JP4132526B2 - Method for producing powdered titanium - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合溶融塩中で、チタンの低級塩化物TiClx(ここで、xは2〜3である。)をマグネシウム還元することによる粉末状チタンの製造方法に係り、特には平均粒径が200μm以下の微粒子で、かつ不純物成分の少ない高純度粉末状チタンを安価に製造する技術に関する。本発明により製造された粉末状チタンは焼結チタン合金用途に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
金属チタンは、航空機をはじめ、各種設備/機械部品、医療用材料、眼鏡フレームやゴルフクラブにいたるまで幅広い分野に利用されている。さらに、近年精密加工が可能な粉末冶金において、粉末状チタンを利用して種々のチタン加工品を製造する試みがなされており、自動車のエンジンバルブはその一例である。
【0003】
現在、これらの粉末冶金に使用される粉末状チタンの製造方法は、特開平5−247503号公報または特開平7−278601号公報に開示されているようなクロール法で得られるスポンジチタンあるいはその溶解品等を一旦水素化して脆化し、粉砕等により微細化した後、脱水素して粉末状チタンを得る水素化/脱水素法が主たるものであった。
【0004】
しかしながら、上記の水素化/脱水素法は一度クロール法によって製造されたチタンを原料とするため、原料コストが高く、結果として、製造される粉末状チタンは通常の金属チタンに比べ非常に高価なものとなっている。
【0005】
一方、マグネシウム還元のクロール法あるいはナトリウム還元のハンター法による金属チタンの製法において、粉末状チタンを製造する試みも以前よりなされている。
しかしながら、クロール法による金属チタンの製造方法は溶融した金属マグネシウムに四塩化チタンを800℃以上の高温で反応させるため、生成する金属チタンは粉末状にはならず、焼結したスポンジ状の塊として生成する。
また、ナトリウム還元のハンター法では上記クロール法とは異なり、粉末状のチタンが得られる。しかしながら、金属ナトリウムの取り扱いの問題、製造コストが高いこと等から、現在、工業的にはハンター法による金属チタンは製造されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、これらに代替する工業的粉末状チタンの製造方法の確立が急務であった。
上記のような問題を解決するためには、チタン低級塩化物のマグネシウム還元による粉末状チタンの製造方法が有利であり、例えば米国特許第2839385号明細書には、四塩化チタンと金属チタンを溶融塩化マグネシウム中で反応させてチタン低級塩化物を生成させ、生成したチタン低級塩化物とそれと当量の溶融塩化マグネシウム中に懸濁させた金属マグネシウムとを750〜850℃で反応させ、粉末状金属チタンを製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法においても、反応温度が高いため、数μmあるいは数十μmというような微細な粒径の粉末状チタンは得られない。
【0007】
また、最近、このようなチタン低級塩化物と金属マグネシウムを溶融塩化マグネシウム中で反応させ粉末状チタンを得る方法が試みられており、数μmあるいは数十μmというような微細な粒径の粉末状チタンが得られているが、この方法は、溶融塩化マグネシウム中でのチタンの低級塩化物濃度が非常に希薄であり、また溶融塩化マグネシウム中での二塩化チタンの溶解度が約800℃で約10%と小さいため、粉末状チタンの生産性が低く、工業的には採用し得ないものである。
またハンター法と関連して溶融塩として塩化ナトリウム単体を用いることも提唱されているが、同様の欠点が存在する。
【0008】
さらに、実際に粉末冶金の原料として使用する場合、Fe、Cr、Ni、Cu、Al、Na、Mg、Cl、O等の含有率に関して、生成される粉末状チタンの品質を確保しなければならないが、これらは使用する金属チタンあるいは四塩化チタンの原料の品質、また溶融塩の品質、さらには反応条件等に左右されるものであり、上記従来技術においては、この点については何ら考慮されていないのが実状であった。
【0009】
従って、本発明は、上記従来技術のように、四塩化チタンあるいはチタンの低級塩化物のマグネシウム還元またはナトリウム還元により製造された粉末状チタンに残された問題点、すなわち反応温度に起因する生成粉末状チタンの粒径の微細化および粒径の制御、反応条件に起因する生産性の問題、さらには原料品質や反応方法に起因する品質の問題を解決し、粉末冶金に適した粒径を有し、低コストでの製造を可能とし、さらには不純物成分の少ない高純度の粉末状チタンの製造方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、チタンの塩化物を金属マグネシウムで還元して粉末状チタンを製造する方法において、反応に用いる溶融塩を従来のように塩化マグネシウム或いは塩化ナトリウムの単独塩ではなく、特定の塩化物を組み合わせた複合溶融塩とすることにより、粉末冶金に適した粒径を有し、低コストでの製造を可能とし、さらには不純物成分の少ない高純度の粉末状チタンが製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
この知見に基づいて、本発明は、チタンの塩化物を金属マグネシウムで還元して粉末状チタンを製造する方法において、四塩化チタンと金属チタンを反応させることによりチタンの低級塩化物を生成し、生成したチタン低級塩化物を周期律表IA族およびIIA族金属の少なくとも3種以上の塩化物からなる複合溶融塩中に溶解させ、次いで、前記チタン低級塩化物を溶解した複合溶融塩を金属マグネシウムと接触させて該複合溶融塩中に溶解するチタン低級塩化物を還元して粉末状チタンを生成させ、そして生成した粉末状チタンを回収することを特徴とする粉末状チタンの製造方法を提供するものである。
【0012】
本発明は、前記複合溶融塩中に金属チタンを添加し、そこに四塩化チタンを添加し、低級塩化物を生成すると同時に該複合溶融塩中に溶解させ、次いで、前記チタン低級塩化物を溶解した複合溶融塩を金属マグネシウムと接触させて該複合溶融塩中に溶解するチタン低級塩化物を還元して粉末状チタンを生成させることにより、また系外で金属チタンに四塩化チタンを接触させて低級塩化物を生成し、生成した低級塩化物を前記複合溶融塩に溶解させ、次いで、前記チタン低級塩化物を溶解した複合溶融塩を金属マグネシウムと接触させて該複合溶融塩中に溶解するチタン低級塩化物を還元して粉末状チタンを生成させることにより具現されうる。
【0013】
特には、前記複合溶融塩の融点は好ましくは600〜700℃とされ、前記複合溶融塩は好ましくは塩化マグネシウム、塩化ナトリウムおよび塩化カルシウムからなるものとされ、その場合前記塩化マグネシウム、塩化ナトリウムおよび塩化カルシウムの溶融塩中の組成割合がそれぞれ10〜30重量%、30〜70重量%および20〜40重量%であることが好ましい。
【0014】
好ましくは、前記四塩化チタン中のFe、Cr、Ni、Cu、Alは5ppm以下とされる。前記チタン低級塩化物は特定的には二塩化チタンである。
【0015】
本発明はまた、前記粉末状チタンの平均粒径が1〜200μmであること、前記粉末状チタン中のFe、Cr、Ni、Cu、Al、が50ppm以下、Mg、Clが800ppm以下かつ酸素含有量が2000ppm以下であることを特徴とする粉末状チタンの製造方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明に係る粉末状チタン製造プロセスの一例を示すフローシートである。
本発明では、先ず四塩化チタンと金属チタンを反応させることによりチタンの低級塩化物TiClx(ここでxは2〜3である。)を生成し、上述した複合溶融塩中に溶解させる。この際に用いられる四塩化チタンは、市販のものでもよいが、原料としての四塩化チタンは最終的に得られる粉末状チタンの品質に影響するため、ある程度純度の高いものを用いることが望ましい。具体的には四塩化チタン中のFe、Cr、Ni、Cu、Alが5ppm以下、好ましくは3ppm以下である。
【0017】
また、原料としての金属チタンの品質には特に制限はないが、通常、Fe、Cr、Ni、Cu、Alが500ppm以下かつ酸素含有量が1000ppm以下である。しかしながら、高純度の金属チタンを原料に用いた場合、コストアップとなるので、通常市販の純チタンレベルの品質でも十分である。さらに、本発明では先ず上記四塩化チタンと金属チタンを反応させてTiClx(ここでxは2〜3である。)で表されるチタン低級塩化物を生成させ、これを複合溶融塩に溶解させ反応させるので、このチタン低級塩化物を生成、溶解させる段階で原料の金属チタン中の不純物成分は塩化せず反応に関与しない。また不純物金属が塩化された場合であっても、金属マグネシウムでの還元反応にはほとんど関与せず、結果として得られる粉末状チタン中には原料の金属チタン中の不純物元素はほとんど残留しない。従って、本発明で用いられる原料としての金属チタンは、それほど高品質のものである必要はなく、具体的にはFe、Cr、Ni、Cu、Alが500ppm以上かつ酸素含有量が1000ppm以上でも問題はない。このように本発明の方法は、低品質のチタン原料でも、途中の工程で不純物成分を精製する機能を有し、結果として高純度の粉末状チタンが製造可能となる。
【0018】
また、上記原料の金属チタンであるが、スポンジチタン、その溶解品または粉末状のチタンが使用しうる。反応性を考慮すると、比較的比表面積の大きいスポンジチタンあるいは粉末状チタンを用いることが好ましい。またスポンジチタンでも塊状のものではなく、ある程度微細化した、具体的には5mm以下に粒度調整したものが特に好ましい。
【0019】
上記のように四塩化チタンと金属チタンを反応させることにより先ずチタン低級塩化物を生成するが、このチタン低級塩化物は二塩化チタンおよび三塩化チタンであり、より好ましくは二塩化チタンである。
【0020】
またこのときの反応温度は、チタン低級塩化物が生成する温度であれば特に制限はないが、600〜1000℃、好ましくは700〜900℃、特に好ましくは750〜850℃である。複合溶融塩中でチタン低級塩化物を生成させる場合には、その複合溶融塩に対するチタン低級塩化物の溶解度が最大となるような温度で反応させることが望ましく、そのまま生成したチタン低級塩化物を該複合溶融塩中に溶解する。
【0021】
また、チタン低級塩化物を生成させるときの、四塩化チタンと金属チタンの比率であるが、四塩化チタン1モルに対して金属チタン1〜10モルであり、好ましくは1〜5モル、より好ましくは2〜5モルである。チタン低級塩化物のなかでも二塩化チタンを生成させ、その後金属マグネシウムと還元反応させることが望ましく、この二塩化チタンの生成反応における理論量は四塩化チタン1モルに対して金属チタン1モルである。しかしながら、未反応の四塩化チタンが複合溶融塩に溶解すると、マグネシウムとの還元反応に悪影響を与え、また、生成した二塩化チタンを複合溶融塩中に溶解した後、該複合溶融塩中に未反応の四塩化チタンが溶解すると、二塩化チタンと反応し三塩化チタンが生成し複合溶融塩中への溶解度が低下するため、未反応四塩化チタンが残留しないよう、四塩化チタンの使用量は金属チタンとの反応量以下にすることが好ましい。
【0022】
次に、本発明で用いられる複合溶融塩は、反応に際しての温度形成の場を提供し、低級塩化チタンを溶解し、還元に際してチタンを析出させる場を提供するものとして本発明において最も重要な役割を担っている。
その融点が600〜700℃であり、好ましくは630〜670℃、さらに好ましくは640〜660℃であるよう選択される。本発明において「複合溶融塩の融点」とは、複合溶融塩が全体的に溶融する温度、つまり冷却に際して固体物が析出する晶出開始温度後を意味する。また、本発明の複合溶融塩の溶融開始温度は400〜500℃であり、ある温度範囲において固体と液体とが共存した後、上記600〜700℃において全体的に溶融する。従来の製法で用いられている溶融塩では、例えば塩化マグネシウム単体ではその融点が714℃、また塩化ナトリウム単体では801℃であり、還元反応はこれらの融点以上で行われなければならず、通常塩化マグネシウムの溶融塩では750から800℃以上、ハンター法の塩化ナトリウムの溶融塩では800〜900℃で行われていた。このような高温で反応するため、生成した粉末状チタンが焼結し、結果として粒径の粗い粒子、あるいは塊状のものとして生成する。これに対して本発明では複合溶融塩を用いることによってその融点が上記のように単体で用いる場合に比べて格段に低下し、結果として低温での反応が可能となった。従って本発明の製造方法によれば、数μmあるいは数十μmというような微細な粒径の粉末状チタンの製造が可能であり、また複合溶融塩の組成を変更し、溶融塩の融点および反応温度を制御することにより、得られる粉末状チタンの粒径のコントロールが前記したように微細な寸法範囲部分で可能となったものである。
【0023】
上記のような複合溶融塩を構成する塩化物は、周期律表IA族およびIIA族金属の少なくとも3種以上である。これらの塩化物としては塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化ベリリウム、塩化ストロンチウム、塩化セシウム、塩化バリウム等であり、これらのうち少なくとも3種以上の組み合わせからなる。好ましい組み合わせ例は、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウムおよび塩化カリウムであり、特に、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムおよび塩化カルシウムの3種の組み合わせが好ましい。これらの塩化物の好ましい組み合わせ例を以下に挙げる:
1)塩化マグネシウム、塩化ナトリウムおよび塩化カルシウム
2)塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウムおよび塩化カリウム
3)塩化マグネシウム、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム
4)塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウムおよび塩化リチウム
【0024】
また、上記複合溶融塩での各塩化物の組成は、上述したように融点が600〜700℃になれば任意であるが、とりわけ塩化マグネシウム、塩化ナトリウムおよび塩化カルシウムの組み合わせの場合、溶融塩中のそれぞれの組成割合は、10〜30重量%、30〜70重量%および20〜40重量%、好ましくは13〜25重量%、40〜60重量%および25〜35重量%、特に好ましくは17〜22重量%、48〜53重量%、27〜32重量%である。塩化マグネシウム約20重量%、塩化ナトリウム約50重量%および塩化カルシウム約30重量%の複合溶融塩の融点は約650℃であり、ほぼ金属マグネシウムの融点と同じであり、マグネシウムでの還元反応を行う場合、低温での反応を可能にする組成である。しかも、塩化マグネシウム単体での溶融塩の場合、二塩化チタンの溶解度は非常に低く、約800℃で約10モル%である。また塩化ナトリウムの場合、二塩化チタンの溶解度は高いが、その融点が800℃と高いために、それ以上の温度で反応させる必要がある。これに対して、本発明で用いる複合溶融塩、特には前記の組成の複合溶融塩は、融点が低く、さらには二塩化チタンなどのチタン低級塩化物の溶解度が高いという利点を有する。
また、本発明の製造方法では、粉末状チタンを生成するマグネシウムでの還元反応の工程において、チタンの低級塩化物と金属マグネシウムが反応し塩化マグネシウムが副生する。この反応が終了した後、複合溶融塩は、通常電解方法により金属マグネシウムと塩素を精製するとともに、電解精製の際の電解浴としても使用される。そして、この金属マグネシウムおよび電解浴は再度本発明の粉末状チタンの製造に用いられる。このように、反応に用いられる溶融塩は、工業的には、電解精製によりリサイクル使用したほうがよりコストセーブされるので、この電解精製においても有効な溶融組成である必要があるが、本発明の複合溶融塩はこの点においても優れており、例えば融点が低いため、溶融する熱エネルギーが少なくエネルギー効率のよい電解精製が可能となる。
【0025】
前述した複合溶融塩に使用する塩化物の品質であるが、これらの化合物の純度については特に制限はないが、一般に市販されている純度の高い特級試薬レベル、ある程度精製され不純物が除去された準特級試薬レベル、または精製度合いの低い工業薬品レベルのものがいずれも使用し得る。また、これらの市販品を購入し、加熱脱水処理等の精製処理して使用することもできる。例えば、複合溶融塩用の塩化物として塩化マグネシウム、塩化ナトリウムおよび塩化カルシウムを使用する場合、鉄、クロム、ニッケル、銅、アルミ等の金属成分はそれぞれ1〜5ppm、また水分は20〜100ppm程度の特級試薬より純度の低い準特級試薬、精製塩あるいは工業用試薬を使用することができる。さらに、前述したように複合溶融塩を電解精製し金属マグネシウムおよび複合溶融塩をリサイクル使用する場合、電解浴は電解精製時に水分や他の不純物成分が除去されるので、上記のような加熱脱水処理等の精製処理は必要とせず、コスト的また品質的により有利である。
【0026】
上記で生成したチタン低級塩化物を複合溶融塩中へ溶解する方法としては、上記複合溶融塩中に金属チタンを添加し、その中に液状あるいは加熱し気化させた四塩化チタンを滴下しあるいは吹き込み、二塩化チタンを生成すると同時に該複合溶融塩中に溶解する方法が挙げられる。この方法では、二塩化チタンを複合溶融塩中に生成させ、次いでこの複合溶融塩を金属マグネシウムと接触させ、溶解している二塩化チタンを還元し、粉末状チタンを生成させる。また別の方法として、金属チタンに液状あるいは加熱し気化させた四塩化チタンを還元反応とは系外ですなわち別の反応容器で接触させ、生成した二塩化チタンを複合溶融塩に溶解する方法が挙げられる。後者の方法では、上述したような二塩化チタンと四塩化チタンが直接接触しないので、三塩化チタンあるいは未反応の四塩化チタンが複合溶融塩中に溶解あるいは懸濁せず、金属マグネシウムとの還元反応が効率的に行われる。
【0027】
複合溶融塩に対して溶解されるチタン低級塩化物の量は、その複合溶融塩に対する溶解度により異なるが、溶解度を超える量の低級塩化物を添加すると溶解せず固体のまま複合溶融塩中に懸濁したり、反応容器内に付着し固化するため、金属マグネシウムとの還元反応において悪影響を与え好ましくない。従って、複合溶融塩に対して溶解されチタン低級塩化物の量は、その溶解度量以下にすることが望ましい。
【0028】
上記のようにチタン低級塩化物を複合溶融塩に溶解した後、該複合溶融塩と金属マグネシウムを600〜750℃で接触させ、複合溶融塩中に溶解するチタン低級塩化物を還元して粉末状チタンを生成させる。
【0029】
本発明で用いられる金属マグネシウムは粉末状、顆粒状または塊状の固体で供給されるが、金属マグネシウムの溶融体、さらには気化して接触させることも可能である。還元反応の均一性を考慮すると、固体状の場合、粉末状および顆粒状のものが好ましく、その粒径は10mm以下、好ましくは0.1〜5mmである。また純度については、市販のものを使用できるが、より高純度の粉末状チタンを得るために、不純物の少ない金属マグネシウムを使用することが望ましい。具体的には、Feが350ppm以下、Niが100ppm以下、Crが20ppm以下、Siが50ppm以下、Alが300ppm以下およびCuが10ppm以下である。さらに、金属マグネシウムの接触量であるが、複合溶融塩中に溶解するチタン低級塩化物1モルに対し通常金属マグネシウム1〜5モル、好ましくは1〜3モル、より好ましくは1.3〜1.5モルである。
【0030】
本発明において金属マグネシウムの接触温度は600〜750℃であるが、より好ましくは630〜700℃、特に好ましくは650〜700℃である。
また金属マグネシウムの接触方法について特に制限はないが、なるべく複合溶融塩中に溶解するチタンの低級塩化物と均一に接触させる方法が好ましい。具体的な接触方法を以下に挙げる:
1)チタンの低級塩化物を溶解させた複合溶融塩を攪拌、あるいは複合溶融塩中にアルゴンガスを注入し複合溶融塩を流動あるいは対流させた状態で金属マグネシウムを添加し接触する方法。
2)先ず、チタンの低級塩化物を溶解していない複合溶融塩中に金属マグネシウムを添加し加熱し金属マグネシウムを溶融状態とし、複合溶融塩中に分散させ、この中にチタンの低級塩化物を溶解させた複合溶融塩を滴下する。この場合においても、金属マグネシウムを分散させた複合溶融塩中にアルゴンガスを注入し複合溶融塩を流動あるいは対流させることが望ましい。
3)溶融状態あるいは固体状の金属マグネシウムを装入した容器中に、チタンの低級塩化物を溶解させた複合溶融塩を滴下する。この場合においても、複合溶融塩を滴下した後、前記容器中の複合溶融塩中にアルゴンガスを注入し複合溶融塩を流動あるいは対流させることが望ましい。
【0031】
その後の還元反応の温度は上記接触温度と同様である。
【0032】
以上のように複合溶融塩中で粉末状チタンを生成させ、最終的に得られた粉末状チタンを複合溶融塩から分離する。常温まで冷却し、固化した複合溶融塩を取り出し、水により洗浄し生成した粉末状チタンを分離する。粉末状チタンを含む固化した複合溶融塩を反応容器から取り出し、水洗により塩化物を除去し粉末状チタンを得ることができる。粉末状チタンを溶融塩から沈降、濾過等により分離し、その後洗浄あるいは真空分離等の手段により粉末状チタンに付着あるいは内部に残存する複合溶融塩を除去することもできる。あるいは、粉末状チタンを含む複合溶融塩を直接真空処理に供することも可能である。この場合、700〜800℃の温度において真空終点が0.01Torrとなるように例えば1時間真空を適用する。
【0033】
このようにして製造された粉末状チタンの粒子は微細であり、具体的にはその平均粒径が1〜200μm、特に1〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは5〜20μmである。また、本発明の粉末状チタン中のFe、Cr、Ni、Cu、Al、は50ppm以下、好ましくは20ppm以下、Mg、Clは800ppm以下、好ましくは500ppm以下、特に好ましくは100ppm以下であり、また酸素含有量は2000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは500ppm以下である。またタップ密度は平均粒径10μmのもので約1.5g/ml程度であり、粉末冶金用としての粉体特性に優れている。
【0034】
次に、図面を参照して本発明をより具体化した一実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に用いる粉末状チタンの製造装置を示しており、本装置は図示せぬ加熱炉内にセットされる。図中参照番号1はステンレス製または外側がステンレス鋼で内側が炭素鋼のクラッド材で形成した反応容器である。このような炭素鋼内張りしたクラッド鋼で形成した反応容器では、反応中容器からNi、Cr等の不純物元素が溶出せず粉末状チタン製品の品質面で有利であり、さらに加熱・冷却という熱履歴を繰り返すため、反応容器の耐久性の面でも有利である。
【0035】
この反応容器1は、底付きの円筒状容器で上端縁にフランジ部を有する反応容器本体1aと、該フランジ部に密着して容器本体1a内を密閉する蓋体1bとから構成されている。さらに、反応容器1の内部の底部まで装入されたアルゴンガス供給用供給管2と、反応容器1内部に装入された四塩化チタン滴下若しくは吹き込み用供給管3が装備され、さらに温度計の装入された保護管4が反応容器1内部に装入されている。また蓋体1bには複合溶融塩、金属チタンおよび金属マグネシウムを投入するためのフランジ部を有する投入口5が設置されている。
【0036】
図1において、先ず、反応容器1に複合塩化物を投入口5から固体で投入し、加熱溶融し、複合溶融塩6を形成させる。あるいは複合溶融塩を溶融状態で直接反応容器1に投入口5から注入してもよい。ここで、複合溶融塩の上面は、アルゴンの供給管2の底部より上に位置し、かつ四塩化チタンの供給管3の底部より下に位置するように、複合溶融塩の量を設定する。次いで投入口5より金属チタン(顆粒状のスポンジチタンまたは粉末状チタン)を反応容器1に投入する。その後、アルゴンガスを供給管2より反応容器1に供給し、複合溶融塩6の底部よりバブリングすることによって、複合溶融塩を流動あるいは対流させる。その後、供給管3より液状の四塩化チタンを反応容器1に供給し、複合溶融塩6中に滴下し若しくは吹き込み、金属チタンと反応させ二塩化チタンあるいは三塩化チタンのチタン低級塩化物を生成させ、複合溶融塩6中に溶解させる。
【0037】
次いで、アルゴンガスを供給管2より反応容器1に供給し、複合溶融塩6の底部よりバブリングしながら投入口5より塊状あるいは粉末状の金属マグネシウムを反応容器1に投入し、複合溶融塩6中に溶解するチタン低級塩化物と接触させ還元反応を行い、粉末状チタンを複合溶融塩6中に生成させる。
【0038】
その後、反応容器1を常温まで冷却し、固化した複合溶融塩を取り出し、水により洗浄し生成した粉末状チタンを分離する。その後必要に応じて洗浄し粉末状チタンに付着あるいは残留する塩化物を除去し、最終的に粉末状チタンを得る。さらに、ボールミルや振動ミル等で解砕あるいは粉砕することにより、所望の粒度に調整することもできる。
【0039】
【実施例】
次に、本発明の実施例および比較例を示して、本発明の効果をより明らかにする。
【0040】
[実施例1]
内容積30リットルの軟鋼(SS400)製反応容器内に塩化マグネシウム2kg、塩化ナトリウム5kgおよび塩化カルシウム3kgを投入し、加熱溶融して複合溶融塩を形成した。この複合溶融塩組成は塩化マグネシウム20重量%、塩化ナトリウム50重量%、塩化カルシウム30重量%であった。次いで、平均粒径が5メッシュのスポンジチタン3kgを前記複合溶融塩中に投入し、複合溶融塩の温度を810〜820℃に設定した。次いで液体の四塩化チタンを反応容器中に40g/分の供給速度で、約1時間20分滴下し、反応させ複合溶融塩中でチタンの低級塩化物を生成させ溶解した。四塩化チタンの合計滴下量は3.2kgであった。このとき複合溶融塩中のチタン低級塩化物を分析したところ20モル%であった。その後、複合溶融塩の温度を670℃に設定し、該複合溶融塩中に顆粒状の金属マグネシウム850gを1時間かけて投入し、複合溶融塩中のチタン低級塩化物を還元し、粉末状チタンを生成させた。このとき複合溶融塩中にアルゴンガスを注入し、複合溶融塩をバブリングさせながら還元反応を行った。
【0041】
その後、反応容器を室温まで冷却し、粉末状チタンを含む固化した複合溶融塩を反応容器から取り出し、水洗により塩化物を除去し粉末状チタンを得た。このとき粉末状チタンの収量は1.5kgであった。また平均粒径は50μmであった。さらに粉末状チタン中の不純物成分を分析し、その結果を表1に示した。
【0042】
[実施例2]
内容積30リットルの軟鋼(SS400)製反応容器内に塩化マグネシウム2kg、塩化ナトリウム5kgおよび塩化カルシウム3kgを投入し、加熱溶融して複合溶融塩を形成した。この複合溶融塩組成は塩化マグネシウム20重量%、塩化ナトリウム50重量%、塩化カルシウム30重量%であった。次いで、平均粒径が5メッシュのスポンジチタン3kgを前記複合溶融塩中に投入し、複合溶融塩の温度を810〜820℃に設定した。次いで液体の四塩化チタンを反応容器中に40g/分の供給速度で、約1時間20分滴下し、反応させ複合溶融塩中でチタンの低級塩化物を生成させ溶解した。四塩化チタンの合計滴下量は3.2kgであった。このとき複合溶融塩中のチタン低級塩化物を分析したところ20モル%であった。
【0043】
一方、内容積30リットルの軟鋼(SS400)製反応容器内に金属マグネシウム1000gを投入し、670℃に加熱し、金属マグネシウムを溶融させた。その後、前記チタン低級塩化物の溶解した複合溶融塩を1時間かけて滴下し、複合溶融塩中のチタン低級塩化物を還元し、粉末状チタンを生成させた。このとき複合溶融塩中にアルゴンガスを注入し、複合溶融塩をバブリングさせながら還元反応を行った。
【0044】
その後、反応容器を室温まで冷却し、粉末状チタンを含む固化した複合溶融塩を反応容器から取り出し、水洗により塩化物を除去し粉末状チタンを得た。このとき粉末状チタンの収量は1.6kgであった。また平均粒径は35μmであった。さらに粉末状チタン中の不純物成分を分析し、その結果を表1に示した。
【0045】
[比較例1]
複合溶融塩を使用せず、塩化マグネシウム単体の溶融塩15kgを使用した以外は実施例1と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1によれば、本発明の方法である実施例では、チタン低級塩化物が溶融塩中により多く生成、溶解でき、結果として粉末状チタンの収量が多く生産性が高い。また得られた粉末状チタンの平均粒径は、従来の方法に比べて微細であり、焼結による粒子の凝集が少ないことが明らかである。さらに、本発明による粉末状チタンは不純元素の含量が非常に少なく、高純度化のものが得られている。
比較例においては、操業温度が高いため、生成チタンが密に成りやすく、MgCl2が抜けにくく、Mg、Cl含有量が高く、また水分も吸収しやすく、酸素含有量も高いことが明らかである。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、チタンの塩化物を金属マグネシウムで還元して粉末状チタンを製造する方法において、周期律表IA族およびIIA族金属の少なくとも3種以上の塩化物からなる複合溶融塩を用いることによって、生産性を向上させることができ、また温度による粉末状チタンの凝集を防ぎ、さらに高純度の粉末状チタンを製造することができる。
以上まとめると、
1)チタンの塩化物の溶解度を高めることができるので、生産性を向上させることができる。
2)複合塩にすることにより操業温度を従来の方法に比べて100〜150℃低くできるので、生成粉末チタンの凝集を抑えることができ、従来の250μmから50μm前後と平均粒径の細かい粉体を得ることができる。複合溶融塩の組成の調整により、粒径のコントロールも可能である。
3)更に、チタンとTiCl4の反応によりTiCl2を生成する際に不純物を分離されるので原料チタンに比べて純度の高いチタン粉を製造できる。
4)水素化/脱水素法によらず安価で、高品質のチタン粉を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粉末状チタン製造装置の一例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る粉末状チタン製造プロセスの一例を示すフローシートである。
【符号の説明】
1 反応容器
2 アルゴンガス供給管
3 四塩化チタン供給管
4 温度計保護管
5 投入口
6 複合溶融塩[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing powdered titanium by magnesium reduction of lower chloride TiClx (where x is 2 to 3) of titanium in a composite molten salt, and in particular, the average particle size is The present invention relates to a technique for producing high-purity powdered titanium with fine particles of 200 μm or less and a small amount of impurity components at low cost. The powdery titanium produced according to the present invention is suitably used for sintered titanium alloy applications.
[0002]
[Prior art]
Metallic titanium is used in a wide range of fields including aircraft, various equipment / mechanical parts, medical materials, eyeglass frames and golf clubs. Furthermore, in recent years, in powder metallurgy capable of precision processing, attempts have been made to manufacture various titanium processed products using powdered titanium, and an engine valve of an automobile is an example.
[0003]
Currently, the powdery titanium used in these powder metallurgy is produced by a sponge titanium obtained by the crawl method as disclosed in JP-A-5-247503 or JP-A-7-278601 or its dissolution. The hydrogenation / dehydrogenation method in which the product is once hydrogenated and embrittled, refined by pulverization or the like, and then dehydrogenated to obtain powdered titanium is the main method.
[0004]
However, since the above hydrogenation / dehydrogenation method uses titanium once produced by the crawl method as a raw material, the raw material cost is high, and as a result, the powdered titanium produced is very expensive compared to normal metal titanium. It has become a thing.
[0005]
On the other hand, attempts have been made to produce powdered titanium in the production of titanium metal by the magnesium reduction crawl method or the sodium reduction hunter method.
However, the production method of titanium metal by the crawl method reacts titanium tetrachloride with molten metal magnesium at a high temperature of 800 ° C. or higher, so that the titanium metal produced does not become powdery, but as a sintered sponge-like lump. Generate.
In addition, the sodium reduction Hunter method, unlike the crawl method, provides powdered titanium. However, due to the problem of handling sodium metal and the high manufacturing cost, titanium metal by the Hunter method is not manufactured industrially at present.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, establishment of the manufacturing method of industrial powdery titanium which substitutes for these was urgent.
In order to solve the above problems, a method for producing powdered titanium by magnesium reduction of titanium lower chloride is advantageous. For example, US Pat. No. 2,839,385 discloses melting titanium tetrachloride and titanium metal. Titanium lower chloride is produced by reaction in magnesium chloride, and the produced titanium lower chloride is reacted with metallic magnesium suspended in an equivalent amount of molten magnesium chloride at 750 to 850 ° C. to obtain powdered metallic titanium. A method of manufacturing is disclosed. However, even in this method, since the reaction temperature is high, powdery titanium having a fine particle diameter of several μm or several tens of μm cannot be obtained.
[0007]
Recently, a method of obtaining powdered titanium by reacting such lower titanium chloride and metallic magnesium in molten magnesium chloride has been attempted. Although titanium has been obtained, this method has a very low lower chloride concentration of titanium in molten magnesium chloride, and the solubility of titanium dichloride in molten magnesium chloride is about 10 at about 800 ° C. %, The productivity of powdered titanium is low and cannot be adopted industrially.
It has also been proposed to use sodium chloride alone as a molten salt in connection with the Hunter method, but there are similar drawbacks.
[0008]
Furthermore, when actually used as a raw material for powder metallurgy, the quality of the powdered titanium produced must be ensured with respect to the content of Fe, Cr, Ni, Cu, Al, Na, Mg, Cl, O, etc. However, these depend on the quality of the raw material of metal titanium or titanium tetrachloride used, the quality of the molten salt, and further the reaction conditions. In the above prior art, this point is not taken into consideration at all. There was no actual situation.
[0009]
Therefore, according to the present invention, as in the above-mentioned prior art, the problem remaining in powdered titanium produced by magnesium reduction or sodium reduction of titanium tetrachloride or lower chloride of titanium, that is, the generated powder resulting from the reaction temperature It has a particle size suitable for powder metallurgy by refining the particle size of granular titanium and controlling the particle size, solving productivity problems due to reaction conditions, and quality issues due to raw material quality and reaction method. However, it is an object of the present invention to provide a method for producing high-purity powdered titanium with low impurity components, which enables production at low cost.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the inventors of the present invention have used a conventional method for producing a powdered titanium by reducing titanium chloride with metallic magnesium, as in the conventional case. It is not a single salt of magnesium chloride or sodium chloride, but a composite molten salt that combines specific chlorides, so that it has a particle size suitable for powder metallurgy and can be manufactured at low cost. As a result, it was found that high purity powdery titanium with a small amount can be produced, and the present invention has been completed.
[0011]
Based on this finding, the present invention produces titanium lower chloride by reacting titanium tetrachloride with metal titanium in a method for producing powdered titanium by reducing titanium chloride with magnesium metal, The produced titanium lower chloride is dissolved in a composite molten salt composed of at least three types of chlorides of Group IA and IIA metals of the periodic table, and then the composite molten salt in which the titanium lower chloride is dissolved is converted to magnesium metal. A method for producing powdered titanium is provided, wherein the lower titanium chloride dissolved in the composite molten salt is brought into contact with the catalyst to reduce powdered titanium to produce powdered titanium, and the produced powdered titanium is recovered. Is.
[0012]
In the present invention, titanium metal is added to the composite molten salt, and titanium tetrachloride is added thereto to form a lower chloride and simultaneously dissolved in the composite molten salt, and then the titanium lower chloride is dissolved. The composite molten salt is brought into contact with metallic magnesium to reduce titanium lower chloride dissolved in the composite molten salt to form powdered titanium, and titanium tetrachloride is brought into contact with metallic titanium outside the system. Titanium that produces lower chloride, dissolves the produced lower chloride in the composite molten salt, and then makes the composite molten salt dissolved in titanium lower chloride contact with metal magnesium to dissolve in the composite molten salt It can be implemented by reducing lower chloride to produce powdered titanium.
[0013]
In particular, the melting point of the composite molten salt is preferably 600 to 700 ° C., and the composite molten salt is preferably composed of magnesium chloride, sodium chloride and calcium chloride, in which case the magnesium chloride, sodium chloride and chloride It is preferable that the composition ratio in the molten salt of calcium is 10 to 30% by weight, 30 to 70% by weight, and 20 to 40% by weight, respectively.
[0014]
Preferably, Fe, Cr, Ni, Cu, and Al in the titanium tetrachloride are 5 ppm or less. The titanium lower chloride is specifically titanium dichloride.
[0015]
In the present invention, the powdery titanium may have an average particle size of 1 to 200 μm, Fe, Cr, Ni, Cu, Al in the powdered titanium may be 50 ppm or less, Mg, Cl may be 800 ppm or less, and oxygen may be contained. Provided is a method for producing powdered titanium, wherein the amount is 2000 ppm or less.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 2 is a flow sheet showing an example of a powdery titanium manufacturing process according to the present invention.
In the present invention, first, titanium tetrachloride and metal titanium are reacted to form titanium lower chloride TiClx (where x is 2 to 3), which is dissolved in the above-described composite molten salt. Titanium tetrachloride used at this time may be commercially available, but titanium tetrachloride as a raw material affects the quality of the finally obtained powdered titanium, so it is desirable to use a titanium tetrachloride having a certain degree of purity. Specifically, Fe, Cr, Ni, Cu, and Al in titanium tetrachloride are 5 ppm or less, preferably 3 ppm or less.
[0017]
Moreover, although there is no restriction | limiting in particular in the quality of the metal titanium as a raw material, Usually, Fe, Cr, Ni, Cu, and Al are 500 ppm or less, and oxygen content is 1000 ppm or less. However, when high-purity metallic titanium is used as a raw material, the cost increases, and therefore, commercially pure titanium level quality is sufficient. Furthermore, in the present invention, the titanium tetrachloride and the metal titanium are first reacted to form a titanium lower chloride represented by TiClx (where x is 2 to 3), which is dissolved in the composite molten salt. Since the reaction is carried out, the impurity component in the raw material titanium metal is not chlorinated and does not participate in the reaction at the stage of producing and dissolving the titanium lower chloride. Even when the impurity metal is chlorinated, it hardly participates in the reduction reaction with magnesium metal, and the resulting powdered titanium contains almost no impurity element in the raw metal titanium. Therefore, the titanium metal as a raw material used in the present invention does not have to be so high in quality, and specifically, even if Fe, Cr, Ni, Cu, Al is 500 ppm or more and the oxygen content is 1000 ppm or more, there is a problem. There is no. As described above, the method of the present invention has a function of purifying an impurity component in an intermediate process even with a low-quality titanium raw material, and as a result, high-purity powdered titanium can be produced.
[0018]
Moreover, although it is the metal titanium of the said raw material, sponge titanium, its melt | dissolution product, or powdery titanium can be used. In consideration of reactivity, it is preferable to use sponge titanium or powdered titanium having a relatively large specific surface area. Also, sponge titanium is not a lump, but is particularly preferable to have been refined to some extent, specifically, adjusted to a particle size of 5 mm or less.
[0019]
As described above, titanium tetrachloride and titanium metal are reacted to produce titanium lower chloride first. These titanium lower chlorides are titanium dichloride and titanium trichloride, and more preferably titanium dichloride.
[0020]
The reaction temperature at this time is not particularly limited as long as it is a temperature at which titanium lower chloride is generated, but is 600 to 1000 ° C, preferably 700 to 900 ° C, particularly preferably 750 to 850 ° C. When the titanium lower chloride is produced in the composite molten salt, it is desirable to react at a temperature that maximizes the solubility of the titanium lower chloride in the composite molten salt. Dissolves in the composite molten salt.
[0021]
Moreover, although it is a ratio of titanium tetrachloride and metal titanium when producing | generating a titanium lower chloride, it is 1-10 mol of metal titanium with respect to 1 mol of titanium tetrachloride, Preferably it is 1-5 mol, More preferably Is 2-5 moles. Of the titanium lower chlorides, it is desirable to produce titanium dichloride and then to reduce the metal magnesium, and the theoretical amount in the titanium dichloride production reaction is 1 mole of titanium metal per mole of titanium tetrachloride. . However, when unreacted titanium tetrachloride is dissolved in the composite molten salt, it adversely affects the reduction reaction with magnesium. After the formed titanium dichloride is dissolved in the composite molten salt, it is not dissolved in the composite molten salt. When the reaction titanium tetrachloride dissolves, it reacts with titanium dichloride to form titanium trichloride, which lowers the solubility in the composite molten salt, so the amount of titanium tetrachloride used should not be left unreacted titanium tetrachloride. It is preferable to make it less than the amount of reaction with titanium metal.
[0022]
Next, the composite molten salt used in the present invention provides a place for forming a temperature during the reaction, dissolves the lower titanium chloride, and provides a place for depositing titanium during the reduction. Is responsible.
Its melting point is 600-700 ° C, preferably 630-670 ° C, more preferably 640-660 ° C. In the present invention, the “melting point of the composite molten salt” means the temperature at which the composite molten salt is totally melted, that is, after the crystallization start temperature at which a solid substance is precipitated upon cooling. In addition, the melting start temperature of the composite molten salt of the present invention is 400 to 500 ° C. After the solid and the liquid coexist in a certain temperature range, the whole is melted at the above 600 to 700 ° C. In the molten salt used in the conventional manufacturing method, for example, magnesium chloride alone has a melting point of 714 ° C. and sodium chloride alone has a melting point of 801 ° C., and the reduction reaction must be carried out above these melting points. It was carried out at 750 to 800 ° C. or more for magnesium molten salt, and 800 to 900 ° C. for hunter sodium chloride molten salt. Since it reacts at such a high temperature, the produced powdery titanium sinters, and as a result, it produces | generates as a particle | grain with a coarse particle size, or a massive thing. On the other hand, in the present invention, the use of the composite molten salt lowered its melting point significantly as compared with the case where it was used alone as described above, and as a result, the reaction at a low temperature became possible. Therefore, according to the production method of the present invention, it is possible to produce powdery titanium having a fine particle diameter of several μm or several tens of μm, and the composition of the composite molten salt is changed, and the melting point and reaction of the molten salt are changed. By controlling the temperature, it is possible to control the particle size of the powdered titanium obtained in the fine dimension range portion as described above.
[0023]
The chloride constituting the composite molten salt as described above is at least three kinds of metals of Group IA and Group IIA of the periodic table. These chlorides include magnesium chloride, sodium chloride, calcium chloride, lithium chloride, potassium chloride, beryllium chloride, strontium chloride, cesium chloride, barium chloride and the like, and are composed of a combination of at least three of them. Preferred examples of the combination are magnesium chloride, sodium chloride, calcium chloride and potassium chloride, and in particular, three combinations of magnesium chloride, sodium chloride and calcium chloride are preferred. Examples of preferred combinations of these chlorides are given below:
1) Magnesium chloride, sodium chloride and calcium chloride
2) Magnesium chloride, sodium chloride, calcium chloride and potassium chloride
3) Magnesium chloride, sodium chloride and potassium chloride
4) Magnesium chloride, sodium chloride, calcium chloride, potassium chloride and lithium chloride
[0024]
The composition of each chloride in the composite molten salt is arbitrary as long as the melting point is 600 to 700 ° C. as described above, but particularly in the case of a combination of magnesium chloride, sodium chloride and calcium chloride, The composition ratio of each is 10-30 wt%, 30-70 wt% and 20-40 wt%, preferably 13-25 wt%, 40-60 wt% and 25-35 wt%, particularly preferably 17- 22 wt%, 48-53 wt%, 27-32 wt%. The melting point of the composite molten salt of about 20% by weight of magnesium chloride, about 50% by weight of sodium chloride and about 30% by weight of calcium chloride is about 650 ° C., which is almost the same as the melting point of magnesium metal, and performs a reduction reaction with magnesium. In some cases, the composition enables a reaction at a low temperature. Moreover, in the case of a molten salt of magnesium chloride alone, the solubility of titanium dichloride is very low, and is about 10 mol% at about 800 ° C. In the case of sodium chloride, the solubility of titanium dichloride is high, but since the melting point is as high as 800 ° C., it is necessary to react at a temperature higher than that. On the other hand, the composite molten salt used in the present invention, in particular, the composite molten salt having the above composition has an advantage that the melting point is low and the solubility of titanium lower chloride such as titanium dichloride is high.
Further, in the production method of the present invention, in the reduction reaction step with magnesium for producing powdered titanium, the lower chloride of titanium reacts with metallic magnesium to produce by-product magnesium chloride. After this reaction is completed, the composite molten salt is usually used as an electrolytic bath for electrolytic purification while refining metallic magnesium and chlorine by an electrolytic method. The magnesium metal and electrolytic bath are used again for the production of powdered titanium of the present invention. As described above, the molten salt used in the reaction is industrially more cost-saving when recycled by electrolytic purification. Therefore, the molten salt must be effective in this electrolytic purification. The composite molten salt is also excellent in this respect. For example, since the melting point is low, the heat purification of the molten metal is less and the energy-efficient electrolytic purification is possible.
[0025]
Although the quality of the chloride used in the above-mentioned composite molten salt is not particularly limited, the purity of these compounds is not particularly limited. Either a special reagent level or an industrial chemical level with a low degree of purification can be used. Further, these commercially available products can be purchased and used after purification such as heat dehydration. For example, when using magnesium chloride, sodium chloride, and calcium chloride as the chloride for the composite molten salt, the metal components such as iron, chromium, nickel, copper, and aluminum are each 1 to 5 ppm, and the moisture is about 20 to 100 ppm. A quasi-special reagent, a purified salt, or an industrial reagent having a purity lower than that of the special reagent can be used. Furthermore, as described above, when the composite molten salt is electrolytically purified and the magnesium metal and the composite molten salt are recycled, the electrolytic bath removes moisture and other impurity components during the electrolytic purification. Such a purification treatment is not required, and is more advantageous in terms of cost and quality.
[0026]
As a method of dissolving the titanium lower chloride generated above into the composite molten salt, titanium metal chloride is added to the composite molten salt, and liquid or heated vaporized titanium tetrachloride is dropped or blown into the molten salt. And a method in which titanium dichloride is produced and simultaneously dissolved in the composite molten salt. In this method, titanium dichloride is formed in a composite molten salt, and then the composite molten salt is contacted with metallic magnesium, and the dissolved titanium dichloride is reduced to form powdered titanium. As another method, titanium tetrachloride liquidized or heated and vaporized in titanium metal is contacted outside the system, that is, in a separate reaction vessel, and the produced titanium dichloride is dissolved in the composite molten salt. Can be mentioned. In the latter method, titanium dichloride and titanium tetrachloride are not in direct contact with each other as described above, so that titanium trichloride or unreacted titanium tetrachloride does not dissolve or suspend in the composite molten salt and is reduced to metallic magnesium. The reaction is carried out efficiently.
[0027]
The amount of titanium lower chloride dissolved in the composite molten salt varies depending on the solubility in the composite molten salt, but when an amount of lower chloride exceeding the solubility is added, it does not dissolve and remains in the composite molten salt as a solid. Since it becomes cloudy or adheres to the reaction vessel and solidifies, it is not preferable because it adversely affects the reduction reaction with metallic magnesium. Therefore, it is desirable that the amount of the titanium lower chloride dissolved in the composite molten salt is not more than the solubility amount.
[0028]
After the titanium lower chloride is dissolved in the composite molten salt as described above, the composite molten salt and metal magnesium are contacted at 600 to 750 ° C., and the titanium lower chloride dissolved in the composite molten salt is reduced to form a powder. Titanium is produced.
[0029]
The magnesium metal used in the present invention is supplied as a powder, granule or massive solid, but it can also be melted and contacted by vaporization. In consideration of the uniformity of the reduction reaction, in the case of a solid, powder and granules are preferable, and the particle size is 10 mm or less, preferably 0.1 to 5 mm. Regarding the purity, commercially available products can be used, but it is desirable to use metallic magnesium with few impurities in order to obtain powdered titanium with higher purity. Specifically, Fe is 350 ppm or less, Ni is 100 ppm or less, Cr is 20 ppm or less, Si is 50 ppm or less, Al is 300 ppm or less, and Cu is 10 ppm or less. Furthermore, although it is the contact amount of metallic magnesium, it is usually 1 to 5 moles of metal magnesium, preferably 1 to 3 moles, more preferably 1.3 to 1.mol with respect to 1 mole of titanium lower chloride dissolved in the composite molten salt. 5 moles.
[0030]
In the present invention, the contact temperature of metallic magnesium is 600 to 750 ° C, more preferably 630 to 700 ° C, particularly preferably 650 to 700 ° C.
There is no particular limitation on the method for contacting the metal magnesium, but a method of contacting the lower chloride of titanium that is dissolved in the composite molten salt as uniformly as possible is preferable. Specific contact methods are listed below:
1) A method in which a composite molten salt in which a lower chloride of titanium is dissolved is stirred, or argon gas is injected into the composite molten salt, and magnesium magnesium is added and brought into contact with the composite molten salt flowing or convected.
2) First, metal magnesium is added to a composite molten salt in which lower chloride of titanium is not dissolved and heated to make the metal magnesium in a molten state, and dispersed in the composite molten salt. The dissolved composite molten salt is added dropwise. Even in this case, it is desirable that argon gas is injected into the composite molten salt in which metallic magnesium is dispersed to flow or convect the composite molten salt.
3) A composite molten salt in which a lower chloride of titanium is dissolved is dropped into a container charged with molten or solid metallic magnesium. Even in this case, it is desirable that after the composite molten salt is dropped, argon gas is injected into the composite molten salt in the container to flow or convect the composite molten salt.
[0031]
The temperature of the subsequent reduction reaction is the same as the above contact temperature.
[0032]
As described above, powdered titanium is produced in the composite molten salt, and finally obtained powdered titanium is separated from the composite molten salt. After cooling to room temperature, the solidified molten salt is taken out and washed with water to separate the powdered titanium produced. The solidified composite molten salt containing powdered titanium can be taken out of the reaction vessel, and chloride can be removed by washing with water to obtain powdered titanium. Powdered titanium can be separated from the molten salt by sedimentation, filtration or the like, and then the composite molten salt adhering to or remaining in the powdered titanium can be removed by means such as washing or vacuum separation. Alternatively, the composite molten salt containing powdered titanium can be directly subjected to vacuum treatment. In this case, a vacuum is applied, for example, for 1 hour so that the vacuum end point is 0.01 Torr at a temperature of 700 to 800 ° C.
[0033]
The powdered titanium particles thus produced are fine, and specifically have an average particle diameter of 1 to 200 μm, particularly 1 to 100 μm, preferably 1 to 50 μm, more preferably 5 to 20 μm. Further, Fe, Cr, Ni, Cu, Al in the powdered titanium of the present invention is 50 ppm or less, preferably 20 ppm or less, Mg, Cl is 800 ppm or less, preferably 500 ppm or less, particularly preferably 100 ppm or less. The oxygen content is 2000 ppm or less, preferably 1000 ppm or less, particularly preferably 500 ppm or less. Further, the tap density is about 1.5 g / ml with an average particle diameter of 10 μm, and is excellent in powder characteristics for powder metallurgy.
[0034]
Next, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 shows an apparatus for producing powdered titanium used in an embodiment of the present invention, and this apparatus is set in a heating furnace (not shown).
[0035]
The
[0036]
In FIG. 1, first, a composite chloride is charged into the
[0037]
Next, argon gas is supplied to the
[0038]
Thereafter, the
[0039]
【Example】
Next, examples and comparative examples of the present invention will be shown to clarify the effects of the present invention.
[0040]
[Example 1]
Into a reaction vessel made of mild steel (SS400) with an internal volume of 30 liters, 2 kg of magnesium chloride, 5 kg of sodium chloride and 3 kg of calcium chloride were charged and melted by heating to form a composite molten salt. The composite molten salt composition was 20% by weight of magnesium chloride, 50% by weight of sodium chloride, and 30% by weight of calcium chloride. Subsequently, 3 kg of sponge titanium having an average particle diameter of 5 mesh was put into the composite molten salt, and the temperature of the composite molten salt was set to 810 to 820 ° C. Next, liquid titanium tetrachloride was dropped into the reaction vessel at a feed rate of 40 g / min for about 1 hour and 20 minutes, and reacted to produce and dissolve lower chloride of titanium in the composite molten salt. The total dripping amount of titanium tetrachloride was 3.2 kg. At this time, the titanium lower chloride in the composite molten salt was analyzed and found to be 20 mol%. Thereafter, the temperature of the composite molten salt was set to 670 ° C., and 850 g of granular metal magnesium was charged into the composite molten salt over 1 hour, and the titanium lower chloride in the composite molten salt was reduced to obtain powdered titanium. Was generated. At this time, argon gas was injected into the composite molten salt, and a reduction reaction was performed while bubbling the composite molten salt.
[0041]
Thereafter, the reaction vessel was cooled to room temperature, the solidified composite molten salt containing powdered titanium was taken out of the reaction vessel, and chloride was removed by washing with water to obtain powdered titanium. At this time, the yield of powdered titanium was 1.5 kg. The average particle size was 50 μm. Further, impurity components in the titanium powder were analyzed, and the results are shown in Table 1.
[0042]
[Example 2]
Into a reaction vessel made of mild steel (SS400) with an internal volume of 30 liters, 2 kg of magnesium chloride, 5 kg of sodium chloride and 3 kg of calcium chloride were charged and melted by heating to form a composite molten salt. The composite molten salt composition was 20% by weight of magnesium chloride, 50% by weight of sodium chloride, and 30% by weight of calcium chloride. Subsequently, 3 kg of sponge titanium having an average particle diameter of 5 mesh was put into the composite molten salt, and the temperature of the composite molten salt was set to 810 to 820 ° C. Next, liquid titanium tetrachloride was dropped into the reaction vessel at a feed rate of 40 g / min for about 1 hour and 20 minutes, and reacted to produce and dissolve lower chloride of titanium in the composite molten salt. The total dripping amount of titanium tetrachloride was 3.2 kg. At this time, the titanium lower chloride in the composite molten salt was analyzed and found to be 20 mol%.
[0043]
On the other hand, 1000 g of metallic magnesium was put into a reaction vessel made of mild steel (SS400) having an internal volume of 30 liters and heated to 670 ° C. to melt the metallic magnesium. Thereafter, the composite molten salt in which the titanium lower chloride was dissolved was dropped over 1 hour, and the titanium lower chloride in the composite molten salt was reduced to produce powdered titanium. At this time, argon gas was injected into the composite molten salt, and a reduction reaction was performed while bubbling the composite molten salt.
[0044]
Thereafter, the reaction vessel was cooled to room temperature, the solidified composite molten salt containing powdered titanium was taken out of the reaction vessel, and chloride was removed by washing with water to obtain powdered titanium. At this time, the yield of powdery titanium was 1.6 kg. The average particle size was 35 μm. Further, impurity components in the titanium powder were analyzed, and the results are shown in Table 1.
[0045]
[Comparative Example 1]
The experiment was performed in the same manner as in Example 1 except that 15 kg of molten salt of magnesium chloride alone was used without using the composite molten salt. The results are shown in Table 1.
[0046]
[Table 1]
[0047]
According to Table 1, in the embodiment which is the method of the present invention, more titanium lower chloride can be produced and dissolved in the molten salt, and as a result, the yield of powdered titanium is high and the productivity is high. Moreover, it is clear that the average particle diameter of the obtained powdery titanium is finer than that of the conventional method, and there is little aggregation of particles due to sintering. Furthermore, the powdered titanium according to the present invention has a very low content of impure elements, and a highly purified product is obtained.
In the comparative example, since the operating temperature is high, the generated titanium tends to be dense, and MgCl 2 It is clear that the content of Mg, Cl is high, moisture is easily absorbed, and the oxygen content is high.
[0048]
【The invention's effect】
As described above, the present invention is a method for producing powdered titanium by reducing titanium chloride with metallic magnesium, and is a composite melt comprising at least three types of chlorides of Group IA and Group IIA metals in the periodic table. By using a salt, productivity can be improved, aggregation of powdered titanium due to temperature can be prevented, and powdered titanium with higher purity can be produced.
In summary,
1) Since the solubility of titanium chloride can be increased, productivity can be improved.
2) Since the operation temperature can be lowered by 100 to 150 ° C. compared to the conventional method by using a composite salt, aggregation of the produced powder titanium can be suppressed, and the conventional fine powder having an average particle size of about 250 μm to about 50 μm. Can be obtained. The particle size can be controlled by adjusting the composition of the composite molten salt.
3) Furthermore, titanium and TiCl Four The reaction of TiCl 2 Impurities are separated when producing, so that titanium powder having a higher purity than that of raw material titanium can be produced.
4) High quality titanium powder can be produced at low cost regardless of the hydrogenation / dehydrogenation method.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an example of a powdery titanium manufacturing apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a flow sheet showing an example of a powdery titanium manufacturing process according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 reaction vessel
2 Argon gas supply pipe
3 Titanium tetrachloride supply pipe
4 Thermometer protective tube
5 slot
6 Compound molten salt
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