further, in the example of using a fixed pattern as the spectral selection means (FIGS. 9, 10, 19, and 22), the spectral means side may be moved. In the case of FIG. 9 in FIG. 25, using the two-
[0122]
The above-described Hadamard microspectroscopic device of the present invention is organized as follows.
[0123]
[1] A microscope for microscopically observing at least a spectroscopic observation target, a spectroscopic means for wavelength-resolving incident light from the microscope, and a predetermined wavelength band based on a Hadamard matrix for the incident light wavelength-resolved by the spectroscopic means A spectral selection means having a plurality of selection elements to be selected; a detection means for detecting a spectral intensity in a predetermined wavelength band selected by the spectral selection means; and a spectral intensity of a spectral observation object is demodulated from the detected spectral intensity The spectroscopic selection unit is configured to determine a selection state according to an element of a Hadamard matrix of a predetermined order,
The spectroscopic selection means includes at least two or more selection elements that give a selection state of a Hadamard matrix row or column, and the arrangement of the selection elements in adjacent columns is shifted in the column direction so as to complement each other. A microspectroscopic device characterized by having an arrangement.
[0124]
[2] The microscope is a confocal microscope, and the spectroscopic means at least collimates the collimator lens that makes the light beam that has passed through the confocal pinhole of the confocal microscope substantially parallel light, and splits the substantially parallel light. And a first focusing lens for condensing the light dispersed by the dispersion element, and the detection means has at least a detector and a wavelength band selected by the spectral selection means. 2. The microspectroscopic device according to 1 above, comprising a lens system for taking only the light beam into the detector.
[0125]
[3] The microspectroscopic device according to the above 1 or 2, wherein the first focusing lens has an asymmetric imaging action.
[0126]
[4] At least the spectroscopic means is disposed on the primary imaging plane of the microscope, and a dispersion element for dispersing the exit pupil of the objective lens of the microscope, and the exit of the objective lens dispersed by the dispersive element A pupil projection lens for forming an image of a pupil, wherein the spectral selection means is disposed at the imaging position of the exit pupil of the dispersed objective lens, and the detection means is at least an image of the dispersion element. A dispersion element projection lens for projecting light, a dispersion compensation element for compensating for chromatic dispersion generated by the dispersion element, and a detector for detecting an image dispersion-compensated by the dispersion compensation element. 2. The microspectroscopic device according to 1 above.
[0127]
[5] The detection unit is configured by using at least two detectors, and separately detects light fluxes in respective wavelength bands corresponding to the +1 component and the −1 component of the Hadamard matrix determined by the spectral selection unit. 5. The microspectroscopic device according to any one of 1 to 4 above, wherein:
[0128]
[6] As the Hadamard matrix, degree 2vHadamard matrix (v is a natural number)wAn Hadamard matrix whose w or column alternating number is less than the minimum of all remaining row or column alternating numbers, or an Hadamard matrix whose row or column alternating number is ascending 6. The microspectroscopic device according to any one of 1 to 5, wherein at least one Hadamard matrix is used.
[0129]
[7] The spectroscopic selection means is a frequency modulation type spatial light modulator, and separately applies frequency modulation to each wavelength band corresponding to the +1 component and −1 component of the Hadamard matrix, and the detection means selects the frequency. The microspectroscopic device according to any one of 1 to 6 above, wherein one or each of them is detected.
[0130]
[8] The microscope is a confocal microscope, and the spectroscopic means at least collimates the collimator lens that makes the light beam that has passed through the confocal pinhole of the confocal microscope substantially parallel light, and splits the substantially parallel light. 2. The dispersive element according to
[0131]
[9] The microspectroscopic light according to any one of 1 to 7 above, wherein a mechanical modulator such as a deformable mirror, a digital mirror device, a grating light valve, or the like is used as the spectroscopic selection means. apparatus.
[0132]
[10] The microspectroscopic device according to any one of the
[0133]
[11] The microspectroscopic device according to any one of 1 to 7, wherein an optical writing reflection type spatial light modulator is used as the spectral selection means.
[0134]
[12] As the spectroscopic selection means, a fixed pattern having a reflection part and a transmission part or a fixed pattern having a reflection part and a grating part corresponding to the +1 component and the −1 component of the Hadamard matrix are mechanically moved. 8. The microspectroscopic device according to any one of 1 to 7 above, which is used.
[0135]
[13] The fixed pattern, wherein the Hadamard matrix rows or columns are arranged one-dimensionally, two-dimensionally arranged, or arranged on a disk or a side surface of a polygonal column. 12. The microspectroscopic device according to 12.
[0136]
[14] The microspectroscopic device according to [8], wherein the wavelength selection means is realized by an electric circuit or software after being detected by a multichannel detector.
[0137]
[15] The microspectroscopic device as described in 8 above, wherein the wavelength selection means is composed of a combination of at least an optical fiber, a demultiplexing switch element, and a multiplexing element.
[0138]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the microspectroscopic device of the present invention, even if the measurement is stopped when the spectral intensity distribution with a desired wavelength resolution is obtained, unlike the conventional Hadamard spectroscopic device, the spectroscopic optical device can accurately measure the spectrum. Since data is obtained, it is possible to supply a high-speed spectroscopic device with improved measurement time efficiency.
[0139]
Further, as the spectral selection means, the selection elements that give the selection state of the Hadamard matrix rows or columns are composed of at least two columns, and the arrangement of the selection elements in the adjacent columns is shifted in the column direction so as to complement each other. Even when using a spectral selection means having a dead space between a plurality of selection elements of one row selected for each predetermined wavelength band as the spectral selection means, the one having that arrangement is used. Since the spectral intensity of the wavelength band incident on the dead space between the selection elements can also be selected by the selection element of the adjacent column, it is possible to detect all of the spectral intensity of the wavelength bands wavelength-resolved by the spectroscopic means. It becomes possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a schematic configuration of a basic form of a microspectroscopic device of the present invention when a confocal microscope is used as a microscope.
FIG. 2 is a diagram showing a schematic configuration of a basic form of a microspectroscopic device of the present invention when a normal microscope is used as a microscope.
FIG. 3 is a diagram for explaining the configuration of the microspectroscopic device according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a diagram illustrating a flowchart of spectroscopic measurement by the spectroscopic device of the first embodiment.
FIG. 5 is a diagram showing only a main part of a first modification of the first embodiment.
FIG. 6 is a diagram showing only a main part of a second modification of the first embodiment.
7 is a diagram showing only a main part when the modified example of FIG. 6 is replaced with a transmissive type. FIG.
FIG. 8 is a diagram showing only a main part of a third modification of the first embodiment.
FIG. 9 is a diagram for explaining a fourth modification of the first embodiment.
FIG. 10 is a diagram showing only a main part when the modified example of FIG. 9 is replaced with a transmissive type.
FIG. 11 is a diagram for explaining a problem of a spectral selection unit in which selection elements are arranged in a one-dimensional array.
FIG. 12 is a diagram for explaining the arrangement of selection elements of a spectral selection unit according to a fifth modification of the first embodiment.
13 is a diagram showing only a main part for explaining the configuration of a focusing lens used for the spectral selection means of FIG. 12. FIG.
14 is a diagram for explaining another means for solving the problem of the spectral selection means arranged in FIG. 11; FIG.
FIG. 15 is a diagram showing only a main part of a microspectroscopic device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a view similar to FIG. 15 of
FIG. 17 is a view similar to FIG. 15 of Modification 2 of the second embodiment.
FIG. 18 is a view similar to FIG. 15 of Modification 3 of the second embodiment.
FIG. 19 is a view similar to FIG. 15 of Modification 4 of the second embodiment.
FIG. 20 is a side view of the main part after the confocal pinhole of the microspectroscope of the third embodiment according to the present invention.
FIG. 21 is a view similar to FIG. 20 of a modified example of the third embodiment.
FIG. 22 is a diagram showing a configuration of a microspectroscopic device using a fluorescence microscope according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 23 is a view similar to FIG. 22A of a modification of the fourth embodiment.
FIG. 24 is a diagram showing the configuration of a microspectroscopic device using a fluorescence microscope according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 25 is a diagram for explaining a modification in the case where a fixed pattern is used as the spectral selection means in the present invention.
FIG. 26 is a diagram illustrating a configuration of a spectroscopic device using a conventional Hadamard transform.
FIG. 27 is a diagram illustrating an example of a conventional 7th-order S matrix and a corresponding Hadamard mask.
FIG. 28 is a diagram illustrating wavelength selection switching by a conventional Hadamard mask.
[Explanation of symbols]
O ... Sample
1 ... Incident slit
2 ... Collimating lens
3. Spectral grating
4 ... Slit projection lens
5 ... Hadamard Mask
6 ... Grating projection lens
7. Dispersion compensation grating
8 ... Imaging lens
9 ... Detector
11 ... Laser light source
12 ... Dichroic mirror
13 ... Main scanning galvanometer mirror
14 ... Sub-scanning galvanometer mirror
15 ... Objective lens
16 ... Confocal pinhole
17 ... 1st collimator lens
18 ... spectral prism
18 '... dispersion compensation prism
19 ... Focusing lens
19 ’… Another focusing lens
20 ... Programmable mirror
21 ... PMT (Photomultiplier tube)
211, 212... PMT (Photomultiplier tube)
22 ... Stopper
221, 222... stopper
23 ... Second collimator lens
231... 2-1 collimator lens
232... 2-2 collimator lens
24. Programmable mirror drive device
25. Computer
26. Display device
27 ... PMT drive
28 ... Subtractor
29 ... Adder
31 ... Greating light valve array
310... Grating light bulb
32 ... Reflective type electrical address spatial modulator
32 '... Transmission-type electrical address spatial modulator
33 ... Polarizer
34 ... Analyzer
35 ... Optical writing reflective spatial light modulator (reflective optical addressing spatial light modulator)
36 ... Display device
37 ... Projection lens
38 ... Hadamard matrix H* vMask corresponding to
38a... white element part
38b... black element part
381, 382, 38Three.... Mask lines
39 ... Fixed pattern
400... selected elements
40: Spectral selection means
41 ... Gap
41 is generated.
42 ... rotationally symmetric lens
43 ... Cylindrical lens
44 ... Small positive lens
45 ... Microlens array
46 ... Polarized beam beam splitter
47 ... Multi-channel detector (array detector)
470... Detection channel
480... Optical fiber
48 ... Optical fiber array
490... 2 branch switch element
501, 502... Multiplexer
511, 512... detector
52. Switch array driving device
61 ... Light source
62 ... Dichroic mirror
63 ... Objective lens
64: Imaging lens
65 ... Spectral grating
66 ... Pupil projection lens
67 ... Fixed Hadamard Mask
68. Hadamard mask driving device
69. Dispersion element projection lens
70: Dispersion compensation grating
71 ... Imaging device
73. Frequency optical modulator array
730... Light modulator
80 ... disc
81 ... Polygonal column
100 ... Confocal microscope
101 ... Confocal pinhole
102 ... Collimator lens
103 ... Dispersion element
104. First focusing lens
105: Spectroscopic means
106: Spectral selection means
107: Second focusing lens
108: Detector
109: Detection means
110: Demodulating means
111 ... Normal microscope
112 ... Primary imaging plane
113 ... Pupil projection lens
114: Spectroscopic means
115. Dispersion element projection lens
116: Dispersion compensation element
117 ... Detector
118: Detection means
Claims (7)
前記分光選択手段が、アダマール行列の行又は列の選択状態を与える選択要素が少なくとも2列以上で構成され、その隣同士の列の選択要素の配列がお互いを補完するように列方向へずらされた配列を持つことを特徴とする顕微分光装置。A microscope for microscopically observing at least a spectroscopic observation target, a spectroscopic means for wavelength-resolving incident light from the microscope, and the incident light wavelength-resolved by the spectroscopic means are selected for each predetermined wavelength band based on a Hadamard matrix Spectral selection means having a plurality of selection elements, detection means for detecting the spectral intensity of a predetermined wavelength band selected by the spectral selection means, and demodulation means for demodulating the spectral intensity of the spectroscopic observation target from the detected spectral intensity The spectroscopic selection means determines the selection state according to the elements of a predetermined order Hadamard matrix,
The spectroscopic selection means includes at least two or more selection elements that give a selection state of a Hadamard matrix row or column, and the arrangement of the selection elements in adjacent columns is shifted in the column direction so as to complement each other. A microspectroscopic device characterized by having an arrangement.
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