この特許文献2に記載された発明は、「プールの水深を浅くするためにプールの底に設置するプール用床を不使用時には小さく折り畳む事ができるように構成する」ことを目的としてなされたもので、図19に示すように、「床板1を支持する脚体4を、複数の脚材7、8を連結材9を介して開閉自在に連結し、一側の脚材7を脚台6に軸止し、脚台6に係合受体11を取付け、他側の脚材8を該係合受体11に着脱可能に係止可能とした」ものであり、「脚材7、8をV字状折曲し、脚材8を該係合受体11に係合させば脚体4を組み立てることができる一方、前記係合受体11との係合を外し、脚材7、8を互いに重なるように折り畳み、脚台6の脚材収納部14に収納すれば、脚体4を小さく平らに折り畳むことができる」といった効果が得られるものと考えられる。
この特許文献2に記載されている「脚体4」は、図19に示したように、脚材7及び8によってV字状に折曲されるものであり、「連結材9」部分がプールの床面に接触するものとなって、各脚体4がプール床面上に線接触することになるのものである。なお、図19では、図示上側がプール床面となるものであり、図示された脚体4は上下逆にした状態で使用されるものである。
この特許文献2に記載された脚体4では、それぞれがプール床面に「線接触」するものであり、しかもその線方向が同一方向であるから、摩擦力が小さくならざるを得ず、プール内で移動し易いものとなっていると考えられる。つまり、この種のプールフロアは、プール内に沈めて使用するものであるため、その体積分の浮力が発生しているとともに、プール内では遊泳者の動きによって波が発生して水面下の水も揺れているだけでななく、プール内での競技や遊泳内容によっては異なる方向の水流が発生しているのであるから、水中ではない通常の床面に置いたときとは較べものにならない程動き易くなっているものである。
このため、水中であるプール床面と各脚体4とが単に線接触しているだけだと、配置した位置からズレ易くなり、それによってできた各フロア板間の隙間に脚をとられたり挟まれたりしないとは限らない。また、線接触による摩擦抵抗は、この線に水流が直交しているときには十分強いが、平行な方向に対しては弱いものであるため、脚体にその線接触方向と平行な水流が当たった場合、当該特許文献2の脚体はプール床面に対して簡単にズレて、摩耗し易くなるだけでなく、破損し易いものとなっていると考えられる。
さらに、この特許文献2の脚体4は、脚材を係合受体に着脱可能に係止しているため、プール内の水流や外で持ち運びしているときの衝撃によって外れ易いと考えられる。勿論、この特許文献2の脚体4は、他の部分に対して別体となっているから、外した後に紛失する可能性もある。
そして、この特許文献2の脚体4は、「脚材7、8をV字状折曲し、脚材8を係合受体11に係合させれば組み立てることができる」ものであるが、その操作は、一個一個の脚体4について人が両手で行わなければならないと考えられる。そうなると、このプールフロアの各脚体4の組み立て、及び折り畳みについては、相当手間と時間が掛かると考えられる。換言すれば、特許文献2に記載されたプールフロアの各脚体4は、折り畳んで平らにすることができて便利ではあるが、それには相当面倒な作業が伴うものと考えられる。
以上のことをまとめてみると、この種のプールフロアについては、次の諸点の改良が望まれている。
(1)各脚の折り畳みや展開操作はできるだけ簡単に行えるようにして、プール内への設置や不使用時の収納・積み重ねが円滑に行えるようにすること。
(2)各脚は、使用時にしっかりとプール床面上に着いた状態となるようにして、プール内では簡単に位置ズレしないようにすること。
(3)プール内から引き上げる時のことを考慮して、水切りをよくすること。
(4)プールの脇からプール内に入れるときに手で持ちやすく、プール床面上に置くときは手を挟んだりしないようにできること。
すなわち、本発明の目的とするところは、各脚の展開や折り畳みを簡単に行うことができて、使用時にはプール床面上に置いただけでも位置ズレしないようにしっかりと支持することができ、さらに沈めるときの水の浸入とプールから取り出すときの水切りを短時間で行えるプールフロアを簡単な構成によって提供することである。
以上の課題を解決するために、まず請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、
「フロア板10と、これを支える複数の脚200とからなり、プール内に沈められたとき、このプール内にフロア板10による水深の浅い部分を形成するためのプールフロア100であって、
各脚200を、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に取り付けられることになる脚板30と、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20側に取り付けられることになる引出脚板50とを備えたものとして構成するとともに、
フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20にスライド溝25を形成し、このスライド溝25に係合するスライド係合部52を引出脚板50または脚板30、あるいはこれらの引出脚板50及び脚板30の両方に形成して、
引出脚板50及び脚板30の少なくとも一方をフロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に対して係脱及びスライド可能にしたことを特徴とするプールフロア100」
である。
すなわち、この請求項1に係るプールフロア100は、図1〜図3に示すように、平らなフロア板10の下面に複数(後述する最良形態では合計6脚)の脚200を設けるという基本構成を有したものであり、かつ、各脚200は、図4に示すように、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に取り付けられることになる脚板30と、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20側に取り付けられることになる引出脚板50とを備えたものとして構成しているのである。
そして、本発明に係るプールフロア100は、そのフロア板10裏面またはこれに固定される脚台20にスライド溝25を形成し、このスライド溝25に外部から係合するスライド係合部52を、脚板30または引出脚板50、あるいはこれらの脚板30及び引出脚板50の両方に形成したものであり、これにより、脚板30または引出脚板50あるいはその両方をフロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に対して係脱及びスライド可能にしたものである。
つまり、当該脚200をフロア板10の裏面に直接取り付ける場合には、図18の(イ)に示すように、スライド溝25をフロア板10の裏面に直接形成するか、図18の(ロ)に示すように、フロア板10の裏面に案内レール25bを取り付けて、この案内レール25bによって形成された溝をスライド溝25とするのである。フロア板10の裏面に脚台20を固定して、これに各脚200の引出脚板50をスライド可能に連結する場合には、最良形態の図8及び図11に示すように、この脚台20にスライド溝25を形成しておけばよい。
さらに、後述する最良形態において採用している各脚200は、図13、図14、または図15に示すように、略「箱型」のものとなるように構成してあるが、これに限るものではない。すなわち、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に取り付けられることになる脚板30の先端と、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20側に取り付けられることになる引出脚板50の先端とを互いに連結して、これらの脚板30と引出脚板50とを展開させたときの形状が、従来技術を示す図19に示すような略「V字型」となるように構成して実施してもよいものである。
以上のように構成した脚200において、スライド溝25に外部から係合するスライド係合部52を引出脚板50に形成した後述する最良形態の場合には、その脚板30及び引出脚板50を図11に示したように引き起せば、引出脚板50に形成たスライド係合部52が、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に形成してあったスライド溝25に、図11では図示上方から係合する。この係合を確実にするために、後述する最良形態では、図8の(イ)に示したように、スライド溝25の先端に係止部挿入開口25aが形成してある。
そして、引出脚板50が脚板30とともに完全に起き上がれば、その手掛け開口59が、図11に示すように、露出することになるので、この手掛け開口59を利用して当該引出脚板50を前方に引き出すのである。このとき、引出脚板50は、そのスライド係合部52によってフロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に係合しているので、安定した状態でフロア板裏10または脚台20に対してスライド移動することになり、両折り畳み材40を展開させるのである。
完全に引き出された引出脚板50は、その基板部51を引出端において係合突起51a等によってフロア板10またはこれに取り付けた脚台20側に固定すれば、脚200は展開されることになるのである。
勿論、この脚200を折り畳むには、図13、図12、図11及び図10の順に、上記説明とは逆の操作を行えばよいことは言うまでもない。
また、展開された各脚200についてみてみると、プールの床面上に当接する部分となるのは、図10〜図13、及び図14に示した第1の例の場合には、脚板30と引出脚板50との各床当接部34・54であり、これら床当接部34及び54は互いに平行な2本の線(あるいは帯)であるから、各脚200が安定した状態でプール床面上に接地することになるのである。
そして、当該プールフロア100は、その各脚200の一部が開口したり、構成部材の一部に穴開けが容易になっているから、当該プールフロア100をプール内に沈めるときに、開口や穴からの水の浸入を短時間内で行うことができ、また当該プールフロア100をプール内から引き上げるときの水切りも良好になっていて、そのプール内への設置や片づけが短時間内に行えるものとなっているのである。
従って、請求項1に係るプールフロア100は、その脚200について、各脚200の展開や折り畳みを簡単に行うことができて、使用時にはプール床面上に置いただけでも位置ズレしないようにしっかりと支持することができ、さらに沈めるときの水の浸入とプールから取り出すときの水切りを短時間で行えるのである。
上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載のプールフロア100について、
「各脚200を、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に取り付けられることになる脚板30と、折り畳まれる折り畳み材40と、この折り畳み材40に連結されて、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20側に取り付けられることになる引出脚板50とを備えたものとして構成したこと」
であり、請求項3に係る発明は、この請求項2のプールフロア100について、
「折り畳み材40の一端を脚板30に取り付けるようにしたこと」
である。
すなわち、この請求項2及び請求項3に係るプールフロア100は、図1〜図3に示すように、平らなフロア板10の下面に複数(後述する最良形態では合計6脚)の脚200を設けたものであり、各脚200は、上記請求項1のものと同様に、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に取り付けられることになる脚板30と、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20側に取り付けられることになる引出脚板50とを備えたという基本構成を有したものであるが、上記請求項1のものとは異なって、図4に示すように、脚板30に一端が取り付けられて折り畳まれる折り畳み材40を有したものであり、この折り畳み材40の他端に引出脚板50を連結したものである。
そして、これらの請求項2及び請求項3に係るプールフロア100も、そのフロア板10裏面またはこれに固定される脚台20にスライド溝25を形成し、このスライド溝25に外部から係合するスライド係合部52を、脚板30または引出脚板50、あるいはその両方に形成したものであり、これにより、脚板30または引出脚板50あるいは両方をフロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に対して係脱及びスライド可能にしたものである。
さらに、本発明において採用している各脚200は、図13、図14、または図15に示すように、略「箱型」のものとなるように構成してあるが、そのために、このプールフロア100における各脚200は、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に取り付けられることになる脚板30と、この脚板30に一端が取り付けられて折り畳まれる折り畳み材40と、この折り畳み材40の他端に連結されて、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20側に取り付けられることになる引出脚板50とにより構成しているのである。
各脚200を略「箱型」に構成するにあたっては、最良形態となっている図12〜図14に示した第1の場合と、図15に示した第2の場合との2通りが考えられる。第1の場合は、脚板30、折り畳み材40、及び引出脚板50が側壁を形成して、内部に上下方向の空間が形成されるようにする場合であり、第2の場合は、図15に示したように、脚板30と引出脚板50とによって側壁を構成し、図示上側に折り畳み材40を配置することにより、横方向の空間が形成されるようにする場合である。なお、図10〜図15においては、図示上側がプール床面となるように示してあり、各脚200は上下逆に表現してある。
各脚200が、脚板30、折り畳み材40及び引出脚板50によって略箱型になるように構成したことによって、まず、その展開や折り畳みが可能となっている。後述する最良形態に係る脚200について、その展開操作について、図10〜図13を参照して説明すると、この脚200を構成している脚板30及び引出脚板50は、その間に折り畳まれた2枚の折り畳み材40を挟み込んだ状態で、フロア板10の下面、またはこれに取付けた脚台20に対して折り畳まれているから、これを図11に示すように引き起こすのである。このとき、脚板30はその連結円突起32によって脚台20側に回動自在に連結してあるから、脚板30及び引出脚板50はこれらの連結円突起32を中心にして回動しながら起き上がるのである。なお、これらの図10〜図13においては、図示下側にフロア板10の裏面、またはこれに取り付けられる脚台20が位置していて、使用時の脚200とは上下反対状態にして示してあることは前述した通りである。
また、図14を使用して、第1の場合の別例を説明してみると、図14の(イ)では、引出脚板50を引き出すことにより両折り畳み材40を展開した状態が示してあり、このとき引出脚板50は、フロア板10または脚台20に対して自由になっている。
この引出脚板50の図示下端には挿入ピン53aが形成してあり、この挿入ピン53aは、フロア板10または脚台20側に設けてあるスライド溝25に対してスライド係合する挿入部27に挿入されることにより、引出脚板50のフロア板10または脚台20に対する案内と、展開時における固定とを、図14の(ロ)に示すように行うものである。
第2の場合の脚200では、図15の(イ)に示すように、引出脚板50の引き出しによって、1枚の折り畳み材40が展開されるのであり、この折り畳み材40は、図15の(ロ)に示すように、最終的には水平に展開されるのである。このとき固定は、図14に示した場合と同様に引出脚板50側の挿入ピン53aと、フロア板10または脚台20側に設けてあるスライド溝25に対してスライド係合する挿入部27との係合により行われるのである。
以上のいずれの例の場合も、例えば引出脚板50を引き起して引き出し、そしてこれをフロア板10またはその裏面の脚台20側に固定するという作業によって展開されるのであり、逆の作業を行えば折り畳みがなされるのであって、これら一連の操作を片手だけで行え、非常に簡単になっているのである。
また、展開された各脚200についてみてみると、プールの床面上に当接する部分となるのは、図10〜図13、及び図14に示した第1の例の場合には、脚板30と引出脚板50との各床当接部34・54であり、これら床当接部34及び54は互いに平行な2本の線(あるいは帯)であるから、各脚200が安定した状態でプール床面上に接地することになるのである。図15に示した第2の例では、略水平に展開された1枚の折り畳み材40がその全面でプール床面上に接地するから、これまた、各脚200を安定した状態でプール床面上に接地させることができるものとなっているのである。
さらに、プール床面上に接地する部分は、上記いずれの場合であっても、各部材を折り畳みあるいは回動自在に連結している部分そのものではないため、当該プールフロア100上で人が動いたとしても、その衝撃によって連結部分が破損することもない。
そして、当該プールフロア100は、その各脚200が略「箱」形状のものになっていて、その一部が開口したり、構成部材の一部に穴開けが容易になっているから、当該プールフロア100をプール内に沈めるときに、開口や穴からの水の浸入を短時間内で行うことができ、また当該プールフロア100をプール内から引き上げるときの水切りも良好になっていて、そのプール内への設置や片づけが短時間内に行えるものとなっているのである。
なお、これらの図10〜図13に示した脚200は、図4中の点線及び図9に示した形状維持材60を有しているものであり、この形状維持材60を展開された脚板30、折り畳み材40及び引出脚板50間内で、図13に示すように引き上げることにより、その各辺に脚板30、折り畳み材40及び引出脚板50の各内面が当接し、脚板30、折り畳み材40及び引出脚板50による箱型形状を維持することになる。
従って、これらの請求項2及び請求項3に係るプールフロア100は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮する他、折り畳み材40の展開や折り畳みを安定して行えるものとなっているのであり、特に、請求項3に係るプールフロア100は、上記機能を有している他、引出脚板50の引出しで脚200全体の展開が行えるのである。
上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに係るプールフロア100の脚200について、
「脚板30を、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に回動可能に軸支したこと」
である。
すなわち、この請求項4のプールフロア100は、各脚200を構成している脚板30をフロア板10または脚台20に対して回動自在に連結したものであり、これにより、上記請求項1〜請求項3のいずれかのそれと同様な機能を発揮する他、各脚200の展開及び折り畳みをより簡単に行え、しかも、各脚200の紛失をも防止することができるのである。
上記課題を解決するために、請求項5に係る発明の採った手段は、上記請求項2〜請求項4に係るプールフロア100の脚200について、
「折り畳み材40を一枚とし、その両端部を脚板30及び引出脚板50の先端に回動自在に連結したこと」
である。
すなわち、この請求項5のプールフロア100は、その脚200について、上述した図15に示したもののように規定したものであり、これにより、上記請求項2〜請求項4のいずれかのそれと同様な機能を発揮する他、各脚200の展開や折り畳みをより一層簡単にし得るものなのである。
上記課題を解決するために、請求項6に係る発明の採った手段は、上記請求項2〜請求項4のいずれかに係るプールフロア100について、
「折り畳み材40を二枚とし、その各両端部を脚板30及び引出脚板50の側部に回動自在に連結して、脚板30または引出脚板50の先端がプール内の床面に当接するようにしたこと」
である。
すなわち、この請求項6に係るプールフロア100は、その脚200について、上述した図10〜図14に示したもののように規定したものであり、これにより、上記請求項2〜請求項4のいずれかのそれと同様な機能を発揮する他、各脚200の展開や折り畳みをより一層簡単にし得るものなのである。
そして、上記課題を解決するために、請求項7に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜6のいずれかに係るプールフロア100について、
「脚板30または引出脚板50の先端側に略四角形状の形状維持材60を回動自在に設け、各脚200が箱型に展開されたとき、形状維持材60を回動させて、その各辺に脚板30、展開された折り畳み材40、及び引出脚板50の内面を当接させることにより、脚200の展開時における箱型形状を維持し得るようにした」
ものである。
すなわち、このプールフロア100は、その展開状態における各脚200について、その展開状態を維持するための形状維持材60を付加したものである。
この形状維持材60は、例えば図9に示すような板状のものとしたり、枠状や格子状のものにしたものであり、図9の(イ)の図示上端側に形成してある取付溝63によって、例えば図4中の点線にて示すように、脚板30または引出脚板50の内面側に着脱自在でかつ回動自在に取り付けられるものである。そして、この形状維持材60は、図13に示すように、脚板30、折り畳み材40及び引出脚板50によって形成された「箱」内で自由端(図9では係合ピン62が設けてある側)を引き上げてこれを引出脚板50または脚板30側に係止することにより、各辺が脚板30、折り畳み材40、及び引出脚板50の内面に当接することになるものである。
形状維持材60が、例えば図13に示したように状態となれば、脚板30、折り畳み材40、及び引出脚板50はこの形状維持材60によって内側への移動が規制されるから、各脚200は、その展開状態が維持されることになるのである。
図15に例した例について当該形状維持材60を使用しようとすれば、この形状維持材60の上下方向となる一辺を、図15の(イ)中に仮想線にて示したように、脚板30または引出脚板50の側端に回動自在に連結しておけばよい。
従って、この請求項7に係るプールフロア100は、その各脚200が形状維持材60を有したものとしたことによって、上記請求項1〜6のそれと同様な機能を発揮する他、各脚200の展開時における形状維持を形状維持材60によって確実に行え、各脚200を剛性の高いものとすることができるのである。
以上、詳述した通り、本発明においては、上述したように、
「フロア板10と、これを支える複数の脚200とからなり、プール内に沈められたとき、このプール内にフロア板10による水深の浅い部分を形成するためのプールフロア100であって、
各脚200を、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に取り付けられることになる脚板30と、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20側に取り付けられることになる引出脚板50とを備えたものとして構成するとともに、
フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20にスライド溝25を形成し、このスライド溝25に係合するスライド係合部52を引出脚板50または脚板30、あるいはこれらの引出脚板50及び脚板30の両方に形成して、
引出脚板50及び脚板30の少なくとも一方をフロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に対して係脱及びスライド可能にしたこと」
に、その構成上の主たる特徴があり、これにより、各脚200の展開や折り畳みを簡単に行うことができて、使用時にはプール床面上に置いただけでも位置ズレしないようにしっかりと支持することができ、さらに沈めるときの水の浸入とプールから取り出すときの水切りを短時間で行えるプールフロアを簡単な構成によって提供することができたのである。
換言すれば、本発明に係るプールフロア100によれば、
(1)各脚200の折り畳みや展開操作が簡単に行え、プール内への設置や不使用時の収納・積み重ねが円滑に行える。
(2)各脚200が使用時にしっかりとプール床面上に着いた状態となるため、当該プールフロア100はプール内では簡単に位置ズレしない。
(3)各脚200は、その一部が開口したり、構成部材の一部に穴開けが容易になっているから、当該プールフロア100をプール内に沈めるときに、開口や穴からの水の浸入を短時間内で行うことができ、また当該プールフロア100をプール内から引き上げるときの水切りも良好になっていて、プールフロア100の設置や片づけが短時間内に行える。
(4)当該プールフロア100は、プールの脇からプール内に入れるときに手で持ちやすく、プール床面上に置くときは手を挟んだりしないようにできる。
といった効果を発揮することができるのである。
次に、上記のように構成した各発明を、図面に示した最良形態であるプールフロア100について説明すると、図1には、本発明に係るプールフロア100の全体斜視図が示してあり、このプールフロア100は、1枚のフロア板10を、図2及び図3にも示したように、合計6脚の脚200によって支持するようにしたものである。これらのフロア板10及び脚200は、それぞれプラスチック材料によって成形したものであり、プールフロア100全体としてプール内に沈めることのできる重量を有したものとなっている。
フロア板10そのものは、一枚板であってもよいが、本最良形態のものでは複数の合成樹脂製パネルを組み合わせて形成したものであり、その上面にて、当該プールフロア100を沈めたプール内部分の水深を浅くするものである。
すなわち、本発明に係るプールフロア100は、図1〜図3に示したように、平らなフロア板10の下面に合計6脚の脚200を設けるという基本構成を有したものであり、各脚200は、図4に示したように、フロア板10裏面またはこれに固定した脚台20に取り付けられる脚板30と、この脚板30に一端が取り付けられて折り畳まれる折り畳み材40と、この折り畳み材40の他端に連結されて、フロア板10または脚台20側に取り付けられることになる引出脚板50とにより略箱型に構成したものである。
なお、各脚200は、フロア板10の裏面に直接取り付けるようにして、脚台20を省略するように実施してもよい。また、フロア板10全体を固定するために、このフロア板10の裏面にLアングルを固定して実施してもよいものであり、その場合にはこのLアングルに各脚200を取り付けるようにすると良い。
そして、本発明に係るプールフロア100は、そのフロア板10裏面またはこれに固定される脚台20にスライド溝25を形成し、このスライド溝25に外部から係合するスライド係合部52を引出脚板50に形成したものであり、これにより、引出脚板50をフロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に対して係脱及びスライド可能にしたものである。
当該脚200をフロア板10の裏面に直接取り付ける場合には、図18の(イ)に示したように、スライド溝25をフロア板10の裏面に直接形成するか、図18の(ロ)に示したように、フロア板10の裏面に案内レール25bを取り付けて、この案内レール25bによって形成された溝をスライド溝25とするのである。フロア板10の裏面に脚台20を固定して、これに各脚200の引出脚板50をスライド可能に連結する場合には、図8及び図11に示したように、この脚台20にスライド溝25を形成しておけばよい。
本最良形態の各脚200は、フロア板10の裏面に取付けられる脚台20と、この脚台20に組み付けられる、脚板30、折り畳み材40、引出脚板50及び形状維持材60を備えたものであり、図2及び図3に示したように、それぞれ展開されるものであることは勿論、図16及び図17に示したように、それぞれ折り畳まれて、当該プールフロア100全体の大きさを縮小できるようにするものである。
なお、各脚200は、フロア板10の裏面に直接取り付けるようにして、脚台20を省略するように実施してもよい。
本最良形態のプールフロア100は、図1〜図3に示したように、展開された各脚200の外側面を囲むようにして潜り防止板70を設けたものとしてある。この潜り防止板70は、各脚200間の隙間からフロア板10の下側に人が潜り込むのを防止するものであり、種々な方法で取付けられるものである。
本最良形態では、図2の(イ)及び図17に示したように、プールフロア100の長辺側については、後述する脚台20側にアーム取付部26を形成しておいて、このアーム取付部26に取付アーム71を連結し、さらに、この取付アーム71に上述した潜り防止板70を取付けたものである。この取付アーム71をフロア板10に対して引き起こせば(実際は潜り防止板70そのものを引き起こすことになる)、図2の(イ)に示したように、各脚200間の隙間が潜り防止板70によって遮断されるされるのであり、倒せば、図16の(イ)に示したように折り畳まれることになるものである。
プールフロア100の短辺側に設けられる潜り防止板70は、図2の(ロ)及び図4中の仮想線にて示したように、例えば後述する脚板30の外側面にリベット等で固着されるものである。このように、脚板30の外側面に固着しておけば脚板30の動きと同じになるのであり、潜り防止板70を引き起こすことにより、左右に並んだ2つの脚200の引き起しを同時に行うことができて、各脚200の展開作業を片手でも行えるようにすることができることになる。各脚200を折り畳む場合についても同様である。勿論、この潜り防止板70は、脚板30に形成した潜り防止板挿入穴38や、引出脚板50に形成した潜り防止板挿入穴58、あるいは折り畳み板40に形成した挿入穴に挿入して固定するように実施してもよいものである。
さて、各脚200であるが、この脚200は、図4にも示したように、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20に取り付けられることになる脚板30と、この脚板30に一端が取り付けられて折り畳まれる折り畳み材40と、この折り畳み材40の他端に連結されて、フロア板10裏面またはこれに固定される脚台20側に取り付けられることになる引出脚板50とにより略箱型に構成してあり、フロア板10の裏面に直接、またはこのフロア板10の裏面に固着した脚台20に取付けられるものである。
脚台20は、図8に示したように、フロア板10の裏面と平行になる台板21と、この台板21の両側端部にそれぞれ立設した軸支台22及び取付台23と、これらの軸支台22及び取付台23間に一体化した複数の脚板支え24とを備えたものである。本最良形態の台板21は、図8の(イ)に示したように、その中央の横方向に延在するスライド溝25を有したものであり、このスライド溝25に対しては、後述する引出脚板50に設けたスライド係合部52が係合されるものである。このスライド係合部52は、図8の(イ)の下面側に位置してスライド溝25に沿って移動することになるのであるから、台板21の裏面は、縦リブを形成することによりフロア板10面から少し浮き上がる状態になされており、これにより、フロア板10に対する引出脚板50の接触を少なくしてスライドを円滑に行えるようにしているだけでなく、当該脚台20自体の強度確保も行っている。
勿論、当該脚200をフロア板10の裏面に取り付ける場合には、このスライド溝25は、フロア板10の裏面に直接形成するか、フロア板10の裏面に案内レール25bを取り付けて、この案内レール25bによって形成する必要がある。
この台板21の、図8の(イ)の左方側上下にそれぞれ一体成形した各軸支台22は、後述する脚板30の基板部31に設けた連結円突起32を軸支するものであり、脚板30を回動自在に連結するための枢着穴22aを、図4等に示したように有したものである。一方、図8の(イ)の右方側上下にそれぞれ設けた各取付台23は、図4等に示したように、後述する引出脚板50の係合突起51aが係合されることになる取付穴23aを有したものであり、展開された引出脚板50の固定を行うものである。なお、本最良形態においては、両軸支台22及び取付台23の間は、図4にも示したように、側板21aによって連結してあり、この側板21aの内側に、展開された各折り畳み材40に設けてある突出部44を当接させることにより、各折り畳み材40の外側への突出を防止するようにしている。
また、各軸支台22間及び各取付台23間には、図8の(イ)に示したように、脚板支え24がそれぞれ形成してあり、これら各脚板支え24の表面側には、図8の(ニ)に示したように、脚板30側の基板部31、及び引出脚板50側の基板部51の円柱状表面を円滑に案内するための案内面24aが形成してある。つまり、脚板30側となる案内面24aは、回動される基板部31をできるだけ全面で常に受けるようにするものであり、引出脚板50側となる案内面24aは、引き出されてきた引出脚板50の基板部51の位置決めを行うものである。このため、脚板30に対する力の分散になり、連結部36等に大きな力が加わらないことになる。
さて、この脚台20の台板21には、図8の(イ)に示したように、スライド溝25が形成してあった。このスライド溝25の図示左端側は係止部挿入開口25aとしてあり、脚板30とともに立ち上げられた引出脚板50に形成してあった、図7に示したスライド係合部52が、この係止部挿入開口25a内から台板21の下方に入り込んで、スライド溝25とスライド係合部52との裏面での係合が円滑になされるようになっている。
以上の最良形態に係る脚台20は、引出脚板50をスライド形式で支持するものであったが、図14又は図15に示すように、この脚台20を挿入部27に設けておいて、この挿入部27に引出脚板50側の挿入ピン53aを挿入するようにした嵌合タイプにして実施してもよいものである。この場合には、取付台23側に挿入部27を回動可能に設けておいて、図14及び図15の各(イ)に示したように、引出脚板50の挿入ピン53aを傾斜状態で挿入できるようにするとともに、引出脚板50が完全に引き出されたときには、図14及び図15の各(ロ)に示したように、当該脚台20に対して引出脚板50を直交状態で立設できるようにするとよい。勿論、挿入ピン53aをフロア板10または脚板20に設けておき、挿入部27を引出脚板50側に設けるようにして実施してもよいものである。
各脚200を構成するための第1の部材である脚板30は、図5の(イ)に示したように、フロア板10の裏面、またはこれに固定される前述した脚台20の両軸支台22間に回動可能に取付られる基板部31と、この基板部31と一体的に形成されて「箱」の一面となる側板部33と、この側板部33の図示下端に一体化されて、プールの床面上に当接することになる床当接部34とを主として有しているものである。この脚板30は、その基板部31の両端に成形してある連結円突起32によって、フロア板10側または両軸支台22の各枢着穴22aに枢着されるのであるが、一方の連結円突起32は、一体成形ではなく挿入タイプのものにしておくことにより、脚板30の両軸支台22間での枢着を容易に行うことができる。
この脚板30の側板部33は、図5の(イ)に示したように、その内側面に多数のリブを一体成形することにより剛性を高めたものであり、その外側面は、図5の(ロ)に示したように、滑らかなものとしてこれに接触した人の足等に違和感を与えないようにしてある。また、この側板部33の内側には、後述する折り畳み材40が収納されることもあるので、図5の(ハ)に示したように、その内側には折り畳み材収納部35が形成してある。
この脚板30に対しては折り畳み材40が取付けられることになるものであるから、図5の(イ)に示したように、その側板部33の両側に連結部36が形成してある。なお、本最良形態の脚200は形状維持材60を有するものであるため、この形状維持材60を回動自在に連結するための形状維持材取付部37が、図5の(イ)に示したように、床当接部34の直上両側に形成してある。この形状維持材取付部37は、側板部33に平行に突出したものとして形成されるものである。
本発明に係るプールフロア100の短辺側に配置される脚200については、前述したように、その各脚板30の表面に潜り防止板70が取付けられることもあるが(図4中の仮想線参照)、この潜り防止板70は当該脚板30や後述の引出脚板50に差し込んで取付けることもある。そのために、この脚板30の略中央には、図5の(イ)及び(ロ)に示したように、潜り防止板挿入穴38が形成してあって、この潜り防止板挿入穴38内に潜り防止板70を通して支持できるようにしてある。
以上のように構成した脚板30に対しては、図4にも示したように、折り畳み材40を介して引出脚板50が対向することになるのであるが、この引出脚板50は、上記の脚板30と略対称なものとして形成してある。すなわち、この引出脚板50は、第7図に示したように、脚台20側の両取付台23間での取付けがなされる基板部51と、この基板部51と一体的で「箱」のもう一面を形成することになる側板部53と、この側板部53の図示下端に一体形成した床当接部54とから主として構成したものである。
また、この引出脚板50は、前述した脚板30と同様に、側板部53の両側に折り畳み材40を取付けるための連結部56が形成してあり、床当接部54の直上両側には、回動されてきた形状維持材60の係合ピン62を係止するための形状維持材取付部57が形成してある。そして、側板部53の中央には潜り防止板挿入穴58が形成してあり、この潜り防止板挿入穴58の図示直上には、当該引出脚板50を引き出すとき等に手を掛けるための手掛け開口59が形成してある。勿論、この側板部53の内側は、折り畳まれた折り畳み材40を収納するための折り畳み材収納部55としてある。
なお、本最良形態の脚200は形状維持材60を有するものであるため、この形状維持材60の取付溝63を脱着自在に連結するための形状維持材取付部57が、図7の(イ)に示したように、床当接部54の直上両側に形成してある。この形状維持材取付部57は、側板部53に平行に突出したものとして形成されるものであるが、そのように型で形成するために、図7の(ロ)に示したように、型抜きのためのピン形成穴57aが形成してある。
この引出脚板50の、展開時における脚台20側への固定は、基板部51の両端に突出形成した係合突起51aによってなされる。この係合突起51aは、脚台20側の両取付台23に形成してある取付穴23a内に、当該引出脚板50の可撓性を利用して強制嵌合され、あるいは強制取外しがなされるものであり、展開時の引出脚板50の固定を、脚台20側の前述した脚板支え24と、後述するスライド係合部52との共動によって行うものである。
本最良形態での引出脚板50で最も重要な部分は、図7の(イ)〜(ホ)に示したように、側板部53の上端に突出形成してあるスライド係合部52である。このスライド係合部52は、前述した脚台20またはフロア板10に形成してあるスライド溝25に係合して、当該引出脚板50の脚台20に対するスライド移動を安定的に行えるようにするためのものであり、展開時の引出脚板50の脚台20に対する固定を行うものである。
このスライド係合部52の最も簡単な形態は、図7に図示したように、脚台20の台板21の厚さと略同じ長さを有する頸部と、この頸部の先端に形成されてスライド溝25の幅より大きい板部とにより構成することである。勿論、板部に代えてスライド溝25の幅方向に突出するピンを使用して実施してもよい。いずれにしても、このスライド係合部52は、引出脚板50の基板部51を、フロア板10または脚台20の台板21に形成してあるスライド溝25に係合することにより、引出脚板50が脚台20に対してスライド移動できるのであれば、どのような形態であってもよい。
以上の「スライド係合」の他の形態としては、脚台20の側板にスライド溝を形成し、引出脚板50の基板部51の両端に突起を形成しておいて、この突起を上記スライド溝に挿入してスライド可能にすることが考えられる。この場合には、突起を上記スライド溝に係合させてスライドさせるから、引出脚板50の脚台20に対するスライドが引っ掛かりを発生することなく円滑に行われ、スライド溝の両端をストッパとすることもできるのである。
なお、以上の引出脚板50及び脚板30は、折り畳み材40とともに「箱」を形成するものであり、プール内にフロア板10とともに沈められるものであるから、その「箱」内に水が早く侵入するようにしなければならない。そのために、本最良形態の脚板30及び引出脚板50にあたっては、その各側板部33・53に細かい穴を形成するようにして、この穴により「箱」からの空気や水の出入が円滑に行われるようにしてある。
以上の脚板30及び引出脚板50間に連結される折り畳み材40は、図6に示してあるが、この折り畳み材40は、二枚使用されるものである。各折り畳み材40は、中央のヒンジ部43または軸ピンによって二つ折りされる基板41からなるもので、各基板41の端部には、脚板30側の連結部36または引出脚板50側の連結部56にそれぞれ連結されることになる取付部42が形成してある。この最良形態に係る折り畳み材40は、図4にも示したように、互いに対向することになる脚板30及び引出脚板50の各側端部に取付けられるものであり、例えば図12に示したように二つ折りされて、脚板30及び引出脚板50の各折り畳み材収納部35・55内に収納されるものである。
勿論、この折り畳み材40は、図15に示した例のようにして使用されるものである場合には、1枚だけ用意して各脚板30及び引出脚板50の床当接部34・54側に連結されることになるものであり、二つ折りに限らず、三つ折りでも四つ折りでも構わないものである。
また、この折り畳み材40は、折り畳むことができて「箱」形状を形成維持できるのであれば、上記の板状のものに限らず、枠状、棒状等、どのような形状であってもよいものである。
この折り畳み材40は二つ折りされるものであって、引出脚板50の引き出しによって、図4及び図5に示したように展開されて「箱」の二面を形成するものであるが、例えば折り畳むときに、そのヒンジ部43が外側に折れて突出しては脚板30及び引出脚板50の各折り畳み材収納部35・55内に収納することができなくなる。そのようなことを防止するために、本最良形態の折り畳み材40では、その各基板41の一部に、図6の図示上方に突出することになる突出部44が一体的に形成してある。この突出部44は、図4に示したように、脚台20の両軸支台22及び取付台23間に形成した側板21aに内側から当接することになるものであり、これにより、当該折り畳み材40が外側に突出する状態で折り畳まれることがないようにしてある。
本最良形態においては、上述した、脚板30、折り畳み材40、及び引出脚板50について、その脚台20側に連結される辺、例えば基板部31・51の横方向の長さに対して、これに対向する辺、例えば床当接部34・54の長さを短く構成して、各脚200全体の展開時の形状が、図1及び図2に示したように、下しぼまり状となるようにしてある。
これは、各脚200がプールの床面上に当接する際に、できるだけ小さい四角形で当接するようにして、プール床面の凹凸をできるだけ避けるようにするためである。つまり、各脚200が余り大きな四角形でプール床面に当接すると、各脚200において当接箇所に不均衡が生ずる可能性が高くなり、当該プールフロア100がプール床面上でガタつくことになるから、これを避けるためである。
図9には、本最良形態の脚200で採用している形状維持材60が示してある。この形状維持材60は、前述した下しぼまりの「箱」の下端内に収納できる外形形状を有した外形枠61と、この外形枠61の図示下端側に突出する係合ピン62と、外形枠61の図示上端に形成した取付溝63とを備えている。この形状維持材60の外形枠61は、これを、脚板30、折り畳み材40及び引出脚板50によって形成した箱内にて引き上げることができるようにしなければならないため、中央に握り桟を有したものとしてある。
また、この形状維持材60は、例えば脚板30に対して、図4中の点線にて示したように連結しなければならないため、外形枠61の図示上端に図9の(ロ)に示したような取付溝63が形成してある。この取付溝63は、図5の(イ)に示した脚板30側の形状維持材取付部37に係合して、当該形状維持材60の脚板30に対する回動可能な連結を行うものである。これに対して、係合ピン62は、形状維持材60の引き上げ位置での固定を行うものであるが、本最良形態では、図9の(イ)に示したように、押出スプリング64によって先端が外形枠61の外方に突出するようにしてあり、この先端が引出脚板50側の形状維持材取付部57に係合することにより、形状維持材60の基板部51(または基板部31)に対する位置決め固定を行う。
勿論、この形状維持材60は、脚板30、折り畳み材40及び引出脚板50とは別体にしてあり、その係合ピン62によって脚板30等に対して着脱自在に取り付けることができるものであり、本最良形態におけるような板状のもに限らず、枠状のもの、あるいは格子状のものであってもよく、要するに脚板30等の内面に当接する部分あるいは辺を有していて、脚板30等を内側から支える剛性を有していれば、どのような形状のものであってもよいものである。
以上のように構成した形状維持材60が「箱」内で引き上げられて固定されれば、当該脚200とは図13に示したような状態となり、脚板30、折り畳み材40、及び引出脚板50の各先端内側は形状維持材60の外形枠61の各辺にて支持されることになるのである。このように各脚200がなれば、脚板30、折り畳み材40及び引出脚板50によって形成された「箱」が崩れるようなことはない。
なお、この最良形態の形状維持材60においては、外形枠61の対向する辺に係合ピン62と取付溝63を設けるようにしているが、係合ピン62ではなく取付溝63を採用して、両側に取付溝63を設けるように実施してもよく、その逆でもよい。