JP4124526B2 - Normal aggrecan assay and its application - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒアルロン酸に会合能を有するアグリカン(正常アグリカン)の測定方法、より詳細には正常アグリカンの免疫測定方法およびその応用(関節軟骨基質の異常性を検出する方法および正常アグリカン測定用キット)に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟骨中のプロテオグリカンは「アグリカン」とよばれており、コアタンパク質にコンドロイチン硫酸(以下、「CS」ということもある。)およびケラタン硫酸(以下、「KS」ということもある。)が結合した構造を有している。
アグリカンは、通常、軟骨基質においてヒアルロン酸(以下、「HA」ということもある。)と会合し、巨大な会合体を形成している。このアグリカンのHAとの会合能は、軟骨基質の分解や変性に伴って低下することが知られている。
アグリカンの分解物は関節液にも存在しており、軟骨あるいは関節液中のアグリカンのHAとの会合能の低下が、軟骨基質の異常性の指標として有用であることも知られている(WO95/22765号公報)。
【0003】
本明細書では、HAと会合能を有するアグリカンを「正常アグリカン」、HAと会合能を有さないアグリカンを「異常アグリカン」、正常アグリカンと異常アグリカンを合わせて、単に「アグリカン」という。なお本明細書では、関節液中に存在するアグリカンの分解物も「アグリカン」という用語に包含される。
以下、本発明に最も近い技術について、文献名を挙げて説明する。
【0004】
米国特許第5,185,245号には、抗KS抗体または抗CS抗体を固相に固着させ、これに検体(関節液)を接触させ、さらに標識した抗KS抗体または抗CS抗体を接触させることにより、「抗CS抗体(または抗KS抗体)−プロテオグリカン−抗CS抗体(抗KS抗体)」からなるサンドイッチ状複合体を形成させ、これを検出することによる関節液中のプロテオグリカンの検出方法、および関節破壊の検出方法等が記載されている。また、プロテオグリカンのグリコサミノグリカン成分に対する抗体が固着された固相を構成成分として含む、体液中のプロテオグリカンの検出キットが記載されている。しかしながら、正常アグリカンを異常アグリカンと区別して測定する思想、HAと結合能を有するタンパク質を用いること、および特定の抗体(5D4、CS56およびLY111からなる群から選ばれる1または2以上の抗体)が固着された固相を用いることについては記載されていない。
【0005】
WO95/22765号公報には、検体中の正常アグリカンと会合したHAおよび遊離のHAをヒアルロニダーゼ等により分解または除去し、得られた処理検体を正常アグリカンが結合または吸着できる固相(例えばHAを結合させた固相)に接触させ、該固相に結合または吸着した正常アグリカンを検出する方法が記載されている。また固相に結合または吸着した正常アグリカンの検出には、抗CS抗体や抗KS抗体を使用することができる旨、また抗CS抗体として具体的には、CS−56、MO−225、MC21C、S54C、3B3が記載されており、抗KS抗体として具体的には、5D4が記載されている。またこの方法で正常アグリカンを測定することにより、関節炎の病状が把握できる旨が記載されている。
【0006】
しかしながら、特定の抗体(5D4、CS56およびLY111からなる群から選ばれる1または2以上の抗体)が固着された固相を用いること、およびヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質を用いることについては開示がない。なおこの方法では、ヒアルロニダーゼ等の試薬が必要であり、ヒアルロニダーゼ処理のステップ等が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
正常アグリカンを、多くの装置や試薬(例えばヒアルロニダーゼ等)を用いることなく、特異的かつ高感度に、定量性・再現性よく、簡便、迅速かつ安価に測定できる方法が提供できれば、正常アグリカンの測定法として極めて実用性が高く、関節軟骨基質の異常性の検出も極めて容易になり、このような測定方法および測定キットが望まれていた。
すなわち本発明は、正常アグリカンの極めて実用的な測定方法、および極めて実用的な関節軟骨基質の異常性の検出方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の抗体が固着された固相を用いることにより、正常アグリカンが極めて特異的かつ高感度に、定量性・再現性よく、簡便、迅速かつ安価に測定できる方法を見いだし、またこの方法により関節軟骨基質の異常性が極めて簡便に検出できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、下記の工程を少なくとも含むことを特徴とする検体中の正常アグリカンの測定方法(以下、「本発明測定方法」と略称することもある。)を要旨とする。
工程1:抗ケラタン硫酸抗体および抗コンドロイチン硫酸抗体からなる抗体群から選ばれる1または2以上の抗体が固着された固相に検体を接触させ、「固相固着抗体−正常アグリカン−ヒアルロン酸」からなる複合体を形成させる工程。
工程2:前記固相に、さらにヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質を接触させ、「固相固着抗体−正常アグリカン−ヒアルロン酸−ヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程。
工程3:工程2において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程。
【0010】
上記の抗ケラタン硫酸抗体は、好ましくは5D4であり、上記の抗コンドロイチン硫酸抗体が、好ましくはCS56およびLY111からなる抗体群から選ばれる1または2以上の抗体であり、本発明は、好ましくは上記工程1が、5D4、CS56およびLY111からなる抗体群から選ばれる1または2以上の抗体が固着された固相に検体を接触させ、「固相固着抗体−正常アグリカン−ヒアルロン酸」からなる複合体を形成させる工程であることを特徴とする、本発明測定方法を要旨としている。
【0011】
上記のヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質が、標識物質で標識されていることを特徴とし、本発明は、好ましくは上記の工程2が前記固相に、さらに標識物質で標識されているヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質を接触させ、「固相固着抗体−正常アグリカン−ヒアルロン酸−ヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程であることを特徴とする、本発明測定方法を要旨としている。
上記のヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質が、軟骨プロテオグリカンコアタンパク質由来のタンパク質であり、本発明は、好ましくは上記の工程2が前記固相に、さらに軟骨プロテオグリカンコアタンパク質由来の、あるいは標識物質で標識されている軟骨プロテオグリカンコアタンパク質由来のヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質を接触させ、「固相固着抗体−正常アグリカン−ヒアルロン酸−ヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程であることを特徴とする、本発明測定方法を要旨としている。
【0012】
また本発明は、下記の工程を少なくとも含むことを特徴とする関節軟骨基質の異常性を検出する方法。(以下、「本発明検出方法」ともいう)を要旨とする。
工程1:上記の本発明測定方法によって、関節液中の正常アグリカンを測定する。
工程2:工程1により得られた関節液中の正常アグリカン量と、関節軟骨基質の異常性とを関連づける工程。
【0013】
また本発明は、下記の(A)、(B)を少なくとも含むことを特徴とする正常アグリカン測定用キット(以下、「本発明測定キット」と略称することもある。)を要旨としている。
(A)抗ケラタン硫酸抗体および抗コンドロイチン硫酸抗体からなる抗体群から選ばれる1または2以上の抗体が固着された固相。
(B)標識物質で標識された、ヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質。
上記の正常アグリカン測定用キットが、関節軟骨基質の異常性の検出キットであり、本発明は、本発明測定キットからなる、関節軟骨基質の異常性の検出キット(以下、「本発明検出キット」と略称することもある。)を要旨としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
<1>本発明測定方法
本発明測定方法は、下記の工程を少なくとも含むことを特徴とする、検体中の正常アグリカンの測定方法である。
工程1:下記の抗体群から選ばれる1または2以上の抗体が固着された固相に検体を接触させ、「固相固着抗体−正常アグリカン−HA」からなる複合体を形成させる工程。 抗体群:抗KS抗体、抗CS抗体
工程2:前記固相に、さらにHAと結合能を有するタンパク質を接触させ、「固相固着抗体−正常アグリカン−HA−HAと結合能を有するタンパク質」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程。
工程3:工程2において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程。
【0015】
以下、本発明測定方法を各工程ごとに詳述する。
(1) 工程1
(1)−1 抗KS抗体および抗CS抗体
(1)−1−1 抗KS抗体
抗KS抗体は、KSに対して反応する抗体である限りにおいて特に限定されず、またモノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であっても良いが、モノクローナル抗体であることが好ましく、その中でも下記のモノクローナル抗体であることが好ましい。
(A)5D4
5D4〔J.Biol.Chem.,258,8848-(1983)、Eur.J.Biochem.,157,385-391(1986)〕は、ヒト関節軟骨プロテオグリカンモノマーをコンドロイチナーゼABCで消化して得られるプロテオグリカンコアタンパク質を抗原とし、これをマウスに免疫して得られるモノクローナル抗体であり、下記の反応性を有する;角膜と軟骨のKSと反応する。またヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ニワトリ、サメの硝子軟骨から調製したプロテオグリカンモノマーと反応するが、デルマタン硫酸(以下、「DS」ということもある。)、ヘパリン(以下、「Hep」ということもある。)、ヘパラン硫酸(以下、「HS」ということもある。)、HAとは反応しない。
なお5D4は、生化学工業株式会社から販売されている。
【0016】
(1)−1−2 抗CS抗体
抗CS抗体は、CSに対して反応する抗体である限りにおいて特に限定されず、またモノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であっても良いが、モノクローナル抗体であることが好ましく、その中でも下記のモノクローナル抗体であることが好ましい。
(B)CS56
CS56〔Exp.Cell Res.,158,321-(1985)、J.
Cell Biol.,91,205-(1981)、Biochem.
Biophys.Acta.,694,375-(1982)、J.Biol.
Chem.,255,7102-(1980)、Int.Rev.Cytol.,53,65-(1978)〕は、ニワトリ砂嚢線維芽細胞を抗原とし、これをマウスに免疫して得られるモノクローナル抗体であり、下記の反応性を有する;ネイティブなCSプロテオグリカンのグリコサミノグリカン部分に特異的で、コンドロイチン硫酸A(CS−A)とコンドロイチン硫酸C(CS−C)に反応するが、DSとは反応しない。
なおCS56は、生化学工業株式会社から販売されている。
(C)LY111
LY111は、CS−Aを抗原とし、これをマウスに免疫して得られるモノクローナル抗体である。
なおLY111は、生化学工業株式会社から販売されている。
【0017】
(1)−2 固相
抗KS抗体や抗CS抗体を固着する固相は、抗体を固着させることができ、かつ、水、検体または測定反応液に不溶性である限りにおいて特に限定されない。固相の形状としては、プレート(例えばマイクロプレートのウェル等)、チューブ、ビーズ、メンブレン、ゲル等を例示することができる。固相の材質としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリルアミド等が例示される。
これらの中でも、ポリスチレンを材質としたプレートが好ましい。
これらの固相に抗KS抗体および/または抗CS抗体を固着させる方法としては、物理的吸着法、共有結合法、包括法等固定化酵素の調製法として一般的な方法(固定化酵素、1975年、講談社発行、第9〜75頁参照)を応用することができる。
これらの中でも、物理的吸着法が、操作が簡便かつ頻用されていることから好ましい。
物理的吸着法として具体的には、例えば次の方法を挙げることができる;
抗KS抗体および/または抗CS抗体をpH7〜9程度の緩衝液(例えばリン酸緩衝液、リン酸緩衝食塩液(PBS)、炭酸緩衝液等)に溶解して固相(例えばマイクロプレート)に加え、37℃程度で1〜2時間保存するか、4℃程度で一晩保存して固着させる。
また、抗KS抗体および/または抗CS抗体を固着させた固相の表面には、これらが固着していない表面部分が残存している場合があり、そこに検体中のアグリカンや他の分子種が固着すると正確な測定結果が得られなくなるおそれがある。よって、検体を固相と接触させる前にブロッキング物質を添加して抗KS抗体および/または抗CS抗体が固着していない部分を被覆しておくことが好ましい。このようなブロッキング物質としては、血清アルブミン、カゼイン、スキムミルク、ゼラチン等が挙げられ、また、ブロッキング物質として市販されているものを使用することもできる。
ブロッキングの方法として具体的には、例えば次の方法を挙げることができる;ブロッキング物質(血清アルブミン、カゼイン、スキムミルク、ゼラチン等)を添加して、37℃程度で30分〜2時間保存するか、常温(15〜25℃) で1〜2時間保存する。
【0018】
(1)−3 検体
検体は、測定の対象物質である正常アグリカンが含有されている、あるいは正常アグリカンが含有されている可能性がある検体である限りにおいて特に限定されない。また検体は、予め精製されていなくてもよい。検体として具体的には、例えば関節液、軟骨の抽出液、血液、血清、血漿、尿等が例示される。
抗KS抗体および/または抗CS抗体が固着された固相への検体の接触方法は、当該固相と検体とが接触する限りにおいて特に限定されない。例えば、抗KS抗体および/または抗CS抗体が固着された固相に検体を添加して接触させても良く、検体に抗KS抗体および/または抗CS抗体が固着された固相を添加して接触させても良い。
なおこれら両者を接触させた後、抗KS抗体および/または抗CS抗体と検体中の正常アグリカンとを十分に結合させるために、例えば0〜45℃、好ましくは37℃で1時間程度反応させることが好ましい。また反応後、固相と液相の十分な分離または固相の洗浄、例えば、固相の表面を洗浄液で洗浄して非特異吸着物や、反応しなかった検体中の成分を除去することが好ましい。
洗浄液としては、例えば、トゥイーン(Tween)系界面活性剤等の非イオン性界面活性剤を添加した緩衝液(例えばリン酸緩衝液、PBS、トリス塩酸緩衝液等)を用いることが好ましい。
抗KS抗体および/または抗CS抗体が固着された固相に検体を接触させることにより、検体中に含有されているアグリカンと抗KS抗体および/または抗CS抗体が複合体を形成する。なお、正常アグリカンはHAと会合能を有しており、関節液等の検体中では通常「正常アグリカン−HA」からなる複合体として存在しているので、抗KS抗体および/または抗CS抗体が固着された固相に検体を接触させることにより、「固相固着抗体−正常アグリカン−HA」からなる複合体が形成される。また、この工程では「固相固着抗体−異常アグリカン」からなる複合体も形成される。なお、検体中の正常アグリカンが「正常アグリカン−HA」からなる複合体として存在していない場合は、検体に分子量数十万以上のHAを添加して「正常アグリカン−HA」からなる複合体を形成させておく必要がある。
【0019】
(2) 工程2
(2)−1 HAと結合能を有するタンパク質
HAと結合能を有するタンパク質は、HAに結合する能力を有するタンパク質である限りにおいて特に限定されないが、HA結合性のプロテオグリカン(例えば、軟骨プロテオグリカン、軟骨プロテオグリカンのトリプシン消化物、軟骨プロテオグリカンのコンドロイチナーゼABC消化物等)、プロテオグリカンのコアタンパク質(例えば、軟骨プロテオグリカンのコアタンパク質等)、リンクプロテイン、ヒアルロネクチン、CD44、これらのタンパク質のHA結合部位を含む部分タンパク質、あるいは該部分タンパク質と他のタンパク質との融合タンパク質等が挙げられるが、特に軟骨プロテオグリカンのトリプシン消化物、さらにはウシ鼻軟骨のプロテオグリカンのトリプシン消化物が好ましい。なお、ウシ鼻軟骨のプロテオグリカンのトリプシン消化物については、「ヒアルロン酸バインディングプロテイン」として生化学工業株式会社から販売されている。
また、HAと結合能を有するタンパク質は標識物質で標識されていることが、工程3において検出が容易であることから好ましい。
HAと結合能を有するタンパク質の標識に使用される標識物質としては、酵素(ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ等)、蛍光色素(フルオレセインイソチオシアネート(FITC)など〕、化学発光物質(ルミノールなど)、ビオチン、アビジン(ストレプトアビジンを含む)等が挙げられるが、通常タンパク質の標識に可能なものであれば、特に限定されない。標識方法は、標識物質に適した公知の方法、例えば、グルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸架橋法、マレイミド架橋法、カルボジイミド法、活性化エステル法等〔「タンパク質の化学(下)」、東京化学同人、1987年発行参照〕等から適宜選択することができる。例えば標識物質としてビオチンを使用する場合は、ビオチンのヒドラジド誘導体を用いる方法(Avidin-
Biotin Chemistry:A Handbook,p57−63,
PIERCE CHEMICAL COMPANY,1994年発行参照)、またフルオレセインイソチオシアネートを使用する場合は特公昭63−17843号公報記載の方法等から適宜選択できる。
なお、ビオチンで標識されたウシ鼻軟骨のプロテオグリカンのトリプシン消化物については、「ビオチン標識ヒアルロン酸バインディングプロテイン」として生化学工業株式会社から販売されている。
前記固相(「固相固着抗体−正常アグリカン−HA」からなる複合体が形成されたもの)にHAと結合能を有するタンパク質を接触させることにより、「固相固着抗体−正常アグリカン−HA−HAと結合能を有するタンパク質」からなるサンドイッチ状複合体が形成される。「固相固着抗体−異常アグリカン」からなる複合体には、HAと結合能を有するタンパク質が結合しないため、このようなサンドイッチ状複合体は形成されない。
なおこれら両者を接触させた後、「固相固着抗体−正常アグリカン−HA」からなる複合体とHAと結合能を有するタンパク質とを十分に結合させるために、例えば0〜45℃、好ましくは37℃で1時間程度反応させることが好ましい。また反応後、固相と液相の十分な分離または固相の洗浄、例えば、固相の表面を洗浄液で洗浄して非特異吸着物や、反応しなかった上記タンパク質を除去することが好ましい。洗浄液としては、例えば、トゥイーン(Tween)系界面活性剤等の非イオン性界面活性剤を添加した緩衝液を用いることが好ましい。
なお、HAと結合能を有するタンパク質として、軟骨プロテオグリカンのようにKSやCSが結合しているタンパク質を用いる場合には、「固相固着抗体−正常アグリカン−HA」からなる複合体を形成させた後に、前記固相にCSおよび/またはKSを接触させ、未反応の抗体(正常アグリカンとの複合体を形成していない抗体)をブロッキングしておくことが好ましい。
【0020】
(3) 工程3
工程3は、工程2において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程である。検出は、HAと結合能を有するタンパク質に特異的に反応する抗体を用いて行ってもよく、また工程2においてHAと結合能を有するタンパク質を標識物質で標識したものを用いた場合には、用いた標識物質に応じて当業者が適宜検出方法を選択することができる。
例えば、標識物質にビオチンを使用する場合には、ストレプトアビジン等を結合させた酵素を添加して、このストレプトアビジン等を介してペルオキシダーゼ等の酵素を標識物質としてビオチンを含む複合体へ結合させ、該酵素の基質としてテトラメチルベンジジン等の発色基質および過酸化水素水を加え、酵素反応による生成物の発色の度合いを吸光度の変化で測定する方法等を挙げることができる。また、蛍光物質や化学発光物質を使用する場合には、反応後の溶液の蛍光や発光を測定する方法等が挙げられる。なお、「ヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質が、標識物質で標識されている」とは、タンパク質が直接標識されていることのみを意味するのではなく、前記のように標識された抗体やストレプトアビジン等で最終的に標識されうることも意味する。
本発明測定方法において、検体中のアグリカンの濃度は、予め既知濃度のアグリカン標準液を用いてアグリカン濃度と標識物質の検出結果(例えば吸光度)との関係について検量線を作成しておき、未知濃度の検体についての検出結果と前記検量線とを用いることにより求めることができる。
本発明方法によれば、抗KS抗体および/または抗CS抗体と、ヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質を使用することにより、ヒアルロン酸と結合能を有するアグリカン(正常アグリカン)を、異常アグリカンから分別し検出することができる。
本発明測定方法では、後述の実施例からも明らかな通り、ヒアルロニダーゼ等の試薬や高速液体クロマトグラフィー等の装置を使用せずに正常アグリカンの測定が可能であることから、簡便、迅速かつ安価に測定することができる。また本発明測定方法は、正常アグリカンを特異的かつ高感度に、定量性・再現性よく測定することができる。
【0021】
<2>本発明検出方法
本発明検出方法は、下記の工程を少なくとも含む、関節軟骨基質の異常性を検出する方法である。
工程1:請求項1〜5のいずれか1項記載の測定方法によって、関節液中の正常アグリカンを測定する。
工程2:工程1により得られた関節液中の正常アグリカン量と、関節軟骨基質の異常性とを関連づける工程。
以下、本発明検出方法を各工程ごとに詳述する。
【0022】
(1) 工程1
工程1は、上記<1>の本発明測定方法と全く同様であるが、本発明検出方法においては検体として関節液を用いる。なお、軟骨の抽出液を用いてもよい。
(2) 工程2
工程2は、工程1により得られた関節液中の正常アグリカン量と、関節軟骨基質の異常性とを関連づける工程である。
なお、「正常アグリカン量」は、工程1で測定された正常アグリカン量の測定値そのものであってもよく、また関節液中のアグリカン量に対する、工程1で測定された正常アグリカン量の割合であってもよい。関節液中のアグリカン量は、例えば米国特許第5,185,245号等に記載されている方法等により測定することができる。
関節軟骨基質の異常性とは、関節液中の正常アグリカン量の減少を伴う異常性である限りにおいて特に限定されず、例えば関節軟骨の変性や破壊等を伴う疾患、より具体的には変形性関節症、慢性関節リウマチ、外傷性関節炎、痛風等が例示される。このような疾患では、関節液中の正常アグリカン量が健常なヒト(関節軟骨基質の異常性がないヒト)の関節液中の正常アグリカン量に比して有意に減少するので、工程1で測定された正常アグリカン量が健常人の関節液中の正常アグリカン量に比して少ない場合には、「関節軟骨基質の異常性がある」、もしくは「関節軟骨基質に異常性がある可能性が高い」と関連づけることができる。工程1で測定された正常アグリカン量が健常人の関節液中の正常アグリカン量と同等であれば、「関節軟骨基質の異常性がない」、もしくは「関節軟骨基質に異常性がある可能性は低い」と関連づけることができる。
また本発明検出方法においては、関節軟骨基質の異常性の有無のみでなく、当該異常性の程度の検出も含まれる。例えば個人の関節液中の正常アグリカン量を工程1により定期的に測定し、正常アグリカン量が減少傾向にある場合には「関節軟骨基質の異常性が進行している」、もしくは「関節軟骨基質に異常性が進行している可能性が高い」と関連づけることができる。また工程1で測定された正常アグリカン量が増加傾向にある場合には、「関節軟骨基質の異常性が改善方向にある」、もしくは「関節軟骨基質の異常性が改善方向にある可能性が高い」と関連づけることができる。また工程1で測定された正常アグリカン量に変化がない場合には、「関節軟骨基質の異常性(正常性)に変化がない」、もしくは「関節軟骨基質の異常性(正常性)に変化がない可能性が高い」と関連づけることができる。
なお、関節軟骨基質の異常性の検出基準となる正常アグリカン量は、正常アグリカン標準品濃度と標識物質の検出結果との関係について作成した検量線を用いて求めた正常アグリカン濃度であっても良く、また当該検量線を用いずに健常なヒト(関節軟骨基質の異常性がないヒト)の関節液中の正常アグリカン量に対する比であっても良い。
【0023】
<3>本発明測定キット
本発明測定キットは、下記の構成を少なくとも含む、正常アグリカン測定用キットである。
(A)下記抗体群から選ばれる1または2以上の抗体が固着された固相
抗体群:抗ケラタン硫酸抗体、抗コンドロイチン硫酸抗体
(B)標識物質で標識された、ヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質
(A)の固相および(B)のタンパク質についての説明は、<1>本発明測定方法と同様である。
本発明測定キットは、上記(A)および(B)を少なくとも含む限りにおいて特に限定されず、さらに検量線作成のための標準となる既知濃度の正常アグリカン標準品、標識物質の検出試薬、HAと結合能を有するタンパク質を標識する試薬、あるいはHAと結合能を有するタンパク質を検出する試薬(標識された当該タンパク質に対する抗体等)等を構成として加えることができる。また、これらの構成の他に、前記ブロッキング物質、前記洗浄液、検体希釈液、酵素反応停止液等が含まれていてもよい。
これらの構成は、それぞれ別体の容器に収容しておき、使用時に本発明測定方法に従って使えるキットとして保存しておくことができる。
本発明測定キットを用いた正常アグリカンの測定は、上記<1>の本発明測定方法に従って行うことができる。
【0024】
<4>本発明検出キット
本発明検出キットは、本発明測定キットからなる、関節軟骨基質の異常性の検出キットである。本発明検出キットの構成等の説明は、上記<3>の本発明測定キットと同じである。
本発明検出キットを用いた関節軟骨基質の異常性の検出は、上記<2>の本発明検出方法に従って行うことができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
本実施例中で用いた抗体、HAに結合能を有するタンパク質、および正常アグリカンについて説明する。
(1)抗体
(1−1)抗KS抗体として5D4を用いた。5D4の特性等については前記した。
(1−2)抗CS抗体として、CS56、LY111、MO−225およびMC21Cを用いた。CS56およびLY111の特性については前記した。MO−225およびMC21Cの特性について以下に説明する。
MO−225:
MO−225〔J.Biol.Chem.,262,4146−4152(1987)、J.Biol.Chem.,264,8012−8018(1989)〕は、鶏胚肢芽プロテオグリカンを抗原とし、これをマウスに免疫して得られるモノクローナル抗体であり、下記の反応性を有する;
インタクトなCS鎖上の決定基(D−グルクロン酸−2−硫酸(β1→3)−N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸の二糖構造(D−ユニット))を認識し、D−ユニットの繰り返し構造が連なったものはより強く反応する。
なおMO−225は、生化学工業株式会社から販売されている。
MC21C:
MC21C〔Dev.Biol.,133,475-488(1989)、
Differentiation,43,37−50(1990)、Int.
Dev.Biol.,34,191-204(1990)〕は、成熟ラット骨タンパク質を抗原とし、これをマウスに免疫して得られるモノクローナル抗体であり、下記の反応性を有する;
ラット、マウス、ニワトリ、サメ、ウシのインタクトなCS−Cと反応し、DS、ヘパラン硫酸(以下、「HS」ということもある。)やKSとは反応しない。
なおMC21Cは、生化学工業株式会社から販売されている。
(1−3)抗プロテオグリカンコアタンパク質抗体として、2−B−1を用いた。2−B−1の特性について以下に説明する。
2−B−1〔Histochemical J.,21,455−459(1989)〕は、ヒトのヨークサック腫瘍より調製したプロテオグリカンを抗原として、これをマウスに免疫して得られるモノクローナル抗体であり、下記の反応性を有する;
プロテオグリカンのコアタンパク質を認識する。成人の組織では、大動脈の内膜、中膜が染色され、血管周囲および筋周囲の結合組織には弱く反応し、一方、胎児では全ての組織において間質が強く染色される。癌組織では、胃癌、直腸癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌等の全ての間質線維成分と反応し、癌特有の間質像を示す。
なお2−B−1は、生化学工業株式会社から販売されている。
【0026】
(2)HAに結合能を有するタンパク質
生化学工業株式会社から販売されている、「ビオチン標識ヒアルロン酸結合性タンパク質」を用いた。これは、ウシ鼻中隔軟骨から塩酸グアニジン抽出したコアタンパク質をトリプシン消化後、アフィニティークロマトグラフィーにより精製したものを、N−ヒドロキシスクシンイミドビオチンにより標識したものである。
【0027】
(3)正常アグリカン
正常アグリカンの標準品として、生化学工業株式会社製のウシ軟骨プロテオグリカン(ウシの正常アグリカン)を使用した。
【0028】
実施例1
本発明測定方法による正常アグリカンの測定
(1)上記抗体をリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2〜7.5、二価イオン不含)〔以下、「PBS(−)」ということもある。〕で20μg/mLに希釈し、この溶液50μL(1μg/ウェル)ずつを96ウェルのイムノプレート(ヌンク社製;商品名マキシソープ)の各ウェルに加え、4℃で16時間保存することにより、均一に固着させた。
(2)このプレートをPBS(−)で2回洗浄し、ブロッキング物質として3%ウシ血清アルブミン(BSA;生化学工業株式会社販売)を含むPBS(−)溶液を加えて、室温で2時間静置した。
次いで、このプレートを洗浄液〔0.05%トゥイーン20(和光純薬工業株式会社製)を含むPBS(−)〕で3回洗浄後、1%BSAを含むPBS(−)(以下、「反応希釈液」という。)で希釈したウシ正常アグリカン100,10,1,0.1または0.01μg/mlの濃度のもの(以下、「正常アグリカン標準溶液」ということもある。)を添加し、37℃で1時間反応させた。
上記の溶液を除去し、抗KS抗体が固着されたプレートには反応希釈液で希釈した5μg/mlのサメ鰭由来ケラタン硫酸50μlをウェルに添加し、抗CS抗体が固着されたプレートには反応希釈液で希釈した0、1、5または10μg/mlのコンドロイチン硫酸D(生化学工業株式会社製)50μlをウェルに添加し、37℃で60分間静置することにより、未反応の抗体をブロッキングした。
このプレートを前記洗浄液にて3回洗浄し、反応希釈液で希釈したビオチン標識−ヒアルロン酸結合性タンパク質(生化学工業株式会社販売)を終濃度1μg/mlで添加し、37℃で60分間静置して反応させた。
このプレートを前記洗浄液で3回洗浄し、反応希釈液で5000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン(Jackson社製、生化学工業株式会社販売)50μlを加え、37℃で30分間静置して反応させた。プレートを前記洗浄液で3回洗浄後、ペルオキシダーゼの基質としてテトラメチルベンジジン溶液(モス社製:以下、「TMB」と略す。)を50μl 加え、37℃で15分間反応させ、発色させた。
発色後、プレートに1N−HC1を50μl 加えて反応を停止させ、TMBの分解による着色液の波長450nmでの吸光度(対照波長630nm)(A450/630)をウェルリーダーSK601(生化学工業株式会社販売)にて測定した。5D4の結果を図1に、CS56の結果を図2に、LY111の結果を図3に、MO−225の結果を図4に、MC21Cの結果を図5に、2−B−1の結果を図6にそれぞれ示す。
図1〜図3の結果から、5D4、CS56およびLY111を固着させた固相を用いた場合には検量線が得られ、およそ0.1〜10μg/mLの範囲で定量が可能であることがわかる。この結果から、本発明方法によれば、正常アグリカンを高感度に、定量性・再現性よく測定できることが示された。
これに対し、図4〜図6からわかるように、抗CS抗体であるMO−225およびMC21C並びに抗プロテオグリカンコアタンパク質抗体である2−B−1を固着させた固相を用いた場合は、検量線が得られず、本発明における正常アグリカンの測定には向かないことが示された。
なお図1〜図3の結果からわかるように、正常アグリカンの検量線は、ブロッキングに使用したコンドロイチン硫酸Dの濃度によって影響を受けなかった。
【0029】
実施例2
ヒアルロン酸 、 ケラタン硫酸、ヒアルロニダーゼおよびケラタナーゼによる影響
反応希釈液で希釈した種々の濃度のHAおよびKSを各々実施例1の方法(抗体は5D4を使用)で測定し、本発明測定方法の特異性を検討した。また実施例1の方法に従い、正常アグリカン標準溶液と10mU/ウェルのヒアルロニダーゼSD(生化学工業株式会社販売)または5mU/ウェルのケラタナーゼII(生化学工業株式会社販売)をウェルに添加し37℃で60分間反応させ、本発明測定方法への影響を検討した。
HAを測定した結果を図7に、KSを測定した結果を図8に、ヒアルロニダーゼSDによる影響を調べた結果を図9に、ケラタナーゼIIによる影響を調べた結果を図10にそれぞれ示す。
これらの結果から、本発明測定方法はHAまたはKS単独では反応せず、また、ヒアルロニダーゼ、ケラタナーゼ添加により阻害をうけることから、KSを分子内に含み、HAと会合している正常アグリカンを特異的に測定していることが示された。 本発明方法では、ヒアルロニダーゼ処理や、高速液体クロマトグラフィー等による分析を必要としないので、簡便、迅速かつ安価に正常アグリカンを測定できる。
【0030】
実施例3
関節炎の軟骨中の正常アグリカンの定量
健常ウサギ(10例)、パパイン惹起関節炎ウサギ(10例)の左右の大腿骨および左右の脛骨の関節軟骨中に存在する正常アグリカンの定量を実施例1に記載した方法にて行った。関節軟骨は凍結乾燥後、グアニジン塩酸を含む抽出液で処理した。結果を図11に示した。図11より、パパイン惹起関節炎ウサギ軟骨中の正常アグリカン量の平均値は、健常ウサギに比べ、有意に低値を示した。また、健常ウサギおよびパパイン惹起関節炎ウサギの関節液中の正常アグリカンも同様に測定したところ、同様の結果が得られた。
【0031】
実施例4
本発明測定キットおよび本発明検出キット
下記の構成からなる本発明測定キットおよび本発明検出キットを作成した。
1.CS56が固着された96ウェルのイムノプレート 1枚
2.正常アグリカン標準溶液 1セット
3.ビオチン標識−ヒアルロン酸結合性タンパク質 1本
4.ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン 1本
5.TMB溶液 1本
6.反応停止液(1N HCl) 1本
また、上記1のイムノプレートを、5D4が固着された96ウェルのイムノプレート又はLY111が固着された96ウェルのイムノプレートに置換した上記本発明測定キットおよび本発明検出キットを作成した。
【0032】
【発明の効果】
本発明測定方法は、正常アグリカンを特異的かつ高感度に、定量性・再現性よく、簡便、迅速かつ安価に測定できる方法であり、非常に実用性が高い方法である。また本発明検出方法は本発明測定方法を応用したものであり、関節軟骨基質の異常性が極めて簡便に検出できるので、非常に実用性が高い方法である。また本発明測定キットおよび本発明検出キットは、本発明測定方法および本発明検出方法を利用するキットであるので、正常アグリカンを特異的かつ高感度に、定量性・再現性よく、簡便、迅速に測定でき、かつ安価に提供できる。
本発明は軟骨疾患の状態の把握等のみならず、関節疾患に関する医薬品開発の有用な評価方法としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】5D4を固着させたプレートを用いた場合における正常アグリカンの測定結果を示す。
【図2】CS56を固着させたプレートを用いた場合における正常アグリカンの測定結果を示す。
【図3】LY111を固着させたプレートを用いた場合における正常アグリカンの測定結果を示す。
【図4】MO−225を固着させたプレートを用いた場合における正常アグリカンの測定結果を示す。
【図5】MC21Cを固着させたプレートを用いた場合における正常アグリカンの測定結果を示す。
【図6】2−B−1を固着させたプレートを用いた場合における正常アグリカンの測定結果を示す。
【図7】本発明測定方法を用いた、HAの測定結果を示す。
【図8】本発明測定方法を用いた、KSの測定結果を示す。
【図9】本発明測定方法における、ヒアルロニダーゼの影響を示す。
【図10】本発明測定方法における、ケラタナーゼの影響を示す。
【図11】健常ウサギ軟骨抽出液およびパパイン惹起関節炎関節軟骨抽出液中の正常アグリカンの濃度を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for measuring aggrecan having a capability of associating with hyaluronic acid (normal aggrecan), more specifically, a method for immunoassay of normal aggrecan and its application (method for detecting abnormality of articular cartilage matrix and kit for measuring normal aggrecan) )
[0002]
[Prior art]
Proteoglycan in cartilage is called “aggrecan”, and is a structure in which chondroitin sulfate (hereinafter also referred to as “CS”) and keratan sulfate (hereinafter also referred to as “KS”) are bound to a core protein. have.
Aggrecan usually associates with hyaluronic acid (hereinafter sometimes referred to as “HA”) in the cartilage matrix to form a huge aggregate. It is known that the ability of aggrecan to associate with HA decreases with cartilage matrix degradation and degeneration.
It is also known that degradation products of aggrecan are also present in synovial fluid, and a decrease in the ability of aggrecan in the cartilage or synovial fluid to associate with HA is useful as an indicator of cartilage matrix abnormality (WO95). / 22765 gazette).
[0003]
In the present specification, an aggrecan having an ability to associate with HA is referred to as “normal aggrecan”, an aggrecan having no ability to associate with HA is referred to as “abnormal aggrecan”, and a normal aggrecan and abnormal aggrecan are simply referred to as “aggrecan”. In the present specification, the degradation product of aggrecan present in joint fluid is also encompassed by the term “aggrecan”.
Hereinafter, the technique closest to the present invention will be described with reference to literature names.
[0004]
In US Pat. No. 5,185,245, an anti-KS antibody or anti-CS antibody is fixed to a solid phase, a specimen (joint fluid) is brought into contact therewith, and a labeled anti-KS antibody or anti-CS antibody is further brought into contact therewith. A method for detecting proteoglycan in synovial fluid by forming a sandwich-like complex consisting of "anti-CS antibody (or anti-KS antibody) -proteoglycan-anti-CS antibody (anti-KS antibody)", In addition, a method for detecting joint destruction is described. In addition, a detection kit for proteoglycans in body fluids is described that includes a solid phase to which an antibody against the glycosaminoglycan component of proteoglycan is fixed as a constituent component. However, the idea of measuring normal aggrecan separately from abnormal aggrecan, using a protein capable of binding to HA, and a specific antibody (one or more antibodies selected from the group consisting of 5D4, CS56 and LY111) are fixed There is no mention of using a prepared solid phase.
[0005]
In WO95 / 22765, a solid phase (for example, HA is bound) to which normal aggrecan is bound or adsorbed by decomposing or removing HA associated with normal aggrecan and free HA in the sample with hyaluronidase or the like. A normal aggrecan bound to or adsorbed to the solid phase is described. In addition, for detection of normal aggrecan bound or adsorbed to the solid phase, anti-CS antibody or anti-KS antibody can be used, and specific examples of anti-CS antibodies include CS-56, MO-225, MC21C, S54C and 3B3 are described, and specifically, 5D4 is described as the anti-KS antibody. In addition, it is described that the condition of arthritis can be grasped by measuring normal aggrecan by this method.
[0006]
However, there is disclosure about using a solid phase to which a specific antibody (one or two or more antibodies selected from the group consisting of 5D4, CS56 and LY111) is fixed, and using a protein capable of binding to hyaluronic acid. Absent. In this method, a reagent such as hyaluronidase is necessary, and a hyaluronidase treatment step and the like are necessary.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Measurement of normal aggrecan can be achieved by providing a method that can measure normal aggrecan in a specific, highly sensitive, quantitative and reproducible, simple, rapid and inexpensive manner without using many devices and reagents (eg, hyaluronidase). The method is extremely practical and the detection of abnormalities of the articular cartilage matrix becomes extremely easy, and such a measurement method and measurement kit have been desired.
That is, an object of the present invention is to provide a very practical method for measuring normal aggrecan and a very practical method for detecting abnormalities of articular cartilage matrix.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the inventor of the present invention uses a solid phase to which a specific antibody is fixed, so that normal aggrecan is extremely specific, highly sensitive, quantitative and reproducible, and simple. The present inventors have found a method that can be measured quickly and inexpensively, and found that the abnormality of the articular cartilage matrix can be detected very simply by this method, thereby completing the present invention.
[0009]
That is, the gist of the present invention is a method for measuring normal aggrecan in a specimen (hereinafter also abbreviated as “the measurement method of the present invention”), characterized by including at least the following steps.
Step 1: A specimen is brought into contact with a solid phase to which one or two or more antibodies selected from an antibody group consisting of an anti-keratan sulfate antibody and an anti-chondroitin sulfate antibody are fixed, and from “solid phase fixed antibody-normal aggrecan-hyaluronic acid” Forming a complex.
Step 2: A protein having binding ability to hyaluronic acid is further brought into contact with the solid phase to form a sandwich complex composed of “solid-phase-fixed antibody-normal aggrecan-hyaluronic acid-protein having binding ability to hyaluronic acid”. Process.
Step 3: A step of detecting the sandwich complex formed in Step 2.
[0010]
The anti-keratan sulfate antibody is preferably 5D4, and the anti-chondroitin sulfate antibody is preferably one or more antibodies selected from the antibody group consisting of CS56 and LY111. In
[0011]
The protein having the ability to bind to hyaluronic acid is labeled with a labeling substance, and the present invention is preferably hyaluronic acid in which the above step 2 is further labeled with the labeling substance on the solid phase. And a protein having binding ability to contact with each other to form a sandwich complex consisting of “solid-phase-fixed antibody-normal aggrecan-hyaluronic acid-hyaluronic acid and binding protein”. The gist of the invention measurement method.
The protein having the ability to bind to hyaluronic acid is a protein derived from cartilage proteoglycan core protein. In the present invention, preferably, the above step 2 is performed on the solid phase and further derived from cartilage proteoglycan core protein or a labeling substance. A sandwich-like complex composed of “solid-phase-adhered antibody-normal aggrecan-hyaluronic acid-hyaluronic acid-binding protein” is brought into contact with the labeled cartilage proteoglycan core protein-derived hyaluronic acid. The gist of the measurement method of the present invention is characterized by being a step of forming.
[0012]
The present invention also includes a method for detecting an abnormality of an articular cartilage matrix, comprising at least the following steps. (Hereinafter also referred to as “the detection method of the present invention”).
Step 1: Normal aggrecan in joint fluid is measured by the above-described measurement method of the present invention.
Step 2: A step of associating the amount of normal aggrecan in the joint fluid obtained in
[0013]
The gist of the present invention is a normal aggrecan measurement kit (hereinafter sometimes abbreviated as “the measurement kit of the present invention”) characterized in that it contains at least the following (A) and (B).
(A) A solid phase to which one or more antibodies selected from the group consisting of an anti-keratan sulfate antibody and an anti-chondroitin sulfate antibody are fixed.
(B) A protein labeled with a labeling substance and capable of binding to hyaluronic acid.
The kit for measuring normal aggrecan is a detection kit for abnormalities of articular cartilage matrix, and the present invention is a kit for detecting abnormalities of articular cartilage matrix (hereinafter referred to as “the detection kit of the present invention”). It may be abbreviated as “)”.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described.
<1> Measurement method of the present invention
The measurement method of the present invention is a method for measuring normal aggrecan in a specimen, comprising at least the following steps.
Step 1: A step of bringing a specimen into contact with a solid phase to which one or two or more antibodies selected from the following antibody group are fixed to form a complex consisting of “solid phase fixed antibody-normal aggrecan-HA”. Antibody group: anti-KS antibody, anti-CS antibody
Step 2: A step of bringing a protein having binding ability with HA into contact with the solid phase to form a sandwich complex composed of “solid phase-fixed antibody-normal aggrecan-HA-HA and binding protein”.
Step 3: A step of detecting the sandwich complex formed in Step 2.
[0015]
Hereinafter, the measurement method of the present invention will be described in detail for each step.
(1)
(1) -1 Anti-KS antibody and anti-CS antibody
(1) -1-1 anti-KS antibody
The anti-KS antibody is not particularly limited as long as it is an antibody that reacts with KS, and may be a monoclonal antibody or a polyclonal antibody, and is preferably a monoclonal antibody. It is preferably an antibody.
(A) 5D4
5D4 [J. Biol. Chem., 258, 8848- (1983), Eur. J. Biochem., 157, 385-391 (1986)] was obtained by digesting human articular cartilage proteoglycan monomer with chondroitinase ABC. It is a monoclonal antibody obtained by immunizing mice with the proteoglycan core protein obtained as an antigen, and has the following reactivity; it reacts with KS of cornea and cartilage. It also reacts with proteoglycan monomers prepared from hyaline cartilage of humans, monkeys, cows, sheep, chickens, and sharks, but dermatan sulfate (hereinafter sometimes referred to as “DS”), heparin (hereinafter also referred to as “Hep”). Does not react with heparan sulfate (hereinafter sometimes referred to as “HS”) and HA.
5D4 is sold by Seikagaku Corporation.
[0016]
(1) -1-2 anti-CS antibody
The anti-CS antibody is not particularly limited as long as it is an antibody that reacts with CS, and may be a monoclonal antibody or a polyclonal antibody, and is preferably a monoclonal antibody. It is preferably an antibody.
(B) CS56
CS56 [Exp. Cell Res., 158, 321- (1985), J.
Cell Biol., 91, 205- (1981), Biochem.
Biophys. Acta., 694, 375- (1982), J. Biol.
Chem., 255, 7102- (1980), Int. Rev. Cytol., 53, 65- (1978)] is a monoclonal antibody obtained by immunizing mice with chicken gizzard fibroblasts as an antigen. Specific for the glycosaminoglycan part of native CS proteoglycan, reacts with chondroitin sulfate A (CS-A) and chondroitin sulfate C (CS-C), but not with DS .
CS56 is sold by Seikagaku Corporation.
(C) LY111
LY111 is a monoclonal antibody obtained by immunizing mice with CS-A as an antigen.
LY111 is sold by Seikagaku Corporation.
[0017]
(1) -2 Solid phase
The solid phase to which the anti-KS antibody or the anti-CS antibody is fixed is not particularly limited as long as the antibody can be fixed and is insoluble in water, a specimen, or a measurement reaction solution. Examples of the shape of the solid phase include a plate (for example, a well of a microplate), a tube, a bead, a membrane, a gel, and the like. Examples of the solid phase material include polystyrene, polypropylene, nylon, and polyacrylamide.
Among these, a plate made of polystyrene is preferable.
As a method for fixing an anti-KS antibody and / or an anti-CS antibody to these solid phases, a general method (immobilized enzyme, 1975) as a method for preparing an immobilized enzyme such as a physical adsorption method, a covalent bond method, and a comprehensive method. Year, published by Kodansha, see pages 9-75).
Among these, the physical adsorption method is preferable because the operation is simple and frequently used.
Specific examples of the physical adsorption method include the following methods;
An anti-KS antibody and / or anti-CS antibody is dissolved in a buffer solution (eg, phosphate buffer, phosphate buffered saline (PBS), carbonate buffer, etc.) having a pH of about 7 to 9, and is dissolved in a solid phase (eg, a microplate). In addition, it is stored at about 37 ° C. for 1 to 2 hours, or is stored at about 4 ° C. overnight and fixed.
In addition, on the surface of the solid phase to which the anti-KS antibody and / or anti-CS antibody is fixed, there may be a case where a surface portion to which these are not fixed remains, and there are aggrecan and other molecular species in the specimen. If it adheres, accurate measurement results may not be obtained. Therefore, it is preferable to add a blocking substance before the specimen is brought into contact with the solid phase so as to cover the portion where the anti-KS antibody and / or the anti-CS antibody is not fixed. Examples of such blocking substances include serum albumin, casein, skim milk, gelatin, and the like, and commercially available blocking substances can also be used.
Specific examples of the blocking method include the following method; a blocking substance (serum albumin, casein, skim milk, gelatin, etc.) is added and stored at about 37 ° C. for 30 minutes to 2 hours, Store at room temperature (15-25 ° C.) for 1-2 hours.
[0018]
(1) -3 Sample
The specimen is not particularly limited as long as it contains a normal aggrecan as a measurement target substance or a specimen that may contain a normal aggrecan. The specimen may not be purified in advance. Specific examples of the specimen include joint fluid, cartilage extract, blood, serum, plasma, urine and the like.
The method of contacting the specimen with the solid phase to which the anti-KS antibody and / or anti-CS antibody is fixed is not particularly limited as long as the solid phase and the specimen are contacted. For example, the sample may be added to and contacted with the solid phase to which the anti-KS antibody and / or anti-CS antibody is fixed, or the solid phase to which the anti-KS antibody and / or anti-CS antibody is fixed is added to the sample. You may make it contact.
In addition, after making these both contact, in order to sufficiently bind the anti-KS antibody and / or anti-CS antibody and normal aggrecan in the specimen, for example, react at 0 to 45 ° C., preferably 37 ° C. for about 1 hour. Is preferred. In addition, after the reaction, the solid phase and the liquid phase can be sufficiently separated or the solid phase can be washed, for example, the surface of the solid phase can be washed with a washing solution to remove non-specifically adsorbed substances and components in the sample that have not reacted. preferable.
As the cleaning solution, for example, a buffer solution (for example, phosphate buffer solution, PBS, Tris-HCl buffer solution, etc.) to which a nonionic surfactant such as a Tween surfactant is added is preferably used.
By contacting the specimen with a solid phase to which the anti-KS antibody and / or anti-CS antibody is fixed, the aggrecan contained in the specimen and the anti-KS antibody and / or anti-CS antibody form a complex. In addition, normal aggrecan has the ability to associate with HA, and is usually present as a complex consisting of “normal aggrecan-HA” in specimens such as joint fluid. Therefore, anti-KS antibody and / or anti-CS antibody is By bringing the specimen into contact with the fixed solid phase, a complex consisting of “solid phase-fixed antibody-normal aggrecan-HA” is formed. In this step, a complex composed of “solid-phase-fixed antibody-abnormal aggrecan” is also formed. In addition, when normal aggrecan in the sample does not exist as a complex composed of “normal aggrecan-HA”, a complex composed of “normal aggrecan-HA” is added by adding HA having a molecular weight of several hundred thousand or more to the sample. It needs to be formed.
[0019]
(2) Process 2
(2) -1 Protein having binding ability to HA
The protein having the ability to bind to HA is not particularly limited as long as it is a protein having the ability to bind to HA, but HA-binding proteoglycan (for example, cartilage proteoglycan, tryptic digest of cartilage proteoglycan, chondroitinase of cartilage proteoglycan ABC digest, etc.), proteoglycan core protein (eg, cartilage proteoglycan core protein), link protein, hyaluronectin, CD44, partial protein containing HA binding site of these proteins, or the partial protein and other proteins Among them, a tryptic digest of cartilage proteoglycan, and a trypsin digest of bovine nasal cartilage proteoglycan are particularly preferable. The tryptic digest of bovine nasal cartilage proteoglycan is sold as “hyaluronic acid binding protein” by Seikagaku Corporation.
In addition, it is preferable that the protein having the ability to bind to HA is labeled with a labeling substance because detection in Step 3 is easy.
Labeling substances used for labeling a protein having binding ability with HA include enzymes (peroxidase, alkaline phosphatase, β-galactosidase, luciferase, acetylcholinesterase, etc.), fluorescent dyes (fluorescein isothiocyanate (FITC), etc.), chemiluminescence Examples include substances (such as luminol), biotin, avidin (including streptavidin), etc., but are not particularly limited as long as they are usually capable of labeling proteins. For example, the glutaraldehyde method, the periodic acid crosslinking method, the maleimide crosslinking method, the carbodiimide method, the activated ester method, etc. ["Protein Chemistry (below)", Tokyo Chemical Dojin, published in 1987) can be selected as appropriate. For example, bio as a labeling substance When using emissions, a method of using a hydrazide derivative of biotin (Avidin-
Biotin Chemistry: A Handbook, p57-63,
In the case of using fluorescein isothiocyanate, the method described in JP-B-63-17843 can be appropriately selected.
A tryptic digest of bovine nasal cartilage proteoglycan labeled with biotin is sold as “Biotin-labeled hyaluronic acid binding protein” by Seikagaku Corporation.
By contacting a protein having a binding ability with HA to the solid phase (in which a complex composed of “solid-phase-fixed antibody-normal aggrecan-HA” is formed), “solid-phase-fixed antibody-normal aggrecan-HA— A sandwich complex consisting of “a protein capable of binding to HA” is formed. Since a protein composed of “solid-phase-fixed antibody-abnormal aggrecan” does not bind to a protein capable of binding to HA, such a sandwich-like complex is not formed.
In order to sufficiently bind the complex consisting of “solid-phase-fixed antibody-normal aggrecan-HA” and the protein capable of binding to HA, for example, 0 to 45 ° C., preferably 37 It is preferable to react at about 1 hour for about 1 hour. Further, after the reaction, it is preferable to sufficiently separate the solid phase and the liquid phase or to wash the solid phase, for example, to wash the surface of the solid phase with a washing solution to remove non-specifically adsorbed substances and the protein that has not reacted. As the cleaning liquid, for example, a buffer solution to which a nonionic surfactant such as a Tween surfactant is added is preferably used.
When a protein having KS or CS binding, such as cartilage proteoglycan, is used as the protein capable of binding to HA, a complex consisting of “solid-phase-fixed antibody-normal aggrecan-HA” was formed. It is preferable that CS and / or KS is subsequently brought into contact with the solid phase to block unreacted antibodies (antibodies not forming a complex with normal aggrecan).
[0020]
(3) Process 3
Step 3 is a step of detecting the sandwich complex formed in Step 2. Detection may be performed using an antibody that specifically reacts with a protein capable of binding to HA, and when a protein labeled with a labeling substance is used in step 2 with a protein capable of binding to HA, A person skilled in the art can appropriately select a detection method according to the labeling substance used.
For example, when using biotin as a labeling substance, an enzyme conjugated with streptavidin or the like is added, and an enzyme such as peroxidase is bound to a complex containing biotin as a labeling substance via this streptavidin or the like, Examples include a method in which a coloring substrate such as tetramethylbenzidine and a hydrogen peroxide solution are added as a substrate of the enzyme, and the degree of coloring of the product due to the enzyme reaction is measured by a change in absorbance. Moreover, when using a fluorescent substance and a chemiluminescent substance, the method etc. which measure the fluorescence and light emission of the solution after reaction are mentioned. Note that “the protein having the ability to bind hyaluronic acid is labeled with a labeling substance” does not mean that the protein is directly labeled, but the labeled antibody or streptoid as described above. It also means that it can be finally labeled with avidin or the like.
In the measurement method of the present invention, the concentration of aggrecan in the sample is determined in advance by preparing a calibration curve for the relationship between the aggrecan concentration and the detection result (for example, absorbance) of the labeled substance using an aggrecan standard solution with a known concentration. This can be obtained by using the detection result of the sample and the calibration curve.
According to the method of the present invention, by using an anti-KS antibody and / or an anti-CS antibody and a protein capable of binding to hyaluronic acid, aggrecan capable of binding to hyaluronic acid (normal aggrecan) is separated from abnormal aggrecan. Can be detected.
In the measurement method of the present invention, as will be apparent from the examples described later, normal aggrecan can be measured without using a reagent such as hyaluronidase or an apparatus such as high performance liquid chromatography. Can be measured. In addition, the measurement method of the present invention can measure normal aggrecan with high specificity and reproducibility with high sensitivity.
[0021]
<2> Detection method of the present invention
The detection method of the present invention is a method for detecting an abnormality of an articular cartilage matrix including at least the following steps.
Step 1: Normal aggrecan in joint fluid is measured by the measurement method according to any one of
Step 2: A step of associating the amount of normal aggrecan in the joint fluid obtained in
Hereinafter, the detection method of the present invention will be described in detail for each step.
[0022]
(1)
(2) Process 2
Step 2 is a step of associating the amount of normal aggrecan in the joint fluid obtained in
The “normal aggrecan amount” may be the measurement value of the normal aggrecan amount measured in
The abnormality of the articular cartilage matrix is not particularly limited as long as it is an abnormality accompanied by a decrease in the amount of normal aggrecan in the synovial fluid. For example, a disease involving degeneration or destruction of articular cartilage, more specifically, deformability Examples include arthropathy, rheumatoid arthritis, traumatic arthritis, gout and the like. In such diseases, the amount of normal aggrecan in synovial fluid is significantly reduced compared to the amount of normal aggrecan in the synovial fluid of healthy humans (humans with no abnormalities of articular cartilage matrix). If the amount of normal aggrecan produced is small compared to the amount of normal aggrecan in healthy human joint fluid, there is a high possibility that "articular cartilage matrix is abnormal" or "articular cartilage matrix is abnormal Can be associated. If the amount of normal aggrecan measured in
The detection method of the present invention includes not only the presence or absence of abnormality of the articular cartilage matrix but also detection of the degree of abnormality. For example, when the amount of normal aggrecan in an individual's joint fluid is regularly measured in
The normal aggrecan amount used as a criterion for detecting abnormalities of the articular cartilage matrix may be a normal aggrecan concentration obtained using a calibration curve prepared for the relationship between the normal aggrecan standard concentration and the detection result of the labeled substance. Further, it may be a ratio to the normal aggrecan amount in the joint fluid of a healthy human (human without articular cartilage matrix abnormality) without using the calibration curve.
[0023]
<3> Measurement kit of the present invention
The measurement kit of the present invention is a normal aggrecan measurement kit including at least the following configuration.
(A) A solid phase on which one or more antibodies selected from the following antibody group are fixed
Antibody group: anti-keratan sulfate antibody, anti-chondroitin sulfate antibody
(B) Protein labeled with a labeling substance and capable of binding to hyaluronic acid
The description of the solid phase of (A) and the protein of (B) is the same as in <1> the measurement method of the present invention.
The measurement kit of the present invention is not particularly limited as long as it includes at least the above (A) and (B), and further, a normal aggrecan standard product of known concentration that serves as a standard for preparing a calibration curve, a detection reagent for a labeled substance, HA and A reagent for labeling a protein having binding ability or a reagent for detecting a protein having binding ability to HA (such as an antibody against the labeled protein) can be added as a constituent. In addition to these components, the blocking substance, the cleaning solution, the sample diluent, the enzyme reaction stop solution, and the like may be included.
These configurations can be stored in separate containers, respectively, and stored as a kit that can be used according to the measurement method of the present invention at the time of use.
Measurement of normal aggrecan using the measurement kit of the present invention can be performed according to the measurement method of the present invention <1>.
[0024]
<4> Detection kit of the present invention
The detection kit of the present invention is a detection kit for abnormality of articular cartilage matrix, comprising the measurement kit of the present invention. The description of the configuration of the detection kit of the present invention is the same as that of the measurement kit of the present invention <3>.
The abnormality of the articular cartilage matrix using the detection kit of the present invention can be detected according to the detection method of the present invention <2>.
[0025]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
The antibodies, proteins capable of binding to HA, and normal aggrecan used in this example will be described.
(1) Antibody
(1-1) 5D4 was used as an anti-KS antibody. The characteristics of 5D4 have been described above.
(1-2) CS56, LY111, MO-225 and MC21C were used as anti-CS antibodies. The characteristics of CS56 and LY111 have been described above. The characteristics of MO-225 and MC21C will be described below.
MO-225:
MO-225 [J. Biol. Chem., 262, 4146-4152 (1987), J. Biol. Chem., 264, 8012-8018 (1989)] uses chicken embryo limb proteoglycan as an antigen and this is used as a mouse. A monoclonal antibody obtained by immunization with the following reactivity:
Recognizing a determinant (D-glucuronic acid-2-sulfate (β1 → 3) -N-acetylgalactosamine-6-sulfate disaccharide structure (D-unit)) on the intact CS chain and repeating the D-unit Those with a continuous structure react more strongly.
MO-225 is sold by Seikagaku Corporation.
MC21C:
MC21C [Dev. Biol., 133, 475-488 (1989),
Differentiation, 43, 37-50 (1990), Int.
Dev. Biol., 34, 191-204 (1990)] is a monoclonal antibody obtained by immunizing a mouse with mature rat bone protein as an antigen, and has the following reactivity:
It reacts with intact CS-C of rats, mice, chickens, sharks, and cows, but does not react with DS, heparan sulfate (hereinafter sometimes referred to as “HS”) or KS.
MC21C is sold by Seikagaku Corporation.
(1-3) 2-B-1 was used as an anti-proteoglycan core protein antibody. The characteristics of 2-B-1 will be described below.
2-B-1 [Histochemical J., 21, 455-459 (1989)] is a monoclonal antibody obtained by immunizing a mouse with a proteoglycan prepared from a human Yorksack tumor as an antigen. Have reactivity;
Recognizes the core protein of proteoglycan. In adult tissues, the intima and media of the aorta are stained, and the connective tissue around the blood vessels and muscles reacts weakly, while in the fetus, stroma is strongly stained in all tissues. In cancer tissue, it reacts with all stromal fiber components such as stomach cancer, rectal cancer, breast cancer, uterine cancer, ovarian cancer, etc., and shows a stromal image peculiar to cancer.
2-B-1 is sold by Seikagaku Corporation.
[0026]
(2) Proteins capable of binding to HA
“Biotin-labeled hyaluronic acid binding protein” sold by Seikagaku Corporation was used. This is a product obtained by digesting a core protein extracted from bovine nasal septal cartilage with guanidine hydrochloride after trypsin digestion and then purifying it by affinity chromatography and labeling with N-hydroxysuccinimide biotin.
[0027]
(3) Normal aggrecan
As a standard product of normal aggrecan, bovine cartilage proteoglycan (bovine normal aggrecan) manufactured by Seikagaku Corporation was used.
[0028]
Example 1
Measurement of normal aggrecan by the measurement method of the present invention
(1) The above-mentioned antibody is phosphate buffered saline (pH 7.2 to 7.5, divalent ion-free) [hereinafter sometimes referred to as “PBS (−)”. ], And 50 μL (1 μg / well) of this solution is added to each well of a 96-well immunoplate (manufactured by NUNK; trade name Maxisorp) and stored at 4 ° C. for 16 hours. It was fixed uniformly.
(2) This plate was washed twice with PBS (−), a PBS (−) solution containing 3% bovine serum albumin (BSA; sold by Seikagaku Corporation) as a blocking substance was added, and the plate was allowed to stand at room temperature for 2 hours. I put it.
Next, this plate was washed three times with a washing solution [PBS (−) containing 0.05% Tween 20 (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.)], and then PBS (−) containing 1% BSA (hereinafter “reaction dilution”). Bovine normal aggrecan having a concentration of 100, 10, 1, 0.1 or 0.01 μg / ml (hereinafter also referred to as “normal aggrecan standard solution”) diluted with The reaction was allowed to proceed for 1 hour at ° C.
After removing the above solution, 50 μl of 5 μg / ml shark shark-derived keratan sulfate diluted with the reaction diluent is added to the well to the plate to which the anti-KS antibody is fixed, and the reaction is applied to the plate to which the anti-CS antibody is fixed. Blocking unreacted antibody by adding 50 μl of 0, 1, 5 or 10 μg / ml chondroitin sulfate D (manufactured by Seikagaku Corporation) diluted in diluent and allowing to stand at 37 ° C. for 60 minutes. did.
The plate was washed 3 times with the above washing solution, biotin-labeled hyaluronic acid-binding protein (sold by Seikagaku Corporation) diluted with reaction diluent was added at a final concentration of 1 μg / ml, and the plate was allowed to stand at 37 ° C. for 60 minutes. To react.
The plate was washed 3 times with the above washing solution, and 50 μl of peroxidase-labeled streptavidin (Jackson, sold by Seikagaku Corporation) diluted 5000 times with the reaction diluent was added, and the plate was allowed to stand at 37 ° C. for 30 minutes to react. I let you. After washing the plate 3 times with the above washing solution, 50 μl of tetramethylbenzidine solution (manufactured by Moss: hereinafter abbreviated as “TMB”) was added as a substrate for peroxidase and reacted at 37 ° C. for 15 minutes to develop color.
After color development, 50 μl of 1N-HC1 was added to the plate to stop the reaction, and the absorbance at a wavelength of 450 nm (control wavelength: 630 nm) (A450 / 630) of the colored solution due to the decomposition of TMB was measured by Well Reader SK601 (Seikagaku Corporation). ). FIG. 1 shows the results of 5D4, FIG. 2 shows the results of CS56, FIG. 3 shows the results of LY111, FIG. 4 shows the results of MO-225, FIG. 5 shows the results of MC21C, and FIG. Each is shown in FIG.
From the results shown in FIGS. 1 to 3, when a solid phase to which 5D4, CS56, and LY111 are fixed is used, a calibration curve is obtained, and it can be quantified in the range of about 0.1 to 10 μg / mL. Recognize. From these results, it was shown that according to the method of the present invention, normal aggrecan can be measured with high sensitivity and good quantitativeness and reproducibility.
On the other hand, as can be seen from FIGS. 4 to 6, when using a solid phase to which MO-225 and MC21C, which are anti-CS antibodies, and 2-B-1, which is an anti-proteoglycan core protein antibody, are used, No line was obtained, indicating that it was not suitable for the measurement of normal aggrecan in the present invention.
As can be seen from the results of FIGS. 1 to 3, the calibration curve for normal aggrecan was not affected by the concentration of chondroitin sulfate D used for blocking.
[0029]
Example 2
hyaluronic acid , Effects of keratan sulfate, hyaluronidase and keratanase
Various concentrations of HA and KS diluted with the reaction diluent were measured by the method of Example 1 (using 5D4 as the antibody), and the specificity of the measurement method of the present invention was examined. Further, according to the method of Example 1, normal aggrecan standard solution and 10 mU / well hyaluronidase SD (Seikagaku Corporation sold) or 5 mU / well Keratanase II (Seikagaku Corporation sold) were added to the well at 37 ° C. The reaction was performed for 60 minutes, and the influence on the measurement method of the present invention was examined.
FIG. 7 shows the results of measuring HA, FIG. 8 shows the results of measuring KS, FIG. 9 shows the results of examining the effects of hyaluronidase SD, and FIG. 10 shows the results of examining the effects of keratanase II.
From these results, the measurement method of the present invention does not react with HA or KS alone, and is inhibited by the addition of hyaluronidase and keratanase, so that normal aggrecan containing KS in the molecule and associated with HA is specific. It was shown that it was measuring. Since the method of the present invention does not require analysis by hyaluronidase treatment, high performance liquid chromatography, or the like, normal aggrecan can be measured simply, quickly and inexpensively.
[0030]
Example 3
Determination of normal aggrecan in arthritic cartilage.
The normal aggrecan present in the left and right femurs and left and right tibia articular cartilages of healthy rabbits (10 cases) and papain-induced arthritic rabbits (10 cases) was quantified by the method described in Example 1. Articular cartilage was lyophilized and then treated with an extract containing guanidine hydrochloride. The results are shown in FIG. From FIG. 11, the average value of normal aggrecan in papain-induced arthritic rabbit cartilage was significantly lower than that in healthy rabbits. Moreover, when the normal aggrecan in the joint fluid of healthy rabbits and papain-induced arthritic rabbits was also measured, similar results were obtained.
[0031]
Example 4
The present measurement kit and the present detection kit
The measurement kit of the present invention and the detection kit of the present invention having the following constitution were prepared.
1. One 96-well immunoplate with CS56 fixed
2. 1 set of normal aggrecan standard solution
3. One biotin-labeled hyaluronic acid-binding protein
4). One peroxidase-labeled streptavidin
5. 1 TMB solution
6). 1 reaction stop solution (1N HCl)
In addition, the above-described measurement kit and the detection kit of the present invention were prepared by replacing the immunoplate of 1 with a 96-well immunoplate to which 5D4 was fixed or a 96-well immunoplate to which LY111 was fixed.
[0032]
【The invention's effect】
The measurement method of the present invention is a method that can measure normal aggrecan with specificity, high sensitivity, good quantification and reproducibility, simply, quickly and inexpensively, and is very practical. Further, the detection method of the present invention is an application of the measurement method of the present invention, and can detect the abnormality of the articular cartilage matrix very easily, and is a highly practical method. In addition, since the measurement kit and the detection kit of the present invention are kits that use the measurement method and the detection method of the present invention, normal aggrecan is specifically and highly sensitive, quantitatively and reproducibly, easily and quickly. It can be measured and provided at low cost.
The present invention is useful not only for grasping the state of cartilage disease, but also as a useful evaluation method for drug development relating to joint diseases.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the measurement results of normal aggrecan when using a plate to which 5D4 is fixed.
FIG. 2 shows the measurement results of normal aggrecan when using a plate to which CS56 is fixed.
FIG. 3 shows the measurement results of normal aggrecan when using a plate with LY111 adhered thereto.
FIG. 4 shows measurement results of normal aggrecan when using a plate to which MO-225 is fixed.
FIG. 5 shows the measurement results of normal aggrecan when using a plate to which MC21C is fixed.
FIG. 6 shows the measurement results of normal aggrecan when using a plate to which 2-B-1 is fixed.
FIG. 7 shows the measurement results of HA using the measurement method of the present invention.
FIG. 8 shows the results of KS measurement using the measurement method of the present invention.
FIG. 9 shows the influence of hyaluronidase in the measurement method of the present invention.
FIG. 10 shows the influence of keratanase in the measurement method of the present invention.
FIG. 11 shows the concentration of normal aggrecan in healthy rabbit cartilage extract and papain-induced arthritis articular cartilage extract.
Claims (8)
工程1:抗ケラタン硫酸抗体およびコンドロイチン硫酸Aを抗原とするかまたはコンドロイチン硫酸Aに反応性を有する抗コンドロイチン硫酸抗体群から選ばれる1または2以上の抗体が固着された固相に検体を接触させ、「固相固着抗体−正常アグリカン−ヒアルロン酸」からなる複合体を形成させる工程。
工程2:前記固相に、さらにヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質を接触させ、「固相固着抗体−正常アグリカン−ヒアルロン酸−ヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程。
工程3:工程2において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程。A method for measuring normal aggrecan in a specimen, comprising at least the following steps.
Step 1: An analyte is brought into contact with a solid phase to which one or two or more antibodies selected from the group of anti-chondroitin sulfate antibodies reactive with chondroitin sulfate A and having anti-keratan sulfate antibody and chondroitin sulfate A as an antigen are fixed. , A step of forming a complex consisting of “solid-phase-fixed antibody-normal aggrecan-hyaluronic acid”.
Step 2: A protein having binding ability to hyaluronic acid is further brought into contact with the solid phase to form a sandwich complex composed of “solid-phase-fixed antibody-normal aggrecan-hyaluronic acid-protein having binding ability to hyaluronic acid”. Process.
Step 3: A step of detecting the sandwich complex formed in Step 2.
工程1:請求項1〜5のいずれかの測定方法によって、関節液中の正常アグリカンを測定する。
工程2:工程1により得られた関節液中の正常アグリカン量と、関節軟骨基質の異常性とを関連づける工程。A method for detecting an abnormality of an articular cartilage matrix, comprising at least the following steps.
Step 1: Normal aggrecan in joint fluid is measured by the measurement method according to claim 1.
Step 2: A step of associating the amount of normal aggrecan in the joint fluid obtained in Step 1 with the abnormality of the articular cartilage matrix.
(A)抗ケラタン硫酸抗体およびコンドロイチン硫酸Aを抗原とするかまたはコンドロイチン硫酸Aに反応性を有する抗コンドロイチン硫酸抗体からなる抗体群から選ばれる1または2以上の抗体が固着された固相。
(B)標識物質で標識された、ヒアルロン酸と結合能を有するタンパク質。A kit for measuring a normal aggrecan comprising at least the following (A) and (B).
(A) A solid phase on which one or two or more antibodies selected from an antibody group consisting of an anti-keratan sulfate antibody and chondroitin sulfate A as an antigen or an anti-chondroitin sulfate antibody reactive to chondroitin sulfate A are fixed.
(B) A protein labeled with a labeling substance and capable of binding to hyaluronic acid.
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