JP4120317B2 - Inkjet head manufacturing method - Google Patents

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JP4120317B2
JP4120317B2 JP2002248211A JP2002248211A JP4120317B2 JP 4120317 B2 JP4120317 B2 JP 4120317B2 JP 2002248211 A JP2002248211 A JP 2002248211A JP 2002248211 A JP2002248211 A JP 2002248211A JP 4120317 B2 JP4120317 B2 JP 4120317B2
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diaphragm
etching
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14411Groove in the nozzle plate

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴等の各種溶液を吐出するためのインクジェットヘッド並びにそれを搭載した記録装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、高速印字に対応するために多ノズル化が進んでおり、また、高解像度化の要求から微小なアクチュエータが求められるようになってきている。このようなことから、アクチュエータに静電気力を利用したインクジェットヘッドが提案されている。
静電駆動式のインクジェットヘッドは、特開平11−993号に開示されているように、吐出室やリザーバが形成されたSiキャビティ基板、電極を備えた電極ガラス基板、ノズル孔が設けられたノズル基板の3つの基板が積層されて構成されている。Siキャビティ基板は、隣接する非駆動状態のノズルからインクが吐出してしまういわゆるクロストークを防止するため薄板化する必要があるが、始めから薄くしておくと、ハンドリング中に割れが発生しやすくなるほか、Siキャビティ基板を取り出すSi基板の大口径化も難しくなる。そこで、静電駆動式インクジェットヘッドの製造においては、Siキャビティ基板と電極ガラス基板を接合してから、Siキャビティ基板を薄板化し、その後、吐出室などを形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Siキャビティ基板を湿式エッチングにより薄板化する工程で、エッチング液がSiキャビティ基板とガラス基板との接合界面に浸入し振動板欠陥が生じるという問題があった。また湿式エッチングによって薄板化しない場合では、研削等を行うため、製造コストが高くなるという問題があった。
さらに、Siキャビティ基板を薄板化する際に、基板の表面荒れが起こり、吐出室やリザーバのパターニング精度が悪化するという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、エッチング液による振動板欠陥の発生を予防し、また、薄板化されたSiキャビティ基板の表面をできるだけ平坦化して、生産性の向上、製造されたインクジェットヘッドの信頼性向上等を図ることを目的とする。また、そのインクジェットヘッドを利用した記録装置を提供することも目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様による方法は、インク吐出室と、該吐出室に連通するノズル孔及びインク供給口と、前記吐出室の下面に形成された振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極とを備え、前記振動板と前記電極との間に電圧を印加して該振動板を変形させて、前記ノズル孔よりインク滴を吐出させるインクジェットヘッドの製造方法であって、前記振動板を構成することとなる第1の基板と前記電極及びインク供給口を備えた第2の基板とを接合した後、前記第1の基板の厚みを湿式エッチングにより減らして前記吐出室及び前記振動板を形成する方法において、前記第1の基板と第2の基板の接合後、前記第1の基板をエッチングする前に、前記インク供給口の内側領域をSiO2膜またはSiN膜で成膜することを特徴とする。
これによれば、第1の基板と第2の基板とが接合した面は、エッチング液と接触しなくなる為、その面からのエッチング液の浸入がなくなって、振動板欠陥の発生が抑制される。また、インク供給口の内側領域に成膜されたSiO2膜またはSiN膜により、エッチング液がインク供給口から第1の基板と第2の基板との接合界面に浸入するのが防止されるため、この点からも振動板欠陥の発生が抑制される。
また、前記第1の基板と前記第2の基板との接合前、前記第1の基板の前記第2の基板との接合面に、プラズマCVDにより絶縁膜を成膜することを特徴とする。このプラズマCVDによって、耐圧がより均一化した絶縁膜が成膜できる。また、前記SiO2膜またはSiN膜はプラズマCVDにより成膜することを特徴とする。これらの原材料として利用できるTEOS(テトラエトキシシラン)は、他のものと比べて発火しにくいため取り扱いが容易となる。
【0005】
本発明の第2の態様による方法は、インク吐出室と、該吐出室に連通するノズル孔及びインク供給口と、前記吐出室の下面に形成された振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極とを備え、前記振動板と前記電極との間に電圧を印加して該振動板を変形させて、前記ノズル孔よりインク滴を吐出させるインクジェットヘッドの製造方法であって、前記振動板を構成することとなる第1の基板と前記電極及び前記インク供給口を備えた第2の基板とを接合した後、前記第1の基板の厚みを湿式エッチングにより減らして前記吐出室及び前記振動板を形成する方法において、濃度の異なる水酸化カリウム溶液を利用し、濃度の高い方の水酸化カリウム溶液で前記第1の基板の粗加工エッチングを行い、その後、濃度の低い方の水酸化カリウム溶液で前記第1の基板の仕上げ加工エッチングを行うことを特徴とする。
これにより、第1の基板の加工表面がより平坦化され、結果としてインク吐出特性のバラツキを低減できるので、インクジェットヘッドの信頼性が向上する。また、エッチング液に水酸化カリウム溶液を用いているため、低コストで薄板化することが可能である。
なお、湿式エッチングによる前記第1の基板の頂面と振動板面との形成に際して、それぞれ濃度の異なる水酸化カリウム溶液を用いて、粗加工から仕上げ加工の態様に切り換えることを特徴とする。これによれば、加工面がより平坦化されるため、パターニングの精度及び第1の基板とノズル基板との密着性が向上し、振動板面の面荒れが抑制されてインク吐出特性のバラツキを低減できるので、インクジェットヘッドの信頼性が向上する。
なお、前記第1の濃度の値を水酸化カリウムの36wt%以上〜40wt%以下の水溶液の範囲から選択し、前記第2の濃度の値を水酸化カリウムの30wt%以上〜36wt%未満の水溶液の範囲の範囲から選択することを特徴とする。また、前記第1の基板と前記第2の基板の接合後、前記第1の基板をエッチングする前に、前記インク供給口の内側領域をSiO2膜で成膜することを特徴とする。これにより、エッチング液がインク供給口から第1の基板と第2の基板との接合界面に浸入するのが防止され、振動板欠陥の発生も低減できる。
【0006】
以上の方法の場合、さらに次のような利点も有する。すなわち、第1の基板を第2の基板と接合した後に第1の基板を薄板化するため、第1の基板であるSi基板が割れ難くなるほか、比較的厚いSi基板を取り扱うことができるので、Si基板の大口径化が可能となる。そして、Si基板の大口径化によって、ヘッドの取り数が増加するので、インクジェットヘッドの低コスト化も可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は後述する本発明の実施形態による方法で製造されたインクジェットヘッドの分解斜視図で、一部を断面図で示してある。なお、図1はインク液滴を基板の面部に設けたノズル孔から吐出させるフェイスインクジェットヘッドの例を示すものであが、本発明は特にそのタイプに限定されるものではない。図2は組み立てられた全体装置の側面の断面図、図3は図2のA−A’線矢視図である。このインクジェットヘッドは、下記に詳記する構造を持つ第1の基板1、第2の基板2、第3の基板3の3枚を、重ねて接合した積層構造となっている。
【0009】
中間の第1の基板1は、キャビティ基板と呼ばれるものでありSi等からなる。第1の基板1は、底壁を振動板4とする吐出室5を構成することになる凹部6と、各々の吐出室5にインクを供給するための共通のリザーバ9を構成することになる凹部10を有する。第1の基板1の全面には、プラズマCVDにより、TEOS膜を0.1ミクロン形成し絶縁膜としている。これは、インクジェット駆動時の絶縁破壊、ショートを防止するためと、インクによるキャビティ基板のエッチングを防止するためである。
【0010】
第1の基板1の下面に接合される第2の基板2はガラス基板であり、硼珪酸ガラス等からなる。第2の基板2には、電極12を装着するための凹部13を0.3ミクロンエッチングすることにより、振動板4とこれに対向して配置させる電極12との対向間隔、すなわちギャップGが形成されるようになっている。凹部13はその内部に電極12、リード部14及び端子部15を装着できるように、電極部形状に類似したやや大きめの形状にパターン形成している。したがって、この例における第1の基板1と第2の基板2を陽極接合した後のギャップGは、0.2ミクロンとなっている。
【0011】
第1の基板1の上面に接合される第3の基板3は、ノズル基板と呼ばれるもので、厚さ100ミクロンのSi基板が用いられる。第3の基板3の面部には、第1の基板1の吐出室用凹部6と連通するようにそれぞれノズル孔16を設け、吐出室用凹部6とリザーバ用凹部10を連通するオリフィス7を構成することになるインク流入口のための細溝8を設けられている。
【0012】
上記のように構成されたインクジェットヘッドは次のように作用する。すなわち、電極12に発信回路18により0Vから35Vのパルス電極を印加し、電極12の表面がプラスに帯電すると、対応する振動板4の下面はマイナス電位に帯電する。したがって、振動板4は静電気の吸引作用により下方へたわむ。次に、電極12をOFFにすると、振動板4は復元する。そのため、吐出室5内の圧力が急激に上昇し、ノズル孔16よりインク液滴19を記録紙20に向けて吐出する。次に、振動板4が再び下方へたわむことにより、インクがリザーバ9よりオリフィス7を通じて吐出室5内に補給される。なお、第1の基板1と発信回路18との接続は、ドライエッチングにより、第1の基板1の一部に開けた酸化膜の窓(図示せず)において行う。また、このインクジェットヘッドヘのインクの供給は、リザーバ9の底面から第1の基板1及び第2の基板2を貫通しているインク供給口17から行う。
【0013】
次に、上記インクジェットヘッドの製造方法について説明する。図4は、図1に示したインクジェットヘッドの製造工程の一例を示した工程図であり、図示されている工程(a)〜(j)に沿って説明して行く。
【0014】
(a)ガラス基板である第2の基板2の凹部13内にITO(Indium Tin Oxide)を0.1ミクロンスパッタし、ITOパターンを形成することで、ITO電極12を形成する。その後、第2の基板2にドリルで穴を開けて、インク供給口17を形成する。
【0015】
(b)面指数(110)を面方位とする酸素濃度の低いSi基板である第1の基板1の片面を鏡面研磨し、525ミクロンの厚みの基板を作製する。そして鏡面研磨した面(ボロンドープ層を形成する面)に付着している微小パーティクル及び金属を除去する為に、SC−1洗浄(アンモニア水と過酸化水素水の混合液による洗浄)と、SC−2洗浄(塩酸と過酸化水素水の混合液による洗浄)のコンビネーション洗浄を行う。
次に、第1の基板1のボロンドープ層41を形成する面を、B2O3を主成分とする固体の拡散源に対向させて石英ボートにセットする。縦型炉に石英ボートをセットし、炉内を窒素雰囲気にし、温度を摂氏1050度に上昇させ、そのまま温度を8時間保持し、ボロンをSi基板中に拡散させ、ボロンドープ層41を形成する。このボロンドープ層生成工程では、第1の基板1の投入温度を800℃とし、その基板1の取出し温度も800℃とする。これにより、酸素欠陥の成長速度が速い領域(600℃から800℃)をすばやく通過することができる為、酸素欠陥の発生を抑えることができる。ボロンドープ層41の表面にはボロン化合物が形成されるが、酸素及び水蒸気雰囲気中、摂氏600度の条件で1時間30分酸化することで、ふっ酸水溶液によるエッチングが可能なB2O3+SiO2に化学変化させることができる。そして、B2O3+SiO2に化学変化させた状態で、B2O3+SiO2をふっ酸水溶液にてエッチング除去する。
さらに、第1の基板1のボロンドープ層41表面にCVD(化学蒸着)によりTEOS絶縁膜11を成膜する。この成膜は、処理温度360℃、高周波出力250W、圧力500mTorr、ガス流量はTEOS流量100sccm、酸素流量1000sccmの条件で、0.1ミクロン成膜する。なお、TEOS絶縁膜11を形成する前には、圧力0.5torr、酸素流量1000sccm、高周波出力250W、処理温度360℃、処理時間1分間の条件で、酸素プラズマ処理を施す。これにより第1の基板1の表面がクリーニングされ、TEOS絶縁膜11の絶縁耐圧の均一性を向上させることができる。
【0016】
(c)第1の基板1及び第2の基板2を360℃に加熱した後、第2の基板2に負極、第1の基板1に正極をそれぞれ接続して、800Vの電圧を印加し、第1の基板1と第2の基板2とを陽極接合する。
【0017】
(d)第2の基板2の第1の基板1と接合されている面とは反対側の面に、インク供給口17の内側領域も含めて、TEOS保護膜42を成膜する。この成膜は、処理温度360℃、高周波出力700W、圧力250mTorr、ガス流量はTEOS流量100sccm、酸素流量1000sccmの条件で、3ミクロン成膜する。これにより、インク供給口17の内側領域、すなわち、インク供給口17の内周面並びに第1の基板1のインク供給口17と対向するTEOS絶縁膜面がTEOS保護膜42でカバーされる。
【0018】
(e)続いて、接合された基板全体を水酸化カリウム溶液に浸し、第1の基板1の全面を385ミクロンエッチングする。このエッチング工程は2段階で行い、ここでは、まず水酸化カリウムの38wt%水溶液で164分間エッチングした後、水酸化カリウムの32wt%水溶液で10分間エッチングを行う。このように、2種類の異なる濃度の水酸化カリウム水溶液を用いてエッチングを行うことで、エッチングされた加工表面の表面荒れを抑え、極小突起の発生率も抑えることが可能となる。これにより、第1の基板1上でのパターニング精度が向上し、また、第1の基板1と第3の基板3との密着性も向上する。
【0019】
(f)第1の基板1のエッチング面に、TEOSエッチングマスク43を成膜する。その成膜は、処理温度360℃、高周波出力700W、圧力250mTorr、ガス流量はTEOS流量100sccm、酸素流量1000sccmの条件で、1.5ミクロン成膜する。
続いて、TEOSエッチングマスク43に、吐出室5、リザーバ9を作り込むためのレジストパターニングを施し、ふっ酸水溶液でエッチングしTEOSエッチングマスク43をパターニングする。その後、レジストを剥離する。
さらに、接合された基板を35wt%の濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、第1の基板1の板厚が10ミクロンになるまでエッチングを行う。そして、続けて、その基板を3wt%の濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、ボロンドープ層41でのエッチングレート低下によるエッチングストップが十分効くまでエッチングを続ける。ここでエッチングストップとは、エッチング面から発生する気泡が停止した状態と定義し、実際のエッチングにおいて気泡の発生の停止をもってエッチングストップと判断する。なお、ここでも、2種類の濃度の異なる水酸化カリウム溶液を用いたエッチングを行うことによって、振動板4の面荒れを抑制し、厚み精度を0.80±0.05ミクロン以下にすることができる。これにより、インクジェットヘッドの吐出性能を安定化することができる。
【0020】
(g)第1の基板1に対するSiエッチングが終了したら、基板の全体をふっ酸水溶液に浸し、第1の基板1表面のTEOSエッチングマスク43と第2の基板2表面のTEOS保護膜42を剥離する。その後、第1の基板1の表面にプラズマCVDによりTEOS膜45を成膜する。その成膜は、処理温度360℃、高周波出力250W、圧力は500mTorr、ガス流量はTEOS流量100sccm、酸素流量1000sccmの条件で、0.1ミクロン成膜する。
【0021】
(h)穴開け加工によりインク供給口17をリザーバ9まで貫通させる。その後、厚さ100ミクロンのシリコン基板を用い、吐出室5と連通するようにそれぞれノズル孔16を設け、吐出室5とリザーバ9を連通するオリフィス7を構成することになるインク流入口のための細溝を設け、さらに電極取出し用穴44を設けた第3の基板3を、第1の基板1にエポキシ系接着剤により接着する。
【0022】
(i)第3の基板3を第1の基板1に接着した後、電極配線を取出す為に、ドライエッチングを行って電極取出し用穴44の下面のSiを除去し、電極取出し口を開口する。その後、アクチュエーター内に水分や異物が浸入するのを防止する目的で、エポキシ樹脂46よって電極取出し口の縁をシールする。
(j)最後に、ダイシングにより、個々のヘッドに切断する。
【0023】
ところで、上記工程を経て得られたインクジェットヘッドにおける振動板4は、高濃度のボロンドープ層41であって、ボロンドープ層は所望の振動板厚と同じだけの厚さを有している。アルカリ溶液によるSiエッチングのエッチングレートは、ドーパントがボロンの場合、高濃度(約5×1019cm-3以上)の領域において、エッチングレートが非常に小さくなる。この製造方法においては、そのことを利用し、振動板形成領域を高濃度ボロンドープ層とし、アルカリ異方性エッチングにより、吐出室5、リザーバ9を形成する際に、ボロンドープ層が露出した時点でエッチングレートが極端に小さくなる、いわゆるエッチングストップ技術により、振動板4を所望の板厚に製作している。
【0024】
また、第1の基板1と第2の基板2とを接合した後に、第1の基板1を薄板化し、吐出室5などを形成しているので、第1の基板1に比較的厚いSi基板を使用することができる。このため第1の基板1の取り扱いが容易となり、その割れを低減することができる。又、第1の基板1の素材であるSi基板の大口径化が可能となるため、一枚のSi基板から多くのインクジェットヘッドを取出すことができ、インクジェットヘッドの生産性を向上させることができる。
【0025】
また、第1の基板1の薄板化工程では、湿式エッチングに先立ち、インク供給口17の内周面、並びに第1の基板1のインク供給口17と対向するTEOS絶縁膜面がTEOS保護膜でカバーされるので、エッチング溶液である水酸化カリウム溶液が接合界面に浸入することが防止される。さらに、第1の基板1の薄板化工程では、2つの異なった濃度の水酸化カリウム溶液を使用した2段階のエッチング加工を行っているため、低コストで、薄板化後のSi基板の表面荒れが低減して、その表面がより平坦化される。
【0026】
次に、前述した第1の基板1であるSiキャビティ基板の薄板化工程における、濃度の異なる水酸化カリウム(KOH)溶液を利用したエッチング工程について説明しておく。この該工程では、Si基板全面を385ミクロン程エッチングする為、エッチングレートが速くなる高濃度の水酸化カリウムの水溶液を用いる。水酸化カリウム水溶液による湿式エッチングでは、図6のグラフに示す通り、水酸化カリウムの濃度が高くなるほど表面粗さが小さくなるが、濃度が40wt%を越すと、今度はマイクロピラミッドと呼ばれる極小の突起の発生率が急激に高くなってしまう。そこで、まず表面粗さの増大を防ぎつつマイクロピラミッドの発生率を低下させる濃度範囲にある水酸化カリウム水溶液でエッチングを行い、その後引き続いて、マイクロピラミッドをほとんど発生させない濃度範囲にある水酸化カリウム水溶液でエッチングを行う。なお、本明細書では、表面粗さの増大を防ぎつつマイクロピラミッドの発生率も抑制しながら行う前段の加工を、便宜上、粗加工エッチングと称し、マイクロピラミッドをほとんど発生させない後段の加工を、便宜上、仕上げ加工エッチングと称するものとする。
【0027】
表面粗さの増大を防ぎつつマイクロピラミッドの発生率を低下させる水酸化カリウム溶液の濃度範囲は、およそ36wt%以上40wt%以下であると思われるが、好ましくは37wt%以上38wt%以下である。また、マイクロピラミッドがほとんど発生しない水酸化カリウム溶液の濃度範囲は、およそ36wt%未満であると思われるが、加工速度も考慮して、30wt%以上36wt%未満、好ましくは、30wt%以上32wt%以下である。なお、粗加工エッチングと仕上げ加工エッチング量の割合は適宜決定して良いが、粗加工エッチングを全エッチング量の90%程度行うと、加工速度を上げることができる。実験では、濃度38wt%の水酸化カリウム水溶液で164分間エッチングした後、濃度32wt%の水酸化カリウム水溶液で10分間エッチングを行うことで、表面粗さを抑え且つマイクロピラミッドもほとんど発生しない基板表面を形成することができた。
【0028】
ところで、上記の方法により製造されたインクジェットヘッド600は、インクジェット記録装置に搭載される場合には、例えば、図7に示されるように組み立てられる。すなわち、インクジェットヘッド600はガイドレール602上を移動自在のキャリッジ601に取り付けられ、ローラー603により送りされる用紙604の幅方向にその位置が制御される。
なお、本発明のインクジェットヘッドは記録装置に限らず、カラーフィルターや有機EL製造の際におけるフィルタ材や有機EL材の吐出装置、また、その他各種の溶液吐出装置にも応用できる。
【0029】
なお、上記実施形態で説明したインクジェットヘッド製造工程において示した、基板又はエッチングの厚さに関連する各値、各種膜厚に関連する各値、及びその他の各種条件値は、あくまでも一例であり、本発明はそれらの値に限定されるものではない。また、絶縁膜あるいは保護膜として挙げたTEOS膜は、あくまでもSiO2膜またはSiN膜の総称として用いたものである。なお、SiO2膜またはSiN膜と同等の性質を有する他のものが成膜されてよいことは言うまでもない。さらに、上記実施形態で、TEOS膜はプラズマCVDにより成膜したが、成膜方法はそれに限らず可能な他の方法を利用してよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法に従う実施形態により製造されたインクジェットヘッドの構造を分解して示す斜視図。
【図2】 図1におけるインクジェットヘッドの断面側面図。
【図3】 図2のA−A’線矢視図。
【図4】 本発明の実施形態を示すインクジェットヘッドの製造工程図。
【図5】 図4に続く工程を示すインクジェットヘッドの製造工程図。
【図6】 水酸化カリウム溶液の濃度変化に対する表面粗さ及びマイクロピラミッド(突起)発生率を示すグラフ。
【図7】 本発明のインクジェットヘッドを備えた記録装置の部分構成図。
【符号の説明】
1…第1の基板(Siキャビティ基板)、2…第2の基板(電極ガラス基板)、3…第3の基板(ノズル基板)、4…振動板、5…吐出室、6…凹部、7…オリフイス、8…細溝、9…リザーバ、10…凹部、11…TEOS絶縁膜、12…電極、13…凹部、14…リード部、15…端子部、16…ノズル孔、17…インク供給口、18…発信回路、19…インク液滴、20…記録紙、41…ボロンドープ層、42…TEOS保護膜、43…TEOSエッチングマスク、44…電極取出し用穴、45…TEOS絶縁膜、46…エポキシ樹脂。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet head for discharging various solutions such as ink droplets and a recording apparatus equipped with the ink jet head.
[0002]
[Prior art]
Ink jet recording apparatuses have been increased in number of nozzles in order to cope with high-speed printing, and minute actuators have been required due to the demand for higher resolution. For this reason, an ink jet head using an electrostatic force as an actuator has been proposed.
As disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 11-993, an electrostatically driven ink jet head includes a Si cavity substrate on which a discharge chamber and a reservoir are formed, an electrode glass substrate provided with electrodes, and a nozzle provided with nozzle holes. Three substrates are stacked and configured. The Si cavity substrate needs to be thinned to prevent so-called crosstalk, which causes ink to be ejected from the adjacent non-driven nozzles, but if it is made thin from the beginning, cracks are likely to occur during handling. In addition, it is difficult to increase the diameter of the Si substrate from which the Si cavity substrate is taken out. Therefore, in the manufacture of the electrostatic drive type ink jet head, the Si cavity substrate and the electrode glass substrate are joined, and then the Si cavity substrate is thinned, and then a discharge chamber and the like are formed.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the process of thinning the Si cavity substrate by wet etching, there is a problem in that the etchant enters the bonding interface between the Si cavity substrate and the glass substrate to cause a diaphragm defect. Further, in the case where the thin plate is not formed by wet etching, there is a problem that the manufacturing cost increases because grinding or the like is performed.
Further, when the Si cavity substrate is thinned, the surface of the substrate becomes rough, and the patterning accuracy of the discharge chamber and the reservoir is deteriorated.
The present invention has been made in view of the above problems, and prevents the occurrence of a diaphragm defect caused by an etching solution. Further, the surface of the thinned Si cavity substrate is made as flat as possible to improve productivity and manufacture. An object is to improve the reliability of the inkjet head. Another object of the present invention is to provide a recording apparatus using the inkjet head.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The method according to the first aspect of the present invention includes an ink discharge chamber, a nozzle hole and an ink supply port communicating with the discharge chamber, a vibration plate formed on a lower surface of the discharge chamber, and a space facing the vibration plate. An inkjet head manufacturing method, wherein a voltage is applied between the diaphragm and the electrode to deform the diaphragm and eject ink droplets from the nozzle holes. After the first substrate and the second substrate having the electrode and the ink supply port are joined, the thickness of the first substrate is reduced by wet etching, and the discharge chamber and the diaphragm In this method, after the first substrate and the second substrate are bonded, the inner region of the ink supply port is formed with a SiO 2 film or a SiN film before etching the first substrate. It is characterized by.
According to this, since the surface where the first substrate and the second substrate are joined does not come into contact with the etching solution, the etching solution does not enter from the surface, and the occurrence of the diaphragm defect is suppressed. . In addition, the SiO2 film or SiN film formed in the inner region of the ink supply port prevents the etching liquid from entering the bonding interface between the first substrate and the second substrate from the ink supply port. Also from this point, the occurrence of diaphragm defects is suppressed.
In addition, an insulating film is formed by plasma CVD on a bonding surface between the first substrate and the second substrate before the bonding between the first substrate and the second substrate. By this plasma CVD, an insulating film with a more uniform breakdown voltage can be formed. The SiO 2 film or SiN film is formed by plasma CVD. Since TEOS (tetraethoxysilane) that can be used as these raw materials is less ignitable than other materials, it is easy to handle.
[0005]
According to a second aspect of the present invention, there is provided an ink discharge chamber, a nozzle hole and an ink supply port communicating with the discharge chamber, a vibration plate formed on a lower surface of the discharge chamber, and facing the vibration plate with a gap. An inkjet head manufacturing method, wherein a voltage is applied between the diaphragm and the electrode to deform the diaphragm and eject ink droplets from the nozzle holes. After joining the first substrate and the second substrate having the electrode and the ink supply port, the thickness of the first substrate is reduced by wet etching to reduce the discharge chamber and the vibration. In the method of forming a plate, a potassium hydroxide solution having a different concentration is used, and the first substrate is roughly processed by a potassium hydroxide solution having a higher concentration, and then the potassium hydroxide having a lower concentration is used. Wherein the solution performs finishing etching the first substrate.
As a result, the processed surface of the first substrate is further flattened, and as a result, variations in ink discharge characteristics can be reduced, thereby improving the reliability of the inkjet head. In addition, since a potassium hydroxide solution is used as an etching solution, it is possible to reduce the thickness at a low cost.
Note that, when the top surface and the diaphragm surface of the first substrate are formed by wet etching, potassium hydroxide solutions having different concentrations are used to switch from roughing to finishing. According to this, since the processing surface is further flattened, patterning accuracy and adhesion between the first substrate and the nozzle substrate are improved, and surface roughness of the vibration plate surface is suppressed, resulting in variations in ink ejection characteristics. Since this can be reduced, the reliability of the inkjet head is improved.
The first concentration value is selected from a range of 36 wt% to 40 wt% aqueous solution of potassium hydroxide, and the second concentration value is 30 wt% to less than 36 wt% aqueous solution of potassium hydroxide. It is characterized by selecting from the range of the range. In addition, after the first substrate and the second substrate are bonded, the inner region of the ink supply port is formed with a SiO 2 film before the first substrate is etched. This prevents the etchant from entering the bonding interface between the first substrate and the second substrate from the ink supply port, and can also reduce the occurrence of diaphragm defects.
[0006]
The above method also has the following advantages. That is, since the first substrate is thinned after the first substrate is bonded to the second substrate, the Si substrate that is the first substrate is not easily broken, and a relatively thick Si substrate can be handled. The diameter of the Si substrate can be increased. Further, since the number of heads is increased by increasing the diameter of the Si substrate, the cost of the inkjet head can be reduced.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is an exploded perspective view of an inkjet head manufactured by a method according to an embodiment of the present invention, which will be described later, and a part thereof is shown in a sectional view. FIG. 1 shows an example of a face inkjet head that ejects ink droplets from nozzle holes provided on the surface of the substrate, but the present invention is not particularly limited to that type. 2 is a side sectional view of the assembled entire apparatus, and FIG. 3 is a view taken along the line AA ′ in FIG. This ink jet head has a laminated structure in which three sheets of a first substrate 1, a second substrate 2, and a third substrate 3 having a structure described in detail below are overlapped and joined.
[0009]
The intermediate first substrate 1 is called a cavity substrate and is made of Si or the like. The first substrate 1 constitutes a recess 6 that constitutes a discharge chamber 5 whose bottom wall is a diaphragm 4 and a common reservoir 9 for supplying ink to each discharge chamber 5. A recess 10 is provided. A TEOS film is formed on the entire surface of the first substrate 1 by plasma CVD so as to form an insulating film. This is to prevent dielectric breakdown and short-circuit during ink-jet driving and to prevent etching of the cavity substrate by ink.
[0010]
The second substrate 2 bonded to the lower surface of the first substrate 1 is a glass substrate and is made of borosilicate glass or the like. On the second substrate 2, a recess 13 for mounting the electrode 12 is etched by 0.3 μm, thereby forming a gap between the diaphragm 4 and the electrode 12 disposed opposite thereto, that is, a gap G. It has come to be. The concave portion 13 is patterned in a slightly larger shape similar to the electrode portion shape so that the electrode 12, the lead portion 14, and the terminal portion 15 can be mounted therein. Therefore, the gap G after the anodic bonding of the first substrate 1 and the second substrate 2 in this example is 0.2 microns.
[0011]
The third substrate 3 bonded to the upper surface of the first substrate 1 is called a nozzle substrate, and a Si substrate having a thickness of 100 microns is used. Nozzle holes 16 are provided in the surface portion of the third substrate 3 so as to communicate with the discharge chamber recess 6 of the first substrate 1, and an orifice 7 is formed to communicate the discharge chamber recess 6 and the reservoir recess 10. A narrow groove 8 is provided for the ink inlet to be used.
[0012]
The ink jet head configured as described above operates as follows. That is, when a pulse electrode of 0 V to 35 V is applied to the electrode 12 by the transmission circuit 18 and the surface of the electrode 12 is positively charged, the lower surface of the corresponding diaphragm 4 is charged to a negative potential. Therefore, the diaphragm 4 bends downward due to electrostatic attraction. Next, when the electrode 12 is turned off, the diaphragm 4 is restored. For this reason, the pressure in the discharge chamber 5 rapidly increases, and the ink droplet 19 is discharged from the nozzle hole 16 toward the recording paper 20. Next, the vibration plate 4 bends downward again, whereby ink is supplied from the reservoir 9 into the discharge chamber 5 through the orifice 7. Note that the connection between the first substrate 1 and the transmission circuit 18 is made in a window (not shown) of an oxide film opened in a part of the first substrate 1 by dry etching. Ink supply to the ink jet head is performed from an ink supply port 17 penetrating the first substrate 1 and the second substrate 2 from the bottom surface of the reservoir 9.
[0013]
Next, a method for manufacturing the inkjet head will be described. FIG. 4 is a process diagram showing an example of a manufacturing process of the ink jet head shown in FIG. 1, and will be described along the illustrated processes (a) to (j).
[0014]
(A) ITO electrode 12 is formed by sputtering ITO (Indium Tin Oxide) into the recess 13 of the second substrate 2 which is a glass substrate by 0.1 micron to form an ITO pattern. Thereafter, a hole is drilled in the second substrate 2 to form an ink supply port 17.
[0015]
(B) One surface of the first substrate 1 which is a Si substrate having a plane index of (110) and a low oxygen concentration is mirror-polished to produce a substrate having a thickness of 525 microns. In order to remove fine particles and metal adhering to the mirror-polished surface (the surface on which the boron dope layer is formed), SC-1 cleaning (cleaning with a mixed solution of ammonia water and hydrogen peroxide solution), SC- Perform combination cleaning of 2 cleaning (cleaning with a mixture of hydrochloric acid and hydrogen peroxide).
Next, the surface on which the boron doped layer 41 of the first substrate 1 is formed is set on a quartz boat so as to face a solid diffusion source mainly composed of B2O3. A quartz boat is set in a vertical furnace, the inside of the furnace is made into a nitrogen atmosphere, the temperature is raised to 1050 degrees Celsius, the temperature is maintained as it is for 8 hours, and boron is diffused into the Si substrate to form the boron doped layer 41. In this boron doped layer generating step, the first substrate 1 is charged at 800 ° C. and the substrate 1 is taken out at 800 ° C. Thereby, since it can pass through a region (600 ° C. to 800 ° C.) where the growth rate of oxygen defects is high, generation of oxygen defects can be suppressed. A boron compound is formed on the surface of the boron doped layer 41, but it is chemically changed to B2O3 + SiO2 which can be etched with a hydrofluoric acid aqueous solution by oxidizing for 1 hour 30 minutes in an oxygen and water vapor atmosphere at 600 degrees Celsius. Can do. Then, B2O3 + SiO2 is removed by etching with a hydrofluoric acid aqueous solution in a state where it is chemically changed to B2O3 + SiO2.
Further, a TEOS insulating film 11 is formed on the surface of the boron doped layer 41 of the first substrate 1 by CVD (chemical vapor deposition). In this film formation, a 0.1 micron film is formed under the conditions of a processing temperature of 360 ° C., a high frequency output of 250 W, a pressure of 500 mTorr, a gas flow rate of TEOS flow rate of 100 sccm, and an oxygen flow rate of 1000 sccm. Before forming the TEOS insulating film 11, oxygen plasma treatment is performed under the conditions of a pressure of 0.5 torr, an oxygen flow rate of 1000 sccm, a high frequency output of 250 W, a treatment temperature of 360 ° C., and a treatment time of 1 minute. As a result, the surface of the first substrate 1 is cleaned, and the uniformity of the withstand voltage of the TEOS insulating film 11 can be improved.
[0016]
(C) After heating the first substrate 1 and the second substrate 2 to 360 ° C., the negative electrode is connected to the second substrate 2 and the positive electrode is connected to the first substrate 1, and a voltage of 800 V is applied, The first substrate 1 and the second substrate 2 are anodically bonded.
[0017]
(D) A TEOS protective film 42 is formed on the surface of the second substrate 2 opposite to the surface bonded to the first substrate 1, including the inner region of the ink supply port 17. In this film formation, a film of 3 microns is formed under the conditions of a processing temperature of 360 ° C., a high frequency output of 700 W, a pressure of 250 mTorr, a gas flow rate of TEOS flow rate of 100 sccm, and an oxygen flow rate of 1000 sccm. As a result, the inner region of the ink supply port 17, that is, the inner peripheral surface of the ink supply port 17 and the TEOS insulating film surface facing the ink supply port 17 of the first substrate 1 are covered with the TEOS protective film 42.
[0018]
(E) Subsequently, the entire bonded substrate is immersed in a potassium hydroxide solution, and the entire surface of the first substrate 1 is etched by 385 microns. This etching process is performed in two steps. First, etching is performed for 164 minutes with a 38 wt% aqueous solution of potassium hydroxide, and then etching is performed for 10 minutes with a 32 wt% aqueous solution of potassium hydroxide. In this way, by performing etching using two types of aqueous potassium hydroxide solutions having different concentrations, it is possible to suppress surface roughness of the etched processed surface and to suppress the occurrence rate of minimal protrusions. Thereby, the patterning accuracy on the first substrate 1 is improved, and the adhesion between the first substrate 1 and the third substrate 3 is also improved.
[0019]
(F) A TEOS etching mask 43 is formed on the etching surface of the first substrate 1. The film is formed at a processing temperature of 360 ° C., a high frequency output of 700 W, a pressure of 250 mTorr, a gas flow rate of TEOS flow rate of 100 sccm, and an oxygen flow rate of 1000 sccm.
Subsequently, resist patterning for forming the discharge chamber 5 and the reservoir 9 is performed on the TEOS etching mask 43, and the TEOS etching mask 43 is patterned by etching with a hydrofluoric acid aqueous solution. Thereafter, the resist is peeled off.
Further, the bonded substrate is immersed in a 35 wt% potassium hydroxide aqueous solution, and etching is performed until the thickness of the first substrate 1 becomes 10 microns. Subsequently, the substrate is immersed in a 3 wt% potassium hydroxide aqueous solution, and etching is continued until an etching stop due to a decrease in the etching rate in the boron doped layer 41 is sufficiently effective. Here, the term “etching stop” is defined as a state in which bubbles generated from the etching surface are stopped, and it is determined that etching is stopped when bubbles are stopped in actual etching. In this case as well, by performing etching using two types of potassium hydroxide solutions having different concentrations, the surface roughness of the diaphragm 4 can be suppressed and the thickness accuracy can be made 0.80 ± 0.05 microns or less. it can. Thereby, the discharge performance of an inkjet head can be stabilized.
[0020]
(G) After the Si etching on the first substrate 1 is completed, the entire substrate is immersed in a hydrofluoric acid aqueous solution, and the TEOS etching mask 43 on the surface of the first substrate 1 and the TEOS protective film 42 on the surface of the second substrate 2 are peeled off. To do. Thereafter, a TEOS film 45 is formed on the surface of the first substrate 1 by plasma CVD. The film is formed at a processing temperature of 360 ° C., a high frequency output of 250 W, a pressure of 500 mTorr, a gas flow rate of TEOS flow rate of 100 sccm, and an oxygen flow rate of 1000 sccm.
[0021]
(H) The ink supply port 17 is penetrated to the reservoir 9 by drilling. Thereafter, a silicon substrate having a thickness of 100 microns is used, nozzle holes 16 are respectively provided so as to communicate with the ejection chamber 5, and an orifice 7 that communicates with the ejection chamber 5 and the reservoir 9 is formed. The third substrate 3 provided with the narrow groove and further provided with the electrode extraction hole 44 is bonded to the first substrate 1 with an epoxy adhesive.
[0022]
(I) After bonding the third substrate 3 to the first substrate 1, in order to take out the electrode wiring, dry etching is performed to remove Si on the lower surface of the electrode take-out hole 44, and an electrode take-out port is opened. . Thereafter, the edge of the electrode outlet is sealed with an epoxy resin 46 for the purpose of preventing moisture and foreign matter from entering the actuator.
(J) Finally, each head is cut by dicing.
[0023]
By the way, the diaphragm 4 in the ink jet head obtained through the above steps is a high-concentration boron-doped layer 41, and the boron-doped layer has the same thickness as the desired diaphragm thickness. When the dopant is boron, the etching rate of Si etching with an alkaline solution is very low in a high concentration region (about 5 × 10 19 cm −3 or more). In this manufacturing method, using this fact, the diaphragm forming region is made a high-concentration boron-doped layer, and etching is performed when the boron-doped layer is exposed when forming the discharge chamber 5 and the reservoir 9 by alkali anisotropic etching. The diaphragm 4 is manufactured to a desired plate thickness by a so-called etching stop technique in which the rate becomes extremely small.
[0024]
In addition, since the first substrate 1 is thinned and the discharge chamber 5 and the like are formed after the first substrate 1 and the second substrate 2 are bonded together, a relatively thick Si substrate is formed on the first substrate 1. Can be used. For this reason, the handling of the first substrate 1 becomes easy, and the cracks can be reduced. In addition, since the diameter of the Si substrate, which is the material of the first substrate 1, can be increased, many inkjet heads can be taken out from a single Si substrate, and the productivity of the inkjet head can be improved. .
[0025]
In the thinning process of the first substrate 1, prior to the wet etching, the inner peripheral surface of the ink supply port 17 and the TEOS insulating film surface facing the ink supply port 17 of the first substrate 1 are TEOS protective films. Since it is covered, the potassium hydroxide solution as an etching solution is prevented from entering the bonding interface. Furthermore, in the thinning process of the first substrate 1, since the two-step etching process using two different concentrations of potassium hydroxide solution is performed, the surface roughness of the Si substrate after thinning is reduced at a low cost. Is reduced, and the surface is flattened.
[0026]
Next, an etching process using potassium hydroxide (KOH) solutions having different concentrations in the thinning process of the Si cavity substrate as the first substrate 1 will be described. In this step, since the entire surface of the Si substrate is etched by about 385 microns, a high-concentration potassium hydroxide aqueous solution that increases the etching rate is used. In wet etching using a potassium hydroxide aqueous solution, as shown in the graph of FIG. 6, the surface roughness decreases as the concentration of potassium hydroxide increases. However, when the concentration exceeds 40 wt%, this is a very small protrusion called a micropyramid. The rate of occurrence increases rapidly. Therefore, first, etching is performed with a potassium hydroxide aqueous solution in a concentration range that reduces the incidence of micropyramids while preventing an increase in surface roughness, and then a potassium hydroxide aqueous solution in a concentration range that hardly generates micropyramids. Etching is performed. In the present specification, for the sake of convenience, the former processing performed while preventing the increase in surface roughness and suppressing the occurrence rate of the micropyramid is referred to as rough processing etching, and the subsequent processing that hardly generates the micropyramid is performed for convenience. This is referred to as finish processing etching.
[0027]
The concentration range of the potassium hydroxide solution that reduces the incidence of micropyramids while preventing the increase in surface roughness is considered to be approximately 36 wt% or more and 40 wt% or less, preferably 37 wt% or more and 38 wt% or less. Further, the concentration range of the potassium hydroxide solution in which micropyramids hardly occur is considered to be less than about 36 wt%, but considering the processing speed, it is 30 wt% or more and less than 36 wt%, preferably 30 wt% or more and 32 wt%. It is as follows. The ratio between the rough etching and the finishing etching amount may be determined as appropriate. However, if the rough etching is performed about 90% of the total etching amount, the processing speed can be increased. In the experiment, after etching for 164 minutes with a 38 wt% potassium hydroxide aqueous solution, etching is performed for 10 minutes with a 32 wt% potassium hydroxide aqueous solution, thereby reducing the surface roughness and generating little micropyramids. Could be formed.
[0028]
By the way, the ink jet head 600 manufactured by the above method is assembled as shown in FIG. 7, for example, when it is mounted on an ink jet recording apparatus. That is, the inkjet head 600 is attached to a carriage 601 that is movable on the guide rail 602, and the position of the inkjet head 600 is controlled in the width direction of the paper 604 fed by the roller 603.
The ink jet head of the present invention is not limited to a recording apparatus, but can also be applied to a color filter, a filter material or organic EL material ejection device in manufacturing an organic EL, and other various solution ejection devices.
[0029]
In addition, each value related to the thickness of the substrate or etching, each value related to various film thicknesses, and other various condition values shown in the inkjet head manufacturing process described in the above embodiment are merely examples, The present invention is not limited to these values. Further, the TEOS film mentioned as the insulating film or the protective film is used as a general term for the SiO 2 film or the SiN film. Needless to say, another film having properties equivalent to those of the SiO 2 film or the SiN film may be formed. Furthermore, although the TEOS film is formed by plasma CVD in the above embodiment, the film forming method is not limited to this, and other possible methods may be used.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view showing the structure of an inkjet head manufactured by an embodiment according to the method of the present invention.
2 is a cross-sectional side view of the inkjet head in FIG.
3 is a view taken along the line AA ′ in FIG.
FIG. 4 is a manufacturing process diagram of an inkjet head showing an embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a manufacturing process diagram of an inkjet head showing a process following FIG. 4;
FIG. 6 is a graph showing surface roughness and micropyramid (protrusion) generation rate with respect to a change in concentration of a potassium hydroxide solution.
FIG. 7 is a partial configuration diagram of a recording apparatus including the inkjet head according to the invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... 1st board | substrate (Si cavity board | substrate), 2 ... 2nd board | substrate (electrode glass substrate), 3 ... 3rd board | substrate (nozzle board | substrate), 4 ... Vibration plate, 5 ... Discharge chamber, 6 ... Recessed part, 7 ... Orifice, 8 ... Narrow groove, 9 ... Reservoir, 10 ... Recess, 11 ... TEOS insulating film, 12 ... Electrode, 13 ... Recess, 14 ... Lead part, 15 ... Terminal part, 16 ... Nozzle hole, 17 ... Ink supply port , 18 ... Transmitter circuit, 19 ... Ink droplet, 20 ... Recording paper, 41 ... Boron doped layer, 42 ... TEOS protective film, 43 ... TEOS etching mask, 44 ... Electrode extraction hole, 45 ... TEOS insulating film, 46 ... Epoxy resin.

Claims (7)

インク吐出室と、該吐出室に連通するノズル孔及びインク供給口と、前記吐出室の下面に形成された振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極とを備え、前記振動板と前記電極との間に電圧を印加して該振動板を変形させて、前記ノズル孔よりインク滴を吐出させるインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記振動板を構成することとなる第1の基板と前記電極及びインク供給口を備えた第2の基板とを接合した後、前記第1の基板の厚みを湿式エッチングにより減らして前記吐出室及び前記振動板を形成する方法において、
前記第1の基板と前記第2の基板の接合後、前記第1の基板をエッチングする前に、前記インク供給口の内側領域をSiO2膜またはSiN膜で成膜することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
An ink discharge chamber, a nozzle hole and an ink supply port communicating with the discharge chamber, a vibration plate formed on a lower surface of the discharge chamber, and an electrode facing the vibration plate with a gap, the vibration plate and the A method of manufacturing an ink jet head that applies a voltage between an electrode and deforms the diaphragm to discharge ink droplets from the nozzle hole,
After joining the first substrate constituting the diaphragm and the second substrate having the electrode and the ink supply port, the thickness of the first substrate is reduced by wet etching, and the discharge chamber and In the method of forming the diaphragm,
An ink jet characterized in that an inner region of the ink supply port is formed with a SiO 2 film or a SiN film after the first substrate and the second substrate are bonded and before the first substrate is etched. Manufacturing method of the head.
前記第1の基板と前記第2の基板との接合前、前記第1の基板の前記第2の基板との接合面に、プラズマCVDにより絶縁膜を成膜することを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法。  2. An insulating film is formed by plasma CVD on a bonding surface between the first substrate and the second substrate before the bonding between the first substrate and the second substrate. The manufacturing method of the inkjet head of description. 前記SiO2膜または前記SiN膜をプラズマCVDにより成膜することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッドの製造方法。 The SiO 2 film or the production method according to claim 1 or 2 inkjet head wherein a is formed by a plasma CVD using the SiN film. インク吐出室と、該吐出室に連通するノズル孔及びインク供給口と、前記吐出室の下面に形成された振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極とを備え、前記振動板と前記電極との間に電圧を印加して該振動板を変形させて、前記ノズル孔よりインク滴を吐出させるインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記振動板を構成することとなる第1の基板と前記電極及び前記インク供給口を備えた第2の基板とを接合した後、前記第1の基板の厚みを湿式エッチングにより減らして前記吐出室及び前記振動板を形成する方法において、
濃度の異なる水酸化カリウム溶液を利用し、濃度の高い方の水酸化カリウム溶液で前記第1の基板の粗加工エッチングを行い、その後、濃度の低い方の水酸化カリウム溶液で前記第1の基板の仕上げ加工エッチングを行うことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
An ink discharge chamber, a nozzle hole and an ink supply port communicating with the discharge chamber, a vibration plate formed on a lower surface of the discharge chamber, and an electrode facing the vibration plate with a gap, the vibration plate and the A method of manufacturing an ink jet head that applies a voltage between an electrode and deforms the diaphragm to discharge ink droplets from the nozzle hole,
After the first substrate that constitutes the diaphragm and the second substrate having the electrode and the ink supply port are joined, the thickness of the first substrate is reduced by wet etching, and the discharge chamber is formed. And a method of forming the diaphragm,
Using the potassium hydroxide solutions having different concentrations, rough etching of the first substrate is performed with the higher concentration potassium hydroxide solution, and then the first substrate is performed with the lower concentration potassium hydroxide solution. A method of manufacturing an ink-jet head, comprising performing a finishing etching process.
湿式エッチングによる前記第1の基板の頂面と振動板面との形成に際して、それぞれ濃度の異なる水酸化カリウム溶液を用いて、粗加工から仕上げ加工の態様に切り換えることを特徴とする請求項4記載のインクジェットヘッドの製造方法。  5. The formation of the top surface and the diaphragm surface of the first substrate by wet etching is switched from rough processing to finishing processing using potassium hydroxide solutions having different concentrations. Manufacturing method of the inkjet head. 前記第1の濃度の値を水酸化カリウムの36wt%以上〜40wt%以下の水溶液の範囲から選択し、前記第2の濃度の値を水酸化カリウムの30wt%以上〜36wt%未満の水溶液の範囲範囲から選択することを特徴とする請求項4又は5記載のインクジェットヘッドの製造方法。  The value of the first concentration is selected from a range of 36 wt% to 40 wt% aqueous solution of potassium hydroxide, and the value of the second concentration is a range of 30 wt% to 30 wt% aqueous solution of potassium hydroxide. 6. The method of manufacturing an ink jet head according to claim 4, wherein the method is selected from a range. 前記第1の基板と前記第2の基板の接合後、前記第1の基板をエッチングする前に、前記インク供給口の内側領域をSiO2膜で成膜することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。5. The inner region of the ink supply port is formed with a SiO 2 film after the first substrate and the second substrate are bonded and before the first substrate is etched. 7. A method for producing an ink jet head according to any one of 6 above.
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