JP4150787B2 - Method for producing aliphatic carbonate - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂肪族炭酸エステル化合物の製造方法に関し、詳しくは、樹脂、塗料などの溶媒、アルキル化剤、カルボニル化剤あるいはポリカーボネート樹脂等として有用な脂肪族炭酸エステル化合物を脂肪族ヒドロキシ化合物から効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脂肪族炭酸エステルは、樹脂、塗料などの溶媒、アルキル化剤、カルボニル化剤あるいはポリカーボネート樹脂等として有用な化合物である。
脂肪族炭酸エステルの製造方法としては、一般に脂肪族ヒドロキシ化合物とホスゲンとをアルカリの存在下で反応させる方法があるが、この方法では有毒なホスゲンを用いる上に、量論量のアルカリ塩が副生するなどいくつかの問題がある。従ってホスゲンを使用しない脂肪族炭酸エステルの製造方法が多く提案されてきた。
脂肪族炭酸エステルの製造方法として、例えば、脂肪族ヒドロキシ化合物の亜硝酸エステルと一酸化炭素とを反応させる方法(特開昭60−181051号公報)が提案されているが、亜硝酸エステルは腐食性ガスである上、爆発性でもあるため、安全性に問題があり、その対策のための費用が必要になるなど経済的にも問題がある。また、脂肪族ヒドロキシ化合物とアルキレンカーボネートとを反応させる方法(特公昭60−27658号公報)が提案されているが、アルキレンカーボネートは高価であり、また副生成物のグリコールの利用が必要となるなど経済的に問題がある。あるいは、脂肪族ヒドロキシ化合物と脂肪族ヒドロキシ化合物のカルバミン酸エステルとを反応させる方法(特公平1−49698号公報)が提案されているが、脂肪族ヒドロキシ化合物のカルバミン酸エステルは高価であり、また反応速度が極めて遅いなどの問題がある。さらに、脂肪族ヒドロキシ化合物と尿素とを反応させる方法(特公昭62−54297号公報)が提案されているが、この方法においては有毒なアンモニアを副生し、また経済的に十分な反応速度を得るためには200℃以上の高い反応温度が必要であるなどの問題がある。
【0003】
一方、脂肪族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素とを触媒の存在下に反応させる方法が報告されている。この方法において用いられる触媒としては、論文(ACSSymposium Series,No.626,70頁,アメリカ化学会)に示されているように、銅化合物を助触媒として用いるパラジウム化合物触媒、銅化合物触媒、コバルト化合物触媒などが提案されているが、いずれの触媒も反応速度や触媒寿命が経済的な面で十分でないなどの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の脂肪族炭酸エステルの製造方法が有する問題点を解消し、脂肪族ヒドロキシ化合物から一段でかつ高収率で脂肪族炭酸エステルを効率よく製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の状況に鑑み、従来技術の問題点を解消し、かつ脂肪族ヒドロキシ化合物から一段で高収率で脂肪族炭酸エステルを効率よく製造する方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、(a−1)スズ原子、チタン原子及び鉄原子から選ばれる少なくとも一種とパラジウム原子を金属中心として有する多核金属錯体化合物、(a−3)ジイミン系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物又はビキノリンを配位子として有するパラジウム錯体化合物と(b)レドックス触媒とを触媒として用いることにより、一酸化炭素及び脂肪族ヒドロキシ化合物の活性化が促進され、上記本発明の目的を達成できることを見出した。本発明はかかる知見に基いて完成したものである。
すなわち、本発明は、脂肪族ヒドロキシ化合物、一酸化炭素及び酸素を、(a−1)スズ原子、チタン原子及び鉄原子から選ばれる少なくとも一種とパラジウム原子を金属中心として有する多核金属錯体化合物と(b)レドックス触媒とからなる触媒の存在下で反応させることを特徴とする脂肪族炭酸エステルの製造方法;脂肪族ヒドロキシ化合物、一酸化炭素及び酸素を、(a−3)ジイミン系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物又はビキノリンを配位子として有するパラジウム錯体化合物と(b)レドックス触媒とからなる触媒の存在下で反応させることを特徴とする脂肪族炭酸エステルの製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法において、脂肪族ヒドロキシ化合物としては、従来公知の種々のものが使用でき、所望の脂肪族炭酸エステルの種類により適宜選定することができ、例えば脂肪族モノヒドロキシ化合物及び脂肪族ジヒドロキシ化合物から選ばれる脂肪族ヒドロキシ化合物類が挙げられる。脂肪族モノヒドロキシ化合物としては、一般式ROH(ただしRは炭素数1〜20の脂肪族アルキル基を示す。Rの構造としては一級、二級、三級のいずれでもよく、分岐構造、環状構造、ハロゲン原子などを適宜含んでいてもよい。)で表される脂肪族モノヒドロキシ化合物が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−クロロ−1−プロパノール、1−クロロ−2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、3−エチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−デカノール、1−ドデカノール、2−ドデカノール、1−テトラデカノール、2−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール、2−ヘキサデカノール、1−オクタデカノール、2−オクタデカノール、ベンジルアルコールなどが例示される。
【0007】
また、脂肪族ジヒドロキシ化合物としては一般式HOR’OH(ただしR’は炭素数2〜20の脂肪族アルキレン基を示す。R’の構造としては任意の位置に、分岐構造、環状構造、ハロゲン原子などを含んでいてもよい。)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。具体的には、エチレングリコール、1,2−ジヒドロキシプロパン、1,3−ジヒドロキシプロパン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,4−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシヘキサン、1,6−ジヒドロキシヘキサン、1,2−ジヒドロキシオクタン、1,8−ジヒドロキシオクタン、1,2−ジヒドロキシデカン、1,10−ジヒドロキシデカン、1,2−ジヒドロキシドデカン、1,10−ジヒドロキシドデカン、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,2−ジヒドロキシ−1−フェニルエタン、p−(ヒドロキシメチル)ベンジルアルコールなどが挙げられる
【0008】
上記脂肪族ヒドロキシ化合物と反応させる一酸化炭素は、単体であってもよいが、不活性ガスで希釈されていても、水素との混合ガスであってもよい。また、上記脂肪族ヒドロキシ化合物と反応させる酸素は、純酸素であってもよいが、一般には不活性ガスで希釈されたもの、例えば空気等の酸素含有ガスであってもよい。
【0009】
一方、本発明の方法において用いられる触媒は、前述したように(a−1)成分、(a−2)成分又は(a−3)成分〔これらをまとめて(a)成分ということがある〕と(b)成分とから構成されている。ここで触媒の(a−1)成分としては、一つの多核金属錯体化合物中に、スズ原子、チタン原子及び鉄原子から選ばれる少なくとも一種とパラジウム原子を有するものであれば、いかなる化合物であってもよい。このような多核金属錯体化合物として具体的には、例えば、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチン)ジパラジウムクロリド、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)ビス(トリクロロチン)ジパラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチタニウム)ジパラジウムクロリド、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)ビス(トリクロロチタニウム)ジパラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(ジクロロアイアン)ジパラジウムクロリド、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)ビス(ジクロロアイアン)ジパラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチン)(トリクロロチタニウム)ジパラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチン)(ジクロロアイアン)ジパラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチタニウム)(ジクロロアイアン)ジパラジウム、π−アリル(トリフェニルホスフィン)(トリクロロチン)パラジウム、π−アリル(トリフェニルホスフィン)(トリクロロチタニウム)パラジウム、π−アリル(トリフェニルホスフィン)(ジクロロアイアン)パラジウム、ビス(トリクロロチン)パラジウム、ビス(トリクロロチタニウム)パラジウム、ビス(ジクロロアイアン)パラジウム等が挙げられる。また、これらの多核金属錯体化合物の合成前駆体となるスズ原子、チタン原子及び鉄原子から選ばれる少なくとも一種類とパラジウム原子を有する化合物をそれぞれ単独に用い、物理的に混合した形のものであってもよい。
【0010】
触媒の(a−2)成分としては、一つの多核金属錯体化合物中にパラジウム原子を複数個有するものであればいかなる化合物であってもよい。このような多核金属錯体化合物として具体的には、ジフルオロビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、ジクロロビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、ジブロモビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、ジヨードビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、ジナイトライトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、ジアジドビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、ジイソチオシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、ジチオシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、ジシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、ジクロロビス[メチレンビス(ジフェニルアルシン)]ジパラジウム、ジブロモビス[メチレンビス(ジフェニルアルシン)]ジパラジウム、ジヨードビス[メチレンビス(ジフェニルアルシン)]ジパラジウム、ジナイトライトビス[メチレンビス(ジフェニルアルシン)]ジパラジウム、ジアジドビス[メチレンビス(ジフェニルアルシン)]ジパラジウム、ジイソチオシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルアルシン)]ジパラジウム、ジチオシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルアルシン)]ジパラジウム、ジシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルアルシン)]ジパラジウム、ジクロロビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−CO)ジパラジウム、ジナイトライトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−CO)ジパラジウム、ジアジドビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−CO)ジパラジウム、ジチオシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−CO)ジパラジウム、ジシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−CO)ジパラジウム、ジクロロビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−メチルイソシアニド)ジパラジウム、ジナイトライトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−メチルイソシアニド)ジパラジウム、ジアジドビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−メチルイソシアニド)ジパラジウム、ジチオシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−メチルイソシアニド)ジパラジウム、ジシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−メチルイソシアニド)ジパラジウム、ジクロロビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−フェニルイソシアニド)ジパラジウム、ジナイトライトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−フェニルイソシアニド)ジパラジウム、ジアジドビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−フェニルイソシアニド)ジパラジウム、ジチオシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−フェニルイソシアニド)ジパラジウム、ジシアナトビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)](μ−フェニルイソシアニド)ジパラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)トリパラジウム ビス(テトラフルオロボレート)、ビス(トリフェニルホスフィン)ヘキサ(メチルイソシアニド)トリパラジウム ビス(ヘキサフルオロホスフェート)等が挙げられる。
【0011】
触媒の(a−3)成分としては、窒素原子を2つ以上有する有機化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物であればいかなる化合物であってもよい。窒素原子を2つ以上有する有機化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物としては、ジイミン系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物、ビピリジル系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物、ジアミン系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物から選ばれる少なくとも一種のパラジウム錯体化合物が好ましい。ジイミン系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物として具体的には、一般式(I)
【0012】
【化1】
【0013】
(式中、R1 及びR4 は、それぞれ独立に炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基又は全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基、R2 及びR3 は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R2 とR3 は互いに結合して環を形成していてもよく、A及びBは、それぞれ独立にハロゲン原子又は炭素数1〜20も炭化水素基を示す。)
で表される錯体化合物を挙げることができる。
【0014】
前記一般式(I)においてR1 及びR4 のうちの炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又は炭素数3〜20のシクロアルキル基等が挙げられる。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基(n−ペンチル基、イソペンチル基等各種異性体を意味する。異性体のあるものについては以下同じ。)、へキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。なお、シクロアルキル基の環上には低級アルキル基などの適当な置換基が導入されていてもよい。また、全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基としては、例えばフェニル基やナフチル基などの芳香族基や、フェニル基やナフチル基などの芳香族環上に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が1個以上導入された基などが挙げられる。このR1 及びR4 としては環上に炭化水素基を有する芳香族基が好ましく、特に2,6−ジイソプロピルフェニル基が好適である。R1 及びR4 は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0015】
また、R2 及びR3 のうちの炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基等が挙げられる。ここで炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、前記R1 及びR4 のうちの炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基の説明において例示したものと同じものを挙げることができる。また、炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基等が挙げられ、炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。このR2 とR3 は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。また、互いに結合して環を形成していてもよい。一方、A及びBのうちのハロゲン原子としては、塩素、臭素及びヨウ素原子等が挙げられ、また、炭素数1〜20の炭化水素基は、上記R2 及びR3 における炭素数1〜20の炭化水素基について説明したとおりである。このA及びBとしては特に塩素原子及び臭素原子が好ましい。また、AとBは、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。前記一般式(I)で表される錯体化合物の例としては、下記の式[1]、[2]、[3]及び[4]で表される化合物等を挙げることができる。
【0016】
【化2】
【0017】
(a−3)成分うち、ビピリジル系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物として具体的には、一般式(II)
【0018】
【化3】
【0019】
(式中、R5 〜R12は、それぞれ独立に炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基又は水素原子を示し、R5 とR6 、R6 とR7 、R7 とR8 、R8 とR9 、R9 とR10、R10とR11、R11とR12のように互いに隣接した置換基はそれぞれ結合して芳香族環、又は不飽和脂肪族環を形成していてもよい。C及びDは、それぞれ独立にハロゲン原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
で表される錯体化合物を挙げることができる。
【0020】
前記一般式(II)において、R5 〜R12のうちの炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又は炭素数3〜20のシクロアルキル基等が挙げられる。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。なお、シクロアルキル基の環上には低級アルキル基などの適当な置換基が導入されていてもよい。また、全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基としては、例えばフェニル基やナフチル基などの芳香族基や、フェニル基やナフチル基などの芳香族環上に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が1個以上導入された基などが挙げられる。
【0021】
また、このR5 〜R12は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。R5 〜R12の中で互いに隣接する置換基は、それぞれに結合して芳香族環、又は不飽和脂肪族環を形成していてもよい。一方、C及びDのうちのハロゲン原子としては、塩素、臭素及びヨウ素原子等が挙げられ、また、炭素数1〜20の炭化水素基は、上記R5 〜R12における炭素数1〜20の炭化水素基について説明したとおりである。このC及びDとしては特に塩素原子及び臭素原子が好ましい。また、CとDは、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
前記一般式(II)で表される錯体化合物の例としては、(2,2’−ビキノリル)パラジウムジクロリド、(2,2’−ビピリジル)パラジウムジクロリド、(1,10−フェナントロリル)パラジウムジクロリド、(2,2’−ビキノリル)パラジウムジブロミド、(2,2’−ビピリジル)パラジウムジブロミド、(1,10−フェナントロリル)パラジウムジブロミド、(2,2’−ビキノリル)パラジウムジヨーダイド、(2,2’−ビピリジル)パラジウムジヨーダイド、(1,10−フェナントロリル)パラジウムジヨーダイドなどが挙げられる。特に好ましいビピリジル系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物としては、(2,2’−ビキノリル)パラジウムジクロリド、(2,2’−ビキノリル)パラジウムジブロミド等が挙げられる。
【0022】
(a−3)成分のうち、ジアミン系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物として具体的には、一般式(III)
【0023】
【化4】
【0024】
(式中、R13〜R16は、それぞれ独立に炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基又は水素原子を示し、R13とR14、R15とR16のように同一の窒素上の置換基はそれぞれ結合して飽和脂肪族環又は不飽和脂肪族環を形成していてもよい。R’及びR”は、それぞれ独立に炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基又は水素原子を示し、それぞれ結合して飽和脂肪族環又は不飽和脂肪族環を形成していてもよく、R’又はR”がそれぞれ複数個存在する場合はR’同士又はR”同士が異なる置換基となっていてもよい。E及びFは、それぞれ独立にハロゲン原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。n’は1〜10の整数を示す。)
で表される錯体化合物を挙げることができる。
【0025】
前記一般式(III)においてR13〜R16のうちの炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又は炭素数3〜20のシクロアルキル基等が挙げられる。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。なお、シクロアルキル基の環上には低級アルキル基などの適当な置換基が導入されていてもよい。また、全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基としては、例えばフェニル基やナフチル基などの芳香族基や、フェニル基やナフチル基などの芳香族環上に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が1個以上導入された基などが挙げられる。
【0026】
このR13〜R16は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。R13〜R16の中で同一の窒素上の置換基は、それぞれに結合して飽和脂肪族環又は不飽和脂肪族環を形成していてもよい。
【0027】
前記一般式(III)において、R’及びR”は、それぞれ独立に炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基又は全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基又は水素原子を示し、それぞれ結合して飽和脂肪族環又は不飽和脂肪族環を形成していてもよく、R’又はR”がそれぞれ複数存在する場合はR’同士又はR”同士が異なる置換基となっていてもよい。炭素数1〜20の炭化水素基及び全炭素数6〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基の具体例としては、上記R13〜R16において説明したものと同様のものが挙げられる。
【0028】
また、E及びFのうちのハロゲン原子としては、塩素、臭素及びヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、上記R13〜R16における炭素数1〜20の炭化水素基について説明したものと同様のものが挙げられる。このE及びFとしては特に塩素原子及び臭素原子が好ましい。また、EとFは、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。前記一般式(III)で表される錯体化合物の例としては、(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)パラジウムジクロリド、(エチレンジアミン)パラジウムジクロリド、(N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン)パラジウムジクロリド、(メチレンジアミン)パラジウムジクロリド、(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)パラジウムジブロミド、(エチレンジアミン)パラジウムジブロミド、(N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン)パラジウムジブロミド、(メチレンジアミン)パラジウムジブロミド等が挙げられる。特に好ましいジアミン系化合物を配位子として有するパラジウム錯体化合物としては、(エチレンジアミン)パラジウムジクロリド、(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)パラジウムジクロリド、(N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン)パラジウムジクロリド等が挙げられる。
【0029】
本発明において、上記触媒の(a)成分として挙げた錯体化合物は、それぞれ一種で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの錯体化合物の前駆体となり得る化合物を、それぞれ単独に用い、物理的に混合した形のものであってもよい。また、これら触媒の(a)成分には、反応に支障のない限り、適宜、アルキルホスフィンあるいは芳香族ホスフィン、亜リン酸エステル、リン酸エステル等の配位子やアセトニトリル等のニトリル配位子などを組み合わせてもよい。
【0030】
本発明の製造方法においては、(b)成分としてレドックス触媒を用いる。このレドックス触媒としては、ランタノイド化合物、周期律表第V族遷移金属化合物、第VI族遷移金属化合物、第VII族遷移金属化合物、鉄化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、銅化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を用いるが、これらは、有機錯体、有機塩及び無機塩のいずれの形でもあってもよい。具体的にはセリウム化合物、バナジウム化合物、クロム化合物、マンガン化合物、鉄化合物、コバルト化合物、銅化合物等が挙げられ、好ましくはセリウム化合物、マンガン化合物である。
【0031】
特に好ましいレドックス触媒としては、Ce(TMHD)4 、Mn(TMHD)3 、Ce(Trop)4 、Mn(Trop)3 〔ここで、TMHDは2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナートイオン、Tropはトロポロナートイオンを示す。〕等が挙げられる。
本発明の方法に用いられる触媒においては、上記(a−1)、(a−2)、(a−3)及び(b)成分の他に、さらに必要に応じてハロゲン化オニウム化合物などの助触媒を適当量添加することができる。ハロゲン化オニウム化合物の例としては次の式(IV)で表される化合物が挙げられる。
R17R18R19R20GH ・・・(IV)
【0032】
(式中、Gは窒素原子又はリン原子、Hはフッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子を示す。R17〜R20はそれぞれ炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。R17〜R20は各々同一でも、異なっていてもよい。また、R17及びR18、R19及びR20はそれぞれ一緒になって−(CH2 )n −で表される2価の基であって、nが2〜7の整数であるものを形成してもよい。)
さらに、上記ハロゲン化オニウム化合物としては上記式(IV)で表される化合物以外のビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムハライド類も使用できる。その具体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムブロミド等が挙げられる。
【0033】
本発明の製造方法において、触媒の使用量については特に制限はなく、通常の触媒量でよいが、例えば、(a)成分については、その使用量は原料である脂肪族ヒドロキシ化合物1モルに対して、パラジウムとして1×10- 8 〜0.5モル、好ましくは1×10- 6 〜0.1モルである。上記使用量が1×10- 8 モル未満では、反応速度が遅く実用的でない場合がある。一方、0.5モルを越えても、それに相当する効果が認められず経済的に不利である。
また、(b)成分の使用量は、(a)成分のパラジウム1モルに対して通常0.1〜100モル、好ましくは0.5〜50モルである。上記使用量が0.1モル未満では、反応速度が遅い場合があり実用的でなく、100モルを越えると生成した脂肪族炭酸エステルの(b)成分による酸化分解反応が進行し経済的に不利である。
【0034】
本発明の製造方法においては、反応は無溶媒下でも、溶媒中でも進行する。一般的に無溶媒下で本発明の方法を行なう方が経済的に有利ではあるが、脂肪族炭酸エステルの製造プロセス上の都合等で必要な場合は、溶媒中で行ってもよい。ここで、使用できる溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素、環状脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、含窒素溶媒、含硫黄溶媒などが挙げられ、本発明の製造方法に用いる触媒の種類、組み合わせにより、適宜選択することができる。
【0035】
本発明においては、反応温度は特に制限はないが、通常は50〜200℃で、好ましくは70〜150℃の範囲である。上記範囲より高温では、分解反応等の副反応が多くなり、また上記反応より低温では、反応速度が低下して実用的でない。また、反応圧力は、一酸化炭素や酸素等のガス状の原料を用いるため、加圧状態に設定することが一般的であり、一酸化炭素分圧は1×10-2〜20MPa、好ましくは1×10-2〜10MPaの範囲内で、酸素分圧は1×10-2〜10MPa、好ましくは1×10-2〜5MPaの範囲内であればよい。特に、酸素分圧は、反応系内のガス組成が爆発範囲を外れるように調節することが好ましく、上記反応圧力があまり低圧では反応速度が低下し、また高圧過ぎると反応装置が大型となり、建設費用が高く、経済的に不利である。不活性ガスや水素等を用いる際には、その分圧は特に規定されないが、適宜実用的な圧力の範囲で用いればよい。
【0036】
反応方式は、回分、半連続、連続のいずれでも可能である。ここで反応系の状態は、液相状態の場合と、液相と気相の混合状態の場合と、気相と固相の混合状態の場合と、液相と気相と固相の混合状態の場合のいずれかである。また、触媒の反応系における状態は、均一系であっても不均一であってもよく、触媒を適宜選択することにより選ぶことができる。上記原料成分及び触媒は、必要に応じて希釈してもよく、希釈剤としては、液相では飽和炭化水素等の不活性溶媒が用いられ、気相では窒素、アルゴン、エタン、プロパン等の不活性ガスが用いられる。
【0037】
本発明の製造方法は、脂肪族ヒドロキシ化合物、一酸化炭素及び酸素を原料として、これらを上記特定の触媒の存在下で反応させて、脂肪族炭酸エステルを製造するものである。この反応で得られる目的物である脂肪族炭酸エステル(即ち、脂肪族ヒドロキシ化合物の炭酸エステル)としては、様々なものがある。例えば、脂肪族モノヒドロキシ化合物を原料として用いた場合、一般式(V)
【0038】
【化5】
【0039】
(式中、Rは炭素数1〜20の脂肪族アルキル基を示す。Rの構造としては一級、二級、三級のいずれでもよく、分岐構造、環状構造、ハロゲン原子などを適宜含んでいてもよい。)
で表される脂肪族炭酸エステルが挙げられる。さらに、脂肪族ジヒドロキシ化合物を原料として用いた場合、一般式(VI)
【0040】
【化6】
【0041】
(式中、R’は炭素数2から20の脂肪族アルキレン基を示す。R’の構造としては任意の位置に、分岐構造、環状構造、芳香族環、ハロゲン原子などを含んでいてもよい。なお、分子の末端構造は特に規定されない。)
で表される脂肪族炭酸エステルが挙げられる。
【0042】
【実施例】
以下に、本発明を実施例及び比較例により、更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。また、以下の例で使用した触媒、試薬は、市販の製品、または文献記載の方法に従い調製したものである。
【0043】
実施例1
容量30ミリリットルのオートクレーブに、メタノールを3.95g(123ミリモル)、Pd(ビキノリン)Cl2 を5.2mg(12マイクロモル)、Mn(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナ−ト)3 を14.5mg(24マイクロモル)、(Ph3 P=)2 NBr[ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムブロミド]0.15g(0.24ミリモル)封入した。一酸化炭素で加圧及び脱圧することにより、このオートクレーブ内を一酸化炭素置換した。その後、25℃換算で0.50MPaとなるように一酸化炭素を加圧し、さらに、全体の圧力が0.75MPaとなるように空気を加圧した。
【0044】
これを100℃に加熱し、3時間反応させた。冷却し、脱圧した後、塩化メチレン20ミリリットルを添加し濃褐色の均一反応液を得た。反応液をそれぞれガスクロマトグラフィーによって分析した結果、炭酸ジメチル(DMC)が0.474ミリモル生成していた(収率0.77%)。実施例1の反応条件を第1表に、実施例1で得られた生成物の生成量、収率及び生成速度を第2表に示す。なお、DMCの収率は、メタノール基準として%で示し、DMC生成速度は、単位時間、単位(a)成分量あたりのDMC生成量をTOF(mol−DMC/mol−(a) ・時間)で示す。
【0045】
比較例1
実施例1においてPd(ビキノリン)Cl2 の代わりにPdBr2 3.2mg(12マイクロモル)を用い、Mn(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナ−ト)3 の代わりに塩化第一銅を1.2mg(12マイクロモル)用い、(Ph3 P=)2 NBrを用いなかった以外は、実施例1と同様に実施した。比較例1の反応条件を第1表に、比較例1で得られたDMCの生成量、収率及び生成速度を第2表に示す。
【0046】
比較例2
実施例1においてPd(ビキノリン)Cl2 の代わりに塩化第一銅を1.2mg(12マイクロモル)を用い、Mn(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナ−ト)3 と(Ph3 P=)2 NBrを用いなかった以外は、実施例1と同様に実施した。比較例2の反応条件を第1表に、比較例2で得られたDMCの生成量、収率及び生成速度を第2表に示す。
【0047】
比較例3
比較例2において反応温度を80℃とした以外は、比較例2と同様に実施した。比較例3の反応条件を第1表に、比較例3で得られたDMCの生成量、収率及び生成速度を第2表に示す。
【0048】
実施例2
実施例1においてMn(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナ−ト)3 の代わりにCe(トロポロナート)4 を6.9mg(11マイクロモル)用いた以外は、実施例1と同様に実施した。実施例2の反応条件を第1表に、実施例2で得られたDMCの生成量、収率及び生成速度を第2表に示す。
【0049】
実施例3
実施例1において反応温度を80℃とした以外は、実施例1と同様に実施した。実施例3の反応条件を第1表に、実施例3で得られたDMCの生成量、収率及び生成速度を第2表に示す。
【0050】
実施例4
実施例1においてPd(ビキノリン)Cl2 の代わりにPd[ ジアセチルビス( 2,6−ジイソプロピルフェニルイミン)] Cl2 を7.1mg(12マイクロモル)を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。実施例4の反応条件を第1表に、実施例4で得られたDMCの生成量、収率及び生成速度を第2表に示す。
【0051】
実施例5
実施例1においてPd(ビキノリン)Cl2 の代わりにビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチン)ジパラジウムクロリド7.5mg(6マイクロモル、Pdとして12マイクロモル)を用い、(Ph3 P=)2 NBrを用いなかった以外は、実施例1と同様に実施した。実施例5の反応条件を第1表に、実施例5で得られたDMCの生成量、収率及び生成速度を第2表に示す。
【0052】
実施例6
実施例1においてPd(ビキノリン)Cl2 の代わりにジシアナトビス[ メチレンビス( ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム6.4mg(6マイクロモル、Pdとして12マイクロモル)を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。実施例6の反応条件を第1表に、実施例6で得られたDPCの生成量、収率及び生成速度を第2表に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
Pd2Cl2 (biqu):Pd(ビキノリン)Cl2
PdCl2(ArN=CMe)2 :Pd[ ジアセチルビス( 2,6−ジイソプロピルフェニルイミン) ] Cl2
Pd2(dpm)2(SnCl)3Cl2 :ビス(ジフェニルホスフィノメタン)(トリクロロチン)ジパラジウムクロリド
Pd2(dpm)2(NCO)2 :ジシアナトビス[ メチレンビス( ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム
CuCl:塩化第一銅
TMHD:2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート
Trop:トロポロナート
(Ph3 P=)2 NBr:ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムブロミド
【0055】
【表2】
【0056】
DMC:炭酸ジメチル
TOF:単位時間、単位(a)成分量あたりのDMC生成量(mol-DMC/mol-(a)・時間)
【0057】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の方法によれば、樹脂、塗料などの溶媒、アルキル化剤、カルボニル化剤あるいはポリカーボネート樹脂等として有用な脂肪族炭酸エステル化合物を脂肪族ヒドロキシ化合物から一段でかつ高収率で効率よく製造することができる。したがって、脂肪族炭酸エステル化合物を効率よく製造できる方法として利用価値が高い。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an aliphatic carbonate compound, and more specifically, an aliphatic carbonate compound useful as a solvent such as a resin or paint, an alkylating agent, a carbonylating agent, or a polycarbonate resin is efficiently produced from an aliphatic hydroxy compound. It relates to a method of manufacturing well.
[0002]
[Prior art]
Aliphatic carbonates are useful compounds as solvents for resins and paints, alkylating agents, carbonylating agents or polycarbonate resins.
As a method for producing an aliphatic carbonate, there is generally a method in which an aliphatic hydroxy compound and phosgene are reacted in the presence of an alkali. In this method, a toxic phosgene is used and a stoichiometric amount of an alkali salt is added. There are some problems such as life. Accordingly, many methods for producing an aliphatic carbonate without using phosgene have been proposed.
As a method for producing an aliphatic carbonate, for example, a method of reacting a nitrite of an aliphatic hydroxy compound with carbon monoxide (Japanese Patent Laid-Open No. 60-181051) has been proposed. In addition to being an explosive gas, it is also explosive, so there is a problem in safety, and there is a problem in terms of economy, such as the need for costs for countermeasures. Further, a method of reacting an aliphatic hydroxy compound and alkylene carbonate (Japanese Patent Publication No. 60-27658) has been proposed. However, alkylene carbonate is expensive, and it is necessary to use a by-product glycol. There is an economic problem. Alternatively, a method of reacting an aliphatic hydroxy compound with a carbamic acid ester of an aliphatic hydroxy compound (Japanese Patent Publication No. 1-49698) has been proposed, but the carbamic acid ester of an aliphatic hydroxy compound is expensive, There are problems such as extremely slow reaction rate. Furthermore, a method of reacting an aliphatic hydroxy compound and urea (Japanese Patent Publication No. 62-54297) has been proposed. In this method, toxic ammonia is by-produced, and an economically sufficient reaction rate is obtained. In order to obtain, there is a problem that a high reaction temperature of 200 ° C. or higher is necessary.
[0003]
On the other hand, a method of reacting an aliphatic hydroxy compound and carbon monoxide in the presence of a catalyst has been reported. As a catalyst used in this method, as shown in a paper (ACSSymposium Series, No. 626, 70, American Chemical Society), a palladium compound catalyst using a copper compound as a co-catalyst, a copper compound catalyst, a cobalt compound Catalysts and the like have been proposed, but each catalyst has a problem that the reaction rate and catalyst life are not sufficient in terms of economy.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a method for efficiently producing an aliphatic carbonate in a single step and in a high yield from an aliphatic hydroxy compound by solving the problems of such a conventional method for producing an aliphatic carbonate. It is intended.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above situation, the present inventor has conducted extensive research to solve the problems of the prior art and to develop a method for efficiently producing an aliphatic carbonate in a single step from an aliphatic hydroxy compound in a high yield. . As a result, (a-1) a polynuclear metal complex compound having at least one selected from a tin atom, a titanium atom and an iron atom and a palladium atom as a metal center, and (a-3) a palladium complex having a diimine compound as a ligand By using a palladium complex compound having a compound or biquinoline as a ligand and (b) a redox catalyst as a catalyst, activation of carbon monoxide and an aliphatic hydroxy compound is promoted, and the object of the present invention can be achieved. I found it. The present invention has been completed based on such knowledge.
That is, the present invention provides an aliphatic hydroxy compound, carbon monoxide and oxygen, (a-1) a polynuclear metal complex compound having at least one selected from a tin atom, a titanium atom and an iron atom and a palladium atom as a metal center ( b) a process for producing an aliphatic carbonate characterized by reacting in the presence of a catalyst comprising a redox catalyst; an aliphatic hydroxy compound, carbon monoxide and oxygen are coordinated with (a-3) a diimine compound. The present invention provides a process for producing an aliphatic carbonate characterized by reacting in the presence of a catalyst comprising a palladium complex compound having a quinone or a palladium complex compound having biquinoline as a ligand and (b) a redox catalyst. is there.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the production method of the present invention, as the aliphatic hydroxy compound, various conventionally known compounds can be used, and can be appropriately selected according to the type of the desired aliphatic carbonate, for example, an aliphatic monohydroxy compound and an aliphatic dihydroxy compound. Examples include aliphatic hydroxy compounds selected from compounds. The aliphatic monohydroxy compound has a general formula ROH (where R represents an aliphatic alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. The structure of R may be any of primary, secondary, and tertiary structures, branched structure, and cyclic structure. , Optionally containing a halogen atom, etc.). Specifically, methanol, ethanol, 1-propanol, 2-propanol, 2-chloro-1-propanol, 1-chloro-2-propanol, 1-butanol, 2-butanol, isobutanol, tert-butanol, 1- Pentanol, 2-methyl-1-butanol, 3-methyl-1-butanol, 2,2-dimethyl-1-propanol, cyclopentanol, 1-hexanol, 2-methyl-1-pentanol, 3-methyl- 1-pentanol, 4-methyl-1-pentanol, 2,2-dimethyl-1-butanol, 2,3-dimethyl-1-butanol, 3,3-dimethyl-1-butanol, 2-ethyl-1- Butanol, 3-ethyl-1-butanol, cyclohexanol, 1-octanol, 2-octanol, 2-ethyl- -Hexanol, 1-decanol, 2-decanol, 1-dodecanol, 2-dodecanol, 1-tetradecanol, 2-tetradecanol, 1-hexadecanol, 2-hexadecanol, 1-octadecanol, 2 -Octadecanol, benzyl alcohol and the like are exemplified.
[0007]
The aliphatic dihydroxy compound is represented by the general formula HOR′OH (where R ′ represents an aliphatic alkylene group having 2 to 20 carbon atoms. The structure of R ′ can be a branched structure, a cyclic structure, or a halogen atom at any position. The aliphatic dihydroxy compound represented by this may be mentioned. Specifically, ethylene glycol, 1,2-dihydroxypropane, 1,3-dihydroxypropane, 1,2-dihydroxybutane, 1,4-dihydroxybutane, 1,2-dihydroxyhexane, 1,6-dihydroxyhexane, 1,2-dihydroxyoctane, 1,8-dihydroxyoctane, 1,2-dihydroxydecane, 1,10-dihydroxydecane, 1,2-dihydroxydodecane, 1,10-dihydroxydodecane, cyclohexanediol, cyclohexanedimethanol, 1 , 2-dihydroxy-1-phenylethane, p- (hydroxymethyl) benzyl alcohol, etc.
[0008]
The carbon monoxide to be reacted with the aliphatic hydroxy compound may be a simple substance, but may be diluted with an inert gas or a mixed gas with hydrogen. The oxygen to be reacted with the aliphatic hydroxy compound may be pure oxygen, but generally may be diluted with an inert gas, for example, an oxygen-containing gas such as air.
[0009]
On the other hand, as described above, the catalyst used in the method of the present invention is the component (a-1), the component (a-2) or the component (a-3) [these may be collectively referred to as the component (a)]. And (b) component. Here, the component (a-1) of the catalyst is any compound as long as it has at least one selected from a tin atom, a titanium atom and an iron atom and a palladium atom in one polynuclear metal complex compound. Also good. Specific examples of such polynuclear metal complex compounds include bis (diphenylphosphinomethane) (trichlorotin) dipalladium chloride, bis (diphenylphosphinomethane) bis (trichlorotin) dipalladium, and bis (diphenylphosphino). Methane) (trichlorotitanium) dipalladium chloride, bis (diphenylphosphinomethane) bis (trichlorotitanium) dipalladium, bis (diphenylphosphinomethane) (dichloroiron) dipalladium chloride, bis (diphenylphosphinomethane) bis (dichloro) Iron) dipalladium, bis (diphenylphosphinomethane) (trichlorotin) (trichlorotitanium) dipalladium, bis (diphenylphosphinomethane) (trichlorotin) (dichloroiron) di Radium, bis (diphenylphosphinomethane) (trichlorotitanium) (dichloroiron) dipalladium, π-allyl (triphenylphosphine) (trichlorotin) palladium, π-allyl (triphenylphosphine) (trichlorotitanium) palladium, π- Examples include allyl (triphenylphosphine) (dichloroiron) palladium, bis (trichlorotin) palladium, bis (trichlorotitanium) palladium, and bis (dichloroiron) palladium. In addition, a compound having at least one kind selected from a tin atom, a titanium atom and an iron atom and a palladium atom as a synthesis precursor of these polynuclear metal complex compounds is used individually and physically mixed. May be.
[0010]
The component (a-2) of the catalyst may be any compound as long as it has a plurality of palladium atoms in one polynuclear metal complex compound. Specific examples of such a polynuclear metal complex compound include difluorobis [methylenebis (diphenylphosphine)] dipalladium, dichlorobis [methylenebis (diphenylphosphine)] dipalladium, dibromobis [methylenebis (diphenylphosphine)] dipalladium, and diiodobis [methylenebis]. (Diphenylphosphine)] dipalladium, dinitrite bis [methylenebis (diphenylphosphine)] dipalladium, diazidobis [methylenebis (diphenylphosphine)] dipalladium, diisothiocyanatobis [methylenebis (diphenylphosphine)] dipalladium, dithiosi Anatobis [methylenebis (diphenylphosphine)] dipalladium, dicyanatobis [methylenebis (diphenylphosphine)] dipalladium, Chlorobis [methylenebis (diphenylarsine)] dipalladium, dibromobis [methylenebis (diphenylarsine)] dipalladium, diiodobis [methylenebis (diphenylarsine)] dipalladium, dinitrite bis [methylenebis (diphenylarsine)] dipalladium, diazidebis [methylenebis (diphenylarsine)] Dipalladium, diisothiocyanatobis [methylenebis (diphenylarsine)] dipalladium, dithiocyanatobis [methylenebis (diphenylarsine)] dipalladium, dicyanatobis [methylenebis (diphenylarsine)] dipalladium, dichlorobis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ -CO) dipalladium, dinitrite bis [methylenebis (diphenylphosphine) )] (Μ-CO) dipalladium, diazidobis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ-CO) dipalladium, dithiocyanatobis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ-CO) dipalladium, dicyanatobis [methylenebis (diphenyl) Phosphine)] (μ-CO) dipalladium, dichlorobis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ-methylisocyanide) dipalladium, dinitritebis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ-methylisocyanide) dipalladium, diazidebis [ Methylenebis (diphenylphosphine)] (μ-methylisocyanide) dipalladium, dithiocyanatobis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ-methylisocyanide) dipalladium, dicyanatobis [meth] Renbis (diphenylphosphine)] (μ-methylisocyanide) dipalladium, dichlorobis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ-phenylisocyanide) dipalladium, dinitrite bis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ-phenylisocyanide) di Palladium, diazidobis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ-phenylisocyanide) dipalladium, dithiocyanatobis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ-phenylisocyanide) dipalladium, dicyanatobis [methylenebis (diphenylphosphine)] (μ− Phenyl isocyanide) dipalladium, tetrakis (triphenylphosphine) tripalladium bis (tetrafluoroborate), bis (triphenylphosphine) Hexa (methyl isocyanide) tri palladium bis (hexafluorophosphate) and the like.
[0011]
The component (a-3) of the catalyst may be any compound as long as it is a palladium complex compound having an organic compound having two or more nitrogen atoms as a ligand. As a palladium complex compound having an organic compound having two or more nitrogen atoms as a ligand, a palladium complex compound having a diimine compound as a ligand, a palladium complex compound having a bipyridyl compound as a ligand, a diamine compound At least one kind of palladium complex compound selected from palladium complex compounds having as a ligand is preferred. Specifically, the palladium complex compound having a diimine compound as a ligand is represented by the general formula (I)
[0012]
[Chemical 1]
[0013]
(Wherein R1And RFourAre each independently an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms or an aromatic group having a hydrocarbon group on the ring having 6 to 20 carbon atoms, R2And RThreeEach independently represents a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms;2And RThreeMay combine with each other to form a ring, and A and B each independently represent a halogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms. )
The complex compound represented by these can be mentioned.
[0014]
In the general formula (I), R1And RFourExamples of the aliphatic hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms include a linear or branched alkyl group having 1 to 20 carbon atoms and a cycloalkyl group having 3 to 20 carbon atoms. Specifically, various isomers such as methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, pentyl group (n-pentyl group, isopentyl group, etc.) The same applies to those having isomers.), Hexyl group, octyl group, decyl group, dodecyl group, tetradecyl group, hexadecyl group, octadecyl group, cyclopentyl group, cyclohexyl group, cyclooctyl group, etc. It is done. An appropriate substituent such as a lower alkyl group may be introduced on the ring of the cycloalkyl group. In addition, examples of the aromatic group having a hydrocarbon group on the ring having 6 to 20 carbon atoms include an aromatic group such as a phenyl group and a naphthyl group, and an aromatic ring such as a phenyl group and a naphthyl group. Examples include a group in which one or more linear, branched or cyclic alkyl groups of 1 to 10 are introduced. This R1And RFourIs preferably an aromatic group having a hydrocarbon group on the ring, particularly a 2,6-diisopropylphenyl group. R1And RFourMay be the same as or different from each other.
[0015]
R2And RThreeAs the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, for example, a linear or branched alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 20 carbon atoms, an aryl group having 6 to 20 carbon atoms, Examples thereof include an aralkyl group having 7 to 20 carbon atoms. Here, as the linear or branched alkyl group having 1 to 20 carbon atoms and the cycloalkyl group having 3 to 20 carbon atoms, the R1And RFourThe same thing as illustrated in description of a C1-C20 aliphatic hydrocarbon group among these can be mentioned. Examples of the aryl group having 6 to 20 carbon atoms include phenyl group, tolyl group, xylyl group, naphthyl group, and methylnaphthyl group. Examples of the aralkyl group having 7 to 20 carbon atoms include benzyl group and phenethyl. Groups and the like. This R2And RThreeMay be the same as or different from each other. Moreover, it may combine with each other to form a ring. On the other hand, examples of the halogen atom in A and B include chlorine, bromine and iodine atoms, and the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms is the above R2And RThreeAs described for the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms. As A and B, a chlorine atom and a bromine atom are particularly preferable. A and B may be the same as or different from each other. Examples of the complex compound represented by the general formula (I) include compounds represented by the following formulas [1], [2], [3] and [4].
[0016]
[Chemical 2]
[0017]
Among the components (a-3), the palladium complex compound having a bipyridyl compound as a ligand is specifically represented by the general formula (II).
[0018]
[Chemical 3]
[0019]
(Wherein RFive~ R12Each independently represents an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an aromatic group having a hydrocarbon group on a ring having 6 to 20 carbon atoms, or a hydrogen atom;FiveAnd R6, R6And R7, R7And R8, R8And R9, R9And RTen, RTenAnd R11, R11And R12As described above, the substituents adjacent to each other may be bonded to each other to form an aromatic ring or an unsaturated aliphatic ring. C and D each independently represent a halogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms. )
The complex compound represented by these can be mentioned.
[0020]
In the general formula (II), RFive~ R12Examples of the aliphatic hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms include a linear or branched alkyl group having 1 to 20 carbon atoms and a cycloalkyl group having 3 to 20 carbon atoms. Specifically, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, pentyl group, hexyl group, octyl group, decyl group, dodecyl Group, tetradecyl group, hexadecyl group, octadecyl group, cyclopentyl group, cyclohexyl group, cyclooctyl group and the like. An appropriate substituent such as a lower alkyl group may be introduced on the ring of the cycloalkyl group. In addition, examples of the aromatic group having a hydrocarbon group on the ring having 6 to 20 carbon atoms include an aromatic group such as a phenyl group and a naphthyl group, and an aromatic ring such as a phenyl group and a naphthyl group. Examples include a group in which one or more linear, branched or cyclic alkyl groups of 1 to 10 are introduced.
[0021]
This RFive~ R12May be the same as or different from each other. RFive~ R12The substituents adjacent to each other may be bonded to each other to form an aromatic ring or an unsaturated aliphatic ring. On the other hand, examples of the halogen atom in C and D include chlorine, bromine and iodine atoms, and the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms is the above RFive~ R12As described for the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms. As C and D, a chlorine atom and a bromine atom are particularly preferable. C and D may be the same as or different from each other.
Examples of the complex compound represented by the general formula (II) include (2,2′-biquinolyl) palladium dichloride, (2,2′-bipyridyl) palladium dichloride, (1,10-phenanthroyl) palladium dichloride, ( 2,2′-biquinolyl) palladium dibromide, (2,2′-bipyridyl) palladium dibromide, (1,10-phenanthryl) palladium dibromide, (2,2′-biquinolyl) palladium diiodide, (2, 2′-bipyridyl) palladium diiodide, (1,10-phenanthroyl) palladium diiodide, and the like. Particularly preferred palladium complex compounds having a bipyridyl compound as a ligand include (2,2'-biquinolyl) palladium dichloride, (2,2'-biquinolyl) palladium dibromide, and the like.
[0022]
Among the components (a-3), the palladium complex compound having a diamine compound as a ligand is specifically represented by the general formula (III)
[0023]
[Formula 4]
[0024]
(Wherein R13~ R16Each independently represents an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an aromatic group having a hydrocarbon group on a ring having 6 to 20 carbon atoms, or a hydrogen atom;13And R14, R15And R16As described above, the substituents on the same nitrogen may be bonded to each other to form a saturated aliphatic ring or an unsaturated aliphatic ring. R ′ and R ″ each independently represent an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, an aromatic group having a hydrocarbon group on a ring having 6 to 20 carbon atoms, or a hydrogen atom, A saturated aliphatic ring or an unsaturated aliphatic ring may be formed, and when there are a plurality of R ′ or R ″, R ′ or R ″ may be different substituents. And F each independently represents a halogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, and n ′ represents an integer of 1 to 10.)
The complex compound represented by these can be mentioned.
[0025]
In the general formula (III), R13~ R16Examples of the aliphatic hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms include a linear or branched alkyl group having 1 to 20 carbon atoms and a cycloalkyl group having 3 to 20 carbon atoms. Specifically, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, pentyl group, hexyl group, octyl group, decyl group, dodecyl Group, tetradecyl group, hexadecyl group, octadecyl group, cyclopentyl group, cyclohexyl group, cyclooctyl group and the like. An appropriate substituent such as a lower alkyl group may be introduced on the ring of the cycloalkyl group. Examples of the aromatic group having a hydrocarbon group on the ring having 6 to 20 carbon atoms include, for example, an aromatic group such as a phenyl group and a naphthyl group, and an aromatic ring such as a phenyl group and a naphthyl group. Examples include a group in which one or more linear, branched or cyclic alkyl groups of 1 to 10 are introduced.
[0026]
This R13~ R16May be the same as or different from each other. R13~ R16In the above, substituents on the same nitrogen may be bonded to each other to form a saturated aliphatic ring or an unsaturated aliphatic ring.
[0027]
In the general formula (III), R ′ and R ″ each independently represents an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms or an aromatic group or hydrogen having a hydrocarbon group on the ring having 6 to 20 carbon atoms. Each of which may be bonded to each other to form a saturated aliphatic ring or an unsaturated aliphatic ring, and when there are a plurality of R ′ or R ″, R ′ or R ″ may be different from each other. Specific examples of the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms and the aromatic group having a hydrocarbon group on the ring having 6 to 20 carbon atoms include the above R13~ R16The thing similar to what was demonstrated in (1) is mentioned.
[0028]
Examples of the halogen atom in E and F include chlorine, bromine and iodine atoms, and examples of the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms include the above R13~ R16The thing similar to what was demonstrated about the C1-C20 hydrocarbon group in is mentioned. As E and F, a chlorine atom and a bromine atom are particularly preferable. E and F may be the same as or different from each other. Examples of the complex compound represented by the general formula (III) include (N, N, N ′, N′-tetramethylethylenediamine) palladium dichloride, (ethylenediamine) palladium dichloride, (N, N, N ′, N '-Tetramethylmethylenediamine) palladium dichloride, (methylenediamine) palladium dichloride, (N, N, N', N'-tetramethylethylenediamine) palladium dibromide, (ethylenediamine) palladium dibromide, (N, N, N ' , N′-tetramethylmethylenediamine) palladium dibromide, (methylenediamine) palladium dibromide, and the like. As a palladium complex compound having a particularly preferred diamine compound as a ligand, (ethylenediamine) palladium dichloride, (N, N, N ′, N′-tetramethylethylenediamine) palladium dichloride, (N, N, N ′, N '-Tetramethylmethylenediamine) palladium dichloride and the like.
[0029]
In the present invention, the complex compounds mentioned as the component (a) of the catalyst may be used singly or in combination of two or more. In addition, compounds that can be precursors of these complex compounds may be used individually and in a physically mixed form. In addition, as long as there is no hindrance to the reaction, the component (a) of these catalysts includes alkyl phosphine, aromatic phosphine, phosphite ester, phosphate ester and other nitrile ligands such as acetonitrile. May be combined.
[0030]
In the production method of the present invention, a redox catalyst is used as component (b). The redox catalyst is selected from the group consisting of lanthanoid compounds, Group V transition metal compounds, Group VI transition metal compounds, Group VII transition metal compounds, iron compounds, cobalt compounds, nickel compounds and copper compounds. Although at least one kind is used, these may be in any form of an organic complex, an organic salt, and an inorganic salt. Specific examples include a cerium compound, a vanadium compound, a chromium compound, a manganese compound, an iron compound, a cobalt compound, a copper compound, and the like, preferably a cerium compound and a manganese compound.
[0031]
As a particularly preferred redox catalyst, Ce (TMHD)Four, Mn (TMHD)Three, Ce (Trop)Four, Mn (Trop)Three[Here, TMHD represents 2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionate ion, and Trop represents tropolonate ion. ] Etc. are mentioned.
In the catalyst used in the method of the present invention, in addition to the above components (a-1), (a-2), (a-3) and (b), an auxiliary such as an onium halide compound may be added as necessary. An appropriate amount of catalyst can be added. Examples of the onium halide compound include compounds represented by the following formula (IV).
R17R18R19R20GH (IV)
[0032]
(In the formula, G represents a nitrogen atom or a phosphorus atom, H represents a halogen atom such as fluorine, chlorine, bromine or iodine. R17~ R20Are each an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms or an aryl group having 6 to 12 carbon atoms, specifically, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, pentyl group, hexyl group, octyl group, cyclohexyl group. Group, phenyl group, tolyl group, xylyl group, naphthyl group and the like. R17~ R20May be the same or different. R17And R18, R19And R20Are together-(CH2)nA divalent group represented by-, wherein n is an integer of 2 to 7 may be formed. )
Furthermore, bis (triphenylphosphoranylidene) ammonium halides other than the compound represented by the above formula (IV) can also be used as the onium halide compound. Specific examples thereof include tetra-n-butylammonium bromide, tetraphenylphosphonium bromide, bis (triphenylphosphoranylidene) ammonium bromide and the like.
[0033]
In the production method of the present invention, the amount of the catalyst used is not particularly limited and may be a normal amount of catalyst. For example, for component (a), the amount used is 1 mol of the aliphatic hydroxy compound as a raw material. 1 × 10 as palladium-8~ 0.5 mol, preferably 1 x 10-6~ 0.1 mol. The amount used is 1 x 10-8If it is less than mol, the reaction rate is slow and may not be practical. On the other hand, even if it exceeds 0.5 mol, an equivalent effect is not recognized, which is economically disadvantageous.
Moreover, the usage-amount of (b) component is 0.1-100 mol normally with respect to 1 mol of palladium of (a) component, Preferably it is 0.5-50 mol. If the amount used is less than 0.1 mol, the reaction rate may be slow, which is not practical. If it exceeds 100 mol, the oxidative decomposition reaction by the component (b) of the produced aliphatic carbonate proceeds and is economically disadvantageous. It is.
[0034]
In the production method of the present invention, the reaction proceeds in the absence of a solvent or in a solvent. In general, it is economically advantageous to carry out the method of the present invention in the absence of a solvent, but it may be carried out in a solvent if necessary for the convenience of the production process of the aliphatic carbonate. Here, examples of the solvent that can be used include aliphatic hydrocarbons, cycloaliphatic hydrocarbons, halogenated hydrocarbons, ethers, esters, nitrogen-containing solvents, sulfur-containing solvents, and the like, and catalysts used in the production method of the present invention. Depending on the type and combination, these can be selected as appropriate.
[0035]
In the present invention, the reaction temperature is not particularly limited, but is usually 50 to 200 ° C, preferably 70 to 150 ° C. When the temperature is higher than the above range, side reactions such as decomposition reactions increase, and when the temperature is lower than the above reaction, the reaction rate decreases, which is not practical. The reaction pressure is generally set to a pressurized state because a gaseous raw material such as carbon monoxide or oxygen is used, and the carbon monoxide partial pressure is 1 × 10 6.-2~ 20 MPa, preferably 1 x 10-2Within the range of -10 MPa, the oxygen partial pressure is 1 × 10-2-10 MPa, preferably 1 x 10-2It suffices to be within a range of -5 MPa. In particular, the oxygen partial pressure is preferably adjusted so that the gas composition in the reaction system is out of the explosion range. If the reaction pressure is too low, the reaction rate decreases. Expensive and economically disadvantageous. When an inert gas, hydrogen, or the like is used, the partial pressure is not particularly specified, but may be used within a practical pressure range as appropriate.
[0036]
The reaction method can be batch, semi-continuous or continuous. Here, the reaction system is in a liquid phase state, in a liquid phase / gas phase mixed state, in a gas phase / solid phase mixed state, or in a liquid phase / gas phase / solid phase mixed state. In either case. The state of the catalyst in the reaction system may be homogeneous or non-uniform, and can be selected by appropriately selecting the catalyst. The raw material components and the catalyst may be diluted as necessary. As the diluent, an inert solvent such as a saturated hydrocarbon is used in the liquid phase, and an inert solvent such as nitrogen, argon, ethane, or propane is used in the gas phase. An active gas is used.
[0037]
The production method of the present invention is to produce an aliphatic carbonate by reacting an aliphatic hydroxy compound, carbon monoxide and oxygen as raw materials in the presence of the specific catalyst. There are various aliphatic carbonates (namely, carbonates of aliphatic hydroxy compounds) which are the target product obtained by this reaction. For example, when an aliphatic monohydroxy compound is used as a raw material, the general formula (V)
[0038]
[Chemical formula 5]
[0039]
(In the formula, R represents an aliphatic alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. The structure of R may be primary, secondary, or tertiary, and includes a branched structure, a cyclic structure, a halogen atom, or the like as appropriate. May be.)
The aliphatic carbonate ester represented by these is mentioned. Further, when an aliphatic dihydroxy compound is used as a raw material, the general formula (VI)
[0040]
[Chemical 6]
[0041]
(In the formula, R ′ represents an aliphatic alkylene group having 2 to 20 carbon atoms. The structure of R ′ may include a branched structure, a cyclic structure, an aromatic ring, a halogen atom, etc. at an arbitrary position. (Note that the terminal structure of the molecule is not particularly defined.)
The aliphatic carbonate ester represented by these is mentioned.
[0042]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples. In addition, the catalyst and reagent used in the following examples are commercially available products or prepared according to literature methods.
[0043]
Example 1
In a 30 ml autoclave, 3.95 g (123 mmol) of methanol, Pd (biquinoline) Cl25.2 mg (12 micromoles), Mn (2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionate)ThreeOf 14.5 mg (24 micromolar), (PhThreeP =)20.15 g (0.24 mmol) of NBr [bis (triphenylphosphoranylidene) ammonium bromide] was enclosed. The inside of the autoclave was substituted with carbon monoxide by pressurizing and depressurizing with carbon monoxide. Thereafter, carbon monoxide was pressurized so as to be 0.50 MPa in terms of 25 ° C., and further, air was pressurized so that the overall pressure became 0.75 MPa.
[0044]
This was heated to 100 ° C. and reacted for 3 hours. After cooling and depressurization, 20 ml of methylene chloride was added to obtain a dark brown homogeneous reaction solution. As a result of analyzing each reaction liquid by gas chromatography, 0.474 mmol of dimethyl carbonate (DMC) was produced (yield 0.77%). The reaction conditions of Example 1 are shown in Table 1, and the production amount, yield and production rate of the product obtained in Example 1 are shown in Table 2. The yield of DMC is shown in% on the basis of methanol, and the DMC production rate is unit time, and the amount of DMC produced per unit (a) component amount is represented by TOF (mol-DMC / mol- (a) · hour). Show.
[0045]
Comparative Example 1
In Example 1, Pd (biquinoline) Cl2Instead of PdBr2Using 3.2 mg (12 micromoles), Mn (2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionate)ThreeInstead of 1.2 mg (12 micromoles) of cuprous chloride, (PhThreeP =)2The same operation as in Example 1 was performed except that NBr was not used. The reaction conditions of Comparative Example 1 are shown in Table 1, and the production amount, yield and production rate of DMC obtained in Comparative Example 1 are shown in Table 2.
[0046]
Comparative Example 2
In Example 1, Pd (biquinoline) Cl2Instead of 1.2 mg (12 micromoles) of cuprous chloride, Mn (2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionate)ThreeAnd (PhThreeP =)2The same operation as in Example 1 was performed except that NBr was not used. The reaction conditions of Comparative Example 2 are shown in Table 1, and the production amount, yield and production rate of DMC obtained in Comparative Example 2 are shown in Table 2.
[0047]
Comparative Example 3
The same operation as in Comparative Example 2 was performed except that the reaction temperature in Comparative Example 2 was 80 ° C. The reaction conditions of Comparative Example 3 are shown in Table 1, and the production amount, yield and production rate of DMC obtained in Comparative Example 3 are shown in Table 2.
[0048]
Example 2
In Example 1, Mn (2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionate)ThreeInstead of Ce (Tropolonate)FourWas carried out in the same manner as in Example 1 except that 6.9 mg (11 μmol) was used. The reaction conditions of Example 2 are shown in Table 1, and the production amount, yield and production rate of DMC obtained in Example 2 are shown in Table 2.
[0049]
Example 3
The same operation as in Example 1 was carried out except that the reaction temperature in Example 1 was 80 ° C. The reaction conditions of Example 3 are shown in Table 1, and the production amount, yield and production rate of DMC obtained in Example 3 are shown in Table 2.
[0050]
Example 4
In Example 1, Pd (biquinoline) Cl2Instead of Pd [diacetylbis (2,6-diisopropylphenylimine)] Cl2Was carried out in the same manner as in Example 1 except that 7.1 mg (12 μmol) was used. The reaction conditions of Example 4 are shown in Table 1, and the production amount, yield and production rate of DMC obtained in Example 4 are shown in Table 2.
[0051]
Example 5
In Example 1, Pd (biquinoline) Cl2Instead of 7.5 mg (6 μmol, 12 μmol as Pd) of bis (diphenylphosphinomethane) (trichlorotin) dipalladium chloride, (PhThreeP =)2The same operation as in Example 1 was performed except that NBr was not used. The reaction conditions of Example 5 are shown in Table 1, and the production amount, yield and production rate of DMC obtained in Example 5 are shown in Table 2.
[0052]
Example 6
In Example 1, Pd (biquinoline) Cl2Example 1 was carried out in the same manner as in Example 1 except that 6.4 mg (6 μmol, 12 μmol as Pd) of dicyanatobis [methylenebis (diphenylphosphine)] dipalladium was used. The reaction conditions of Example 6 are shown in Table 1, and the production amount, yield, and production rate of DPC obtained in Example 6 are shown in Table 2.
[0053]
[Table 1]
[0054]
Pd2Cl2(Biqu): Pd (biquinoline) Cl2
PdCl2(ArN = CMe)2: Pd [diacetylbis (2,6-diisopropylphenylimine)] Cl2
Pd2(Dpm)2(SnCl)ThreeCl2: Bis (diphenylphosphinomethane) (trichlorotin) dipalladium chloride
Pd2(Dpm)2(NCO)2: Dicyanatobis [methylenebis (diphenylphosphine)] dipalladium
CuCl: Cuprous chloride
TMHD: 2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionate
Top: Tropolonate
(PhThreeP =)2NBr: Bis (triphenylphosphoranylidene) ammonium bromide
[0055]
[Table 2]
[0056]
DMC: Dimethyl carbonate
TOF: Unit time, unit (a) Amount of DMC produced per component (mol-DMC / mol- (a) · time)
[0057]
【The invention's effect】
As described above, according to the method of the present invention, aliphatic carbonate compounds useful as solvents such as resins and paints, alkylating agents, carbonylating agents or polycarbonate resins can be obtained from aliphatic hydroxy compounds in a single step with a high yield. Can be manufactured efficiently. Therefore, the utility value is high as a method for efficiently producing an aliphatic carbonate compound.
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