JP4153868B2 - 検査対象報知方法、検査対象報知プログラム、および検査対象報知装置 - Google Patents

検査対象報知方法、検査対象報知プログラム、および検査対象報知装置 Download PDF

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本発明は、プラントを検査する際に、検査すべき検査対象を報知するための検査対象報知方法、検査対象報知プログラム、および検査対象報知装置に関する。
従来より、プラントを構成する構成要素のうち、今回の検査の際に何れの構成要素を検査すべきかを選択する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この装置では、構成要素における現時点での磨耗量と、各構成要素が損傷した際にプラントが受ける影響とに基づいて、各構成要素に対してリスクレベル値を設定し、このリスクレベル値が大きい構成要素から順に、優先的に検査対象として設定するようにしていた。
特開2002−297709公報
しかしながら、上記装置では、構成要素としての寿命がかなり残っていても、その構成要素が損傷した際にプラントが受ける影響が高ければ、リスクレベル値が高く設定されてしまい、その構成要素は検査対象になってしまうため、まだ損傷する虞がない構成要素を検査対象に含めてしまい、結果的に無駄な検査作業を行なっていた。
また、上記装置では、次回の検査の時期を考慮してリスクレベル値を設定していないため、今回の検査時には磨耗の程度が低く、検査対象に含まれなかった構成要素が、次回の検査時までの期間に損傷してしまう虞があり、実際にこのような構成要素が損傷した場合には、プラントに致命的な影響を与える虞があった。
このように、プラントに致命的な影響を与えることを防ぐためには、検査の度に、より多くの構成要素を点検するか、検査の周期を短くすることが考えられるが、何れにしても検査の必要がない構成要素の検査を行うことになるため、無駄な作業工数と検査費用とが掛かってしまう。
そこで、このような問題点を鑑み、プラントに致命的な影響を与えることなく、プラントの検査の際に検査対象となる構成要素を必要最低限まで減らし、検査費用を削減することを本発明の目的とする。
かかる目的を達成するために成された請求項1に記載の検査対象報知方法は、
プラントを構成する複数の構成要素毎に、一定期間内に損傷の発生する度合いを表す損傷確率と、該構成要素が損傷した際に前記プラントが有する複数の機能のうちの停止してしまう機能が前記プラントに与える影響の大きさを表す影響度との各値に応じて決定される数値であり、かつ前記損傷確率が高くなるにつれて、また前記影響度が高くなるにつれて大きな数値になるよう設定された複数のリスクレベル値を予め記憶しておき、前記プラントの検査を実施する際には、前記各構成要素に対応して入力された損傷確率と影響度とから前記構成要素毎にリスクレベル値を特定し、該各リスクレベル値が、オペレータによって任意に設定された閾値以上であるか否かを判定し、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を今回の検査日における検査対象として報知する装置が実施する検査対象報知方法であって、
前記構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの少なくとも1つを表す部品の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶装置から取得し、該構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測する寿命予測工程と、
前記プラントにおける次回の検査日の入力結果を記憶装置から取得し、該寿命予測工程にて予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、前記プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定する寿命判定工程と、
該寿命判定工程にて、前記構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が前記プラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合に、該構成要素に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更するリスクレベル値変更工程と、
を有し、
前記各構成要素に付されたリスクレベル値には、リスクレベル値として取り得る範囲が定められており、
前記リスクレベル値変更工程では、変更前の値が前記取り得る範囲内における最も低いリスクレベル値である場合、リスクレベル値を前記取り得る範囲内における最も高い値未満の値に変更すること
を特徴とする。
つまり、プラントの検査の際に検査対象となる構成要素または構成要素を構成する部品を必要最低限まで減らしながら、寿命が近づいた構成要素または構成要素を構成する部品を優先的に検査対象とするために、構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、プラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合にのみ、この構成要素に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更するのである。
したがって、このような検査対象報知方法(請求項1)を用いれば、変更されたリスクレベル値に基づいて検査対象を決定するため、プラントに致命的な影響を与えることなく、プラントの検査の際に検査対象となる構成要素を必要最低限まで減らし、検査費用を削減することができる。
なお、本明細書(特許請求の範囲を含む)において、「寿命」とは、一般的いう、破断等により実際に機器が機能しなくなる極限値としての寿命であってもよいし、その極限値よりは余裕を見た値である健全限界値としての寿命であってもよい。
次に、請求項2に記載の検査対象報知プログラムは、請求項1に記載の検査対処報知方法をコンピュータにて実現することを特徴としている。
このように、この検査対象報知プログラム(請求項2)を用いて、一連の工程(検査対象報知方法)をコンピュータにより実現すれば、手間を掛けることなく、より効率的に検査対象を報知することができる。
次に、請求項1に記載の検査対象報知方法、および請求項2に記載の検査対象報知プログラムを具体的な装置にて実現するためには、請求項3に記載の検査対象報知装置のように構成してもよい。即ち、
プラントを構成する複数の構成要素毎に、一定期間内に損傷の発生する度合いを表す損傷確率と、該構成要素が損傷した際に前記プラントが有する複数の機能のうちの停止してしまう機能が前記プラントに与える影響の大きさを表す影響度との各値に応じて決定される数値であり、かつ前記損傷確率が高くなるにつれて、また前記影響度が高くなるにつれて大きな数値になるよう設定された複数のリスクレベル値が予め記憶された記憶手段と、
前記プラントの検査を実施する際に、前記各構成要素に対応して入力された損傷確率と影響度とから前記構成要素毎にリスクレベル値を特定し、該各リスクレベル値が、オペレータによって任意に設定された閾値以上であるか否かを判定し、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を今回の検査日における検査対象として報知する報知手段と、
を備えた検査対象報知装置において、
前記構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの少なくとも1つを表す部品の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶手段から取得し、該構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測する寿命予測手段と、
前記プラントにおける次回の検査日の入力結果を記憶手段から取得し、該寿命予測手段により予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、前記プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定する寿命判定手段と、
該寿命判定手段により、前記構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が前記プラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合に、該構成要素に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更するリスクレベル値変更手段と、
を備え、
前記各構成要素に付されたリスクレベル値には、リスクレベル値として取り得る範囲が定められており、
前記リスクレベル値変更手段は、変更前の値が前記取り得る範囲内における最も低いリスクレベル値である場合、リスクレベル値を前記取り得る範囲内における最も高いリスクレベル値未満の値に変更する
ように構成されていればよい。
つまり、請求項1における説明と同様に、プラントの検査の際に検査対象となる構成要素または構成要素を構成する部品を必要最低限まで減らしつつも、寿命が近づいた構成要素を優先的に検査対象とするために、構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、プラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合にのみ、この構成要素に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更するのである。
したがって、このような検査対象報知装置(請求項3)であれば、変更されたリスクレベル値に基づいて検査対象を決定するため、プラントに致命的な影響を与えることなく、プラントの検査の際に検査対象となる構成要素を必要最低限まで減らし、検査費用を削減することができる。
また、請求項3に記載の検査対象報知装置において、請求項4に記載のように、前記記憶手段は、互いに交差する座標軸にて形成される仮想平面領域を各座標軸に沿って複数に分割することによりマトリクスを形成し、前記座標軸のうちの第1座標軸には前記損傷確率を表す第1パラメータを関連付けると共に、第2座標軸には前記影響度を表す第2パラメータを関連付け、さらに、前記マトリクスを構成する各領域には、予め設定されたリスクレベル値を夫々付与することにより、前記各座標軸に関連付けた2種類のパラメータに基づき前記マトリクスを構成する任意の領域を特定して、該領域に付与されたリスクレベル値を検索できるように生成されたリスクマトリクス情報が記憶されると共に、該リスクマトリクス情報を検索してリスクレベル値を決定するのに必要な2種類のパラメータが、前記各構成要素毎に記憶され、前記報知手段は、検査対象を報知する際に、前記記憶手段から、各構成要素に対応した2種類のパラメータを読み取り、該読み取ったパラメータに基づき前記リスクマトリクス情報を検索することにより、各構成要素のリスクレベル値を決定するよう構成され、前記リスクレベル値変更手段は、前記報知手段がリスクレベル値を決定するのに用いる2種類のパラメータのうち、前記損傷確率を表す第1パラメータを取り得る損傷確率のうちの最大値に変更することにより、前記報知手段にて検索されるリスクレベル値を大きい値に変更することが好ましい。
つまり、リスクレベル値変更手段が構成要素と関連付けられたリスクレベル値を変更する際には、既に該当構成要素の損傷時期が迫っているとして、リスクレベルをより大きい値に変更するが、変更後のリスクレベル値は、キー部品が損傷した際にプラントに与える影響度により異なる値に設定することが望ましいため、本発明(請求項4)では、リスクレベル値を検索する際に使用する2種類のパラメータのうち、損傷確率を表す第1パラメータを最大値に変更するよう構成しているのである。
したがって、このような検査対象報知装置(請求項4)であれば、リスクマトリクスを用いて、構成要素が損傷した際にプラントに与える影響度により、的確なリスクレベル値を設定することができるので、今回の検査対象に含める構成要素を的確に選択することができる。
加えて、請求項3または請求項4に記載の検査対象報知装置において、リスクマトリクス情報を構成する第1座標軸には、前記損傷確率を表す第1パラメータが関連付けられていればよいが、特に請求項5に記載のように、第1座標軸には、構成要素における過去の損傷確率または前記構成要素に類似した機器における損傷確率が関連付けられていることが好ましい。
このような検査対象報知装置(請求項5)であれば、構成要素における過去の使用実績に基づいてリスクレベル値を設定することができるので、検査対象を選択するのにより適切なリスクレベル値を設定することができる。
また、請求項3〜請求項5の何れかに記載の検査対象報知装置において、請求項6に記載のように、寿命予測手段は、構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの複数を表す複数の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶手段から取得し、使用状態毎に構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測し、寿命判定手段は、寿命予測手段により構成要素または構成要素を構成する部品の使用状態毎に予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、それぞれプラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定し、報知手段は、プラントの検査を実施する際に、構成要素毎に付されたリスクレベル値が、予め使用状態毎に設定された閾値以上であるか否かを、構成要素毎および使用状態毎に判定し、複数の使用状態のうち少なくとも1つ以上の使用状態において、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を、今回の検査日における検査対象として報知することが望ましい。
つまり、寿命予測手段は、ある1つの使用状態を監視するよう構成していればよいが、寿命予測の信頼性をより向上させるために、本発明(請求項6)では複数の使用状態を監視し、監視する使用状態の重要度に応じて、各構成要素を検査対象に含めるか否かを判定するための閾値を、それぞれ設定可能に構成しているのである。
したがって、このような検査対象報知装置(請求項6)であれば、監視する使用状態毎に重要度の差を明確化することができるので、監視する使用状態の重要度に応じて検査対象に含める構成要素をより厳選することができる。
さらに、請求項3〜請求項6の何れかに記載の検査対象報知装置において、請求項7に記載のように、プラントは複数の装置により構成されており、各構成要素は複数の装置を構成する各機器であって、構成要素を構成する部品は、各機器の寿命の指標となるキー部品であることが望ましい。
つまり、寿命予測手段が監視する監視対象が、プラントを構成する装置単位である場合には、ある装置が検査対象になれば、その装置全体を検査する必要があるため、本発明(請求項7)では、寿命予測手段が監視する監視対象を、装置を構成する機器単位まで細分化しているのである。
したがって、このような検査対象報知装置(請求項7)であれば、監視対象となる部品を機器の寿命の指標となるキー部品に設定することにより、キー部品を監視するだけで、その装置全体の寿命を予測することができる。
さらに、請求項7に記載の検査対象報知装置において、請求項8に記載のように、記憶手段には、ある機器が検査対象となった際に、機器を構成する部品のうち、キー部品に関連付けて検査すべき部品を示す複数種類の情報が選択可能に記憶されており、報知手段は、検査対象となる機器のリスクレベル値、およびキー部品の使用状態のうちの少なくとも一方に応じて、記憶手段に記憶された検査すべき部品を示す情報を選択し、その情報の内容を今回の検査日における検査対象として報知することが望ましい。
つまり、報知手段は、検査対象として選択されたキー部品だけではなく、キー部品が含まれる機器を構成する部品のうち、検査の必要があるものを報知する。また、この際、例えば、機器がおかれた環境や検査時期等により、検査対象に含めることが望ましい部品が異なる場合があるため、報知手段は、機器のリスクレベル値、およびキー部品の使用状態のうちの少なくとも一方に応じて、検査すべき部品を示す情報を選択できるよう構成している。
したがって、このような検査対象報知装置(請求項8)であれば、機器にキー部品を1つ設定するだけで、その使用状態等に応じて適切な検査対象を選択することができ、検査効率を向上させることができる。
加えて、請求項3〜請求項8の何れかに記載の検査対象報知装置において、報知手段は、請求項9に記載のように、各検査対象により異なる検査手順も報知することが好ましい。
このような検査対象報知装置(請求項9)であれば、検査対象となった部品を検査する際の作業手順まで分かり易く報知することができ、延いては、作業表等を探す手間を省くことができる。
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された検査対象報知装置1の構成を示すブロック図(A)、および検査対象報知装置1を構成する記憶装置17に格納されたデータ構成を示すブロック図(B)である。
図1に示すように、検査対象報知装置1は、内部バス21に接続されたCPU11と、ROM13と、RAM15と、記憶装置17(本発明でいう記憶手段)と、を備えている。また、内部バス21には入出力インターフェイス23が接続されており、この入出力インターフェイス23には、例えば、キーボードやマウス等からなる入力装置25と、ディスプレイ27(本発明でいう報知手段)とが接続されている。
また、CPU11と、ROM13と、RAM15とは、公知のマイクロコンピュータを形成しており、CPU11はROM13に格納されたプログラムに基づいて、後述する検査対象報知処理等の各種演算や、入出力インターフェイス23を介して接続されたディスプレイ27に画像を表示させるための制御等を実行する。また、RAM15は、CPU11が各種演算等の処理を実行する際の作業領域として機能する。
そして、記憶装置17は、図1(B)に示すように、所定の記憶領域にリスクマトリクス31、部品情報33、作業手順書35等を記憶している。これらについては後に詳述するためここでの説明は省略する。
次に、検査対象報知装置1が状態監視するシステムについて、図2を用いて説明する。図2(A)は検査対象報知装置1の監視対象システムの構成の一例を示す説明図、図2(B)は、このシステム内における例示の電動弁5の概略構成を示すブロック図である。
検査対象報知装置1が状態監視する施設には、例えば、図2(A)に示すように、プラントA、プラントB等の複数のプラントを備えており、プラントAは、例えば、電動弁5やタービン等の装置を備えている。
電動弁5は、例えば、発電所等のプラントにおいて、導水路を流れる水の流量を調節するために使用されるものであり、特に、ここで説明する電動弁5は、図示しない制御用コンピュータからの制御指令を受けて、バルブの開閉を自動的に行なうものである。また、電動弁5は、さらに細かな機器を組み合わせて構成されており、具体的には図2(B)に示すように、バルブ本体47と、減速器41と、リミットスイッチ43と、ポジショナー45と、図示しないその他の機器とから構成されている。
このような電動弁5を構成する機器のうち、減速器41は、公知の減速器41であって、キー部品としてのステムナット41Aと、雄ネジが形成されたロッド(弁棒:図示省略)と、このロッドを上下に移動させて弁の開閉を行なうためのモータ41Bとを備えている。ステムナット41Aは、雌ネジ部分にて、ロッドにおける雄ネジ部分と係合されており、モータ41Bの駆動力で回転させられるが、この際、ロッドと摺動するため、減速器41を構成する部品の中で最も早く磨耗する部品である。また、このステムナット41Aが損傷すると、減速器41全体が機能しなくなるため、ステムナット41Aは、減速器41の検査をするか否かの判定するためのキー部品に設定されている。
次に、リミットスイッチ43は、主に、この電動弁5と他の弁との動作の整合性を持たせるための制御を行う機械式スイッチであって、スイッチの接点を構成する接点部品をキー部品に設定している。
また、ポジショナー45は、実際に、このバルブ本体47を流れる水の流量等を制御するための信号を減速器41に送信する装置である。つまり、バルブ本体47を流れる水の流量はポジショナーにより、フィードバック制御がかけられ調節されている。
さらに詳しく述べると、ポジショナー45は、バルブ本体47を流れる水の流量等を計測するためのセンサ類からの信号を受け取る。このポジショナー45の中には、流路内の圧力を所定の値に保つよう制御するためのパイロット弁45Aが備えられている。このパイロット弁45Aには常に空気が流れており、比較的劣化し易く、このパイロット弁45Aが劣化すると水の流量のフィードバック制御に悪影響を与えるため、このパイロット弁45Aをポジショナー45のキー部品に設定している。
このように、検査対象報知装置1は、監視対象とする設備を、プラント、装置、機器、部品というように階層化(細分化)して監視し、必要最低限の単位での検査(点検や交換等)を実施できるようにしている。また、監視対象となる部品が多くなり過ぎると管理が大変になるため、各装置を構成する部品のうち、キー部品のみを監視対象としている。この結果、検査対象報知装置1に過度の負荷を与えることを防止している。
次に、記憶装置17に記憶されているリスクマトリクス31、部品情報33、および作業手順書35について順次説明する。まず、図3を用いてリスクマトリクス31について説明する。図3は、リスクマトリクス31の一例を示す説明図である。
リスクマトリクス31は、図3に示すように、縦軸には、ある機器における損傷の起こり易さ、横軸には、その機器が損傷した際にプラントへ与える影響の大きさを取り、縦軸および横軸をそれぞれ複数の段階に区分し、マトリクス状に配置したものである。
なお、本実施形態におけるリスクマトリクス31においては、ある機器における損傷の起こり易さはA〜Eの5段階に区分しており、一方、プラントへの影響度(横軸)はa〜dの4段階に区分している。
そして、さらに具体的に述べると、ある機器における損傷の起こり易さ(縦軸)におけるAには機器の損傷確率が20年に1度未満のものが該当し、Bには機器の損傷確率が10年〜20年に1度のものが該当する。また、同様にCには、機器の損傷確率が5年〜10年に1度のものが該当し、Dには機器の損傷確率が2年〜5年に1度のものが該当し、さらにEには機器の損傷確率が2年に1度以上のものが該当するよう設定されている。
一方、プラントへの影響度(横軸)におけるaには、あるキー部分が損傷した際に停止する必要がある機器が、そのキー部品が搭載された機器のみであるものが該当し、bにはその周辺の機器にも影響し、その機器が属する系統を隔離する必要があるものが該当する。また、cにはキー部品が損傷した際にプラントの機能が半分にまで低下してしまうものが該当し、dには完全にプラントの機能が停止してしまうものが該当する。
そして、このリスクマトリクス31において、ある機器における損傷の起こり易さ(縦軸)とプラントへの影響度(横軸)とにより決定される各領域には、リスクレベル値が割り当てられている。このリスクレベル値は、オペレータが任意に設定できるよう構成されており、例えば、ある企業内において、重要度が高いプラントには全体的にリスクレベル値を高めに設定し、代替プラントがある場合等、重要度が低いプラントには、比較的リスクレベル値を低く設定しておけばよい。
なお、このリスクマトリクス31において、リスクレベル値は1〜5の5段階にて表示されており、オペレータがある領域のリスクレベル値を設定する際には、必ず左側(プラントへの影響度が低い側)および下側(損傷の起こり易さの度合いが低い側)に位置する領域のリスクレベル値以上の数値を設定し、この作業を繰り返すことにより、リスクマトリクス内のすべてのリスクレベル値が設定される。
したがって、このリスクマトリクス31においては、最も左下の領域(プラントへの影響度および損傷の起こり易さの度合いが共に最も低いもの)のリスクレベル値が最小値となり、最も右上の領域(プラントへの影響度および損傷の起こり易さの度合いが共に最も高いもの)のリスクレベル値が最大値となる。
次に、部品情報33について、図4を用いて説明する。図4は記憶装置17に記憶された部品情報33の内容の一例を示す説明図である。
部品情報33は、各機器や各機器におけるキー部品について、様々な数値が関連付けられて記憶されたものである。つまり、図4に示すように、例えば、減速器41のキー部品であるステムナット41Aには、先に示したリスクマトリクス31におけるリスクレベル値を決定するための座標値(c−C)と、前回の部品の交換日と、前回の検査時における損傷程度の評価値(損傷レベル)とが関連付けられている。また、後述するように検査メニューは3種類設定されているため、部品情報33には、この3種類の検査が、前回それぞれいつ実施されたかを示す前回の検査日情報(図示は省略)を記憶させている。
なお、前回の検査時における損傷程度の評価値は、その損傷の度合いにより、例えば、A〜Cの3段階にて評価されており、ここでは、損傷程度が大きいものをA、損傷程度が小さいものをC、それらの中間のものをBに、それぞれ評価している。
次に、作業手順書35について、図5を用いて説明する。図5は記憶装置17に記憶された作業手順書35の内容の一例を示す説明図である。
作業手順書35は、目次データ35Aと本データ35Bとから構成されている。目次データ35Aは、図5(A)に示すように、装置名および適用機器が関連付けられており、各適用機器について、3種類ずつ((A)〜(C))の本データ35Bのリンク先が記憶されている。そして、その本データ35Bの内容は、図5(B)に示すように、点検機器、および点検ランク毎に、細目が設定されており、各細目に対応した点検内容(手順)が記憶されている。なお、図5(B)に示す点検ランクには(A)〜(C)が設定されており、それぞれ順に2年、4年、6年の点検間隔が設定されている。
次に、電動弁5において、検査の際に検査対象とすべき機器を報知する処理について図6および図7を用いて説明する。図6は検査対象報知装置1のCPU11が実行する検査対象報知処理を示すフローチャート、図7は検査対象報知処理のうち作業内容選択処理を示すフローチャートである。なお、検査対象報知処理において、S160の処理は、本発明でいう寿命予測工程および寿命予測手段に該当し、S170の処理は、寿命判定工程および寿命判定手段に該当する。また、S175およびS180の処理は、本発明でいうリスクレベル値変更工程およびリスクレベル値変更手段に該当する。さらに、S190〜S210の処理およびS240の処理は、本発明でいう報知手段に該当する。
図6に示す検査対象報知処理において、S110では今回の検査対象とするリスクレベルの閾値を入力するための画像をディスプレイ27に表示する。ここで、リスクレベルの閾値とは、例えば、検査のための予算や工期に応じてオペレータが任意に設定できる値であって、この閾値を低めに設定すると検査対象となる機器は多くなり、一方この閾値を高めに設定すると検査対象となる機器は少なくなる。
次に、S120に移行し、オペレータにより入力装置25を介してリスクレベルの閾値が入力されたか否かを判定する。リスクレベルの閾値が入力されていないと判定すれば、S120を繰り返し、リスクレベルの閾値が入力されたと判定すれば、入力された値に閾値を設定し、S130に移行する。
S130では、例えば2年後に実施される次回の検査日を入力するための画像をディスプレイ27に表示する。
次に、S140に移行し、オペレータにより入力装置25を介して次回の検査日が入力されたか否かを判定する。次回の検査日が入力されていないと判定すれば、S140を繰り返し、次回の検査日が入力されたと判定すれば、入力された日に次回の検査日を設定し、S150に移行する。
S150では、電動弁5を構成する機器に含まれるキー部品の何れかを選択し、S160に移行する。ここで、例えば、部品情報33としての記憶順序が最も早いものを選択する。なお、後述するS220の処理にて、部品情報33としての記憶順序にしたがって、全てのキー部品が順次選択される。
そして、S160では、選択したキー部品における前回の交換日と、そのキー部品の定格寿命とから寿命に至る日を算出する。ここで、キー部品の寿命とは、部品によってその定義が異なり、例えば、ある部品では破断に至るときをその寿命とし、またある部品では、正常に動作しなくなったときをその寿命とする。
次に、S170に移行し、S170では、S160にて算出したキー部品が寿命に至る日が、次回の検査日よりも前か否かを判定する。キー部品が寿命に至る日が、次回の検査日よりも前であると判定すると、S180に移行し、次回の検査日よりも後であると判定すると、S175に移行する。
S175では、部品情報33を参照し、選択中のキー部品が属する機器についての前回の検査時における損傷程度の評価値(損傷レベル)がAであるか否かを判定する。つまりここでは、損傷レベルが予め設定されたレベル(ここでは「A」)以上であるか否かを判定する。前回の検査時における損傷程度の評価値がAである判定すれば、S180に移行し、前回の検査時における損傷程度の評価値がBまたはCであると判定すれば、S190に移行する。
そして、S180では、キー部品が属する機器に関連付けられたリスクレベル値をリスクマトリクス31に基づいて変更し、S190に移行する。
次に、S190では、選択されているキー部品が属する機器のリスクレベル値が閾値以上であるか否かを判定する。リスクレベル値が閾値以上であると判定すれば、S200に移行し、今回の検査対象に含める旨のデータをRAM13に書き込み、S210に移行する。一方、S190にて、選択されているキー部品が属する機器のリスクレベル値が閾値よりも小さな値であると判定すれば、そのままS210に移行する。
なお、S190における処理では、部品情報33として記憶された座標値を読み取り、この座標値に基づき、リスクマトリクス31を検索することにより、リスクレベル値が認識される。
次に、S210では、後述する作業内容選択処理を実行し、S220に移行する。
そして、S220では、全てのキー部品を既に選択したか否かを判定する。未選択のキー部品があると判定すると、S230に移行し、選択中のキー部品の次に部品情報33へ記憶されたキー部品を選択し、S160からの処理を繰り返す。
また、S220にて、全てのキー部品を既に選択したと判定すれば、S240に移行し、検査部品と作業手順書とをディスプレイ27に表示し、検査対象報知処理を終了する。なお、S240の処理にてディスプレイ27には、例えば、図5(B)に示すような内容の表が表示される。
ところで、S180にてリスクレベル値を変更しても、変更後のリスクレベル値や、S120にて設定された閾値によっては、リスクレベル値が変更された機器が、S190にて検査対象に選択されるとは限らない。この場合、キー部品が損傷してから修理するか、次回の検査日まで損傷しなければ、次回の検査の際に交換するか否かを再判定するようにすればよい。
このようにするのは、リスクレベル値が変更されたにもかかわらず検査対象に選択されなかったキー部品は、損傷してもプラント全体に与えるダメージ(影響度)は小さいものと考えられるからである。
次に、S210における作業内容選択処理について説明する。作業内容選択処理は、定期検査による検査対象の抽出方法であって、S310にて、図5(A)に示す点検ランク(A)の検査について、前回の検査から次回の検査までの期間が2年以上であるか否かを判定する。つまり、先に述べたように、例えば、(A)検査は検査期間が2年に設定されているので、S190およびS200にて検査対象に選択された場合には、近日中に実施される今回の検査日で2年を超えていなくても、(A)検査を検査実施項目に設定するのである。
したがって、S310にて、点検ランク(A)の検査について、前回の検査から次回の検査までの期間が2年以上であると判定すれば、S320に移行し、(A)検査を検査実施項目に設定し、S330に移行する。また、点検ランク(A)の検査について、前回の検査から次回の検査までの期間が2年未満であると判定すれば、そのままS330に移行する。
S330では、点検ランク(B)の検査について、前回の検査から次回の検査までの期間が4年以上であるか否かを判定する。前回の検査から次回の検査までの期間が4年以上であると判定すれば、S340に移行し、(B)検査を検査実施項目に設定し、S350に移行する。また、点検ランク(B)の検査について、前回の検査から次回の検査までの期間が4年未満であると判定すれば、そのままS350に移行する。
そして、S350およびS360の処理においても同様に、S350では、点検ランク(C)の検査について、前回の検査から次回の検査までの期間が6年以上であるか否かを判定する。前回の検査から次回の検査までの期間が6年以上であると判定すれば、S360に移行し、(B)検査を検査実施項目に設定し、S370に移行する。また、点検ランク(B)の検査について、前回の検査から次回の検査までの期間が6年未満であると判定すれば、そのままS370に移行する。
次に、S370では、選択中のキー部品が属する機器について、S180にてリスクレベル値が変更されたか否かを判定する。リスクレベル値が変更されたと判定すれば、S380に移行し、このキー部品におけるオプション検査を検査実施項目に追加し、作業内容選択処理を終了する。また、リスクレベル値が変更されていないと判定すれば、そのまま作業内容選択処理を終了する。
次に、検査対象報知処理(図6参照)のS180におけるリスクレベル値を変更する処理について、図8および図9を用いて説明する。図8および図9は、リスクレベル値を変更する処理の具体例を示す説明図である。
例えば、損傷の起こり易さがA、損傷した際にプラントに与える影響がaである機器のリスクレベル値は、図8(A)に示すように、予め1に設定されているが、この機器に対して、S180におけるリスクレベル値を変更する処理が実行されると、損傷の起こり易さの値が、最大値であるEに変更される。ここで、この機器におけるプラントに与える影響度は変更されないため、変更後のリスクレベル値は、損傷の起こり易さEと、プラントへの影響度aとに基づいて、3に設定される。同様にして、損傷の起こり易さB、プラントへの影響度bの機器については、図8(B)に示すように、変更前のリスクレベル値は2であるが、損傷の起こり易さがEに変更されることにより、リスクレベル値は4に変更される。また、損傷の起こり易さB、プラントへの影響度cの機器については、図9に示すように、変更前のリスクレベル値は2であるが、損傷の起こり易さがEに変更されることにより、リスクレベル値は5に変更される。このように、リスクマトリクス31に記憶されたリスクマトリクス31に基づいて、リスクレベル値は変更される。
以上のように詳述した検査対象報知装置1においては、プラントを構成する複数の機器毎に、各機器を構成するキー部品が損傷した際にプラントが受ける影響度を数値化したリスクレベル値が予め記憶装置17(記憶手段)に記憶されており、検査対象報知処理(図6参照)におけるS160にて、キー部品の使用状態を監視し、キー部品の寿命を予測する(寿命予測工程・手段)。そして、S170にて、予測されたキー部品の寿命が切れる日が、プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定し(寿命判定工程・手段)、キー部品の寿命が切れる日がプラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合、あるいはS175にて、前回の検査時における損傷程度の評価値(損傷レベル)が予め設定されたレベル(本実施形態においてはA)以上であると判定された場合に、S180にて、機器に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更する(リスクレベル値変更工程・手段)。そしてS190にて、リスクレベル値が、予め設定された閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上である場合には、S240にて、閾値以上と判定された機器および作業手順書35により定められた機器並びに部品を、今回の検査日における検査対象として報知する(報知手段)。
したがって、変更されたリスクレベル値に基づいて検査対象を決定するため、プラントに致命的な影響を与えることなく、プラントの検査の際に検査対象となる機器を必要最低限まで減らし、検査費用を削減することができる。
また、検査対象報知処理(図6および図7参照)は、ROM13に格納されたプログラムとしてCPU11により実行されるよう構成されているので、検査対象報知処理に手間を掛けることなく、より効率的に検査対象を報知することができる。
さらに、記憶装置17には、機器における損傷の発生確率と、機器が損傷した際にプラントに及ぼす影響とをパラメータとする平面領域をマトリクス状に区分し、このマトリクス状に区分された各領域に、予め定められたリスクレベル値を割り当てることにより生成されたリスクマトリクス31の情報と、機器毎に、リスクマトリクス31上の位置からリスクレベル値を決定するための座標情報(部品情報33)と、を記憶しており、検査対象報知処理におけるS180では、記憶手段に記憶された座標情報を読み取り、機器における損傷の発生確率についての座標を最大座標に設定することにより、リスクレベル値を変更し、S190では、検査対象を報知する際に、部品情報33として記憶された座標値を読み取り、この座標値に基づき、リスクマトリクス31を検索することにより、リスクレベル値を認識するよう構成されている。
したがって、リスクマトリクス31を用いて、キー部品が損傷した際にプラントに与える影響度により、的確なリスクレベル値を設定することができるので、今回の検査対象に含める機器を的確に選択することができる。
さらに、プラントは複数の装置により構成されており、各構成要素は複数の装置を構成する各機器であって、構成要素を構成する部品には、各機器の寿命の指標となるキー部品が設定されているので、監視対象となるキー部品を増やすことなく、監視可能な機器の数を増やすことができる。
加えて、記憶装置17には、ある機器が検査対象となった際に、キー部品が含まれる機器を構成する部品のうち、キー部品に関連付けて検査すべき部品を示す複数種類の情報が選択可能に記憶されており、作業内容選択処理(図7参照)では、検査対象となる機器のリスクレベル値、および機器の使用状態に応じて、記憶装置17に記憶された検査すべき部品を示す情報を選択し、検査対象報知処理におけるS240では、その情報の内容を今回の検査日における検査対象として報知している。
したがって、機器にキー部品を1つ設定するだけで、その機器全体の状態を把握することができるので、使用状態を検知する必要があるキー部品の数を減らすことができる。
加えて、各検査対象により異なる検査手順も報知するので(図5(B)参照)、検査対象となった機器を検査する際の作業手順まで分かり易く報知することができ、延いては、作業表等を探す手間を省くことができる。
また、リスクマトリクス31を用いてキー部品の使用状態に応じてリスクレベル値を設定するので、リスクレベル値をより明確に設定することができる。
さらに、記憶装置17には、前回の検査の際に検査対象となった各構成要素の前回の検査時における損傷程度を評価した評価値(損傷レベル:評価情報)が予め記憶されており、S180では、記憶装置17に記憶された評価値に基づいて、損傷程度が予め設定されたレベルよりも高い機器に対応した損傷の起こり易さの値についても、この値を最大値に変更するよう構成されているので、前回の検査結果を反映し、損傷程度が予め設定されたレベルよりも高い機器を検査対象として選択し易くすることができ、検査すべき機器の検査もれを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態において、キー部品の寿命を予測する際には、キー部品の定格寿命を使用するよう構成したが、キー部品の使用状態に基づいて寿命を予測していれば、特にこのように構成する必要はなく、例えば、キー部品の運動量や磨耗量等を実際に計測し、その結果からキー部品の寿命を予測するよう構成してもよい。また、あるいは、前回の検査結果の際に得られた、機器または部品の損傷程度の評価値を用いてもよいし、同一機器や類似機器における故障(損傷)の発生確率のデータベースを用いてもよい。ここで、故障の発生確率には、例えば、過去10年間における故障の発生件数や、機器100台あたりの故障の発生頻度等が挙げられる。
また、本実施形態においては、キー部品の寿命を予測する際に、キー部品の使用状態を1つだけ監視する(つまり、キー部品の定格寿命を監視する)よう構成したが、特にこのように構成する必要はなく、キー部品の使用状態を複数監視するよう構成してもよい。
この場合、検査対象報知処理(図6)におけるS160の処理の際には、キー部品の使用状態毎に寿命に至る日を算出し、S170における処理の際には、キー部品の使用状態毎に予測されたキー部品の寿命が切れる日が、プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定し、何れかの使用状態において肯定判定されれば、S180に移行し、全ての使用状態において否定判定されれば、S175に移行するよう構成すればよい。
このようにすれば、監視する使用状態の重要度に応じて、各キー部品を検査対象に含めるか否かを判定するための閾値を、それぞれ設定することができ、監視する使用状態毎に重要度の差を明確化することができるので、監視する使用状態の重要度に応じて検査対象に含める機器をより厳選することができる。
また、リスクマトリクス情報を構成する損傷の起こり易さの値には、機器または類似した機器における損傷の発生確率が関連付けられていれば、機器における過去の使用実績に基づいてリスクレベル値を設定することができ、検査対象を選択するのにより適切なリスクレベル値を設定することができる。
また、本実施形態におけるリスクマトリクス31では、損傷の発生確率やプラントに与える影響度を、それぞれ5段階、4段階に区分するよう構成したが、特に構成に限らず、何段階に区分してもよい。また、リスクレベル値についても同様である。
さらに、本実施形態におけるキー部品は、各機器につき1つずつ設定したが、特にこのようにする必要はなく、各機器につき複数のキー部品を設定してもよい。
また、本実施形態においては、リスクマトリクス31を用いてリスクレベル値を変更するよう構成したが、特にこのような構成にする必要はなく、例えば、変更前および変更後のリスクレベル値を機器毎に予め記憶装置17に記憶しておき、リスクレベル値を変更する際には、記憶装置17に記憶された各リスクレベル値に基づいて、リスクレベル値を変更するよう構成してもよい。
検査対象報知装置の構成を示すブロック図(A)、および検査対象報知装置を構成する記憶装置に格納されたデータ構成を示すブロック図(B)である。 電動弁の概略構成を示すブロック図である。 リスクマトリクスの一例を示す説明図である。 記憶装置に記憶された部品情報の内容の一例を示す説明図である。 記憶装置に記憶された作業手順書の内容の一例を示す説明図である。 検査対象報知処理を示すフローチャートである。 検査対象報知処理のうち作業内容選択処理を示すフローチャートである。 リスクレベル値を変更する処理の具体例を示す説明図である。 リスクレベル値を変更する処理の具体例を示す説明図である。
符号の説明
1…検査対象報知装置、5…電動弁、17…記憶装置、27…ディスプレイ、31…リスクマトリクス、31…CPU、33…部品情報、35…作業手順書、41…減速器、41A…ステムナット、41B…モータ、43…リミットスイッチ、45…ポジショナー、45A…パイロット弁、47…バルブ本体。

Claims (9)

  1. プラントを構成する複数の構成要素毎に、一定期間内に損傷の発生する度合いを表す損傷確率と、該構成要素が損傷した際に前記プラントが有する複数の機能のうちの停止してしまう機能が前記プラントに与える影響の大きさを表す影響度との各値に応じて決定される数値であり、かつ前記損傷確率が高くなるにつれて、また前記影響度が高くなるにつれて大きな数値になるよう設定された複数のリスクレベル値を予め記憶しておき、前記プラントの検査を実施する際には、前記各構成要素に対応して入力された損傷確率と影響度とから前記構成要素毎にリスクレベル値を特定し、該各リスクレベル値が、オペレータによって任意に設定された閾値以上であるか否かを判定し、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を今回の検査日における検査対象として報知する装置が実施する検査対象報知方法であって、
    前記構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの少なくとも1つを表す部品の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶装置から取得し、該構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測する寿命予測工程と、
    前記プラントにおける次回の検査日の入力結果を記憶装置から取得し、該寿命予測工程にて予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、前記プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定する寿命判定工程と、
    該寿命判定工程にて、前記構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が前記プラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合に、該構成要素に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更するリスクレベル値変更工程と、
    を有し、
    前記各構成要素に付されたリスクレベル値には、リスクレベル値として取り得る範囲が定められており、
    前記リスクレベル値変更工程では、変更前の値が前記取り得る範囲内における最も低いリスクレベル値である場合、リスクレベル値を前記取り得る範囲内における最も高い値未満の値に変更すること
    を特徴とする検査対象報知方法。
  2. 請求項1に記載の検査対象報知方法をコンピュータにて実現するための検査対象報知プログラム。
  3. プラントを構成する複数の構成要素毎に、一定期間内に損傷の発生する度合いを表す損傷確率と、該構成要素が損傷した際に前記プラントが有する複数の機能のうちの停止してしまう機能が前記プラントに与える影響の大きさを表す影響度との各値に応じて決定される数値であり、かつ前記損傷確率が高くなるにつれて、また前記影響度が高くなるにつれて大きな数値になるよう設定された複数のリスクレベル値が予め記憶された記憶手段と、
    前記プラントの検査を実施する際に、前記各構成要素に対応して入力された損傷確率と影響度とから前記構成要素毎にリスクレベル値を特定し、該各リスクレベル値が、オペレータによって任意に設定された閾値以上であるか否かを判定し、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を今回の検査日における検査対象として報知する報知手段と、
    を備えた検査対象報知装置において、
    前記構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの少なくとも1つを表す部品の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶手段から取得し、該構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測する寿命予測手段と、
    前記プラントにおける次回の検査日の入力結果を記憶手段から取得し、該寿命予測手段により予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、前記プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定する寿命判定手段と、
    該寿命判定手段により、前記構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が前記プラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合に、該構成要素に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更するリスクレベル値変更手段と、
    を備え、
    前記各構成要素に付されたリスクレベル値には、リスクレベル値として取り得る範囲が定められており、
    前記リスクレベル値変更手段は、変更前の値が前記取り得る範囲内における最も低いリスクレベル値である場合、リスクレベル値を前記取り得る範囲内における最も高いリスクレベル値未満の値に変更すること
    を特徴とする検査対象報知装置。
  4. 前記記憶手段は、
    互いに交差する座標軸にて形成される仮想平面領域を各座標軸に沿って複数に分割することによりマトリクスを形成し、前記座標軸のうちの第1座標軸には前記損傷確率を表す第1パラメータを関連付けると共に、第2座標軸には前記影響度を表す第2パラメータを関連付け、さらに、前記マトリクスを構成する各領域には、予め設定されたリスクレベル値を夫々付与することにより、前記各座標軸に関連付けた2種類のパラメータに基づき前記マトリクスを構成する任意の領域を特定して、該領域に付与されたリスクレベル値を検索できるように生成されたリスクマトリクス情報が記憶されると共に、
    該リスクマトリクス情報を検索してリスクレベル値を決定するのに必要な2種類のパラメータが、前記各構成要素毎に記憶され、
    前記報知手段は、検査対象を報知する際に、前記記憶手段から、各構成要素に対応した2種類のパラメータを読み取り、該読み取ったパラメータに基づき前記リスクマトリクス情報を検索することにより、各構成要素のリスクレベル値を決定するよう構成され、
    前記リスクレベル値変更手段は、前記報知手段がリスクレベル値を決定するのに用いる2種類のパラメータのうち、前記損傷確率を表す第1パラメータを取り得る損傷確率のうちの最大値に変更することにより、前記報知手段にて検索されるリスクレベル値を大きい値に変更すること
    を特徴とする請求項3に記載の検査対象報知装置。
  5. 前記リスクマトリクス情報を構成する第1座標軸には、前記損傷確率を表す第1パラメータとして、前記構成要素における過去の損傷確率または前記構成要素に類似した機器における損傷確率が関連付けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の検査対象報知装置。
  6. 前記寿命予測手段は、前記構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの複数を表す複数の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶手段から取得し、該使用状態毎に該構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測し、
    前記寿命判定手段は、前記寿命予測手段により構成要素の使用状態毎に予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、それぞれ前記プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定し、
    前記報知手段は、前記プラントの検査を実施する際に、前記構成要素毎に付されたリスクレベル値が、予め前記使用状態毎に設定された閾値以上であるか否かを、前記構成要素毎および前記使用状態毎に判定し、前記複数の使用状態のうち少なくとも1つ以上の使用状態において、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を、今回の検査日における検査対象として報知すること
    を特徴とする請求項3〜請求項5の何れかに記載の検査対象報知装置。
  7. 前記プラントは複数の装置により構成されており、
    前記各構成要素は、前記複数の装置を構成する各機器であって、
    前記構成要素を構成する部品は、前記各機器の寿命の指標となるキー部品であること
    を特徴とする請求項3〜請求項6の何れかに記載の検査対象報知装置。
  8. 前記記憶手段には、ある機器が検査対象となった際に、機器を構成する部品のうち、前記キー部品に関連付けて検査すべき部品を示す複数種類の情報が選択可能に記憶されており、
    前記報知手段は、検査対象となる機器のリスクレベル値、および前記キー部品の使用状態のうちの少なくとも一方に応じて、前記記憶手段に記憶された検査すべき部品を示す情報を選択し、その情報の内容を今回の検査日における検査対象として報知すること
    を特徴とする請求項7に記載の検査対象報知装置。
  9. 前記報知手段は、各検査対象により異なる検査手順も報知することを特徴とする請求項3〜請求項8の何れかに記載の検査対象報知装置。
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