JP4140745B2 - 字幕へのタイミング情報付与方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ほぼ共通の電子化原稿をアナウンス用と字幕用の双方に利用する形態を想定して字幕番組を制作する字幕番組制作システムに適用される字幕へのタイミング情報付与方法に係り、特に、文頭などの各所に字幕の提示に関するタイミング情報が付与された字幕の基となる字幕文テキストを、所定の提示形式に従う適切箇所で分割後の提示単位字幕の各々に対し、その分割箇所に対応した高精度のタイミング情報を自動的に付与し得る字幕へのタイミング情報付与方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現代は高度情報化社会と一般に言われているが、聴覚障害者は健常者と比較して情報の入手が困難な状況下におかれている。
【0003】
すなわち、例えば、情報メディアとして広く普及しているTV放送番組を例示して、日本国内の全TV放送番組に対する字幕番組の割合に言及すると、欧米では33〜70%に達しているのに対し、わずか10%程度ときわめて低くおかれているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さて、日本国内の全TV放送番組に対する字幕番組の割合が欧米と比較して低くおかれている要因としては、主として字幕番組制作技術の未整備を挙げることができる。具体的には、日本語特有の問題も有り、字幕番組制作工程のほとんどが手作業によっており、多大な労力・時間・費用を要するためである。
【0005】
そこで、本発明者らは、字幕番組制作技術の整備を妨げている原因究明を企図して、現行の字幕番組制作の実体調査を行った。
【0006】
図8の左側には、現在一般に行われている字幕番組制作フローを示してある。ステップS101において、字幕番組制作者は、タイムコードを映像にスーパーした番組データと、タイムコードを音声チャンネルに記録した番組テープと、番組台本との3つの字幕原稿作成素材を放送局から受け取る。なお、図中において「タイムコード」を「TC」と略記する場合があることを付言しておく。
【0007】
ステップS103において、放送関係経験者等の専門家は、ステップS101で受け取った字幕原稿作成素材を基に、(1)番組アナウンスの要約書き起こし、(2)別途規定された字幕提示の基準となる原稿作成要領に従う字幕提示イメージ化、(3)その開始・終了タイムコード記入、の各作業を順次行ない、字幕原稿を作成する。
【0008】
ステップS105において、入力オペレータは、ステップS103で作成された字幕原稿をもとに電子化字幕を作成する。
【0009】
ステップS107において、ステップS105で作成された電子化字幕を、担当の字幕制作責任者、原稿作成者、及び入力オペレータの三者立ち会いのもとで試写・修正を行い、完成字幕とする。
【0010】
ところで、最近では、番組アナウンスの要約書き起こしと字幕の電子化双方に通じたキャプションオペレータと呼ばれる人材を養成することで、図8の右側に示す改良された現行字幕制作フローも一部実施されている。
【0011】
すなわち、ステップS111において、字幕番組制作者は、タイムコードを音声チャンネルに記録した番組テープと、番組台本との2つの字幕原稿作成素材を放送局から受け取る。
【0012】
ステップS113において、キャプションオペレータは、タイムコードを音声チャンネルに記録した番組テープを再生し、セリフの開始点でマウスのボタンをクリックすることでその点の音声チャンネルから始点タイムコードを取り出して記録する。さらに、セリフを聴取して要約電子データとして入力するとともに、字幕原稿作成要領に基づく区切り箇所に対応するセリフ点で再びマウスのボタンをクリックすることでその点の音声チャンネルから終点タイムコードを取り出して記録する。これらの操作を番組終了まで繰り返して、番組全体の字幕を電子化する。
【0013】
ステップS117において、ステップS105で作成された電子化字幕を、担当の字幕制作責任者、及びキャプションオペレータの二者立ち会いのもとで試写・修正を行い、完成字幕とする。
【0014】
後者の改良された現行字幕制作フローでは、キャプションオペレータは、タイムコードを音声チャンネルに記録した番組テープのみを使用して、セリフの要約と電子データ化を行うとともに、提示単位に分割した字幕の始点/終点にそれぞれ対応するセリフのタイミングでマウスボタンをクリックすることにより、音声チャンネルの各タイムコードを取り出して記録するものであり、かなり省力化された効果的な字幕制作フローといえる。
【0015】
さて、上述した現行字幕制作フローにおける一連の処理の流れの中で特に多大な工数を要するのは、ステップS103乃至S105又はステップS113の、(1)番組アナウンスの要約書き起こし、(2)字幕提示イメージ化、(3)その開始・終了タイムコード記入、の各作業工程であり、これらの作業工程は熟練者の知識・経験に負うところが大きい。
【0016】
しかし、現在放送中の字幕番組のなかで、予めアナウンス原稿が作成され、その原稿がほとんど修正されることなく実際の放送字幕となっていると推測される番組がいくつかある。例えば、「生きもの地球紀行」という字幕付き情報番組を実際に調べて見ると、アナウンス音声と字幕内容はほとんど共通であり、共通の原稿をアナウンス用と字幕用の双方に利用しているものと推測出来る。
【0017】
このようにアナウンス音声と字幕内容が極めて類似し、アナウンス用と字幕用の双方にほぼ共通の原稿を利用しており、その原稿が電子化されている番組を想定した場合、(1)の番組アナウンスの要約書き起こし作業はほとんど必要ないことになる。この場合、残る作業は、(2)の字幕提示イメージ化、及び(3)の開始・終了タイムコード記入、の各作業工程である。そこで、本発明者らは、これら各作業工程の簡略化を企図して鋭意研究を進めた結果、(3)の開始・終了タイムコード記入の工程を、人手を介することなく自動化できる新規な技術を想到するに至ったのである。
【0018】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、文頭などの各所に字幕の提示に関するタイミング情報が付与された字幕の基となる字幕文テキストを、所定の提示形式に従う適切箇所で分割後の提示単位字幕の各々に対し、その分割箇所に対応した高精度のタイミング情報を自動的に付与し得る字幕へのタイミング情報付与方法を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、字幕番組を制作するにあたり、少なくとも字幕の基となる字幕文テキストを、所定の提示形式に従う適切箇所で分割後の提示単位字幕の各々に対し、その分割箇所に対応したタイミング情報を付与する際に用いられる字幕へのタイミング情報付与方法であって、前記所定の提示形式に従う適切箇所で分割前の字幕文テキストの各所に対し、基準となるタイミング情報を付与しておき、前記字幕文テキストを前記適切箇所で分割していくことで提示単位字幕化を行い、前記基準となるタイミング情報と、各提示単位字幕が呈する文字種及び文字数又は発音記号列を含む文字情報と、に基づいて、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算し、前記字幕文テキストを前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の各々に対し、前記類推演算したタイミング情報を自動的に付与することを要旨とする。
【0020】
請求項1の発明によれば、所定の提示形式に従う適切箇所で分割前の字幕文テキストの各所に対し、基準となるタイミング情報を付与しておき、字幕文テキストを前記適切箇所で分割していくことで提示単位字幕化を行い、前記基準となるタイミング情報と、各提示単位字幕が呈する文字種及び文字数又は発音記号列を含む文字情報と、に基づいて、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算し、字幕文テキストを前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の各々に対し、前記類推演算したタイミング情報を自動的に付与するので、したがって、字幕文テキストを所定の提示形式に従う適切箇所で分割後の提示単位字幕の各々に対し、その分割箇所に対応した高精度のタイミング情報を自動的に付与可能な字幕へのタイミング情報付与方法を得ることができる。
【0021】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の字幕へのタイミング情報付与方法であって、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算するにあたり、前記基準となるタイミング情報と、前記各提示単位字幕が呈する文字種及び文字数を含む文字情報と、に基づいて、漢字・アラビア数字・英字を含むその他の文字の読み時間を、ひらがな又はカタカナを含む文字の読み時間に対し、統計的な調査から得られる所定倍率に時間換算することで、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算することを要旨とする。
【0022】
請求項2の発明によれば、適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算するにあたり、前記基準となるタイミング情報と、前記各提示単位字幕が呈する文字種及び文字数を含む文字情報と、に基づいて、漢字・アラビア数字・英字を含むその他の文字の読み時間を、ひらがな又はカタカナを含む文字の読み時間に対し、統計的な調査から得られる所定倍率に時間換算することで、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算するので、したがって、全字幕文字を対象とした複雑かつ一定の処理時間を要する同期検出技術の適用を要しない結果として、字幕の提示に関する即時性の良好な維持を期待することができる。
【0023】
さらに、請求項3の発明は、請求項2に記載の字幕へのタイミング情報付与方法であって、前記統計的な調査から得られる所定倍率は、約1.86倍であることを要旨とする。
【0024】
請求項3の発明によれば、前記統計的な調査から得られる所定倍率は、例えば約1.86倍に設定することができる。
【0025】
一方、請求項4の発明は、請求項1に記載の字幕へのタイミング情報付与方法であって、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算するにあたり、前記基準となるタイミング情報と、各提示単位字幕が呈する発音記号列を含む文字情報と、に基づいて、各発音記号の音素にそれぞれ対応する読み時間を統計的手法を用いてテーブル化した音素時間表を参照しながら、各提示単位字幕に含まれる発音記号列びの各音素時間を積算することで、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算することを要旨とする。
【0026】
請求項4の発明によれば、適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算するにあたり、前記基準となるタイミング情報と、各提示単位字幕が呈する発音記号列を含む文字情報と、に基づいて、各発音記号の音素にそれぞれ対応する読み時間を統計的手法を用いてテーブル化した音素時間表を参照しながら、各提示単位字幕に含まれる発音記号列びの各音素時間を積算することで、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算するので、したがって、請求項2の発明と同様に、全字幕文字を対象とした複雑かつ一定の処理時間を要する同期検出技術の適用を要しない結果として、字幕の提示に関する即時性の良好な維持を期待することができる。
【0027】
そして、請求項5の発明は、請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載の字幕へのタイミング情報付与方法であって、前記タイミング情報は、時間比率の手法を用いて類推演算されることを要旨とする。
【0028】
請求項5の発明によれば、前記タイミング情報は、時間比率の手法を用いて類推演算されるので、したがって、簡便な手法をもって比較的高精度のタイミング情報の類推演算を実現することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る字幕へのタイミング情報付与方法の一実施形態について、図に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明に係る字幕へのタイミング情報付与方法を具現化する自動字幕番組制作システムの機能ブロック構成図、図2は、実際のTVニュース文を対象とした平均読み数の調査結果を表す図、図3は、文字種に着目したタイミング情報付与方法における時間誤差の試算結果を表す図、図4は、本発明の説明に供する分割字幕文を表す図、図5は、発音記号列に着目したタイミング情報付与方法において利用する音素時間表の一例を表す図、図6乃至図7は、アナウンス音声に対する字幕送出タイミングの同期検出技術に係る説明に供する図である。
【0031】
なお、本発明の実施形態で採用する所定の提示形式として、1行当たりの制限文字数Nを15文字とし、2行からなる提示単位字幕を一括総入れ換えする提示形式を例示して、以下の説明を進めることにする。
【0032】
既述したように、現在放送中の字幕番組のなかで、予めアナウンス原稿が作成され、その原稿がほとんど修正されることなく実際の放送字幕となっていると推測される番組がいくつかある。例えば、「生きもの地球紀行」という字幕付き情報番組を実際に調べて見ると、アナウンス音声と字幕内容はほぼ共通であり、ほぼ共通の原稿をアナウンス用と字幕用の両方に利用していると推測出来る。
【0033】
そこで、本発明者らは、このようにアナウンス音声と字幕の内容が極めて類似し、アナウンス用と字幕用の両方に共通の原稿を利用しており、その原稿が電子化されている番組を想定したとき、少なくとも文頭などに字幕の提示に関するタイミング情報が各所に付与された字幕の基となる字幕文テキストを、所定の提示形式に従う適切箇所で分割後の提示単位字幕の各々に対し、その分割箇所に対応した高精度のタイミング情報を自動的に付与し得る字幕へのタイミング情報付与方法を想到するに至ったのである。
【0034】
ここで、本発明を想到するに至った背景について述べると、より読みやすく、理解しやすい字幕の観点から字幕文テキストの分割問題を考える場合、当然ながら読みやすく、理解しやすい字幕とはどのようなものかが問題となる。この問題に対する定量的に明確な回答は未だ見出せていないが、しかし、実験字幕番組の制作や字幕評価実験などの貴重な経験を通して、定性的ながら考慮すべき要素が明らかになりつつある。
【0035】
字幕の読み易さ、理解し易さの観点からは、一般にある程度以上の文字数が同時的に提示され、この提示が所要時間継続しているのが良いといわれるが、文字数や提示継続時間は、提示する字幕がどのように読まれるかと大きく関わる。
【0036】
例えば聴覚障害者が字幕付テレビ番組を見る場合を想定すると、視覚を介して、映像情報と音声情報とを交互に見ることになるので、本来字幕は間欠的にしか見ることが出来ない。そのため、音声情報をより読みやすく、理解しやすい字幕として提示することで、字幕を見ている割合を出来るだけ少なくして、その分だけ映像を多く見られるようにするのが望ましい。
【0037】
この場合の字幕の見方は、字幕の提示形式にも依存するが、例えば2行の提示単位字幕を一括入れ換えする提示形式を例示し、提示される全字幕の捕捉を試みた場合、一般的には、基準となる字幕文字(例えば、音声アナウンスの進行に対応する文字)を中心として、先読み、後読みもしくはその両方を行うことになる。
【0038】
先読み、後読みもしくはその両方を行うことになる要因としては、映像の注視又はまばたきや脇見などを含む字幕から目を離している見逃し動作時間が存在するからであり、1回当たりの見逃し動作時間の長さは、経験的には0.5〜2秒間程度であると思われる。
【0039】
ここで、字幕の提示速度を200字/分と想定すると、その最大時間である2秒間は約7文字に相当し、このことから、1回の見逃し動作で7文字分の字幕文字を見逃すおそれがあることがわかる。
【0040】
このことから、基準となる字幕文字を中心に連続した14文字が最低限の提示単位として必要であり、再び字幕に注視点が戻って字幕を読み取り、認識する分を前後各5〜7文字とすると、内容の連続した24〜29文字程度の字幕を同時に画面提示するのが望ましいことがわかる。ちなみに現行の字幕放送では一行15文字で二行提示が多く、最大30文字程度まで提示されている。
【0041】
また、上記の分析結果に従い、字幕が提示されてから実際に読まれるまで最悪2秒間程度必要なものと仮定すると、文字数が7文字以下の字幕を文字数相当の時間のみ提示した場合には、この提示字幕が全く読まれないおそれがある。例えば日本語の特質上、否定文では否定語が文末におかれるので、この否定語部分が上記の状態に該当するような分割はきわめて悪い影響をもたらす可能性があり、このような分割は可及的に回避する必要がある。
【0042】
その対策として、少ない文字数への分割をしない、又は少ない文字数では提示時間を長くする、などの手法を適用するのが望ましい。
【0043】
次の問題は、例えば文間の無音区間、つまりポーズの取り扱いである。字幕文中に長いポーズが存在する場合には、このポーズの前後は相互に異なる内容に関わる字幕文である可能性が高いことから、そのポーズにまたがるような字幕提示は好ましくない。逆に極めて短いポーズが存在する場合には、このポーズの前後は相互に共通の内容に関わる字幕文である可能性が高いことから、むしろ連続した字幕文として取り扱う方が好ましい。このことから、ポーズ時間の長さを考慮した字幕文の分割手法を適用するのが望ましい。
【0044】
さらに、ひとかたまりの文字群は可能な限り分割せず、同一行に提示するのが望ましい。この例として、通常の単語のみならず、連続する漢字、カタカナ、アラビア数字、英字などがあり、(xxx)や「xxx」などと表わさるルビ、略称に対する正式呼称、注釈などもこの範疇として取り扱う。
【0045】
このように、より読みやすく、理解しやすい字幕を得ることを目的として字幕文テキストを分割するにあたっては、上述した要素を充分考慮する必要がある。ところが、この字幕文テキストの分割に伴い、適切箇所で分割後の提示単位字幕の各々に対し、その分割箇所に対応したタイミング情報を付与しなければならないといった新たな課題を生ずる。
【0046】
そこで、本発明は、本発明で提案するアナウンス音声と字幕文テキストの同期検出技術、及び日本語の読み及びその発音に関する統計的特徴解析手法等を適用することにより、所定の提示形式に従って適切箇所で分割された提示単位字幕の各々に対し、その分割箇所に対応した高精度のタイミング情報の自動付与を実現するようにしている。
【0047】
さて、本実施形態の説明に先立って、以下の説明で使用する用語の定義付けを行うと、本実施形態の説明において、提示対象となる字幕文の全体集合を「字幕文テキスト」と言い、字幕文テキストのうち、適宜の句点で区切られたひとかたまりの字幕文の部分集合を「単位字幕文」と言い、ディスプレイの表示画面上において提示単位となる字幕を「提示単位字幕」と言い、提示単位字幕に含まれる各行の個々の字幕を表現するとき、これを「提示単位字幕行」と言い、提示単位字幕行のうちの任意の文字を表現するとき、これを「字幕文字」と言うことにする。なお、表示画面上に単独行の提示単位字幕を提示するとき、「提示単位字幕」と「提示単位字幕行」とは同義となるため、この場合、「提示単位字幕行」の表現はあえて使用しないことととする。
【0048】
まず、本発明に係る字幕へのタイミング情報付与方法を具現化する自動字幕番組制作システム11の概略構成について、図1を参照して説明する。
【0049】
同図に示すように、自動字幕番組制作システム11は、電子化原稿記録媒体13と、同期検出装置15と、統合化装置17と、形態素解析部19と、分割ルール記憶部21と、番組素材VTR例えばディジタル・ビデオ・テープ・レコーダ(以下、「D−VTR」と言う)23と、を含んで構成されている。
【0050】
電子化原稿記録媒体13は、例えばハードディスク記憶装置やフロッピーディスク装置等より構成され、提示対象となる字幕の全体集合を表す字幕文テキストを記憶している。なお、本実施形態では、ほぼ共通の電子化原稿をアナウンス用と字幕用の双方に利用する形態を想定しているので、電子化原稿記録媒体13に記憶される字幕文テキストの内容は、提示対象字幕と一致するばかりでなく、素材VTRに収録されたアナウンス音声とも一致しているものとする。
【0051】
同期検出装置15は、同期検出点付字幕文と、これを読み上げたアナウンス音声との間における時間同期を検出する機能等を有している。さらに詳しく述べると、同期検出装置15は、統合化装置17で付与した同期検出点付字幕文が送られてくると、この字幕文に関し、番組素材VTRから取り込んだこの字幕文に対応するアナウンス音声及びそのタイムコードを参照して、指定された同期検出点のタイミング情報、すなわちタイムコードを検出するとともに、このアナウンス音声に含まれるポーズ点を検出し、検出したタイムコードやポーズ点を統合化装置17宛に送出する機能を有している。
【0052】
なお、上述したタイミング情報としてのタイムコードの同期検出は、本発明者らが研究開発したアナウンス音声を対象とした音声認識処理を含むアナウンス音声と字幕文テキスト間の同期検出技術を適用することで高精度に実現可能である。
【0053】
すなわち、字幕送出タイミング検出の流れは、図6に示すように、まず、かな漢字交じり文で表記されている字幕文テキストを、音声合成などで用いられている読付け技術を用いて発音記号列に変換する。この変換には、「日本語読付けシステム」を用いる。次に、あらかじめ学習しておいた音響モデル(HMM:隠れマルコフモデル)を参照し、「音声モデル合成システム」によりこれらの発音記号列をワード列ペアモデルと呼ぶ音声モデル(HMM)に変換する。そして、「最尤照合システム」を用いてワード列ペアモデルにアナウンス音声を通して比較照合を行うことにより、字幕送出タイミングの同期検出を行う。
【0054】
字幕送出タイミング検出の用途に用いるアルゴリズム(ワード列ペアモデル)は、キーワードスポッティングの手法を採用している。キーワードスポッティングの手法として、フォワード・バックワードアルゴリズムにより単語の事後確率を求め、その単語尤度のローカルピークを検出する方法が提案されている。ワード列ペアモデルは、図7に示すように、これを応用して字幕と音声を同期させたい点、すなわち同期点の前後でワード列1 (Keywords1)とワード列2 (Keywords2)とを連結したモデルになっており、ワード列の中点(B)で尤度を観測してそのローカルピークを検出し、ワード列2の発話開始時間を高精度に求めることを目的としている。ワード列は、音素HMMの連結により構成され、ガーベジ (Garbage)部分は全音素HMMの並列な枝として構成されている。また、アナウンサが原稿を読む場合、内容が理解しやすいように息継ぎの位置を任意に定めることから、ワード列1,2間にポーズ (Pause)を挿入している。なお、ポーズ時間の検出に関しては、素材VTRから音声とそのタイムコードが供給され、その音声レベルが指定レベル以下で連続する開始、終了タイムコードから、周知の技術で容易に達成できる。
【0055】
統合化装置17は、電子化原稿記録媒体13から読み出した字幕文テキストのうち、文頭を起点とした所要文字数範囲を目安とした単位字幕文を順次抽出する単位字幕文抽出機能と、単位字幕文抽出機能を発揮することで抽出した単位字幕文を、所望の提示形式に従う提示単位字幕に変換する提示単位字幕化機能と、提示単位字幕化機能を発揮することで変換された提示単位字幕に対し、同期検出装置15から送出されてきたタイムコード及びポーズ点を利用してタイミング情報を付与するタイミング情報付与機能と、を有している。
【0056】
形態素解析部19は、漢字かな交じり文で表記されている単位字幕文を対象として、形態素毎に分割する分割機能と、分割機能を発揮することで分割された各形態素毎に、表現形、品詞、読み、標準表現などの付加情報を付与する付加情報付与機能と、各形態素を文節や節単位にグループ化し、いくつかの情報素列を得る情報素列取得機能と、を有している。これにより、単位字幕文は、表面素列、記号素列(品詞列)、標準素列、及び情報素列として表現される。
【0057】
分割ルール記憶部21は、単位字幕文を対象とした改行・改頁箇所の最適化を行う際に参照される分割ルールを記憶する機能を有している。
【0058】
D−VTR23は、番組素材が収録されている番組素材VTRテープから、映像、音声、及びそれらのタイムコードを再生出力する機能を有している。
【0059】
次に、自動字幕番組制作システム11において主要な役割を果たす統合化装置17の内部構成について説明していく。
【0060】
統合化装置17は、単位字幕文抽出部33と、提示単位字幕化部35と、タイミング情報付与部37と、を含んで構成されている。
【0061】
単位字幕文抽出部33は、電子化原稿記録媒体13から読み出した、単位字幕文が提示時間順に配列された字幕文テキストのなかから、例えば70〜90字幕文字程度を目安とし、付加した区切り可能箇所情報等を活用するなどして処理単位とするテキスト文を順次抽出する機能を有している。なお、区切り可能箇所情報としては、形態素解析部19で得られた文節データ付き形態素解析データ、及び分割ルール記憶部21に記憶されている分割ルール(改行・改頁データ)を利用することもできる。ここで、上述した分割ルール(改行・改頁データ)について述べると、分割ルール(改行・改頁データ)で定義される改行・改頁推奨箇所は、第1に句点の後ろ、第2に読点の後ろ、第3に文節と文節の間、第4に形態素品詞の間、を含んでおり、分割ルール(改行・改頁データ)を適用するにあたっては、上述した記述順の先頭から優先的に適用するのが好ましい。
【0062】
提示単位字幕化部35は、単位字幕文抽出部33で抽出した単位字幕文、単位字幕文に付加した区切り可能箇所情報、及び同期検出装置15からの情報等に基づいて、単位字幕文抽出部33で抽出した単位字幕文を、所望の提示形式に従う少なくとも1以上の提示単位字幕に変換する提示単位字幕化機能を有している。
【0063】
タイミング情報付与部37は、提示単位字幕化部35で変換された提示単位字幕に対し、同期検出装置15から送出されてきたタイムコード及びポーズ点を利用し、後述のタイミング内挿手法を用いてタイミング情報を付与するタイミング情報付与機能を有している。
【0064】
次に、本発明に係る字幕へのタイミング情報付与方法について、図2乃至図5を参照しつつ説明する。
【0065】
既述したように、アナウンス音声に対応する字幕に関するタイミング情報の同期検出は、本発明者らが研究開発したアナウンス音声を対象とした音声認識処理を含むアナウンス音声と字幕文テキスト間の同期検出技術を適用することで高精度に実現可能であるが、この同期検出処理はかなり複雑であり、一定の処理時間を要するために、各提示単位字幕の全ての始点/終点タイムコードを対象として同期検出技術を適用したのでは、同期検出点が過多となり、字幕の提示に関する即時性が損なわれてしまうおそれがある。
【0066】
ここで、字幕へのタイミング情報付与時期に着目して字幕へのタイミング情報付与方法を分析すると、分割後の字幕に基づくタイミング情報付与形態と、分割前の字幕に基づくタイミング情報付与形態と、に大別することができる。
【0067】
分割後の字幕に基づくタイミング情報付与形態では、付与対象となる字幕が確定しているので、その始点/終点においてアナウンス音声と字幕文テキスト間を比較することで同期検出を行い、始点/終点毎のタイミング情報を各々付与すればよい。
【0068】
この形態は、字幕に対して直接的にタイミング情報を割り付け付与することから最も確実でその同期精度も高い反面、同一の字幕文テキストを基に種々の提示形式に従う字幕を制作する場合であっても、各提示形式毎に複雑かつ一定の処理時間を要する同期検出を行わなければならない結果として、字幕の提示に関する即時性が損なわれてしまうおそれがあるといった課題を内在している。
【0069】
これに対し、分割前の字幕に基づくタイミング情報付与形態は、同一の字幕文テキストから種々の提示形式に従う字幕を制作する場合にも適したものである。この場合、まず、分割前の字幕文テキストに対し、例えば文頭などの各所に適当な間隔をおいて、同期検出技術を適用することで基準となるタイミング情報を付与しておき、その後、字幕文テキストを所定の提示形式に従う適切箇所で分割していくことで提示単位字幕化を行い、基準となるタイミング情報と、提示単位字幕が呈する文字種及び文字数、又は発音記号列などを含む文字情報と、に基づいて、後述する内挿法を適用することで類推演算したタイミング情報を、各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するといった手順を踏むので、各提示単位字幕の全ての始点/終点を対象とした複雑かつ一定の処理時間を要する同期検出技術の適用を要しない結果として、字幕の提示に関する即時性の良好な維持を期待することができる。
【0070】
ここで、分割前の字幕に基づくタイミング情報内挿付与形態は、さらに、文字種に着目したタイミング情報付与方法と、発音記号列に着目したタイミング情報付与方法と、に大別することができる。なお、以下の説明において、文字種に着目したタイミング情報付与方法を第1のタイミング情報付与方法と呼ぶ一方、発音記号列に着目したタイミング情報付与方法を第2のタイミング情報付与方法と呼ぶ場合があることを付言しておく。
【0071】
第1のタイミング情報付与方法では、提示単位字幕が呈する文字情報として文字種及び文字数を利用し、タイミング情報を類推演算するにあたっては、漢字・アラビア数字・英字などを含むその他の文字の読み時間を、ひらがな又はカタカナを含む文字の読み時間に対し、例えば図2に示すように、実際のTVニュース文に含まれるこれら文字種の発音数を対象とした統計的な調査から得られる、約1.86倍などの所定倍率に時間換算し、ひらがな又はカタカナが呈する読み時間と、その他の文字が呈する読み時間換算値と、の積算値、及び基準となるタイミング情報に基づいて、字幕に付与するタイミング情報を類推演算する。そして、この類推演算結果をタイミング情報として、分割後の提示単位字幕に内挿付与するのである。
【0072】
第1のタイミング情報付与方法について、図4に示すニュース文を例示してさらに詳しく述べると、分割字幕文1の文頭「t」と、分割字幕文2の文末「a」と、に予め基準となるタイミング情報が付与されており、それぞれのタイミング情報をTB,TEと想定した場合において、分割字幕文2の文頭「i」のタイミング情報TMは、下記の手順によって類推演算する。
【0073】
まず、分割字幕文1に含まれるひらがな又はカタカナの文字数は12、その他の漢字等の文字数は7であり、また、分割字幕文2に含まれるひらがな又はカタカナの文字数は11、その他の漢字等の文字数は3である。ひらがな又はカタカナの読み時間を「1」と想定したとき、分割字幕文1,2の総読み時間TR1,TR2は次式1,2により求められる。
【0074】
TR1=(12*1)+(7*1.86)=25 …(式1)
TR2=(11*1)+(3*1.86)=16.6 …(式2)
この計算結果である分割字幕文1,2の各総読み時間TR1,TR2を活用して、分割字幕文1,2間の分割点である分割字幕文2の文頭「i」のタイミング情報TMを、時間比率の手法を用いて次式3によって類推演算する。
【0075】
TM=TB+(TE−TB)*TR1/(TR1+TR2)
=TB+(TE−TB)*0.6 …(式3)
このようにして、分割字幕文2の文頭「i」のタイミング情報TMを類推演算することができ、この類推演算結果TMをタイミング情報として、分割字幕文2の文頭「i」に付与するのである。なお、分割字幕文2の文頭「i」のタイミング情報TMは、分割字幕文1の文末「e」のタイミング情報として取り扱うこともできる。
【0076】
ここで、統計的手法によって求めた所定文字種の平均読み数を利用した第1のタイミング情報付与方法では、漢字・アラビア数字・英字を含むその他の文字の多少にかかわらず、どの字幕文に対しても例えば約1.86倍等の同一の倍率を適用する結果として、必然的に時間誤差を生ずるおそれがある。そこで、第1のタイミング情報付与方法における時間誤差が与える影響について考察してみる。
【0077】
まず、前提として、字幕の基となる字幕文テキストには、30文字毎の間隔をおいて同期検出技術を用いて検出した正確なタイミング情報が付与され、また、一行15文字の二行提示単位字幕とし、前頁二行目開始点と、着目している現頁一行目終了点と、の各々には正確なタイミング情報が付与されているものとし、さらに、平均読み数の標準値を1.862と想定する。そして、上述した前提下において、平均読み数が上記標準値とは異なる場合の着目している現頁一行目における開始点に該当するタイミング情報が呈する時間誤差を試算した。この時間誤差の試算結果を図3に示している。図3において、前頁二行目は全て漢字、現頁一行目は全てひらがなとし、字幕速度が5,6,7文字/秒の場合をそれぞれ示した。
【0078】
同図に示すように、この試算での最大時間誤差は0.162秒(遅れ)であるが、本発明者らが別途研究している字幕提示タイミングにおける時間誤差の許容範囲に関する評価実験結果から、概ね±1.0秒程度の時間誤差は許容範囲にあるとみなすことができるので、したがって、上述した統計的手法によって求めた文字種の平均読み数を利用した第1のタイミング情報付与方法は、簡便ながらかなり実用的な手法であると言うことができる。
【0079】
次に、発音記号列に着目した第2のタイミング情報付与方法では、提示単位字幕が呈する文字情報として、各提示単位字幕に含まれる発音記号列を利用して、各発音記号の音素にそれぞれ対応する読み時間を統計的手法を用いてテーブル化した例えば図5に示すような音素時間表を参照しながら、字幕に付与するタイミング情報を類推演算し、この類推演算結果をタイミング情報として、分割後の提示単位字幕に付与するのである。
【0080】
第2のタイミング情報付与方法について、図4に示すニュース文を例示してさらに詳しく述べると、分割字幕文1の文頭「t」と、分割字幕文2の文末「a」と、に予め基準となるタイミング情報が付与されており、それぞれのタイミング情報をTB,TEと想定した場合において、分割字幕文2の文頭「i」のタイミング情報TMは、下記の手順によって類推演算する。なお、図4における日本語読付け結果は、「,」で区切られた発音記号列であり、各発音記号で表示される「t」,「a」,「i」…などがそれぞれ音素である。この音素については、音声データベースの解析から得た図5に示す音素時間表を予め用意されているので、日本語読付け結果である音素の列びと、その音素に対応する読み時間である音素時間と、に基づいて、分割字幕文2の文頭「i」のタイミング情報TMを次述の内挿法を用いて類推演算することができる。
【0081】
すなわち、分割字幕文1,2の各々に対応する読付け1,2の音素列びから得られる総読み時間TR3,TR4は次式4,5により求められる。
【0082】
TR3=Tt+Ta+Ti+…+Ti+Tt+Te …(式4)
TR4=Ti+Tk+Te+…+Ti+Tt+Ta …(式5)
ここで、例えば、「Tt」とは、図5に示す音素時間表における音素「t」に対応する読み時間5.627316であり、また、「Ta」とは、音素時間表における音素「a」に対応する読み時間7.130941であり、以下同様に、各音素に対応する読み時間を音素時間表から取り出すことができる。
【0083】
この積算結果である分割字幕文1,2の各々に対応する読付け1,2の音素列びから得られる総読み時間TR3,TR4を活用して、分割字幕文1,2間の分割点である分割字幕文2の文頭「i」のタイミング情報TMを、時間比率の手法を用いて次式6によって類推演算する。
【0084】
TM=TB+(TE−TB)*TR1/(TR1+TR2) …(式6)
このようにして、分割字幕文2の文頭「i」のタイミング情報TMを類推演算することができ、この類推演算結果TMをタイミング情報として、分割字幕文2の文頭「i」に内挿付与するのである。なお、分割字幕文2の文頭「i」のタイミング情報TMは、分割字幕文1の文末「e」のタイミング情報として取り扱うこともできる。
【0085】
ここで、第2のタイミング情報付与方法によって付与したタイミング情報の時間誤差を簡単な実験により試算したところ、0.4秒程度に収束することが確認されており、本第2のタイミング情報付与方法は、概ね±1.0秒程度の時間誤差は許容範囲にあるとの評価実験結果を鑑みて、前述の文字種に着目した第1のタイミング情報付与方法と同様に、かなり実用的で有効な手法であると言うことができる。
【0086】
このように、本発明に係る字幕へのタイミング情報付与方法によれば、本発明で提案するアナウンス音声と字幕文テキストの同期検出技術、及び日本語の読み及びその発音に関する統計的特徴解析手法等を適用することにより、所定の提示形式に従って適切箇所で分割後の提示単位字幕の各々に対し、その分割箇所に対応した高精度のタイミング情報の自動付与を実現することができる。
【0087】
なお、本発明は、上述した実施形態の例に限定されることなく、請求の範囲内において適宜の変更を加えることにより、その他の態様で実施可能であることは言うまでもない。
【0088】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1の発明によれば、字幕文テキストを所定の提示形式に従う適切箇所で分割後の提示単位字幕の各々に対し、その分割箇所に対応した高精度のタイミング情報を自動的に付与可能な字幕へのタイミング情報付与方法を得ることができる。
【0089】
また、請求項2の発明によれば、全字幕文字を対象とした複雑かつ一定の処理時間を要する同期検出技術の適用を要しない結果として、字幕の提示に関する即時性の良好な維持を期待することができる。
【0090】
一方、請求項4の発明によれば、請求項2の発明と同様に、全字幕文字を対象とした複雑かつ一定の処理時間を要する同期検出技術の適用を要しない結果として、字幕の提示に関する即時性の良好な維持を期待することができる。
【0091】
そして、請求項5の発明によれば、簡便な手法をもって比較的高精度のタイミング情報の類推演算を実現することができるといったきわめて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る字幕へのタイミング情報付与方法を具現化する自動字幕番組制作システムの機能ブロック構成図である。
【図2】図2は、実際のTVニュース文を対象とした平均読み数の調査結果を表す図である。
【図3】図3は、文字種に着目したタイミング情報付与方法における時間誤差の試算結果を表す図である。
【図4】図4は、本発明の説明に供する分割字幕文を表す図である。
【図5】図5は、発音記号列に着目したタイミング情報付与方法において利用する音素時間表の一例を表す図である。
【図6】図6は、アナウンス音声に対する字幕送出タイミングの同期検出技術に係る説明に供する図である。
【図7】図7は、アナウンス音声に対する字幕送出タイミングの同期検出技術に係る説明に供する図である。
【図8】図8は、現行字幕制作フロー、及び改良された現行字幕制作フローに係る説明図である。
【符号の説明】
11 自動字幕番組制作システム
13 電子化原稿記録媒体
15 同期検出装置
17 統合化装置
19 形態素解析部
21 分割ルール記憶部
23 ディジタル・ビデオ・テープ・レコーダ(D−VTR)
33 単位字幕文抽出部
35 提示単位字幕化部
37 タイミング情報付与部

Claims (5)

  1. 字幕番組を制作するにあたり、少なくとも字幕の基となる字幕文テキストを、所定の提示形式に従う適切箇所で分割後の提示単位字幕の各々に対し、その分割箇所に対応したタイミング情報を付与する際に用いられる字幕へのタイミング情報付与方法であって、
    前記所定の提示形式に従う適切箇所で分割前の字幕文テキストの各所に対し、基準となるタイミング情報を付与しておき、
    前記字幕文テキストを前記適切箇所で分割していくことで提示単位字幕化を行い、
    前記基準となるタイミング情報と、各提示単位字幕が呈する文字種及び文字数又は発音記号列を含む文字情報と、に基づいて、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算し、
    前記字幕文テキストを前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の各々に対し、前記類推演算したタイミング情報を自動的に付与することを特徴とする字幕へのタイミング情報付与方法。
  2. 請求項1に記載の字幕へのタイミング情報付与方法であって、
    前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算するにあたり、
    前記基準となるタイミング情報と、前記各提示単位字幕が呈する文字種及び文字数を含む文字情報と、に基づいて、漢字・アラビア数字・英字を含むその他の文字の読み時間を、ひらがな又はカタカナを含む文字の読み時間に対し、統計的な調査から得られる所定倍率に時間換算することで、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算することを特徴とする字幕へのタイミング情報付与方法。
  3. 請求項2に記載の字幕へのタイミング情報付与方法であって、
    前記統計的な調査から得られる所定倍率は、約1.86倍であることを特徴とする字幕へのタイミング情報付与方法。
  4. 請求項1に記載の字幕へのタイミング情報付与方法であって、
    前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算するにあたり、
    前記基準となるタイミング情報と、各提示単位字幕が呈する発音記号列を含む文字情報と、に基づいて、各発音記号の音素にそれぞれ対応する読み時間を統計的手法を用いてテーブル化した音素時間表を参照しながら、各提示単位字幕に含まれる発音記号列びの各音素時間を積算することで、前記適切箇所で分割後の各提示単位字幕の始点/終点のうち少なくともいずれか一方に付与するタイミング情報を類推演算することを特徴とする字幕へのタイミング情報付与方法。
  5. 請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載の字幕へのタイミング情報付与方法であって、
    前記タイミング情報は、時間比率の手法を用いて類推演算されることを特徴とする字幕へのタイミング情報付与方法。
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