JP4156133B2 - 搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置 - Google Patents

搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状情報を担持した縞情報を解析して被検体の形状を求める搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置に関し、詳しくは該搬送縞を安定的に発生させて被検体の形状を計測する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば写真フイルムのように、周囲環境の変化に敏感に反応して経時的に表面形状が変化してしまう被検物体表面を、高精度に凹凸測定したいという要求がある。
【0003】
被検体表面の微細な凹凸を高精度に測定する手段としては、プローブを用い被検体表面を接触あるいは非接触で走査する点計測式と称される測定装置が知られている。プローブを接触させるタイプとしては、英国テーラーホブソン社のタリサーフ表面粗さ計が、また非接触タイプとしては、小坂研究所等により商品化されているレーザー式表面粗さ計が知られているが、これらの点計測式の凹凸測定装置は、被測定面全体を走査するのには測定時間が長くかかり過ぎ、その間に前述したような被検物体では表面形状が変化してしまうので、結局は被測定面全体に亘る表面形状を求めることが困難である。
【0004】
この問題は、光学的な面計測式の凹凸測定装置を用いることにより解決ができる。その代表的な技術として光波干渉計とモアレ装置が知られている。何れも凹凸量を等高線縞によって地図の如く表現できる技術である。
【0005】
光波干渉計としてはレーザー干渉計(出願人が既に商品化しているF601等)が、またモアレ装置としては投影型モアレカメラ(出願人が既に商品化しているFM40等)および格子照射型モアレカメラ(出願人が既に商品化しているFM3013等)が広く知られている。
【0006】
しかしながら、これらの装置から出力される結果は凹凸量の等高線を表す縞模様であり、正確な数値データを得たい場合は、出力される縞情報を縞解析アルゴリズムを用いてコンピュータ解析しなければならない。
【0007】
この縞解析手法の代表的なものとして、縞二値化法、フリンジスキャン法、あるいはフーリエ変換法が知られている。また、装置としては、縞二値化法とフリンジスキャン法を利用した縞解析装置として、フリンジアナライザ(出願人が既に商品化しているFX−15等)が知られている。
【0008】
縞二値化法とフーリエ変換法は、被検体の凹凸情報を含む画面一枚だけを解析することで結果を得ることができるが、フリンジスキャン法では被検物体上の縞情報を一縞間で等間隔にずらして得た複数枚の画面を必要とする。そのため、前述したような経時的に形状が変化してしまう被検物体を測定する場合は、複数枚の画像を得る間に被検物体の形状が変化してしまう場合も多く、フリンジスキャン法を用いた解析では上述した如き被検体表面についての計測が難しい。
【0009】
そこで、前述したような被検物体に対しては縞二値化法あるいはフーリエ変換法による解析が適当と考えられてきた。
【0010】
縞二値化法は古くから知られている方法であり、例えば、昭和63年8月30日 丸善株式会社発行の谷田貝豊彦著 「応用光学―光計測入門―」188ページ、自動縞解析法、に詳述されている。
【0011】
またフーリエ変換法については、応用物理 第62巻 第6号(1993) 579ページ 武田光夫「フーリエ変換法によるしま画像解析とその応用」に詳述されている。
【0012】
この両手法では共に、搬送縞(キャリア縞)を発生させ、その搬送縞に被検物体形状情報を担持させることを要する。
【0013】
この搬送縞は、その縞ピッチを被検物体の形状の空間周波数あるいは撮像系の解像力などを勘案して適当に設定しなければならないものであるが、この縞ピッチ設定法については、前述の谷田貝豊彦著 「応用光学―光計測入門―」 197ページにおいても「・・干渉計の参照面をあらかじめ傾けておき、干渉縞にティルト成分を加えておく。一定方向のティルト成分を加えることで、干渉縞に閉曲線部がなくなり、物体凹凸の不確定性が存在しなくなる。」と述べられているにとどまっており、実際の調整においては測定者が機器の調整をその都度行うようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、被検物体の形状情報を担持させる前記搬送縞の縞ピッチ設定において、縞二値化法では撮像系の解像力により十分解像できる範囲で密に発生させるよう設定した方が正確な形状を得るのには都合が良いので、自ずから適当なピッチが決定される。一方、フーリエ変換法では、前記搬送縞はそのピッチが被検物体の形状の空間周波数からフーリエ変換で分離可能であってかつ撮像系の解像力で十分解像できる範囲のピッチでなければならないため、被検物体に応じて自ずから適当な縞ピッチが決定される。また低可干渉性の光源を用いた干渉計装置やモアレ装置などでは、合焦点から外れるに従い縞の変調度が低下し、縞二値化法またはフーリエ変換法が実行できなくなってしまうため、発生させる搬送縞ピッチを余り細かくできないという問題もある。
【0015】
これらの制限条件を満たす搬送縞の発生手段は、測定担当者が試行錯誤的に前記測定光軸と被検物体の被測定面のなす角度を変化させてティルト縞ピッチを変化させ、解析に適当な搬送縞ピッチとなるように設定していた。特に量産工程の検査のように被検物体がほぼ同様の物体の場合には、長時間を要する搬送縞ピッチ設定作業の効率化が要求されている。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、測定の都度搬送縞のピッチを調整設定しなくても、縞解析に適合したピッチの搬送縞を簡易に発生させることのできる搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の被検体検査装置は、縞情報を利用した被検体検査装置の測定光軸と被検物体の被測定面との相対角度関係を、所定の傾斜角度に設定できるようにしたもので、縞情報に基づく形状解析に適合したピッチの搬送縞を発生させるようにしたことを特徴とするものである。
【0018】
すなわち、本発明の請求項1に係る搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置は、
被検物体の形状を等高縞として表す際に、直線等高縞である搬送縞を発生させ、この搬送縞を前記被検物体の形状で変調させることでこの被検物体の形状情報を担持させた縞情報となし、この縞情報を解析して前記被検物体の各点の位相情報を求める被検体検査装置において、該縞情報の解析手段により解析可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる搬送縞発生手段を設け
前記縞情報の解析手段が、前記縞情報をフーリエ変換して前記形状情報のみを抽出し、抽出されたこの形状情報を逆フーリエ変換して前記被検物体の各点の位相情報を求めるフーリエ変換演算手段であり、
前記フーリエ変換演算手段による解析が可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置の測定光軸が前記被測定面の法線に対して所定の傾斜角度をなすように設定可能であり、
前記搬送縞発生手段は、少なくとも3点で前記被測定面に当接し、前記被検体検査装置の測定光軸と前記被測定面の角度関係を安定的に維持し得るものであることを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項2に係る搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置は、
被検物体の形状を等高縞として表す際に、直線等高縞である搬送縞を発生させ、この搬送縞を前記被検物体の形状で変調させることでこの被検物体の形状情報を担持させた縞情報となし、この縞情報を解析して前記被検物体の各点の位相情報を求める被検体検査装置において、該縞情報の解析手段により解析可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる搬送縞発生手段を設け、
前記縞情報の解析手段が、前記縞情報を撮像装置で取り込んで前処理を行った後、縞の濃度の尾根位置を繋いでこの縞を細線化し、次に縞次数と縞の等高線間隔に基づいて細線部の高さを求めるとともに、内挿処理を行い細線化された縞と縞の間を補完して全体形状を求める縞二値化演算手段であり、
前記縞二値化演算手段による解析が可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置の測定光軸が前記被測定面の法線に対して所定の傾斜角度をなすように設定可能であり、
前記搬送縞発生手段は、少なくとも3点で前記被測定面に当接し、前記被検体検査装置の測定光軸と前記被測定面の角度関係を安定的に維持し得るものであることを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項3に係る搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置は、
被検物体の形状を等高縞として表す際に、直線等高縞である搬送縞を発生させ、この搬送縞を前記被検物体の形状で変調させることでこの被検物体の形状情報を担持させた縞情報となし、この縞情報を解析して前記被検物体の各点の位相情報を求める被検体検査装置において、該縞情報の解析手段により解析可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる搬送縞発生手段を設け、
前記縞情報の解析手段が、前記縞情報をフーリエ変換して前記形状情報のみを抽出し、抽出されたこの形状情報を逆フーリエ変換して前記被検物体の各点の位相情報を求めるフーリエ変換演算手段であり、
前記フーリエ変換演算手段による解析が可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置の測定光軸が前記被測定面の法線に対して所定の傾斜角度をなすように設定可能であり、
前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置に装備された観察手段の視野を妨げない形状を有する、前記被測定面と前記被検体検査装置間の距離を規定する距離規定部材を備え、前記搬送縞発生手段を前記被測定面に該距離規定部材を以て当接した際に、前記観察手段の視野内で前記被測定面に自動的に合焦するように構成されてなることを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項4に係る搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置は、
被検物体の形状を等高縞として表す際に、直線等高縞である搬送縞を発生させ、この搬送縞を前記被検物体の形状で変調させることでこの被検物体の形状情報を担持させた縞情報となし、この縞情報を解析して前記被検物体の各点の位相情報を求める被検体検査装置において、該縞情報の解析手段により解析可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる搬送縞発生手段を設け、
前記縞情報の解析手段が、前記縞情報を撮像装置で取り込んで前処理を行った後、縞の濃度の尾根位置を繋いでこの縞を細線化し、次に縞次数と縞の等高線間隔に基づいて細線部の高さを求めるとともに、内挿処理を行い細線化された縞と縞の間を補完して全体形状を求める縞二値化演算手段であり、
前記縞二値化演算手段による解析が可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置の測定光軸が前記被測定面の法線に対して所定の傾斜角度をなすように設定可能であり、
前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置に装備された観察手段の視野を妨げない形状を有する、前記被測定面と前記被検体検査装置間の距離を規定する距離規定部材を備え、前記搬送縞発生手段を前記被測定面に該距離規定部材を以て当接した際に、前記観察手段の視野内で前記被測定面に自動的に合焦するように構成されてなることを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項に係る発明は、上記請求項1または2において、前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置に装備された観察手段の視野を妨げない形状を有する、前記被測定面と前記被検体検査装置間の距離を規定する距離規定部材を備え、前記搬送縞発生手段を前記被測定面に該距離規定部材を以て当接した際に、前記観察手段の視野内で前記被測定面に自動的に合焦するように構成されてなることを特徴とするものである。
【0024】
また、請求項に係る発明は、上記請求項3〜5のうちいずれか1項において、前記距離規定部材は筒状の形態を有し、前記観察手段の合焦点を含む前記被測定面との当接位置において、前記筒状形態の中心軸に対し、前記搬送縞を自動的に発生させることのできる所定の傾斜角度に設定された当接端面を備えていることを特徴とするものである。
【0025】
また、請求項に係る発明は、上記請求項において、前記筒状の形態を有する距離規定部材は透明材料で作製されていることを特徴とするものである。
【0026】
また、請求項に係る発明は、上記請求項6または7において、前記当接端面が磁性体で作製されており、該当接端面とにより前記被検物体を挟持し得る位置に、該被検物体を介して該当接端面を吸着/解放自在とし得る、磁力作用を有する押圧板を配設したことを特徴とするものである。
【0027】
さらに、請求項に係る発明は、上記請求項6または7において、前記当接端面とにより前記被検物体を挟持し得る位置に磁性体からなる押圧板を配設し、前記当接端面が、該被検物体を介して該押圧板を吸着/解放自在とし得る、磁力作用を有するように構成されてなることを特徴とするものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0029】
図1は、本実施形態に係る被検体検査装置を示す概略図である。
【0030】
この被検体検査装置は、ミロー型顕微鏡対物レンズ24と画像取込用のCCDカメラ21を搭載したミロー型顕微干渉計22の鏡胴下端に、被検物体25に当接する円筒形の搬送縞発生手段23を装着してなる。
【0031】
すなわち、この被検体検査装置は、張設されたフイルム状の被検物体25の表面形状をミロー型顕微干渉計22により得られた干渉縞を測定し解析することにより求めるものであり、その干渉縞を測定する際に、円筒形状をなす搬送縞発生手段23の先端面を被検物体25に当接し、このミロー型顕微干渉計22の測定光軸と被検物体25を、解析可能な搬送縞が発生する所定の角度で安定的に保持するものである。
【0032】
ここで搬送縞発生手段23はミロー型顕微鏡対物レンズ24を内包する程度の直径を有する円筒形をなしており、ミロー型顕微干渉計22の鏡胴下部の図示しない鍔部において、測定光軸に対し垂直な面に取り付けられ、これにより円筒の中心軸と測定光軸が略一致するように構成されている。また搬送縞発生手段23の先端に位置する被検物体当接端面(先端面)は、円筒の中心軸に対して所定の角度をもつように形成されており、被検物体25の表面は、搬送縞発生手段23を以て当接したときには、自動的に解析可能な空間周波数の搬送縞を安定的に発生させることができることとなる。すなわち、ミロー型顕微干渉計22にとっては、被検物体25が測定光軸に対して所定の角度で配設されることとなるから、その角度に依存するピッチを有する干渉縞よりなる搬送縞を観察できることとなる。
【0033】
また、この搬送縞発生手段23はミロー型顕微干渉計22の鏡胴下部に取り付けられているので、ミロー型顕微鏡対物レンズ24との相対位置関係が規定され,また、その先端面は被検物体25の表面への当接端面とされているから、ミロー型顕微鏡対物レンズ24と被検物体25の表面との距離を規定する被検物体距離規定部材として機能する。
【0034】
これにより、この搬送縞発生手段23である円筒の中心軸における両端面距離をミロー型顕微鏡対物レンズ24の焦点距離との関係で設定しておくことにより、この搬送縞発生手段23の被検物体当接端面が該被検物体25に当接された段階で被検物体25の表面上に自動的に合焦させることができる。
【0035】
また、この搬送縞発生手段23は、プラスチックやガラス等の透明材料で作製されており、この搬送縞発生手段23をミロー型顕微干渉計22の鏡胴下端に取り付ける際、取りはずしの際、あるいは被検物体25との相対位置、角度関係を測定担当者の目視をもって調整する際における便宜を図っている。
【0036】
なお、上記被検物体当接端面は高精度に研磨加工されており、被検物体25に傷を付けないように配慮されている。
【0037】
また、本実施形態装置においては、表示部付きコンピュータ26がミロー型顕微干渉計22に接続されており、後述するフーリエ変換法や縞二値化法による演算処理、さらには縞画像解析処理等を行うようになっている。
【0038】
以下、本実施形態装置の原理および作用効果について詳しく説明する。
【0039】
一般に、被検物体の凹凸形状を高精度にパターン計測する方法として、測定結果を等高線の縞模様で表示できる光波干渉とモアレが知られている。
【0040】
図2にフィゾー型光波干渉計の例を示す。
【0041】
光源1から出力された光はビームスプリッタ2を透過しコリメータレンズ4で平行光にされ参照基準板5に入射する。入射した光束の一部は参照基準板5の基準面5aで反射されビームスプリッタ2の反射面で反射されて、撮像装置3に到達する。一方、参照基準板5を透過した光束は被検物体6の表面6aで反射され、参照基準板5を透過し、撮像装置3に到達する。上記被検物体6の表面6aで反射された光束と参照基準板5の基準面5aで反射された光束とは合波されて、基準面5aと表面6aの形状差に応じた干渉縞を形成することになる。
【0042】
一般的には参照基準板5の基準面5aと被検物体6の表面6aは正対した位置関係で計測されるため、例えば中央に凹みのある被検物体であれば模式的に図3に示すような干渉縞31が得られる。この場合の凹み量は、測定に使用した光の波長をλとすると、各点での干渉縞の本数にλ/2を掛けたものとなる。
【0043】
図2と同様の構成で、参照基準板5の基準面5aと被検物体6の表面6aの正対した位置関係のみを崩し、この両者を楔角をもって対向させた場合には、模式的に図4の如き干渉縞32となる。ここでは、楔角に伴う等傾角干渉縞が、被検物体6の表面6aの形状で変形を受けた形となる。換言すれば、楔角に伴う等傾角干渉縞が、被検物体6の表面6aの形状情報を担持した搬送縞となっている。
【0044】
等傾角干渉縞もλ/2の高低差毎に1本発生するので、楔角をθ、縞間隔をLとすると Lsinθ=λ/2の関係が成り立つ。
【0045】
いま、10Φの被検物体6の画像上に、その被検物体6の形状情報を担持した搬送縞として20本の等傾角干渉縞を発生させようとした場合には、θ=sin-1λだけ傾ければよいこととなる。
光源をHe―Neレーザーとすれば、波長λは0.6328μmであるから、θは約2′となる。
【0046】
ところで、図3に示す如き、参照基準板5の基準面5aと被検物体6の表面6aが正対した場合の等高線縞によっては、そこが凹なのか凸なのかは全くわからない。数値解析をする場合にもこれは大きな問題である。別手段で得た凹凸情報を人為的に入力するか、複数回の測定を要するものの凹凸判定も行えるフリンジスキャン解析を行わなければならない。しかし、別手段での凹凸判定が困難な被検物体や、前述したような周囲環境の変化に敏感に反応して経時的に表面形状が変化してしまう被検物体表面に対しては適用ができない。
【0047】
一方、図4に示す如く、被検物体を測定光軸に対して傾けることによって搬送縞に被検体の形状を担持させた場合は、搬送縞の曲がりの大きさで凹凸量が、また曲がりの向きで凹凸が表される。しかも1回の測定でこの画像を得ることができる。
【0048】
搬送縞に担持された被検物体の形状を解析する手段として、縞二値化法或いはフーリエ変換法が知られている。
【0049】
縞二値化法においては、テレビカメラなどの撮像装置により、一般的には図5に示すような明暗パターン33による凹凸情報を担持している縞画像を取り込み(図7中の41)、ノイズ除去等の前処理を行った(図7中の42)後、明縞部あるいは暗縞部の濃度の尾根位置を検出し(図7中の43)、検出された尾根位置を繋いで太さのあった縞を図6の如く細線化したパターン34とし(図7中の44)、次に縞次数と縞の等高線間隔に基づいて細線部の高さを求める(図7中の45)とともに、内挿処理を行い細線化された縞と縞の間を補完して全体形状を求め(図7中の46)、これを出力する(図7中の47)ものである。なお図7は、この一般的な解析手順をブロック図によって示すものである。
【0050】
この場合の搬送縞は、図6に示す如く細線化されてしまうので、搬送縞ピッチが粗い場合には縞と縞との間にある情報、例えば僅かな凹凸等がうまく搬送縞に載せられない場合が出てくる。このために搬送縞ピッチはなるべく細かい方が形状を正しく計測できる。しかし、その一方で縞画像の取り込みがテレビ系などで行われるため、CCD(撮像装置)等の解像力で十分に縞と認識できる程度の粗さでなくてはならないという条件がある。すなわち、高精度を追求するためには搬送縞ピッチを細かくしなければならないが、解析を可能とするためには、被検体検査装置の観察系からくる空間周波数の条件に合致しなくてはならない。このような縞ピッチ条件に合う前述した等傾角の縞を発生させるためには、被検物体を測定光軸に対して傾ける角度を、測定の度に詳細に決定する必要がある。
【0051】
また、フーリエ変換法では、搬送縞が被検物体の形状で変調されたときに、その変調の空間周波数と搬送縞の空間周波数を有する搬送縞を二次元フーリエ変換して二次元空間周波数スペクトルを求めると、搬送縞の空間周波数に対して縞の変調具合の変化がゆるやかであれば、両者を分離することができる。そこで、フィルタにより搬送縞の周波数を取り除き、搬送縞の明暗変化の複素振幅のフーリエスペクトルだけを得る。このスペクトルをフーリエ逆変換して振幅情報と位相情報を求めるものである。図8は、実際にフーリエ変換法で演算処理する際の搬送縞35を示すものであり、図9は、この図8に示す搬送縞35をフーリエ変換法で解析した結果における等高線図36を示すものであり、図10は、その鳥瞰図37を示すものである。
【0052】
前述したように、フーリエ変換法で縞解析をする場合は、変調の空間周波数と搬送縞の空間周波数を二次元空間周波数スペクトルで分離できなくてはならない。すなわち、図8の如く搬送縞35の空間周波数を変調の空間周波数に比べて十分高く、換言すると十分細かいピッチとなるように発生させなければならない。このほかに縞解析を可能とするためには、縞二値化法の場合と同様、被検体検査装置の観察系からくる空間周波数の条件に合致しなくてはならない。このような縞ピッチ条件に合う前述した等傾角の縞を発生させるためには、被検物体を測定光軸に対して傾ける角度を、測定の度に詳細に決定する必要がある。
【0053】
従来技術にあっては、前述したように、被検物体の形状を等高縞として表す測定法において解析可能な搬送縞を発生させる際に、被測定物体を精密傾斜台上に載置し、測定者が測定光軸に対する被測定面の傾斜量を微動送りしながら、経験的に適当と思われる搬送縞周波数に設定していたため、測定の信頼性および測定効率の向上が図れなかった。
【0054】
そこで本実施形態においては、図1に示す如き被検体検査装置に円筒形状をなす搬送縞発生手段23を設けることにより、自動的な合焦を可能としつつ、解析可能な空間周波数を有する搬送縞を自動的に発生させることを可能として、測定の信頼性および測定効率の向上を図れるようにしている。
【0055】
ここで、上記搬送縞発生手段23の形状について図11および図12を用いて説明する。
【0056】
上述したようにこの搬送縞発生手段23は、円筒の一端を斜めに切断した形状をなすもので、この斜めに切断した端面が被検物体25への当接端面とされる。
【0057】
すなわち、この搬送縞発生手段23をミロー型顕微干渉計22に装着した際には、張設されたフィルム状の被検物体25上に上記当接端面23aが当接されるので、筒状形態の中心軸51とこの被検物体25の表面とは、上記当接端面23aの傾斜角に応じてθとされる。
【0058】
この角度θは、被検体検査装置の観察系、具体的にはCCD撮像素子の解像力により観察され得る程度のピッチ、かつ高精度で形状測定できる程度のピッチの搬送縞を発生させ得る大きさである。
【0059】
また、この搬送縞発生手段23の中心軸51における円筒の長さLは、該手段23の当接端面23aが被検物体25に当接した際に、ミロー型顕微干渉計22が被検物体25の表面かつ該中心軸51上で合焦し得る距離とされている。
【0060】
このように、本実施形態における搬送縞発生手段23は、上述した所定ピッチの搬送縞を発生させる機能と、ミロー型顕微干渉計22を被検物体25上に自動的に合焦させる機能を併せ有することとなる。
【0061】
また、このように干渉計22と被検物体25の間の観察空間を搬送縞発生手段23により取り囲むこととなるので、測定結果から空気の撹乱による影響を排除することができる。
【0062】
さらに、被検物体25が上述したフィルム状のものの場合には、搬送縞発生手段23の当接端面により被検物体25の表面が押さえられることから、少なくとも観察領域において音響共振を防止でき、測定結果からこの共振により生じる影響を排除することができる。
【0063】
また、上記搬送縞発生手段23の傾きが常に一定方向とされていることから、被検物体25の干渉縞の縞屈曲方向に基づいてその被検物体形状の凹凸判別が可能となり、この凹凸判別のためにフリンジスキャン法等の他の測定手法を必要としない。
【0064】
なお、搬送縞発生手段23を筒形状とする場合において、この筒を円筒のみならず角筒や円錐形状等の他の中空形状とすることも可能であり、さらに断面馬蹄形等とすることも可能である。
【0065】
また、搬送縞発生手段としては、観察空間を密閉する構成のみならず、図13および図14により示されるような形状をなす、観察空間を開放するような構成の搬送縞発生手段123とすることも可能である。
【0066】
例えば図13および図14に示すように、この搬送縞発生手段123は、ミロー型顕微鏡対物レンズ24の鏡胴外周部に嵌合されてこの鏡胴に保持せしめる嵌合部123aと、リング状をなす被検物体当接端面123cと、この嵌合部123aと被検物体当接端面123cを接続する接続部123bとからなっている。なお、上記接続部123bは、嵌合部123aの中心軸と略平行とされる一方で、当接端面123cの中心軸に対して上述した角度θで交わるように形成されている。したがって、測定光軸と当接端面123cの中心軸とは角度θで交わることとなる。
【0067】
これにより、図13に示す搬送縞発生手段123は、図11に示す如き形状の搬送縞発生手段23と同様の作用効果を得ることが可能である。ただし、図11に示す如き形状の搬送縞発生手段23により観察空間の回りを囲むようにすれば、測定結果についての空気の擾乱の影響を排除することができるのでより好ましい。
【0068】
さらに、上述した搬送縞発生手段23の当接端面の形状としては、円環状、馬蹄形状等の連続する所定領域を有するものとされているが、当接端面に当接する最低3つの支持点を有していれば上記と同様の効果が得られる。
【0069】
なお、上述した図12および図14に示されるように、ミロー型顕微干渉計の合焦位置を中心として、顕微干渉計の測定光軸に対する搬送縞発生手段23の当接端面の角度θを可変として、搬送縞ピッチを任意の値に設定することも可能である。
【0070】
また,本発明の被検体検査装置に搭載する観察装置としては、ミロー型顕微干渉計22に限られず、ミロー型、マイケルソン型、フィゾー型等の通常の干渉計とすることも可能であるが、上述した自動的な合焦機能は特に顕微干渉計を搭載する場合に有効である。
【0071】
また、発生した縞により被検物体25の形状を求める本発明装置としては干渉を用いるもののほかモアレを用いるものも採用可能である。
【0072】
以下、図15を用いて格子照射型モアレ装置を搭載した実施形態装置について説明する。
【0073】
まず、点光源11により、透過部と不透過部が交互に等間隔に並んだ格子12を照明して、その格子の影を後方に形成する。格子12の透過部を通して、点光源11と結んだ線が格子の面に平行となる観察点13から該影を観察すると、格子12の後方にモアレ縞が現れる。このモアレ縞は、格子12に平行な等高面を形成するが、図15から明らかなように等間隔等高面ではない。
【0074】
いま、点光源11から格子12までの距離をb、点光源11から観察点13までの距離をl、格子12の格子ピッチをPとしたとき、n番目のモアレ縞の格子面からの深さHnは、
Hn=bnP/(l−nP)で表される。
【0075】
このモアレ法を用いて表面形状を計測するためには、観察点13から見て格子12の背面に被検物体を格子に対し正対するように配備すればよい。その場合は、図4と同様の等高線モアレ縞が観察できる。また、被検物体を格子に対して傾けて配備すれば、等傾角モアレ縞が生じ、図15と同様の結果を得ることができる。すなわち、等傾角モアレ縞が被検物体の形状情報を担持した搬送縞となる。
【0076】
なお、本発明の搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置としては、上記実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の変更が可能である。例えば、上記被検物体を上記当接端面と押圧板によって挟持することにより、観察領域における被検物体の振動等を排除して、縞情報の安定した測定を行うようにすることも可能である。
【0077】
すなわち、例えば搬送縞発生手段の当接端面を磁性体で作製するとともに、この当接端面と磁力作用を有する押圧板とにより前記被検物体を挟持し得るようにすることも可能であり、さらには該押圧板の磁力作用を継断自在とすることにより該被検物体を介して該押圧板による該当接端面の吸着/解放の切替を自在とすることも可能である。
【0078】
また、上記当接端面と上記押圧板の機能を互いに逆とすることも可能である。
【0079】
なお、本発明の搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置により検査される被検物体としては、銀塩フイルムや磁気テープに代表される上述したフイルム(ウエブ)状物体のほか、ガラス板やウエハ等の板状物体、さらにはバルク状物体等の、干渉計装置やモアレ装置で観察し得る種々の物体とすることが可能である。
【0080】
また、上述した実施形態においては、搬送縞発生手段として被検物体に接触する接触型のものが示されているが、被検物体に接触しない非接触型のものとすることもできる。
【0081】
図16は非接触型の搬送縞発生手段の一例を示すものであり、図17はその搬送縞発生手段の内部を示す上面図である。図示するように、ミロー型顕微干渉計32が支台36に搬送縞発生手段33を介して支持されている。ミロー型顕微干渉計32は支台36と回転軸33aで枢支されるとともに、図17に示すようにCCDカメラ31が引っ張りバネ33cによって支台36方向に付勢されている。搬送縞発生ダイヤル33bに直結する回転軸に設けられた搬送縞設定カム33dが、ダイヤル33bの回転により、支台36方向に付勢されているCCDカメラ31を移動させ、その移動に伴い回転軸33aを回転軸とした角度変化を発生させている。
【0082】
搬送縞設定カム33dの形状を、搬送縞が発生しない測定光軸角度を設定できる形状と、所望する空間周波数の搬送縞を発生させることに対応する形状としておけば、被検物体35に対するミロー型顕微干渉計32の測定光軸を所定の角度で傾斜させることができるものである。
【0083】
なお、上記した接触型および非接触型の搬送縞発生手段は、その適用がミロー型顕微干渉計に限られるものではなく、フィゾー型、マイケルソン型等の光波干渉計や、格子照射型、格子投影型などのモアレ装置等の種々の装置に適用が可能である。
【0084】
【発明の効果】
上述したように本発明の搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置によれば、該装置の縞情報解析手段により解析可能な空間周波数を有する搬送縞を自動的に発生させることのできる搬送縞発生手段を備えており、従来の如く、測定担当者により試行錯誤的になされ、かつ長時間を要する搬送縞ピッチ設定作業が不要となるので、被検体形状情報を担持した縞情報の測定信頼性およびその測定効率の向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る被検体検査装置を示す概略図
【図2】フィゾー型光波干渉計の一例を示す概略図
【図3】参照基準板の基準面と被検物体の表面が正対した場合の等高線縞
【図4】被検物体を測定光軸に対して傾けることにより生じる搬送縞
【図5】凹凸情報を担持した干渉縞の明暗パターン
【図6】図5の明暗パターンを細線化した様子を示す図
【図7】縞二値化法を用いた解析手順を示すブロック図
【図8】フーリエ変換法が適用される搬送縞の一例を示す図
【図9】図8に示す搬送縞をフーリエ変換法を用いて解析した結果を表す等高線図
【図10】図8に示す搬送縞をフーリエ変換法を用いて解析した結果を表す鳥瞰図
【図11】図1に示す搬送縞発生手段の拡大斜視図
【図12】図1に示す搬送縞発生手段の作用を説明するための図
【図13】図1に示す搬送縞発生手段とは異なる搬送縞発生手段の拡大斜視図
【図14】図1に示す搬送縞発生手段とは異なる搬送縞発生手段の作用を説明するための図
【図15】格子照射型モアレ装置を搭載した実施形態装置の概念図
【図16】本発明の実施形態に係る非接触型の被検体検査装置を示す概略図
【図17】図16に示す装置の一部上面図
【符号の説明】
1 光源
2 ビームスプリッタ
4 コリメータレンズ
3 撮像装置
5 参照基準板
5a 基準面
6、25、35 被検物体
6a 表面
11 点光源
12 格子
13 観察点
21、31 CCDカメラ
22、32 ミロー型顕微干渉計
23、33、123 搬送縞発生手段
23a、123c 当接端面
24、124 ミロー型顕微鏡対物レンズ
26 表示部付きコンピュータ
33a 回転軸
33b 搬送縞発生ダイヤル
33c 引っ張りバネ
33d 搬送縞設定カム
36 支台
51 中心軸
123a 嵌合部
123b 接続部

Claims (9)

  1. 被検物体の形状を等高縞として表す際に、直線等高縞である搬送縞を発生させ、この搬送縞を前記被検物体の形状で変調させることでこの被検物体の形状情報を担持させた縞情報となし、この縞情報を解析して前記被検物体の各点の位相情報を求める被検体検査装置において、該縞情報の解析手段により解析可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる搬送縞発生手段を設け
    前記縞情報の解析手段が、前記縞情報をフーリエ変換して前記形状情報のみを抽出し、抽出されたこの形状情報を逆フーリエ変換して前記被検物体の各点の位相情報を求めるフーリエ変換演算手段であり、
    前記フーリエ変換演算手段による解析が可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置の測定光軸が前記被測定面の法線に対して所定の傾斜角度をなすように設定可能であり、
    前記搬送縞発生手段は、少なくとも3点で前記被測定面に当接し、前記被検体検査装置の測定光軸と前記被測定面の角度関係を安定的に維持し得るものであることを特徴とする搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置。
  2. 被検物体の形状を等高縞として表す際に、直線等高縞である搬送縞を発生させ、この搬送縞を前記被検物体の形状で変調させることでこの被検物体の形状情報を担持させた縞情報となし、この縞情報を解析して前記被検物体の各点の位相情報を求める被検体検査装置において、該縞情報の解析手段により解析可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる搬送縞発生手段を設け、
    前記縞情報の解析手段が、前記縞情報を撮像装置で取り込んで前処理を行った後、縞の濃度の尾根位置を繋いでこの縞を細線化し、次に縞次数と縞の等高線間隔に基づいて細線部の高さを求めるとともに、内挿処理を行い細線化された縞と縞の間を補完して全体形状を求める縞二値化演算手段であり、
    前記縞二値化演算手段による解析が可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置の測定光軸が前記被測定面の法線に対して所定の傾斜角度をなすように設定可能であり、
    前記搬送縞発生手段は、少なくとも3点で前記被測定面に当接し、前記被検体検査装置の測定光軸と前記被測定面の角度関係を安定的に維持し得るものであることを特徴とする搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置。
  3. 被検物体の形状を等高縞として表す際に、直線等高縞である搬送縞を発生させ、この搬送縞を前記被検物体の形状で変調させることでこの被検物体の形状情報を担持させた縞情報となし、この縞情報を解析して前記被検物体の各点の位相情報を求める被検体検査装置において、該縞情報の解析手段により解析可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる搬送縞発生手段を設け、
    前記縞情報の解析手段が、前記縞情報をフーリエ変換して前記形状情報のみを抽出し、抽出されたこの形状情報を逆フーリエ変換して前記被検物体の各点の位相情報を求めるフーリエ変換演算手段であり、
    前記フーリエ変換演算手段による解析が可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置の測定光軸が前記被測定面の法線に対して所定の傾斜角度をなすように設定可能であり、
    前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置に装備された観察手段の視野を妨げない形状を有する、前記被測定面と前記被検体検査装置間の距離を規定する距離規定部材を備え、前記搬送縞発生手段を前記被測定面に該距離規定部材を以て当接した際に、前記観察手段の視野内で前記被測定面に自動的に合焦するように構成されてなることを特徴とする搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置。
  4. 被検物体の形状を等高縞として表す際に、直線等高縞である搬送縞を発生させ、この搬送縞を前記被検物体の形状で変調させることでこの被検物体の形状情報を担持させた縞情報となし、この縞情報を解析して前記被検物体の各点の位相情報を求める被検体検査装置において、該縞情報の解析手段により解析可能な空間周波数を有する前 記搬送縞を自動的に発生させることのできる搬送縞発生手段を設け、
    前記縞情報の解析手段が、前記縞情報を撮像装置で取り込んで前処理を行った後、縞の濃度の尾根位置を繋いでこの縞を細線化し、次に縞次数と縞の等高線間隔に基づいて細線部の高さを求めるとともに、内挿処理を行い細線化された縞と縞の間を補完して全体形状を求める縞二値化演算手段であり、
    前記縞二値化演算手段による解析が可能な空間周波数を有する前記搬送縞を自動的に発生させることのできる前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置の測定光軸が前記被測定面の法線に対して所定の傾斜角度をなすように設定可能であり、
    前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置に装備された観察手段の視野を妨げない形状を有する、前記被測定面と前記被検体検査装置間の距離を規定する距離規定部材を備え、前記搬送縞発生手段を前記被測定面に該距離規定部材を以て当接した際に、前記観察手段の視野内で前記被測定面に自動的に合焦するように構成されてなることを特徴とする搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置。
  5. 前記搬送縞発生手段は、前記被検体検査装置に装備された観察手段の視野を妨げない形状を有する、前記被測定面と前記被検体検査装置間の距離を規定する距離規定部材を備え、前記搬送縞発生手段を前記被測定面に該距離規定部材を以て当接した際に、前記観察手段の視野内で前記被測定面に自動的に合焦するように構成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置。
  6. 前記距離規定部材は筒状の形態を有し、前記観察手段の合焦点を含む前記被測定面との当接位置において、前記筒状形態の中心軸に対し、前記搬送縞を自動的に発生させることのできる所定の傾斜角度に設定された当接端面を備えていることを特徴とする請求項3〜5のうちいずれか1項記載の搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置。
  7. 前記筒状の形態を有する距離規定部材は透明材料で作製されていることを特徴とする請求項記載の搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置。
  8. 前記当接端面が磁性体で作製されており、該当接端面とにより前記被検物体を挟持し得る位置に、該被検物体を介して該当接端面を吸着/解放自在とし得る、磁力作用を有する押圧板を配設したことを特徴とする請求項6または7記載の搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置。
  9. 前記当接端面とにより前記被検物体を挟持し得る位置に磁性体からなる押圧板を配設し、前記当接端面が、該被検物体を介して該押圧板を吸着/解放自在とし得る、磁力作用を有するように構成されてなることを特徴とする請求項6または7記載の搬送縞発生手段を具備した被検体検査装置。
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