JP4153868B2 - 検査対象報知方法、検査対象報知プログラム、および検査対象報知装置 - Google Patents
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この装置では、構成要素における現時点での磨耗量と、各構成要素が損傷した際にプラントが受ける影響とに基づいて、各構成要素に対してリスクレベル値を設定し、このリスクレベル値が大きい構成要素から順に、優先的に検査対象として設定するようにしていた。
プラントを構成する複数の構成要素毎に、一定期間内に損傷の発生する度合いを表す損傷確率と、該構成要素が損傷した際に前記プラントが有する複数の機能のうちの停止してしまう機能が前記プラントに与える影響の大きさを表す影響度との各値に応じて決定される数値であり、かつ前記損傷確率が高くなるにつれて、また前記影響度が高くなるにつれて大きな数値になるよう設定された複数のリスクレベル値を予め記憶しておき、前記プラントの検査を実施する際には、前記各構成要素に対応して入力された損傷確率と影響度とから前記構成要素毎にリスクレベル値を特定し、該各リスクレベル値が、オペレータによって任意に設定された閾値以上であるか否かを判定し、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を今回の検査日における検査対象として報知する装置が実施する検査対象報知方法であって、
前記構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの少なくとも1つを表す部品の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶装置から取得し、該構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測する寿命予測工程と、
前記プラントにおける次回の検査日の入力結果を記憶装置から取得し、該寿命予測工程にて予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、前記プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定する寿命判定工程と、
該寿命判定工程にて、前記構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が前記プラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合に、該構成要素に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更するリスクレベル値変更工程と、
を有し、
前記各構成要素に付されたリスクレベル値には、リスクレベル値として取り得る範囲が定められており、
前記リスクレベル値変更工程では、変更前の値が前記取り得る範囲内における最も低いリスクレベル値である場合、リスクレベル値を前記取り得る範囲内における最も高い値未満の値に変更すること
を特徴とする。
このように、この検査対象報知プログラム(請求項2)を用いて、一連の工程(検査対象報知方法)をコンピュータにより実現すれば、手間を掛けることなく、より効率的に検査対象を報知することができる。
プラントを構成する複数の構成要素毎に、一定期間内に損傷の発生する度合いを表す損傷確率と、該構成要素が損傷した際に前記プラントが有する複数の機能のうちの停止してしまう機能が前記プラントに与える影響の大きさを表す影響度との各値に応じて決定される数値であり、かつ前記損傷確率が高くなるにつれて、また前記影響度が高くなるにつれて大きな数値になるよう設定された複数のリスクレベル値が予め記憶された記憶手段と、
前記プラントの検査を実施する際に、前記各構成要素に対応して入力された損傷確率と影響度とから前記構成要素毎にリスクレベル値を特定し、該各リスクレベル値が、オペレータによって任意に設定された閾値以上であるか否かを判定し、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を今回の検査日における検査対象として報知する報知手段と、
を備えた検査対象報知装置において、
前記構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの少なくとも1つを表す部品の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶手段から取得し、該構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測する寿命予測手段と、
前記プラントにおける次回の検査日の入力結果を記憶手段から取得し、該寿命予測手段により予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、前記プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定する寿命判定手段と、
該寿命判定手段により、前記構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が前記プラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合に、該構成要素に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更するリスクレベル値変更手段と、
を備え、
前記各構成要素に付されたリスクレベル値には、リスクレベル値として取り得る範囲が定められており、
前記リスクレベル値変更手段は、変更前の値が前記取り得る範囲内における最も低いリスクレベル値である場合、リスクレベル値を前記取り得る範囲内における最も高いリスクレベル値未満の値に変更する
ように構成されていればよい。
図1は、本発明が適用された検査対象報知装置1の構成を示すブロック図(A)、および検査対象報知装置1を構成する記憶装置17に格納されたデータ構成を示すブロック図(B)である。
部品情報33は、各機器や各機器におけるキー部品について、様々な数値が関連付けられて記憶されたものである。つまり、図4に示すように、例えば、減速器41のキー部品であるステムナット41Aには、先に示したリスクマトリクス31におけるリスクレベル値を決定するための座標値(c−C)と、前回の部品の交換日と、前回の検査時における損傷程度の評価値(損傷レベル)とが関連付けられている。また、後述するように検査メニューは3種類設定されているため、部品情報33には、この3種類の検査が、前回それぞれいつ実施されたかを示す前回の検査日情報(図示は省略)を記憶させている。
作業手順書35は、目次データ35Aと本データ35Bとから構成されている。目次データ35Aは、図5(A)に示すように、装置名および適用機器が関連付けられており、各適用機器について、3種類ずつ((A)〜(C))の本データ35Bのリンク先が記憶されている。そして、その本データ35Bの内容は、図5(B)に示すように、点検機器、および点検ランク毎に、細目が設定されており、各細目に対応した点検内容(手順)が記憶されている。なお、図5(B)に示す点検ランクには(A)〜(C)が設定されており、それぞれ順に2年、4年、6年の点検間隔が設定されている。
次に、S140に移行し、オペレータにより入力装置25を介して次回の検査日が入力されたか否かを判定する。次回の検査日が入力されていないと判定すれば、S140を繰り返し、次回の検査日が入力されたと判定すれば、入力された日に次回の検査日を設定し、S150に移行する。
次に、S190では、選択されているキー部品が属する機器のリスクレベル値が閾値以上であるか否かを判定する。リスクレベル値が閾値以上であると判定すれば、S200に移行し、今回の検査対象に含める旨のデータをRAM13に書き込み、S210に移行する。一方、S190にて、選択されているキー部品が属する機器のリスクレベル値が閾値よりも小さな値であると判定すれば、そのままS210に移行する。
そして、S220では、全てのキー部品を既に選択したか否かを判定する。未選択のキー部品があると判定すると、S230に移行し、選択中のキー部品の次に部品情報33へ記憶されたキー部品を選択し、S160からの処理を繰り返す。
加えて、各検査対象により異なる検査手順も報知するので(図5(B)参照)、検査対象となった機器を検査する際の作業手順まで分かり易く報知することができ、延いては、作業表等を探す手間を省くことができる。
さらに、記憶装置17には、前回の検査の際に検査対象となった各構成要素の前回の検査時における損傷程度を評価した評価値(損傷レベル:評価情報)が予め記憶されており、S180では、記憶装置17に記憶された評価値に基づいて、損傷程度が予め設定されたレベルよりも高い機器に対応した損傷の起こり易さの値についても、この値を最大値に変更するよう構成されているので、前回の検査結果を反映し、損傷程度が予め設定されたレベルよりも高い機器を検査対象として選択し易くすることができ、検査すべき機器の検査もれを防止することができる。
また、本実施形態においては、リスクマトリクス31を用いてリスクレベル値を変更するよう構成したが、特にこのような構成にする必要はなく、例えば、変更前および変更後のリスクレベル値を機器毎に予め記憶装置17に記憶しておき、リスクレベル値を変更する際には、記憶装置17に記憶された各リスクレベル値に基づいて、リスクレベル値を変更するよう構成してもよい。
Claims (9)
- プラントを構成する複数の構成要素毎に、一定期間内に損傷の発生する度合いを表す損傷確率と、該構成要素が損傷した際に前記プラントが有する複数の機能のうちの停止してしまう機能が前記プラントに与える影響の大きさを表す影響度との各値に応じて決定される数値であり、かつ前記損傷確率が高くなるにつれて、また前記影響度が高くなるにつれて大きな数値になるよう設定された複数のリスクレベル値を予め記憶しておき、前記プラントの検査を実施する際には、前記各構成要素に対応して入力された損傷確率と影響度とから前記構成要素毎にリスクレベル値を特定し、該各リスクレベル値が、オペレータによって任意に設定された閾値以上であるか否かを判定し、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を今回の検査日における検査対象として報知する装置が実施する検査対象報知方法であって、
前記構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの少なくとも1つを表す部品の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶装置から取得し、該構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測する寿命予測工程と、
前記プラントにおける次回の検査日の入力結果を記憶装置から取得し、該寿命予測工程にて予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、前記プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定する寿命判定工程と、
該寿命判定工程にて、前記構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が前記プラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合に、該構成要素に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更するリスクレベル値変更工程と、
を有し、
前記各構成要素に付されたリスクレベル値には、リスクレベル値として取り得る範囲が定められており、
前記リスクレベル値変更工程では、変更前の値が前記取り得る範囲内における最も低いリスクレベル値である場合、リスクレベル値を前記取り得る範囲内における最も高い値未満の値に変更すること
を特徴とする検査対象報知方法。 - 請求項1に記載の検査対象報知方法をコンピュータにて実現するための検査対象報知プログラム。
- プラントを構成する複数の構成要素毎に、一定期間内に損傷の発生する度合いを表す損傷確率と、該構成要素が損傷した際に前記プラントが有する複数の機能のうちの停止してしまう機能が前記プラントに与える影響の大きさを表す影響度との各値に応じて決定される数値であり、かつ前記損傷確率が高くなるにつれて、また前記影響度が高くなるにつれて大きな数値になるよう設定された複数のリスクレベル値が予め記憶された記憶手段と、
前記プラントの検査を実施する際に、前記各構成要素に対応して入力された損傷確率と影響度とから前記構成要素毎にリスクレベル値を特定し、該各リスクレベル値が、オペレータによって任意に設定された閾値以上であるか否かを判定し、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を今回の検査日における検査対象として報知する報知手段と、
を備えた検査対象報知装置において、
前記構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの少なくとも1つを表す部品の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶手段から取得し、該構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測する寿命予測手段と、
前記プラントにおける次回の検査日の入力結果を記憶手段から取得し、該寿命予測手段により予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、前記プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定する寿命判定手段と、
該寿命判定手段により、前記構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が前記プラントにおける次回の検査日よりも前であると判定された場合に、該構成要素に付されたリスクレベル値を、より大きい値に変更するリスクレベル値変更手段と、
を備え、
前記各構成要素に付されたリスクレベル値には、リスクレベル値として取り得る範囲が定められており、
前記リスクレベル値変更手段は、変更前の値が前記取り得る範囲内における最も低いリスクレベル値である場合、リスクレベル値を前記取り得る範囲内における最も高いリスクレベル値未満の値に変更すること
を特徴とする検査対象報知装置。 - 前記記憶手段は、
互いに交差する座標軸にて形成される仮想平面領域を各座標軸に沿って複数に分割することによりマトリクスを形成し、前記座標軸のうちの第1座標軸には前記損傷確率を表す第1パラメータを関連付けると共に、第2座標軸には前記影響度を表す第2パラメータを関連付け、さらに、前記マトリクスを構成する各領域には、予め設定されたリスクレベル値を夫々付与することにより、前記各座標軸に関連付けた2種類のパラメータに基づき前記マトリクスを構成する任意の領域を特定して、該領域に付与されたリスクレベル値を検索できるように生成されたリスクマトリクス情報が記憶されると共に、
該リスクマトリクス情報を検索してリスクレベル値を決定するのに必要な2種類のパラメータが、前記各構成要素毎に記憶され、
前記報知手段は、検査対象を報知する際に、前記記憶手段から、各構成要素に対応した2種類のパラメータを読み取り、該読み取ったパラメータに基づき前記リスクマトリクス情報を検索することにより、各構成要素のリスクレベル値を決定するよう構成され、
前記リスクレベル値変更手段は、前記報知手段がリスクレベル値を決定するのに用いる2種類のパラメータのうち、前記損傷確率を表す第1パラメータを取り得る損傷確率のうちの最大値に変更することにより、前記報知手段にて検索されるリスクレベル値を大きい値に変更すること
を特徴とする請求項3に記載の検査対象報知装置。 - 前記リスクマトリクス情報を構成する第1座標軸には、前記損傷確率を表す第1パラメータとして、前記構成要素における過去の損傷確率または前記構成要素に類似した機器における損傷確率が関連付けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の検査対象報知装置。
- 前記寿命予測手段は、前記構成要素または該構成要素を構成する部品における定格寿命、物理量の計測値、および過去における故障の発生頻度のうちの複数を表す複数の使用状態、および該構成要素または該構成要素を構成する部品における前回の交換日の入力結果を記憶手段から取得し、該使用状態毎に該構成要素または該構成要素を構成する部品の寿命を予測し、
前記寿命判定手段は、前記寿命予測手段により構成要素の使用状態毎に予測された構成要素または構成要素を構成する部品の寿命が切れる日が、それぞれ前記プラントにおける次回の検査日よりも前であるか否かを判定し、
前記報知手段は、前記プラントの検査を実施する際に、前記構成要素毎に付されたリスクレベル値が、予め前記使用状態毎に設定された閾値以上であるか否かを、前記構成要素毎および前記使用状態毎に判定し、前記複数の使用状態のうち少なくとも1つ以上の使用状態において、リスクレベル値が前記閾値以上と判定された構成要素を、今回の検査日における検査対象として報知すること
を特徴とする請求項3〜請求項5の何れかに記載の検査対象報知装置。 - 前記プラントは複数の装置により構成されており、
前記各構成要素は、前記複数の装置を構成する各機器であって、
前記構成要素を構成する部品は、前記各機器の寿命の指標となるキー部品であること
を特徴とする請求項3〜請求項6の何れかに記載の検査対象報知装置。 - 前記記憶手段には、ある機器が検査対象となった際に、機器を構成する部品のうち、前記キー部品に関連付けて検査すべき部品を示す複数種類の情報が選択可能に記憶されており、
前記報知手段は、検査対象となる機器のリスクレベル値、および前記キー部品の使用状態のうちの少なくとも一方に応じて、前記記憶手段に記憶された検査すべき部品を示す情報を選択し、その情報の内容を今回の検査日における検査対象として報知すること
を特徴とする請求項7に記載の検査対象報知装置。 - 前記報知手段は、各検査対象により異なる検査手順も報知することを特徴とする請求項3〜請求項8の何れかに記載の検査対象報知装置。
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