JP4115109B2 - 巻上げ有機物量予測計算方法および水質予測計算方法 - Google Patents

巻上げ有機物量予測計算方法および水質予測計算方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、巻上げ有機物量予測計算方法および水質予測計算方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、沿岸海域等における水質の変動機構の解明や水質・底質環境の保全等に有用な、新しい巻上げ有機物量予測計算方法および水質予測計算方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、波と流れにより水中へ巻き上げられる底泥の量(以下、巻上げ底泥量と呼ぶ)の予測計算は、海岸保存対策を目的とした漂砂による海浜の地形変化の予測計算や、航路の埋没対策(シルテーション対策とも呼ばれる)を目的とした粒径の小さな底泥の巻上げおよび輸送による航路埋没の予測計算などにおいて、盛んに研究・開発され、その実用化が進んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の巻上げ底泥量の予測計算は、予測対象物質が底泥中の懸濁物質(浮遊砂とも呼ばれる)であり、懸濁物質中の有機物のみを対象としてはいないといった問題があった。
【0004】
すなわち、巻上げ底泥量の予測計算は具体的には波と流れにより水中へ巻き上げられる底泥からの懸濁物質の量(以下、巻上げ懸濁物質量と呼ぶ)を予測計算しており、他方、懸濁物質中には当然無機物も有機物も存在しているため、両者を含めた巻上げ懸濁物質量を予測計算しても、たとえば有機物生成・分解過程をモデル化した水質予測計算モデルを用いた水質予測計算では精度が十分に高くならないのである。
【0005】
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、底泥から巻き上げられる有機物の量(以下、巻上げ有機物量と呼ぶ)を予測計算することのできる、新しい巻上げ有機物量予測計算方法、ならびに、有機物生成・分解過程をモデル化した水質予測計算モデルによる水質予測計算をより精度良く行うことのできる、新しい水質予測計算方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決する手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、
予測対象海域におけるフィールド調査水質データとして、水中の懸濁物質(SS)、強熱減量(IL)、懸濁態有機炭素(POC)及びクロロフィル濃度を求めるステップA、
ステップAで求めた水質データを基に、懸濁物質(SS)に含まれる有機物(SS org )と無機物(SS in-bm )の量を下記式により算出するステップB、
[数1]
SS org =SS×IL
SS in =SS−SS org
波浪や流れにより底泥から巻き上がった懸濁物質(SS bm )に含まれる無機成分(SS in )を下記式により抽出するステップC、
[数2]
SS in-bm =SS in −SS in-off
(ここでSS in-off は巻上げの影響の小さい沖合表層の無機物(SS in )の平均値をバックグランドとしたもの)
巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )を下記式により抽出するステップ D
[数3]
SS org =a・Chla+b
(ここでaは係数、bは定数で、これらは実験値から求める。Chlaはクロロフィル量)
ステップDで抽出した一次式を用いて有機物(SS org )をバックグラウンド(SS org-off )として、巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )を下記式により算出するステップ E
[数4]
SS org-bm =SS org −SS org-off
上記で求めた値に基づき、底泥からの巻上げ懸濁物質濃度(SS bm )を下記式により算出するステップ F
[数5]
SS bm =SS in-bm +SS org-bm
上記で求めたSS bm の値に基づき下記式により巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )の割合を算出するステップ G
[数6]
SS org-bm =c・log(SS bm )+d
又はlog(SS org-bm )=c・log(SS bm )+d
(ここで、cは係数、dは定数で、これらは実験値から求める)
上記で求めたSS org-bm の値に基づき下記式により巻上げ懸濁物質(SS bm )の有機成分(SS org-bm )の割合の有機炭素量(POC bm )への変換を行うステップH
[数7]
POC bm /SS org-bm =p(SS org-bm
POC bm =POC×(SS org-bm /SS org
(ここで、pは係数、qはべき数でこれらは実験値より求める
を有することを特徴とする巻上げ有機物量予測計算方法(請求項1)を提供する。
【0007】
また、この出願の発明は、予測対象海域におけるフィールド調査水質データとして、水中の懸濁物質(SS)、強熱減量(IL)、懸濁態有機炭素(POC)及びクロロフィル濃度を求めるステップA、
ステップAで求めた水質データを基に、懸濁物質(SS)に含まれる有機物(SS org )と無機物(SS in )の量を下記式により算出するステップB、
[数1]
SS org =SS×IL
SS in =SS−SS org
波浪や流れにより底泥から巻き上がった懸濁物質(SS bm )に含まれる無機成分(SS in-bm )を下記式により抽出するステップC、
[数2]
SS in-bm =SS in −SS in-off
(ここでSS in-off は巻上げの影響の小さい沖合表層の無機物(SS in )の平均値をバックグランドとしたもの)
巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )を下記式により抽出するステップ D
[数3]
SS org =a・Chla+b
(ここでaは係数、bは定数で、これらは実験値から求める。Chlaはクロロフィル量)
ステップDで抽出した一次式を用いて有機物(SS org )をバックグラウンド(SS org-off )として、巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )を下記式により算出するステップ E
[数4]
SS org-bm =SS org −SS org-off
上記で求めた値に基づき、底泥からの巻上げ懸濁物質濃度(SS bm )を下記式により算出するステップ F
[数5]
SS bm =SS in-bm +SS org-bm
上記で求めたSS bm の値に基づき下記式により巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )の割合を算出するステップ G
[数6]
SS org-bm =c・log(SS bm )+d
又はlog(SS org-bm )=c・log(SS bm )+d
(ここで、cは係数、dは定数で、これらは実験値から求める)
上記で求めたSS org-bm の値に基づき下記式により巻上げ懸濁物質(SS bm )の有機成分(SS org-bm )の割合の有機炭素量(POC bm )への変換を行うステップ H と、
[数7]
POC bm /SS org-bm =p(SS org-bm
POC bm =POC×(SS org-bm /SS org
(ここで、pは係数、qはべき数でこれらは実験値より求める)
ステップ H で求めた有機炭素量(POC bm )の値を用いて水質を予測計算するステップIを有することを特徴とする巻上げ水質予測計算方法(請求項2)をも提供し、この予測計算方法における水質を予測計算するステップにおいて、有機物生成・分解過程をモデル化した水質予測計算モデルを用いること(請求項3)を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、巻上げ懸濁物質濃度と巻上げ懸濁物質中の有機物濃度との関係式が巻上げ懸濁物質濃度の関数として表すことができるという、この出願の発明の発明者等による全く新しい知見に基づいてなされたものであり、その関係式を用いることで巻上げ有機物量の予測計算を実現している。
【0009】
上記関係式は、巻上げ量や水質予測の対象となる実際の海域毎にフィールド調査を行い、海域内における波や流れによる巻上げの大きな場所(たとえば水深の浅い場所)および小さな場所の水質データ(たとえば懸濁物質、懸濁物質の強熱減量、懸濁態有機炭素、クロロフィル濃度など)を解析することにより得ることができ、そしてそれを用いて、巻上げ有機物の巻上げ過程のモデル化を行い、予測対象海域毎の巻上げ有機物量を予測計算する。
【0010】
より具体的には、まず、波と流れによる底泥からの懸濁物質の巻上げ・沈降過程を説明すると、たとえば図1に例示したように、巻上げ過程(図中Up)では、底泥によりなる泥層から底面直上に懸濁物質が高濃度で含まれる底面直上層が形成され、その底面直上層から水中へ懸濁物質が巻き上げられる。
【0011】
沈降過程(図中W1,W2)では、水中の巻上げ懸濁物質(SSbm)に含まれる有機物は、土粒子等の無機物(SSin-bm)と結合した有機物(SSorg-bm1)と、無機物から遊離した有機物(SSorg-bm2)に分かれて沈降し、流れにより輸送される。無機物と結合した有機物(SSorg-bm1)の沈降速度は、無機物の沈降速度に左右され、無機物から遊離した有機物(SSorg-bm2)の沈降速度よりも大きくなる。これらの有機物を含んだ巻上げ懸濁物質(SSbm)では、輸送過程において時間の経過とともに、その有機物組成が変化し、無機物と有機物の混合粒径よりなる懸濁物質の平均的な沈降速度も変化していくと考えられる。
【0012】
巻上げ有機物の巻上げ過程のモデル化は、この懸濁物質の巻上げ・沈降過程に基づき、上記関係式、および既存の巻上げ懸濁物質量予測計算モデル(たとえば底泥浮上量予測計算モデルや浮遊砂量予測計算モデルなど)と水質予測計算モデルとの整合性を踏まえて、たとえば次のように行う。
【0013】
最初に、上記底面直上層は極薄い層であり、実際の海域では測定が難しく不確定な要素を多く含むため、仮想の層とする。次いで、フィールド調査水質データの解析により求められる巻上げ懸濁物質濃度と有機物濃度との関係式により、巻上げ懸濁物質を巻上げ有機物へ変換する。この変換には、変換のタイミングに従って、▲1▼水中への巻き上がり後に行う手法、▲2▼底面直上層で変換して水中への巻上げを計算する手法がある。これにより、図2に例示したような巻上げ過程モデルが得られる。
【0014】
すなわち、この巻上げ有機物の巻上げ過程モデルが巻上げ有機物量の予測計算モデルであり、これに基づいて、上記既存の巻上げ懸濁物質量予測計算モデルにより巻上げ懸濁物質の濃度を予測計算し、それを上記関係式により巻上げ有機物量へ換算することで、底泥から巻き上げられる有機物量を正確に予測計算できるのである。
【0015】
そしてさらに、この出願の発明によれば、上述のように予測計算された巻上げ有機物量を用いることで、有機物の生物化学的な生成・分解過程をモデル化した水質予測計算モデルによる水質予測計算を、より精度良く行うことができる。
【0016】
なおこの場合、巻上げ有機物量の予測計算を、巻上げ有機物が水中起源の有機物と同様に分解・消費(被食)されるものとして、水質の予測計算と同時に行えるようにすべく、巻上げ有機物量の予測計算モデルは水質予測計算モデルに組み込んでもよい。
【0017】
この出願の発明は、以上のとおりの特徴を有するものであるが、以下に、実施例を示し、さらに詳しくその実施の形態について説明する。
【0018】
【実施例】
[実施例1]
ここでは、一実施例として、実際の予測対象海域におけるフィールド調査水質データに基づいた巻上げ懸濁物質濃度と有機物濃度との関係式の作成について説明する。
【0019】
<1.フィールド調査水質データ>
関係式作成に用いたフィールド調査水質データは、下記のとおりである。
・調査場所:稲毛の浜および検見川の浜の砕波帯(測定点:S1〜S6,N1〜N5)および沖合水域(測定点:沖合1〜5)(図3参照)
・調査時期:平成11年7月28日、9月26日、10月29日の計3回
・調査層:海底面上+0.3m或いは+0.5mから海面までの2層或いは3層
・調査項目:水中の懸濁物質(SS)、強熱減量(IL)、
懸濁態有機炭素(POC)、クロロフィル濃度
【0020】
<2.懸濁物質中の有機物と無機物の算出>
この水質データを基に、まず、懸濁物質(SS)に含まれる有機物(SSorg)と無機物(SSin)を算出する。これは、水中の懸濁物質(SS)を有機物(SSorg)と無機物(SSin)に区分し、各々次式により行う。
SSorg=SS×IL
SSin=SS−SSorg
【0021】
<3.巻上げ懸濁物質の算出>
続いて、巻上げ懸濁物質(SSbm:波浪や流れにより底泥から巻き上がったSS成分)を、巻上げの大きい場所と小さい場所の水質データを用いて、以下のように算出する。
【0022】
<3−▲1▼.巻上げ懸濁物質中の無機成分の算出>
巻上げ懸濁物質(SSbm)に含まれる無機成分(SSin-bm)を抽出する。これは、巻上げの影響の小さい沖合表層の無機物(SSin)の平均値をバックグラウンド(SSin-off)とし、次式により行う。
SSin-bm=SSin−SSin-off
【0023】
<3−▲2▼.巻上げ懸濁物質中の有機成分の算出>
巻上げ懸濁物質(SSbm)に含まれる有機成分(SSorg-bm)を抽出する。有機物(SSorg)には植物プランクトン由来の内部生産成分が含まれるが、クロロフィル量(Chla)が植物プランクトン量の指標になるため、巻上げの影響の小さい沖合でのクロロフィル量(Chla)と有機物(SSorg)との関係を調べたところ、下記の一次式[SSorg=a・Chla+b]で表せることがわかった(図4参照)。
【0024】
7月 Y=0.0382X+2.164 (R=0.777)
9月 Y=0.0308X+0.7121 (R=0.914)
10月 Y=0.1179X+1.5971 (R=0.876)
ここで、
X:Chla濃度[μg/l]
Y:SSorg濃度[mg/l]
R:相関係数
【0025】
この一次式を用いて計算した有機物(SSorg)をバックグラウンド(SSorg-off)として、巻上げ懸濁物質(SSbm)に含まれる有機成分(SSorg-bm)を次式により算出する。
SSorg-bm=SSorg−SSorg-off
【0026】
<4.巻上げ懸濁物質濃度の算出>
以上から、底泥からの巻上げ懸濁物質濃度(SSbm)は、
SSbm=SSin-bm+SSorg-bm
として算出する。
【0027】
<5.巻上げ懸濁物質の濃度分布>
このようにして得られた巻上げ懸濁物質濃度(SSbm)の分布について解析すると、波による巻上げ現象が明瞭であった7月期における濃度分布の特徴は、以下のとおりであった。
【0028】
すなわち、巻上げがないと仮定した沖合表層のSSbmは0〜1.6(mg/l)程度の範囲であり、SSbmの算出に際して、この程度の誤差は含まれるものと考えられる。突堤等の養浜構造の違いから波による巻上げが大きいと予想された稲毛の浜においてSSbmは高い値を示し、岸寄りの海域(汀線〜沖合200m付近)の下層が20〜200(mg/l)程度の範囲にあった。一方、巻上げが小さいと予想された検見川の浜のSSbmは、稲毛の浜の1/10程度であった。
【0029】
<6.巻上げ懸濁物質と有機成分の関係>
次いで、巻上げ懸濁物質(SSbm)に含まれる有機成分(SSorg-bm)の割合を調べたところ、SSbmの濃度が大きいほどSSorg-bmの割合が小さくなる傾向がみられ、このSSbmとSSorg-bmとの関係は、次式[SSorg-bm=a・log(SSbm)+bまたはLog(SSorg-bm)=a・log(SSbm)+b]で表せることがわかった(図5(a)(b)(c)参照)。
【0030】
7月 Yorg-bm=0.5163exp(1.4819Log10(Xbm))
(R2=0.6294)
9月 Yorg-bm=1.5272Log10(Xbm)+0.1478
(R2=0.4263)
10月 Yorg-bm=2.0514Log10(Xbm)+0.0557
(R2=0.7296)
ここで、
Xbm:巻上げ懸濁物質濃度[mg/l]
Yorg-bm:巻上げ懸濁物質中の有機物濃度[mg/l]
2:決定係数
【0031】
<7.巻上げ懸濁物質の有機成分と有機炭素量の関係>
ここでは水質予測モデルとして有機物を炭素量で表現するモデルを用いているため、上記方法で算出した巻上げ懸濁物質(SSbm)の有機成分(SSorg-bm)を有機炭素量(POCbm)に変換する必要がある。
【0032】
予測対象海域の水質予測モデルの構築は巻上げ現象が明瞭であった7月を対象に行ったので、巻上げ懸濁物質(SSbm)の有機成分(SSorg-bm)の有機炭素量(POCbm)への変換は、7月の水質データの整理・解析により得られた下記の関係式を用いた。
【0033】
POCbm/SSorg-bm=0.1576(SSorg-bm)-0.2976
(R2=0.4423)
POCbm=POC×(SSorg-bm/SSorg)
ここで、
SSorg-bm:巻上げ懸濁物質の有機成分
POCbm:巻上げ懸濁物質の有機成分中の有機炭素量
【0034】
<8.関係式>
以上の<6>および<7>における関係式が、フィールド調査水質データに基づいて作成された巻上げ懸濁物質濃度(SSbm)と巻上げ懸濁物質中の有機物濃度(SSorg-bm)との関係式であり、巻上げ懸濁物質濃度(SSbm)の関数として表されていることがわかる。したがって、以上と同様にして、予測対象海域毎に関係式を求めることで、巻上げ有機物量の正確な予測計算を実現することができる。
【0035】
[実施例2]
ここでは、実施例1の関係式により得られた巻上げ有機物量に基づき、有機物生成・分解過程をモデル化した水質予測計算モデルを用いて水質予測を計算する場合において行う、巻上げ有機物量の予測計算モデルと水質予測計算モデルの組込みの一例について説明する。
【0036】
<1.水質予測モデルにおける有機物の生成・分解過程への組込み>
<1−▲1▼.懸濁態有機物の区分>
まず、次式のように、水中の懸濁態有機物(POM)を水中起源の懸濁態有機物(POMwa)と巻上起源の懸濁態有機物(POMbm)に区分する。
POM=POMwa+POMbm
【0037】
これら各懸濁態有機物(POMwa,POMbm)の生物化学的な生成・分解過程は次のとおりにモデル化することができる。
【0038】
Figure 0004115109
【0039】
Figure 0004115109
【0040】
<2.有機物の巻上げ過程の組込み>
予測対象海域のフィールド調査水質データより得た巻上げ懸濁物質の巻上げ有機物量への換算式(実施例1参照)が水中の巻上げ懸濁物質を対象としたものであることから、予測対象海域の水質予測モデルの構築においては、巻上げ懸濁物質の巻上げ有機物への変換は水中の巻き上がり後に行う方法を用いる。
【0041】
巻上げ有機物量の計算は、波浪と流れの場の条件を基にした、底面直上層の巻上げ懸濁物質量の計算結果を用いて次のとおりに行う。
【0042】
<2−▲1▼.水中の巻上げ懸濁物質量の計算>
まず、底面直上層から水中への輸送は鉛直拡散によるものとし、次式により底面直上層から水中への懸濁物質の鉛直拡散量D、つまり巻上げ量Dの算出を行う。
【0043】
D=Kzb(dSSbm/dz)
ここで、
Kzb:鉛直拡散係数
dSSbm/dz:底面直上層と上層の水中間の鉛直方向の巻上げ懸濁物質(SSbm)の濃度勾配
【0044】
<2−▲2▼.巻上げ有機物量の計算>
そして、水中への巻上げ懸濁態有機物量(POMbm)は、予測対象海域のフィールド調査水質データの解析により得られた関係式(実施例1参照)を用いて、上記懸濁物質の巻上げ量Dの換算により算出する。
【0045】
以上のようにして、巻上げ有機物量の予測計算モデルを水質予測計算モデルに組み込むことで、巻上げ有機物量の計算を、巻上げ有機物が水中起源の有機物と同様に分解・消費(被食)されるものとして、水質の予測計算と同時に行うことができる。
【0046】
[実施例3]
図6は、一実施例としてのこの出願の発明による巻上げ有機物量の予測計算から水質の予測計算までの全体の流れを例示したものである。本実施例では、突堤等の建造物があり、且つ干潟部分がある沿岸海域を予測対象海域としている。
【0047】
<1.巻上げ有機物量の予測計算>
<1−▲1▼>まず、懸濁物質の巻上げを発生させる外力は波と流れであるので、本実施例では、その波と流れを、下記の既存の波浪の予測計算モデルと流れの場の予測計算モデルを用いて計算する。
【0048】
A.波浪の予測計算モデル
予測対象海域には突堤等の構造物があり、波の変形計算には構造物の反射、回折現象等を精度良く再現できる必要がある。そこで、本実施例では、非定常緩勾配方程式を基本として不規則波扱いに拡張した既存の予測計算モデルを用いる。
【0049】
B.流れの場の予測計算モデル
潮流計算には干潟に対応した既存の2次元単層モデルを用いる。また、波浪の計算結果から既存の計算式を用いて海浜流を計算し、潮流との合成流を求める。
【0050】
<1−▲2▼>次いで、波浪の計算結果と流れの場の計算結果を入力条件として、既存の底泥浮上量予測計算モデル(W.Bijker, Sedimentation is Channels and Treaanches., conf.coastal Eng. pp1708-1718, 1980を参照)により巻上げ懸濁物質量を予測計算する。
【0051】
<1−▲3▼>そして、この巻上げ懸濁物質量の予測計算値を、予測対象海域におけるフィールド調査水質データを基に作成した巻上げ懸濁物質濃度と有機物濃度との関係式により、巻上げ有機物量に換算する。
【0052】
以上から、巻上げ有機物量の正確な予測計算が実現される。
【0053】
<2.水質の予測計算>
水質予測計算モデルとしては、有機物の生成・分解過程をモデル化した既存の生態系(低次)モデルタイプを用いる。干潟部等砂浜域において重要な泥系についても既存の生態系(低次)モデルタイプを採用する。なおここでの水質予測計算には底質の予測計算も含まれるものとする。
【0054】
そして、この水質予測計算モデルに、底泥からの有機物の巻上げ過程モデル、つまり巻上げ有機物量の予測計算モデルを組み込み、この結合モデルに基づいて水質を予測計算する。
【0055】
以上から、有機物の巻上げ量のみを考慮した高精度な水質予測計算が実現される。
【0056】
もちろん、この発明は以上の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、底泥から巻き上げられる有機物の量を予測計算することのできる、新しい巻上げ有機物量予測計算方法、および、有機物生成・分解過程の予測計算モデルによる水質予測計算をより精度良く行うことのできる、新しい水質予測計算方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】底泥からの懸濁物質の巻上げ・沈降過程を例示した概念図である。
【図2】巻上げ有機物量の予測計算モデルを例示した概念図である。
【図3】一実施例としての予測対象海域におけるフィールド調査地点を示した模式図である。
【図4】一実施例としてのクロロフィル量と懸濁物質中の有機物との関係を示した図である。
【図5】一実施例としての巻上げ懸濁物質と有機成分との関係を示した図であり、(a)は7月調査データ、(b)は9月調査データ、(c)は10月調査データのものである。
【図6】一実施例としてのこの出願の発明による巻上げ有機物量および水質の予測計算を説明するためのフローである。

Claims (3)

  1. 予測対象海域におけるフィールド調査水質データとして、水中の懸濁物質(SS)、強熱減量(IL)、懸濁態有機炭素(POC)及びクロロフィル濃度を求めるステップA、
    ステップAで求めた水質データを基に、懸濁物質(SS)に含まれる有機物(SS org )と無機物(SS in )の量を下記式により算出するステップB、
    [数1]
    SS org =SS×IL
    SS in =SS−SS org
    波浪や流れにより底泥から巻き上がった懸濁物質(SS bm )に含まれる無機成分(SS in-bm )を下記式により抽出するステップC、
    [数2]
    SS in-bm =SS in −SS in-off
    (ここでSS in-off は巻上げの影響の小さい沖合表層の無機物(SS in )の平均値をバックグランドとしたもの)
    巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )を下記式により抽出するステップ D
    [数3]
    SS org =a・Chla+b
    (ここでaは係数、bは定数で、これらは実験値から求める。Chlaはクロロフィル量)
    ステップDで抽出した一次式を用いて有機物(SS org )をバックグラウンド(SS org-off )として、巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )を下記式により算出するステップ E
    [数4]
    SS org-bm =SS org −SS org-off
    上記で求めた値に基づき、底泥からの巻上げ懸濁物質濃度(SS bm )を下記式により算出するステップ F
    [数5]
    SS bm =SS in-bm +SS org-bm
    上記で求めたSS bm の値に基づき下記式により巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )の割合を算出するステップ G
    [数6]
    SS org-bm =c・log(SS bm )+d
    又はlog(SS org-bm )=c・log(SS bm )+d
    (ここで、cは係数、dは定数で、これらは実験値から求める)
    上記で求めたSS org-bm の値に基づき下記式により巻上げ懸濁物質(SS bm )の有機成分(SS org-bm )の割合の有機炭素量(POC bm )への変換を行うステップH
    [数7]
    POC bm /SS org-bm =p(SS org-bm
    POC bm =POC×(SS org-bm /SS org
    (ここで、pは係数、qはべき数でこれらは実験値より求める
    を有することを特徴とする巻上げ有機物量予測計算方法。
  2. 予測対象海域におけるフィールド調査水質データとして、水中の懸濁物質(SS)、強熱減量(IL)、懸濁態有機炭素(POC)及びクロロフィル濃度を求めるステップA、
    ステップAで求めた水質データを基に、懸濁物質(SS)に含まれる有機物(SS org )と無機物(SS in )の量を下記式により算出するステップB、
    [数1]
    SS org =SS×IL
    SS in =SS−SS org
    波浪や流れにより底泥から巻き上がった懸濁物質(SS bm )に含まれる無機成分(SS in-bm )を下記式により抽出するステップC、
    [数2]
    SS in-bm =SS in −SS in-off
    (ここでSS in-off は巻上げの影響の小さい沖合表層の無機物(SS in )の平均値をバックグランドとしたもの)
    巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )を下記式により抽出するステップ D
    [数3]
    SS org =a・Chla+b
    (ここでaは係数、bは定数で、これらは実験値から求める。Chlaはクロロフィル量)
    ステップDで抽出した一次式を用いて有機物(SS org )をバックグラウンド(SS org-off )として、巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )を下記式により算出するステップ E
    [数4]
    SS org-bm =SS org −SS org-off
    上記で求めた値に基づき、底泥からの巻上げ懸濁物質濃度(SS bm )を下記式により算出するステップ F
    [数5]
    SS bm =SS in-bm +SS org-bm
    上記で求めたSS bm の値に基づき下記式により巻上げ懸濁物質(SS bm )に含まれる有機成分(SS org-bm )の割合を算出するステップ G
    [数6]
    SS org-bm =c・log(SS bm )+d
    又はlog(SS org-bm )=c・log(SS bm )+d
    (ここで、cは係数、dは定数で、これらは実験値から求める)
    上記で求めたSS org-bm の値に基づき下記式により巻上げ懸濁物質(SS bm )の有機成分(SS org-bm )の割合の有機炭素量(POC bm )への変換を行うステップ H と、
    [数7]
    POC bm /SS org-bm =p(SS org-bm
    POC bm =POC×(SS org-bm /SS org
    (ここで、pは係数、qはべき数でこれらは実験値より求める)
    ステップ H で求めた有機炭素量(POC bm )の値を用いて水質を予測計算するステップIを有することを特徴とする巻上げ水質予測計算方法。
  3. 水質を予測計算するステップにおいて、有機物生成・分解過程をモデル化した水質予測計算モデルを用いる請求項2の水質予測計算方法。
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