JP4143276B2 - toner - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法、及びトナージェット法の如き画像形成方法に用いられるトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭55−18656号公報(対応米国特許第4,395,476及び第4,473,627号明細書)において、ジャンピング現像方法が提案されている。これは、スリーブ上に磁性トナーをきわめて薄く塗布し、これを摩擦帯電し、次いでスリーブ上の磁性トナー層を静電潜像に近接させて現像するものである。
【0003】
磁性トナーを用いたジャンピング現像では、画像濃度が充分に高くなるように現像器の設定を行うと、過剰のトナーが現像されてしまい、結果として画質が悪化したり、トナー消費量が増加したり、尾引きが悪化してしまうという問題がある。
【0004】
トナー消費量を低減するためには、トナーの帯電性を高める働きをもつ荷電制御剤と、トナー粒子の表面に露出して帯電のリークサイトとして働く磁性体の組み合わせで高度にトナー帯電量をコントロールし、トナーのスリーブ上での穂立ちをコントロールすることが重要になる。
【0005】
従来、磁性トナーに含有される磁性酸化鉄に関し、特開昭62−279352号公報(対応米国特許第4,820,603号明細書)、特開昭62−278131号公報(対応米国特許第4,975,214号明細書)においては、ケイ素元素を含有する磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナーが提案されている。かかる磁性酸化鉄粒子は、積極的にケイ素元素を磁性酸化鉄粒子の内部に存在させているが、該磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナーにおいては、長期の使用における現像性の低下等、改良すべき点を有している。
【0006】
特開平4−362954号公報(対応欧州特許出願公開公報EP−A468525)、特開平5−281778号公報には、ケイ素元素とアルミ元素双方を含む磁性酸化鉄粒子が開示されているが、高温高湿環境下での長期の使用における現像性の低下やトナー消費量の悪化など、改良すべき点を有している。
【0007】
特開平9−59024号公報及び特開平9−59025号公報は、Si換算でFeに対して1.7〜4.5原子%のケイ素を含み、鉄以外の金属元素として、Mn,Zn,Ni,Cu,Al,Tiから選ばれる1種又は2種以上の金属元素をFeに対して0〜10原子%含むマグネタイト粒子に関して記載している。
【0008】
これにより磁気特性が改善され、帯電性を改良することはできるが、単に上記金属を添加するだけではトナーの消費量を低減するまでには至っておらず、さらに改良すべき点を有している。
【0009】
特開平11−157843号公報には、マグネタイト粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分を含有し、粒子表面にケイ素成分が露出し、かつケイ素成分と結合したZn、Mn、Cu、Ni、Co、Cr、Cd、Al、Sn、Mg、Tiの中から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分からなる金属化合物によって粒子外殻を被覆したマグネタイト粒子が開示されているが、長期の使用における画質や現像性の低下、さらにはトナー消費量、尾引きを十分に改善するには至っておらず、さらに改良すべき点を有している。
【0010】
特開平11−316474号公報、特開平11−249335号公報及び特開平11−282201号公報には、鉄元素を基準として、Mn、Zn、Ni、Cu、Co、Cr、Cd、Al、Sn及びMgからなるグループから選択される1種以上の金属元素の含有量、及びケイ素元素含有量、及び鉄元素溶解率20質量%までに存在するケイ素元素の含有比率、及び鉄元素溶解率10%までに存在するケイ素元素の含有比率を規定した磁性酸化鉄が開示されている。
【0011】
このように、各種金属を磁性酸化鉄中に含有させるとともに、磁性酸化鉄中のSiの分布を規定することで、環境安定性に改善効果は見られるものの、トナー消費量の低減に関しては更なる改良が望まれる。
【0012】
特開平11−189420号公報には、マグネタイト粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分とアルミニウム成分を含有し、粒子表面にそれら成分が露出し、かつケイ素成分及びアルミニウム成分と結合したZn、Mn、Cu、Ni、Co、Cr、Cd、Al、Sn、Mg、Tiの中から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分からなる金属化合物によって粒子外殻を被覆したマグネタイト粒子が開示されているが、未だ十分な帯電安定性を磁性トナーに付与するまでには至っていない。
【0013】
特開平4−184354号公報や特開平4−223487号公報等に、マグネタイトの2価鉄を亜鉛、銅等の2価の金属に置き換えるなどしてトナーの飽和磁化を低下させる方法が開示されているが、磁性体やトナーの磁気特性を制御するだけではトナーの帯電安定性や消費量の低減を達成するには充分でない。
【0014】
一方、トナーの荷電制御剤として用いられるアゾ染料構造の金属錯体の多くは、一般に安定性に乏しく、たとえば機械的な摩擦や衝撃、温度や湿度条件の変化、電気的衝撃、光照射などにより分解または変化して初期の荷電制御性が失われやすい。また、実用レベルの帯電付与性を有すものであっても電荷の安定性に問題があったり、製造方法の違いにより荷電制御効果を持たない不純化学物質を含むことが多く、品質の安定性及び信頼性などの点で諸問題を残していた。
【0015】
特開平2−35465号公報、特公平7−27283号公報及び特開平9−169919号公報に開示されているモノアゾ染料の金属錯塩化合物は、摩擦帯電付与という観点からは優れたものであるが、環境変動、経時、使用状況にかかわらず、安定した現像が得られるまでにはいたっていない。
【0016】
特開平11−7164号公報に開示されているアモルファス状の金属錯塩は、トナー中での分散性、及び帯電性には優れたものであるが、アモルファス状であるために機械的な衝撃に弱く、トナーの長期の使用によってトナーの劣化が進んで現像性が徐々に低下する場合があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述のごとき問題点を解決したトナーを提供することにある。
【0018】
すなわち、本発明の目的は、長期の使用においても高画質、高画像濃度を維持し、環境安定性に優れ、尾引きが発生せず、かつトナー消費量の少ないトナーを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、結着樹脂、磁性酸化鉄及び有機金属化合物を少なくとも含有するトナーであって、
該有機金属化合物は、後述の一般式(a),(b)又は(c)で表されるモノアゾ化合物より生成される構造を有するアゾ鉄化合物であり、該アゾ鉄化合物は結晶化度が70%以上であり、
該磁性酸化鉄は、少なくともZnを磁性酸化鉄を基準として0.1乃至4.0質量%含有することを特徴とするトナーに関する。
【0020】
【発明の実施の形態】
磁性酸化鉄を用いた磁性トナーの現像性には、荷電制御剤と磁性酸化鉄の組み合わせが非常に大きな影響を与えることが分かっている。荷電制御剤は、トナーに瞬時に高い帯電量を与えることを目的として設計するのに対し、磁性酸化鉄はトナー粒子表面に露出して帯電のリークサイトとして働くため、逆の働きを示すこの2つの材料の組み合わせにより、トナーの性能は大きく変化するからである。
【0021】
従来のトナーでは、ベタ黒などの画像で充分に高い画像濃度を得られるように現像器を設定すると、画像部分に過剰のトナーが現像されてライン幅が太くなってしまい、トナー消費量が増加してしまう傾向があった。さらには過剰のトナーが現像されると、画質や尾引きが悪化しやすいという問題もある。
【0022】
逆にトナー消費量を少なくするように現像器の設定を行うと、画像濃度が低くなったり、ライン幅が細くなってしまう傾向があり、現像器の改良だけで尾引きを抑制しつつ、高い画像濃度と低いトナー消費量を満足させながら高画質を達成することは難しく、これらの特性の全てを満足させるにはトナーの性能によるところが大きい。
【0023】
そこで本発明者らは、高画質で画像濃度を十分に高く保ちつつ尾引きを抑制し、トナー消費量を少なくする検討をした結果、ある特定の有機金属化合物と磁性酸化鉄を組み合わせることで、使用環境によらず高い現像性と画質を維持しながら尾引きを抑制し、トナー消費量を低減できることを見いだした。
【0024】
トナー消費量が低減したのは、従来のトナーでは画像部に像を形成するのに最低限必要な量以上にトナーが載っていたのに対し、本発明のトナーではそれが適正な量になったためである。
【0025】
本発明のトナーが従来のトナーに比べてトナー消費量が低減できる理由としては、以下のように考えられる。
【0026】
磁性トナーを用いるジャンピング現像方式では、トナーはスリーブ上で穂を形成した状態にあり、現像時には感光体上の静電荷像に穂の形で飛翔する。この穂が太かったり、長かったりする場合には、トナーは大きな凝集塊として感光体上に現像されてしまうため、現像ムラが発生しやすく、ある面積の静電荷像を完全に覆う(高い画像濃度を得る)にはこのムラを埋めるために多くのトナー量を必要としてしまう。
【0027】
また、穂が太かったり長かったりする場合には、ハーフトーン画像などの微小ドットのパターンを出力した際に、感光体上の静電荷像の非画像部に穂がはみ出し易く、解像度の低下やハーフトーン画像でガサツキ画像を生じさせる場合がある。また、尾引きは、定着ニップ部においてトナー像が爆発したように転写材搬送方向下流側に飛び散る現象で、定着ニップ部において加熱されることにより、紙などの記録材から急激に水蒸気流が発生し、トナーが吹き飛ばされることが原因で起こり、横線などのライン画像でライン高さが高い状態で現像されていたり、現像されたトナーの帯電量が低かったりすると起こりやすい。
【0028】
さらに、ライン画像でライン高さが高い状態で現像されていると、定着時に定着ニップ部での加圧により画像がつぶされて、ライン幅が太くなったり、微小ドットが再現できなくなったりする場合があり、画質の低下をもたらす。
【0029】
本発明で用いる有機金属化合物とZnを含有する磁性酸化鉄を組み合わせると、トナー粒子間に働く磁気力と静電気力が高度にバランスされ、スリーブ上に細く短い穂を密に形成することが可能になる。その結果、感光体上の静電荷像を必要最低限のトナー量で均一に覆うことが可能となり、少ないトナー量で高い画像濃度を得ることが可能となる。これは、ベタ黒などの画像濃度を高く維持することはもちろん、ライン画像部においてもラインが細くなるわけではなく、現像されたトナー像の高さが低い状態であることを意味する。そのために微小ドットを忠実に再現することができ、画質を向上させる。また、定着ニップ部で転写材から水蒸気などが発生したとしても、トナー像が乱れにくくなり、尾引きを抑制する。
【0030】
本発明のトナーでは、トナー中での分散性に優れ、帯電能力が高い荷電制御剤と、帯電が過剰になった場合にはリークさせる働きをし、トナーの帯電量や帯電量分布を環境によらず常に一定に保つ働きを示す磁性酸化鉄を組み合わせることで、使用環境によらず帯電量が高く、帯電量分布がシャープなトナーを得ることが可能となる。また、この磁性酸化鉄は結着樹脂との密着性が良く、トナー中での分散性に優れるため、トナー粒子間相互の磁気力を高度に制御できる。
【0031】
その結果、スリーブ上でトナー粒子は細く短い穂を密に形成することが可能となり、尾引きを抑制しつつ、少ないトナー消費量で高い画像濃度と、高画質画像を得ることができる。さらには帯電性の環境変動が少ないので、高温高湿環境や低温低湿環境でも安定して長期にわたり高い画像濃度を得ることができる。
【0032】
本発明を達成する手段の一つである有機金属化合物は、1以上のアルキル基と、鉄と結合可能な2個の水酸基とを有するモノアゾ化合物より生成され得るアゾ鉄化合物である。
【0033】
本発明で用いられるアゾ鉄化合物はアルキル基を有するために結着樹脂との馴染みが良く、トナー中での分散性が良好であり、トナーの帯電量分布を均一とすることができ、安定した帯電の立ち上がりや良好な現像性をトナーに付与することができる。
【0034】
さらに、トナーを耐久的に使用した場合に生じる、モノアゾ化合物のトナー中における分散不良に起因する耐久後半での現像性の低下を引き起こすことがなく、長期にわたって良好な現像性をトナーにもたらすことができる。
【0035】
また、本発明のアゾ鉄化合物は結晶性であることが好ましい。結晶性であることによってアゾ鉄化合物の電子状態が安定しやすくなり、使用環境によらず高い帯電をトナーに与えることが可能となる。また、結晶性であると、結晶中に不純物を含みにくくなるのでアゾ鉄化合物の純度を高くすることができ、少ない添加量でトナーの摩擦帯電性を向上させることが可能となる。また、不純物が現像性に影響を及ぼさなくなるので、添加量を増やすことができ、より高い摩擦帯電性を与えることもできる。
【0036】
従来、結晶性のアゾ鉄化合物をトナーに用いると、硬いために感光体を傷つけたり、トナー粒子表面から脱落しやすい等の問題点があったが、本発明のアゾ鉄化合物はアルキル基を有しているために結着樹脂との親和性が高く、トナー表面から脱離しにくい。また、結着樹脂との親和性の高さから、トナー中で均一に分散しやすいので、トナー化時の粉砕工程で結着樹脂とアゾ鉄化合物の界面で粉砕されにくく、トナー表面にアゾ鉄化合物が局所的に露出することを抑えられるので、感光体に傷をつけることもない。
【0037】
アゾ鉄化合物が結晶性であることは、アゾ鉄化合物のX線回折スペクトルを分析することによって確認できる。X線回折スペクトルが結晶性であることを示すというのは、X線回折パターンが図1のように顕著な回折ピークを示すことを意味する。具体的には、2θ=10°乃至20°(θはブラッグ角)の範囲におけるアゾ鉄化合物のX線回折スペクトルについて多重ピーク分離法により算出した全体の強度の総計に対する結晶部分の強度の総計の比率(結晶化度)が60%を超える結晶性を有するものを「結晶性である」、と本発明においては定義する。
【0038】
本発明のアゾ鉄化合物が本発明で定義する結晶性のものであるかどうかの確認は、例えば次の条件で測定することができる。
【0039】
アゾ鉄化合物を、例えば株式会社マックサイエンス社製のX線回折装置 MXP3システムにより、CuKα線によるX線回折スペクトルを測定する。そのX線回折スペクトルを2θ=10°乃至20°の範囲(θはブラッグ角)でスムージング処理したスペクトルを更に全体のスペクトルと結晶部分のスペクトルに分離する。その分離したチャートの各スペクトルについて2θ=10°乃至20°の範囲(θはブラッグ角)で結晶化度測定法により全体の強度の総計、及び結晶部分の強度の総計を求め、以下の式により結晶化度を算出する。特に結晶化度が高く、ピーク数が多いものについては、2θの範囲を5°毎に細分化し、個々の範囲で結晶化度を求めた後に各範囲の平均値として求めればよい。
結晶化度(%)=(結晶部分の強度の総計/全体の強度の総計)×100
【0040】
結晶性の効果は、結晶化度が大きいほど高く、より良い耐久性を得るためには、結晶化度が70%以上が好ましく、さらには80%以上が好ましい。
【0041】
本発明におけるアゾ鉄化合物を生成し得るモノアゾ化合物は、式(a)、(b)、(c)で示される化合物であることが、画像濃度やカブリなど現像性の安定を図るために好ましい。
【0042】
【化6】
(式中、R1〜R8はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、R1〜R8のうち少なくとも一つがアルキル基である。)
【0043】
【化7】
(式中、R9〜R18はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、R9〜R18のうち少なくとも一つがアルキル基である。)
【0044】
【化8】
(式中、R19〜R30はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、R19〜R30のうち少なくとも一つがアルキル基である。)
【0045】
また、上記各モノアゾ化合物は、その分子中に少なくとも1つのアルキル基を置換基として有するものであれば、そのアルキル基の位置は特に限定されないが、式(b)においてR13〜R18の位置にアルキル基を有することが、安定した帯電性をトナーに付与するという点から特に好ましい。
【0046】
上記モノアゾ化合物のうち、中でも炭素数4〜12、好ましくは6〜10のアルキル基を置換基として有するモノアゾ化合物が、高い帯電量とシャープな帯電量分布を得られ、高画像濃度と低トナー消費量を両立させるために好ましい。さらに画質も向上し、尾引きも抑制される。炭素数4〜12、好ましくは6〜10のアルキル基を置換基として有するモノアゾ化合物は、アルキル基の作用によりトナー中の結着樹脂との相溶性がより向上し、トナーの帯電性が安定する。より好ましくは炭素数4〜12の3級アルキル基を置換基として有するモノアゾ化合物であり、更に好ましくは炭素数6〜10の3級アルキル基を置換基として有するモノアゾ化合物である場合に、帯電保持能力が高まり、経時による変化がより小さくなり、また、トナー中でのより均一な分散が可能となり、トナーの帯電性がより均一なものとなる。また、アルキル基と共に、ハロゲン原子を置換基として一つ以上有していることも、化合物内の帯電分布を安定化させるという点において好ましい。
【0047】
以下に、本発明で好ましく用いられるモノアゾ化合物の具体例を挙げる。
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】
本発明で用いられるアゾ鉄化合物は、鉄とモノアゾ化合物の反応生成物であって、上記モノアゾ化合物が鉄原子に配位したアゾ鉄化合物である。このアゾ鉄化合物は鉄錯体、鉄錯塩、あるいはこれらの混合物であり、好ましくは一般式(d)、(e)、(f)で表せるアゾ鉄化合物から選ばれるアゾ鉄化合物あるいはこれらの混合物である。
【0058】
【化18】
(式(d)、(e)、(f)中、A、Bはそれぞれ独立してo−フェニレンまたは1,2−ナフチレンを表し、少なくともAまたはBのいずれかに1つ以上のアルキル基を有する。また、A、Bはそれぞれハロゲン原子を置換基としてさらに有していてもよい。Mはカチオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンを表す。)
【0059】
本発明においては、アルキル基を有するモノアゾ化合物と鉄が反応していることによって、他の金属を用いた場合と比べて熱的、経時的により安定した化合物となり、トナーに良好な帯電性能を付与することができる。
【0060】
本発明で用いられるアゾ鉄化合物は、鉄原子と結合可能なモノアゾ化合物を、水および/または有機溶媒中(好ましくは有機溶媒中)で鉄化剤と反応させることにより得ることができる。
【0061】
一般に、有機溶媒中で得られた反応生成物は、濾過後水洗するか、適当量の水に分散させ析出物を濾取して水洗し、乾燥させることにより取り出すことができるが、不純物を少なくする為に有機溶媒から直接ろ過し、水洗して乾燥させることが好ましい。
【0062】
このような鉄化反応に用いる有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(モノグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系、エーテル系、及びグリコール系有機溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスホキシド等の非プロトン性極性溶媒などの水に可溶な有機溶媒を挙げることができる。上記有機溶媒として好ましいものは、イソプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールであり、不純物を少なくする、あるいは結晶性のアゾ鉄化合物を合成するという点において好ましい。また、他の溶媒中で得られたアゾ鉄化合物を、上記有機溶媒中で再結晶させることが、結晶性を高めるうえで特に好ましい。
【0063】
この有機溶媒の使用量は特に限定されるものではないが、配位子として用いられる上記モノアゾ化合物に対して質量比で2〜5倍量である。
【0064】
また、上記鉄化剤として好適なものの例としては、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄等が挙げられる。鉄化剤は、一般に、配位子となるモノアゾ化合物1モルに対して、鉄原子当量で1/3〜2当量、好ましくは1/2〜2/3当量が用いられる。
【0065】
本発明におけるアゾ鉄化合物のトナーへの好ましい添加量としては、結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲で用いられる。
【0066】
また、本発明の化合物は、公知の荷電制御剤と組み合わせて使用することもできる。たとえば、他の有機金属錯体、金属塩、キレート化合物であり、具体的にはモノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体などが挙げられる。その他には、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類などのカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体なども挙げられる。また、ビスフェノール類、カリックスアレーンなどの、フェノール誘導体なども挙げられる。
【0067】
本発明のトナーに用いる磁性酸化鉄は、少なくともZnを磁性酸化鉄を基準として0.1乃至4.0質量%、好ましくは0.1乃至2.0質量%、より好ましくは0.2乃至2.0質量%、さらに好ましくは0.2乃至1.0質量%含有することを特徴とし、さらには、磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20質量%までに存在するZnの含有量BZnと、磁性酸化鉄中に存在するZnの全含有量AZnとの比(BZn/AZn)×100が40〜100%であることが好ましい。
【0068】
Znを含有する磁性酸化鉄は、表面状態や電気抵抗、トナー粒子表面への露出具合等のバランスが優れており、トナーの帯電を高く、また帯電量の分布が狭くなるようにコントロールする働きを上記のアゾ鉄化合物と組み合わせた際に効果的に発揮する。その結果、スリーブ上に細くて短い穂を密に形成することが可能となり、高い画質で高画像濃度と低いトナー消費量を両立させることができる。Znが磁性酸化鉄の表面近傍に多く存在している方が、このアゾ鉄化合物との組み合わせの効果は高まるので、より好ましい。
【0069】
Zn含有量が0.1質量%未満だと、トナー粒子表面に磁性酸化鉄が露出し難くなり、特にトナーが過剰に帯電した時にリークして帯電量を適正に保つ働きが弱くなり、低温低湿環境でチャージアップによる濃度低下やカブリの増加が起こる。Zn含有量が4.0質量%より多いと、結着樹脂と磁性酸化鉄の密着性が弱くなるので、トナー粒子表面に露出した磁性酸化鉄が長期の使用によりトナー粒子から遊離しやすく、とくに高温高湿環境で帯電量が低くなり、画像濃度の低下を起こす。
【0070】
(BZn/AZn)×100が40〜100%であると、トナー粒子間の磁気力のバラツキが小さくなるためにスリーブ上に細くて短い穂を密に形成でき、高い画像濃度と低トナー消費量のバランスを取りやすい。また、画像濃度を高くなるように設定しても、画質や尾引きが悪化しにくい。
【0071】
本発明においては、磁性酸化鉄がSiを磁性酸化鉄を基準として0.1乃至2.0質量%含有することが好ましく、また、磁性酸化鉄表面に存在するSiの含有量が磁性酸化鉄を基準として0.01〜0.5質量%であることがより好ましい。
【0072】
さらには、磁性酸化鉄表面に存在するSiの含有量SSiと磁性酸化鉄中に存在するSiの全含有量TSiとの比(SSi/TSi)×100が10〜55%であることが好ましい。
【0073】
また、磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20質量%までに存在するSiの含有量BSiと該磁性酸化鉄中に存在するSiの全含有量TSiとの比(BSi/TSi)×100が40〜90%であることが好ましい。
【0074】
磁性酸化鉄中にZnとSiが同時に存在することで、磁性酸化鉄の吸湿性と電気抵抗のバランスをとりやすくなり、トナーの帯電量を制御する働きが得られやすい。特に磁性酸化鉄のSi含有量が0.1乃至2.0質量%であると、画像濃度とトナー消費量のバランスをとりやすく、高温高湿環境での現像性にも優れる。
【0075】
磁性酸化鉄表面に存在するSiの含有量が0.01〜0.5質量%であると、トナーの帯電が高くなりすぎた際のリークサイトとしての働きに優れ、低温低湿環境でのチャージアップを防止するので、画像濃度の低下やカブリの増加を抑制する。また、結着樹脂と磁性酸化鉄との密着性も良くなり、遊離の磁性酸化鉄が発生しにくくなり、高温高湿環境での現像性が悪化しにくい。
【0076】
(SSi/TSi)×100が10〜55%であると、トナーの帯電量を制御しやすくなるので、帯電量が高く、帯電量分布のシャープなトナーが得られ、低温低湿環境や高温高湿環境でも高い現像性を得ることが可能になる。また、トナー粒子間に働く磁気力のバランスにも優れ、スリーブ上で細く短い穂を密に形成することが可能になる。その結果、画質が向上し、高い画像濃度と低トナー消費量のバランスをとりやすく、尾引きを抑制する。
【0077】
(BSi/TSi)×100が40〜90%であると、磁性酸化鉄表面にSiが多く存在することになり、Znとの組み合わせで磁性酸化鉄の電気抵抗や吸湿性を高度に制御することが可能になり、優れた現像性を得られる。また、(BSi/TSi)×100がこの範囲にあると、磁性酸化鉄の表面に適度に凹凸ができて結着樹脂との密着性を高められるので、トナー粒子表面に露出した磁性酸化鉄粒子が遊離し難くなり、長期の使用によっても現像性が悪化しにくい。
【0078】
次に、本発明に使用される磁性酸化鉄の構成及び製造法について説明する。
【0079】
本発明に係る磁性酸化鉄は、例えば下記方法で製造される。第一鉄塩水溶液に所定量のZnの金属塩及びケイ酸塩等を添加した後に、鉄成分に対して当量以上の水酸化ナトリウムの如きアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上(好ましくはpH8乃至10)に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応をおこない、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
【0080】
次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に加えたアルカリの添加量を基準として第1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6乃至10に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応をすすめ種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化反応がすすむにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応の終期に液のpHを調整することにより、磁性酸化鉄粒子の表面にZnやSiの化合物を所定量偏在させることが好ましい。またこの時に、Znの金属塩、ケイ酸塩等を添加すると、各種金属を磁性酸化鉄表面近傍に多く存在させることができる。
【0081】
添加に用いる鉄以外の金属塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物が使用できる。また、添加に用いることができるケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムが例示される。
【0082】
第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン製造に副生する硫酸鉄、銅板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄等可能である。
【0083】
水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶解度から鉄濃度0.5乃至2mol/リットルが用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。反応に際しては、空気量が多いほど、そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
【0084】
上述の製造方法により、透過電顕写真による観察で、磁性酸化鉄粒子が主に板状面を有さない曲面で形成された球形状粒子から構成され、八面体粒子を殆ど含まない磁性酸化鉄を生成し、その磁性酸化鉄をトナーに使用することが好ましい。
【0085】
本発明において、磁性酸化鉄粒子は、後述する測定方法に基づく嵩密度が好ましくは、0.5乃至0.9g/cm3、より好ましくは、0.6乃至0.8g/cm3を満足することが良い。嵩密度が0.5g/cm3未満の場合、トナー製造時におけるトナーの他の構成材料との物理的混合性に悪影響を及ぼし、トナー中の磁性酸化鉄の分散性が劣化する場合がある。さらに嵩密度が0.9g/cm3を超える場合、磁性トナーとした際に現像器内で締まりやすくなり、トナーの流動性が低下しフェーディングが発生する場合がある。
【0086】
本発明において、磁性酸化鉄は、後述する測定方法に基づく個数平均粒径が、好ましくは0.05乃至1.00μm、より好ましくは0.10乃至0.40μmであることが、磁性トナーの結着樹脂中での分散性及び帯電の均一性の点で良い。
【0087】
本発明において、磁性酸化鉄は、後述する測定方法に基づくBET比表面積が2〜40m2/g、好ましくは4〜20m2/gのものが好ましく用いられる。
【0088】
本発明において、磁性酸化鉄は、磁気特性としては磁場795.8kA/m下で飽和磁化が10〜200Am2/kg、より好ましくは70〜100Am2/kg、残留磁化が1〜100Am2/kg、より好ましくは2〜20Am2/kg、抗磁力が1〜30kA/m、より好ましくは2〜15kA/mであるものが好ましく用いられる。このような磁気特性を有することで、磁性トナーが画像濃度とカブリのバランスのとれた良好な現像性を得ることができる。
【0089】
本発明において、磁性トナーは、磁性酸化鉄粒子を結着樹脂100質量部に対して、好ましくは、20乃至200質量部、より好ましくは30乃至150質量部含有していることが良い。磁性酸化鉄の含有量が20質量部よりも少ない場合には、搬送性が不十分で現像剤担持体上の現像剤層にムラが生じ、画像ムラとなる場合がある。磁性酸化鉄の含有量が200質量部を超える場合には、画像濃度が低下する場合がある。
【0090】
本発明において、磁性酸化鉄粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、チタネート、アミノシラン又は有機ケイ素化合物の如き表面処理剤で処理しても良い。
【0091】
本発明における各種物性データの測定法を以下に詳述する。
【0092】
(1)磁性酸化鉄中に存在する金属元素量の定量
本発明において、磁性酸化鉄中の鉄以外の金属元素の含有率(磁性酸化鉄を基準とする)および鉄元素の溶解率及び鉄元素溶解率に対する鉄以外の金属元素の含有率は、次のような方法によって求めることができる。例えば、5リットルのビーカーに約3リットルの脱イオン水を入れ45乃至50℃になるようにウォーターバスで加温する。約400mlの脱イオン水でスラリーとした磁性酸化鉄約25gを約300mlの脱イオン水で水洗いしながら、該脱イオン水とともに5リットルビーカー中に加える。
【0093】
次いで、温度を約50℃、撹拌スピードを約200rpmに保ちながら、特級塩酸または塩酸とフッ化水素酸との混酸を加え、溶解を開始する。このとき、塩酸水溶液を約3mol/リットルとする。溶解開始から、すべて溶解して透明になるまでの間に数回約20mlサンプリングし、0.1μメンブランフィルターでろ過し、ろ液を採取する。ろ液をプラズマ発光分光(ICP)によって、鉄元素及び鉄元素以外の金属元素の定量を行う。
【0094】
次式によって、鉄元素溶解率が計算される。
鉄元素溶解率(質量%)=(a/b)×100
a:採取したサンプル中の鉄元素濃度(mg/l)
b:完全に溶解した時の鉄元素濃度(mg/l)
【0095】
磁性酸化鉄を基準としたときの、鉄元素以外の金属元素の含有率は次式によって計算される。
磁性酸化鉄を基準としたときの金属元素の含有率(質量%)=((c×d)/(
e×1000))×100
c:採取したサンプル中の金属元素濃度(mg/l)
d:採取したサンプル量(l)
e:磁性酸化鉄質量(g)
【0096】
各金属元素の溶解率は、次式によって計算される。
金属元素溶解率(%)=(f/g)×100
f:各鉄元素溶解率における金属元素の含有率(質量%)
g:完全に溶解した時の金属元素の含有率(質量%)
【0097】
磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20質量%までに存在する各金属元素の溶解率は以下のように求める。
【0098】
鉄元素溶解率が100質量%に到達した時間を基準とし、そこから逆算して鉄元素溶解率が20質量%に到達した時間を求め、そこで、磁性酸化鉄の溶解過程において採取したサンプルから鉄元素溶解率20質量%に相当するサンプルを数点選択し、鉄元素溶解率が20質量%までに存在するSiの含有率BSiと磁性酸化鉄中に存在するSiの全含有率TSiとの比、及びZnの含有率BZnと磁性酸化鉄中に存在するZnの全含有率AZnとの比(各元素の溶解率)を計算上、または図示グラフ上から求める。
【0099】
(2)磁性酸化鉄表面に存在するSiの定量
磁性酸化鉄0.9gを精秤し、ビーカーに入れる。次に1mol/リットル−NaOHを25ml計量してビーカー中に投入する。
【0100】
回転子をビーカーに入れて蓋をし、ホットスターラー上で4Hr加温・撹拌(液温70℃)した後放冷する。放冷後、回転子に付着している磁性酸化鉄を含め全ての磁性酸化鉄をメスシリンダー中に純水で流し入れる。純水で125mlに調整後、ビーカーに移し変えて十分に撹拌させる。
【0101】
その後、磁石上にビーカーを静置し、上澄みが透明になるまで磁性酸化鉄を沈降させる。沈降後、上澄みを濾過し、その濾液をサンプル瓶に入れてICPにて分析する。
【0102】
表面Si(質量%)を次式で算出する。
表面Si(質量%)=(L×0.125)/(S×1000)×100
L:ICP測定値(mg/l)
S:試料質量(g)
【0103】
(3)磁性酸化鉄の嵩密度
本発明における磁性酸化鉄粒子の嵩密度は、JIS−K−5101の顔料試験法に準じて測定した。
【0104】
(4)磁性酸化鉄の個数平均粒径
透過電子顕微鏡写真(倍率30000倍)より写真上の粒子を無造作に100個選び、その粒子径を計測し、その平均値をもって、個数平均粒径とした。
【0105】
(5)磁性酸化鉄の比表面積
BET法に従って、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することができる。
【0106】
(6)磁性酸化鉄の磁気特性
「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業社製)を用いて外部磁場795.8kA/mの下で測定することができる。
【0107】
本発明に使用される結着樹脂の種類としては、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂が挙げられるが、帯電性の環境変動が小さく、定着性に優れるポリエステル樹脂やスチレン系共重合樹脂が好ましく用いられる。
【0108】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、ビニルトルエンの如きスチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルの如きメタクリル酸エステル;マレイン酸;マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸エステル;アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン;塩化ビニル;酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテルが挙げられる。これらのビニル系単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0109】
本発明における結着樹脂は、酸価を有していてもよい。結着樹脂の酸価を調整するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸などのアクリル酸及びそのα−或いはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水物などがあり、このようなモノマーを単独、或いは混合して、他のモノマーと共重合させることにより所望の重合体を作ることができる。この中でも、特に不飽和ジカルボン酸のモノエステル誘導体を用いることが酸価値をコントロールする上で好ましい。
【0110】
より具体的には、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェニルなどのようなα,β−不飽和ジカルボン酸のモノエステル類;n−ブテニルコハク酸モノブチル、n−オクテニルコハク酸モノメチル、n−ブテニルマロン酸モノエチル、n−ドデセニルグルタル酸モノメチル、n−ブテニルアジピン酸モノブチルなどのようなアルケニルジカルボン酸のモノエステル類などが挙げられる。
【0111】
以上のようなカルボキシル基含有モノマーは、結着樹脂を構成している全モノマー100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部添加すればよい。
【0112】
本発明に係る樹脂組成物は、保存性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃、好ましくは50〜70℃であり、Tgが45℃より低いと高温雰囲気下でのトナーの劣化や定着時でのオフセットの原因となる。また、Tgが80℃を超えると、定着性が低下する傾向にある。
【0113】
本発明の結着樹脂の合成方法として本発明に用いることのできる重合法として、溶液重合法、乳化重合法や懸濁重合法が挙げられる。
【0114】
このうち、乳化重合法は、水にほとんど不溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行う方法である。この方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。更に、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造において、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容易であること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の製造方法として有利な点がある。しかし、添加した乳化剤のため生成重合体が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操作が必要で、この不便を避けるためには懸濁重合が好都合である。
【0115】
懸濁重合においては、水系溶媒100質量部に対して、モノマー100質量部以下(好ましくは10〜90質量部)で行うのが良い。使用可能な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、一般に水系溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部で用いられる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用する開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択される。
【0116】
本発明に用いられる結着樹脂は、以下に例示する様な多官能性重合開始剤単独あるいは単官能性重合開始剤と併用して生成することが好ましい。
【0117】
多官能構造を有する多官能性重合開始剤の具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアシッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−t−ブチルパーオキシオクタン及び各種ポリマーオキサイド等の1分子内に2つ以上のパーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基を有する多官能性重合開始剤、及びジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等の1分子内に、パーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基と重合性不飽和基の両方を有する多官能性重合開始剤から選択される。
【0118】
これらのうち、より好ましいものは、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート及び2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、及びt−ブチルパーオキシアリルカーボネートである。
【0119】
これらの多官能性重合開始剤は、トナー用バインダーとして要求される種々の性能を満足するためには、単官能性重合開始剤と併用されることが好ましい。特に該多官能性重合開始剤の半減期10時間を得るための分解温度よりも低い半減期10時間を有する重合開始剤と併用することが好ましい。
【0120】
具体的には、ベンゾイルパーオキシド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾおよびジアゾ化合物等が挙げられる。
【0121】
これらの単官能性重合開始剤は、前記多官能性重合開始剤と同時にモノマー中に添加しても良いが、該多官能性重合開始剤の効率を適正に保つためには、重合工程において該多官能性重合開始剤の示す半減期を経過した後に添加するのが好ましい。
【0122】
これらの開始剤は、効率の点からモノマー100質量部に対し0.05〜2質量部で用いるのが好ましい。
【0123】
結着樹脂は架橋性モノマーで架橋されていることも好ましい。
【0124】
架橋性モノマーとしては主として2個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いらる。具体例としては、芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);更には、ポリエステル型ジアクリレート化合物類(例えば、商品名MANDA(日本化薬))が挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
【0125】
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、0.00001〜1質量部、好ましくは0.001〜0.05質量部の範囲で用いることが好ましい。
【0126】
これらの架橋性モノマーのうち、トナーの定着性,耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0127】
その他の合成方法としては、塊状重合方法、溶液重合方法を用いることができる。しかし、塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度を速めることで、低分子量の重合体を得ることができるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。その点、溶液重合法は、溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用して、また、開始剤量や反応温度を調整することで、所望の分子量の重合体を温和な条件で容易に得ることができるので好ましい。特に、開始剤使用量を最小限に抑え、開始剤が残留することによる影響を極力抑えるという点で、加圧条件下での溶液重合法も好ましい。
【0128】
本発明に用いられるポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0129】
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0130】
【化19】
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
【0131】
また(B)式で示されるジオール類;
【0132】
【化20】
【0133】
2価の酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0134】
また架橋成分として働く3価以上のアルコール成分や3価以上の酸成分を単独で使用するか、もしくは併用することが好ましい。
【0135】
3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
【0136】
また、本発明における三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;次式
【0137】
【化21】
(式中、Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基)
で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0138】
本発明に用いられるアルコール成分としては40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは55〜45mol%であることが好ましい。また三価以上の多価の成分は、全成分中の5〜60mol%であることが好ましい。
【0139】
該ポリエステル樹脂は通常一般に知られている縮重合によって得られる。
【0140】
本発明のトナーは、ワックスを含有してもよい。
【0141】
本発明に用いられるワックスには次のようなものがある。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪族エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、或いは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カウナビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、或いは更に長鎖のアルキル基を有するアルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪族ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0142】
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
【0143】
本発明のトナーに流動性向上剤を添加しても良い。流動性向上剤は、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフウルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ等があり、無機微粉末としては、酸化亜鉛、酸化スズの如き酸化物;チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウムやジルコン酸カルシウムの如き複酸化物;炭酸カルシウム及び、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩化合物等がある。
【0144】
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉末であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0145】
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカとしてはそれらも包合する。その粒径は、平均の一次粒径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0146】
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。
【0147】
【0148】
更には、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
【0149】
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応或いは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0150】
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ブロモメトリジメチルクロロシラン、α−クロロエチルトリクロロシラン、β−クロロエチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当り2〜12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。更に、ジメチルシリコーンオイルの如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは1種或いは2種以上の混合物で用いられる。
【0151】
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー100質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
【0152】
トナーを作製するには、結着樹脂、磁性酸化鉄及び有機金属化合物を少なくとも含有する混合物が材料として用いられるが、必要に応じてワックスやその他の添加剤等が用いられる。これらの材料をヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機により十分混合してから、ロール、ニーダー及びエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、顔料又は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。本発明のトナーの製造方法は、状況に応じて以下の製造装置を用いることができる。
【0153】
トナー製造装置としては、例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製)が挙げられ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボジェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
【0154】
【実施例】
以下に、実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
【0155】
<アゾ鉄化合物 製造例1>
4−クロロ−2−アミノフェノールと6−t−オクチル−2−ナフトールの一般的なジアゾカップリング反応により合成したモノアゾ化合物を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に加えて撹拌した。この溶液に炭酸ナトリウムを加えて70℃に昇温させ、硫酸鉄(II)・7水和物を加えて5時間反応させた。その後室温まで放冷させた後、析出した生成物を濾取してイソプロパノール中に加え、70℃で加熱溶解したあと、24時間かけて徐々に室温まで冷却して、結晶性の高いアゾ鉄化合物を析出させた。この液をイソプロパノールから直接ろ過し、ろ過物を水洗・乾燥させて、下記式で表されるアゾ鉄化合物(I)を得た。アゾ鉄化合物(I)の結晶化度は96%であった。
【0156】
アゾ鉄化合物(I)のX線回折スペクトルを図1に示す。
【0157】
【化22】
【0158】
<アゾ鉄化合物 製造例2>
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に4−t−ペンチル−2−アミノフェノールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(II)で表されるアゾ鉄化合物(II)を得た。アゾ鉄化合物(II)の結晶化度は97%であった。
【0159】
【化23】
【0160】
<アゾ鉄化合物 製造例3>
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に2−アミノフェノールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(III)で表されるアゾ鉄化合物(III)を得た。アゾ鉄化合物(III)の結晶化度は94%であった。
【0161】
【化24】
【0162】
<アゾ鉄化合物 製造例4>
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に6−t−ブチル−2−ナフトールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(IV)で表されるアゾ鉄化合物(IV)を得た。アゾ鉄化合物(IV)の結晶化度は90%であった。
【0163】
【化25】
【0164】
<アゾ鉄化合物 製造例5>
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に6−メチル−2−ナフトールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(V)で表されるアゾ鉄化合物(V)を得た。アゾ鉄化合物(V)の結晶化度は91%であった。
【0165】
【化26】
【0166】
<アゾ鉄化合物 製造例6>
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に3−n−ブチル2−ナフトールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(VI)で表されるアゾ鉄化合物(VI)を得た。アゾ鉄化合物(VI)の結晶化度は84%であった。
【0167】
【化27】
【0168】
<アゾ鉄化合物 製造例7>
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に2−ナフトールと、4−メチル−2−アミノフェノールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(VII)で表されるアゾ鉄化合物(VII)を得た。アゾ鉄化合物(VII)の結晶化度は91%であった。
【0169】
【化28】
【0170】
<アゾ鉄化合物 製造例8>
アゾ鉄化合物製造例7において、イソプロパノール中での結晶化過程を行わずに、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中での反応液を水に分散させ、ろ過・水洗し、乾燥させて、アモルファス状のアゾ鉄化合物(VIII)を得た。アゾ鉄化合物(VIII)の結晶化度は15%であった。
【0171】
<アゾ鉄化合物 製造例9>
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に2−ナフトールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(IX)で表されるアゾ鉄化合物(IX)を得た。アゾ鉄化合物(IX)の結晶化度は95%であった。
【0172】
【化29】
【0173】
<アゾクロム化合物 製造例10>
アゾ鉄化合物製造例1において、2ナフトールと、4−t−ペンチル−2−アミノフェノールと、蟻酸クロム(III)を用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(X)で表されるアゾクロム化合物(X)を得た。アゾクロム化合物(X)の結晶化度は88%であった。
【0174】
【化30】
【0175】
(磁性酸化鉄の製造例)
(製造例1)
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有量が0.48%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを調整しながら空気を吹き込み、80乃至90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
【0176】
種晶の生成が確認されたら、このスラリー液に更に硫酸第一鉄水溶液を適宜加え、スラリー液のpHを調整しながら空気を吹き込み酸化反応を進めた。その間に、未反応の水酸化第一鉄濃度を調べながら反応の進行率を調べつつ、適宜硫酸亜鉛を加え、更に水溶液のpHを調整することで磁性酸化鉄内での金属元素の分布を制御し、酸化反応を完結させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥、粉砕し、磁性酸化鉄1を得た。
【0177】
得られた磁性酸化鉄1の鉄元素とZn元素及びケイ素元素の含有量の関係及び特性を表1に示す。また、鉄元素溶解率に対する各金属元素の磁性酸化鉄中の含有率を図2及び図3に示す。鉄元素溶解率が20質量%までに存在する各金属元素の含有量は、図3に示すように図示グラフ上から求めた。
【0178】
(製造例2〜8)
ケイ酸ソーダの添加量、硫酸亜鉛の添加量を変えた以外は製造例1と同様にして、表1に示す物性を有する磁性酸化鉄2〜8を得た。
【0179】
【表1】
【0180】
[実施例1]
・スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体(共重合比=70:30,Mw=
30万,Tg=60℃) 100質量部
・製造例1の磁性酸化鉄1 100質量部
・アゾ化鉄合物(I) 2質量部
・低分子量ポリプロピレン 3質量部
上記混合物を、140℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生成した。さらに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して、重量平均粒径(D4)6.7μmの負帯電性磁性トナー粒子を得た。
【0181】
この磁性トナー粒子100質量部と、ジメチルジクロロシラン処理した後、ヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体(BET200m2/g)1.2質量部とを、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電性磁性トナー1を調製した。
【0182】
(画出し試験)
キヤノン製レーザービームプリンターLBP−1760を16枚/分から24枚/分に改造した画像形成装置を用い、プロセスカートリッジに上記磁性トナー1を500g充填した。この外添磁性トナーの充填されたプロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着した。このときのプロセススピードは、約140mm/sec.であった。
【0183】
高温高湿環境下(32.5℃,85%RH)及び低温低湿環境下(15℃,10%RH)環境下でトナー補給しながら20,000枚にわたりプリントアウト試験を行い、得られた画像を下記の項目について評価した。
【0184】
(1)画像濃度
通常の複写機用普通紙(坪量:75g/m2)にプリントアウトした画像の画像濃度により評価した。画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
【0185】
(2)カブリ
リフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定したプリント前の転写紙の白色度(Dr)と、ベタ白をプリント後の転写紙の白色度(DS)との差(DS−Dr)からカブリを算出した。画像形成を行う環境は、低温低湿下(15℃,10%RH)とした。
【0186】
(3)トナー消費量
上記画出し試験機を用いて常温常湿環境(23℃,60%RH)で1000枚画出し後、600dpiの10ドット横線パターンで潜像ライン幅が約420μmになるように設定し、A4サイズ紙に印字率4%の画像を5000枚出力し、現像器内のトナー量の変化から消費量を求めた。さらにベタ黒画像を出力し、このときの画像濃度を確認した。
【0187】
さらに、600dpiの10ドット横線パターン潜像(潜像ライン幅約420μm)を1cm間隔で書かせ、これを現像し、PET製OHP上に転写、定着させた。得られた横線パターン画像を表面粗さ計サーフコーダーSE−30H(小坂研究所製)を用い、横線ラインのトナーの載り方を表面粗さのプロフィールとして得、このプロフィールの幅からライン幅を求めた。ライン幅は潜像ライン幅よりもわずかに太い時に、最も鮮鋭性の高い画像が得られ、潜像ライン幅よりも細くなるに従い細線の再現性などが低下する。
【0188】
画像濃度が高く、ライン幅も適正でトナー消費量が少ないトナーが好ましいものであり、画像濃度が低くてトナー消費量の少ないトナーや、ライン幅が細くてトナー消費量の少ないトナーは好ましい形態ではない。
【0189】
(4)画質
上記画出し試験機を用いて、孤立した1ドットのパターンを画出しし、光学顕微鏡で画像を観察してドット再現性を評価した。
○:潜像からのトナーのはみ出しが全く無く、ドットを完全に再現している
△:潜像からのトナーのはみ出しが少しある
×:潜像からのトナーのはみ出しが多い
【0190】
(5)尾引き
上記画出し試験機を用いて、4ドットの横ラインを20ドットスペースに印字したパターンを画出しし、ライン上で尾引いた数を数えた。
○:発生なし
○△:3個未満
△:3〜7個未満
×:7〜15個未満
×:15個以上
【0191】
[実施例2〜12、参考例1、2、及び比較例1〜4]
磁性酸化鉄とアゾ鉄化合物を表2に示したように変更した以外は実施例1と同様にして負帯電性磁性トナー2〜18を調製し、評価した。
【0192】
評価結果を表2に示す。
【0193】
【表2】
【0194】
【発明の効果】
本発明によれば、長期の使用においても高画質、高画像濃度を維持し、環境安定性に優れ、尾引きが発生せず、かつトナー消費量の少ないトナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるアゾ鉄化合物(I)のX線回折スペクトルを示す。
【図2】本発明に用いられる磁性酸化鉄1の鉄元素溶解率に対する各金属元素の磁性酸化鉄中の含有量の関係を示す。
【図3】本発明に用いられる磁性酸化鉄1の鉄元素溶解率に対する各金属元素の磁性酸化鉄中の含有量の関係を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a toner used in an image forming method such as an electrophotographic method, an electrostatic printing method, a magnetic recording method, and a toner jet method.
[0002]
[Prior art]
JP-A-55-18656 (corresponding US Pat. Nos. 4,395,476 and 4,473,627) proposes a jumping development method. In this method, a magnetic toner is applied very thinly on a sleeve, this is triboelectrically charged, and then the magnetic toner layer on the sleeve is developed close to the electrostatic latent image.
[0003]
In jumping development using magnetic toner, if the developer is set so that the image density is sufficiently high, excessive toner will be developed, resulting in deterioration of image quality and increased toner consumption. There is a problem that tailing gets worse.
[0004]
To reduce the amount of toner consumed, the charge amount of the toner is highly controlled by combining a charge control agent that increases the chargeability of the toner and a magnetic substance that acts as a leakage site for charging when exposed to the toner particle surface. However, it is important to control the rising of the toner on the sleeve.
[0005]
Conventionally, regarding magnetic iron oxide contained in a magnetic toner, JP-A-62-279352 (corresponding US Pat. No. 4,820,603) and JP-A-62-278131 (corresponding US Pat. No. 4). , 975, 214 specification) proposes a magnetic toner containing magnetic iron oxide particles containing silicon element. In such magnetic iron oxide particles, silicon element is positively present in the magnetic iron oxide particles. However, in the magnetic toner containing the magnetic iron oxide particles, improvement such as a decrease in developability after long-term use is achieved. I have a point to do.
[0006]
JP-A-4-362954 (corresponding European Patent Application Publication EP-A468525) and JP-A-5-281778 disclose magnetic iron oxide particles containing both silicon and aluminum elements. There are points to be improved, such as deterioration of developability and deterioration of toner consumption during long-term use in a humid environment.
[0007]
Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 9-59024 and 9-59025 include 1.7 to 4.5 atomic% of silicon with respect to Fe in terms of Si, and metal elements other than iron include Mn, Zn, Ni , Cu, Al, and Ti, magnetite particles containing 0 to 10 atomic% of one or more metal elements selected from Fe are described.
[0008]
As a result, the magnetic characteristics can be improved and the charging property can be improved. However, the amount of toner consumption cannot be reduced by simply adding the above metal, and there is a point to be further improved. .
[0009]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-157843 discloses Zn, Mn, Cu, Ni, Co containing a silicon component continuously from the center to the surface of the magnetite particle, the silicon component exposed on the particle surface, and bonded to the silicon component. , Cr, Cd, Al, Sn, Mg and Ti have disclosed magnetite particles whose outer shell is coated with a metal compound composed of at least one metal component selected from the group consisting of a metal component. There has been a point to be further improved since the development property, toner consumption, and tailing have not been improved sufficiently.
[0010]
In JP-A-11-316474, JP-A-11-249335 and JP-A-11-282201, Mn, Zn, Ni, Cu, Co, Cr, Cd, Al, Sn and Content of one or more metal elements selected from the group consisting of Mg, silicon element content, content ratio of silicon element present up to 20% by mass of iron element, and dissolution rate of iron element up to 10% Discloses a magnetic iron oxide in which the content ratio of silicon element present in is defined.
[0011]
In this way, various metals are contained in the magnetic iron oxide, and by defining the distribution of Si in the magnetic iron oxide, an improvement effect is seen in environmental stability, but further reduction in toner consumption is achieved. Improvement is desired.
[0012]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-189420 discloses Zn, Mn containing a silicon component and an aluminum component continuously from the center to the surface of the magnetite particle, the components are exposed on the particle surface, and bonded to the silicon component and the aluminum component. Magnetite particles having a particle outer shell coated with a metal compound composed of at least one metal component selected from Cu, Ni, Co, Cr, Cd, Al, Sn, Mg, and Ti are disclosed. A sufficient charge stability has not yet been imparted to the magnetic toner.
[0013]
JP-A-4-184354, JP-A-4-223487, and the like disclose a method for reducing the saturation magnetization of a toner by replacing magnetite divalent iron with a divalent metal such as zinc or copper. However, merely controlling the magnetic properties of the magnetic material and toner is not sufficient to achieve toner charging stability and reduction in consumption.
[0014]
On the other hand, many azo dye-structured metal complexes used as toner charge control agents are generally poor in stability, for example, mechanical friction and impact, changes in temperature and humidity conditions, electrical impact, light irradiation, etc. Or, the initial charge controllability is easily lost due to change. In addition, even if it has a charge-providing property at a practical level, there are problems with the stability of the charge, and it often contains impure chemical substances that do not have a charge control effect due to differences in the manufacturing method, so the quality stability And various problems in terms of reliability.
[0015]
The metal complex salt compounds of monoazo dyes disclosed in JP-A-2-35465, JP-B-7-27283 and JP-A-9-169919 are excellent from the viewpoint of imparting triboelectric charge, Regardless of environmental changes, aging, and usage conditions, stable development has not been achieved.
[0016]
The amorphous metal complex salt disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-7164 is excellent in dispersibility and chargeability in the toner, but is weak against mechanical impact because of its amorphous state. In some cases, the toner deteriorates due to long-term use of the toner, and the developability gradually decreases.
[0017]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a toner that solves the above problems.
[0018]
That is, an object of the present invention is to provide a toner that maintains high image quality and high image density even in long-term use, has excellent environmental stability, does not cause tailing, and consumes less toner.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is a toner containing at least a binder resin, magnetic iron oxide and an organometallic compound,
The organometallic compound isRepresented by the following general formula (a), (b) or (c)Produced from monoazo compoundsHave structureAn azo iron compound,The azo iron compound has a crystallinity of 70% or more,
The magnetic iron oxide relates to a toner containing at least Zn in an amount of 0.1 to 4.0% by mass based on the magnetic iron oxide.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
It has been found that the combination of the charge control agent and the magnetic iron oxide has a great influence on the developability of the magnetic toner using the magnetic iron oxide. The charge control agent is designed for the purpose of giving a high amount of charge instantaneously to the toner, whereas the magnetic iron oxide is exposed to the toner particle surface and acts as a leakage site for charging. This is because the toner performance varies greatly depending on the combination of the two materials.
[0021]
With the conventional toner, if the developer is set so that a sufficiently high image density can be obtained with an image such as solid black, excessive toner is developed in the image portion and the line width becomes wide, resulting in an increase in toner consumption. There was a tendency to end up. Furthermore, when excessive toner is developed, there is a problem that image quality and tailing tend to deteriorate.
[0022]
Conversely, if the developing device is set so as to reduce the toner consumption, the image density tends to decrease or the line width tends to be narrow, and it is high while suppressing tailing only by improving the developing device. It is difficult to achieve high image quality while satisfying the image density and the low toner consumption, and the toner performance largely depends on satisfying all of these characteristics.
[0023]
Therefore, the present inventors have studied to suppress tailing while keeping the image density sufficiently high with high image quality and reduce toner consumption, and as a result, by combining a specific organometallic compound and magnetic iron oxide, It has been found that tailing can be suppressed and toner consumption can be reduced while maintaining high developability and image quality regardless of the use environment.
[0024]
The amount of toner consumption is reduced because the conventional toner has more toner than the minimum amount necessary to form an image on the image area, whereas the toner of the present invention has an appropriate amount. This is because.
[0025]
The reason why the toner consumption of the present invention can reduce the toner consumption compared to the conventional toner is considered as follows.
[0026]
In the jumping development method using magnetic toner, the toner is in a state where spikes are formed on the sleeve, and at the time of development, the toner flies in the form of spikes on the electrostatic charge image on the photoreceptor. If the ears are thick or long, the toner is developed as a large agglomerate on the photoconductor, which tends to cause uneven development and completely covers an electrostatic image of a certain area (high image density). In order to fill this unevenness, a large amount of toner is required.
[0027]
In addition, when the ears are thick or long, when a pattern of minute dots such as a halftone image is output, the ears easily protrude from the non-image portion of the electrostatic charge image on the photosensitive member, resulting in a decrease in resolution or half-life. There is a case where a toned image is generated by a tone image. In addition, tailing is a phenomenon in which a toner image explodes in the fixing nip, and scatters downstream in the transfer material conveyance direction. Heating in the fixing nip causes a sudden flow of water vapor from the recording material such as paper. However, it occurs because the toner is blown off, and it is likely to occur when the line image such as a horizontal line is developed with a high line height or when the charge amount of the developed toner is low.
[0028]
Furthermore, if the line image is developed with a high line height, the image may be crushed due to pressure at the fixing nip during fixing, resulting in a thick line width or the inability to reproduce minute dots. There is a reduction in image quality.
[0029]
Combining the organometallic compound used in the present invention with magnetic iron oxide containing Zn enables the magnetic force and electrostatic force acting between the toner particles to be highly balanced, enabling the formation of narrow and short ears on the sleeve densely. Become. As a result, the electrostatic charge image on the photoconductor can be uniformly covered with the minimum amount of toner, and a high image density can be obtained with a small amount of toner. This means that the image density of solid black or the like is maintained high, and the line image portion does not become thin, and the developed toner image is in a low height state. Therefore, minute dots can be faithfully reproduced, and the image quality is improved. Further, even if water vapor or the like is generated from the transfer material at the fixing nip portion, the toner image is less likely to be disturbed, and tailing is suppressed.
[0030]
In the toner of the present invention, the charge control agent having excellent dispersibility in the toner and high charging ability and the function of leaking when the charge becomes excessive, the charge amount and charge amount distribution of the toner are taken into the environment. Regardless of the use environment, it is possible to obtain a toner having a high charge amount and a sharp charge amount distribution by combining magnetic iron oxides that always keep constant. Further, since this magnetic iron oxide has good adhesion to the binder resin and excellent dispersibility in the toner, the mutual magnetic force between the toner particles can be highly controlled.
[0031]
As a result, the toner particles can be thinly formed on the sleeve, and short ears can be densely formed, and a high image density and a high-quality image can be obtained with a small amount of toner consumption while suppressing tailing. Furthermore, since there is little change in the charging environment, a high image density can be stably obtained over a long period of time even in a high temperature and high humidity environment or a low temperature and low humidity environment.
[0032]
The organometallic compound that is one of the means for achieving the present invention is an azo iron compound that can be produced from a monoazo compound having one or more alkyl groups and two hydroxyl groups capable of binding to iron.
[0033]
Since the azo iron compound used in the present invention has an alkyl group, it is well-familiar with the binder resin, has good dispersibility in the toner, can make the toner charge amount distribution uniform, and is stable. Charge rise and good developability can be imparted to the toner.
[0034]
Furthermore, it does not cause deterioration in developability in the second half of the endurance due to poor dispersion of the monoazo compound in the toner, which occurs when the toner is used in a durable manner, and brings good developability to the toner over a long period of time. it can.
[0035]
The azo iron compound of the present invention is preferably crystalline. Due to the crystallinity, the electronic state of the azo iron compound is easily stabilized, and high charge can be imparted to the toner regardless of the use environment. Further, if it is crystalline, it becomes difficult for impurities to be contained in the crystal, so that the purity of the azo iron compound can be increased, and the triboelectric chargeability of the toner can be improved with a small addition amount. Further, since the impurities do not affect the developability, the addition amount can be increased, and higher triboelectric chargeability can be given.
[0036]
Conventionally, when a crystalline azo iron compound is used for a toner, it has a problem that it is hard and may cause damage to the photoconductor or easily fall off from the toner particle surface. However, the azo iron compound of the present invention has an alkyl group. Therefore, it has a high affinity with the binder resin and is not easily detached from the toner surface. In addition, because of its high affinity with the binder resin, it is easy to disperse uniformly in the toner. Since the exposure of the compound locally can be suppressed, the photoreceptor is not damaged.
[0037]
Whether the azo iron compound is crystalline can be confirmed by analyzing the X-ray diffraction spectrum of the azo iron compound. The fact that the X-ray diffraction spectrum indicates crystallinity means that the X-ray diffraction pattern shows a remarkable diffraction peak as shown in FIG. Specifically, the total intensity of the crystal portion relative to the total intensity calculated by the multiple peak separation method for the X-ray diffraction spectrum of the azo iron compound in the range of 2θ = 10 ° to 20 ° (θ is the Bragg angle). In the present invention, a crystal having a ratio (crystallinity) exceeding 60% is defined as “crystalline”.
[0038]
Whether or not the azo iron compound of the present invention is crystalline as defined in the present invention can be measured, for example, under the following conditions.
[0039]
An azo iron compound, for example, X-ray diffractometer MXP manufactured by Mac Science Co., Ltd.ThreeThe system measures an X-ray diffraction spectrum by CuKα rays. The spectrum obtained by smoothing the X-ray diffraction spectrum in the range of 2θ = 10 ° to 20 ° (θ is the Bragg angle) is further separated into the whole spectrum and the crystal portion spectrum. For each spectrum of the separated chart, the total strength and the total strength of the crystal portion are obtained by the crystallinity measurement method in the range of 2θ = 10 ° to 20 ° (θ is a Bragg angle), and the following formula is used. Calculate the degree of crystallinity. In particular, for those having a high degree of crystallinity and a large number of peaks, the range of 2θ may be subdivided every 5 °, and the degree of crystallinity in each range may be obtained and then obtained as the average value of each range.
Crystallinity (%) = (total strength of crystal parts / total strength of the whole) × 100
[0040]
The crystallinity effect is higher as the degree of crystallinity is larger. In order to obtain better durability, the degree of crystallinity is preferably 70% or more, and more preferably 80% or more.
[0041]
The monoazo compound capable of producing an azo iron compound in the present invention is preferably a compound represented by the formula (a), (b), or (c) in order to stabilize developability such as image density and fog.
[0042]
[Chemical 6]
(Wherein R1~ R8Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group;1~ R8At least one of them is an alkyl group. )
[0043]
[Chemical 7]
(Wherein R9~ R18Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group;9~ R18At least one of them is an alkyl group. )
[0044]
[Chemical 8]
(Wherein R19~ R30Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group;19~ R30At least one of them is an alkyl group. )
[0045]
Further, the position of the alkyl group is not particularly limited as long as each monoazo compound has at least one alkyl group as a substituent in the molecule.13~ R18It is particularly preferable to have an alkyl group at the position from the viewpoint of imparting stable chargeability to the toner.
[0046]
Among the monoazo compounds, a monoazo compound having an alkyl group having 4 to 12 carbon atoms, preferably 6 to 10 carbon atoms as a substituent, can obtain a high charge amount and a sharp charge amount distribution, and can achieve high image density and low toner consumption. It is preferable for achieving both amounts. Furthermore, image quality is improved and tailing is also suppressed. A monoazo compound having an alkyl group having 4 to 12 carbon atoms, preferably 6 to 10 carbon atoms as a substituent, is further improved in compatibility with the binder resin in the toner by the action of the alkyl group, and the chargeability of the toner is stabilized. . More preferably, it is a monoazo compound having a tertiary alkyl group having 4 to 12 carbon atoms as a substituent, and more preferably a monoazo compound having a tertiary alkyl group having 6 to 10 carbon atoms as a substituent. The ability is increased, the change with time is smaller, more uniform dispersion in the toner is possible, and the chargeability of the toner becomes more uniform. It is also preferable to have one or more halogen atoms as substituents together with the alkyl group from the viewpoint of stabilizing the charge distribution in the compound.
[0047]
Specific examples of the monoazo compound preferably used in the present invention are given below.
[0048]
[Chemical 9]
[0049]
[Chemical Formula 10]
[0050]
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[0051]
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[0052]
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[0053]
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[0054]
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[0055]
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[0056]
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[0057]
The azo iron compound used in the present invention is a reaction product of iron and a monoazo compound, and is an azo iron compound in which the monoazo compound is coordinated to an iron atom. The azo iron compound is an iron complex, an iron complex salt, or a mixture thereof, preferably an azo iron compound selected from azo iron compounds represented by the general formulas (d), (e), and (f) or a mixture thereof. .
[0058]
Embedded image
(In the formulas (d), (e) and (f), A and B each independently represent o-phenylene or 1,2-naphthylene, and at least one of A or B represents one or more alkyl groups. A and B may each further have a halogen atom as a substituent, and M is a cation and represents a hydrogen ion, an alkali metal ion, an ammonium ion, or an organic ammonium ion.)
[0059]
In the present invention, the reaction of the monoazo compound having an alkyl group with iron results in a compound that is more stable thermally and over time than when other metals are used, and imparts good charging performance to the toner. can do.
[0060]
The azo iron compound used in the present invention can be obtained by reacting a monoazo compound capable of binding with an iron atom with an ironating agent in water and / or an organic solvent (preferably in an organic solvent).
[0061]
In general, the reaction product obtained in an organic solvent can be removed by washing with water after filtration or by dispersing the precipitate in an appropriate amount of water, filtering the precipitate, washing with water, and drying. For this purpose, it is preferable to filter directly from an organic solvent, wash with water and dry.
[0062]
Examples of organic solvents used in such ironing reactions include methanol, ethanol, propanol, isopropanol, butanol, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, propylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol dimethyl ether (monoglyme), diethylene glycol dimethyl ether. (Diglyme), ethylene glycol diethyl ether, triethylene glycol dimethyl ether (triglyme), tetraethylene glycol dimethyl ether (tetraglyme), alcohols such as ethylene glycol and propylene glycol, ether-based and glycol-based organic solvents; N, N-dimethyl Formamide, N, N-dimethylacetamide, N-methyl-2-pyrrole Down, it can be mentioned water soluble organic solvent such as aprotic polar solvents such as dimethyl sulfoxide. Preferred examples of the organic solvent include isopropanol, ethylene glycol monomethyl ether (methyl cellosolve), ethylene glycol monoethyl ether (ethyl cellosolve), and ethylene glycol, which reduce impurities or synthesize crystalline azo iron compounds. It is preferable in terms. In addition, it is particularly preferable to recrystallize the azo iron compound obtained in another solvent in the above organic solvent in order to improve crystallinity.
[0063]
The amount of the organic solvent used is not particularly limited, but is 2 to 5 times the mass ratio of the monoazo compound used as the ligand.
[0064]
Examples of suitable ironizing agents include ferric chloride, ferric sulfate, and ferric nitrate. The ironating agent is generally used in an amount equivalent to 1/3 to 2 equivalents, and preferably 1/2 to 2/3 equivalents in terms of iron atom, per mole of the monoazo compound serving as a ligand.
[0065]
A preferable addition amount of the azo iron compound in the present invention to the toner is 0.1 to 10 parts by mass, more preferably 0.5 to 5 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the binder resin.
[0066]
Moreover, the compound of this invention can also be used in combination with a well-known charge control agent. Examples thereof include other organometallic complexes, metal salts, and chelate compounds, and specific examples include monoazo metal complexes, acetylacetone metal complexes, hydroxycarboxylic acid metal complexes, polycarboxylic acid metal complexes, and polyol metal complexes. Other examples include carboxylic acid derivatives such as metal salts of carboxylic acids, carboxylic acid anhydrides, esters, and condensates of aromatic compounds. In addition, phenol derivatives such as bisphenols and calixarenes are also included.
[0067]
The magnetic iron oxide used in the toner of the present invention has at least Zn in the range of 0.1 to 4.0% by mass, preferably 0.1 to 2.0% by mass, more preferably 0.2 to 2%, based on the magnetic iron oxide. 0.0% by mass, more preferably 0.2 to 1.0% by mass, and further, the content B of Zn present when the iron element dissolution rate of magnetic iron oxide is up to 20% by mass.ZnAnd the total content A of Zn present in the magnetic iron oxideZnRatio (BZn/ AZn) × 100 is preferably 40 to 100%.
[0068]
Magnetic iron oxide containing Zn has an excellent balance of surface condition, electrical resistance, and the degree of exposure to the surface of toner particles, and functions to control the toner charge to be high and the charge amount distribution to be narrow. Effective when combined with the above azo iron compounds. As a result, thin and short ears can be densely formed on the sleeve, and both high image density and low toner consumption can be achieved with high image quality. It is more preferable that Zn is present in the vicinity of the surface of the magnetic iron oxide because the effect of the combination with the azo iron compound is enhanced.
[0069]
When the Zn content is less than 0.1% by mass, it becomes difficult to expose the magnetic iron oxide on the surface of the toner particles, and particularly when the toner is excessively charged, the function of leaking and maintaining the proper charge amount is weakened. Density and fog increase due to charge up in the environment. When the Zn content is more than 4.0% by mass, the adhesion between the binder resin and the magnetic iron oxide becomes weak, so that the magnetic iron oxide exposed on the surface of the toner particles is easily released from the toner particles due to long-term use. The amount of charge decreases in a high temperature and high humidity environment, causing a decrease in image density.
[0070]
(BZn/ AZn) When x100 is 40 to 100%, the variation in magnetic force between the toner particles is small, so that narrow and short ears can be densely formed on the sleeve, and the balance between high image density and low toner consumption is achieved. Cheap. Even if the image density is set to be high, the image quality and the tailing are not easily deteriorated.
[0071]
In the present invention, the magnetic iron oxide preferably contains 0.1 to 2.0% by mass of Si based on the magnetic iron oxide, and the content of Si present on the surface of the magnetic iron oxide contains magnetic iron oxide. It is more preferable that it is 0.01-0.5 mass% as a reference | standard.
[0072]
Furthermore, the content S of Si present on the surface of the magnetic iron oxide SSiAnd total content T of Si present in magnetic iron oxideSiRatio to (SSi/ TSi) × 100 is preferably 10 to 55%.
[0073]
Further, the content B of Si present in the iron element dissolution rate of magnetic iron oxide up to 20% by massSiAnd the total content T of Si present in the magnetic iron oxideSiRatio (BSi/ TSi) × 100 is preferably 40 to 90%.
[0074]
The simultaneous presence of Zn and Si in the magnetic iron oxide makes it easy to balance the hygroscopicity and electric resistance of the magnetic iron oxide, and the function of controlling the charge amount of the toner is easily obtained. In particular, when the Si content of the magnetic iron oxide is 0.1 to 2.0% by mass, it is easy to balance the image density and the toner consumption, and the developability in a high temperature and high humidity environment is also excellent.
[0075]
When the content of Si present on the surface of the magnetic iron oxide is 0.01 to 0.5% by mass, it functions as a leak site when the charge of the toner becomes too high, and charges up in a low-temperature, low-humidity environment. Therefore, a decrease in image density and an increase in fog are suppressed. In addition, the adhesion between the binder resin and the magnetic iron oxide is improved, so that free magnetic iron oxide is hardly generated, and the developability in a high-temperature and high-humidity environment is hardly deteriorated.
[0076]
(SSi/ TSi) When x100 is 10 to 55%, the charge amount of the toner can be easily controlled, so that a toner having a high charge amount and a sharp charge amount distribution can be obtained, and high development can be achieved even in a low-temperature and low-humidity environment or a high-temperature and high-humidity environment It becomes possible to get sex. Further, the balance of the magnetic force acting between the toner particles is excellent, and it is possible to densely form thin and short ears on the sleeve. As a result, image quality is improved, high image density and low toner consumption are easily balanced, and tailing is suppressed.
[0077]
(BSi/ TSi) When x100 is 40 to 90%, a large amount of Si is present on the surface of magnetic iron oxide, and it becomes possible to highly control the electric resistance and hygroscopicity of magnetic iron oxide in combination with Zn. Excellent developability can be obtained. Also, (BSi/ TSi) × 100 is within this range, the surface of the magnetic iron oxide is moderately uneven and the adhesion to the binder resin can be improved, so that the magnetic iron oxide particles exposed on the toner particle surface are hardly released, Even with long-term use, developability is unlikely to deteriorate.
[0078]
Next, the structure and manufacturing method of the magnetic iron oxide used in the present invention will be described.
[0079]
The magnetic iron oxide according to the present invention is produced, for example, by the following method. After adding a certain amount of Zn metal salt and silicate to the ferrous salt aqueous solution, an alkali such as sodium hydroxide or more equivalent to the iron component is added to prepare an aqueous solution containing ferrous hydroxide. To do. Air was blown in while maintaining the pH of the prepared aqueous solution at pH 7 or higher (preferably pH 8 to 10), and iron oxide hydroxide was oxidized while heating the aqueous solution to 70 ° C. or higher. First, a seed crystal is formed.
[0080]
Next, an aqueous solution containing a first equivalent of ferrous sulfate is added to the slurry-like liquid containing seed crystals based on the amount of alkali added previously. While maintaining the pH of the solution at 6 to 10, the reaction of ferrous hydroxide is promoted while blowing air, and magnetic iron oxide particles are grown with the seed crystal as the core. As the oxidation reaction proceeds, the pH of the liquid shifts to the acidic side, but the pH of the liquid is preferably not less than 6. By adjusting the pH of the solution at the end of the oxidation reaction, a predetermined amount of Zn or Si compound is preferably unevenly distributed on the surface of the magnetic iron oxide particles. At this time, when a metal salt of Zn, silicate, or the like is added, a large amount of various metals can be present near the surface of the magnetic iron oxide.
[0081]
As metal salts other than iron used for addition, sulfates, nitrates, and chlorides can be used. Moreover, sodium silicate and potassium silicate are illustrated as a silicate which can be used for addition.
[0082]
As the ferrous salt, it is possible to use iron sulfate generally produced as a by-product in the production of sulfuric acid titanium, iron sulfate produced as a by-product when the surface of the copper plate is washed, and iron chloride can be used.
[0083]
In general, a method for producing magnetic iron oxide by an aqueous solution method uses an iron concentration of 0.5 to 2 mol / liter from the viewpoint of preventing the viscosity from increasing during the reaction and the solubility of iron sulfate. Generally, the lower the iron sulfate concentration, the finer the particle size of the product. In the reaction, the more the amount of air and the lower the reaction temperature, the easier it is to atomize.
[0084]
According to the above-described manufacturing method, the magnetic iron oxide particles are mainly composed of spherical particles formed with curved surfaces not having a plate-like surface, and hardly contain octahedral particles, as observed by transmission electron micrographs. It is preferable to use the magnetic iron oxide in the toner.
[0085]
In the present invention, the magnetic iron oxide particles preferably have a bulk density based on a measurement method described later, preferably 0.5 to 0.9 g / cm.ThreeMore preferably, 0.6 to 0.8 g / cmThreeGood to be satisfied. Bulk density is 0.5g / cmThreeIf it is less than the range, it may adversely affect the physical mixing properties of the toner with other constituent materials during the production of the toner, and the dispersibility of the magnetic iron oxide in the toner may deteriorate. Furthermore, the bulk density is 0.9g / cmThreeIn the case of exceeding the above, when magnetic toner is used, the toner tends to be tightened in the developing device, and the fluidity of the toner may be lowered and fading may occur.
[0086]
In the present invention, the magnetic iron oxide has a number average particle diameter based on a measurement method described later of preferably 0.05 to 1.00 μm, more preferably 0.10 to 0.40 μm. This is good in terms of dispersibility in the resin and uniformity of charging.
[0087]
In the present invention, the magnetic iron oxide has a BET specific surface area of 2 to 40 m based on the measurement method described later.2/ G, preferably 4-20m2/ G is preferably used.
[0088]
In the present invention, magnetic iron oxide has a magnetic property of 10 to 200 Am in saturation magnetization under a magnetic field of 795.8 kA / m.2/ Kg, more preferably 70-100 Am2/ Kg, residual magnetization 1-100Am2/ Kg, more preferably 2 to 20 Am2/ Kg and a coercive force of 1 to 30 kA / m, more preferably 2 to 15 kA / m are preferably used. By having such magnetic characteristics, it is possible to obtain good developability in which the magnetic toner has a balance between image density and fog.
[0089]
In the present invention, the magnetic toner preferably contains 20 to 200 parts by mass, more preferably 30 to 150 parts by mass of magnetic iron oxide particles with respect to 100 parts by mass of the binder resin. When the content of magnetic iron oxide is less than 20 parts by mass, the transportability is insufficient, and the developer layer on the developer carrier is uneven, which may cause image unevenness. When the content of magnetic iron oxide exceeds 200 parts by mass, the image density may decrease.
[0090]
In the present invention, the magnetic iron oxide particles may be treated with a surface treatment agent such as a silane coupling agent, a titanium coupling agent, titanate, aminosilane, or an organosilicon compound.
[0091]
The method for measuring various physical property data in the present invention is described in detail below.
[0092]
(1) Determination of the amount of metal elements present in magnetic iron oxide
In the present invention, the content of metal elements other than iron in magnetic iron oxide (based on magnetic iron oxide), the dissolution rate of iron elements, and the content of metal elements other than iron relative to the dissolution rate of iron elements are as follows: It can be obtained by such a method. For example, about 3 liters of deionized water is placed in a 5 liter beaker and heated to 45 to 50 ° C. with a water bath. About 25 g of magnetic iron oxide slurried with about 400 ml of deionized water is added to a 5-liter beaker along with the deionized water while being washed with about 300 ml of deionized water.
[0093]
Next, while maintaining the temperature at about 50 ° C. and the stirring speed at about 200 rpm, a special grade hydrochloric acid or a mixed acid of hydrochloric acid and hydrofluoric acid is added to start dissolution. At this time, the hydrochloric acid aqueous solution is adjusted to about 3 mol / liter. About 20 ml is sampled several times during the period from the start of dissolution until it is completely dissolved, and filtered through a 0.1 μ membrane filter, and the filtrate is collected. The filtrate is subjected to plasma emission spectroscopy (ICP) to quantify iron elements and metal elements other than iron elements.
[0094]
The iron element dissolution rate is calculated by the following equation.
Iron element dissolution rate (mass%) = (a / b) × 100
a: Iron element concentration in the collected sample (mg / l)
b: Iron element concentration when completely dissolved (mg / l)
[0095]
The content of metal elements other than iron elements when magnetic iron oxide is used as a reference is calculated by the following equation.
Content of metal element based on magnetic iron oxide (mass%) = ((c × d) / (
e × 1000)) × 100
c: Metal element concentration (mg / l) in the collected sample
d: Sample amount collected (l)
e: Magnetic iron oxide mass (g)
[0096]
The dissolution rate of each metal element is calculated by the following equation.
Metal element dissolution rate (%) = (f / g) × 100
f: Content (% by mass) of metal element in each iron element dissolution rate
g: Content of metal element (% by mass) when completely dissolved
[0097]
The dissolution rate of each metal element existing up to 20 mass% of the iron element dissolution rate of magnetic iron oxide is determined as follows.
[0098]
Based on the time when the iron element dissolution rate reached 100% by mass, the time when the iron element dissolution rate reached 20% by mass was calculated from there and calculated from the sample collected during the dissolution process of magnetic iron oxide. Several samples corresponding to an element dissolution rate of 20% by mass are selected, and the Si content rate B up to 20% by mass of the iron element dissolution rate is selected.SiAnd total content T of Si present in magnetic iron oxideSiRatio and Zn content BZnAnd total content A of Zn present in magnetic iron oxideZnThe ratio of each element (dissolution rate of each element) is calculated or obtained from the illustrated graph.
[0099]
(2) Determination of Si present on the surface of magnetic iron oxide
Weigh accurately 0.9 g of magnetic iron oxide and place in a beaker. Next, 25 ml of 1 mol / liter NaOH is weighed and put into a beaker.
[0100]
The rotor is put in a beaker, covered, heated and stirred for 4 hours on a hot stirrer (
[0101]
Thereafter, a beaker is left on the magnet, and the magnetic iron oxide is allowed to settle until the supernatant becomes transparent. After settling, the supernatant is filtered and the filtrate is placed in a sample bottle and analyzed by ICP.
[0102]
The surface Si (mass%) is calculated by the following formula.
Surface Si (mass%) = (L × 0.125) / (S × 1000) × 100
L: ICP measured value (mg / l)
S: Sample mass (g)
[0103]
(3) Bulk density of magnetic iron oxide
The bulk density of the magnetic iron oxide particles in the present invention was measured according to the pigment test method of JIS-K-5101.
[0104]
(4) Number average particle diameter of magnetic iron oxide
From the transmission electron micrograph (magnification 30000 times), 100 particles on the photograph were randomly selected, the particle diameter was measured, and the average value was taken as the number average particle diameter.
[0105]
(5) Specific surface area of magnetic iron oxide
According to the BET method, the specific surface area can be calculated using the BET multipoint method by adsorbing nitrogen gas to the sample surface using a specific surface area measuring device Auto Soap 1 (manufactured by Yuasa Ionics).
[0106]
(6) Magnetic properties of magnetic iron oxide
It can be measured under an external magnetic field of 795.8 kA / m using a “vibrating sample magnetometer VSM-3S-15” (manufactured by Toei Kogyo Co., Ltd.).
[0107]
As the types of binder resins used in the present invention, styrene resins, styrene copolymer resins, polyester resins, polyol resins, polyvinyl chloride resins, phenol resins, natural modified phenol resins, natural resin modified maleic resins, Examples include acrylic resin, methacrylic resin, polyvinyl acetate, silicone resin, polyurethane resin, polyamide resin, furan resin, epoxy resin, xylene resin, polyvinyl butyral, terpene resin, coumarone indene resin, and petroleum resin. A polyester resin or a styrene copolymer resin having a small environmental variation and excellent fixability is preferably used.
[0108]
As a comonomer for the styrene monomer of the styrene copolymer, styrene derivatives such as vinyltoluene, acrylic acid, methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, dodecyl acrylate, octyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, acrylic Acrylic acid ester such as phenyl acid; Methacrylic acid ester such as methacrylic acid, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, octyl methacrylate; Maleic acid; Double such as butyl maleate, methyl maleate, dimethyl maleate Dicarboxylic acid ester having a bond; acrylamide, acrylonitrile, methacrylonitrile, butadiene; vinyl chloride; vinyl ester such as vinyl acetate and vinyl benzoate; ethylene, propylene, butylene Such ethylenic olefins, vinyl methyl ketone, such as vinyl vinyl hexyl ketone, vinyl methyl ether, vinyl ethyl ether, vinyl propionate ether. These vinyl monomers are used alone or in combination of two or more.
[0109]
The binder resin in the present invention may have an acid value. Examples of the monomer for adjusting the acid value of the binder resin include acrylic acid such as acrylic acid, methacrylic acid, α-ethylacrylic acid, crotonic acid, cinnamic acid, vinyl acetic acid, isocrotonic acid, and angelic acid, and α- β-alkyl derivatives, fumaric acid, maleic acid, citraconic acid, alkenyl succinic acid, itaconic acid, mesaconic acid, dimethyl maleic acid, dimethyl fumaric acid and other unsaturated dicarboxylic acids and monoester derivatives or anhydrides thereof, etc. Such a monomer can be used alone or in combination and copolymerized with other monomers to produce a desired polymer. Among these, it is particularly preferable to use a monoester derivative of an unsaturated dicarboxylic acid in order to control the acid value.
[0110]
More specifically, for example, monomethyl maleate, monoethyl maleate, monobutyl maleate, monooctyl maleate, monoallyl maleate, monophenyl maleate, monomethyl fumarate, monoethyl fumarate, monobutyl fumarate, monophenyl fumarate Monoesters of α, β-unsaturated dicarboxylic acids such as: monobutyl n-butenyl succinate, monomethyl n-octenyl succinate, monoethyl n-butenylmalonate, monomethyl n-dodecenyl glutarate, monobutyl n-butenyl adipate And monoesters of alkenyldicarboxylic acid such as
[0111]
The carboxyl group-containing monomer as described above may be added in an amount of 0.1 to 20 parts by mass, preferably 0.2 to 15 parts by mass, with respect to 100 parts by mass of all monomers constituting the binder resin.
[0112]
From the viewpoint of storage stability, the resin composition according to the present invention has a glass transition temperature (Tg) of 45 to 80 ° C., preferably 50 to 70 ° C. When Tg is lower than 45 ° C., the toner composition in a high temperature atmosphere is used. This causes deterioration and offset at the time of fixing. On the other hand, when Tg exceeds 80 ° C., fixability tends to decrease.
[0113]
Examples of a polymerization method that can be used in the present invention as a method for synthesizing the binder resin of the present invention include a solution polymerization method, an emulsion polymerization method, and a suspension polymerization method.
[0114]
Among them, the emulsion polymerization method is a method in which a monomer (monomer) almost insoluble in water is dispersed as small particles in an aqueous phase with an emulsifier, and polymerization is performed using a water-soluble polymerization initiator. In this method, the reaction heat can be easily adjusted, and the termination reaction rate is low because the phase in which the polymerization is carried out (the oil phase consisting of the polymer and the monomer) and the aqueous phase are separate, resulting in a high polymerization rate. A product having a high degree of polymerization is obtained. Furthermore, the reason is that the polymerization process is relatively simple, and that the polymerization product is fine particles, so that it can be easily mixed with colorants, charge control agents and other additives in the production of toner. Therefore, there is an advantage as a method for producing a binder resin for toner. However, the added polymer is likely to be impure due to the added emulsifier, and an operation such as salting out is necessary to take out the polymer. Suspension polymerization is convenient to avoid this inconvenience.
[0115]
In suspension polymerization, it is good to carry out by 100 mass parts or less (preferably 10-90 mass parts) of monomers with respect to 100 mass parts of aqueous solvents. Examples of the dispersant that can be used include polyvinyl alcohol, partially saponified polyvinyl alcohol, calcium phosphate, and the like, and generally 0.05 to 1 part by mass with respect to 100 parts by mass of the aqueous solvent. The polymerization temperature is suitably 50 to 95 ° C., but is appropriately selected depending on the initiator used and the target polymer.
[0116]
The binder resin used in the present invention is preferably produced by using a polyfunctional polymerization initiator alone or in combination with a monofunctional polymerization initiator as exemplified below.
[0117]
Specific examples of the polyfunctional polymerization initiator having a polyfunctional structure include 1,1-di-t-butylperoxy-3,3,5-trimethylcyclohexane, 1,3-bis- (t-butylperoxy Isopropyl) benzene, 2,5-dimethyl-2,5- (t-butylperoxy) hexane, 2,5-dimethyl-2,5-di- (t-butylperoxy) hexane, tris- (t-butyl) Peroxy) triazine, 1,1-di-t-butylperoxycyclohexane, 2,2-di-t-butylperoxybutane, 4,4-di-t-butylperoxyvaleric acid-n-butyl ester , Di-t-butylperoxyhexahydroterephthalate, di-t-butylperoxyazelate, di-t-butylperoxytrimethyladipate, 2,2-bis- ( , 4-di-t-butylperoxycyclohexyl) propane, 2,2-t-butylperoxyoctane and various polymer oxides, etc., a functional group having a polymerization initiating function such as two or more peroxide groups in one molecule. And a polyfunctional polymerization initiator having a peroxide group in one molecule such as diallyl peroxydicarbonate, t-butylperoxymaleic acid, t-butylperoxyallylcarbonate and t-butylperoxyisopropyl fumarate And a polyfunctional polymerization initiator having both a functional group having a polymerization initiating function and a polymerizable unsaturated group.
[0118]
Of these, more preferred are 1,1-di-t-butylperoxy-3,3,5-trimethylcyclohexane, 1,1-di-t-butylperoxycyclohexane, di-t-butylperoxy. Hexahydroterephthalate, di-t-butylperoxyazelate and 2,2-bis- (4,4-di-t-butylperoxycyclohexyl) propane, and t-butylperoxyallyl carbonate.
[0119]
These polyfunctional polymerization initiators are preferably used in combination with a monofunctional polymerization initiator in order to satisfy various performances required as a binder for toner. In particular, it is preferable to use in combination with a polymerization initiator having a half-life of 10 hours lower than the decomposition temperature for obtaining a half-life of 10 hours of the polyfunctional polymerization initiator.
[0120]
Specifically, benzoyl peroxide, 1,1-di (t-butylperoxy) -3,3,5-trimethylcyclohexane, n-butyl-4,4-di (t-butylperoxy) valerate, dichroic Organic peroxides such as milperoxide, α, α'-bis (t-butylperoxydiisopropyl) benzene, t-butylperoxycumene, di-t-butylperoxide, azobisisobutyronitrile, diazoamino Examples include azo and diazo compounds such as azobenzene.
[0121]
These monofunctional polymerization initiators may be added to the monomer at the same time as the polyfunctional polymerization initiator. In order to keep the efficiency of the polyfunctional polymerization initiator appropriate, It is preferably added after the half-life indicated by the polyfunctional polymerization initiator has elapsed.
[0122]
These initiators are preferably used in an amount of 0.05 to 2 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the monomer from the viewpoint of efficiency.
[0123]
It is also preferable that the binder resin is crosslinked with a crosslinking monomer.
[0124]
As the crosslinkable monomer, a monomer having two or more polymerizable double bonds is mainly used. Specific examples include aromatic divinyl compounds (eg, divinylbenzene, divinylnaphthalene, etc.); diacrylate compounds linked by alkyl chains (eg, ethylene glycol diacrylate, 1,3-butylene glycol diacrylate, 1,4 -Butanediol diacrylate, 1,5-pentanediol diacrylate, 1,6-hexanediol diacrylate, neopentyl glycol diacrylate, and acrylates of the above compounds replaced with methacrylate); alkyl chain containing an ether bond Diacrylate compounds (eg, diethylene glycol diacrylate, triethylene glycol diacrylate, tetraethylene glycol diacrylate, polyethylene glycol # 400 diacrylate, Ethylene glycol # 600 diacrylate, dipropylene glycol diacrylate, and acrylates of the above compounds in place of methacrylate); diacrylate compounds linked by a chain containing an aromatic group and an ether bond (eg, polyoxyethylene) (2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane diacrylate, polyoxyethylene (4) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane diacrylate, and methacrylates of the above compounds Furthermore, polyester-type diacrylate compounds (for example, trade name MANDA (Nippon Kayaku)) are mentioned. As polyfunctional crosslinking agents, pentaerythritol acrylate, trimethylol ethane triacrylate, trimethylol propane triacrylate, tetramethylol propane triacrylate, tetramethylol methane tetraacrylate, oligoester acrylate, and acrylates of the above compounds are replaced with methacrylate. Triallyl cyanurate, triallyl trimellitate; and the like.
[0125]
These crosslinking agents are preferably used in the range of 0.00001 to 1 part by mass, preferably 0.001 to 0.05 part by mass, with respect to 100 parts by mass of the other monomer components.
[0126]
Among these crosslinkable monomers, aromatic divinyl compounds (especially divinylbenzene), diethers linked by a chain containing an aromatic group and an ether bond are preferably used from the viewpoint of toner fixing properties and offset resistance. Examples include acrylate compounds.
[0127]
As other synthesis methods, a bulk polymerization method and a solution polymerization method can be used. However, in the bulk polymerization method, a polymer having a low molecular weight can be obtained by polymerizing at a high temperature to increase the termination reaction rate, but there is a problem that the reaction is difficult to control. In that respect, the solution polymerization method can easily obtain a polymer having a desired molecular weight under mild conditions by utilizing the difference in chain transfer of radicals by a solvent and adjusting the amount of initiator and reaction temperature. Is preferable. In particular, a solution polymerization method under a pressurized condition is also preferable in that the amount of the initiator used is minimized and the influence of the remaining initiator is minimized.
[0128]
The composition of the polyester resin used in the present invention is as follows.
[0129]
Examples of the divalent alcohol component include ethylene glycol, propylene glycol, 1,3-butanediol, 1,4-butanediol, 2,3-butanediol, diethylene glycol, triethylene glycol, 1,5-pentanediol, 1, 6-hexanediol, neopentyl glycol, 2-ethyl-1,3-hexanediol, hydrogenated bisphenol A, and bisphenol represented by the formula (A) and derivatives thereof;
[0130]
Embedded image
(In the formula, R is an ethylene or propylene group, x and y are each an integer of 0 or more, and the average value of x + y is 0 to 10.)
[0131]
And diols represented by the formula (B);
[0132]
Embedded image
[0133]
Examples of the divalent acid component include benzene dicarboxylic acids such as phthalic acid, terephthalic acid, isophthalic acid, and phthalic anhydride or anhydrides thereof, lower alkyl esters; alkyl dicarboxylic acids such as succinic acid, adipic acid, sebacic acid, and azelaic acid. Acids or anhydrides thereof, lower alkyl esters; alkenyl succinic acids or alkyl succinic acids such as n-dodecenyl succinic acid and n-dodecyl succinic acid, or anhydrides, lower alkyl esters thereof; fumaric acid, maleic acid, citraconic acid, itaconic acid Dicarboxylic acids such as unsaturated dicarboxylic acids or anhydrides thereof, lower alkyl esters;
[0134]
Further, it is preferable to use a trivalent or higher alcohol component or a trivalent or higher acid component that acts as a crosslinking component alone or in combination.
[0135]
Examples of the trihydric or higher polyhydric alcohol component include sorbitol, 1,2,3,6-hexanetetrol, 1,4-sorbitan, pentaerythritol, dipentaerythritol, tripentaerythritol, 1,2,4-butane. Triol, 1,2,5-pentanetriol, glycerol, 2-methylpropanetriol, 2-methyl-1,2,4-butanetriol, trimethylolethane, trimethylolpropane, 1,3,5-trihydroxybenzene, etc. Is mentioned.
[0136]
Examples of the trivalent or higher polycarboxylic acid component in the present invention include trimellitic acid, pyromellitic acid, 1,2,4-benzenetricarboxylic acid, 1,2,5-benzenetricarboxylic acid, 2,5, 7-naphthalenetricarboxylic acid, 1,2,4-naphthalenetricarboxylic acid, 1,2,4-butanetricarboxylic acid, 1,2,5-hexanetricarboxylic acid, 1,3-dicarboxyl-2-methyl-2-methylene Carboxypropane, tetra (methylenecarboxyl) methane, 1,2,7,8-octanetetracarboxylic acid, empole trimer acid, and their anhydrides, lower alkyl esters;
[0137]
Embedded image
(Wherein X is an alkylene group or alkenylene group having 5 to 30 carbon atoms having one or more side chains having 3 or more carbon atoms)
And polycarboxylic acids such as anhydrides and lower alkyl esters thereof and derivatives thereof.
[0138]
The alcohol component used in the present invention is 40 to 60 mol%, preferably 45 to 55 mol%, and the acid component is 60 to 40 mol%, preferably 55 to 45 mol%. Moreover, it is preferable that the polyvalent component more than trivalence is 5-60 mol% in all the components.
[0139]
The polyester resin is usually obtained by a generally known condensation polymerization.
[0140]
The toner of the present invention may contain a wax.
[0141]
The waxes used in the present invention include the following. For example, low molecular weight polyethylene, low molecular weight polypropylene, polyolefin copolymer, polyolefin wax, microcrystalline wax, paraffin wax, aliphatic hydrocarbon wax such as Fischer-Tropsch wax; oxide of aliphatic hydrocarbon wax such as oxidized polyethylene wax Or block copolymers thereof; plant waxes such as candelilla wax, carnauba wax, wax wax, jojoba wax; animal waxes such as beeswax, lanolin, spermaceti; mineral systems such as ozokerite, ceresin, petrolactam Waxes; waxes mainly composed of aliphatic esters such as montanic acid ester wax and castor wax; those obtained by partially or fully deoxidizing aliphatic esters such as deoxidized carnauba wax . Further, saturated linear fatty acids such as palmitic acid, stearic acid, montanic acid, or long-chain alkyl carboxylic acids having a long-chain alkyl group; unsaturated fatty acids such as brassic acid, eleostearic acid, valinalic acid; stearyl alcohol Saturated alcohol such as eicosyl alcohol, behenyl alcohol, cannavir alcohol, seryl alcohol, melyl alcohol, or alkyl alcohol having a long chain alkyl group; polyhydric alcohol such as sorbitol; linoleic acid amide, oleic acid amide, lauric acid Aliphatic amides such as acid amides; saturated aliphatic bisamides such as methylene bisstearic acid amide, ethylene biscapric acid amides, ethylene bislauric acid amides, hexamethylene bisstearic acid amides; Unsaturated fatty acid amides such as inamide, hexamethylenebisoleic acid amide, N, N′-dioleyl adipic acid amide, N, N′-dioleyl sebacic acid amide; m-xylene bisstearic acid amide, N, Aromatic bisamides such as N'-distearylisophthalamide; aliphatic metal salts such as calcium stearate, calcium laurate, zinc stearate and magnesium stearate (commonly referred to as metal soap); aliphatic hydrocarbons Wax grafted with a vinyl monomer such as styrene or acrylic acid; Partial esterified product of fatty acid and polyhydric alcohol such as behenic acid monoglyceride; Hydroxyl group obtained by hydrogenating vegetable oil Methyl ester compounds It is.
[0142]
In addition, these waxes have a sharp molecular weight distribution using a press sweating method, a solvent method, a recrystallization method, a vacuum distillation method, a supercritical gas extraction method or a melt liquid crystal deposition method, a low molecular weight solid fatty acid, a low molecular weight A solid alcohol, a low molecular weight solid compound, and other impurities are preferably used.
[0143]
A fluidity improver may be added to the toner of the present invention. The fluidity improver can be added to the toner particles to increase the fluidity before and after the addition. For example, fluororesin powder such as vinylidene fluoride fine powder, polytetrafluoroethylene fine powder; wet production silica, fine powder silica such as dry production silica, fine powder titanium oxide, fine powder alumina, silane compound, There are titanium coupling agents, treated silica surface-treated with silicone oil, etc., and inorganic fine powders include oxides such as zinc oxide and tin oxide; strontium titanate, barium titanate, calcium titanate, strontium zirconate And double oxides such as calcium zirconate; and carbonate compounds such as calcium carbonate and magnesium carbonate.
[0144]
A preferred fluidity improver is a fine powder produced by vapor phase oxidation of a silicon halogen compound, and is referred to as so-called dry process silica or fumed silica. For example, a thermal decomposition oxidation reaction of silicon tetrachloride gas in an oxyhydrogen flame is used, and the basic reaction formula is as follows.
SiClFour+ 2H2+ O2→ SiO2+ 4HCl
[0145]
In this production process, it is also possible to obtain a composite fine powder of silica and other metal oxides by using other metal halogen compounds such as aluminum chloride or titanium chloride together with silicon halogen compounds. Match. The particle size is preferably within the range of 0.001 to 2 μm as the average primary particle size, and particularly preferably silica fine powder within the range of 0.002 to 0.2 μm is used.
[0146]
Examples of commercially available silica fine powders produced by vapor phase oxidation of silicon halogen compounds include those sold under the following trade names.
[0147]
[0148]
Furthermore, a treated silica fine powder obtained by hydrophobizing a silica fine powder produced by vapor phase oxidation of the silicon halide is more preferable. Among the treated silica fine powders, those obtained by treating the silica fine powder so that the degree of hydrophobicity measured by a methanol titration test is in the range of 30 to 80 are particularly preferable.
[0149]
As a hydrophobizing method, it is applied by chemical treatment with an organosilicon compound that reacts or physically adsorbs with silica fine powder. As a preferred method, silica fine powder produced by vapor phase oxidation of a silicon halogen compound is treated with an organosilicon compound.
[0150]
Examples of organosilicon compounds include hexamethyldisilazane, trimethylsilane, trimethylchlorosilane, trimethylethoxysilane, dimethyldichlorosilane, methyltrichlorosilane, allyldimethylchlorosilane, allylphenyldichlorosilane, benzyldimethylchlorosilane, bromomethridimethylchlorosilane, and α-chloro. Ethyltrichlorosilane, β-chloroethyltrichlorosilane, chloromethyldimethylchlorosilane, triorganosilyl mercaptan, trimethylsilyl mercaptan, triorganosilyl acrylate, vinyldimethylacetoxysilane, dimethylethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, diphenyldiethoxysilane, hexamethyldi Siloxane, 1,3-divinyltetramethyldisiloxane, 1,3 -Diphenyltetramethyldisiloxane and dimethylpolysiloxane containing 2 to 12 siloxane units per molecule, each containing a hydroxyl group bonded to one Si at each terminal unit. Furthermore, silicone oils such as dimethyl silicone oil can be mentioned. These are used alone or as a mixture of two or more.
[0151]
The fluidity improver has a specific surface area of 30 m by nitrogen adsorption measured by the BET method.2/ G or more, preferably 50 m2/ G or more gives good results. The flow improver is used in an amount of 0.01 to 8 parts by weight, preferably 0.1 to 4 parts by weight, based on 100 parts by weight of the toner.
[0152]
In order to produce a toner, a mixture containing at least a binder resin, magnetic iron oxide, and an organometallic compound is used as a material, and wax or other additives are used as necessary. These materials are mixed thoroughly by a mixer such as a Henschel mixer or a ball mill, and then melted, kneaded and kneaded using a heat kneader such as a roll, a kneader and an extruder to make the resins compatible with each other. In addition, a pigment or dye can be dispersed or dissolved, cooled and solidified, and then pulverized and classified to obtain a toner. The toner manufacturing method of the present invention can use the following manufacturing apparatuses depending on the situation.
[0153]
As a toner production apparatus, for example, as a mixer, a Henschel mixer (manufactured by Mitsui Mining Co., Ltd.); a super mixer (manufactured by Kawata Corporation); a ribocorn (manufactured by Okawara Seisakusho Co., Ltd.); a nauter mixer, a turbulizer, and a cyclomix (Hosokawa Micron Corporation) Spiral pin mixer (manufactured by Taiheiyo Kiko Co., Ltd.); Ladige mixer (manufactured by Matsubo Co., Ltd.), and KRC kneader (manufactured by Kurimoto Iron Works Co.); Bus co-kneader (manufactured by Buss) ); TEM type extruder (manufactured by Toshiba Machine Co., Ltd.); TEX twin-screw kneader (manufactured by Nippon Steel Works); PCM kneader (manufactured by Ikegai Iron Works Co., Ltd.); triple roll mill, mixing roll mill, kneader (manufactured by Inoue Seisakusho Co., Ltd.) ); Needex (Mitsui Mining Co., Ltd.); MS pressure kneader, Nider Ruder (Moriyama Seisakusho); Banbury Miki -(Made by Kobe Steel Co., Ltd.), and the pulverizers include counter jet mill, micron jet, inomizer (manufactured by Hosokawa Micron); IDS type mill, PJM jet pulverizer (manufactured by Nippon Pneumatic Industrial Co., Ltd.); Mill (manufactured by Kurimoto Iron Works); Urmax (manufactured by Nisso Engineering Co., Ltd.); SK Jet Oh Mill (manufactured by Seishin Enterprise Co., Ltd.); Kryptron (manufactured by Kawasaki Heavy Industries, Ltd.); Classifiers include: Classy, Micron Classifier, Spedic Classifier (manufactured by Seishin Enterprise Co., Ltd.); Turbo Classifier (Nisshin Engineering Co., Ltd.); Micron Separator, Turboplex (ATP), TSP Separator (Hosokawa Micron Co., Ltd.) Elbow Jet (Sun) Mining Co., Ltd.), Dispersion Separator (manufactured by Nippon Pneumatic Industrial Co., Ltd.); YM Micro Cut (manufactured by Yaskawa Shoji Co., Ltd.), and the sieving device used for sieving coarse particles etc. Resona sieve, gyro shifter (Tokuju Kosakusha); Vibrasonic system (Dalton); Soniclean (Shinto Kogyo); Turbo screener (Turbo Kogyo); Micro shifter (Ogino Sangyo) A circular vibration sieve, etc.
[0154]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to the examples.
[0155]
<Azoiron compound production example 1>
A monoazo compound synthesized by a general diazo coupling reaction of 4-chloro-2-aminophenol and 6-t-octyl-2-naphthol was added to N, N-dimethylformamide (DMF) and stirred. Sodium carbonate was added to this solution, the temperature was raised to 70 ° C., and iron (II) sulfate heptahydrate was added and reacted for 5 hours. Then, after allowing to cool to room temperature, the precipitated product was collected by filtration, added to isopropanol, dissolved by heating at 70 ° C., then gradually cooled to room temperature over 24 hours, and highly crystalline azo iron compound Was precipitated. This liquid was directly filtered from isopropanol, and the filtrate was washed with water and dried to obtain an azo iron compound (I) represented by the following formula. The crystallinity of the azo iron compound (I) was 96%.
[0156]
The X-ray diffraction spectrum of the azo iron compound (I) is shown in FIG.
[0157]
Embedded image
[0158]
<Azoiron compound production example 2>
In azo iron compound production example 1, azo iron represented by the following formula (II) using the same method as in azo iron compound production example 1 except that 4-t-pentyl-2-aminophenol was used as a raw material. Compound (II) was obtained. The crystallinity of the azo iron compound (II) was 97%.
[0159]
Embedded image
[0160]
<Azoiron compound production example 3>
In azo iron compound production example 1, an azo iron compound (III) represented by the following formula (III) was obtained using the same method as in azo iron compound production example 1 except that 2-aminophenol was used as a raw material. It was. The crystallinity of the azo iron compound (III) was 94%.
[0161]
Embedded image
[0162]
<Azoiron compound production example 4>
In the azo iron compound production example 1, an azo iron compound represented by the following formula (IV) using the same method as in the azo iron compound production example 1 except that 6-t-butyl-2-naphthol was used as a raw material. (IV) was obtained. The crystallinity of the azo iron compound (IV) was 90%.
[0163]
Embedded image
[0164]
<Azoiron compound production example 5>
In azo iron compound production example 1, an azo iron compound (V) represented by the following formula (V) was used in the same manner as in azo iron compound production example 1 except that 6-methyl-2-naphthol was used as a raw material. ) The crystallinity of the azo iron compound (V) was 91%.
[0165]
Embedded image
[0166]
<Azoiron compound production example 6>
In the azo iron compound production example 1, an azo iron compound (VI) represented by the following formula (VI) using the same method as in the azo iron compound production example 1 except that 3-n-butyl 2-naphthol was used as a raw material. VI) was obtained. The crystallinity of the azo iron compound (VI) was 84%.
[0167]
Embedded image
[0168]
<Azoiron compound production example 7>
In azo iron compound production example 1, it is represented by the following formula (VII) using the same method as in azo iron compound production example 1 except that 2-naphthol and 4-methyl-2-aminophenol were used as raw materials. Azo iron compound (VII) was obtained. The crystallinity of the azo iron compound (VII) was 91%.
[0169]
Embedded image
[0170]
<Azoiron compound production example 8>
In the azo iron compound production example 7, the reaction solution in N, N-dimethylformamide (DMF) was dispersed in water without performing the crystallization process in isopropanol, filtered, washed with water, dried, and amorphous. A azo iron compound (VIII) was obtained. The crystallinity of the azo iron compound (VIII) was 15%.
[0171]
<Azoiron compound production example 9>
In azo iron compound production example 1, an azo iron compound (IX) represented by the following formula (IX) was obtained using the same method as in azo iron compound production example 1 except that 2-naphthol was used as a raw material. . The crystallinity of the azo iron compound (IX) was 95%.
[0172]
Embedded image
[0173]
<Azochrome Compound Production Example 10>
In the azo iron compound production example 1, except that 2 naphthol, 4-t-pentyl-2-aminophenol, and chromium (III) formate were used, the following formula was used. The azochrome compound (X) represented by (X) was obtained. The crystallinity of the azochrome compound (X) was 88%.
[0174]
Embedded image
[0175]
(Production example of magnetic iron oxide)
(Production Example 1)
After adding sodium silicate so that the silicon element content is 0.48% in the ferrous sulfate aqueous solution, the caustic soda solution is mixed to prepare an aqueous solution containing ferrous hydroxide. did. Air was blown in while adjusting the pH of the aqueous solution, and an oxidation reaction was performed at 80 to 90 ° C. to prepare a slurry liquid for generating seed crystals.
[0176]
When the generation of seed crystals was confirmed, an aqueous ferrous sulfate solution was added to the slurry liquid as appropriate, and air was blown in while adjusting the pH of the slurry liquid to advance the oxidation reaction. In the meantime, while checking the unreacted ferrous hydroxide concentration, checking the rate of progress of the reaction, adding zinc sulfate as appropriate, and further adjusting the pH of the aqueous solution to control the distribution of metal elements in the magnetic iron oxide Thus, the oxidation reaction was completed. The produced magnetic iron oxide particles were washed, filtered, dried and pulverized by a conventional method to obtain
[0177]
Table 1 shows the relationship and characteristics of the contents of the iron element, Zn element and silicon element of the
[0178]
(Production Examples 2 to 8)
Magnetic iron oxides 2 to 8 having the physical properties shown in Table 1 were obtained in the same manner as in Production Example 1 except that the addition amount of sodium silicate and the addition amount of zinc sulfate were changed.
[0179]
[Table 1]
[0180]
[Example 1]
Styrene-n-butyl acrylate copolymer (copolymerization ratio = 70: 30, Mw =
300,000, Tg = 60 ° C.) 100 parts by mass
-
・ 2 parts by mass of iron azo compound (I)
・ Low molecular weight polypropylene 3 parts by mass
The above mixture is melt-kneaded with a biaxial extruder heated to 140 ° C., the cooled kneaded product is coarsely pulverized with a hammer mill, the coarsely pulverized product is finely pulverized with a jet mill, and the obtained finely pulverized powder is fixed to a fixed wall. Classification with a type wind classifier to produce classified powder. Furthermore, the finely divided powder and the coarse powder are strictly classified and removed at the same time by a multi-division classifying apparatus (Nippon Mining Co., Ltd. elbow jet classifier) using the Coanda effect, and the weight average particle diameter (D4) 6.7 μm negatively chargeable magnetic toner particles were obtained.
[0181]
Hydrophobic silica fine powder (BET 200 m) treated with 100 parts by mass of the magnetic toner particles and treated with dimethyldichlorosilane, then with hexamethyldisilazane, and then with dimethylsilicone oil.2/ G) 1.2 parts by mass was mixed with a Henschel mixer to prepare negatively chargeable
[0182]
(Image output test)
Using an image forming apparatus in which a Canon laser beam printer LBP-1760 was modified from 16 sheets / minute to 24 sheets / minute, 500 g of the
[0183]
A printout test was performed on 20,000 sheets while supplying toner in a high temperature and high humidity environment (32.5 ° C., 85% RH) and a low temperature and low humidity environment (15 ° C., 10% RH). Were evaluated for the following items.
[0184]
(1) Image density
Ordinary paper for ordinary copying machines (basis weight: 75 g / m2) And the image density of the image printed out. For the image density, a “Macbeth reflection densitometer” (manufactured by Macbeth) was used to measure a relative density with respect to a printout image of a white background portion having an original density of 0.00.
[0185]
(2) fog
From the difference (DS−Dr) between the whiteness (Dr) of the transfer paper before printing and the whiteness (DS) of the transfer paper after printing measured with a reflectometer (manufactured by Tokyo Denshoku Co., Ltd.) The fog was calculated. The environment for image formation was low temperature and low humidity (15 ° C., 10% RH).
[0186]
(3) Toner consumption
After printing 1000 sheets in a room temperature and humidity environment (23 ° C., 60% RH) using the above-mentioned image printing tester, the latent image line width is set to about 420 μm with a 600-dot 10-dot horizontal line pattern, 5000 images with a printing rate of 4% were output on A4 size paper, and the consumption was determined from the change in the amount of toner in the developing unit. Further, a solid black image was output, and the image density at this time was confirmed.
[0187]
Further, a 10-dot horizontal line pattern latent image (latent image line width of about 420 μm) of 600 dpi was written at 1 cm intervals, developed, and transferred and fixed on a PET OHP. Using the surface roughness meter Surfcoder SE-30H (manufactured by Kosaka Laboratories), the obtained horizontal line pattern image is obtained as a profile of the surface roughness on the horizontal line, and the line width is obtained from the width of this profile. It was. When the line width is slightly larger than the latent image line width, an image with the highest sharpness can be obtained, and the fine line reproducibility decreases as the line width becomes narrower.
[0188]
A toner having a high image density, an appropriate line width, and a low toner consumption is preferable, and a toner having a low image density and a low toner consumption, and a toner having a low line width and a low toner consumption are preferred forms. Absent.
[0189]
(4) Image quality
An isolated 1-dot pattern was drawn using the above-described image-drawing tester, and the dot reproducibility was evaluated by observing the image with an optical microscope.
○: There is no protrusion of toner from the latent image, and the dots are completely reproduced.
Δ: Some protrusion of toner from the latent image
×: Toner sticks out from latent image
[0190]
(5) Trailing
A pattern in which a 4-dot horizontal line was printed in a 20-dot space was drawn using the image-drawing tester, and the number of tails on the line was counted.
Y: No occurrence
○ △: Less than 3
Δ: Less than 3-7
X: Less than 7-15
×: 15 or more
[0191]
[Example 212, Reference Examples 1 and 2And Comparative Examples 1 to 4]
Negatively charged magnetic toners 2 to 18 were prepared and evaluated in the same manner as in Example 1 except that the magnetic iron oxide and azo iron compound were changed as shown in Table 2.
[0192]
The evaluation results are shown in Table 2.
[0193]
[Table 2]
[0194]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a toner that maintains high image quality and high image density even in long-term use, has excellent environmental stability, does not cause tailing, and consumes less toner.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows an X-ray diffraction spectrum of an azo iron compound (I) used in the present invention.
FIG. 2 shows the relationship between the content of each metal element in magnetic iron oxide and the iron element dissolution rate of
FIG. 3 shows the relationship between the content of each metal element in magnetic iron oxide and the iron element dissolution rate of
Claims (16)
該有機金属化合物は、下記一般式(a),(b)又は(c)で表されるモノアゾ化合物より生成される構造を有するアゾ鉄化合物であり、該アゾ鉄化合物は結晶化度が70%以上であり、
該磁性酸化鉄は、少なくともZnを磁性酸化鉄を基準として0.1乃至4.0質量%含有することを特徴とするトナー。
The organometallic compound is an azo iron compound having a structure formed from a monoazo compound represented by the following general formula (a), (b) or (c), and the azo iron compound has a crystallinity of 70%. That's it,
The toner according to claim 1, wherein the magnetic iron oxide contains at least Zn in an amount of 0.1 to 4.0 mass% based on the magnetic iron oxide.
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