JP4148209B2 - 継目無鋼管の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

継目無鋼管の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、中空素管を延伸圧延する継目無鋼管の製造方法および製造装置に関し、さらに詳しくは延伸圧延時に発生し易い内面疵を防止し、しかも、そのために使用する内面潤滑剤または中空素管の内面スケールを溶融若しくは除去するための薬剤(以下、これらを総称して、単に「薬剤等」という)使用量を最小にすることができる継目無鋼管の製造方法およびその製造装置に関するものである。
継目無鋼管を熱間で製造する方法として、マンネスマン・プラグミル製管法、マンネスマン・マンドレルミル製管法、およびマンネスマン・プッシュベンチ製管法等がある。これらの製管法では、熱間圧延によって素材である中実丸ビレットから中空素管を圧延して、継目無鋼管を製造する工程が採用されている。
具体的な製造工程としては、1150℃〜1250℃の高温度に加熱された中実丸ビレットを圧延素材とし、この丸ビレットを穿孔圧延装置に送給して、その軸心部に孔を明けて厚肉中空素管を得る。次いで、得られた中空素管を1種または複数種の延伸圧延装置に送給して、肉厚加工を施して延伸圧延する。その後、ストレッチレデューサ、リーラ、サイザなどに通して磨管、形状修正およびサイジングを行う精整処理を経て製品となる継目無鋼管を製造するプロセスである。
上述の製管法で採用されている代表的な延伸圧延機として、マンネスマン・プラグミル製管法では第2穿孔機、プラグミルおよびリーラーがあり、またマンネスマン・マンドレルミル製管法ではマンドレルミルがある。通常、これらの延伸圧延機では、中空素管の内面に挿入した工具と素管内面の間で焼付き、または素管内面のスケールによる引っ掻き疵等の内面疵が発生し易い。このため、これらの内面疵を防止するため、延伸圧延に先立って、潤滑作用やスケールを溶融または除去する作用を発揮する薬剤、例えば、ほう酸ナトリウム等の金属塩または食塩、黒鉛等を被延伸圧延材となる中空素管の内面に投入することがある。
従来から、薬剤等を中空素管の内面に投入する方法として、種々の方法が提案されている。まず、特許文献1では、スケール除去方法として、中空素管の一端から圧縮ガスによってスケール除去剤を供給し、他端から中空素管の内面に沿ってスパイラル状に移動する残留除去剤を吸引によって排出する方法が提案されている。
提案された方法では、素管内面へスケール除去剤を均一に供給することが困難であり、さらに他端側からの吸引によって多くの薬剤等が素管内面に付着しきれずに排出され、使用量が著しく増加する。そして、薬剤等が素管内面に付着しきれないため、素管内面への付着が不均一となり、内面疵が発生し易くなる。また、吸引側で回収されたスケール除去剤には、素管スケール等が混入していることから、これらを除去して再利用に供するために、多大な設備投資が必要となる。
次に、特許文献2では、酸洗い剤を素管内面に塗布する方法として、所定条件の酸洗い剤を圧力容器内に供給し、空気、窒素等の気体で混合、加圧し、その後圧力容器に設けた開放弁およびこれに続く輸送管を介して排出装置に導き、循環、乱流、層流または脈動運動させながら素管内面に酸洗い剤を塗布する方法が開示されている。
ここで開示された方法では、圧力容器内での酸洗い剤と気体の均一な混合は困難であり、結果的に中空素管内面への酸洗い剤の付着が不均一になる。このため、上述のスケール除去方法と同様に、内面疵の発生を防止することが充分でない。
さらに、特許文献3で提案される、中空素管の内表面に流動可能な成分を供給する装置では、素管内面への付着を均一にするため、素管内面への噴射装置の先端側に流動可能な成分とキャリヤーガスの混合体の流れにねじれを与える構成を設けて、このねじれ運動によって目的を達成しようとしている。
しかしながら、マンネスマン製管法等の素材となる素管寸法では、全長にわたって混合体の流れをねじれ運動として維持することは困難であり、素管内面へ流動可能な成分を均一に付着させることができない。また、大量のガス使用が必要になることから、成分がキャリヤーガスとともに素管の他端側から放出され易くなる。したがって、提案された装置であっても、内面疵の発生防止が充分でなく、製造コストが増加するという問題がある。
特開昭60−64720号公報 特公平7−74468号公報 特公平7−71689号公報
本発明は、前述した従来の薬剤等を中空素管の内面に投入する方法および装置が有する問題点を解消して、延伸圧延の際に薬剤等を中空素管の内面に効率的に供給し、均一に付着させることによって、延伸圧延に伴う内面疵の発生を防止し、しかも、そのために使用する薬剤等の使用量を最小にすることができる継目無鋼管の製造方法およびその製造装置を提供することを目的としている。
本発明は、下記(1)〜(4)の継目無鋼管の製造方法および、下記(5)および(6)の継目無鋼管の製造装置を要旨としている。
(1)中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の内面に潤滑剤または素管内面のスケールを溶融若しくは除去するための薬剤(以下、「薬剤等」という)をキャリヤーガスによって噴射投入する継目無鋼管の製造方法であって、前記薬剤等をキャリヤーガスで噴射投入しながら、薬剤等が素管の先端側に多く付着し、または基端側に多く付着するのを防ぐべく、キャリヤーガスの噴射圧力を順次増大し、または順次減少させるとともに、噴射配管内に薬剤等を切り出しながら上流側から供給されるキャリヤーガスによって噴射することを特徴とする継目無鋼管の製造方法である。
(2)中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の内面に薬剤等をキャリヤーガスによって噴射投入する継目無鋼管の製造方法であって、噴射側端の気密性を確保しつつ前記中空素管を回転させながら、キャリヤーガス中の薬剤等の濃度を調整できるように、噴射配管内に薬剤等を切り出しながら上流側から供給されるキャリヤーガスによって噴射することを特徴とする継目無鋼管の製造方法である。
(3)中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の片端内面に位置する噴射口を有する噴射配管を通して薬剤等をキャリヤーガスによって噴射投入する継目無鋼管の製造方法であって、噴射側端の気密性を確保しつつ前記中空素管を回転させながら、キャリヤーガス中の薬剤等の濃度を調整できるように、前記噴射配管内に薬剤等を切り出しながら上流側から供給されるキャリヤーガスによって噴射することを特徴とする継目無鋼管の製造方法である。
(4)上記(3)に記載する中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の内面に薬剤等をキャリヤーガスによって噴射投入する継目無鋼管の製造方法にあっては、前記中空素管の内面に薬剤等をキャリヤーガスによって噴射投入した後に、次の延伸圧延の開始位置まで複数の並進爪とスキッドとを設け、中空素管を管軸周りに回転させながら搬送するのが望ましい。
(5)中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の内面に薬剤等をキャリヤーガスによって噴射投入して継目無鋼管を製造する装置であって、前記薬剤等をキャリヤーガスで噴射投入するとき、噴射側端の気密性を確保しつつ前記中空素管を回転させながら、キャリヤーガス中の薬剤等の濃度を調整できるように、前記噴射配管内に薬剤等を切り出しながら上流側から供給されるキャリヤーガスによって噴射できる装置を備えたことを特徴とする継目無鋼管の製造装置である。
(6)上記(5)に記載する中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の内面に薬剤等をキャリヤーガスによって噴射投入して継目無鋼管を製造する装置にあっては、薬剤等を内面に噴射投入した中空素管を延伸圧延の開始位置まで複数の並進爪とスキッドとを設け、管軸周りに回転させながら搬送する装置を備えることができる。
本発明の継目無鋼管の製造方法およびそれを用いた製造装置によれば、延伸圧延の際に薬剤等を中空素管の内面に効率的に供給して、均一に付着させることによって、被圧延材にける内面疵の発生を防止することができる。しかも、そのために使用する薬剤等の使用量も最小にすることができ、製造コストの低減に有効である。
前述の通り、本発明では、延伸圧延する際に薬剤等を中空素管の内面に効率的に供給し、均一に付着させることによって、圧延によって発生する内面疵を防止するとともに、薬剤等の使用量を最小にすることを目的としている。本発明で規定する「延伸圧延する際に」とは、延伸圧延するに先立ってする場合と、同時にする場合とが包含される。
一方、本発明が対象とする薬剤等は、種々の寸法や材質からなる中空素管に適用されるが、効果的に潤滑作用やスケール溶融若しくは除去作用を発揮させるため、素管材質に応じてその量または種類或いはその両方を選択しなければならない。そして、薬剤等の量または種類が異なれば、当然に薬剤等の比重やその形態(粒径、粒の形状等)やこれらに起因した流れ性(例えば、配管内での詰まり易さ等)が変化することになる。
したがって、上述の目的を効率的に達成するには、中空素管の寸法、中空素管の材質または薬剤等の種類に基づいて、キャリヤーガスの噴射条件を設定する必要がある。ここで中空素管の寸法とは、素管内径と素管長さを指す。そして、素管内径として近似的に延伸圧延に用いられる内面工具の外径、例えば、プラグの外径やマンドレルバーの外径を用いることができる。または素管寸法や工具寸法によって細かく条件を変更するのではなく、中空素管の代表外径(圧延段取)を考慮して、素管寸法のグループ分けを行い、それぞれのグループに対して条件を定めるようにしてもよい。また、キャリヤーガスとしては、空気、窒素ガス等が用いられる。
キャリヤーガスの噴射圧力は、素管長さが長いほど、また素管内径が小さいほどガスの通過抵抗が増加することから高圧に設定する必要がある。しかし、設定圧が高すぎると、ガスに含まれた薬剤等が素管の他端から無駄に排出されることとなり、徒に使用量が増大することになる。一方、設定圧が低すぎると、他端内面への付着量が少なくなり、内面疵の発生が懸念される。したがって、中空素管の寸法に応じた適切な噴射圧力を設定することによって、薬剤等を均一に、しかも無駄無く素管内面に付着させることができる。
さらに、薬剤等の投入流量または/および投入時間の変更によって、同一条件のキャリヤーガスの噴射圧力であっても、中空素管の内面単位面積当たりの薬剤等の付着量を調整することが可能である。したがって、キャリヤーガスの噴射圧力、薬剤等の投入量および薬剤等の投入時間の各条件を適切に組み合わせることによって、適正量の薬剤等を無駄無く供給して、素管内面に均一に付着させることができる。
図1は、本発明の装置例に具備された圧延情報認識部、噴射条件決定部および噴射条件調整部の作用を説明する図である。圧延情報のうち中空素管1の寸法は、事前にプロセスコンピュータ等が保有する製造スケジュール情報、または製造ライン内の計測結果から認識される。また、中空素管1の材質も、同様にプロセスコンピュータ等が保有する製造スケジュール情報から認識されており、これらのデーターは圧延情報認識部に伝達される。
一方、延伸圧延に使用される薬剤等の種類に関する情報も、事前に圧延情報認識部に伝達される。さらに、必要ある場合には、薬剤等の種類はオペレータが事前に機器操作によって情報を伝達してもよいし、または中空素管1の寸法および材質に応じて、プロセスコンピュータ等により自動的に選択される構成としてもよい。
上記の圧延情報認識部に伝達された圧延情報は、噴射条件決定部に伝達され、事前に準備された設定値テーブルや設定値の計算式等によって、実際に採用される噴射条件、具体的にはキャリヤーガスの噴射圧力、薬剤等の総投入量または薬剤等の投入時間が決定される。
噴射条件決定部で決定された各種の噴射条件は、噴射条件を実現するために噴射条件調整部へ伝達され、具体的な噴射作業が行われる。図1に示すように、中空素管1への噴射は、キャリヤーガス供給装置6からバルブ4を介して噴射配管3に供給されたキャリヤーガスに、薬剤等の供給装置5から薬剤等が切り出され、噴射配管3の先端に設けられた噴射口2から行われる。
噴射条件決定部で決定された噴射条件は、キャリヤーガス供給装置6でのキャリアーガスタンク6aの圧力設定値、または/および薬剤等の供給装置5での切り出し速度や切り出し時間として反映され、調整された噴射圧力、薬剤等の総投入量および投入時間に基づいて中空素管1への実際の噴射作業が行われる。
通常、キャリヤーガスの噴射圧力を増加すると、薬剤等は素管の先端側(排出側)に多く付着し、噴射圧力を減少すると、薬剤等は基端側に多く付着する傾向を示す。ところが、一定の噴射圧力で継続して薬剤等を噴射する場合に、素管内面をガスが通過するときの壁面からの抵抗によって、薬剤等の付着量が素管長手方向にばらつくことがある。このような素管長手方向に不均一な付着は、噴射作業中のキャリヤーガス圧力を順次増大し、または順次減少すれば解消することができる。噴射圧力の変化に応じて、長手方向の付着量を変更できるので、結果的に均一な付着となる。
さらに、噴射作業中の噴射圧力の変動は、順次増大した後順次減少させてもよく、またはその逆の手順を採用してもよい。しかしながら、一般に脈動流と称されるような短時間内に急激な圧力変化を伴う変動方法は避けるべきである。急激な圧力変化によってスムーズなガス流れが阻害され、付着を均一にすることは困難であるからである。
薬剤等とキャリヤーガスを均質な混合状態で噴射するには、回転羽根式切り出し機構を使用して、ガスが流通する噴射配管内に所定の速度で薬剤等を切り出しながら噴射するようにするのが効率的である。切り出しながら噴射することによって、キャリヤーガス中の薬剤等の濃度を簡便に変更できるとともに、噴射の開始から完了に至るまで任意に調整できる。
前記特許文献2で開示された、酸洗い剤の塗布方法では、圧力容器内で混合した時点で薬剤等の重力による濃度ばらつきが避けられないため、薬剤等の濃度を増大すると配管内で薬剤等が詰まりやすく安定した噴射が困難になる。
図2は、本発明の装置例として、回転羽根式切り出し部を設けた薬剤等の供給装置の構成を説明する図である。同図に示す噴射配管3内の白抜き矢印はキャリヤーガスのみの流通を示し、黒抜き矢印はキャリヤーガスと薬剤等の混合した流通を示している。そして、薬剤等タンク5a内の薬剤等5cをキャリヤーガスが流通する噴射配管3内に直接切り出す回転羽根式の切り出し部5bが設けられ、この切り出し部5bよりも上流側にキャリヤーガスを噴射配管3内に投入するキャリヤーガス供給装置(図示せず)が設けられている。
回転羽根式の切り出し部5bは薬剤等タンク5aと噴射配管3の間に設置され、付属したモータMにより羽根が回転することによって、噴射配管3内に所定量の薬剤等5cが連続して切り出される。薬剤等5cの切り出し量を調整するには、回転羽根にはその調整手段として回転数(角度)を精度良く検出するためにエンコーダを設置することができる。
回転羽根の回転によって薬剤等タンク5a中の薬剤等5cが噴射配管3内に切り出され、この時噴射配管3の上流側からのキャリヤーガスが供給され、薬剤等とキャリヤーガスとが一定の割合で混合されて噴射口ヘと導かれる。均質な混合状態のキャリヤーガスを用いることによって、中空素管へ安定した薬剤等の噴射投入が可能になる。
回転羽根式の切り出し部を適用することにより、単位時間当たりの切り出し量が一定値となり、キャリヤーガスが流通する噴射配管内への薬剤等の供給を安定させることができる。薬剤等タンク5aへの薬剤等5cの供給は薬剤等供給配管5eで行われ、薬剤等タンク5aへ圧力供給は加圧配管5dによって行われる。切り出し部5bでのキャリヤーガス圧力による逆流を防止するには、薬剤等のタンク5a、さらには切り出し部5bの作動部をキャリヤーガスと同じ種類のガスで補助的に加圧することができる。
薬剤等の総投入量は、回転羽根の総回転数(角度)、回転羽根間の個々の容積から決定され、また切り出し速度は回転羽根の回転速度と回転羽根間の個々の容積から決定される。前述したように中空素管の寸法、材質、薬剤等の種類に応じて、上記の回転速度と回転時間を調整することが重要である。
薬剤等を素管内面に噴射するとき、中空素管を回転させるようにすれば、素管内面の円周方向における付着量のばらつきを少なくして、均一に付着させるのに有効である。すなわち、薬剤等の噴射位置が素管の断面中心からずれる場合であっても、素管の回転によって円周方向の付着が平均化されるとともに、薬剤等の重力による影響も排除でき、さらに素管内面に付着した薬剤等が回転によって円周方向に流動を促されて、均一な付着および使用量の最小化を一層促進できる。素管の回転は、薬剤等の噴射投入位置で素管を回転ローラ上に配置するようにすればよい。
図3は、本発明の装置例として素管を回転ローラ上に配置する構成を説明する図である。中空素管1は薬剤等を噴射投入される位置において、例えば、管軸方向に複数台設置された回転ローラ1aによって、薬剤等の噴射中に管軸周りに回転される。このとき、回転ローラ1aは全数を回転駆動としてもよいし、一部を回転駆動、その他を自由回転(アイドルローラ)としてもよい。
図3に示すように、薬剤等は中空素管1の片端から他端に向かって噴射投入されるが、噴射圧力を有効に利用するため、噴射側端の気密性が確保できるように、噴射側端を覆う面板2aを噴射口2と一体に設置する。すなわち、面板2aと一体に構成された噴射口2を準備し、薬剤等を噴射投入する際の噴射側端の気密性を確保しつつ中空素管を回転させることによって、一層、噴射条件を安定させることができ、中空素管1の内面全長に亘り円周方向における付着量のばらつきをなくすことができる。
また、中空素管1が噴射位置に搬入されるときに、噴射口2との干渉が問題になるようであれば、噴射開始前に面板2aと一体の噴射口2を中空素管1と離反する側(同図では右側)に待避させておき、噴射開始直前に素管側へ前進させ、噴射終了後に再度待避させるような構成を採用することができる。このとき、面板2aを一体に設置することによって、噴射口2は素管に対して一定位置に位置決めできるので、噴射条件を一定にする効果も得られる。
製造ラインのレイアウトとして、穿孔圧延された中空素管を次工程の延伸圧延の開始位置まで所定距離だけ搬送する必要がある場合には、薬剤等を内面に投入された素管を搬送時に管軸周りに回転させるようにする。これによって、さらに素管内面の円周方向に均一な付着が実現できる。
通常、穿孔圧延後、延伸圧延の開始位置へ素管を搬送する場合には、素管は横搬送されることが多い。この場合には、複数の並進爪を設けて素管を横方向に搬送させると同時に、素管がスキッドレールと接触しながら搬送されることによって、素管は回転される。搬送時の素管回転による上記の効果を確保するには、例えば、1秒以上の回転搬送を行い、薬剤等を中空素管の内面に十分馴染ませ、または内面のスケールと反応するための十分な時間を付与するのが望ましい。
図4は、本発明の装置例として複数の並進爪を設けて素管を横方向に搬送させる構成を説明する図であり、(a)は平面図を示し、(b)は側面図を示している。同図に示すように、並進爪7とスキッドレール10は、中空素管1の搬送方向と並行に管軸方向に複数台設定される。並進爪7等の設置の管軸方向間隔は、搬送対象となる素管の長さ範囲に応じて適宜決定される。換言すれば、素管が横搬送時に斜めに搬送されることがないように、適切な間隔と設置台数を決定する必要がある。
図4に示すように、並進爪7は回転駆動されるスプロケット9によって作動するチェーン8に設置され、中空素管1の側面を押圧しながら前進し、素管の横搬送を行う。並進爪7の設置個数は、搬送距離によって適宜決定される。例えば、並進爪7は1本のチェーン8に対して1個を設置しても作業上問題ないが、チェーンの回転距離を短くすることによるサイクルタイムの短縮や関連設備の消耗による故障を防止する観点から、個別のチェーン7に複数の爪を設置するのが望ましい。
一方、固定設置されるスキッドレール10は、その上面をチェーン8よりもわずかに高く設置され、搬送中の中空素管1の下面と接触し、素管を回転させる。なお、搬送開始および終了時の素管表面と搬送設備との衝突による疵発生を防止するために、搬送開始および終了時には搬送中よりもチェーンの駆動速度を低くするのが望ましい。また、搬送開始位置および搬送終了位置で素管が受ける衝撃を和らげるため、ガイド等を設置することも上記の搬送疵を防止するのに有効である。
以下、本発明の効果を具体的な実施例に基づいて説明する。ここで説明する具体的な条件は、本発明の内容を何ら制限するものではない。
(実施例1)
寸法仕様で外径:185.0〜426.0mm、肉厚:5.0〜55.0mm、長さ5〜15mの継目無鋼管を製造可能なマンネスマン・プラグミル製管ラインを用いて、第2穿孔機による圧延後で、次工程のプラグミルによる延伸圧延前に、種々の条件で薬剤等を中空素管の内面に投入して、最終製品での内面疵の発生頻度を調査した。使用した薬剤等は、黒鉛を主成分とする粉末潤滑剤に食塩を混合したものである。
薬剤等の供給装置は、前記図2に示す構成とし、予め混合した薬剤等をタンク内に一旦貯蔵、確保して、薬剤等タンク下部の回転羽根式切り出し部を所定時間で開放状態にして、噴射口に通じる配管内に薬剤等を切り出している。
キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、ガスが流通する噴射配管内に所定量の薬剤等を切り出して、混合ガスを噴射口から噴射する。ここでキャリヤーガスの噴射圧力は、比例弁、アキュムレータにより調整し、薬剤等の切り出し時間は、回転羽根式切り出し部の回転時間によって調整できるようになっている。そして、噴射口は、噴射配管の先端に設けられ、直管のノズルが付設されている。
継目無鋼管の製造に供した素材の材質は、全てC含有量0.2%程度の炭素鋼とした。第2穿孔機で穿孔圧延された中空素管の寸法は、A:内径200mm×長さ7000mm、B:内径300mm×長さ3000mm、C:内径300mm×長さ7000mm、およびD:内径400mm×長さ7000mmの4種類とし、それぞれの条件での供試本数は20本とした。
中空素管内面への薬剤等の総投入量は、内表面積に対して100g/m2、または70g/m2の単位面積当たり投入量となるように調整した。このときの最終製品での内面疵の発生頻度を調査した結果を、薬剤等の噴射条件と合わせて表1に示す。
Figure 0004148209
表1に示す調査結果から、条件5〜8の本発明例では、中空素管の寸法(A〜D)に基づいてキャリヤーガスの噴射圧力、および薬剤等の投入時間を調整することによって、より少量の薬剤等の投入量であるが、より優れた内面疵の抑制効果が得られることが明らかである。
(実施例2)
実施例1の条件4(従来例)において、噴射圧力を噴射開始時には1.5kg/cm2(147.1kPa)、噴射終了時には1.0kg/cm2(98.1kPa)となるように比例弁を操作して、順次減少させたところ、圧延本数20本に対して内面疵の発生は皆無であった。
同様に、噴射圧力を噴射開始時には1.0kg/cm2(98.1kPa)、噴射終了時には1.5kg/cm2(147.1kPa)となるように比例弁を操作して、順次増大させたところ、内面疵の発生は皆無であった。このことから、噴射作業中にキャリヤーガスの噴射圧力を順次増大し、または順次減少させることによって、一層、内面疵の抑制効果が発揮されることが分かる。
(実施例3)
実施例1の条件1(従来例)において、中空素管を回転させながら噴射を行ったところ、圧延本数20本に対して内面疵の発生は1本に減少した。噴射中に中空素管を回転させることによって、さらに内面疵の発生が防止される。
(実施例4)
実施例1の条件1で薬剤等を噴射投入させた後、中空素管を回転搬送させた場合の内面疵の発生を調査した。このときの搬送速度は約1.5m/secで、搬送時間は7secであった。結果は、圧延本数20本に対して内面疵の発生は1本に減少しており、搬送中に中空素管を回転させることによる効果が明らかである。
本発明の継目無鋼管の製造方法およびそれを用いた製造装置によれば、延伸圧延の際に薬剤等を中空素管の内面に効率的に供給して、均一に付着させることによって、被圧延材の内面疵を防止することができる。しかも、そのために使用する薬剤等の使用量も最小にすることができ、製造コストの低減に有効である。このため、継目無鋼管の製造に際し、薬剤等の効率的な供給手段として、広く適用することができる。
本発明の装置例に具備された圧延情報認識部、噴射条件決定部および噴射条件調整部の作用を説明する図である。 本発明の装置例として、回転羽根式切り出し部を設けた薬剤等の供給装置の構成を説明する図である。 本発明の装置例として素管を回転ローラ上に配置する構成を説明する図である。 本発明の装置例として複数の並進爪を設けて素管を横方向に搬送させる構成を説明する図であり、(a)は平面図を示し、(b)は側面図を示している。
符号の説明
1:中空素管、 1a:回転ローラ
2:噴射口、 2a:面板
3:噴射配管、 4:バルブ
5:薬剤等供給装置、 5a:薬剤等タンク
5b:切り出し部、 5c:薬剤等
5d:加圧配管、 5e:薬剤等供給配管
6:キャリヤーガス供給装置
6a:キャリヤーガスタンク
7:並進爪、 8:チェーン
9:スプロケット、 10:スキッドレール

Claims (6)

  1. 中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の内面に潤滑剤または素管内面のスケールを溶融若しくは除去するための薬剤(以下、「薬剤等」という)をキャリヤーガスによって噴射投入する継目無鋼管の製造方法であって、
    前記薬剤等をキャリヤーガスで噴射投入しながら、薬剤等が素管の先端側に多く付着し、または基端側に多く付着するのを防ぐべく、キャリヤーガスの噴射圧力を順次増大し、または順次減少させるとともに、噴射配管内に薬剤等を切り出しながら上流側から供給されるキャリヤーガスによって噴射することを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
  2. 中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の内面に潤滑剤または素管内面のスケールを溶融若しくは除去するための薬剤(以下、「薬剤等」という)をキャリヤーガスによって噴射投入する継目無鋼管の製造方法であって、
    噴射側端の気密性を確保しつつ前記中空素管を回転させながら、キャリヤーガス中の薬剤等の濃度を調整できるように、噴射配管内に薬剤等を切り出しながら上流側から供給されるキャリヤーガスによって噴射することを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
  3. 中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の片端内面に位置する噴射口を有する噴射配管を通して潤滑剤または素管内面のスケールを溶融若しくは除去するための薬剤(以下、「薬剤等」という)をキャリヤーガスによって噴射投入する継目無鋼管の製造方法であって、
    噴射側端の気密性を確保しつつ前記中空素管を回転させながら、キャリヤーガス中の薬剤等の濃度を調整できるように、前記噴射配管内に薬剤等を切り出しながら上流側から供給されるキャリヤーガスによって噴射することを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
  4. 中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の内面に薬剤等をキャリヤーガスによって噴射投入する継目無鋼管の製造方法であって、
    前記中空素管の内面に薬剤等をキャリヤーガスによって噴射投入した後に、次の延伸圧延の開始位置まで複数の並進爪とスキッドとを設け、中空素管を管軸周りに回転させながら搬送することを特徴とする請求項3に記載の継目無鋼管の製造方法。
  5. 中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の内面に潤滑剤または素管内面のスケールを溶融若しくは除去するための薬剤(以下、「薬剤等」という)をキャリヤーガスによって噴射投入して継目無鋼管を製造する装置であって、
    前記薬剤等をキャリヤーガスで噴射投入するとき、噴射側端の気密性を確保しつつ前記中空素管を回転させながら、キャリヤーガス中の薬剤等の濃度を調整できるように、前記噴射配管内に薬剤等を切り出しながら上流側から供給されるキャリヤーガスによって噴射できる装置を備えたことを特徴とする継目無鋼管の製造装置。
  6. 中空素管を延伸圧延する際に、その中空素管の内面に薬剤等をキャリヤーガスによって噴射投入して継目無鋼管を製造する装置であって、
    薬剤等を内面に噴射投入した中空素管を延伸圧延の開始位置まで複数の並進爪とスキッドとを設け、管軸周りに回転させながら搬送する装置を備えたことを特徴とする請求項5に記載の継目無鋼管の製造装置。
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