JP4113945B2 - Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography and apparatus therefor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィおよびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バイオテクノロジー、分子生物学、臨床検査分野では、血中細胞、細胞内微粒子、タンパク質などの分離が求められているが、マイクロメータレベルのサイズの微粒子については、従来の電磁泳動やクロマトグラフィなどによる分離が不可能であった。細胞レベルの微粒子の分離法としては、現在、セルソーター即ちフローサイトメータが市販・利用されているが、この従来技術では、それぞれの細胞に選択的な蛍光ラベル化試薬でラベリングする必要があり、分離した細胞を利用する際にはラベル化試薬を除去が必要であるなどの問題があった。
また、液中の微粒子の電磁泳動に関しては、本願の発明者である渡會他による「液中微粒子の電磁泳動分析法およびその装置」(特許文献1を参照されたい。)があるが、これは、液中微粒子の電磁泳動の原理的な挙動を明確にした基本原理ではあるが、媒体内の個々の微粒子の電磁泳動のみを利用した分離方法・装置であるため、分離の効率・速度が遅いという問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−105218号公報(段落0005、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した諸課題を解決した液中の微粒子の分離・精製・分析するキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィおよびその装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィは、
キャピラリ内に微粒子を含む溶液を流すステップと、
前記キャピラリ内を流れる前記溶液に磁場をかけ、その磁場とほぼ直交するように電流を流すことによって、前記溶液に含まれる前記微粒子を電磁泳動させ、さらに前記電流の極性の反転を繰り返す(例えば、所定の周期で反転させるなど)ことによって、前記溶液に含まれる前記微粒子を前記キャピラリ内壁と吸脱着させるステップと、
流れにより前記微粒子を移動させるステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、媒体内の個々の微粒子の電磁的な浮力を利用して電磁泳動させ、さらに個々の微粒子に固有な微粒子表面とキャピラリ内壁との相互作用を利用するものであるため、微粒子の分離効率、分離速度を顕著に向上させることができる。本発明によれば、電磁泳動は、通常のモデルでは、微粒子の粒径の大小に応じて移動速度が変化すると考えされるため、粒径が異なる微粒子はこの原理で分離することができることとなる。さらに、本発明は、キャピラリの素材と微粒子との相互作用をも利用するため、キャピラリの素材と微粒子との相互作用(キャピラリ内壁との吸脱着に大きなエネルギーを要するもの)が大きな微粒子と、相互作用が小さな微粒子とが混在している場合は、非常に高速かつ高効率で試料の分離・精製が可能となる。また、キャピラリの素材を分離対象とする微粒子に応じて適宜選択することによって、微粒子の分離効率、分離速度をさらに向上させることも可能である。本発明では、従来技術のセルソーターで必要とされるラベル試薬が不用であり、よってラベル試薬の分離が不用であり、キャピラリから出てきた分離後の微粒子を何ら処理せずにすぐに利用することが可能である。
【0006】
また、本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィは、
さらに、前記キャピラリ内の前記微粒子を顕微鏡(光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、光の吸収・散乱を測定する顕微鏡システムなど)を用いて検出するステップ、
をも含むことを特徴とする。
本発明によれば、肉眼では観察不可能なナノメートルオーダーの微粒子の動きを観察することができるため、移動する微粒子が壁に吸着するタイミングを把握して電流の極性を変えたり、微粒子の泳動状態や泳動速度などを観察したりできるため、より詳細に微粒子の挙動を把握してより効率良く迅速に微粒子を分離することが可能となる。
【0007】
また、本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィは、
前記キャピラリ断面の形状は、正方形、長方形、楕円形、或いは円形である、ことを特徴とする。
例えば、断面が正方形や長方形のキャピラリを使用する場合は、微粒子が対向する2平面を行ったり来たりして吸着・脱着を繰り返すような泳動モデルを観察するのに適している。また、断面が円形のキャピラリを使用する場合は、微粒子が外力により寄せられて、直径の軸上を移動するようになるため吸脱着クロマトグラフィに適している。このように、キャピラリは用途により形状や材質を様々なものを使用し得る。
【0008】
また、本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィは、
前記キャピラリの内壁は、表面処理が施されている、
ことを特徴とする。
本発明においては、粒子と内壁との相互作用は、非常に重要なパラメーターであり、この相互作用に応じて脱着電流が変化する。従って、表面を修飾して化学的、選択的、或いは官能基に特異的な「相互作用」を設計することが可能である。種々の細胞や、蛋白質の分離分析には、このようなキャピラリ内壁の表面処理は非常に効果がある。即ち、ファンデアワールス力の物理的な吸着力に加え、キャピラリ内壁に表面処理を施すことによって種々の化学的な吸着力を付加して選択性を増すことができる。表面処理としては、化学的な処理、物理的な処理、電気的な処理など様々なものが考えられるが、例えば、親水性、非親水性処理、或いは、様々な物質(金属、化学物質など)を塗布、蒸着、またはエッチングし被膜を形成したり、表面を改質したりするなどがある。このように、通常のキャピラリとして使用されるようなガラスや各種プラスチックに、分離を所望する微粒子に適した表面処理を施すことによって、微粒子との相互作用(即ち脱着電流)を変化させることができるため、微粒子の分離効率を向上させたり、通常の素材では分離できないような微粒子なども分離することが可能となる。
【0009】
本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置は、
キャピラリと、
磁場発生手段と、
電流供給手段と、
前記キャピラリ内に微粒子を含む溶液を流す手段と、
前記キャピラリ内を流れる前記溶液に磁場発生手段を用いて磁場をかけ、その磁場とほぼ直交するように電流供給手段を用いて電流を流すことによって、前記溶液に含まれる前記微粒子を電磁泳動させ、さらに前記電流の極性の反転を繰り返すことによって、前記溶液に含まれる前記微粒子を前記キャピラリ内壁と吸脱着させる手段と、
を含むことを特徴とする。
また、本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置は、
さらに、前記キャピラリ内の前記微粒子を検出する顕微鏡、
をも含むことを特徴とする。
また、本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置は、
前記キャピラリ断面の形状は、正方形、長方形、楕円形、或いは円形である、ことを特徴とする。
また本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置は、
前記キャピラリの内壁は、表面処理が施されている、
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の原理は、微粒子を含む電解質溶液に均一磁場を印加し、それにほぼ直交するように電流を流すと、媒体である溶液に電磁力が働き、それが微粒子に対しては「浮力」として働き、微粒子の「泳動」を引き起こすというものである。即ち、本発明は、電磁力を用いてフロー溶液中の微粒子を分離する新しい方法・装置を開発したものである。均一な磁場に設置したガラスキャピラリに微粒子を含む電解質溶液を流し、磁力線とほぼ直交するようにキャピラリ内に波形を制御した交流電流を印加する。このときに生じる電磁浮力により、移動する微粒子はキャピラリ内壁との吸着・脱着を繰り返してクロマトグラフ分離が達成される。本発明によれば、通常の方法では分離不可能な環境微粒子や生体微粒子の単一粒子レベルでも新しい分離分析法が可能となる。
上述したように、本発明の特徴は、キャピラリ内を流れる媒体中の微粒子に対して、電磁浮力に基づく移動力を与えることによって、容器内壁への吸脱着挙動を制御することである。即ち、電流の方向を切り替えることにより、吸着と脱着を繰り返すことができ、キャピラリからの流れ出る微粒子の速度を個々の微粒子に特徴的な値にすることが可能である。媒体の流速、電流の大きさとその周期パターン、および方向を適切に設定することによって、多段階の吸脱着によるクロマトグラフ分離性能を最適化することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、諸図面を参照しつつ本発明の実施態様を詳細に説明する。
本発明により実現されるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィとは、液中微粒子の電磁泳動(Electromagnetophoresis)をキャピラリフロー系に応用し、微粒子に作用する電磁泳動力と、微粒子のキャピラリ内壁への吸着・脱着とを利用して、微粒子の分離や精製を行う技法である。電磁泳動とは、微粒子を分散させた電解質溶液に均一電場と、さらにそれに直交する均一磁場とをかけることによって、微粒子が電場と磁場とに対して直角方向に泳動する現象である。電磁泳動では、電流の極性を変えてやると、電流の方向に応じて電磁泳動力の作用する向きが変わり、微粒子の泳動方向が反転する。キャピラリフロー系において、電流の極性を変えながら電磁泳動を行うと、微粒子はキャピラリ内の媒体中を泳動し、キャピラリ内壁に到達すると電磁泳動力によりキャピラリ内壁に押し付けられ吸着する。その後、電流の極性が変わり、ある特定の脱着電流以上になると、微粒子は電磁泳動力によってキャピラリ内壁から脱着し、また、反対側の内壁に向かって泳動する。つまり、微粒子は、「泳動→吸着→脱着→泳動」のサイクルを繰り返すこととなる。このとき、フロー速度が吸着されている微粒子を押し流してしまうほど速くない場合は、微粒子は泳動している間のみフローにより流され、キャピリ中をジグザグに泳動することとなる。脱着から吸着までの1サイクルの間にフローによって流される距離は、キャピラリを横切る時間が長いほど、つまり電磁泳動速度が遅いほど大きくなる。この距離が個々の微粒子同士で異なれば、吸脱着を繰り返すことによってその差が広がり、微粒子の種類によってキャピラリからの流出時間が異なる。この流出時間の差により、微粒子を分離・分析するというのがこの吸着クロマトグラフィの基本概念である。
【0012】
微粒子分離モデル
次に、本発明で利用するキャピラリフロー系電磁泳動において、吸脱着を利用する微粒子分離のモデルを以下のようにたてる。
電磁泳動において液中微粒子には、粒子自体に働く電磁力FEMW(Electromagnetophoretic weight)と、媒体に働く電磁力とは逆向きの電磁浮力FEMB(Electromagnetophoretic Buoyancy)との両者が作用するので、液中微粒子に働く電磁泳動力FEMPは、この2つの力の和であり、下式のように表される。
【数1】
ここでBは外部磁場(T)、iは電流(A)、Vは微粒子の体積(m3)、Sはキャピラリの断面積(m2)、σfとσpは、それぞれ、媒体の伝導率(Sm−1)および液中微粒子の電気二重層に起因する微粒子の表面伝導率(Sm−1)である。さらに、(1)式と粘性抵抗力の式から微粒子の電磁泳動速度vEMPは下式のように表される。
【数2】
ここでrは粒子半径(m)、ηは媒体の粘度(Pas)、CWはキャピラリ内壁の抵抗係数である。このように電磁泳動力は粒子の体積、電流および外部磁場に、泳動速度は粒子半径の二乗、電流および外部磁場に比例する。
【0013】
図1は、キャピラリ内壁に吸着した微粒子に供給される電流と時間との関係を示すグラフである。図に示すように、キャピラリ内壁に吸着した微粒子を時間tiの間に電流値imaxまで増加する波形の電流を印加し電磁泳動力により脱着を行うと、電流値が増加するにつれて電磁泳動力が増大してゆき、電磁泳動力が吸着力FAに対して
【数3】
となったときに微粒子の脱着が起こる。微粒子が脱着したときの電流値を脱着電流iDとする。
【0014】
図2は、キャピラリフロー系において微粒子が脱着してから吸着するまでの移動距離dを示した概念図である。図に示すように、キャピラリ内壁に吸着している粒子が電磁泳動力によって壁から脱着し、電磁泳動によってキャピラリを横切っている間、フローによって移動する。図1に示した波形の電流により、粒子は脱着電流iDのときに脱着し、泳動し始める。泳動しているときの速度変化が小さいとすると、半径rの粒子が内径wのキャピラリを電磁泳動により横断するのに要する時間twは、
【数4】
となる。ここでkは(2)式の電流と半径以外の項をまとめた係数である。粒子は時間twの間フローによって移動するので、フロー速度をvfとすると移動距離dは、
【数5】
となる。(5)式で表したように、移動距離dは粒子の半径と脱着電流に依存すると考えられる。そのため個々の粒子の性質により移動距離dは異なる。
【0015】
図3は、キャピラリフロー系において2種類の微粒子が吸脱着を繰り返した場合のそれぞれの移動距離を示す概念図である。図の上部と下部の各キャピラリ内の白丸および黒丸で粒子の移動の様子を模式的に示すように、微粒子の性質(粒径、内壁との相互作用など)に応じて一回の吸脱着の移動距離dが異なれば、吸脱着を繰り返すことによって、同じ流速であっても一定距離を進むのに要する時間に差ができ、一定のキャピラリ長における保持時間が異なる。このときの粒子の保持時間は、
【数6】
で表される。ここでlはキャピラリ有効長である。(6)式のように、保持時間は脱着電流iDおよび粒子半径rに依存すると考えられ、これらの違いにより微粒子の分離が可能となる。
【0016】
図4は、本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置で用いる電磁泳動用キャピラリフローセル部のキャピラリセルを示す概略図である。図に示すように、キャピラリセル10は、内径100×100μm、長さ2cmの正方形フューズドシリカのキャピラリ12(Polymicro Technologies社製)を具え、この両端を熱収縮チューブ14を用いてPTFEチューブ16につなぎ合わせたものである。
【0017】
図5は、図4に示したキャピラリセルを含む電磁泳動用キャピラリフローセル部を示す概略図である。この図はキャピラリフローセルの全体図であり、図に示すように、キャピラリフローセル部100は、キャピラリセル110を具え、この両端に三方コネクタ120を接続し、三方コネクタ120の残りの一方からAg|AgCl電極130を挿入し、他方に送液用PTFEチューブ140を接続したものである。Ag|AgCl電極は、銅線を塩化カリウム水溶液中で電気分解することにより作製さいた。その手順は、銅線を電源の+極につなぎ、白金線を−極につないで、その2本の金属線を1M塩化カリウム水溶液に浸す。それから、5Vで5分間電流を流すと銅線の先端に塩化銀が生成してAg|AgCl電極が完成する。ここで、磁場発生装置(図示しない)から生じた均一な磁場は図の上下方向に生じ、一方、電極から生じた電流iの流れる方向は図に示すように、磁場と実質的に直交するように左右方向に交互に反転する。
【0018】
図6は、本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置の全体を示す概略図である。図に示すように、キャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置200は、磁場発生手段として、液体ヘリウムが不要な無冷媒型超伝導磁石220(JMT社製、JMTD-10T100HH1)を具える。この超伝導磁石220は、直径100mm、長さ950mmの室温ボアを持ち、上フランジ面から560mm±5mmに0〜10Tの均一磁場を作り出すことができ、磁場の方向は図中の「矢印B」で示すように重力方向(下方)である。このように、磁場がキャピラリの長手方向(即ち電流の流れる方向)に対して直角となるように、装置を配置する。また、本クロマトグラフィ装置200は、前記均一磁場内のセルホルダに固定されたキャピラリフローセル230、PC240、ファンクションシンセサイザー250(NF社製)、アンプ260(TREC社製、MODEL610-C)、デジタルマルチメータ270(IWATSU社製電流計、VOAC7512)、ビデオレコーダ280、モニタ290、シリンジポンプ300(Harvard Apparatus社製、pump II)光源310(オリンパス社製、MODEL ILV)、CCDカメラ320(ELMO社製、ME421)、および光学顕微鏡330をも具える。PC240には、「任意波形作成ソフトウェア0105(NF社製)」が導入されており、これを用いて所望の印加電流波形を作成し、ファンクションシンセサイザー250に波形を送り電圧を出力し、アンプ260により電圧を増幅し、セル中の試料液に印加し、デジタルマルチメータ270により電流を測定する。キャピラリフローセル230に含まれるPTFEチューブの一端を内容量100μlのシリンジ(HAMILTON社製、GASTIGHT#1701)に接続し、シリンジポンプ300により微粒子が含まれる試料液を送液する。光源310を用いて下方から光を入れ、上方から10倍の対物レンズの付いた光学顕微鏡330で観測し、CCDカメラ320で微粒子の泳動挙動を撮影してこれをモニタ290に出力し、ビデオ280で録画する。磁場が均一になるように、超伝導磁石のボア内に入れる装置は、全て非磁性のアクリル、アルミ、或いは真鍮を用いて作製してある。
【0019】
本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置を用いて、その性能および効果を確認するために、2種類の粒径が異なる微粒子を含む溶液を用いて分離実験を行った。
試料
試料液としては、粒径20μm、10μmの2種類のポリスチレン粒子を、0.01%の界面活性剤Triton X-100を含む1M塩化カリウム溶液に分散させたものを使用した。このときの媒体の密度は、ポリスチレンの密度(1.05gcm-3)とほぼ一致している。
【0020】
ポリスチレン粒子の保持時間の測定
本実験では、本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置に直径200μmの円形シリカキャピラリを使用した。本装置において、キャピラリ有効長1mmでのポリスチレン粒子の保持時間の測定を行った。図1に示した波形の電流をimax=2000μAに、ti=2sに設定して、試料液に電流を供給した。試料液のフロー速度が40〜100μL/hの範囲内においてポリスチレン粒子の挙動を観察し、ポリスチレン粒子がキャピラリ中を1mm移動するのにかかる時間をモニタ上で測定し、ポリスチレン粒子の保持時間を求めた。
【0021】
測定結果
図7は、種類の粒径のポリスチレン粒子の保持時間と流速との関係を示すグラフである。測定条件は、imax=2000μA、ti=2sに設定し、粒径10μm、および20μm、直径200μmの円形シリカキャピラリでの有効長1mmである。このような条件において、流速即ちフロー速度を変化させて、保持時間を測定した。どのフロー速度においても、粒径10μmの粒子の保持時間の方が、粒径20μmよりも小さくなった。クロマトグラフ法の分離能Rは物質の保持時間を用いて次式で表される。
【数7】
ここでt1およびt2は、それぞれ物質1および物質2の保持時間である。この分離能Rが1以上であるとき、そのクロマトグラフ法によって物質1、2の分離が可能となる。本測定の場合は、分離能R=t20/t10=3.1となり、ポリスチレン粒子を粒径によって分離することが可能であることが示された。また、この実験において、吸脱着の際のポリスチレン粒子の脱着電流iDは、粒径10、20μmともに約1000μAであった。図7中の曲線はこの脱着電流を用いて(6)式から描いた理論曲線である。破線が粒径20μm、実線が粒径10μmを表しており、測定値と理論値とはほぼ一致していることが判明した。このように、(6)式から粒子の保持時間を予測することが可能であり、保持時間から微粒子を同定することが可能である。
この実施例では、電流の正、負の切替が2秒としてるので、フロー速度が40μL/hの場合、20マイクロメートルのポリスチレン微粒子で55回、10マイクロメートルの微粒子で20回程度、1mmのキャピラリ内で吸脱着を行なったことになる。
【0022】
本発明による装置や方法は、微粒子の分離法や分離装置として、環境および保健分野、機能性素材の製造分野、食品・衛生分野などで広く利用され得るものである。
本明細書では、様々な実施態様で本発明の原理を説明してきたが、本発明は上述した実施例に限定されず幾多の変形および修正を施すことが可能であり、これら変形および修正されたものも本発明に含まれることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、キャピラリ内壁に吸着した微粒子に供給される電流と時間との関係を示すグラフである。
【図2】 キャピラリフロー系において微粒子が脱着してから吸着するまでの移動距離dを示した概念図である。
【図3】 キャピラリフロー系において2種類の微粒子が吸脱着を繰り返した場合のそれぞれの移動距離を示す概念図である。
【図4】 本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置で用いるキャピラリセルを示す概略図である。
【図5】 図4に示したキャピラリセルを含む電磁泳動用キャピラリフローセル部を示す概略図である。
【図6】 本発明によるキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置の全体を示す概略図である。
【図7】 2種類の粒径のポリスチレン粒子の保持時間と流速との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
200 キャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置200
220 超伝導磁石
230 キャピラリフローセル
240 PC
250 ファンクションシンセサイザー
260 アンプ
270 デジタルマルチメータ
280 ビデオレコーダ
290 モニタ
300 シリンジポンプ
310 光源
320 CCDカメラ
330 光学顕微鏡[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to capillary electrophoresis adsorption / desorption chromatography and an apparatus therefor.
[0002]
[Prior art]
Biotechnology, molecular biology, in the field of clinical tests, blood cells, subcellular particles, although the separation of such proteins are required, the micrometer level size for the fine particles, such as by conventional electromagnetic electrophoresis and chromatography graphic Separation was impossible. Currently, cell sorters, or flow cytometers, are commercially available and used as a method for separating fine particles at the cell level. However, in this conventional technique, it is necessary to label each cell with a selective fluorescent labeling reagent. When using such cells, there is a problem that it is necessary to remove the labeling reagent.
As for the electrophoretic migration of fine particles in liquid, there is “electrophoretic analysis method and apparatus for fine particles in liquid” (refer to Patent Document 1) by Watanabe et al. Is a basic principle that clarifies the fundamental behavior of electrophoretic movement of fine particles in liquid, but because it is a separation method / apparatus that uses only the electrophoretic movement of individual fine particles in the medium, the efficiency and speed of separation is high. There was a problem of being slow.
[0003]
[Patent Document 1]
JP 2000-105218 A (paragraph 0005, FIG. 1)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography for separating, purifying, and analyzing fine particles in a solution and the apparatus for solving the above-mentioned problems.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography according to the present invention comprises:
Flowing a solution containing fine particles into the capillary;
By applying a magnetic field to the solution flowing in the capillary and flowing a current so as to be substantially orthogonal to the magnetic field, the microparticles contained in the solution are electrophoresed, and the reversal of the polarity of the current is repeated (for example, Reversing the microparticles contained in the solution with the inner wall of the capillary by, for example, reversing at a predetermined cycle),
Moving the microparticles by flow;
It is characterized by including.
According to the present invention, the electromagnetic particles are electrophoresed using the electromagnetic buoyancy of the individual fine particles in the medium, and the interaction between the fine particle surface and the capillary inner wall inherent to the individual fine particles is utilized. The separation efficiency and separation speed can be significantly improved. According to the present invention, in electrophoretic electrophoresis, in a normal model, it is considered that the moving speed changes according to the size of the particle size of the fine particles, so that the fine particles having different particle sizes can be separated on this principle. . Furthermore, since the present invention also utilizes the interaction between the capillary material and the fine particles, the interaction between the capillary material and the fine particles (which requires a large amount of energy for adsorption / desorption with the capillary inner wall) When fine particles having a small effect are mixed, the sample can be separated and purified at a very high speed and with high efficiency. In addition, the separation efficiency and separation speed of the fine particles can be further improved by appropriately selecting the capillary material according to the fine particles to be separated. In the present invention, the label reagent required in the cell sorter of the prior art is unnecessary, so that the separation of the label reagent is unnecessary, and the separated microparticles coming out from the capillary are used immediately without any treatment. Is possible.
[0006]
Further, the capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography according to the present invention comprises:
Furthermore, the step of detecting the fine particles in the capillary using a microscope (such as an optical microscope, a fluorescence microscope, a microscope system for measuring light absorption / scattering),
Is also included.
According to the present invention, it is possible to observe the movement of nanometer-order microparticles that cannot be observed with the naked eye. since it to observe, etc. conditions and migration speed, can be separated more efficiently rapidly microparticles to understand the behavior of particles in more detail.
[0007]
Further, the capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography according to the present invention comprises:
The capillary cross-sectional shape is a square, a rectangle, an ellipse, or a circle.
For example, when a capillary having a square or rectangular cross section is used, it is suitable for observing an electrophoretic model in which adsorption and desorption are repeated by going back and forth between two planes where fine particles face each other. When a capillary with a circular cross section is used, fine particles are attracted by an external force and move on the axis of the diameter, which is suitable for adsorption / desorption chromatography. As described above, various capillaries of various shapes and materials can be used depending on the application.
[0008]
Further, the capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography according to the present invention comprises:
The inner wall of the capillary is subjected to a surface treatment,
It is characterized by that.
In the present invention, the interaction between the particle and the inner wall is a very important parameter, and the desorption current changes according to this interaction. It is thus possible to modify the surface to design chemical, selective or functional group specific “interactions”. Such surface treatment of the inner wall of the capillary is very effective for separation and analysis of various cells and proteins. That is, in addition to the physical adsorption force of the van der Waals force, various chemical adsorption forces can be added to increase the selectivity by subjecting the inner wall of the capillary to a surface treatment. Various surface treatments such as chemical treatment, physical treatment, and electrical treatment can be considered. For example, hydrophilic treatment, non-hydrophilic treatment, or various substances (metal, chemical substance, etc.) Is applied, vapor-deposited or etched to form a film, or the surface is modified. In this way, the interaction with fine particles (ie, desorption current) can be changed by applying a surface treatment suitable for fine particles desired to be separated to glass or various plastics used as ordinary capillaries. Therefore, it is possible to improve the separation efficiency of fine particles, and to separate fine particles that cannot be separated by ordinary materials.
[0009]
A capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device according to the present invention comprises:
Capillary,
Magnetic field generating means;
Current supply means;
Means for flowing a solution containing fine particles in the capillary;
Applying a magnetic field to the solution flowing in the capillary using a magnetic field generating means, and causing a current to flow substantially perpendicular to the magnetic field using an electric current supply means, thereby causing the microparticles contained in the solution to be electrophoresed, Furthermore, means for adsorbing and desorbing the microparticles contained in the solution with the inner wall of the capillary by repeatedly reversing the polarity of the current;
It is characterized by including.
In addition, the capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device according to the present invention comprises:
Furthermore, a microscope for detecting the fine particles in the capillary,
Is also included.
In addition, the capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device according to the present invention comprises:
The capillary cross-sectional shape is a square, a rectangle, an ellipse, or a circle.
Further, the capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device according to the present invention comprises:
The inner wall of the capillary is subjected to a surface treatment,
It is characterized by that.
[0010]
The principle of the present invention is that when a uniform magnetic field is applied to an electrolyte solution containing fine particles, and an electric current is passed so as to be substantially orthogonal thereto, an electromagnetic force acts on the solution as a medium, and this is regarded as “buoyancy” for the fine particles. It works to cause "migration" of fine particles. That is, the present invention has developed a new method and apparatus for separating fine particles in a flow solution using electromagnetic force. An electrolyte solution containing fine particles is caused to flow through a glass capillary placed in a uniform magnetic field, and an alternating current having a controlled waveform is applied to the capillary so as to be substantially perpendicular to the magnetic field lines. Due to the electromagnetic buoyancy generated at this time, the moving fine particles are repeatedly adsorbed and desorbed from the inner wall of the capillary to achieve chromatographic separation. According to the present invention, a new separation and analysis method can be performed even at a single particle level of environmental fine particles and biological fine particles that cannot be separated by a normal method.
As described above, the feature of the present invention is to control the adsorption / desorption behavior to the inner wall of the container by giving a moving force based on the electromagnetic buoyancy to the fine particles in the medium flowing in the capillary. That is, by switching the direction of the current, adsorption and desorption can be repeated, and the velocity of the fine particles flowing out from the capillary can be a characteristic value for each fine particle. By appropriately setting the flow rate of the medium, the magnitude of the current and its periodic pattern, and the direction, the chromatographic separation performance by multi-stage adsorption / desorption can be optimized.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography realized by the present invention applies electrophoresis of fine particles in liquid to the capillary flow system, and the electrophoretic force acting on the fine particles and the adsorption / desorption of fine particles on the inner wall of the capillary Is a technique for separating and purifying fine particles. Electrophoresis is a phenomenon in which fine particles migrate in a direction perpendicular to an electric field and a magnetic field by applying a uniform electric field and a uniform magnetic field perpendicular to the electrolyte solution in which the fine particles are dispersed. In electrophoresis, if the polarity of the current is changed, the direction in which the electrophoretic force acts changes according to the direction of the current, and the direction of migration of the fine particles is reversed. In the capillary flow system, when the electrophoresis is performed while changing the polarity of the current, the microparticles migrate in the medium in the capillary, and when they reach the inner wall of the capillary, they are pressed against the inner wall of the capillary by the electrophoretic force and adsorbed. Thereafter, when the polarity of the current changes and exceeds a specific desorption current, the microparticles are desorbed from the inner wall of the capillary by the electrophoretic force and migrate toward the inner wall on the opposite side. That is, the microparticles repeat a cycle of “migration → adsorption → desorption → migration”. At this time, if the flow speed is not fast enough to push away the adsorbed fine particles, the fine particles are flowed by the flow only during migration and migrate in a zigzag manner in the capillaries. The distance carried by the flow during one cycle from desorption to adsorption increases as the time across the capillary increases, that is, as the electrophoretic velocity decreases. If this distance is different for each fine particle, the difference widens by repeated adsorption and desorption, and the outflow time from the capillary varies depending on the type of fine particle. More difference in elution time, because the particles to separate and analyze the basic concept of adsorption chromatography.
[0012]
Fine particle separation model Next, in capillary flow system electrophoresis used in the present invention, a fine particle separation model using adsorption / desorption is prepared as follows.
In electrophoretic migration, both the electromagnetic force F EMW (Electromagnetophoretic weight) acting on the particle itself and the electromagnetic buoyancy F EMB (Electromagnetophoretic Buoyancy) opposite to the electromagnetic force acting on the medium act on the fine particles in the liquid. The electrophoretic force F EMP acting on the medium fine particles is the sum of these two forces and is expressed by the following equation.
[Expression 1]
Where B is the external magnetic field (T), i is the current (A), V is the volume of the fine particles (m 3 ), S is the cross-sectional area of the capillary (m 2 ), and σ f and σ p are the conduction of the medium, respectively. Rate (Sm −1 ) and surface conductivity (Sm −1 ) of fine particles resulting from the electric double layer of fine particles in liquid. Furthermore, from the equation (1) and the viscous resistance force, the electrophoretic velocity v EMP of the fine particles is expressed as the following equation.
[Expression 2]
Here, r is the particle radius (m), η is the viscosity (Pas) of the medium, and CW is the resistance coefficient of the inner wall of the capillary. Thus, the electrophoretic force is proportional to the particle volume, current and external magnetic field, and the electrophoretic velocity is proportional to the square of the particle radius, current and external magnetic field.
[0013]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between the current supplied to the fine particles adsorbed on the inner wall of the capillary and time. As shown in the figure, when the microparticles adsorbed on the inner wall of the capillary are desorbed by the electrophoretic force by applying a current having a waveform that increases to the current value imax during the time t i , the electrophoretic force increases as the current value increases. Increases and the electrophoretic force is less than the adsorption force F A
Then, desorption of fine particles occurs. The current value when fine particles are desorbed and desorption current i D.
[0014]
FIG. 2 is a conceptual diagram showing the moving distance d from when the fine particles are desorbed to when they are adsorbed in the capillary flow system. As shown in the figure, the particles adsorbed on the inner wall of the capillary are desorbed from the wall by the electrophoretic force, and move by the flow while traversing the capillary by the electrophoretic movement. Due to the current of the waveform shown in FIG. 1, the particles are desorbed at the desorption current iD and begin to migrate. When the speed change is small when on migration, the time t w of particles of radius r takes the capillary inner diameter w to traverse the electromagnetic Electrophoresis,
[Expression 4]
It becomes. Here, k is a coefficient obtained by summarizing terms other than the current and the radius in equation (2). Since the particles are moved by the flow during the time t w, the moving distance d between the flow velocity v f,
[Equation 5]
It becomes. As represented by the equation (5), the moving distance d is considered to depend on the radius of the particles and the desorption current. Therefore, the moving distance d varies depending on the properties of individual particles.
[0015]
FIG. 3 is a conceptual diagram showing the moving distances when two kinds of fine particles repeat adsorption and desorption in the capillary flow system. As shown schematically in the white and black circles in the capillaries at the top and bottom of the figure, the adsorption / desorption can be performed once depending on the properties of the fine particles (particle size, interaction with the inner wall, etc.). If the moving distance d is different, by repeating the adsorption / desorption, the time required to travel a certain distance can be different even at the same flow rate, and the holding time at a certain capillary length is different. The particle retention time at this time is
[Formula 6]
It is represented by Here, l is the effective capillary length. As shown in the equation (6), the holding time is considered to depend on the desorption current i D and the particle radius r, and separation of fine particles is possible due to these differences.
[0016]
FIG. 4 is a schematic view showing a capillary cell of an electrophoretic capillary flow cell unit used in a capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device according to the present invention. As shown in the figure, the
[0017]
FIG. 5 is a schematic diagram showing a capillary flow cell unit for electrophoresis including the capillary cell shown in FIG. This figure is an overall view of the capillary flow cell. As shown in the figure, the capillary
[0018]
FIG. 6 is a schematic view showing the entire capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography apparatus according to the present invention. As shown in the figure, the capillary electrophoretic adsorption /
[0019]
In order to confirm the performance and effect of the capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography apparatus according to the present invention, a separation experiment was performed using two kinds of solutions containing fine particles having different particle diameters.
Sample The sample solution used was a dispersion of two types of polystyrene particles having a particle size of 20 [mu] m and 10 [mu] m in a 1M potassium chloride solution containing 0.01% surfactant Triton X-100. The density of the medium at this time is almost the same as the density of polystyrene (1.05 gcm −3 ).
[0020]
Measurement of polystyrene particle retention time In this experiment, a circular silica capillary having a diameter of 200 μm was used in the capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography apparatus according to the present invention. In this apparatus, the retention time of polystyrene particles with a capillary effective length of 1 mm was measured. The current having the waveform shown in FIG. 1 was set to i max = 2000 μA and t i = 2s, and the current was supplied to the sample solution. The behavior of polystyrene particles is observed when the flow rate of the sample liquid is in the range of 40 to 100 μL / h, the time taken for the polystyrene particles to move 1 mm in the capillary is measured on the monitor, and the retention time of the polystyrene particles is obtained. It was.
[0021]
Measurement result FIG. 7 is a graph showing the relationship between the retention time and flow rate of polystyrene particles of various particle sizes. The measurement conditions are set to i max = 2000 μA, t i = 2s, and the effective length is 1 mm for a circular silica capillary having a particle size of 10 μm and 20 μm and a diameter of 200 μm. Under these conditions, the holding time was measured by changing the flow rate, that is, the flow rate. At any flow rate, the retention time of particles having a particle size of 10 μm was smaller than the particle size of 20 μm. The resolution R of the chromatographic method is expressed by the following formula using the retention time of the substance.
[Expression 7]
Here, t 1 and t 2 are retention times of the substance 1 and the substance 2, respectively. When the resolution R is 1 or more, the substances 1 and 2 can be separated by the chromatographic method. In the case of this measurement, the resolution R = t 20 / t 10 = 3.1, indicating that the polystyrene particles can be separated by the particle size. In this experiment, the desorption current i D of the polystyrene particles during the adsorption / desorption was about 1000 μA for both the particle sizes of 10 and 20 μm. The curve in FIG. 7 is a theoretical curve drawn from equation (6) using this desorption current. The broken line represents a particle size of 20 μm, and the solid line represents a particle size of 10 μm, and it was found that the measured value and the theoretical value almost coincided. As described above, the retention time of the particles can be predicted from the equation (6), and the fine particles can be identified from the retention time.
In this embodiment, since the positive / negative switching of the current is 2 seconds, when the flow rate is 40 μL / h, 55 times with 20 μm polystyrene fine particles, about 20 times with 10 μm fine particles, Adsorption / desorption is performed in the capillary.
[0022]
The apparatus and method according to the present invention can be widely used in the environment and health field, functional material manufacturing field, food and sanitary field, etc., as a fine particle separation method and separation apparatus.
In the present specification, the principle of the present invention has been described in various embodiments. However, the present invention is not limited to the above-described embodiments, and many variations and modifications can be made. It should be understood that these are also included in the present invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between current supplied to fine particles adsorbed on the inner wall of a capillary and time.
FIG. 2 is a conceptual diagram showing a moving distance d from when a microparticle is desorbed to when it is adsorbed in a capillary flow system.
FIG. 3 is a conceptual diagram showing movement distances when two types of microparticles repeatedly adsorb and desorb in a capillary flow system.
FIG. 4 is a schematic view showing a capillary cell used in a capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device according to the present invention.
5 is a schematic view showing a capillary flow cell portion for electrophoresis including the capillary cell shown in FIG. 4. FIG.
FIG. 6 is a schematic view showing the entire capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography apparatus according to the present invention.
FIG. 7 is a graph showing the relationship between retention time and flow rate of polystyrene particles having two types of particle sizes.
[Explanation of symbols]
200 Capillary Electrophoresis Adsorption /
220
250
Claims (10)
キャピラリ内に微粒子を含む溶液を流すステップと、
前記キャピラリ内を流れる前記溶液に磁場をかけ、その磁場とほぼ直交するように電流を流すことによって、前記溶液に含まれる前記微粒子を電磁泳動させ、さらに前記電流の極性の反転を繰り返すことによって、前記溶液に含まれる前記微粒子を前記キャピラリ内壁と吸脱着させ、前記微粒子を分離、および/または、精製するステップと、
を含むことを特徴とするキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ。Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography,
Flowing a solution containing fine particles into the capillary;
Applying a magnetic field to the solution flowing in the capillary by flowing current so as to be substantially perpendicular to the magnetic field, the fine particles contained in the solution was electromagnetic focusing, by further repeating the polarity inversion of the current A step of adsorbing and desorbing the fine particles contained in the solution with the inner wall of the capillary, and separating and / or purifying the fine particles;
Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography, comprising:
前記キャピラリの一定のキャピラリ長における前記微粒子の保持時間を測定するステップ、
をも含む特徴とするキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ。The capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography according to claim 1,
Measuring the retention time of the microparticles in a certain capillary length of the capillary;
Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography characterized by including.
さらに、前記キャピラリ内の前記微粒子を顕微鏡を用いて検出するステップ、
をも含む特徴とするキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ。The capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography according to claim 1 or 2,
Furthermore, detecting the fine particles in the capillary using a microscope,
Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography characterized by including.
前記キャピラリ断面の形状は、正方形、長方形、楕円形、或いは円形である、
ことを特徴とするキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ。In capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography according to any one of claims 1 to 3,
The shape of the capillary cross section is a square, a rectangle, an ellipse, or a circle.
Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography characterized by the above.
前記キャピラリの内壁は、表面処理が施されている、
ことを特徴とするキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ。In the capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography according to any one of claims 1 to 4,
The inner wall of the capillary is subjected to a surface treatment,
Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography characterized by the above.
キャピラリ内に微粒子を含む溶液を流す手段と、
前記キャピラリ内を流れる前記溶液に磁場をかけ、その磁場とほぼ直交するように電流を流すことによって、前記溶液に含まれる前記微粒子を電磁泳動させ、さらに前記電流の極性の反転を繰り返すことによって、前記溶液に含まれる前記微粒子を前記キャピラリ内壁と吸脱着させ、前記微粒子を分離、および/または、精製する手段と、
を含むことを特徴とするキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置。A capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device comprising:
Means for flowing a solution containing fine particles in the capillary;
Applying a magnetic field to the solution flowing in the capillary by flowing current so as to be substantially perpendicular to the magnetic field, the fine particles contained in the solution was electromagnetic focusing, by further repeating the polarity inversion of the current Means for adsorbing and desorbing the fine particles contained in the solution with the inner wall of the capillary, and separating and / or purifying the fine particles;
A capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatographic apparatus comprising:
前記キャピラリの一定のキャピラリ長における前記微粒子の保持時間を測定する手段、
をも含むことを特徴とするキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置。The capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device according to claim 6,
Means for measuring the retention time of the microparticles in a certain capillary length of the capillary;
A capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatographic apparatus characterized by comprising:
さらに、前記キャピラリ内の前記微粒子を検出する顕微鏡、
をも含むことを特徴とするキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置。The capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device according to claim 7,
Furthermore, a microscope for detecting the fine particles in the capillary,
A capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatographic apparatus characterized by comprising:
前記キャピラリ断面の形状は、正方形、長方形、楕円形、或いは円形である、
ことを特徴とするキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置。The capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device according to any one of claims 6 to 8,
The shape of the capillary cross section is a square, a rectangle, an ellipse, or a circle.
Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography apparatus characterized by the above.
前記キャピラリの内壁は、表面処理が施されている、
ことを特徴とするキャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィ装置。The capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography device according to any one of claims 6 to 9,
The inner wall of the capillary is subjected to a surface treatment,
Capillary electrophoretic adsorption / desorption chromatography apparatus characterized by the above.
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