JP4124939B2 - Ink-recording medium integrated pack - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方式で用いられるインクと被記録媒体を一体に収納したインク−被記録媒体一体型のパックに関するものである。
【0002】
【従来技術】
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の被記録媒体に付着させ、画像、文字等の記録を行うものであり、高速、低騒音の記録が可能である、多色化が容易である等の利点を有し、また、記録できるパターンの自由度が大きく、現像、定着が不要である等の特徴を有している。このような点から、この方式の記録装置は、各種の画像あるいは被記録媒体に対応できるものとして情報処理をはじめとする種々の分野において急速に普及している。
【0003】
また、多色インクジェット記録方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較しても遜色のないものを得ることができ、特に作製部数が少ない場合には通常の多色印刷や写真印画よりも安価に作製できることから、フルカラー画像記録の分野でも広く用いられているものである。
【0004】
このようなインクジェット記録方式のさらに広い応用に対応し、また、近年の記録の高速化、高精細化、フルカラー化等の記録特性の向上を可能とするため記録装置もしくは記録方法が改良されつつある。インクジェット記録方式のより広汎な適用や記録特性の向上のため要求される特性には、例えば、記録されるインクドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速く、インクドットが重なった場合においてもインクが流れ出したり惨んだりしないこと、インクドットが適度な惨みによって拡がることなどが挙げられる。
【0005】
ところで、これらの特性は、記録装置もしくは記録方法のみならず、記録に用いられるインクや被記録媒体そのものの改良によっても実現できることは知られるところである。
【0006】
例えば、インクの吸収性もしくは定着性の観点から、被記録媒体として塗工紙を用いることが知られている。これは、例えばシリカ等の珪素顔料または、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドーイソシアネート架橋物、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマー等の樹脂等の吸収性ポリマー、或いはアルミナ水和物や酸化アルミニウム等のアルミナ系顔料が、水系バインダー等とともに紙やフィルム、布等に塗工されたものである。一方、インクについても、例えば含有する界面活性剤等によってそのインクの浸透性を調整することなどが行われている。
【0007】
しかしながら、記録特性の向上に対応するためにはそれぞれの特性に応じた被記録媒体またはインクを個々に選択するより、被記録媒体とインクの最適な組み合わせにおいて上記特性を実現できるものを選択することがより好ましい。インクと被記録媒体は相互の関係においてそれぞれの特性が発揮されるからである。
【0008】
この場合、被記録媒体とインクの最適な組合せを、具体的にインクジェット記録装置において実現するには、被記録媒体およびインクの組合せに応じた被記録媒体やインクの交換もしくは装着のための構成および作業を要する。また、これらの組合せに応じた記録モードの設定等、例えばホストコンピュータ上での記録条件の設定操作も必要となる。すなわち、これらの作業や設定操作を組合せの切替ごとに行うのは煩雑であり、また、ユーザーが最適な組合せを得るの容易でないという問題がある。
【0009】
この点において、特開平11−254700号公報には、記録媒体を積載するカセット部と、インクタンクとインクの廃インクを収容する廃インクタンクのいずれかの組合わせを一体としたメディアカートリッジを記録装置に着脱自在に搭載することが開示されている。そして、記録装置に対して着脱自在とするメディアカートリッジを記録装置側で認識することにより、被記録媒体とインクに応じた記録モードを自動設定して簡易な操作で被記録媒体とインクの組合せに応じた適切な記録制御を行うことを可能としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報には被記録媒体を収納したカセットとインクタンクとを一体としたメディアカートリッジが記載されるものの、そのカートリッジを用いる記録装置を構成する上で、装置のコンパクト化、カートリッジの取り扱いや用途などを考慮した具体的構成は記載されていない。
【0011】
また、被記録媒体とインク双方の材料もしくは組成を考慮し、その観点から上述の所望の記録特性を実現できる組合せについては示唆するところはない。すなわち、上記公報では、普通紙カートリッジとして被記録媒体に普通紙を設定した場合は、インクの設定を処理液、黒、イエロー、マゼンタ、シアンとし、一方、被記録媒体として、コート紙、光沢紙、OHPシートを設定するときは、インクの設定を上記設定から処理液を除いたものとするものである。これは、インク受容層が塗布された上記のコート紙等は、これに染料を不溶化する処理液を用いると画質が低下することを考慮したことによるものである。さらに、上記公報では、写真画質をモード設定する際にはインクの設定を例えば、濃黒、淡黒、濃イエロー、淡イエロー、濃マゼンダ、淡マゼンダ、濃シアン、淡シアンとすることを記載している。
【0012】
このように、上述の公報では、ユーザーにとって判別が容易な何種類かのインクの中から、被記録媒体または記録モードに応じて選択されるインクの組合せを一体のカートリッジとしたものを開示するのみである。
【0013】
一方で、例えば染色性の観点から、一見同じ被記録媒体であってもその材料もしくは組成が異なればそれに適切なインクの組成もまた異なり、この点で最適な組合せが存在する。この場合、ユーザーがこれらの組合せを選択することはほとんど不可能であるという事実もある。
【0014】
さらに他の問題として、現在知られる多くのインクジェット記録装置は記録特性に関し、多かれ少なかれある特性に振られており、この場合に上述してきた種々の記録特性の要求に応えることは比較的困難であるという問題がある。
【0015】
例えば、記録特性を定める一つの要因である記録ヘッドの特性として、記録ヘッド自体の寿命があり、使用頻度が高い場合にはさらに耐久性を増すこと、また、同様にインクの特性として、ある程度長期的に記録を行わなくても回復動作等を行えばノズル内のインクを容易に除去できること、またはインクの組成が変化し難く変色し難いこと等が挙げられる。そして、インクジェット記録装置の特性は、以上のような要因により制約されるため、全ての特性を備えたインクジェット記録装置を提供しようとすると、装置が大型化したり、コストが高くなる傾向にある。このため、インクジェットプリンタ等のメーカーは、プリンタの特性を、例えば使用頻度が高いユーザーに対応したもの、高品位、高画質な画像を必要とするユーザーに対応したもの、低温環境下や高温環境下で使用するユーザーに対応したもの等、能力をある範囲に限定し、このような需要の主流に合わせてプリンタを製造、販売しているのが現状である。このため、ある特性Aを持ったインクジェットプリンタを有するユーザーが、ある別の特性Bでプリントを行いたい場合、特性Bに対応するように特殊モードを設定してもその対応には限度がある。このため、その特性Bに十分に対応するには、ユーザーはその特性を備えたプリンタを別に購入するしか手立てがないという問題がある。
【0016】
特に、布帛に記録を行う捺染の場合はさらに次のような問題がある。
【0017】
すなわち、布帛をインクによって染色する場合、紙やフィルムなどへの染色とは相違し、染料の固着、洗浄という工程があるため、洗浄しても染料が洗い流されないように染料と布帛が適合した結合の仕方で染色、固着させることが重要である。ユーザーは、インク中に含まれる色材の種類をその外観を見ただけでは判断できず、その結果インクと布帛の組み合わせを誤り、全く染色できないことがある。
【0018】
インク色材の大きさと被記録媒体のインク受容層相互の関係に関しても、上述と同様の問題がある。すなわち、インク中に色剤として顔料を含む場合、顔料の平均粒径より被記録媒体のインク受容層の細孔径が小さい場合には、顔料粒子がインク受容層の細孔中にしっかりと入り込まず、記録画像の擦過性が劣る等の問題があるが、ユーザーは、インク中の顔料の粒径や被記録媒体表面の細孔の大きさを認識することは困難であり、これによってもインクと被記録媒体との最適な組合せを誤ることがある。
【0019】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、種々の記録特性を簡易な構成で実現することを可能とし、特に、ユーザーによるインクと被記録媒体の組合せの選択を容易にし、またはその選択に関する手間を省くことができるインク−被記録媒体一体型のパックを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、インクおよび被記録媒体をそれぞれ収納した一体型のパックにおいて、前記インクは顔料を含有しており、前記被記録媒体は顔料を受容するためのインク受容層を具え、該インク受容層は前記顔料の平均粒径よりも大きな細孔径を50%以上有し、前記パックには、前記インク中の顔料を撹拌することが可能な撹拌手段が設けられ、該撹拌手段は、インク袋に取り付けられた磁性体部材を有し、当該パックがプリンタに装着されたとき、プリンタのキャリッジの通過に応じてキャリッジの一部に設けられた電磁石の磁界が前記磁性部材に作用することによって撹拌を行なうことを特徴とする。
【0021】
好ましくは、前記インク受容層は前記顔料の平均粒径よりも大きな細孔径を好ましくは70%以上有していることを特徴とする。
【0027】
以上の構成によれば、被記録媒体に対するインクの染色性やインク色材のサイズと被記録媒体のインク受容層における細孔径との関係に関するインクと被記録媒体との最適な組み合わせが、インクと被記録媒体とをそれぞれ収納可能な一体型パックに収納されるので、ユーザーが上記染色性や細孔径に関する最適な組合せを認識していなくても、パックにおけるインクまたは被記録媒体の一方について特定できれば、記録特性上最適な組合せにより記録を行うことができる。また、仮に、ユーザーがインクまたは被記録媒体のいずれについても特定できないが、いずれかのパックを選択して記録を行う場合でも、用いられるインクと被記録媒体との組合せは適切なものであることには変わりなく、また、その組合せに応じた記録を行うことも可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0029】
インク−被記録媒体一体型パック(以下では、「インクメディアパック」ともいう)とそれを装着するインクジェット記録装置の構成を説明する前に、インクメディアパックに収納される、本発明の一実施形態に係るインクと被記録媒体の組合せについて説明する。
【0030】
本実施形態のインクメディアパックは、少なくとも被記録媒体を染色しうる染料を含有するインクを収納し、または、少なくとも顔料を含有したインクと、表面に上記顔料の粒径よりも大きい細孔径を70%以上持ったインク受容層を有する被記録媒体を収納する。これによって、ユーザーは、インクや被記録媒体に関して特別な設定や選択等を行うことなく、簡単に所望の画像を得ることが可能となる。
【0031】
本実施形態で用いるインクの成分は、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、アルコール等があげられるが、特にこれに限定されるものではない。また、第一の形態に係るインクの染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応染料、食用色素に代表される水溶性染料、分散染料等が挙げられる。
【0032】
更に、第一の形態で用いられる布帛を構成する素材としては、綿、絹、ナイロン、ポリエステル、羊毛、レーヨン、アクリル、アセテート、ポリウレタンなどであり、それらが単独でまたは混紡品として布帛を構成する。また、布帛には、必要に応じてインク吸収性向上や、惨み防止のために前処理を施すことができる。例えば、尿素、水溶性高分子、水溶性金属塩等を含有させたものが好適である。
【0033】
より詳細には、本実施形態におけるインクに使用される染料と被記録媒体との組合せとして、例えば、綿や絹の場合には反応染料、ポリエステル繊維を含有する混用織物の場合は分散染料、ナイロンの場合は酸性、金属錯塩、分散及び反応染料、アクリルの場合は酸性、塩基性及び分散染料、ビニロンの場合は直接、塩基性、ナフトール及び分散染料、ビニリデン及ぴポリ塩化ビニルの場合は塩基性、ナフトール及び分散染料を使用することができる。中でも、ポリエステル繊維と分散染料、ナイロン繊維と酸性染料あるいは直接染料、絹や綿と反応染料の組み合わせは好適である。これら染料は、染色の効果を阻害しない帷囲で単独でも混合物としても使用することができる。
【0034】
具体例をあげると、分散染料は、それ自体公知の材料であり、繊維の染色あるいは昇華転写技術において広く使用されている水不溶性のアゾ系、アントラキノン系、その他の染料である。これらの分散染料は、その構造中にスルホン酸基やカルボキシル基の如き水溶性の基を有さず、且つ分子量がある程度の範囲に入り、水中分散体として繊維あるいは織布に適用した後もしくは適用中に80℃〜250℃の温度により主としてポリエステルやアセテートの如き合成繊維からなる布帛に染着するものである。
【0035】
分散染料との好適な組み合わせを可能にする布帛としては、ポリエステル繊維、アセテート繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維からなる織布は不織布或はこれらの合成繊維と他の繊維、例えば、木綿繊維等の混紡撒布若しくは混紡不織布等が有効である。これらの織布又は不織布等の布帛は従来公知のものはいずれも使用することができるが、それに加えてこれらの織布又は不織布の布帛をインクジェット捺染用に予備処理したものでもよい。この様な予備処理は、織布を構成する繊維の表面に付与されたインクを速やかに吸収保持することができる水溶性又は水分散性ポリマー等を付与せしめることによって行うことができる。
【0036】
また、本実施形態に用いる反応染料としては、特に、ビニルスルフォン基および/またはモノクロルトリアジン基を有する反応染料が好ましい。このようにより好ましい反応基が特定されるのは、インクジェット記録システムを考えた場合、反応性の強弱において上記の2反応基がバランス的に優れているからである。例えば、反応性の強いジクロルトリアジンでは効果が得難い傾向にあり、反応性の弱いトリクロロピリミジンではその効果が顕著とならない傾向にある。
【0037】
以上説明した反応染料を使用して染色を好適に行える布帛としては、セルロース繊維および/またはポリアミド繊維を含有する布帛に対しインクジェット方式による捺染を行えば良好な結果を得ることができる。この布帛は、セルロース繊維および/またはポリアミド繊維を主体とするものであり、アルカリ性物質を少なくとも含有するものが好ましい。
【0038】
更に、酸性染料は水に可溶で、染料イオンがアニオン性を示す染料の中で分子量が小さく、ナイロン、羊毛等のポリアミド繊維に対して親和性があり、セルロース繊維に対して親和性の少ないものである。
【0039】
加えて、直接染料は、水溶性アニオン染料の中で比較的分子量が大きく、セルロース繊維に対して親和性のある染料をいう。
【0040】
これらの酸性染料、直接染料に好適な布帛として、ナイロン、アクリル等を使用できる。
【0041】
また、インク色材粒径とインク受容層の細孔径に関する本発明の第2の形態で用いる被記録媒体は、紙やフィルム等が挙げられ、紙には一般的な浸透性を下げるためのサイズ剤を含むことが好ましい。被記録媒体の表面コート剤には、カゼイン、澱粉等のセルロース誘導体やインクに対して膨潤性のある親水性樹脂、アクリルエマルジョン等のはっ水性を有する物質、サイズ剤、従来一般に使用されている無機顔料や有機顔料を含むことで表面細孔径を制御することができ好ましいが、特にこれに限定されるものではない。
【0042】
インク色材としての顔料の平均粒径は約70nm〜200nm、これに対し、インク受容層の平均細孔径は90nm〜220nm程度が好ましい。平均細孔径が小さい場合には、顔料が受容層に入らず、一方極端に大きい場合には抜け落ちる可能性があるからである。また、インク受容層の厚さは、厚くない方が好ましく、細孔径程度であることが好ましい。あまり厚い場合には厚さ方向に顔料が沈み込み、その結果記録濃度が低下して実用性に乏しくなるからである。
【0043】
以上説明したインク受容層の細孔径は、一般にある分布を持っているが、被記録媒体のインク受容層における細孔の70%以上の部分の細孔径がインク中に含まれる顔料の平均粒径より大きい場合、画像全体で、顔料が被記録媒体にしっかりと入り込み、擦過性の良好な画像が得られる。これに対し、顔料の平均粒径より大きい細孔径が70%未満の場合、擦過性が低下する場合もある。また、少なくとも細孔の50%以上の部分の細孔径がインク中に含まれる顔料の平均粒径より大きいければ上述した一定の効果を得ることができる。
【0044】
以上説明したインクと被記録媒体との組合せのいくつかについて図1以下で後述するインクジェット記録装置に用いた実験例について以下に示す。
【0045】
実験例1
反応染料10重量%、ジエチレングリコール15重量%、チオジグリコール15重量%、水60重量%のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクと、予めアルギン酸ソーダ1%、食塩3%、炭酸水素ナトリウム2%水溶液で前処理した綿ブロードをインクメディアパックに収納し、所定の記録を行い、次いで、102℃、8分間のHTスチーマーによる蒸熱処理を行って、水洗、乾燥工程を行った。これにより得られた記録サンプルには、高品位な画像が得られた。
【0046】
実験例2
直接染料3重量%、ジエチレングリコール15重量%、チオジグリコール15重量%、水67重量%のイエロー、シアン、ブラックのインクと、酸性染料濃度が3重量%、ジエチレングリコール15重量%、チオジグリコール15重量%、水67重量%のマゼンタのインクと、予めアルギン酸ソーダ2%、硫安3%水溶液で前処理したナイロン1OO%の布帛をインクメディアパックに収納し、記録を行い、次いで102℃、30分間のHTスチーマーによる蒸熱処理を行って、水洗、乾燥工程をおこなった。得られた記録サンプルには、高品位な画像が得られた。
【0047】
実験例3
分散染料2.5重量%、ジエチレングリコール20重量%、チオジグリコール5重量%、水72.5重量%のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクと、予めアルギン酸ソーダ2%水溶液で前処理したポリエステルデシンをインクメディアパックに収納し、記録を行い、次いで180℃、5分間のHTスチーマーによる蒸熱処理を行って、常法による還元洗浄、水洗、乾燥工程をおこなった。得られた記録サンプルには、高品位な画像が得られた。
【0048】
実験例4
顔料3重量%、ジエチレングリコール20重量%、チオジグリコール10重量%、水67重量%のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクと、表面コート層の細孔径の70%が160nm以上である被記録媒体をインクメディアパックに収納し、記録を行ったところ、擦過性の良い、高品位な画像が得られた。
【0049】
この時のイエローインク中の顔料の粒径は、140nm、同じくマゼンタは、130nm、シアンは、120nm、ブラックは、100nmであった。
【0050】
以上説明したインクと被記録媒体との組合せを用いることができるインクッメディアパックおよびそれを用いるインクジェット記録装置の一実施形態について以下に説明する。
【0051】
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態であるインクジェットプリンタを示す概略斜視図である。また、図2は、図1に示すプリンタの主に紙送り機構をプリンタ側方から示す要部断面図である。
【0052】
図1に示すように、本実施形態のインクジェットプリンタは、インク収納部と紙等の被記録媒体の収納部とを一体としたパック20(以下「インクメディアパック」ともいう)を着脱自在に装着して用いることができるものである。すなわち、インクメディアパック20は、プリンタ本体に装着された自動給紙装置(以下、単に「ASF」ともいう)1に対して着脱自在に装着されるものであり、装着された状態で、その被記録媒体収納部210はASF1の姿勢に沿い、これに対し、インク収納部211は後述のように装着動作に伴って被記録媒体収納部210から離れ略水平の姿勢を保つ。インクメディアパック20に収納される被記録媒体は、上述したように、インク受容層の細孔径に関して選択される被記録媒体や捺染で用いる布帛であり、比較的特殊な用途のものである。これに応じ、インクメディアパック20に収納されるインクについても上記細孔径や布帛を構成する繊維の材料に適切に染色できるインクである。このように、インクメディアパック20は、被記録媒体およびインクの組合せを最適に組み合わせるために用いられるものであり、通常の普通紙に記録を行う場合は、ASFに装着された普通紙にプリンタ本体に収納された普通紙用インクで記録を行う。
【0053】
図2は、この普通紙記録の際のASF1に対する普通紙の装着を示し、インクメディアパック20は取外され、これに代わり普通紙4が直接ASF1に装着される。また、インクは図1に示されるように、プリンタ本体に予め装着され、インクメディアパック20が装着されるときにはこれと並んで配置される普通紙インク補充ユニット30に収納されており、これから普通紙用のインクが供給される。
【0054】
キャリッジ2は、プリンタ本体を略横断するように設けられるガイドシャフト3(図2参照)に沿って移動可能に設けられる。そして、キャリッジ2の下部には、インクを吐出する記録ヘッド(不図示)が設けられており、インクの種類に応じたサブタンク(不図示、本実施形態では4つ)と連通している。これにより、記録領域8(図2参照)において搬送される被記録媒体の紙幅方向に移動しつつ、記録情報に応じてインクを吐出する走査を行うことができる。
【0055】
本実施形態のキャリッジ2には、その上部にインク導入部2Aが設けられる。すなわち、インク導入部2Aは、4つのサブタンクに対応して4つのインク導入部からなるものであり、それぞれのインク導入部は、対応するサブタンク(不図示)に後述のインク・空気導入口を介して連通している。そして、キャリッジ2は、後述されるように所定のタイミングで移動して、インクメディアパック20の供給部21aまたは普通紙インク補充ユニット30の供給部30aに対応する位置に上述のインク導入部を移動させる。また、この対応する位置は、記録ヘッドのインク吐出口がキャップ41または普通紙に対応するキャップ40に対応する位置でもある。これにより、後述されるように、各記録ヘッドのサブタンクに対するインク供給、インク交換および吐出回復動作をそれぞれ行うことが可能となる。
【0056】
詳細には、上記インク供給およびインク交換の際には、キャリッジ2の移動によりそのインク導入部2Aが供給部21aまたは供給部30aに対応する位置に到達し、カムを有した不図示のキャリッジ昇降機構によってキャリッジ2全体はガイド軸3(図2参照)を回動軸として回動し、そのインク導入部2Aのインク漏れ防止部材を、それぞれインクメディアパック20のインク収納部のジョイント部または普通紙インク補充ユニットのジョイント部に密着させる。その後、キャップ41またはキャップ40がその上昇動作によってキャリッジ2の下部に搭載された記録ヘッド等に当接し、図14等にて後述されるようなインク供給やインク交換の動作が可能となる。
【0057】
なお、吐出回復処理を行う場合は、上記キャリッジ昇降機構は動作せず、キャップ41または40の上昇による当接のみが行われることは勿論である。また、インク導入部2Aと上記それぞれのジョイント部との密着を解除する動作は、キャリッジ昇降機構の上述した動作と逆の動作によって可能となる。さらに、この昇降機構におけるカムの動作はモータの駆動力によって行われるものであり、上述したキャリッジ昇降のための駆動制御が行われるとともに、キャリッジ2の移動の際はそのカムを、それがキャリッジと係合しないような位置退避させる駆動制御が行われる。
【0058】
また、上記インク供給およびインク交換の際には、図14等にて後述のように、プリンタ本体に設けられたカム、押し込みピン等からなる押圧機構(不図示)が所定の動作を行い、その押し込みピンがインクメディアパック20の押圧部221aまたは普通紙インク補充ユニット30の押圧部301aの所定部材に係合し、これによってインク供給やインク交換のための動作をを行うことができる。
【0059】
また、キャップ40およびキャップ41の略下方には、回復機構42が設けられる。この回復機構42は、上述のインク供給、インク交換および吐出回復動作の際に用いられる吸引用のポンプ等を有して構成されるものである。
【0060】
以上の構成において、記録時には、まず、ASF1に設けられる給紙ローラ5(図2参照)によって、インクメディアパック20からまたはASF1から直接、被記録媒体が記録領域8に対して供給される。そして、図2に示すように、キャリッジ2に装着された記録ヘッドの走査ごとに、紙送りローラ7および押圧ローラ6との協働によって被記録媒体は図中矢印A方向に所定量ずつ紙送りされ、被記録媒体上に順次記録がなされていく。
【0061】
図3は、ASF1の詳細な構成を示す斜視図である。
【0062】
同図に示すように、ASF1は、ベース102、圧板103、給紙ローラユニット5、可動サイドガイド105、圧板ばね(不図示)、分離パッド106、その他不図示の駆動力伝達のためのギア列等を備えている。
【0063】
ベース102は、プリンタ本体に対して30°〜60°傾斜した姿勢で設けられ、普通紙を用いるときには直接それを支持し、一方、インクメディアパック20に収納された被記録媒体を用いるときは装着されるパック自体を支持する。このベース102の下方には、分離面107が設けられる。この分離面107は、基本的な機能として、ASF1に普通紙が直接搭載される際、給紙ローラ5によって送り出される普通紙の先端に所定の抵抗を与え、これにより、普通紙の先端を規制して一枚ずつ分離する機能を有するものである。また、分離面107は、積層して搭載される複数の普通紙の下端部を支持する機能も兼ねるものでもある。
【0064】
さらに、分離面107は回転軸107aにより回転可能に軸支されるとともに、不図示のばねで図中上方に付勢されており、これにより、上述の普通紙を支持するための所定の姿勢を保つことができる。一方、インクメディアパック20がASF1に装着されるときは、その装着動作に伴ってインクメディアパック20の下端部が分離面107を上記ばねの付勢力に逆らって図中下方に回転させ、分離面107を退避させる。
【0065】
べース102上において、上述の分離面107の上方に隣接して圧板103が設けられる。圧板103は、ベース102に対してそれに垂直な方向に全体としてスライド可能に設けられており、圧板103の裏側に設けられる圧板ばね(不図示)によって給紙ローラユニット5に対して付勢されている。すなわち、圧板ばねは、圧板103の裏側で給紙ローラユニット5のローラ部104に略対応する位置に設けられており、この圧板ばねの付勢力によって普通紙またはインクメディアパック20に収納された被記録媒体を給紙ローラユニット5に対して付勢することができる。
【0066】
サイドガイド105は、ベース102上において装着される普通紙の紙幅方向、すなわち、図中横方向にスライド可能に設けられ、これにより、普通紙をASF1にセットしたとき、そのサイズに応じて普通紙の紙幅方向の位置を規制することができる。すなわち、ASF1において普通紙をセットする際の基準面としてべース右側板102aに普通紙の一方の側端を当接させると共に、他方の側端にサイドガイド105を当接させて普通紙の紙幅方向の位置を規制してセットすることができる。
【0067】
給紙ローラユニット5は、べース102の両端において一体に設けられる右側板102aおよび左側板102bによって回転自在に支持され、その回転支持される軸部とこの軸部において所定の間隔を置いて設けられる2つのローラ部104とからなるプラスチック等の一体成型品である。また、それぞれのローラ部104の円周部をなす外周面には、普通紙を含む被記録媒体の送給に際してより大きな搬送力を生じさせるための給紙ローラユニットゴムが取り付けられている。ローラ部104は、詳細にはその外周面が略D形の断面形状(あるいは半月形の断面形状)を有するものであり、これにより、積層された被記録媒体を適切に一枚づつ給送することを可能としている。また、2つ設けられるローラ部104は、軸部において、例えばベース右側板102aの普通紙基準位置から約40mmと170mmの位置に夫々配置されている。従って、被記録媒体のうち、A4サイズ等の比較的紙幅の大きいものを用いる場合は、2つのローラ部104によって給送を行い、例えば葉書等のサイズの紙幅のものを用いる場合はべース右側板102aに近い側の一個のローラ部104によって給送動作を行う。
【0068】
普通紙のセット時またはインクメディアパックのセット時には、圧板103は、不図示のカムの作用により、圧板ばねの付勢力に逆らって給紙ローラユニット5から離れる方向にスライドする。すなわち、このカムは給紙ローラユニット5と不図示の駆動伝達系を介して連結されており、そのカム作用により、圧板103が上述のように給紙ローラユニット5からスライド退避した時(圧板103のリリース状態)、給紙ローラユニット5のローラ部104は、そのD形外周の直線状部分(半月状の弦部)が圧板103に対向するようその回転の位相が制御される。これにより、給紙ローラユニット5と圧板103との間に一定の空間が形成され、普通紙あるいはインクメディアパックのセットが可能となる。また、給紙ローラユニット5には、ローラセンサ(不図示)が設けられており、給紙ローラユニット5におけるローラ部104の回転位相および給紙ローラユニット5に位相を合わせ連動する圧板103のスライド位置を検出することができ、普通紙またはインクメディアパック内の被記録媒体の給送シーケンスにおける制御タイミングを知ることができる。
【0069】
普通紙の給紙時には、上述のカムが所定の回転を行うことにより、圧板ばねの付勢力によって圧板103が給紙ローラユニット5に対して近接する動作を行い、これにより、給紙ローラユニット5のローラ部104と最上位の普通紙の上面とが接触する。そして、ローラ部104の回転に伴い、普通紙には給紙方向(図中下方向)ヘの摩擦力が作用する。このとき、最上位から2枚目以降の普通紙には、普通紙間で発生する比較的弱い摩擦力しか作用しないため、これらの普通紙は、ベース102の下方に設けられた分離面107による抵抗によって給紙方向への移動は阻止され、これにより、最上位の普通紙一枚だけが分離され、給送される。
【0070】
分離、給紙された普通紙は、被記録媒体送り部ヘ給送される。給紙ローラユニット5は、普通紙を被記録媒体送り部へ送り込むまで回転し、圧板103は、給紙ローラユニット5に対して上述のリリースした状態となり、普通紙に対する給紙ローラユニット5のローラ部104の回転駆動力が遮断され、この状態が保持される。
【0071】
このようにして、ASF1の圧板103上に載置された紙や合成樹脂等で構成される普通紙は給紙ローラユニット5により給送された後、紙送りローラ7(図2参照)によって記録ヘッドに対向する記録位置で記録のための搬送が行われる。
【0072】
なお、給紙ローラユニット5のそれぞれのローラ部104に対向する圧板103上には、人工皮革等の摩擦係数の比較的大きい材質からなる分離パッド106が設けられており、これにより、普通紙の載置枚数が少なくなった時の重送等を防止している。
【0073】
次に、以上説明したASF1に着脱自在に装着されて用いられるインクメディアパック20の構成について説明する。
【0074】
図4〜図6は、インクメディアパック20の構成を示す図であり、図4はこのインクメディアパックを前面側から見た斜視図、図5は裏面側から見た斜視図、図6はそのインク収納部を構成するインクケースを開いた状態で示す斜視図である。
【0075】
インクメディアパックは、前述したように、細孔径に関する被記録媒体や布帛とインクとの最適な組合せを収納するとともに、そのパックの装着によって自動的な記録モードの設定を可能とするものである。すなわち、本実施形態では、被記録媒体が、ユーザーにとって一見して同じ非記録媒体であってもその材料もしくは組成が異なれば記録特性の上で最適なインクの種類も異なる場合にその被記録媒体とインクの組合せを誤ることがないようにし、しかもユーザーがその選択したインクメディアパックをプリンタに装着して用いるとき装着された被記録媒体とインクの組合せに適した記録モードを自動的に実行することができるものである。
【0076】
例えば、被記録媒体が一見して同じものでも、そのインク受容層の細孔径が異なることがあり、この場合、細孔径に対する顔料などの粒径によってはその顔料がインク受容層の細孔に入り込む量も異なり、特に記録後の擦過性に関して比較的大きな違いを生ずる。また、被記録媒体として布帛を用いる場合、一見同じ布帛であってもそれを構成する繊維の種類に応じ、染色性に関して最適なインクは異なる。このような点から、上述したように、インクメディアパックにおいて組み合わされる被記録媒体とインクの組み合わせが選択される。
【0077】
図4、図5および図6において、インクメディアパック20は、概略、被記録媒体収納部210とインク収納部211とによって構成され、これらの被記録媒体収納部およびインク収納部には上述したような最適な組合せに係る被記録媒体とインクがそれぞれ収納される。そして、このようなインクメディアパックが組み合わせごとに複数用意され、ユーザーの選択に応じてプリンタのASF1に装着されて用いられる。
【0078】
この場合、ユーザーが複数のインクメディアパックの中から、適切に被記録媒体の種類を特定して選択できる場合、その選択したインクメディアパックにおいて組合わされるインクは特定した被記録媒体に対して記録特性上最適なものとなる。また、仮に、ユーザーがインクメディアパックの選択において被記録媒体の特定を誤ったとしても、その選択したインクメディアパックには特定を誤った被記録媒体に最適なインクが組み合わされているため、それを用いた記録結果は良好な記録がなされることが保証される。
【0079】
インク収納部211は、その全体がインクケース218によって密閉された構造を有する。その内部は、図7にて後述されるように、収納する複数のインクごとのインク室が形成され、それらの各室にインクを貯留したインク袋が収納されている。また、インク収納部211は被記録媒体収納部210に対して開閉できるように設けられる(図6参照)。すなわち、そのインクケース218は、被記録媒体収納部210の両側部にそれぞれ設けられた回動軸212eによって回動自在に軸支され、これにより、インクメディアパック20がプリンタに装着される際、その装着動作に伴って回動し所定の位置(図1参照)を占めることができる。インクケース218には、その矩形状の上面におけるコーナー部に押圧部221a(図4参照)が設けられ、これに対向する下面側にはジョイント部220(図6参照)が設けられる。これらは、後述のようにインク交換およびインク供給の際に用いられる。
【0080】
一方、被記録媒体収納部210は、その前面側を形成するメディアケース212と裏面側の背面カバー213とにより、その収納する被記録媒体の大部分を覆うとともに、その下方の一部に開口部が設けられるものである。すなわち、被記録媒体収納部210には、図6に示すようにその前面側の下方に前面開口部215が設けられる。これは、主に、インクメディアパック20がASF1に装着されたときその給紙ローラユニット5のローラ部104(図3参照)に、収納される被記録媒体217が接触しその給送を可能とするためである。一方、被記録媒体210の裏面側には、図5に示されるように、背面開口部216が設けられる。これは、主に、インクメディアパック20がASF1に装着されたときASF1の圧板103との係合を可能とするためのものである。
【0081】
被記録媒体収納部210に収納される被記録媒体は上記背面側において保護シート214を介して収納される。また、背面開口部214には抜け止め212bが設けられる。これらの保護シート214および抜け止め212bとによって収納される被記録媒体が裏面側ヘ抜け出すことを防止できるとともに収納部内にこの背面開口部を介して埃などが入り込むことを防止できる。また、保護シート214は、収納される被記録媒体と同じ材料で形成するなどその摩擦係数を被記録媒体との関係で適切なものとし、これにより、積層されて収納される最下部の被記録媒体、すなわち、保護シートと直接接する被記録媒体が良好に送れない現象、あるいはその上に積層される被記録媒体の給送につられて給送される現象(重送)の発生を抑えることができる。
【0082】
さらに、被記録媒体収納部210の下端面の一部には、図6に示すように、ASF1に設けられたコネクタ310(図8参照)と電気的に接続するためのコネクタ400が設けられ、これによって、後述されるように、プリンタ本体側からインクメディアパックの所定のメモリに記憶されている種々の情報の読出しが可能となる。
【0083】
また、被記録媒体収納部210の前面開口部215を区画する一つの辺にパック分離面212a(図8参照)が形成される。パック分離面212aは、図3にて前述した普通紙の場合と同様、インクメディアパック20に収納される被記録媒体を給送する際、1枚づつ被記録媒体を分離して給送するためのものである。具体的には、被記録媒体収納部210においてそれに収納される被記録媒体の下流端がその給送動作によって突き当たる面として形成され、分離するのに最適の突き当て角度を有している。
【0084】
なお、本実施形態では、図3に示した分離面107および以上の分離面212aを分離手段としているが、分離爪等を分離手段とするASFにおいては、パックの装着時にASFの分離爪が退避する方法が必要であり、その際、被記録媒体収納部側に別の分離爪が設けられていても良く、また、全く別の分離手段が設けられていても良い。ASF、インク被記録媒体パック双方とも分離手段は上述の分離面に限定されず、最適な分離手段の組み合わせとすることができる。
【0085】
図7は、インク収納部211の内部構造を示す図であり、同図は、インク収納部を構成するインクケース218のインクケースカバー219を取外した状態で示す図である。
【0086】
インクケース218の内部には、記録に用いるインクの色等に応じて4つのインク室218aが形成される。4つのインク室218aには、インク袋によって、例えばイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのインクが貯留されている。もちろん、必要に応じて適宜その他の種類のインクが貯留されたパックでもよく上記の例に限られるものではない。すなわち、各インク室にはインク袋218dが配置される。インク袋は可とう性の材料で形成される。各インク袋218dからのインク供給は、インク袋218dの一端に取り付けられたインク供給管218cがそれぞれ対応するジョイントバルブ221に接続されることによって可能となる。そして、このジョイントバルブは図6に示したジョイント部に連通するものであり、これにより、図1にて前述したように、キャリッジの移動によってそのインク導入部がこのジョイント部に対向することによって記録ヘッドへのインク供給が可能となる。
【0087】
また、インク袋218dの裏側には薄い板状の磁性体部材が一体に取り付けられ、また、それぞれのインク袋においてインク供給管218cに近い端部がインク室の底面に固定される。これにより、インク袋のインク室への固定が行われるとともに、その固定部を支持部とするインク袋218dの回動が可能となる。この結果、キャリッジ2(図1参照)の一部に設けられた電磁石の磁界が各インク室の上記磁性体部材に作用し、キャリッジ2がインク収納部211の下を通過するのに応じてインク袋218dは上記支持部を軸としてインク収納部内で上下に揺動することができる。この結果、特にインク色材に分散染料や顔料を用いる場合適切にインクを撹拌することができ、これにより、分散染料や顔料の沈降を防ぎ常に適切な濃度のインクを供給することができる。
【0088】
なお、この撹拌のための構成は上述のものに限られないことは勿論である。例えば超音波振動子を各インク室に設けたり、インク袋の内部に撹拌しを入れておくなどの構成でも良い。
【0089】
以上、図4〜図7に示した構成のインクメディアパック20において、そのプリンタに対する非装着状態では、インクメディアパック20はそのインク収納部211が被記録媒体収納部210に対して閉じており、これにより、インク収納部211は被記録媒体収納部210に対して蓋として機能する。すなわち、被記録媒体収納部210の前面開口部215を介して収納される被記録媒体200Pが外気にさらされることを防止している。
【0090】
さらに、被記録媒体収納部210の上記前面開口部215に隣接し、インク収納部211のジョイント部220に対応する位置にはゴムキャップ222が設けられる。これにより、インク収納部211が被記録媒体収納部210に対して閉じた状態にあるとき、ゴムキャップ222は上記ジョイント部220を密閉して各インク室218aのインク袋からのインクの漏れ防止している。
【0091】
一方、インクメディアパック20がプリンタのASF1に装着された状態では、インク収納部211は被記録媒体収納部210に対して開いた状態となる(図1参照)。すなわち、インク収納部211は回動軸212eによって回動可能に支持されることにより、インク収納部211はその装着動作に伴って被記録媒体収納部210に対して開き、これにより、上述の記録ヘッドに対するインク供給が可能となる。
【0092】
なお、本実施形態では、インク収納部に被記録媒体に最適な組合せのインクを収納するものとしたが、これ以外にもインクを交換する際に記録ヘッドおよび記録へッドに対するインク供給路内を洗浄するための洗浄インクを収納しても良い。また、記録ヘッドの吐出エネルギー発生素子が電気熱変換体である場合において、被記録媒体に最適なインクが電気熱変換体上にコゲを発生することがあるインクを用いる場合には、電気熱変換体上のコゲを除去するコゲ取り用液体を収納していても良い。
【0093】
次に、図3〜図6を参照して、インクメディアパック20をASF1に装着する動作について説明する。
【0094】
インクメディアパック20は、インクジェットプリンタのASF1に対して着脱可能に構成されており、この着脱の際に必要な構成がASF1とインクメディアパック20に設けられている。
【0095】
図3に示すASF1において、ベース右側板102aおよびベース左側板102bには、それぞれ導入ガイド102eが設けられる。この導入ガイド102eは、インクメディアパック20が装着される際、インクメディアパック20における被記録媒体収納部の両側部に設けられたガイドリブ212cと係合し、これにより、インクメディアパック20の装着動作をガイドすることができる。すなわち、ガイドリブ212cは、主に被記録媒体収納部210のASF1への挿入をガイドするものであり、ガイドリブ212cが導入ガイド102eと係合しこれに沿って摺動することにより被記録媒体収納部の装着をガイドすることができる。そして、このガイドリブの摺動は、被記録媒体収納部210両側部に形成された突き当てリブ212d(図6参照)が、ベース右側板102aおよびベース左側板102bにそれぞれ設けられたストッパ102f(図6参照)に突当たるまで行われ、これによって被記録媒体収納部210の挿入位置を定めることができる。
【0096】
以上の被記録媒体収納部210の装着の際、ASFに設けられたプリンタ側のコネクタ310(図8参照)と被記録媒体収納部210の下部端面に設けられたコネクタ400とが相互に接続し、これによってインクメディアパック20が装着されたことをプリンタ側が認識することができる。また、この装着の後、図8に示すように、ASF1の左側板102bに設けられレバー軸150aによって回動自在に支持されるロックレバー150を回転させ、レバー150の突起部150bをインクメディアパック210に形成されたロック穴210aに挿入することにより、インクメディアパック20のASF1に対する固定を行うことができる。そして、この固定により、上述のコネクタ同士の接続を確実なものとすることができる。
【0097】
なお、この導入ガイド102eは、普通紙を直接ASF1に搭載して用いる際、その積載、給送する動作を阻害しないよう、普通紙の最大積載時に最上位の普通紙と隙間が空く構成となっている。また、サイドガイド105を図3において最も左側に移動したとき、このサイドガイド105は、ベース左側板102bに設けられたサイドガイド収納部(付図示)に収納される。
【0098】
一方、インクメディアパック20におけるインク収納部211の装着動作は、ASF1のベース両側板102a、102bそれぞれに設けられたガイド溝102dと、インク収納部のインクケース218の両側部に設けられたガイドボス218bとの係合によってガイドされる。すなわち、上述した被記録媒体収納部210の挿入動作の際、併せてインク収納部211の2つのガイドボス218bをASF1の対応する2つのガイド溝102dに係合させる。これにより、上述の被記録媒体収納部210の挿入動作に従い、インク収納部211は、その回転軸212eを中心に回転し、上記挿入動作の終了時には図1にて示した略水平な所定位置となる、装着が完了する。
【0099】
図8は、上述の装着動作によってインクメディアパック20がASF1に装着された状態を示す図である。
【0100】
同図に示すように、装着状態では、インク収納部211は被記録媒体収納部210に対し開いた状態となり、被記録媒体収納部210の前面開口部215が給紙ローラユニット5のローラ部104に対向する。また、このとき、背面開口部216は圧板103に対向する。すなわち、背面開口部216の開口面積は圧板103のそれよりも大きく、圧板103が押圧状態になると被記録収納部内の保護シート214を介して収納される被記録媒体の背面を押圧し、これにより、インクメディアパック20が変位することなく、その収納する被記録媒体を給紙ローラユニット5のローラ部104に圧接させることができる。
【0101】
インク収納部211は、前述のようにガイドされて、略水平に保持され、そのジョイント部220および押圧部221aを含むインク収納部の先端部は、インクジェットプリンタ本体内に入り込む位置をとることができる。すなわち、この先端部はキャリッジの移動範囲の上部に位置することができる。さらに、後述されるように、プリンタ本体に設けられた不図示のカム機構によって押圧部221aが押圧されることにより、ジョイント部220が作動し、キャリッジ上のインク導入部2Aを介したインク供給などを行うことが可能となる。
【0102】
なお、インクメディアパック20をASF1から外す場合には上記の動作が逆の順序で行われる。
【0103】
図9および図10は、上述したインクメディアパック20の装着等に伴うプリンタの処理を示すフローチャートであり、図9はプリンタの電源オンの間にインクメディアパックが装着等されるときの処理を示し、図10(A)および(B)は、電源オフの間にインクメディアパックが装着等されるときの処理手順を示すものである。この処理は、インクメディアパックに設けられたコネクタ400がプリンタ側のコネクタ310に電気的に接続されることによって可能となる。
【0104】
図9に示すように、電源がオンの状態でインクメディアパックが装着等される場合は、プリンタの記録待機処理(ステップS101)の一環として行われる。すなわち、本処理は、記録待機時に所定の時間間隔で起動され、まず、プリンタにインクメディアパックが装着されているか否かの判断を行う(S102)。この判断処理は、プリンタの所定のメモリにインクメディアパックのID、インクおよび被記録媒体の種類等のデータとともに書きこまれる装着/未装着に関するデータによって行う。このデータについて前回のものと異なると判断した場合、現在の状態を装着されているインクメディアパック(装着されている場合)のIDも含めて、上記のメモリに書き込む(S103)。そして、現在、インクメディアパックが装着されているか否かを、上述のメモリを参照して判断する(S104)。なお、インクメディアパックの装着/未装着の判断については、図11、図12にて後述される装着検出用のスイッチ315の状態によって判断するようにしてもよい。
【0105】
ここで、インクメディアパックが装着されている判断した場合は、インクメディアパックが装着されていない状態から装着された状態になったと判断し、以下で説明する処理(a)を実行し、ステップS101の待機処理を続ける。
【0106】
一方、ステップS104でインクメディアパックが外された状態であると判断した場合には、▲1▼普通紙が装着された、▲2▼他の種類のインクメディアパックヘの交換操作の途中、の2つのケースが考えられるので、ステップS106以降の処理を行う。
【0107】
すなわち、上記▲1▼または▲2▼のケースを区別するために、まず、インクメディアパックの有、無および記録データの有、無を監視する(S106、S109)。ステップS106のインクメディアパックの有無検知でその状態が前回と同じ、つまりインクメディアパックが外された状態であると判断し、さらにホストから記録データが送られてきたと判断した場合は(S109)、普通紙が装着されていると判断し、以下で説明する処理(b)を実行する。
【0108】
また、ステップS106で、記録データが送られてくる前にインクメディアパックの有ることが検知された場合には、インクメディアパックが装着されたと判断し、ステップS107で、そのインクメディアパック内のインクの種類が前に装着されていたインクメディアパックのインクの種類と同じか否かについて判断する。そして、インクの種類が異なる場合のみ、処理(a)を実行する。インクの種類が変わっていない場合は、記録ヘッド内のインクを置換する必要はないので、待機処理を続ける。
【0109】
次に、図10(A)および(B)を参照して、プリンタの電源がオフときにインクメディアパックの着脱等が行われる場合の処理について説明する。
【0110】
図10(A)に示すように、電源のオフ操作が行われると、インクメディアパックのそのときの装着状態を、上述のメモリに書き込み(S111)、その後電源が遮断される。そして、この電源オフの間に、インクメディアパックの着脱が行われる場合がある。
【0111】
次に、電源オンの操作が行われると、図10(B)に示す処理が起動され、まず、ステップS112で、現在のインクメディアパックの装着状態を上記ステップS111で書き込んだものと比較する。ここでインクメディアパックの装着状態が同じ場合には、ヘッド内のインクの置換は不要であり、そのまま図9に示した待機処理に移って本処理を終了する。
【0112】
一方、インクメディアパックの装着状態が異なっている場合には、インクメディアパックの有無を判断する(S113)。ここで、インクメディアパックの無しが検知された場合には、▲1▼普通紙が装着された、▲2▼他の種類のパックヘの交換操作の途中、の2つのケースが考えられるため、図9にて説明したのと同様、図9に示すステップS106の処理へ移行する。
【0113】
インクメディアパックが有ることが検知された場合は、そのインクメディアパック内のインクの種類をステップS111で書き込んだインクの種類情報と比較を行う(S114)。ここで、インクの種類が同じである場合には、記録ヘッド内のインクの置換は不要であり、待機処理へ移行して本処理を終了する。
【0114】
一方、インクの種類が異なっている場合は、記録ヘッド内のインクの置換を行うため、以下に説明する処理(a)を実行した後、待機処理ヘ移行する。
【0115】
次に、上記処理(a)および(b)について、主に図1を参照してそれぞれ説明する。
【0116】
処理(a)
この処理は、インクメディアパックが異なるものに交換された場合に行われるものである。まず、キャリッジ2は、メディアパック用のキャップ41および回復系42の位置へ移動し、後述されるように、キャリッジ2はインクの色ごとに移動を行いながら、記録ヘッド側からインクを吸引することによって記録ヘッドとサブタンク内を空にした後、その同じインク供給ポジションで、各色毎にインク供給を行う。各色のインク供給が終了すると、キャリッジ2はホームポジションへ移動し、上述の記録命令の待機処理を行う。
【0117】
なお、上記ステップS101の待機処理では、記録命令が出されると、インクメディアパックから被記録媒体を給紙して記録を行い、記録終了後に排紙を行う。この記録の間に、サブタンクに対しインク供給が必要な場合には上述と同様にキャリッジがインク供給ポジションに移動し、各色毎にインク供給を行う。
【0118】
処理(b)
この処理は、普通紙がASF1に直接装着され、これに対して記録を行う場合に実行されるものである。まず、キャリッジ2は、普通紙用のキャップ40および回復系42の位置へ移動し、後述されるように、キャリッジ2はインクの色ごとに移動を行いながら、記録ヘッド側からインクを吸引することによって記録ヘッドとサブタンク内を空にした後、その同じインク供給ポジションで、各色毎にインク供給を行う。各色のインク供給が終了すると、キャリッジ2はホームポジションへ移動し、上述の記録命令の待機処理を行う。
【0119】
図11は、本実施形態のインクジェットプリンタおよびインクメディアパックから構成されるシステムの主に制御構成を示すブロック図である。
【0120】
インクジェットプリンタ1において、マイクロプロセッサ(MPU301)は、ROM302に格納された制御プログラムに従って、インクジェットプリンタ全体の制御を行う。RAM303は、ホスト装置300から転送される記録データを保存する受信バッファなどを含み、また上記MPU301の処理実行におけるワークエリアとして使用される。
【0121】
MPU301は、ROM302に記憶されているプログラムの手順に従って、ホストコンピュータ(ホスト装置)300から、公知のセントロニクスインターフェース等で構成された送受信手段304を介して転送されてくる指令データおよび記録データに基づき、入出力ポート305およびモータ駆動回路306を介してキャリッジモータや搬送モータの回転を制御するとともに、ヘッド制御部307およびヘッド駆動部308を介して記録ヘッドに記録データを出力してその記録動作を制御する。また、上記記録ヘッドの駆動パルス幅の作成及びモータの回転数制御のために、タイマ309が設けられている。
【0122】
一方、上述のインクジェットプリンタに接続して機能する、インクメディアパック20のシステムにおいて、プリンタ本体と電気的に接続するたのコネクタ400が、プリント基板4O1(図5参照)上に実装されている。さらに、プリント基板401上には、電気的に読み書き可能で、電圧を印可していないときでもデータの保持が可能なEEPROM402が実装されている。本実施形態のEEPROM402は、一般的なシリアル式のもので、CS信号311が“H”のとき動作可能となる。すなわち、CS信号が“H”の時にCLK信号312が立ち上がり、DI入力信号313上のコマンド(書き込み、読み出し、消去等)または書き込みデータがEEPROM402に書き込まれ、またDO出力信号314上に読み出しデータが出力され、読みとり可能となる。各信号線311〜314は、本体側のコネクタ310を介して本体側の入出力ポートに接続され、MPU301の制御によって読み書きが可能となる。シリアル式のEEPROMの容量は数Kビット程度、書き換え可能回数は、10の5乗から7乗程度と本実施形態のプリンタに関する情報を記憶する書き換え可能な記憶素子として適したものである。
【0123】
さらに、インクジェットプリンタ側には、インクメディアパックの装着検出用スイッチ315が設けられており、インクメディアパックが装着されるとスイッチがONとなる構成になっている。スイッチ315の出力信号316は、入出力ポート305に入力され、MPU305は、この信号をリードすることにより、インクメディアパックの脱着を検出することができる。MPU301は、パックの装着を検出すると、入出力ポート305の出力信号317により、パック内のEEPROM402に電源を供給し、EEPROM402をリード・ライト可能状態とする。
【0124】
インクメディアパック内のEEPROM402に記憶する情報としては、パック製造時に工場で書き込み、以後、インクジェットプリンタ側からは読み出すだけの情報と、インクジェットプリンタに装着した状態で、インクジェットプリンタ側から書き換える情報に大別される。前者の情報としては、パック内にセットされている被記録媒体の種類、インクの種類を記憶しておくものが代表的にあげられる。
【0125】
図12は、本実施形態のインクジェットプリンタにおける記録処理の概略であり、MPU301によって実行される制御手順を示すフロチャートである。同図に示す処理は、主に記録前の記録モードの設定などに関するもので有り、図9および図10にて上述した記録待機時の処理と略並行して実行されるものである。
【0126】
インクジェットプリンタの電源投入後、MPU301は、ステップS301で装置の初期設定を行う。次に、ステップS302で、インクメディアパックの装着検出用スイッチ315の状態を、入出力ポート305を介して読みとる。スイッチ315がオンの時は、インクメディアパックが装着されていると判断し、ステップS303で、EEPROM402に電源を供給し、EEPROM402に工場出荷時に記録しておいた被記録媒体の種類、インクの種類のIDを読みとる(ステップS304)。このリードデータは、ステップS305で、上記セントロニクスインターフェース等の送受信手段304を介して、ホスト機器300に転送される。ホスト機器のプリンタドライバは、この情報を元に、ユーザの選択無しに自動的に、装着されているインクメディアパック内の被記録媒体とインクの組合せに最適な画像処理、インク打ち込み量、プリントパス数を考慮した記録データを作成してプリンタに転送する。ステップS306で、その記録データを受信すると、ステップS307で記録動作を行う。1ページの記録が終了すると、ステップS308で、EEPROM402の電源をオフとした後、ステップS302へ移行し、再びインクメディアパックの装着検出用スイッチ315の状態を、入出力ポート305を介して読取る。ステップS302で、インクメディアパックの装着検知用スイッチ315がオフのときは、インクメディアパックが被装着と判断し、ユーザがプリンタドライバで指示したプリント品位、プリント速度で作成された記録データを受信して、インクジェットプリンタ側のインク、およびASF1にセットされた被記録媒体を用いて記録動作を行う(ステップS309)。
【0127】
以上の制御を行うことにより,ユーザの指示無しに,インクジェットプリンタは、インクメディアパックにセットされているインクと被記録媒体の組み合わせに最適化された記録データによって記録可能となるため、高品位の画質で記録を行うことが可能となる。また、ステップS310で、MPU301が読み取った被記録媒体の種類、インクの種類のデータを元に、ROM302に記憶されたインクジェットプリンタ側の記録に関するパラメータ、つまり記録ヘッドの駆動パルス幅、ヘッドのインク不吐出を防止するために予備吐出するドット数(予備吐出ドット数)、予備吐出時間間隔、記録ヘッドの吐出状態を正常に保つための回復および吸引時間間隔等もセットすることが可能であり、プリンタドライバでの最適化と合わせて、さらに最適制御が可能である。
【0128】
なお、以上の実施形態では、インクメディアパックに記憶される被記録媒体およびインクの種類(ID)を読み取り、そのIDからROM302に記憶してある記録制御に関するパラメータを読み取ってセットするものとしたが、インクメディアパックのEEPROM402に上記パラメータを予め記憶しておき、EEPROMから直接パラメータを読み取り、インクジェットプリンタの記録制御回路にセットしてもよい。この方法により、例えば、インクジェットプリンタ発売前に想定されていなかった被記録媒体とインクの組み合わせのパックを追加発売しても、その被記録媒体およびインクの組み合わせに最適な記録制御により記録が可能となる。
【0129】
上述した以外にも他の実施例として、インクメディアパックをインクジェットプリンタに装着した状態でインクジェットプリンタ側から書き換える情報としては、パック内の被記録媒体の枚数、パック内のインク残量がある。
【0130】
図13は、MPU301によるの他の制御例を示すフローチャートである。
【0131】
図13において、インクジェットプリンタの電源投入後、MPU301は、ステップS401で装置の初期設定を行う。次に、ステップS402で、インクメディアパックの装着検出用スイッチ315の状態を入力出力ポート305を介して読み取る。スイッチ315がオンの時は、インクメディアパックが装着されていると判断し、ステップS403でEEPROM402に電源を供給し、EEPROM402に記憶してある被記録媒体の残り枚数を読み取る(ステップS404)。このリードデータは、ステップS405で、上述のセントロニクスインターフェース等の送受信手段304を介して、ホスト機器300に転送される。
【0132】
ホスト機器のステータスモニタは、現在のインクメディアパックに収納される被記録媒体の残り枚数をモニタ上に表示する。次に、ステップS406で記録データをホスト機器から受信したと判断すると、ステップS407で、インクメディアパック内の被記録媒体を給紙する。このとき、ステップS408で、現在の被記録媒体の残り枚数から−1した値を、EEPROM402に書き込むとともに、ホスト機器300に転送し、モニタに表示している被記録媒体残枚数を変更し(S409)、ステップS410で記録動作を行う。1枚分の記録が終了すると、ステップS411で、EEPROM402から、各色毎のインク残量値を読みとり、その値から、1枚の記録で吐出したインク量及び予備吐出量、また、吸引動作を行ったときはその吸引量を引きその結果を新たなインク残量としてEEPROM402に書き込む。この後、ステップS412で、インクメディアパックが取り外されることを想定し、処理をステップS402に移行して上記処理を繰り返す。
【0133】
なお、インク収納部内のインク残量は、厳密にはインク収納部からキャリッジ内のサブタンクに供給された量に基づいて計算されるものであるが、サブタンクのインク収納量が小さく、そのため比較的高い頻度でインク収納部からサブタンクに対しインク供給が行われることから、上記記録で吐出したインク量や予備吐出量等をそのままインク収納部内のインク残量の計算に用いるものである。
【0134】
以上の処理を行うことにより、現在のインクメディアパック内の被記録媒体の枚数を知ることができ、このデータをホスト機器300に送信することにより、ホスト機器300のCRT上に、それを表示することが可能であり、ユーザインターフェースが向上する効果がある。また、常に最新のインクメディアパック内の状態を知ることができ、この情報を読み出すことにより、リサイクル時のインク注入量の定める処理等に利用することも可能である。
【0135】
次に、本実施形態に具備されるインク交換システム及びインク供給方法を説明する。
【0136】
本実施形態におけるインク交換システムは、インク供給源である前述のインクメディアパックの各インクタンク収納部からプリンタ装置本体のキャリッジに搭載されるサブタンクへとインクを供給するものであり、主としてサブタンク、記録ヘッド、インク空気導入機構等を備える。
【0137】
図14ないし図19は、上記インク交換システムのサブタンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦断側面図であり、図14は記録動作中の状態を、図15はサブタンクを減圧させた状態を、図16は空気導入時の状態を、図17はインク空気排出動作時の状態を、図18は再度サブタンクを減圧させた状態を、図19はインク導入時の状態をそれぞれ示している。
【0138】
各図において、501はインク吐出圧発生源としての電気熱変換体あるいは電歪素子(不図示)とインクを吐出させる吐出口502を有するノズル部とを多数配列した記録ヘッドであり、各ノズル部内の各インク吐出圧発生源には、図示されない記録信号及び電気を供給するためのヘッド駆動回路が接続されている。
【0139】
520は前記インクメディアパックに形成されるインク供給源としてのインク収納部211から供給されるインクを貯留するサブタンクであり、その底部には、前記記録ヘッド501が一体的に固定されている。
【0140】
このサブタンク520において、521はサブタンク520の外殻をなすサブタンク本体であり、このサブタンク本体521には、適用するインクの種類数(ここでは、4種類)と同数の減圧室505が設けられている。各減圧室505は前記サブタンク本体521の底部に形成された減圧調整口506に連通する吸気通路505cに接続されている。
【0141】
また、前記各サブタンク本体521の上面には図20に示すように各減圧室505に対応してそれぞれ4個の開口Hが前記導入口508aを含めて縦方向(主走査方向と直交する方向)に沿って一列に形成されており、サブタンク全体としては16個の開口Hがマトリクス状に形成されている。このうち、各減圧室505に形成される4個の導入口508aは、キャリッジの移動方向である主走査方向と交叉する直線上に配置されている。これに対し、導入口508a以外の開口Hは、後述の導入針553を挿通させる凹部508cの開口となっており、その凹部508cの底面上には弾性を有する不図示のインク漏れ防止部材が固定されている。
【0142】
また、前記導入路508内には、その上端部に形成される導入口508aを開閉可能に封止する封止機構509が設けられている。この封止機構509は、導入路508の上流部に形成されたバルブ収納室508b内に収納したボールバルブ509aと、これを付勢するばね509bとにより構成され、前記ばね509bの付勢力によって常には前記導入口508aをボールバルブ509aによって封止するようになっている。なお、510はインク漏れ防止部材で、弾性部材からなり、導入口508aの外側に固定されている。また、505bは前記導入路508の導出口505aに設けた導出弁であり、導入路508へのインク及び空気の導出を可能とする一方、導入路508からのインク及び空気の逆流を阻止し得るようになっている。
【0143】
507は前記吸気通路505c内に挿入された減圧調整機構である。この減圧調整機構507は前記吸気通路505c内に形成された弁収納室507aと、この弁収納室507a内に挿入された減圧調整弁507bと、この減圧調整弁507bを付勢するばね507cとにより構成される。
【0144】
減圧調整弁507bは、前記ばね507cの付勢力によって常には吸気通路505cと減圧調整口506との連通を遮断状態に保つが、サブタンク本体521の側面に形成された挿通孔521aから所定の押圧部材(図示せず)を挿入し、前記ばね507cに抗して前記減圧調整弁507bを移動させると、減圧調整弁507bに形成された不図示の通気路を介して前記減圧調整口506と吸気通路505cとが連通し、減圧室505内を減圧させるようになっている。
【0145】
従って、この減圧調整弁507bは、減圧度を調整するとき以外は減圧調整口506が閉じた状態となり、外気と遮断されて減圧状態が維持されるようになっている。このように、この減圧状態を形成することにより、サブタンク505内のインクは減圧状態となって吐出口502からのインクのぼた落ち及び吐出口502からの空気の引き込みを防止できるため、吐出口502では適正なインクメニスカスが形成され、インク吐出の安定化を図ることができる。なお、減圧度の調整は上記の吸気通路505c内に減圧測定手段としての圧力センサを設けることで管理することができる。
【0146】
503は前記減圧室505内に収納されているインク貯留部としてのインク液室である。このインク液室503は、前記減圧室505の底面部に下端部が固定された柔軟性部材によって袋状に形成されており、その内外の圧力差によって容積変化するものとなっている。本実施形態においては、前記柔軟性部材は、その下半部503bが厚肉に、上半部503aが薄肉にそれぞれ形成されており、下半部503bは比較的剛性が高く一定形状を維持するが、上半部503aは剛性が低く減圧室によって生じる内外の圧力変化に応じて容積変化するようになっている。これは、インク排出動作において内容積を小さくし、インクの残量を少なくするためである。但し、こうしたインク液室の厚さを変化させることは、本発明において必須の要件ではない。
【0147】
また、前記インク液室503は、減圧室505の底部に形成されたインク供給路504を介して記録ヘッド501に連通しており、このインク供給路504を介してインク液室503からのインクが記録ヘッド501へと供給される。
【0148】
また、530は前記回復機構42に設けられた減圧付与機構(減圧手段)である。この減圧機構530は、前記一対のキャップ40,41と、各キャップ40,41に対応して設けた減圧発生源としての不図示の吸引ポンプと、この吸引ポンプとキャップとを接続する2組の減圧経路531,532と、前記記録ヘッド501の吐出口502及び減圧調整口506に対し減圧付与状態を切換える切換機構530とを備える。このうち、前記両キャップ40,41は、図1及び図15に示すように、いずれも前記吐出口532を密封した状態で覆う吐出口側密封部541と、減圧調整口506を密封した状態で覆う減圧口側密封部542とを備え、各密封部541,542には、吸引孔541a,542aがそれぞれ形成されている。
【0149】
また、前記2本の減圧経路531,532は、前記両密封部541,542の吸引孔541a,542aに連結された2本のチューブ531,532により構成されており、一方のチューブ531は、可撓性部材によって形成されている。また、減圧切換機構530は、所定の駆動源によって前記各チューブ531と532との間に配置され、所定の駆動源によって回動する回動アーム535と、この回動アーム535の一端部に軸着された圧接ローラ536とからなり、回動アーム535によって圧接ローラ536の位置を選択することによりチューブ531の連通、遮断を切換え得るようになっている。
【0150】
すなわち、図15,図18,図19に示すように圧接ローラ536をチューブ531に圧接させることにより、チューブ531が潰れてその連通状態が遮断され、吐出口側密封部541は吸引ポンプから遮断される。また、図16及び図17に示すように圧接ローラ536をチューブ531から離間させることにより、チューブ531は元の形状に復帰し、密接部541は吸引ポンプに連通する。
【0151】
一方、570はインク空気導入機構である。このインク空気導入機構570は、インクと外気とを選択的にサブタンク521のインク液室503へと導入させるものであり、インク導入機構及び気体導入機構として機能する。また、このインク空気導入機構は、前記普通紙インク補充ユニット30からのインク及び空気を導入させる普通紙側のインク空気導入機構と、前記インクメディアパック20内のインク及び空気を導入させるインクメディアパック側のインク空気導入機構の2種類が設けられており、両インク空気導入機構は、同一構造を有し、いずれも、押圧機構560と導入切換機構550とを備えるものとなっている。
【0152】
前記普通紙側のインク空気導入機構における押圧機構560は、前記普通紙インク補充用のキャップ40の配設位置を基準として設置され、パック側のインク空気導入機構における押圧機構560は、インクメディアパック20に収納されている特殊紙インク補充用のキャップ41の配設位置を基準として設置されている。また、各押圧機構560の押圧ピン561は、キャリッジ2の移動方向(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)に沿って一列に配列されている。
【0153】
また、導入切換機構550は、その一方が普通紙インク補充ユニット30の供給部30aに設けられ、他方がインクメディアパック20の供給部21aに設けられている。
【0154】
また、前記押圧機構560は、プリンタ本体側の所定の支持体P1に昇降自在に貫挿される複数本(ここでは4本)の押圧ピン561と、各押圧ピン561の頭部562と前記支持体P1との間に弾装され、常には各押圧ピン561の下端部が支持体P1内へと没入するよう付勢するばね563と、所定の駆動源によって回動中心Coを中心に回動する単一の偏心カム564とを備える。この偏心カム564は、前記各押圧ピン561の頭部562と常時圧接する位置に設けられ、回動中心Coを中心に回動することによって全ての押圧ピン561を上下に移動させ得るようになっている。
【0155】
すなわち、偏心カム564の周面上の点a(回動中心C0からの距離間隔が最も小となる点)が前記押圧ピン561の頭部562に接するとき押圧ピン561の下端部は支持体P1内に没入する初期位置に設定され、偏心カム564の周面上の点c(回動中心C0からの距離間隔が最も大となる点)が前記頭部562に接するとき押圧ピン561の下端部は支持体P1の下面から最も突出する最大突出位置に設定され、さらに、偏心カム564の周面上の点bが頭部562と接するとき押圧ピン561の下端部は前記初期位置と最大突出位置との間の所定の中間位置に設定されるようになっている。
【0156】
一方、前記導入切換機構550は、前記押圧ピン561に対応して区轄形成された複数(本実施形態では4本)の収納室556Rを有する筐体556と、この筐体556の各収納室556R内に昇降可能に収容された切換ブロック551と、各切換ブロック551の下端に固定されると共に中心部に導入路553aを形成してなる導入針553と、前記切換ブロック551と筐体556の底部との間に弾装されたばね554とからなる。
【0157】
このうち、前記筐体556の上面には、前記押圧機構の押圧ピン561を挿脱可能とする挿通孔556aが各押圧ピンに対応して複数個(本実施形態では4個)形成されると共に、底面には前記導入針553を挿脱可能とする挿通孔556bが各導入針553に対応して複数個(本実施形態では4個)形成されている。さらに、筐体556における各収納室556Rの側面には、外気に連通する空気導入口558及びインク導入口559が形成されており、各空気導入口558は外気に連通し、インク導入口559はインク供給源である普通紙インク補充ユニット30、あるいはインクメディアパック20のインク収納部211に所定の連通路を介して接続されている。
【0158】
また、前記各切換ブロック551は、その周面に固定されたOリング552によって、筐体556の各収納室556R内をその内面と気密状態を保ちつつ昇降し得るものとなっている。この切換ブロック551には、一側面に形成した側部開口から底部中央に形成された底部開口に至るL字状に屈曲した導入路551aが形成されており、これが前記導入針553の導入路553aに連通している。
【0159】
さらに、前記各導入針553は、前記各押圧機構560の押圧ピン561と同様に副走査方向に沿って配置されている。従って各導入針553の配列方向に対し、前記導入口508aは、図20に示すように、筐体556内の導入針553の配列方向と交叉する方向に沿って配列されることとなる。但し、各導入口508aの副走査方向における配設ピッチは、前記各導入針553の配設ピッチと同一に設定されており、図20に示すように、キャリッジ2を主走査方向へと移動させることにより、4本の導入針553を順次1本ずつ対応する導入口508aへと合致させ得るようになっている。なお、この導入切換え機構によってインク導入切換え手段及び気体導入切換え手段が構成されている。
【0160】
次に、本実施形態におけるインク交換動作及びインク供給動作を説明する。
【0161】
先にも述べたように、本実施形態においては、インクメディアパック20等の特殊用紙を用いた記録動作と普通紙を用いた記録動作との切換え、及び使用するメディアパック20の種類の変更などが行われるため、その記録媒体の変更に伴って、適用すべきインクの種類も種々変更する必要があり、それまで貯留されていたインクと次の記録動作に使用すべきインクとの交換が必要となる。
【0162】
このインク交換は、図14ないし図19に示すようにして行われる。なお、ここではインクメディアパック20の種類の変更に伴うインク交換時の動作を例にとり説明する。
【0163】
インクメディアパックの交換に際して交換指令を入力すると、まず、サブタンク520を搭載したキャリッジ2が、インクメディアパック20との干渉を避け得る側方の退避位置へと移動し(図1参照)、その状態で使用されていたインクメディアパック20の取り外しを行う。
【0164】
この後、新たなインクメディアパック20を装着し、押圧機構560を退避位置から側方の装着位置へと移動させると、導入切換機構550における筐体556の底部がサブタンク本体521の上面に近接すると共に、筐体556の上面に形成された挿通孔556aに押圧機構560の押圧ピン561が対向する。
【0165】
ここで、新たに装着されたインクメディアパック20のメモリ400から各インク液室503に格納されているインクに関する情報が読み出され、インク交換指令を入力するとその現在のインク情報と、直前に使用されていたインクの情報とに基づき、MPU301が交換を要するインクを判断する。
【0166】
この判断に基づきキャリッジ2が移動し、交換を要するインクを収納した減圧室505の底面に形成された減圧調整口506と記録ヘッド501の吐出口502とを、前記キャップ40または41に設けられた密接部541と542とにそれぞれ対向させる。その後、キャップ40または41が上昇し吐出口502及び減圧調整口506の周囲に密接部541及び542が密接する(図15参照)。
【0167】
この後、減圧切換機構530の回動アーム535が回転し、圧接ローラ536がチューブ531に圧接して吐出口502と吸引ポンプとの連通を遮断する一方、減圧切換弁507bが不図示の押込み部材によりばね507cの付勢力に抗して押し込まれ、減圧室505が減圧調整弁507b等を介して吸引ポンプに連通する。このとき減圧室505に連通可能な導入路508は、封止機構509によって外気から遮断されているため、前記減圧室505内は、吸引ポンプの空気吸引動作によって減圧されて行く。また、この減圧室505内に収納されていたインク液室503はその上半部503aが柔軟性部材によって形成されているため、減圧室505が大気より減圧されると、それに伴ってインク液室503は容積変化を生じ、減圧状態となる。
【0168】
ここで、減圧室505が一定の減圧度に達すると、不図示の押込み部材が減圧調整弁507bに対する押圧を解除し、減圧調整弁507bがばね507cの付勢力に従って初期位置に復帰し、吸気通路505cと吸引ポンプとの連通を遮断して減圧室505及びインク液室503の減圧状態を維持する(図15参照)。
【0169】
次いで、不図示の駆動手段によって偏心カム564は回動中心Coを中心に回転し、周面の点bが頭部562に接する位置で停止する。これにより押圧ピン561は支持体P1の下面から突出し、挿通孔556aから筐体556内に侵入して切換ブロック551を下方へと押し下げ、空気導入口(気体導入口)558と導入路551aとを連通させる(図16参照)。その結果、減圧状態にあるインク液室503には、前記空気導入口558から導入路551a、553a、508及び導入弁505bを経て外気が導入される。この減圧及び空気導入によってインク液室503内では、インクの揺動、撹拌が生じるため、インクの流動性を高めることができる。
【0170】
次に、吸気源としての吸引ポンプを作動させることにより、インク液室503内に残留している前回の記録動作に使用したインクを記録ヘッド501の吐出口502からチューブ531を介して排出させる(図17参照)。この排出工程により、インク液室503内のインクを完全に排出させることができるが、より確実にインクの排出を行おうとする場合には、上述の減圧、空気導入及び排出の各工程を繰り返し実行したり、あるいはまたキャリッジ2を所定距離往復移動させて、内部のインクを揺動させたりすることも有効である。
【0171】
インクの排出完了後は、図18に示すように、偏心カム564を回転させ、その周面の点aを頭部562に当接させる。これにより、押圧ピン561はばね563の付勢力に従って上方の初期位置へと復帰し、導入切換機構550の筐体556から抜脱する。その結果、切換ブロック551と共に導入針553が、ばね554の付勢力によって上昇し、導入口508aから抜脱する。これにより、ボールバルブ509aはばね509bの付勢力によって導入路508の導入口508aを閉塞し、外気との連通を遮断する。
【0172】
またこれと同時に、減圧調整機構507の減圧調整弁507bをばね507cに抗して押圧し、吸気通路505cとチューブ532とを連通させて減圧室505を吸引ポンプに連通させる一方、減圧切換機構530の圧接ローラ536によって吐出口502と吸引ポンプとの連通を遮断し、その状態で吸引ポンプを駆動する。その結果、インク液室503は再び減圧状態となる。
【0173】
次に、前記押圧機構560を駆動し、偏心カム564を回転させて周面の点cを頭部562に圧接させる(図19参照)。これにより、押圧ピン561は下方へと突出して切換ブロック551を最大突出位置へと移動させ、インク導入口559と導入路551aとを連通させる。その結果、インク供給源であるインクメディアパック20からインク液室503に至る経路、すなわち、インクメディアパック20からインク供給管218c、インク導入口559、導入路551a、553a、508、及びインク液室503に至る経路が連通状態となる。
【0174】
このとき、インク液室503は図18に示す減圧工程において、減圧室505と共に減圧状態にあるため、インクメディアパック20に貯留されているインクは、上記経路を経てインク液室503に導入され、その後インク液室503内にインク間が充填されたところで、偏心カム564を回転して押圧ピン561を筐体556から抜脱させ、導入針553を導入口508aから抜脱させることによりインク導入工程は完了し、これによって1つのインク収容室に対するインク交換工程が完了する。なお、このインク導入工程における動作は、記録動作や回復動作によって消費したインクを補充する場合に実行する動作と同一である。
【0175】
また、図18のようにインク充填後に導入針553を抜脱させた後、サブタンク520内の気圧を記録動作に適した減圧度にするため、さらに減圧度を調整しても良い。
【0176】
上記のようにサブタンク520の中の1つの減圧室505におけるインク液室503にインクを供給した後、さらに他のインク液室503に対してインクを供給する必要がある場合には、まず、キャップ40または41が下降してサブタンク505の下面から離間し、次に前述の昇降機構によってキャリッジ2がサブタンクと共に下降して前記筐体556から離間する。この後、キャリッジ2が主走査方向へと移動し、インク交換あるいはインク補充を必要とする他の減圧室505の減圧調整口506及び吐出口502を、キャップ40または41に対向させる。そして再びキャップ40、41が上昇し、減圧調整口506及び吐出口502を密封し、その後は前述と同様に、減圧、空気導入、排出、減圧、インク導入等の工程を順次実行する。以上の動作はインク交換を必要とする各減圧室505に対して繰り返し行なわれる。
【0177】
ところで、本実施形態において設けられている4個の押圧機構560は、単一の偏心カム564が全ての押圧ピン561を同時に同量昇降させる構造となっている。このため、押圧ピン561の押圧動作に伴って導入切換機構550の切換ブロック551及び導入針553にあっても、全てが同時に押圧されることとなる。
【0178】
しかしながら、前述のように各導入針553のうち導入口508aに挿入される導入針553は一本のみであり、その他の導入針553はサブタンク本体521aの上面に形成された12個の導入針挿入用の凹部508cの中の同一列に属する3個に挿入される。この凹部508cの底面上には、適度な弾性を有するインク漏れ防止部材が設けられており、凹部508cに挿入された導入針553の下端はこのインク漏れ防止部材に圧接する。このため、導入針553の先端を破損させることなく不要なインクの漏出を防止することができる。また、導入針553が挿入されていない導入路508の導入口508aはボールバルブ509によって閉塞状態に保たれるため、導入路508内に塵埃などが混入する虞もない。
【0179】
なお、本実施形態における導入路551a,553a及び508は、インクと空気の双方が流動する共通の流路となっているが、インクと空気の導入路をそれぞれ独立した流路とすることも可能である。
【0180】
また、本実施形態では、インク液室内のインクの排出を記録ヘッド501の吐出口からインクを吐出させることによって行うようにしたが、比較的流動面積の大きなインク吐出用の流路を記録ヘッド501の吐出口とは別個に設け、ここからインクを排出させるようにすることも可能であり、これによれば、インクの排出をより迅速に行うことが可能となると共に、インク排出による吐出口の寿命低下等も防止できる。
【0181】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、被記録媒体と被記録媒体に供給するインクの染料の組合せを最適としたり、被記録媒体のインク受容層における細孔のうち、インク色材の平均サイズより大きなサイズの細孔径が占める割合を50%以上、好ましくは70%以上として、インクと被記録媒体とをそれぞれ収納可能な一体型パックに収納するので、ユーザーが上記染色性や細孔径に関する最適な組合せを認識していなくても、高品位な記録を行うことができる。また、その組合せに応じた記録を行うことも可能となる。
【0182】
この結果、ユーザーによるインクと被記録媒体の組合せの選択を容易にし、さらにはパックをプリンタ本体に装着するだけでインクジェットプリンタを多種の特性に対応できるプリンタとして活用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの外観を示す斜視図である。
【図2】上記プリンタを側方から見た断面図であり、主に被記録媒体の搬送機構を示す図である。
【図3】上記プリンタの自動給紙装置(ASF)を示す斜視図である。
【図4】上記プリンタにおいて着脱自在に用いられるインクメディアパックの表側外観を示す斜視図である。
【図5】上記インクメディアパックの裏側の外観を示す斜視図である。
【図6】上記インクメディアパックについてそのインク収納部を開いた状態で示す斜視図である。
【図7】上記インク収納部の内部構造を示す斜視図である。
【図8】上記インクメディアパックがプリンタのASFに装着された状態を示す図である。
【図9】上記プリンタの記録待機時において、インクメディアパックの着脱が行われる場合のインク交換等に関する処理を示すフローチャートである。
【図10】 (A)および(B)は、上記プリンタの電源がオフのときにインクメディアパックの着脱が行われた場合の、記録待機時におけるインク交換等に関する処理を示すフローチャートである。
【図11】上記プリンタとインクメディアパックにおける、主に信号、データの授受のための構成を示すブロック図である。
【図12】上記プリンタで行われる主に記録待機処理時の処理を示すフローチャートである。
【図13】上記記録待機処理時の処理の他の例を示すフローチャートである。
【図14】上記プリンタのインク交換システムにおけるサブタンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦断側面図であり、記録動作中の状態を示している。
【図15】上記プリンタのインク交換システムのサブタンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦断側面図であり、サブタンクを減圧させた状態を示す図である。
【図16】上記プリンタのインク交換システムのサブタンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦断側面図であり、空気導入時の状態を示す図である。
【図17】上記プリンタのインク交換システムのサブタンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦断側面図であり、インク空気排出動作時の状態を示す図である。
【図18】上記プリンタのインク交換システムのサブタンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦断側面図であり、再度サブタンクを減圧させた状態を示している。
【図19】上記プリンタのインク交換システムのサブタンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦断側面図であり、インク導入時の状態を示している。
【図20】上記サブタンクのインク導入孔等を示す説明平面図である。
【符号の説明】
A 記録紙排出方向
1 自動給紙装置(ASF)
2 キャリッジ
2A インク導入部
4 普通紙
5 給紙ローラユニット
6 押圧ローラ
7 紙送りローラ
8 記録領域
20 インクメディアパック
21a、30a 供給部
30 普通紙インク補充ユニット
40 普通紙インク吸引キャップ
41 特殊紙インク吸引キャップ
42 回復系
102 ベース
102a ベース右側板
102b ベース左側板
102d ガイド溝
102e 導入ガイド
102f ストッパ
103 圧板
104 ローラ部
105 サイドガイド
106 分離パッド
107 分離面
150 ロックレバー
150b 突起部
210 被記録媒体収納部
210a ロック穴
211 インク収納部
212 被記録媒体ケース
212b 抜け止め部材
212c ガイドリブ
213 背面カバー
214 保護シート
215 前面開口部
217 被記録媒体
218 インクケース
218a インク室
218b ガイドボス
218d インク袋
219 インクケースカバー
220 ジョイント部
221 ジョイントバルブ
221a 押圧部
300 ホスト機器
301 MPU
302 ROM
304 送受信手段
305 入出力ポート
306 モータ駆動回路
310 コネクタ(プリンタ側)
315 スイッチ
400 コネクタ(インクメディアパック側)
401 プリント基板
501 記録ヘッド
502 吐出口
503 インク液室(インク貯留部)
503a 上半部
503b 下半部
504 インク供給路
505 減圧室
505a 導出口
505b 導出弁
505c 吸気通路
506 減圧調整口
507 減圧調整機構
507a 弁収納室
507b 減圧調整弁
507c ばね
508 導入路
508a 導入口
508b バルブ収納室
508c 凹部
509 封止機構
509a ボールバルブ
509b ばね
510 インク漏れ防止部材
520 サブタンク
521 サブタンク本体
521a 挿通孔
530 減圧切換機構
531 チューブ
532 チューブ
535 回動アーム
537 減圧切換機構
536 圧接ローラ
541 減圧口側密接部
541a 吸引孔
542 吐出口側密接部
542a 吸引孔
550 導入切換機構
551 切換ブロック
551a 導入路
552 Oリング
553 導入針
553a 導入路
554 ばね
556 筐体
556a 挿通孔
556b 挿通孔
556R 収納室
558 空気導入口
559 インク導入口
560 押圧機構
561 押圧ピン
562 頭部
563 ばね
564 偏心カム
570 インク空気導入機[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink-recording medium integrated pack in which ink and a recording medium used in an ink jet recording system are integrally stored.
[0002]
[Prior art]
The ink jet recording method is a method for recording images, characters, etc. by ejecting micro droplets of ink by various operating principles and attaching them to a recording medium such as paper, enabling high speed and low noise recording. It has advantages such as ease of multi-coloring, etc., and a large degree of freedom of patterns that can be recorded, and development and fixing are unnecessary. From this point of view, this type of recording apparatus is rapidly spreading in various fields including information processing as being compatible with various images or recording media.
[0003]
In addition, images formed by the multicolor ink jet recording method can be obtained in comparison with the multicolor printing by the plate making method and the printing by the color photographic method, particularly when the number of production copies is small. Since it can be produced at a lower cost than ordinary multicolor printing or photographic printing, it is widely used in the field of full-color image recording.
[0004]
The recording apparatus or the recording method is being improved in order to cope with the wider application of such an ink jet recording method and to improve the recording characteristics such as recent high-speed recording, high definition, full color, etc. . The characteristics required for more widespread application of ink jet recording methods and improvement of recording characteristics include, for example, high density of ink dots to be recorded, bright and vivid color tone, fast ink absorption, ink dots In the case where the inks overlap, the ink does not flow out or become miserable, and the ink dots spread due to moderate misery.
[0005]
Incidentally, it is known that these characteristics can be realized not only by the recording apparatus or the recording method but also by improving the ink used for recording and the recording medium itself.
[0006]
For example, it is known to use coated paper as a recording medium from the viewpoint of ink absorbability or fixability. For example, silicon pigments such as silica, or colloidal silica, polyvinyl pyrrolidone, polyvinyl alcohol, polyethylene oxide-isocyanate cross-linked products, absorbent polymers such as acrylic polymers having a carboxyl group, or alumina hydrates or oxides. An alumina pigment such as aluminum is applied to paper, film, cloth, etc. together with an aqueous binder. On the other hand, for ink, for example, the permeability of the ink is adjusted with a surfactant or the like contained therein.
[0007]
However, in order to cope with the improvement of the recording characteristics, rather than individually selecting the recording medium or ink corresponding to each characteristic, selecting the one that can realize the above characteristics in the optimum combination of the recording medium and the ink Is more preferable. This is because the ink and the recording medium exhibit their characteristics in a mutual relationship.
[0008]
In this case, in order to specifically realize the optimum combination of the recording medium and the ink in the ink jet recording apparatus, a configuration for replacing or mounting the recording medium and the ink according to the combination of the recording medium and the ink and Requires work. In addition, for example, a recording condition setting operation on a host computer is required, such as setting a recording mode according to the combination. That is, it is complicated to perform these operations and setting operations every time the combination is switched, and there is a problem that it is not easy for the user to obtain an optimal combination.
[0009]
In this regard, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-254700 records a media cartridge in which any combination of a cassette unit for stacking a recording medium and an ink tank and a waste ink tank for storing waste ink of ink is integrated. It is disclosed that the device is detachably mounted. Then, by recognizing the media cartridge that can be attached to and detached from the recording apparatus on the recording apparatus side, the recording mode corresponding to the recording medium and the ink is automatically set, and the recording medium and the ink can be combined with a simple operation. Appropriate recording control can be performed accordingly.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, although the above publication describes a media cartridge in which a cassette containing a recording medium and an ink tank are integrated, in configuring a recording apparatus using the cartridge, the apparatus is made compact, the cartridge is handled and A specific configuration considering the application is not described.
[0011]
Further, considering the materials or compositions of both the recording medium and the ink, there is no suggestion of a combination that can realize the above-described desired recording characteristics from that viewpoint. That is, in the above publication, when plain paper is set as a plain paper cartridge as a recording medium, the ink setting is set to processing liquid, black, yellow, magenta, cyan, while the recording medium is coated paper, glossy paper. When the OHP sheet is set, the ink setting is obtained by removing the processing liquid from the above setting. This is because the above-mentioned coated paper coated with an ink-receiving layer takes into account that the image quality deteriorates when a treatment liquid that insolubilizes the dye is used. Furthermore, the above publication describes that when setting the picture quality mode, the ink settings are, for example, dark black, light black, dark yellow, light yellow, dark magenta, light magenta, dark cyan, and light cyan. ing.
[0012]
As described above, the above-mentioned publication only discloses a combination of inks selected according to a recording medium or a recording mode from a plurality of types of inks that can be easily discriminated by a user as an integral cartridge. It is.
[0013]
On the other hand, for example, from the standpoint of dyeability, even if the recording medium is seemingly the same, if the material or composition is different, the composition of the appropriate ink is also different, and there is an optimum combination in this respect. In this case, there is also the fact that it is almost impossible for the user to select these combinations.
[0014]
As another problem, many currently known ink jet recording apparatuses are more or less related to recording characteristics, and in this case, it is relatively difficult to meet the various recording characteristics described above. There is a problem.
[0015]
For example, the characteristics of the recording head, which is one of the factors that determine the recording characteristics, include the life of the recording head itself, and if the frequency of use is high, the durability is further increased. For example, the ink in the nozzle can be easily removed by performing a recovery operation or the like without recording, or the ink composition hardly changes and is not easily discolored. Since the characteristics of the ink jet recording apparatus are restricted by the factors as described above, if an ink jet recording apparatus having all the characteristics is to be provided, the apparatus tends to increase in size and cost. For this reason, manufacturers such as inkjet printers have characteristics of printers that are compatible with users who use frequently, those that support users who require high-quality, high-quality images, The current situation is that printers are manufactured and sold in accordance with the mainstream of such demands, with capabilities limited to a certain range, such as those corresponding to users who use the printer. For this reason, when a user having an ink jet printer having a certain characteristic A wants to print with a certain other characteristic B, there is a limit to the correspondence even if the special mode is set so as to correspond to the characteristic B. For this reason, in order to sufficiently cope with the characteristic B, there is a problem that the user has no choice but to purchase another printer having the characteristic.
[0016]
In particular, in the case of textile printing for recording on a fabric, there are the following problems.
[0017]
That is, when dyeing a fabric with ink, unlike dyeing on paper or film, there is a process of fixing and washing the dye, so that the dye and the fabric are adapted so that the dye will not be washed away even if washed. It is important to dye and fix in the manner of bonding. The user cannot determine the type of the color material contained in the ink simply by looking at its appearance, and as a result, the combination of the ink and the fabric may be wrong and may not be dyed at all.
[0018]
The relationship between the size of the ink color material and the ink receiving layer of the recording medium has the same problem as described above. That is, when the ink contains a pigment as a colorant and the pore diameter of the ink receiving layer of the recording medium is smaller than the average particle diameter of the pigment, the pigment particles do not firmly enter the pores of the ink receiving layer. However, it is difficult for the user to recognize the particle size of the pigment in the ink and the size of the pores on the surface of the recording medium. The optimal combination with the recording medium may be wrong.
[0019]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and the object of the present invention is to enable various recording characteristics to be realized with a simple configuration. It is an object of the present invention to provide an ink-recording medium integrated pack that facilitates selection of a combination of recording media or saves labor related to the selection.
[0020]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, according to the present invention, in an integrated pack containing ink and a recording medium, the ink contains a pigment, and the recording medium includes an ink receiving layer for receiving the pigment. The receiving layer has a pore size larger than the average particle size of the pigment by 50% or more.The pack is provided with a stirring means capable of stirring the pigment in the ink. The stirring means has a magnetic member attached to the ink bag, and the pack is attached to the printer. At the time, the magnetic field of the electromagnet provided in a part of the carriage acts on the magnetic member in accordance with the passage of the carriage of the printer, so that stirring is performed.It is characterized by that.
[0021]
Preferably, the ink receiving layer has a pore size larger than the average particle size of the pigment, preferably 70% or more.
[0027]
According to the above configuration, the optimum combination of the ink and the recording medium relating to the relationship between the dyeability of the ink to the recording medium and the size of the ink coloring material and the pore diameter in the ink receiving layer of the recording medium is the ink and the recording medium. Since it is stored in an integrated pack that can store each recording medium, the user can identify either the ink in the pack or the recording medium even if the user does not recognize the optimum combination of the dyeability and the pore diameter. Recording can be performed by an optimum combination in terms of recording characteristics. In addition, even if the user cannot specify either ink or a recording medium, the combination of ink and recording medium to be used is appropriate even when recording is performed by selecting any pack. In addition, it is possible to perform recording according to the combination.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0029]
Before describing the configuration of an ink-recording medium integrated pack (hereinafter also referred to as an “ink media pack”) and an ink jet recording apparatus on which the ink-recording medium integrated pack is mounted, an embodiment of the present invention is housed in the ink media pack. A combination of the ink and the recording medium will be described.
[0030]
The ink media pack of this embodiment contains at least an ink containing a dye capable of dyeing a recording medium, or has an ink containing at least a pigment and a pore diameter larger than the particle diameter of the pigment on the surface of 70. A recording medium having an ink receiving layer having at least% is accommodated. As a result, the user can easily obtain a desired image without performing any special setting or selection regarding the ink or the recording medium.
[0031]
Ink components used in the present embodiment include water, water-soluble organic solvents, surfactants, alcohols, and the like, but are not particularly limited thereto. In addition, examples of the dye of the ink according to the first embodiment include direct dyes, acid dyes, basic dyes, reactive dyes, water-soluble dyes typified by food colors, and disperse dyes.
[0032]
Further, the material constituting the fabric used in the first embodiment is cotton, silk, nylon, polyester, wool, rayon, acrylic, acetate, polyurethane, etc., and these constitute the fabric alone or as a blended product. . In addition, the fabric can be pretreated as necessary to improve ink absorbency and prevent misery. For example, those containing urea, water-soluble polymer, water-soluble metal salt and the like are suitable.
[0033]
More specifically, as a combination of the dye used for the ink and the recording medium in this embodiment, for example, reactive dye in the case of cotton or silk, disperse dye in the case of mixed fabric containing polyester fiber, nylon For acid, metal complex, disperse and reactive dyes, for acrylic, acidic, basic and disperse dyes, for vinylon, basic, naphthol and disperse dyes, for vinylidene and polyvinyl chloride, basic Naphthol and disperse dyes can be used. Among these, a combination of polyester fiber and disperse dye, nylon fiber and acid dye or direct dye, silk or cotton and reactive dye is preferable. These dyes can be used alone or as a mixture within a range that does not impair the effect of dyeing.
[0034]
For example, the disperse dye is a material known per se, and is a water-insoluble azo, anthraquinone, or other dye widely used in fiber dyeing or sublimation transfer technology. These disperse dyes do not have water-soluble groups such as sulfonic acid groups and carboxyl groups in their structures, have a molecular weight within a certain range, and are applied after being applied to fibers or woven fabrics as dispersions in water. It is dyed on a fabric mainly composed of synthetic fibers such as polyester and acetate at a temperature of 80 ° C to 250 ° C.
[0035]
Examples of fabrics that can be suitably combined with disperse dyes include woven fabrics made of synthetic fibers such as polyester fibers, acetate fibers, polypropylene fibers, vinylon fibers, and polyamide fibers. Nonwoven fabrics, or these synthetic fibers and other fibers, For example, a blended cotton cloth or a blended nonwoven fabric such as cotton fiber is effective. Any conventionally known fabrics such as woven fabrics and nonwoven fabrics can be used, but in addition, these woven fabrics or nonwoven fabrics may be pretreated for inkjet printing. Such a pretreatment can be carried out by applying a water-soluble or water-dispersible polymer or the like that can quickly absorb and hold the ink applied to the surface of the fibers constituting the woven fabric.
[0036]
The reactive dye used in the present embodiment is particularly preferably a reactive dye having a vinyl sulfone group and / or a monochlorotriazine group. The reason why a more preferable reactive group is specified in this way is that the above-mentioned two reactive groups are excellent in balance in terms of reactivity when considering an inkjet recording system. For example, dichlorotriazine having a strong reactivity tends to be difficult to obtain an effect, and trichloropyrimidine having a low reactivity tends to be less effective.
[0037]
As a fabric that can be suitably dyed using the reactive dyes described above, good results can be obtained by printing on a fabric containing cellulose fibers and / or polyamide fibers by an ink jet method. This fabric is mainly composed of cellulose fibers and / or polyamide fibers, and preferably contains at least an alkaline substance.
[0038]
Furthermore, acidic dyes are soluble in water and have a low molecular weight among dyes whose dye ions are anionic, have affinity for polyamide fibers such as nylon and wool, and have low affinity for cellulose fibers. Is.
[0039]
In addition, the direct dye refers to a dye having a relatively large molecular weight among water-soluble anionic dyes and having an affinity for cellulose fibers.
[0040]
Nylon, acrylic, or the like can be used as a fabric suitable for these acid dyes and direct dyes.
[0041]
Examples of the recording medium used in the second embodiment of the present invention relating to the ink colorant particle size and the pore size of the ink receiving layer include paper and film, and the size for reducing the general permeability of paper. It is preferable that an agent is included. As surface coating agents for recording media, cellulose derivatives such as casein and starch, hydrophilic resins that are swellable with respect to ink, water-repellent substances such as acrylic emulsions, sizing agents, and the like are conventionally used. The surface pore diameter can be controlled by including an inorganic pigment or an organic pigment, but it is not particularly limited thereto.
[0042]
The average particle diameter of the pigment as the ink coloring material is about 70 nm to 200 nm, whereas the average pore diameter of the ink receiving layer is preferably about 90 nm to 220 nm. This is because when the average pore diameter is small, the pigment does not enter the receiving layer, while when it is extremely large, it may fall off. Further, the thickness of the ink receiving layer is preferably not thick, and preferably about the pore diameter. If it is too thick, the pigment sinks in the thickness direction. As a result, the recording density is lowered and the practicality becomes poor.
[0043]
Although the pore diameter of the ink receiving layer described above generally has a certain distribution, the average particle diameter of the pigment in which the pore diameter of 70% or more of the pores in the ink receiving layer of the recording medium is contained in the ink. If it is larger, the pigment penetrates into the recording medium firmly in the entire image, and an image having good scratching properties can be obtained. On the other hand, when the pore diameter larger than the average particle diameter of the pigment is less than 70%, the scratching property may be lowered. If the pore diameter of at least 50% or more of the pores is larger than the average particle diameter of the pigment contained in the ink, the above-described certain effect can be obtained.
[0044]
Examples of some combinations of the ink and the recording medium described above will be described below with reference to experimental examples used in an ink jet recording apparatus described later with reference to FIG.
[0045]
Experimental example 1
10% by weight of reactive dye, 15% by weight of diethylene glycol, 15% by weight of thiodiglycol, 60% by weight of water, yellow, magenta, cyan, black ink,
[0046]
Experimental example 2
3% by weight of direct dye, 15% by weight of diethylene glycol, 15% by weight of thiodiglycol, 67% by weight of water, yellow, cyan and black ink, 3% by weight of acid dye, 15% by weight of diethylene glycol, 15% by weight of thiodiglycol %, Water 67% by weight of magenta ink and nylon 1OO% fabric pretreated with 2% sodium alginate and 3% aqueous solution of ammonium sulfate in an ink media pack for recording, followed by recording at 102 ° C. for 30 minutes Steaming heat treatment with an HT steamer was performed, followed by washing with water and drying. A high-quality image was obtained from the obtained recording sample.
[0047]
Experimental example 3
Polyester decyne pre-treated with yellow, magenta, cyan and black inks of 2.5% by weight disperse dye, 20% by weight diethylene glycol, 5% by weight thiodiglycol and 72.5% by weight water and a 2% aqueous solution of sodium alginate. Was stored in an ink media pack, recorded, and then subjected to steam heat treatment with an HT steamer at 180 ° C. for 5 minutes to carry out reduction cleaning, water washing, and drying steps in a conventional manner. A high-quality image was obtained from the obtained recording sample.
[0048]
Experimental Example 4
Yellow, magenta, cyan, and black inks containing 3% by weight of pigment, 20% by weight of diethylene glycol, 10% by weight of thiodiglycol, and 67% by weight of water, and a recording medium in which 70% of the pore diameter of the surface coat layer is 160 nm or more Was stored in an ink media pack and recording was performed, and a high-quality image with good scratching properties was obtained.
[0049]
The particle size of the pigment in the yellow ink at this time was 140 nm, magenta was 130 nm, cyan was 120 nm, and black was 100 nm.
[0050]
An embodiment of an ink pack that can use the combination of the ink and the recording medium described above and an ink jet recording apparatus using the ink pack will be described below.
[0051]
FIG. 1 is a schematic perspective view showing an ink jet printer which is an embodiment of the ink jet recording apparatus of the present invention. FIG. 2 is a cross-sectional view of the principal part showing mainly the paper feed mechanism of the printer shown in FIG. 1 from the printer side.
[0052]
As shown in FIG. 1, the ink jet printer of this embodiment is detachably mounted with a pack 20 (hereinafter also referred to as “ink media pack”) in which an ink storage portion and a storage portion for a recording medium such as paper are integrated. Can be used. That is, the
[0053]
FIG. 2 shows the loading of the plain paper to the
[0054]
The
[0055]
The
[0056]
Specifically, when the ink is supplied and replaced, the
[0057]
Of course, when the ejection recovery process is performed, the carriage elevating mechanism does not operate, and only the contact by raising the
[0058]
When the ink is supplied and replaced, as will be described later with reference to FIG. 14 and the like, a pressing mechanism (not shown) including a cam, a pushing pin, etc. provided in the printer main body performs a predetermined operation. The pushing pin engages with a predetermined member of the
[0059]
A
[0060]
In the above configuration, at the time of recording, first, a recording medium is supplied to the
[0061]
FIG. 3 is a perspective view showing a detailed configuration of the
[0062]
As shown in the figure, the
[0063]
The
[0064]
Further, the
[0065]
On the
[0066]
The
[0067]
The paper
[0068]
When the plain paper is set or the ink media pack is set, the
[0069]
When the plain paper is fed, the cam rotates a predetermined amount so that the
[0070]
The separated and fed plain paper is fed to the recording medium feeding unit. The paper
[0071]
In this way, plain paper composed of paper or synthetic resin placed on the
[0072]
A
[0073]
Next, the configuration of the
[0074]
4 to 6 are diagrams showing the configuration of the
[0075]
As described above, the ink media pack accommodates an optimum combination of the recording medium and the fabric with respect to the pore diameter and the ink, and enables the automatic recording mode to be set by mounting the pack. That is, in this embodiment, even if the recording medium is the same non-recording medium at first glance for the user, if the material or composition is different, the recording medium that is optimal in terms of recording characteristics is different. When the user installs the selected ink media pack in the printer, the recording mode suitable for the combination of the recording medium loaded and the ink is automatically executed. It is something that can be done.
[0076]
For example, even if the recording medium is the same at first glance, the pore diameter of the ink receiving layer may be different. In this case, depending on the particle size of the pigment relative to the pore diameter, the pigment enters the pores of the ink receiving layer. The amounts are also different, and produce relatively large differences, particularly with respect to scratching after recording. Further, when a fabric is used as the recording medium, the optimum ink for dyeability varies depending on the type of fiber constituting the fabric even if it is the same fabric at first glance. From this point, as described above, the combination of the recording medium and the ink to be combined in the ink media pack is selected.
[0077]
4, 5, and 6, the
[0078]
In this case, when the user can appropriately select and select the type of the recording medium from a plurality of ink media packs, the ink combined in the selected ink media pack is recorded on the specified recording medium. Optimum in terms of characteristics. Also, even if the user mistakenly specifies the recording medium in selecting the ink media pack, the selected ink media pack contains the optimum ink for the recording medium that has been incorrectly specified. As a result of recording using the, it is guaranteed that a good recording is made.
[0079]
The
[0080]
On the other hand, the recording
[0081]
The recording medium stored in the recording
[0082]
Further, as shown in FIG. 6, a
[0083]
In addition, a
[0084]
In this embodiment, the
[0085]
FIG. 7 is a view showing the internal structure of the
[0086]
Inside the
[0087]
Further, a thin plate-like magnetic member is integrally attached to the back side of the
[0088]
Of course, the configuration for the stirring is not limited to the above-described configuration. For example, an ultrasonic transducer may be provided in each ink chamber, or stirring may be performed inside the ink bag.
[0089]
As described above, in the
[0090]
Further, a
[0091]
On the other hand, in a state where the
[0092]
In the present embodiment, the ink storage unit stores the optimal combination of inks for the recording medium. However, in addition to this, when replacing the ink, the ink supply path is connected to the recording head and the recording head. Cleaning ink for cleaning the ink may be stored. In addition, when the discharge energy generating element of the recording head is an electrothermal converter, the electrothermal conversion is performed when the ink that is optimal for the recording medium may cause kogation on the electrothermal converter. A kogation removing liquid for removing kogation on the body may be stored.
[0093]
Next, with reference to FIGS. 3 to 6, an operation for mounting the
[0094]
The
[0095]
In the
[0096]
When the recording
[0097]
Note that the
[0098]
On the other hand, the mounting operation of the
[0099]
FIG. 8 is a view showing a state where the
[0100]
As shown in the drawing, in the mounted state, the
[0101]
The
[0102]
When the
[0103]
FIGS. 9 and 10 are flowcharts showing the processing of the printer associated with the mounting of the
[0104]
As shown in FIG. 9, when an ink media pack is mounted while the power is on, this is performed as part of the recording standby process (step S101) of the printer. That is, this process is started at a predetermined time interval during recording standby, and first, it is determined whether or not an ink media pack is mounted on the printer (S102). This determination processing is performed based on data relating to mounting / non-mounting written in a predetermined memory of the printer together with data such as the ID of the ink media pack, the type of ink, and the recording medium. If it is determined that this data is different from the previous one, the current state including the ID of the installed ink media pack (if installed) is written in the memory (S103). Then, it is determined with reference to the above-mentioned memory whether or not an ink media pack is currently installed (S104). Whether or not the ink media pack is mounted may be determined according to the state of a
[0105]
Here, when it is determined that the ink media pack is installed, it is determined that the ink media pack is installed from the state where the ink media pack is not installed, and the process (a) described below is executed, and step S101 is executed. Continue the waiting process.
[0106]
On the other hand, if it is determined in step S104 that the ink media pack has been removed, (1) plain paper is loaded, (2) during the replacement operation to another type of ink media pack. Since two cases are conceivable, the processing after step S106 is performed.
[0107]
That is, in order to distinguish the case (1) or (2), first, the presence / absence of an ink media pack and the presence / absence of recording data are monitored (S106, S109). When the presence or absence of the ink media pack is detected in step S106, it is determined that the state is the same as the previous time, that is, the ink media pack is removed, and further, it is determined that the recording data is sent from the host (S109). It is determined that plain paper is loaded, and processing (b) described below is executed.
[0108]
If it is detected in step S106 that an ink media pack is present before the recording data is sent, it is determined that the ink media pack is installed, and in step S107, the ink in the ink media pack is determined. It is determined whether the type of ink is the same as the type of ink in the ink media pack that was previously installed. Then, the process (a) is executed only when the ink types are different. If the ink type has not changed, it is not necessary to replace the ink in the recording head, so the standby process is continued.
[0109]
Next, with reference to FIGS. 10A and 10B, processing when an ink media pack is attached or detached when the printer is turned off will be described.
[0110]
As shown in FIG. 10A, when a power-off operation is performed, the current mounting state of the ink media pack is written in the memory (S111), and then the power is shut off. In some cases, the ink media pack is attached or detached while the power is off.
[0111]
Next, when a power-on operation is performed, the processing shown in FIG. 10B is started. First, in step S112, the current mounting state of the ink media pack is compared with that written in step S111. If the mounting state of the ink media pack is the same, it is not necessary to replace the ink in the head, and the process proceeds to the standby process shown in FIG. 9 and ends.
[0112]
On the other hand, if the installed state of the ink media pack is different, the presence / absence of the ink media pack is determined (S113). Here, when it is detected that there is no ink media pack, there are two possible cases: (1) plain paper loaded, and (2) during the replacement operation to another type of pack. As described in FIG. 9, the process proceeds to step S <b> 106 shown in FIG. 9.
[0113]
If it is detected that there is an ink media pack, the ink type in the ink media pack is compared with the ink type information written in step S111 (S114). Here, when the ink types are the same, it is not necessary to replace the ink in the recording head, and the process shifts to a standby process and this process ends.
[0114]
On the other hand, if the ink types are different, the ink in the recording head is replaced, so that the process (a) described below is executed and then the process proceeds to a standby process.
[0115]
Next, the processes (a) and (b) will be described mainly with reference to FIG.
[0116]
Process (a)
This process is performed when the ink media pack is replaced with a different one. First, the
[0117]
In the standby process in step S101, when a recording command is issued, the recording medium is fed from the ink media pack for recording, and discharged after the recording is completed. If ink supply is required for the sub-tank during this recording, the carriage moves to the ink supply position as described above, and ink is supplied for each color.
[0118]
Process (b)
This process is executed when plain paper is directly attached to the
[0119]
FIG. 11 is a block diagram illustrating mainly a control configuration of a system including the ink jet printer and the ink media pack according to the present embodiment.
[0120]
In the
[0121]
The
[0122]
On the other hand, in the system of the
[0123]
Further, an ink media pack
[0124]
The information stored in the
[0125]
FIG. 12 is an outline of a recording process in the ink jet printer according to the present embodiment, and is a flowchart showing a control procedure executed by the
[0126]
After powering on the ink jet printer, the
[0127]
By performing the above control, the inkjet printer can record with the recording data optimized for the combination of the ink set in the ink media pack and the recording medium without any user instruction. Recording can be performed with image quality. In step S310, based on the recording medium type and ink type data read by the
[0128]
In the above embodiment, the recording medium and ink type (ID) stored in the ink media pack are read, and the parameters relating to recording control stored in the
[0129]
In addition to the above, as another embodiment, information to be rewritten from the ink jet printer side while the ink media pack is mounted on the ink jet printer includes the number of recording media in the pack and the ink remaining amount in the pack.
[0130]
FIG. 13 is a flowchart illustrating another example of control by the
[0131]
In FIG. 13, after powering on the inkjet printer, the
[0132]
The status monitor of the host device displays the remaining number of recording media stored in the current ink media pack on the monitor. Next, when it is determined in step S406 that the recording data has been received from the host device, the recording medium in the ink media pack is fed in step S407. At this time, in step S408, a value minus -1 from the current remaining number of recording media is written into the
[0133]
Strictly speaking, the remaining amount of ink in the ink storage unit is calculated based on the amount supplied from the ink storage unit to the sub tank in the carriage. However, the amount of ink stored in the sub tank is small and therefore relatively high. Since ink is supplied from the ink storage unit to the sub-tank at a frequency, the amount of ink discharged by the recording, the preliminary discharge amount, and the like are used as they are in the calculation of the remaining amount of ink in the ink storage unit.
[0134]
By performing the above processing, it is possible to know the current number of recording media in the ink media pack, and by transmitting this data to the
[0135]
Next, an ink replacement system and an ink supply method provided in this embodiment will be described.
[0136]
The ink replacement system in the present embodiment supplies ink from each ink tank storage portion of the ink media pack, which is an ink supply source, to a sub tank mounted on the carriage of the printer apparatus main body. A head, an ink air introduction mechanism, and the like are provided.
[0137]
FIG. 14 to FIG. 19 are explanatory vertical side views showing the sub tank, the recording head, and the ink air supply mechanism of the ink changing system. FIG. 14 shows a state during the recording operation, and FIG. 15 shows a state where the sub tank is depressurized. 16 shows a state at the time of air introduction, FIG. 17 shows a state at the time of ink air discharging operation, FIG. 18 shows a state in which the subtank is decompressed again, and FIG. 19 shows a state at the time of ink introduction.
[0138]
In each drawing,
[0139]
[0140]
In this sub-tank 520,
[0141]
Further, on the upper surface of each sub tank
[0142]
In addition, a
[0143]
[0144]
The
[0145]
Accordingly, the pressure reducing
[0146]
[0147]
The
[0148]
[0149]
The two
[0150]
That is, as shown in FIGS. 15, 18, and 19, when the
[0151]
On the other hand,
[0152]
The
[0153]
One of the
[0154]
In addition, the
[0155]
That is, when the point a on the circumferential surface of the eccentric cam 564 (the point at which the distance from the rotation center C0 is the smallest) is in contact with the
[0156]
On the other hand, the
[0157]
Among them, a plurality (four in this embodiment) of
[0158]
Each switching
[0159]
Further, the introduction needles 553 are arranged along the sub-scanning direction in the same manner as the
[0160]
Next, an ink replacement operation and an ink supply operation in this embodiment will be described.
[0161]
As described above, in the present embodiment, switching between a recording operation using special paper such as the
[0162]
This ink exchange is performed as shown in FIGS. Here, an operation at the time of ink replacement accompanying a change in the type of the
[0163]
When an exchange command is input when replacing the ink media pack, first, the
[0164]
Thereafter, when a new
[0165]
Here, the information about the ink stored in each
[0166]
Based on this determination, the
[0167]
Thereafter, the
[0168]
Here, when the
[0169]
Next, the
[0170]
Next, by operating a suction pump as an intake source, the ink used in the previous recording operation remaining in the
[0171]
After the completion of the ink discharge, as shown in FIG. 18, the
[0172]
At the same time, the pressure reducing
[0173]
Next, the
[0174]
At this time, since the
[0175]
Further, as shown in FIG. 18, after the
[0176]
After supplying ink to the
[0177]
By the way, the four
[0178]
However, as described above, only one
[0179]
The
[0180]
In this embodiment, the ink in the ink liquid chamber is discharged by ejecting ink from the ejection port of the
[0181]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, according to the present invention, the recording medium and the ink dye combination to be supplied to the recording medium are optimized, or the ink color among the pores in the ink receiving layer of the recording medium is optimized. The ratio of the pore size larger than the average size of the material is 50% or more, preferably 70% or more, and the ink and the recording medium are stored in an integrated pack that can store each of them. Even if the optimum combination regarding the pore diameter is not recognized, high-quality recording can be performed. It is also possible to perform recording according to the combination.
[0182]
As a result, the user can easily select the combination of ink and recording medium, and the ink jet printer can be utilized as a printer that can cope with various characteristics simply by mounting the pack on the printer body.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an appearance of an ink jet printer according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the printer as viewed from the side, mainly showing a transport mechanism for a recording medium.
FIG. 3 is a perspective view showing an automatic paper feeder (ASF) of the printer.
FIG. 4 is a perspective view showing an outer appearance of an ink media pack that is detachably used in the printer.
FIG. 5 is a perspective view showing an appearance of the back side of the ink media pack.
FIG. 6 is a perspective view showing the ink media pack with the ink storage portion opened.
FIG. 7 is a perspective view showing an internal structure of the ink storage unit.
FIG. 8 is a diagram illustrating a state where the ink media pack is mounted on the ASF of the printer.
FIG. 9 is a flowchart illustrating processing relating to ink replacement and the like when an ink media pack is attached and detached during the recording standby of the printer.
FIGS. 10A and 10B are flowcharts showing processing relating to ink replacement during recording standby when the ink media pack is attached and detached when the printer is turned off.
FIG. 11 is a block diagram illustrating a configuration for mainly transmitting and receiving signals and data in the printer and the ink media pack.
FIG. 12 is a flowchart showing processing at the time of recording standby processing performed by the printer.
FIG. 13 is a flowchart illustrating another example of the process during the recording standby process.
FIG. 14 is an explanatory longitudinal sectional side view showing a sub tank, a recording head, and an ink air supply mechanism in the ink exchange system of the printer, and shows a state during a recording operation.
FIG. 15 is an explanatory longitudinal sectional side view showing a sub tank, a recording head, and an ink air supply mechanism of the ink exchange system of the printer, and shows a state in which the sub tank is depressurized.
FIG. 16 is an explanatory longitudinal sectional side view showing a sub tank, a recording head, and an ink air supply mechanism of the ink exchange system of the printer, and shows a state when air is introduced.
FIG. 17 is an explanatory longitudinal sectional side view showing a sub tank, a recording head, and an ink air supply mechanism of the ink exchange system of the printer, and shows a state at the time of ink air discharge operation.
FIG. 18 is an explanatory longitudinal sectional side view showing a sub tank, a recording head, and an ink air supply mechanism of the ink exchange system of the printer, and shows a state where the sub tank is depressurized again.
FIG. 19 is an explanatory longitudinal sectional side view showing a sub tank, a recording head, and an ink air supply mechanism of the ink replacement system of the printer, and shows a state when ink is introduced.
FIG. 20 is an explanatory plan view showing ink introduction holes and the like of the sub tank.
[Explanation of symbols]
A Recording paper discharge direction
1 Automatic paper feeder (ASF)
2 Carriage
2A Ink introduction part
4 plain paper
5 Paper feed roller unit
6 Pressing roller
7 Paper feed roller
8 Recording area
20 Ink Media Pack
21a, 30a supply section
30 Plain paper ink replenishment unit
40 Plain paper ink suction cap
41 Special paper ink suction cap
42 Recovery system
102 base
102a Base right side plate
102b Base left side plate
102d guide groove
102e Introduction Guide
102f stopper
103 pressure plate
104 Roller part
105 Side guide
106 Separation pad
107 Separation surface
150 Lock lever
150b protrusion
210 Recording medium storage unit
210a Lock hole
211 Ink storage
212 Recording medium case
212b Retaining member
212c Guide rib
213 Back cover
214 Protective sheet
215 Front opening
217 Recording medium
218 Ink case
218a Ink chamber
218b Guide boss
218d ink bag
219 Ink case cover
220 Joint
221 Joint valve
221a Pressing part
300 Host device
301 MPU
302 ROM
304 Transmission / reception means
305 I / O port
306 Motor drive circuit
310 Connector (printer side)
315 switch
400 connector (ink media pack side)
401 Printed circuit board
501 Recording head
502 Discharge port
503 Ink chamber (ink reservoir)
503a Upper half
503b Lower half
504 Ink supply path
505 decompression chamber
505a outlet
505b Lead valve
505c Intake passage
506 Depressurization adjustment port
507 Depressurization adjustment mechanism
507a Valve storage room
507b Pressure reducing valve
507c spring
508 Introduction route
508a inlet
508b Valve storage room
508c recess
509 Sealing mechanism
509a Ball valve
509b Spring
510 Ink leakage prevention member
520 sub tank
521 Sub tank body
521a Insertion hole
530 Depressurization switching mechanism
531 tubes
532 tubes
535 Rotating arm
537 Pressure reduction switching mechanism
536 Pressure roller
541 Pressure port side close part
541a Suction hole
542 Discharge port side close part
542a Suction hole
550 Introduction switching mechanism
551 switching block
551a Introduction route
552 O-ring
553 Introduction needle
553a introduction path
554 Spring
556 housing
556a insertion hole
556b insertion hole
556R storage room
558 Air inlet
559 Ink inlet
560 Pressing mechanism
561 Pressing pin
562 head
563 Spring
564 Eccentric cam
570 Ink air introduction machine
Claims (2)
前記インクは顔料を含有しており、前記被記録媒体は顔料を受容するためのインク受容層を具え、該インク受容層は前記顔料の平均粒径よりも大きな細孔径を50%以上有し、前記パックには、前記インク中の顔料を撹拌することが可能な撹拌手段が設けられ、該撹拌手段は、インク袋に取り付けられた磁性体部材を有し、当該パックがプリンタに装着されたとき、プリンタのキャリッジの通過に応じてキャリッジの一部に設けられた電磁石の磁界が前記磁性部材に作用することによって撹拌を行なうことを特徴とするパック。In an integrated pack containing ink and a recording medium,
The ink contains a pigment, and the recording medium includes an ink receiving layer for receiving the pigment, and the ink receiving layer has a pore diameter of 50% or more larger than the average particle diameter of the pigment , The pack is provided with stirring means capable of stirring the pigment in the ink, and the stirring means has a magnetic member attached to the ink bag, and when the pack is attached to the printer. A pack in which stirring is performed by the magnetic field of an electromagnet provided in a part of the carriage acting on the magnetic member in response to passage of the carriage of the printer .
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