JP4152429B1 - 微生物単離取得のためのマイクロ・マニピュレータ装着用微小工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ターゲットとなる細胞又は細胞群を確定させた際、当該細胞又は当該細胞群が顕微鏡の視野から決して出ないようにすると共に、当該細胞又は当該細胞群に対して確実に所望の処理を施すことが可能なマイクロ・マニピュレータ装着用微小工具の提供。
【解決手段】
一端に細胞又は細胞群の切断、移動及び/又は細胞又は細胞群への薬剤注入その他の処理をするための処理部が形成されており他端にマイクロ・マニピュレータに装着される装着部が形成されている胴体部材と、前記処理部を左右から離隔した状態で挟む、前記細胞又は前記細胞群を把持するための把持部として機能する二本の開脚部材と、を有するマイクロ・マニピュレータ装着用微小工具であって、前記二本の開脚部材に対する前記処理部の相対位置が上下に変化可能な可とう性を有し、1個の細胞を分離する工具。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロ・マニピュレーションを利用した、自然環境中に生息する多種・多様な未知の細胞(例えば有用微生物)を自然環境から簡便かつ効率的に単離して取得する技術に関する。特に、本発明は、手術等に用いられるマイクロ・マニピュレータを利用して、相互に連結した微生物群から個々の微生物を分離する等の各種処理を実施するに際して使用される、マイクロ・マニピュレータ装着用微小工具に関する。
自然環境中には多種・多様な微生物が生息し、その中には人類にとって有用な物質を作ったり有害な物質を分解したりして大きな利益をもたらすものも多い。
例えば、それらの一つが脱窒菌等の土壌微生物である。近年、窒素肥料の大量使用や輸入食料・飼料の増大等により、硝酸態窒素による水系汚染、温室効果ガスであるNO(亜酸化窒素)の発生等の環境問題が深刻になっているが、この解決には脱窒菌が大きな役割を期待されている。即ち、水田土壌には窒素肥料や生活廃水に由来するアンモニア(NH )が存在し、一部はイネにより吸収されるが、残りは硝化菌の働きでまず硝酸イオン(NO )になり、最終的には脱窒菌により窒素酸化物でなく無害な窒素ガス(N)に変換されて大気中に戻される。したがって、硝化菌や脱窒菌の連携した作用のおかげで水田土壌は畑土壌や草地土壌に比べて硝酸の溶脱やNO等窒素酸化物の発生の少ない優良農地になっている。しかし現在、人工の培養条件下で脱窒能を示す微生物(脱窒菌)は多種知られているが、水田土壌で実際に機能している脱窒菌の種類に関する信頼できる同定結果は非常に少ない。
このように、自然環境中の有用微生物を取得することは、環境上もまた産業上も有用である。しかしながら、有用微生物を単離して培養することの困難さ故、これら有用微生物の大部分はまだ利用されていないのが実情である。
このような実情下、本発明者は、マイクロ・マニピュレーションシステム(特許文献1参照)を利用した、微生物の単離手法を既に提案している(PCT/JP2007/059532)。当該手法は、手術等に使用されるマイクロ・マニピュレーション装置を微生物の単離に応用したものである。より詳細には、マイクロ・マニピュレータのアームに特殊な器具を装着した上、顕微鏡で観察しながら、当該アームを油圧で動かして当該器具をミクロン単位で操作することにより、多数の微生物群を切断手段で切断して単一微生物にしたり、キャピラリーにより当該単一微生物を吸引する、といった操作を実行する。
特開2001−330781
しかしながら、当該マイクロ・マニピュレータを用いての単一微生物の取得は、それ程容易ではない。その第一の理由は、前述のように、このマイクロ・マニピュレーション操作を顕微鏡で観察しながら行う結果、視野が非常に狭いためである。即ち、肉眼の視野角は通常約150°程度であるが顕微鏡での視野角は僅か30°と視野が非常に狭い。したがって、もし対象物を見失うと、再び発見することは難儀を窮める。また、第二の理由は、切断対象である微生物群が微小であるので、サイズが微生物に適合した微小ナイフを用いたとしても上手く切断できない(滑る)場合があるためである。そして、当該第二の理由は、上手く切断できず微生物群が滑る結果、当該微生物群が顕微鏡の視野外に移動してしまうという、第一の理由の原因にもなる。そこで、本発明は、ターゲットとなる微生物を確定させた際、当該微生物が顕微鏡の視野から決して出ないようにすると共に、当該微生物に対して確実に所望の処理を施すことが可能なマイクロ・マニピュレータ装着用微小工具を提供することを目的とする。
本発明(1)は、一端に細胞又は細胞群の切断、移動及び/又は細胞又は細胞群への薬剤注入その他の処理をするための処理部が形成されており他端にマイクロ・マニピュレータに装着される装着部が形成されている胴体部材と、前記処理部を左右から離隔した状態で挟む、前記細胞又は前記細胞群を把持するための把持部として機能する二本の開脚部材と、を有するマイクロ・マニピュレータ装着用微小工具であって、前記二本の開脚部材に対する前記処理部の相対位置が上下に変化可能な可とう性を有し、1個の細胞を分離する工具である。
本発明(2)は、前記可とう性は、前記二本の開脚部材に対する前記処理部の相対位置が下に変化した際、前記二本の開脚部材を左右方向に拡開させる性質も含む、前記発明(1)のマイクロ・マニピュレータ装着用微小工具である。
本発明によれば、まず、微生物等の細胞や細胞群を把持するための把持部と当該細胞又は当該細胞群に対して何らの処理を施すための処理部とが一体的であるので、両者を常に顕微鏡の視野の中に存在させることができる。その結果、ターゲットの細胞(例えば微生物)又は細胞群(例えば微生物叢)を発見した場合、当該細胞又は当該細胞群を把持部で押さえ付け、操作が終わるまで視野内に確保し続けることを担保した後、同じく視野内に存在する処理部をただちにターゲットに接触させることが可能になる結果、当該細胞又は当該細胞群に対して確実に所望の処理を施すことができるという効果を奏する。更には、二本の開脚部材に対する処理部の相対位置が下に変化した際、二本の開脚部材が左右方向に拡開するよう構成されている態様に関しては、二本の開脚部材で細胞又は細胞群を押さえ付けた場合、当該ターゲットに対して引っ張り力を印加できる結果、処理が切断処理であるときには、一点で固定するよりも切断し易くなるという効果をも奏する。また、把持部と処理部とが一体的であるので、比較的廉価な片手用マイクロ・マニピュレータ装置でも使用可能であるという効果をも奏する。
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書における各用語の定義を説明する。「細胞」とは、バクテリア等の微生物(例えば放線菌)の他、幹細胞のような多細胞生物から取り出した細胞をも含める。「微小工具」とは、処理対象である細胞又は細胞群の大きさが1μm〜2mm(好適には1μm〜300μm)である、顕微鏡を用いて処理を行う際に使用される工具を指す。「移動」とは、ある場所からある場所へ処理対象を移動する態様であれば特に限定されず、例えば、ある空間内に処理対象を吸引して保持することで移動する場合の他、処理部に処理対象を付着(例えばナイフ等の切断部に処理対象を付着)させて移動する場合をも包含する。「胴体部材」とは、一つのパーツからなる部材であっても、複数のパーツを結合(例えば接着)させることにより形成される部材でもよい。したがって、処理部と装着部とが同一パーツ(例えば図1に示す場合)であっても、別々のパーツからなるものであってもよい。「処理」とは、対象物に対して行う一切の処理を指し、例えば、細胞(例えば微生物)又は細胞群(例えば微生物叢)の切断、移動(例えば吸引)、細胞又は細胞群への薬剤注入を挙げることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の最良形態を説明する。尚、本発明の技術的範囲は本最良形態に限定されるものではない。また、以下の最良形態においては、微小工具の「処理部」として「微生物叢の切断部」を例に採り説明するが、他の処理(例えば、微生物又は微小微生物群の吸引等の移動、微生物又は微小微生物群への薬剤注入)も、他の構成要件を充足する限り、本発明の技術的範囲に属することはいうまでもない。更に、本最良形態では、細胞群である微生物叢から一個の微生物を取得することを例示している。但し、本発明は、一個の細胞を処理する場合(例えば一個の細胞に薬剤を注入する場合)や、大きな塊の細胞群から小さな細胞群(例えば5個程度の細胞群)を経て、1個の細胞を取得する場合をも包含する。また、一つの例について具体的に説明した事項に関しては、そうでないとの特記がある場合を除き、他の例にもそのまま適用されるものと理解すべきである。例えば、切断器具A(1)についての材料に関する説明は、他の例にも適用される。
本最良形態に係るマイクロ・マニピュレーションは、糸状・叢状になった多数の微生物群から一個の微生物を切り離す、又は、異物に強く付着している微生物を切断して一個の微生物を切り離す第一工程、前記工程により切り離された微生物から希望するものを単離する第二工程、単離した微生物を培養する第三工程からなる、希望の微生物を増殖させる方法である。具体的には、第一工程では、切断器具を装着したマイクロ・マニピュレータにより、俎板上に載せた処理対象である多数の微生物群を単一の微生物になるように切断する。第二工程では、第一工程で得られた単一の微生物をキャピラリー構造の管内に減圧吸引し単離する。第三工程では、第二工程で単離した微生物を適当な培地で増殖させる。以下、各工程において使用される器具について説明し、次に各工程の操作を詳述する。
《マイクロ・マニピュレーション用器具》
マイクロ・マニピュレーション法で使用される器具は、概略、(第一工程)切断器具及び俎板、(第二工程)キャピラリー、(第三工程)培地用フラスコ、である。これらの内、切断器具及び俎板は、本発明者が創作した新規な器具である。以下、これら各器具について説明する。
切断器具
まず、本最良形態に係る切断器具について説明する。当該切断器具は、所定角度で拡開した二本の可とう性脚部と、前記二本の可とう性脚部を跨ぐように延伸した切断部と、マイクロ・マニピュレータに装着される装着部とを有する。そして、当該切断作業は、マイクロ・マニピュレータに当該切断器具を装着して、顕微鏡を見ながらマイクロ・マニピュレータを操作しながら行う。ここで、当該切断器具は、非キャピラリー型(例1)とキャピラリー型(例2)に大別される。以下、図面を参照しながら各型を詳述する。
微小工具(切断器具):例1
図1は、例1に係る切断器具A(1)の構造を示した図である。微小工具(切断器具)A(1)は、マイクロ・マニピュレータにより力が直接加えられる長手部材である切断子110と、微生物を両手で押さえ付けることが可能な把持子120とを有する。ここで、切断子110は、マイクロ・マニピュレータに装着される装着部111を一端に有し、糸状・叢状になった多数の微生物群を切断するための切断部112を他端に有する。一方、把持子120は、切断子110の装着部111との接合部位となる接合部121と、当該切断子110を略中央に挟む形で左右に拡開した二本の可とう性脚部122と、を有する。ここで、まず、装着部111から説明すると、当該装着部111は、マイクロ・マニピュレータに切断器具A(1)を装着した際に当該器具がぐらつかず、切断操作に耐えられる強度を有する限り特に限定されない。次に、切断部112は、その先端に刃状の切断箇所(カッター)112aが形成されている。当該切断部112の素材(特に切断箇所112)は、鋼鉄、ガラス等の硬度の高い素材が好適である。例えば、当該切断部112は、高炭素鋼から成る動物皮用の縫い針や釣り針を目が非常に細かいサンドペーパで研ぐことにより製造可能である。次に、接合部121は、その裏面において切断子110の装着部111と何らかの手段により接合可能であれば特に限定されない。ここで、切断子110と把持子120との結合形態は、切断子110が切断動作可能に接合されている限り特に限定されず、一体成型であっても、部材同士を接着剤や溶接や半田等により接合した態様であっても、更には、枢軸部を設けて動作可能に接合した態様であってもよい。次に、二本の可とう性脚部122は、微生物群を任意の二点で確実に押圧できる程度の可とう性を有する限りどのような材料でもよく、例えば金属でもプラスチックでもよい(尚、当該二本の可とう性脚部122は、その両先端間距離が、微生物をはさみ込める程度の長さになるように開脚していることが好ましく、例えば0.4mm)。ここで、当該二本の可とう性脚部122間の距離は、処理対象である細胞又は細胞群の大きさにより好適距離が変動する。即ち、処理対象の細胞又は細胞群を両脚部で押え付けることが可能であるよう、両脚部間の距離を当該処理対象のサイズよりも小さくする必要がある。したがって、例えば、当該二本の可とう性脚部122間距離としては、例えば、処理対象のサイズが10μmであるときには、当該距離を10μm未満とする必要がある。
ここで、図1の切断器具A(1)は、切断子110と把持子120とが直結しており、かつ、把持子120が可とう性を有している態様であるが、これには限定されない。例えば、図2の切断器具A(2)は、例えば樹脂製のベース部材130(2)の端に、把持子120(2)が埋め込まれており、更に、切断子110(2)が弾性接着剤(例えばゴム状弾性接着剤)140(2)によりベース部材130(2)に接合されている態様である。尚、ベース部材130(2)は、切断子110(2)及び把持子120(2)の固定部材としての機能のみであるため、図示したサイズよりも小さくでも構わない。この態様においては、弾性接着剤140(2)が主として当該切断器具の可とう性を発揮している。図2(b)及び図2(c)は、マイクロ・マニピュレータにより切断子110(2)を操作した場合における、二本の脚部122(2)に対して切断部112(2)が上から下に相対移動する様子を示した図である。更に、図3の切断器具A(3)は、二本の脚部122(3)が、その先端に突起部122a(3)を有している態様である。このような構成を採ることにより、処理対象物をより確実に止めておくことが可能となる。
ここで、当該切断器具A(1)の使用方法を説明すると、まず、二本の可とう性脚部122の両先端で、相互に連結した微生物群又は塊の任意の二点を押圧する。このようにすることで、切断などの操作の際に微生物群の滑りを防止することができると共に、微生物群のたるみを取りピンとさせることが可能になる。この状態で、切断部112を微生物群に作用させると、二本の可とう性脚部112で異なる二点が押圧されているために微生物群の滑りが防止できることに加え、微生物群がピンとしているために比較的弱い力でも綺麗に切断することが可能になる。尚、切断器具A(2)及びA(3)も同じ使用方法である。
微小工具(切断器具):例2
図4は、例2に係る微小工具(切断器具)B(キャピラリー一体型)の構造を示した図である。切断器具Bは、基本構成は切断器具Aと同様に、少なくとも先端部に切断部位を有する操作子210と、微生物を両手で押さえ付けることが可能な把持子220とを有する構成である。但し、当該操作子210は、キャピラリー構造の管状部材である。したがって、当該操作子210は、切断子だけではなく吸引子やすくうものとしても機能する点で相違する。以下、当該操作子210を詳述すると、まず、当該操作子210の先端には、微生物群を切断するための刃状の切断箇所211が形成されている。ここで、切断箇所211は、刃状に研磨されている。但し、切断箇所211を設ける代わりに図1の切断子110を操作子210に接着剤や溶接や半田等で接合する方法も考えられる。そして、当該操作子210自体は、内部に中空部212を有している。このような構造のため、微生物群を前記切断箇所211で切断した後、切り離された微生物をすくったり中空部212内に減圧吸引し保持することが可能となる。即ち、本例に係る器具は、前述の第一工程(切断工程)及び第二工程(単離工程)の連続実施を可能にした器具である。ここで、当該切断部211を更に詳述すると、当該切断部211は、ガラス製、鋼鉄製等であることが好適である。更に、当該切断部211におけるキャピラリーの内径は、10〜100μmであることが好適であり、30〜80μmであることがより好適である。ここで、本明細書にいう「内径」とは、先端内径を意味し、顕微鏡で確認可能である。
俎板
次に、本最良形態に係る俎板について説明する。ここで、当該俎板は、以下の四個(特に最初の三個)の性質を有することが重要である。第一に、微生物が俎板上で滑らないようにするため、当該俎板は滑り難い性質を有することが好適である。第二に、第一工程及び第二工程では操作状況を確認するために下から光を照射するので、当該俎板は透明性を有することが好適である。第三に、微生物を切断する際に切断器具の刃を傷めないよう、当該俎板は硬度が低いことが好適である。第四に、オートクレーブ等で滅菌消毒できる(120℃以上に加熱可能)よう、当該俎板は耐熱性を有することが好適である。そして、前述の第一乃至第四の性質を有する素材としては、例えば、PARAFILM(登録商標)、ゼラチン(例えば、フジフィルム製のゼラチンフィルター)、メチルペンテンコポリマー(例えば、三井化学社製のTPX−MX400)のような乾燥フィルムが挙げられる。
ここで、俎板の選択は、使用する切断器具との関係で決定することが重要である。例えば、使用する切断器具の切断部が硬い素材からなるものである場合には、俎板にも硬い素材を使用することができる。他方、使用する切断器具の切断部が柔らかい素材からなるものである場合には、当該切断部にダメージを与えないような柔らかい素材を使用する必要がある。このように、使用する切断器具の切断部の素材に応じて、俎板の素材を選択することが好適である。組合せは特に限定されないが、例えば、切断器具に鋼鉄と俎板にPARAFILM(登録商標)、切断用器具に鋼鉄と俎板にゼラチン、とする素材の組合せが挙げられる。
《マイクロ・マニピュレーションシステム》
図5は、本最良形態に係るマイクロ・マニピュレーションシステムの全体構成図の一例である。尚、ここでは例2(図4)の切断器具Bを使用した場合を例に採って説明する。当該システムは、切断器具Bを把持するためのアーム部1(マイクロ・マニピュレータに直結したアーム部)と、当該アーム部1と一体的に移動可能に把持されている切断器具Bと、多種の微生物を搭載するための俎板2と、微生物の切断や単離の様子を確認するための顕微鏡3と、から構成される。そして、当該アーム1は、図示しない駆動手段により、油圧でXYZ方向にミクロン単位で移動可能に構成されている。更に、切断器具Bの中空部212は、注射筒1bと連結している。そして、当該注射筒1bの操作により、中空部212内は減圧・加圧状態となり、これにより当該中空部212内部に微生物が吸引・放出される。尚、アーム部は一本でもよいが、必要に応じて数本設置してもよい。例えば、例1(図1〜3)の切断器具(非キャピラリー型)を用いる場合には、一方のアーム部には切断器具を装着し、他方のアーム部にはキャピラリー管(例えば注射針)を装着するように構成してもよい。この場合、当該キャピラリー管は切断後の微生物の吸引だけでなく、切断の際に微生物群が移動しないようにする押えとしても機能する。
《マイクロ・マニピュレーション法》
まず、本最良形態に係るマイクロ・マニピュレーションに先立ち、全ての器具を熱又はエタノールによる滅菌処理に付することが好ましい。以下、本最良形態に係るマイクロ・マニピュレーション法の各工程について詳述する。
第一工程
本最良形態に係る第一工程では、糸状・叢状になった多数の微生物群から一個の微生物を切り離す、又は、異物に強く付着している微生物を切り離して一個の微生物を切り離す。具体的には、第一工程では、顕微鏡で処理対象微生物群を確認しながら、切断器具をアーム部に装着したマイクロ・マニピュレータ(例えばナリシゲ社製)を操作することにより、処理対象微生物群を切断する。具体的には、図5に示すように、操作者は、顕微鏡を見ながら、マイクロ・マニピュレータのアーム部1をXYZ方向にミクロン単位で移動させることにより実行する。
ここで、例1に係る切断器具Aを用いる場合、当該切断器具Aの切断箇所112a(三角錐の角部分)で微生物を切断する。例2に係る切断器具Bを用いる場合、当該切断器具Bの切断箇所211(開口部の外縁に形成された楕円状部)で微生物を切断する。
第二工程
本最良形態に係る第二工程では、第一工程で得られた一個の微生物をキャピラリー管で吸引する、又は、微小なピンセットで挟んで採る等して、当該微生物を単離する。具体的には、図5に示すように、操作者は、顕微鏡を見ながら、切断された微生物にキャピラリー管の開口部を接触させた後、注射筒1bを図中の矢印方向に操作してキャピラリー管内を減圧状態にすることにより、当該キャピラリー管内部に微生物を吸引する。
第三工程
本最良形態に係る第三工程では、前記二工程で単離した微生物を培養する。本工程で使用される培地は、特に限定されないが、希望する微生物に適した培地を選択するのが好ましい。
図1は、本最良形態に係る切断器具A(1)を示した図である。 図2は、本最良形態に係る切断器具A(2)を示した図である。 図3は、本最良形態に係る切断器具A(3)を示した図である。 図4は、本最良形態に係る切断器具Bを示した図である。 図5は、本最良形態に係るマイクロ・マニピュレーションシステムの全体構成図の一例である。

Claims (2)

  1. 一端に細胞又は細胞群の切断、移動及び/又は細胞又は細胞群への薬剤注入その他の処理をするための処理部が形成されており他端にマイクロ・マニピュレータに装着される装着部が形成されている胴体部材と、前記処理部を左右から離隔した状態で挟む、前記細胞又は前記細胞群を把持するための把持部として機能する二本の開脚部材と、を有するマイクロ・マニピュレータ装着用微小工具であって、前記開脚部材が、前記二本の開脚部材に対する前記処理部の相対位置が上下に変化可能な可とう性を有し、1個の細胞を分離する工具。
  2. 前記可とう性は、前記二本の開脚部材に対する前記処理部の相対位置が下に変化した際、前記二本の開脚部材を左右方向に拡開させる性質も含む、請求項1記載のマイクロ・マニピュレータ装着用微小工具。
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