JP4154265B2 - Ink jet ink, ink set, and ink jet recording method - Google Patents

Ink jet ink, ink set, and ink jet recording method Download PDF

Info

Publication number
JP4154265B2
JP4154265B2 JP2003080677A JP2003080677A JP4154265B2 JP 4154265 B2 JP4154265 B2 JP 4154265B2 JP 2003080677 A JP2003080677 A JP 2003080677A JP 2003080677 A JP2003080677 A JP 2003080677A JP 4154265 B2 JP4154265 B2 JP 4154265B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
ink
examples
heterocyclic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003080677A
Other languages
Japanese (ja)
Other versions
JP2004285261A (en
Inventor
敏樹 田口
学 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2003080677A priority Critical patent/JP4154265B2/en
Priority to EP04006913A priority patent/EP1462489B1/en
Priority to DE602004021523T priority patent/DE602004021523D1/en
Priority to US10/806,452 priority patent/US7048789B2/en
Publication of JP2004285261A publication Critical patent/JP2004285261A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4154265B2 publication Critical patent/JP4154265B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高湿条件下における画像の耐久性に優れ、高濃度部での画質に優れたインクジェット用インク、インクセットならびにインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピューターの普及に伴い、インクジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インク組成物としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
【0003】
これらのインクジェット記録用インクに用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。 既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相や堅牢性とを両立させることは難しい。これまで、良好な色相を有し、堅牢な染料について検討を進め、インクジェット用着色剤として優れたものの開発を進めてきた。しかしながら水溶性染料という化合物には必ず水溶性基が置換している。インクの安定性を向上させるためにこの水溶性基の数を増加させると、形成された画像が高湿条件下でにじみやすいという問題があることがわかった。
発明者は、このにじみ現象を克服するために、ベタイン化合物の利用が有効であることを見出した。
しかしながら、ベタイン化合物を単独で使用した場合、にじみは改良されるが、高濃度部での色材の析出が起こり、ブロンズ光沢の画像が生成しやすくなることがわかってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、高湿条件下でも画像のにじみを起こしにくいインクジェット用インク、インクセットならびにインクジェット記録方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、下記1〜項のインクジェット用インク、インクセットならびにインクジェット記録方法によって達成された。
1)少なくとも水、水溶性有機溶剤、染料を含有するインクジェット用インクであって、該インク中に少なくとも1種のベタイン化合物と少なくとも1種のノニオン界面活性剤が含有されていることを特徴とするインクジェット用インク。但し、該ベタイン化合物が下記一般式(1)で表される化合物であり、該ノニオン界面活性剤が下記一般式(4)で表される化合物である。
【0006】

Figure 0004154265
式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Lは2価の連結基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、プロトン化された有機アミンもしくは含窒素へテロ環基、4級アンモニウムイオン基を表し、式中のN原子からなるアンモニウムイオンの対イオンとなる場合は、カチオンとして存在しない基を表す。qは1以上の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表すpは0以上4以下の整数を表し、p+rは3または4である。p+rが4である場合はN原子はプロトン化されたアンモニウム原子となるqが2以上の時はCOOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時は−(COOM)は同じでも異なっていてもよいpが2以上の時はは同じでも異なっていてもよい。但し、RまたはLは炭素数8以上の炭化水素基を含む。
【0011】
【化7】
Figure 0004154265
【0012】
一般式(4)中、R31、R32はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を表す。R33は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基を表す。Xは水素原子、または
【0013】
【化8】
Figure 0004154265
【0014】
を表し、R34、R35はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を表す。R36は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基を表す。m、mはそれぞれエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、m+mは0〜100である。
ここで、m=0のときR33は水素原子を表し、m=0のときR36は水素原子を表す。またXが水素原子のときmは1〜100を表す。
)第1)項記載のインクジェット用インクを少なくとも1種含有することを特徴とするインクセット。
)第1)項記載のインクおよび/または、第)項記載のインクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のインクジェット用インクは、水、水溶性有機溶剤、色材、少なくとも1種のベタイン化合物、ならびに少なくとも1種のノニオン系界面活性剤を有する。
ここで言うベタイン化合物は、分子中にカチオン性の部位とアニオン性の部位を両方とも有する化合物と定義する。該化合物の中でも界面活性を有する化合物が好ましい。カチオン性の部位としてはアミン性の窒素原子、ヘテロ芳香族環の窒素原子、炭素との結合を4つ有するホウ素原子、リン原子などを挙げることができる。この中で好ましくはアミン性の窒素原子もしくはヘテロ芳香族環の窒素原子である。中でも特に第4級の窒素原子であることが好ましい。アニオン性の部位としては、水酸基、チオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシル基、イミド基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。この中でも特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。界面活性剤分子全体としての荷電は、カチオン、アニオン、中性のいずれでもよいが、好ましくは中性である。
中でも本発明に用いるベタイン化合物は、前記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1)中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Lは2価の連結基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、プロトン化された有機アミンもしくは含窒素へテロ環基、4級アンモニウムイオン基を表し、式中のN原子からなるアンモニウムイオンの対イオンとなる場合は、カチオンとして存在しない基を表す。qは1以上の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表すpは0以上4以下の整数を表し、p+rは3または4である。p+rが4である場合はN原子はプロトン化されたアンモニウム原子となるqが2以上の時はCOOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時は−(COOM)は同じでも異なっていてもよいpが2以上の時はは同じでも異なっていてもよい。
さらに、本発明に使用するベタイン化合物としては、前記一般式(1)で表される化合物の中でも、特に下記一般式(5)または(6)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0016】
【化9】
Figure 0004154265
【0017】
式中、R1〜R3はアルキル基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数1ないし20の基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基など)、アリール基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数6ないし20の基である。例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クミル基、ドデシルフェニル基など)、ヘテロ環基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数2ないし20の基である。例えばピリジル基、キノリル基など)。を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。この中で特に好ましくはアルキル基である。Lは2価の連結基を表す。この例としては、アルキレン基、アリーレン基を基本的な構成単位として含む2価の連結基が好ましい。連結主鎖部に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含有してもよい。R1〜R3もしくはLには種々の置換基が置換可能である。例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、R1〜R3もしくはLを介して、ベタイン構造が複数含まれていてもよい。
【0018】
本発明で使用するベタイン化合物においては、R1〜R3もしくはL中の少なくとも1つに、炭素数8以上の基を含有する。中でも特に、R1〜R3に長鎖アルキル基が含有されるものが好ましい。
【0019】
一般式(6)
(R)−N−[−(COOM
式中、R、L、q、r、pは一般式(1)におけると同義ある。M はアルカリ金属イオンまたは水素原子である。但し、p+rは3である。pが2以上の時はRは同じでも異なっていてもよい。
【0020】
一般式(1)及び一般式(6)について以下に説明する。
式中、Rはアルキル基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数1ないし20の基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基など)、アリール基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数6ないし20の基である。例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クミル基、ドデシルフェニル基など)、ヘテロ環基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数2ないし20の基である。例えばピリジル基、キノリル基など)を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。この中で特に好ましくはアルキル基である。
【0021】
Lは2価以上の連結基を表す。この例としては、アルキレン基、アリーレン基等を基本的な構成単位として含む2価以上の連結基が好ましい。連結主鎖部に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含有してもよい。
【0022】
RもしくはLには種々の置換基が置換可能である。例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、RもしくはLを介して、ベタイン構造が複数含まれていてもよい。
【0023】
Mは水素原子、アルカリ金属カチオン(たとえばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン)、アンモニウムイオン、アミン性の有機カチオン(1ないし3級アミンの場合、プロトン化されたものを表す。たとえばプロトン化されたメチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ピラジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン等。4級アンモニウム塩の場合、たとえばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、メチルピリジニウムイオン、ベンジルピリジニウムイオン等。)を表す。中でも特にアルカリ金属イオンもしくは水素原子が好ましい。
【0024】
qは1以上(好ましくは5以下、より好ましくは2以下)の整数を表し、rは1以上4以下(好ましくは1または2)の整数を表すpは0以上4以下(好ましくは1または2)の整数を表し、p+rは3もしくは4である。p+rが4の場合、N原子は4級アンモニウムカチオンとなり、Mのうちの1つが解離状態のアニオンとなるqが2以上の時はCOOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時は−(COOM)は同じでも異なっていてもよいpが2以上の時はは同じでも異なっていてもよい。
【0025】
さらに、RまたはLに炭素数8以上の炭化水素基が含まれていることが好ましく、下記一般式(7)で表される化合物が最も好ましく使用される。
【0026】
一般式(7)
R−N−(L−COOM)2
【0027】
R、Lは先述と同様である。二つの(L−COOM)は同じでも異なっていてもよい(二つの、L及びMは同じでも異なっていてもよい)。Rは特にアルキル基が好ましく、Lはアルキレン基であることが好ましい。
【0028】
以下にベタイン化合物として好ましい例を列挙するが、本発明は勿論これによって限定されるものではない。
【0029】
【化10】
Figure 0004154265
【0030】
【化11】
Figure 0004154265
【0031】
【化12】
Figure 0004154265
【0032】
【化13】
Figure 0004154265
【0033】
【化14】
Figure 0004154265
【0034】
【化15】
Figure 0004154265
【0035】
【化16】
Figure 0004154265
【0036】
【化17】
Figure 0004154265
【0037】
【化18】
Figure 0004154265
【0038】
【化19】
Figure 0004154265
【0039】
ベタイン化合物の好ましい添加量は発明の効果を発現可能な範囲であればいずれでもよいが、好ましくはインク組成物中の0.001〜50質量%、さらに好ましくは0.01〜20質量%である。
【0040】
次に、ノニオン系界面活性剤について説明する。
ノニオン系界面活性剤とは、極性基としてイオン性の基を含まない界面活性剤を表す。この界面活性剤に含まれる水溶化基としては、ポリエーテル基が一般的に用いられる。ポリオキシエチレン基を有する界面活性剤が一般的であり、このアルキルもしくはアリールエーテル誘導体が一般的に使用される。
中でも特に、前記一般式(2)〜(4)で表される化合物が好ましく使用される。
【0041】
下記一般式(2)または(3)で表わされる化合物について詳細に説明する。
【0042】
【化20】
Figure 0004154265
【0043】
一般式(2)中、R21は炭素数5〜40、好ましくは炭素数8〜18のアルキル基を表し、直鎖であっても分岐であってもよく、また置換されていてもよい。R21で表されるアルキル基に置換可能な基としては、アリール基(例えばフェニル、o−トリル、p−トリル、p−t−ブチルフェニル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。
【0044】
21で表されるアルキル基の具体例としては、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−オクタデシル、2−エチルヘキシル、1−エチルペンチル、1−n−ブチルペンチル、1−n−ペンチルヘキシル、1−n−ヘキシルヘプチル、1−n−ヘプチルオクチル、1−n−オクチルノニル、6−メトキシヘキシル、2−フェニルエチル等を挙げることができる。
【0045】
1はエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、2〜40であり、好ましくは3〜30であり、特に好ましくは3〜20である。
【0046】
本発明における一般式(2)で表される化合物の内、特に好ましいのは下記一般式(2−1)で表される化合物である。
【0047】
【化21】
Figure 0004154265
【0048】
一般式(2−1)中、R23、R24は各々炭素数4〜10の飽和炭化水素であり、R23とR24の炭素数の合計が8〜18であり、m11は3〜20である。R23、R24で表される炭素数4〜10の飽和炭化水素としてはn−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル等を挙げることができる。R11とR12の炭素数の合計は8〜18であり、8〜16がさらに好ましい。m11は3〜20であり、より好ましくは5〜20であり、さらに好ましくは6〜18である。
【0049】
以下に、一般式(2)で表わされる化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0050】
【化22】
Figure 0004154265
【0051】
以下に、一般式(2−1)で表わされる化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0052】
【表1】
Figure 0004154265
【0053】
次に一般式(3)で表される化合物について説明する。
【0054】
【化23】
Figure 0004154265
【0055】
一般式(3)中、R22は炭素数5〜40、好ましくは炭素数5〜30のアルキル基を表し、直鎖であっても分岐であってもよく、また置換されていてもよい。R22で表されるアルキル基に置換可能な基としては、アリール基(例えばフェニル、o−トリル、p−トリル、p−t−ブチルフェニル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。R22で表されるアルキル基の具体例としては、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−オクタデシル、2−エチルヘキシル、1−エチルペンチル、1−n−ブチルヘプチル、1−n−ヘキシルノニル、1−n−ヘプチルデシル、1−n−オクチルドデシル、1−n−デシルテトラデシル、6−メトキシヘキシル、2−フェニルエチル等を挙げることができる。
【0056】
2はエチレンオキシドの平均付加数を表し、2〜40であり、好ましくは3〜30であり、特に好ましくは4〜20である。
【0057】
本発明における、一般式(3)で表される化合物のうち、特に好ましいのは下記一般式(3−1)で表される化合物である。
一般式(3−1)
【0058】
【化24】
Figure 0004154265
【0059】
一般式(3−1)中、R25、R26は各々炭素数2〜20の飽和炭化水素基であり、炭素数4〜13が好ましい。R25、R26で表される炭素数2〜20の飽和炭化水素基としてはエチル、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル等を挙げることができる。m21はエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、2〜40であり、3〜30が好ましい。
【0060】
以下に、一般式(3)で表わされる化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0061】
【化25】
Figure 0004154265
【0062】
以下に、一般式(3−1)で表わされる化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0063】
【表2】
Figure 0004154265
【0064】
本発明の一般式(2)(3)で表される化合物は、公知の方法を用いて合成する事が可能であり、例えば藤本武彦著 全訂版「新・界面活性剤入門」(1992年)94頁〜107頁等に記載の方法で得ることができる。また本発明において、一般式(2)(3)で表される化合物は1種のみを用いてもよいし、異なる化合物の2種以上を用いても構わない。
【0065】
次に、一般式(4)で表される界面活性剤について説明する。
界面活性剤は、インクの液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れたインク組成物が得られるが、本発明の一般式(4)で表される界面活性剤を含有させることで、さらに、泡立ちが少なく、有機溶媒によるヘッドや部材への浸食を抑えたインク組成物を得ることができる。
一般式(4)
【0066】
【化26】
Figure 0004154265
【0067】
式中R31、R32はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を表す。
さらに詳しく説明すると、R31、R32はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等)を表し、置換されていてもよい。置換基の例としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。このうち、R31、R32としては炭素数1〜12の無置換の直鎖アルキル基もしくは無置換の分岐アルキル基が好ましく、その特に好ましい具体的としてはメチル、エチル、n−ブチル、2−メチルブチル、2,4−ジメチルペンチル等を挙げることができる。
【0068】
32は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基を表し、アルキル基、フェニル基は置換されていてもよい。
33のアルキル基の置換基としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、フェニル基を挙げることができる。R33のフェニル基の置換基としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。R33のうち好ましいのは、水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましいのは水素原子である。
【0069】
Xは水素原子、または
【0070】
【化27】
Figure 0004154265
【0071】
を表し、R34、R35はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を表す。R34、R35の好ましい置換基や具体例は、上記のR31、R32と同じ群から選ばれる置換基や具体例である。R36は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基を表し、その好ましい具体例は上記のR33と同じ群から選ばれる置換基や具体例である。
3、m4はそれぞれエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、m3+m4 は0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜40である。
ここで、m3=0の時R33は水素原子を表し、m4=0の時R35は水素原子を表す。またXが水素原子を表す時、m3は1〜100を表し、好ましくは1〜50、特に好ましくは1〜40を表す。
【0072】
以下に一般式(4)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0073】
【化28】
Figure 0004154265
【0074】
【化29】
Figure 0004154265
【0075】
【化30】
Figure 0004154265
【0076】
本発明の一般式(4)で表される化合物は市販品として容易に入手する事ができ、その具体的な商品名としてはサーフィノール61,82,104,420,440,465,485,504、CT−111,CT−121,CT−131,CT−136,CT−141,CT−151,CT−171,CT−324,DF−37,DF−58,DF−75,DF−110D,DF−210,GA,OP−340,PSA−204,PSA−216,PSA−336,SE,SE−F,ダイノール604(以上、日信化学(株)およびAir Products社)、オルフィンA,B,AK−02,CT−151W,E1004,E1010,P,SPC,STG,Y,32W(以上、日信化学(株))等を挙げることができる。
【0077】
本発明の一般式(4)で表される化合物は、公知の方法を用いて合成する事が可能であり、例えば藤本武彦著 全訂版「新・界面活性剤入門」(1992年)94頁〜107頁等に記載の方法で得ることができる。また本発明において、一般式(4)で表される化合物は1種のみを用いてもよいし、異なる化合物の2種以上を用いても構わない。
【0078】
ノニオン系界面活性剤の好ましい添加量は広い範囲を持つが、好ましくはインク組成物中の0.001〜50質量%、さらに好ましくは0.01〜20質量%である。
【0079】
本発明のベタイン化合物を使用した場合、インクにおいて気泡が発生する場合がある。この気泡は、インクジェット記録において印字欠陥を生じさせることがあるため、インクに泡を消す作用を有する化合物(=消泡剤)を添加することにより、この問題を解決することができる。
消泡剤としては、プルロニック系消泡剤(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型消泡剤)、やシリコーン型消泡剤など、種々のものを使用することができる。
【0080】
本発明のインクセットに使用するインクは、染料を水ならびに水溶性有機溶媒に溶解もしくは分散してなるインクである。中でも水溶性染料による水溶液タイプのインクであることが好ましい。またインクセット中、ベタイン化合物とノニオン系界面活性剤を有するインクは何色のものであってもよい。
水溶性染料としては特開2002−371214号公報に記載のマゼンタ染料、特開2002−309118号公報に記載のフタロシアニン染料、特開2003−12952号及び同2003−12956号公報中の水溶性フタロシアニン染料等に記載の染料を用いることが好ましいが、更に、下記に好ましいシアン染料、マゼンタ染料、イエロー染料及びブラック用染料について詳細に説明する。
【0081】
本件出願人はインクジェット記録用インクについて鋭意、検討を行ない、その結果染料に関して要求される特性としては1)色相が良好で色相変化(ソルバト)がない、2)耐性(光、オゾン、NOx、溶剤、油、水)に優れている、3)安全である(エ−ムズ、発ガン性が無い、皮膚刺激が無い、易分解性)、4)低コストである,5)高εである、6)高溶解性である、7)メデイアに対し強固着性を有することである。
次にインク物性、コンクインク物性に要求されるのは1)温度、経時に係わらず均一である、2)汚れにくい、3)メデイアへの浸透が良い、4)打滴サイズが均一である、5)紙を選ばない、6)調液しやすい、7)吐出ミスが無く、泡が立ちにくい、泡が消えやすい、8)安定吐出ができる。
画像に関して要求されるのは1)滲み、変色、ピ−デイングがなく綺麗である、2)耐傷性を有している、3)光沢が高く、均一である、4)画像保存性が良く、褪色バランスに優れている、5)乾きが速い、6)高速でプリントされる、7)褪色率に画像濃度依存性が無いことである。
【0082】
インクジェット記録用インクとして要求される物性は耐光性、オゾン耐性がともに優れ、色相・表面状態の変化が小さい(ブロンズが生じにくく、染料が析出しにくい)ことである。耐光性(OD1.0)についてはエプソンPM写真用受像紙上でのXe 1.1W/m(間欠条件)でTACフィルタ−ありの耐光性が3日間で残色率90%以上あることが好ましい。また14日間で色素残存率85%以上あることが好ましい。オゾン耐性についてはオゾン5ppm以下の条件でオゾン耐性(OD1.0)が1日間で色素残存率60%以上あることが好ましい。オゾン耐性が1日間で色素残存率70%以上あることがさらに好ましく、色素残存率80%以上あることが特に好ましい。また5日間で色素残存率25%以上あることが好ましく、色素残存率40%以上あることがさらに好ましく、色素残存率50%以上あることが特に好ましい。染料の塗布量を変えたサンプルをGTCで作成,染料中に含まれるCu元素量を蛍光X線で測定する。
【0083】
フタロシアニン染料の分解によってCuイオンはフタル酸塩として存在する。実際のプリントに存在するCuイオン換算量は10mg/m2以下にすることが好ましい。プリントから流出するCu量はCuイオン換算量が20mg/m2以下の一面シアンベタの画像を形成させ、この画像をオゾン褪色させた後、水中に流出するイオン量を分析した。なお褪色以前は全てのCu化合物は受像材料にトラップされている。水中に流出するイオン量は全染料の20%以下にすることが好ましい。
上記のような物性を有するフタロシアニン染料は1)酸化電位を上げる。2)会合性を上げる。3)会合促進基を導入する。π-πスタッキング時の水素結合を強くする。4)α位へ置換機を入れない。即ちスタッキングしやすくすること等によって達成されることが本発明により見出された。
【0084】
本発明のインクジェット記録用インクにおいて使用する染料の特徴は従来のインクジェットインクに用いていたフタロシアニン染料が無置換のフタロシアニンのスルホン化から誘導されたものであるため、置換基の数と位置を特定できない混合物であるのに対して、置換基の数と位置を特定できるフタロシアニン染料を用いることである。構造上の特徴の第一は無置換のフタロシアニンのスルホン化を経由しない水溶性フタロシアニン染料であることである。構造上の特徴の第二はフタロシアニンのベンゼン環のβ位に電子吸引性基を有することであり、特に好ましくは全てのベンゼン環のβ位に電子吸引性基を有することである。具体的にはスルホニル基が置換したもの(特願2001−47013、特願2001−190214)、スルファモイル基全般が置換したもの(特願2001−24352、特願2001−189982)、ヘテロ環スルファモイル基が置換したもの(特願2001−96610、特願2001−190216)、ヘテロ環スルホニル基が置換したもの(特願2001−76689、特願2001−190215)、特定スルファモイル基が置換したもの(特願2001−57063)、カルボニル基が置換したもの(特願2002−012869)、溶解性、インク安定性向上、ブロンズ対策のため特定置換基を有するものが好ましく、具体的には不斉炭素を有する(特願2002−012868)、Li塩にしたもの(特願2002−012864)、が有用である。
【0085】
本発明のインクジェット記録用インクに使用する染料の物性上の特徴の第一は高い酸化電位を有することである。酸化電位は1.00Vより貴であることが好ましく、1.1Vより貴であることが更に好ましく、1.2Vより貴であることが最も好ましい。物性上の特徴の第二は強い会合性を有することである。具体的には油溶性染料の会合を規定したもの(特願2001−64413)、水溶性染料の会合を規定したもの(特願2001−117350)が挙げられる。
会合性基の数と性能(インクの吸光度)との関係は会合性基の導入で希薄溶液中でも吸光度の低下やλmaxの短波化が起きやすくなる。また会合性基の数と性能(エプソンPM920受像紙における反射OD)との関係は会合性基の数が増えるほど、同じイオン強度での反射ODが低下する。即ち受像紙上で会合が進むと思われる。会合性基の数と性能(オゾン耐性・耐光性)との関係は会合性基の数が増えるほど、オゾン耐性が良化する。会合性基の数が多い染料は耐光性も良化する傾向がある。オゾン耐性を付与するためには前記の置換基X(X1〜X4等を表す)を付与することが必要である。反射ODと堅牢性の間はトレ−ドオフの関係にあるので、会合を弱めずに耐光性を上げることが必要である。
【0086】
本発明の好ましいインクの態様としては
1)エプソンPM写真用受像紙上でのXe 1.1W/m(間欠条件)でTACフィルタ−ありの耐光性が3日間で残色率90%以上あるシアンインク。
2)該インク(シアン)単色を用いて、ステータスAフィルターにおけるシアン反射濃度が0.9〜1.1となるように印字した単色部位において、5ppmのオゾン環境に24時間保存した際の色素残存率(褪色後の濃度/初期濃度×100)が60%(好ましくは80%)以上あるシアンインク。
3)2の条件でオゾン褪色させた後、水中に流出するCuイオン量は全染料の20%以下であるシアンインク。
4)特定受像紙に対するインク染み込み量が受像層の上部30%以上まで浸透可能なシアンインク。
【0087】
本発明のインクジェット記録用インクに含有される染料は、フタロシアニン染料であり、その酸化電位が1.0より貴である水溶性染料が好ましく、さらにオゾンガスに対する堅牢性が上記の条件を満足するものがより好ましく、その中でも下記記一般式(CI)で表されるフタロシアニン染料であることがさらに好ましい。
【0088】
【化31】
Figure 0004154265
【0089】
一般式(CI)において、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR1R2、スルホ基、−CONR1R2、または−CO2R1を表す。これらの置換基の中でも、−SO−Z、−SO2 −Z、−SO2NR1R2および−CONR1R2が好ましく、特に−SO2−Zおよび−SO2NR1R2が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。ここで、その置換基数を表すa1〜a4のいずれかが2以上の数を表す場合、X1〜X4の内、複数存在するものは同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に上記のいずれかの基を表す。また、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−Zと−SO2NR1R2を含んでいてもよい。
フタロシアニン染料は堅牢な染料として知られていたが、インクジェット用記録色素として使用した場合、オゾンガスに対する堅牢性に劣ることが知られている。
本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、フタロシアニン骨格に電子求引性基を導入して酸化電位を1.0V(vs SCE)よりも貴とすることが望ましい。酸化電位は貴であるほど好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)よりも貴であるものがより好ましく、1.2V(vs SCE)より貴であるものが最も好ましい。
【0090】
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New Instrumental Methods in Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers社刊)、A.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年技報堂出版社刊)などに記載されている。
具体的には、酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムなどの支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルなどの溶媒中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6モル/リットルの濃度に溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
なお、電位を一義的に規定するために、本発明では、0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染料の濃度は0.001moldm-3)で直流ポーラログラフィーにより測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
【0091】
Eox(酸化電位)の値は試料から電極への電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、フタロシアニン骨格に電子求引性基を導入して酸化電位をより貴とすることが望ましい。従って、置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であるハメットの置換基定数σp値を用いれば、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のようにσp値が大きい置換基を導入することにより酸化電位をより貴とすることができると言える。
このような電位調節をする理由からも、上記一般式(CI)で表されるフタロシアニン染料を用いることは好ましい。
【0092】
前記の酸化電位を有するフタロシアニン染料は耐光性、オゾン耐性がともに優れたシアン染料であることは前記の耐光性、オゾン耐性の条件を満足することから、明らかである。
【0093】
以下、本発明で用いられるフタロシアニン染料(好ましくは一般式(CI)で表されるフタロシアニン染料)について詳細に説明する。
一般式(CI)において、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR1R2、スルホ基、−CONR1R2、または−CO2R1を表す。これらの置換基の中でも、−SO−Z、−SO2 −Z、−SO2NR1R2および−CONR1R2が好ましく、特に−SO2−Zおよび−SO2NR1R2が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。ここで、その置換基数を表すa1〜a4のいずれかが2以上の数を表す場合、X1〜X4の内、複数存在するものは同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に上記のいずれかの基を表す。また、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−Zと−SO2NR1R2を含んでいてもよい。
【0094】
上記Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。
上記R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なかでも、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、および置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、および置換複素環基がさらに好ましい。但し、R1、R2がいずれも水素原子であることは好ましくない。
【0095】
R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。なお、アルキル基の炭素原子数は置換基の炭素原子を含まず、他の基についても同様である。
【0096】
R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のシクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、およびスルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアルケニル基としては、炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
【0097】
R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアラルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子吸引性基が特に好ましい。電子吸引性基としては、ハメットの置換基定数σp値が正のものが挙げられる。なかでも、ハロゲン原子、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基が好ましく、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基が更に好ましい。
【0098】
R1、R2およびZが表す複素環基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。以下にR1、R2およびZで表される複素環基を、置換位置を省略して複素環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。なかでも、芳香族複素環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。好ましい置換基は前記アリール基の置換基と、更に好ましい置換基は、前記アリール基の更に好ましい置換基とそれぞれ同じである。
1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基、またはスルホ基を挙げる事ができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
【0099】
なかでも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
Z、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下に挙げる置換基を更に有してもよい。
【0100】
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖または分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基(以上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性およびインクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素を有するものが特に好ましい。以上の各基の具体例:例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec-ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、複素環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、複素環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、複素環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基)が挙げられる。
【0101】
前記一般式(CI)で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
【0102】
イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中少なくとも2個有することが好ましく、スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ましい。
a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表すが、全てが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。なお、a1〜a4およびb1〜b4のいずれかが2以上の整数であるときは、X1〜X4およびY1〜Y4のいずれかは複数個存在することになり、それらは同一でも異なっていてもよい。
a1とb1は、a1+b1=4の関係を満たす。特に好ましいのは、a1が1または2を表し、b1が3または2を表す組み合わせであり、そのなかでも、a1が1を表し、b1が3を表す組み合わせが最も好ましい。
a1とb1、a1とb1、a1とb1の各組み合わせにおいても、a1とb1の組み合わせと同様の関係であり、好ましい組み合わせも同様である。
【0103】
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
Mとして好ましいものは、水素原子の他に、金属元素として、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、GeO等が好ましく挙げられる。 また、水酸化物としては、Si(OH)2、Cr(OH)2、Sn(OH)2等が好ましく挙げられる。さらに、ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl2、VCl、VCl2 、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。なかでも、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
また、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L-M−Pc)または3量体を形成してもよく、その時のMはそれぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
【0104】
Lで表される2価の連結基は、オキシ基−O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニル基−SO2−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH2−、およびこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
前記一般式(CI)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
前記一般式(CI)で表されるフタロシアニン染料のなかでも、前記一般式(CII)で表される構造のフタロシアニン染料が更に好ましい。
【0105】
【化32】
Figure 0004154265
【0106】
以下に本発明の一般式(CII)で表されるフタロシアニン染料について詳しく述べる。
前記一般式(CII)において、X11〜X14、Y11〜Y18は一般式(CI)の中のX1〜X4、Y1〜Y4とそれぞれ同義であり、好ましい例も同じである。また、M1は一般式(CI)中のMと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(CII)中、a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2の整数であり、好ましくは4≦a11+a12+a13+a14≦6を満たし、特に好ましくはa11=a12=a13=a14=1のときである。
11、X12、X13およびX14は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−Zと−SO2NR1R2を含んでいてもよい。
【0107】
一般式(CII)で表されるフタロシアニン染料のなかでも、特に好ましい置換基の組み合わせは、以下の通りである。
11〜X14としては、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2 NR1R2または−CONR1R2が好ましく、特に−SO2−Zまたは−SO2NR1R2が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。
Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、そのなかでも、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
【0108】
R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、そのなかでも、水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基がより好ましい。ただしR1、R2が共に水素原子であることは好ましくない。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
11〜Y18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、またはスルホ基であることが好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2であることが好ましく、全てが1であることが特に好ましい。
【0109】
1は、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表し、特にCu、Ni、Zn、Alが好ましく、なかでも特に特にCuが最も好ましい。
前記一般式(CII)で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
【0110】
イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中に少なくとも2個有することが好ましく、スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ましい。
前記一般式(CII)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明のフタロシアニン染料の化学構造としては、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のような電子吸引性基を、フタロシアニンの4つの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.6以上となるように導入することが好ましい。
【0111】
ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
前記一般式(CI)で表されるフタロシアニン誘導体は、その合成法によって不可避的に置換基Xn(n=1〜4)およびYm(m=1〜4)の導入位置および導入個数が異なる類縁体混合物である場合が一般的であり、従って一般式はこれら類縁体混合物を統計的に平均化して表している場合が多い。本発明では、これらの類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、特定の混合物が特に好ましいことを見出したものである。すなわち前記一般式(CI)および(CII)で表されるフタロシアニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づいて以下の三種類に分類して定義する。式(CII)中におけるY11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17、Y18を各々1、4、5、8、9、12、13、16位とする。
【0112】
(1)β−位置換型:2およびまたは3位、6およびまたは7位、10およびまたは11位、14およびまたは15位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
(2)α−位置換型:1およびまたは4位、5およびまたは8位、9およびまたは12位、13およびまたは16位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料(3)α,β−位混合置換型:1〜16位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン染料
本明細書中において、構造が異なる(特に、置換位置が異なる)フタロシアニン染料の誘導体を説明する場合、上記β−位置換型、α−位置換型、α,β−位混合置換型を使用する。
本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
【0113】
本発明の一般式(CI)で表されるフタロシアニン化合物は、国際公開00/17275号、同00/08103号、同00/08101号、同98/41853号、特開平10−36471号などに記載されているように、例えば無置換のフタロシアニン化合物のスルホン化、スルホニルクロライド化、アミド化反応を経て合成することができる。この場合、スルホン化がフタロシアニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化される個数も制御が困難である。従って、このような反応条件でスルホ基を導入した場合には、生成物に導入されたスルホ基の位置と個数は特定できず、必ず置換基の個数や置換位置の異なる混合物を与える。従ってそれを原料として本発明の化合物を合成する時には、複素環置換スルファモイル基の個数や置換位置は特定できないので、本発明の化合物としては置換基の個数や置換位置の異なる化合物が何種類か含まれるα,β-位混合置換型混合物として得られる。
【0114】
前述したように、例えばスルファモイル基のような電子求引性基を数多くフタロシアニン核に導入すると酸化電位がより貴となり、オゾン耐性が高まる。上記の合成法に従うと、電子求引性基が導入されている個数が少ない、即ち酸化電位がより卑であるフタロシアニン染料が混入してくることが避けられない。従って、オゾン耐性を向上させるためには、酸化電位がより卑である化合物の生成を抑えるような合成法を用いることがより好ましい。
本発明の一般式(CII)で表されるフタロシアニン化合物は、例えば下記式で表されるフタロニトリル誘導体(化合物P)および/またはジイミノイソインドリン誘導体(化合物Q)を一般式(CIII)で表される金属誘導体と反応させるか、或いは下記式で表される4-スルホフタロニトリル誘導体(化合物R)と一般式(CIII)で表される金属誘導体を反応させて得られるテトラスルホフタロシアニン化合物から誘導することができる。
【0115】
【化33】
Figure 0004154265
【0116】
上記各式中、Xpは上記一般式(CII)におけるX11、X12、X13またはX14に相当する。また、Yq、Yq'は、それぞれ上記一般式(CII)におけるY11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17またはY18に相当する。化合物Rにおいて、M’はカチオンを表す。
M’が表わすカチオンとしては、Li、Na、Kなどのアルカリ金属イオン、またはトリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンなどの有機カチオンなどが挙げられる。
一般式(CIII):M−(Y)d
一般式(CIII)中、Mは前記一般式(CI)および(CII)のMと同義であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセトネート、酸素などの1価または2価の配位子を示し、dは1〜4の整数である。
即ち、上記の合成法に従えば、望みの置換基を特定の数だけ導入することができる。特に本発明のように酸化電位を貴とするために電子求引性基を数多く導入したい場合には、上記の合成法は、一般式(CI)のフタロシアニン化合物を合成するための既に述べた方法と比較して極めて優れたものである。
かくして得られる前記一般式(CII)で表されるフタロシアニン化合物は、通常、Xpの各置換位置における異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物の混合物、すなわちβ-位置換型となっている。
【0117】
【化34】
Figure 0004154265
【0118】
上記合成法において、Xpとして全て同一のものを使用すればX11、X12、X13およびX14が全く同じ置換基であるβ−位置換型フタロシアニン染料を得ることができる。一方、Xpとして異なるものを組み合わせて使用すれば、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基をもつ染料や、あるいは、互いに異なる種類の置換基をもつ染料を合成することができる。一般式(CII)の染料のなかでも、互いに異なる電子吸引性置換基を持つこれらの染料は、染料の溶解性、会合性、インクの経時安定性などを調整できるので、特に好ましい。
本発明では、いずれの置換型においても酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であることが堅牢性の向上に非常に重要であることが見出され、その効果の大きさは前記先行技術から全く予想することができないものであった。また、原因は詳細には不明であるが、なかでも、α,β-位混合置換型よりはβ-位置換型の方が色相、光堅牢性、オゾンガス耐性等において明らかに優れている傾向にあった。
前記一般式(CI)および(CII)で表されるフタロシアニン染料の具体例(例示化合物I−1〜I−12および101〜190)を下記に示すが、本発明に用いられるフタロシアニン染料は、下記の例に限定されるものではない。
【0119】
【化35】
Figure 0004154265
【0120】
【化36】
Figure 0004154265
【0121】
【化37】
Figure 0004154265
【0122】
【化38】
Figure 0004154265
【0123】
【化39】
Figure 0004154265
【0124】
【化40】
Figure 0004154265
【0125】
【表3】
Figure 0004154265
【0126】
【表4】
Figure 0004154265
【0127】
【表5】
Figure 0004154265
【0128】
【表6】
Figure 0004154265
【0129】
【表7】
Figure 0004154265
【0130】
【表8】
Figure 0004154265
【0131】
【表9】
Figure 0004154265
【0132】
【表10】
Figure 0004154265
【0133】
【表11】
Figure 0004154265
【0134】
【表12】
Figure 0004154265
【0135】
【表13】
Figure 0004154265
【0136】
なお、化合物No.146〜190のM−Pc(Xp1)m(Xp2)nで示されるフタロシアニン化合物の構造は下記の通りである。
【0137】
【化41】
Figure 0004154265
【0138】
前記一般式(CI)で表されるフタロシアニン染料は、前述した特許に従って合成することが可能である。また、一般式(CII)で表されるフタロシアニン染料は、前記した合成方法の他に、特開2001−226275号、同2001−96610号、同2001−47013号、同2001−193638号の各公報に記載の方法により合成することができる。また、出発物質、染料中間体および合成ル−トについてはこれらに限定されるものでない。
本発明のインクジェット記録用インクは、前記フタロシアニン染料を好ましくは0.2〜20質量%含有し、より好ましくは0.5〜15質量%含有する。
本発明のインクジェット記録用インクは、水性媒体中に、フタロシアニン染料を溶解および/または分散させることによって作製することができる。本発明における「水性媒体」とは、水または水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて湿潤剤(好ましくは溶解助剤または分散助剤としての界面活性剤)、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。
【0139】
本発明のインクジェット記録用インクに用いるマゼンタインクは、水性媒体中にアゾ染料から選択されるマゼンタ染料を溶解または分散されており、該水性媒体中において500〜580nmの分光領域に吸収極大を有し、かつ1.0V(vsSCE)よりも貴の酸化電位を有する染料であることを基本的特徴としている。
このアゾ染料の好ましい染料の構造上の特徴の第一は、一般式(複素環A)−N=N−(複素環B)で表される発色団を有する染料であることである。この場合、複素環Aと複素環Bは同一の構造であってもよい。複素環A及び複素環Bは、具体的には5員環、または6員環の複素環で、ピラゾ−ル、イミダゾ−ル、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、チアゾ−ル、セレナゾ−ル、ピリドン、ピラジン、ピリミジン、ピリジンから選ばれた複素環である。具体的には特願2000−15853、特願2001−15614、特開平2002−309116号公報,特願2001−195014などに記載されている。
さらに、前記アゾ染料の好ましい構造上の特徴の第2は、アゾ基が、少なくともその一方に芳香族含窒素6員複素環をカップリング成分として直結させたアゾ染料であることで、その具体例は2001−110457に記載されている。
構造上の好ましい特徴の第三は、助色団が芳香族環アミノ基または複素環アミノ基の構造を有することであり、具体的にはアニリノ基、ヘテリルアミノ基である。
好ましい構造上の特徴の第四は立体構造を有することである。具体的には特願2002−12015に記載されている。
上記したアゾ染料の好ましい構造上の特徴の中でも、本発明の目的を達する上で最も好ましいのは、下記一般式(1)で表される染料である。
【0140】
【化42】
Figure 0004154265
【0141】
一般式(MI)において、Aは5員複素環基を表す。
1およびB2は各々=CR1−、−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR1−または−CR2=を表す。R5およびR6は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
G、R1およびR2は各々独立して、水素原子または置換基を示し、該置換基は、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
1とR5、あるいはR5とR6が結合して5〜6員環を形成しても良い。
前記一般式(MI)の染料について更に詳細に説明する。
一般式(MI)において、Aは5員複素環基を表す。該複素環のヘテロ原子の例には、N、O、およびSを挙げることができる。好ましくは含窒素5員複素環であり、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。好ましい複素環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環を挙げる事ができる。各複素環基は更に置換基を有していても良い。中でも下記一般式(a)から(f)で表されるピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましい。
【0142】
【化43】
Figure 0004154265
【0143】
上記一般式(a)から(f)において、R7からR20は一般式(MI)におけるG、R1、R2と同じ置換基を表す。
一般式(a)から(f)のうち、好ましいのは一般式(a)、(b)で表されるピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましいのは一般式(a)で表されるピラゾール環である。
一般式(MI)において、B1およびB2は各々=CR1−および−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR1−または−CR2 =を表すが、各々=CR1−、−CR2=を表すものがより好ましい。
5およびR6は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
5、R6は好ましくは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基を挙げる事ができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。該各置換基の水素原子は置換されていても良い。ただし、R5およびR6が同時に水素原子であることはない。
【0144】
G、R1およびR2は各々独立して、水素原子または置換基を示し、該置換基は、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
Gとしては水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、または複素環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基またはアシルアミノ基であり、中でも水素原子、アミノ基(好ましくは、アニリノ基)、またはアシルアミノ基が最も好ましい。該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
【0145】
1、R2として好ましいものは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げる事ができる。該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
1とR5、あるいはR5とR6が結合して5〜6員環を形成しても良い。
Aが置換基を有する場合、またはR1、R2、R5、R6またはGの置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記G、R1、R2で挙げた置換基を挙げる事ができる。
本発明の一般式(MI)の染料が水溶性染料である場合には、A、R1、R2 、R5、R6、G上のいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
【0146】
本明細書において使用される用語(置換基)について説明する。これら用語は一般式(MI)及び後述の一般式(MIa)における異なる符号間であっても共通である。
【0147】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
【0148】
脂肪族基はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。本明細書で、「置換アルキル基」等に用いる「置換」とは、「アルキル基」等に存在する水素原子が上記G、R1、R2で挙げた置換基等で置換されていることを示す。
脂肪族基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分はフェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基が特に好ましい。脂肪族基の例には、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、およびアリル基を挙げることができる。
【0149】
芳香族基はアリール基および置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基が特に好ましい。芳香族基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6〜16がさらに好ましい。
芳香族基の例には、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、o−クロロフェニル基およびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニル基が含まれる。
【0150】
複素環基には、置換複素環基が含まれる。複素環基は、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。前記複素環基としては、5員または6員環の複素環基が好ましい。前記置換複素環基の置換基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、イオン性親水性基などが含まれる。前記複素環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基および2−フリル基が含まれる。
【0151】
カルバモイル基には、置換カルバモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。
【0152】
アルコキシカルボニル基には、置換アルコキシカルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基が含まれる。
【0153】
アリールオキシカルボニル基には、置換アリールオキシカルボニル基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基が含まれる。
【0154】
複素環オキシカルボニル基には、置換複素環オキシカルボニル基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環オキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシカルボニル基の例には、2−ピリジルオキシカルボニル基が含まれる。
アシル基には、置換アシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
【0155】
アルコキシ基には、置換アルコキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基が含まれる。
【0156】
アリールオキシ基には、置換アリールオキシ基が含まれる。前記アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基およびo−メトキシフェノキシ基が含まれる。
【0157】
複素環オキシ基には、置換複素環オキシ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環オキシ基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシ基の例には、3−ピリジルオキシ基、3−チエニルオキシ基が含まれる。
【0158】
シリルオキシ基としては、炭素原子数が1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基が好ましい。前記シリルオキシ基の例には、トリメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシが含まれる。
【0159】
アシルオキシ基には、置換アシルオキシ基が含まれる。前記アシルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアシルオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルオキシ基の例には、アセトキシ基およびベンゾイルオキシ基が含まれる。
【0160】
カルバモイルオキシ基には、置換カルバモイルオキシ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイルオキシ基の例には、N−メチルカルバモイルオキシ基が含まれる。
【0161】
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換アルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基が含まれる。
【0162】
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換アリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基が含まれる。
【0163】
アミノ基には、置換アミノ基が含まれる。該置換基としてはアルキル基、アリール基または複素環基が含まれ、アルキル基、アリール基および複素環基はさらに置換基を有していてもよい。アルキルアミノ基には、置換アルキルアミノ基が含まれる。アルキルアミノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基およびジエチルアミノ基が含まれる。
アリールアミノ基には、置換アリールアミノ基が含まれる。前記アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールアミノ基の例としては、フェニルアミノ基および2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
複素環アミノ基には、置換複素環アミノ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
【0164】
アシルアミノ基には、置換アシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアシルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルアミノ基の例には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N−フェニルアセチルアミノおよび3,5−ジスルホベンゾイルアミノ基が含まれる。
【0165】
ウレイド基には、置換ウレイド基が含まれる。前記ウレイド基としては、炭素原子数が1〜20のウレイド基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。前記ウレイド基の例には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基および3−フェニルウレイド基が含まれる。
【0166】
スルファモイルアミノ基には、置換スルファモイルアミノ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイルアミノ基の例には、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれる。
【0167】
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換アルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
【0168】
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換アリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれる。
【0169】
アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基には、それぞれ置換アルキルスルホニルアミノ基及び置換アリールスルホニルアミノ基が含まれる。前記アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜20のアルキルスルホニルアミノ基及び炭素原子数が7〜20のアリールスルホニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、N−フェニル−メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、および3−カルボキシフェニルスルホニルアミノ基が含まれる。
【0170】
複素環スルホニルアミノ基には、置換複素環スルホニルアミノ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜12の複素環スルホニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルホニルアミノ基の例には、2−チエニルスルホニルアミノ基、3−ピリジルスルホニルアミノ基が含まれる。
【0171】
アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環チオ基には、それぞれ置換アルキルチオ基、置換アリールチオ基及び置換複素環チオ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環チオ基としては、炭素原子数が1から20のものが好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環チオ基の例には、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−ピリジルチオ基が含まれる。
【0172】
アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基には、置換アルキルスルホニル基および置換アリールスルホニル基が含まれる。アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基の例としては、それぞれメチルスルホニル基およびフェニルスルホニル基をあげる事ができる。
【0173】
複素環スルホニル基には、置換複素環スルホニル基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環スルホニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルホニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルホニル基の例には、2−チエニルスルホニル基、3−ピリジルスルホニル基が含まれる。
アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基には、それぞれ置換アルキルスルフィニル基および置換アリールスルフィニル基が含まれる。アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基の例としては、それぞれメチルスルフィニル基およびフェニルスルフィニル基をあげる事ができる。
【0174】
複素環スルフィニル基には、置換複素環スルフィニル基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環スルフィニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルフィニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルフィニル基の例には、4−ピリジルスルフィニル基が含まれる。
【0175】
スルファモイル基には、置換スルファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
【0176】
本発明において、特に好ましい構造は、下記一般式(MIa)で表されるものである。
一般式(MIa)
【0177】
【化44】
Figure 0004154265
【0178】
式中、R1、R2、R5およびR6は一般式(MI)と同義である。
3およびR4は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。中でも水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、芳香族基、または複素環基が特に好ましい。
【0179】
1はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z1はσp値が0.30以上の電子吸引性基であるのが好ましく、0.45以上の電子吸引性基が更に好ましく、0.60以上の電子吸引性基が特に好ましいが、1.0を超えないことが望ましい。好ましい具体的な置換基については後述する電子吸引性置換基を挙げることができるが、中でも、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
2は水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表す。Z2は好ましくは脂肪族基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。
Qは水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表す。中でもQは5〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群からなる基が好ましい。前記5〜8員環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。その中でも特に芳香族基、複素環基が好ましい。好ましい非金属原子としては、窒素原子、酸素原子、イオウ原子または炭素原子が挙げられる。そのような環構造の具体例としては、例えばベンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環,ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサン環、スルホラン環およびチアン環等が挙げられる。
【0180】
一般式(MIa)で説明した各置換基の水素原子は置換されていても良い。該置換基としては、一般式(MI)で説明した置換基、G、R1、R2で例示した基やイオン性親水性基が挙げられる。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。尚、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。また、本発明の一般式(1a)の中には、ベンゼン誘導体ではない物も含まれるが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明において、σp値をこのような意味で使用する。
【0181】
ハメット置換基定数σp値が0.60以上の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル基、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基)を例として挙げることができる。
ハメットσp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えばアセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタクロロフェニル)、およびヘテロ環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニルー2−ベンゾイミダゾリル)を挙げることができる。
σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0182】
前記一般式(MI)で表されるアゾ染料として特に好ましい置換基の組み合わせは、R5およびR6として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。ただし、R5およびR6が共に水素原子であることは無い。 Gとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、もっとも好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
Aのうち、好ましくはピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、さらにはピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましくはピラゾール環である。
1およびB2がそれぞれ=CR1−、−CR2=であり、R1、R2は各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。
【0183】
尚、前記一般式(MI)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
【0184】
前記一般式(MI)で表される化合物(アゾ染料)の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるアゾ染料は、下記の例に限定されるものではない。
【0185】
【表14】
Figure 0004154265
【0186】
【表15】
Figure 0004154265
【0187】
【表16】
Figure 0004154265
【0188】
【表17】
Figure 0004154265
【0189】
【表18】
Figure 0004154265
【0190】
【表19】
Figure 0004154265
【0191】
【表20】
Figure 0004154265
【0192】
【表21】
Figure 0004154265
【0193】
【表22】
Figure 0004154265
【0194】
【表23】
Figure 0004154265
【0195】
【表24】
Figure 0004154265
【0196】
【表25】
Figure 0004154265
【0197】
【表26】
Figure 0004154265
【0198】
本発明のインクジェット記録用インク組成物(本発明では単に「インク」ともいう)は、前記アゾ染料の少なくとも1種を、水性媒体中に溶解および/または分散してなり、アゾ染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜15質量%含有する。
【0199】
本発明に用いられる前記アゾ染料は、実質的に水溶性のものである。実質的に水溶性とは、20℃の水に2質量%以上溶解することを指す。
また、本発明のインクジェット用インク組成物には、前記アゾ染料(マゼンタ色素)とともに他のマゼンタ色素を併用しうる。
併用しうるマゼンタ色素としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素(本発明の一般式(MI)以外);例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン色素;例えばアリーリデン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、オキソノール色素のようなメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素のようなカルボニウム色素、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系色素、例えばジオキサジン色素等のような縮合多環系色素等を挙げることができる。これらの色素は、クロモフォアの一部が解離して初めてマゼンタを呈するものであっても良く、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。なお、本発明の一般式(MI)の化合物を含有するインク組成物中には本発明でのインク析出試験を満足する範囲で他の色素を併用するものとする。
【0200】
以下、本発明に有用なイエロー染料について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録方法に用いられる1つのインク(組成物)に使用するイエロー染料は、堅牢性、オゾンガスに対する堅牢性の点から、インクを反射型メディアに印画した後に、ステータスAフィルター(例えば、X−rite310TR濃測機)を通して反射濃度を測定し、イエロー領域における反射濃度(DB)が、0.90〜1.10の点を1点そのインクの初期濃度として規定して、この印画物を、5ppmのオゾンを常時発生可能なオゾン褪色試験機を用いて強制的に褪色させ、その反射濃度が初期濃度の80%となるまでの時間(t)から求めた強制褪色速度定数(k)を(0.8=e-kt)から定めたときに、該速度定数が5.0×10-2[hour-1]以下、好ましくは、3.0×10-2[hour-1]以下、更に好ましくは、1.0×10-2[hour-1]以下に制御される。
また、該イエロー染料は、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である染料が好ましく、1.1V(vs SCE)よりも貴である染料がさらに好ましく、1.2V(vs SCE)よりも貴である染料が特に好ましい。染料の種類としては、上記物性要件を満たすアゾ染料が特に好ましい。
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New Instrumental Methods in Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers社刊)やA.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
【0201】
具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6モル/リットル溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
なお、電位を一義的に規定する為、本発明では、0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染料の濃度は0.001moldm-3)で直流ポーラログラフィーにより測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
【0202】
Eoxの値は試料から電極への電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、イエロー染料骨格に電子求引性基を導入して酸化電位をより貴とすることが望ましい。
【0203】
また、本発明において使用する染料は、堅牢性が良好であると共に色相が良好であるということが好ましく、特に吸収スペクトルにおいて長波側の裾切れが良好であることが好ましい。このためλmaxが390nmから470nmにあり、λmaxの吸光度I(λmax)と、λmax+70nmの吸光度I(λmax+70nm)との比I(λmax+70nm)/I(λmax)(以下、この比を比Iが、0.2以下であるイエロー染料が好ましく、0.1以下がさらに好ましい。該比の下限は0.01程度である。上記のλmax等の数値は水溶液でのものである。
【0204】
このような酸化電位及び吸収特性を満足する染料として、下記一般式(Y1)で表されるものが好ましい。ただし、一般式(1)で表される化合物は、λmaxが390nmから470nmにあればよく、必ずしも上記酸化電位及びI(λmax+70nm)/I(λmax)を満足しなくともよい。尚、請求項1に記載のイエロー染料及び請求項4に記載の一般式(Y1)で表されるイエロー染料を総称する場合には、本発明のイエロー染料という。
一般式(Y1) A−N=N−B
式中、AおよびBはそれぞれ独立して、置換されていてもよい複素環基を表す。
前記複素環としては、5員環または6員環から構成された複素環が好ましく、単環構造であっても、2つ以上の環が縮合した多環構造であっても良く、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。前記複素環を構成するヘテロ原子としては、N,O,S原子が好ましい。
【0205】
前記一般式(Y1)において、Aで表される複素環としては、5−ピラゾロン、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、ピリドン、ピリジン、ローダニン、ピラゾリジンジオン、ピラゾロピリドン、メルドラム酸およびこれらの複素環にさらに炭化水素芳香環や複素環が縮環した縮合複素環が好ましい。中でも5−ピラゾロン、5−アミノピラゾール、ピリドン、2,6−ジアミノピリジン、ピラゾロアゾール類が好ましく、5−アミノピラゾール、2−ヒドロキシ−6−ピリドン、ピラゾロトリアゾールが特に好ましい。
【0206】
Bで表される複素環としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中でもピリジン、キノリン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾイソオキサゾールが好ましく、キノリン、チオフェン、ピラゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ベンゾチアゾール、チアジアゾールがさらに好ましく、ピラゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イミダゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールが特に好ましい。
【0207】
AおよびBに置換する置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。
【0208】
一般式(Y1)の染料を水溶性染料として使用する場合には、分子内にイオン性親水性基を少なくとも1つ有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。
【0209】
一般式(Y1)で表される染料の中でも、一般式(Y2)、(Y3)、(Y4)の染料が好ましい。
一般式(Y2)
【0210】
【化45】
Figure 0004154265
【0211】
一般式(Y2)中、R1およびR3は、水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリール基またはイオン性親水性基を表し、R2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、カルバモイル基、アシル基、アリール基または複素環基を表し、R4は複素環基を表す。
一般式(Y3)
【0212】
【化46】
Figure 0004154265
【0213】
一般式(Y3)中、R5は、水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリール基またはイオン性親水性基を表し、 Zaは−N=、−NH−、または−C(R11)=を表し、ZbおよびZcは各々独立して、−N=または−C(R11)=を表し、R11は水素原子または非金属置換基を表し、R6は複素環基を表す。
一般式(Y4)
【0214】
【化47】
Figure 0004154265
【0215】
一般式(Y4)において、R7およびR9は各々独立して、水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、またはイオン性親水性基を表し、R8は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル、アリールスルホニル基、アシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、またはイオン性親水性基を表し、R10は複素環基を表す。
【0216】
前記一般式(Y2)、(Y3)および(Y4)中、R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアルキル基には、置換基を有するアルキル基および無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基としては、炭素原子数が1乃至20のアルキル基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、および4−スルホブチルが含まれる。
【0217】
R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すシクロアルキル基には、置換基を有するシクロアルキル基および無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル基としては、炭素原子数が5乃至12のシクロアルキル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記シクロアルキル基の例には、シクロヘキシル基が含まれる。
R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアラルキル基には、置換基を有するアラルキル基および無置換のアラルキル基が含まれる。前記アラルキル基としては、炭素原子数が7乃至20のアラルキル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アラルキル基の例には、ベンジル、および2−フェネチルが含まれる。
【0218】
R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアリール基には、置換基を有するアリール基および無置換のアリール基が含まれる。前記アリール基としては、炭素原子数が6乃至20のアリール基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、およびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
【0219】
R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアルキルチオ基には、置換基を有するアルキルチオ基および無置換のアルキルチオ基が含まれる。前記アルキルチオ基としては、炭素原子数が1乃至20のアルキルチオ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルキルチオ基の例には、メチルチオおよびエチルチオが含まれる。
R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアリールチオ基には、置換基を有するアリールチオ基および無置換のアリールチオ基が含まれる。前記アリールチオ基としては、炭素原子数が6乃至20のアリールチオ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールチオ基の例には、フェニルチオ基およびp−トリルチオが含まれる。
【0220】
R2及び後述のR22で表される複素環基は、5員または6員の複素環が好ましくそれらはさらに縮環していても良い。複素環を構成するヘテロ原子としては、N,S,Oが好ましい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。前記複素環はさらに置換されていてもよく、置換基の例としては、後述のアリール基の置換基と同じものが挙げられる。好ましい複素環は、6員の含窒素芳香族複素環であり、特にトリアジン、ピリミジン、フタラジンを好ましい例としてあげることが出来る。
【0221】
R8が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
R1,R3,R5,R8が表すアルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシおよび3−カルボキシプロポキシが含まれる。
【0222】
R8が表すアリールオキシ基には、置換基を有するアリールオキシ基および無置換のアリールオキシ基が含まれる。前記アリールオキシ基としては、炭素原子数が6乃至20のアリールオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ、p−メトキシフェノキシおよびo−メトキシフェノキシが含まれる。R8が表すアシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基および無置換のアシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至20のアシルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルアミノ基の例には、アセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミドおよび3,5−ジスルホベンズアミドが含まれる。
【0223】
R8が表すスルホニルアミノ基には、置換基を有するスルホニルアミノ基および無置換のスルホニルアミノ基が含まれる。前記スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1乃至20のスルホニルアミノ基が好ましい。前記スルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ、およびエチルスルホニルアミノが含まれる。
R8が表すアルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0224】
R8が表すウレイド基には、置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド基が含まれる。前記ウレイド基としては、炭素原子数が1乃至20のウレイド基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。前記ウレイド基の例には、3−メチルウレイド、3,3−ジメチルウレイドおよび3−フェニルウレイドが含まれる。
R7,R8、R9が表すアルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2乃至20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。
【0225】
R2,R7、R8、R9が表すカルバモイル基には、置換基を有するカルバモイル基および無置換のカルバモイル基が含まれる。前記置換基の例にはアルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。
R8が表す置換基を有するスルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
【0226】
R8が表すアルキルスルホニルおよびアリールスルホニル基の例には、メチルスルホニルおよびフェニルスルホニルが含まれる。
R2,R8が表すアシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1乃至20のアシル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチルおよびベンゾイルが含まれる。
【0227】
R8が表すアミノ基には、置換基を有するアミノ基および無置換のアミノ基が含まれる。置換基の例にはアルキル基、アリール基、複素環基が含まれる。アミノ基の例には、メチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノおよび2−クロロアニリノが含まれる。
【0228】
R4、R6,R10で表される複素環基は、一般式(Y1)のBで表される置換されていてもよい複素環基と同じであり、好ましい例、さらに好ましい例、特に好ましい例も先述のものと同じである。置換基としては、イオン性親水性基、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、アリール基、アルキルまたはアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、およびアシルアミノ基等が含まれ、前記アルキル基およびアリール基等はさらに置換基を有していてもよい。
【0229】
前記一般式(Y3)中、Zaは−N=、−NH−、または−C(R11)=を表し、ZbおよびZcは各々独立して、−N=または−C(R11)=を表し、R11は水素原子または非金属置換基を表す。R11が表す非金属置換基としては、シアノ基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、またはイオン性親水性基が好ましい。前記置換基の各々は、R1が表す各々の置換基と同義であり、好ましい例も同様である。前記一般式(Y3)に含まれる2つの5員環からなる複素環の骨格例を下記に示す。
【0230】
【化48】
Figure 0004154265
【0231】
上記で説明した各置換基がさらに置換基を有していても良い場合の置換基の例としては、先述の一般式(Y1)の複素環A,Bに置換しても良い置換基を挙げることが出来る。
【0232】
前記一般式(Y2)〜(Y4)で表される染料を水溶性染料として使用する場合には、分子内にイオン性親水性基を少なくとも1つ有することが好ましい。前記一般式(YY2)〜(Y4)中の、R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9の少なくともいずれかがイオン性親水性基である染料の他、前記一般式(Y2)〜(Y4)中の、R1〜R11がさらにイオン性親水性基を置換基として有する染料が含まれる。
【0233】
上記一般式(Y2)、(Y3)、及び(Y4)のうち、好ましいものは一般式(Y2)であるが、中でも下記一般式(Y2−1)で表されるものが特に好ましい。
一般式(Y2−1)
【0234】
【化49】
Figure 0004154265
【0235】
式(Y2−1)中、R21及びR23は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表す。R22は、アリール基または複素環基を表す。X及びYは、一方は窒素原子を表し、他方は−CR24を表す。R24は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリール基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アリールオキシ基またはアシルアミノ基を表す。それぞれの置換基はさらに置換していてもよい。
一般式(Y2−1)において、イオン性親水性基を有する染料が好ましくい。
【0236】
以下に、本発明で使用される好ましい染料の具体例を示すが、本発明に用いられる染料は、下記の具体例に限定されるものではない。これらの化合物は特開平2−24191号、特開2001−279145号、特願2000−124832号を参考にして合成できる。
【0237】
【化50】
Figure 0004154265
【0238】
【化51】
Figure 0004154265
【0239】
【化52】
Figure 0004154265
【0240】
【化53】
Figure 0004154265
【0241】
【化54】
Figure 0004154265
【0242】
【化55】
Figure 0004154265
【0243】
【化56】
Figure 0004154265
【0244】
【化57】
Figure 0004154265
【0245】
【化58】
Figure 0004154265
【0246】
【化59】
Figure 0004154265
【0247】
【化60】
Figure 0004154265
【0248】
【化61】
Figure 0004154265
【0249】
【化62】
Figure 0004154265
【0250】
【化63】
Figure 0004154265
【0251】
【化64】
Figure 0004154265
【0252】
【化65】
Figure 0004154265
【0253】
【化66】
Figure 0004154265
【0254】
【化67】
Figure 0004154265
【0255】
【化68】
Figure 0004154265
【0256】
【化69】
Figure 0004154265
【0257】
本発明のインクジェット記録用インクは、前記イエロー染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜15質量%含有する。
【0258】
以下、本発明のブラック用染料について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用ブラックインクには、まずλmaxが500nmから700nmにあり、吸光度1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅(Wλ,1/2)が100nm以上(好ましくは120nm以上500nm以下、さらに好ましくは120nm以上350nm以下)である染料(L)を使用する。
【0259】
この染料(L)単独で、画像品質の高い「(しまりのよい)黒」=観察光源によらず、かつB,G,Rのいずれかの色調が強調されにくい黒を実現できる場合は、この染料を単独でブラックインク用染料として使用することも可能であるが、通常はこの染料の吸収が低い領域をカバーする染料と併用するのが一般的である。通常はイエロー領域に主吸収を有する染料(S)と併用するのが好ましい。また、さらに他の染料と併用してブラックインクを作製することも可能である。
【0260】
本発明においては、該染料を単独もしくは混合して水性媒体中に溶解または分散することによりブラックインクを作製するが、インクジェット記録用ブラックインクとして好ましい性能、すなわち、1)耐候性に優れること、および/または、2)褪色後も黒のバランスが崩れないことを満足するために、下記の条件を満たすようなインクを作製する。
【0261】
まず、該ブラックインクを用いてJISコード2223の黒四角記号を48ポイントで印字し、これをステータスAフィルター(ビジュアルフィルター)により測定した反射濃度(Dvis)を初期濃度として規定する。ステータスAフィルターを搭載した反射濃度測定機としては、たとえばX−Rite濃度測定機などを挙げることができる。ここで「黒」を濃度測定する場合、標準的な観察反射濃度としてDvisによる測定値を使用する。この印画物を、5ppmのオゾンを常時発生可能なオゾン褪色試験機を用いて強制的に褪色させ、その反射濃度(Dvis)が初期反射濃度値の80%となるまでの時間(t)から強制褪色速度定数(kvis)を「0.8=exp(−kvis・t)」なる関係式から求める。
本発明では該速度定数(kvis)が5.0×10-2[hour-1]以下、好ましくは3.0×10-2[hour-1]以下、さらに好ましくは1.0×10-2[hour-1]以下となるようなインクを作製する。(条件1)
【0262】
また、該ブラックインクを用いてJISコード2223の黒四角記号を48ポイントで印字し、これをステータスAフィルターにより測定した濃度測定値で、DvisではないC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)3色の反射濃度(DR,DG,DB)も初期濃度として規定する。ここで、(DR,DG,DB)は、(レッドフィルターによるC反射濃度,グリーンフィルターによるM反射濃度,ブルーフィルターによるY反射濃度)を示す。この印画物を上記の方法に従って5ppmのオゾンを常時発生可能なオゾン褪色試験機を用いて強制的に褪色させ、それぞれの反射濃度(DR,DG,DB)が初期濃度値の80%となるまでの時間からも同様に強制褪色速度定数(kR,kG,kB)を定める。該3つの速度定数を求めて、その最大値と最小値の比(R)を求めた場合(たとえばkRが最大値でkGが最小値の場合、R=kR/kGである)、該比(R)が1.2以下、好ましくは1.1以下、さらに好ましくは1.05以下となるようなインクを作製する。(条件2)
【0263】
なお、上記で使用した「JISコード2223の黒四角記号を48ポイントで印字した印字物」は、濃度測定に十分な大きさを与えるため、測定機のアパーチャーを十分にカバーする大きさに画像を印字したものである。
【0264】
また、ブラックインクに使用する少なくとも1つの染料の酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴、好ましくは1.1V(vs SCE)よりも貴、さらに好ましくは1.2V(vs SCE)よりも貴、最も好ましくは1.25V(vs SCE)よりも貴であり、その染料の少なくとも1つはλmaxが500nm以上であることが好ましい。(条件3)
【0265】
本発明における酸化電位は、0.1mol・dm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むN,N−ジメチルホルムアミド中(化合物の濃度は1×10-3mol・dm-3)で、参照電極としてSCE(飽和カロメル電極)、作用極としてグラファイト電極、対極として白金電極を使用し、直流ポーラログラフィーにより測定した値を使用する。水溶性染料の場合では直接N,N−ジメチルホルムアミドに溶解し辛い場合があるが、その場合には出来る限り少量の水を用いて染料を溶解した後、含水量が2%以下となるようにN,N−ジメチルホルムアミドで希釈して測定する。
【0266】
酸化電位の値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を用いて校正することにより、測定された電位の値の再現性を保証することができる。
【0267】
さらに、本発明のブラックインクとしては、下記一般式(BK1)に記載のアゾ染料を使用することが好ましい。一般式(BK1)に記載のアゾ染料としては、まずλmaxが500nmから700nmにあり、吸光度1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅が100nm以上である染料(L)に該当するものを挙げることができる。これの他に、λmaxが350nmから500nmにある染料(S)も同様に一般式(BK1)の染料に該当するものとして挙げることができる。好ましくは染料(L)の少なくとも1つが一般式(BK1)の染料であるが、特に好ましくは染料(L)、(S)のいずれにおいても少なくとも1つが一般式(BK1)の染料であり、中でもインク中全染料の90質量%が一般式(BK1)の染料であることが好ましい。(条件4)
一般式(BK1)
【0268】
【化70】
Figure 0004154265
【0269】
本発明で使用するブラックインクは、上記条件1〜4のいずれか少なくとも1つを満たすブラックインクである。
【0270】
次に、一般式(BK1)で表される染料のうち、特に染料(L)に該当するものについて詳細に述べる。
【0271】
一般式(BK1)中、A、BおよびCは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す(AおよびCは一価の基であり、Bは二価の基である)。mは1または2であり、nは0以上の整数である。
中でもm,nがそれぞれ1または2である化合物が好ましく、そのとき、A、BおよびCのうち少なくとも2つ以上は置換されていてもよい不飽和複素環基であることが好ましい。その中でも特に好ましいのはm,n=1であり、少なくともB、Cが不飽和複素環基の場合である。
一般式(BK1)で表されるアゾ染料は、特に下記一般式(BK2)で表される染料であることが好ましい。
一般式(BK2)
【0272】
【化71】
Figure 0004154265
【0273】
上記一般式(BK2)中、A、Bは一般式(BK1)におけると同義である。B1およびB2は、各々=CR1−および−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が=CR1−または−CR2=を表す。
G、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
5、R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。但し、R5、R6が同時に水素原子であることはない。
また、R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
一般式(BK2)で表されるアゾ染料は、さらに下記一般式(BK3)で表される染料であることが好ましい。
一般式(BK3)
【0274】
【化72】
Figure 0004154265
【0275】
上記一般式(BK3)中R7およびR8は、一般式(BK2)のR1と同義である。
【0276】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。脂肪族基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分はフェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。脂肪族基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、およびアリル基を挙げることができる。
【0277】
1価の芳香族基はアリール基および置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。1価の芳香族基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6から16がさらに好ましい。1価の芳香族基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニルおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。2価の芳香族基は、これらの1価の芳香族基を2価にしたものであり、その例にはとしてフェニレン、p−トリレン、p−メトキシフェニレン、o−クロロフェニレンおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニレン、ナフチレンなどが含まれる。
【0278】
複素環基には、置換基を有する複素環基および無置換の複素環基が含まれる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環基としては、5員または6員環の複素環基が好ましく、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。上記置換基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、イオン性親水性基などが含まれる。1価及び2価の複素環基に用いられる複素環の例には、ピリジン、チオフェン、チアゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、及びフラン環が含まれる。
【0279】
カルバモイル基には、置換基を有するカルバモイル基および無置換のカルバモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。
【0280】
アルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基が含まれる。
【0281】
アリールオキシカルボニル基には、置換基を有するアリールオキシカルボニル基および無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基が含まれる。
【0282】
複素環オキシカルボニル基には、置換基を有する複素環オキシカボニル基および無置換の複素環オキシカルボニル基が含まれる。複素環オキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシカルボニル基の例には、2−ピリジルオキシカルボニル基が含まれる。
上記アシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。上記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。上記アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
【0283】
アルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基が好ましい。置換基の例には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。上記アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基が含まれる。
【0284】
アリールオキシ基には、置換基を有するアリールオキシ基および無置換のアリールオキシ基が含まれる。アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールオキシ基が好ましい。上記置換基の例には、アルコキシ基およびイオン性親水性基が含まれる。上記アリールオキシ基の例には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基およびo−メトキシフェノキシ基が含まれる。
【0285】
複素環オキシ基には、置換基を有する複素環オキシ基および無置換の複素環オキシ基が含まれる。上記複素環オキシ基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシ基が好ましい。上記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。上記複素環オキシ基の例には、3−ピリジルオキシ基、3−チエニルオキシ基が含まれる。
【0286】
シリルオキシ基としては、炭素原子数が1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基が好ましい。シリルオキシ基の例には、トリメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシが含まれる。
【0287】
アシルオキシ基には、置換基を有するアシルオキシ基および無置換のアシルオキシ基が含まれる。アシルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアシルオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシルオキシ基の例には、アセトキシ基およびベンゾイルオキシ基が含まれる。
【0288】
カルバモイルオキシ基には、置換基を有するカルバモイルオキシ基および無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。カルバモイルオキシ基の例には、N−メチルカルバモイルオキシ基が含まれる。
【0289】
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルオキシ基および無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基が含まれる。
【0290】
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアリールオキシカルボニルオキシ基および無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基が含まれる。
【0291】
アミノ基には、アルキル基、アリール基または複素環基で置換されたアミノ基が含まれ、アルキル基、アリール基および複素環基はさらに置換基を有していてもよい。アルキルアミノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基およびジエチルアミノ基が含まれる。
アリールアミノ基には、置換基を有するアリールアミノ基および無置換のアリールアミノ基が含まれる。アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。アリールアミノ基の例としては、アニリノ基および2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
複素環アミノ基には、置換基を有する複素環アミノ基および無置換の複素環アミノ基が含まれる。複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
【0292】
アシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基および無置換のアシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアシルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシルアミノ基の例には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N−フェニルアセチルアミノおよび3,5−ジスルホベンゾイルアミノ基が含まれる。
【0293】
ウレイド基には、置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド基が含まれる。ウレイド基としては、炭素原子数が1〜20のウレイド基が好ましい。置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。ウレイド基の例には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基および3−フェニルウレイド基が含まれる。
【0294】
スルファモイルアミノ基には、置換基を有するスルファモイルアミノ基および無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。スルファモイルアミノ基の例には、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれる。
【0295】
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
【0296】
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアリールオキシカボニルアミノ基および無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれる。
【0297】
アルキル及びアリールスルホニルアミノ基には、置換基を有するアルキル及びアリールスルホニルアミノ基、および無置換のアルキル及びアリールスルホニルアミノ基が含まれる。スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜20のスルホニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。これらスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、N−フェニル−メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、および3−カルボキシフェニルスルホニルアミノ基が含まれる。
【0298】
複素環スルホニルアミノ基には、置換基を有する複素環スルホニルアミノ基および無置換の複素環スルホニルアミノ基が含まれる。複素環スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜12の複素環スルホニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。複素環スルホニルアミノ基の例には、2−チオフェンスルホニルアミノ基、3−ピリジンスルホニルアミノ基が含まれる。
【0299】
複素環スルホニル基には、置換基を有する複素環スルホニル基および無置換の複素環スルホニル基が含まれる。複素環スルホニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルホニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。複素環スルホニル基の例には、2−チオフェンスルホニル基、3−ピリジンスルホニル基が含まれる。
【0300】
複素環スルフィニル基には、置換基を有する複素環スルフィニル基および無置換の複素環スルフィニル基が含まれる。複素環スルフィニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルフィニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。複素環スルフィニル基の例には、4−ピリジンスルフィニル基が含まれる。
【0301】
アルキル,アリール及び複素環チオ基には、置換基を有するアルキル,アリール及び複素環チオ基と無置換のアルキル,アリール及び複素環チオ基が含まれる。アルキル,アリール及び複素環チオ基としては、炭素原子数が1から20のものが好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルキル,アリール及び複素環チオ基の例には、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−ピリジルチオ基が含まれる。
【0302】
アルキルおよびアリールスルホニル基には、置換基を有するアルキルおよびアリールスルホニル基、無置換のアルキルおよびアリールスルホニル基が含まれる。アルキルおよびアリールスルホニル基の例としては、それぞれメチルスルホニル基およびフェニルスルホニル基を挙げることができる。
【0303】
アルキルおよびアリールスルフィニル基には、置換基を有するアルキルおよびアリールスルフィニル基、無置換のアルキルおよびアリールスルフィニル基が含まれる。アルキルおよびアリールスルフィニル基の例としては、それぞれメチルスルフィニル基およびフェニルスルフィニル基を挙げることができる。
【0304】
スルファモイル基には、置換基を有するスルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
【0305】
次に、一般式(BK1)、(BK2)および(BK3)について説明する。
以下の説明において、基、置換基は、既に説明したことが適用される。
一般式(BK1)において、A,B,Cは、それぞれ独立して、置換されていてもよい芳香族基(A、Cは1価の芳香族基、例えばアリール基;Bは2価の芳香族基、例えばアリーレン基)または置換されていてもよい複素環基(A、Cは1価の複素環基;Bは2価の複素環基)を表す。芳香族環の例としてはベンゼン環やナフタレン環をあげることができ、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
置換基としてはアリールアゾ基または複素環アゾ基であってもよい。
また、A,B,Cの少なくとも二つは、好ましくは複素環基である。
【0306】
Cの好ましい複素環基として、下記一般式(BK4)で表される芳香族含窒素6員複素環基があげられる。Cが、下記一般式(BK4)で表される芳香族含窒素6員複素環基である場合は、一般式(BK1)は一般式(BK2)に相当する。
一般式(BK4)
【0307】
【化73】
Figure 0004154265
【0308】
一般式(BK4)において、B1およびB2は、各々=CR1−および−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が=CR1−または−CR2=を表すが、各々=CR1−、−CR2=を表すものがより好ましい。
5、R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。R5、R6で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げることができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していても良い。但し、R5、R6が同時に水素原子であることはない。
【0309】
G、R1,R2は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む))、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
【0310】
Gで表される置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、または複素環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)またはアシルアミノ基であり、中でも水素原子、アニリノ基、アシルアミノ基が最も好ましい。各基は更に置換基を有していても良い。
【0311】
1、R2で表される好ましい置換基は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げることができる。各基は更に置換基を有していても良い。
1とR5、あるいはR5とR6が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
A、R1、R2、R5、R6、Gで表される各置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記G,R1、R2で挙げた置換基を挙げることができる。また、A,R1,R2,R5,R6,G上のいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。
置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
【0312】
Bが環構造であるときの好ましい複素環としてはチオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環を挙げることができる。各複素環基は更に置換基を有していても良い。中でも下記一般式(a)から(e)で表されるチオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環が好ましい。なお、m=n=1であり、Bが(a)で表されるチオフェン環であり、Cが前記一般式(4)で表される構造であるときは、一般式(BK1)は一般式(BK3)に相当することになる。
【0313】
【化74】
Figure 0004154265
【0314】
上記一般式(a)から(e)において、R9からR17は、一般式(BK2)におけるG、R1、R2と同義の置換基を表す。
【0315】
本発明において、特に好ましい構造は、下記一般式(BK5)で表されるものである。
一般式(BK5)
【0316】
【化75】
Figure 0004154265
【0317】
式中、Z1はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z1は、σp値が0.30以上の電子吸引性基であるのが好ましく、0.45以上の電子吸引性基が更に好ましく、0.60以上の電子吸引性基が特に好ましいが、1.0を超えないことが望ましい。好ましい具体的な置換基については後述する電子吸引性置換基を挙げることができるが、中でも、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
【0318】
1、R2、R5、R6は、一般式(BK2)と同義である。R3、R4は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。中でも、水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、芳香族基、複素環基が特に好ましい。
【0319】
一般式(BK5)で説明した各基は更に置換基を有していても良い。これらの各基が更に置換基を有する場合、該置換基としては、一般式(BK2)で説明した置換基、G、R1、R2で例示した基やイオン性親水性基が挙げられる。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。尚、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。また、本発明の一般式(1)または(2)の中には、ベンゼン誘導体ではないものも含まれるが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明において、σp値をこのような意味で使用する。
【0320】
ハメット置換基定数σp値が0.60以上の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル基)を例として挙げることができる。
ハメットσp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えばアセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタクロロフェニル)、およびヘテロ環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニルー2−ベンズイミダゾリル)を挙げることができる。
σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0321】
前記一般式(BK3)で表されるアゾ色素として特に好ましい置換基の組み合わせは、R5およびR6として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。ただし、R5およびR6が共に水素原子であることは無い。
Gとして、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、もっとも好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
Aのうち、好ましくは芳香族基、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環であり、さらには芳香族基、ピリジン環、イソチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、最も好ましくは芳香族基、ピリジン環、ベンゾチアゾール環である。
1およびB2が、それぞれ=CR1−,−CR2=であり、R1、R2は、各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。
【0322】
尚、前記一般式(BK1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
【0323】
前記一般式(BK1)で表されるアゾ色素の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるアゾ色素は、下記の例に限定されるものではなく、またカルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
【0324】
【表27】
Figure 0004154265
【0325】
【表28】
Figure 0004154265
【0326】
【表29】
Figure 0004154265
【0327】
【表30】
Figure 0004154265
【0328】
【表31】
Figure 0004154265
【0329】
【表32】
Figure 0004154265
【0330】
前記一般式(BK1)、(BK2)、(BK3)、(BK5)で表される染料は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができる。主たる合成法としては、特願2002−113460号記載の方法により合成できる。
【0331】
この染料(L)単独で、画像品質の高い「(しまりのよい)黒」=観察光源によらず、かつB,G,Rのいずれかの色調が強調されにくい黒を実現できる場合は、この染料を単独でブラックインク用染料として使用することも可能であるが、通常はこの染料の吸収が低い領域をカバーする染料と併用するのが一般的である。通常はイエロー領域に主吸収を有する染料や顔料と併用して、好ましい黒を実現する。イエロー染料としては通常使用されるアゾ色素、アゾメチン色素などに代表される直接染料や酸性染料等を使用することができる。顔料としては、ピグメント番号のついた一般的な顔料の水性分散物を併用することが可能である。中でも特に好ましいのは、先述した短波側染料(S)として、一般式(BK1)で表される染料を使用するのが好ましい。
【0332】
一般式(BK1)で表される染料のうち、短波側染料(S)として好ましいものとしては、まずm=n=0であるアゾ染料を挙げることができる。このとき、A、Cは好ましくは複素芳香族環である。次に好ましいものとしては、m=n=1であるアゾ染料である。
【0333】
いずれの場合でも、前記酸化電位(Eox)は1.0V(vsSCE)である染料が好ましく、特に好ましくは、Eox が1.2V(vsSCE)となる染料である。
ブラックインクでは、長波側の染料を少なくとも2種併用することもできる。
【0334】
また、さらに他の染料を併用してブラックインクを作製することも可能である。
本発明のインクジェット記録用ブラックインクとしては、前記一般式(BK1)の染料をインク全体で0.2〜25質量%含有し、好ましくは、0.5〜15質量%含有する。
【0335】
λmax が350nm から500nm にある染料は後述のイエロー色素及び黄色顔料も用いられる。
【0336】
本発明の前記ブラック染料は実質的に水溶性又は水分散性のものである。特に本発明のブラック染料を含むインク組成物は染料が水溶性のものであって、溶液タイプのインク組成物であることが好ましい。具体的には20℃における該染料の水への溶解度は2質量%上であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上である。
【0337】
本発明におけるブラック染料以外の染料は実質的に水溶性又は水分散性のものであることが好ましい。具体的には20℃における色素の水への溶解度が2質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上である。
【0338】
また、二種以上のインクを作製する際には、一方を薄いライト系のインク、一方を濃いインクとすることができるが、本発明では、このようなインクのつくり分けをすることも可能であるし、ほとんど濃度が同じインク組成物を作製することも可能である。
【0339】
前記ブラック染料以外の使用可能な染料としては、トリアリールメタン染料、アントラキノン染料、アントラピリドン染料、アゾメチン染料、アゾ染料、シアニン染料、メロシアニン染料、オキソノール染料等当該分野で公知の染料を単独または組合せ(好ましくはブラック染料となるように組合せ)て使用することが可能である。中でも特にアゾ染料が好ましい。
【0340】
より具体的には、イエロー染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエローを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
【0341】
マゼンタ染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてマゼンタを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
【0342】
シアン染料としては、例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてシアンを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
【0343】
水溶性染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等が挙げられる。好ましいものとしては、
C.I.ダイレクトレッド2、4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、21、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247
C.I.ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101
C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163
C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291
C.I.ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199
C.I.アシッドレッド35、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、128、131、143、151、154、158、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397
C.I.アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126
C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227
C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、112、113、120、127:1、129、138、143、175、181、205、207、220、221、230、232、247、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326
C.I.アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172
C.I.リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49、55
C.I.リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34
C.I.リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42
C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38
C.I.リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34
C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46
C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48
C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71
C.I.ベーシックブラック8、等が挙げられる。
【0344】
また、本発明のインクには、前記染料とともに、フルカラーの画像を得るための色調を整えるために、他の色素を併用してもよい。併用することができる他の色素の例としては、前記の染料及び下記の顔料を挙げることができる。
【0345】
本発明に用いられる顔料としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。文献に関してはカラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便覧」日本顔料技術協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技術」CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版 (1984年刊) 、W. Herbst, K. Hunger共著によるIndustrial Organic Pigments (VCHVerlagsgesellschaft、1993年刊)等がある。具体的には、有機顔料ではアゾ顔料(アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等)、染付けレーキ顔料(酸性または塩基性染料のレーキ顔料)、アジン顔料等があり、無機顔料では、黄色顔料のC. I. Pigment Yellow 34, 37, 42, 53など、赤系顔料のC. I. Pigment Red 101, 108など、青系顔料のC. I. Pigment Blue 27, 29,17:1など、黒系顔料のC. I. Pigment Black 7,マグネタイトなど、白系顔料のC. I. Pigment White 4,6,18,21などを挙げることができる。
【0346】
画像形成用に好ましい色調を持つ顔料としては、青ないしシアン顔料ではフタロシアニン顔料、アントラキノン系のインダントロン顔料(たとえばC. I. Pigment Blue 60など)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料が好ましく、特にフタロシアニン顔料(好ましい例としては、C. I. Pigment Blue 15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6などの銅フタロシアニン、モノクロロないし低塩素化銅フタロシアニン、アルニウムフタロシアニンでは欧州特許860475号に記載の顔料、C. I. Pigment Blue 16である無金属フタロシアニン、中心金属がZn、Ni、Tiであるフタロシアニンなど、中でも好ましいものはC. I. Pigment Blue 15:3、同15:4、アルミニウムフタロシアニン)が最も好ましい。
【0347】
赤ないし紫色の顔料では、アゾ顔料(好ましい例としては、C. I. Pigment Red 3、同5、同11、同22、同38、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49:1、同52:1、同53:1、同57:1、同63:2、同144、同146、同184)など、中でも好ましいものはC. I. Pigment Red 57:1、同146、同184)、キナクリドン系顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Red 122、同192、同202、同207、同209、C. I. Pigment Violet 19、同42、なかでも好ましいものはC. I. Pigment Red 122)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料(好ましい例としてはキサンテン系のC. I. Pigment Red 81:1、C. I. Pigment Violet 1、同2、同3、同27、同39)、ジオキサジン系顔料(例えばC. I. Pigment Violet 23、同37)、ジケトピロロピロール系顔料(例えばC. I. Pigment Red 254)、ペリレン顔料(例えばC. I. Pigment Violet 29)、アントラキノン系顔料(例えばC. I. Pigment Violet 5:1、同31、同33)、チオインジゴ系(例えばC. I. Pigment Red 38、同88)が好ましく用いられる。
【0348】
黄色顔料としては、アゾ顔料(好ましい例としてはモノアゾ顔料系のC. I. Pigment Yellow 1, 3, 74, 98、ジスアゾ顔料系のC. I. Pigment Yellow 12, 13,14, 16, 17, 83、総合アゾ系のC. I. Pigment Yellow 93, 94, 95, 128, 155、ベンズイミダゾロン系のC. I. Pigment Yellow 120, 151, 154, 156, 180など、なかでも好ましいものはベンジジン系化合物を原料に使用しなもの)、イソインドリン・イソインドリノン系顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Yellow 109, 110, 137, 139など)、キノフタロン顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Yellow 138など)、フラパントロン顔料(例えばC. I. Pigment Yellow 24など)が好ましく用いられる。
【0349】
黒顔料としては、無機顔料(好ましくは例としてはカーボンブラック、マグネタイト)やアニリンブラックを好ましいものとして挙げることができる。
この他、オレンジ顔料(C. I. Pigment Orange 13, 16など)や緑顔料(C. I. Pigment Green 7など)を使用してもよい。
【0350】
本発明に使用できる顔料は、上述の裸の顔料であっても良いし、表面処理を施された顔料でも良い。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート、ジアゾニウム塩から生じるラジカルなど)を顔料表面に結合させる方法などが考えられ、次の文献や特許に記載されている。
(1) 金属石鹸の性質と応用(幸書房)
(2) 印刷インキ印刷(CMC出版 1984)
(3) 最新顔料応用技術(CMC出版 1986)
(4) 米国特許5,554,739号、同5,571,311号
(5) 特開平9-151342号、同10-140065号、同10-292143号、同11-166145号
特に、上記(4)の米国特許に記載されたジアゾニウム塩をカーボンブラックに作用させて調製された自己分散性顔料や、上記(5)の日本特許に記載された方法で調製されたカプセル化顔料は、インク中に余分な分散剤を使用することなく分散安定性が得られるため特に有効である。
【0351】
本発明においては、顔料はさらに分散剤を用いて分散されていてもよい。分散剤は、用いる顔料に合わせて公知の種々のもの、例えば界面活性剤型の低分子分散剤や高分子型分散剤を用いることが出来る。分散剤の例としては特開平3-69949号、欧州特許549486号等に記載のものを挙げることができる。また、分散剤を使用する際に分散剤の顔料への吸着を促進するためにシナジストと呼ばれる顔料誘導体を添加してもよい。
本発明に使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μの範囲であることが好ましく、0.05〜1μであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
【0352】
次に、本発明のインクジェット記録用インク組成物に含有され得る他の成分について説明する。
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、界面活性剤を含有することができ、これにより、インク組成物の液物性を調整することで、インク組成物の吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインク組成物の滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモイニウムクロライド、テロラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
【0353】
界面活性剤の含有量はインク組成物に対して0.001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
【0354】
本発明のインクジェット記録用インクは、水性媒体中に染料と界面活性剤を溶解および/または分散させることによって作製することができる。本発明における「水性媒体」とは、水又は水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて湿潤剤、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。
【0355】
本発明において用いることができる水混和性有機溶剤(水溶性有機溶剤を含む)の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミンン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶剤は、2種類以上を併用してもよい。本発明では、なかでも、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤が好ましく用いられる。
【0356】
前記染料が油溶性染料の場合は、該油溶性染料を高沸点有機溶媒中に溶解させ、水性媒体中に乳化分散させることによって調製することができる。
本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は150℃以上であるが、好ましくは170℃以上である。
例えば、フタール酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート)、リン酸又はホスホンのエステル類(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステル酸(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アルコール類またはフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルアゼレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフィン類)、トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−tert−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノール、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノール)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデカン酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチルヘキシル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられる。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、数種の混合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチルフタレート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよい。
【0357】
本発明において用いられる高沸点有機溶媒の前記以外の化合物例及び/またはこれら高沸点有機溶媒の合成方法は例えば米国特許第2,322,027 号、同第2,533,514 号、同第2,772,163 号、同第2,835,579 号、同第3,594,171 号、同第3,676,137 号、同第3,689,271 号、同第3,700,454 号、同第3,748,141 号、同第3,764,336 号、同第3,765,897 号、同第3,912,515 号、同第3,936,303 号、同第4,004,928 号、同第4,080,209 号、同第4,127,413 号、同第4,193,802 号、同第4,207,393 号、同第4,220,711 号、同第4,239,851 号、同第4,278,757 号、同第4,353,979 号、同第4,363,873 号、同第4,430,421 号、同第4,430,422 号、同第4,464,464 号、同第4,483,918 号、同第4,540,657 号、同第4,684,606 号、同第4,728,599 号、同第4,745,049 号、同第4,935,321 号、同第5,013,639 号、欧州特許第276,319A号、同第286,253A号、同第289,820A号、同第309,158A号、同第309,159A号、同第309,160A号、同第509,311A号、同第510,576A号、東独特許第147,009 号、同第157,147 号、同第159,573 号、同第225,240A号、英国特許第2,091,124A号、特開昭48-47335号、同50-26530号、同51-25133号、同51-26036号、同51-27921号、同51-27922号、同51-149028号、同52-46816号、同53-1520 号、同53-1521号、同53-15127号、同53-146622号、同54-91325号、同54-106228 号、同54-118246号、同55-59464号、同56-64333号、同56-81836号、同59-204041 号、同61-84641号、同62-118345 号、同62-247364 号、同63-167357 号、同63-214744 号、同63-301941 号、同64-9452 号、同64-9454 号、同64-68745号、特開平1-101543号、同1-102454号、同2-792 号、同2-4239号、同2-43541 号、同4-29237 号、同4-30165 号、同4-232946号、同4-346338号等に記載されている。
上記高沸点有機溶媒は、油溶性染料に対し、質量比で0.01〜3.0倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用する。
【0358】
本発明では油溶性染料や高沸点有機溶媒は、水性媒体中に乳化分散して用いられる。乳化分散の際、乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を用いることができる。低沸点有機溶媒としては、常圧で沸点約30℃以上150℃以下の有機溶媒である。例えばエステル類(例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロピオネート、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセテート)、アルコール類(例えばイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、セカンダリーブチルアルコール)、ケトン類(例えばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)等が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
【0359】
乳化分散は、高沸点有機溶媒と場合によっては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした油相を、水を主体とした水相中に分散し、油相の微小油滴を作るために行われる。この際、水相、油相のいずれか又は両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、染料安定化剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
乳化法としては水相中に油相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いることができる。
【0360】
本発明の乳化分散する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
【0361】
また、乳化直後の安定化を図る目的で、上記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加することもできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好ましい。さらに染料分散物の安定化のためには実質的に水性媒体中に溶解しないアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニルエーテル類、アクリロニトリル類の重合により得られるポリビニルやポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することができる。これらのポリマーは−SO3 - 、−COO- を含有していることが好ましい。これらの実質的に水性媒体中に溶解しないポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒の20質量%以下用いられることが好ましく、10質量%以下で用いられることがより好ましい。
【0362】
乳化分散により油溶性性染料や高沸点有機溶媒を分散させて水性インク組成物とする場合、特に重要なのはその粒子サイズのコントーロールである。インクジェットにより画像を形成した際の、色純度や濃度を高めるには平均粒子サイズを小さくすることが必須である。体積平均粒子サイズで好ましくは1μm以下、より好ましくは5〜100nmである。
前記分散粒子の体積平均粒径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の417〜418ページに記載されている方法を用いるなど、公知の方法で容易に測定することができる。例えば、インク組成物中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留水で希釈して、市販の体積平均粒子サイズ測定機(例えば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったものである。体積平均粒径については「高分子ラテックスの化学」(室井宗一著 高分子刊行会)」119ページに記載がある。
【0363】
また、粗大粒子の存在も印刷性能に非常に大きな役割を示すことが明らかになった。即ち、粗大粒子がヘッドのノズルを詰まらせる、あるいは詰まらないまでも汚れを形成することによってインクの不吐出や吐出のヨレを生じ、印刷性能に重大な影響を与えることが分かった。これを防止するためには、インクにした時にインク1μl中で5μm以上の粒子を10個以下、1μm以上の粒子を1000個以下に抑えることが重要である。
これらの粗大粒子を除去する方法としては、公知の遠心分離法、精密濾過法等を用いることができる。これらの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤を加えた後、インクカートリッジに充填する直前でもよい。
平均粒子サイズを小さくし、且つ粗大粒子を無くす有効な手段として、機械的な乳化装置を用いることができる。
【0364】
乳化装置としては、簡単なスターラーやインペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いることができるが、高圧ホモジナイザーの使用は特に好ましいものである。
高圧ホモジナイザーは、米国特許4533254号、特開平6−47264号等に詳細な機構が記載されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナイザー(A.P.V GAULIN INC.)、マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX INC.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等がある。
また、近年になって米国特許5720551号に記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳化装置の例として、DeBEE2000(BEE INTERNATIONAL LTD.)があげられる。
【0365】
高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は50MPa以上であり、好ましくは60MPa以上、更に好ましくは180MPa以上である。
例えば、撹拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法である。また、一度これらの乳化装置で乳化分散した後、湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した後、カートリッジにインクを充填する間に再度高圧ホモジナイザーを通過させる方法も好ましい方法である。
高沸点有機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安定性及び安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ましい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点有機溶剤の除去工程は乳化直後、できるだけ速やかに行うのが好ましい。
【0366】
本発明で得られたインクジェット記録用インク組成物には、インクの噴射口での乾操による目詰まりを防止するための乾燥防止剤、インクを紙によりよく浸透させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤等の添加剤を適宜選択して適量使用することができる。
【0367】
本発明に使用される乾燥防止剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
【0368】
本発明に使用される浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
【0369】
本発明で画像の保存性を向上させるために使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
【0370】
本発明では、画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
【0371】
本発明に使用される防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
尚、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
【0372】
本発明に使用されるpH調整剤は、pH調節、分散安定性付与などの点で好適に使用する事ができ、25℃でのインクのpHが8〜11に調整されていることが好ましい。pHが8未満である場合は染料の溶解性が低下してノズルが詰まりやすく、11を超えると耐水性が劣化する傾向がある。pH調整剤としては、塩基性のものとして有機塩基、無機アルカリ等が、酸性のものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。
前記有機塩基としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。前記無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アンモニウム等が挙げられる。また、前記有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アルキルスルホン酸等が挙げられる。前記無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。
【0373】
本発明では前記した界面活性剤を含むベタイン化合物とは別に表面張力調整剤として、ノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。例えばアニオン系界面活性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができ、ノニオン系界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等を挙げることができる。アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。
本発明で用いるインクの表面張力は動的・静的表面張力のいずれも、25℃において20〜50mN/m以下であることが好ましく、20〜40mN/m以下であることが更に好ましい。表面張力が50mN/mを超えると吐出安定性、混色時のにじみ、ひげ等印字品質が著しく低下する。また、インクの表面張力を20mN/m以下にすると吐出時、ハード表面へのインクの付着等により印字不良となる場合がある。
【0374】
本発明のインク粘度は、25℃において1〜20mPa・sである。更に好ましくは2〜15mPa・sであり、特に好ましくは2〜10mPa・sである。30mPa・sを超えると記録画像の定着速度が遅くなり、吐出性能も低下する。1mPa・s未満では、記録画像がにじむために品位が低下する。
粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に調製可能である。インク溶剤として例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがある。
また、粘度調整剤を使用してもよい。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162 〜174 頁に記載されている。
【0375】
本発明のインクを調液する際には、水溶性インクの場合、まず水に溶解することが好ましい。そのあと、各種溶剤や添加物を添加し、溶解、混合して均一なインクとする。
このときの溶解方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
【0376】
本発明の画像記録方法に用いられる反射型メディアである記録紙及び記録フィルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムおける支持体はLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等をからなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚み10〜250μm、坪量は10〜250g/m2 が望ましい。
支持体にそのままインク受容層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよい。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)でラミネートした紙およびプラスチックフイルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィンポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
【0377】
支持体上に設けられるインク受容層には、多孔質材料や水性バインダーが含有される。また、インク受容層には顔料を含むのが好ましく、顔料としては、白色顔料が好ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。これらの顔料は2種以上を併用してもよい。
【0378】
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独または2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
【0379】
インク受容層は、顔料及び水性バインダーの他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有することができる。
【0380】
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
【0381】
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
【0382】
耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダーアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
【0383】
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
【0384】
硬膜剤としては特開平1−161236号公報の222頁に記載されている材料等を用いることが出来る。
【0385】
その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
【0386】
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0387】
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0388】
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バック層を含む)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止できる。
【0389】
本発明では、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット)方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
【0390】
本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェット記録以外の用途に使用することもできる。例えば、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料および屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
【0391】
ディスプレイ画像用材料としては、ポスター、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、商業宣伝用チラシ、包装紙、ラッピング材料、紙袋、ビニール袋、パッケージ材料、看板、交通機関(自動車、バス、電車など)の側面に描画や添付した画像、ロゴ入りの洋服、等各種の物を指す。本発明の染料をディスプレイ画像の形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
【0392】
室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、照明器具の部材、家具の部材、床や天井のデザイン部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
【0393】
屋外装飾材料としては、壁材、ルーフィング材、看板、ガーデニング材料屋外装飾小物(置物や人形など)、屋外照明器具の部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像ののみならず、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
【0394】
以上のような用途において、パターンが形成されるメディアとしては、紙、繊維、布(不織布も含む)、プラスチック、金属、セラミックス等種々の物を挙げることができる。染色形態としては、媒染、捺染、もしくは反応性基を導入した反応性染料の形で色素を固定化することもできる。この中で、好ましくは媒染形態で染色されることが好ましい。
【0395】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0396】
(実施例1)
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してライトマゼンタ用インク液 LM-101を調製した。
Figure 0004154265
さらに上記処方でマゼンタ色素(a-36)を23gに増量したマゼンタ用インク液 M-101を調製した。
Figure 0004154265
LM-101とM-101に対して、下記の通りに添加物を加えた以外は全く同じ組成のインクLM-102〜108、M-102〜108をそれぞれ作製した。
【0397】
【表33】
Figure 0004154265
【0398】
これらのインクをEPSON 社製インクジェットプリンターPM-950C のマゼンタインク・ライトマゼンタインクのカートリッジに装填し、その他の色のインクはPM-950C のインクを用いて、マゼンタの単色画像を印字させた。受像シートは富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」に画像を印刷し、画像品質の評価ならびに高湿条件下における画像堅牢性の評価を行った。(評価実験)
[1] 印字品質(ブロンズ光沢)の評価
高濃度部における印字品質の評価は、C,M,Y,B,G,R,Bkの7色が段階的に8段階純色で濃度変化した画像パターンをソフトウェア(Adobe Photoshop 7)で作製し、このパターンを15℃80%RHの環境条件下印字することにより行った。
低濃度部から高濃度部まで、光沢ある印字画像が得られた場合をA、画像に不透明な部位が1〜3ヶ所認められた場合をB、4ヶ所以上認められた場合をCとした。
[2] 高湿条件下における画像耐久性(にじみ)の評価
高湿条件下での画像のにじみについては、マゼンタの3cm×3cmの正方形パターンが4つそれぞれ1mmの白地隙間を形成するように「田」の字型に並んだ印字パターンを作製し、この画像サンプルを25℃90%RHの条件下、72時間保存後に白地隙間におけるマゼンタ染料のにじみを観察し、印字直後に対する白地のマゼンタ濃度増加がステータスAのマゼンタフィルターにおいて、0.01以下の場合をA、0.01〜0.05の場合をB、0.05以上の場合をC、にじみの状態がひどく、画像全体にマゼンタがしみ出した状態のものをDとした。
得られた結果を表に示す。
【0399】
【表34】
Figure 0004154265
【0400】
表の結果から、本発明のインクセットを使用した系ではブロンズ光沢の発生、Mにじみの面で比較例に対して勝っていることがわかった。
(実施例2)
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してイエロー用インク液(Y-101)を調製した。
〔イエローインク Y-101処方〕
(固形分)
イエロー染料 (YI-58) 35g/l
尿素 10g/l
(液体成分)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 100g/l
グリセリン(GR) 115g/l
ジエチレングリコール(DEG) 70g/l
2-ピロリドン 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
Y-101に対して、下記の通りに添加物を加えた以外は全く同じ組成のインクY-102〜108をそれぞれ作製した。
【0401】
【表35】
Figure 0004154265
【0402】
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM-950Cのイエローインクのカートリッジに装填し、その他の色のインクはPM-950Cのインクを用いて、イエローの単色画像を印字させた。受像シートは富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙EXに画像を印刷し、実施例1と同様の評価を行った。
(評価実験)
[1] 印字品質(ブロンズ光沢)の評価
高濃度部における印字品質の評価は、C,M,Y,B,G,R,Bkの7色が段階的に8段階純色で濃度変化した画像パターンをソフトウェア(Adobe Photoshop 7)で作製し、このパターンを15℃80%RHの環境条件下印字することにより行った。
低濃度部から高濃度部まで、光沢ある印字画像が得られた場合をA、画像に不透明な部位が1〜3ヶ所認められた場合をB、4ヶ所以上認められた場合をCとした。
[2] 高湿条件下における画像耐久性(にじみ)の評価
高湿条件下での画像のにじみについては、グリーンの3cm×3cmの正方形パターンが4つそれぞれ1mmの白地隙間を形成するように「田」の字型に並んだ印字パターンを作製し、この画像サンプルを25℃90%RHの条件下、72時間保存後に白地隙間におけるイエロー染料のにじみを観察し、印字直後に対する白地のイエロー濃度増加がステータスAのBフィルターにおいて、0.01以下の場合をA、0.01〜0.05の場合をB、0.05以上の場合をC、にじみの状態がひどく、画像全体にイエローがしみ出した状態のものをDとした。
得られた結果を表に示す。
【0403】
【表36】
Figure 0004154265
【0404】
表の結果から、本発明のインクセットを使用した系ではブロンズ光沢の発生、Yにじみの面で比較例に対して勝っていることがわかった。
実施例1,2におけるインクLM-106,M-106,Y-106を使用したインクセットを作製して、通常の写真画像の印字も同様に行った。
このインクセットで印字した画像においても本発明の効果は認めることができた。
本発明のインクおよびインクセットを、サーマル方式のインクジェットプリンターに使用しても同様の効果が得られた。
【0405】
【発明の効果】
本発明により、高湿条件下でも画像のにじみを起こしにくいインクジェット用インク、インクセットならびにインクジェット記録方法を提供することができた。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an inkjet ink, an ink set, and an inkjet recording method that are excellent in image durability under high humidity conditions and excellent in image quality at a high density portion.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the spread of computers, inkjet printers are widely used for printing on paper, film, cloth, etc. not only in offices but also at home.
Ink jet recording methods include a method of ejecting droplets by applying pressure with a piezo element, a method of ejecting droplets by generating bubbles in ink by heat, a method of using ultrasonic waves, or a droplet by electrostatic force. There is a method of sucking and discharging. As these ink compositions for inkjet recording, water-based inks, oil-based inks, or solid (melted type) inks are used. Among these inks, water-based inks are mainly used from the viewpoints of production, handleability, odor, safety, and the like.
[0003]
The colorant used in these inks for ink jet recording has high solubility in solvents, high density recording, good hue, light, heat, air, water and chemicals. Excellent fastness, good fixability to image-receiving materials, low bleeding, excellent storage stability as ink, no toxicity, high purity, and availability at low cost It is requested. However, it is extremely difficult to search for colorants that meet these requirements at a high level. Various dyes and pigments have already been proposed and actually used for inkjet, but no colorant that satisfies all the requirements has yet been discovered. Conventionally well-known dyes and pigments having a color index (CI) number are difficult to achieve both the hue and fastness required for ink jet recording inks. So far, we have been studying dyes that have good hues and are robust, and have developed excellent colorants for inkjet. However, a compound called a water-soluble dye is always substituted with a water-soluble group. It has been found that when the number of water-soluble groups is increased in order to improve the stability of the ink, the formed image tends to bleed under high humidity conditions.
The inventor has found that the use of a betaine compound is effective in overcoming this bleeding phenomenon.
However, it has been found that when a betaine compound is used alone, the bleeding is improved, but the coloring material is precipitated at a high density portion and a bronze gloss image is easily generated.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The problem to be solved by the present invention is to provide an ink jet ink, an ink set, and an ink jet recording method that hardly cause image blur even under high humidity conditions.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
  The problems of the present invention are as follows.3The ink-jet ink, the ink set, and the ink-jet recording method described in the above section.
1) An inkjet ink containing at least water, a water-soluble organic solvent, and a dye, wherein the ink contains at least one betaine compound and at least one nonionic surfactant. Ink for inkjet.However, the betaine compound is a compound represented by the following general formula (1), and the nonionic surfactant is a compound represented by the following general formula (4).
[0006]
Figure 0004154265
  In the formula, R represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. L represents a divalent linking group. M represents a hydrogen atom, an alkali metal atom, an ammonium group, a protonated organic amine or a nitrogen-containing heterocyclic group, a quaternary ammonium ion group, and when M is a counter ion of an ammonium ion consisting of an N atom in the formula Represents a group which does not exist as a cation. q represents an integer of 1 or more, and r represents an integer of 1 to 4..p represents an integer of 0 or more and 4 or less, and p + r is 3 or 4. When p + r is 4, the N atom becomes a protonated ammonium atom.When q is 2 or more, the COOMs may be the same or different. When r is 2 or moreL-(COOM)qMay be the same or different.When p is 2 or moreRMay be the same or different. However, R or L contains a hydrocarbon group having 8 or more carbon atoms.
[0011]
[Chemical 7]
Figure 0004154265
[0012]
In general formula (4), R31, R32Each independently represents an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms. R33Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, or a phenyl group. X is a hydrogen atom, or
[0013]
[Chemical 8]
Figure 0004154265
[0014]
Represents R34, R35Each independently represents an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms. R36Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, or a phenyl group. m3, M4Each represents the average number of moles of ethylene oxide added, m3+ M4Is 0-100.
  Where m3= 0 when R33Represents a hydrogen atom, m4= 0 when R36Represents a hydrogen atom. When X is a hydrogen atom, m3Represents 1-100.
2No.1)An ink set comprising at least one ink jet ink described in the item.
3No.1)The ink and / or2An ink jet recording method, wherein an image is recorded by an ink jet printer using the ink set described in the item).
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  Hereinafter, the present invention will be described in detail.
  The inkjet ink of the present invention has water, a water-soluble organic solvent, a coloring material, at least one betaine compound, and at least one nonionic surfactant.
  The betaine compound here is defined as a compound having both a cationic site and an anionic site in the molecule. Of these compounds, compounds having surface activity are preferred. Examples of the cationic site include an aminic nitrogen atom, a nitrogen atom of a heteroaromatic ring, a boron atom having four bonds with carbon, and a phosphorus atom. Of these, an amine nitrogen atom or a nitrogen atom of a heteroaromatic ring is preferred. Among them, a quaternary nitrogen atom is particularly preferable. Examples of the anionic site include a hydroxyl group, a thio group, a sulfonamide group, a sulfo group, a carboxyl group, an imide group, a phosphoric acid group, and a phosphonic acid group. Among these, a carboxyl group and a sulfo group are particularly preferable. The charge of the entire surfactant molecule may be any of a cation, an anion, and neutral, but is preferably neutral.
Especially, it is preferable that the betaine compound used for this invention is a compound represented by the said General formula (1).
  In general formula (1), R represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. L represents a divalent linking group. M represents a hydrogen atom, an alkali metal atom, an ammonium group, a protonated organic amine or a nitrogen-containing heterocyclic group, a quaternary ammonium ion group, and when M is a counter ion of an ammonium ion consisting of an N atom in the formula Represents a group which does not exist as a cation. q represents an integer of 1 or more, and r represents an integer of 1 to 4..p represents an integer of 0 or more and 4 or less, and p + r is 3 or 4. When p + r is 4, the N atom becomes a protonated ammonium atom.When q is 2 or more, the COOMs may be the same or different. When r is 2 or moreL-(COOM)qMay be the same or different.When p is 2 or moreRMay be the same or different.
  Furthermore, as the betaine compound used in the present invention, among the compounds represented by the general formula (1), a compound represented by the following general formula (5) or (6) is particularly preferably used.
[0016]
[Chemical 9]
Figure 0004154265
[0017]
Where R1~ RThreeIs an alkyl group (which may be substituted. Preferably, it is a group having 1 to 20 carbon atoms. For example, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, hexyl group, octyl group, dodecyl group, cetyl group, stearyl group. Oleyl group, etc.), aryl group (which may be substituted, preferably a group having 6 to 20 carbon atoms, such as phenyl group, tolyl group, xylyl group, naphthyl group, cumyl group, dodecylphenyl group, etc.), A heterocyclic group (which may be substituted; preferably a group having 2 to 20 carbon atoms; for example, pyridyl group, quinolyl group, etc.); Each of which may be connected to each other to form a ring structure. Among these, an alkyl group is particularly preferable. L represents a divalent linking group. As this example, a divalent linking group containing an alkylene group or an arylene group as a basic structural unit is preferable. You may contain hetero atoms, such as an oxygen atom, a sulfur atom, and a nitrogen atom, in a connection main chain part. R1~ RThreeAlternatively, various substituents can be substituted for L. For example, an alkyl group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 12 carbon atoms, particularly preferably 1 to 8 carbon atoms, such as methyl, ethyl, iso-propyl, tert-butyl, n-octyl, n -Decyl, n-hexadecyl, cyclopropyl, cyclopentyl, cyclohexyl, etc.), an alkenyl group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 12 carbon atoms, particularly preferably 2 to 8 carbon atoms). For example, vinyl, allyl, 2-butenyl, 3-pentenyl, etc.), an alkynyl group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 12 carbon atoms, and particularly preferably 2 to 8 carbon atoms). , For example, propargyl, 3-pentynyl, etc.), an aryl group (preferably having 6 to 30 carbon atoms, more preferably carbon number) To 20 and particularly preferably 6 to 12 carbon atoms, such as phenyl, p-methylphenyl, naphthyl, etc.), amino groups (preferably having 0 to 20 carbon atoms, more preferably 0 to 12 carbon atoms, Particularly preferably, it has 0 to 6 carbon atoms, and examples thereof include amino, methylamino, dimethylamino, diethylamino, diphenylamino, dibenzylamino and the like, and an alkoxy group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably carbon. 1 to 12, particularly preferably 1 to 8 carbon atoms such as methoxy, ethoxy, butoxy, etc.), an aryloxy group (preferably 6 to 20 carbon atoms, more preferably 6 to 16 carbon atoms, Particularly preferably, it has 6 to 12 carbon atoms, and examples thereof include phenyloxy and 2-naphthyloxy.), Acyl groups (preferably Or a carbon number of 1 to 16, more preferably a carbon number of 1 to 16, particularly preferably a carbon number of 1 to 12, such as acetyl, benzoyl, formyl, pivaloyl, etc.), an alkoxycarbonyl group (preferably carbon 2 to 20, more preferably 2 to 16 carbon atoms, particularly preferably 2 to 12 carbon atoms, such as methoxycarbonyl, ethoxycarbonyl, etc.), an aryloxycarbonyl group (preferably 7 to 20 carbon atoms). , More preferably 7 to 16 carbon atoms, particularly preferably 7 to 10 carbon atoms, such as phenyloxycarbonyl, etc.), an acyloxy group (preferably 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 2 carbon atoms). 16 and particularly preferably 2 to 10 carbon atoms, such as acetoxy and benzoyloxy. An acylamino group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 16 carbon atoms, particularly preferably 2 to 10 carbon atoms, and examples thereof include acetylamino and benzoylamino. ), An alkoxycarbonylamino group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 16 carbon atoms, particularly preferably 2 to 12 carbon atoms, such as methoxycarbonylamino), aryloxycarbonylamino A group (preferably having 7 to 20 carbon atoms, more preferably 7 to 16 carbon atoms, and particularly preferably 7 to 12 carbon atoms, such as phenyloxycarbonylamino), a sulfonylamino group (preferably having a carbon number) 1-20, more preferably 1-16 carbon atoms, particularly preferably 1-12 carbon atoms, such as methanesulfonylamino, benzenesulfonylamino, etc.), sulfamoyl groups (preferably 0-20 carbon atoms, More preferably, it has 0 to 16 carbon atoms, particularly preferably 0 to 12 carbon atoms. Moyl, methylsulfamoyl, dimethylsulfamoyl, phenylsulfamoyl, etc.), carbamoyl group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably 1 to carbon atoms). For example, carbamoyl, methylcarbamoyl, diethylcarbamoyl, phenylcarbamoyl, etc.), an alkylthio group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 16 carbon atoms, and particularly preferably 1 to 12 carbon atoms). For example, methylthio, ethylthio, etc.), arylthio groups (preferably having 6-20 carbon atoms, more preferably 6-16 carbon atoms, particularly preferably 6-12 carbon atoms, such as phenylthio). ), A sulfonyl group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably charcoal) 1 to 16, particularly preferably 1 to 12 carbon atoms, such as mesyl, tosyl, etc.), sulfinyl group (preferably 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably C1-C12, for example, methanesulfinyl, benzenesulfinyl, etc.), ureido group (preferably C1-C20, more preferably C1-C16, particularly preferably C1-C12 Yes, for example, ureido, methylureido, phenylureido, etc.), phosphoric acid amide group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably 1 to 12 carbon atoms, For example, diethyl phosphoric acid amide, phenyl phosphoric acid amide, etc.), hydroxy group, mercapto group, halogen atom (for example, fluorine source) Child, chlorine atom, bromine atom, iodine atom), cyano group, sulfo group, carboxyl group, nitro group, hydroxamic acid group, sulfino group, hydrazino group, imino group, heterocyclic group (preferably having 1 to 30 carbon atoms) Preferably it has 1 to 12 carbon atoms, and the hetero atom includes, for example, a nitrogen atom, an oxygen atom, and a sulfur atom. Specifically, for example, imidazolyl, pyridyl, quinolyl, furyl, thienyl, piperidyl, morpholino, benzoxa Examples include zolyl, benzimidazolyl, benzothiazolyl, carbazolyl, azepinyl and the like. ), A silyl group (preferably having 3 to 40 carbon atoms, more preferably 3 to 30 carbon atoms, and particularly preferably 3 to 24 carbon atoms, and examples thereof include trimethylsilyl and triphenylsilyl). These substituents may be further substituted. When there are two or more substituents, they may be the same or different. If possible, they may be linked to each other to form a ring. R1~ RThreeAlternatively, a plurality of betaine structures may be contained via L.
[0018]
In the betaine compound used in the present invention, R1~ RThreeAlternatively, at least one of L contains a group having 8 or more carbon atoms. In particular, R1~ RThreeThose containing a long-chain alkyl group are preferred.
[0019]
  General formula (6)
            (R)p-N- [L-(COOM1)q]r
  Where R, L, q,r, pIs as defined in general formula (1). M1 Is an alkali metal ion or a hydrogen atom. However, p + r is 3. When p is 2 or more, R may be the same or different.
[0020]
General formula (1) and general formula (6) are demonstrated below.
In the formula, R is an alkyl group (which may be substituted. Preferably, it is a group having 1 to 20 carbon atoms. For example, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, hexyl group, octyl group, dodecyl group, cetyl group. Group, stearyl group, oleyl group, etc.), aryl group (which may be substituted, preferably a group having 6 to 20 carbon atoms, for example, phenyl group, tolyl group, xylyl group, naphthyl group, cumyl group, dodecylphenyl). Group), a heterocyclic group (which may be substituted, preferably a group having 2 to 20 carbon atoms, such as a pyridyl group, a quinolyl group, etc.), which are linked to each other to form a cyclic structure. Also good. Among these, an alkyl group is particularly preferable.
[0021]
L represents a divalent or higher valent linking group. As this example, a divalent or higher valent linking group containing an alkylene group, an arylene group or the like as a basic structural unit is preferable. You may contain hetero atoms, such as an oxygen atom, a sulfur atom, and a nitrogen atom, in a connection main chain part.
[0022]
Various substituents can be substituted for R or L. For example, an alkyl group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 12 carbon atoms, particularly preferably 1 to 8 carbon atoms, such as methyl, ethyl, iso-propyl, tert-butyl, n-octyl, n -Decyl, n-hexadecyl, cyclopropyl, cyclopentyl, cyclohexyl, etc.), an alkenyl group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 12 carbon atoms, particularly preferably 2 to 8 carbon atoms). For example, vinyl, allyl, 2-butenyl, 3-pentenyl, etc.), an alkynyl group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 12 carbon atoms, and particularly preferably 2 to 8 carbon atoms). , For example, propargyl, 3-pentynyl, etc.), an aryl group (preferably having 6 to 30 carbon atoms, more preferably carbon number) To 20 and particularly preferably 6 to 12 carbon atoms, such as phenyl, p-methylphenyl, naphthyl, etc.), amino groups (preferably having 0 to 20 carbon atoms, more preferably 0 to 12 carbon atoms, Particularly preferably, it has 0 to 6 carbon atoms, and examples thereof include amino, methylamino, dimethylamino, diethylamino, diphenylamino, dibenzylamino and the like, and an alkoxy group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably carbon. 1 to 12, particularly preferably 1 to 8 carbon atoms such as methoxy, ethoxy, butoxy, etc.), an aryloxy group (preferably 6 to 20 carbon atoms, more preferably 6 to 16 carbon atoms, Particularly preferably, it has 6 to 12 carbon atoms, and examples thereof include phenyloxy and 2-naphthyloxy.), Acyl groups (preferably Or a carbon number of 1 to 16, more preferably a carbon number of 1 to 16, particularly preferably a carbon number of 1 to 12, such as acetyl, benzoyl, formyl, pivaloyl, etc.), an alkoxycarbonyl group (preferably carbon 2 to 20, more preferably 2 to 16 carbon atoms, particularly preferably 2 to 12 carbon atoms, such as methoxycarbonyl, ethoxycarbonyl, etc.), an aryloxycarbonyl group (preferably 7 to 20 carbon atoms). , More preferably 7 to 16 carbon atoms, particularly preferably 7 to 10 carbon atoms, such as phenyloxycarbonyl, etc.), an acyloxy group (preferably 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 2 carbon atoms). 16 and particularly preferably 2 to 10 carbon atoms, such as acetoxy and benzoyloxy. An acylamino group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 16 carbon atoms, particularly preferably 2 to 10 carbon atoms, and examples thereof include acetylamino and benzoylamino. ), An alkoxycarbonylamino group (preferably having 2 to 20 carbon atoms, more preferably 2 to 16 carbon atoms, particularly preferably 2 to 12 carbon atoms, such as methoxycarbonylamino), aryloxycarbonylamino A group (preferably having 7 to 20 carbon atoms, more preferably 7 to 16 carbon atoms, and particularly preferably 7 to 12 carbon atoms, such as phenyloxycarbonylamino), a sulfonylamino group (preferably having a carbon number) 1-20, more preferably 1-16 carbon atoms, particularly preferably 1-12 carbon atoms, such as methanesulfonylamino, benzenesulfonylamino, etc.), sulfamoyl groups (preferably 0-20 carbon atoms, More preferably, it has 0 to 16 carbon atoms, particularly preferably 0 to 12 carbon atoms. Moyl, methylsulfamoyl, dimethylsulfamoyl, phenylsulfamoyl, etc.), carbamoyl group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably 1 to carbon atoms). For example, carbamoyl, methylcarbamoyl, diethylcarbamoyl, phenylcarbamoyl, etc.), an alkylthio group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 16 carbon atoms, and particularly preferably 1 to 12 carbon atoms). For example, methylthio, ethylthio, etc.), arylthio groups (preferably having 6-20 carbon atoms, more preferably 6-16 carbon atoms, particularly preferably 6-12 carbon atoms, such as phenylthio). ), A sulfonyl group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably charcoal) 1 to 16, particularly preferably 1 to 12 carbon atoms, such as mesyl, tosyl, etc.), sulfinyl group (preferably 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably C1-C12, for example, methanesulfinyl, benzenesulfinyl, etc.), ureido group (preferably C1-C20, more preferably C1-C16, particularly preferably C1-C12 Yes, for example, ureido, methylureido, phenylureido, etc.), phosphoric acid amide group (preferably having 1 to 20 carbon atoms, more preferably 1 to 16 carbon atoms, particularly preferably 1 to 12 carbon atoms, For example, diethyl phosphoric acid amide, phenyl phosphoric acid amide, etc.), hydroxy group, mercapto group, halogen atom (for example, fluorine source) Child, chlorine atom, bromine atom, iodine atom), cyano group, sulfo group, carboxyl group, nitro group, hydroxamic acid group, sulfino group, hydrazino group, imino group, heterocyclic group (preferably having 1 to 30 carbon atoms) Preferably it has 1 to 12 carbon atoms, and the hetero atom includes, for example, a nitrogen atom, an oxygen atom, and a sulfur atom. Specifically, for example, imidazolyl, pyridyl, quinolyl, furyl, thienyl, piperidyl, morpholino, benzoxa Examples include zolyl, benzimidazolyl, benzothiazolyl, carbazolyl, azepinyl and the like. ), A silyl group (preferably having 3 to 40 carbon atoms, more preferably 3 to 30 carbon atoms, and particularly preferably 3 to 24 carbon atoms, and examples thereof include trimethylsilyl and triphenylsilyl). These substituents may be further substituted. When there are two or more substituents, they may be the same or different. If possible, they may be linked to each other to form a ring. A plurality of betaine structures may be contained via R or L.
[0023]
M represents a hydrogen atom, an alkali metal cation (for example, sodium ion, potassium ion, lithium ion, cesium ion), an ammonium ion, or an aminic organic cation (in the case of primary to tertiary amines, protonated ones, for example, protons). Methylamine, dimethylamine, ethylamine, diethylamine, triethylamine, diazabicycloundecene, diazabicyclooctane, piperidine, pyrrolidine, morpholine, N-methylpiperidine, N-methylmorpholine, pyridine, pyrazine, aniline, N, N-dimethylaniline, etc. In the case of a quaternary ammonium salt, for example, tetramethylammonium ion, tetraethylmonium ion, trimethylbenzylammonium ion, methylpyridinium ion, benzil Pyridinium ion.) Represents the. Of these, alkali metal ions or hydrogen atoms are particularly preferred.
[0024]
  q represents an integer of 1 or more (preferably 5 or less, more preferably 2 or less), and r represents an integer of 1 or more and 4 or less (preferably 1 or 2)..p represents an integer of 0 or more and 4 or less (preferably 1 or 2), and p + r is 3 or 4. When p + r is 4, the N atom becomes a quaternary ammonium cation, and one of M becomes a dissociated anion..When q is 2 or more, the COOMs may be the same or different. When r is 2 or moreL-(COOM)qMay be the same or different.When p is 2 or moreRMay be the same or different.
[0025]
Furthermore, it is preferable that R or L contains a hydrocarbon group having 8 or more carbon atoms, and a compound represented by the following general formula (7) is most preferably used.
[0026]
General formula (7)
RN- (L-COOM)2
[0027]
R and L are the same as described above. Two (L-COOM) may be the same or different (two, L and M may be the same or different). R is particularly preferably an alkyl group, and L is preferably an alkylene group.
[0028]
Preferred examples of the betaine compound are listed below, but the present invention is not limited thereto.
[0029]
[Chemical Formula 10]
Figure 0004154265
[0030]
Embedded image
Figure 0004154265
[0031]
Embedded image
Figure 0004154265
[0032]
Embedded image
Figure 0004154265
[0033]
Embedded image
Figure 0004154265
[0034]
Embedded image
Figure 0004154265
[0035]
Embedded image
Figure 0004154265
[0036]
Embedded image
Figure 0004154265
[0037]
Embedded image
Figure 0004154265
[0038]
Embedded image
Figure 0004154265
[0039]
The betaine compound may be added in any amount as long as the effect of the invention can be exhibited, but is preferably 0.001 to 50% by mass, more preferably 0.01 to 20% by mass in the ink composition.
[0040]
Next, the nonionic surfactant will be described.
The nonionic surfactant represents a surfactant that does not contain an ionic group as a polar group. A polyether group is generally used as the water-solubilizing group contained in the surfactant. A surfactant having a polyoxyethylene group is generally used, and this alkyl or aryl ether derivative is generally used.
Among these, compounds represented by the general formulas (2) to (4) are particularly preferably used.
[0041]
The compound represented by the following general formula (2) or (3) will be described in detail.
[0042]
Embedded image
Figure 0004154265
[0043]
In general formula (2), Rtwenty oneRepresents an alkyl group having 5 to 40 carbon atoms, preferably 8 to 18 carbon atoms, and may be linear or branched, and may be substituted. Rtwenty oneAs the group capable of substituting for the alkyl group represented by formula (1), an aryl group (eg, phenyl, o-tolyl, p-tolyl, pt-butylphenyl), an alkoxy group (eg, methoxy, ethoxy, n-butoxy, etc.) , Halogen atoms (for example, chlorine atom, bromine atom) and the like.
[0044]
Rtwenty oneSpecific examples of the alkyl group represented by: n-pentyl, n-hexyl, n-octyl, n-decyl, n-dodecyl, n-pentadecyl, n-octadecyl, 2-ethylhexyl, 1-ethylpentyl, 1 Examples include -n-butylpentyl, 1-n-pentylhexyl, 1-n-hexylheptyl, 1-n-heptyloctyl, 1-n-octylnonyl, 6-methoxyhexyl, 2-phenylethyl and the like.
[0045]
m1Represents the average number of moles of ethylene oxide added, and is 2 to 40, preferably 3 to 30 and particularly preferably 3 to 20.
[0046]
Of the compounds represented by the general formula (2) in the present invention, a compound represented by the following general formula (2-1) is particularly preferable.
[0047]
Embedded image
Figure 0004154265
[0048]
In general formula (2-1), Rtwenty three, Rtwenty fourAre saturated hydrocarbons each having 4 to 10 carbon atoms, and Rtwenty threeAnd Rtwenty fourThe total number of carbon atoms is 8-18, m11Is 3-20. Rtwenty three, Rtwenty fourN-butyl, i-butyl, n-pentyl, n-hexyl, n-heptyl, n-octyl, 2-ethylhexyl, n-nonyl, n-decyl Etc. R11And R12The total number of carbon atoms is 8-18, more preferably 8-16. m11Is 3-20, More preferably, it is 5-20, More preferably, it is 6-18.
[0049]
Although the specific example of a compound represented by General formula (2) below is shown, it is not limited to these.
[0050]
Embedded image
Figure 0004154265
[0051]
Although the specific example of a compound represented by general formula (2-1) below is shown, it is not limited to these.
[0052]
[Table 1]
Figure 0004154265
[0053]
Next, the compound represented by the general formula (3) will be described.
[0054]
Embedded image
Figure 0004154265
[0055]
In general formula (3), Rtwenty twoRepresents an alkyl group having 5 to 40 carbon atoms, preferably 5 to 30 carbon atoms, and may be linear or branched, and may be substituted. Rtwenty twoExamples of the group capable of substituting for the alkyl group represented by formula (1) include an aryl group (eg, phenyl, o-tolyl, p-tolyl, pt-butylphenyl), an alkoxy group (eg, methoxy, ethoxy, n-butoxy, etc.) , Halogen atoms (for example, chlorine atom, bromine atom) and the like. Rtwenty twoSpecific examples of the alkyl group represented by: n-pentyl, n-hexyl, n-octyl, n-decyl, n-dodecyl, n-pentadecyl, n-octadecyl, 2-ethylhexyl, 1-ethylpentyl, 1 -N-butylheptyl, 1-n-hexylnonyl, 1-n-heptyldecyl, 1-n-octyldodecyl, 1-n-decyltetradecyl, 6-methoxyhexyl, 2-phenylethyl and the like can be mentioned.
[0056]
m2Represents the average number of additions of ethylene oxide, 2 to 40, preferably 3 to 30, particularly preferably 4 to 20.
[0057]
Of the compounds represented by the general formula (3) in the present invention, a compound represented by the following general formula (3-1) is particularly preferable.
Formula (3-1)
[0058]
Embedded image
Figure 0004154265
[0059]
In general formula (3-1), Rtwenty five, R26Are each a saturated hydrocarbon group having 2 to 20 carbon atoms, preferably 4 to 13 carbon atoms. Rtwenty five, R26As a C2-C20 saturated hydrocarbon group represented by these, ethyl, n-butyl, i-butyl, n-pentyl, n-hexyl, n-heptyl, n-octyl, 2-ethylhexyl, n-nonyl, Examples thereof include n-decyl, n-dodecyl, n-hexadecyl, n-octadecyl and the like. mtwenty oneRepresents the average number of moles of ethylene oxide added, and is 2 to 40, preferably 3 to 30.
[0060]
Although the specific example of a compound represented by General formula (3) below is shown, it is not limited to these.
[0061]
Embedded image
Figure 0004154265
[0062]
Although the specific example of a compound represented by general formula (3-1) below is shown, it is not limited to these.
[0063]
[Table 2]
Figure 0004154265
[0064]
The compounds represented by the general formulas (2) and (3) of the present invention can be synthesized using known methods. For example, Takehiko Fujimoto's revised edition “Introduction to New Surfactants” (1992) ) It can be obtained by the method described on pages 94 to 107. In the present invention, the compounds represented by the general formulas (2) and (3) may be used alone or in combination of two or more different compounds.
[0065]
Next, the surfactant represented by the general formula (4) will be described.
The surfactant improves the ink ejection stability by adjusting the liquid physical properties of the ink, and an ink composition excellent in improving the water resistance of the image and preventing bleeding of the printed ink can be obtained. By containing the surfactant represented by the general formula (4) of the present invention, it is possible to obtain an ink composition that further reduces foaming and suppresses erosion of the head and members by the organic solvent.
General formula (4)
[0066]
Embedded image
Figure 0004154265
[0067]
Where R31, R32Each independently represents an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms.
In more detail, R31, R32Each independently represents an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms (for example, methyl, ethyl, n-propyl, butyl, hexyl, octyl, decyl, dodecyl, etc.), which may be substituted. Examples of the substituent include an alkyl group (for example, methyl, ethyl, isopropyl and the like), an alkoxy group (for example, methoxy, ethoxy and the like), a halogen atom (for example, a chlorine atom and a bromine atom) and the like. Of these, R31, R32Is preferably an unsubstituted linear alkyl group having 1 to 12 carbon atoms or an unsubstituted branched alkyl group, and particularly preferable specific examples thereof include methyl, ethyl, n-butyl, 2-methylbutyl, and 2,4-dimethylpentyl. Etc.
[0068]
R32Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, or a phenyl group, and the alkyl group and the phenyl group may be substituted.
R33Examples of the substituent of the alkyl group include an alkyl group (for example, methyl, ethyl, isopropyl and the like), an alkoxy group (for example, methoxy, ethoxy and the like), and a phenyl group. R33Examples of the substituent of the phenyl group include an alkyl group (eg, methyl, ethyl, isopropyl, etc.), an alkoxy group (eg, methoxy, ethoxy, etc.), a halogen atom (eg, fluorine atom, chlorine atom, bromine atom) and the like. be able to. R33Among them, a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms is preferable, and a hydrogen atom is particularly preferable.
[0069]
X is a hydrogen atom, or
[0070]
Embedded image
Figure 0004154265
[0071]
Represents R34, R35Each independently represents an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms. R34, R35Preferred substituents and specific examples of R are the above-mentioned R31, R32And substituents selected from the same group and specific examples. R36Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, or a phenyl group, and preferred examples thereof are the above-mentioned R33And substituents selected from the same group and specific examples.
mThree, MFourEach represents the average number of moles of ethylene oxide added, mThree+ MFour Is 0-100, preferably 0-50, particularly preferably 0-40.
Where mThree= 0 when R33Represents a hydrogen atom, mFour= 0 when R35Represents a hydrogen atom. When X represents a hydrogen atom, mThreeRepresents 1 to 100, preferably 1 to 50, particularly preferably 1 to 40.
[0072]
Although the specific example of a compound represented by General formula (4) below is shown, it is not limited to these.
[0073]
Embedded image
Figure 0004154265
[0074]
Embedded image
Figure 0004154265
[0075]
Embedded image
Figure 0004154265
[0076]
The compound represented by the general formula (4) of the present invention can be easily obtained as a commercial product, and specific trade names thereof include Surfinol 61, 82, 104, 420, 440, 465, 485, 504. CT-111, CT-121, CT-131, CT-136, CT-141, CT-151, CT-171, CT-324, DF-37, DF-58, DF-75, DF-110D, DF -210, GA, OP-340, PSA-204, PSA-216, PSA-336, SE, SE-F, Dinol 604 (above, Nissin Chemical Co., Ltd. and Air Products), Orphine A, B, AK -02, CT-151W, E1004, E1010, P, SPC, STG, Y, 32W (the above, Nissin Chemical Co., Ltd.) and the like.
[0077]
The compound represented by the general formula (4) of the present invention can be synthesized by using a known method. For example, Takehiko Fujimoto, Complete Edition “Introduction to New Surfactant” (1992), p. 94. To page 107 and the like. Moreover, in this invention, only 1 type may be used for the compound represented by General formula (4), and 2 or more types of a different compound may be used.
[0078]
The preferred addition amount of the nonionic surfactant has a wide range, but is preferably 0.001 to 50% by mass, more preferably 0.01 to 20% by mass in the ink composition.
[0079]
When the betaine compound of the present invention is used, bubbles may be generated in the ink. Since the bubbles may cause a printing defect in ink jet recording, this problem can be solved by adding a compound (= antifoaming agent) having an action of eliminating bubbles to the ink.
As an antifoaming agent, various things, such as a pluronic type antifoaming agent (polyoxyethylene-polyoxypropylene type antifoaming agent) and a silicone type antifoaming agent, can be used.
[0080]
The ink used in the ink set of the present invention is an ink obtained by dissolving or dispersing a dye in water and a water-soluble organic solvent. Of these, aqueous inks using water-soluble dyes are preferred. Further, the ink having the betaine compound and the nonionic surfactant in the ink set may have any color.
Examples of water-soluble dyes include magenta dyes described in JP-A No. 2002-371214, phthalocyanine dyes described in JP-A No. 2002-309118, and water-soluble phthalocyanine dyes described in JP-A Nos. 2003-12952 and 2003-12956. It is preferable to use the dyes described in the above, but further preferable cyan dyes, magenta dyes, yellow dyes and black dyes are described in detail below.
[0081]
The applicant of the present invention diligently studied ink-jet recording inks. As a result, the required properties for dyes are 1) good hue and no hue change (solvate), 2) resistance (light, ozone, NOx, solvent) , Oil, water) 3) safe (Ames, no carcinogenicity, no skin irritation, easy degradability), 4) low cost, 5) high ε, 6) It is highly soluble, and 7) It has strong adhesion to media.
Next, ink physical properties and concrete ink physical properties are required: 1) uniform regardless of temperature and time, 2) stain resistant, 3) good media penetration, 4) uniform droplet ejection size, 5) Any type of paper, 6) Easy liquid preparation, 7) No ejection errors, bubbles do not easily form, bubbles easily disappear, and 8) Stable ejection is possible.
What is required for images is 1) beautiful with no bleeding, discoloration, and peeling, 2) scratch resistance, 3) high gloss and uniformity, and 4) good image storage. It is excellent in fading balance, 5) fast drying, 6) printed at high speed, and 7) the fading rate has no image density dependency.
[0082]
The physical properties required as an ink for ink jet recording are excellent in both light resistance and ozone resistance, and small changes in hue and surface state (bronzing hardly occurs and dye does not easily precipitate). With respect to light resistance (OD1.0), it is preferable that Xe 1.1 W / m (intermittent condition) on Epson PM photographic image receiving paper and light resistance with a TAC filter is a residual color ratio of 90% or more in 3 days. Moreover, it is preferable that the dye residual rate is 85% or more in 14 days. As for ozone resistance, it is preferable that the ozone resistance (OD1.0) is not less than 5 ppm of ozone and the dye residual ratio is 60% or more in one day. The ozone resistance is more preferably 70% or more and the dye remaining rate is more preferably 80% or more in one day. Further, the dye residual rate is preferably 25% or more in 5 days, more preferably 40% or more, and particularly preferably 50% or more. Samples with different dye application amounts are prepared by GTC, and the amount of Cu element contained in the dye is measured by fluorescent X-rays.
[0083]
Cu ions are present as phthalates by decomposition of the phthalocyanine dye. Cu ion equivalent amount in actual print is 10mg / m2The following is preferable. The amount of Cu flowing out of the print is 20 mg / m in terms of Cu ion.2An image of the following single-sided cyan solid was formed, and after this image was subjected to ozone fading, the amount of ions flowing out into water was analyzed. Prior to the fading, all Cu compounds are trapped in the image receiving material. The amount of ions flowing out into water is preferably 20% or less of the total dye.
The phthalocyanine dye having the above physical properties 1) raises the oxidation potential. 2) Increase the association. 3) Introducing an association promoting group. Strengthens hydrogen bonding during π-π stacking. 4) Do not put a substitution machine in the α position. That is, the present invention has been found to be achieved by facilitating stacking.
[0084]
The characteristic of the dye used in the ink for ink jet recording of the present invention is that the phthalocyanine dye used in the conventional ink jet ink is derived from sulfonation of unsubstituted phthalocyanine, so the number and position of substituents cannot be specified. In contrast to the mixture, a phthalocyanine dye capable of specifying the number and position of substituents is used. The first structural feature is a water-soluble phthalocyanine dye that does not go through sulfonation of unsubstituted phthalocyanine. The second structural feature is that it has an electron-withdrawing group at the β-position of the benzene ring of phthalocyanine, and particularly preferably has an electron-withdrawing group at the β-position of all benzene rings. Specifically, those in which a sulfonyl group is substituted (Japanese Patent Application Nos. 2001-47013 and 2001-190214), those in which all sulfamoyl groups are substituted (Japanese Patent Application Nos. 2001-24352 and 2001-189882), and heterocyclic sulfamoyl groups are Substituted one (Japanese Patent Application No. 2001-96610, Japanese Patent Application No. 2001-190216), one substituted with a heterocyclic sulfonyl group (Japanese Patent Application No. 2001-76689, Japanese Patent Application No. 2001-190215), one substituted with a specific sulfamoyl group (Japanese Patent Application No. 2001) -57063), those having a carbonyl group substituted (Japanese Patent Application No. 2002-012869), those having a specific substituent for solubility, improving ink stability, and measures against bronzing are preferred. Application 2002-012868), Li salt (Japanese Patent Application 2002-0) 2864), it is useful.
[0085]
The first characteristic of the physical properties of the dye used for the ink jet recording ink of the present invention is that it has a high oxidation potential. The oxidation potential is preferably nobler than 1.00V, more preferably nobler than 1.1V, and most preferably nobler than 1.2V. The second physical property is a strong associative property. Specific examples include those that define the association of oil-soluble dyes (Japanese Patent Application No. 2001-64413) and those that define the association of water-soluble dyes (Japanese Patent Application No. 2001-117350).
The relationship between the number of associative groups and the performance (absorbance of the ink) is that the introduction of the associative group facilitates a decrease in absorbance and a shorter wavelength of λmax even in a dilute solution. The relationship between the number of associative groups and the performance (reflective OD on Epson PM920 image receiving paper) is such that as the number of associative groups increases, the reflected OD at the same ionic strength decreases. In other words, the meeting seems to proceed on the image receiving paper. Regarding the relationship between the number of associative groups and performance (ozone resistance / light resistance), the greater the number of associative groups, the better the ozone resistance. Dyes with a large number of associative groups tend to improve light resistance. In order to impart ozone resistance, the above substituent X (X1~ XFourIt is necessary to give the same. Since there is a trade-off relationship between the reflection OD and the robustness, it is necessary to increase the light resistance without weakening the association.
[0086]
As a preferred ink aspect of the present invention,
1) A cyan ink having Xe of 1.1 W / m (intermittent condition) on Epson PM photographic image receiving paper and light resistance with a TAC filter having a residual color ratio of 90% or more in 3 days.
2) Dye remaining when stored in a 5 ppm ozone environment for 24 hours in a single color portion printed with the ink (cyan) single color so that the cyan reflection density in the status A filter is 0.9 to 1.1. Cyan ink having a ratio (density after fading / initial density × 100) of 60% (preferably 80%) or more.
3) Cyan ink in which the amount of Cu ions flowing out into water after ozone fading is 2% or less of the total dye.
4) Cyan ink that can penetrate up to 30% or more of the upper part of the image receiving layer with respect to the specific image receiving paper.
[0087]
The dye contained in the ink for ink jet recording of the present invention is a phthalocyanine dye, preferably a water-soluble dye having an oxidation potential nobler than 1.0, and further having fastness to ozone gas satisfying the above conditions. Among them, a phthalocyanine dye represented by the following general formula (CI) is more preferable.
[0088]
Embedded image
Figure 0004154265
[0089]
In general formula (CI), X1, X2, XThreeAnd XFourAre each independently -SO-Z, -SO2-Z, -SO2NR1R2, sulfo group, -CONR1R2, or -CO2R1 is represented. Among these substituents, —SO—Z, —SO2 -Z, -SO2NR1R2 and -CONR1R2 are preferred, especially -SO2-Z and -SO2NR1R2 is preferred, -SO2-Z is most preferred. Here, when any one of a1 to a4 representing the number of substituents represents a number of 2 or more, X1~ XFourAmong them, a plurality of them may be the same or different, and each independently represents any of the above groups. X1, X2, XThreeAnd XFourEach may be exactly the same substituent or, for example, X1, X2, XThreeAnd XFourIs all -SO2-Z, and each Z includes a different one, may be the same type of substituent, but may be partially different from each other, or may be different from each other, for example -SO2-Z and -SO2NR1R2 may be included.
Phthalocyanine dyes are known as fast dyes, but are known to be inferior in fastness to ozone gas when used as inkjet recording dyes.
In the present invention, it is desirable to introduce an electron withdrawing group into the phthalocyanine skeleton to make the oxidation potential nobler than 1.0 V (vs SCE) in order to lower the reactivity with ozone, which is an electrophile. The oxidation potential is preferably as noble, more preferably noble than the oxidation potential of 1.1 V (vs SCE), and most preferably nob of 1.2 V (vs SCE).
[0090]
A person skilled in the art can easily measure the value of the oxidation potential (Eox). Regarding this method, for example Delahay, “New Instrumental Methods in Electrochemistry” (published by Interscience Publishers, 1954). J. et al. "Electrochemical Methods" by Bard et al. (Published by John Wiley & Sons, 1980), "Electrochemical Measurement Method" by Akira Fujishima et al. (Published by Gihodo Publishing Co., Ltd., 1984), and the like.
Specifically, the oxidation potential is 1 × 10 5 for a test sample in a solvent such as dimethylformamide or acetonitrile containing a supporting electrolyte such as sodium perchlorate or tetrapropylammonium perchlorate.-Four~ 1x10-6It is dissolved at a concentration of mol / liter and measured as a value for SCE (saturated calomel electrode) using cyclic voltammetry or direct current polarography. Although this value may be deviated by several tens of mil volts due to the influence of the liquid potential difference or the liquid resistance of the sample solution, the reproducibility of the potential can be ensured by inserting a standard sample (for example, hydroquinone).
In order to uniquely define the potential, in the present invention, 0.1 moldm is used.-3In dimethylformamide containing tetrapropylammonium perchlorate as the supporting electrolyte (the concentration of the dye is 0.001 moldm-3) Is the oxidation potential of the dye (vs SCE) measured by direct current polarography.
[0091]
The value of Eox (oxidation potential) represents the ease of transfer of electrons from the sample to the electrode, and the larger the value (the higher the oxidation potential), the less transfer of electrons from the sample to the electrode, in other words, less oxidation. Represents that. In relation to the structure of the compound, the oxidation potential becomes more noble by introducing an electron withdrawing group, and the oxidation potential becomes lower by introducing an electron donating group. In the present invention, in order to lower the reactivity with ozone which is an electrophile, it is desirable to introduce an electron withdrawing group into the phthalocyanine skeleton to make the oxidation potential more noble. Therefore, by using Hammett's substituent constant σp value, which is a measure of the electron withdrawing property and electron donating property of a substituent, by introducing a substituent having a large σp value such as a sulfinyl group, a sulfonyl group, and a sulfamoyl group. It can be said that the oxidation potential can be made more noble.
Also for the reason of such potential adjustment, it is preferable to use a phthalocyanine dye represented by the above general formula (CI).
[0092]
It is clear that the phthalocyanine dye having the oxidation potential is a cyan dye excellent in both light resistance and ozone resistance because the light resistance and ozone resistance conditions are satisfied.
[0093]
Hereinafter, the phthalocyanine dye (preferably a phthalocyanine dye represented by formula (CI)) used in the present invention will be described in detail.
In general formula (CI), X1, X2, XThreeAnd XFourAre each independently -SO-Z, -SO2-Z, -SO2NR1R2, sulfo group, -CONR1R2, or -CO2R1 is represented. Among these substituents, —SO—Z, —SO2 -Z, -SO2NR1R2 and -CONR1R2 are preferred, especially -SO2-Z and -SO2NR1R2 is preferred, -SO2-Z is most preferred. Here, when any one of a1 to a4 representing the number of substituents represents a number of 2 or more, X1~ XFourAmong them, a plurality of them may be the same or different, and each independently represents any of the above groups. X1, X2, XThreeAnd XFourEach may be exactly the same substituent or, for example, X1, X2, XThreeAnd XFourIs all -SO2-Z, and each Z includes a different one, may be the same type of substituent, but may be partially different from each other, or may be different from each other, for example -SO2-Z and -SO2NR1R2 may be included.
[0094]
Z is independently substituted or unsubstituted alkyl group, substituted or unsubstituted cycloalkyl group, substituted or unsubstituted alkenyl group, substituted or unsubstituted aralkyl group, substituted or unsubstituted aryl group, substituted Alternatively, it represents an unsubstituted heterocyclic group. Preferred are a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, and a substituted or unsubstituted heterocyclic group. Among them, a substituted alkyl group, a substituted aryl group, and a substituted heterocyclic group are most preferred.
R1 and R2 are each independently a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, substituted or unsubstituted An aryl group, or a substituted or unsubstituted heterocyclic group. Of these, a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, and a substituted or unsubstituted heterocyclic group are preferable. Among them, a hydrogen atom, a substituted alkyl group, a substituted aryl group, and a substituted heterocyclic group are preferable. A cyclic group is more preferable. However, it is not preferable that both R1 and R2 are hydrogen atoms.
[0095]
The substituted or unsubstituted alkyl group represented by R1, R2 and Z is preferably an alkyl group having 1 to 30 carbon atoms. In particular, a branched alkyl group is preferred because it increases the solubility of the dye and the ink stability, and particularly preferred is a case having an asymmetric carbon (use in a racemic form). Examples of the substituent include Z, R1, R2, and Y described later.1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Of these, a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, and a sulfonamide group are particularly preferable because they enhance the association of the dye and improve the fastness. In addition, you may have a halogen atom and an ionic hydrophilic group. The number of carbon atoms of the alkyl group does not include the carbon atom of the substituent, and the same applies to other groups.
[0096]
The substituted or unsubstituted cycloalkyl group represented by R1, R2 and Z is preferably a cycloalkyl group having 5 to 30 carbon atoms. In particular, the case of having an asymmetric carbon (use in a racemic form) is particularly preferable because of increasing the solubility of the dye and the ink stability. Examples of the substituent include Z, R1, R2, and Y described later.1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Among these, a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, and a sulfonamide group are particularly preferable because they increase the association property of the dye and improve the fastness. In addition, you may have a halogen atom and an ionic hydrophilic group.
The substituted or unsubstituted alkenyl group represented by R1, R2 and Z is preferably an alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms. In particular, a branched alkenyl group is preferred because of increasing the solubility of the dye and the ink stability, and particularly preferred is a case having an asymmetric carbon (use in a racemic form). Examples of the substituent include Z, R1, R2, and Y described later.1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Among these, a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, and a sulfonamide group are particularly preferable because they increase the association property of the dye and improve the fastness. In addition, you may have a halogen atom and an ionic hydrophilic group.
[0097]
The substituted or unsubstituted aralkyl group represented by R1, R2 and Z is preferably an aralkyl group having 7 to 30 carbon atoms. In particular, a branched aralkyl group is preferred because it increases the solubility of the dye and the ink stability, and particularly preferred is a case having an asymmetric carbon (use in a racemic form). Examples of the substituent include Z, R1, R2, and Y described later.1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Among these, a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, and a sulfonamide group are particularly preferable because they increase the association property of the dye and improve the fastness. In addition, you may have a halogen atom and an ionic hydrophilic group.
The substituted or unsubstituted aryl group represented by R1, R2 and Z is preferably an aryl group having 6 to 30 carbon atoms. Examples of the substituent include Z, R1, R2, and Y described later.1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Among these, an electron-withdrawing group is particularly preferable because the oxidation potential of the dye is noble and fastness is improved. Examples of the electron-withdrawing group include those having a positive Hammett's substituent constant σp value. Among them, a halogen atom, a heterocyclic group, a cyano group, a carboxyl group, an acylamino group, a sulfonamido group, a sulfamoyl group, a carbamoyl group, a sulfonyl group, an imide group, an acyl group, a sulfo group, and a quaternary ammonium group are preferable, and a cyano group , Carboxyl group, sulfamoyl group, carbamoyl group, sulfonyl group, imide group, acyl group, sulfo group, and quaternary ammonium group are more preferable.
[0098]
The heterocyclic group represented by R1, R2 and Z is preferably a 5-membered or 6-membered ring, which may be further condensed. Further, it may be an aromatic heterocyclic ring or a non-aromatic heterocyclic ring. The heterocyclic groups represented by R1, R2 and Z are exemplified below in the form of a heterocyclic ring with the substitution position omitted, but the substitution position is not limited, and for example, in the case of pyridine, the 2-position, Substitution at the 3rd and 4th positions is possible. Pyridine, pyrazine, pyrimidine, pyridazine, triazine, quinoline, isoquinoline, quinazoline, cinnoline, phthalazine, quinoxaline, pyrrole, indole, furan, benzofuran, thiophene, benzothiophene, pyrazole, imidazole, benzimidazole, triazole, oxazole, benzoxazole, thiazole Benzothiazole, isothiazole, benzisothiazole, thiadiazole, isoxazole, benzisoxazole, pyrrolidine, piperidine, piperazine, imidazolidine, thiazoline and the like. Among them, an aromatic heterocyclic group is preferable, and preferable examples thereof are exemplified in the same manner as described above. Examples include isothiazole and thiadiazole. They may have a substituent, and examples of the substituent include Z, R1, R2, and Y described later.1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Preferred substituents are the same as those of the aryl group, and more preferred substituents are the same as the more preferred substituent of the aryl group.
Y1, Y2, YThreeAnd YFourAre each independently a hydrogen atom, halogen atom, alkyl group, cycloalkyl group, alkenyl group, aralkyl group, aryl group, heterocyclic group, cyano group, hydroxyl group, nitro group, amino group, alkylamino group, alkoxy group , Aryloxy group, acylamino group, arylamino group, ureido group, sulfamoylamino group, alkylthio group, arylthio group, alkoxycarbonylamino group, sulfonamido group, carbamoyl group, sulfamoyl group, sulfonyl group, alkoxycarbonyl group, complex Ring oxy group, azo group, acyloxy group, carbamoyloxy group, silyloxy group, aryloxycarbonyl group, aryloxycarbonylamino group, imide group, heterocyclic thio group, phosphoryl group, acyl group, carboxyl group, or sulfo group Things can, each of which may further have a substituent.
[0099]
Among these, a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, an aryl group, a cyano group, an alkoxy group, an amide group, a ureido group, a sulfonamide group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, an alkoxycarbonyl group, a carboxyl group, and a sulfo group are preferable. In particular, a hydrogen atom, a halogen atom, a cyano group, a carboxyl group and a sulfo group are preferable, and a hydrogen atom is most preferable.
Z, R1, R2, Y1, Y2, YThreeAnd YFourWhen is a group that can further have a substituent, it may further have the following substituents.
[0100]
A linear or branched alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a linear or branched aralkyl group having 7 to 18 carbon atoms, a linear or branched alkenyl group having 2 to 12 carbon atoms, and a linear chain having 2 to 12 carbon atoms Or a branched alkynyl group, a linear or branched cycloalkyl group having 3 to 12 carbon atoms, a linear or branched cycloalkenyl group having 3 to 12 carbon atoms (the above groups having a branched chain are dissolved in the dye) Preferred are those having an asymmetric carbon, and particularly preferred are those having an asymmetric carbon, such as methyl, ethyl, propyl, isopropyl, sec-butyl, t-butyl, 2- Ethylhexyl, 2-methylsulfonylethyl, 3-phenoxypropyl, trifluoromethyl, cyclopentyl), halogen atom (eg, chlorine atom, bromine atom), aryl group (For example, phenyl, 4-t-butylphenyl, 2,4-di-t-amylphenyl), a heterocyclic group (for example, imidazolyl, pyrazolyl, triazolyl, 2-furyl, 2-thienyl, 2-pyrimidinyl, 2- Benzothiazolyl), cyano group, hydroxyl group, nitro group, carboxy group, amino group, alkyloxy group (for example, methoxy, ethoxy, 2-methoxyethoxy, 2-methanesulfonylethoxy), aryloxy group (for example, phenoxy, 2- Methylphenoxy, 4-t-butylphenoxy, 3-nitrophenoxy, 3-t-butyloxycarbamoylphenoxy, 3-methoxycarbamoyl), acylamino groups (for example, acetamide, benzamide, 4- (3-t-butyl-4-) Hydroxyphenoxy) butanamide), alkyl Amino groups (eg, methylamino, butylamino, diethylamino, methylbutylamino), anilino groups (eg, phenylamino, 2-chloroanilino, ureido groups (eg, phenylureido, methylureido, N, N-dibutylureido), sulfur Famoylamino group (for example, N, N-dipropylsulfamoylamino), alkylthio group (for example, methylthio, octylthio, 2-phenoxyethylthio), arylthio group (for example, phenylthio, 2-butoxy-5-t-octyl) Phenylthio, 2-carboxyphenylthio), alkyloxycarbonylamino group (for example, methoxycarbonylamino), sulfonamide group (for example, methanesulfonamide, benzenesulfonamide, p-toluenesulfonamide), carba Yl group (for example, N-ethylcarbamoyl, N, N-dibutylcarbamoyl), sulfamoyl group (for example, N-ethylsulfamoyl, N, N-dipropylsulfamoyl, N-phenylsulfamoyl), sulfonyl group ( For example, methanesulfonyl, octanesulfonyl, benzenesulfonyl, toluenesulfonyl), alkyloxycarbonyl group (for example, methoxycarbonyl, butyloxycarbonyl), heterocyclic oxy group (for example, 1-phenyltetrazol-5-oxy, 2-tetrahydropyrani) Ruoxy), azo group (for example, phenylazo, 4-methoxyphenylazo, 4-pivaloylaminophenylazo, 2-hydroxy-4-propanoylphenylazo), acyloxy group (for example, acetoxy), carbamoyloxy group ( For example, N-methylcarbamoyloxy, N-phenylcarbamoyloxy), silyloxy group (for example, trimethylsilyloxy, dibutylmethylsilyloxy), aryloxycarbonylamino group (for example, phenoxycarbonylamino), imide group (for example, N-succinimide) N-phthalimide), a heterocyclic thio group (for example, 2-benzothiazolylthio, 2,4-di-phenoxy-1,3,5-triazole-6-thio, 2-pyridylthio), a sulfinyl group (for example, 3-phenoxypropylsulfinyl), phosphonyl group (for example, phenoxyphosphonyl, octyloxyphosphonyl, phenylphosphonyl), aryloxycarbonyl group (for example, phenoxycarbonyl), acyl group (for example, acetyl, 3-phenylpropyl) Alkanoyl, benzoyl), ionic hydrophilic groups (e.g., carboxyl group, a sulfo group, a phosphono group and a quaternary ammonium group).
[0101]
When the phthalocyanine dye represented by the general formula (CI) is water-soluble, it preferably has an ionic hydrophilic group. Examples of the ionic hydrophilic group include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group. As the ionic hydrophilic group, a carboxyl group, a phosphono group, and a sulfo group are preferable, and a carboxyl group and a sulfo group are particularly preferable. The carboxyl group, phosphono group, and sulfo group may be in the form of a salt. Examples of counter ions that form a salt include ammonium ions, alkali metal ions (eg, lithium ions, sodium ions, potassium ions), and organic cations. (Eg, tetramethylammonium ion, tetramethylguanidinium ion, tetramethylphosphonium). Among the counter ions, an alkali metal salt is preferable, and a lithium salt is particularly preferable because it increases the solubility of the dye and improves the ink stability.
[0102]
The number of ionic hydrophilic groups is preferably at least two in one molecule of phthalocyanine dye, and particularly preferably at least two sulfo groups and / or carboxyl groups.
a1 to a4 and b1 to b4 are each X1~ XFourAnd Y1~ YFourRepresents the number of substituents. a1 to a4 each independently represent an integer of 0 to 4, but they are not all 0 at the same time. b1-b4 represents the integer of 0-4 each independently. When any of a1 to a4 and b1 to b4 is an integer of 2 or more, X1~ XFourAnd Y1~ YFourAny one of these will be present, and they may be the same or different.
a1 and b1 satisfy the relationship of a1 + b1 = 4. Particularly preferred are combinations in which a1 represents 1 or 2 and b1 represents 3 or 2, and among these, the combination in which a1 represents 1 and b1 represents 3 is most preferred.
Each combination of a1 and b1, a1 and b1, and a1 and b1 has the same relationship as the combination of a1 and b1, and the preferable combination is also the same.
[0103]
M represents a hydrogen atom, a metal element or an oxide, hydroxide or halide thereof.
What is preferable as M is a metal element other than a hydrogen atom, such as Li, Na, K, Mg, Ti, Zr, V, Nb, Ta, Cr, Mo, W, Mn, Fe, Co, Ni, Ru, Rh, Pd, Os, Ir, Pt, Cu, Ag, Au, Zn, Cd, Hg, Al, Ga, In, Si, Ge, Sn, Pb, Sb, Bi and the like can be mentioned. Preferred examples of the oxide include VO and GeO. As the hydroxide, Si (OH)2, Cr (OH)2, Sn (OH)2Etc. are preferable. Further, as halides, AlCl, SiCl2, VCl, VCl2 , VOCl, FeCl, GaCl, ZrCl and the like. Of these, Cu, Ni, Zn, Al and the like are preferable, and Cu is most preferable.
In addition, Pc (phthalocyanine ring) may form a dimer (for example, Pc-MLM-Pc) or a trimer via L (a divalent linking group), and M at that time is Each may be the same or different.
[0104]
The divalent linking group represented by L includes an oxy group —O—, a thio group —S—, a carbonyl group —CO—, and a sulfonyl group —SO.2-, Imino group -NH-, methylene group -CH2-And groups formed by combining these are preferred.
As for the preferred combination of substituents of the compound represented by the general formula (CI), a compound in which at least one of various substituents is the above preferred group is preferable, and more various substituents are the above preferred groups. Certain compounds are more preferred, and compounds in which all substituents are the preferred groups are most preferred.
Among the phthalocyanine dyes represented by the general formula (CI), a phthalocyanine dye having a structure represented by the general formula (CII) is more preferable.
[0105]
Embedded image
Figure 0004154265
[0106]
The phthalocyanine dye represented by formula (CII) of the present invention will be described in detail below.
In the general formula (CII), X11~ X14, Y11~ Y18Is X in the general formula (CI)1~ XFour, Y1~ YFourAnd the preferred examples are also the same. M1Is synonymous with M in formula (CI), and preferred examples are also the same.
In general formula (CII), a11 to a14 are each independently an integer of 1 or 2, preferably satisfy 4 ≦ a11 + a12 + a13 + a14 ≦ 6, and particularly preferably when a11 = a12 = a13 = a14 = 1. .
X11, X12, X13And X14Each may be exactly the same substituent or, for example, X1, X2, XThreeAnd XFourIs all -SO2-Z, and each Z includes a different one, may be the same type of substituent, but may be partially different from each other, or may be different from each other, for example -SO2-Z and -SO2NR1R2 may be included.
[0107]
Among the phthalocyanine dyes represented by the general formula (CII), particularly preferred combinations of substituents are as follows.
X11~ X14As, independently, -SO-Z, -SO2-Z, -SO2 NR1R2 or -CONR1R2 is preferred, especially -SO2-Z or -SO2NR1R2 is preferred, -SO2-Z is most preferred.
Z is independently preferably a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, or a substituted or unsubstituted heterocyclic group, and among them, a substituted alkyl group, a substituted aryl group, or a substituted heterocyclic group Is most preferred. In particular, the case of having an asymmetric carbon in the substituent (use in a racemic form) is preferable because of increasing the solubility of the dye and the ink stability. In addition, for the reason of increasing the association property and improving the fastness, it is preferable that a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, or a sulfonamide group have in the substituent.
[0108]
R1 and R2 are preferably each independently a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, or a substituted or unsubstituted heterocyclic group, and among them, a hydrogen atom, a substituted alkyl group, A substituted aryl group and a substituted heterocyclic group are more preferable. However, it is not preferable that both R1 and R2 are hydrogen atoms. In particular, the case of having an asymmetric carbon in the substituent (use in a racemic form) is preferable because of increasing the solubility of the dye and the ink stability. In addition, for the reason of increasing the association property and improving the fastness, it is preferable that a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, or a sulfonamide group have in the substituent.
Y11~ Y18Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, an aryl group, a cyano group, an alkoxy group, an amide group, a ureido group, a sulfonamide group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, an alkoxycarbonyl group, a carboxyl group, and a sulfo group. In particular, a hydrogen atom, a halogen atom, a cyano group, a carboxyl group, or a sulfo group is preferable, and a hydrogen atom is most preferable.
a11 to a14 are each independently preferably 1 or 2, particularly preferably all 1.
[0109]
M1Represents a hydrogen atom, a metal element or an oxide, hydroxide or halide thereof, and Cu, Ni, Zn and Al are particularly preferable, and Cu is particularly preferable.
When the phthalocyanine dye represented by the general formula (CII) is water-soluble, it preferably has an ionic hydrophilic group. Examples of the ionic hydrophilic group include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group. As the ionic hydrophilic group, a carboxyl group, a phosphono group, and a sulfo group are preferable, and a carboxyl group and a sulfo group are particularly preferable. The carboxyl group, phosphono group, and sulfo group may be in the form of a salt. Examples of counter ions that form a salt include ammonium ions, alkali metal ions (eg, lithium ions, sodium ions, potassium ions), and organic cations. (Eg, tetramethylammonium ion, tetramethylguanidinium ion, tetramethylphosphonium). Among the counter ions, an alkali metal salt is preferable, and a lithium salt is particularly preferable because it increases the solubility of the dye and improves the ink stability.
[0110]
As the number of ionic hydrophilic groups, it is preferable to have at least two phthalocyanine dye molecules, and it is particularly preferable to have at least two sulfo groups and / or carboxyl groups.
As for the preferred combination of substituents of the compound represented by the general formula (CII), a compound in which at least one of various substituents is the preferred group is preferred, and more various substituents are preferred groups. Certain compounds are more preferred, and compounds in which all substituents are the preferred groups are most preferred.
The chemical structure of the phthalocyanine dye of the present invention includes an electron-withdrawing group such as a sulfinyl group, a sulfonyl group, and a sulfamoyl group, at least one for each of the four benzene rings of phthalocyanine, and the σp value of the substituent of the entire phthalocyanine skeleton. It is preferable to introduce so that it may become 1.6 or more in total.
[0111]
Hammett's substituent constant σp value will be described briefly. Hammett's rule is a method described in 1935 by L. E. in order to quantitatively discuss the effect of substituents on the reaction or equilibrium of benzene derivatives. P. A rule of thumb proposed by Hammett, which is widely accepted today. Substituent constants determined by Hammett's rule include a σp value and a σm value, and these values can be found in many general books. A. Dean, “Lange's Handbook of Chemistry”, 12th edition, 1979 (Mc Graw-Hill) and “Chemicals” special edition, 122, 96-103, 1979 (Nankodo).
The phthalocyanine derivative represented by the general formula (CI) is inevitably different in the introduction position and the number of substituents Xn (n = 1 to 4) and Ym (m = 1 to 4) depending on the synthesis method. Mixtures are common, so the general formula often represents a statistical average of these analog mixtures. In the present invention, it has been found that a specific mixture is particularly preferable when these analog mixtures are classified into the following three types. That is, the phthalocyanine dye analog mixtures represented by the general formulas (CI) and (CII) are defined by classifying them into the following three types based on the substitution positions. Y in the formula (CII)11, Y12, Y13, Y14, Y15, Y16, Y17, Y18Are the 1st, 4th, 5th, 8th, 9th, 12th, 13th and 16th positions, respectively.
[0112]
(1) β-position substitution type: phthalocyanine dye having a specific substituent at the 2 and / or 3 position, 6 and / or 7 position, 10 and / or 11 position, 14 and / or 15 position.
(2) α-position substitution type: phthalocyanine dye having specific substituents at 1 and / or 4 position, 5 and / or 8 position, 9 and / or 12 position, 13 and or 16 position (3) α, β-position mixed Substitution type: phthalocyanine dye having a specific substituent without regularity at positions 1 to 16
In the present specification, when describing derivatives of phthalocyanine dyes having different structures (particularly, different substitution positions), the β-position substitution type, α-position substitution type, and α, β-position mixed substitution type are used. .
Examples of the phthalocyanine derivative used in the present invention include “Phthalocyanine—Chemistry and Function” (P. 1-62), C.K. C. Leznoff-A. B. P. Lever co-authored by VCH and published in 'Phthalogicanes-Properties and Applications' (P. 1-54), etc., can be synthesized by combining quoted or similar methods.
[0113]
The phthalocyanine compounds represented by the general formula (CI) of the present invention are described in International Publication Nos. 00/17275, 00/08103, 00/08101, 98/41853, and JP-A-10-36471. As described above, for example, it can be synthesized through sulfonation, sulfonyl chlorideation, and amidation reaction of an unsubstituted phthalocyanine compound. In this case, sulfonation can occur at any position of the phthalocyanine nucleus, and the number of sulfonation is difficult to control. Therefore, when a sulfo group is introduced under such reaction conditions, the position and number of the sulfo group introduced into the product cannot be specified, and a mixture in which the number of substituents and the substitution position are different is always given. Therefore, when synthesizing the compound of the present invention using it as a raw material, the number and substitution position of the heterocyclic substituted sulfamoyl group cannot be specified, so the compound of the present invention includes several types of compounds having different numbers of substituents and substitution positions. Α, β-position mixed substitution mixture.
[0114]
As described above, for example, when a large number of electron withdrawing groups such as sulfamoyl groups are introduced into the phthalocyanine nucleus, the oxidation potential becomes more noble and the ozone resistance is enhanced. According to the above synthesis method, it is inevitable that a small amount of electron-withdrawing groups are introduced, that is, a phthalocyanine dye having a lower oxidation potential is mixed. Therefore, in order to improve ozone resistance, it is more preferable to use a synthesis method that suppresses the formation of a compound having a lower oxidation potential.
The phthalocyanine compound represented by the general formula (CII) of the present invention is, for example, a phthalonitrile derivative (compound P) and / or a diiminoisoindoline derivative (compound Q) represented by the following formula represented by the general formula (CIII). Derived from a tetrasulfophthalocyanine compound obtained by reacting a 4-sulfophthalonitrile derivative (compound R) represented by the following formula with a metal derivative represented by the following general formula (CIII): can do.
[0115]
Embedded image
Figure 0004154265
[0116]
In the above formulas, Xp represents X in the general formula (CII).11, X12, X13Or X14It corresponds to. Yq and Yq ′ are each Y in the general formula (CII).11, Y12, Y13, Y14, Y15, Y16, Y17Or Y18It corresponds to. In the compound R, M ′ represents a cation.
Examples of the cation represented by M 'include alkali metal ions such as Li, Na and K, or organic cations such as triethylammonium ion and pyridinium ion.
Formula (CIII): M- (Y) d
In the general formula (CIII), M has the same meaning as M in the general formulas (CI) and (CII), and Y is a monovalent or divalent coordination such as a halogen atom, acetate anion, acetylacetonate, oxygen, etc. Child is shown, d is an integer of 1-4.
That is, according to the above synthesis method, a specific number of desired substituents can be introduced. In particular, when it is desired to introduce a large number of electron withdrawing groups in order to make the oxidation potential noble as in the present invention, the above synthesis method is the method already described for synthesizing the phthalocyanine compound of the general formula (CI). It is extremely superior compared to
The phthalocyanine compound represented by the general formula (CII) thus obtained is usually a mixture of compounds represented by the following general formulas (a) -1 to (a) -4 which are isomers at each substitution position of Xp. That is, the β-position substitution type.
[0117]
Embedded image
Figure 0004154265
[0118]
In the above synthesis method, if all the same Xp are used, X11, X12, X13And X14Β-position-substituted phthalocyanine dyes having the same substituent can be obtained. On the other hand, by using different combinations of Xp, it is possible to synthesize dyes having the same type of substituents but partially different from each other, or dyes having different types of substituents. . Among the dyes of the general formula (CII), these dyes having different electron-withdrawing substituents are particularly preferable because they can adjust the solubility of the dye, the associability, the stability with time of the ink, and the like.
In the present invention, it is found that it is very important to improve the fastness that the oxidation potential is noble than 1.0 V (vs SCE) in any substitution type. It was completely unpredictable from the prior art. Although the cause is unknown in detail, the β-position substitution type is clearly superior in terms of hue, light fastness, ozone gas resistance, etc., compared to the α, β-position mixed substitution type. there were.
Specific examples of the phthalocyanine dyes represented by the general formulas (CI) and (CII) (Exemplary Compounds I-1 to I-12 and 101 to 190) are shown below. The phthalocyanine dyes used in the present invention are as follows. It is not limited to the example.
[0119]
Embedded image
Figure 0004154265
[0120]
Embedded image
Figure 0004154265
[0121]
Embedded image
Figure 0004154265
[0122]
Embedded image
Figure 0004154265
[0123]
Embedded image
Figure 0004154265
[0124]
Embedded image
Figure 0004154265
[0125]
[Table 3]
Figure 0004154265
[0126]
[Table 4]
Figure 0004154265
[0127]
[Table 5]
Figure 0004154265
[0128]
[Table 6]
Figure 0004154265
[0129]
[Table 7]
Figure 0004154265
[0130]
[Table 8]
Figure 0004154265
[0131]
[Table 9]
Figure 0004154265
[0132]
[Table 10]
Figure 0004154265
[0133]
[Table 11]
Figure 0004154265
[0134]
[Table 12]
Figure 0004154265
[0135]
[Table 13]
Figure 0004154265
[0136]
In addition, the structure of the phthalocyanine compound shown by M-Pc (Xp1) m (Xp2) n of compound Nos. 146 to 190 is as follows.
[0137]
Embedded image
Figure 0004154265
[0138]
The phthalocyanine dye represented by the general formula (CI) can be synthesized according to the aforementioned patent. Moreover, the phthalocyanine dye represented by the general formula (CII) is not limited to the above-described synthesis method, and JP-A Nos. 2001-226275, 2001-96610, 2001-47013, and 2001-193638. It can be synthesized by the method described in 1. Further, the starting material, the dye intermediate and the synthesis route are not limited to these.
The ink for inkjet recording of the present invention preferably contains 0.2 to 20% by mass of the phthalocyanine dye, and more preferably contains 0.5 to 15% by mass.
The ink for inkjet recording of the present invention can be produced by dissolving and / or dispersing a phthalocyanine dye in an aqueous medium. In the present invention, the “aqueous medium” refers to water or a mixture of water and a small amount of a water-miscible organic solvent, if necessary, a wetting agent (preferably a surfactant as a dissolution aid or a dispersion aid), stable. Means added with additives such as preservatives and preservatives.
[0139]
The magenta ink used in the inkjet recording ink of the present invention has a magenta dye selected from azo dyes dissolved or dispersed in an aqueous medium, and has an absorption maximum in a spectral region of 500 to 580 nm in the aqueous medium. And a dye having an oxidation potential nobler than 1.0 V (vs SCE).
The first structural feature of the preferred dye of this azo dye is that it is a dye having a chromophore represented by the general formula (heterocycle A) -N = N- (heterocycle B). In this case, the heterocyclic ring A and the heterocyclic ring B may have the same structure. Heterocycle A and heterocycle B are specifically 5-membered or 6-membered heterocycles, such as pyrazole, imidazole, triazole, oxazole, thiazol, selenazole, It is a heterocyclic ring selected from pyridone, pyrazine, pyrimidine and pyridine. Specifically, they are described in Japanese Patent Application Nos. 2000-15853, 2001-15614, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-309116, and Japanese Patent Application No. 2001-195014.
Further, a second preferred structural feature of the azo dye is that the azo group is an azo dye in which an aromatic nitrogen-containing 6-membered heterocyclic ring is directly connected to at least one of them as a coupling component. Is described in 2001-110457.
A third preferred structural feature is that the auxiliary chromophore has an aromatic ring amino group or heterocyclic amino group structure, specifically an anilino group or a heterylamino group.
A fourth preferred structural feature is having a steric structure. Specifically, it is described in Japanese Patent Application No. 2002-12015.
Among the preferable structural features of the azo dye described above, the dye represented by the following general formula (1) is most preferable for achieving the object of the present invention.
[0140]
Embedded image
Figure 0004154265
[0141]
In general formula (MI), A represents a 5-membered heterocyclic group.
B1And B2Each = CR1-, -CR2= Or one of them is a nitrogen atom and the other is = CR1-Or-CR2=. RFiveAnd R6Each independently represents a hydrogen atom or a substituent, and the substituent is an aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group. Or a sulfamoyl group, and the hydrogen atom of each substituent may be substituted.
G, R1And R2Each independently represents a hydrogen atom or a substituent, and the substituent is a halogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, cyano group, carboxyl group, carbamoyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl Group, heterocyclic oxycarbonyl group, acyl group, hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, silyloxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group, Acylamino group, ureido group, sulfamoylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, alkylsulfonylamino group, arylsulfonylamino group, heterocyclic sulfonylamino group, nitro group, alkylthio group, arylthio group, heterocyclic ring O group, an alkylsulfonyl group, an arylsulfonyl group, a heterocyclic sulfonyl group, an alkylsulfinyl group, an arylsulfinyl group, a heterocyclic sulfinyl group, a sulfamoyl group, or a sulfo group, and the hydrogen atom of each substituent is substituted. Also good.
R1And RFiveOr RFiveAnd R6May combine to form a 5- to 6-membered ring.
The dye of the general formula (MI) will be described in more detail.
In general formula (MI), A represents a 5-membered heterocyclic group. Examples of heteroatoms of the heterocycle include N, O, and S. A nitrogen-containing 5-membered heterocyclic ring is preferable, and an aliphatic ring, an aromatic ring or another heterocyclic ring may be condensed to the heterocyclic ring. Preferable examples of the heterocyclic ring include a pyrazole ring, an imidazole ring, a thiazole ring, an isothiazole ring, a thiadiazole ring, a benzothiazole ring, a benzoxazole ring, and a benzoisothiazole ring. Each heterocyclic group may further have a substituent. Of these, the pyrazole ring, imidazole ring, isothiazole ring, thiadiazole ring and benzothiazole ring represented by the following general formulas (a) to (f) are preferable.
[0142]
Embedded image
Figure 0004154265
[0143]
In the general formulas (a) to (f), R7To R20Are G and R in the general formula (MI)1, R2Represents the same substituent as.
Of the general formulas (a) to (f), preferred are the pyrazole ring and isothiazole ring represented by the general formulas (a) and (b), and the most preferred is represented by the general formula (a). It is a pyrazole ring.
In general formula (MI), B1And B2Each = CR1-And -CR2= Or one of them is a nitrogen atom and the other is = CR1-Or-CR2 =, But each = CR1-, -CR2What represents = is more preferable.
RFiveAnd R6Each independently represents a hydrogen atom or a substituent, and the substituent is an aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group. Or a sulfamoyl group, and the hydrogen atom of each substituent may be substituted.
RFive, R6Preferably, a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkylsulfonyl group or an arylsulfonyl group can be exemplified. More preferred are a hydrogen atom, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkylsulfonyl group or an arylsulfonyl group. Most preferably, they are a hydrogen atom, an aryl group, and a heterocyclic group. The hydrogen atom of each substituent may be substituted. However, RFiveAnd R6Are not simultaneously hydrogen atoms.
[0144]
G, R1And R2Each independently represents a hydrogen atom or a substituent, and the substituent is a halogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, cyano group, carboxyl group, carbamoyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl Group, heterocyclic oxycarbonyl group, acyl group, hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, silyloxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group ( Alkylamino group, arylamino group, and heterocyclic amino group), acylamino group, ureido group, sulfamoylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, alkylsulfonylamino group, arylsulfonylamino group, complex Ring sulfoni Amino group, nitro group, alkylthio group, arylthio group, heterocyclic thio group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group, heterocyclic sulfonyl group, alkylsulfinyl group, arylsulfinyl group, heterocyclic sulfinyl group, sulfamoyl group, or sulfo group And the hydrogen atom of each substituent may be substituted.
G is a hydrogen atom, halogen atom, aliphatic group, aromatic group, hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, acyloxy group, heterocyclic oxy group, amino group (alkylamino group, arylamino group, heterocyclic amino group) An acylamino group, a ureido group, a sulfamoylamino group, an alkoxycarbonylamino group, an aryloxycarbonylamino group, an alkyl and arylthio group, or a heterocyclic thio group, more preferably a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl Group, hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, acyloxy group, amino group or acylamino group, among which hydrogen atom, amino group (preferably anilino group) or acylamino group is most preferred. The hydrogen atom of each substituent may be substituted.
[0145]
R1, R2Preferred examples thereof include a hydrogen atom, an alkyl group, a halogen atom, an alkoxycarbonyl group, a carboxyl group, a carbamoyl group, a hydroxy group, an alkoxy group, and a cyano group. The hydrogen atom of each substituent may be substituted.
R1And RFiveOr RFiveAnd R6May combine to form a 5- to 6-membered ring.
When A has a substituent, or R1, R2, RFive, R6Alternatively, when the substituent of G further has a substituent, examples of the substituent include G, R1, R2The substituents mentioned in the above can be mentioned.
When the dye of the general formula (MI) of the present invention is a water-soluble dye, A, R1, R2 , RFive, R6, G preferably further has an ionic hydrophilic group as a substituent at any position on G. Examples of the ionic hydrophilic group as a substituent include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group. As the ionic hydrophilic group, a carboxyl group, a phosphono group, and a sulfo group are preferable, and a carboxyl group and a sulfo group are particularly preferable. The carboxyl group, phosphono group, and sulfo group may be in the form of a salt. Examples of counter ions that form a salt include ammonium ions, alkali metal ions (eg, lithium ions, sodium ions, potassium ions), and organic cations. (Eg, tetramethylammonium ion, tetramethylguanidinium ion, tetramethylphosphonium).
[0146]
The terms (substituents) used in this specification will be described. These terms are common even between different symbols in the general formula (MI) and the general formula (MIa) described later.
[0147]
Examples of the halogen atom include a fluorine atom, a chlorine atom, and a bromine atom.
[0148]
An aliphatic group means an alkyl group, a substituted alkyl group, an alkenyl group, a substituted alkenyl group, an alkynyl group, a substituted alkynyl group, an aralkyl group, and a substituted aralkyl group. In this specification, the term “substituted” used for the “substituted alkyl group” and the like means that the hydrogen atom present in the “alkyl group” or the like is the above G, R1, R2It is substituted with the substituents mentioned above.
The aliphatic group may have a branch and may form a ring. The number of carbon atoms in the aliphatic group is preferably 1-20, and more preferably 1-16. The aryl moiety of the aralkyl group and the substituted aralkyl group is preferably a phenyl group or a naphthyl group, and particularly preferably a phenyl group. Examples of aliphatic groups include methyl, ethyl, butyl, isopropyl, t-butyl, hydroxyethyl, methoxyethyl, cyanoethyl, trifluoromethyl, 3-sulfopropyl, 4-sulfobutyl Group, cyclohexyl group, benzyl group, 2-phenethyl group, vinyl group, and allyl group.
[0149]
An aromatic group means an aryl group and a substituted aryl group. The aryl group is preferably a phenyl group or a naphthyl group, and particularly preferably a phenyl group. The number of carbon atoms in the aromatic group is preferably 6-20, and more preferably 6-16.
Examples of the aromatic group include a phenyl group, a p-tolyl group, a p-methoxyphenyl group, an o-chlorophenyl group, and an m- (3-sulfopropylamino) phenyl group.
[0150]
The heterocyclic group includes a substituted heterocyclic group. In the heterocyclic group, an aliphatic ring, an aromatic ring or another heterocyclic ring may be condensed to the heterocyclic ring. The heterocyclic group is preferably a 5-membered or 6-membered heterocyclic group. Examples of the substituent of the substituted heterocyclic group include an aliphatic group, a halogen atom, an alkylsulfonyl group, an arylsulfonyl group, an acyl group, an acylamino group, a sulfamoyl group, a carbamoyl group, and an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic group include 2-pyridyl group, 2-thienyl group, 2-thiazolyl group, 2-benzothiazolyl group, 2-benzoxazolyl group and 2-furyl group.
[0151]
The carbamoyl group includes a substituted carbamoyl group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the carbamoyl group include a methylcarbamoyl group and a dimethylcarbamoyl group.
[0152]
The alkoxycarbonyl group includes a substituted alkoxycarbonyl group. The alkoxycarbonyl group is preferably an alkoxycarbonyl group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxycarbonyl group include a methoxycarbonyl group and an ethoxycarbonyl group.
[0153]
The aryloxycarbonyl group includes a substituted aryloxycarbonyl group. The aryloxycarbonyl group is preferably an aryloxycarbonyl group having 7 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the aryloxycarbonyl group include a phenoxycarbonyl group.
[0154]
The heterocyclic oxycarbonyl group includes a substituted heterocyclic oxycarbonyl group. Examples of the heterocyclic ring include the heterocyclic rings described in the heterocyclic group. The heterocyclic oxycarbonyl group is preferably a heterocyclic oxycarbonyl group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic oxycarbonyl group include a 2-pyridyloxycarbonyl group.
The acyl group includes a substituted acyl group. The acyl group is preferably an acyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acyl group include an acetyl group and a benzoyl group.
[0155]
The alkoxy group includes a substituted alkoxy group. As said alkoxy group, a C1-C20 alkoxy group is preferable. Examples of the substituent include an alkoxy group, a hydroxyl group, and an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxy group include a methoxy group, an ethoxy group, an isopropoxy group, a methoxyethoxy group, a hydroxyethoxy group, and a 3-carboxypropoxy group.
[0156]
The aryloxy group includes a substituted aryloxy group. The aryloxy group is preferably an aryloxy group having 6 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkoxy group and an ionic hydrophilic group. Examples of the aryloxy group include a phenoxy group, a p-methoxyphenoxy group, and an o-methoxyphenoxy group.
[0157]
The heterocyclic oxy group includes a substituted heterocyclic oxy group. Examples of the heterocyclic ring include the heterocyclic rings described in the heterocyclic group. The heterocyclic oxy group is preferably a heterocyclic oxy group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group, an alkoxy group, and an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic oxy group include a 3-pyridyloxy group and a 3-thienyloxy group.
[0158]
The silyloxy group is preferably a silyloxy group substituted with an aliphatic group or aromatic group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the silyloxy group include trimethylsilyloxy and diphenylmethylsilyloxy.
[0159]
The acyloxy group includes a substituted acyloxy group. The acyloxy group is preferably an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acyloxy group include an acetoxy group and a benzoyloxy group.
[0160]
The carbamoyloxy group includes a substituted carbamoyloxy group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the carbamoyloxy group include an N-methylcarbamoyloxy group.
[0161]
The alkoxycarbonyloxy group includes a substituted alkoxycarbonyloxy group. The alkoxycarbonyloxy group is preferably an alkoxycarbonyloxy group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the alkoxycarbonyloxy group include a methoxycarbonyloxy group and an isopropoxycarbonyloxy group.
[0162]
The aryloxycarbonyloxy group includes a substituted aryloxycarbonyloxy group. The aryloxycarbonyloxy group is preferably an aryloxycarbonyloxy group having 7 to 20 carbon atoms. Examples of the aryloxycarbonyloxy group include a phenoxycarbonyloxy group.
[0163]
The amino group includes a substituted amino group. The substituent includes an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group, and the alkyl group, aryl group and heterocyclic group may further have a substituent. The alkylamino group includes a substituted alkylamino group. As the alkylamino group, an alkylamino group having 1 to 20 carbon atoms is preferable. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkylamino group include a methylamino group and a diethylamino group.
The arylamino group includes a substituted arylamino group. The arylamino group is preferably an arylamino group having 6 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include a halogen atom and an ionic hydrophilic group. Examples of the arylamino group include a phenylamino group and a 2-chlorophenylamino group.
The heterocyclic amino group includes a substituted heterocyclic amino group. Examples of the heterocyclic ring include the heterocyclic rings described in the heterocyclic group. The heterocyclic amino group is preferably a heterocyclic amino group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group, a halogen atom, and an ionic hydrophilic group.
[0164]
The acylamino group includes a substituted acylamino group. The acylamino group is preferably an acylamino group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acylamino group include an acetylamino group, a propionylamino group, a benzoylamino group, an N-phenylacetylamino group, and a 3,5-disulfobenzoylamino group.
[0165]
The ureido group includes a substituted ureido group. The ureido group is preferably a ureido group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group and an aryl group. Examples of the ureido group include a 3-methylureido group, a 3,3-dimethylureido group, and a 3-phenylureido group.
[0166]
The sulfamoylamino group includes a substituted sulfamoylamino group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the sulfamoylamino group include N, N-dipropylsulfamoylamino group.
[0167]
The alkoxycarbonylamino group includes a substituted alkoxycarbonylamino group. The alkoxycarbonylamino group is preferably an alkoxycarbonylamino group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxycarbonylamino group include an ethoxycarbonylamino group.
[0168]
The aryloxycarbonylamino group includes a substituted aryloxycarbonylamino group. The aryloxycarbonylamino group is preferably an aryloxycarbonylamino group having 7 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the aryloxycarbonylamino group include a phenoxycarbonylamino group.
[0169]
The alkylsulfonylamino group and the arylsulfonylamino group include a substituted alkylsulfonylamino group and a substituted arylsulfonylamino group, respectively. The alkylsulfonylamino group and arylsulfonylamino group are preferably an alkylsulfonylamino group having 1 to 20 carbon atoms and an arylsulfonylamino group having 7 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkylsulfonylamino group and arylsulfonylamino group include a methylsulfonylamino group, an N-phenyl-methylsulfonylamino group, a phenylsulfonylamino group, and a 3-carboxyphenylsulfonylamino group.
[0170]
The heterocyclic sulfonylamino group includes a substituted heterocyclic sulfonylamino group. Examples of the heterocyclic ring include the heterocyclic rings described in the heterocyclic group. The heterocyclic sulfonylamino group is preferably a heterocyclic sulfonylamino group having 1 to 12 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic sulfonylamino group include a 2-thienylsulfonylamino group and a 3-pyridylsulfonylamino group.
[0171]
The alkylthio group, arylthio group and heterocyclic thio group include a substituted alkylthio group, a substituted arylthio group and a substituted heterocyclic thio group, respectively. Examples of the heterocyclic ring include the heterocyclic rings described in the heterocyclic group. The alkylthio group, arylthio group and heterocyclic thio group are preferably those having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkylthio group, arylthio group and heterocyclic thio group include a methylthio group, a phenylthio group, and a 2-pyridylthio group.
[0172]
The alkylsulfonyl group and arylsulfonyl group include a substituted alkylsulfonyl group and a substituted arylsulfonyl group. Examples of the alkylsulfonyl group and the arylsulfonyl group can include a methylsulfonyl group and a phenylsulfonyl group, respectively.
[0173]
The heterocyclic sulfonyl group includes a substituted heterocyclic sulfonyl group. Examples of the heterocyclic ring include the heterocyclic rings described in the heterocyclic group. The heterocyclic sulfonyl group is preferably a heterocyclic sulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic sulfonyl group include a 2-thienylsulfonyl group and a 3-pyridylsulfonyl group.
The alkylsulfinyl group and the arylsulfinyl group include a substituted alkylsulfinyl group and a substituted arylsulfinyl group, respectively. Examples of the alkylsulfinyl group and the arylsulfinyl group include a methylsulfinyl group and a phenylsulfinyl group, respectively.
[0174]
The heterocyclic sulfinyl group includes a substituted heterocyclic sulfinyl group. Examples of the heterocyclic ring include the heterocyclic rings described in the heterocyclic group. The heterocyclic sulfinyl group is preferably a heterocyclic sulfinyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic sulfinyl group include a 4-pyridylsulfinyl group.
[0175]
The sulfamoyl group includes a substituted sulfamoyl group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the sulfamoyl group include a dimethylsulfamoyl group and a di- (2-hydroxyethyl) sulfamoyl group.
[0176]
In the present invention, a particularly preferred structure is represented by the following general formula (MIa).
General formula (MIa)
[0177]
Embedded image
Figure 0004154265
[0178]
Where R1, R2, RFiveAnd R6Is synonymous with the general formula (MI).
RThreeAnd RFourEach independently represents a hydrogen atom or a substituent, and the substituent is an aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group. Or a sulfamoyl group. Of these, a hydrogen atom, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkylsulfonyl group, or an arylsulfonyl group is preferable, and a hydrogen atom, an aromatic group, or a heterocyclic group is particularly preferable.
[0179]
Z1Represents an electron withdrawing group having a Hammett's substituent constant σp value of 0.20 or more. Z1Is preferably an electron-withdrawing group having a σp value of 0.30 or more, more preferably an electron-withdrawing group of 0.45 or more, and particularly preferably an electron-withdrawing group of 0.60 or more. It is desirable not to exceed. Specific examples of the preferred substituent include an electron-withdrawing substituent described later. Among them, an acyl group having 2 to 20 carbon atoms, an alkyloxycarbonyl group having 2 to 20 carbon atoms, a nitro group, a cyano group, An alkylsulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms, an arylsulfonyl group having 6 to 20 carbon atoms, a carbamoyl group having 1 to 20 carbon atoms, and a halogenated alkyl group having 1 to 20 carbon atoms are preferable. Particularly preferred are a cyano group, an alkylsulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms, and an arylsulfonyl group having 6 to 20 carbon atoms, and most preferred is a cyano group.
Z2Represents a hydrogen atom or a substituent, and the substituent represents an aliphatic group, an aromatic group or a heterocyclic group. Z2Is preferably an aliphatic group, more preferably an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms.
Q represents a hydrogen atom or a substituent, and the substituent represents an aliphatic group, an aromatic group, or a heterocyclic group. Among them, Q is preferably a group consisting of a nonmetallic atom group necessary for forming a 5- to 8-membered ring. The 5- to 8-membered ring may be substituted, may be a saturated ring, or may have an unsaturated bond. Of these, aromatic groups and heterocyclic groups are particularly preferred. Preferred nonmetallic atoms include nitrogen atoms, oxygen atoms, sulfur atoms or carbon atoms. Specific examples of such a ring structure include, for example, a benzene ring, cyclopentane ring, cyclohexane ring, cycloheptane ring, cyclooctane ring, cyclohexene ring, pyridine ring, pyrimidine ring, pyrazine ring, pyridazine ring, triazine ring, imidazole ring. , Benzimidazole ring, oxazole ring, benzoxazole ring, thiazole ring, benzothiazole ring, oxane ring, sulfolane ring and thiane ring.
[0180]
The hydrogen atom of each substituent described in the general formula (MIa) may be substituted. Examples of the substituent include the substituents described in the general formula (MI), G, R1, R2And the groups exemplified in 1) and ionic hydrophilic groups.
Here, Hammett's substituent constant σp value used in this specification will be described. Hammett's rule was found in 1935 by L. L. in order to quantitatively discuss the effect of substituents on the reaction or equilibrium of benzene derivatives. P. A rule of thumb proposed by Hammett, which is widely accepted today. Substituent constants determined by Hammett's rule include a σp value and a σm value, and these values can be found in many general books. A. Dean, “Lange's Handbook of Chemistry”, 12th edition, 1979 (Mc Graw-Hill) and “Chemicals” special edition, 122, 96-103, 1979 (Nankodo). In the present invention, each substituent is limited or explained by Hammett's substituent constant σp, which means that it can be found in the above-mentioned book and is limited only to a substituent having a known value in the literature. However, it goes without saying that even if the value is unknown, it also includes a substituent that would be included in the range when measured based on Hammett's rule. In addition, the general formula (1a) of the present invention includes those that are not benzene derivatives, but the σp value is used as a scale indicating the electronic effect of the substituent regardless of the substitution position. In the present invention, the σp value is used in this sense.
[0181]
Examples of the electron withdrawing group having a Hammett substituent constant σp value of 0.60 or more include a cyano group, a nitro group, and an alkylsulfonyl group (for example, a methylsulfonyl group, an arylsulfonyl group (for example, a phenylsulfonyl group). .
Examples of the electron-withdrawing group having a Hammett σp value of 0.45 or more include an acyl group (for example, acetyl group), an alkoxycarbonyl group (for example, dodecyloxycarbonyl group), an aryloxycarbonyl group (for example, m-chlorophenoxycarbonyl) in addition to the above. ), An alkylsulfinyl group (for example, n-propylsulfinyl), an arylsulfinyl group (for example, phenylsulfinyl), a sulfamoyl group (for example, N-ethylsulfamoyl, N, N-dimethylsulfamoyl), a halogenated alkyl group ( For example, trifluoromethyl) can be mentioned.
As the electron-withdrawing group having a Hammett substituent constant σp value of 0.30 or more, in addition to the above, an acyloxy group (for example, acetoxy), a carbamoyl group (for example, N-ethylcarbamoyl, N, N-dibutylcarbamoyl), halogen Alkoxy group (for example, trifluoromethyloxy), halogenated aryloxy group (for example, pentafluorophenyloxy), sulfonyloxy group (for example, methylsulfonyloxy group), halogenated alkylthio group (for example, difluoromethylthio), 2 An aryl group (eg, 2,4-dinitrophenyl, pentachlorophenyl) substituted with one or more electron-withdrawing groups having a σp value of 0.15 or more, and a heterocycle (eg, 2-benzoxazolyl, 2- Benzothiazolyl, 1-phenyl-2-benzimidazolyl) be able to.
Specific examples of the electron-withdrawing group having a σp value of 0.20 or more include a halogen atom in addition to the above.
[0182]
A particularly preferred combination of substituents as the azo dye represented by the general formula (MI) is RFiveAnd R6And preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a heterocyclic group, a sulfonyl group or an acyl group, more preferably a hydrogen atom, an aryl group, a heterocyclic group or a sulfonyl group, most preferably a hydrogen atom, An aryl group and a heterocyclic group. However, RFiveAnd R6Are not hydrogen atoms. G is preferably a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, a hydroxyl group, an amino group or an acylamino group, more preferably a hydrogen atom, a halogen atom, an amino group or an acylamino group, most preferably a hydrogen atom or an amino group. An acylamino group.
Among A, a pyrazole ring, an imidazole ring, an isothiazole ring, a thiadiazole ring, and a benzothiazole ring are preferable, a pyrazole ring and an isothiazole ring are further preferable, and a pyrazole ring is most preferable.
B1And B2Each = CR1-, -CR2= And R1, R2Are each preferably a hydrogen atom, an alkyl group, a halogen atom, a cyano group, a carbamoyl group, a carboxyl group, a hydroxyl group, an alkoxy group or an alkoxycarbonyl group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group, a carboxyl group, a cyano group or a carbamoyl group. It is a group.
[0183]
The preferred combination of substituents of the compound represented by the general formula (MI) is preferably a compound in which at least one of various substituents is the above preferred group, and more various substituents are preferred. More preferred are compounds that are groups, and most preferred are compounds in which all substituents are the preferred groups.
[0184]
Specific examples of the compound (azo dye) represented by the general formula (MI) are shown below, but the azo dye used in the present invention is not limited to the following examples.
[0185]
[Table 14]
Figure 0004154265
[0186]
[Table 15]
Figure 0004154265
[0187]
[Table 16]
Figure 0004154265
[0188]
[Table 17]
Figure 0004154265
[0189]
[Table 18]
Figure 0004154265
[0190]
[Table 19]
Figure 0004154265
[0191]
[Table 20]
Figure 0004154265
[0192]
[Table 21]
Figure 0004154265
[0193]
[Table 22]
Figure 0004154265
[0194]
[Table 23]
Figure 0004154265
[0195]
[Table 24]
Figure 0004154265
[0196]
[Table 25]
Figure 0004154265
[0197]
[Table 26]
Figure 0004154265
[0198]
The ink composition for ink jet recording of the present invention (also simply referred to as “ink” in the present invention) is obtained by dissolving and / or dispersing at least one of the azo dyes in an aqueous medium. It contains 0.2-20 mass%, More preferably, it contains 0.5-15 mass%.
[0199]
The azo dye used in the present invention is substantially water-soluble. “Substantially water-soluble” means that 2% by mass or more dissolves in water at 20 ° C.
In the ink composition for inkjet of the present invention, other magenta dyes can be used in combination with the azo dye (magenta dye).
Examples of magenta dyes that can be used in combination include aryl or heteryl azo dyes having phenols, naphthols, and anilines as a coupling component (other than the general formula (MI) of the present invention); Azomethine dyes such as arylidene dyes, styryl dyes, merocyanine dyes, oxonol dyes; carbonium dyes such as diphenylmethane dyes, triphenylmethane dyes, xanthene dyes, such as naphthoquinone, anthraquinone, anthrapyridone, etc. Quinone dyes such as condensed polycyclic dyes such as dioxazine dyes. These dyes may exhibit magenta only after a part of the chromophore is dissociated, and the counter cation in that case may be an alkali metal or an inorganic cation such as ammonium, pyridinium, It may be an organic cation such as a quaternary ammonium salt, and further may be a polymer cation having them in a partial structure. In the ink composition containing the compound of the general formula (MI) of the present invention, other dyes are used in combination within the range satisfying the ink deposition test of the present invention.
[0200]
Hereinafter, the yellow dye useful in the present invention will be described in detail.
The yellow dye used for one ink (composition) used in the ink jet recording method of the present invention is a status A filter (for example, after printing the ink on a reflective medium, from the viewpoint of fastness and fastness to ozone gas). The reflection density in the yellow region (DB) Is defined as an initial ink density of 0.90 to 1.10, and this print is forcibly faded using an ozone fading tester capable of always generating 5 ppm of ozone. The forced fading rate constant (k) obtained from the time (t) until the reflection density reaches 80% of the initial density (0.8 = e-kt), The rate constant is 5.0 × 10-2[Hour-1], Preferably 3.0 × 10-2[Hour-1], More preferably 1.0 × 10-2[Hour-1It is controlled as follows.
The yellow dye is preferably a dye having an oxidation potential nobler than 1.0 V (vs SCE), more preferably a dye nobler than 1.1 V (vs SCE), and 1.2 V (vs SCE). Particularly preferred are dyes which are more noble. As the kind of dye, an azo dye satisfying the above physical property requirements is particularly preferable.
A person skilled in the art can easily measure the value (Eox) of the oxidation potential. Regarding this method, for example Delahay's “New Instrumental Methods in Electrochemistry” (published by Interscience Publishers, 1954) J. et al. "Electrochemical Methods" by Bard et al. (Published by John Wiley & Sons in 1980) and "Electrochemical Measurement Method" by Akira Fujishima et al. (Published by Gihodo Publishing Co., Ltd. in 1984).
[0201]
Specifically, the oxidation potential is 1 × 10 5 for a test sample in a solvent such as dimethylformamide or acetonitrile containing a supporting electrolyte such as sodium perchlorate or tetrapropylammonium perchlorate.-Four~ 1x10-6Mole / liter is dissolved and measured as a value for SCE (saturated calomel electrode) using cyclic voltammetry or direct current polarography. Although this value may be deviated by several tens of mil volts due to the influence of the liquid potential difference or the liquid resistance of the sample solution, the reproducibility of the potential can be ensured by inserting a standard sample (for example, hydroquinone).
In order to uniquely define the potential, in the present invention, 0.1 moldm is used.-3In dimethylformamide containing tetrapropylammonium perchlorate as the supporting electrolyte (the concentration of the dye is 0.001 moldm-3) Is the oxidation potential of the dye (vs SCE) measured by direct current polarography.
[0202]
The value of Eox represents the ease of transfer of electrons from the sample to the electrode, and the larger the value (the higher the oxidation potential), the less transfer of electrons from the sample to the electrode, in other words, less oxidation. In relation to the structure of the compound, the oxidation potential becomes more noble by introducing an electron withdrawing group, and the oxidation potential becomes lower by introducing an electron donating group. In the present invention, in order to lower the reactivity with ozone, which is an electrophile, it is desirable to introduce an electron withdrawing group into the yellow dye skeleton to make the oxidation potential more noble.
[0203]
In addition, the dye used in the present invention preferably has good fastness and good hue, and in particular, the absorption spectrum has a good tail on the long wave side. Therefore, λmax is in the range of 390 nm to 470 nm, and the ratio I (λmax + 70 nm) / I (λmax) between the absorbance I (λmax) of λmax and the absorbance I (λmax + 70 nm) of λmax + 70 nm. The yellow dye is preferably 2 or less, more preferably 0.1 or less, and the lower limit of the ratio is about 0.01, and the above values such as λmax are those in an aqueous solution.
[0204]
As the dye satisfying such oxidation potential and absorption characteristics, those represented by the following general formula (Y1) are preferable. However, the compound represented by the general formula (1) only needs to have λmax in the range of 390 nm to 470 nm, and does not necessarily satisfy the oxidation potential and I (λmax + 70 nm) / I (λmax). In addition, when the yellow dye of Claim 1 and the yellow dye represented by General Formula (Y1) of Claim 4 are named generically, it is called the yellow dye of this invention.
General formula (Y1) A-N = NB
In the formula, A and B each independently represent an optionally substituted heterocyclic group.
The heterocycle is preferably a 5-membered or 6-membered heterocycle, which may be a monocyclic structure or a polycyclic structure in which two or more rings are condensed. It may be a ring or a non-aromatic heterocyclic ring. As the hetero atom constituting the heterocyclic ring, N, O and S atoms are preferable.
[0205]
In the general formula (Y1), the heterocyclic ring represented by A includes 5-pyrazolone, pyrazole, triazole, oxazolone, isoxazolone, barbituric acid, pyridone, pyridine, rhodanine, pyrazolidinedione, pyrazolopyridone, meldrum acid In addition, a condensed heterocyclic ring obtained by further condensing a hydrocarbon aromatic ring or a heterocyclic ring to these heterocyclic rings is preferable. Among them, 5-pyrazolone, 5-aminopyrazole, pyridone, 2,6-diaminopyridine, and pyrazoloazoles are preferable, and 5-aminopyrazole, 2-hydroxy-6-pyridone, and pyrazolotriazole are particularly preferable.
[0206]
The heterocyclic ring represented by B includes pyridine, pyrazine, pyrimidine, pyridazine, triazine, quinoline, isoquinoline, quinazoline, cinnoline, phthalazine, quinoxaline, pyrrole, indole, furan, benzofuran, thiophene, benzothiophene, pyrazole, imidazole, benzo Examples include imidazole, triazole, oxazole, isoxazole, benzoxazole, thiazole, benzothiazole, isothiazole, benzoisothiazole, thiadiazole, benzisoxazole, pyrrolidine, piperidine, piperazine, imidazolidine, thiazoline and the like. Of these, pyridine, quinoline, thiophene, benzothiophene, pyrazole, imidazole, benzimidazole, triazole, oxazole, isoxazole, benzoxazole, thiazole, benzothiazole, isothiazole, benzoisothiazole, thiadiazole, and benzoisoxazole are preferable, and quinoline, thiophene , Pyrazole, thiazole, benzoxazole, benzisoxazole, isothiazole, imidazole, benzothiazole, thiadiazole are more preferable, and pyrazole, benzothiazole, benzoxazole, imidazole, 1,2,4-thiadiazole, 1,3,4-thiadiazole Is particularly preferred.
[0207]
Substituents substituted for A and B are halogen atom, alkyl group, cycloalkyl group, aralkyl group, alkenyl group, alkynyl group, aryl group, heterocyclic group, cyano group, hydroxyl group, nitro group, alkoxy group, aryloxy Group, silyloxy group, heterocyclic oxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group, acylamino group, aminocarbonylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, Sulfamoylamino group, alkyl and arylsulfonylamino group, mercapto group, alkylthio group, arylthio group, heterocyclic thio group, sulfamoyl group, alkyl and arylsulfinyl group, alkyl and arylsulfo group For example, an alkyl group, an acyl group, an aryloxycarbonyl group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, an imide group, a phosphino group, a phosphinyl group, a phosphinyloxy group, a phosphinylamino group, a silyl group, and an ionic hydrophilic group. Can be mentioned.
[0208]
When the dye of the general formula (Y1) is used as a water-soluble dye, it preferably has at least one ionic hydrophilic group in the molecule. Examples of the ionic hydrophilic group include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group. As the ionic hydrophilic group, a carboxyl group, a phosphono group, and a sulfo group are preferable, and a carboxyl group and a sulfo group are particularly preferable. The carboxyl group, phosphono group, and sulfo group may be in the form of a salt. Examples of counter ions that form a salt include ammonium ions, alkali metal ions (eg, lithium ions, sodium ions, potassium ions), and organic cations. (Eg, tetramethylammonium ion, tetramethylguanidinium ion, tetramethylphosphonium). Among the counter ions, alkali metal salts are preferable.
[0209]
Among the dyes represented by the general formula (Y1), dyes of the general formulas (Y2), (Y3), and (Y4) are preferable.
General formula (Y2)
[0210]
Embedded image
Figure 0004154265
[0211]
In general formula (Y2), R1 and R3 represent a hydrogen atom, a cyano group, an alkyl group, a cycloalkyl group, an aralkyl group, an alkoxy group, an alkylthio group, an arylthio group, an aryl group, or an ionic hydrophilic group, and R2 represents Represents a hydrogen atom, an alkyl group, a cycloalkyl group, an aralkyl group, a carbamoyl group, an acyl group, an aryl group or a heterocyclic group, and R4 represents a heterocyclic group.
General formula (Y3)
[0212]
Embedded image
Figure 0004154265
[0213]
In General Formula (Y3), R5 represents a hydrogen atom, a cyano group, an alkyl group, a cycloalkyl group, an aralkyl group, an alkoxy group, an alkylthio group, an arylthio group, an aryl group, or an ionic hydrophilic group, Za is —N =, -NH-, or -C (R11) =, Zb and Zc each independently represent -N = or -C (R11) =, R11 represents a hydrogen atom or a nonmetallic substituent, R6 represents a heterocyclic group.
General formula (Y4)
[0214]
Embedded image
Figure 0004154265
[0215]
In the general formula (Y4), R7 and R9 are each independently a hydrogen atom, a cyano group, an alkyl group, a cycloalkyl group, an aralkyl group, an aryl group, an alkylthio group, an arylthio group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, or an ion. R8 represents a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, an alkoxy group, an aryl group, an aryloxy group, a cyano group, an acylamino group, a sulfonylamino group, an alkoxycarbonylamino group, a ureido group, an alkylthio group, an arylthio group. Represents a group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, an alkylsulfonyl, an arylsulfonyl group, an acyl group, an amino group, a hydroxy group, or an ionic hydrophilic group, and R10 represents a heterocyclic group.
[0216]
In the general formulas (Y2), (Y3) and (Y4), the alkyl group represented by R1, R2, R3, R5, R7, R8 and R9 includes an alkyl group having a substituent and an unsubstituted alkyl group. It is. The alkyl group is preferably an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include a hydroxyl group, an alkoxy group, a cyano group, a halogen atom, and an ionic hydrophilic group. Examples of the alkyl group include methyl, ethyl, butyl, isopropyl, t-butyl, hydroxyethyl, methoxyethyl, cyanoethyl, trifluoromethyl, 3-sulfopropyl, and 4-sulfobutyl.
[0217]
The cycloalkyl group represented by R1, R2, R3, R5, R7, R8 and R9 includes a cycloalkyl group having a substituent and an unsubstituted cycloalkyl group. The cycloalkyl group is preferably a cycloalkyl group having 5 to 12 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the cycloalkyl group include a cyclohexyl group.
The aralkyl group represented by R1, R2, R3, R5, R7, R8 and R9 includes an aralkyl group having a substituent and an unsubstituted aralkyl group. The aralkyl group is preferably an aralkyl group having 7 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the aralkyl group include benzyl and 2-phenethyl.
[0218]
The aryl group represented by R1, R2, R3, R5, R7, R8 and R9 includes an aryl group having a substituent and an unsubstituted aryl group. The aryl group is preferably an aryl group having 6 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group, an alkoxy group, a halogen atom, an alkylamino group, and an ionic hydrophilic group. Examples of the aryl group include phenyl, p-tolyl, p-methoxyphenyl, o-chlorophenyl, and m- (3-sulfopropylamino) phenyl.
[0219]
The alkylthio group represented by R1, R2, R3, R5, R7, R8 and R9 includes an alkylthio group having a substituent and an unsubstituted alkylthio group. The alkylthio group is preferably an alkylthio group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkylthio group include methylthio and ethylthio.
The arylthio group represented by R1, R2, R3, R5, R7, R8 and R9 includes an arylthio group having a substituent and an unsubstituted arylthio group. The arylthio group is preferably an arylthio group having 6 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group and an ionic hydrophilic group. Examples of the arylthio group include a phenylthio group and p-tolylthio.
[0220]
R2 and R described latertwenty twoThe heterocyclic group represented by is preferably a 5- or 6-membered heterocyclic ring, which may be further condensed. As the hetero atom constituting the heterocyclic ring, N, S, and O are preferable. Further, it may be an aromatic heterocyclic ring or a non-aromatic heterocyclic ring. The heterocyclic ring may be further substituted, and examples of the substituent include the same substituents as those described later for the aryl group. Preferred heterocycles are 6-membered nitrogen-containing aromatic heterocycles, and triazine, pyrimidine and phthalazine can be mentioned as preferred examples.
[0221]
Examples of the halogen atom represented by R8 include a fluorine atom, a chlorine atom, and a bromine atom.
The alkoxy group represented by R1, R3, R5 and R8 includes an alkoxy group having a substituent and an unsubstituted alkoxy group. The alkoxy group is preferably an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include a hydroxyl group and an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxy group include methoxy, ethoxy, isopropoxy, methoxyethoxy, hydroxyethoxy and 3-carboxypropoxy.
[0222]
The aryloxy group represented by R8 includes an aryloxy group having a substituent and an unsubstituted aryloxy group. The aryloxy group is preferably an aryloxy group having 6 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkoxy group and an ionic hydrophilic group. Examples of the aryloxy group include phenoxy, p-methoxyphenoxy and o-methoxyphenoxy. The acylamino group represented by R8 includes an acylamino group having a substituent and an unsubstituted acylamino group. The acylamino group is preferably an acylamino group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acylamino group include acetamide, propionamide, benzamide and 3,5-disulfobenzamide.
[0223]
The sulfonylamino group represented by R8 includes a sulfonylamino group having a substituent and an unsubstituted sulfonylamino group. The sulfonylamino group is preferably a sulfonylamino group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the sulfonylamino group include methylsulfonylamino and ethylsulfonylamino.
The alkoxycarbonylamino group represented by R8 includes an alkoxycarbonylamino group having a substituent and an unsubstituted alkoxycarbonylamino group. The alkoxycarbonylamino group is preferably an alkoxycarbonylamino group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxycarbonylamino group include ethoxycarbonylamino.
[0224]
The ureido group represented by R8 includes a ureido group having a substituent and an unsubstituted ureido group. The ureido group is preferably a ureido group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group and an aryl group. Examples of the ureido group include 3-methylureido, 3,3-dimethylureido, and 3-phenylureido.
The alkoxycarbonyl group represented by R7, R8 and R9 includes an alkoxycarbonyl group having a substituent and an unsubstituted alkoxycarbonyl group. The alkoxycarbonyl group is preferably an alkoxycarbonyl group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxycarbonyl group include methoxycarbonyl and ethoxycarbonyl.
[0225]
The carbamoyl group represented by R2, R7, R8 and R9 includes a carbamoyl group having a substituent and an unsubstituted carbamoyl group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the carbamoyl group include a methylcarbamoyl group and a dimethylcarbamoyl group.
A sulfamoyl group having a substituent represented by R8 and an unsubstituted sulfamoyl group are included. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the sulfamoyl group include a dimethylsulfamoyl group and a di- (2-hydroxyethyl) sulfamoyl group.
[0226]
Examples of the alkylsulfonyl and arylsulfonyl groups represented by R8 include methylsulfonyl and phenylsulfonyl.
The acyl group represented by R2 and R8 includes an acyl group having a substituent and an unsubstituted acyl group. The acyl group is preferably an acyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acyl group include acetyl and benzoyl.
[0227]
The amino group represented by R8 includes an amino group having a substituent and an unsubstituted amino group. Examples of the substituent include an alkyl group, an aryl group, and a heterocyclic group. Examples of the amino group include methylamino, diethylamino, anilino and 2-chloroanilino.
[0228]
The heterocyclic group represented by R4, R6, and R10 is the same as the optionally substituted heterocyclic group represented by B in formula (Y1), and preferred examples, more preferred examples, and particularly preferred examples are also included. Same as above. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group, an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, an aryl group, an alkyl or arylthio group, a halogen atom, a cyano group, a sulfamoyl group, a sulfoneamino group, a carbamoyl group, and an acylamino group. And the alkyl group and aryl group may further have a substituent.
[0229]
In the general formula (Y3), Za represents -N =, -NH-, or -C (R11) =, Zb and Zc each independently represent -N = or -C (R11) =, R11 represents a hydrogen atom or a nonmetallic substituent. As the nonmetallic substituent represented by R11, a cyano group, a cycloalkyl group, an aralkyl group, an aryl group, an alkylthio group, an arylthio group, or an ionic hydrophilic group is preferable. Each of the substituents is synonymous with each substituent represented by R 1, and preferred examples are also the same. Examples of the heterocyclic skeleton composed of two 5-membered rings included in the general formula (Y3) are shown below.
[0230]
Embedded image
Figure 0004154265
[0231]
Examples of the substituent in the case where each substituent described above may further have a substituent include the substituents that may be substituted on the heterocyclic rings A and B in the general formula (Y1) described above. I can do it.
[0232]
When the dyes represented by the general formulas (Y2) to (Y4) are used as water-soluble dyes, it is preferable to have at least one ionic hydrophilic group in the molecule. In addition to the dyes in which at least one of R1, R2, R3, R5, R7, R8 and R9 in the general formulas (YY2) to (Y4) is an ionic hydrophilic group, the general formulas (Y2) to (Y In Y4), dyes in which R1 to R11 further have an ionic hydrophilic group as a substituent are included.
[0233]
Of the above general formulas (Y2), (Y3), and (Y4), preferred is the general formula (Y2), and among these, those represented by the following general formula (Y2-1) are particularly preferred.
General formula (Y2-1)
[0234]
Embedded image
Figure 0004154265
[0235]
In formula (Y2-1), Rtwenty oneAnd Rtwenty threeRepresents a hydrogen atom, an alkyl group, a cycloalkyl group, an aralkyl group, an alkoxy group or an aryl group. Rtwenty twoRepresents an aryl group or a heterocyclic group. One of X and Y represents a nitrogen atom and the other is -CRtwenty fourRepresents. Rtwenty fourIs a hydrogen atom, halogen atom, cyano group, alkyl group, alkylthio group, alkylsulfonyl group, alkylsulfinyl group, alkyloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkoxy group, aryl group, arylthio group, arylsulfonyl group, arylsulfinyl group, Represents an aryloxy group or an acylamino group. Each substituent may be further substituted.
In the general formula (Y2-1), a dye having an ionic hydrophilic group is preferable.
[0236]
Specific examples of preferable dyes used in the present invention are shown below, but the dyes used in the present invention are not limited to the following specific examples. These compounds can be synthesized with reference to JP-A-2-24191, JP-A-2001-279145, and Japanese Patent Application No. 2000-124832.
[0237]
Embedded image
Figure 0004154265
[0238]
Embedded image
Figure 0004154265
[0239]
Embedded image
Figure 0004154265
[0240]
Embedded image
Figure 0004154265
[0241]
Embedded image
Figure 0004154265
[0242]
Embedded image
Figure 0004154265
[0243]
Embedded image
Figure 0004154265
[0244]
Embedded image
Figure 0004154265
[0245]
Embedded image
Figure 0004154265
[0246]
Embedded image
Figure 0004154265
[0247]
Embedded image
Figure 0004154265
[0248]
Embedded image
Figure 0004154265
[0249]
Embedded image
Figure 0004154265
[0250]
Embedded image
Figure 0004154265
[0251]
Embedded image
Figure 0004154265
[0252]
Embedded image
Figure 0004154265
[0253]
Embedded image
Figure 0004154265
[0254]
Embedded image
Figure 0004154265
[0255]
Embedded image
Figure 0004154265
[0256]
Embedded image
Figure 0004154265
[0257]
The ink for inkjet recording of the present invention preferably contains 0.2 to 20% by mass of the yellow dye, more preferably 0.5 to 15% by mass.
[0258]
Hereinafter, the black dye of the present invention will be described in detail.
In the black ink for ink jet recording of the present invention, first, λmax is from 500 nm to 700 nm, and the half-value width (Wλ) in the absorption spectrum of a dilute solution normalized to an absorbance of 1.0., 1/2) Is 100 nm or more (preferably 120 nm to 500 nm, more preferably 120 nm to 350 nm).
[0259]
When this dye (L) alone can achieve high image quality “(good) black” = black that does not depend on the observation light source and any of the color tones of B, G, and R is difficult to be emphasized. Although it is possible to use the dye alone as a black ink dye, it is generally used in combination with a dye that covers a region where the absorption of the dye is low. Usually, it is preferable to use together with a dye (S) having main absorption in the yellow region. Further, it is possible to produce a black ink in combination with another dye.
[0260]
In the present invention, a black ink is prepared by dissolving or dispersing the dye alone or in a water-based medium. The black ink for ink jet recording has preferable performance, that is, 1) excellent weather resistance, and / Or 2) In order to satisfy that the black balance is not lost even after fading, an ink satisfying the following conditions is prepared.
[0261]
First, a black square symbol of JIS code 2223 is printed at 48 points using the black ink, and this is reflected density (D) measured by a status A filter (visual filter).vis) Is defined as the initial concentration. An example of a reflection density measuring machine equipped with a status A filter is an X-Rite density measuring machine. Here, when measuring the density of “black”, the standard observation reflection density is DvisUse the measured value by. This print is forcibly faded using an ozone fading tester capable of always generating 5 ppm of ozone, and its reflection density (Dvis) From the time (t) until the initial reflection density value reaches 80%, the forced fading rate constant (kvis) To “0.8 = exp (−kvis・ T) ”.
In the present invention, the rate constant (kvis) Is 5.0 × 10-2[Hour-1], Preferably 3.0 × 10-2[Hour-1], More preferably 1.0 × 10-2[Hour-1An ink is prepared as follows. (Condition 1)
[0262]
In addition, the black square symbol of JIS code 2223 is printed at 48 points using the black ink, and this is a density measurement value measured by a status A filter.visNot the reflection density of three colors (C (cyan), M (magenta), Y (yellow)) (DR, DG, DB) Is also defined as the initial concentration. Where (DR, DG, DB) Indicates (C reflection density by red filter, M reflection density by green filter, Y reflection density by blue filter). This print is forcibly faded using an ozone fading tester capable of always generating 5 ppm of ozone according to the above method, and the reflection density (DR, DG, DB) Is also the forced fading rate constant (kR, KG, KB). When the three speed constants are obtained and the ratio (R) between the maximum value and the minimum value is obtained (for example, kRIs the maximum value kGIs the minimum value, R = kR/ KGIn other words, an ink is prepared so that the ratio (R) is 1.2 or less, preferably 1.1 or less, and more preferably 1.05 or less. (Condition 2)
[0263]
Note that the “printed matter in which the black square symbol of the JIS code 2223 is printed at 48 points” used above gives an image large enough to cover the aperture of the measuring instrument in order to give a sufficient size for density measurement. It is printed.
[0264]
In addition, the oxidation potential of at least one dye used for the black ink is nobler than 1.0 V (vs SCE), preferably nobler than 1.1 V (vs SCE), more preferably 1.2 V (vs SCE). Noble, most preferably no less than 1.25 V (vs SCE), and at least one of the dyes preferably has a λmax of 500 nm or more. (Condition 3)
[0265]
The oxidation potential in the present invention is 0.1 mol · dm.-3In N, N-dimethylformamide containing 1 mol of tetrapropylammonium perchlorate as the supporting electrolyte-3mol · dm-3), SCE (saturated calomel electrode) as a reference electrode, a graphite electrode as a working electrode, and a platinum electrode as a counter electrode, and values measured by direct current polarography are used. In the case of water-soluble dyes, it may be difficult to dissolve directly in N, N-dimethylformamide. In that case, after dissolving the dye with as little water as possible, the water content should be 2% or less. Dilute with N, N-dimethylformamide and measure.
[0266]
The value of the oxidation potential may be deviated by several tens of mil volts due to the influence of the inter-liquid potential difference or the liquid resistance of the sample solution, but the potential measured by calibrating with a standard sample (for example, hydroquinone). The reproducibility of the value of can be guaranteed.
[0267]
Furthermore, as the black ink of the present invention, it is preferable to use an azo dye described in the following general formula (BK1). The azo dye described in the general formula (BK1) first corresponds to a dye (L) having a λmax of 500 nm to 700 nm and a half-value width of 100 nm or more in an absorption spectrum of a diluted solution normalized to an absorbance of 1.0. Things can be mentioned. In addition to this, a dye (S) having a λmax of 350 nm to 500 nm can also be cited as corresponding to the dye of the general formula (BK1). Preferably, at least one of the dyes (L) is a dye of the general formula (BK1), but particularly preferably at least one of the dyes (L) and (S) is a dye of the general formula (BK1). It is preferable that 90% by mass of the total dye in the ink is the dye of the general formula (BK1). (Condition 4)
General formula (BK1)
[0268]
Embedded image
Figure 0004154265
[0269]
The black ink used in the present invention is a black ink that satisfies at least one of the above conditions 1 to 4.
[0270]
Next, among the dyes represented by the general formula (BK1), those corresponding to the dye (L) will be described in detail.
[0271]
In the general formula (BK1), A, B and C each independently represent an optionally substituted aromatic group or an optionally substituted heterocyclic group (A and C are monovalent groups) , B is a divalent group). m is 1 or 2, and n is an integer of 0 or more.
Among them, a compound in which m and n are each 1 or 2 is preferable, and at that time, at least two of A, B and C are preferably an unsaturated heterocyclic group which may be substituted. Among these, m and n = 1 are particularly preferable, and at least B and C are unsaturated heterocyclic groups.
The azo dye represented by the general formula (BK1) is particularly preferably a dye represented by the following general formula (BK2).
General formula (BK2)
[0272]
Embedded image
Figure 0004154265
[0273]
In the general formula (BK2), A and B are as defined in the general formula (BK1). B1And B2Each = CR1-And -CR2= Or either one is a nitrogen atom and the other is = CR1-Or-CR2=.
G, R1And R2Each independently represents a hydrogen atom, halogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, cyano group, carboxyl group, carbamoyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, heterocyclic oxycarbonyl group, acyl Group, hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, silyloxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group (alkylamino group, arylamino group, complex Ring amino group), acylamino group, ureido group, sulfamoylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, alkyl or arylsulfonylamino group, heterocyclic sulfonylamino group, nitro group, alkyl or An arylthio group, a heterocyclic thio group, an alkyl- or arylsulfonyl group, heterocyclic sulfonyl group, an alkyl- or arylsulfinyl group, heterocyclic sulfinyl group, a sulfamoyl group or a sulfo group, and each group may be further substituted.
RFive, R6Each independently represents a hydrogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkyl or arylsulfonyl group, or sulfamoyl group, and each group May further have a substituent. However, RFive, R6Are not simultaneously hydrogen atoms.
R1And RFiveOr RFiveAnd R6May combine to form a 5- to 6-membered ring.
The azo dye represented by the general formula (BK2) is preferably a dye represented by the following general formula (BK3).
General formula (BK3)
[0274]
Embedded image
Figure 0004154265
[0275]
R in the above general formula (BK3)7And R8Is R in the general formula (BK2)1It is synonymous with.
[0276]
Examples of the halogen atom include a fluorine atom, a chlorine atom, and a bromine atom. An aliphatic group means an alkyl group, a substituted alkyl group, an alkenyl group, a substituted alkenyl group, an alkynyl group, a substituted alkynyl group, an aralkyl group, and a substituted aralkyl group. The aliphatic group may have a branch and may form a ring. The number of carbon atoms in the aliphatic group is preferably 1-20, and more preferably 1-16. The aryl part of the aralkyl group and the substituted aralkyl group is preferably phenyl or naphthyl, particularly preferably phenyl. Examples of aliphatic groups include methyl, ethyl, butyl, isopropyl, t-butyl, hydroxyethyl, methoxyethyl, cyanoethyl, trifluoromethyl, 3-sulfopropyl, 4-sulfobutyl, cyclohexyl group, benzyl group, 2-phenethyl Groups, vinyl groups, and allyl groups.
[0277]
The monovalent aromatic group means an aryl group and a substituted aryl group. The aryl group is preferably phenyl or naphthyl, particularly preferably phenyl. The monovalent aromatic group preferably has 6 to 20 carbon atoms, more preferably 6 to 16. Examples of the monovalent aromatic group include phenyl, p-tolyl, p-methoxyphenyl, o-chlorophenyl and m- (3-sulfopropylamino) phenyl. The divalent aromatic group is a divalent version of these monovalent aromatic groups. Examples thereof include phenylene, p-tolylene, p-methoxyphenylene, o-chlorophenylene, and m- (3 -Sulfopropylamino) phenylene, naphthylene and the like.
[0278]
The heterocyclic group includes a heterocyclic group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic group. The heterocyclic ring may be condensed with an aliphatic ring, an aromatic ring or another heterocyclic ring. As the heterocyclic group, a 5-membered or 6-membered heterocyclic group is preferable, and N, O, and S can be exemplified as the hetero atom of the heterocyclic ring. Examples of the substituent include aliphatic groups, halogen atoms, alkyl and arylsulfonyl groups, acyl groups, acylamino groups, sulfamoyl groups, carbamoyl groups, ionic hydrophilic groups, and the like. Examples of heterocyclic rings used for monovalent and divalent heterocyclic groups include pyridine, thiophene, thiazole, benzothiazole, benzoxazole, and furan ring.
[0279]
The carbamoyl group includes a carbamoyl group having a substituent and an unsubstituted carbamoyl group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the carbamoyl group include a methylcarbamoyl group and a dimethylcarbamoyl group.
[0280]
The alkoxycarbonyl group includes an alkoxycarbonyl group having a substituent and an unsubstituted alkoxycarbonyl group. As the alkoxycarbonyl group, an alkoxycarbonyl group having 2 to 20 carbon atoms is preferable. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxycarbonyl group include a methoxycarbonyl group and an ethoxycarbonyl group.
[0281]
The aryloxycarbonyl group includes an aryloxycarbonyl group having a substituent and an unsubstituted aryloxycarbonyl group. As the aryloxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group having 7 to 20 carbon atoms is preferable. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the aryloxycarbonyl group include a phenoxycarbonyl group.
[0282]
The heterocyclic oxycarbonyl group includes a heterocyclic oxycarbonyl group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic oxycarbonyl group. The heterocyclic oxycarbonyl group is preferably a heterocyclic oxycarbonyl group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic oxycarbonyl group include a 2-pyridyloxycarbonyl group.
The acyl group includes an acyl group having a substituent and an unsubstituted acyl group. The acyl group is preferably an acyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acyl group include an acetyl group and a benzoyl group.
[0283]
The alkoxy group includes an alkoxy group having a substituent and an unsubstituted alkoxy group. As an alkoxy group, a C1-C20 alkoxy group is preferable. Examples of the substituent include an alkoxy group, a hydroxyl group, and an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxy group include a methoxy group, an ethoxy group, an isopropoxy group, a methoxyethoxy group, a hydroxyethoxy group, and a 3-carboxypropoxy group.
[0284]
The aryloxy group includes an aryloxy group having a substituent and an unsubstituted aryloxy group. The aryloxy group is preferably an aryloxy group having 6 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkoxy group and an ionic hydrophilic group. Examples of the aryloxy group include a phenoxy group, a p-methoxyphenoxy group, and an o-methoxyphenoxy group.
[0285]
The heterocyclic oxy group includes a heterocyclic oxy group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic oxy group. The heterocyclic oxy group is preferably a heterocyclic oxy group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group, an alkoxy group, and an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic oxy group include a 3-pyridyloxy group and a 3-thienyloxy group.
[0286]
The silyloxy group is preferably a silyloxy group substituted with an aliphatic group or aromatic group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the silyloxy group include trimethylsilyloxy and diphenylmethylsilyloxy.
[0287]
The acyloxy group includes an acyloxy group having a substituent and an unsubstituted acyloxy group. As the acyloxy group, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms is preferable. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acyloxy group include an acetoxy group and a benzoyloxy group.
[0288]
The carbamoyloxy group includes a carbamoyloxy group having a substituent and an unsubstituted carbamoyloxy group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the carbamoyloxy group include an N-methylcarbamoyloxy group.
[0289]
The alkoxycarbonyloxy group includes an alkoxycarbonyloxy group having a substituent and an unsubstituted alkoxycarbonyloxy group. As the alkoxycarbonyloxy group, an alkoxycarbonyloxy group having 2 to 20 carbon atoms is preferable. Examples of the alkoxycarbonyloxy group include a methoxycarbonyloxy group and an isopropoxycarbonyloxy group.
[0290]
The aryloxycarbonyloxy group includes an aryloxycarbonyloxy group having a substituent and an unsubstituted aryloxycarbonyloxy group. The aryloxycarbonyloxy group is preferably an aryloxycarbonyloxy group having 7 to 20 carbon atoms. Examples of the aryloxycarbonyloxy group include a phenoxycarbonyloxy group.
[0291]
The amino group includes an amino group substituted with an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group, and the alkyl group, aryl group and heterocyclic group may further have a substituent. As the alkylamino group, an alkylamino group having 1 to 20 carbon atoms is preferable. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkylamino group include a methylamino group and a diethylamino group.
The arylamino group includes an arylamino group having a substituent and an unsubstituted arylamino group. The arylamino group is preferably an arylamino group having 6 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include a halogen atom and an ionic hydrophilic group. Examples of the arylamino group include an anilino group and a 2-chlorophenylamino group.
The heterocyclic amino group includes a heterocyclic amino group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic amino group. As the heterocyclic amino group, a heterocyclic amino group having 2 to 20 carbon atoms is preferable. Examples of the substituent include an alkyl group, a halogen atom, and an ionic hydrophilic group.
[0292]
The acylamino group includes an acylamino group having a substituent and an unsubstituted acylamino group. The acylamino group is preferably an acylamino group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the acylamino group include an acetylamino group, a propionylamino group, a benzoylamino group, an N-phenylacetylamino group, and a 3,5-disulfobenzoylamino group.
[0293]
The ureido group includes a ureido group having a substituent and an unsubstituted ureido group. The ureido group is preferably a ureido group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an alkyl group and an aryl group. Examples of the ureido group include a 3-methylureido group, a 3,3-dimethylureido group, and a 3-phenylureido group.
[0294]
The sulfamoylamino group includes a sulfamoylamino group having a substituent and an unsubstituted sulfamoylamino group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the sulfamoylamino group include an N, N-dipropylsulfamoylamino group.
[0295]
The alkoxycarbonylamino group includes an alkoxycarbonylamino group having a substituent and an unsubstituted alkoxycarbonylamino group. As the alkoxycarbonylamino group, an alkoxycarbonylamino group having 2 to 20 carbon atoms is preferable. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkoxycarbonylamino group include an ethoxycarbonylamino group.
[0296]
The aryloxycarbonylamino group includes an aryloxycarbonylamino group having a substituent and an unsubstituted aryloxycarbonylamino group. The aryloxycarbonylamino group is preferably an aryloxycarbonylamino group having 7 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the aryloxycarbonylamino group include a phenoxycarbonylamino group.
[0297]
The alkyl and arylsulfonylamino groups include substituted alkyl and arylsulfonylamino groups, and unsubstituted alkyl and arylsulfonylamino groups. As the sulfonylamino group, a sulfonylamino group having 1 to 20 carbon atoms is preferable. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of these sulfonylamino groups include a methylsulfonylamino group, an N-phenyl-methylsulfonylamino group, a phenylsulfonylamino group, and a 3-carboxyphenylsulfonylamino group.
[0298]
The heterocyclic sulfonylamino group includes a heterocyclic sulfonylamino group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic sulfonylamino group. The heterocyclic sulfonylamino group is preferably a heterocyclic sulfonylamino group having 1 to 12 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic sulfonylamino group include a 2-thiophenesulfonylamino group and a 3-pyridinesulfonylamino group.
[0299]
The heterocyclic sulfonyl group includes a heterocyclic sulfonyl group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic sulfonyl group. The heterocyclic sulfonyl group is preferably a heterocyclic sulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic sulfonyl group include a 2-thiophenesulfonyl group and a 3-pyridinesulfonyl group.
[0300]
The heterocyclic sulfinyl group includes a heterocyclic sulfinyl group having a substituent and an unsubstituted heterocyclic sulfinyl group. The heterocyclic sulfinyl group is preferably a heterocyclic sulfinyl group having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the heterocyclic sulfinyl group include a 4-pyridinesulfinyl group.
[0301]
The alkyl, aryl and heterocyclic thio groups include substituted alkyl, aryl and heterocyclic thio groups and unsubstituted alkyl, aryl and heterocyclic thio groups. Alkyl, aryl and heterocyclic thio groups are preferably those having 1 to 20 carbon atoms. Examples of the substituent include an ionic hydrophilic group. Examples of the alkyl, aryl and heterocyclic thio groups include a methylthio group, a phenylthio group, and a 2-pyridylthio group.
[0302]
The alkyl and arylsulfonyl groups include substituted alkyl and arylsulfonyl groups, unsubstituted alkyl and arylsulfonyl groups. Examples of alkyl and arylsulfonyl groups include methylsulfonyl and phenylsulfonyl groups, respectively.
[0303]
The alkyl and arylsulfinyl groups include substituted alkyl and arylsulfinyl groups, unsubstituted alkyl and arylsulfinyl groups. Examples of alkyl and arylsulfinyl groups include methylsulfinyl group and phenylsulfinyl group, respectively.
[0304]
The sulfamoyl group includes a sulfamoyl group having a substituent and an unsubstituted sulfamoyl group. Examples of the substituent include an alkyl group. Examples of the sulfamoyl group include a dimethylsulfamoyl group and a di- (2-hydroxyethyl) sulfamoyl group.
[0305]
Next, general formulas (BK1), (BK2), and (BK3) will be described.
In the following description, what has already been described applies to the group and the substituent.
In the general formula (BK1), A, B and C are each independently an optionally substituted aromatic group (A and C are monovalent aromatic groups such as aryl groups; B is a divalent aromatic group; A group such as an arylene group) or an optionally substituted heterocyclic group (A and C are monovalent heterocyclic groups; B is a divalent heterocyclic group). Examples of the aromatic ring include a benzene ring and a naphthalene ring, and examples of the hetero atom of the heterocyclic ring include N, O, and S. The heterocyclic ring may be condensed with an aliphatic ring, an aromatic ring or another heterocyclic ring.
The substituent may be an arylazo group or a heterocyclic azo group.
Moreover, at least two of A, B, and C are preferably heterocyclic groups.
[0306]
A preferable heterocyclic group for C includes an aromatic nitrogen-containing 6-membered heterocyclic group represented by the following general formula (BK4). When C is an aromatic nitrogen-containing 6-membered heterocyclic group represented by the following general formula (BK4), the general formula (BK1) corresponds to the general formula (BK2).
General formula (BK4)
[0307]
Embedded image
Figure 0004154265
[0308]
In the general formula (BK4), B1And B2Each = CR1-And -CR2= Or either one is a nitrogen atom and the other is = CR1-Or-CR2=, But each = CR1-, -CR2What represents = is more preferable.
RFive, R6Each independently represents a hydrogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkyl or arylsulfonyl group, sulfamoyl group, Furthermore, you may have a substituent. RFive, R6Preferred examples of the substituent represented by can include a hydrogen atom, an aliphatic group, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkyl group, or an arylsulfonyl group. More preferably, they are a hydrogen atom, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkyl or arylsulfonyl group. Most preferably, they are a hydrogen atom, an aryl group, and a heterocyclic group. Each group may further have a substituent. However, RFive, R6Are not simultaneously hydrogen atoms.
[0309]
G, R1, R2Are each independently a hydrogen atom, halogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, cyano group, carboxyl group, carbamoyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, heterocyclic oxycarbonyl group, acyl Group, hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, silyloxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyloxy group, amino group (alkylamino group, arylamino group, complex Ring amino group)), acylamino group, ureido group, sulfamoylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, alkyl or arylsulfonylamino group, heterocyclic sulfonylamino group, nitro group, alkyl and ali Thio group, a heterocyclic thio group, an alkylsulfonyl group, a heterocyclic sulfonyl group, an alkyl- or arylsulfinyl group, heterocyclic sulfinyl group, a sulfamoyl group or a sulfo group, and each group may be further substituted.
[0310]
Examples of the substituent represented by G include a hydrogen atom, halogen atom, aliphatic group, aromatic group, hydroxy group, alkoxy group, aryloxy group, acyloxy group, heterocyclic oxy group, amino group (alkylamino group, aryl group) An amino group, a heterocyclic amino group), an acylamino group, a ureido group, a sulfamoylamino group, an alkoxycarbonylamino group, an aryloxycarbonylamino group, an alkyl and arylthio group, or a heterocyclic thio group, more preferably A hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, a hydroxy group, an alkoxy group, an aryloxy group, an acyloxy group, an amino group (including an alkylamino group, an arylamino group, a heterocyclic amino group) or an acylamino group, among which a hydrogen atom, An anilino group and an acylamino group are most preferred. Each group may further have a substituent.
[0311]
R1, R2Preferred examples of the substituent represented by can include a hydrogen atom, an alkyl group, a halogen atom, an alkoxycarbonyl group, a carboxyl group, a carbamoyl group, a hydroxy group, an alkoxy group, and a cyano group. Each group may further have a substituent.
R1And RFiveOr RFiveAnd R6May combine to form a 5- to 6-membered ring.
A, R1, R2, RFive, R6In the case where each substituent represented by G further has a substituent, the above-mentioned G, R1, R2And the substituents mentioned in the above. A and R1, R2, RFive, R6, G preferably further has an ionic hydrophilic group as a substituent at any position.
Examples of the ionic hydrophilic group as a substituent include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group. As the ionic hydrophilic group, a carboxyl group, a phosphono group, and a sulfo group are preferable, and a carboxyl group and a sulfo group are particularly preferable. The carboxyl group, phosphono group, and sulfo group may be in the form of a salt. Examples of counter ions that form a salt include ammonium ions, alkali metal ions (eg, lithium ions, sodium ions, potassium ions), and organic cations. (Eg, tetramethylammonium ion, tetramethylguanidinium ion, tetramethylphosphonium).
[0312]
Preferred heterocycles when B is a ring structure include thiophene rings, thiazole rings, imidazole rings, benzothiazole rings, and thienothiazole rings. Each heterocyclic group may further have a substituent. Of these, thiophene rings, thiazole rings, imidazole rings, benzothiazole rings, and thienothiazole rings represented by the following general formulas (a) to (e) are preferable. In addition, when m = n = 1, B is a thiophene ring represented by (a), and C is a structure represented by the general formula (4), the general formula (BK1) is represented by the general formula This corresponds to (BK3).
[0313]
Embedded image
Figure 0004154265
[0314]
In the general formulas (a) to (e), R9To R17Is G, R in the general formula (BK2)1, R2And a substituent having the same meaning.
[0315]
In the present invention, a particularly preferred structure is represented by the following general formula (BK5).
General formula (BK5)
[0316]
Embedded image
Figure 0004154265
[0317]
Where Z1Represents an electron withdrawing group having a Hammett's substituent constant σp value of 0.20 or more. Z1Is preferably an electron-withdrawing group having a σp value of 0.30 or more, more preferably an electron-withdrawing group of 0.45 or more, and particularly preferably an electron-withdrawing group of 0.60 or more. It is desirable not to exceed. Specific examples of the preferred substituent include an electron-withdrawing substituent described later. Among them, an acyl group having 2 to 20 carbon atoms, an alkyloxycarbonyl group having 2 to 20 carbon atoms, a nitro group, a cyano group, An alkylsulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms, an arylsulfonyl group having 6 to 20 carbon atoms, a carbamoyl group having 1 to 20 carbon atoms, and a halogenated alkyl group having 1 to 20 carbon atoms are preferable. Particularly preferred are a cyano group, an alkylsulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms, and an arylsulfonyl group having 6 to 20 carbon atoms, and most preferred is a cyano group.
[0318]
R1, R2, RFive, R6Is synonymous with the general formula (BK2). RThree, RFourEach independently represents a hydrogen atom, aliphatic group, aromatic group, heterocyclic group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, alkyl or arylsulfonyl group, or sulfamoyl group. Among these, a hydrogen atom, an aromatic group, a heterocyclic group, an acyl group, an alkyl or arylsulfonyl group is preferable, and a hydrogen atom, an aromatic group, and a heterocyclic group are particularly preferable.
[0319]
Each group described in the general formula (BK5) may further have a substituent. When each of these groups further has a substituent, examples of the substituent include the substituents described in the general formula (BK2), G, R1, R2And the groups exemplified in 1) and ionic hydrophilic groups.
Here, Hammett's substituent constant σ used in the present specificationpThe value will be described. Hammett's rule was found in 1935 by L. L. in order to quantitatively discuss the effect of substituents on the reaction or equilibrium of benzene derivatives. P. A rule of thumb proposed by Hammett, which is widely accepted today. Substituent constants determined by Hammett's rule include a σp value and a σm value, and these values can be found in many general books. A. Dean, “Lange's Handbook of Chemistry”, 12th edition, 1979 (McGraw-Hill) and “Areas of Chemistry” special edition, 122, 96-103, 1979 (Nankodo). In the present invention, each substituent is replaced with Hammett's substituent constant σ.pHowever, this does not mean that the values known in the literature can be limited to only certain substituents that can be found in the above-mentioned book. Of course, it also includes substituents that would be included within that range when measured on the basis. In addition, the general formula (1) or (2) of the present invention includes those that are not benzene derivatives. However, as a measure showing the electronic effect of the substituent, σ can be used regardless of the substitution position.pUse the value. In the present invention, σpThe value is used in this sense.
[0320]
Hammett substituent constant σpExamples of the electron withdrawing group having a value of 0.60 or more include a cyano group, a nitro group, and an alkylsulfonyl group (for example, a methanesulfonyl group and an arylsulfonyl group (for example, a benzenesulfonyl group)).
Hammett σpAs the electron-withdrawing group having a value of 0.45 or more, in addition to the above, an acyl group (for example, acetyl group), an alkoxycarbonyl group (for example, dodecyloxycarbonyl group), an aryloxycarbonyl group (for example, m-chlorophenoxycarbonyl), An alkylsulfinyl group (for example, n-propylsulfinyl), an arylsulfinyl group (for example, phenylsulfinyl), a sulfamoyl group (for example, N-ethylsulfamoyl, N, N-dimethylsulfamoyl), a halogenated alkyl group (for example, Trifluoromethyl).
Hammett substituent constant σpAs an electron-withdrawing group having a value of 0.30 or more, in addition to the above, an acyloxy group (for example, acetoxy), a carbamoyl group (for example, N-ethylcarbamoyl, N, N-dibutylcarbamoyl), a halogenated alkoxy group (for example, , Trifluoromethyloxy), halogenated aryloxy group (eg, pentafluorophenyloxy), sulfonyloxy group (eg, methylsulfonyloxy group), halogenated alkylthio group (eg, difluoromethylthio), two or more σpAn aryl group substituted with an electron-withdrawing group having a value of 0.15 or more (for example, 2,4-dinitrophenyl, pentachlorophenyl) and a heterocycle (for example, 2-benzoxazolyl, 2-benzothiazolyl, 1- Phenyl-2-benzimidazolyl).
σpSpecific examples of the electron-withdrawing group having a value of 0.20 or more include a halogen atom in addition to the above.
[0321]
A particularly preferred combination of substituents as the azo dye represented by the general formula (BK3) is RFiveAnd R6And preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a heterocyclic group, a sulfonyl group or an acyl group, more preferably a hydrogen atom, an aryl group, a heterocyclic group or a sulfonyl group, most preferably a hydrogen atom, An aryl group and a heterocyclic group. However, RFiveAnd R6Are not hydrogen atoms.
G is preferably a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, a hydroxyl group, an amino group, or an acylamino group, more preferably a hydrogen atom, a halogen atom, an amino group, or an acylamino group, most preferably a hydrogen atom, an amino group. Group, an acylamino group.
A is preferably an aromatic group, a pyridine ring, a pyrazole ring, an imidazole ring, an isothiazole ring, a benzoisothiazole ring, a thiadiazole ring, a thiazole ring, a benzothiazole ring, a triazole ring, and further an aromatic group, pyridine A ring, an isothiazole ring, a benzoisothiazole ring, a thiadiazole ring and a benzothiazole ring, and most preferably an aromatic group, a pyridine ring and a benzothiazole ring.
B1And B2But each = CR1-, -CR2= And R1, R2Are each preferably a hydrogen atom, an alkyl group, a halogen atom, a cyano group, a carbamoyl group, a carboxyl group, a hydroxyl group, an alkoxy group, or an alkoxycarbonyl group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group, a carboxyl group, a cyano group, It is a carbamoyl group.
[0322]
In addition, about the preferable combination of a substituent of the compound represented by the said general formula (BK1), the compound whose at least 1 of a various substituent is the said preferable group is preferable, and many more various substituents are the said preferable. More preferred are compounds that are groups, and most preferred are compounds in which all substituents are the preferred groups.
[0323]
Specific examples of the azo dye represented by the general formula (BK1) are shown below, but the azo dye used in the present invention is not limited to the following examples, and also includes a carboxyl group, a phosphono group, and a sulfo group. May be in the form of a salt, and examples of counter ions that form salts include ammonium ions, alkali metal ions (eg, lithium ions, sodium ions, potassium ions) and organic cations (eg, tetramethylammonium ions, Tetramethylguanidinium ion, tetramethylphosphonium).
[0324]
[Table 27]
Figure 0004154265
[0325]
[Table 28]
Figure 0004154265
[0326]
[Table 29]
Figure 0004154265
[0327]
[Table 30]
Figure 0004154265
[0328]
[Table 31]
Figure 0004154265
[0329]
[Table 32]
Figure 0004154265
[0330]
The dyes represented by the general formulas (BK1), (BK2), (BK3), and (BK5) can be synthesized by a coupling reaction between a diazo component and a coupler. As the main synthesis method, it can be synthesized by the method described in Japanese Patent Application No. 2002-113460.
[0331]
When this dye (L) alone can achieve high image quality “(good) black” = black that does not depend on the observation light source and any of the color tones of B, G, and R is difficult to be emphasized. Although it is possible to use the dye alone as a black ink dye, it is generally used in combination with a dye that covers a region where the absorption of the dye is low. Usually, a preferable black is realized in combination with a dye or pigment having a main absorption in the yellow region. As the yellow dye, a direct dye or an acid dye represented by a commonly used azo dye or azomethine dye can be used. As the pigment, an aqueous dispersion of a general pigment having a pigment number can be used in combination. Among these, it is particularly preferable to use the dye represented by the general formula (BK1) as the short wave side dye (S) described above.
[0332]
Among the dyes represented by the general formula (BK1), azo dyes where m = n = 0 can be cited as preferred as the short wave side dye (S). At this time, A and C are preferably heteroaromatic rings. Next preferred are azo dyes where m = n = 1.
[0333]
In any case, a dye having an oxidation potential (Eox) of 1.0 V (vsSCE) is preferable, and a dye having an Eox of 1.2 V (vsSCE) is particularly preferable.
In the black ink, at least two kinds of long-wave side dyes can be used in combination.
[0334]
It is also possible to produce a black ink by using another dye in combination.
The black ink for inkjet recording of the present invention contains 0.2 to 25% by mass, preferably 0.5 to 15% by mass of the dye of the general formula (BK1) as a whole.
[0335]
Yellow dyes and yellow pigments, which will be described later, are also used as dyes having λmax of 350 nm to 500 nm.
[0336]
The black dye of the present invention is substantially water-soluble or water-dispersible. In particular, the ink composition containing the black dye of the present invention is preferably a solution type ink composition in which the dye is water-soluble. Specifically, the solubility of the dye in water at 20 ° C. is preferably 2% by mass, more preferably 5% by mass or more.
[0337]
The dye other than the black dye in the present invention is preferably substantially water-soluble or water-dispersible. Specifically, the solubility of the dye in water at 20 ° C. is preferably 2% by mass or more, and more preferably 5% by mass or more.
[0338]
Further, when two or more types of ink are prepared, one can be a light light ink and the other can be a dark ink. In the present invention, it is also possible to make such an ink separately. In addition, it is possible to prepare ink compositions having almost the same concentration.
[0339]
Examples of usable dyes other than the black dye include triarylmethane dyes, anthraquinone dyes, anthrapyridone dyes, azomethine dyes, azo dyes, cyanine dyes, merocyanine dyes, oxonol dyes, and other dyes known in the art alone or in combination ( It is possible to use it in combination so that it is preferably a black dye. Of these, azo dyes are particularly preferred.
[0340]
More specifically, yellow dyes include, for example, aryls or heteryl azo dyes having phenols, naphthols, anilines, pyrazolones, pyridones, open-chain active methylene compounds as coupling components; Azomethine dyes having a type active methylene compound; methine dyes such as benzylidene dyes and monomethine oxonol dyes; quinone dyes such as naphthoquinone dyes and anthraquinone dyes, etc. Examples thereof include quinophthalone dyes, nitro / nitroso dyes, acridine dyes, and acridinone dyes. These dyes may be those that exhibit yellow only after a part of the chromophore is dissociated, in which case the counter cation may be an alkali metal or an inorganic cation such as ammonium, pyridinium, It may be an organic cation such as a quaternary ammonium salt, and further may be a polymer cation having them in a partial structure.
[0341]
Examples of magenta dyes include, for example, aryl or heteryl azo dyes having phenols, naphthols, and anilines as coupling components; azomethine dyes having pyrazolones and pyrazolotriazoles as coupling components; Dyes, methine dyes such as oxonol dyes; carbonium dyes such as diphenylmethane dyes, triphenylmethane dyes, xanthene dyes, quinone dyes such as naphthoquinone, anthraquinone, anthrapyridone, etc. Examples thereof include ring dyes. These dyes may exhibit magenta only after part of the chromophore is dissociated, and the counter cation in that case may be an alkali metal or an inorganic cation such as ammonium, pyridinium, It may be an organic cation such as a quaternary ammonium salt, and further may be a polymer cation having them in a partial structure.
[0342]
Examples of cyan dyes include azomethine dyes such as indoaniline dyes and indophenol dyes; polymethine dyes such as cyanine dyes, oxonol dyes and merocyanine dyes; carbonium dyes such as diphenylmethane dyes, triphenylmethane dyes and xanthene dyes; phthalocyanine Dyes; anthraquinone dyes; For example, aryl or heteryl azo dyes having phenols, naphthols and anilines as coupling components, and indigo / thioindigo dyes can be mentioned. These dyes may exhibit cyan only after a part of the chromophore is dissociated, and the counter cation in that case may be an alkali metal or an inorganic cation such as ammonium, pyridinium, It may be an organic cation such as a quaternary ammonium salt, and further may be a polymer cation having them in a partial structure.
[0343]
Examples of water-soluble dyes include direct dyes, acid dyes, food dyes, basic dyes, and reactive dyes. As a preferable thing,
CI Direct Red 2, 4, 9, 23, 26, 31, 39, 62, 63, 72, 75, 76, 79, 80, 81, 83, 84, 89, 92, 95, 111, 173, 184, 207 , 211, 212, 214, 218, 21, 223, 224, 225, 226, 227, 232, 233, 240, 241, 242, 243, 247
C.I.Direct Violet 7, 9, 47, 48, 51, 66, 90, 93, 94, 95, 98, 100, 101
CI Direct Yellow 8, 9, 11, 12, 27, 28, 29, 33, 35, 39, 41, 44, 50, 53, 58, 59, 68, 86, 87, 93, 95, 96, 98, 100 , 106, 108, 109, 110, 130, 132, 142, 144, 161, 163
CI Direct Blue 1, 10, 15, 22, 25, 55, 67, 68, 71, 76, 77, 78, 80, 84, 86, 87, 90, 98, 106, 108, 109, 151, 156, 158 , 159, 160, 168, 189, 192, 193, 194, 199, 200, 201, 202, 203, 207, 211, 213, 214, 218, 225, 229, 236, 237, 244, 248, 249, 251 252 264 270 280 288 289 291
CI Direct Black 9, 17, 19, 22, 32, 51, 56, 62, 69, 77, 80, 91, 94, 97, 108, 112, 113, 114, 117, 118, 121, 122, 125, 132 , 146, 154, 166, 168, 173, 199
CI Acid Red 35, 42, 52, 57, 62, 80, 82, 111, 114, 118, 119, 127, 128, 131, 143, 151, 154, 158, 249, 254, 257, 261, 263, 266 , 289, 299, 301, 305, 336, 337, 361, 396, 397
C.I.Acid Violet 5, 34, 43, 47, 48, 90, 103, 126
CI Acid Yellow 17, 19, 23, 25, 39, 40, 42, 44, 49, 50, 61, 64, 76, 79, 110, 127, 135, 143, 151, 159, 169, 174, 190, 195 , 196, 197, 199, 218, 219, 222, 227
CI Acid Blue 9, 25, 40, 41, 62, 72, 76, 78, 80, 82, 92, 106, 112, 113, 120, 127: 1, 129, 138, 143, 175, 181, 205, 207 220, 221, 230, 232, 247, 258, 260, 264, 271, 277, 278, 279, 280, 288, 290, 326
C.I.Acid Black 7, 24, 29, 48, 52: 1, 172
C.I.Reactive Red 3, 13, 17, 19, 21, 22, 23, 24, 29, 35, 37, 40, 41, 43, 45, 49, 55
C.I.Reactive Violet 1, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 16, 17, 22, 23, 24, 26, 27, 33, 34
C.I.Reactive Yellow 2, 3, 13, 14, 15, 17, 18, 23, 24, 25, 26, 27, 29, 35, 37, 41, 42
C.I.Reactive Blue 2, 3, 5, 8, 10, 13, 14, 15, 17, 18, 19, 21, 25, 26, 27, 28, 29, 38
C.I.Reactive Black 4, 5, 8, 14, 21, 23, 26, 31, 32, 34
C.I.Basic Red 12, 13, 14, 15, 18, 22, 23, 24, 25, 27, 29, 35, 36, 38, 39, 45, 46
C.I.Basic Violet 1, 2, 3, 7, 10, 15, 16, 20, 21, 25, 27, 28, 35, 37, 39, 40, 48
C.I.Basic Yellow 1, 2, 4, 11, 13, 14, 15, 19, 21, 23, 24, 25, 28, 29, 32, 36, 39, 40
C.I.Basic Blue 1, 3, 5, 7, 9, 22, 26, 41, 45, 46, 47, 54, 57, 60, 62, 65, 66, 69, 71
C.I. Basic Black 8, etc.
[0344]
In addition, in the ink of the present invention, other dyes may be used in combination with the dye in order to adjust the color tone for obtaining a full-color image. Examples of other pigments that can be used in combination include the above-mentioned dyes and the following pigments.
[0345]
As the pigment used in the present invention, in addition to commercially available pigments, known pigments described in various documents can be used. Regarding the literature, the Color Index (Edited by The Society of Dyers and Colorists), "Revised New Edition Pigment Handbook" edited by Japan Pigment Technology Association (1989), "Latest Pigment Applied Technology" CMC Publishing (1986), "Printing Ink Technology" CMC Publication (1984), Industrial Organic Pigments (VCH Verlagsgesellschaft, 1993) by W. Herbst and K. Hunger. Specifically, for organic pigments, azo pigments (azo lake pigments, insoluble azo pigments, condensed azo pigments, chelate azo pigments), polycyclic pigments (phthalocyanine pigments, anthraquinone pigments, perylene and perinone pigments, indigo pigments, quinacridone Pigments, dioxazine pigments, isoindolinone pigments, quinophthalone pigments, diketopyrrolopyrrole pigments, dyed lake pigments (acid or basic dye lake pigments), azine pigments, etc. CI Pigment Yellow 34, 37, 42, 53 for yellow pigments, CI Pigment Red 101, 108 for red pigments, CI Pigment Blue 27, 29, 17: 1 for blue pigments, CI Pigment Black for black pigments 7, white pigment CI Pigment White 4,6,18,21 and the like.
[0346]
As a pigment having a preferable color tone for image formation, a phthalocyanine pigment, an anthraquinone-based indanthrone pigment (for example, CI Pigment Blue 60), a dyed lake pigment-based triarylcarbonium pigment are preferable for blue to cyan pigments, and in particular phthalocyanine. Pigments (preferred examples include copper phthalocyanine such as CI Pigment Blue 15: 1, 15: 2, 15: 3, 15: 4, and 15: 6, monochloro or low chlorinated copper phthalocyanine, and arnium phthalocyanine. Pigment described in European Patent No. 860475, metal-free phthalocyanine which is CI Pigment Blue 16, phthalocyanine whose central metal is Zn, Ni, Ti, etc., among which CI Pigment Blue 15: 3, 15: 4, aluminum phthalocyanine ) Is most preferred.
[0347]
For red to violet pigments, azo pigments (preferred examples include CI Pigment Red 3, 5, 11, 22, 38, 48: 1, 48: 2, 48: 3, 48: 3, 48: 3, 48: 3). 4, 49: 1, 52: 1, 53: 1, 57: 1, 63: 2, 144, 146, 184), etc. 146, 184), quinacridone pigments (preferred examples include CI Pigment Red 122, 192, 202, 207, 209, CI Pigment Violet 19, 42, and among them, CI Pigment Red 122). Dye-attached lake pigment triarylcarbonium pigments (preferred examples include xanthene CI Pigment Red 81: 1, CI Pigment Violet 1, 2, 3, 27, 39), dioxazine pigments (for example, CI Pigment Violet 23, 37), diketopyrrolopyrrole pigment (eg CI Pigment Red 254), perylene pigment (eg CI Pigment Violet 29), anthraquinone Fee (e.g., C. I. Pigment Violet 5: 1, the 31, the 33), thioindigo (e.g. C. I. Pigment Red 38, the 88) is preferably used.
[0348]
As yellow pigments, azo pigments (preferred examples include monoazo pigment-based CI Pigment Yellow 1, 3, 74, 98, disazo pigment-based CI Pigment Yellow 12, 13,14, 16, 17, 83, CI Pigment Yellow 93, 94, 95, 128, 155, benzimidazolone-based CI Pigment Yellow 120, 151, 154, 156, 180, etc., among which preferable ones do not use benzidine-based compounds), iso Indoline / isoindolinone pigments (preferred examples include CI Pigment Yellow 109, 110, 137, 139), quinophthalone pigments (preferred examples include CI Pigment Yellow 138), and furapantron pigments (for example, CI Pigment Yellow 24) Is preferably used.
[0349]
Preferred examples of the black pigment include inorganic pigments (preferably carbon black and magnetite as examples) and aniline black.
In addition, an orange pigment (such as C.I. Pigment Orange 13, 16) or a green pigment (such as C.I. Pigment Green 7) may be used.
[0350]
The pigment that can be used in the present invention may be the above-mentioned bare pigment or a surface-treated pigment. Surface treatment methods include resin or wax surface coating, surfactant deposition, reactive substances (eg radicals derived from silane coupling agents, epoxy compounds, polyisocyanates, diazonium salts, etc.) pigments A method of bonding to the surface is conceivable and is described in the following documents and patents.
(1) Properties and applications of metal soap (Sachishobo)
(2) Printing ink printing (CMC Publishing 1984)
(3) Latest pigment application technology (CMC Publishing 1986)
(4) U.S. Patent Nos. 5,554,739 and 5,571,311
(5) JP-A-9-151342, 10-140065, 10-292143, 11-166145
In particular, self-dispersing pigments prepared by allowing carbon black to act on the diazonium salt described in the US patent of (4) above, and encapsulated pigments prepared by the method described in the Japanese patent of (5) above Is particularly effective because dispersion stability can be obtained without using an extra dispersant in the ink.
[0351]
In the present invention, the pigment may be further dispersed using a dispersant. Various known dispersants can be used in accordance with the pigment to be used, for example, a surfactant-type low-molecular dispersant or a polymer-type dispersant. Examples of the dispersant include those described in JP-A-3-69949, European Patent 549486 and the like. In addition, when a dispersant is used, a pigment derivative called a synergist may be added to promote adsorption of the dispersant to the pigment.
The particle size of the pigment that can be used in the present invention is preferably in the range of 0.01 to 10 μm, more preferably 0.05 to 1 μm after dispersion.
As a method for dispersing the pigment, a known dispersion technique used in ink production or toner production can be used. Examples of the dispersing machine include vertical or horizontal agitator mills, attritors, colloid mills, ball mills, three roll mills, pearl mills, super mills, impellers, dispersers, KD mills, dynatrons, and pressure kneaders. Details are described in "Latest Pigment Application Technology" (CMC Publishing, 1986).
[0352]
Next, other components that can be contained in the ink composition for inkjet recording of the present invention will be described.
The ink composition for ink jet recording of the present invention can contain a surfactant, thereby improving the ejection stability of the ink composition by adjusting the liquid physical properties of the ink composition, and improving the water resistance of the image. It is possible to have excellent effects in improving the property and preventing bleeding of the printed ink composition.
Examples of the surfactant include anionic surfactants such as sodium dodecyl sulfate, sodium dodecyloxysulfonate, sodium alkylbenzene sulfonate, and cationic surfactants such as cetylpyridinium chloride, trimethylcetylammonium chloride, and terabutylammonium chloride. And nonionic surfactants such as polyoxyethylene nonylphenyl ether, polyoxyethylene naphthyl ether, and polyoxyethylene octylphenyl ether. Among these, nonionic surfactants are particularly preferably used.
[0353]
The content of the surfactant is 0.001 to 15% by mass, preferably 0.005 to 10% by mass, and more preferably 0.01 to 5% by mass with respect to the ink composition.
[0354]
The ink for inkjet recording of the present invention can be produced by dissolving and / or dispersing a dye and a surfactant in an aqueous medium. The “aqueous medium” in the present invention means a mixture of water or a mixture of water and a small amount of a water-miscible organic solvent with additives such as a wetting agent, a stabilizer and a preservative added as necessary.
[0355]
Examples of water-miscible organic solvents (including water-soluble organic solvents) that can be used in the present invention include alcohols (eg, methanol, ethanol, propanol, isopropanol, butanol, isobutanol, sec-butanol, t-butanol, Pentanol, hexanol, cyclohexanol, benzyl alcohol), polyhydric alcohols (for example, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, polyethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, polypropylene glycol, butylene glycol, hexanediol, pentanediol, Glycerin, hexanetriol, thiodiglycol), glycol derivatives (eg, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol) Monoethyl ether, ethylene glycol monobutyl ether, diethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, propylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monobutyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, triethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol diacetate, ethylene glycol Monomethyl ether acetate, triethylene glycol monomethyl ether, triethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monophenyl ether), amine (for example, ethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, N-methyldiethanolamine, N-ethyldiethanolamine, morpholine, N -D Lumorpholine, ethylenediamine, diethylenetriamine, triethylenetetramine, polyethyleneimine, tetramethylpropylenediamine) and other polar solvents (eg, formamide, N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, dimethylsulfoxide, sulfolane, 2- Pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, N-vinyl-2-pyrrolidone, 2-oxazolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone, acetonitrile, acetone). In addition, the said water miscible organic solvent may use 2 or more types together. In the present invention, among these, a water-soluble organic solvent having a boiling point of 150 ° C. or higher is preferably used.
[0356]
When the dye is an oil-soluble dye, it can be prepared by dissolving the oil-soluble dye in a high-boiling organic solvent and emulsifying and dispersing it in an aqueous medium.
The boiling point of the high-boiling organic solvent used in the present invention is 150 ° C. or higher, preferably 170 ° C. or higher.
For example, phthalate esters (eg, dibutyl phthalate, dioctyl phthalate, dicyclohexyl phthalate, di-2-ethylhexyl phthalate, decyl phthalate, bis (2,4-di-tert-amylphenyl) isophthalate, bis (1, 1-diethylpropyl) phthalate), esters of phosphoric acid or phosphones (eg diphenyl phosphate, triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, 2-ethylhexyl diphenyl phosphate, dioctyl butyl phosphate, tricyclohexyl phosphate, tri-2-ethylhexyl phosphate , Tridodecyl phosphate, di-2-ethylhexyl phenyl phosphate), benzoic acid esters (eg 2-ethylhexyl benzoate, 2,4-dioxy) Lolobenzoate, dodecylbenzoate, 2-ethylhexyl-p-hydroxybenzoate), amides (eg, N, N-diethyldodecanamide, N, N-diethyllaurylamide), alcohols or phenols (isostearyl alcohol, 2, 4-di-tert-amylphenol), aliphatic esters (eg, dibutoxyethyl succinate, di-2-ethylhexyl succinate, 2-hexyldecyl tetradecanoate, tributyl citrate, diethyl azelate, isostearyl lactate , Trioctyl citrate), aniline derivatives (N, N-dibutyl-2-butoxy-5-tert-octylaniline, etc.), chlorinated paraffins (paraffins having a chlorine content of 10% to 80%), trimesic acid esters Class (for example , Tributyl trimesate), dodecylbenzene, diisopropylnaphthalene, phenols (for example, 2,4-di-tert-amylphenol, 4-dodecyloxyphenol, 4-dodecyloxycarbonylphenol, 4- (4-dodecyloxyphenylsulfonyl) ) Phenol), carboxylic acids (eg 2- (2,4-di-tert-amylphenoxybutyric acid, 2-ethoxyoctanedecanoic acid), alkyl phosphoric acids (eg di-2 (ethylhexyl) phosphoric acid, diphenylphosphoric acid) The high-boiling organic solvent can be used in an amount of 0.01 to 3 times, preferably 0.01 to 1.0 times the mass ratio of the oil-soluble dye.
These high-boiling organic solvents may be used alone or in a mixture of several types (eg tricresyl phosphate and dibutyl phthalate, trioctyl phosphate and di (2-ethylhexyl) sebacate, dibutyl phthalate and poly (Nt-butyl). Acrylamide)].
[0357]
Examples of other high boiling point organic solvents used in the present invention and / or methods for synthesizing these high boiling point organic solvents are disclosed in, for example, U.S. Pat. Nos. 2,322,027, 2,533,514, 2,772,163, 2,835,579, No. 3,594,171, No. 3,676,137, No. 3,689,271, No. 3,700,454, No. 3,748,141, No. 3,764,336, No. 3,765,897, No. 3,912,515, No. 3,936,303, No. 4,004,928 No. 4,080,209, No. 4,127,413, No. 4,193,802, No. 4,207,393, No. 4,220,711, No. 4,239,851, No. 4,278,757, No. 4,353,979, No. 4,363,873, No. 4,430,421 No. 4,430,422, No. 4,464,464, No. 4,483,918, No. 4,540,657, No. 4,684,606, No. 4,728,599, No. 4,745,049, No. 4,935,321, No. 5,013,639, European Patent No. 276,319A 286,253A, 289,820A, 309,158A, 309,159A 309,160A, 509,311A, 510,576A, East German Patents 147,009, 157,147, 159,573, 225,240A, British Patent 2,091,124A, Special Kaisho 48-47335, 50-26530, 51-25133, 51-26036, 51-27921, 51-27922, 51-149028, 52-46816, 53-1520, 53-1521, 53-15127, 53-146622, 54-91325, 54-106228, 54-118246, 55-59464, 56- 64333, 56-81836, 59-204041, 61-84641, 62-118345, 62-247364, 63-167357, 63-214744, 63-301941 No. 64-9452, No. 64-9454, No. 64-68745, JP-A No. 1-101543, No. 1-102454, No. 2-792, No. 2-4239, No. 2-43541, No. 4-29237, No. 4-30165, No. 4-232946, No. 4-346338, etc.
The high boiling point organic solvent is used in an amount of 0.01 to 3.0 times, preferably 0.01 to 1.0 times the mass ratio of the oil-soluble dye.
[0358]
In the present invention, the oil-soluble dye and the high boiling point organic solvent are emulsified and dispersed in an aqueous medium. In the emulsification dispersion, a low boiling organic solvent can be used depending on the case from the viewpoint of emulsification. The low boiling point organic solvent is an organic solvent having a boiling point of about 30 ° C. or higher and 150 ° C. or lower at normal pressure. For example, esters (eg ethyl acetate, butyl acetate, ethyl propionate, β-ethoxyethyl acetate, methyl cellosolve acetate), alcohols (eg isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, secondary butyl alcohol), ketones (eg methyl isobutyl) Ketones, methyl ethyl ketone, cyclohexanone), amides (for example, dimethylformamide, N-methylpyrrolidone), ethers (for example, tetrahydrofuran, dioxane) and the like are preferably used, but are not limited thereto.
[0359]
The emulsification dispersion is used to disperse an oil phase in which a dye is dissolved in a mixed solvent of a high-boiling organic solvent and, optionally, a low-boiling organic solvent, in an aqueous phase mainly composed of water to form fine oil droplets in the oil phase. Done. At this time, additives such as a surfactant, a wetting agent, a dye stabilizer, an emulsion stabilizer, an antiseptic and an antifungal agent, which will be described later, are added to either or both of the aqueous phase and the oil phase as necessary. be able to.
As an emulsification method, a method of adding an oil phase to an aqueous phase is common, but a so-called phase inversion emulsification method in which an aqueous phase is dropped into an oil phase can also be preferably used.
[0360]
In the emulsification dispersion of the present invention, various surfactants can be used. Anionic interfaces such as fatty acid salts, alkyl sulfate esters, alkyl benzene sulfonates, alkyl naphthalene sulfonates, dialkyl sulfosuccinates, alkyl phosphate esters, naphthalene sulfonate formalin condensates, polyoxyethylene alkyl sulfates, etc. Activator, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl allyl ether, polyoxyethylene fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene alkylamine, glycerin fatty acid ester, oxyethyleneoxypropylene block copolymer Nonionic surfactants such as Further, SURFYNOLS (Air Products & Chemicals), which is an acetylene-based polyoxyethylene oxide surfactant, is also preferably used. An amine oxide type amphoteric surfactant such as N, N-dimethyl-N-alkylamine oxide is also preferred. Further, pages (37) to (38) of JP-A-59-157,636, Research Disclosure No. The surfactants described in 308119 (1989) can also be used.
[0361]
For the purpose of stabilization immediately after emulsification, a water-soluble polymer can be added in combination with the surfactant. As the water-soluble polymer, polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, polyethylene oxide, polyacrylic acid, polyacrylamide or a copolymer thereof is preferably used. It is also preferable to use natural water-soluble polymers such as polysaccharides, casein, and gelatin. Further, for stabilization of the dye dispersion, acrylic acid esters, methacrylic acid esters, vinyl esters, acrylamides, methacrylamides, olefins, styrenes, vinyl ethers that are not substantially soluble in an aqueous medium, Polyvinyl, polyurethane, polyester, polyamide, polyurea, polycarbonate and the like obtained by polymerization of acrylonitrile can also be used in combination. These polymers are -SOThree -, -COO-It is preferable to contain. When these polymers that do not substantially dissolve in an aqueous medium are used in combination, it is preferably used in an amount of 20% by mass or less, more preferably 10% by mass or less of the high boiling point organic solvent.
[0362]
When an oil-soluble dye or a high-boiling organic solvent is dispersed by emulsification and dispersion to form an aqueous ink composition, the control of the particle size is particularly important. In order to increase color purity and density when an image is formed by inkjet, it is essential to reduce the average particle size. The volume average particle size is preferably 1 μm or less, more preferably 5 to 100 nm.
In addition to static light scattering, dynamic light scattering, and centrifugal sedimentation, the methods for measuring the volume average particle size and particle size distribution of the dispersed particles are described in pages 417 to 418 of Experimental Chemistry Course 4th edition. It can be easily measured by a known method such as using a method. For example, it is diluted with distilled water so that the particle concentration in the ink composition is 0.1 to 1% by mass, and is a commercially available volume average particle size measuring device (for example, Microtrac UPA (manufactured by Nikkiso Co., Ltd.)). Can be measured easily. Furthermore, the dynamic light scattering method using the laser Doppler effect is particularly preferable because it can measure the particle size up to a small size.
The volume average particle diameter is an average particle diameter weighted by the particle volume, and is the sum of the diameter of each particle multiplied by the volume of the particle divided by the total volume of the particles. The volume average particle diameter is described on page 119 of “Chemistry of Polymer Latex” (by Soichi Muroi, Polymer Press Society).
[0363]
It was also found that the presence of coarse particles also plays a very important role in printing performance. That is, it has been found that the coarse particles clog the nozzles of the head, or even if the clogs are not clogged, non-ejection of ink and deviation of the ejection are caused, and the printing performance is seriously affected. In order to prevent this, it is important to keep the number of particles of 5 μm or more to 10 or less and 1 μm or more to 1000 or less in 1 μl of ink.
As a method for removing these coarse particles, a known centrifugal separation method, microfiltration method, or the like can be used. These separation means may be performed immediately after the emulsification dispersion, or may be performed immediately after filling the ink dispersion with various additives such as a wetting agent and a surfactant.
A mechanical emulsifier can be used as an effective means for reducing the average particle size and eliminating coarse particles.
[0364]
As the emulsifying device, known devices such as a simple stirrer, impeller stirring method, in-line stirring method, mill method such as colloid mill, and ultrasonic method can be used, but the use of a high-pressure homogenizer is particularly preferable.
The high-pressure homogenizer is described in detail in US Pat. No. 4,533,254, JP-A-6-47264, etc., but as a commercially available apparatus, a Gorin homogenizer (APV GAULIN INC.), A microfluidizer ( MICROFLUIDEX INC.), Optimizer (Sugino Machine Co., Ltd.) and the like.
In addition, a high-pressure homogenizer equipped with a mechanism for atomizing in an ultrahigh-pressure jet stream as described in US Pat. No. 5,720,551 in recent years is particularly effective for the emulsification dispersion of the present invention. An example of an emulsifying apparatus using this ultra-high pressure jet flow is DeBEE2000 (BEE INTERNIONAL LTD.).
[0365]
The pressure when emulsifying with the high-pressure emulsifying dispersion device is 50 MPa or more, preferably 60 MPa or more, more preferably 180 MPa or more.
For example, it is a particularly preferable method that two or more types of emulsifiers are used in combination by a method such as emulsification with a stirring emulsifier and then passing through a high-pressure homogenizer. Also preferred is a method of once emulsifying and dispersing with these emulsifiers, adding an additive such as a wetting agent or a surfactant, and then passing the high-pressure homogenizer again while filling the cartridge with ink.
When a low boiling point organic solvent is contained in addition to the high boiling point organic solvent, it is preferable to remove the low boiling point solvent from the viewpoint of the stability of the emulsion and safety and health. Various known methods can be used as the method for removing the low boiling point solvent depending on the type of the solvent. That is, an evaporation method, a vacuum evaporation method, an ultrafiltration method, and the like. This step of removing the low-boiling organic solvent is preferably performed as soon as possible immediately after emulsification.
[0366]
The ink composition for ink jet recording obtained in the present invention includes a drying inhibitor for preventing clogging due to dry operation at an ink jetting port, a penetration accelerator for allowing the ink to permeate the paper better, and UV absorption. An appropriate amount of additives such as an agent, an antioxidant, a viscosity modifier, a surface tension modifier, a dispersant, a dispersion stabilizer, an antifungal agent, a rust inhibitor, and a pH adjuster can be appropriately selected and used.
[0367]
The drying inhibitor used in the present invention is preferably a water-soluble organic solvent having a vapor pressure lower than that of water. Specific examples include ethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, polyethylene glycol, thiodiglycol, dithiodiglycol, 2-methyl-1,3-propanediol, 1,2,6-hexanetriol, acetylene glycol derivatives, glycerin. Polyhydric alcohols typified by trimethylolpropane, etc., lower alkyl ethers of polyhydric alcohols such as ethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, diethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, triethylene glycol monoethyl (or butyl) ether 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone, heterocyclic rings such as N-ethylmorpholine, sulfolane, dimethyl sulfoxide, 3 Sulfur-containing compounds such as sulfolane, diacetone alcohol, polyfunctional compounds such as diethanolamine, and urea derivatives. Of these, polyhydric alcohols such as glycerin and diethylene glycol are more preferred. Moreover, said drying inhibitor may be used independently and may be used together 2 or more types. These drying inhibitors are preferably contained in the ink in an amount of 10 to 50% by mass.
[0368]
Examples of penetration enhancers used in the present invention include alcohols such as ethanol, isopropanol, butanol, di (tri) ethylene glycol monobutyl ether, 1,2-hexanediol, sodium lauryl sulfate, sodium oleate, and nonionic surfactants. Etc. can be used. If these are contained in the ink in an amount of 10 to 30% by mass, the effect is sufficient, and it is preferable to use them in a range of addition amounts that do not cause printing bleeding and paper loss (print through).
[0369]
Examples of the ultraviolet absorber used for improving the storability of the image in the present invention include JP-A Nos. 58-185677, 61-190537, JP-A-2-782, and JP-A-5-97075. Benzotriazole compounds described in JP-A-9-34057, etc., benzophenone compounds described in JP-A No. 46-2784, JP-A No. 5-194443, US Pat. No. 3,214,463, etc. 48-30492, 56-21114, and cinnamic acid compounds described in JP-A-10-88106, JP-A-4-298503, JP-A-8-53427, and 8-239368. And triazine compounds described in JP-A-10-182621, JP-A-8-501291, etc. Jar No. Compounds described in No. 24239, compounds that emit fluorescence by absorbing ultraviolet rays typified by stilbene-based and benzoxazole-based compounds, so-called fluorescent brighteners, can also be used.
[0370]
In the present invention, various kinds of organic and metal complex anti-fading agents can be used as the antioxidant used to improve image storage stability. Organic anti-fading agents include hydroquinones, alkoxyphenols, dialkoxyphenols, phenols, anilines, amines, indanes, chromans, alkoxyanilines, heterocycles, etc. Complex, zinc complex and the like. More specifically, Research Disclosure No. No. 17643, Nos. VII to I, J; 15162, ibid. No. 18716, page 650, left column, ibid. No. 36544, page 527, ibid. No. 307105, page 872, ibid. The compounds described in the patent cited in No. 15162 and the compounds included in the general formulas and compound examples of the representative compounds described in pages 127 to 137 of JP-A-62-215272 can be used.
[0371]
Antifungal agents used in the present invention include sodium dehydroacetate, sodium benzoate, sodium pyridinethione-1-oxide, p-hydroxybenzoic acid ethyl ester, 1,2-benzisothiazolin-3-one and salts thereof. Can be mentioned. These are preferably used in the ink in an amount of 0.02 to 5.00% by mass.
Details of these are described in “Encyclopedia of Antibacterial and Antifungal Agents” (edited by the Japanese Association of Antimicrobial and Antifungal Society).
Examples of the rust inhibitor include acidic sulfite, sodium thiosulfate, ammonium thioglycolate, diisopropylammonium nitrite, pentaerythritol tetranitrate, dicyclohexylammonium nitrite, and benzotriazole. These are preferably used in the ink in an amount of 0.02 to 5.00% by mass.
[0372]
The pH adjuster used in the present invention can be suitably used in terms of adjusting pH, imparting dispersion stability, etc., and the pH of the ink at 25 ° C. is preferably adjusted to 8-11. When the pH is less than 8, the solubility of the dye is lowered and the nozzle is easily clogged, and when it exceeds 11, the water resistance tends to deteriorate. As a pH adjuster, an organic base, an inorganic alkali, etc. are mentioned as a basic thing, An organic acid, an inorganic acid, etc. are mentioned as an acidic thing.
Examples of the organic base include triethanolamine, diethanolamine, N-methyldiethanolamine, and dimethylethanolamine. Examples of the inorganic alkali include alkali metal hydroxides (for example, sodium hydroxide, lithium hydroxide, potassium hydroxide, etc.), carbonates (for example, sodium carbonate, sodium hydrogen carbonate, etc.), ammonium and the like. Examples of the organic acid include acetic acid, propionic acid, trifluoroacetic acid, and alkylsulfonic acid. Examples of the inorganic acid include hydrochloric acid, sulfuric acid, phosphoric acid and the like.
[0373]
In the present invention, nonionic, cationic or anionic surfactants may be mentioned as surface tension adjusting agents in addition to the betaine compounds containing the surfactants. For example, anionic surfactants include fatty acid salts, alkyl sulfate esters, alkyl benzene sulfonates, alkyl naphthalene sulfonates, dialkyl sulfosuccinates, alkyl phosphate esters, naphthalene sulfonate formalin condensates, polyoxyethylene alkyl sulfates. Examples of the nonionic surfactant include sorbitan fatty acid esters, polyoxyethylene alkylamines, glycerin fatty acid esters, and oxyethyleneoxypropylene block copolymers. SURFYNOLS (Air Products & Chemicals), which is an acetylene-based polyoxyethylene oxide surfactant, is also preferably used.
The surface tension of the ink used in the present invention is preferably 20 to 50 mN / m or less, more preferably 20 to 40 mN / m or less at 25 ° C. for both dynamic and static surface tension. If the surface tension exceeds 50 mN / m, the ejection quality, bleeding at the time of color mixing, print quality such as whiskers, etc. will be significantly reduced. If the surface tension of the ink is 20 mN / m or less, there may be a printing failure due to ink adhesion to the hard surface during ejection.
[0374]
The ink viscosity of the present invention is 1 to 20 mPa · s at 25 ° C. More preferably, it is 2-15 mPa * s, Most preferably, it is 2-10 mPa * s. If it exceeds 30 mPa · s, the fixing speed of the recorded image becomes slow, and the discharge performance also deteriorates. If it is less than 1 mPa · s, the recorded image is blurred and the quality is lowered.
The viscosity can be arbitrarily adjusted by adding the ink solvent. Examples of the ink solvent include glycerin, diethylene glycol, triethanolamine, 2-pyrrolidone, diethylene glycol monobutyl ether, and triethylene glycol monobutyl ether.
A viscosity modifier may be used. Examples of the viscosity modifier include water-soluble polymers such as celluloses and polyvinyl alcohol, and nonionic surfactants. For more details, see Chapter 9 of “Viscosity Preparation Technology” (Technical Information Association, 1999), Chapter 9 and “Chemicals for Inkjet Printers (98 Supplement)-Material Development Trends and Perspective Survey” (CMC, 1997) 162- It is described on page 174.
[0375]
When preparing the ink of the present invention, in the case of a water-soluble ink, it is preferable to first dissolve in water. Thereafter, various solvents and additives are added, dissolved and mixed to obtain a uniform ink.
As the dissolution method at this time, various methods such as dissolution by stirring, dissolution by ultrasonic irradiation, and dissolution by shaking can be used. Of these, the stirring method is particularly preferably used. In the case of stirring, various methods such as fluidized stirring known in the art and stirring using shearing force using an inverted agitator or dissolver can be used. On the other hand, a stirring method using a shearing force with the bottom surface of the container, such as a magnetic stirrer, can be preferably used.
[0376]
The recording paper and recording film, which are reflective media used in the image recording method of the present invention, will be described. The support for recording paper and recording film consists of chemical pulp such as LBKP and NBKP, mechanical pulp such as GP, PGW, RMP, TMP, CTMP, CMPMP, CGP, and waste paper pulp such as DIP. Additives such as known pigments, binders, sizing agents, fixing agents, cationic agents, paper strength enhancers, etc. can be mixed, and those manufactured by various devices such as long net paper machines and circular net paper machines can be used. It is. In addition to these supports, either synthetic paper or plastic film sheet may be used. The thickness of the support is 10 to 250 μm, and the basis weight is 10 to 250 g / m.2Is desirable.
An image receiving material may be used by providing an ink receiving layer and a back coat layer as they are on the support, or after providing a size press or anchor coat layer with starch, polyvinyl alcohol or the like, and then providing an ink receiving layer and a back coat layer. It is good. Further, the support may be flattened by a calendar device such as a machine calendar, a TG calendar, or a soft calendar.
In the present invention, as the support, paper and plastic film laminated on both sides with polyolefin (eg, polyethylene, polystyrene, polyethylene terephthalate, polybutene and copolymers thereof) are more preferably used. It is preferable to add a white pigment (eg, titanium oxide, zinc oxide) or a tinting dye (eg, cobalt blue, ultramarine blue, neodymium oxide) to the polyolefin polyolefin.
[0377]
The ink receiving layer provided on the support contains a porous material and an aqueous binder. The ink receiving layer preferably contains a pigment, and the pigment is preferably a white pigment. White pigments include calcium carbonate, kaolin, talc, clay, diatomaceous earth, synthetic amorphous silica, aluminum silicate, magnesium silicate, calcium silicate, aluminum hydroxide, alumina, lithopone, zeolite, barium sulfate, calcium sulfate, titanium dioxide, Examples thereof include inorganic white pigments such as zinc sulfide and zinc carbonate, organic pigments such as styrene pigments, acrylic pigments, urea resins and melamine resins. A porous white inorganic pigment is particularly preferable, and synthetic amorphous silica having a large pore area is particularly preferable. As the synthetic amorphous silica, either anhydrous silicic acid obtained by a dry production method or hydrous silicic acid obtained by a wet production method can be used, but it is particularly desirable to use hydrous silicic acid. Two or more of these pigments may be used in combination.
[0378]
Examples of the aqueous binder contained in the ink receiving layer include water-soluble polyvinyl alcohol, silanol-modified polyvinyl alcohol, starch, cationized starch, casein, gelatin, carboxymethylcellulose, hydroxyethylcellulose, polyvinylpyrrolidone, polyalkylene oxide, polyalkylene oxide derivatives, and the like. Water-dispersible polymers such as water-soluble polymers, styrene butadiene latexes, and acrylic emulsions. These aqueous binders can be used alone or in combination of two or more. In the present invention, among these, polyvinyl alcohol and silanol-modified polyvinyl alcohol are particularly preferable in terms of adhesion to the pigment and resistance to peeling of the ink receiving layer.
[0379]
In addition to the pigment and the aqueous binder, the ink receiving layer may contain a mordant, a water resistance agent, a light resistance improver, a surfactant, a hardener, and other additives.
[0380]
The mordant added to the ink receiving layer is preferably immobilized. For that purpose, a polymer mordant is preferably used.
For the polymer mordant, JP-A-48-28325, 54-74430, 54-124726, 55-22766, 55-142339, 60-23850, 60-23835, 60-23852, 60-23853, 60-57836, 60-60643, 60-118834, 60-122940, 60-122941, 60-122942, 60- No. 235134, Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-161236, U.S. Pat. It is described in each specification of the same No. 4450224. An image receiving material containing a polymer mordant described in JP-A-1-161236, pages 212 to 215 is particularly preferred. When the polymer mordant described in the publication is used, an image with excellent image quality is obtained and the light resistance of the image is improved.
[0381]
The water-proofing agent is effective for making the image water-resistant. As these water-proofing agents, cationic resins are particularly desirable. Examples of such cationic resins include polyamide polyamine epichlorohydrin, polyethyleneimine, polyamine sulfone, dimethyl diallyl ammonium chloride polymer, cationic polyacrylamide, colloidal silica, etc. Among these cationic resins, polyamide polyamine epichlorohydrin is particularly preferable. is there. The content of these cationic resins is preferably 1 to 15% by mass, particularly 3 to 10% by mass, based on the total solid content of the ink receiving layer.
[0382]
Examples of the light resistance improver include zinc sulfate, zinc oxide, hindered amine antioxidants, and benzotriazole ultraviolet absorbers such as benzophenone. Of these, zinc sulfate is particularly preferred.
[0383]
The surfactant functions as a coating aid, a peelability improver, a slippage improver or an antistatic agent. The surfactant is described in JP-A Nos. 62-173463 and 62-183457.
An organic fluoro compound may be used in place of the surfactant. The organic fluoro compound is preferably hydrophobic. Examples of organic fluoro compounds include fluorine-based surfactants, oily fluorine-based compounds (eg, fluorine oil), and solid fluorine compound resins (eg, tetrafluoroethylene resin). The organic fluoro compounds are described in JP-B-57-9053 (columns 8 to 17), JP-A-61-20994, and 62-135826.
[0384]
As the hardener, materials described on page 222 of JP-A-1-161236 can be used.
[0385]
Examples of other additives added to the ink receiving layer include pigment dispersants, thickeners, antifoaming agents, dyes, fluorescent whitening agents, preservatives, pH adjusters, matting agents, and hardening agents. . The ink receiving layer may be one layer or two layers.
[0386]
The recording paper and the recording film can be provided with a back coat layer, and examples of components that can be added to this layer include a white pigment, an aqueous binder, and other components.
Examples of white pigments contained in the backcoat layer include light calcium carbonate, heavy calcium carbonate, kaolin, talc, calcium sulfate, barium sulfate, titanium dioxide, zinc oxide, zinc sulfide, zinc carbonate, satin white, and aluminum silicate. , Diatomaceous earth, calcium silicate, magnesium silicate, synthetic amorphous silica, colloidal silica, colloidal alumina, pseudoboehmite, aluminum hydroxide, alumina, lithopone, zeolite, hydrous halloysite, magnesium carbonate, magnesium hydroxide, white inorganic pigment, styrene And organic pigments such as polyethylene plastic pigments, acrylic plastic pigments, polyethylene, microcapsules, urea resins, and melamine resins.
[0387]
As the aqueous binder contained in the backcoat layer, styrene / maleate copolymer, styrene / acrylate copolymer, polyvinyl alcohol, silanol modified polyvinyl alcohol, starch, cationized starch, casein, gelatin, carboxymethylcellulose Water-soluble polymers such as hydroxyethyl cellulose and polyvinyl pyrrolidone, and water-dispersible polymers such as styrene butadiene latex and acrylic emulsion. Examples of other components contained in the backcoat layer include an antifoaming agent, an antifoaming agent, a dye, a fluorescent brightening agent, a preservative, and a water-proofing agent.
[0388]
A polymer fine particle dispersion may be added to the constituent layers (including the back layer) of the inkjet recording paper and recording film. The polymer fine particle dispersion is used for the purpose of improving film properties such as dimensional stabilization, curling prevention, adhesion prevention, and film cracking prevention. The polymer fine particle dispersion is described in JP-A Nos. 62-245258, 62-1316648, and 62-110066. When a polymer fine particle dispersion having a low glass transition temperature (40 ° C. or lower) is added to a layer containing a mordant, cracking and curling of the layer can be prevented. Further, even when a polymer fine particle dispersion having a high glass transition temperature is added to the back layer, curling can be prevented.
[0389]
In the present invention, there is no limitation on the ink jet recording method, and a known method, for example, a charge control method for ejecting ink using electrostatic attraction, a drop-on-demand method (pressure pulse method) using vibration pressure of a piezo element. , An acoustic ink jet system that changes the electrical signal into an acoustic beam, irradiates the ink and ejects the ink using the radiation pressure, and thermal ink jet (bubble jet) that uses the pressure generated by heating the ink to form bubbles Used for systems.
Inkjet recording methods use a method of ejecting a large number of low-density inks called photo inks in a small volume, a method of improving image quality using a plurality of inks having substantially the same hue and different concentrations, and colorless and transparent inks. The method is included.
[0390]
The ink for ink jet recording of the present invention can also be used for purposes other than ink jet recording. For example, it can be used for display image materials, image forming materials for interior decoration materials, and image forming materials for outdoor decoration materials.
[0390]
Display image materials include posters, wallpaper, small decorative items (such as figurines and dolls), commercial flyers, wrapping paper, wrapping materials, paper bags, plastic bags, packaging materials, signs, transportation (automobiles, buses, trains, etc.) ) Refers to various things such as images drawn and attached to the side, clothes with logos, and so on. When the dye of the present invention is used as a material for forming a display image, the image includes all patterns of dyes that can be recognized by humans, such as abstract designs, characters, and geometric patterns, in addition to images in a narrow sense.
[0392]
The interior decoration material refers to various items such as wallpaper, decorative accessories (such as figurines and dolls), lighting fixture members, furniture members, floor and ceiling design members. When the dye of the present invention is used as an image forming material, the image includes all patterns of dyes that can be recognized by humans such as abstract designs, characters, and geometric patterns in addition to images in a narrow sense.
[0393]
The outdoor decoration material refers to various materials such as wall materials, roofing materials, signboards, gardening materials, outdoor decoration accessories (such as figurines and dolls), and members of outdoor lighting equipment. When the dye of the present invention is used as an image forming material, the image includes not only images in a narrow sense but also all patterns of dyes that can be recognized by humans, such as abstract designs, characters, and geometric patterns.
[0394]
In the above applications, examples of media on which a pattern is formed include various materials such as paper, fiber, cloth (including non-woven fabric), plastic, metal, and ceramics. As the dyeing form, the dye can be fixed in the form of mordanting, printing, or a reactive dye having a reactive group introduced. Among these, it is preferable that the mordanting is performed.
[0395]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention, this invention is not limited to this.
[0396]
Example 1
After adding deionized water to the following components to make 1 liter, the mixture was stirred for 1 hour while being heated at 30 to 40 ° C. Thereafter, the mixture was filtered under reduced pressure through a microfilter having an average pore diameter of 0.25 μm to prepare a light magenta ink liquid LM-101.
Figure 0004154265
Further, magenta ink liquid M-101 was prepared by increasing the amount of magenta dye (a-36) to 23 g according to the above formulation.
Figure 0004154265
Inks LM-102 to 108 and M-102 to 108 having the same composition except that additives were added to LM-101 and M-101 as described below were prepared.
[0397]
[Table 33]
Figure 0004154265
[0398]
These inks were loaded into a magenta ink / light magenta ink cartridge of an ink jet printer PM-950C manufactured by EPSON, and other color inks were printed with a PM-950C ink to print a magenta single color image. The image-receiving sheet was printed on an inkjet paper photo glossy paper “Image Aya” manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd., and image quality was evaluated and image fastness was evaluated under high humidity conditions. (Evaluation experiment)
[1] Evaluation of print quality (bronze gloss)
The print quality in the high density area is evaluated by software (Adobe Photoshop 7), which creates an image pattern in which the density of 7 colors of C, M, Y, B, G, R, and Bk is changed in 8 steps of pure color in steps. This pattern was printed by printing under an environmental condition of 15 ° C. and 80% RH.
The case where a glossy printed image was obtained from the low density part to the high density part was designated as A, the case where 1 to 3 opaque parts were observed in the image was designated as B, and the case where 4 or more places were recognized was designated as C.
[2] Evaluation of image durability (smudge) under high humidity conditions
For blurring of the image under high humidity conditions, a printed pattern in which a square pattern of 3 cm x 3 cm of magenta is arranged in the shape of a "rice" so as to form a 1 mm white gap each is created. The sample was stored for 72 hours at 25 ° C and 90% RH, and then the bleeding of the magenta dye in the white space was observed. If the magenta density increase in the white background immediately after printing was 0.01 or less in the status A magenta filter, A In the case of 0.01 to 0.05, B was set, and in the case of 0.05 or more, C, and the state of blurring was severe and magenta was exuded in the whole image was set as D.
The results obtained are shown in the table.
[0399]
[Table 34]
Figure 0004154265
[0400]
From the results of the table, it was found that the system using the ink set of the present invention was superior to the comparative example in terms of occurrence of bronze gloss and M blurring.
(Example 2)
After adding deionized water to the following components to make 1 liter, the mixture was stirred for 1 hour while being heated at 30 to 40 ° C. Thereafter, the ink was filtered under reduced pressure through a microfilter having an average pore diameter of 0.25 μm to prepare a yellow ink liquid (Y-101).
[Yellow ink Y-101 prescription]
(Solid content)
Yellow dye (YI-58) 35g / l
Urea 10g / l
(Liquid component)
Triethylene glycol monobutyl ether (TGB) 100g / l
Glycerin (GR) 115g / l
Diethylene glycol (DEG) 70g / l
2-pyrrolidone 35g / l
Triethanolamine (TEA) 8g / l
Surfynol STG (SW) 10g / l
Inks Y-102 to 108 having the same composition as Y-101 except that additives were added as described below were prepared.
[0401]
[Table 35]
Figure 0004154265
[0402]
These inks were loaded into a yellow ink cartridge of an EPSON ink jet printer PM-950C, and other colors were printed using a PM-950C ink to print a yellow single color image. The image-receiving sheet was printed on an inkjet paper photo glossy paper EX manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd., and evaluated in the same manner as in Example 1.
(Evaluation experiment)
[1] Evaluation of print quality (bronze gloss)
The print quality in the high density area is evaluated by software (Adobe Photoshop 7), which creates an image pattern in which the density of 7 colors of C, M, Y, B, G, R, and Bk is changed in 8 steps of pure color in steps. This pattern was printed by printing under an environmental condition of 15 ° C. and 80% RH.
The case where a glossy printed image was obtained from the low density part to the high density part was designated as A, the case where 1 to 3 opaque parts were observed in the image was designated as B, and the case where 4 or more places were recognized was designated as C.
[2] Evaluation of image durability (smudge) under high humidity conditions
For blurring of the image under high humidity conditions, we created a print pattern in which the green 3cm x 3cm square patterns were arranged in the shape of a rice field so as to form a 1mm white gap each. The sample was stored for 72 hours at 25 ° C and 90% RH, and the yellow dye bleed was observed in the white background. If the increase in the yellow density of the white background immediately after printing was 0.01 or less in the B filter of status A, A , 0.01 to 0.05 was designated as B, and 0.05 or more was designated as C, and the blurring state was severe and yellow was exuded over the entire image as D.
The results obtained are shown in the table.
[0403]
[Table 36]
Figure 0004154265
[0404]
From the results of the table, it was found that the system using the ink set of the present invention was superior to the comparative example in terms of occurrence of bronze gloss and bleeding of Y.
Ink sets using the inks LM-106, M-106, and Y-106 in Examples 1 and 2 were prepared, and ordinary photographic images were printed in the same manner.
The effect of the present invention could be recognized even in an image printed with this ink set.
The same effect was obtained even when the ink and ink set of the present invention were used in a thermal ink jet printer.
[0405]
【The invention's effect】
According to the present invention, it was possible to provide an inkjet ink, an ink set, and an inkjet recording method that hardly cause image blur even under high humidity conditions.

Claims (3)

少なくとも水、水溶性有機溶剤、染料を含有するインクジェット用インクであって、該インク中に少なくとも1種のベタイン化合物と少なくとも1種のノニオン界面活性剤が含有されていることを特徴とするインクジェット用インク。但し、該ベタイン化合物が下記一般式(1)で表される化合物であり、該ノニオン界面活性剤が下記一般式(4)で表される化合物である。
Figure 0004154265
式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Lは2価の連結基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、プロトン化された有機アミンもしくは含窒素へテロ環基、4級アンモニウムイオン基を表し、式中のN原子からなるアンモニウムイオンの対イオンとなる場合は、カチオンとして存在しない基を表す。qは1以上の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表すpは0以上4以下の整数を表し、p+rは3または4である。p+rが4である場合はN原子はプロトン化されたアンモニウム原子となるqが2以上の時はCOOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時は−(COOM)は同じでも異なっていてもよいpが2以上の時はは同じでも異なっていてもよい。但し、RまたはLは炭素数8以上の炭化水素基を含む。
Figure 0004154265
一般式(4)中、R31、R32はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を表す。R33は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基を表す。Xは水素原子、または
Figure 0004154265
を表し、R34、R35はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を表す。R36は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基を表す。m、mはそれぞれエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、m+mは0〜100である。
ここで、m=0のときR33は水素原子を表し、m=0のときR36は水素原子を表す。またXが水素原子のときmは1〜100を表す。
An inkjet ink containing at least water, a water-soluble organic solvent, and a dye, wherein the ink contains at least one betaine compound and at least one nonionic surfactant. ink. However, the betaine compound is a compound represented by the following general formula (1), and the nonionic surfactant is a compound represented by the following general formula (4).
Figure 0004154265
In the formula, R represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. L represents a divalent linking group. M represents a hydrogen atom, an alkali metal atom, an ammonium group, a protonated organic amine or a nitrogen-containing heterocyclic group, a quaternary ammonium ion group, and when M is a counter ion of an ammonium ion consisting of an N atom in the formula Represents a group which does not exist as a cation. q represents an integer of 1 or more, and r represents an integer of 1 to 4 . p represents an integer of 0 or more and 4 or less, and p + r is 3 or 4. When p + r is 4, the N atom is a protonated ammonium atom . When q is 2 or more, the COOMs may be the same or different. When r is 2 or more, L- (COOM) q may be the same or different . When p is 2 or more, R may be the same or different. However, R or L contains a hydrocarbon group having 8 or more carbon atoms.
Figure 0004154265
In the general formula (4), R 31 and R 32 each independently represents an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms. R 33 represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, or a phenyl group. X is a hydrogen atom, or
Figure 0004154265
R 34 and R 35 each independently represents an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms. R 36 represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, or a phenyl group. m 3 and m 4 each represents the average number of moles of ethylene oxide added, and m 3 + m 4 is 0 to 100.
Here, when m 3 = 0, R 33 represents a hydrogen atom, and when m 4 = 0, R 36 represents a hydrogen atom. The m 3 when X is a hydrogen atom represents 1 to 100.
請求項1記載のインクジェット用インクを少なくとも1種含有することを特徴とするインクセット。An ink set comprising at least one ink jet ink according to claim 1 . 請求項1記載のインクおよび/または、請求項2記載のインクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。The ink of claim 1 SL placement and / or use the ink set according to claim 2 Symbol mounting, an ink jet recording method characterized by performing image recording by an inkjet printer.
JP2003080677A 2003-03-24 2003-03-24 Ink jet ink, ink set, and ink jet recording method Expired - Fee Related JP4154265B2 (en)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003080677A JP4154265B2 (en) 2003-03-24 2003-03-24 Ink jet ink, ink set, and ink jet recording method
EP04006913A EP1462489B1 (en) 2003-03-24 2004-03-23 Inkjet ink, ink set and inkjet recording method
DE602004021523T DE602004021523D1 (en) 2003-03-24 2004-03-23 Ink for ink jet printing, ink set and ink jet printing process
US10/806,452 US7048789B2 (en) 2003-03-24 2004-03-23 Inkjet ink, ink set and inkjet recording method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003080677A JP4154265B2 (en) 2003-03-24 2003-03-24 Ink jet ink, ink set, and ink jet recording method

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004285261A JP2004285261A (en) 2004-10-14
JP4154265B2 true JP4154265B2 (en) 2008-09-24

Family

ID=33294465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003080677A Expired - Fee Related JP4154265B2 (en) 2003-03-24 2003-03-24 Ink jet ink, ink set, and ink jet recording method

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4154265B2 (en)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7540909B2 (en) 2006-05-12 2009-06-02 Seiko Epson Corporation Ink composition, ink cartridge, recording method, and recorded product
JP2008144128A (en) * 2006-11-15 2008-06-26 Seiko Epson Corp Ink composition, ink cartridge, recording method using these, and recorded matter
US10155868B2 (en) * 2015-10-13 2018-12-18 Milliken & Company Whitening agents for cellulosic substrates

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004285261A (en) 2004-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4429043B2 (en) Inkjet ink set and inkjet recording method
JP4538230B2 (en) Ink jet recording ink, ink set for ink jet recording, and ink jet recording method
JP4530620B2 (en) Ink jet ink, ink jet ink set, and ink jet recording method
JP4397615B2 (en) Inkjet ink and ink set
JP4538228B2 (en) Ink composition and ink jet recording method
JP2004083610A (en) Ink set, ink cartridge, method for recording, printer and record
JP2004307819A (en) Ink set for inkjet-recording
JP4377254B2 (en) Ink set
JP2007510760A (en) Ink jet ink, ink jet ink set, and ink jet recording method
JP2004307832A (en) Ink set and ink jet recording method
JP2004182977A (en) Inkjet color ink
JPWO2003068873A1 (en) Ink jet recording ink and ink jet recording method
JP4404563B2 (en) Inkjet ink set and inkjet recording method
JP2004315808A (en) Ink composition, ink set and inkjet recording method
JP2004307831A (en) Ink and ink set
JP2005200566A (en) Ink set for inkjet and method for inkjet recording
JP4538229B2 (en) Ink jet recording ink and ink jet recording method
JP4486831B2 (en) Ink set and ink jet recording method
JP5144873B2 (en) Ink jet recording ink and ink jet recording method
JPWO2003082994A1 (en) Ink set for inkjet recording and inkjet recording method
JP2004292707A (en) Ink for inkjet recording and inkjet recording method
JP4154265B2 (en) Ink jet ink, ink set, and ink jet recording method
JP4538188B2 (en) Ink for inkjet recording
JPWO2003066754A1 (en) Ink jet recording ink and ink jet recording method
JP4424894B2 (en) Ink jet recording ink and ink jet recording method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050222

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060325

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071024

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071115

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080416

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080618

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4154265

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees