JP4126367B2 - 酸化物高温超伝導ジョセフソン磁束線素子及びその素子におけるジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法 - Google Patents
酸化物高温超伝導ジョセフソン磁束線素子及びその素子におけるジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、酸化物高温超伝導ジョセフソン磁束線素子及びその素子におけるジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、超伝導ミリ波・サブミリ波発振、受信器、超伝導コンピュータ等に使用する超伝導素子として有用な酸化物高温超伝導ジョセフソン磁束線素子及びその素子におけるジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来より、超伝導体を用いた超伝導素子としては、ジョセフソン効果を利用したジョセフソン接合素子が一般的に使用されている。しかしながら、ジョセフソン接合素子を超伝導ミリ波・サブミリ波発振、受信器、超伝導コンピュータ等に用いるためには、ジョセフソン接合の積層膜を形成する必要があり、その積層膜を形成するために数千個の超伝導層及び絶縁層(半導体層)を積層しなければならず、その作業は極めて困難なものとなっていた。
【0003】
また従来のジョセフソン接合素子のほとんどは、液体ヘリウム温度(4.2K)以下で動作するため、それらを上記のような機器に利用するためにはジョセフソン接合素子の温度を液体ヘリウム温度以下に保つ必要があり、高価な液体ヘリウムを用いなくてはならず、コストが非常にかかるという問題もあった。また、従来の高温超伝導体を利用した超伝導素子においても、超伝導転移温度が数十 K〜百数十Kと高いにも関わらず、超伝導転移温度より遥かに低い温度での動作条件が必要であった。
【0004】
ところで、最近の研究において、酸化物高温超伝導体単結晶の結晶構造が層状であり、超伝導層が絶縁層ないし半導体層で隔てられた構造となっていることから、その構造そのものにジョセフソン接合が存在することが明らかになり、理論的、実験的にジョセフソンプラズマの存在が注目され応用が可能な現象として注目されてきた。
【0005】
しかしながら、酸化物高温超伝導体単結晶内に存在する固有のジョセフソン接合構造のような積層状態のジョセフソン接合構造に特有なジョセフソン磁束線を利用した動作原理は完全には解明されておらず、またその動作原理を有する超伝導素子も存在していなかった。
【0006】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、ビスマス2212系酸化物高温超伝導体単結晶等を用い、酸化物高温超伝導体単結晶内に存在する積層状態のジョセフソン接合構造に特有なジョセフソン磁束線を利用した新たな動作原理による酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子及びその素子におけるジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、まず第1には、酸化物高温超伝導体を微細加工して形成されたジョセフソン接合部を有し、ジョセフソン接合面に垂直に電流が流され、且つジョセフソン接合面に平行且つ一定方向に磁場が印加されたときにジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)を生じ、量子化されたジョセフソン磁束線のジョセフソン接合内への出入りによってジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)に周期的な振動が発生することを特徴とする酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子を提供する。
【0008】
また、第2には、上記第1の発明において、酸化物高温超伝導体として、Bi2Sr2CaCu2OX化合物系酸化物高温超伝導体が用いられることを特徴とする酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子を提供する。
【0009】
また、第3には、上記第1または第2の発明において、ジョセフソン接合面に印加する磁場の一定方向及び電流の方向に垂直な方向のジョセフソン接合面の幅によりジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)の振動の周期が決定され、その周期がジョセフソン接合面の幅に反比例することを特徴とする酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子を、 第4には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、ジョセフソン接合面に垂直に流れる電流の電流密度が、100A/cm2以下であることを特徴とする酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子を、 第5には、上記第1ないし第4のいずれいかの発明において、印加する磁場の一定方向のジョセフソン接合面に対しての傾きが、0.1度以内であることを特徴とする酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子を、 第6には、上記第1ないし第5のいずれかの発明において、酸化物高温超伝導体が、特性を損なわない範囲で組成調整、元素添加或いは元素置換を行ったもの、酸素濃度を制御したもの、準粒子或いはクーパー対を注入したもの、又は積層状態の固有のジョセフソン接合構造を有する他の高温超伝導体に置換可能なものであることを特徴とする酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子を、 第7には、上記第1ないし第6のいずれかの発明において、酸化物高温超伝導体が、従来の超伝導体から成る超伝導層−絶縁層−超伝導層構造の超伝導多層構造に置換可能なものであることを特徴とする酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子を、 第8には、上記第1ないし第7のいずれかの発明において、動作温度が超伝導転移温度以下であることを特徴とする酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子を提供する。
【0010】
また、この出願の発明によれば、酸化物高温超伝導体を微細加工して形成されたジョセフソン接合部のジョセフソン接合面に垂直に電流を流し、且つジョセフソン接合面に平行且つ一定方向に磁場を印加することによりジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)を生じさせ、量子化されたジョセフソン磁束線のジョセフソン接合内への出入りによってジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)に周期的な振動を発生させることを特徴とするジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法を提供する。
【0011】
さらに、第10には、上記第9の発明において、酸化物高温超伝導体として、Bi2Sr2CaCu2OX化合物系酸化物高温超伝導体を用いることを特徴とするジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法を、 第11には、上記第9または第10の発明において、ジョセフソン接合面に印加する磁場の一定方向及び電流の方向に垂直な方向のジョセフソン接合面の幅を調整することによりジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)の振動の周期を変化させ、その周期はジョセフソン接合面の幅に反比例することを特徴とするジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法を、 第12には、上記第9ないし第11のいずれかの発明において、ジョセフソン接合面に垂直に流す電流の電流密度を、100A/cm2以下とすることを特徴とするジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法を、 第13には、上記第9ないし第12のいずれかの発明において、印加する磁場の一定方向のジョセフソン接合面に対しての傾きを、0.1度以内とすることを特徴とするジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法を、 第14には、上記第9ないし第13のいずれかの発明において、酸化物高温超伝導体として、特性を損なわない範囲で組成調整、元素添加或いは元素置換を行ったもの、酸素濃度を制御したもの、準粒子或いはクーパー対を注入したもの、又は積層状態の固有のジョセフソン接合構造を有する他の高温超伝導体に置換可能なものを用いることを特徴とするジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法を、 第15には、上記第9ないし第14のいずれかの発明において、酸化物高温超伝導体として、従来の超伝導体から成る超伝導層−絶縁層−超伝導層構造の超伝導多層構造に置換可能なものを用いることを特徴とするジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法を、 第16には、上記第9ないし第15のいずれかの発明において、酸化物高温超伝導体として、動作温度が超伝導転移温度以下であるものを用いることを特徴とするジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法を提供する。
以上
【0012】
【発明の実施の形態】
この出願の発明の酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子は、ビスマス2212系酸化物高温超伝導体単結晶等の酸化物高温超伝導体単結晶を用いており、その酸化物高温超伝導体単結晶内に存在する積層状態のジョセフソン接合構造に特有なジョセフソン磁束線を利用した新たな動作原理による超伝導素子である。
【0013】
具体的には、ジョセフソン接合面に対してほぼ平行に侵入したジョセフソン磁束線を利用したものであり、ジョセフソン接合面に垂直に流した電流によってジョセフソン磁束線を駆動することでジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)が生じ、量子化されたジョセフソン磁束線1本1本のジョセフソン接合内への出入りによって、そのジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)において周期的な振動が観測されることを利用した新しい動作原理に基づいた超伝導素子である。尚、量子化されたジョセフソン磁束線1本の物理量は、2.07×10-7Gauss・cm2である。
【0014】
またジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)に現れる振動の周期は1つのジョセフソン接合にジョセフソン磁束線が1本入った時の磁場の増加分に比例するため、ジョセフソン接合面に印加する磁場の方向及び電流の方向に垂直な方向のジョセフソン接合面の幅に反比例することが分かっており、その幅を限定することでその振動の周期を制御することができる。
【0015】
また、ジョセフソン接合面に垂直に流される電流の電流密度が100A/cm2以下であり且つジョセフソン接合面に対して磁場の傾きが0.1度以内である場合に、ジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)に周期的な振動が観測される。
【0016】
またこの出願の発明では、酸化物高温超伝導体単結晶内に存在する積層状態の固有のジョセフソン接合構造を、ジョセフソン接合の積層膜と同様のものとみなすことができ、従来の積層膜製造方法のように数千個の超伝導層及び絶縁層(半導体層)を積層する必要がなくなる。
【0017】
さらにまた従来のジョセフソン接合素子のほとんどが液体ヘリウム温度(4.2K)以下で動作するのに対し、この出願の発明における酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子は、超伝導転移温度から数K直下から動作し、液体窒素温度(77K)でも十分に動作する点で、従来のジョセフソン接合素子と根本的に異なっている。
【0018】
また、この出願の発明における酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子の動作原理は、超伝導層間の結合の大きさと関係している。超伝導層間の結合を決定しているキャリア濃度を制御する方法としては、素子内への準粒子注入法或いはクーパー対注入法が有効であり、これをジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)の振動の周期の制御方法とすることも可能である。またこの出願の発明における動作原理は積層状態の固有のジョセフソン接合構造を有するビスマス2212系酸化物高温超伝導体以外の高温超伝導体、そしてジョセフソン接合を有する従来の超伝導体から成る多層構造の接合においても適用可能である。
【0019】
この出願の発明における酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子の動作原理は、人工的な超伝導層−絶縁層−超伝導層から成る積層膜を作成する必要もなく、酸化物高温超伝導体単結晶をそのまま用いることができる。また酸化物高温超伝導体単結晶の微細加工において、従来から用いられているイオンビーム等による微細加工技術を踏襲でき、さらに制御用の電極形成等も従来の方法で可能なこと等から、技術的な問題点の多くが解決されている。
【0020】
また素子面積を数μm2程度に縮小できることから超伝導素子の集積化も可能であり、この出願の発明の動作原理を利用して新機能特性を有した全く新しい超伝導素子を作成することも可能となる。従って、例えば磁束線1本を信号源として入力することによって、現在コンピュータ等で使われている0と1の2進法の入力だけでなく、0〜nまでの(n+1)進法の入力によるコンピュータ素子にも成り得るといったように、情報通信用の超伝導素子開発が促進される等、応用分野への拡大が期待される。
【0021】
以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0022】
【実施例】
ビスマス2212系酸化物高温超伝導体単結晶を用いて、この出願の発明における酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子の性質を評価した。
【0023】
まず、ビスマス2212系酸化物高温超伝導体単結晶(1)を図1(A)に示すように短冊状に切断加工した後、図1(B)に詳しく示すように収束イオンビームにより固有ジョセフソン接合部(2)を加工した。また図1(C)は固有ジョセフソン接合部(2)の切断面図であり、図1(C)中の矢印は、上下方向の矢印が電流の方向、左右方向の矢印が磁場の方向を示している。
【0024】
図2は微細加工後の固有ジョセフソン接合部(2)の写真であり、接合部の大きさは幅:18(挿入図中におけるW)×奥行き:16(挿入図中におけるl)×高さ:2(挿入図中におけるt)μm3である。電流は高さ方向、つまりジョセフソン接合面(超伝導層面)と垂直な方向に流し、磁場はジョセフソン接合面にほぼ平行に印加した。
【0025】
図2の挿入図は実施例に用いた固有ジョセフソン接合部(2)の概略図を示しており、ジョセフソン接合面はc軸に垂直である。磁場の方向は、実際にはジョセフソン接合面から約0.02度傾いており、またジョセフソン接合面に垂直に流した電流の大きさは1μAである。
【0026】
図1(A)に示しているように、交流抵抗ブリッジLR−700を用いた四端子測定法によってジョセフソン磁束線フロー抵抗(ジョセフソン磁束線フロー電圧)を測定した。温度65Kにおいて、磁場を増加させたときのジョセフソン磁束線フロー抵抗の変化を図3に示す。ここで、図3の横軸は磁場の大きさであり、縦軸は抵抗の大きさである。
【0027】
磁場の大きさが3kOe付近になったところでジョセフソン磁束線フロー抵抗が現れ始め、7kOe付近からジョセフソン磁束線フロー抵抗に周期的な振動が現れている。図3の挿入図に示しているように、ジョセフソン磁束線フロー抵抗の振動は一定の周期約0.4kOeを有し、25kOe付近までの広範囲の磁場で周期的な振動が現れている。25kOe付近で振動が止まるのは、ジョセフソン接合面に対する磁場の若干の傾きによってジョセフソン接合面に垂直に磁束線が侵入することでパンケーキ磁束線が生じ、パンケーキ磁束線によるピン止めのためにジョセフソン磁束線フローが停止するためである。
【0028】
振動の周期が約0.4kOeであるのはビスマス2212系酸化物高温超伝導体単結晶内に存在するジョセフソン接合2個に対してジョセフソン磁束線1本が入ったことに相当している。即ち、ジョセフソン磁束線1本がジョセフソン接合内に出入りすることによってジョセフソン磁束フロー抵抗が大きく変化していることになる。
【0029】
この実験事実は磁束線本数を入力信号として利用することで、大きな出力を得ることが可能であることを示している。またジョセフソン磁束線フロー抵抗の振動の周期がジョセフソン接合面の幅に反比例することを確認しており、その幅を変化させることでジョセフソン磁束線フロー抵抗の振動の周期を変えることも可能である。
【0030】
さらに、この実施例のビスマス2212系酸化物高温超伝導体単結晶の特性は、ジョセフソン磁束線の素子内での分布により決定されていると考えることができ、したがって、超伝導層間の結合の強さを変えることによってもジョセフソン磁束線分布に影響を与えることから、超伝導層内へ準粒子或いはクーパー対を注入することにより超伝導層間結合を制御してジョセフソン磁束線フロー抵抗に周期性を持たせることも可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、酸化物高温超伝導体単結晶内に存在する積層状態のジョセフソン接合構造に特有なジョセフソン磁束線を利用した新たな動作原理による酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例における酸化物高温超電導体ジョセフソン磁束線素子を例示した概略図である。
【図2】この発明の実施例における酸化物高温超電導体ジョセフソン磁束線素子を例示した写真及び概略図である。
【図3】この発明における動作原理を示すジョセフソン磁束線フロー抵抗−磁場測定結果を示した図である。
【符号の説明】
1 ビスマス2212系酸化物高温超伝導体単結晶
2 ジョセフソン接合部
Claims (16)
- 酸化物高温超伝導体を微細加工して形成されたジョセフソン接合部を有し、ジョセフソン接合面に垂直に電流が流され、且つジョセフソン接合面にほぼ平行且つ一定方向に磁場が印加されたときにジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)を生じ、量子化されたジョセフソン磁束線のジョセフソン接合内への出入りによってジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)に周期的な振動が発生することを特徴とする酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子。
- 酸化物高温超伝導体として、Bi2Sr2CaCu2OX化合物系酸化物高温超伝導体が用いられることを特徴とする請求項1の酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子。
- 請求項1または2の酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子において、前記磁場の方向及び電流の方向に垂直な方向でのジョセフソン接合面の幅によりジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)の振動の周期が決定され、その周期がジョセフソン接合面の幅に反比例することを特徴とする。
- ジョセフソン接合面に垂直に流れる電流の電流密度が、100A/cm2以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子。
- 印加する一定方向磁場のジョセフソン接合面に対しての傾きが、0.1度以内であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子。
- 酸化物高温超伝導体が、特性を損なわない範囲で組成調整、元素添加或いは元素置換を行ったもの、酸素濃度を制御したもの、準粒子或いはクーパー対を注入したもの、又は積層状態の固有のジョセフソン接合構造を有する他の高温超伝導体に置換可能なものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子。
- 酸化物高温超伝導体が、従来の超伝導体から成る超伝導層−絶縁層−超伝導層構造の超伝導多層構造に置換可能なものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子。
- 動作温度が超伝導転移温度以下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの酸化物高温超伝導体ジョセフソン磁束線素子。
- 酸化物高温超伝導体を微細加工して形成されたジョセフソン接合部のジョセフソン接合面に垂直に電流を流し、且つジョセフソン接合面に平行且つ一定方向に磁場を印加することによりジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)を生じさせ、量子化されたジョセフソン磁束線のジョセフソン接合内への出入りによってジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)に周期的な振動を発生させることを特徴とするジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法。
- 酸化物高温超伝導体として、Bi2Sr2CaCu2OX化合物系酸化物高温超伝導体を用いることを特徴とする請求項9のジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法。
- ジョセフソン接合面に印加する磁場の一定方向及び電流の方向に垂直な方向のジョセフソン接合面の幅を調整することによりジョセフソン磁束線フロー電圧(ジョセフソン磁束線フロー抵抗)の振動の周期を変化させ、その周期はジョセフソン接合面の幅に反比例することを特徴とする請求項9または10のジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法。
- ジョセフソン接合面に垂直に流す電流の電流密度を、100A/cm2以下とすることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかのジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法。
- 印加する磁場の方向のジョセフソン接合面に対しての傾きを、0.1度以内とすることを特徴とする請求項9ないし12のいずれかのジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法。
- 酸化物高温超伝導体として、特性を損なわない範囲で組成調整、元素添加或いは元素置換を行ったもの、酸素濃度を制御したもの、準粒子或いはクーパー対を注入したもの、又は積層状態の固有のジョセフソン接合構造を有する他の高温超伝導体に置換可能なものを用いることを特徴とする請求項9ないし13のいずれかのジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法。
- 酸化物高温超伝導体として、従来の超伝導体から成る超伝導層−絶縁層−超伝導層構造の超伝導多層構造に置換可能なものを用いることを特徴とする請求項9ないし14のいずれかのジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法。
- 酸化物高温超伝導体として、動作温度が超伝導転移温度以下であるものを用いることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかのジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法。
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JP2001255084A JP4126367B2 (ja) | 2001-08-24 | 2001-08-24 | 酸化物高温超伝導ジョセフソン磁束線素子及びその素子におけるジョセフソン磁束線フロー電圧の制御方法 |
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JP2011233825A (ja) * | 2010-04-30 | 2011-11-17 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 固有ジョセフソン接合素子、及び、これを用いた量子ビット、超伝導量子干渉素子、テラヘルツ検出器、テラヘルツ発振器、電圧標準装置、ミリ波・サブミリ波受信機、並びに、固有ジョセフソン接合素子の製造方法 |
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