JP4138839B2 - ワイパ装置、特に自動車用のワイパ装置 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の上位概念部に記載された形式のワイパ装置、特に自動車用のワイパ装置に関する。

例えば自動車のボディの第１の部分に固定される支持体を備えたワイパ装置は、既に数多くのものが公知である。通常の形式では支持体は開口を有していて、この開口を通してねじ又はリベットを引っ張ることができ、これによってワイパ装置を、複数のねじ及び種々様々な緩衝エレメントを用いて、ボディにねじ固定することができる。このような固定形式は比較的面倒でかつ高コストである。それというのはこの場合、自動車のボディにねじ山を備えた孔を設けるか、又はねじスリーブが溶接されている孔を設けなくてはならないからである。

さらにワイパ装置はこれによって極めて堅固に車両のボディと結合されているので、歩行者が自動車のエンジンフードに衝突した時に、ワイパアーム及びワイパブレードを有していてボディから突出しているワイパ軸によって、容易に怪我をしてしまう。

発明の利点
請求項１の特徴部に記載のように構成された本発明によるワイパ装置には、次のような利点がある。すなわち本発明によるワイパ装置では、回転結合装置によって閉鎖エレメントを用いてワイパ装置を極めて容易に自動車のボディに固定することができる。回転結合装置はねじ山を必要とせず、３６０°よりも小さな回動によって閉鎖されることができる。これによって、取付け前及び取付け中における作業ステップの数が減じられ、製造及び取付け時におけるコストが節減される。さらに閉鎖エレメントにおける目標破損箇所によって、歩行者の衝突時における保護が簡単かつ安価に実現される。

請求項１記載の本発明によるワイパ装置の別の有利な構成は、請求項２以下に記載されている。

本発明の特に有利な構成では、回転結合装置が、閉鎖エレメントを方向付けるために働きかつ閉鎖エレメントを有利な位置でロックする係止部を有している。このように構成されていると、結合強度が高められ、その結果結合装置は、例えば走行運転中に常に生じる長く続く強い振動にさらされても、自然と弛むことがなくなる。それにもかかわらず目標破損箇所によって、ワイパ装置のワイパ軸への歩行者の衝突時に、結合装置の解離は保証されている。

また、支持体が開口を有しており、閉鎖エレメントが閉鎖された状態において開口を貫通していると、回転結合装置を特に簡単に構成することができる。

緩衝作用を改善するため及び音響ブリッジ（Schallbruecke）を回避するために有利な構成では、閉鎖エレメントと開口との間に、弾性的な緩衝スリーブが配置されている。

閉鎖エレメントが第１の区分を有していて、該第１の区分が横断面で見て幅よりも長さの方が大きく構成されていると、自動車ボディにおけるワイパ装置の安定的な固定が実現され、簡単に目標破損箇所を設けることができる。

特に簡単な構成では、第１の区分が楕円形の横断面形状を有している。

第１の部分を受容するための横方向溝によって、閉鎖エレメントの第１の区分に舌状片が形成されており、該舌状片によって結合強度はさらに高められる。この場合、横方向溝の幅が第１の部分の厚さよりも大きいと、特に有利である。

また、第１の部分が打抜き部品又は打抜き曲げ部品として形成されていて、孔を有しており、該孔が閉鎖エレメントの第１の区分の形を有していると、特に簡単な構成が得られる。

この場合特に有利な構成では、閉鎖エレメントが第１の部分に貫通係合していて、該第１の部分が傾斜部を有していて、閉鎖エレメントが閉鎖動作時に第１の部分に引き込まれるようになっている。このように構成されていると、ねじ山を自動車のボディに切り込む必要なしに、結合強度が高められ、ねじ山のような効果が得られる。緩衝スリーブが閉鎖エレメントと支持体の開口との間に配置されていると、支持体は第１の部分の傾斜部によって予負荷され、これによって緩衝作用はさらに改善される。

さらにまた、閉鎖エレメントが、工具との共働を可能にする係合部を有していると、取付けを簡単にするのに特に有利である。

図面
図１は、本発明によるワイパ装置を示す斜視図であり、
図２は、本発明によるワイパ装置のワイパ軸受を固定領域と共に示す分解図であり、
図３は、自動車メーカの供給状態における結合領域を示す図であり、
図４は、ワイパ装置が取り付けられたポジションにおけるワイパ装置の固定領域を示す図であり、
図５は、図２に示されたワイパ装置のワイパ軸受の別の実施例を示す図である。

実施例の記載
図１には本発明によるワイパ装置１０が斜視図で示されている。このワイパ装置１０は、管から成っている支持体１２を有しており、この支持体１２の両端部にはそれぞれワイパ軸受１４,１６が配置されている。各ワイパ軸受１４,１６は耳１８,２０を有しており、これらの耳１８,２０はそれぞれ開口２２,２４を有している。ワイパ軸受１４,１６にはさらにワイパ軸２６,２８が支承されており、両ワイパ軸２６,２８は図示されていないワイパアームと結合されている。ワイパ軸は、モータ３４によって運動させられるクランク伝動装置３０,３２を介して駆動される。

図２には本発明によるワイパ装置のワイパ軸受が分解図で示されている。支持体１２の一部としてのワイパ軸受１４は、開口２２を備えた耳１８を有している。開口２２には、図示の実施例では２部分から形成されている緩衝スリーブ３６,３８が差し込まれる。もちろん、スリーブ３６,３８を一体的に形成することも可能である。緩衝スリーブ３６,３８はゴム円板として形成されており、そして形状結合式（formschluessig）に支持体１２の開口２２内に位置していることができる。緩衝スリーブ３６,３８を備えた開口２２には、閉鎖エレメント４０が挿入されており、この閉鎖エレメント４０はほぼ３つの区分を有している。第１の楕円形の区分４２は、第２の円筒形の区分４４に接続している。この第２の円筒形の区分４４には、さらに第３の円板状の区分４６が接続している。横断面楕円形の第１の区分４２はＨ１の高さを有していて、幅Ｂの横方向溝４８を有している。

第３の区分４６にはさらに係合部５０が配置されており、この係合部５０は例えば多角形又はスリットとして形成されており、この係合部５０には、組立て時に閉鎖エレメント４０を容易に回転させることができるように、工具を挿入することができる。

閉鎖エレメント４０自体は、組立て時に第１の部分５２に差し込まれ、この第１の部分５２に対して３６０°よりも小さな角度だけ回動させられる。第１の部分５２はこの場合金属薄板部品、特に打抜き曲げ部品として形成されていて、厚さＤを有しており、そして車両ボディと結合されている。さらに第１の部分５２は孔５４を有しており、この孔５４は閉鎖エレメント４０の第１の区分４２と同じ輪郭を有しているので、閉鎖エレメント４０は第１の部分５４を貫通することができる。理想的には第１の部分５２は車両ボディと一体的に形成されている。

典型的には部分５２の厚さＤよりも大きな幅Ｂを有している横方向溝４８は、２つの舌状片４９,４９ａを生ぜしめていて、両舌状片４９,４９ａは第２の区分の横断面形状を超えて張り出している。この場合舌状片４９,４９ａは目標破損箇所４１を有しており、これらの目標破損箇所４１は減じられた抵抗横断面を有している。択一的に、舌状片４９,４９ａのうちの１つだけが目標破損箇所４１を有する構成も可能である。もちろん横方向溝４８の代わりに単純な段部を設けて、舌状片４９,４９ａが同様に第２の区分の輪郭を超えて張り出すようにすることも可能である。

別の択一的な構成では、目標破損箇所４１が第２の区分４４に配置されている。そのために第２の区分４４は少なくとも部分的に環状の溝を有していて、第２の区分４４の抵抗横断面を減じる。

有利には、ワイパアームと結合されるワイパ軸２６,２８の端部は、ワイパ軸受１４の、第１の部分５２に向けられた側に配置されており、その結果耳１８はワイパ軸２６,２８の負荷時に第１の部分５２から押し離される。

取付け時に、閉鎖エレメント４０の舌状片４９,４９ａを備えた第１の区分４２は、第１の部分５２における孔５４を貫通する。閉鎖エレメント４０の回動によって、ワイパ装置１０の支持体１２は、車両ボディの一部である第１の部分５２と結合される。孔５４の領域に部分５２は隆起部又は打出し部を有していて、半径方法のねじ山状の傾斜部５６が生ぜしめられており、この傾斜部５６に沿って舌状片４９,４９ａは閉鎖エレメント４０の回動時に滑動し、これによって閉鎖エレメント４０の第３の区分４６と第１の部分５２との間の間隔が減じられ、閉鎖エレメント４０は部分５２内に引き込まれる。傾斜部５６の高い端部にはさらに、少なくとも１つの舌状片４９が滑り込む小さな凹設部として形成された係止部５８が設けられている。そしてこの係止部５８は、閉鎖エレメント４０が閉鎖されたポジションを占めている場合に、傾斜部５６に沿って舌状片４９が滑り出すことを阻止する。このようにして、高い強度を有するバヨネットロックが生ぜしめられる。

図３には、自動車メーカにおける供給状態での支持体の固定領域が示されている。閉鎖エレメント４０はワイパ軸受１４の耳１８の開口２２を通して引き出され、緩衝エレメント３６,３８によって挟み込まれる。緩衝エレメント３８からは第１の区分４２の舌状片４９,４９ａと横方向溝４８とが突出する。

図４には支持体１２の固定領域が取り付けられた状態で示されている。閉鎖エレメント４０は緩衝エレメント３６,３８と開口２２と第１の部分５２とを孔５４を通して貫通しており、そして第１の部分５２の長手方向軸線に対して約９０°回動させられている。このようにして舌状片４９,４９ａは部分５２における保持を形成し、ワイパ装置１０の支持体は閉鎖エレメント４０の第３の区分４６と閉鎖エレメントの第１の区分の舌状片４９,４９ａとの間においてクランプされている。

図５には本発明によるワイパ装置の別の実施例が示されている。閉鎖エレメント４０はさらに３つの区分から成っている。第１の区分４２は二重の鍵穴輪郭に相当しており、これによって２つの舌状片４９,４９ａを形成しており、両舌状片４９,４９ａは第２の区分４４の円筒形の輪郭を超えて突出している。第２の区分４４は第１の区分４２に直接接続されており、この第１の区分４２と共に舌状片４９,４９ａにおいて段部を形成している。第２の区分４４にはさらに第３の区分４６が接続されており、この第３の区分４６は工具を受容するための係合部５０を有している。

もちろん第３の区分４６もまた例えばその外側輪郭を多角形として形成されていて、それ自体が係合部として働くこともできる。緩衝スリーブ３６,３８はここでは一体的に形成されていて、全体として支持体１２のワイパ軸受１４の開口２２内に挿入されることができる。第１の部分５２の孔５４もまた二重の鍵穴の輪郭を有しているので、孔５４は閉鎖エレメント４０の第１の区分４２を受容することができる。

閉鎖エレメント４０はプラスチック射出成形品として形成されているが、しかしながらこの閉鎖エレメント４０は例えばアルミニウム、アルミニウム合金又は亜鉛合金のような金属から形成されていてもよい。緩衝スリーブ３６は、良好な緩衝特性を有しているゴム又はその他の弾性材料から成っている。部分５２は単純な延長部として自動車ボディに堅固に溶接されているか、又は自動車ボディと一体的に形成されている。支持体１２のワイパ軸受１４,１６はプラスチック又は金属から形成することができる。原則的には支持体１２全体をプラスチックから一体的に射出成形することも可能である。

本発明によるワイパ装置を示す斜視図である。 本発明によるワイパ装置のワイパ軸受を固定領域と共に示す分解図である。 自動車メーカの供給状態における結合領域を示す図である。 ワイパ装置が取り付けられたポジションにおけるワイパ装置の固定領域を示す図である。 図２に示されたワイパ装置のワイパ軸受の別の実施例を示す図である。

Claims (9)

1. ワイパ装置、特に自動車用のワイパ装置であって、特に自動車のボディの一部である第１の部分（５４）における固定のための支持体（１２）と、該支持体（１２）を、回転結合装置を用いて第１の部分（５４）に固定することができる閉鎖エレメント（４０）とが設けられている形式のものにおいて、閉鎖エレメント（４０）が目標破損箇所（４１）を有しており、閉鎖エレメント（４０）が第１の区分（４２）を有していて、該第１の区分（４２）が横断面で見て幅よりも長さの方が大きく、目標破損箇所（４１）が第１の区分（４２）に配置されており、しかも第１の区分（４２）が第１の部分（５２）を受容するための横方向溝（４８）を有していることを特徴とするワイパ装置。
2. 回転結合装置が、閉鎖エレメント（４０）をロックするための係止部（５８）を有していて、これにより回動ロック結合部が形成されている、請求項１記載のワイパ装置。
3. 支持体（１２）が開口（２２）を有しており、閉鎖エレメント（４０）が閉鎖された状態において開口（２２）を貫通している、請求項１又は２記載のワイパ装置。
4. 閉鎖エレメント（４０）と開口（２２）との間に、少なくとも部分的に弾性的な少なくとも１つの緩衝スリーブ（３６,３８）が配置されている、請求項３記載のワイパ装置。
5. 第１の区分（４２）が横断面で見て楕円形をしている、請求項１記載のワイパ装置。
6. 横方向溝（４８）の幅（Ｂ）が第１の部分（５２）の厚さ（Ｄ）よりも大きい、請求項１記載のワイパ装置。
7. 第１の部分（５２）が打抜き部品又は打抜き曲げ部品として形成されていて、孔（５４）を有しており、該孔（５４）が閉鎖エレメント（４０）の第１の区分（４２）の形を有している、請求項１から６までのいずれか１項記載のワイパ装置。
8. 閉鎖エレメント（４０）が第１の部分（５２）に貫通係合していて、該第１の部分（５２）が傾斜部（５６）を有していて、閉鎖エレメント（４０）が閉鎖動作時に第１の部分（５２）に引き込まれる、請求項１から７までのいずれか１項記載のワイパ装置。
9. 閉鎖エレメント（４０）が、工具との共働を可能にする係合部（５０）を有している、請求項１から８までのいずれか１項記載のワイパ装置。

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