JP4125454B2 - オブジェクト連携装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は或るオブジェクトが所有するリソースを他のオブジェクトが利用するためのオブジェクト連携装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータシステム或いはネットワークシステムが有する文書や画像などのリソースは、そのまま利用者に提供される以外に各種の加工が施されて利用者に提供される場合がある。後者の例にデジタルマガジンがある。図10にデジタルマガジンの表示例を示す。このデジタルマガジンは、「今週の出来事」というタイトルを含む表示部分全体を構成するレポート記事リソース202の一部に、広告リソース203の一部をクリッピングし且つ減色して嵌め込んだもので、クライアント端末装置201上に表示され利用される。
【0003】
文書や画像などのリソースを外部からは直接自由に操作できない状態で自ら所有するか或いは他から取得して外部に提供する機能を持つソフトウェアプログラムを、本明細書ではオブジェクトと呼ぶ。このとき、広告リソース203を所有するオブジェクトとレポート記事リソース202を所有するオブジェクトとが異なる場合、後者のオブジェクトは前者のオブジェクトから広告リソースを取得してレポート記事リソースで利用することになる。このように或る者が他の者の所有するリソースを利用する場合、権限のない第3者によるリソースの不正な利用を防止するために認証という手続きが一般に採用される。例えば、特開平7−239828号公報では、文書に対する要求を利用者識別情報と共に受信した著作権サーバが利用者の認証を行い、認証した利用者に対して文書サーバが要求された文書を送信するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したデジタルマガジン中の広告リソースは、クリッピングという加工と減色という加工が施されて利用者に提供されている。このようにリソースについて何らかの加工を行う場合、その加工をどのオブジェクトで実施するかについては以下のような種々の方法が考えられる。第1の方法は、広告リソースを所有するオブジェクトをオブジェクトA、レポート記事リソースを所有するオブジェクトをオブジェクトBとしたとき、オブジェクトAが全ての加工を施してオブジェクトBに広告リソースを提供する方法である。第2の方法は、オブジェクトAはクリッピング加工だけを行った広告リソースをオブジェクトBに提供し、オブジェクトBが減色加工を施す方法である。第3の方法は、オブジェクトAは広告リソースを全く加工せずにオブジェクトBに提供し、オブジェクトBが全ての加工を施す方法である。
【0005】
広告リソースに対する加工処理の分散化を図る上では、第2の方法が望ましいが、自己の所有するリソースを自己以外で勝手に加工されたくないと考えるリソース提供者にとっては第1の方法が望ましい。また、提供するリソースに対して自己の負担をできるだけ軽くしたいと考えるリソース提供者にとっては、第3の方法が望ましい。従って、どの方法を採用するかはリソース提供者とリソース要求者間で事前に取り決めておく必要がある。そして、一旦取り決めたならば、その取り決めに従う必要がある。
【0006】
このように或るオブジェクトが所有するリソースを他のオブジェクトが利用する場合、権限のない第3者によるリソースの不正な利用を防止する以外に、リソース提供及びリソース要求に事前の取り決めに従わせる必要がある。第3者によるリソースの不正利用の防止は従来の認証手続きでも実現可能であるが、従来の認証手続きにはリソースをどのような状態で提供するか、そのリソースをどのように利用するかについての規約を伴う手段が無かった。このため、第3者によるリソースの不正利用を防止しつつ、各オブジェクトに利用規約に従わせる新たな仕組みの実現が望まれていた。
【0007】
そこで本発明の目的は、或るオブジェクトが所有するリソースを他のオブジェクトが利用する場合に、権限のない第3者によるリソースの不正な利用を防止しつつ、リソース提供側オブジェクトに利用規約に従った動作を行わせることができるオブジェクト連携装置を提供することにある。
【0008】
また本発明の別の目的は、或るオブジェクトが所有するリソースを他のオブジェクトが利用する場合に、リソース要求側オブジェクトに利用規約に従った動作を行わせることができるオブジェクト連携装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明にかかるオブジェクト連携装置は、オブジェクトが所有するリソースを他のオブジェクトが利用するためのオブジェクト連携装置であって、リソース提供側のオブジェクトとリソース要求側のオブジェクト間で適用される前記リソース提供側のオブジェクトが所有するリソースについて利用規約を管理する利用管理装置を備え、他オブジェクトから自オブジェクトが所有するリソースを要求されたオブジェクトは、両オブジェクト間で適用されるそのリソースについて利用規約の参照要求を前記利用管理装置に送出し、利用規約が存在せず参照できなかった場合は要求を拒否し、利用規約が存在し参照できた場合はその利用規約に従った操作を施したリソースを要求元に提供する。また、他オブジェクトからリソースの提供を受けたオブジェクトは、両オブジェクト間で適用されるそのリソースについて利用規約を前記利用管理装置から参照しその利用規約に従った操作をそのリソースに施す。
【0010】
より具体的には、リソースを記憶する記憶装置と、該記憶装置に記憶されたリソースを提供するリソース提供側オブジェクトが動作するコンピュータと、前記リソース提供側オブジェクトに対し前記リソースを要求するリソース要求側オブジェクトが動作するコンピュータと、前記リソース提供側オブジェクトおよび前記リソース要求側オブジェクトと通信可能な利用管理装置とで構成され、前記利用管理装置は、前記リソース提供側オブジェクトのID、前記リソース要求側オブジェクトのIDおよび前記リソースのIDによって一意に特定される利用規約であって、前記リソース提供側オブジェクトのIDが利用規約の参照者IDとして設定され且つ前記リソースに対する前記リソース提供側オブジェクトの加工内容を含む利用条件が設定されたリソース提供側オブジェクト用利用規約と、前記リソース要求側オブジェクトのIDが利用規約の参照者IDとして設定され且つ前記リソースに対する前記リソース要求側オブジェクトの加工内容を含む利用条件が設定されたリソース要求側オブジェクト用利用規約とを含む利用規約を記憶する利用規約記憶手段と、参照者ID、前記リソース提供側オブジェクトまたは前記リソース要求側オブジェクトのIDおよび前記リソースのIDを含む利用規約参照要求を受信したとき、これらのIDで特定される利用規約が前記利用規約記憶手段に記憶されていれば、特定される利用規約における前記参照者IDと一致する参照者IDを含む前記リソース提供側オブジェクト用利用規約または前記リソース要求側オブジェクト用利用規約を要求元に通知する利用規約提供手段とを備え、前記リソース提供側オブジェクトは、前記リソース要求側オブジェクトから前記リソースのIDと前記リソース要求側オブジェクトのIDを含むリソース要求を受信する利用要求受付手段と、前記受信されたリソース要求に含まれる前記リソースのIDと前記リソース要求側オブジェクトのIDと自オブジェクトのIDである参照者IDとを含む利用規約参照要求を前記利用管理装置に送信する利用規約参照手段と、前記リソース要求に含まれる前記リソースを前記記憶装置から取得するリソース取得手段と、前記利用規約参照要求に対して前記利用管理装置から利用規約が通知されてこなかった場合は前記リソース要求側オブジェクトへの前記リソースの提供を拒否し、利用規約が通知されてきた場合は前記リソース取得手段によって取得されたリソースに対し前記利用規約に設定 された利用条件に従った操作を施したリソースを前記リソース要求側オブジェクトに提供する利用制御手段とを備え、前記リソース要求側オブジェクトは、前記リソース要求を前記リソース提供側オブジェクトへ送信し、前記リソース提供側オブジェクトから前記リソースを受信するリソース取得手段と、前記リソースのIDと前記リソース提供側オブジェクトのIDと自オブジェクトのIDである参照者IDとを含む利用規約参照要求を前記利用管理装置に送信する利用規約参照手段と、前記利用規約参照要求に対して前記利用管理装置から利用規約が通知されてきた場合に前記取得されたリソースに対し前記利用規約に設定された利用条件に従った操作を施す利用制御手段とを備えている。
【0011】
このような本発明にかかるオブジェクト連携装置では、或るオブジェクトが所有するリソースを他のオブジェクトが利用する場合、リソース提供側のオブジェクトとリソース要求側のオブジェクトとの間で適用される当該リソースの利用に関する利用規約を利用管理装置に登録しておく必要があるため、そのような利用規約を交わしていない第3者による不正な利用を防止でき、且つ、そのような利用規約が適用されるオブジェクトには、その利用規約を通知して規約に従った操作をリソースに施させることができる。また、リソース要求側のオブジェクトが正当な権限を有する者か否かの認証結果は、利用規約参照要求の応答として、利用規約の通知の有無によってリソース提供側のオブジェクトに知らされるため、正当な権限を有する者であった場合にリソース提供側のオブジェクトがあらためて両者間の利用規約を参照する手間が省ける。
【0012】
また発明にかかるオブジェクト連携装置は、更に、前記リソースは直接利用不可能な状態で前記記憶装置に記憶されており、且つ、直接利用不可能な状態のリソースを直接利用可能な状態に復元するために必要な情報を、リソース提供側オブジェクトおよびリソース要求側オブジェクトのうち利用規約によってリソースの加工を許されたオブジェクトが参照できるリソース提供側オブジェクト用利用規約またはリソース要求側オブジェクト用利用規約だけに含める構成を有する。これによって、正当な権限を有する者であってもリソースの加工を行えるオブジェクトを、利用規約によって制限できることになる。
【0013】
例えば、従来の技術の項で説明した広告リソースに対するオブジェクトA,Bによる3つの加工方法において、第1の方法の場合、オブジェクトA用の利用規約には復号鍵を入れ、オブジェクトB用の利用規約には復号鍵を入れないことで、オブジェクトBによる広告リソースの復元を不可能にし、勝手な加工を一切行わせないようにすることができる。反対に第3の方法の場合、オブジェクトB用の利用規約には復号鍵を入れ、オブジェクトA用の利用規約には復号鍵を入れないことで、オブジェクトAによる広告リソースの復元を不可能にし、勝手な加工を一切行わせないようにすることができる。そして、第2の方法の場合には、オブジェクトA用およびB用の利用規約の双方に復号鍵を入れておくことで、両者による広告リソースの復元が可能となり、必要な加工が行える。
【0014】
また発明にかかるオブジェクト連携装置は、更に、前記リソース提供側オブジェクトおよび前記リソース要求側オブジェクトによる前記利用規約の参照の履歴を履歴記憶手段に記録する利用規約参照履歴記録手段を、前記利用管理装置に備えている。
【0015】
また発明にかかるオブジェクト連携装置は、更に、前記リソース提供側オブジェクトおよび前記リソース要求側オブジェクトは、入力したリソースの内容を特定する入力リソース識別情報および出力したリソースの内容を特定する出力リソース識別情報の少なくとも一方を含むリソース識別情報を生成するリソース識別情報生成手段を備え、前記利用規約参照手段は、前記リソース識別情報生成手段で生成されたリソース識別情報を前記利用管理装置に送信するものであり、前記利用規約参照履歴記録手段は、前記リソース提供側オブジェクトおよび前記リソース要求側オブジェクトから受信したリソース識別情報を前記履歴記憶手段に記録するものであることを特徴とする。ここで、前記リソース識別情報としては、リソースの実体の一部分のコピーを使用することができる。このように、各オブジェクトが入力したリソースの内容を特定する入力リソース識別情報および各オブジェクトが出力したリソースの内容を特定する出力リソース識別情報の少なくとも一方を記録しておくことにより、リソースに不正な加工が施されていることが後に発見された場合、どの段階で不正な加工が行われたかの追跡調査が容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態の例について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(1)第1の実施の形態
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態にかかるオブジェクト連携装置は、複数のオブジェクト1,2と、これらの各オブジェクトと通信可能に接続された利用管理装置3とから構成されている。ここで、オブジェクト1はリソースR1を所有するオブジェクト、オブジェクト2はオブジェクト1が所有するリソースR1を利用するオブジェクトである。つまり、リソースR1に関し、オブジェクト1はリソース提供側オブジェクトとして動作し、オブジェクト2はリソース要求側オブジェクトとして動作する。
【0018】
オブジェクト1は、利用要求受付手段11、リソース取得手段12、利用規約参照手段13および利用制御手段14を備え、また暗号化された状態のリソースR1を記憶する磁気ディスク装置等の記憶装置15を有する。また、オブジェクト2は、利用要求受付手段21、リソース取得手段22、利用規約参照手段23および利用制御手段24を備えている。オブジェクト1,2は、それぞれ異なるコンピュータ上で動作するソフトウェアプログラムであっても良く、また同じコンピュータ上で動作するものであっても良い。オブジェクト1,2を構成するソフトウェアプログラムは図1に示す記録媒体K1に記録されて提供される。記録媒体K1はCD−ROM、半導体メモリ等の機械読み取り可能な記録媒体であり、記録されたソフトウェアプログラムはオブジェクト1,2の動作するコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータ上に実行可能なオブジェクト1,2を生成する。
【0019】
図1では、記憶装置15のような記憶装置がオブジェクト2に設けられていないが、オブジェクト2が何らかのリソースを所有する場合には同様な記憶装置が備えられる。また、図1にはオブジェクトは2つしか図示されていないが、3以上のオブジェクトが存在する場合、それら全てのオブジェクトが共通な1台の利用管理装置3に相互に通信可能に接続される。何れの場合も、各オブジェクトには、システムで一意に識別できるオブジェクトID(識別子)が割り当てられ、互いに区別される。また、図1にはリソースは1つしか図示されていないが、一般に複数のリソースが存在する。システムに存在する各リソースにもまた、システムで一意に識別できるリソースIDが割り当てられている。
【0020】
利用管理装置3は、リソース提供側のオブジェクトとリソース要求側のオブジェクト間で適用されるリソース提供側のオブジェクトが所有するリソースについて利用規約を管理する装置であり、利用規約記憶手段31、履歴記憶手段32、利用規約参照履歴記録手段33および利用規約提供手段34を備えている。利用管理装置3は、例えばコンピュータと利用管理プログラムとで実現できる。図1に示される記録媒体K2は、CD−ROM、半導体メモリ等の機械読み取り可能な記録媒体であり、ここに記録された利用管理プログラムは利用管理装置3を構成するコンピュータによって読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータ上に各手段31〜34を生成する。
【0021】
利用管理装置3の利用規約記憶手段31は、例えば磁気ディスク領域等の不揮発性記憶領域で構成され、システムに存在する各リソースについて、その提供側オブジェクトと利用側オブジェクトとの間で適用される利用規約を記憶している。
【0022】
図2(a)に利用規約記憶手段31における利用規約の管理構造の一例を示す。インデックス310は、リソースIDをキーとしてインデックス311を検索するためのインデックス、インデックス311はオブジェクトIDの組をキーとして利用規約312を検索するためのインデックスである。或るリソースについて或るオブジェクト間で適用される利用規約の検索は、先ずそのリソースIDでインデックス310を検索して該当するインデックス311を見つけ、次いで、そのオブジェクト双方のIDの組でインデックス311を検索して該当する利用規約312を見つける。
【0023】
図2(b)にリソース提供側オブジェクト1とリソース要求側オブジェクト2との間で適用されるリソースR1に関する利用規約312の構成例を示す。この利用規約312は、リソース提供側オブジェクト1用の利用規約313とリソース要求側オブジェクト2用の利用規約314とを含む。利用規約313は、リソース提供側オブジェクト1にのみ参照を許可するため、利用規約の参照者315の項目にはオブジェクト1のIDが設定され、利用規約314は、リソース要求側オブジェクト2にのみ参照を許可するため、利用規約の参照者321の項目にはオブジェクト2のIDが設定されている。その他の各利用規約313,314の内容は、オブジェクト1,2間で適用される利用規約の具体的な内容を示す。
【0024】
例えば、リソース提供側オブジェクト1がリソースR1について或る種の加工を施して提供する場合、利用規約313中の利用条件316の欄に加工内容317が記述されると共に、暗号化されたリソースR1を加工の為に復元するためのリソース復号化用鍵319が設定される。また、利用条件316の中にはリソースを暗号化して提供するのか、復号化した状態で提供するのかを記述した提供形態318があり、暗号化して提供する場合、一度復号化したリソースを加工後に再暗号化するためのリソース再暗号化用鍵320が設定される。なお、リソース復号化用鍵319とリソース再暗号化用鍵320に同一の鍵を使用する場合、319と320の項目は1つで良い。他方、リソース提供側オブジェクト1が暗号化されたリソースR1をそのまま提供する場合、提供形態318には暗号化して提供する旨が記述され、このときリソース復号化用鍵319は存在せず、また加工内容317およびリソース再暗号化用鍵320の記述も省略される。
【0025】
また、リソース要求側オブジェクト用利用規約314では、リソース要求側オブジェクト1が取得したリソースR1に対して或る種の加工を施す場合、利用規約314中の利用条件322の欄に加工内容323が記述されると共に、暗号化されたリソースR1を加工の為に復元するためのリソース復号化用鍵325が設定される。また、オブジェクト1が取得したリソースR1を外部に提供する場合、利用条件322の欄にリソースR1を暗号化して提供するのか、復号化した状態で提供するのかを記述した提供形態324があり、暗号化して提供する場合、一度復号化したリソースR1を加工後に再暗号化するためのリソース再暗号化用鍵326が設定される。なお、リソース復号化用鍵325とリソース再暗号化用鍵326に同一の鍵を使用しても良く、その場合325と326の項目は1つで良い。他方、リソース要求側オブジェクト2が暗号化されたリソースR1を取得後そのまま外部に提供する場合、提供形態324には暗号化して提供する旨が記述され、このときリソース復号用鍵325は存在せず、また加工内容323およびリソース再暗号化用鍵326の記述も省略される。
【0026】
再び図1を参照すると、利用管理装置3の履歴記憶手段32は、磁気ディスク領域等の不揮発性記憶領域で構成されており、利用規約参照履歴記録手段33は、どのオブジェクトがどの利用規約を参照したかの履歴を履歴記憶手段32に記録する。図3に履歴情報のフォーマット例を示す。この例では、1つの履歴情報は、当該履歴情報を一意に識別するための履歴ID320、利用規約を参照したオブジェクトのIDを示す参照者ID321と、参照した利用規約を示す利用規約ID322と、参照日時323とから構成されている。
【0027】
次に本実施の形態において、オブジェクト2がオブジェクト1の所有するリソースR1を利用する際の動作を説明する。図4乃至図7はその際の処理例を示すフローチャートであり、このうち図4はオブジェクト2の処理例を、図5及び図6はオブジェクト1の処理例を、図7は利用管理装置3の処理例を、それぞれ示す。
【0028】
オブジェクト2は、例えば図1には図示しないクライアントからの利用要求を利用要求受付手段21で受信した時、その要求に応じるために必要なリソースが他のオブジェクト1の所有にかかるリソースR1の場合、リソース取得手段22によってオブジェクト1に対してリソース要求を出す(図4のステップS100)。このリソース要求には、リソースR1のIDおよびオブジェクト2のIDが含まれる。
【0029】
オブジェクト1の利用要求受付手段11は、オブジェクト2から出されたリソース要求を受信すると(図5のステップS200)、そのリソース要求を利用制御手段14を通じてリソース取得手段12に伝達し、リソース取得手段12は記憶装置15から暗号化された状態のリソースR1を取得し(ステップS201)、利用制御手段14に渡す。利用制御手段14は、リソースR1のID、参照者ID(自オブジェクト1(リソース提供側オブジェクト)のID)およびリソース要求側オブジェクト2のIDを利用規約参照手段13に通知し、利用規約参照手段13は、それらの各IDを指定した利用規約参照要求を利用管理装置3に対して送信する(ステップS202)。
【0030】
利用管理装置3の利用規約提供手段34は、オブジェクト1から利用規約参照要求を受信すると(図7のステップS400)、利用規約記憶手段31から該当する利用規約を検索する(ステップS401)。具体的には、利用規約参照要求中のリソースIDで図2(a)のインデックス310を検索して該当するインデックス311を見つけ、次に利用規約参照要求中の参照者IDとリソース要求側オブジェクトIDの組でインデックス311を検索して該当する利用規約312を検索する。そして、検索に成功した場合(ステップS402でYES)、利用規約を要求元のオブジェクト1に送信する(ステップS403)。このとき送信する利用規約は、検索に成功した図2(b)の利用規約に含まれる各オブジェクト用利用規約313、314のうち、利用規約参照要求に含まれる参照者IDが利用規約の参照者315と一致するリソース提供側オブジェクト用利用規約313である。その後、利用規約提供手段34は、履歴ID、参照者ID、参照させた利用規約313を特定するIDおよび参照日時(送信日時)を利用規約参照履歴記録手段33に渡し、同手段33はこれらで図3に示した1つの履歴情報を生成し、履歴記憶手段32に記録する(ステップS404)。
【0031】
他方、利用規約提供手段34は、該当する利用規約312が利用規約記憶手段31に記憶されていなかった場合(ステップS402でNO)、要求元のオブジェクト1に対して要求拒否のメッセージを送信する(ステップS405)。
【0032】
なお、利用規約参照要求中に含まれるリソースID、2つのオブジェクトIDに対する認証手続きを、利用管理装置3の内部または外部のID認証手段(図示せず)によって行う処理をステップS401の直前に挿入し、例えば上記3種のID全てに対して認証が得られた場合に限ってステップS401に進み、それ以外は要求を拒否するようにして、より厳密で安全性の高い利用規約の管理と運営を実現するようにしても良い。ここで、ID認証手段による認証方法としては、システムが正当と認めるリソースID及びオブジェクトIDのリストを事前に用意しておき、認証を要求されたIDがそのリストに載っているか否かで行う方法等が採用可能である。
【0033】
さて、利用規約参照要求を送信したオブジェクト1の利用規約参照手段13は、利用管理装置3から利用規約313を受信すると(図5のステップS203でYES)、それを利用制御手段14に伝達し、利用制御手段14はその利用規約313に基づいてリソースR1の操作処理を行う(ステップS204)。そして、操作処理したリソースR1を利用要求受付手段11を通じてリソース要求元のオブジェクト2に提供(送出)する(ステップS205)。他方、利用規約313を受信できず、要求拒否メッセージを受信したときは(ステップS203でNO)、リソース要求元のオブジェクト2に対して要求を拒否するメッセージを送信する(ステップS206)。
【0034】
ステップS204の処理の詳細な例を図6に示す。利用制御手段14は、先ず利用規約313の利用条件316の欄に加工内容317が記述されているか否かを調べる(ステップS300)。加工内容317が記述されている場合、暗号化されたリソースR1を復号化するためのリソース復号化用鍵319が利用規約313に設定されているので、それを取り出し(ステップS301)、その鍵319を使ってリソースR1を復号化する(ステップS302)。そして、加工内容317に従った加工をリソースR1に施す(ステップS303)。次に、利用条件316の欄の提供形態318で指定されている提供形態が暗号化状態か、非暗号化状態かを調べ(ステップS304)、暗号化状態であれば、リソースR1を再暗号化するためのリソース再暗号化用鍵320が利用規約313に設定されているので、それを取り出し(ステップS305)、その鍵320を使ってリソースR1を再暗号化する(ステップS306)。また、提供形態が非暗号化状態であれば、ステップS305、S306をスキップする。他方、利用規約で加工が指示されていない場合(ステップS300でNO)、ステップS301〜S306をスキップする。
【0035】
一方、リソース要求側のオブジェクト2のリソース取得手段22は、オブジェクト1からリソースR1の提供を受けると(図4のステップS101でYES)、それを利用制御手段24に伝達し、利用制御手段24は、リソースR1のID、参照者ID(自オブジェクト2(リソース要求側オブジェクト)のID)およびリソース提供側オブジェクト1のIDを利用規約参照手段23に通知し、利用規約参照手段23は、これら3つのIDを含む利用規約参照要求を利用管理装置3に対して送信する(ステップS102)。
【0036】
利用管理装置3の利用規約提供手段34は、オブジェクト2から利用規約参照要求を受信すると(図7のステップS400)、オブジェクト1から利用規約参照要求があった場合と同様にして利用規約記憶手段31から該当する利用規約を検索する(ステップS401)。そして、検索に成功した場合(ステップS402でYES)、利用規約を要求元のオブジェクト2に送信する(ステップS403)。このとき送信する利用規約は、検索に成功した図2(b)の利用規約に含まれる各オブジェクト用利用規約313、314のうち、利用規約参照要求に含まれる参照者IDが利用規約の参照者321と一致するリソース要求側オブジェクト用利用規約314である。その後、利用規約提供手段34は、履歴ID、参照者ID、参照させた利用規約314を特定するIDおよび参照日時(送信日時)を利用規約参照履歴記録手段33に渡し、同手段33はこれらで図3に示した1つの履歴情報を生成し、履歴記憶手段32に記録する(ステップS404)。他方、利用規約提供手段34は、該当する利用規約312が利用規約記憶手段31に記憶されていなかった場合(ステップS402でNO)、要求元のオブジェクト2に対して要求拒否のメッセージを送信する(ステップS405)。
【0037】
利用規約参照要求を送信したオブジェクト2の利用規約参照手段23は、利用管理装置3から利用規約314を受信すると(図4のステップS103でYES)、それを利用制御手段24に伝達し、利用制御手段24はその利用規約314に基づいてリソースR1の操作処理を行う(ステップS104)。そして、操作処理したリソースR1を利用要求受付手段11を通じて要求元のクラアントに提供(送出)する(ステップS105)。
【0038】
他方、オブジェクト1からリソースR1の提供を受けず要求拒否のメッセージを受けた場合(ステップS101でNO)、リソース取得手段22はその旨を利用制御手段24に伝達し、利用制御手段24はエラー処理を行う(ステップS106)。また、利用管理装置3から利用規約を受信できず要求拒否のメッセージを受けた場合(ステップS103でNO)、利用規約参照手段23はその旨を利用制御手段24に伝達し、利用制御手段24はエラー処理を行う(ステップS106)。エラー処理としては、例えば利用要求受付手段21を通じて利用要求元のクラアントに対して要求拒否のメッセージを送出する等の処理が考えられる。
【0039】
ステップS104における利用規約に基づくリソースの操作処理は、図6に示したリソース提供側オブジェクトにおける処理とほぼ同じである。つまり、利用制御手段24は、先ず利用規約314の利用条件322の欄に加工内容323が記述されているか否かを調べ(ステップS300)、記述されていれば、暗号化されたリソースR1を復号化するためのリソース復号化用鍵325が利用規約314に設定されているので、それを取り出し(ステップS301)、その鍵325を使ってリソースR1を復号化する(ステップS302)。そして、加工内容323に従った加工をリソースR1に施す(ステップS303)。次に、利用条件322の欄の提供形態324で指定されている提供形態が暗号化状態か、非暗号化状態かを調べ(ステップS304)、暗号化状態であれば、リソースR1を再暗号化するためのリソース再暗号化用鍵326が利用規約314に設定されているので、それを取り出し(ステップS305)、その鍵326を使ってリソースR1を再暗号化する(ステップS306)。また、提供形態が非暗号化状態であれば、ステップS305、S306をスキップする。他方、利用規約で加工が指示されていない場合(ステップS300でNO)、ステップS301〜S306をスキップする。
【0040】
図8および図9に本実施の形態における動作シーケンスの例を示す。図8に示す動作シーケンスは、リソースR1に対してリソース提供側オブジェクト1およびリソース要求側オブジェクト2の双方が何らかの加工を行う場合のものであり、各オブジェクトは利用規約の受信時に、リソースの復元、加工、隠蔽化(暗号化)をそれぞれ実施している。これに対して図9に示す動作シーケンスは、リソースR1に対する加工をリソース提供側オブジェクト1のみが実施する場合のものであり、リソース要求側オブジェクト2はリソース提供側オブジェクト1から提供された暗号化状態のリソースR1をそのままクラアントに提供している。なお、このようにクラアントが暗号化されたリソースR1の提供を受ける場合、それを復号化する必要がある。このためには、例えば、リソース提供側オブジェクト1とクラアントとの間で適用されるリソース復号化用鍵を含む利用規約を利用管理装置3に登録しておき、図9の動作シーケンスに示すように、クラアントが利用管理装置3に利用規約の参照要求を出して利用規約を取得し、その中に設定されたリソース復号化用鍵を使って復元すれば良い。
【0041】
次に本実施の形態をより具体的な例を用いて更に詳細に説明する。
【0042】
図10は複数のリソースで構成されたデジタルマガジンの表示例である。このデジタルマガジンは、「今週の出来事」というタイトルを含む表示部分全体を構成するレポート記事リソース202の一部に、広告リソース203の一部をクリッピングし且つ減色して嵌め込んだもので、クライアント端末装置201上に表示され利用される。このとき、図11(a)に示すように、広告リソース203を所有するオブジェクトが広告オブジェクト302、レポート記事リソース202を所有するオブジェクトがレポート記事オブジェクト301である場合、クラアント201はレポート記事オブジェクト301に対してリソース202の利用を要求し、レポート記事オブジェクト301は、リソース202に含んで提供すべきリソース203を広告オブジェクト302から取得して利用することになる。このため、広告リソース203についてオブジェクト301、302間で適用される利用規約利用管理装置3に登録されている。
【0043】
図12に広告リソース203についてオブジェクト301、302間で適用される利用規約400の具体例を示す。この例の利用規約400では、リソース203の名称であるリソース名(広告データ)401に対して、利用規約1(リソース提供側オブジェクト用)402と利用規約2(リソース要求側オブジェクト用)408の2種類が定義されている。また利用規約1では、リソース復号・再暗号化用鍵403、利用規約の参照者404、利用者(オブジェクト)405、利用条件406が定義され、この利用条件406で、利用者へは暗号化した状態で提供する旨の提供形態と、部分切り出しを行うべきことを示す加工内容407とが定義されている。また利用規約2では、リソース復号・再暗号化用鍵409、利用規約の参照者410、利用者(オブジェクト)411、利用条件412が定義され、この利用条件412で、復号する旨の提供形態と、256色に減色すべきことを示す加工内容413とが定義されている。なお、利用者405および利用者411はリソース203を利用する者が誰かを利用規約上明確にしておくために設けられているが、省略可能である。
【0044】
リソース203をレポート記事オブジェクト301から要求された広告オブジェクト302が、リソース203のID、要求元オブジェクト301のID、自オブジェクト302のIDを含んだ利用規約参照要求を送って利用管理装置3から図12に示したリソース提供側オブジェクト用の利用規約401を受け取ると、暗号化して所有している広告リソース203を鍵403を使用して復号化し、利用条件406の加工内容407に従って部分切り出し操作を施した後、利用条件406の提供形態に従ってリソース203を鍵403で再暗号化し、リソース203の利用者であるレポート記事オブジェクト301に対して提供する。
【0045】
また、リソース203を広告オブジェクト302から取得したレポート記事オブジェクト301が、リソース203のID、提供側オブジェクト302のID、自オブジェクト301のIDを含んだ利用規約参照要求を送って利用管理装置3から図12に示したリソース要求側オブジェクト用の利用規約408を受け取ると、暗号化して提供された広告リソース203を鍵409を使用して復号化し、利用条件412の加工内容413に従って256色に減色する操作を施した後、利用条件412の提供形態に従ってリソース203を再暗号化せずに復号した状態で利用する。つまり、自オブジェクト301が所有するレポート記事オブジェクト301に嵌め込み、リソース202の要求元のクラアント201に対して提供する。
【0046】
図12の利用規約では、リソース要求側オブジェクト用の利用規約408にリソース復号・再暗号化用鍵409を含めたが、レポート記事オブジェクト301に対して暗号化されたリソース203の復号を許可せず、従って加工も不可能とする場合、利用規約408にはリソース復号・再暗号化用鍵409は含まれない。このときは、図11(b)に示すように、レポート記事オブジェクト301は広告オブジェクト302から提供された暗号化状態のリソース203をそのままレポート記事オブジェクト202に嵌め込んでクラアント201に提供することになる。
【0047】
(2)第2の実施の形態
図13を参照すると、本発明の第2の実施の形態にかかるオブジェクト連携装置は、各オブジェクト1、2に、自オブジェクトが入力したリソースR1の内容を特定する入力リソース識別情報および自オブジェクトから出力したリソースR1の内容を特定する出力リソース識別情報を生成するリソース識別情報生成手段16、25を付加し、この入力および出力リソース識別情報を利用管理装置3に送って履歴記憶手段32に記録するようにした点で、第1の実施の形態にかかる図1のオブジェクト連携装置と相違している。以下、本実施の形態の動作を第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0048】
オブジェクト2からのリソース要求に応じてオブジェクト1のリソース取得手段12がリソースR1を記憶装置15から入力したとき、利用制御手段14に伝達すると共にリソース識別情報生成手段16にも伝達する。リソース識別情報生成手段16は、暗号化されたリソースR1の内容を特定する情報を入力リソース識別情報として生成し、利用規約参照手段13に伝達する。利用規約参照手段13は、利用規約参照要求を送出するときに、この入力リソース識別情報を付加して利用管理装置3に送信する。ここで、暗号化されたリソースR1の内容を特定する情報としては、その全コピーやその一部のコピー(例えばリソースR1の実体であるデータファイルの先頭256バイトのデータ列など)、または、暗号化されたリソースR1の内容に所定のハッシュ関数を適用して得たハッシュ値、または、暗号化されたリソースR1の内容を所定の規則に基づいて演算して得たチェックサム等が採用可能である。
【0049】
利用管理装置3の利用規約提供手段34は、利用規約参照要求に入力リソース識別情報が付加されていないときは当該要求を拒否し、付加されているときは第1の実施の形態と同様の動作を行う。但し、利用規約をオブジェクト1に送信する前に、利用規約参照履歴記録手段33によって、図14に示すように、履歴ID320、参照者ID321、利用規約ID322および参照日時323以外に、受信した入力リソース識別情報324が記録され、出力リソース識別情報325の欄はNULLにした履歴情報を生成して履歴記憶手段32に記録した後、この履歴情報を一意に識別できる履歴ID320と共に利用規約をオブジェクト2に送信する。
【0050】
また、オブジェクト1の利用要求受付手段11は暗号化されたリソースR1をオブジェクト2に出力するとき、同時にリソース識別情報生成手段16にも出力する。リソース識別情報生成手段16は、入力リソース識別情報と同様な方法で、出力されたリソースR1の内容を特定する出力リソース識別情報を生成し、利用規約参照手段13に伝達する。利用規約参照手段13は、利用規約参照要求に対する利用規約の受信時に通知された履歴ID320を付加して、この出力リソース識別情報を利用管理装置3に送信する。
【0051】
利用管理装置3の利用規約提供手段34は、履歴ID320が付加された出力リソース識別情報を受信すると、それを利用規約参照履歴記録手段33に渡し、利用規約参照履歴記録手段33は、履歴記憶手段32に記録されている履歴情報のうち、渡された履歴ID320を持つ履歴情報中の出力リソース識別情報の項目325に当該出力リソース識別情報を記録する。
【0052】
以上はオブジェクト1側の動作であるが、オブジェクト2側でもリソース識別情報生成手段25を使って同様の動作が行われ、オブジェクト2がオブジェクト1から取得したリソースR1の入力リソース識別情報およびクラアントに出力したリソースR1の出力リソース識別情報を含む履歴情報が履歴記録手段32に記録される。
【0053】
本実施の形態では、利用規約を各オブジェクトが参照するには入力したリソースR1の内容を特定する入力リソース識別情報を利用管理装置3に送らねばならず、送ると履歴記憶手段32に記録される。入力リソースは直接利用不可能な状態になっているので、利用規約を参照する前に利用規約に定められた以外の加工を施すことはできず、入力リソース識別情報は各オブジェクトが入力した時点のリソースR1の内容を定める証拠となる。このため、後にリソースR1に契約外の加工が施されていることが発見された場合、どの段階でそのような加工が行われたかを追跡することが容易となる。例えば、契約外の加工がクラアント側で発見された場合、オブジェクト1が出力した入力リソース識別情報にそのような加工の痕跡がなく、オブジェクト2が出力した入力リソース識別情報にそのような加工の痕跡がある場合、オブジェクト1が契約外の加工を行ったことになる。また、オブジェクト1およびオブジェクト2の双方の入力リソース識別情報にその痕跡がなければ、オブジェクト2が契約外の加工を行ったことになる。このように、入力リソース識別情報を記録しておくことにより、契約外の加工が行われた場合の追跡調査が容易になる。
【0054】
また本実施の形態では、各オブジェクト1、2から送信された出力リソース識別情報を利用管理装置3が履歴記憶手段32に登録する。従って、オブジェクト1、2がリソースR1に対して契約外の加工を施して要求元に提供し、その内容を特定する出力リソース識別情報を利用管理装置3に送信すると、記録された出力リソース識別情報によって契約外の加工が発見されるため、オブジェクト1、2は被疑者から免れない。出力リソース識別情報をわざと登録しない場合も同様である。また、オブジェクト1、2が契約外の加工を施したリソースR1を要求元に提供し、正しく加工したリソースR1の出力リソース識別情報を利用管理装置3に登録した場合、登録された出力リソース識別情報から特定されるリソースの内容と要求元が受け取ったリソースの内容とが一致しないため、契約外の加工が行われていたことが発覚する。このように、出力リソース識別情報を記録しておくことにより、契約外の加工が行われた場合の追跡調査が容易になる。
【0055】
第2の実施の形態では入力リソース識別情報および出力リソース識別情報の双方を記録するようにしたが、何れか一方を記録するようにしても良い。
【0056】
以上本発明を幾つかの実施の形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、リソース提供側のオブジェクトとリソース要求側のオブジェクト間で適用されるそのリソース提供側のオブジェクトが所有するリソースについて利用規約を、リソースID、リソース提供側オブジェクトIDおよびリソース要求側オブジェクトIDの3つのIDで一意に定まるようにしたが、それらのID以外にリソースのおおもとの要求者であるクラアントのIDも用いて一意に定まるようにしても良い。この場合、利用規約参照要求にはこれら4つのIDが含められ、図2のインデックス311はリソースIDを除く3つのIDの組毎に該当する利用規約をポイントする構成となる。
【0057】
また、リソースを直接利用不可能な状態にする方法として、鍵を用いた暗号化を例にしたが、鍵を用いない暗号化(例えば所定の規則に従ってリソースを構成するデータを入れ替える方法など)や、圧縮方法を秘密にしたデータ圧縮等、任意の方法を採用することができる。この場合、前記所定の規則を記載した情報や圧縮方法の種類を記載した情報が、直接利用不可能な状態のリソースを直接利用可能な状態に復元するために必要な情報となる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば以下のような効果が得られる。
【0059】
るオブジェクトが所有するリソースを他のオブジェクトが利用する場合に、権限のない第3者によるリソースの不正な利用を防止でき、かつ、リソース提供側オブジェクト及びリソース要求側オブジェクトに利用規約に従った動作を行わせることができる。その理由は、リソース提供側のオブジェクトとリソース要求側のオブジェクトとの間で適用される当該リソースの利用に関する利用規約を利用管理装置に登録しておく必要があるため、そのような利用規約を交わしていない第3者はリソースを利用できず、また、そのような利用規約が適用されるオブジェクトには、その利用規約を通知して規約に従った操作を行わせるためである。
【0060】
またリソース要求側のオブジェクトが正当な権限を有する者か否かの認証結果を、利用規約の通知の有無によってリソース提供側のオブジェクトに知らせるため、正当な権限を有する者であった場合にリソース提供側のオブジェクトがあらためて両者間の利用規約を参照する手間が省ける。
【006
さらに利用規約によって当該リソースをどのオブジェクトで直接利用可能な状態へと復元し、どのように加工するかを指定することができ、これによってオブジェクト間でのリソースの加工処理を利用規約通りに分担させることができ、延いては各オブジェクト内での機能的、処理能力的な負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるオブジェクト連携装置のブロック図である。
【図2】利用規約記憶手段における利用規約の管理構造の一例と利用規約の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における履歴情報のフォーマット例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるリソース要求側のオブジェクトの処理例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるリソース提供側のオブジェクトの処理例を示すフローチャートである。
【図6】利用規約に基づくリソースの操作処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における利用管理装置の処理例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態における動作シーケンス例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における動作シーケンスの別の例を示す図である。
【図10】複数のリソースで構成されたデジタルマガジンの表示例を示す図である。
【図11】図10のデジタルマガジンを構成するリソースのオブジェクト間の利用関係を示す図である。
【図12】広告リソースについてリソース提供側オブジェクトとリソース要求側オブジェクトとの間で交わされた利用規約の具体例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態にかかるオブジェクト連携装置のブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における履歴情報のフォーマット例を示す図である。
【符号の説明】
1…リソース提供側のオブジェクト
2…リソース要求側のオブジェクト
3…利用管理装置
11、21…利用要求受付手段
12、22…リソース取得手段
13、23…利用規約参照手段
14、24…利用制御手段
15…記憶装置
31…利用規約記憶手段
32…履歴記憶手段
33…利用規約参照履歴記録手段
34…利用規約提供手段
R1…リソース

Claims (8)

  1. リソースを記憶する記憶装置と、該記憶装置に記憶されたリソースを提供するリソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータと、前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータに対し前記リソースを要求するリソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータと、前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータおよび前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータと通信可能な利用管理装置とで構成され、
    前記利用管理装置は、
    前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータのID、前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータのIDおよび前記リソースのIDによって一意に特定される利用規約であって、
    前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータのIDが利用規約の参照者IDとして設定され且つ前記リソースに対する前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータの加工内容を含む利用条件が設定されたリソース提供側オブジェクト用利用規約と、前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータのIDが利用規約の参照者IDとして設定され且つ前記リソースに対する前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータの加工内容を含む利用条件が設定されたリソース要求側オブジェクト用利用規約とを含む利用規約を記憶する利用規約記憶手段と、参照者ID、前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータまたは前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータのIDおよび前記リソースのIDを含む利用規約参照要求を受信したとき、これらのIDで特定される利用規約が前記利用規約記憶手段に記憶されていれば、特定される利用規約における前記参照者IDと一致する参照者IDを含む前記リソース提供側オブジェクト用利用規約または前記リソース要求側オブジェクト用利用規約を要求元に通知する利用規約提供手段とを備え、
    前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータは、前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータから前記リソースのIDと前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータのIDを含むリソース要求を受信する利用要求受付手段と、前記受信されたリソース要求に含まれる前記リソースのIDと前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータのIDと自コンピュータのIDである参照者IDとを含む利用規約参照要求を前記利用管理装置に送信する利用規約参照手段と、前記リソース要求に含まれる前記リソースを前記記憶装置から取得するリソース取得手段と、前記利用規約参照要求に対して前記利用管理装置から利用規約が通知されてこなかった場合は前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータへの前記リソースの提供を拒否し、利用規約が通知されてきた場合は前記リソース取得手段によって取得されたリソースに対し前記利用規約に設定された利用条件に従った操作を施したリソースを前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータに提供する利用制御手段とを備え、
    前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータは、前記リソース要求を前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータへ送信し、前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータから前記リソースを受信するリソース取得手段と、前記リソースのIDと前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータのIDと自コンピュータのIDである参照者IDとを含む利用規約参照要求を前記利用管理装置に送信する利用規約参照手段と、前記利用規約参照要求に対して前記利用管理装置から利用規約が通知されてきた場合に前記取得されたリソースに対し前記利用規約に設定された利用条件に従った操作を施す利用制御手段とを備えることを特徴とするオブジェクト連携装置。
  2. 前記リソースは直接利用不可能な状態で前記記憶装置に記憶されており、且つ、直接利用不可能な状態のリソースを直接利用可能な状態に復元するために必要な情報を、リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータおよびリソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータのうち利用規約によってリソースの加工を許されたオブジェクト機能を有するコンピュータが参照できるリソース提供側オブジェクト用利用規約またはリソース要求側オブジェクト用利用規約だけに含めるようにした請求項1記載のオブジェクト連携装置。
  3. 前記リソースは直接利用不可能な状態で前記記憶装置に記憶されており、且つ、前記利用規約における前記リソース提供側オブジェクト用利用規約には、前記リソースを直接利用可能な状態に復元するために必要な情報と、該情報を用いて前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータが前記リソースを直接利用可能な状態に復元した後に前記利用条件に従った操作を施したリソースを前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータに送信する際に再び直接利用不可能な状態にするために必要な情報とが含まれることを特徴とする請求項1記載のオブジェクト連携装置。
  4. 前記利用規約における前記リソース要求側オブジェクト用利用規約には、前記リソースを直接利用可能な状態に復元するために必要な情報が含まれることを特徴とする請求項3記載のオブジェクト連携装置。
  5. 直接利用不可能な状態が暗号化された状態であり、復元するために必要な情報が復号鍵である請求項2、3または4記載のオブジェクト連携装置。
  6. 前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータおよび前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータによる前記利用規約の参照の履歴を履歴記憶手段に記録する利用規約参照履歴記録手段を、前記利用管理装置に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のオブジェクト連携装置。
  7. 前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータおよび前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータは、入力したリソースの内容を特定する入力リソース識別情報および出力したリソースの内容を特定する出力リソース識別情報の少なくとも一方を含むリソース識別情報を生成するリソース識別情報生成手段を備え、前記利用規約参照手段は、前記リソース識別情報生成手段で生成されたリソース識別情報を前記利用管理装置に送信するものであり、前記利用規約参照履歴記録手段は、前記リソース提供側オブジェクト機能を有するコンピュータおよび前記リソース要求側オブジェクト機能を有するコンピュータから受信したリソース識別情報を前記履歴記憶手段に記録するものであることを特徴とする請求項6記載のオブジェクト連携装置。
  8. 前記リソース識別情報は、リソースの実体の一部分のコピーである請求項7記載のオブジェクト連携装置。
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