JP4127281B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関し、特に、入力されるカラー画像データに対し、色補正処理を行い、出力する画像処理装置およびその方法に関する。
従来より、カラー原稿等を、スキャナ等の画像入力部を用いて読み取り、読み取られた画像データを、例えばCRTなどのディスプレイや、カラープリンタ等を用いて再生表示させる画像処理装置が知られている。
ディスプレイやカラープリンタなどの画像出力装置は、それぞれ特有の色再現特性を有するから、スキャナ等を用いて入力したカラー画像の色を、出力装置の特性によらず良好に再生するため、使用する画像出力装置の色再現特性に合わせて色補正処理を行う手法が提案されている。このような色補正手法の一つとして、特開昭63−2669号公報に示されたものがある。この従来技術では、レッド(以下、Rと記す)、グリーン(以下、Gと記す)、ブルー(以下、Bと記す)の3色成分の全ての組み合わせに対応したRGB3次元の色補正テーブルを用意している。この色補正テーブルには、3次元座標で表わされた色空間内の総ての位置についての色補正内容を予め記憶している。画像処理装置は、この色補正テーブルを参照することによって色補正を行なう。
この色補正手法は、使用する色補正テーブルの記憶容量が膨大なものとなってしまうため、実用性が十分ではなかった。例えば、入力される原カラー画像データがR,G,B各色毎に8ビット(256階調)の階調数をもつ場合、色数は256の3乗で約1678万色にもなる。色補正後のデータも同じく8ビットだとすると、R,G,B3色分では、色補正テーブルとして48メガバイトもの記憶容量が必要となる。
他方、色補正テーブルの大容量化を回避するために、色補正テーブルを限られた格子点に対応するデータのみから構成し、格子点間の色データについては、格子点のデータを利用して補間演算を行なって、色補正処理を行なうものも提案されている(例えば、特開平4−144481号公報、特開平4−185075号公報)。この手法によれば、色補正テーブルの記憶容量を低減することはできるが、補間演算にかなりの時間を要してしまう。特に、最近のように取り扱う画像データの解像度が高くなり、かつ各画素についての階調表現が細かくなると、一枚の画像を出力するのに要する演算時間は長くなり、画像出力が完了するまでの待ち時間が極めて長くなってしまう。かといって、補間演算を簡略なものとすれば、色の再現性が落ちてしまう。
そこで、本願出願人は、色補正テーブルの容量を増大することなく、かつ色補正の補間演算の長大な時間を必要としない画像処理の手法を提案している(例えば、特開平7−30772号公報参照)。この画像処理の手法は、色空間を所定の間隔で分割し、分割して得られた格子点についてのみ色補正データを用意すると共に、格子点以外の画像データに対しては、その近傍のいずれかの格子点に割り付け、補間演算なしで色補正を行なうというものである。この場合、本来の画像データをその近傍の格子点に割り付けるから、格子点への割付を行なうたびに誤差が生じる。そこで、画像を構成する各画素の画像データを順次処理する際、この誤差が平均的にはできるだけ小さくなるように、格子点への割り付けを行なうのである。
上記画像処理の手法は、一つ一つの画素に着目すれば、その色には誤差が存在するが、一定の範囲では誤差を解消しており、出力された画像の品質を低下させることなく、画像処理に要する演算時間を大幅に短くするという優れたものであるが、画像を出力する画像出力装置が表現可能な階調数が低い場合、例えばインクジェットプリンタのように、2値的な表現しかできない場合、画像の濃度が低い領域では、画質がやや低下してしまうということがあった。ドット密度が小さくドットがまばらに分布する低濃度領域では、少しのノイズ(格子点への割り付けにより生じる量子化誤差)でも、ドットの出現位置が大きくずれてしまうからである。
また、上記の画像処理では、原画像で同色の画素が近接していても、両画素は異なる格子点に割り当てられることがあるから、色補正テーブルの記憶容量を低減するために、色空間の分割を荒くし、格子点の数を減らすと、出力された両画素の色の隔たりが大きく、結果的に画像の品質を低下させることがあった。
本発明は、これらの問題を解決し、色補正のための演算処理を増やすことなく、低濃度領域を中心に出力画像の品質を更に向上させることを目的とする。
本発明の画像処理装置は、
2次元以上の色空間における座標値により表現された多色の画像を色補正して出力する画像処理装置であって、
前記画像の各画素について、前記座標値を多階調で表現したカラー画像データを入力する入力手段と、
前記座標値を表現する前記階調数よりも小さな階調数により前記色空間を分割し、該分割を前記各次元について行なうことより得られた格子点の座標値を前記色空間について記憶した格子点情報記憶手段と、
該各格子点に対応して、前記カラー画像データの色に関する補正データを記憶した色補正テーブルと、
前記入力されたカラー画像データの前記色空間内での座標値を、前記格子点情報記憶手段に記憶された格子点のうち、該座標値に近接するいずれかの格子点の座標値に変換することで、前記カラー画像データが有する階調数を低減するプレ階調数変換手段と、
該変換された座標値に対応した格子点の補正データを、前記色補正テーブルから読み出す色補正データ読出手段と、
該色補正データ読出手段が読み出した各画素の補正データを、該各画素の近傍の画素の補正データに基づいて平均化する処理を行なう平均化処理手段と、
該平均化処理手段により平均化の処理がなされた補正データの各色成分毎の階調数を、画像出力装置に適した階調数であり、前記プレ階調数変換手段により変換された階調数より小さい階調数に変換するポスト階調数変換手段と
を備え
前記プレ階調数変換手段は、分散型ディザの閾値マトリックスを用いて格子点の座標を変換する手段、または誤差拡散の手法を用いて格子点の座標を変換する手段であることを要旨としている。
また、この画像処理装置に対応した画像処理方法は、
2次元以上の色空間における座標値により表現された多色の画像を色補正して出力する画像処理方法であって、
前記画像の各画素について、前記座標値を多階調で表現したカラー画像データを入力し、
前記座標値を表現する前記階調数よりも小さな階調数により前記色空間を分割し、該分割を前記各次元について行なうことより得られた格子点の座標値を前記色空間について記憶し、
該各格子点に対応して、前記カラー画像データの色に関する補正データを記憶した色補正テーブルを用意し、
前記入力されたカラー画像データの前記色空間内での座標値を、前記記憶された格子点のうち、該座標値に近接するいずれかの格子点の座標値に変換することで、前記カラー画像データが有する階調数を低減するプレ階調数変換を、分散型ディザの閾値マトリックスを用いて格子点の座標を変換する方法、または誤差拡散の手法を用いて格子点の座標を変換する方法を用いて行ない、
該変換された座標値に対応した格子点の補正データを、前記色補正テーブルから読み出し、
該読み出した各画素の補正データを、該各画素の近傍の画素の補正データに基づいて平均化し、
該平均化の処理がなされた補正データの各色成分毎の階調数を、画像出力装置に適した階調数であり、前記プレ階調数変換により変換された階調数より小さい
階調数に変換するポスト階調数変換を行なうこと
を要旨としている。
この画像処理装置および画像処理方法によれば、色空間内の座標値を格子点の座標値に変換する手法により、従来の複雑な補間演算を省略することができ、良好な色再生が得られる。更に、色補正後の補正データに対して、近傍の画素の補正データに基づく平均化の処理(スムージング処理)を施すことにより、各画素の座標値を格子点の座標値に変換したことによる画質の劣化を抑制できる。しかも、プレ階調数変換手段による量子化誤差が、ポスト階調数変換手段による階調数の変換により小さくされ、前者の量子化誤差による画質の劣化の影響は小さくなる。このスムージング処理は、かかる座標値の変換の量子化誤差の影響が問題となる低濃度領域だけで行なってもよい。
この画像処により出力される画像データの階調数は、画像出力装置に適した最終的な階調数よりも多いことが望ましい。その場合、この画像データは最終的な階調数へと更に階調数変換された後に画像出力装置に与えられることになるが、上記の格子点への割付による階調数変換の量子化誤差は、出力装置に適した最終的な階調数への変換により小さくなる。結果として、格子点への割り付けによる階調数変換を導入したことによる画質の劣化が抑制される。この点は、第1の画像処理装置および画像処理方法と同様である。
上述した画像座標値の格子点の座標値への変換は、誤差拡散の手法を用いて行なうことができる。また、分散型ディザの閾値マトリックスを用いて格子点の座標を変換することも可能である。これらの手法によれば、量子化誤差を適正に分散することができる。更に、いずれの手法を用いるかを画像の性質などに基づいて切り換える構成とすることも可能である。誤差拡散の手法は、誤差の分散性に優れるが、一般に演算処理が増える。他方、高速処理の点では、分散型ディザの手法が勝る。したがって、両者の手法を切り換えて、それぞれの特徴を生かすことも望ましい。この場合、上記の平均化処理は、誤差拡散の手法が用いられる場合でかつ画像データの濃度が低い領域で行なうものとすることもできる。
上記の平均化の処理を行なう場合の平均化の対象となる画素としては、様々なものを考えることができる。例えば、平均化の処理を行なう場合の近傍の画素を、カラー画像データを入力する方向に沿った隣接画素とすることができる。通常は画像データの入力順に画像の処理を行なうので、その入力方向に沿った隣接画素とすれば、処理が容易となる。入力方向に沿った隣接画素としては、入力する方向において手前側の画素を用いることもできるし、後ろ側の画素を用いることもできる。更に、前後に両側の隣接画素との平均を取ることも可能である。また、平均化の処理を行なう近傍の画素としては、カラー画像データを入力する方向に隣接する画素およびこの方向に交差する方向の画素を用いることもできる。なお、平均化の処理としては、単純な平均値の他に所定の重み付けを行なった加重平均値を用いることも可能である。
ここで、カラー画像データの座標値が、該カラー画像データの各色成分の濃度に対応した値として定義しておくことができる
ここで、ポスト階調数変換手段を、2値化を行ない、2値化されたドットの分布密度により階調を表現する手段とすることができる。
更に、こうした画像処理装置において平均化処理手段に、色補正データ読出手段により読み出した色補正データを、隣接する画素の色補正データとを比較する手段を設け、比較された両色補正データの相違が所定値以下の場合に、平均化の処理を行なうものとすることができる。平均化の処理は、一律に行なえば画像のシャープさを失う結果になりやすい。もともとエッジのある場所では、隣接する画素の色は大きく隔たっていることが多いから、色補正データの相違が所定値以下の場合に平均化を行なうものとすれば、画像本来のエッジでは平均化の処理は行なわれず、画質のなめらかさとシャープさを両立させることができる。
また、こうした平均化の処理を行なうか否かは、カラー画像データを構成する各色の少なくとも一つの色について判断するものとし、この色についての判断に基づいて各色毎に平均化の処理を行なうものとしても良い。
あるいは、近接する画素について入力されたカラー画像データの色空間内での隔たりが所定距離以下であると推定される場合に、平均化の処理を行なうものとしても良い。
カラー画像データの色空間内での隔たりが所定距離以下であるか否かの推定は、様々な判断手法を考えることができる。例えば、近接する画素についてプレ階調数変換手段により変換された後の格子点が少なくとも隣接する場合に、この近接する画素間の隔たりが所定距離以下であるとの推定することができる。また、近接する画素についてのカラー画像データが、共に、格子点情報記憶手段が記憶している格子点が形成する単位空間に含まれる場合に、近接する画素間の隔たりが所定距離以下であるとの推定することもできる。原画像において同一またはほぼ同じ色であった画素が、プレ階調数変換手段により変換された結果、異なる格子点に割り当てられた場合に、平均化の処理を行なうことが、画像の細かさや解像度を失うことなく画質の改善を図ることになるからである。
カラー画像データにおける近接する画素の色空間内での隔たりが所定距離以下であると推定された場合に、平均化の処理についての他の実行条件の成立を判断し、該近接する二つの画素の隔たりが所定距離以下であると判断され、かつ他の実行条件が成立していると判断した場合のみ、前記平均化の処理を行なうものとすることができる。他の実行条件としては、画像データが所定の濃度以下である場合等、種々の条件を考えることができる。
こうした平均化処理を行なう画像処理装置においても、格子点情報記憶手段が、格子点の座標を、色空間の所定の低濃度領域では他の領域よりも色空間を細かく分割して記憶するものとすることができる。この結果、低濃度領域での画質は一層良好なものとなる。
なお、上述した低濃度領域で細かく分割された格子点を用いた格子点変換と、主要色についての補間処理と、近接する格子点間における平均化処理とを、併せて行なうことも可能である。この場合には、それぞれの利点を生かして、演算に要する時間を短くでき、かつ格子点変換による画質の劣化を最小限に押さえることができる。
次に、本発明の画像処理装置の好適な実施形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1には、本発明の第1の実施の形態としての画像処理装置30を中心とするカラー画像処理システムの一例が示されている。この画像処理システムでは、スキャナなどの画像入力装置10から出力される原カラー画像データORGは、画像処理装置30へ入力される。画像処理装置30により処理された画像データは、最終的にはプリンタなどの画像出力装置20に出力され、ここで最終的な画像が得られる。実施の形態の説明が多岐に亘るため、
(1)画像処理装置のハードウェア
(2)画像処理の概要−その1
の順に説明し、更にここで、第1ないし第2実施例について説明する。その後、(3)画像処理の概要−その2
として、第3ないし第6実施例について説明する。
(1)画像処理装置のハードウェア
画像処理装置30は、入力された原カラー画像データORGを画像出力装置20の色再現特性に合わせる画像処理として、色補正と階調数変換を行なっている。色補正は、例えばガンマ補正など、画像出力装置の出力特性を補正する処理である。また、階調数変換とは、画像入力装置10から出力されるカラー画像データORGの出力可能な階調数に比べ、画像出力装置20の出力可能な階調数が小さい場合には、色補正されたカラー画像データを、画像出力装置20に合わせた最終的な階調数に変換する処理である。例えば、スキャナ等から読み込んだ画像データORGが、R,G,Bの各色について階調数が256(8ビット分)であり、画像出力装置20が、インクのオン・オフによる表現を行なうインクジェットプリンタであって、最終的な階調数が2であるという構成があり得る。この場合、画像処理装置30は、256階調の画像データを2階調に変換し、最終カラー画像データFNLとして画像出力装置20へ向け出力する。なお、以上の説明では、一括して階調数変換と呼んだが、実際には、入力した原カラー画像データORGを色補正前に階調数の少ない格子点に割り付けることにより階調数を低減するプレ階調数変換と、色補正された後のデータをプリンタの表現可能な階調数に合わせて2値化するいわゆるハーフトーン処理による階調数変換とを行なっている。以下の説明では、前者をプレ階調数変換と、後者をポスト階調数変換と呼ぶ。各階調数変換については、後で詳しく説明する。
図2には、図1に示すカラー画像処理システムの具体的な構成例を示すブロック図である。ここでは、画像入力装置10としては、原稿からカラー画像を光学的に読み取るスキャナ12が用いられている。スキャナ12は、読み取ったカラー画像データを、R,G,Bの3色の色成分からなる原カラー画像データORGとして出力する。なお、実施例では、R,G,Bの各色は、各8ビットのディジタルデータで表現されており、階調数は256である。このケースでは、スキャナ12は、R,G,Bの3原色により原カラー画像データを表現するものとしており、各画素の色は、R,G,Bの各色を座標軸とする三次元の色空間内のどこに位置するかという形式、即ち座標値により表現されているが、他の形式、例えばL*a*b*などいかなる表色系を採用しても、ある画素の色は、その色空間内のどこに位置するか、即ち座標値として表現することができる。
なお、画像入力装置10としては、このようなスキャナ12以外に、例えば、ビデオカメラ、コンピュータグラフィック作成用のホストコンピュータ、その他の手段を用いることができる。
また、実施例の画像処理システムでは、画像出力装置20として、画素単位での階調制御ができないカラープリンタ22が用いられている。このカラープリンタ22では、スキャナ12から出力される原カラー画像データORGの各色成分の階調数を、各画素のオン/オフに対応した2階調にまで減らす2値化処理が必要となることは前述した。
なお、画像出力装置20としては、これ以外に、例えばカラーディスプレイ21等も用いることができる。コンピュータ用のカラーディスプレイ21などでは、通常の家庭用TVに比べ、表示可能な階調数が小さなものが多い。このようなカラーディスプレイ21を用いる場合でも、原カラー画像データORGの階調数を、当該ディスプレイ21に対応した階調数に変換してやる必要がある。
次に、画像処理装置30に相当する具体的な構成について説明する。図2では、画像処理装置30として、コンピュータ90を用いた構成を示している。このコンピュータ90の内部には、図示しないCPU,RAM,ROM等が備えられており、所定のオペレーティングシステムの元で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からはこれらのドライバを介して、最終カラー画像データFNLが出力されることになる。画像のレタッチなどを行なうアプリケーションプログラム95は、スキャナ12から画像を読み込み、これに対して所定の処理を行ないつつビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ93に画像を表示している。このアプリケーションプログラム95が、印刷命令を発行すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像情報をアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ22が印字可能な信号(ここではCMYについての2値化された信号)に変換している。図2に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データをドット単位の画像データに変換するラスタライザ97、ドット単位の画像データに対して画像出力装置(ここではプリンタ22)が使用するインク色CMYおよび発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジュール98、色補正モジュール98が参照する色補正テーブルCT、色補正された後の画像情報からドット単位でのインクの有無によってある面積での濃度を表現するいわゆるハーフトーンの画像情報を生成するハーフトーンモジュール99が備えられている。
既述したプレ階調数変換は、色補正モジュール98により、ポスト階調数変換は、ハーフトーンモジュール99により行なわれる。色補正モジュール98での処理が、格子点変換処理に相当する。
次に、出力装置であるプリンタ22の構造について簡単に説明する。図3は、プリンタ22の概略構成図である。図示するように、このプリンタ22は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御する機構と、これらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。
このプリンタ22のキャリッジ31には、黒インク用のカートリッジ71とシアン,マゼンタ,イエロの3色のインクを収納したカラーインク用カートリッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部の印字ヘッド28には計4個のインク吐出用ヘッド61ないし64が形成されており、キャリッジ31の底部には、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管65(図4参照)が立設されている。キャリッジ31に黒インク用のカートリッジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入管が挿入され、各インクカートリッジから吐出用ヘッド61ないし64へのインクの供給が可能となる。
インクが吐出される機構を簡単に説明する。図4に示すように、インク用カートリッジ71,72がキャリッジ31に装着されると、毛細管現象を利用してインク用カートリッジ内のインクが導入管65を介して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし64に導かれる。なお、初めてインクカートリッジが装着されたときには、専用のポンプによりインクを各色ヘッド61ないし64に吸引する動作が行なわれるが、本実施例では吸引のためのポンプ、吸引時に印字ヘッド28を覆うキャップ等の構成については図示および説明を省略する。
各色ヘッド61ないし64には、図4に示したように、各色毎に32個のノズルnが設けられており、各ノズル毎に電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PEとノズルnとの構造を詳細に示したのが、図5である。図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルnまでインクを導くインク通路80に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行なう素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図5下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路80の一側壁を変形させる。この結果、インク通路80の体積は、ピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルnの先端から高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行なわれることになる。
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22は、紙送りモータ23によりプラテン26その他のローラを回転して用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし64のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行ない、用紙P上に多色の画像を形成する。
用紙Pを搬送する機構は、紙送りモータ23の回転をプラテン26のみならず、図示しない用紙搬送ローラに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ31を往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
制御回路40の内部には、図示しないCPUなどが備えられているが、プリンタ22の出力特性に応じた色補正などは、コンピュータ90内部で処理されており、プリンタ22では、階調数の変換や色補正などに関する処理は一切行なわれていない。プリンタ22の内部で実行される処理は、コンピュータ90から出力されるデータを受け取って、上述した紙送りとキャリッジ31の往復動作に同期して、印字ヘッド28の各色ピエゾ素子PEを駆動するだけである。したがって、プリンタ22の制御回路40の詳細な説明やその処理については、説明を省略する。
(2)画像処理の概要
次に、画像処理の概要について説明する。本実施の形態で採用した画像処理は、プレ階調数変換、色補正、ホスト階調数変換と多岐に亘る。また、それらの処理のバリエーションも、誤差拡散法、平均誤差最小法、組織的ディザ法、あるいはソフトウェアによる色補正,ハードウェアによる色補正など、極めて多いので、説明の便を図って、次の順に説明する。
[A]画像処理のアウトライン
[B]第1ないし第7実施例に共通する画像処理の概要
[C]第1ないし第3実施例に共通する画像処理の詳細
[D]第1ないし第3実施例
[E]第4ないし第7実施例に共通する画像処理の詳細
[F]第4ないし第7実施例
[A]画像処理のアウトライン
コンピュータ90内部の色補正モジュール98が参照する補正テーブルCTは、図6に示すように、R,G,Bの3色から構成される3次元色空間を格子状に分割した色テーブルである。このテーブルCTは、プリンタドライバ96がオペレーティングシステムに組み込まれる際、例えばハードディスクから読み出され、コンピュータのRAMに展開される。この色テーブルの各格子点には、例えばスキャナ12などの読み取り用カラー原稿と、例えばカラープリンタ22を用いて記録紙上に印字された出力カラー画像とが等しい色になるように、各格子点のR,G,Bの階調値データを階調値変換したCMY色の階調補正データが記憶されている。
コンピュータ90は、スキャナ12から入力される原カラー画像データORGに対し、補正テーブルCTに記憶された補正データを用い補正処理を行ない(プレ階調数変換)、さらに色補正されたカラーデータを、例えばカラープリンタ22などの画像出力装置20の階調数Nに合わせた最終的な階調数に変換するポスト階調数変換処理を行なうことは、上述した通りである。このようにして変換処理された最終的なカラー画像データFNLは、そのままカラープリンタ22へ向け出力してもよく、また、コンピュータ90のメモリ内に、一画面分の最終カラー画像データFNLとして記憶し、その後カラープリンタ22に出力するようにしてもよい。
[B]第1ないし第8実施例に共通する画像処理の概要
図7には、コンピュータ90の色補正モジュール98とハーフトーンモジュール99とにより実現される画像処理装置30の機能ブロック図が示されている。この画像処理装置30は、図7では、プレ階調数変換部140と、色補正部142と、ポスト階調数変換部146と、前述した色補正テーブルCTを格納した色補正テーブルメモリ134とから構成されるものとしている。まず、前記色補正テーブルメモリ134に記憶された補正データについて説明する。
図6に示したよう、入力される原カラー画像データORGは、R,G,Bの各色成分に対応した座標軸をもつ色空間における座標値として定義される。各座標軸は、各色成分の階調数を座標値として設定している。そして、この色空間を格子状に分割して、各格子点300毎に、各色成分の補正データを格納している。
色補正テーブルメモリ134内に格納する補正データの決定手法にはいろいろある。それを決定し、テーブルCT内に格納する工程に関して簡単に説明する。通常は、まず、対象とする出力系(例えばカラープリンタ22)にいろいろなR,G,B値を与えて実際に出力された結果を色測定する。そして、出力系に与えたR,G,Bの値と、出力結果を測定して得られたR,G,Bの値との対応関係を調べる。なお、プリンタ22における実際のインク色はCMYであるが、ここでは説明を簡略にするため、総てR,G,Bで扱う。R,G,BからC,M,Yへの変換についても、後で詳しく説明する。
次に、その対応関係を逆にみて、対応する色を得たい場合に必要なR,G,Bの各色成分の階調数補正データを各格子点300毎に調べ、これを補正データとして色補正テーブルメモリ134内に格納する。
このようにして色補正テーブルメモリ134内には、各格子点300毎に対応する色補正結果が記憶されることとなる。前記色空間は、分割数が多いほど画質が向上するが、半面、色補正テーブルメモリ134の容量が大きくなるので、色補正テーブルの容量と画質のバランスから適当な分割数を決定する。
実施形態の画像処理装置30は、このようにして色補正テーブルメモリ134内に記憶された補正データを用い、原カラー画像データORGに対する画像処理を次のようにして行う。
まず、プレ階調数変換部140は、所定の階調数変換手法を用い、原カラー画像データORGのR,G,Bの色成分の階調数を、図6に示す色空間内の最適格子点の階調座標値に変換するプレ階調数変換を行なう。そして、変換されたデータを格子点カラー画像データGCDとして色補正部142へ向け出力する。ここでは、原カラー画像データORGの各色成分を、RがNr階調、GがNg階調、BがNb階調になるよう、プレ階調数変換を行ない、その結果を、Rk、Gk、BKとして出力する。
なお、プレ階調数変換部140における、階調数の変換の手法としては、多値の誤差拡散法、平均誤差最小法や、多値の組織的ディザ法等各種の手法が採用できる。その詳細については、後述する。
色補正部142は、入力される格子点カラー画像データGCDに対応した格子点の階調補正データを、色補正テーブルメモリ134から読み出す。そして、格子点カラー画像データGCDの色成分Rk、Gk、Bkの階調数を補正し、色補正データCCDとしてポスト階調数変換部146へ向け出力する。ここでは、色補正データCCDの各色成分のデータをRc 、Gc 、Bc と表す。
そして、ポスト階調数変換部146は、色補正部142から得られた色補正データCCDを、誤差拡散法または平均誤差最小法によって、最終的に変換したい階調数までポスト階調数変換し、これを各色データがRp、Gp、Bp で表される最終カラー画像データFNLとして出力する。
したがって、この最終カラー画像データFNLを、例えばカラープリンタ22へ向け出力することにより、カラープリンタ22は、記録紙上に良好な色再現性を有するカラー画像をプリントアウトすることができる。
以上の構成のうち、色空間を格子状に分割して、各格子点毎に色補正データを記録した色補正テーブルメモリ134を用意することに関しては、従来から知られている(例えば特開平7−30772号)。即ち、この画像処理装置30は、色補正テーブルメモリ134を参照する前に、プレ階調数変換部140を用い、入力される原カラー画像データORGが色補正テーブルメモリ134の格子点上の色データとなるようプレ階調数変換を行ない、その後色補正テーブルメモリ134を参照して色補正を行ない、更にポスト階調数変換(例えばハーフトーニングの処理)を行なうのである。これにより、色補正テーブルCTを参照する際の複雑な補間演算を省略し、色補正処理に要する演算時間を大幅に短縮することができるのである。
上述した各処理について更に説明を補足する。まず、プレ階調数変換部140でのプレ階調数変換処理に、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いた場合を例にとり説明する。いま、スキャナ12から入力される原カラー画像データORG中に、R=12、G=20、B=24という階調をもった色領域が一定面積連続すると仮定する。そして、この色領域のカラーデータが、画像処理装置30へ入力される場合を想定する。
図8には、この原カラー画像データORGの色空間内における座標位置近傍の8個の格子点が示されている。各格子点は、図8に示す立方体の各頂点に位置し、その座標位置は次式(1)で表されるとする。
Figure 0004127281
色補正テーブルメモリ134内には、各格子点300の色データに対する、R,G,Bの各色成分の色補正値が用意されている。また、図8に示した例では、原画像データORGは、(R,G,B)=(12,20,24)という座標値で表わされるデータとしている。
補間演算を行なう従来技術を用いて色補正処理を行なう場合には、原画像データORGの色空間内における座標位置近傍の8個の格子点における色データの補正値を参照する。そして、参照した8個の色補正値を用い、原カラー画像データORGの座標位置と各格子点との距離に応じた重み付き平均を求める補間演算処理を実行し、色補正処理を行なっている。図8に示す例では、原カラー画像データORGの座標位置から、各格子点までは等距離に設定したので、補間演算では、8個の格子点の色補正値を単純平均し、R,G,Bの各色成分の補正データを求めることになる。
これに対し、本発明の色補正処理は、次のような手順で行われる。まず、プレ階調数変換部140は、入力された原カラー画像データORGが、8つの格子点上のいずれかの色データになるように、誤差拡散法や平均誤差最小法を用いて、プレ階調数変換を行う。次に、色補正部142は、色補正テーブルメモリ134を参照し、色補正処理を行う。
実施形態のプレ階調数変換部140で用いる誤差拡散法や平均誤差最小法は、ある領域の局所的な色の平均値がなるべく原画像データに等しくなるように、一つ一つのデータを近傍の格子点のデータ値に変換していくように働く。したがって、原カラー画像データORGの座標位置が各格子点に対し等距離となっている図8の例では、プレ階調数変換を行なった結果は、8個の格子点データそれぞれがほぼ8分の1ずつの等しい割合で混在した色領域が得られる。この結果、プレ階調数変換処理された色データに、色補正テーブルCTを参照した色補正を行った結果、8個の格子点色の色補正値がほぼ等しい確率で混在した色領域が得られることになる。
このように、従来の補間演算を行なった色補正処理と、本実施の形態の色補正処理とにより得られた結果は、適当な面積での色の平均値をとって比べた場合には、ほぼ等しくなる。すなわち、この色補正部142では、各画素単位ではプレ階調数変換することによって生じる量子化ノイズが加わることになるが、それにもかかわらず、局所的な平均値をとってみた場合には、従来の補間演算を行なった場合と、ほとんど同等の色補正結果が得られることになる。
なお、画像出力装置20の表現可能な階調数が十分に多い場合には、前述したプレ階調数変換処理によって生じた量子化ノイズによる画質低下が問題となる。本実施の形態の場合は、さらにこのプレ階調数変換処理の後に、ポスト階調数変換部146を用い、色補正された画像データを、画像出力装置20の表現可能な階調数に対応した最終的な階調数まで変換するポスト階調数変換処理を行なうので、ここでも、階調数変換に伴う量子化ノイズが発生する。したがって、前処理段階でのプレ階調数変換で生じる量子化ノイズを、最終段階でのポスト階調数変換で生じる量子化ノイズに比べ、十分に小さくできれば、実用上は問題にならないことになる。このため、実施形態の装置では、プレ階調数変換部140の変換可能な階調数が、ポスト階調数変換部146の変換可能な階調数よりも、十分大きくなるよう形成され、これにより、プレ階調数変換処理に伴う画質の低下を防止している。
特に、本実施形態では、ポスト階調数変換部146での階調数変換に、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いるため、プレ階調数変換、ポスト階調数変換の双方を通じて 、領域の局所的な平均値を取った場合の誤差を最小にしようとする機構が働くことになる。このため、プレ階調数変換処理における変換可能な階調数を、実施形態のようにポスト階調数変換処理における変換可能な階調数より十分に大きく取ることにより、色補正テーブルの複数の格子点を参照し、補間演算を行なう従来の補正処理に比べ、全く遜色のない画質を得ることができる。
実際に、原カラー画像データORGの各色成分が256階調の場合に、プレ階調数変換部140での変換可能な階調数を各色成分とも32,ポスト階調数変換部146での変換可能な階調数を各色成分とも2とし、色補正および階調数変換を行なった結果、従来のように、補間演算を行なって色補正を行った後に、2階調化した結果と全く識別することができない程度の、良好な再生画像を得られることが確認された。さらに、プレ階調数変換処理での変換可能な階調数を8階調位まで減らしても、実用上問題のない画質が得られることが確認された。
前述したように、プレ階調数変換処理における変換階調数を小さくするほど、色補正テーブルメモリ134のメモリ容量は小さくできる。例えば、色補正部142での色補正後の出力データが、色成分数でm、各色成分ごとにnビットのデータであったとすると、色補正テーブルメモリ134に必要なメモリ容量は、プレ階調数変換処理での変換可能な階調数が各色L階調(qビット)である場合には、次式で表される。
Figure 0004127281
色成分数mが3、各色成分毎に8ビット(1バイト)、階調数が各色32階調(5ビット)であるとすると、
Q=3×8×2^(5×3)
=98304×8[ビット]
=96K[byte ]
なお、1K[byte ]は1024[byte ]である。
同様にして、プレ階調数変換可能な階調数が各色とも16階調の場合、8階調の場合のそれぞれについて、色補正テーブルのメモリ容量を計算すると、16階調の場合は、12Kバイト、8階調の場合は1.5Kバイトという少ないメモリ容量で済むことになる。これに対して、原画像データが各色8ビット(256階調)の場合に、表現しうる総ての原カラー画像データORGに対して色補正テーブルを用意しようとすれば、16Mバイト程度のデータが必要になってしまう。
以上の説明では、プレ階調数変換部140での階調数変換の手法に、誤差拡散法や、平均誤差最小法を用いた場合を例にとり説明したが、プレ階調数変換部140は、これ以外に、例えば組織的ディザ法等、他の手法を用いて階調数変換をすることもできる。
この場合には,プレ階調数変換部140では、領域の局所的な平均値をとった場合の誤差を最少にしようとする機構が働かなくなるので、誤差拡散の手法を用いた場合より画質が劣化する可能性がある。これは、原画像データの階調数が256であるのを8階調まで減らすような大幅な階調数変換を行なうような場合に問題となる可能性がある。しかし、原画像データの表現に用いられる階調数と、プレ階調数変換部140での変換可能な階調数との差があまり大きくない場合、例えば、原カラー画像データORGの階調数が64であるのを、プレ階調数変換処理で32階調や16階調に減らすような場合や、あるいは出力装置に十分に高解像度で、量子化ノイズの空間周波数が十分に高くなる場合には、ここで生じる量子化ノイズの影響は、実際に様々な画像を出力してみるとそれ程問題にならなかった。このような場合には、誤差拡散法の代わりに、組織的ディザ法などのより簡易な階調数変換手法を採用してもよい。組織的ディザ法等の簡易な階調数変換手法を採用した場合には、階調数変換に要する演算時間を短縮することができる。
[C]第1ないし第3実施例に共通する画像処理の詳細
次に、上記実施の形態としての画像処理装置のより具体的な実施例を説明する。ここでは、図2に示すスキャナ12から、R,G,B各色が8ビット、256階調の原カラー画像データORGが画像処理装置30としてのコンピュータ90に入力され、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、この原カラー画像データORGを画像処理して、最終カラー画像データFNLをカラープリンタ22へ出力する場合を想定する。ここで使用されるカラープリンタ22は、シ アンC,マゼンダM,イエローYの3色インクを用いて各色ドットのオン(ドット有り)/オフ(ドットなし)の2階調で印字するものを用いる。プリンタ22における印刷の具体的な構成は、既に説明した。
図9には、この場合に使用される画像処理装置30の具体的なブロック図が示されている。プレ階調数変換部140、色補正部142は、入力される原カラー画像データORGを色補正し、さらにR,G,BからC,M,Yへ表色系を変換し、色補正データCCDとして出力する。そして、前記色補正データCCDを、ポスト階調数変換部146を用いプリンタ22の表示可能な階調数に対応して2値化し、最終カラー画像データFNLとして出力する。
ここにおいて、前記色補正テーブルメモリ134には、補正データが次のようにして設定されている。補正データの決定のために、まず、図9に示した画像処理装置からポスト階調数変換部146(図2に示すハーフトーンモジュール99)のみを取り出して、対象となるカラープリンタ22を組み合わせた系を構成する。そして、いろいろなC,M,Y値をポスト階調数変換部146に与えて2値化した後、対象とするカラープリンタ22に出力した結果を色測定する。そして、ポスト階調数変換部146に与えたC,M,Y値と、カラープリンタ22の出力結果を測定したR,G,B値の対応関係を調べる。
次に、その対応関係を逆にみて、色空間内の格子点色データに対応するR,G,B値の色を得たい場合に必要なC,M,Y値を求め、それを色補正データとして色補正テーブルメモリ134内に設定する。実際の画像処理に先立って、以上の処理を行ない、色補正テーブルCTを用意するのである。
そして、プレ階調数変換部140は、入力される原カラー画像データORGのR0,G0,B0の各色成分を、RおよびGは16階調、Bは8階調に階調数変換し、格子点カラー画像データGCDとしてPk ,Gk ,Bk の各色成分を出力する。これは、図7に示す実施形態におけるNr ,Ng がそれぞれ16、Nb が8の場合の例となる。このために本実施形態では、誤差拡散法または平均誤差最小法による多値化を行なうが、この多値化工程自体は既存の手法を用いればよい。
次に、多値化の具体例を、B成分を8階調化する場合を例にとり説明する。いま、原カラー画像データORGのB成分が、2進数8ビットで表現されており、その階調数が0〜255までの256階調であるとし、これをプレ階調数変換部140を用い、次に示す8種類(i=0,1・・・7)の格子点色データpre_Bに8値化する場合を想定する。
pre_B[0],pre_B[1],…,pre_B[7]
具体的には、原カラー画像データORGのB成分は次のようにプレ階調数変換されるものとする。この例では、8個の値はほぼ等間隔されているが、後述する第1,第2実施例では、低濃度領域ほど細かく設定されている。
pre_B[0]=0;
pre_B[1]=36;
pre_B[2]=73;
pre_B[3]=109;
pre_B[4]=146;
pre_B[5]=182;
pre_B[6]=219;
pre_B[7]=255;
なお、以下の説明では、格子点色データをpre[i]と略記することがある。
また、プレ階調処理のために用いる7種類のしきい値を次のように定義する。
slsh_B[0],slsh_B[1],…,slsh_B[6]
そして、各しきい値を、次のように設定する。
pre_B[i]<slsh_B[i]<pre_B[i+1]
(i=0,1,2,…,6)
前記しきい値は、次のように設定することが多い。
slsh_B[i]=(pre_B[i]+pre_B[i+1])/2
この場合、前記各しきい値は次のようになる。
slsh_B[0]=18;
slsh_B[1]=54;
slsh_B[2]=91;
slsh_B[3]=127;
slsh_B[4]=164;
slsh_B[5]=200;
slsh_B[6]=236;
また、画像処理装置30へ画像データとして入力される原カラー画像データORGは、通常、画像の左上隅の画素を起点画素として左端画素から右端画素へ順に入力される。そして、一行分の画素が入力された後、一画素下の行の左端に移り、同様に右端に向って後のデータが入力される。このような画像入力動作が繰り返し行われることによって、一画面分の画像データの入力が行われることになる。
このため、前記プレ階調数変換部140によるプレ階調処理、すなわち、原カラー画像データORGを8値化していく順序は、このような画像データの入力順に合わせて行われる。すなわち、画像の左上隅の画素を起点画素として左端画素から右端画素へ順に8値化作業を行い、一行分の画素の8値化が終了したら、一画素下の行の左端に移り、同様に右端に向って8値化していくという作業を繰り返して行い、一画面分の画像データの8値化を行うことになる。
この場合、図10に示すよう、注目画素400の上方の全画素、同ラインの左側の画素は既に多値化の終了した画素である。そして、注目画素400の下方の全画素および同ラインの右側の画素はまだ多値化を行っていない画素ということになる。
前述したプレ階調処理すなわち8値化の処理を行う手法として、例えば図11(a)に示す誤差拡散の重みマトリクスを用いる場合について考える。この重みマトリクスは、図11(a)中の注目画素400に生じた誤差を、右隣の画素に2、下の画素に1、右下の画素に1の割合で分散することを示すものである。
このマトリクスを用いてプレ階調数変換部140が、誤差拡散法を用いて行う8値化処理(プレ階調変換処理)のフローチャートを、図12に示す。
注目画素を、p行q列目と表現するものとし、この注目画素のB成分の原カラー画像データORGをdataB[p][q]で表し、これを8値化する場合について考える。なお、p行q列目の画素の8値化によって生じる量子化誤差は、err[p][q]と表す。
(1) 第1の工程;8値化工程(ステップS1〜S6)
まず、注目画素データをしきい値と比較することによって8値化し、格子点色データpre_B[p][q]を得る。なお、これを、以下、格子点色データpre_Bと略記する。この処理を簡単に説明する。原カラー画像データORGがしきい値slsh[0]未満であれば(ステップS1)、注目画素の格子点色データpre_Bを、最も小さな格子点色データpre[0]とする(ステップS4)。同様に、原カラー画像データdataB[p][q]が、どのしきい値の間(slsh[i]〜slsh[i+1])に入っているかを判断し(ステップS2)、注目画素の格子点色データpre_Bを、対応する格子点色データpre[i]とする処理を行なう(ステップS5)。また、原カラー画像データORGがしきい値slsh[7]以上であれば(ステップS3)、注目画素の格子点色データpre_Bを、最も大きな格子点色データpre[7]とする(ステップS6)。なお、図12に示すdataB[p][q]は、注目画素データそのものではなく、近傍の既に8値化された画素カラーの誤差拡散を受けて既に補正されたデータである。誤差拡散法については、第3の工程で説明する。
(2) 第2の工程;誤差計算工程(ステップS7)
8値化によって注目画素に生じた誤差err[p][q]を求める。原カラー画像データdataB[p][q]は、本来格子点上に存在している訳ではなく、これを上記の8値化処理により格子点の値に割り当てたので、量子化誤差が生じる。この量子化誤差err[p][q]の大きさを求めるのである。
(3) 第3の工程;誤差拡散工程(ステップS8)
誤差を、近傍のまだ8値化を行っていない画素に拡散する。ここでは、図11(a)の重みマトリクスに従い、誤差の1/2を注目画素の右側の画素([p+1][q])に、1/4を下側の画素([p][q+1])に、1/4を右下の隣接する画素([p+1][q+1])に、それぞれ拡散し、その原カラー画像データdata_Bに加えている。前述した第1の工程で用いた注目画素データdataB[p][q]は、このようにして誤差拡散を受けた後のデータである。
以上は、誤差拡散法による8値化の例であったが、これを平均誤差最小法によって行なう具体例を次に説明する。
図13は、平均誤差最小法を用いた8値化処理のフローチャートである。
(1) 第1の工程;誤差補正工程(ステップS10)
この工程では、近傍の既に8値化された画素に生じた8値化誤差で、注目画素デー タを補正する。誤差拡散のマトリクスは、図11(a)に示したものと同一である。即ち、注目画素から見ると、左隣の画素で生じた量子化誤差についてはその1/2を加え、直上の画素で生じた量子化誤差についてはその1/4を加え、左斜め上の画素で生じた量子化誤差についてはその1/4を加えるのである。
(2) 第2の工程;8値化工程(ステップS11〜S16)
この工程は、図12に示したステップS1〜S6と同様であるので、その説明は省略する。
(3) 第3の工程;誤差計算(ステップS17)
この工程では、8値化によって注目画素に生じた誤差err[p][q]を求める。詳細は、図12に示したステップS7と全く同様である。
図12に示す誤差拡散法と、図13に示す平均誤差最小法との違いは、誤差拡散作業を誤差計算が終了した直後に行なうか、注目画素をN値化する直前に行なうかの違いだけであり、画像端での取り扱いを除けば、両者は等価となる。
なお、誤差拡散法の重みマトリクスについては、図11(a)の外に、よりマトリクスサイズを大きくした図11(b)の例や、逆により簡略化した図11(c)、(d)の例等、必要に応じて各種のものを採用することが可能である。図11(d)は、最も簡略化した例であり、誤差の拡散対象が右隣の一画素だけになっている。
多値誤差拡散法の例としては、特開平3−18177号公報、特開平3−34767号公報、特開平3−80767号公報、特開平3−147480号公報等があり、必要に応じて各種の手法を採用することができる。
〔組織的ディザ法を用いたプレ階調数変換部140の実施形態〕
プレ階調数変換部140は、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いる構成の他、組織的ディザ法等の階調数変換手法を用いることもできる。プレ階調数変換部140として組織的ディザ法を用いた場合の処理の一例を、図14に示す。
ここでは、原カラー画像データORGのB成分が0から63までの64階調の値をもつ場合に、これを組織的ディザ法をもちいたプレ階調数変換部140により17階調化する場合を想定する。ディザマトリクスには2×2のサイズのものを用いる。縦横両方向ともに2画素周期で変化する組織的ディザノイズをデータに加えた後(ステップS20)、しきい値との比較により(ステップS21〜S23)、0,1,2,…16の17階調の値に階調数変換する(S24〜S26)。
すなわち、16個のしきい値slsh_B[i]を、
slsh_B[i]=(i+1)×4−2
(i=0,1,…,15)
のように設定し、次に画素位置p,qによって一意的に決まる組織的ディザノイズ(dither_noize[p%2][q%2])を注目画素データdata_B[p][q]に加える(ステップS20)。%は余剰演算子で、p%2は「pを2で割った時の余り」の意味になり、qが偶数なら0、奇数なら1となる。dither_noize [p%2][q%2]の値は、例えば、
dither_noize[0][0]=1
dither_noize[0][1]=−1
dither_noize[1][0]=−2
dither_noize[1][1]=0
のように設定する。その後、データをしきい値slsh_B[i]と比較し(ステップS21〜S23)、その大小によって、格子点色データのブルー成分preBを得て、17階調化するのである(S24〜S26)。
図13に示した平均誤差最小法による8階調化の例と比較すると、平均誤差最小法では周辺の2値化済み画素から拡散される誤差を注目画素データdata_B[p][q]に加えたが、組織的ディザ法を採用した場合には、注目画素の位置によって一意的に決まる周期的ノイズdither_noize[p%2][q%2]を加えている。それに伴い、図14に示した手法では、平均誤差最小法で行なっていた誤差計算工程(ステップS17)に相当する処理が不要になっている。図14に示したような組織的ディザ法を用いた場合を、平均誤差最小法や誤差拡散法と比較すると、誤差拡散計算が不要となるため、より一層高速化される上に、誤差記憶のためのメモリ等が不必要になりハードウェア資源が節約されるという大きなメリットがある。
その一方で、誤差拡散法における「領域の局所的な平均値」をとった場合の誤差を最少にしようとする機構は働かなくなる。このため、プレ階調数変換手段であまり大幅に階調数を減らし過ぎると、画質が劣化するおそれがあるが、図14に示したように、原画像データの階調数を約1/4に減らす程度の場合には、2×2という小さなマトリクスサイズでも疑似輪郭等が発生することはなく、解像度の低下も最小限に押さえられ、メリットが大きい。
一般には、処理速度、必要なメモリ容量、画質の兼ね合いで最適なプレ階調数変換手法を採用すればよい。例えば、次のような観点から、採用するプレ階調数変換手法を決定することができる。
・最終的な出力装置の解像度が十分に高く、プレ階調数変換での多少の解像度低下が問題にならない場合には、大きめのマトリクスサイズの組織的ディザ法
・もともと原画像データの階調数が多くなく、プレ階調数変換であまり大幅に階調数を減少させる必要のない場合には、小さめのマトリクスサイズの組織的ディザ法
・画質最優先の場合や、プレ階調数変換で大幅に階調数を減らして色補正テーブルの容量を小さくしたい場合には誤差拡散法
もちろん、誤差拡散法や組織的ディザ法以外の階調数変換手法を用いてもよい。
また、B成分のみ組織的ディザ法、R、G成分は誤差拡散法でプレ階調数変換を行なう構成等を採用してもよい。一般に、B成分に対する人間の目の分解能はRやGに比べると低くなるので、このような構成も効果的である。
なお、以上は原カラー画像データORGに含まれるB成分をプレ階調数変換部140を用いて8階調に変換処理する場合について述べたが、原カラー画像データORGに含まれる他の色成分、すなわち、R成分やG成分も同様な手法によって16階調にプレ階調数変換される。
その結果、プレ階調数変換部140に入力される原カラー画像データORGのR ,G,Bの各成分は次式に示すよう、格子点カラー画像データGCDへ、プレ階調数変換されることになる。
R成分は、pre_R[0],pre_R[1]…pre_R[15]の16値
G成分は、pre_G[0],pre_G[1]…pre_G[15]の16値
B成分は、pre_B[0],pre_B[1]…pre_G[7]の8値。
〔色補正部142の具体例〕
色補正部142は、多値化(プレ階調処理)された格子点色データに対し、色補正処理を行なうとともに、R,G,BからC,M,Yへの表色系の変換作業を行なう。すなわち、図7に示した例では、色補正部142は、説明の都合上RGB間での色補正を行なうだけであるとしたが、実際には、色補正部142では、色補正のほかに、R,G,BからC,M,Yへの表色系の変換をも同時に行なっている。
以下に、色補正部142および色補正テーブルメモリ134を、ソフトウェア的に形成した場合と、ハードウェア的に形成した場合の2つの場合を例にとり説明する。
図15(a)は、色補正テーブルメモリ134をC言語の表記を用いてソフト的に実現する場合の実施形態である。C,M,Y各色成分用の色補正テーブルは、それぞれ3次元の配列C_table[Nr][Ng][Nb],M_table[Nr][Ng][Nb],Y_table[Nr][Ng][Nb]となる。ここで、Nr,Ng,Nbは、各色の階調数を示す(図7参照)。この例では、各テーブルの大きさは、16×16×8である。これらのテーブルは、8ビットで正の整数のみを扱うunsigned charタイプの配列としたので、色補正結果としては8ビット、0〜255の範囲のデータが格納可能である。予め、この3次元の配列に、RGBからCMYへの変換データを格納しておく。
図15(b)は、図14(a)の3次元色補正テーブルを参照して、R,G,Bの各格子点色データpre_R[i],pre_G[j],pre_B[k]を、プリンタ22におけるインク量に対応するCMY値に変換する色補正部142の実施形態である。C言語を用いたこの手法では、格子点色データを基に、図15(a)で宣言した配列を参照するだけで、色補正後のC,M,Y値が得られる。
次に、色補正テーブルメモリ134をハードウェアにより実現した場合の例として、色補正テーブルCTを半導体メモリに格納した例を、図16に示す。C用ROM134C、M用ROM134M、Y用ROM134Yは、それぞれC,M,Y各色成分の色補正結果が格納されたROMであり、アドレスデータとして、RGBの格子点色データに応じて決まる値を与えれば、それに対応する補正後のシアンデータ、マゼンタデータ、イエローデータが出力される。
図17は、図15のC用ROM134Cのより詳細な実施形態で、アドレスバスがA0〜A10の11ビット、データバスがD0〜D7の8ビットのROMを用いた例である。格子点色データpre_R[i]、pre_G[j]、pre_B[k]に対応して、i,j,k値をそれぞれ2進数化した値が、それぞれアドレスバスの下位4ビット(A0〜A3)、中位4ビット(A4〜A7)、上位3ビット(A8〜A10)に与えられている。各ビット数は、RGBの各階調数(RおよびGが16階調、Bが8階調)に対応している。
即ち、本実施例の場合は、0≦i≦15,0≦j≦15,0≦k≦7なので、i用には4ビット、j用には4ビット、k用には3ビット割り当てれば足りるのである。データバスからはそれに対応するシアンの色補正データが、0〜255の間の値をとる8ビット値としてデータバスに出力される。
図16に示した構成では、CMY各成分毎に3個の別々のROMを用意したが、アドレスバスのビット数を増やし、そこに色選択信号を加えるようにすれば、より容量の大きいROM1個ですませることも可能である。また、ROMではなく、書き込みも可能なRAMを用いると、テーブルの内容を自由に書き替え可能な構成にもできる。
以上の図15や図16に示した構成では、色補正部142がソフト的あるいはハード的に3次元テーブルメモリ134を参照することで、色補正が行なわれる。
〔ポスト階調数変換の具体例〕
色補正の後、最後にポスト階調数変換部146(ハーフトーンモジュール99)が、色補正部142で色補正されたCMY各データを誤差拡散法または平均誤差最小法によって2値化する処理を行なう。この部分は既存の手法をそのまま適応すればよい。誤差拡散法による2値化工程は、図12で示したプレ階調数変換部140での多値化工程とほとんど同じで、8値化が2値化に変わるだけである。図9のステップS1〜S6の8値化を2値化に変更し、data_B[p][q]をdata_C[p][q]に置き換え、図18に示すように2値化を行なえばよい。ここでは,シアンデータが値255に2値化された場合は、シアンのドット有り、値0に2値化された場合はドットなしとする。以降の誤差計算や、誤差拡散の工程は図12のステップS7,ステップS8と同様なのでその説明は省略する。
ただし、この2値化工程では誤差拡散重みマトリクスのサイズを小さくし過ぎると、画質劣化につながる特有のドットパターンが生じやすくなる。このため、プレ階調変換での多値化時に用いたものよりもやや大きめのサイズのマトリクス(例えば図 11(b)に示したもの)を用いたほうがよい。また、誤差拡散法の代わりに、図13の実施形態の平均誤差最小法による多値化を2値化に変更したものを用いてもよい。
以上説明した構成における大きな特徴の一つは、プレ階調数変換部140における多値化で用いる誤差拡散重みマトリクスのサイズが、図11(a)〜(d)のような、非常に小さなサイズのものでも十分な高画質が得られるところにある。通常、2値化処理を行う場合には、図11(c)(d)のように、誤差拡散対象が隣接する2画素以下というような小さなマトリクスで誤差拡散を行なうと、ドットが線状に連なって現れる誤差拡散特有のパターンが目立ちやすくなり画質低下を引き起こす。しかし、本実施例のプレ階調数変換部140のように、変換する階調数が8以上あるような場合には、図11(c)(d)に示したサイズの小さな誤差拡散マトリクスを用いても、画質低下はそれ程生じない。このため、プレ階調数変換部140では、後段のポスト階調数変換部146で用いる誤差拡散マトリクスよりも、小さなサイズのマトリクスを用いることができる。誤差拡散処理での演算量のほとんどを占めるのは、図12のステップS8のような誤差拡散工程であり、その演算量はほぼ誤差拡散重みマトリクスのサイズに比例する。このため、プレ階調数変換部140での多値化処理は、極めて少ない演算量で行なうことができる。例えば、ポスト階調数変換部146での2値化処理に比べると、プレ階調数変換部140での演算量は、極めて少ない。さらに、上記構成の色補正部142での色補正は、単に色補正テーブルメモリ134の内容を参照するだけであるから、プレ階調数変換部140および色補正部142でのトータルのデータ処理は、極めて高速に行なうことができる。
また、上記構成では、色補正部142は、図15,図16に示した色補正テーブルメモリ134を利用して、色補正と同時にRGBからCMYへの変換を行なったが、CMY3色の外に黒インクKも用いるプリンタ用に、CMYKの4色成分への変換を行なうものとしてもよい。例えば図15(a)に示したソフトウェアにより実現された色補正テーブルを、CMYKの4色のテーブルに拡張する場合は、図19に示すように、CMYKの4色分のテーブルを用意すればよい。このように、用意する色補正テーブルを増やせば、色補正によって必要な色成分の数が増加する場合にも、容易に対応することができる。
また、以上の説明では、原カラー画像データORGがRGBの3色成分からなる場合について述べたが、原カラー画像データORGは、例えばCMYやCIEのL* a* b* 、XYZ等どのような表色系によるものを用いても良く、また図9に示したように、カラー画像データを色補正部142で別の表色系による表現に変換するようにしてもよい。
[D]第1ないし第3実施例
以上詳しく説明した画像処理装置30の構成を前提として、本発明の各実施例について説明する。
(1)第1実施例
この画像処理装置30に関するここまでの説明では、説明を簡便にするため、色空間は、図6に示したように、等間隔に分割され、その格子点300毎にデータを有する色補正テーブルが用意されているものとした。第1実施例では、色空間の分割は、最終的な出力装置であるプリンタ22の使用インクCMYの低濃度領域で細かくされている。既に述べたように、プレ階調数変換の変換後の階調数がポスト階調数変換の最終的な階調数よりも十分大きければ、プレ階調数変換の量子化ノイズは十分に小さく、かつ誤差拡散や平均誤差最小法を採用していればその局所的な平均値は0になるため、出力画像の全体についての量子化ノイズの実用上の影響は小さい。しかしながら、プレ階調数変換の量子化ノイズは微小ではあっても存在するから、これは出力画像においてオンドットの出現位置の乱れとして現れている。そのため、厳密には、この量子化ノイズの影響は、オンドットの密度が大きい高濃度や中濃度の領域では実質的に問題にならないが、ドット密度の小さい低濃度の領域において画質劣化の原因となる可能性があると言える。そこで、この問題を解消するために、本実施例では、図20に示すように、低濃度領域で間隔が狭くなった格子点500をもつ色補正テーブルCTを用いる。これに対応して、プレ階調数変換においては、この格子点500の階調値(格子点色データ)に原画像データを変換する。
具体例を挙げれば、原画像データが0〜255までの階調値をとる場合、これをプレ階調値変換によって、R、G、Bの各色につき、
0、16、32、48、80、96、112、128、144、160、
176、192、208、224、240、248、255
の18段階の階調値に量子化する。この例では、量子化ステップ、つまり隣り合う格子点の間隔は基本的に16であるが、階調値255の附近、つまり低濃度の領域では、量子化ステップは値8又は値7のように小さくなっている。第1実施例では、この格子点を用いて、図12に示した誤差拡散法により、プレ階調数変換をおこなった。
このように、低濃度領域で量子化ステップを小さくする点が、本実施例の大きな特徴である。従来の補間演算による方法では、出力装置にインクジェットなどのプリンタ22を用いる場合には、逆に低濃度領域の格子点間隔は大きく、中高濃度領域の格子点間隔は狭くするのが適当であった。これは、低濃度領域ではドット同士が接触したり、重なったりする確率が低いために、入出力データの間の線形成が高く1次の補間演算でも十分な精度が得られたのに対し、ドット密度が高い中高濃度領域では線形性が大きく乱れるためである。本実施例ではこのような従来の常識とは逆に、低濃度領域の格子点間隔を狭くした色補正テーブルCTを用いて、低濃度領域で出力データの変化量が小さくなるように設定している。この結果、低濃度領域でのプレ階調数変換の量子化ノイズが小さくなるため、低濃度領域におけるこの量子化ノイズによる画質劣化が低減され、出力画像の画質が一層向上する。しかも、低濃度領域のみ、格子点間隔を小さくしているので、色補正テーブルメモリ134の容量もさほど多くなることがない。
ところで、プレ階調数変換後のデータは次に色補正テーブルCTに従って色補正される。一般に色補正テーブルCTの変換特性はリニヤではないから、プレ階調数変換の量子化ステップは色補正後には異なった形になる。色補正テーブルCTの変換特性によっては、プレ階調数変換の量子化ステップが低濃度領域で十分小さくても、色補正後のデータがもつ量子化ステップは、各インク色について、低濃度領域で量子化ステップが小さくなっていないことがあり得る。この場合には、色補正テーブルCTの分割を、図20に示したように、RGBの各軸における低濃度領域で細かく分割しておいても、最終的に得られる画像では、低濃度領域で量子化ノイズの影響が現れてしまう。
そこで、プレ階調数変換の量子化ステップが低濃度領域で十分小さいだけでなく、それを色補正した後のデータが持つ量子化ステップも低濃度領域で十分に小さくなるように、プレ階調数変換の量子化ステップを修正することが望ましい。この修正は、例えば図21に示すように、次の各工程により行なうことができる。
(1) まず、プレ階調数変換の量子化ステップを上記のように低濃度領域で十分小さくなるように暫定的に定め(ステップS31)、これに合せて色補正テーブルCTを作成した上で、実際に色補正を試行する(ステップS32)。
(2) この試行の結果得られた色補正後のデータの量子化ステップをチェックする(ステップS33)。もし、その量子化ステップが低濃度領域のいずれかの箇所において、低濃度領域での量子化誤差の影響を無くすための所定上限値以上かを判断し(ステップS34)、所定上限値より大きければ、プレ階調数変換の量子化ステップのうち、上記大きい箇所に関連する部分を一層小さく設定し直し(ステップS35)、これに合せて色補正テーブルの格子点間隔も修正する(ステップS36)。
このようにして最終的に、色補正後の量子化ステップが低濃度領域で上記上限値より小さくなるように、プレ階調数変換の量子化ステップ及びそれに対応した色補正テーブルCTの格子点間隔を修正する。こうして修正された量子化ステップ及び色補正テーブルCTを用いて、プレ階調数変換及び色補正を行なうことにより、低濃度領域におけるプレ階調数変換の量子化ノイズの影響が確実に低減される。
(2)第2実施例
本発明の第2実施例として、上記第1実施例と同一の構成において、プレ階調数変換部140がディザ法により階調数変換を行なうものを説明する。この実施例では、プレ階調数変換は、図22に示した処理により行なわれる。この実施例では、4×4のディザマトリクスを用いるものとする。ディザマトリクスの一例を図23に示す。この例では、RGBの各色についてN階調(この実施例では256階調)の原カラー画像データDa(0〜255)を、M階調(この実施例では6階調)にプレ階調数変換している。プレ階調数変換により得られる格子点カラー画像データをGCで表わす。以下の説明では、DiThはディザマトリクス番号を示し、図23に示したように、1から16の値をとる。また、プレ階調数変換のために用意された格子点は、低濃度領域で狭く分割され、RSLT[0]=0、RSLT[1]=70、RSLT[2]=130、RSLT[3]=190、RSLT[4]=235、RSLT[5]=255に設定されている。このほか、各格子点間距離Dist[i]を
Dist[i]=RSLT[i+1]−RSLT[i]
i=0,1,…4
と定義する。なお、原カラー画像データDaが値255を採った場合に後述する隔たりoffstを求める演算の結果を保証するために、Dist[5]=1と定義しておく。
図22に示したプレ階調数変換が開始されると、まず着目している画素の原カラー画像データDaを入力する処理を行なう(ステップS40)。その後、この画素に対応するディザマトリクス番号DiThからこれを値0〜1の範囲で正規化した値DDHを求める処理を行なう(ステップS41)。値DDHは、次式(3)により求めている。
Figure 0004127281
ディザマトリクス番号DiThを求める処理は、注目画素の走査方向位置をp、副走査方向位置をqとして、[p%4,q%4]の位置の値を図23に示したマトリクスから求めることにより行なわれる。ここで、%は剰余演算子である。図23のマトリクスからディザマトリクス番号DiThを求めるには、[0,0]〜[3,3]を要素とする関数(例えばGetMatrix[x,y])を予め定義しておけばよい。
こうしてディザマトリクス番号DiThを正規化した値DDHを得た後、変換階調数番号を示す変数Xに値0を設定し(ステップS42)、次に、この階調数番号Xにより定まる格子点の値RSLT[X]と原カラー画像データDaとを比較する処理を行なう(ステップS43)。なお、この説明では、比較される原カラー画像データDaは、特に色成分を特定していないが、実際には、各色成分毎に比較を行なうことになる。原カラー画像データDaが格子点の値RSLT[X]以下でなければ、変数Xを値1だけインクリメントし(ステップS44)、再度両者を比較する。即ち、原カラー画像データDaが格子点の値RSLT[X]以下となるまで、順次格子点に対応した値を大きくしてゆくのである。
この結果、いずれ原カラー画像データDaが格子点の値RSLT[X]以下となるから(ステップS43)、次に原カラー画像データDaとステップS43で比較した格子点との隔たりoffstを計算する処理を行なう(ステップS45)。隔たりoffstは、原カラー画像データDaがこれを挟む格子点間の距離Dist[X−1]に対して正規化した値として、次式(4)により計算される。
Figure 0004127281
そこで、続けて、この隔たりoffstとディザマトリクス番号DiThを正規化した値DDHとを比較する処理を行なう(ステップS46)。両者を比較して隔たりoffstの方が大きければ、原カラー画像データDaを、これを挟む両格子点のうち値の大きな側の格子点に割り当てるべく、変数Xに対応する格子点の値RSLT[X]を結果値RSLに設定し(ステップS47)、隔たりoffstの方が小さければ、原カラー画像データDaを、これを挟む両格子点のうち値の小さな側の格子点に割り当てるべく、変数X−1に対応する格子点の値RSLT[X−1]を結果値RSLに設定する処理を行なう(ステップS48)。その後、注目画素を次の画素に移動する処理を行ない(ステップS49)、上述した処理を、原カラー画像データの最後まで繰り返す。
以上の処理によれば、原カラー画像データDaの階調数を256階調から6階調に変換することができ、しかも分散型のディザマトリクス(図23)を用いて、適度にばらついた格子点カラー画像データに変換することができる。図14を用いた例では、原カラー画像データにノイズとしてディザマトリクスによるデータを加えてこうしたばらつきを作ったが、本実施例では、原カラー画像データDaをこれを挟む両格子点のいずれに割り当てるかを判断する際に、ディザマトリクスを利用したばらつきを発生させている。即ち、本実施例では、ディザマトリクスとして用意されたディザマトリクス番号DiThを用いて正規化された値DDHを用いて、隣接する格子点からの隔たりの判断を行なっているので、例えば隣接する画素の原カラー画像データDaが同一の値であっても、異なる格子点に割り当てられることが生じるのである。組織的ディザ法を用いた場合を、平均誤差最小法や誤差拡散法と比較すると、誤差拡散計算が不要となるため、画像処理に要する時間を一層短くすることができる上に、誤差記憶のためのメモリ等が不必要になりハードウェア資源が節約されるという大きなメリットがある。
(3)第3実施例
第3実施例としての画像処理装置30は、図24に示すように、第1実施例で説明したプレ階調数変換部140(図9参照)内に、メインデータ出力部140aとサブデータ出力部140bを有し、更に補間演算部148を有する。即ち、第2実施例の画像処理装置30は、プレ階調数変換の量子化ノイズを低減するため、第1実施例の構成に加えて、プレ階調数変換から色補正テーブルCTによる色補正の過程で補間演算を行なう構成を備えるのである。
R、G、Bの3次元空間で行なう補間演算の従来の手法には、直方体の8頂点の座標値を用いる8点補間法、演算を簡易にするために考慮に入れる頂点数を間引いた6点補間法及び4点補間法(例えば特公昭58−16180)が知られており、これらはいずれも3次元の補間法である。これに対し、この実施例では1次元の補間法を用いる。即ち、本実施形態ではR、G、Bの3色のデータの内、求めたい出力色に対して最も大きな影響を持つ入力色成分(これを、以下、主要色と呼ぶ)のみに関して、前後の量子化値を用いて補間を行なう。例えば、RGB入力データをCMY出力データに変換する場合には、Cの主要色はR,Mの主要色はG,Yの主要色はBのように、それぞれの補色成分を主要色として、その色成分に関してのみ前後の量子化値を用いて補間を行なう。これは、それぞれの出力色成分の出力結果に対して大きな影響を与えるのはその主要色成分であり、主要色以外の色成分の値が多少変化しても出力結果にはあまり変化しないという性質を利用し、主要色成分に関してのみの補間演算で十分な精度を得ようとするものである。
具体的に説明する。ここで、原画像データを(R、G、B)で表し、プレ階調数変換後のデータを(R’、G’、B’)で表す。また、データ(R’、G’、B’)に色補正テーブルCTを適用して得られたデータのC、M、Y各色成分をLUT_C(R’、G’、B’)、LUT_M(R’、G’、B’)、LUT_Y(R’、G’、B’)で表す。また、最終的な色補正変換後のデータを(C”、M”、Y”)で表す。
今、或る画素の原画像データ(R、G、B)がプレ階調数変換の格子点に対して図25に示すように、
R'1<R<R'2、G'1<G<G'2、B'1<B<B'2
の関係にあり、この原データ(R、G、B)をプレ階調数変換した結果、データ(R'1、G'2、B'1)が得られたとする(以下、このデータをメインデータという)。
この場合、プレ階調数変換では更に、上記メインデータ(R'1、G'2、B'1)の他に、メインデータと主要色成分のみが原データを挟んで反対側の格子点上にあるデータをサブデータとして出力する。メインデータは各色成分で共通だが、サブデータは各色成分ごとに異なるものとなる。次に各色成分ごとにメインデータとサブデータ両方に関して、色補正テーブルを適用して、次のようにして一次元補間に必要な2つの値を取得する。
(1) RをCの主要色として、
LUT_C(R'1,G'2,B'1)及びLUT_C(R'2,G'2,B'1)
(2) GをMの主要色として、
LUT_M(R'1,G'2,B'1)及びLUT_M(R'1,G'1,B'1)
(3) BをYの主要色として、
LUT_Y(R'1,G'2,B'1)及びLUT_Y(R'1,G'2,B'2)
このように、メインデータ(R'1,G'2,B'1)に色補正テーブルを適用する他に、各色ごとに、その主要色成分のみをサブデータのそれに変更したデータに対しても色補正テーブルCTを適用して、一次元補間に必要な2つの値を取得する。
次に、色補正の最終段階として、次のように一次元補間演算を行なって最終的なデータ(C”、M”、Y”)を得る。
C”は、LUT_C(R'1、G'2、B'1)とLUT_C(R'2、G'2、B'1)の補間演算結果、
M”は、LUT_M(R'1、G'2、B'1)とLUT_M(R'1、G'1、B'1)の補間演算結果、
Y”は、LUT_Y(R'1、G'2、B'1)とLUT_Y(R'1、G'2、B'2)の補間演算結果である。
ここで、各色成分の補間演算は、各色成分についての原データとメインデータ及びサブデータとの距離に応じた重み係数を用いて行なう。例えば、R(C)成分に関して、原データとメインデータ及びサブデータとが、図26に示すように、距離d1、d2だけ隔たっているならば、C”は、次式(5)により求められる。
Figure 0004127281
以上のような主要色に関してのみの一次元補間は、計算が簡単であり、しかもプレ階調数変換の量子化ノイズを効果的に低減することができる。尚、この補間演算は、低濃度領域のみに限定して行なってもよい。
[E]第4ないし第8実施例に共通の画像処理の詳細
上述した第1ないし第3実施例では、色補正テーブルCT作成する際、色空間を低濃度領域において細かく分割して得られる格子点を用いている。これに対して、第3実施例以降では、色補正テーブルCTは、図6に示したように、色空間を等間隔に分割して作成されている。以下の実施例では、色空間を低濃度領域で細かく分割する構成に代えて、図27に示すように、スムージング処理部150を備えた構成を採っている。以下、スムージング処理部150の構成を中心に、各実施例に共通の画像処理について説明する。
以下に説明する画像処理装置30Aでは、プレ階調数変換の量子化ノイズを減らすために、プレ階調数変換及び色補正の後にスムージング処理を行なう。この処理では、色補正後の画像内の各画素にラスタスキャン順序で逐次注目し、その注目画素のデータとその近傍の幾つかの画素のデータに対し重み係数をもつスムージングフィルタを適用してそれらデータの加重平均を求め、その加重平均値をその注目画素の新たなデータとする。これを全ての画素について繰り返す。
図28は、スムージングフィルタの幾つかの例を示す。同図(A)は1次元3画素スムージングフィルタの例を示し、各画素内にその画素の重み係数が示されている。図示するように、注目画素Piとこれに同一ライン上で隣接する2つの画素Pi-1、Pi+1とに対し、均等な1/3の重み係数をもつスムージングフィルタが適用される。つまり、これら3画素Pi-1、Pi、Pi+1のデータをそれぞれ(Ci-1、Mi-1、Yi-1)、(Ci、Mi、Yi)、(Ci+1、Mi+1、Yi+1)とすると、注目画素Piの最終的なデータ(C、M、Y)は、
C=(Ci-1 + Ci + Ci+1)/3
M=(Mi-1 + Mi + Ci+1)/3
Y=(Yi-1 + Yi + Yi+1)/3
となる。尚、重み係数は、注目画素に重く隣接画素に軽くというように不均等にしてもよい。図28(B)ないし(D)は、隣接するラインの画素データまで参照する2次元のスムージングフィルタの例を示す。同図(B)は、注目画素Piが属するラインの一つ手前のラインを含めた6画素を参照するもので、均等な重み係数を持つ例を示す。同図(C)は上下のラインを含めた9画素を参照するもので、やはり均等な重み係数を持つフィルタの一例を示す。更に、同図(D)は同図(C)から重み係数だけを不均等にしたフィルタの一例を示している。
こうしたスムージングの処理を行なうことにより、プレ階調数変換により生じた量子化誤差の影響による最終的な出力画像の画質の低下という問題を解消することができる。また、ポスト階調数変換において、従来分散型のディザ法を用いると、プレ階調数変換における量子化誤差の影響が現われ、画質が劣化する場合が見られたが、ポスト階調数変換前に、スムージングを行なうことにより、ポスト階調数変換に分散型ディザを採用しても、画質の低下は見られなくなる。したがって、ポスト階調数変換として、誤差拡散法、平均誤差最小法、集中型ディザの他、分散型ディザも採用可能となった。
ところで、スムージング処理は階調が均等または連続的にグラデートする領域でプレ階調数変換の量子化ノイズを低減するが、反面、文字や図形などのエッジの明快さを失わせる問題がある。そこで、エッジ検出を併用し、検出されたエッジの画素のスムージング処理はエッジの明快さを損なわないように修正することが望ましい。例えば、注目画素の値と隣接する画素の値との差分を求め、この差分が所定値より大きければエッジと判断し、注目画素の値に対するスムージング処理では、注目画素に隣接する画素を参照しないようにするのである。
こうした処理については、後述する実施例で詳しく説明するが、その概要を示すと次の通りである。図28(A)示した1次元3画素スムージングの場合であれば、エッジか否かの判断基準となる所定値をAとすると、C色成分の値に関して、次式(6)の処理を行なえば良い。ここで、Ciは、注目画素iのC色成分の値、Ci-1,Ci+1は、注目画素の前後に隣接する画素のC色成分の値である。
Figure 0004127281
M、Yの色成分値についても同様の処理を行なう。これにより、隣接画素との階調差の絶対値が所定値A以上であるエッジ部分の画素については、スムージングの処理では、その隣接画素を参照していないので、エッジ以外の領域の画像の画質をスムージングにより高め、かつエッジの明快さを失うことがない。
[F]第4ないし第7実施例
(1)第4実施例
第4実施例の画像処理装置30Aでは、プレ階調数変換部140,色補正部142,スムージング処理部150は、図27に示した処理により実現される。スムージング処理部150は、図2に示した構成では、色補正モジュール98に含まれている。この実施例では、注目画素の主走査方向の位置をhとして、副走査方向の位置をvとして示す。また、以下の説明では、プレ階調数変換部140により階調数変換される前の原カラー画像データORGの各色成分を、Rs[h,v]、Gs[h,v]、Bs[h,v]として記載し、プレ階調数変換後の格子点カラー画像データGCDの各色成分を、Rn[h,v]、Gn[h,v]、Bn[h,v]と表わすものとする。プレ階調数変換により、階調数は、本実施例では各色16階調あるいは8階調に低減されており、このデータRn[h,v]等は、何番目の格子点に割り当てられたものであるかを示していると見ることもできる。第4実施例では、色補正テーブルCTは、RGBからCMYKの4色への変換を含むテーブルであり、この色補正データGCDの各色成分を、Cc[h,v]、Mc[h,v]、Yc[h,v]、Kc[h,v]と記載する。なお、図29では、図示の都合上、[h,v]を省略して記載することがある。
図29に示した処理が開始されると、まずプレ階調数変換部140によりプレ階調数変換を行なう(ステップS50)。プレ階調数変換は、原カラー画像データORGに相当する各色成分Rs[h,v],Gs[h,v],Bs[h,v]を、予め用意した格子点に割り当て、その階調数を低減する処理である。その手法については、第1ないし第3実施例で詳しく説明した。図29では、プレ階調数変換を関数PreConv()として示した。このプレ階調数変換により得られる格子点カラー画像データGCDの各色成分がRn[h,v],Gn[h,v],Bn[h,v]である。
次に、プレ階調数変換により得られた格子点カラー画像データの各色成分に基づいて、色補正テーブルメモリ134に予め記憶された色補正テーブルCTを参照し、色補正を行なう(ステップS51)。この処理は、色補正部142による処理に相当する。色補正に合わせて、RGBから、最終的なカラープリンタ22の出力するインク色であるCMYKの4色への変換も行なわれる。色補正処理により得られる色補正データCCDの各色成分がCc[h,v],Mc[h,v],Yc[h,v],Kc[h,v]である。なお、図29では、色補正の処理を、色補正テーブルCTを参照する(ルックアップする)ことから、関数RefLUT()として示した。
こうして色補正データCCDの各色成分を得た後、本実施例のスムージング処理部150によるスムージング処理を行なう。このスムージング処理では、まず、注目している画素[h,v]とこれに近接する画素との間でスムージングの処理を行なうか否かの判断を行なう(ステップS52)。どういう場合にスムージングの処理を行なうかについては、様々な手法が考えられることは、上述した通りであるが、この実施例では、図30に示したように、注目画素のプレ階調数変換後のデータRn[h,v],Gn[h,v],Bn[h,v]とこれに隣接する一つ前の画素[h−1,v]の各データとの差が、各色成分について値1以下である場合に、スムージングの処理を行なうと判断している。即ち、着目している画素の各色成分とその主走査方向に一つ前の画素の各色成分とが、プレ階調数変換部140による変換によって、同一または隣接する格子点を上にある場合に、スムージング処理を行なうと判断するのである。かかる判断により、画像に本来備わっているエッジなどではスムージングの処理を行なわないと判断する。
スムージングの処理を行なわないと判断した場合には、注目画素の色補正された各色成分Cc[h,v],Mc[h,v],Yc[h,v],Kc[h,v]をそのまま出力データCs,Ms,Ys,Ksとし(ステップS53)、ポスト階調数変換部146に出力する。他方、スムージングの処理を行なうと判断した場合には、一つ前の画素の色補正後の各色成分Cc[h−1,v],Mc[h−1,v],Yc[h−1,v],Kc[h−1,v]と注目画素の各色成分との加算平均を演算し(ステップS54)、これを出力データとして、次のポスト階調数変換部146によるポスト階調数変換に移行する。本実施例では、ポスト階調数変換処理としては、カラープリンタ22の出力がインクドットを形成する・しないの2値的なものであることから、誤差拡散などのハーフトーニングの処理を行なっている。この処理についての説明は省略する。
以上のように構成された第4実施例の画像処理装置30Aでは、スムージング処理部150によりスムージングを行なうので、プレ階調数変換により生じる量子化誤差の影響を軽減でき、量子化誤差に起因する画質の劣化を防止することができる。しかも、プレ階調数変換後のデータに基づいて、注目画素の一つ前の画素と比較し、その各色成分の一つでも隣接する格子点以上離れた格子点に割り当てられている場合には、スムージングの処理を行なわない。この結果、画像に本来存在するエッジなどのシャープさを、スムージングの処理により失うということがない。また、スムージングを行なうか否かの判断を、直前に処理された画素のデータとの比較により行なっているので、比較のために記憶しておくデータに無駄がなく、記憶容量も小さなもので済ませることができる。更に、隣接する一つの画素との比較だけで済むので、演算量も小さくでき、全体の処理を高速化することができる。
以上説明した第4実施例では、スムージングを行なうか否かの判断を、プレ階調数変換後のデータの各色成分の隔たりにより行なったが、この判断には、様々なバリエーションを考えることができる。例えば、図31に示したように、プレ階調数変換後のデータRn[h,v],Gn[h,v],Bn[h,v]による判断に変えて、これを求める元になった原カラー画像データが属している範囲を示すデータRn0[h,v],Gn0[h,v],Bn0[h,v]を用いて判断しても良い。この時、データRn0[h,v],Gn0[h,v],Bn0[h,v]は、着目している画素が隣り合う8個の格子点に囲まれた直方体のいずれに属しているかを示すから、図31に示した条件は、着目している画素とこれに隣接する画素(主走査方向に一つ手前の画素)とが、8個の格子点に囲まれた同じ直方体もしくはこれに隣接する直方体に属しているか否かの判断に等しい。図30に示した条件では、各色成分についてプレ階調数変換により割り当てられた格子点が同一または隣接していれば、原カラー画像データとしてどのような関係に合ったかは問わずにスムージングの処理を行なうと判断したが、図31の例では、原カラー画像データが、隣接する格子点に囲まれた同じ空間もしくはこれに隣接する空間に入っていることが条件となる。
更に、図32に示すように隣接する範囲まで考えず、注目画素とこれに隣接する画素の原カラー画像データが、隣接する格子点に囲まれた同じ直方体の空間に属している場合にのみスムージングを行なうと判断することも可能である。
また、これらの例では、隣接する画素同士の隔たりは値1以下としたが、スムージングを行なう条件を緩くして、隔たりが値2以上でもスムージングを行なうものとしても良い。各色成分毎にプレ階調数変換後の階調数が異なることから、特定の色についての判断だけ値2以上とすることもできる。あるいは、次式(7)にしめすように、各色成分の隔たりの総和により判断するものとしても良い。
Figure 0004127281
この場合には、特定の色について隣接する格子点を越えて隔たった位置に割り当てられても、他の色が同一の格子点に割り当てられていれば、スムージングが行なわれることになる。あるいは、次式(8)のように、各色成分の隔たりの二乗の総和が所定値以下という条件を考えることも可能である。
Figure 0004127281
なお、プレ階調数変換後のデータで判断するのではなく、例えば図33に示すように、原カラー画像データRs[h,v],Gs[h,v],Bs[h,v]を用いて判断することも可能である。実施例では、原カラー画像データは、0〜に255の256階調のデータなので、図33では、各色成分の隔たりが、隣接する画素との間で16階調以下の場合に、スムージングを行なうと判断するものとした。なお、各色成分についての隔たりは、16階調から自由に増減することができる。判断の基準とするこの隔たりは、実際に所定の画像について処理を行ない、検証して定めることが望ましい。また、上述したプレ階調数変換後のデータについての判断と併用することも望ましい。
プレ階調数変換による量子化誤差の影響が最も強く感じられるのは、特にカラープリンタ22の場合は、最終的に得られる画像の低濃度領域、いわゆるハイライト領域である。そこで、ハイライト付近でのみスムージングを行なうことも実用的である。図34に、ハイライト領域でのみスムージングを行なうと判断する例を示した。この場合には、原カラー画像データにおいて低濃度領域と判断することになるから、注目画素[h,v]とその隣接画素[h−1,v]との原カラー画像データRs,Gs,Bsが、共に0〜255階調のうちの224階調以上の場合にスムージングの処理を行なうものとした。なお、この例で、判定の閾値として採用した224階調という値については、種々変更可能である。適正な値は、各種の画像を処理して定めることができる。
(2)第5実施例
次に第5実施例について説明する。第5実施例の画像処理装置30Aでは、プレ階調数変換部140,色補正部142,スムージング処理部150は、図35に示した処理により実現される。この実施例では、スムージングの処理を、主走査方向に隣接する画素との間だけでなく、副走査方向に隣接する画素との間でも行なっている。図35に示した処理を開始すると、まず図29で説明したプレ階調数変換部140によるプレ階調数変換(ステップS60)と色補正部142による色補正(ステップSヘッド61)とを行ない、次に主走査方向についてスムージングを行なうか否かの判断を行なう(ステップS62)。この判断の内容は、第4実施例とその変形例で説明した通りであり、様々な基準を採用することができる。
スムージングするか否かの判断を行ない(ステップS62)、主走査方向に隣接する画素との間でスムージングを行なわないと判断した場合には、注目画素の色補正データCc[h,v],Mc[h,v],Yc[h,v],Kc[h,v]をそのまま2倍してこれを一旦データCs,Ms,Ys,Ksとして記憶する処理を行なう(ステップS63)。他方、主走査方向に隣接する画素との間でスムージングを行なうと判断した場合には、第4実施例で説明したように、隣接する画素との間で色補正データを平均化するために、注目画素とこれに隣接する画素との色補正データを加算して、一旦データCs,Ms,Ys,Ksとして記憶する処理を行なう(ステップS64)。
次に、副走査方向に隣接する画素との間でスムージングを行なうか否かの判断を行なう(ステップS65)。スムージングを行なうか否かは、図36に示すように、副走査方向に一つ手前の画素[h,v−1]との間で、格子点カラー画像データの隔たりが各色成分についての総て値1以下であるか否かという判断により行なうことができる。この判断についても、上述した第4実施例とその変形例で示した各種の判断が適用可能である。なお、両判断(ステップS62,S65)は必ずしも同一の内容とする必要はない。最終的な画像の出力装置であるカラープリンタ22の垂直方向と水平方向の解像度が異なる場合などでは、スムージングを行なうか否かの判断が、主走査方向と副走査方向で異なることも実用的である。
副走査方向に隣接する画素との間でスムージングを行なわないと判断した場合には、注目画素の色補正データCc[h,v],Mc[h,v],Yc[h,v],Kc[h,v]を、そのまま先に求めたデータCs,Ms,Ys,Ksに加える処理を行なう(ステップS66)。他方、副走査方向に隣接する画素との間でスムージングを行なうと判断した場合には、隣接する画素との間で色補正データを平均化するために、先に求めたデータCs,Ms,Ys,Ksに注目画素の一つ前のラインの画素(副走査方向に隣接する画素)の色補正データCc[h,v−1],Mc[h,v−1],Yc[h,v−1],Kc[h,v−1]を加算しする処理を行なう(ステップS67)。
その後、ステップS66またはS67で求めたデータCs,Ms,Ys,Ksを値3で除し、平均値を求め、これをスムージング後のデータCs,Ms,Ys,Ksとして(ステップS68)、次のポスト階調数変換部146によるポスト階調数変換処理に移行する。
かかる構成によれば、スムージングの処理を主走査方向に隣接する画素のみならず副走査方向に隣接する画素についても行なうことができるので、プレ階調数変換による量子化誤差に起因する画質の劣化を、主走査方向・副走査方向のいずれについても防止し、画質の一層の向上を図ることができる。
(3)第6実施例
次に、本発明の第6の実施例として、画像出力装置20であるカラープリンタが、シアンインクC,マゼンタインクM,イエロインクY,ブラックインクK以外に、シアンインクCより低濃度のライトシアンインクC2,マゼンタインクMより低濃度のライトマゼンタインクM2を吐出可能なものである場合のスムージングについて説明する。このカラープリンタは、図2に示したハードウェア構成において、キャリッジ31に上記6色のインクに対応して6列の各色ヘッド61ないし66を備え、カラーインク用カートリッジ72には、ブラックインクKを除く濃淡5色のインクを搭載されている。この濃淡5色のインクの組成を、図37に示す。ここで、シアン,マゼンタについて低濃度のライトシアンインクC2,ライトマゼンタインクM2を備えるのは、これらのインクが、原カラー画像データの濃度が低い領域を表現するために低密度に吐出されると、その領域では、インクドットが視認されてしまい、いわゆる粒状感による画質の低下が感じられるからである。こうした原カラー画像データの濃度が低い領域では、低濃度のインクを用いて印刷を行なうことで、画像の品質は大きく改善される。なお、イエロインクYについて低濃度のインクを有しないのは、イエロインクYは、明度が高く、もともと粒状感をほとんど生じないからである。
シアンとマゼンタについて低濃度のインク(以下、淡インクと呼ぶ)と通常濃度のインク(以下、濃インクと呼ぶ)とのドット記録率を、図38に示す。この実施例では、原カラー画像データの濃度が低い領域では淡インクを中心に印刷を行ない、原カラー画像データの濃度が高くなるに従って、徐々に濃インクの使用量を増やし、これに伴って淡インクの使用量を低減する。所定の濃度以上では、濃インクのみで印字を行なっている。
かかる構成を有する第6実施例の画像処理装置30Aでは、プレ階調数変換部140,色補正部142,スムージング処理部150は、図39に示した処理により実現される。この処理が開始されると、まず原カラー画像データの各色成分Rs,Gs,Bsをプレ階調数変換部140におけるプレ階調数変換に相当する処理を行ない(ステップS70)、次に変換後の格子点カラー画像データの各色成分Rn,Gn,Bnに基づいて色補正テーブルCTを参照し、色補正部142における色補正に相当する処理を行なう(ステップS71)。この時、色補正テーブルCTは、R,G,BからC,M,Y,K,C2,M2の6色への変換テーブルとして用意しておく。
次に、注目画素についてスムージングの処理を行なうか否かの判断を行なう(ステップS72)。この処理は、基本的には、第4実施例とその変形例で説明した判断を用いることができる。スムージングを行なわないと判断した場合には、注目画素の色補正された各色成分Cc[h,v],Mc[h,v],Yc[h,v],Kc[h,v],C2c[h,v],M2c[h,v]をそのまま出力データCs,Ms,Ys,Ksとし(ステップS73)、ポスト階調数変換部146に出力する。他方、スムージングの処理を行なうと判断した場合には、一つ前の画素の色補正後の各色成分Cc[h−1,v],Mc[h−1,v],Yc[h−1,v],Kc[h−1,v],C2c[h−1,v],M2c[h−1,v]と注目画素の各色成分Cc[h,v],Mc[h,v],Yc[h,v],Kc[h,v],C2c[h,v],M2c[h,v]との加算平均を演算し(ステップS74)、これを出力データとして、次のポスト階調数変換部146によるポスト階調数変換に移行する。
この実施例によれば、第4実施例の効果はもとより、ライトシアンインクC2やライトマゼンタインクM2を備え、淡インクと濃インクとを適切に吐出して印刷を行なうカラープリンタ22において、6色のインクでもスムージングを行なって、プレ階調数変換の量子化誤差に起因する画像品質の低下を防止することができる。
(4)第7実施例
次に本発明の第7実施例について説明する。上記の実施例では、スムージングを行なうか否かはプレ階調数変換の前のデータを用いるにせよプレ階調数変換の後のデータを用いるにせよ、注目画素とこれに近接する画素(例えば主走査方向または副走査方向に隣接する画素)との間の隔たりにより判断した。これに対して、第7実施例では、スムージングの処理は色成分毎に行なうものとし、スムージングを行なうか否かの判断も色毎に行なうものとしている。
第7実施例の画像処理装置30Aでは、プレ階調数変換部140,色補正部142,スムージング処理部150は、図40に示した処理により実現される。この処理が開始されると、まず原カラー画像データの各色成分Rs,Gs,Bsをプレ階調数変換部140におけるプレ階調数変換に相当する処理を行ない(ステップS80)、次に変換後の格子点カラー画像データの各色成分Rn,Gn,Bnに基づいて色補正テーブルCTを参照し、色補正部142における色補正に相当する処理を行なう(ステップS81)。
次に、注目画素のプレ階調数変換後の格子点カラー画像データのうちR成分について隣接する画素との隔たりを判断する処理を行ない(ステップS82)、格子点上の隔たりが値1より大きければスムージングを行なわないとして色補正されたデータCc[h,v]をそのまま出力するデータCsとして設定する処理を行なう(ステップS83)。他方、両画素のR成分の格子点上の隔たりが値1以下であれば、スムージングを行なうとして、色補正後のデータのシアン成分Cc[h,v]と、主走査方向に一つ手前の画素の色補正後のデータのシアン成分Cc[h−1,v]との加算平均を取る処理を行なう(ステップS84)。
以上の処理で、シアンCについてのスムージングの判断を原カラー画像データのR成分についての判断により行なうのは、RGBからCMYへの変換においては、RとC、GとM、BとYとから強い相関関係を持っているからである。
したがって、シアンについての上記処理の後、マゼンタインクMについてのスムージングをG成分についての格子点上の隔たりにより判断して行ない(ステップS85〜87)、イエロインクYについてのスムージングをB成分についての格子点上の隔たりにより判断して行なう(ステップS88〜90)。以上の処理の後、ポスト階調数変換に移行する。
以上の構成を有する第7実施例の画像処理装置30Aでは、第4実施例と同様の効果を奏する上、各色についてスムージングを行なうか行なわないかを決定することができるので、特定の色調だけが変換するような場合でも、スムージングの効果とこれを行なわないことによる境界のシャープさとを両立させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形、改良又は修正を加えて実施することができる。
例えば、上記第4ないし第7実施例では、スムージングの判断は注目画素とその画素の主走査方向手前側または副走査方向手前側の画素との間の隔たりに着目して行なったが、主走査方向または副走査方向に後ろ側の画素[h+1,v]または[h,v+1]との間で判断するものとしても良い。また、スムージングを行なう範囲としては、図28に示した範囲以外の範囲でも差し支えない。上記実施例では、スムージングは、総ての色成分について判断しあるいは行なったが、特定の色についてのみスムージングの処理を行なうものとすることもできる。例えば、イエロインクYは明度が高く視認されにくいので、イエロインクについては、最初からスムージングの対象外とすることができる。この場合には、処理速度を一層高速化することができる。また、濃淡両インクを備えたプリンタにおいて、粒状感の生じにくい淡インクについてはスムージングの対象外とすることも同様に好適である。
また、第4ないし第7実施例では、スムージングの前提となるプレ階調数変換の内容については特に説明しなかったが、誤差拡散法や平均誤差最小法等によるプレ階調数変換のみならず、第2実施例で説明したディザ法によるプレ階調数変換と組み合わせることができることは自明である。スムージングを行なうことにより、ディザ法による画質の劣化を十分に補償でき、良好な画像出力を得ることができる。
本発明の画像処理システムの概略構成を示すブロック図である。 図1に示す画像処理システムを実現する態様の一例を示すブロック図である。 画像出力装置20の一例としてのカラープリンタ22の構成を示す概略構成図である。 印字ヘッド28の構造を例示する説明図である。 インクの吐出の原理を説明する説明図である。 格子状に分割された色空間の一例を示す説明図である。 図1に示す画像処理装置30の機能をブロックにより示すブロック図である。 カラー画像データと、近傍の格子点色データの、色空間内における位置を示す説明図である。 画像出力装置としてカラープリンタを想定した場合における画像処理装置の機能をブロックにより示すブロック図である。 画像データのプレ階調数変換処理の概略説明図である。 プレ階調数変換処理を誤差拡散法を用いて行なう場合の重みマトリクスの説明図である。 プレ階調数変換手段で誤差拡散法を用いた場合の処理の概要を示すフローチャートである。 プレ階調数変換手段で平均誤差最小法を用いた場合の処理の概要フローチャートである。 プレ階調数変換手段で組織的ディザ法を用いた場合の処理の概要を示すフローチャートである。 色補正部142をソフト的に構成する場合の処理の概要を示す説明図である。 色補正部142をハード的に構成する場合の概略構成図である。 図16に示すC用ROMのより詳細な実施形態を示す説明図である。 ポスト階調数変換手段を実現する処理の概要を示す説明図である。 RGBの3色のデータからCMYKの4色成分を求めて色補正を行なう場合の処理の概要を示す説明図である。 第1実施例の画像処理装置30において用いる格子点であって、色空間の低濃度領域で細かく分割された格子点の一例を示す説明図である。 色補正テーブルを修正する場合の処理の概要を示すフローチャートである。 第2実施例の画像処理装置30におけるプレ階調数変換処理を示すフローチャートである。 第2実施例のプレ階調数変換処理で採用したディザ法で参照するディザマトリクスの一例を示す説明図である。 第3実施例の画像処理装置30の機能をブロックにより示すブロック図である。 主要色について行なわれる一次元補間処理を説明するための説明図である。 同じく一次補間処理の原理を説明する説明図である。 第4ないし第7実施例に共通する画像処理装置30Aの機能をブロックで示したブロック図である。 スムージングフィルタの具体例を示す説明図である。 第4実施例における画像処理ルーチンを示すフローチャートである。 スムージングを行なうか否かの判断の詳細を示す説明図である。 スムージングを行なうか否かの判断の他の例を示す説明図である。 スムージングを行なうか否かの判断の他の例を示す説明図である。 スムージングを行なうか否かの判断の他の例を示す説明図である。 スムージングを行なうか否かの判断の他の例を示す説明図である。 第5実施例における画像処理ルーチンを示すフローチャートである。 第5実施例においてスムージングを行なうか否かの判断の詳細を示す説明図である。 第6実施例の6色インクを用いたプリンタにおけるインクの成分を示す説明図である。 第6実施例における淡インクと濃インクの記録率を示すグラフである。 第6実施例における画像処理ルーチンを示すフローチャートである。 第7実施例における画像処理ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
10…画像入力装置
12…スキャナ
20…画像出力装置
21…カラーディスプレイ
22…カラープリンタ
23…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印字ヘッド
30…画像処理装置
30A…画像処理装置
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
61…インク吐出用ヘッド
65…導入管
71…ブラックインク用カートリッジ
72…カラーインク用カートリッジ
80…インク通路
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
93…CRTディスプレイ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…ラスタライザ
98…色補正モジュール
99…ハーフトーンモジュール
134…色補正テーブルメモリ
134C…C用ROM
134M…M用ROM
134Y…Y用ROM
140…プレ階調数変換部
140a…メインデータ出力部
140b…サブデータ出力部
142…色補正部
146…ポスト階調数変換部
148…補間演算部
150…スムージング処理部
300…格子点
400…注目画素
500…格子点

Claims (19)

  1. 2次元以上の色空間における座標値により表現された多色の画像を色補正して出力する画像処理装置であって、
    前記画像の各画素について、前記座標値を所定の階調数で表現したカラー画像データを入力する入力手段と、
    前記座標値を表現する前記階調数よりも小さな階調数により前記色空間を分割し、該分割を前記各次元について行なうことより得られた格子点の座標値を前記色空間について記憶した格子点情報記憶手段と、
    該各格子点に対応して、前記カラー画像データの色に関する補正データを記憶した色補正テーブルと、
    前記入力されたカラー画像データの前記色空間内での座標値を、前記格子点情報記憶手段に記憶された格子点のうち、該座標値に近接するいずれかの格子点の座標値に変換することで、前記カラー画像データが有する階調数を低減するプレ階調数変換手段と、
    該変換された座標値に対応した格子点の補正データを、前記色補正テーブルから読み出す色補正データ読出手段と、
    該色補正データ読出手段が読み出した各画素の補正データを、該各画素の近傍の画素の補正データに基づいて平均化する処理を行なう平均化処理手段と、
    該平均化処理手段により平均化の処理がなされた補正データの各色成分毎の階調数を、画像出力装置に適した階調数であり、前記プレ階調数変換手段により変換された階調数より小さい階調数に変換するポスト階調数変換手段と
    を備え
    前記プレ階調数変換手段は、分散型ディザの閾値マトリックスを用いて格子点の座標を変換する手段、または誤差拡散の手法を用いて格子点の座標を変換する手段である
    画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記プレ階調数変換手段は、誤差拡散の手法を用いて格子点の座標を変換する第1座標変換手段と、分散型ディザの閾値マトリックスを用いて格子点の座標変換を行なう第2座標変換手段と、前記第1座標変換手段と第2座標変換手段のいずれの手段を用いるかを決定する変換手段決定手段とを有し、
    更に、前記平均化手段は、前記変換手段決定手段により、前記第1座標変換手段の使用が決定されたときには、前記入力されたカラー画像データの濃度が低い領域において、該平均化の処理を行なう手段である
    画像処理装置。
  3. 前記平均化処理手段が前記平均化の処理を行なう近傍の画素が、前記入力手段が前記カラー画像データを入力する方向に沿った隣接画素である請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記隣接画素が前記入力する方向において手前側の画素である請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記隣接画素が前記入力する方向において後ろ側の画素である請求項3記載の画像処理装置。
  6. 前記平均化処理手段が前記平均化の処理を行なう近傍の画素が、前記入力手段が前記カラー画像データを入力する方向の前後に隣接する両画素である請求項1記載の画像処理装置。
  7. 前記平均化処理手段が前記平均化の処理を行なう近傍の画素が、前記入力手段が前記カラー画像データを入力する方向に沿った隣接画素および該方向に交差する方向の画素である請求項1記載の画像処理装置。
  8. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    更に、前記入力手段により入力された前記各画素の前記カラー画像データに基づいて、該画素の濃度を検出する濃度検出手段を備えると共に、
    前記平均化処理手段は、前記検出された前記画素の濃度が所定値以下の場合に、前記平均化処理手段による平均化の処理を行なう手段である画像処理装置。
  9. 前記平均化処理手段は、前記入力された画像データの所定色成分の濃度が所定値以下の領域でのみ前記平均化の処理を該所定色成分ついて行なう手段である請求項1記載の画像処理装置。
  10. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記カラー画像データの座標値が、該カラー画像データの各色成分の濃度に対応した値として定義されている画像処理装置。
  11. 請求項10記載の画像処理装置であって、
    前記ポスト階調数変換手段は、2値化を行ない、該2値化されたドットの分布密度により階調を表現する手段である画像処理装置。
  12. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記平均化処理手段は、
    前記色補正データ読出手段により読み出した色補正データを、隣接する画素の色補正データとを比較する手段と、
    該比較された両色補正データの相違が所定値以下の場合に、前記平均化の処理を行なう手段と
    を備えた画像処理装置。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか記載の画像処理装置であって、
    前記平均化処理手段は、前記平均化の処理を行なうか否かを、前記カラー画像データを構成する各色の少なくとも一つの色について判断し、該判断に基づいて各色毎に前記平均化の処理を行なう手段である画像処理装置。
  14. 前記平均化処理手段は、近接する画素について前記入力されたカラー画像データの前記色空間内での隔たりが所定距離以下であると推定される場合に、前記平均化の処理を行なう手段である請求項1記載の画像処理装置。
  15. 前記平均化処理手段は、近接する画素について前記プレ階調数変換手段により変換された後の格子点が少なくとも隣接する場合に、前記近接する画素間の隔たりが前記所定距離以下であるとの推定する手段である請求項14記載の画像処理装置。
  16. 前記平均化処理手段は、近接する画素についての前記カラー画像データが、共に、前記格子点情報記憶手段が記憶している格子点が形成する単位空間に含まれる場合に、前記近接する画素間の隔たりが前記所定距離以下であるとの推定する手段である請求項14記載の画像処理装置。
  17. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記格子点情報記憶手段は、前記格子点の座標を、前記色空間のうち、予め定めた濃度以下の低濃度領域では他の領域よりも該色空間を細かく分割して記憶する画像処理装置。
  18. 2次元以上の色空間における座標値により表現された多色の画像を色補正して出力する画像処理方法であって、
    前記画像の各画素について、前記座標値を所定の階調数で表現したカラー画像データを入力し、
    前記座標値を表現する前記階調数よりも小さな階調数により前記色空間を分割し、該分割を前記各次元について行なうことより得られた格子点の座標値を前記色空間について記憶し、
    該各格子点に対応して、前記カラー画像データの色に関する補正データを記憶した色補正テーブルを用意し、
    前記入力されたカラー画像データの前記色空間内での座標値を、前記記憶された格子点のうち、該座標値に近接するいずれかの格子点の座標値に変換することで、前記カラー画像データが有する階調数を低減するプレ階調数変換を、分散型ディザの閾値マトリックスを用いて格子点の座標を変換する方法、または誤差拡散の手法を用いて格子点の座標を変換する方法を用いて行ない、
    該変換された座標値に対応した格子点の補正データを、前記色補正テーブルから読み出し、
    該読み出した各画素の補正データを、該各画素の近傍の画素の補正データに基づいて平均化し、
    該平均化の処理がなされた補正データの各色成分毎の階調数を、画像出力装置に適した階調数であり、前記プレ階調数変換により変換された階調数より小さい階調数に変換するポスト階調数変換を行なう
    画像処理方法。
  19. 近接する画素について前記入力されたカラー画像データの前記色空間内での隔たりが所定距離以下であると推定される場合に、前記平均化の処理を行なう請求項18記載の画像処理方法。
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