JP4145182B2 - 携帯電話機用充電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯電話機用充電装置に関し、特にデータ通信が可能な薄型ストレートタイプの携帯電話機用として好適に使用可能な充電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯電話機用の充電装置の構成について説明する。図9はストレートタイプの携帯電話機用充電装置の側面図である。充電装置本体100の上面には携帯電話機を収容する収容部101が設けられ、収容部101の底面には充電端子102が配置されている。充電装置本体100の後部にはACアダプター(図示せず)を介してコンセントに接続するコード103を備えている。収容部101に携帯電話機が収容されると、携帯電話機の下部に設けられた充電用の電極が収容部101の底面に設けられた充電端子102に接触して充電がなされる。
【0003】
最近、コンピュータや他のモバイル機器との間でデータ通信が可能な携帯電話機が普及している。ストレートタイプの携帯電話機の場合、データ通信用のケーブルは通常携帯電話機の下端に接続される。そのため、上記のような従来の充電装置では充電中の携帯電話機にデータ通信用のケーブルを接続することができず、充電と並行してデータ通信を行うことができなかった。そこで、携帯電話機の収容部と充電装置の設置面との間に所定の間隔を設け、充電中においてもデータ通信用のケーブルを接続できるようにすることが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、データ通信を行わない場合には携帯電話機の収容部と充電装置の設置面との間隔は無駄なものとなり、携帯電話機の収容部が高い位置に設けられ重心が高くなるため不安定となり、倒れやすくなってしまう。また、薄型ストレートタイプの携帯電話機においては、充電装置も携帯電話機のデザインにマッチした薄型が要求されるが、充電装置本体が大きくなりデザイン性に欠けるうえ、コスト面でも高くなる。
【0005】
そこで、ACアダプターを接続するコネクタを充電装置の側面に設け、携帯電話機の収容部の一部を回転させて充電中のデータ通信を可能とする方式が考案されている。しかし、充電装置の側面にコネクタを配置した場合、正面からACアダプターの接続プラグが見えてしまうためデザイン的に劣ってしまう。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、データ通信を行う場合と行わない場合とで充電装置の形状を選択可能であり、且つデザイン的にも優れた携帯電話用充電装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため本発明は、携帯電話機を収容するキャビネット部と、該キャビネット部を設置面に支持するスタンド部とを備えた携帯電話機用充電装置において、前記スタンド部は底面部と傾斜部によりL字状に形成され、L字の屈折部を支点として前記キャビネット部に回転可能に装着されており、前記スタンド部を回転させることにより、前記底面部が設置面に当接する第1の状態と、前記底面部及び前記傾斜部の端部が設置面に当接する第2の状態とを択一選択できることを特徴とする。
【0008】
この構成によると、データ通信を行う場合と行わない場合とで充電装置の形状を自由に選択可能となり、いずれの形状とした場合でも安定に設置可能な充電装置となる。また、装置全体が大型とならずコスト面でも有利なうえデザイン性も良くなる。
【0009】
また本発明は、上記構成の携帯電話機用充電装置において、前記第1の状態では前記キャビネット部の下端は設置面の近傍に位置し、前記第2の状態では前記第1の状態に比し前記キャビネット部の下端と設置面との間隔が広く設けられることとした。
【0010】
この構成によると、データ通信を行わない通常の場合は第1の状態により充電を行い、携帯電話機を設置面の近くに保持することにより充電装置を安定して設置することができる。また、データ通信を行う場合は第2の状態とすることにより前記キャビネット部の下端と設置面との間にデータ通信用ケーブルを接続する空間が確保されるため充電と並行してデータ通信が可能となる。
【0011】
また本発明は、上記構成の携帯電話機用充電装置において、前記第2の状態では前記キャビネット部の下端よりデータ通信用ケーブルを接続した状態で携帯電話機に充電可能とした。
【0012】
この構成によると、データ通信中に携帯電話機の充電が必要となった場合や充電中にデータ通信を行う必要が生じた場合であっても、第2の状態で充電を行うことによりデータ通信や充電を中断することなく充電及びデータ通信を並行して行うことが可能となる。
【0013】
また本発明は、上記構成の携帯電話機用充電装置において、前記底面部及び/又は前記傾斜部に前記ACアダプターのコードを通過させる開口部を設けたことを特徴とする。
【0014】
この構成によると、第1の状態、或いは第2の状態での充電中にACアダプターのコードを折り曲げたりせずに充電装置を安定した状態で設置できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の第1実施形態を図面を参照して説明する。図1は本実施形態の充電装置を示した第1の状態の側面図であり、図2は第1の状態をキャビネット部側から見た正面図であり、図3は第1の状態においてキャビネット部とスタンド部を分離した斜視図であり、図4は第1の状態をスタンド部側から見た背面図である。
【0016】
図1において、1は携帯電話機を収容するキャビネット部であり、キャビネット部1の下部には携帯電話機を保持する保持部2が設けられている。側面方向から見た場合、保持部2は上端から略中央部までは緩やかにカーブしながら下部に向かってテーパ状に形成され、略中央部から下端までは一定の幅に形成されている。これにより、携帯電話機本体に指がかかりやすくなり携帯電話機のキャビネット部1への着脱を円滑にする。3はキャビネット部1を支持し、起立させるスタンド部であり、底面部4及び底面部4の一端から所定の角度で上向きに立設される傾斜部5から構成されている。すなわち、スタンド部3は底面部4及び傾斜部5によりL字状に形成されている。第1の状態においては傾斜部5の外面はキャビネット部1の背面と当接しており、底面部4の下面によって設置面(図示せず)に当接し、キャビネット部1を支持する。このようにスタンド部3を設けたことにより、キャビネット部1を薄型にしても安定に携帯電話機を支持することができる。6はキャビネット部1の背面下方に設けられた本体部であり、ACアダプターを接続するコネクタや充電操作を制御する基板等が内蔵されている。スタンド部3は、後述するようにL字状の屈折部7において本体部6と回転可能に装着されている。
【0017】
次にキャビネット部1の構造について説明する。図2において、保持部2はキャビネット部1の両端下部に左右対称に設けられ、左右の保持部2の間にはデータ通信ケーブルを接続するための接続口8が設けられている。保持部2は上段部2a、中段部2b、及び下段部2cから構成されており、上段部2aは正面から見てキャビネット部1に垂直方向にのみ設けられているが、中段部2b及び下段部2cは正面から見て幅広部を有し、下段部2cは中段部2bよりも更に幅広に形成されている。つまり保持部2はキャビネット部1の下端に向かって段階的に幅広形成されている。これにより、携帯電話機は中段部2b及び下段部2cにより確実にキャビネット部1に保持され、上段部2aは携帯電話機の横方向への移動を制限するとともにキャビネット部1への挿入を円滑にするガイド部として機能する。また、携帯電話機の前面の操作キーが保持部2に接触しないため、キャビネット部1への着脱の際に操作キーが誤操作されることを防止できる。18は携帯電話機本体をキャビネット部1内に固定する電話機固定用ツマミであり、その一部がキャビネット部1の下部中央に設けられた窓部9より突出している。
【0018】
キャビネット部1及びスタンド部3の構造について図3、図4を参照して詳細に説明する。スタンド部3はL字型の側面部10、及びキャビネット部1とほぼ等しい幅を有する幅広部4a、5aにより構成されており、図1における底面部4及び傾斜部5を形成する。11は屈折部7において側面部10の内面に設けられた突起であり、キャビネット部1の背面下部に設けられた本体部6の両端の嵌合孔12に回転可能に嵌合される。これにより、スタンド部3は屈折部7において突起11を支点として本体部6に回転可能に装着される。また、屈折部7付近においては、スタンド部3を回転させる際本体部6が障害とならないように幅広部4a、5aがそれぞれ切除されている。なお、傾斜部5の幅広部5aは底面部4の幅広部4aよりも大きく切除されており、後述する第2の状態で使用する際、ACアダプターのコードが通過する開口部13を形成する。
【0019】
幅広部4aの先端には切り欠き状の開口部14が設けられ、第1の状態で充電する場合にACアダプターのコードが通過する。これにより、充電の際ACアダプターのコードが邪魔にならず充電装置を安定した状態で設置できる。保持部2の内部には充電端子15が設けられており、キャビネット部1に携帯電話機が挿入された際、携帯電話機の充電用電極と接触する。充電端子15はキャビネット部1を挟んで本体部6に内蔵されている基板及びコネクタ(図示せず)と接続されている。
【0020】
次に本実施形態における充電装置の内部構造について説明する。図5は本発明の充電装置の第1の状態における断面図(図2におけるA−A断面)である。キャビネット部1の本体部6内には充電を制御する基板16、ACアダプターが接続される充電用コネクタ17が備えられ、充電用コネクタ17の接続面17aは本体部6の後部より外部に面して設けられている。電話機固定用ツマミ18の後部にはトーションバネ19が付設され、電話機固定用ツマミ18にはトーションバネ19の復元力によりキャビネット1側へ押圧が掛けられている。これにより、電話機固定用ツマミ18はトーションバネ19に付勢されて窓部9からキャビネット部1の前面に突出し、キャビネット部1に挿入される携帯電話機本体の背面に当接して保持部2との間に充電中の携帯電話機を確実に固定することができる。
【0021】
電話機固定用ツマミ18の構造を図6により詳細に説明する。電話機固定用ツマミ18はキャビネット部1の窓部9より突出する爪部18a及び回転軸20が貫通する支持部18bから構成されている。トーションバネ19は支持部18bの両側において回転軸20に巻き付けられており、電話機固定用ツマミ18の回転軸20方向への移動を防止している。トーションバネ19は回転軸20に巻き付けられた部分を挟んでコ字状部19aが爪部18aの背面に当接し、トーションバネ19の両端部19bは本体部6内の隔壁(図示せず)に当接している。つまりトーションバネ19はその復元力に抗して電話機固定用ツマミ18と本体部6内の隔壁との間に設置されており、電話機固定用ツマミ18をキャビネット1側へ付勢することによって、爪部18aと保持部2により携帯電話機本体を狭持する。
【0022】
次に本実施形態の充電装置の使用状態について説明する。図7は第1の状態での使用状態を示す側面図である。21は携帯電話機を充電するためのACアダプターであり、本体部6の後部に設けられたコネクタ17の接続面17a(図示せず)に接続されている。22はACアダプター21とコンセントをつなぐコードであり、23は充電装置が設置される設置面である。データ通信を行わない通常の充電の場合は接続口8と設置面23との間に間隔を設ける必要がないため、第1の状態においてはキャビネット部1の下端は設置面23付近に位置している。これにより、充電中の携帯電話機をより低い位置で安定に支持することができる。また、コード22は底面部4の先端の開口部14を通過するため、コード22を折り曲げたりせずに充電装置を安定した状態で設置できる。
【0023】
図8は第2の状態での使用状態を示す側面図である。この場合、スタンド部3は屈折部7を支点として第1の状態から反時計回りに約90度回転しており、底面部4及び傾斜部5のそれぞれの端部によって設置面23に当接している。24はデータ通信用ケーブルであり、キャビネット部1の下端の接続口8を介して携帯電話機に接続されている。第2の状態においてはキャビネット部1の下部は底面部4の屈折部7付近に当接しており、第1の状態に比べキャビネット部1の下端と設置面23との間に広い空間が形成されるため、データ通信用ケーブル24を接続する空間が確保される。また、ACアダプター21のコード22は傾斜部5の窓状の開口部13を通過するため、第1の状態と同様にコード22を折り曲げたりせずに充電装置を安定した状態で設置できる。
【0024】
これにより、充電中にデータ通信を行う必要のある場合でも充電と並行して問題なく行うことができる。すなわち、先に充電を行っていた場合は充電を中断することなく接続口8にデータ通信用ケーブル24を接続すればよく、先にデータ通信を行っていた場合はデータ通信用ケーブル24を接続した状態で携帯電話機をキャビネット部1に挿入すればよい。また、この場合キャビネット部1が設置面から離れるため、第1の状態より高い位置に携帯電話機が保持されることとなるが、スタンド部3は底面部4及び傾斜部5のそれぞれの端部によって設置面に当接しているため、第1の状態に比べ見かけ上の設置面積が広くなる。そのため携帯電話機が倒れにくくなり、第1の状態と同様に安定した状態で充電することができる。
【0025】
本実施形態では、開口部13は傾斜部5の幅広部5aの一部を切除して窓状に、開口部14は底面部4の端部に切り欠き状に形成したが、開口部13、14の形状及び大きさはこれに限られるものではなく、例えば開口部13、14を共に窓状としてもよく、共に切り欠き状としてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、携帯電話機を収容するキャビネット部と設置面との間隔を、底面部と傾斜部からなるL字型のスタンド部を回転させることにより第1の状態と第2の状態とで択一選択できることとしたため、データ通信を行わない通常の場合は第1の状態により充電を行い、データ通信を行う場合は第2の状態により充電を行うことによりキャビネット部の下端と設置面との間にデータ通信用ケーブルを接続する空間が確保される。また、データ通信用ケーブルを接続した場合でも安定に設置でき、且つ薄型ストレートタイプの携帯電話機のデザインにもマッチしたデザイン性の高い充電装置を提供できる。
【0027】
また、第2の状態の場合、データ通信ケーブルを接続した状態で充電が可能となるため、充電中にデータ通信を行う必要が生じた場合、或いはデータ通信中に充電を行う必要が生じた場合においても充電とデータ通信を並行して行うことができる。
【0028】
また、底面部及び傾斜部にそれぞれACアダプターのコードを通過させる開口部を設けたので、第1の状態、或いは第2の状態での充電中にACアダプターのコードを折り曲げたりせずに充電装置を安定した状態で設置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の第1実施形態の充電装置において第1の状態を示した側面図である。
【図2】は、充電装置の第1の状態を示した正面図である。
【図3】は、充電装置のキャビネット部とスタンド部を分離した状態の斜視図である。
【図4】は、充電装置の第1の状態を示した背面図である。
【図5】は、充電装置の第1の状態における断面図である。
【図6】は、電話機固定用ツマミ部分の拡大図である。
【図7】は、充電装置の第1の状態での使用状態を示す側面図である。
【図8】は、充電装置の第2の状態での使用状態を示す側面図である。
【図9】は、従来の充電装置の側面図である。
【符号の説明】
1.キャビネット部
2.保持部
3. スタンド部
4.底面部
5.傾斜部
6. 本体部
7. 屈折部
8. 接続口
10.側面部
13.開口部
14.開口部
15.充電端子
18.電話機固定ツマミ
21.ACアダプター
22.コード
24.データ通信用ケーブル
Claims (5)
- 携帯電話機を収容するキャビネット部と、該キャビネット部を設置面に支持するスタンド部とを備えた携帯電話機用充電装置において、
前記スタンド部は底面部と傾斜部によりL字状に形成され、L字の屈折部を支点として前記キャビネット部に回転可能に装着されており、前記スタンド部を回転させることにより、前記底面部が設置面に当接する第1の状態と、前記底面部及び前記傾斜部の端部が設置面に当接する第2の状態とを択一選択できることを特徴とする携帯電話機用充電装置。 - 前記第1の状態では前記キャビネット部の下端は設置面の近傍に位置し、前記第2の状態では前記第1の状態に比し前記キャビネット部の下端と設置面との間隔が広く設けられることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機用充電装置。
- 前記第2の状態では前記キャビネット部の下端よりデータ通信用ケーブルを接続した状態で携帯電話機に充電可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯電話機用充電装置。
- 前記底面部に前記第1の状態においてACアダプターのコードが通過する開口部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の携帯電話機用充電装置。
- 前記傾斜部に前記第2の状態においてACアダプターのコードが通過する開口部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の携帯電話機用充電装置。
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