JP4143894B2 - Medical device and manufacturing method thereof - Google Patents

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JP4143894B2
JP4143894B2 JP2002105500A JP2002105500A JP4143894B2 JP 4143894 B2 JP4143894 B2 JP 4143894B2 JP 2002105500 A JP2002105500 A JP 2002105500A JP 2002105500 A JP2002105500 A JP 2002105500A JP 4143894 B2 JP4143894 B2 JP 4143894B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカテーテルなど医療用具の表面において、湿潤時に潤滑性を有する被膜を備えた医療用具およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療用具技術の発展に伴って、その医療用具自体の用途は多様化しており、特に気道、血管、尿道その他体腔あるいは組織中に挿入するカテーテル、さらにはこれに挿入して使用するガイドワイヤー等の医療用具は、挿入時に粘膜を損傷したり炎症を引き起こしたりすることを避け、また治療を受ける患者の苦痛を軽減するために優れた潤滑性が要求されている。このため、摩擦抵抗を少なくする工夫として用具表面にシリコーンオイル、オリーブオイル、グリセリン等を塗布していたが、その持続性や保存性の点から十分ではなかった。
【0003】
そこで、このような欠点を解決する方法として、例えば用具基材の表面に存在する反応性官能基と無水マレイン酸系高分子物質とを共有結合させ、湿潤時に表面が潤滑性を発現するようにした医療用具が提案されている(特公平1−33181号公報:従来の技術1)。また、用具基材の表面に存在する反応性官能基と、水溶性高分子物質またはその誘導体とをイオン結合させ、湿潤時に表面が潤滑性を発現するようにしたガイドワイヤーが提案されている(特公平4−12145号公報:従来の技術2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の技術1の医療用具は、基材への固定方法として共有結合という化学反応を利用するものであり、その化学反応を起こさせるためには、基材表面に官能基を存在させるためのイソシアネート基、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等の官能基を有する化合物の溶液での処理を行わなければならず、これによって未反応物が基材表面に残留付着して剥離するおそれがあり、未反応物による安全性の問題があるとともに、表面潤滑性およびその持続性等において十分な効果が得られないという問題があった。また、従来の技術2のガイドワイヤーは、従来の技術1と同様に化学反応を利用するもので、水溶性高分子物質をイオン結合で固定しているので、生理食塩水等のイオンを含有する溶液中では水溶性高分子物質が剥がれてしまい、表面潤滑性を十分持続することができないとともに、未反応物による安全性の問題もあった。さらに、従来の技術1および従来の技術2の両者は、それぞれの製造方法がきわめて複雑であり、大幅なコストアップにつながるという問題もあった。
【0005】
そこで、このような課題を解決するために、例えばポリウレタンからなる用具基材をメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のメチルエチルケトン溶液に浸漬し、乾燥後、水処理することで、その表面に潤滑性被膜を形成し、湿潤時に表面が潤滑性を発現するようにした医療用具が提案されている(特許登録第2804200号公報)。この場合の基材への固定は化学反応を利用していないので、未反応物の発生がなくなり安全性の問題は回避される。しかしながら、例えば使用時において血管への挿抜操作を繰り返し行うと、その繰り返し応力によって表面潤滑性が低下する傾向があり、耐久性の面で問題があった。また、製造方法としてはまだ複雑であり、コストアップを防ぐことができなかった。
【0006】
また、無水マレイン酸系高分子物質とポリウレタンの混合物の溶液を合成樹脂からなる基材の表面に塗布して被膜を形成した後に、被膜を加熱処理して不溶化し、さらに親水化剤で処理して親水化し、湿潤時に表面が潤滑性を発現するようにしたガイドワイヤーが提案されている(特開平9−276392号公報)。この場合の基材への固定も化学反応を利用しないので、未反応物の発生がなくなって安全性の問題は回避され、形成される被膜は摩擦耐久性を有し、表面潤滑性が安定的に維持されるものである。しかしながら、被膜を不溶化させるために120〜140℃の高温で加熱処理を行わなければならないため、処理時の高熱によって変形するカテーテル等の基材に対してはこの製造方法を実施することができないという問題があった。また、製造方法としてはまだ複雑であり、コストアップを防ぐことができなかった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、湿潤時の表面潤滑性を有することはもちろんのこと、その耐久性を発現できる被膜を有し、かつその被膜を簡単な処理工程でコストアップさせることなく各基材に対して形成することのできる医療用具およびその製造方法を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る医療用具は、合成樹脂からなる医療用具の基材表面に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体とポリエーテルブロックアミドとを有機溶媒に溶解した被覆用混合溶液を塗布して形成した、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルにメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体がエステル結合により取り込まれたポリマーアロイの被膜を有するものである。
【0009】
本発明に係る医療用具は、基材を構成する合成樹脂を、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ナイロンまたはナイロンエラストマーとしたものである。
【0010】
本発明に係る医療用具の製造方法は、合成樹脂からなる医療用具の基材表面に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体とポリエーテルブロックアミドとを有機溶媒に溶解した被覆用混合溶液を塗布して、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルにメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体がエステル結合により取り込まれたポリマーアロイの被膜を形成する方法である。
【0011】
本発明に係る医療用具の製造方法は、合成樹脂からなる医療用具の基材表面に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体とポリエーテルブロックアミドとを有機溶媒に溶解した被覆用混合溶液を塗布した後、低温加熱処理して、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルにメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体がエステル結合により取り込まれたポリマーアロイの被膜を形成する方法である。
【0012】
本発明に係る医療用具の製造方法は、低温加熱処理を、エチレンオキサイド滅菌とした方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明による医療用具は、合成樹脂からなる基材をポリエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体およびポリエーテルブロックアミドを有機溶媒に溶解した被覆用混合溶液に浸漬し、その後、加熱(例えばエチレンオキサイド滅菌)することにより、基材表面に被膜を形成する。そして、この被膜は、湿潤時における表面潤滑性を有するとともに、温水浸漬に対する潤滑耐久性を発現する。
【0017】
このような被膜を形成するための被覆用混合溶液および被膜を有する医療用具の製造方法は、以下の通りである。
(1)メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体とポリエーテルブロックアミドとを、有機溶媒であるテトラヒドロフラン(以下、THFと記す)、アセトンあるいはそれらの混合液に溶解して溶液を作製し、さらに、溶液中に含まれるメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体に対して好ましくは重量比で10〜77倍、より好ましくは重量比で15〜77倍のポリエチレングリコールモノメチルエーテルを有機溶媒であるTHFとともに添加して被覆用混合溶液を作製する。
(2)ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ナイロンまたはナイロンエラストマーの合成樹脂からなる基材の表面に、浸漬法により、被覆用混合溶液を塗布する。
(3)塗布した基材を乾燥して50〜60℃程度で加熱(あるいはエチレンオキサイド滅菌)し、基材表面に、ポリエーテルブロックアミドにより付与されポリエチレングリコールモノメチルエーテルにメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体がエステル結合により取り込まれた被膜を形成する。
なお、エチレンオキサイド滅菌とは、エチレンオキサイドガスを加圧して例えばカテーテルなどの被滅菌物に与えて滅菌することであり、医療用具は一般的にこの滅菌法が採用されている。
【0018】
こうして得られた医療用具の被膜の表面潤滑性および潤滑耐久性について、以下に実施例を用いて説明する。
【0019】
【実施例】
[実施例1]
メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(商品名:Gantrez AN−169、ISP(INTERNATIONAL SPECIALTY PRODUCTS)社製)2%アセトン溶液と、ポリエーテルブロックアミド(商品名:Pebax 2533SA、ATOCHEM社製)2%THF溶液とを1::2の割合で混合した溶液を作製し、さらに、溶液中に含まれるメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体に対して重量比で25.7倍のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量2000、Aldrich Chemical社製)を添加するとともに、溶液全体の固形分濃度が15%となるようにTHFを添加して、被覆用混合溶液を作製した。ついで、基材をこの被覆用混合溶液中に浸漬し、引き上げ後乾燥し、エチレンオキサイド滅菌して基材表面に被膜を形成した。
【0020】
[実施例2]
実施例1の分子量2000のポリエチレングリコールモノメチルエーテルに代えて、分子量5000のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich Chemical社製)を使用し、実施例1と同様に被膜用混合溶液を作製して基材表面に被膜を形成した。
【0021】
[実施例3]
実施例1の分子量2000のポリエチレングリコールモノメチルエーテルに代えて、分子量750のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich Chemical社製)を使用し、実施例1と同様に被膜用混合溶液を作製して基材表面に被膜を形成した。
【0022】
[実施例4]
実施例1のポリエチレングリコールモノメチルエーテルのメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体に対する混合比を、重量比25.7倍に代えて、重量比6.7倍とし、実施例1と同様に被膜用混合溶液を作製して基材表面に被膜を形成した。
【0023】
[実施例5]
実施例1のポリエチレングリコールモノメチルエーテルのメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体に対する混合比を、重量比25.7倍に代えて、重量比11.6倍とし、実施例1と同様に被膜用混合溶液を作製して基材表面に被膜を形成した。
【0024】
[実施例6]
実施例1のポリエチレングリコールモノメチルエーテルのメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体に対する混合比を、重量比25.7倍に代えて、重量比18.2倍とし、実施例1と同様に被膜用混合溶液を作製して基材表面に被膜を形成した。
【0025】
[実施例7]
実施例1のポリエチレングリコールモノメチルエーテルのメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体に対する混合比を、重量比25.7倍に代えて、重量比77.1倍とし、実施例1と同様に被膜用混合溶液を作製して基材表面に被膜を形成した。
【0026】
なお、実施例1乃至7の基材は、いずれも直径が16Gのポリウレタンからなるチューブとした。
そして、表面に被膜が形成されたチューブに対しては次のような表面潤滑性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0027】
[表面潤滑性試験]
▲1▼チューブを1分間生理食塩水に浸漬した後、手感で被膜の初期潤滑性ついて評価した。評価結果は潤滑性が高い順から「◎」「○」「△」「×」とした。
▲2▼チューブを50℃の蒸留水に24時間浸漬した後、手感で被膜の温水浸漬に対する潤滑耐久性について評価した。評価結果は上記の▲1▼と同様である。
【0028】
【表1】

Figure 0004143894
【0029】
なお、比較例1乃至7は次の通りであり、比較例7は、基材の表面にいずれの被膜も形成されていないものとする。また、比較例1乃至7の基材も、実施例と同様にいずれも直径が16Gのポリウレタンからなるチューブとし、上述の表面潤滑性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
[比較例1]
実施例1のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量2000、Aldrich Chemical社製)に代えて、ポリエチレングリコール(分子量2000、ナカライテクス社製)を使用し、実施例1と同様に被膜用混合溶液を作製して基材表面に被膜を形成した。
【0031】
[比較例2]
実施例1のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量2000、Aldrich Chemical社製)に代えて、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(分子量2000、Merck社製)を使用し、実施例1と同様に被膜用混合溶液を作製して基材表面に被膜を形成した。
【0032】
[比較例3]
ポリウレタン(商品名:Tecoflex SG80A Thermedics社製)5%THF溶液と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート2%メチルエチルケトン(以下、MEKと記す)溶液とを1:1の割合で混合した被覆用混合溶液を作製し、基材をこの被覆用混合溶液中に浸漬し、引き上げ後乾燥温度60℃で1時間乾燥し、その後メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(商品名:Gantrez AN−169、ISP社製)2.5%MEK溶液中に1分間浸漬し、引き上げ後60℃で30分間乾燥し、0.1NのNaOH水溶液に3分間浸漬し、引き上げ後水洗いをして乾燥し、エチレンオキサイド滅菌して基材表面に被膜を形成した。なお、この比較例3は、上記従来の技術1に対応するものである。
【0033】
[比較例4]
基材を4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート5%MEK溶液に浸漬し、引き上げ後乾燥温度60℃で1時間乾燥し、その後ポリビニルピロリドン(商品名:K−90、ISP社製)5%クロロホルム溶液中に浸漬し、引き上げ後乾燥温度60℃で30分間乾燥し、エチレンオキサイド滅菌して基材表面に被膜を形成した。なお、この比較例4は、上記従来の技術2に対応するものである。
【0034】
[比較例5]
基材をメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(商品名:Gantrez AN−169、ISP社製)3%MEK溶液中に30秒間浸漬し、引き上げ後乾燥温度60℃で2時間乾燥し、0.1NのNaOH水溶液に3分間浸漬し、引き上げ後水洗いをし、乾燥後エチレンオキサイド滅菌して基材表面に被膜を形成した。なお、この比較例5は、上記の特許登録第2804200号公報に開示された発明に対応するものである。
【0035】
[比較例6]
メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体(商品名:Gantrez AN−169、ISP社製)と、ポリウレタン(商品名:Tecoflex SG80A Thermedics社製)とを混合した1.125%MEK溶液(被膜用混合溶液)を作製し、基材をこの被膜用混合溶液中に10秒間浸漬し、引き上げ後乾燥温度80℃で10時間乾燥し、40%メチルアミン水溶液に1時間浸漬し、引き上げ後乾燥し、エチレンオキサイド滅菌して基材表面に被膜を形成した。なお、この比較例6は、上記の特開平9−276392号公報に開示された発明に対応するものである。
【0036】
表1からわかるように、試験▲1▼の初期潤滑性については、実施例1,2,6,7および比較例3乃至6において評価は同じであった。しかしながら、比較例4および比較例5では、手感によって被膜の成分等が溶出していることが明らかにわかり、その溶出物によって安全性の問題が発生するおそれがあって、実用化にはほど遠いものである。なお、実施例7は若干被膜の成分等が溶出しているものの、安全性に問題が生じる量ではない。また、実施例3,4は評価が「△」であるものの、用途によっては十分実用できるものである。よって、実施例1,2,6および比較例3,6が初期潤滑性に優れ実用性の高いものであると言える。
【0037】
また、試験▲2▼の温水浸漬による被膜の潤滑耐久性については、実施例1,2,6,7および比較例5が比較例3,4,6よりもよい結果となった。比較例3,4,6は、温水浸漬後、潤滑性は感じられるものの実施例1,2,6,7および比較例5より劣っており、比較例5は、温水浸漬後強い潤滑性は感じられるものの、温水中に剥離した被膜が目視によって観察され、この剥離物は溶けたりすることなく残留してしまうため、安全性の問題が発生するおそれがあり、実用化にはほど遠いものである。よって、実施例1,2,6,7が潤滑耐久性に優れ実用性の高いものであるといえる。
【0038】
さらに、比較例3は、塗布・乾燥・熱処理・塗布・乾燥・熱処理・アルカリ処理・水処理・乾燥の工程が必要であり、比較例4は、塗布・乾燥・熱処理・塗布乾燥・熱処理の工程、比較例5は、塗布・乾燥・熱処理・アルカリ処理・水処理・乾燥の工程、比較例6は、塗布・乾燥・熱処理・アルカリ処理・水処理・乾燥の工程が必要であって、いずれも処理工程が複雑である。これに対して実施例1乃至7、特に実施例1,2,6は、塗布・乾燥の工程と簡単な処理工程だけで優れた初期潤滑性および潤滑耐久性が実現でき、極めて低コストでの処理が可能である。
【0039】
また、表1から明らかなように、ほぼ同じ条件でポリエチレングリコールモノメチルエーテル以外を使用した比較例1,2は、被膜の初期潤滑性および潤滑耐久性が全く得られないことがわかる。つまり、分子中両末端に水酸基を持つ、あるい両末端ともメチル基でブロックされているものは潤滑性を発現せず、片末端のみメチル基でブロックされ別の片端は水酸基を持つポリエチレングリコールモノメチルエーテルを用いることによって、被膜の初期潤滑性および潤滑耐久性が発現されることがわかる。
【0040】
そして、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの分子量は、特に限定されるものではないが、実施例1乃至3からわかるように、分子量2000あるいは5000とすると、より優れた初期潤滑性および潤滑耐久性の被膜を得られる。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの分子量は、750より大きい範囲がより好ましい。ただし、分子量5000より大きいポリエチレングリコールモノメチルエーテルは市販されていないため、ここでの分子量の上限は5000となる。
【0041】
また、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体に対する混合比は、限定されるものではないが、実施例1,4乃至7からわかるように、混合比が重量比で6.7倍と低いと初期潤滑性および潤滑耐久性は得られるもののより優れたものではなく、混合比を高くしていくにつれて初期潤滑性および潤滑耐久性はより優れたものとなり、混合比が重量比で77.1倍と高くなると被膜の成分等が若干溶出しているように感じられる。なお、この溶出物は安全性に問題が生じる量ではない。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体に対する混合比は、重量比で10〜77倍の範囲が好ましく、重量比で15〜77倍の範囲がより好ましい。
【0042】
以上のことから、実施例1乃至7、特に1,2,6は試験▲1▼,▲2▼のいずれにおいてもよい結果を示しており、実施例1,2,6は、その被膜が初期潤滑性および温水浸漬に対する潤滑耐久性に優れるものであると言える。また、この被膜は、上述のような低温加熱処理、つまり医療用具に対してほぼ必ず行われるエチレンオキサイド滅菌などの一般的な滅菌方法で、かつ簡単な処理工程だけでそれらの性能を達成できるので、各基材に対して形成可能な製造方法であり、特にコスト吸収力の弱い低価格の医療用具に対しても適用可能である。
【0043】
なお、上述の実施例では基材をポリウレタンで構成した場合を示したが、ポリ塩化ビニル、ナイロンあるいはナイロンエラストマーで構成してもよい。これらの場合も同様の効果を奏する。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る医療用具は、合成樹脂からなる医療用具の基材表面に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体とポリエーテルブロックアミドとを有機溶媒に溶解した被覆用混合溶液を塗布して形成した、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルにメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体がエステル結合により取り込まれたポリマーアロイの被膜を有するので、湿潤時に優れた表面潤滑性を発現することができる。また、被膜用混合溶液に含有されたポリエチレングリコールモノメチルエーテルによって、温水浸漬に対する潤滑耐久性も発現し、被膜の基材への密着性および被膜成分等の非溶出性を有するので、実用性の高い医療用具を得ることができる。
【0045】
本発明に係る医療用具は、基材を構成する合成樹脂を、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ナイロンまたはナイロンエラストマーとしたので、ポリエーテルブロックアミドとの親和性が得られ、形成された被膜の有する表面潤滑性および潤滑耐久性を発現することができる。
【0046】
本発明に係る医療用具の製造方法は、合成樹脂からなる医療用具の基材表面に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体とポリエーテルブロックアミドとを有機溶媒に溶解した被覆用混合溶液を塗布して、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルにメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体がエステル結合により取り込まれたポリマーアロイの被膜を形成する方法であるので、優れた表面潤滑性および潤滑耐久性を有する被膜を簡単な処理工程で形成することができる。
【0047】
本発明に係る医療用具の製造方法は、合成樹脂からなる医療用具の基材表面に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体とポリエーテルブロックアミドとを有機溶媒に溶解した被覆用混合溶液を塗布した後、低温加熱処理して、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルにメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体がエステル結合により取り込まれたポリマーアロイの被膜を形成する方法であるので、優れた表面潤滑性および潤滑耐久性を有する被膜を簡単な処理工程で形成することができるとともに、高温処理では変形してしまうカテーテル等の各医療用具に対しても適用することができる。
【0048】
本発明に係る医療用具の製造方法は、低温加熱処理を、エチレンオキサイド滅菌とした方法であるので、製造された医療用具に対して必ず行われる滅菌処理を製造工程の一つとすることができる。これにより、医療用具のコスト低減を図ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a medical device provided with a film having lubricity when wet on the surface of the medical device such as a catheter, and a method for manufacturing the medical device.
[0002]
[Prior art]
With the development of medical device technology, the use of the medical device itself has been diversified. Especially, the catheter inserted into the airway, blood vessel, urethra and other body cavities or tissues, and the guide wire to be inserted and used. Medical devices are required to have excellent lubricity in order to avoid damaging mucous membranes and causing inflammation during insertion, and to reduce pain for patients undergoing treatment. For this reason, silicone oil, olive oil, glycerin, and the like were applied to the tool surface as a device for reducing frictional resistance, but this was not sufficient in terms of its sustainability and storage stability.
[0003]
Therefore, as a method for solving such a drawback, for example, a reactive functional group present on the surface of the tool base is covalently bonded to a maleic anhydride polymer substance so that the surface exhibits lubricity when wet. A medical device has been proposed (Japanese Patent Publication No. 1-333181: Prior Art 1). In addition, a guide wire has been proposed in which a reactive functional group present on the surface of a tool substrate is ionically bonded to a water-soluble polymer substance or a derivative thereof so that the surface exhibits lubricity when wet ( Japanese Patent Publication No. 4-12145: Conventional technique 2).
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The medical device of the conventional technique 1 as described above uses a chemical reaction called a covalent bond as a fixing method to the base material. In order to cause the chemical reaction, a functional group exists on the surface of the base material. Treatment with a solution of a compound having a functional group such as an isocyanate group, an amino group, an aldehyde group, or an epoxy group, which may cause unreacted substances to adhere to the substrate surface and peel off. There is a problem of safety due to unreacted substances and a problem that a sufficient effect cannot be obtained in terms of surface lubricity and its sustainability. Moreover, the guide wire of the prior art 2 uses a chemical reaction similarly to the prior art 1 and contains ions such as physiological saline because the water-soluble polymer substance is fixed by ionic bonding. In the solution, the water-soluble polymer substance is peeled off, and the surface lubricity cannot be sufficiently maintained, and there is also a safety problem due to unreacted substances. Further, both the conventional technique 1 and the conventional technique 2 have a problem that their manufacturing methods are extremely complicated, leading to a significant increase in cost.
[0005]
Therefore, in order to solve such problems, for example, a tool base made of polyurethane is immersed in a methyl ethyl ketone solution of a methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer, dried, and then treated with water, whereby a lubricating coating is formed on the surface. A medical device has been proposed in which a surface is developed to exhibit lubricity when wet (Patent Registration No. 2804200). In this case, since the chemical reaction is not used for fixing to the base material, unreacted substances are not generated, and a safety problem is avoided. However, for example, when the insertion / extraction operation into the blood vessel is repeatedly performed during use, the surface lubricity tends to decrease due to the repeated stress, and there is a problem in terms of durability. Further, the manufacturing method is still complicated, and the cost increase cannot be prevented.
[0006]
In addition, after a solution of a mixture of maleic anhydride polymer and polyurethane is applied to the surface of a substrate made of synthetic resin to form a film, the film is heat-treated to be insolubilized and further treated with a hydrophilizing agent. There has been proposed a guide wire that is hydrophilized so that the surface exhibits lubricity when wet (Japanese Patent Laid-Open No. 9-276392). In this case, fixing to the base material does not use a chemical reaction, so there is no generation of unreacted substances and safety problems are avoided, and the formed film has friction durability and stable surface lubricity. Is maintained. However, since the heat treatment must be performed at a high temperature of 120 to 140 ° C. in order to insolubilize the coating, this manufacturing method cannot be performed on a base material such as a catheter that is deformed by high heat during the treatment. There was a problem. Further, the manufacturing method is still complicated, and the cost increase cannot be prevented.
[0007]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems, and has a coating film that can exhibit its durability as well as having a surface lubricity when wet. An object of the present invention is to provide a medical device that can be formed on each base material without increasing the cost in the treatment process and a method for manufacturing the medical device.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The medical device according to the present invention comprises a coating mixed solution in which polyethylene glycol monomethyl ether, methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer and polyether block amide are dissolved in an organic solvent on the surface of a base material of a medical device made of a synthetic resin. It has a polymer alloy film in which a methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is incorporated by an ester bond in polyethylene glycol monomethyl ether formed by coating.
[0009]
In the medical device according to the present invention, the synthetic resin constituting the base material is polyurethane, polyvinyl chloride, nylon, or nylon elastomer.
[0010]
The method for producing a medical device according to the present invention is for coating a base material surface of a medical device made of a synthetic resin in which polyethylene glycol monomethyl ether, methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer and polyether block amide are dissolved in an organic solvent. In this method, a mixed solution is applied to form a polymer alloy film in which methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is incorporated into polyethylene glycol monomethyl ether through an ester bond .
[0011]
The method for producing a medical device according to the present invention is for coating a base material surface of a medical device made of a synthetic resin in which polyethylene glycol monomethyl ether, methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer and polyether block amide are dissolved in an organic solvent. This is a method of forming a polymer alloy film in which a methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is incorporated into a polyethylene glycol monomethyl ether by an ester bond after applying a mixed solution and then heat-treating at a low temperature.
[0012]
The method for producing a medical device according to the present invention is a method in which low-temperature heat treatment is ethylene oxide sterilization.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the medical device according to the present invention, a base material made of a synthetic resin is immersed in a mixed solution for coating in which polyethylene glycol monomethyl ether, methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer and polyether block amide are dissolved in an organic solvent, and then heated ( For example, a film is formed on the substrate surface by sterilization with ethylene oxide. And this film has surface lubricity when wet, and expresses lubrication durability against hot water immersion.
[0017]
A mixed solution for coating for forming such a coating and a method for producing a medical device having the coating are as follows.
(1) A solution is prepared by dissolving methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer and polyether block amide in tetrahydrofuran (hereinafter referred to as THF), acetone, or a mixture thereof, which is an organic solvent. Preferably, polyethylene glycol monomethyl ether with a weight ratio of 10 to 77 times, more preferably 15 to 77 times with respect to the methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer contained therein is added together with THF as an organic solvent. A mixed solution for coating is prepared.
(2) A coating mixed solution is applied to the surface of a substrate made of a synthetic resin of polyurethane, polyvinyl chloride, nylon or nylon elastomer by a dipping method.
(3) The coated substrate is dried and heated at about 50 to 60 ° C. (or sterilized with ethylene oxide), and the surface of the substrate is given by polyether block amide and polyethylene glycol monomethyl ether is co-polymerized with methyl vinyl ether and maleic anhydride. The coalescence forms a film in which it is incorporated by ester bonds.
In addition, ethylene oxide sterilization is to pressurize ethylene oxide gas and give it to an object to be sterilized such as a catheter for sterilization, and this sterilization method is generally adopted for medical devices.
[0018]
The surface lubricity and lubrication durability of the coating film of the medical device thus obtained will be described below using examples.
[0019]
【Example】
[Example 1]
Methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer (trade name: Gantrez AN-169, ISP (product of INTERNATIONAL SPECIALTY PRODUCTS)) 2% acetone solution and polyether block amide (product name: Pebax 2533SA, manufactured by ATOCHEM) 2% THF A solution in which the solution was mixed at a ratio of 1 :: 2 was prepared, and polyethylene glycol monomethyl ether having a weight ratio of 25.7 times the molecular weight of the methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer (molecular weight 2000) , Manufactured by Aldrich Chemical Co.) and THF was added so that the solid content concentration of the entire solution was 15% to prepare a coating mixed solution. Next, the substrate was immersed in this coating mixed solution, pulled up, dried, and sterilized with ethylene oxide to form a coating on the substrate surface.
[0020]
[Example 2]
Instead of polyethylene glycol monomethyl ether having a molecular weight of 2000 in Example 1, polyethylene glycol monomethyl ether having a molecular weight of 5000 (manufactured by Aldrich Chemical Co.) was used, and a mixed solution for coating was prepared on the substrate surface in the same manner as in Example 1. A film was formed.
[0021]
[Example 3]
Instead of polyethylene glycol monomethyl ether having a molecular weight of 2000 in Example 1, polyethylene glycol monomethyl ether having a molecular weight of 750 (manufactured by Aldrich Chemical Co.) was used, and a mixed solution for coating was prepared on the surface of the substrate in the same manner as in Example 1. A film was formed.
[0022]
[Example 4]
The mixing ratio of the polyethylene glycol monomethyl ether of Example 1 to the methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer was changed to a weight ratio of 6.7 times instead of a weight ratio of 25.7 times. And a film was formed on the substrate surface.
[0023]
[Example 5]
The mixing ratio of the polyethylene glycol monomethyl ether of Example 1 to the methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer was changed to a weight ratio of 11.6 times instead of a weight ratio of 25.7 times. And a film was formed on the substrate surface.
[0024]
[Example 6]
The mixing ratio of the polyethylene glycol monomethyl ether of Example 1 to the methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer was changed to a weight ratio of 18.2 times instead of a weight ratio of 25.7 times. And a film was formed on the substrate surface.
[0025]
[Example 7]
The mixing ratio of the polyethylene glycol monomethyl ether of Example 1 to the methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer was changed to a weight ratio of 77.1 times instead of a weight ratio of 25.7 times. And a film was formed on the substrate surface.
[0026]
The base materials of Examples 1 to 7 were all tubes made of polyurethane having a diameter of 16G.
And the following surface lubricity test was done with respect to the tube in which the film was formed in the surface. The results are shown in Table 1.
[0027]
[Surface lubricity test]
(1) After the tube was immersed in physiological saline for 1 minute, the initial lubricity of the film was evaluated by hand feeling. The evaluation results were “◎”, “◯”, “Δ”, and “×” in order of increasing lubricity.
{Circle around (2)} The tube was immersed in distilled water at 50 ° C. for 24 hours, and then the lubrication durability against hot water immersion of the coating was evaluated by hand. The evaluation results are the same as in (1) above.
[0028]
[Table 1]
Figure 0004143894
[0029]
In addition, Comparative Examples 1 to 7 are as follows. In Comparative Example 7, no coating is formed on the surface of the base material. In addition, the base materials of Comparative Examples 1 to 7 were all tubes made of polyurethane having a diameter of 16G as in the Examples, and the above-described surface lubricity test was performed. The results are shown in Table 1.
[0030]
[Comparative Example 1]
Instead of the polyethylene glycol monomethyl ether of Example 1 (molecular weight 2000, manufactured by Aldrich Chemical Co.), polyethylene glycol (molecular weight 2000, manufactured by Nacalai Techs) was used, and a mixed solution for coating was prepared in the same manner as in Example 1. A film was formed on the substrate surface.
[0031]
[Comparative Example 2]
In place of the polyethylene glycol monomethyl ether of Example 1 (molecular weight 2000, manufactured by Aldrich Chemical), polyethylene glycol dimethyl ether (molecular weight 2000, manufactured by Merck) was used, and a mixed solution for coating was prepared in the same manner as in Example 1. A film was formed on the substrate surface.
[0032]
[Comparative Example 3]
A coating solution in which polyurethane (trade name: manufactured by Tecoflex SG80A Thermedics) 5% THF solution and 4,4′-diphenylmethane diisocyanate 2% methyl ethyl ketone (hereinafter referred to as MEK) solution are mixed at a ratio of 1: 1. The substrate is immersed in this coating mixed solution, pulled up, dried at a drying temperature of 60 ° C. for 1 hour, and then methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer (trade name: Gantrez AN-169, manufactured by ISP). Immerse in 2.5% MEK solution for 1 minute, pull up and dry at 60 ° C for 30 minutes, soak in 0.1N NaOH aqueous solution for 3 minutes, lift and wash with water, dry, and sterilize with ethylene oxide. A film was formed on the surface of the material. The comparative example 3 corresponds to the conventional technique 1 described above.
[0033]
[Comparative Example 4]
The substrate was immersed in 4,4′-diphenylmethane diisocyanate 5% MEK solution, pulled up, dried at a drying temperature of 60 ° C. for 1 hour, and then polyvinylpyrrolidone (trade name: K-90, manufactured by ISP) in a 5% chloroform solution. Then, the film was pulled up, dried at a drying temperature of 60 ° C. for 30 minutes, and sterilized with ethylene oxide to form a film on the surface of the substrate. The comparative example 4 corresponds to the conventional technique 2 described above.
[0034]
[Comparative Example 5]
The substrate was immersed in a 3% MEK solution of methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer (trade name: Gantrez AN-169, manufactured by ISP) for 30 seconds, pulled up, dried at a drying temperature of 60 ° C. for 2 hours, and 0.1 N Was immersed in an aqueous NaOH solution for 3 minutes, pulled up, washed with water, dried and then sterilized with ethylene oxide to form a coating on the substrate surface. The comparative example 5 corresponds to the invention disclosed in the above-mentioned Patent Registration No. 2804200.
[0035]
[Comparative Example 6]
1.125% MEK solution (mixture solution for coating) in which methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer (trade name: Gantrez AN-169, manufactured by ISP) and polyurethane (trade name: Tecoflex SG80A Thermedics) are mixed. The substrate is immersed in the coating solution for 10 seconds, pulled up, dried at a drying temperature of 80 ° C. for 10 hours, immersed in a 40% methylamine aqueous solution for 1 hour, lifted and dried, and then sterilized with ethylene oxide. Thus, a film was formed on the surface of the substrate. The comparative example 6 corresponds to the invention disclosed in the above Japanese Patent Laid-Open No. 9-276392.
[0036]
As can be seen from Table 1, the initial lubricity of the test (1) was the same in Examples 1, 2, 6, 7 and Comparative Examples 3 to 6. However, in Comparative Example 4 and Comparative Example 5, it is clearly understood that the components of the coating are eluted by the hand feeling, and there is a possibility that safety problems may occur due to the eluted material, which is far from practical use. It is. In Example 7, although the coating components and the like are slightly eluted, it is not an amount causing a problem in safety. Moreover, although Example 3 and 4 are evaluated as "(triangle | delta)", it can fully be utilized depending on a use. Therefore, it can be said that Examples 1, 2, 6 and Comparative Examples 3, 6 have excellent initial lubricity and high practicality.
[0037]
Moreover, about the lubrication durability of the film by the hot water immersion of test (2), Examples 1, 2, 6, 7 and Comparative Example 5 were better than Comparative Examples 3, 4, 6. Comparative Examples 3, 4 and 6 are inferior to Examples 1, 2, 6, 7 and Comparative Example 5 although lubricity is felt after immersion in warm water, and Comparative Example 5 is felt to have strong lubricity after immersion in warm water. However, since the film peeled off in the warm water is visually observed and the peeled material remains without being melted, there is a possibility that a safety problem may occur, which is far from practical use. Therefore, it can be said that Examples 1, 2, 6, and 7 have excellent lubrication durability and high practicality.
[0038]
Furthermore, Comparative Example 3 requires coating, drying, heat treatment, coating, drying, heat treatment, alkali treatment, water treatment, and drying steps, and Comparative Example 4 includes coating, drying, heat treatment, coating drying, and heat treatment steps. Comparative Example 5 requires coating / drying / heat treatment / alkali treatment / water treatment / drying steps, and Comparative Example 6 requires coating / drying / heat treatment / alkali treatment / water treatment / drying steps. The processing process is complicated. On the other hand, Examples 1 to 7, especially Examples 1, 2 and 6, can realize excellent initial lubricity and lubrication durability only by a coating / drying process and a simple processing process, and at an extremely low cost. Processing is possible.
[0039]
Further, as is apparent from Table 1, Comparative Examples 1 and 2 using other than polyethylene glycol monomethyl ether under almost the same conditions show that the initial lubricity and lubrication durability of the coating cannot be obtained at all. In other words, polyethylene glycol monomethyl having hydroxyl groups at both ends in the molecule or having both ends blocked with methyl groups does not exhibit lubricity, and only one end is blocked with methyl groups and the other end has hydroxyl groups. It can be seen that by using ether, the initial lubricity and lubrication durability of the coating are expressed.
[0040]
The molecular weight of polyethylene glycol monomethyl ether is not particularly limited, but as can be seen from Examples 1 to 3, when the molecular weight is 2000 or 5000, a coating film with better initial lubricity and lubrication durability is obtained. It is done. Therefore, the molecular weight of polyethylene glycol monomethyl ether is more preferably in a range greater than 750. However, since polyethylene glycol monomethyl ether having a molecular weight greater than 5000 is not commercially available, the upper limit of the molecular weight here is 5000.
[0041]
The mixing ratio of polyethylene glycol monomethyl ether to methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is not limited, but as can be seen from Examples 1, 4 to 7, the mixing ratio is 6.7 times by weight. If it is too low, initial lubricity and lubrication durability will be obtained, but it will not be superior. As the mixing ratio is increased, the initial lubricity and lubrication durability will become better, and the mixing ratio will be 77 by weight. When it becomes as high as 1 time, it seems that the components of the coating are slightly eluted. This eluate is not an amount that causes a problem in safety. Therefore, the mixing ratio of the polyethylene glycol monomethyl ether to the methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is preferably 10 to 77 times by weight and more preferably 15 to 77 times by weight.
[0042]
From the above, Examples 1 to 7, especially 1, 2 and 6, showed good results in both tests (1) and (2). In Examples 1, 2 and 6, the coating was initial. It can be said that it is excellent in lubricity and lubrication durability against hot water immersion. In addition, this coating can achieve its performance by a low-temperature heat treatment as described above, that is, a general sterilization method such as ethylene oxide sterilization that is almost always performed on medical devices, and only with simple processing steps. It is a manufacturing method that can be formed on each base material, and can be applied to a low-priced medical device that has a particularly low cost absorption.
[0043]
In the above-described embodiment, the base material is made of polyurethane. However, it may be made of polyvinyl chloride, nylon, or nylon elastomer. These cases also have the same effect.
[0044]
【The invention's effect】
As described above, the medical device according to the present invention is a coating in which polyethylene glycol monomethyl ether, methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer, and polyether block amide are dissolved in an organic solvent on the base material surface of a medical device made of a synthetic resin. Because it has a polymer alloy film in which methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is incorporated into the polyethylene glycol monomethyl ether by ester bonds formed by applying a mixed solution for water, it exhibits excellent surface lubricity when wet. it can. In addition, the polyethylene glycol monomethyl ether contained in the mixed solution for coating also exhibits lubrication durability against hot water immersion, and has high adhesion to the base material of the coating and non-eluting properties such as coating components. A medical device can be obtained.
[0045]
In the medical device according to the present invention, since the synthetic resin constituting the base material is polyurethane, polyvinyl chloride, nylon or nylon elastomer, the affinity for the polyether block amide is obtained, and the surface of the formed coating film has Lubricity and lubrication durability can be expressed.
[0046]
The method for producing a medical device according to the present invention is for coating a base material surface of a medical device made of a synthetic resin in which polyethylene glycol monomethyl ether, methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer and polyether block amide are dissolved in an organic solvent. It is a method of applying a mixed solution to form a polymer alloy film in which methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is incorporated into polyethylene glycol monomethyl ether by an ester bond, and thus has excellent surface lubricity and lubrication durability. The coating can be formed by a simple processing step.
[0047]
The method for producing a medical device according to the present invention is for coating a base material surface of a medical device made of a synthetic resin in which polyethylene glycol monomethyl ether, methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer and polyether block amide are dissolved in an organic solvent. After applying the mixed solution, heat treatment at a low temperature is performed to form a film of polymer alloy in which methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is incorporated into polyethylene glycol monomethyl ether by an ester bond . In addition, the film having lubrication durability can be formed by a simple treatment process, and can also be applied to each medical device such as a catheter that is deformed by high-temperature treatment.
[0048]
Since the method for manufacturing a medical device according to the present invention is a method in which low-temperature heat treatment is ethylene oxide sterilization, a sterilization process that is necessarily performed on the manufactured medical device can be one of the manufacturing steps. Thereby, the cost reduction of a medical device can be aimed at.

Claims (5)

合成樹脂からなる医療用具の基材表面に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体とポリエーテルブロックアミドとを有機溶媒に溶解した被覆用混合溶液を塗布して形成した、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルにメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体がエステル結合により取り込まれたポリマーアロイの被膜を有することを特徴とする医療用具。The substrate surface of a medical device made of a synthetic resin, and formed by applying a coating mixture solution of polyethylene glycol monomethyl ether and methyl vinyl ether-maleic anhydride copolymer and a polyether block amide in an organic solvent, polyethylene glycol A medical device comprising a polymer alloy film in which a methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is incorporated into monomethyl ether by an ester bond . 基材を構成する合成樹脂を、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ナイロンまたはナイロンエラストマーとしたことを特徴とする請求項1記載の医療用具。 The medical device according to claim 1 , wherein the synthetic resin constituting the base material is polyurethane, polyvinyl chloride, nylon or nylon elastomer. 合成樹脂からなる医療用具の基材表面に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体とポリエーテルブロックアミドとを有機溶媒に溶解した被覆用混合溶液を塗布して、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルにメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体がエステル結合により取り込まれたポリマーアロイの被膜を形成することを特徴とする医療用具の製造方法。A coating solution in which polyethylene glycol monomethyl ether, methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer and polyether block amide are dissolved in an organic solvent is applied to the surface of a base material of a medical device made of synthetic resin , and then polyethylene glycol monomethyl ether A method for producing a medical device, comprising forming a polymer alloy film in which a methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is incorporated by an ester bond . 合成樹脂からなる医療用具の基材表面に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体とポリエーテルブロックアミドとを有機溶媒に溶解した被覆用混合溶液を塗布した後、低温加熱処理して、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルにメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体がエステル結合により取り込まれたポリマーアロイの被膜を形成することを特徴とする医療用具の製造方法。After coating a mixed solution for coating, in which polyethylene glycol monomethyl ether, methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer and polyether block amide are dissolved in an organic solvent, is applied to the surface of a base material of a medical device made of synthetic resin, heat treatment is performed at a low temperature. A method for producing a medical device comprising forming a polymer alloy film in which a methyl vinyl ether maleic anhydride copolymer is incorporated into polyethylene glycol monomethyl ether by an ester bond . 低温加熱処理を、エチレンオキサイド滅菌としたことを特徴とする請求項4記載の医療用具の製造方法。  The method for producing a medical device according to claim 4, wherein the low-temperature heat treatment is ethylene oxide sterilization.
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