JP4125288B2 - 送信電力制御装置,移動通信システムおよび電力制御方法 - Google Patents

送信電力制御装置,移動通信システムおよび電力制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、符号分割多重接続(Code Division Multiple Access:以下、CDMAと称する。)移動通信システムにおいて、移動局と基地局との間の無線通信路を介して送信される信号の電力制御に関し、特に、送信電力の指標となる受信電力目標値を最適かつ迅速に調整可能な電力制御に用いて好適な、送信電力制御装置,移動通信システムおよび電力制御方法に関する。
【0002】
背景技術
近年の移動通信技術の進展に伴い、世界共通の3G(3rd Generation:[第3世代携帯電話])規格が、国際電気通信連合(International Telecommunication Union:ITU)を中心として各国の通信事業者から組織された3GPP/3GPP2(3rd Generation Partnership Project)によって検討されてきた。この3G規格は、IMT−2000(International Mobile Telecommunication-2000)として検討されたものであって、音声,テキスト,静止画像,動画像などの異なる伝送レートが必要な各種データの伝送をサポートし、かつ高速伝送ができ、また、インターネットとの接続などを考慮したものである。既に、日本/ヨーロッパのW−CDMA方式および米国のcdma2000方式などの複数の方式がリリースされている。
【0003】
これらのCDMA方式のシステムにおいては、各移動局(Mobile Station:無線端末,加入者端末ともいう。以下、MSと称する。)およびBTS(Base Transceiver Station:以下、BTSと称する。)の各チャネルは、自局以外の他のMS又はBTSから出力された電波によって干渉を受け、無線回線品質(以下、単に品質と称する。)を劣化させる。また、この品質は、BTS−MS間の距離,マルチパス環境および移動局の移動速度などの様々な要因の影響を受ける。このため、チャネル干渉の防止と良好な品質の維持とを図り、システム全体のスループットを向上させて加入者数を増大するために、送信電力制御(Transmit Power Control:以下、TPCと称する。)が用いられている。
【0004】
このTPCとは、MSおよびBTSが、それぞれ、通信相手のBTS(相手BTS)および通信相手のMS(相手MS)から送信されたフレームに含まれる送信電力の制御情報(コマンド)に基づいて、MS自身の送信電力値およびBTS自身の送信電力を適切な値にする制御を意味する。なお、以下の説明において、相手BTS,相手MSを相手装置(対向装置)と称する。
【0005】
このTPCとして、インナーループ制御が知られている。インナーループ制御とは、MSが、上りスロットに制御情報としてTPCビットを挿入し、BTSが、そのTPCビットに基づいてBTSおよびMSの送信電力値を増減する制御である。
図20はインナーループ制御とアウターループ制御とを説明するための図である。この図20に示すインナーループ制御L1は、BTSおよびMS双方の送信電力を制御するためのものであって、BTSが、MSから送信された信号の受信電力値に基づいて、BTS自身からの送信電力とMSからの信号の送信電力とをフィードバック制御するようになっている。すなわち、BTSは、MSについての所定の受信電力閾値を予め保持し、MSからの受信電力値がその受信電力閾値よりも小さいときは、MSに対して、MSの送信電力をアップするためのコマンドを送信する。また、BTSは、MSからの受信電力値が受信電力閾値よりも大きいときは、MSに対して、そのMSの送信電力をダウンするTPC情報を送信するのである。この受信電力値は、例えばSIR(Signal Interference Ratio:SI比)が用いられる。
【0006】
以上が、インナーループ制御についての説明である。
一方、図20に示すアウターループ制御L2は、基地局制御装置(Base Station Controller:以下、BSCと称する。)が、BTSのインナーループ制御L1の受信電力閾値を設定するためのものである。BSCは、BTSが受信したフレームの平均のフレーム誤り率(Frame Error Rate:以下、FERと称し特に断らない限り、FER値をも意味する。)を推定し、このFERが所望の値になるように、受信電力閾値を制御する。これにより、伝搬環境の変化に応じて適切なTPCが可能となる。
【0007】
なお、ランダムアクセスチャネルなどのインナーループ制御を使用できない移動通信システムにおいては、オープンループ制御が用いられる。オープンループ制御とは、MSが、MSにおいてBTSから送信される信号の受信電力値に基づいて伝搬ロスを推定しMS自身の送信電力値を決定するものである。
次に、アウターループ制御のFERの計算例について説明する。
【0008】
品質の目標値は、提供するサービスにより異なる。一例として、音声通信についてのFERは1.0%であり、また、データ通信についてのFERは0.1%又は0.2%である。そして、BTS又はBSCの受信部が、音声通信を処理する場合には、FERが1.0%となるようにアウターループ制御を行ない、また、式(Z1)を用いてFERを得ている。
【0009】
FER=(CRCNGのフレーム数又はコラプトなどのイレギュラーなフレーム数)/総受信フレーム数 …(Z1)
ここで、CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)は連続して出現するバースト誤りを検出するためのものであり、バースト誤りが検出されたことを意味するCRCNG(CRC No Good)と、誤り数が許容される範囲であることを意味するCRCOK(CRC O.K.)とが判定結果として例えば受信部から出力される。また、コラプトとは、誤りが多数含まれてフレームとして認識されないフレームを表す。なお、"/"は除算を表す。
【0010】
また、アウターループを用いた送信電力制御に関する技術は、多数提案されている。
信学技報RCS98-18「W−CDMAにおけるアウターループを用いる適応送信電力制御の実験的検討」(以下、公知文献1と称する。)に記載されたアウターループ制御は、無線フレームごとのCRCを判定し、CRCOK/CRCNG数をカウントしてFERを測定(実測)し、そして、この測定したFERと目標FER(ターゲットFER)とを比較して目標受信電力値(又は目標受信レベル/干渉レベル比)を更新するものである。さらに、この公知文献1には、FER観測期間(観測数)が1000フレーム以上であれば、システムは、FERはほぼ所望の一定値に制御できる旨が記載されている。従って、十分なFER観測期間があるときは、アウターループ制御により、品質を一定に維持できる。
【0011】
しかしながら、公知文献1によると目標FERの品質を維持するためには設定値の精度が確保できる程度の観測期間が必要である。具体的に、従来方式を用いた観測期間に関し以下に示す(i)〜(iii)の課題がある。
(i)FER1.0%を確保する場合は、移動通信システムは、最低100フレーム以上の期間を要し、また、FERが0.1%程度の精度が必要な場合は、これよりも多数のフレーム期間が必要である。また、正確に1.0%の品質を確保する場合は、公知文献1に記載されているように、1000フレーム以上の観測期間が必要となる。
【0012】
この場合、FERを推定するための時間が長くなり、目標受信電力値(又は目標受信電力/干渉電力比)の更新周期が長くなる。従って、目標FERを満足する受信電力値においてインナーループが適切な値で動作していない時間が長くなり、所要のFERが得られない。
(ii)伝搬環境の変化に応じてFERが目標FERとなり目標受信電力値が伝搬環境の変化に追随するように更新周期を短縮すると、目標設定できるFERが時間又はフレーム数によって制限される。従って、所要のFERが得られない。
【0013】
(iii)また、近年、高速データ通信の需要が高くなっている。移動通信システムのプロトコルの多くは、上位レイヤが、下位レイヤのデータ(例えば無線フレーム)を組み立てるようになっている。従って、このようなプロトコルが用いられる場合は、下位レイヤにおけるFERが小さい場合であっても、上位レイヤがフレームを組み立てるときにNGフレーム(誤りフレーム)が含まれるので、上位レイヤが組み立てたフレームもNGフレームになる。
【0014】
このため、BTS又はMSがそのようなNGフレームを受信した場合、上位レイヤがNGフレームを再送制御により再度取得するように動作することが多い。この結果,再送フレームが多発すると、実際は、送受信されている無線フレームに比較して、実際のサービスで使用される上位レイヤにおけるスループットが小さくなる。
【0015】
従って、高速データ通信サービスを提供する場合は、FERを小さくする(品質をよくする)必要がある。
また、特開平8−181653号公報(以下、公知文献2と称する。)に記載された送信電力制御方法は、MS,BTSのいずれかの局が各無線回線の受信品質を測定する測定手段を有し、他方の局が測定手段により測定された回線品質から他方の局における平均的な回線品質特性を学習する学習手段を有し、学習手段により学習された平均的な回線品質特性に基づいて目標のキャリア電力/干渉電力比を設定するものである。これにより、送信電力を必要最小限に抑制できる。
【0016】
しかしながら、この公知文献2記載の送信電力制御方法は、目標受信電力値を高速に得るものではない。
従って、従来の技術を用いた場合、所要FER値が高いと、フレーム再送によって全体のスループットが低下する。一方、高精度のFERを得るには長い測定区間(測定期間)を要する。また、FERの更新周期を早めると高精度のFERを得られず適切な電力閾値を設定できない。
【0017】
ここで、再送回数を減少させるためには、FERを小さくする必要がある。FERが小さい場合、FERの測定精度を向上させるためには相当の時間を要する。この場合、移動局が移動することにより変化する伝搬特性に対して、FERの測定精度が十分に追従することができない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、高速にTPCを行なえて、無線フレームのような下位レイヤのデータの品質を改善し、かつ品質を一定に維持でき、さらに、スループットの向上が可能な送信電力制御装置,移動通信システムおよび電力制御方法を提供することを目的とする。
【0018】
発明の開示
このため、本発明の送信電力制御装置は、所定区間内のフレーム誤り率を測定する測定部と、複数のフレーム毎品質情報の統計情報に基づいて複数のフレーム毎品質情報を平均して得た平均フレーム品質情報を取得する取得部と、測定部にて測定されたフレーム誤り率と、取得部にて取得された平均フレーム品質情報とを対応付けて保持する変換テーブルと、フレーム毎品質情報に対応する推定フレーム誤り率を変換テーブルから推定し、推定フレーム誤り率と予め保持した目標フレーム誤り率とに基づいて目標受信電力閾値を制御し通信相手装置の送信電力を制御する送信電力制御部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0019】
従って、このようにすれば、フレーム誤り率の値を低く設定でき、かつ目標受信電力値の更新周期を早くすることができ、再送回数が減少する。
さらに、本発明の移動通信システムは、送信電力制御装置が、所定区間内のフレーム誤り率を測定する測定部と、複数のフレーム毎品質情報の統計情報に基づいて複数のフレーム毎品質情報を平均して得た平均フレーム品質情報を取得する取得部と、測定部にて測定されたフレーム誤り率と、取得部にて取得された平均フレーム品質情報とを対応付けて保持する変換テーブルと、フレーム毎品質情報に対応する推定フレーム誤り率を変換テーブルから推定し、推定フレーム誤り率と予め保持した目標フレーム誤り率とに基づいて目標受信電力閾値を制御し通信相手装置の送信電力を制御する送信電力制御部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0020】
従って、このようにすれば、移動局の移動により変化する伝搬特性に対して、目標受信電力値の更新周期を早くできるので、フレーム誤り率の測定精度が移動速度に十分に追従できる。
本発明の移動通信システムは、フレーム誤り率の測定精度を向上させるための長期間の測定が不要となる点において、再送回数を減少させるために小さなフレーム誤り率を必要とする従来の移動通信システムと異なる。
【0021】
そして、本発明の移動通信システムによれば、フレーム誤り率を短期間で推定でき、所望の品質を維持することが容易となる。また、フレーム誤り率を1.0%未満の値に設定することも容易となるので、データ通信時におけるスループット向上が見込まれる。
さらに、取得部は、測定部にて測定された複数の異なるフレーム誤り率のそれぞれについて、複数のフレーム毎品質情報の平均値分布に基づいて平均フレーム品質情報を取得するように構成されてもよく、また、複数の異なるフレーム誤り率のそれぞれについて、フレーム誤り率を得たフレーム誤り率測定区間の番号と、そのフレーム誤り率測定区間におけるフレーム毎品質情報の平均値とに基づいて平均値分布を作成し、この平均値分布に基づいて平均フレーム品質情報を取得するように構成されてもよい。このようにすれば、迅速にフレーム誤り率を更新するとともにスループットを向上させることができ、また、電力制御を最適化できる。
【0022】
さらに、変換テーブルは、伝搬環境の異なる複数のセルごとに設けられ複数のセルごとに別個に更新されてもよく、又は変換テーブルが、時間帯に応じてフレーム誤り率と平均フレーム品質情報とを更新されてもよく、このようにすれば、各セルに適した電力配分が可能となる。また、長期間における伝搬環境の変化(例えば交通・人通りの変化による伝搬環境の変化又は通話量(トラフィック量)の変化による他セルおよび自セル干渉量の変化)に応じて適切な変換テーブルを得られる。
【0023】
また、送信電力制御部が、異なる変換テーブルを設けた複数のセル間において移動局がソフトハンドオフ(ソフトハンドオーバ)しているときに複数のセルにおける品質に応じてソフトハンドオフ時の推定フレーム誤り率を推定するように構成されてもよく、このようにすれば、ハンドオフが円滑に行なえる。また、無線回線レベルでの品質が良くなり、かつ品質が一定に維持される。
【0024】
そして、測定部が、フレーム長よりも短いシンボル長を有するシンボルの誤り個数を測定するように構成されてもよく、このようにすれば、短時間でフレーム誤り率の推定値が得られる。
さらに、本発明の電力制御方法は、移動通信システムにおけるものであって、所定区間内のフレーム誤り率を測定し、複数のフレーム毎品質情報について平均し、測定により得たフレーム誤り率と、平均により取得した平均フレーム品質情報とを対応付けて保持する変換テーブルを作成し、フレーム毎品質情報に対応する推定フレーム誤り率を変換テーブルから推定し、推定フレーム誤り率と予め保持した目標フレーム誤り率とに基づいて目標受信電力閾値を制御し通信相手装置の送信電力制御を行なうように構成されたことを特徴としている。
【0025】
従って、このようにすれば、高速かつ高精度なフレーム誤り率の推定を用いてインナーループ制御の目標受信電力値が更新される。
また、例えばアウターループを用いた送信電力制御は、推定フレーム誤り率が目標フレーム誤り率よりも小さい場合は目標受信電力値を低い値に更新するとともに、推定フレーム誤り率が目標フレーム誤り率よりも高い場合は目標受信電力値を高い値に更新するように構成されてもよく、このようにすれば、所要のフレーム誤り率に応じた送信電力制御が可能になる。
【0026】
ここで、基地局が、複数のフレーム毎品質情報としてシンボル誤り個数又はシンボル誤り個数に起因する比率のうちの少なくとも一方を用いるように構成され、基地局が、フレーム誤り率を測定し、基地局が、測定した複数の異なるフレーム誤り率のそれぞれを得たフレーム誤り率測定区間番号を取得し、基地局が、取得した複数フレーム誤り率測定区間番号のそれぞれにおける複数の平均シンボル誤り個数の出現個数により表された分布に基づいて、複数の第2の平均シンボル誤り個数を取得し、基地局が、測定により得たフレーム誤り率と、第2の平均シンボル誤り個数とを対応付けた変換テーブルを作成するように構成されてもよく、このようにすれば、精度の高いフレーム誤り率によってインナーループ制御の目標受信電力値が更新できる。
【0027】
発明を実施するための最良の形態
(A)本発明の一実施形態の説明
図1は本発明の一実施形態に係る移動通信システムの構成図である。この図1に示す移動通信システム100は、CDMA方式の無線通信システムであって、インナーループ制御とアウターループ制御とを用いて送信電力制御可能なものである。
【0028】
(1)移動通信システム100の構成
この図1に示す移動通信システム100は、公衆網101,複数のBSC(基地局制御装置),複数のBTS(基地局)および複数のMS(移動局:端末と表示されているもの。)をそなえて構成されている。
(1−1)BSCおよび公衆網101
BSCは、例えば2秒(sec)のFER推定時間内のFERと、2(sec)のFER推定時間に含まれる100フレームについての100個のSER(フレーム毎品質情報)とに基づいてBTSのFERを更新しうるものであり、複数のBTSを制御する。このBSCは、本発明の送信電力制御装置1(図2参照)をそなえるとともに、チャネル割り当て,ハンドオフ,発着信接続,終話制御および保守管理などの各機能を有する。これらの機能については図2を用いて詳述する。また、BSCは、送信電力制御装置1およびBTSと協働して、常時、アウターループ制御を行なっている。なお、公衆網101は、図示を省略するが、多数の交換機,多数の加入者電話機を有するものである。
【0029】
測定区間として100フレームとした理由は、FER1.0%を確保するための統計的サンプル数を得るためである。フレームのエラー数をカウントして測定する場合、正確にFER1.0%を確保するためには、1000フレーム以上の期間が必要と言われる。また、FER0.1%程度の高い精度を確保する場合は、さらに多数のフレーム数が必要である。
【0030】
(1−2)BTSおよびMS
BTSは、MSからのデータと予め保持したFERとに基づいてMSの送信電力制御を行なうものである。具体的には、このBTSは、符号拡散された無線信号の送受信および変復調を行ない、また、無線送信電力の増減を、常時、制御する。
【0031】
MSは、送信電力制御可能なものであり、例えば加入者が操作する携帯電話機又は携帯無線端末である。そして、MSおよびBTSは、それぞれ、常時、上りおよび下りについてインナーループ制御を行なっている。なお、この図1に示す実線および点線はそれぞれ有線接続および無線接続を表す。
(1−3)上りフレームフォーマット
図5は本発明の一実施形態に係る上りリンクのフレームフォーマット例を示す図である。この図5に示す上りリンクのフレーム(以下、上りフレームと称する。)の時間長(以下、上りフレーム長と称する。)は、W−CDMA方式の場合は10(msec)であり、1個の上りフレームは15スロット(1スロットの時間長が666[μsec])からなる。一方、cdma2000方式の場合の上りフレーム長は最大20(msec)の可変長であり、1スロットの時間長は1.25(msec)である。これにより、インナーループ制御は1スロット期間ごとに行なわれる。
【0032】
また、上りリンクは、情報データ用チャネルDPDCH(Dedicated Physical Data Channel)と制御情報用チャネルDPCCH(Dedicated Physical Control Channel)とを有する。ここで、DPCCHに含まれるPilotはパイロットビット(パイロットシンボル)を表し、フレームの種別に関する情報を表しており、上りチャネル,下りチャネル,ビットレート,シンボルレートおよび加入者ごとに割り当てられた異なるパターンが挿入されている。
【0033】
TFCI(Transport Format Combination Indicator)は伝送速度に関する情報などを表し、通常2ビットであり、「11」又は「00」が、それぞれ、TPCコマンドのオンまたはオフを意味する。このTFCIのビット数は、4,8または16の場合もあり、4ビットのときは「1111」,「0000」と表される。このビット長が長くなると、受信側におけるTPCビットの検出が確実になる。
【0034】
さらに、FBI(FeedBack Information)は送信ダイバーシティに関する情報などを表す。なお、DPDCHおよびDPCCHは、それぞれ、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調のQ(Quadrature)成分とI(In-Phase)成分とにマッピングされて送信され、これにより、DPDCHがないときにもDPCCHは時間的に連続して送信される。
【0035】
(1−4)下りフレームフォーマット
図6は本発明の一実施形態に係る下りリンクのフレームフォーマット例を示す図である。この図6に示す下りリンクのフレーム(以下、下りフレームと称する。)長も、W−CDMA方式又はcdma2000方式にそれぞれ対応して10(msec)又は最大20(msec)である。ここで、TPCはインナーループ制御のためのフィードバック情報を含み、BTSにて設定される。
【0036】
これにより、BTSは、MSから送信されたPilotについてBTSにおける受信電力を測定し、このBTSにおける受信電力と、MSに対する目標受信電力閾値とを比較しTPCコマンドを送信する。
(1−5)インナーループ制御
BTS(図1参照)は、公衆網101側から送信された複数呼のそれぞれについてのデータを一次変調して無線信号に変換し、各MSに異なる拡散符号を割り当てて得た拡散無線信号を送信する。一方、各MSは、BTSによって自局以外の他のMSに送信された拡散無線信号を干渉ノイズとして受信する。従って、BTSはセル内の複数のMSのそれぞれと送信電力制御を行ない、これにより、他のMSの受信品質を劣化させないようにしている。この送信電力制御によって送受信可能なMS数が増加し、また、移動通信システム100のスループットも向上する。
【0037】
(2)MS,BTSおよびBSCにおける電力制御方法
(2−1)MSにおける電力制御方法
図2は本発明の一実施形態に係る電力制御方法を説明するための図である。この図2に示すMSは、ゲイン調整部20a,アップ/ダウンビット解読部20b,復号部20cをそなえて構成されている。ここで、復号部20cは、無線送受信部(図示省略)から出力されたフレームに含まれるTPCなどの制御データおよび情報データを抽出して出力するものである。
【0038】
アップ/ダウンビット解読部20bは、復号部20cから出力される制御データに含まれるTPC制御データが、送信電力アップ/送信電力ダウンのいずれかであることを解読し、その結果が送信電力アップの場合は、「送信電力アップ」をゲイン調整部20aに入力するとともに、その結果が送信電力ダウンの場合は、「送信電力ダウン」をゲイン調整部20aに入力するものである。ゲイン調整部20aは、アップ/ダウンビット解読部20bから入力されたアップ又はダウンに基づいて送信電力をアップ/ダウンするものである。
【0039】
(2−2)BTSにおける電力制御方法
BTSは、フレーム判定部33,受信レベル測定部30b,目標受信電力保持部33d,設定値比較・アップ/ダウンビット設定部(以下、比較・設定部と称する。)33cをそなえて構成されている。
フレーム判定部33は、フレームの復調と、フレーム状態の測定・判定と、フレームレートの検出と、チャネル種別の識別との各機能を実現するものである。また、フレーム判定部33が測定するフレーム状態(後述する平均SERav)が、情報データおよびCRC判定結果とともに、BSCに送信され、BSCにおいて本発明の電力制御方法が実施される。
【0040】
また、受信レベル測定部30bは、フレーム判定部33にて復調された受信フレームの受信電力値を測定するものである。
目標受信電力保持部33dは、予め設定された閾値を保持するものである。
比較・設定部33cは、受信レベル測定部30bからの受信電力値と目標受信電力保持部33dが保持する閾値とを比較し、その比較結果に基づいて、MSに送信するためのTPCビットに電力値アップ又は電力値ダウンを表すコマンドを設定し、そして、そのコマンドを設定されたTPCビットを下りフレームに挿入するものである。なお、目標受信電力保持部33dおよび比較・設定部33cは、送信部35(図4参照)として機能する。
【0041】
以下、これらの機能を図4により詳述する。
(2−3)BTSの構成
図4は本発明の一実施形態に係るBTSのブロック図である。この図4に示すBTSは、アンテナ部31aとフレーム判定部33とをそなえるとともに、受信レベル測定部30b,目標受信電力保持部(目標値)33dおよび比較・設定部33cを有する上り送信電力制御部34と、送信部35とをそなえて構成されている。
【0042】
(2−3−1)アンテナ部31a
アンテナ部31aは、本実施形態における一例として、受信ダイバーシティ用の2本のアンテナを有する。1台のMSが送信した無線信号は、建物などによって反射され、マルチパスフェージングの信号としてこのアンテナ部31aに到来する。
【0043】
(2−3−2)フレーム判定部33の更なる説明
(i)フレームの復調機能
フレームの復調機能は、Rake受信部31b,デインターリーバー31cが協働することにより実現される。ここで、Rake受信部31bは、アンテナ部31aからのマルチパス信号を合成し逆拡散して受信データを出力し、また、上り送信電力制御部34の受信レベル測定部30bに対して受信レベル測定のためのデータを出力するものでもある。また、デインターリーバー31cは、MSのインターリーバー(図示省略)にてインターリーブされた無線データをデインターリーブするものである。
【0044】
これにより、MSからの無線信号は、Rake受信部31bにて、複数パス長の違いによって生じる時間と位相シフトとによって遅延した複数の無線信号の電力値が合成され、受信品質が改善される。
(ii)フレームレートの検出機能およびチャネル種別の識別機能
なお、フレーム判定部33の出力側に設けられたレート検出・チャネル識別部31jは、復調部31eから出力された復調データに含まれるフレームレート情報を検出し、また、受信したフレームのチャネル種別を識別するものである。そして、このフレームレート情報とチャネル種別とが、制御情報として、主制御部(図示省略)に入力され、BTS全体の動作が制御されるのである。
【0045】
(iii)フレーム状態の測定・判定機能
本実施形態においては、畳み込み符号(Convolutional Code)を例として説明する。また、ターボ符号(Turbo Code)など他の誤り訂正符号でも同様に用いることができる。
フレーム状態の測定・判定機能は、ビターブ復号部31d,復調部31e,CRC判定部31f,再畳み込み符号化部31g,遅延部31h,SER計数部31iが協働することにより実現される。
【0046】
ここで、ビタービ復号部31dは、MSにて畳み込み符号化されたデータを復号して復号データを出力するものであり、復調部31eはビタービ復号部31dから出力される復号データを復調するものであり、また、CRC判定部31fはビタービ復号部31dから出力された復号データをCRC判定してCRCOK又はCRCNGを出力するものである。
【0047】
そして、再畳み込み符号化部31gは、ビタービ復号部31dからの出力データを再度、畳み込み符号化するものである。遅延部31hは、ビタービ復号される前のデータを所定時間遅延して出力するものである。遅延時間は少なくとも再畳み込み符号化部31gにおける処理が完了するまでの時間であり、ビタービ復号前と再畳み込み符号化後とのデータタイミングを調整するために用いられる。
【0048】
また、SER計数部31iは、1フレームごとに、ビタービ復号前の変調シンボル(以下、単にシンボルと称する。)とビタービ復号後のシンボルとを比較して、異なるシンボルの個数をカウントしてそのカウント値を、1フレームに含まれるシンボルのエラー個数(フレーム毎品質情報)として出力するものである。ここで、通信状態が最も理想的な場合には復号の前後でシンボルは同一なので、シンボルのエラー個数は0になる。環境の劣化に応じてシンボルエラー個数は増加する。このシンボルのエラー個数は1フレームごとにカウントして出力されるので、一個のFER測定区間にて平均されたエラー個数の平均値として出力される。
【0049】
図7(b)は本発明の一実施形態に係るFER測定区間を説明するための図である。この図7(b)に示すFER測定区間1は、SERav、FERreiを算出するための時間であり、FER測定区間1,2,…,(以下、図示省略)においてSERav、などが測定される。また、各FER測定区間1,2などは、それぞれ、フレーム1〜フレームN(Nは2以上の自然数を表す。)を有し、各フレーム1〜フレームNの時間長は、いずれも、20マイクロ秒(μS)であり、フレーム1〜フレーム100の時間長は、2秒(S)を要する。そして、長区間収集の場合、SERav,FERreiは、各FER測定区間1,2,…中にて算出される。また、フレーム100+Nにおいては、FER測定区間はリセットされる。
【0050】
(iv)平均SERavの測定結果
図9は本発明の一実施形態に係る平均SERavの測定結果の一例を示す図である。この図9に示す測定結果は、FER測定区間1〜FER測定区間100の100個のFER測定区間のすべてについて、平均SERavとFERrelとを記録したものである。ここで、BSCとMSとの間において呼が生起すると、BSCは、MSからの無線データをバッファリングし、データが1個のFER測定区間分だけ蓄積されると、FER測定区間1についての平均SERavを測定し、例えば10個と出力する。
【0051】
同時に、BSCはFER測定区間1を処理中に測定したFERrelを例えば0.1.0%と出力し、これらの測定データをFER測定区間1と対応付けて記録する。そして、BSCは、FER測定区間2〜FER測定区間100のすべてについてフレーム1と同様の処理を行なうのである。
なお、SERは、シンボルエラーの個数のほかに、シンボルエラーレイト(シンボルエラーの発生個数/1フレーム分の全シンボル個数)を用いてパーセント%表示したものを使用してもよい。
【0052】
これにより、デインターリーバー31c(図4参照)から出力されたデータは、ビタービ復号部31dにて強力な誤り訂正が行なわれ、その誤り訂正されたデータは、復調部31eにて復調された後、レート検出・チャネル識別部31jにて所望のデータが検出される。また、ビタービ復号部31dからのデータは、CRC判定部31fにてCRC判定され、そのCRC判定結果が、BSCに入力されて、FERの計算に用いられる。
【0053】
さらに、これにより、デインターリーバー31cからの受信データは、遅延部31hにて遅延された後にSER計数部31iに入力される。また、ビタービ復号部31dにて復号された後に再畳み込み符号化部31gにて再度符号化され、SER計数部31iに入力される。そして、SER計数部31iにて、シンボルエラー個数が、一個のFER測定区間にて平均された平均SERavとして出力されるのである。換言すれば、遅延部31hと再畳み込み符号化部31gとが、それぞれ、ビタービ復号部31dの入力側,出力側にそれぞれ設けられ、SER計数部31iにおいて、復号処理の前後における品質の差分がカウントされる。
【0054】
このように、フレーム判定部33は、MSから送信されたフレームに含まれる情報データと、そのフレームについてのCRC判定結果(CRCOK又はCRCNG)と、フレームごとの品質情報(フレーム毎品質情報)として収集する。
(2−3−3)上り送信電力制御部34
次に、図4に示す上り送信電力制御部34は、上りリンクの受信電力値と目標受信電力閾値とに基づいて、MSに対して送信電力の制御を指示するものであって、受信レベル測定部30b,目標受信電力保持部(目標値と表示されたもの。)33d,比較・設定部33cを有する。
【0055】
(2−3−4)受信レベル測定部30b
受信レベル測定部30bは、前記Rake受信部31bに接続され、例えば上りリンクに含まれるチャネルを用いて受信電力値を測定するものである。この受信電力値の測定方法は、上りリンクにおいて加入者ごとに割り当てられた各チャネルはPilotを含み、また、MSの通信中のチャネル(トラフィックチャネル:Tchとも称する。)を含めた総電力は、Pilotの電力と一定比であり、かつ固定的である。このため、受信レベル測定部30bは、Pilotを測定し、この測定したPilot電力を受信電力値として出力する。なお、他の測定方法を用いることも可能である。
【0056】
(2−3−5)目標受信電力保持部33d
目標受信電力保持部33dは、現在保持している目標受信電力閾値に、BSCから入力されたアップ又はダウンデータを加える又は差し引くものである。この目標受信電力閾値を用いて比較・設定部33cにて受信電力と比較する。
(2−3−6)比較・設定部33c
比較・設定部33cは、受信レベル測定部30bからの受信レベルと目標受信電力保持部33dにて設定された閾値とを比較して、受信レベルが大きい場合/小さい場合は、TPCビットを、それぞれ、ダウン/アップに設定するものである。
【0057】
(2−3−7)送信部35
次に、図4に示す送信部35は、下りリンクのデータを変調し送信するものであって、CRC挿入部32b,ビタービ符号化部32c,インターリーバー32d,送信部33bをそなえて構成されている。ここで、CRC挿入部32bは下りリンクの各送信フレームについてCRCビットを計算して挿入するものであり、ビタービ符号化部32cはCRC処理されたデータを畳み込み符号化し、インターリーバー32dは畳み込み符号化されたデータについてインターリーブするものであり、また、送信部33bはインターリーブされたデータをCDMA方式の無線信号に変換して出力するものである。なお、MSは1台として説明する。
【0058】
これにより、入力された情報データは、CRC,ビタービ符号化,インターリーブの各処理が行なわれ、その各処理された情報データは送信部33bにおいて、比較・設定部33cから出力されたアップ又はダウンを示すTPCビットを挿入され、そして、アンテナ部31aから出力されるのである。
また、BTS(図2参照)は、MSからの無線信号を復調してその復調データをBSCに対して送信するとともに、BSCから入力された呼データを無線変調してMSに対して送信する。さらに、BTSは、MSが送信した送信電力値の受信レベルを測定しその受信レベルとBSCにより設定された目標値との比較結果に基づいて、TPCビットを設定し、MSに対して情報データとTPCビットを含む制御データとを送信する。これにより、上りリンクの送信電力制御を実施する。
【0059】
(4)BSCにおける電力制御方法
図2に示すBSCは、FER測定部(測定部)40a,SER収集部(取得部)40b,SER/FER変換テーブル(変換テーブル)40c,SER/FER変換テーブル作成部40d,比較判定部40e,アップ/ダウン指示情報挿入部(目標受信電力アップ/ダウン指示挿入部)40fをそなえて構成されている。
【0060】
(4−1)FER測定部40a
FER測定部40aは、FER測定区間におけるFERを測定するものである。さらに、FER測定部40aは、BTSからのMSが送信した情報データを公衆網101に対して送信する。
なお、FER測定部40aは、公衆網101側とのインターフェースに応じて情報データを所定のフォーマット処理する網側インターフェース部(図示省略)を有する。公衆網101は、例えば移動通信網,固定網(例えばWireless Local Loop)などであって、公衆網101とBSCとの間におけるインターフェースはそれぞれ異なる。また、BSCは、音声通信又はパケット網などの異なる網へ接続される場合もある。従って、公衆網101とのインターフェースの規定に合致させる必要があり、BSC内部の各装置(各ユニット)は、通信用途に応じて設けられることが好ましい。
【0061】
(4−2)SER収集部40b
SER収集部40bは、一定期間、BTSからのSER値を収集し、一定期間における平均SERavを出力する。
(4−3)SER/FER変換テーブル40c
SER/FER変換テーブル40cは、FER測定部40aにて測定されたFERと、SER収集部40bにて取得された平均フレーム品質情報とを対応付けて保持するもの(例えばメモリ)であり、入力された平均SERavに対応する推定FERを出力する。
【0062】
(4−4)SER/FER変換テーブル作成部40d
SER/FER変換テーブル作成部40dは、FER測定部40aから出力されたFERに基づいてSER/FER変換テーブル40cを作成するものである。
(4−5)比較判定部40e
比較判定部40eは、SER/FER変換テーブル40cから出力された推定FERと、目標FERとを比較してBTSに保持されている目標受信電力閾値をアップ又はダウンする指示を出力するものであり、アップ/ダウン指示情報挿入部40fは、比較判定部40eからの指示に基づいて、BTSに保持された受信電力閾値をアップ又はダウンする指示を挿入するものである。そして、比較判定部40eとアップ/ダウン指示情報挿入部40fとが協働することにより、送信電力制御部(40e,40f)として機能し、SER収集部40bにて得られたSERに対応する推定FERをSER/FER変換テーブル40cから推定し、推定FERと予め保持した目標FERとに基づいて目標受信電力閾値を制御することにより送信電力を制御する。従って、アウターループ制御が実施される。
【0063】
(4−6)送信電力制御装置1
また、図2に示すFER測定部40a,SER収集部40b,SER/FER変換テーブル40c,比較判定部40e,アップ/ダウン指示情報挿入部40fが協働することにより、送信電力制御装置1として機能する。
(5)従来の電力制御方法
また、図3は従来の電力制御方法を説明するための図である。この図3に示すBTSのフレーム判定部30a′は、CRCOK又はCRCNGのみを判定し、その判定結果をBSCに出力する。さらに、BSCのうちのSER/FER変換テーブル40cとSER/FER変換テーブル作成部40dとがいずれも設けられておらず、アウターループ制御は、CRCNGをカウントして得たFER測定によって得られたFERを用いて行なわれる。なお、これら以外のもので上述したものと同一のものあるいは同様の機能を有する。
【0064】
さらに詳述すると、従来のアウターループ制御は、MSから受信したフレームは、BTSにおいて、CRC判定され、その判定された結果のCRCOK又はCRCNGがBSCにて収集される。そして、BSCのFER判定部40aにてFERが得られ、比較判定部40eにて、得られた測定FERと目標FERとが比較される。ここで、比較判定部40eは、測定FERが目標FERよりも低い場合は、BTSにて設定されている目標受信電力値が「高い」と判定し、BTSに対して目標電力値をダウンするように指示する。これに対して、測定FERが目標FERよりも高い場合は、比較測定部40eは、「送信電力の不足」と判定し、BTSに対して目標受信電力値をアップするように指示する。
【0065】
(6)本発明の電力制御方法
図2に示すMS,BTSおよびBSCにおけるアウターループ制御を用いて、本発明の電力制御方法は、次の(6−1)〜(6−4)に示すように実施される。
(6−1)BTSは、呼が生起すると、各フレームのSERを測定し、また、フレームのCRC判定(CRCOK又はCRCNG)を行ない、測定SER値とCRC判定結果をBSCに送信する。
【0066】
(6−2)BSCのSER収集部40bは、測定したFER測定区間内に収集したフレームのSERを平均する。すなわち、SER収集部40bは、複数の無線フレームの品質情報SERと、実際に得られたFERとを統計情報として収集し、収集した一定期間内のSER値についての平均SERを計算し、SER/FER変換テーブル作成部40dにその平均SERavを入力する。換言すれば、SER収集部40bは、複数のSERの統計情報に基づいて複数のSERを平均して得た平均SERavを取得するのである。また、FER測定部40aは、上記区間内のFERを測定し、FERrelとして、SER/FER変換テーブル作成部40dに出力する。
【0067】
(6−3)SER/FER変換テーブル作成部40dは、測定により得た推定FERと、平均により取得した平均SERavとを対応付けて保持するSER/FER変換テーブル40cを作成又は更新し、さらに、測定により得たSERに対応する推定FERをSER/FER変換テーブル40cから推定する。
(6−4)比較判定部40eは、計算されたFERrelと目標FERとを比較し、推定FERが目標FERよりも小さい場合は、BTSにおける目標受信電力値が大きいと判定し、目標受信電力値を低い値に更新するとともに、推定FERが目標FERよりも高い場合は目標受信電力値が小さいと判定しその目標受信電力値を高い値に更新する。そして、アップ/ダウン指示情報挿入部40fは、この比較結果に基づいて、BTSが保持する目標受信電力値のアップ/ダウン指示をBTSに送信する。すなわち、送信電力制御部(40e,40f)が、推定FERと予め保持した目標FERとに基づいて送信電力制御を行なうのである。
【0068】
このように、アウターループ制御が実施され、迅速な送信電力制御が可能になる。
(7)SER/FER変換テーブル40cの作成方法
(7−1)使用するデータ
図3に示すSER/FER変換テーブル作成部40dは、BTSから送信されるSERとBSCにてカウントされるFERとを収集する。SER/FER変換テーブル作成部40dが使用するデータは、次の(X1)〜(X5)である。ここで、nは2以上の自然数を表す。
【0069】
(X1)SERn:nフレーム目のSER(シンボルエラー数)
(X2)N:FER推定期間内のCRCOKの受信フレーム数
(X3)C:FER推定期間内のコラプトフレーム数
(X4)T:FER推定時間(例:2[sec])
(X5)G:FER推定期間内のCRCNGフレーム数
(7−2)測定SER値の計算例
ここで、CRCOKフレームおよびCRCNGフレームは、それぞれ、CRC判定によりCRCOK又はCRCNGとなった受信フレームを表す。コラプトフレームとは相手装置がデータを送信しているにもかかわらず、何のデータも受信できなかったフレームを表し、CRCNGと受信レベルとに基づいて判定されるようになっている。また、CRCNGフレームおよびコラプトフレームは、いずれも、フレームエラーとしてカウントされる。
【0070】
SER/FER変換テーブル作成部40dは、コラプトフレームが発生した時のエラー個数をSERmaxとして固定し、また、このときのT時間内のSERの全個数を式(Z2)を用いて計算する。ここで、*,Σは、それぞれ、乗算,1からnまでの総和をそれぞれ表す。
SERの全個数=ΣSERn+SERmax*C …(Z2)
従って、BSCがT時間内に受信したフレームごとの平均SERavは、式(Z3)のようにして計算される。
【0071】
平均SERav=(ΣSERn+SERmax*C)/(N+C+G)…(Z3)
となる。
また、SER/FER変換テーブル作成部40dは、この計算とともに、FER推定期間内に得られたCRCNGフレーム数,受信フレーム数およびコラプトフレーム数を用いて実際のFERrelを式(Z4)のようにして計算する。
【0072】
FERrel=(C+G)/(N+C+G) …(Z4)
この平均SERavとFERrelとをプロットすることにより、図7(a)に示す伝搬環境A,B,Cに応じて各々異なるSER/FER変換グラフ(3種類の直線)が得られる。この図7(a)に示すSER/FER変換グラフは、SER/FER変換テーブル40cに保持された平均SERavデータとFERrelデータとの対応関係を説明するためのものであって、伝搬環境A,B,Cによって異なる3種類の直線A,B,Cを有する。
【0073】
そして、BSC(図3参照)のSER収集部40bが、例えばα(平均SERav)をSER/FER変換テーブル40cに入力すると、FERとして縦軸β%を得られるようになっている。すなわち、SER/FER変換テーブル40cは、ルックアップメモリとして機能しており、SER収集部40bがアドレスをこのルックアップメモリに入力することにより、適切なFERを直ちに得られる。
【0074】
従って、FERを得るための測定時間は大幅に短縮又は省略されて、きわめて高速に無線品質に適応した電力制御が可能となる。そして、この図7(a)に示す平均SERavが0に近いときはFERも0に近くなり、また、平均SERavが大きくなるとFERも直線的に増加する。
図7(a)に示す直線A,B,Cは、それぞれ、平均SERav/FERの関係が異なる。伝搬環境は、都市部又は郊外部,高層ビル,山など周囲の環境であって、これらの周囲の環境によって伝搬特性は変化する。
【0075】
これにより、BSCは、一定期間内に得られたSERおよびFERより図7(a)に示す(α,β)に相当するデータペアを生成し、その生成したデータペアによりSER/FER変換テーブル40cを作成又は更新する。
さらに、伝搬環境が時間的に変化する場合が考慮されており、SER/FER変換テーブル40cが、時間帯に応じてFERと平均SERavとを更新されるようになっている。SER収集部40bは、実際のFERrelを統計情報として収集し、定期的にこのテーブルを更新し、これにより、通信時間帯又は伝搬環境の変化に応じて最適化されたデータが得られる。
【0076】
(7−3)SER/FER変換テーブル40cの作成フローチャート
図8は本発明の一実施形態に係るSER/FER変換テーブル40cの作成方法を説明するためのフローチャートである。まず、呼が生起すると(ステップF1)、SERとFERとの測定が開始される(ステップF2)。そして、SER/FER変換テーブル作成部40dは、平均SERavを計算し(ステップF3)、FERrelを計算する(ステップF4)。
【0077】
次に、FERrelが、0.5(%),1.0(%),1.5(%)であるときは(ステップF5,F6,F7)、それぞれ、FERrelが0.5(%),1.0(%),1.5(%)になった回数をインクリメントする(ステップF8a,F8b,F8c)。なお、FERrelが2.0(%)以上であるときにSER/FER変換テーブル40cが必要な場合は、それ以上のFERrelを計算して得るようにする。
【0078】
そして、これらの後、一定時間が経過した後であるか否かが判定され(ステップF9)、経過しているときはYesルートを通り、SER/FER変換テーブル40cは各FERrelにおける平均SERavを作成する(ステップF10)。一方、ステップF9において、一定時間が経過していない間はNoルートを通り、SER/FER変換テーブル40cおよびFER測定部40a,SER収集部40bは、いずれも、ステップF1からの処理を再度行なう。
【0079】
また、SER/FER変換テーブル40cの作成方法は、まず、BSCが、k番目(kは2以上の自然数を表す。)に接続された呼のFERを測定し、測定したFERをFERrelとする。そして、BSCは、k番目に接続された呼の平均SERavを計算する。ここで、計算された平均SER値を平均SERavとする。さらに、BSCは、複数の呼データを取得しグラフにプロットする。そして、BSCは、平均SERavを表す個数とこの平均SERavが生成したときのFERrelの発生回数とを対応付けて保持したSER/FER変換テーブル40cを作成する。
【0080】
(Y1)短時間にFERを推定する手段として、フレーム品質情報を一定期間収集し、その平均値とSER/FER変換テーブル40cを作成し、それを用いてFERを推定する。推定されたFERは目標FERと比較し、目標FERより推定値が低い場合は、インナーループの目標受信電力値を低い値に更新し、推定値が高い場合は、目標受信電力値を高くなるように更新させる。
【0081】
(Y2)上記(Y1)でFER推定値を0.1%などの小さい値を短時間で推定させるために、フレーム品質情報と実際のFERrelをアウターループ制御とは別にSER/FER変換テーブル40c作成用に長期間収集し、測定されたFERごとのフレーム品質情報の平均値分布を作成する。そして、これにより、計算された平均値分布に基づいて、フレーム品質情報とFERとの変換のためのテーブルが作成される。
【0082】
(Y3)上記により、短時間の測定区間でFER=0.1%精度のFER推定が可能となる。
(Y4)また、(Y2)のSER/FER変換テーブル40c作成を定期的に行なうことにより、伝搬環境が変化した場合にSER/FER変換テーブル40cを自動更新することができる。時間帯により伝搬環境が異なるセル環境において、かつセルごとにSER/FER変換テーブル40cを伝搬環境の変化に応じて自動更新可能であり、時間帯ごとに適切な電力配分が可能となる。
【0083】
(7−4)SER/FER変換テーブル40c作成のためのデータ処理方法
次に、図9〜図13を用いて、SER/FER変換テーブル40cの詳細なデータ処理方法について説明する。
図9に示す平均SERavの測定結果の一例を参照すると、FER測定区間1〜FER測定区間100の100個のFER測定区間1〜100について、それぞれ、平均SERavとFERrelとが記録されている。この図9に示す一個のFER測定区間が、例えば200個のシンボルを含む場合は、全部で20000個のシンボルについて測定することになる。FER測定区間1のうちの平均SERavは10個であり、また、FER測定区間1のFERrelは1.0(%)である。
【0084】
そして、SER収集部40bが、複数の異なるFERのそれぞれについて、FER測定区間番号と、そのFER測定区間番号に対応するFER測定区間における平均SERavとに基づいて以下に述べる平均値分布を作成し、平均値分布に基づいて平均SERavを取得する。
なお、FER測定区間数および一個のFER測定区間当たりのシンボル数は、これらの値に限定されるものではなく、変調方式およびデータレートの変動などによって種々変更でき、また、平均SERavは「個数」によりデータを出力する代わりに、「レート」によるデータを出力することもできる。
【0085】
これらのデータの精度は、実験又はシミュレーションなどにおいてサンプル数を増やすことによって向上する半面、測定区間が長くなるのでMSの動きに迅速に対応する情報を得ることが困難になる。従って、データ精度と伝搬環境の更新頻度とは、相互に相補的になっている。
(7−5)データ並び替え処理
図10は本発明の一実施形態に係る平均値分布用のデータ並び替え結果を示す図であり、FERrelの測定値Xについてその測定値Xが得られたFER測定区間番号Yと、このYに含まれるFER測定区間についての平均SERavとの関係が表示されている。FERrelが1(%)について、1(%)と計算されたFER測定区間番号は、1,3,5,11,12,15,16,19,20,21,…,99である。これらのFER測定区間番号の平均SERavはそれぞれ、10,20,10,…,である。
【0086】
(7−6)平均値の取得
図11は本発明の一実施形態に係る平均SERavの分布図である。この図11に示す横軸は平均SERav(個)であり、また、縦軸はその平均SERavについての頻度又は回数(回)である。図10に示すFERrelが例えば1.0%のときのZに含まれる5,10,15,20,25,30(個)がプロットされている。そして、SER収集部40bは、この図11に示す分布により、FERrelが1.0%のときは、平均SERavは15(個)と判定するのである。なお、この図11に示す平均SERavの分布図をスムーズにしたものを図12(b)に示す。
【0087】
同様に、FERrelが0.5%又は2.0%などの各場合についても、同一の方法を用いることにより、例えば図12(a),図12(c)に示すような分布が得られる。すなわち、SER収集部40bが、FER測定部40aにて測定された複数の異なるFERのそれぞれについて、100個のSERの平均値分布に基づいて平均SERavを取得するようになっている。そして、これらの図12(a)〜図12(c)に示す各分布形状について平均値を取得することにより、FERrelが、0.5%,1.0%および1.5%の各場合における平均SERavは、それぞれ、7,15および23個と判定されるのである。
【0088】
このように、接続された呼ごとにFERrel値を測定することは、目標FERの近辺に集まるが、分布作成の過程において得られたFERrel値は目標FERの近辺に分布する。
次に、SER/FER変換テーブル40cは、これらのFERrelごとの平均SERavを集計して、SER/FER変換直線(SER/FER回帰直線)を作成する。
【0089】
(7−7)SER/FER変換直線
図13は本発明の一実施形態に係るSER/FER変換直線を説明するための図である。そして、SER/FER変換テーブル40cは、平均SERav(個)と、FERrel(%)が0.5〜1.5%とのそれぞれにおいて、対応付けてプロットすることによって、近似的なSER/FER変換直線が得られる。そして、これにより、平均SERavと測定FERrelとが相互に変換され、また、随時、平均SERavから目標SERが推定されるので、高速なデータ処理に使用できる。
【0090】
ここで、従来の技術を用いると、一個のFER測定区間すべてを受信してFERの計算が終了するまでの間は、BSCは、既に記録したFERを更新することはできなかった。これに対して、本発明は、平均SERavの元となるSERの計算時間がFERの更新計算よりも早いことを利用するので、極論すれば1フレームの受信中においても、SER/FER変換が可能である。
【0091】
さらに、SER/FER変換テーブル40cについては、実際に使用するFER近辺の情報が存在すればよく、使用しないFER近辺の値については、得られた情報に基づいて内挿又は外挿などの推定直線を用いて、SER/FER変換テーブル40cを作成することができる。
従って、本発明の電力制御方法は、BTSが、例えば100個のSERとしてシンボル誤り個数又はシンボル誤り個数に起因するFER(比率)を用いるように構成されている。まず、BTSが、FERと複数のシンボル誤り個数とを測定し、測定した複数の異なるFERのそれぞれを得たFER測定区間番号を取得し、次に、取得した複数のFER測定区間番号のそれぞれにおける複数の平均シンボル誤り個数の出現個数により表された分布に基づいて、複数の第2の平均シンボル誤り個数を取得し、そして、測定により得たFERと、第2の平均シンボル誤り個数とを対応付けたSER/FER変換テーブル40cを作成する。
【0092】
このように、移動通信システム100におけるアウターループ制御方法は、受信側のBTSおよびBSCが、フレーム品質情報とFERとを統計情報を用いて収集し、その収集した情報に基づいて平均値分布を作成し、この平均値分布からSER/FER変換テーブル40cを生成する。また、このSER/FER変換テーブル40cは、セルごとに異なる伝搬環境の状態に応じて作成される。
【0093】
これにより、短時間でFER推定値が得られ、また、精度の高いFERによってインナーループ制御の目標受信電力値が更新される。
なお、テーブルの作成は、種々変形した形で実施してもよい。
(8)FER精度の向上のための変形例
送信電力制御装置1(図2参照)は、長期間測定しているため、短時間に伝搬環境が変動し、分布図を作成するためのデータ要素が誤差を生じてくる。得られた数値について正規分布又は正規分布以外の他の確率密度関数(PDF:Probably Density Function)の標準偏差又は分散値を考慮してSERを決定してもよい。
【0094】
図14は本発明の変形例に係るSER/FER変換直線を説明するための図である。この図14に示す縦軸のFERrel1〜FERrel3の範囲を0.1%ステップの細かい集計にすることにより、SER/FER変換テーブル40cの精度が向上する。
従って、SER/FER変換が高速に行なえ、かつ高い精度のデータを得られる。このように、BTSは、計算して得たデータを用いてSER/FER変換テーブル40cを作成し、アウターループ制御を高速に行なえる。
【0095】
(9)ハンドオフ時のアウターループ制御のための変形例
(9−1)ハードハンドオフおよびソフトハンドオフ
次に、ハンドオフ時のアウターループ制御について説明する。ハンドオフは、MSが移動しているときに、MSが接続しているBTS(以下、ハンドオーバ元のBTS[Source BTS]と称する。)を、他のBTS(以下、ハンドオーバ先のBTS[Target BTS]と称する。)に変更する機能である。MSは、ハンドオフにより、ハンドオーバ元のBTSから離れたときに、隣接するハンドオーバ先のBTSと通話を続けることができる。
【0096】
ここで、ソフトハンドオフとは、BSCが、MSとハンドオーバ元のBTSとの間の無線リンクを切断せずに、ハンドオーバ先のBTSから同一データを送信し、いったん、MSがハンドオーバ元のBTSとハンドオーバ先のBTSとの双方と通信するようにし、その後、MSがハンドオーバ先のBTSのサポート範囲に移動したときに、ハンドオーバ元のBTSとの無線リンクを切断するものであって、呼切断が少なく、品質の高い通話が確保される。ソフトハンドオフの一例は、移動通信システム100にて、MSが通信中のBTSがサポートするセルの境界付近に移動したときに、MSが通信中のBTSとその通信中のBTSとは異なる他のBTSとの双方から同一の無線信号を同時に受信し、これらの無線信号をフレームごとに選択合成して、高い品質を維持した状態でハンドオーバを行なう。
【0097】
(9−2)移動通信システムの構成
図15は本発明の変形例に係る移動通信システムの構成図であって、この図15に示す移動通信システム100aは、ハンドオーバ元のBTS1とハンドオーバ先のBTS2とこれらの上位装置である2ndBSC(第2BSC:BSC2)とを有する。これ以外のもので、上述したものと同一のものあるいは同様の機能を有する。
【0098】
この図15に示すMSは、BTS1のサービス圏内のセルにおり、BTS1と通話している。そして、MSは、BTS2のサービス圏内のセルに移動している。
ここで、2ndBSCは、BTS1又はBTS2からの受信データがハンドオフ中のMSから送信されていることを検出すると、その受信データをFER測定部40aとSER収集部40bとに書き込み可能である。この2ndBSCは、フレーム選択部41,SER/FER変換テーブル作成部40d′,SER/FER変換テーブル40c′,アップ/ダウン指示情報挿入部(目標受信電力アップ/ダウン指示情報挿入部)40f′をそなえて構成されている。そして、図15に示すFER測定部40a,SER収集部40b,SER/FER変換テーブル40c′,比較判定部40e,アップ/ダウン指示情報挿入部40fが協働することにより、送信電力制御装置1′として機能する。
【0099】
このフレーム選択部41は、2ndBSCの最前段に設けられ、復調データを公衆網101に出力するとともに、BTS1,BTS2のそれぞれから同一時刻に送信されるフレームの各SERを比較し、このうちのSER値が小さい(品質のよい)フレームを選択し、その選択したフレームをFER測定部40aおよびSER収集部部40bに入力するものである。
【0100】
また、フレーム選択部41は、フレームを選択したときに、選択したBTSがBTS1又はBTS2のいずれかであるかに関する情報を記憶するための保持部(選択情報保持部)41aを有する。この保持部41aは、例えば、MSとそのMSに割り当てた符号とを対応づけて保持する。
次に、SER/FER変換テーブル作成部40d′は、FER測定部40a,SER収集部40bの出力側に設けられ、SER/FER変換テーブル作成部40dと同一の機能を有し、BTS1,BTS2を含む複数のBTSごとにSERおよびFERを記録する機能をも有する。また、SER/FER変換テーブル40c′は、伝搬環境の異なる複数のセルごとに設けられ複数のセルごとに別個に更新されるようになっている。ここで、SER/FER変換テーブル40c′は、時間帯に応じてFERと平均SERavとを更新されるように構成されてもよく、このようにすれば、伝搬環境に応じた適切なFERが得られる。
【0101】
さらに、アップ/ダウン指示情報挿入部40f′は、公衆網101からBTS1およびBTS2に対して送信された呼データを受信し所定のTPCコマンドをMSに対して送信するフレームに挿入するものである。そして、比較判定部40eとアップ/ダウン指示情報挿入部40f′とが協働することにより、FER測定部40aにて得られたSERに対応する推定FERをSER/FER変換テーブル40c′から推定し、推定FERと予め保持した目標FERとに基づいて送信電力を制御する送信電力制御部(40e,40f′)として機能する。
【0102】
これにより、2ndBSCは、BTS1およびBTS2からの復調データについて上りの有線回線を介して入力される。また、2ndBSCは、公衆網101側にて発生した呼を、予めMSから送信されたMS自身の位置登録データに基づいて、MSが属するセルのBTS1又はBTS2に対してその呼データを出力するようになっている。
【0103】
(9−3)動作説明
このような構成によって、BTS1,BTS2について別々のSER/FER変換テーブル40c′を有している状態においてBTS1,BTS2との間でソフトハンドオフが発生した場合のアウターループ制御について説明する。なお、以下の説明においては、BTS1,BTS2は、それぞれ、ハンドオーバ元、ハンドオーバ先とする。また、一例としてBTS1およびBTS2のSER/FER変換テーブル40c′の内容が、それぞれ、例えば図16に示す2本の直線により表されている。なお、実線はBTS1を、点線はBTS2をそれぞれ表す。
【0104】
最初に、MSがBTS1とのみ呼接続しているときは、2ndBSCは、SER/FER変換テーブル40c′のうちのBTS1の部分を参照し、FERを推定しているものとする。この状態において、MSの移動により、BTS2がソフトハンドオフして追加されると、2ndBSCは、BTS1およびBTS2から異なるSER情報と異なるCRC判定結果(CRCOK/CRCNG)とを得る。
【0105】
(W1)フレーム選択部41は、BTS1およびBTS2から同時刻に送信される2個のフレームのSER情報を比較し、品質のよい(SER値が小さい)フレームを選択し、また、選択したフレームがBTS1又はBTS2のいずれかにより送信されたかについての情報を記憶する。
(W2)2ndBSCの送信電力制御部(40e,40f′)は、SER/FER変換テーブル40c′をFER推定のために選択して使用する。ここで、送信電力制御部(40e,40f′)は、異なるSER/FER変換テーブル40c′を設けた複数のセル間において移動局がソフトハンドオフしているときに複数のセルにおける品質に応じてソフトハンドオフ時の推定FERを推定する、具体的には、フレーム選択部41は、例えばBTS1側のフレームが良好と判定し、BTS1が良好なフレームを多数受信すると認識し、これにより、BTS1を選択する。そして、SER収集部40bは、良好と判定されたBTS1側のフレームのみを用いて平均SERavを計算し、BTS1のSER/FER変換テーブル40c′を用いてFER推定する。この理由は、伝搬環境について、一方のパスの状態はよく、他方のパスの状態が悪い状態なので、パスの状態のよいBTS1のSER/FER変換テーブル40c′に従ったほうがよいからである。
【0106】
(W3)選択されたフレームがほぼ同数であった場合、BTS1,BTS2は、ともに品質状態が拮抗しており、ハンドオフゲインを得られやすい状態である。従って、BTS1,BTS2ごとにSER/FER変換を実施し、その結果がともに送信電力アップのときはアップ指示を出力し、また、送信電力ダウンのときはダウン指示を出力する。ここで、アップ/ダウンが異なる場合は、現状維持(又はアップ,ダウン指示のどちらかでもよい。)とする。
【0107】
(W4)次に、MSは受信SIRを測定し,その結果に基づくTPC情報をBTS1に送信すると、BTS1はそのTPC情報に基づいて送信電力を増減する。
さらに詳述すると,MSは、受信フレームについてCRC判定を行ない、このCRC判定による誤り率が基準値以下となる受信電力値を測定する。そして、MSは、この測定受信電力値を目標受信電力値と決定し、666(μsec)又は1.25ミリ秒(msec)など固定周期ごとに測定受信電力値と目標受信電力値とを比較し、その結果をBTS1に送信する。
【0108】
(W5)ここで、この測定方法を実施するためには、予め決定された最適な時間以下で受信電力値を測定することが好ましい。ソフトハンドオフ時のアウターループ制御について図15に示す。
(10)SER/FER変換テーブル40c′作成の具体例の説明
(10−1)SER/FER変換処理システム(処理系)の構成
図17は本発明の一実施形態に係るSER/FER変換処理システムの構成図である。この図17に示すSER/FER変換処理システム80は、SER/FER変換を実証し、検討するためのものであって、SER発生装置(信号発生部)80a,平均値計算部(50フレーム平均値計算部)80b,SER/FER変換テーブル80cをそなえて構成されている。
【0109】
SER発生装置80aは、所望のSER値を連続的に出力可能な信号処理装置であり、平均値計算部80bは、連続的に入力されるSER値を平均して50フレームについての平均SERavを計算し8ビットデータとして計算した平均SERavを出力するものであり、また、SER/FER変換テーブル80cは、8ビットの平均SERavを入力されて、FERを出力するものである。
【0110】
なお、上記実施形態は、以下に示す数値などに限定されるものではない。
(10−2)SER標準偏差(σ)の推定
SERに対するSER−σを推定する。SER平均値(μ)と、SER標準偏差(σ)の測定結果と、これらの値,測定結果を以下に示す推定式(Z5)を用いて計算した結果とをそれぞれ図18に示す。
【0111】
ln(SER−σ)=0.350×(ln(SER−μ)+1.38)−2.60
…(Z5)
ここで、ln(x)は自然対数を表し、ln(SER−α)が、SER標準偏差(σ)に対応する。
【0112】
(10−3)SER/FER変換テーブル40c(40c′)の一例
図19(a)および図19(b)はそれぞれ本発明の一実施形態に係るSER/FER変換テーブル40c(40c′)の第1例および第2例を示す図であり、図19(a)に示す値は測定して得られた値であり、図19(b)に示すそれはシンボルエラー数を測定して得られた値である。なお、Eb/N0とは、情報ビット当りのエネルギーを表し両側電力スペクトル密度がN0のAWGN(Additive White Gaussian Noise:線形加算可能な白色ガウス雑音)を考慮したことを示す。
【0113】
このようにして、本発明の電力制御方法によれば、MSは他のMSの送信電力による干渉を防止され、高い伝送品質を維持できる。
そして、このようにして、距離,地形又は雑音源などに依存せずに、すべての移動体における受信信号強度が一定になるように動作する。また、更新周期が迅速であり、また、電力制御用のデータ信号の分解能を比較的高いレベルに維持することができる。
【0114】
(B)その他
本発明は上述した実施態様およびその変形例に限定されるものにおいては、なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
FERを推定するために、無線フレーム品質情報をFERに変換するためのテーブルは、BTS装置に設けてもよい。例えば、下りリンク電力制御において、MS又はBTS(BTS1,BTS2)が、前記の各機能を所持し、下りリンクの電力制御を実施することもできる。
【0115】
産業上の利用可能性
以上詳述したように、本発明の送信電力制御装置,移動通信システムおよび電力制御方法によれば、フレーム誤り率が所定区間収集されて平均値分布が生成され、この分布に基づいて、SER/FER変換テーブルが作成され、短時間の測定時間で精度の高いフレーム誤り率を得られる。従って、アウターループ制御およびインナーループ制御において、移動局は短時間で精度の高いフレーム誤り率を推定でき、これにより、無線リンクにおける短時間の変動に追従でき、また、基地局は目標受信電力値の更新の指標となるフレーム誤り率を迅速に測定できるようになる。そして、FER値を低く設定し、かつ目標受信電力値の更新周期を早くすることにより、再送回数が減少してスループットが向上する。さらに、高い通信品質が維持され、高速データ通信が可能となり、また、アウターループ制御により、ハンドオフがスムーズに行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る移動通信システムの構成図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る電力制御方法を説明するための図である。
【図3】 従来の電力制御方法を説明するための図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係るBTSのブロック図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係る上りリンクのフレームフォーマット例を示す図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係る下りリンクのフレームフォーマット例を示す図である。
【図7】 (a)は本発明の一実施形態に係るSER/FER変換テーブル部によって作成されたグラフであり、(b)は本発明の一実施形態に係るFER測定区間を説明するための図である。
【図8】 本発明の一実施形態に係るSER/FER変換テーブルの作成方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】 本発明の一実施形態に係る平均SERavの測定結果の一例を示す図である。
【図10】 本発明の一実施形態に係る平均値分布用のデータ並び替え結果を示す図である。
【図11】 本発明の一実施形態に係る平均SERavの分布図である。
【図12】 (a)はFERrelが1.0%のときの分布図であり、(b)は平均SERavの分布図をスムーズ化した図であり、(c)はFERrelが2.0%のときの分布図である。
【図13】 本発明の一実施形態に係るSER/FER変換直線を説明するための図である。
【図14】 本発明の変形例に係るSER/FER変換直線を説明するための図である。
【図15】 本発明の変形例に係る移動通信システムの構成図である。
【図16】 本発明の変形例に係るSER/FER変換テーブルの一例を示す図である。
【図17】 本発明の一実施形態に係るSER/FER変換処理システムの構成図である。
【図18】 本発明の一実施形態に係るSER−μ対SER−σの特性を示す図である。
【図19】 (a)は本発明の一実施形態に係るSER/FER変換テーブルの第1例を示す図であり、(b)は本発明の一実施形態に係るSER/FER変換テーブルの第2例を示す図である。
【図20】 インナーループ制御とアウターループ制御とを説明するための図である。

Claims (12)

  1. 所定区間内のフレーム誤り率を測定する測定部と、
    複数のフレーム毎品質情報の統計情報に基づいて該複数のフレーム毎品質情報を平均して得た平均フレーム品質情報を取得する取得部と、
    該測定部にて測定されたフレーム誤り率と、該取得部にて取得された平均フレーム品質情報とを対応付けて保持する変換テーブルと、
    取得部にて得られたフレーム毎品質情報に対応する推定フレーム誤り率を該変換テーブルから推定し、該推定フレーム誤り率と予め保持した目標フレーム誤り率とに基づいて目標受信電力閾値を制御し通信相手装置の送信電力を制御する送信電力制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、送信電力制御装置。
  2. 該取得部が、
    該測定部にて測定された複数の異なるフレーム誤り率のそれぞれについて、該複数のフレーム毎品質情報の平均値分布に基づいて該平均フレーム品質情報を取得するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項記載の送信電力制御装置。
  3. 該取得部が、
    該複数の異なるフレーム誤り率のそれぞれについて、該フレーム誤り率を得たフレーム誤り率測定区間の番号と、該フレーム誤り率測定区間における該フレーム毎品質情報の平均値とに基づいて該平均値分布を作成し、該平均値分布に基づいて該平均フレーム品質情報を取得するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第2項記載の送信電力制御装置。
  4. 該変換テーブルが、
    伝搬環境の異なる複数のセルごとに設けられ該複数のセルごとに別個に更新されるように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項記載の送信電力制御装置。
  5. 該変換テーブルが、
    時間帯に応じて該フレーム誤り率と該平均フレーム品質情報とを更新されるように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項記載の送信電力制御装置。
  6. 該送信電力制御部が、
    異なる変換テーブルを設けた複数のセル間において移動局MSがソフトハンドオフしているときに該複数のセルにおける品質に応じてソフトハンドオフ時の推定フレーム誤り率を推定するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項記載の送信電力制御装置。
  7. 該測定部が、
    フレーム長よりも短いシンボル長を有するシンボルの誤り個数を測定するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項〜第6項のいずれか一項記載の送信電力制御装置。
  8. 送信電力制御可能な移動局MSと、該移動局MSからのデータと予め保持したフレーム誤り率とに基づいて該移動局MSの該送信電力制御を行なう基地局BTSと、所定区間内のフレーム誤り率と該所定区間に含まれる複数フレームについての複数のフレーム毎品質情報とに基づいて該基地局BTSのフレーム誤り率を更新しうる送信電力制御装置とからなる移動通信システムにおいて、
    該送信電力制御装置が、
    該所定区間内のフレーム誤り率を測定する測定部と、
    複数のフレーム毎品質情報の統計情報に基づいて該複数のフレーム毎品質情報を平均して得た平均フレーム品質情報を取得する取得部と、
    該測定部にて測定されたフレーム誤り率と、該取得部にて取得された平均フレーム品質情報とを対応付けて保持する変換テーブルと、
    取得部にて得られたフレーム毎品質情報に対応する推定フレーム誤り率を該変換テーブルから推定し、該推定フレーム誤り率と予め保持した目標フレーム誤り率とに基づいて目標受信電力閾値を制御し通信相手装置の送信電力を制御する送信電力制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、移動通信システム。
  9. 送信電力制御可能な移動局MSと、該移動局MSからのデータと予め保持したフレーム誤り率とに基づいて該移動局MSの該送信電力制御を行なう基地局BTSと、所定区間内のフレーム誤り率と該所定区間に含まれる複数フレームについての複数のフレーム毎品質情報とに基づいて該基地局BTSのフレーム誤り率を更新しうる送信電力制御装置とからなる移動通信システムにおける、電力制御方法であって、
    該所定区間内のフレーム誤り率を測定し、
    該複数のフレーム毎品質情報について平均し、
    該測定により得たフレーム誤り率と、該平均により取得した平均フレーム品質情報とを対応付けて保持する変換テーブルを作成し、
    該フレーム毎品質情報に対応する推定フレーム誤り率を該変換テーブルから推定し、
    該推定フレーム誤り率と予め保持した目標フレーム誤り率とに基づいて送信電力制御を行なうことを特徴とする、電力制御方法。
  10. 該送信電力制御は、
    該推定フレーム誤り率が該目標フレーム誤り率よりも小さい場合は目標受信電力値を低い値に更新するとともに、該推定フレーム誤り率が該目標フレーム誤り率よりも高い場合は該目標受信電力値を高い値に更新することを特徴とする、請求の範囲第9項記載の電力制御方法。
  11. 該基地局BTSが、該複数のフレーム毎品質情報としてシンボル誤り個数又は該シンボル誤り個数に起因する比率のうちの少なくとも一方を用いるように構成され、
    該基地局BTSが、該フレーム誤り率と該複数のシンボル誤り個数とを測定し、
    該基地局BTSが、該測定した複数の異なるフレーム誤り率のそれぞれを得たフレーム誤り率測定区間番号を取得し、
    該基地局BTSが、該取得した複数フレーム誤り率測定区間番号のそれぞれにおける複数の平均シンボル誤り個数の出現個数により表された分布に基づいて、複数の第2の平均シンボル誤り個数を取得し、
    該基地局BTSが、該測定により得たフレーム誤り率と、該第2の平均シンボル誤り個数とを対応付けた変換テーブルを作成することを特徴とする、請求の範囲第9項記載の電力制御方法。
  12. 該基地局BTSが、該複数のフレーム毎品質情報としてフレーム長よりも短いシンボル長を有するシンボルについてのシンボル誤り個数を用いることを特徴とする、請求の範囲第11項記載の電力制御方法。
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