JP4115379B2 - 送受信システム - Google Patents

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Description

この発明は、発信機の位置を特定可能な送受信システムに関するものである。
従来、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を利用して端末の位置を探知するシステムが知られている(非特許文献1)。このシステムは、受信ハードウェアと、データ分析ソフトウェアとからなる。そして、受信ハードウェアは、複数のGPS衛星からの信号を連続して受信し、再構築されたキャリアの位相データ及びコードクロックからキャリア位相レンジデータを演算する。また、データ分析ソフトウェアは、複数の受信ハードウェアによって得られたキャリア位相レンジデータから複数の受信ハードウェア間の相対的位置及び正確な衛星軌道を演算する。
また、2台の端末を用いた三角測量により発信機の位置を特定する方法が知られている。この三角測量を用いる方法には、2台の端末と発信機とのなす角度を測定して発信機の位置を特定する方法と、2台の端末を用いて各端末と発信機との距離を測定して発信機の位置を特定する方法とがある。
更に、無線LAN(Local Area Network)を用いて屋内で端末の位置を検出するシステムも知られている(非特許文献2)。このシステムは、サーバと、複数のアクセスポイントと、端末とを備える。サーバ及び複数のアクセスポイントは、LANネットワークに接続される。端末は、複数のアクセスポイントと通信を行なう。複数のアクセスポイントのうち、端末とアソシエーション状態にあるアクセスポイントをマスターアクセスポイントとし、1つのマスターアクセスポイントに対して3つ以上のスレーブアクセスポイントを設ける。
サーバは、マスターアクセスポイントを介して端末に信号の送信を要求する。各スレーブアクセスポイントは、端末からの信号を受信し、その受信した信号と、信号の受信時刻とをサーバへ送信する。サーバは、各スレーブから受信した信号及び時刻情報に基づいて、端末から各スレーブまでの伝搬時間の差TDOA(Time Difference Of Arrival)を演算し、その演算したTDOAを次式の連立方程式に代入して端末の位置Xを算出する。
|Z−Zi|−|Z−Z1|=c(Ti−T1),i=1,2,・・・,n
但し、Z1,Z2,・・・,Znは、各スレーブアクセスポイントの位置を表わし、T1,T2,・・・,Tnは、各スレーブアクセスポイントでの端末信号の受信時刻を表わし、cは、光速である。
ユウジ スギモト、ノリユキ クリハラ、ヒトシ キウチ、アキヒロ カネコ、フミタケ サワダ、タモツ シラド、ヨシカズ サブリ(YUJI SUGIMOTO, NORIYUKI KURIHARA, HITOSHI KIUCHI, AKIHIRO KANEKO, FUMITAKE SAWADA, TAMOTSU SHIRADO, AND YOSHIKAZU SABURI),「ディベロップメント オブ ジーピーエス ポジショニング システム プリスター(Development of GPS Positioning System "PRESTAR"」, アイトリプリイー トランサクション オン インスツルメンテーション アンド メジャメント(IEEE TRANSACTIONS ON INSTRUMENTATION AND MEASUREMENT), 38巻(Vol.38), No2, 1989年4月, p.644−647 萩野ほか,"無線LAN統合アクセスシステム(1)−位置検出システムの検討−",2003年電子情報通信学会総合大会,B−5−203,pp.662,2003年3月
しかし、GPSを用いる方法では、GPS衛星からの電波が微弱であるため、屋内及び地下街では、発信機の位置を特定できないという問題がある。
また、三角測量を用いる方法及び無線LANを用いる方法では、複数の端末が必要であり、壁による電波の反射及び障害物による電波の回折があると、性能が劣化するという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、電波の反射又は回折が生じる環境においても発信機の位置を特定可能な送受信システムを提供することである。
この発明によれば、送受信システムは、発信機と、受信機とを備える。発信機は、電波を送信する。受信機は、発信機からの電波を指向性を電気的に切換え可能なアンテナを介して受信する。そして、受信機は、アンテナの指向性を複数回変えて受信した複数の受信電波の強度プロファイルを示す受信信号プロファイルを発信機の各位置を示す基準信号プロファイルと比較して発信機の位置を特定する。
好ましくは、発信機は、全方位性の電波を送信可能なもう1つのアンテナを介して電波を送信する。
好ましくは、発信機は、所定の指向性に設定されたもう1つのアンテナを介して電波を送信する。
また、この発明によれば、送受信システムは、発信機と、受信機とを備える。発信機は、指向性を電気的に切換え可能なアンテナを介して電波を送信する。受信機は、発信機からの電波を受信する。そして、受信機は、アンテナの指向性を複数回変えて発信された電波を受信し、その受信した複数の受信電波の強度プロファイルを示す受信信号プロファイルを発信機の各位置を示す基準信号プロファイルと比較して発信機の位置を特定する。
好ましくは、受信機は、全方位性の電波を受信可能なもう1つのアンテナを介して発信機からの電波を受信する。
好ましくは、受信機は、所定の指向性に設定されたもう1つのアンテナを介して発信機からの電波を受信する。
好ましくは、受信機は、指向性を電気的に切換え可能なもう1つのアンテナを介して発信機からの電波を受信する。
好ましくは、基準信号プロファイルは、発信機の各位置を示す複数の位置信号プロファイルからなる。そして、受信機は、受信信号プロファイルと複数の位置信号プロファイルの各々との相関係数を演算し、相関係数が最大となる位置信号プロファイルに対応する位置を発信機の位置として特定する。
好ましくは、受信機は、受信器と、プロファイル保持器と、相関演算器と、最大値検出器とを含む。受信器は、受信された受信電波を受信信号プロファイルに変換する。プロファイル保持器は、複数の位置信号プロファイルを複数の位置情報に対応付けて保持し、各位置信号プロファイルと位置信号プロファイルに対応する位置情報とを順次出力する。相関演算器は、受信器からの受信信号プロファイルとプロファイル保持器からの位置信号プロファイルとの相関係数を演算し、その演算した相関係数を出力する。最大値検出器は、プロファイル保持器からの位置情報と相関演算器からの相関係数とに基づいて、相関係数が最大となる位置情報を検出し、その検出した位置情報を発信機の位置として特定する。
好ましくは、複数の位置信号プロファイルは、発信機及び受信機のいずれか一方を固定し、いずれか他方を移動させて測定されたプロファイルである。
好ましくは、複数の位置信号プロファイルは、複数の第1及び第2の位置信号プロファイルからなる。そして、複数の第1の位置信号プロファイルは、アンテナの指向性を第1のパターンにより複数個に変えて予め測定されたプロファイルである。また、複数の第2の位置信号プロファイルは、アンテナの指向性を第1のパターンと異なる第2のパターンにより複数個に変えて予め測定されたプロファイルである。受信機は、アンテナの指向性を第1のパターンにより複数個に変えたときの第1の受信信号プロファイルと複数の第1の位置信号プロファイルの各々との第1の相関係数を演算した結果、第1の相関係数から複数個の最大値を検出したとき、第2のパターンにより指向性を複数個に変えたときの第2の受信信号プロファイルを生成し、その生成した第2の受信信号プロファイルと複数の第2の位置信号プロファイルの各々との第2の相関係数を演算して発信機の位置を特定する。
好ましくは、受信機は、複数個の最大値に対応する複数の位置情報のうち、第2の相関係数の最大値に対応する位置情報に一致する位置情報を発信機の位置として特定する。
好ましくは、受信信号プロファイル及び複数の位置信号プロファイルの各々は、実部と虚部とからなる。そして、受信機は、実部及び虚部を用いて受信信号プロファイルと複数の位置信号プロファイルの各々との相関係数を演算し、相関係数が最大となる位置信号プロファイルに対応する位置を発信機の位置として特定する。
好ましくは、アンテナは、複数のアンテナ素子と、アンテナの指向性を変えるための制御電圧パターンを発生する制御電圧発生回路と、制御電圧発生回路からの制御電圧パターンに応じて複数のアンテナ素子による指向性を複数個に変える指向性変更器とを含む。
好ましくは、アンテナは、リアクタンスにより指向性を切換え可能なアンテナである。
この発明による送受信システムにおいては、指向性を複数個に変えて発信機からの電波を受信し、その受信した複数の電波の強度プロファイルを示す受信信号プロファイルと、予め測定された発信機の各位置を示す基準信号プロファイルとの相関係数が演算される。そして、相関係数が最大となる位置が発信機の位置として特定される。
従って、この発明によれば、発信機からの電波が反射及び回折する環境であっても発信機の位置を特定できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による送受信システムの概略図である。送受信システム100は、発信機10と、アレーアンテナ20と、受信機30とを備える。送受信システム100は、屋内、例えば、1つの部屋50に設置される。
発信機10は、アンテナ11を備える。アンテナ11は、全方位性のアンテナ(オムニアンテナ)である。そして、発信機10は、例えば、搬送波周波数が2.484GHzの電波をアンテナ11を介して送信する。
アンテナ11は、全方位性のアンテナであるので、アンテナ11から送信された電波は、あらゆる方向に伝搬する。電波RW1は、アンテナ11から受信機30のアレーアンテナ20の方向へ直接伝搬する。また、電波RW2は、アンテナ11から壁51の方向へ伝搬し、壁51により反射された後、受信機30のアレーアンテナ20の方向へ伝搬する。更に、電波RW3は、アンテナ11から壁52の方向へ伝搬し、壁52により反射された後、受信機30のアレーアンテナ20の方向へ伝搬する。更に、電波RW4は、アンテナ11から床53の方向へ伝搬し、床により反射された後、受信機30のアレーアンテナ20の方向へ伝搬する。更に、アンテナ11から送信された電波は、天井(図示せず)によって反射された後、受信機30の方向へ伝搬するとともに、障害物(図示せず)によって回折された後、アレーアンテナ20の方向へ伝搬する。
このように、アンテナ11から出射された電波は、受信機30の方向へ直接伝搬するとともに、壁51,52、床53及び天井による反射、及び障害物による回折を受けてアレーアンテナ20の方向へ伝搬する。
アレーアンテナ20は、アンテナ素子21〜27を備える。アンテナ素子21〜23,25〜27は、無給電素子であり、アンテナ素子24は、給電素子である。そして、無給電素子21〜23,25〜27には可変容量素子であるバラクタダイオードが装荷されており、そのバラクタダイオードに印加する直流電圧を制御することにより、アレーアンテナ20は、指向性を変える。すなわち、アレーアンテナ20は、リアクタンスにより指向性を切換え可能なアンテナである。つまり、アレーアンテナ20は、電気的に指向性を切換え可能なアンテナである。そして、アレーアンテナ20は、受信機30に装着され、送信機10から送信された直接波、反射波及び回折波を含む電波RW1〜RW4を所定の指向性で受信し、その受信した電波を受信機30へ供給する。
受信機30は、アレーアンテナ20からの電波に基づいて、後述する方法によって発信機10の位置Ri(xi,yi,zi)(i:1〜n、nは自然数)を特定する。なお、位置Ri(xi,yi,zi)は、部屋50における発信機10の各位置をxyzの直交座標で表わしたものである。
図2は、図1に示す受信機30の概略ブロック図である。受信機30は、受信器31と、相関演算器32と、プロファイル保持器33と、最大値検出器34と、制御電圧発生回路35と、無給電素子21〜23,25〜27にそれぞれ装荷されたバラクタダイオード36とを含む。
受信器31は、指向性を複数個(「複数回」とも言う。以下同じ。)に変化させてアレーアンテナ20が受信した複数の電波をアレーアンテナ20から受ける。そして、受信器31は、複数の電波の各強度を順次検出し、複数の電波の強度プロファイルを示す受信信号強度プロファイルRSSIを生成して相関演算器32へ出力する。
相関演算器32は、プロファイル保持器33から位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnを受ける。位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnの各々は、それぞれ、送信機10が部屋50の位置R1(x1,y1,z1)〜Rn(xn,yn,zn)に存在するときに、アレーアンテナ20の指向性を複数個に変化させて受信した複数の電波の強度プロファイルである。そして、相関演算器32は、受信器31からの受信信号強度プロファイルRSSIとプロファイル保持器33からの位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnとの相関係数ρ1〜ρnを後述する方法によって演算し、その演算した相関係数ρ1〜ρnを最大値検出器34へ出力する。
プロファイル保持器33は、発信機10の部屋50における位置R1〜Rnに対応して位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnを保持する。そして、プロファイル保持器33は、位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnを相関演算器32へ順次出力し、位置R1〜Rnを最大値検出器34へ順次出力する。すなわち、プロファイル保持器33は、位置信号強度プロファイルPST1を相関演算器32へ出力すると、位置信号強度プロファイルPST1に対応する位置R1を最大値検出器34へ出力する。以下、同様にして、プロファイル保持器33は、位置信号強度プロファイルPST2〜PSTnを相関演算器32へ順次出力し、位置R2〜Rnを最大値検出器34へ順次出力する。
最大値検出器34は、相関演算器32から相関係数ρ1〜ρnを順次受け、プロファイル保持器33から位置R1〜Rnを順次受ける。そして、最大値検出器34は、相関係数ρ1〜ρnから最大値ρmaxを検出し、その検出した最大値ρmaxに対応する位置を位置R1〜Rnから抽出する。例えば、最大値検出器34は、最大値ρmaxとして相関係数ρ5を検出したとき、最大値ρmaxに対応する位置として位置R5を抽出する。最大値検出器34は、最大値ρmaxに対応する位置を抽出すると、その抽出した位置を発信機10の位置として特定する。
制御電圧発生回路35は、制御電圧CLV1〜CLVs(sは自然数)を順次発生し、その発生した制御電圧CLV1〜CLVsをバラクタダイオード36へ順次出力する。バラクタダイオード36は、制御電圧CLV1〜CLVsに応じて、リアクタンス値を可変してアレーアンテナ20のアンテナ素子21〜27の指向性を順次変える。すなわち、バラクタダイオード36は、制御電圧CLV1〜CLVsに応じてアレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変える。
図3は、受信信号強度プロファイルRSSIの概念図である。制御電圧発生回路35は、各々が電圧V1〜V7からなる制御電圧CLV1〜CLVsを順次発生してバラクタダイオード36へ出力する。この場合、電圧V1〜V7は、それぞれ、アンテナ素子21〜27に装荷されるリアクタンス値を変えるための電圧であり、0〜20Vの範囲で変えられる。
バラクタダイオード36は、パターンP1からなる制御電圧CLV1に応じてアレーアンテナ20の指向性をある1つの指向性に設定する。そして、アレーアンテナ20は、設定された指向性で発信機10からの電波を受信して受信器31へ供給する。受信器31は、アレーアンテナ20から供給された電波の強度WI1を検出する。
次に、バラクタダイオード36は、パターンP2からなる制御電圧CLV2に応じてアレーアンテナ20の指向性を別の指向性に設定する。そして、アレーアンテナ20は、設定された指向性で発信機10からの電波を受信して受信器31へ供給する。受信器31は、アレーアンテナ20から供給された電波の強度WI2を検出する。
以後、同様にして、バラクタダイオード36は、それぞれ、パターンP3〜Psからなる制御電圧CLV3〜CLVsに応じてアレーアンテナ20の指向性を順次変える。そして、アレーアンテナ20は、各々設定された指向性で発信機10からの電波を受信して受信器31へ供給する。受信器31は、アレーアンテナ20から供給された電波の強度WI3〜WIsを順次検出する。
そして、受信器31は、強度WI1〜WIsからなる強度プロファイルを示す受信信号強度プロファイルRSSIを生成して相関演算器32へ出力する。
なお、パターンP1〜Psの順番は、予め決定されている。従って、制御電圧発生回路35は、パターンP1〜Psの順に従って制御電圧CLV1〜CLVsを順次発生してバラクタダイオード36へ出力する。
このように、アレーアンテナ20の指向性を複数個に変化させた場合、所定の強度プロファイルからなる受信信号強度プロファイルRSSIが得られる。
図4は、位置信号強度プロファイルの概念図である。位置信号強度プロファイルPST1は、発信機10が部屋50の位置R1(x1,y1,z1)に存在するときに、アレーアンテナ20の指向性を制御電圧CLV1〜CLVsによって順次変えて受信した複数の電波の強度プロファイルである。以下、同様にして、位置信号強度プロファイルPST2〜PSTnは、発信機10がそれぞれ部屋50の位置R2(x2,y2,z2)〜Rn(xn,yn,zn)に存在するときに、アレーアンテナ20の指向性を制御電圧CLV1〜CLVsによって順次変えて受信した複数の電波の強度プロファイルである。
従って、発信機10が位置Ri(位置R1〜Rnのいずれか)に存在するとき、受信器31は、アレーアンテナ20からの複数の電波の強度を検出して位置信号強度プロファイルPSTi(位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnのいずれか)を生成する。その結果、位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnは、発信機10の各位置R1〜Rnを示す強度プロファイルを意味する。
なお、受信機30を固定し、発信機10を位置R1〜Rnの各々へ順次移動させて複数の位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnを測定してもよく、発信機10を固定し、受信機30を位置R1〜Rnの各々へ順次移動させて位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnを測定してもよい。つまり、この発明においては、発信機10及び受信機30のいずれか一方を固定し、他方を移動させて位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnを測定すればよい。
プロファイル保持器33は、予め測定された位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnを位置R1〜Rnに対応付けて保持する。そして、プロファイル保持器33は、位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnを相関演算器32へ順次出力し、位置R1〜Rnを最大値検出器34へ順次出力する。
相関演算器32は、受信信号強度プロファイルRSSIと位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnの各々との相関係数ρ1〜ρnを次式により演算する。
ρi=|<R>・<Pi>|/(|<R>|×|<Pi>|)・・・(1)
但し、i=1〜nである。
式(1)において、<R>は、受信信号強度プロファイルRSSIのベクトル表示を意味し、<R>=[r1,r2,・・・,rs)]である。また、<Pi>は、位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnの各々のベクトル表示を意味し、<Pi>=[p1,p2,・・・,ps]である。なお、[r1,r2,・・・,rs)]及び[p1,p2,・・・,ps]は、それぞれ、ベクトル[r1,r2,・・・,rs)]及び[p1,p2,・・・,ps]の転置ベクトルを表わす。
式(1)に従って相関係数ρiを演算する場合、図3に示す受信信号強度プロファイルRSSIを構成する強度WI1〜WIsを要素r1〜rsとし、図4に示す位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnの各々を構成するs個の強度を要素p1〜psとする。
図5は、式(1)により演算した相関係数ρiと発信機10の位置R1〜Rnとの関係図である。最大値検出器34は、相関演算器32から相関係数ρ1〜ρnを受け、プロファイル保持器33から位置R1〜Rnを受ける。例えば、相関係数ρ1〜ρnは、位置R1〜Rnと図5に示す関係を有する。最大値検出器34は、相関係数ρ1〜ρnの最大値として相関係数ρ5を検出し、その検出した相関係数ρ5に対応する位置R5を抽出する。そして、最大値検出器34は、抽出した位置R5を発信機10の部屋50における位置とする。
相関係数ρiは、0〜1の範囲の値を取り得るので、相関係数ρiの最大値は「1」である。式(1)より明らかなように、相関係数ρiは、ベクトル<R>とベクトル<Pi>との内積を演算して得られる。従って、ベクトル<R>がベクトル<Pi>に一致するとき、相関係数ρiが最大になる。このことは、受信信号強度プロファイルRSSIが位置信号強度プロファイルPSTi(PST1〜PSTnのいずれか)に一致することを意味する。
2つのプロファイルが完全に一致しなくても、一方のプロファイルが他方のプロファイルにより近ければ相関係数ρiはより大きくなる。
従って、この発明においては、式(1)により相関係数ρi(i:1〜n)を演算し、相関係数ρi(i:1〜n)の最大値を検出することにより、受信信号強度プロファイルRSSIにより近い位置信号強度プロファイルを位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnから抽出する。位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnの各々は、上述したように発信機10の部屋50における各位置R1〜Rnを表わすので、受信信号強度プロファイルRSSIにより近い位置信号強度プロファイルを抽出すれば、発信機10の部屋50における位置を特定できる。
つまり、受信信号強度プロファイルRSSI及び位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnは、同じ制御電圧パターンCLV1,CLV2,・・・,CLVs(図3に示すパターンP1〜Psに従って順次発生される)によってアレーアンテナ20の指向性を順次変化させて測定されたプロファイルであるので、発信機10が部屋50の位置Ri(xi,yi,zi)に存在すれば、受信器31は、位置信号強度プロファイルPSTiに一致する受信信号強度プロファイルRSSI、または位置信号強度プロファイルPSTiに近似した受信信号強度プロファイルRSSIを生成する。従って、相関係数ρ1〜ρnから最大値ρmaxを検出すれば、最大値ρmaxに対応する位置が発信機10の位置となる。
図6は、図1に示す受信機30における発信機10の位置を特定する動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、制御電圧発生回路35は、制御電圧CLV1〜CLVsを順次発生してバラクタダイオード36へ出力する。そして、バラクタダイオード36は、制御電圧CLV1〜CLVsに応じてアレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変えると共に、アレーアンテナ20は、各指向性で発信機10からの電波を受信し(ステップS1)、その受信した電波を受信器31へ供給する。
受信器31は、アレーアンテナ20から供給される複数の電波の強度を順次検出し、複数の電波の強度プロファイルを示す受信信号強度プロファイルRSSIを生成する(ステップS2)。そして、受信器31は、生成した受信信号強度プロファイルRSSIを相関演算器32へ出力する。
その後、相関演算器32は、k=0を設定し(ステップS3)、プロファイル保持器33から位置信号強度プロファイルPST1を受ける(ステップS4)。相関演算器32は、位置信号強度プロファイルPST1を受けると、k=k+1を設定する(ステップS5)。そして、相関演算器32は、受信信号強度プロファイルRSSIと位置信号強度プロファイルPST1との相関係数ρ1を式(1)により演算する(ステップS6)。
相関演算器32は、相関係数ρ1を演算すると、k=nであるか否かを判定し(ステップS7)、k=nでないとき、k=nになるまでステップS4〜S6を繰返し実行する。つまり、相関演算器32は、受信信号強度プロファイルRSSIと位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnとに基づいて相関係数ρ1〜ρnを演算する。そして、相関演算器32は、演算した相関係数ρ1〜ρnを最大値検出器34へ出力する。また、プロファイル保持器33は、位置R1〜Rnを最大値検出器34へ順次出力する。
ステップS7において、k=nであると判定されると、最大値検出器34は、相関係数ρ1〜ρnから最大値ρmaxを検出し(ステップS8)、最大値ρmaxに対応する位置を発信機10の位置として特定する(ステップS9)。これにより、一連の動作は終了する。
なお、受信機30における発信機10の位置を特定する動作は、実際には、CPU(Central Processing Unit)によって行なわれ、CPUは、図6に示す各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図6に示すフローチャートに従って発信機10の位置を特定する。
従って、ROMは、発信機10の位置を特定する動作をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
そして、図6に示す各ステップを備えるプログラムは、アレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変えて受信した複数の電波に基づいて、発信機10の位置の特定をコンピュータ(CPU)に実行させるプログラムである。
従って、このプログラムは、電波が反射波及び回折波を含んでいても発信機10の位置の特定をコンピュータ(CPU)に実行させることができる。
なお、複数の位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnは、「基準信号プロファイル」を構成する。
また、位置R1〜Rnは、「位置情報」を構成する。
実施の形態1によれば、受信機30は、指向性を複数個に変えてアレーアンテナ20が受信した複数の電波の強度プロファイルを示す受信信号強度プロファイルRSSIを生成し、その生成した受信信号強度プロファイルRSSIと、発信機10からの反射波及び回折波を含む電波を受信して予め測定された、発信機10の部屋50における各位置R1〜Rnを示す位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnとに基づいて、受信信号強度プロファイルRSSIに一致する位置信号強度プロファイルを検出して発信機10の位置を特定するので、反射波及び回折波が存在する環境においても発信機10の位置を特定できる。
また、1台の端末(受信機30)によって発信機10の位置を特定できる。
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2における受信機の概略ブロック図である。なお、実施の形態2による送受信システムは、送受信システム100の受信機30を受信機30Aに代えたものである。
受信機30Aは、受信機30の最大値検出器34を最大値検出器34Aに代え、制御電圧発生回路35を制御電圧発生回路35Aに代え、プロファイル保持器33をプロファイル保持器33Aに代えたものであり、その他は、受信機30と同じである。
プロファイル保持器33Aは、制御電圧CLV11〜CLV1sに従ってアレーアンテナ20の指向性を順次変えて測定された位置信号強度プロファイルPST11〜PST1nと、制御電圧CLV21〜CLV2sに従ってアレーアンテナ20の指向性を順次変えて測定された位置信号強度プロファイルPST21〜PST2nとを位置R1〜Rnに対応付けて保持する。そして、プロファイル保持器33Aは、位置信号強度プロファイルPST11〜PST1nを相関演算器32へ順次出力し、最大値検出器34Aから切換信号EXC1を受けると、位置信号強度プロファイルPST21〜PST2nを相関演算器32へ順次出力する。
なお、位置信号強度プロファイルPST11〜PST1n,PST21〜PST2nは、実施の形態1における方法と同じ方法によって測定される。
最大値検出器34Aは、相関演算器32から受けた相関係数ρ11〜ρ1nに2個の最大値が存在するとき、切換信号EXC1を生成してプロファイル保持器33Aへ出力し、切換信号EXC2を生成して制御電圧発生回路35Aへ出力する。切換信号EXC1は、相関演算器32へ出力する位置信号強度プロファイルを位置信号強度プロファイルPST11〜PST1nから位置信号強度プロファイルPST21〜PST2nへ切換えるための信号である。また、切換信号EXC2は、バラクタダイオード36へ出力する制御電圧CLVのパターンを切換えるための信号である。また、最大値検出器34Aは、相関演算器32から受けた相関係数ρ11〜ρ1nに1個の最大値が存在するとき、その最大値に対応する位置を発信機10の位置として特定する。そして、最大値検出器34Aは、相関演算器32から受けた相関係数ρ11〜ρ1nに2個の最大値が存在するとき、更に、相関演算器32から受けた相関係数ρ21〜ρ2nから最大値を検出し、相関係数ρ11〜ρ1nから検出した最大値と相関係数ρ21〜ρ2nから検出した最大値とに共通する位置を発信機10の位置として特定する。
制御電圧発生回路35Aは、上述したパターンP1〜Psと同じパターンP11〜P1sからなる制御電圧CLV11〜CLV1sを順次発生してバラクタダイオード36へ出力する。また、制御電圧発生回路35Aは、最大値検出器34Aから切換信号EXC2を受けると、パターンP11〜P1sと異なるパターンP21〜P2sからなる制御電圧CLV21〜CLV2sを順次発生してバラクタダイオード36へ出力する。
なお、実施の形態2においては、バラクタダイオード36は、制御電圧CLV11〜CLV1s,CLV21〜CLV2sに従ってアレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変える。
図8は、実施の形態2における受信信号強度プロファイルの概念図である。制御電圧発生回路35Aは、パターンP11〜P1sからなる制御電圧CLV11〜CLV1sを順次発生してバラクタダイオード36へ出力する。
バラクタダイオード36は、制御電圧CLV11〜CLV1sに応じてアレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変える。そして、アレーアンテナ20は、各設定された指向性で発信機10からの電波を受信して複数の電波を受信器31へ供給する。受信器31は、アレーアンテナ20から供給された複数の電波の強度を検出して受信信号強度プロファイルRSSI1を生成する。
また、制御電圧発生回路35Aは、最大値検出器34Aから切換信号EXC2を受けるとパターンP21〜P2sからなる制御電圧CLV21〜CLV2sを順次発生してバラクタダイオード36へ出力する。
バラクタダイオード36は、制御電圧CLV21〜CLV2sに応じてアレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変える。そして、アレーアンテナ20は、各設定された指向性で発信機10からの電波を受信して複数の電波を受信器31へ供給する。受信器31は、アレーアンテナ20から供給された複数の電波の強度を検出して受信信号強度プロファイルRSSI2を生成する。
なお、実施の形態2においては、相関演算器32は、受信信号強度プロファイルRSSI1及び位置信号強度プロファイルPST11〜PST1nに基づいて、上述した方法によって相関係数ρ11〜ρ1nを演算して最大値検出器34Aへ出力する。また、相関演算器32は、受信信号強度プロファイルRSSI2及び位置信号強度プロファイルPST21〜PST2nに基づいて、上述した方法によって相関係数ρ21〜ρ2nを演算して最大値検出器34Aへ出力する。
図9は、式(1)により演算した相関係数ρmi(m=1,2)と発信機10の位置との他の関係図である。最大値検出器34Aは、相関演算器32から相関係数ρ11〜ρ1nを受け、プロファイル保持器33から位置R1〜Rnを受ける。
例えば、相関係数ρ11〜ρ1nは、位置R1〜Rnと図8に示す関係を有する。最大値検出器34Aは、相関係数ρ11〜ρ1nの最大値として相関係数ρ14,ρ1kを検出する。すなわち、最大値検出器34Aは、2つの最大値ρ1max1(=ρ14),ρ1max2(=ρ1k)を検出する。最大値検出器34Aは、2つの最大値ρ1max1,ρ1max2を検出すると、切換信号EXC1を生成してプロファイル保持器33Aへ出力し、切換信号EXC2を生成して制御電圧発生回路35Aへ出力する。
最大値検出器34Aは、相関演算器32から相関係数ρ21〜ρ2nを受けると、相関係数ρ21〜ρ2nから最大値ρ2max(=ρ2k)を検出する。そして、最大値検出器34Aは、最大値ρ1max1(=ρ14),ρ1max2(=ρ1k)と最大値ρ2max(=ρ2k)とに共通する位置Rkを抽出し、その抽出した位置Rkを発信機10の位置として特定する。
このように、実施の形態2においては、1つのパターンに従ってアレーアンテナ20の指向性を複数個に変えて発信機10からの電波を受信して演算した相関係数ρ11〜ρ1nが2つの最大値を含むとき、別のパターンに従ってアレーアンテナ20の指向性を複数個に変えて発信機10からの電波を受信して相関係数ρ21〜ρ2nを演算し、相関係数ρ11〜ρ1n及び相関係数ρ21〜ρ2nに基づいて発信機10の位置を特定する。
図10は、図7に示す受信機30Aにおける発信機10の位置を特定する動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、制御電圧発生回路35Aは、第1のパターン(パターンP11〜P1s)に従って制御電圧CLV11〜CLV1sを順次発生してバラクタダイオード36へ出力する。そして、バラクタダイオード36は、制御電圧CLV11〜CLV1sに応じてアレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変える。
アレーアンテナ20は、各指向性で発信機10からの電波を受信し(ステップS11)、その受信した電波を受信器31へ供給する。そして、最大値検出器34Aは、m=1を設定する(ステップS12)。受信器31は、アレーアンテナ20から供給される複数の電波の強度を順次検出し、複数の電波の強度プロファイルを示す受信信号強度プロファイルRSSI1を生成する(ステップS13)。そして、受信器31は、生成した受信信号強度プロファイルRSSI1を相関演算器32へ出力する。
その後、相関演算器32は、k=0を設定し(ステップS14)、プロファイル保持器33Aから位置信号強度プロファイルPST11を受ける(ステップS15)。相関演算器32は、位置信号強度プロファイルPST11を受けると、k=k+1を設定する(ステップS16)。そして、相関演算器32は、受信信号強度プロファイルRSSI1と位置信号強度プロファイルPST11との相関係数ρ11を式(1)により演算する(ステップS17)。
相関演算器32は、相関係数ρ11を演算すると、k=nであるか否かを判定し(ステップS18)、k=nでないとき、k=nになるまでステップS15〜S17を繰返し実行する。つまり、相関演算器32は、受信信号強度プロファイルRSSI1と位置信号強度プロファイルPST11〜PST1nとに基づいて相関係数ρ11〜ρ1nを演算する。そして、相関演算器32は、演算した相関係数ρ11〜ρ1nを最大値検出器34Aへ出力する。また、プロファイル保持器33Aは、位置R1〜Rnを最大値検出器34Aへ順次出力する。
ステップS18において、k=nであると判定されると、最大値検出器34Aは、相関係数ρ11〜ρ1nから最大値ρ1maxを検出する(ステップS19)。そして、最大値検出器34Aは、m=2であるか否かを判定し(ステップS20)、m=2でないとき、ステップS19において検出した最大値ρ1maxが2個であるか否かを更に判定する(ステップS21)。
ステップS21において、最大値ρ1maxが2個であると判定されたとき、最大値検出器34Aは、m=m+1を設定し(ステップS22)、切換信号EXC1を生成してプロファイル保持器33Aへ出力し、切換信号EXC2を生成して制御電圧発生回路35Aへ出力する。
プロファイル保持器33Aは、最大値検出器34Aからの切換信号EXC1に応じて、位置信号強度プロファイルPST21〜PST2nを相関演算器32へ順次出力する。また、制御電圧発生回路35Aは、最大値検出器34Aからの切換信号EXC2に応じて、第2のパターン(パターンP21〜P2s)に従って制御電圧CLV21〜CLV2sを順次発生してバラクタダイオード36へ出力する。そして、バラクタダイオード36は、制御電圧CLV21〜CLV2sに応じてアレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変える。
アレーアンテナ20は、各指向性で発信機10からの電波を受信し(ステップS23)、その受信した電波を受信器31へ供給する。その後、ステップS13〜S19が繰返し実行される。この場合、相関演算器32は、受信信号強度プロファイルRSSI2と位置信号強度プロファイルPST21〜PST2nとに基づいて相関係数ρ21〜ρ2nを演算して最大値検出器34Aへ出力し、最大値検出器34Aは、相関係数ρ21〜ρ2nから最大値ρ2maxを検出する。
一方、ステップS21において、最大値ρ1maxが2個でないと判定されたとき、最大値検出器34Aは、検出したρ1maxに対応する位置を発信機10の位置と特定する(ステップS24)。
ステップS13〜S19が繰返し実行された後、ステップS20においてm=2であると判定されると、最大値検出器34Aは、最大値ρ2maxに対応する位置R(ρ2max)が最大値ρ1max1に対応する位置R(ρ1max1)及び最大値ρ1max2に対応する位置R(ρ1max2)のいずれと等しいかを判定する(ステップS25)。
そして、最大値ρ2maxに対応する位置R(ρ2max)が最大値ρ1max1に対応する位置R(ρ1max1)に等しいと判定されたとき、最大値検出器34Aは、最大値ρ1max1及びρ2maxに対応する位置を発信機10の位置と特定する(ステップS26)。
一方、ステップS25において、最大値ρ2maxに対応する位置R(ρ2max)が最大値ρ1max2に対応する位置R(ρ1max2)に等しいと判定されたとき、最大値検出器34Aは、最大値ρ1max2及びρ2maxに対応する位置を発信機10の位置と特定する(ステップS27)。
そして、ステップS24,S26,S27のいずれかの後、一連の動作は終了する。
なお、受信機30Aにおける発信機10の位置を特定する動作は、実際には、CPUによって行なわれ、CPUは、図10に示す各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図10に示すフローチャートに従って発信機10の位置を特定する。
従って、ROMは、発信機10の位置を特定する動作をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
そして、図10に示す各ステップを備えるプログラムは、アレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変えて受信した複数の電波に基づいて演算した相関係数に複数の最大値が存在する場合に、発信機10の位置の特定をコンピュータ(CPU)に実行させるプログラムである。
従って、このプログラムは、電波が直接波、反射波及び回折波を含んでいる複数の電波に基づいて演算した相関係数に複数の最大値が存在していても発信機10の位置の特定をコンピュータ(CPU)に実行させることができる。
実施の形態2によれば、あるパターンに従ってアレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変えて受信した複数の電波の受信信号強度プロファイルと発信機10の各位置を示す位置信号強度プロファイルとの相関係数ρ11〜ρ1nに2個の最大値が存在する場合、別のパターンに従ってアレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変えて受信した複数の電波の受信信号強度プロファイルと位置信号強度プロファイルとの相関係数ρ21〜ρ2nを演算し、相関係数ρ11〜ρ1nの最大値に対応する位置と、相関係数ρ21〜ρ2nの最大値に対応する位置とに共通の位置を発信機10の位置として特定する。
したがって、相関係数に複数の最大値が存在する場合にも発信機10の位置を特定できる。
なお、上記においては、相関係数の最大値が2個存在する場合について説明したが、最大値は3個以上であってもよい。
また、相関係数ρ21〜ρ2nに複数の最大値が存在する場合、更に別の制御電圧パターンに従ってアレーアンテナ20の指向性を複数個に順次変えて相関係数を演算するようにしてもよい。
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態3]
図11は、実施の形態3における受信機の概略ブロック図である。なお、実施の形態3による送受信システムは、送受信システム100の受信機30を受信機30Bに代えたものである。
受信機30Bは、受信器31Aと、相関演算器32Aと、プロファイル保持器33Bと、最大値検出器34Bと、制御電圧発生回路35と、バラクタダイオード36とを含む。制御電圧発生回路35及びバラクタダイオード36については、実施の形態1において説明したとおりである。
受信器31Aは、指向性を複数個に変えてアレーアンテナ20が受信した複数の信号を実部と虚部とに分けて検出し、その検出した実部の強度に基づいて実部受信信号プロファイルRCV_Iを生成し、検出した虚部の強度に基づいて虚部受信信号プロファイルRCV_Qを生成する。そして、受信器31Aは、実部受信信号プロファイルRCV_I及び虚部受信信号プロファイルRCV_Qを相関演算器32Aへ出力する。
相関演算器32Aは、プロファイル保持器33Bから実部位置信号プロファイルPST1_I〜PSTn_I及び虚部位置信号プロファイルPST1_Q〜PSTn_Qを順次受ける。そして、相関演算部32Aは、実部受信信号プロファイルRCV_I及び虚部受信信号プロファイルRCV_Qをそれぞれ実部及び虚部とする複素ベクトル<Rcpl>=<RCV_I>+j<RCV_Q>を生成する。
また、相関演算器32Aは、実部位置信号プロファイルPST1_I〜PSTn_I及び虚部位置信号プロファイルPST1_Q〜PSTn_Qをそれぞれ実部及び虚部とする複素ベクトル<Pcpl>=<PSTi_I>+j<PSTi_Q>を生成する。そして相関演算器32Aは、複素ベクトル<Rcpl>の複素共役な転置ベクトル<Rcpl>=<RCV_I>−j<RCV_Q>を演算し、複素ベクトル<Rcpl>、<Rcpl>及び<Pcpl>を次式に代入して相関係数ρcplを演算する。
ρcpli=|<Rcpl>・<Pcpl>|/(|<Rcpl>|×|<Pcpl>|)・・・・・・(2)
プロファイル保持器33Bは、発信機10の部屋50における位置R1〜Rnに対応して実部位置信号プロファイルPST1_I〜PSTn_I及び虚部位置信号プロファイルPST1_Q〜PSTn_Qを保持する。そして、プロファイル保持器33Bは、実部位置信号プロファイルPST1_I及び虚部位置信号プロファイルPST1_Qを相関演算器32Aへ出力し、位置R1を最大値検出器34Bへ出力する。以下、同様にして、プロファイル保持器33Bは、実部位置信号プロファイルPST2_I〜PSTn_I及び虚部位置信号プロファイルPST2_Q〜PSTn_Qを相関演算器32Aへ順次出力し、位置R2〜Rnを最大値検出器34Bへ順次出力する。
最大値検出器34Bは、相関演算器32Aからの相関係数ρcpli(i:1〜n)に基づいて相関係数ρcpl1〜ρcplnの最大値を検出し、その検出した最大値に対応する位置を発信機10の位置として特定する。
図12は、実部受信信号プロファイル及び虚部受信信号プロファイルの概念図である。制御電圧発生回路35は、パターンP1〜Psに従って制御電圧CLV1〜CLVsを順次発生してバラクタダイオード36へ出力する。
バラクタダイオード36は、パターンP1からなる制御電圧CLV1に応じてアレーアンテナ20の指向性をある1つの指向性に設定する。そして、アレーアンテナ20は、設定された指向性で発信機10からの電波を受信して受信器31Aへ供給する。受信器31Aは、アレーアンテナ20から供給された電波の強度の実部WI1_I及び虚部WI1_Qを検出する。
次に、バラクタダイオード36は、パターンP2からなる制御電圧CLV2に応じてアレーアンテナ20の指向性を別の指向性に設定する。そして、アレーアンテナ20は、設定された指向性で発信機10からの電波を受信して受信器31Aへ供給する。受信器31Aは、アレーアンテナ20から供給された電波の強度の実部WI2_I及び虚部WI2_Qを検出する。
以後、同様にして、バラクタダイオード36は、それぞれ、パターンP3〜Psからなる制御電圧CLV3〜CLVsに応じてアレーアンテナ20の指向性を順次変える。そして、アレーアンテナ20は、各々設定された指向性で発信機10からの電波を受信して受信器31Aへ供給する。受信器31Aは、アレーアンテナ20から供給された電波の強度の実部WI3_I〜WIs_I及び虚部WI3_Q〜WIs_Qを順次検出する。
そして、受信器31Aは、強度の実部WI1_I〜WIs_Iからなる実部受信信号プロファイルRCV_Iと、強度の虚部WI1_Q〜WIs_Qからなる虚部受信信号プロファイルRCV_Qとを生成して相関演算器32Aへ出力する。
図13は、実部位置信号プロファイル及び虚部位置信号プロファイルの概念図である。実部位置信号プロファイルPST1_I及び虚部位置信号プロファイルPST1_Qは、発信機10が部屋50の位置R1(x1,y1,z1)に存在するときに、アレーアンテナ20の指向性を制御電圧CLV1〜CLVsによって順次変えて受信した複数の電波のそれぞれ実部強度プロファイル及び虚部強度プロファイルである。以下、同様にして、実部位置信号プロファイルPST2_I〜PSTn_I及び虚部位置信号プロファイルPST2_Q〜PSTn_Qは、発信機10がそれぞれ部屋50の位置R2(x2,y2,z2)〜Rn(xn,yn,zn)に存在するときに、アレーアンテナ20の指向性を制御電圧CLV1〜CLVsによって順次変えて受信した複数の電波のそれぞれ実部強度プロファイル及び虚部強度プロファイルである。
プロファイル保持器33Bは、位置R1に対応して、実部位置信号プロファイルPST1_I及び虚部位置信号プロファイルPST1_Qを保持する。以下、同様にして、プロファイル保持器33Bは、それぞれ、位置R2〜Rnに対応して、実部位置信号プロファイルPST2_I及び虚部位置信号プロファイルPST2_Q〜実部位置信号プロファイルPSTn_I及び虚部位置信号プロファイルPSTn_Qを保持する。
そして、プロファイル保持器33Bは、実部位置信号プロファイルPST1_I及び虚部位置信号プロファイルPST1_Q〜実部位置信号プロファイルPSTn_I及び虚部位置信号プロファイルPSTn_Qを相関演算器32Aへ順次出力し、位置R1〜Rnを最大値検出器34Bへ順次出力する。
なお、複素位置信号プロファイルPST1_I〜PSTn_I及びPST1_Q〜PSTn_Qは、実施の形態1における方法と同じ方法によって予め測定される。
受信機30Bにおける発信機10の位置を特定する動作は、上述した図6に示すフローチャートに従って行なわれる。この場合、ステップS2,S4,S6における受信信号プロファイル及び位置信号プロファイルは、上述したように実部及び虚部からなる。
このように、実施の形態3においては、指向性を複数個に変えてアレーアンテナ20により受信した複数の電波の強度プロファイルを複素ベクトルにより表わすので、複素受信信号プロファイルと複素位置信号プロファイルとの相関係数をより正確に演算でき、発信機10の位置をより正確に特定できる。
なお、実施の形態3においては、上述した方法により演算した相関係数ρcpl1〜ρcplnに複数の最大値が存在する場合、実施の形態2において説明した方法により発信機10の位置を特定するようにしてもよい。
その他は、実施の形態1と同じである。
なお、この発明においては、アンテナ素子21〜27、制御電圧発生回路35(または35A)及びバラクタダイオード36は、指向性を電気的に切換え可能な「アンテナ」を構成する。
また、上記においては、アレーアンテナ20、受信器31及びバラクタダイオード36によって受信信号強度プロファイルRSSIを生成すると説明したが、この発明においては、これに限らず、複数のアンテナ素子、スイッチ及び受信器によって受信信号強度プロファイルRSSIを生成するようにしてもよい。この場合、スイッチは、複数のアンテナ素子との接続を順次切換え、各アンテナ素子によって受信された電波を受信器へ供給する。
更に、複数のアンテナ素子及び複数の受信器によって受信信号強度プロファイルRSSIを生成するようにしてもよい。この場合、複数の受信器は、複数のアンテナ素子に対応して設けられる。そして、各受信器は、対応するアンテナ素子が受信した電波の強度を検出して相関演算器32,32Aへ出力する。
更に、複数のアンテナ素子、複数の可変移相器及び加算器によって受信信号強度プロファイルRSSIを生成するようにしてもよい。この場合、複数の可変移相器は、複数のアンテナ素子に対応して設けられ、位相パターンを順次変えて電波を受信する。そして、加算器は、1つの位相パターンに対して、複数の可変移相器からの電波を加算して相関演算器32,32Aへ出力する。
更に、上記においては、アレーアンテナ20は、受信機30に装着され、アンテナ11は、発信機10に装着されると説明したが、この発明においては、これに限らず、アレーアンテナ20が発信機10に装着され、アンテナ11が受信機30に装着されるようにしてもよい。つまり、この発明においては、アレーアンテナ20は、発信機10及び受信機30のいずれか一方に装着されていればよい。
更に、この発明においては、アレーアンテナ20は、発信機10および受信機30の両方に装着されるようにしてもよい。
更に、上記においては、送受信システム100は、1つの部屋に設置されると説明したが、この発明においては、これに限らず、発信機10及び受信機30を別々の部屋に設置してもよい。
更に、送受信システム100は、少なくとも反射波及び回折波が伝搬する電波環境からなる屋外に設置されてもよい。
以下、送受信システム100における発信機10の位置を特定する実験結果について説明する。図14は、実験環境のレイアウトである。実験に用いた部屋60は、縦11.95m、横9.6m、高さ10mの部屋である。そして、部屋60は、壁61〜64、床65及び天井(図示せず)を有する。部屋60の約半分の領域には、机41及び棚42,43が配置されている。
実験においては、机41及び棚42,43が配置されていない領域を位置探知対象領域70とした。位置探知対象領域70は、縦3m、横5mの領域である。そして、位置探知対象領域70において、0.2m間隔で416点の測定点を設定した。この416点の測定点は、X座標及びY座標によって表わされ、発信機10の位置を特定する受信機30は、位置[20,5]に配置された。なお、図14においては、アレーアンテナ20によって受信機30の配置位置を示している。
発信機10は、アンテナ11としてオムニアンテナを装着している。そして、アンテナ11及びアレーアンテナ20は、床65から同じ高さ1.2mに配置された。
このように、発信機10及び受信機30が配置される部屋60には、机41及び棚42,43が存在するので、発信機10から送信された電波は、壁61〜64、床65及び天井によって反射されて受信機30へ伝搬し、また、机41及び棚42,43によって回折されて受信機30へ伝搬する。
従って、実験に用いた環境は、発信機10から送信された電波を反射波及び回折波を含む電波として受信する環境である。
発信機10は、M系列PN符号からなる信号をBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調により変調し、その変調した信号を搬送周波数2.484GHzで発信する。また、送信信号の系列長は、1000シンボルとし、シンボルレートを500kHzとした。更に、送受信間のシンボル同期及びキャリア同期は、発信機10と受信機30との間を有線で接続し、リファレンス信号を送受信して同期を取るカンニングにより行なった。
アレーアンテナ20の指向性は、表1に示すパターンP1〜P7に従って順次切換えられた。
Figure 0004115379
なお、表1に示すパターンP1〜P7は、アレーアンテナ20のアンテナ素子21〜27に印加する電圧V1〜V7ではなく、リアクタンスR1〜R7からなる。アンテナ素子21〜27に印加する電圧V1〜V7を変えることによりアンテナ素子21〜27のリアクタンスR1〜R7が変化するので、アンテナ素子21〜27のリアクタンスR1〜R7を変えることによりアレーアンテナ20の指向性を変えることができる。
実験においては、アンテナ素子24のリアクタンスR4は、0Ωに固定された。また、発信機10を図14に示す各測定点に設置し、表1に示すパターンP1〜P7に従ってアレーアンテナ20の指向性を順次変えて発信機10からの電波を受信して位置信号強度プロファイルPST1〜PSTn(PST11〜PST1n,PST21〜PST2nを含む。)及び複素位置信号プロファイルPST1_I〜PSTn_I,PST1_Q〜PSTn_Qを予め作成した。
そして、実験においては、発信機10を位置[5,10]に設置した場合に発信機10の位置を正確に特定できるか否かを評価した。
図15は、実施の形態1,2における受信信号強度プロファイルRSSIを用いた場合の相関演算結果である。図16は、図15における点線A−A’上の相関係数ρのグラフである。図17は、実施の形態3における複素受信信号プロファイルを用いた場合の相関演算結果である。図18は、図17における点線A−A’上の相関係数ρ’のグラフである。
図15における各相関係数ρは、発信機10を図14に示す各測定点に設置し、アレーアンテナ20の指向性を表1に示すパターンP1〜P7に従って順次変えたときの受信信号強度プロファイルRSSIと、位置信号強度プロファイルPST1〜PSTnとの相関係数である。
また、図17における相関係数ρ’は、発信機10を図14に示す各測定点に設置し、アレーアンテナ20の指向性を表1に示すパターンP1〜P7に従って順次変えたときの複素受信信号プロファイルRCV_I,RCV_Qと、複素位置信号プロファイルPST1_I〜PSTn_I,PST1_Q〜PSTn_Qとの相関係数である。
図16に示すように、受信信号強度プロファイルRSSIを用いた場合、発信機10を配置した位置[5,10]で最も大きい相関係数ρ=0.99が得られた。また、図18に示すように、複素受信信号プロファイルRCV_I,RCV_Qを用いた場合も、発信機10を配置した位置[5,10]で最も大きい相関係数ρ’=0.99が得られた。
これらの結果から、受信信号強度プロファイルRSSIを用いた位置探知方式及び複素受信信号プロファイルRCV_I,RCV_Qを用いた位置探知方式は、0.2m以下の精度では正確に発信機10の位置を特定できることがわかった。
図15と図17とを比較すると、受信信号強度プロファイルRSSIを用いた場合(図15)の方が、複素受信信号プロファイルRCV_I,RCV_Qを用いた場合(図17)よりも発信機10の配置位置[5,10]以外の点で相関係数ρが大きくなっている点が多い。
従って、受信信号強度プロファイルRSSIを用いた位置探知方式の場合、発信機10の位置を誤検出しないために、実施の形態2で説明したようにアレーアンテナ20の指向性を複数のパターンP11〜P1s及びP21〜P2sによって変えて受信信号強度プロファイルRSSIを作成することが重要である。
[実施の形態4]
図19は、実施の形態4による送受信システムの概略図である。実施の形態4による送受信システム100Aは、図1に示す送受信システム100の発信機10を発信機10Aに代えたものであり、その他は、送受信システム100と同じである。
発信機10Aは、アンテナ11Aを備える。アンテナ11Aは、指向性を有するアンテナである。従って、アンテナ11Aから送信された電波RW5は、壁52の方向へ伝搬し、壁52によって反射された後、受信機30の方向へ伝搬する。また、アンテナ11Aから送信された電波RW6は、部屋50の手前の壁(図示せず)の方向へ伝搬し、その壁によって反射された後、受信機30の方向へ伝搬する。更に、アンテナ11Aから送信された電波RW7は、受信機30の方向へ直接伝搬する。
なお、図19においては、アンテナ11Aから送信される電波として3つの電波RW5〜RW7が示されているが、アンテナ11Aの指向性によっては、電波RW5〜RW7と異なる方向に伝搬する電波がアンテナ11Aから送信される。
図20は、図19に示すアンテナ11Aの垂直断面図である。アンテナ11Aは、アンテナ素子12〜15からなる。アンテナ素子13,14は、電波の波長をλとした場合、λ/4の長さを有する。そして、アンテナ素子13,14は、それぞれ、導体16,17に接続される。導体16,17は、発信機10Aに接続される。
アンテナ素子12は、長さL1を有し、アンテナ素子13の一方端13Aとアンテナ素子14の他方端14Aまでの長さは、L2(<L1)であり、アンテナ素子15は、長さL3(<L2)を有する。
アンテナ素子12は、アンテナ素子13,14を中心としてアンテナ素子15の反対側に配置される。そして、アンテナ素子12とアンテナ素子13,14との間隔は、L4であり、アンテナ素子15とアンテナ素子13,14との間隔は、L5(≧L4)である。
図21は、図20に示すA方向から見たアンテナ11Aの平面図である。アンテナ素子13,14は、導体16,17を介して発信機10Aから給電される。これにより、アンテナ11Aは、指向性のある電波RW5〜RW7を送信する。
受信機30は、指向性を有するアンテナ11Aから送信された電波をアレーアンテナ20の指向性を複数個に変えながら受信し、実施の形態1において説明した方法によって発信機10Aの位置を特定する。
送受信システム100Aにおいては、受信機30に代えてそれぞれ実施の形態2,3で説明した受信機30A,30Bを用いてもよい。そして、受信機30A,30Bは、指向性を有するアンテナ11Aから送信された電波をアレーアンテナ20の指向性を複数個に変えながら受信し、それぞれ、実施の形態2,3において説明した方法によって発信機10Aの位置を特定する。
このように、受信機30,30A,30Bは、発信機が指向性を有する電波を送信する場合であっても発信機10Aの位置を特定できる。
なお、上記においては、アンテナ11Aは、発信機10Aに装着され、アレーアンテナ20は、受信機30に装着されると説明したが、この発明においては、これに限らず、アンテナ11Aは、受信機30に装着され、アレーアンテナ20は、発信機10Aに装着されるようにしてもよい。
その他は、実施の形態1〜3と同じである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、発信機の位置を特定可能な送受信システムに適用される。
この発明の実施の形態1による送受信システムの概略図である。 図1に示す受信機の概略ブロック図である。 受信信号強度プロファイルの概念図である。 位置信号強度プロファイルの概念図である。 式(1)により演算した相関係数と発信機の位置との関係図である。 図1に示す受信機における発信機の位置を特定する動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2における受信機の概略ブロック図である。 実施の形態2における受信信号強度プロファイルの概念図である。 式(1)により演算した相関係数と発信機の位置との他の関係図である。 図7に示す受信機における発信機の位置を特定する動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3における受信機の概略ブロック図である。 実部受信信号プロファイル及び虚部受信信号プロファイルの概念図である。 実部位置信号プロファイル及び虚部位置信号プロファイルの概念図である。 実験環境のレイアウトである。 実施の形態1,2における受信信号強度プロファイルRSSIを用いた場合の相関演算結果である。 図15における点線A−A’上の相関係数ρのグラフである。 実施の形態3における複素受信信号プロファイルを用いた場合の相関演算結果である。 図17における点線A−A’上の相関係数ρ’のグラフである。 実施の形態4による送受信システムの概略図である。 図19に示すアンテナの垂直断面図である。 図20に示すA方向から見たアンテナの平面図である。
符号の説明
10,10A 発信機、11,11A アンテナ、12〜15,21〜27 アンテナ素子、16,17 導体、20 アレーアンテナ、30,30A,30B 受信機、31,31A 受信器、32,32A 相関演算器、33,33A,33B プロファイル保持器、34,34A,34B 最大値検出器、35,35A 制御電圧発生回路、36 バラクタダイオード、41 机、42,43 棚、50,60 部屋、51,52,61〜64 壁、53,65 床、70 位置探知対象領域、100,100A 送受信システム。

Claims (13)

  1. 電波を送信する発信機と、
    前記発信機からの電波を指向性を電気的に切換え可能なアンテナの指向性を複数回変えて受信した複数の受信電波の強度プロファイルを示す受信信号プロファイルを前記信機の各位置を示す基準信号プロファイルと比較して前記発信機の位置を特定する受信機とを備え、
    前記基準信号プロファイルは、前記発信機の各位置を示す複数の第1及び第2の位置信号プロファイルからなり、
    前記複数の第1の位置信号プロファイルは、前記アンテナの前記指向性を第1のパターンにより複数個に変えて予め測定されたプロファイルであり、
    前記複数の第2の位置信号プロファイルは、前記アンテナの前記指向性を第1のパターンと異なる第2のパターンにより複数個に変えて予め測定されたプロファイルであり、
    前記受信機は、前記アンテナの前記指向性を第1のパターンにより複数個に変えたときの第1の受信信号プロファイルと前記複数の第1の位置信号プロファイルの各々との第1の相関係数を演算した結果、前記第1の相関係数から複数個の最大値を検出したとき、前記第2のパターンにより前記指向性を複数個に変えたときの第2の受信信号プロファイルを生成し、その生成した第2の受信信号プロファイルと前記複数の第2の位置信号プロファイルの各々との第2の相関係数を演算して前記発信機の位置を特定する、送受信システム。
  2. 前記発信機は、全方位性の電波を送信可能なもう1つのアンテナを介して前記電波を送信する、請求項1に記載の送受信システム。
  3. 前記発信機は、所定の指向性に設定されたもう1つのアンテナを介して前記電波を送信する、請求項1に記載の送受信システム。
  4. 指向性を電気的に切換え可能なアンテナを介して電波を送信する発信機と、
    前記アンテナの前記指向性を複数回変えて発信された電波を受信し、その受信した複数の受信電波の強度プロファイルを示す受信信号プロファイルを前記発信機の各位置を示す基準信号プロファイルと比較して前記発信機の位置を特定する受信機とを備え、
    前記基準信号プロファイルは、前記発信機の各位置を示す複数の第1及び第2の位置信号プロファイルからなり、
    前記複数の第1の位置信号プロファイルは、前記アンテナの前記指向性を第1のパターンにより複数個に変えて予め測定されたプロファイルであり、
    前記複数の第2の位置信号プロファイルは、前記アンテナの前記指向性を第1のパターンと異なる第2のパターンにより複数個に変えて予め測定されたプロファイルであり、
    前記受信機は、前記アンテナの前記指向性を第1のパターンにより複数個に変えたときの第1の受信信号プロファイルと前記複数の第1の位置信号プロファイルの各々との第1の相関係数を演算した結果、前記第1の相関係数から複数個の最大値を検出したとき、前記第2のパターンにより前記指向性を複数個に変えたときの第2の受信信号プロファイルを生成し、その生成した第2の受信信号プロファイルと前記複数の第2の位置信号プロファイルの各々との第2の相関係数を演算して前記発信機の位置を特定する、送受信システム。
  5. 前記受信機は、全方位性の電波を受信可能なもう1つのアンテナを介して前記発信機からの電波を受信する、請求項4に記載の送受信システム。
  6. 前記受信機は、所定の指向性に設定されたもう1つのアンテナを介して前記発信機からの電波を受信する、請求項4に記載の送受信システム。
  7. 前記受信機は、指向性を電気的に切換え可能なもう1つのアンテナを介して前記発信機からの電波を受信する、請求項4に記載の送受信システム。
  8. 前記受信機は、
    前記受信された受信電波を前記受信信号プロファイルに変換する受信器と、
    前記複数の第1及び第2の位置信号プロファイルを複数の位置情報に対応付けて保持し、各位置信号プロファイルと前記位置信号プロファイルに対応する位置情報とを順次出力するプロファイル保持器と、
    前記受信器からの前記第1の受信信号プロファイルと前記プロファイル保持器からの前記複数の第1の位置信号プロファイルとに基づいて前記第1の相関係数を演算するとともに、前記受信器からの前記第2の受信信号プロファイルと前記プロファイル保持器からの前記複数の第2の位置信号プロファイルとに基づいて前記第2の相関係数を演算し、その演算した第1及び第2の相関係数を出力する相関演算器と、
    前記プロファイル保持器からの位置情報と前記相関演算器からの前記第1及び第2の相関係数とに基づいて、前記第1の相関係数から複数個の最大値を検出したとき、前記第2の相関係数が最大となる位置情報を検出し、その検出した位置情報を前記発信機の位置として特定する最大値検出器とを含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の送受信システム。
  9. 前記複数の第1及び第2の位置信号プロファイルは、前記発信機及び前記受信機のいずれか一方を固定し、いずれか他方を移動させて測定されたプロファイルである、請求項8に記載の送受信システム。
  10. 前記受信機は、前記複数個の最大値に対応する複数の位置情報のうち、前記第2の相関係数の最大値に対応する位置情報に一致する位置情報を前記発信機の位置として特定する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の送受信システム。
  11. 前記受信信号プロファイル及び前記複数の位置信号プロファイルの各々は、実部と虚部とからなり、
    前記受信機は、前記実部及び前記虚部を用いて前記受信信号プロファイルと前記複数の位置信号プロファイルの各々との相関係数を演算し、前記相関係数が最大となる位置信号プロファイルに対応する位置を前記発信機の位置として特定する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の送受信システム。
  12. 前記アンテナは、
    複数のアンテナ素子と、
    前記アンテナの指向性を変えるための制御電圧パターンを発生する制御電圧発生回路と、
    前記制御電圧発生回路からの前記制御電圧パターンに応じて前記複数のアンテナ素子による指向性を複数個に変える指向性変更器とを含む、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の送受信システム。
  13. 前記アンテナは、リアクタンスにより前記指向性を切換え可能なアンテナである、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の送受信システム。
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