JP4109056B2 - 有機el素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のナフタルイミド系化合物からなり、好ましい緑色発光を呈する有機蛍光体を用いて構成した有機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、自己発光型であること、および応答の速いことから、画像の視認性に優れ、また、動画の表示に適していることから、用途が広まりつつあるものである。
【0003】
有機EL素子に用いられる有機蛍光体としては、所定の発光色を高輝度で発光し得ることに加えて、発光層を形成する際に、有機蛍光体を溶解もしくは分散して、適用のための組成物を得るのが容易であること等が望まれる。というのは、従来、発光層を形成するために使用されてきた有機蛍光体は、トルエンやキシレンのような汎用性の高い有機溶剤に対し、難溶性であることが多い。これらの溶剤は、適度な乾燥性を有するので、塗料化する際には、使用頻度が高く、重要なものである。あるいは、従来、使用されてきた有機蛍光体は、上記のような汎用溶剤に難溶性であることに加えて、結晶性(もしくは凝集性)が高く、ときには昇華性を有しているので、有機蛍光体の層を形成する成膜方法としては、溶剤に溶解して適用する湿式方式を取りづらく、ポリマーに分散させるか、もしくは真空蒸着法等の乾式方式を取る必要性がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−48973号公報(段落「0010」、「0018」)
【0005】
湿式方式と乾式方式とを比べた場合、乾式方式において用いる装置は、複雑で高価であり、真空系を必要とすることから、連続加工が困難であったり、大面積への加工を試みる際には、装置を真空系ごと大型化する必要があるが、湿式方式において用いる装置は、少なくとも真空系を要しない点で比較的簡易なもので済み、真空系内への材料の導入や、そこからの排出の手間もなく、大面積への加工を試みる際にも、真空系ごと大型化する必要がない等の利点がある。従って、有機EL素子を広く普及させるためには、湿式法式で有機蛍光体の成膜を行なうことが有利であり、そのようなプロセスに適した有機蛍光体を使用することが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明において解決すべき課題は、有機EL素子を、所定の発光色を高輝度で発光することができ、加えて、発光層を形成する際に、有機蛍光体を溶解もしくは分散して、適用のための組成物を得るのが容易な有機蛍光体を用いて、有機EL素子を構成することを実現することである。
【0007】
【課題を解決する手段】
発明者は種々検討の結果、特定のフタルイミド系化合物を有機蛍光体として用いることにより、上記の課題を解決することができた。
【0008】
第1の発明は、一対の電極間に、少なくとも、一方の電極から注入された電子と他方の電極から注入された正孔が再結合することにより発光し得る有機蛍光体を含む層からなる発光層が積層された積層構造を有しており、前記有機蛍光体が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする有機EL素子に関するものである。
【0009】
【化2】
Figure 0004109056
【0010】
(式(1)中、R1は芳香族環基を示し、R2は水素、もしくはアルキル基を示す。)
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記発光層は、前記有機蛍光体を含む層の両側に電子輸送層および正孔輸送層がそれぞれ積層されたものであるか、前記有機蛍光体を含む層の片側に電子輸送層もしくは正孔輸送層が積層されたものであることを特徴とする有機EL素子に関するものである。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、前記発光層は、前記有機蛍光体層を含み、電子輸送層の性質を兼ね備えた層と正孔輸送層とが積層されたものであることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。
【0013】
第4の発明は、第1の発明において、前記発光層は、前記有機蛍光体層を含み、正孔輸送層の性質を兼ね備えた層と電子輸送層とが積層されたものであることを特徴とする有機EL素子に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる一般式(1)のナフタルイミド系化合物は、2つのナフタルイミド(ナフタルイミド部位)を、自由度を持たせて官能基部位(連結部位)で連結した構造をとっている。本発明で用いるナフタルイミド系化合物は、ナフタルイミド部位により蛍光発光特性と耐熱性が付与されており、連結部位によりナフタルイミド自体の立体規則性が低減され、さらにナフタルイミドに側鎖部位を設けることにより、溶剤溶解性が付与されている。
【0015】
本発明で用いる一般式(1)のナフタルイミド系化合物において、R1は、炭素数が1〜20、好ましくは6〜20の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基、または、アルキルエーテル基である。アルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、もしくはオクチル基等であり、アルキルエーテル基としては、エチレンエーテル基、もしくはプロピレンエーテル基が好ましく、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル基、トリエチレングリコールモノメチルエーテル基、もしくはプロピレングリコールモノメチルエーテル基等を挙げることができる。
【0016】
上記のものも含めて具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、t−アミル基、エチル−n−プロピル基、エチル−i−プロピル基、n−ヘキシル基、t−ヘプチル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、n−オクチル基、2−オクチル基、4−オクチル基、n−ノニル基、t−ノニル基、2−ノニル基、3−ノニル基、4−ノニル基、5−ノニル基、n−デシル基、2−デシル基、3−デシル基、4−デシル基、5−デシル基、n−ウンデシル基、t−ウンデシル基、2−ウンデシル基、3−ウンデシル基、4−ウンデシル基、5−ウンデシル基、6−ウンデシル基、n−ドデシル基、t−ドデシル基、2−ドデシル基、3−ドデシル基、4−ドデシル基、5−ドデシル基、6−ドデシル基、7−ドデシル基、n−トリデシル基、t−トリデシル基、2−トリデシル基、3−トリデシル基、4−トリデシル基、5−トリデシル基、6−トリデシル基、7−トリデシル基、8−トリデシル基、n−テトラデシル基、2−テトラデシル基、3−テトラデシル基、4−テトラデシル基、5−テトラデシル基、6−テトラデシル基、7−テトラデシル基、8−テトラデシル基、9−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、2−ペンタデシル基、3−ペンタデシル基、4−ペンタデシル基、5−ペンタデシル基、6−ペンタデシル基、7−ペンタデシル基、8−ペンタデシル基、10−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−へキサデシル基、3−へキサデシル基、4−へキサデシル基、5−へキサデシル基、6−へキサデシル基、7−へキサデシル基、8−へキサデシル基、9−へキサデシル基、10−へキサデシル基、11−へキサデシル基、n−ヘプタデシル基、2−ヘプタデシル基、3−ヘプタデシル基、4−ヘプタデシル基、5−ヘプタデシル基、6−ヘプタデシル基、7−ヘプタデシル基、8−ヘプタデシル基、9−ヘプタデシル基、10−ヘプタデシル基、11−ヘプタデシル基、12−ヘプタデシル基、ステアリル基、2−オクタデシル基、3−オクタデシル基、4−オクタデシル基、5−オクタデシル基、6−オクタデシル基、7−オクタデシル基、8−オクタデシル基、9−オクタデシル基、10−オクタデシル基、11−オクタデシル基、12−オクタデシル基、13−オクタデシル基、n−ノナデシル基、2−ノナデシル基、3−ノナデシル基、4−ノナデシル基、5−ノナデシル基、6−ノナデシル基、7−ノナデシル基、8−ノナデシル基、9−ノナデシル基、10−ノナデシル基、11−ノナデシル基、12−ノナデシル基、13−ノナデシル基、14−ノナデシル基、n−エイコシル基、2−エイコシル基、3−エイコシル基、4−エイコシル基、5−エイコシル基、6−エイコシル基、7−エイコシル基、8−エイコシル基、9−エイコシル基、10−エイコシル基、11−エイコシル基、12−エイコシル基、13−エイコシル基、14−エイコシル基、もしくは15−エイコシル基、等を挙げることができる。
【0017】
また、上記のものも含めて具体的なアルキルエーテル基としては、−OR1、−R1−OR2、−OR1−OR2、−R1−OR2−OR3、−OR1−OR2−OR3、−R1−OR2−OR3−OR4(R1〜R4はいずれもアルキレン基)のように表示され、もしくは含有エーテル酸素原子数が4〜10であるアルキルエーテル基において、酸素原子間に連結するアルキレン基が、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、アミレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、もしくはエイコシレン基、等のおのおの独立した炭素数1〜20のアルキレン基であり、末端アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、t−アミル基、エチル−n−プロピル基、エチル−i−プロピル基、n−ヘキシル基、t−ヘプチル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、n−オクチル基、2−オクチル基、4−オクチル基、n−ノニル基、t−ノニル基、2−ノニル基、3−ノニル基、4−ノニル基、5−ノニル基、n−デシル基、2−デシル基、3−デシル基、4−デシル基、5−デシル基、n−ウンデシル基、t−ウンデシル基、2−ウンデシル基、3−ウンデシル基、4−ウンデシル基、5−ウンデシル基、6−ウンデシル基、n−ドデシル基、t−ドデシル基、2−ドデシル基、3−ドデシル基、4−ドデシル基、5−ドデシル基、6−ドデシル基、7−ドデシル基、n−トリデシル基、t−トリデシル基、2−トリデシル基、3−トリデシル基、4−トリデシル基、5−トリデシル基、6−トリデシル基、7−トリデシル基、8−トリデシル基、n−テトラデシル基、2−テトラデシル基、3−テトラデシル基、4−テトラデシル基、5−テトラデシル基、6−テトラデシル基、7−テトラデシル基、8−テトラデシル基、9−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、2−ペンタデシル基、3−ペンタデシル基、4−ペンタデシル基、5−ペンタデシル基、6−ペンタデシル基、7−ペンタデシル基、8−ペンタデシル基、10−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−へキサデシル基、3−へキサデシル基、4−へキサデシル基、5−へキサデシル基、6−へキサデシル基、7−へキサデシル基、8−へキサデシル基、9−へキサデシル基、10−へキサデシル基、11−へキサデシル基、n−ヘプタデシル基、2−ヘプタデシル基、3−ヘプタデシル基、4−ヘプタデシル基、5−ヘプタデシル基、6−ヘプタデシル基、7−ヘプタデシル基、8−ヘプタデシル基、9−ヘプタデシル基、10−ヘプタデシル基、11−ヘプタデシル基、12−ヘプタデシル基、ステアリル基、2−オクタデシル基、3−オクタデシル基、4−オクタデシル基、5−オクタデシル基、6−オクタデシル基、7−オクタデシル基、8−オクタデシル基、9−オクタデシル基、10−オクタデシル基、11−オクタデシル基、12−オクタデシル基、13−オクタデシル基、n−ノナデシル基、2−ノナデシル基、3−ノナデシル基、4−ノナデシル基、5−ノナデシル基、6−ノナデシル基、7−ノナデシル基、8−ノナデシル基、9−ノナデシル基、10−ノナデシル基、11−ノナデシル基、12−ノナデシル基、13−ノナデシル基、14−ノナデシル基、n−エイコシル基、2−エイコシル基、3−エイコシル基、4−エイコシル基、5−エイコシル基、6−エイコシル基、7−エイコシル基、8−エイコシル基、9−エイコシル基、10−エイコシル基、11−エイコシル基、12−エイコシル基、13−エイコシル基、14−エイコシル基、もしくは15−エイコシル基であるようなエーテル官能基が挙げられる。これらエーテル官能基中に、硫黄や窒素等のヘテロ原子を含んでも構わない。
【0018】
また、本発明で用いる一般式(1)のナフタルイミド系化合物において、R1は、炭素数が5〜8の脂肪族炭素環状官能基からなる炭素環基であってもよく、特に炭素数が6のシクロヘキシル基が好ましい。R1は、ヘテロ原子を含む5員環〜8員環の環状脂肪族官能基からなる複素環基であってもよく、特にピペラジン構造もしくはジオキサン構造が好ましい。更にR1は、ベンゼン環、ナフタレン環等の炭素芳香族置換基からなるか、もしくはピリジン環、トリアジン環等の複素芳香族置換基からなる芳香族環基であってもよく、特に合成の容易なベンゼン環もしくはナフタレン環が好ましい。
【0019】
本発明で用いる一般式(1)のナフタルイミド系化合物において、R2は、水素、アルキル基、もしくはアルキルエーテル基であり、R2のアルキル基、およびアルキルエーテル基は、上記したR1のアルキル基、およびアルキルエーテル基と同様であり、R1とR2は、同じものどうしであってもよい。
【0020】
上記の一般式(1)のナフタルイミド系化合物は、R2が水素である場合、4−アミノ−1,8−ナフタルイミドと、次の一般式(2)で表される化合物とを反応させることにより得ることができる。
【0021】
【化3】
Figure 0004109056
【0022】
(一般式(3)中、R1はアルキル基、アルキルエーテル基、炭素環基、複素環基、もしくは芳香族環基を示し、Xはハロゲンを示す。一般式(3)中のR1は、具体的には一般式(1)のナフタルイミド系化合物におけるR1と同様である。)
【0023】
また、R2がアルキル基、もしくはアルキルエーテル基である場合には、上記のようにして得られたR2が水素であるナフタルイミド系化合物のイミド部分に、臭化アルキルもしくは塩化アルキルのハロゲン化アルキルを反応させることにより、アルキル基を導入することができる。
【0024】
あるいは、上記のハロゲン化アルキルをハロゲン化アルキルエーテルに変更することにより、上記のようにして得られたR2が水素であるナフタルイミド系化合物のイミド部分に、アルキルエーテル基を導入することができる。
【0025】
一般式(1)のナフタルイミド系化合物は、乳酸エチル、ジオキサン、シクロヘキサノン、もしくはジクロロエタン等の有機溶剤に対する溶解性を有している。従来の技術の項で挙げた「特許文献1」記載のナフタルイミド系化合物は、これらの有機溶剤に対する溶解性を有していないので、フタルイミド部分に導入されたアルキル基、もしくはアルキルエーテル基が有機溶剤に対する溶解性をもたらすものと考えられる。
【0026】
一般式(1)のナフタルイミド系化合物は、蛍光発光の効率が優れており、通常の蛍光着色剤として用いる以外に、有機EL素子の発光層を構成する有機蛍光体として用いるのに適している。有機EL素子は、有機蛍光体を、対向する一対の電極間に挟んで構成したもので、一方の電極から注入された電子と、他方の電極から注入された正孔が有機蛍光体の層内で再結合する際に発光するものである。また、本発明のナフタルイミド系化合物は、溶剤に対する溶解性が優れているので、溶媒に溶解して、適用するのに適した粘度の組成物を調製し、その組成物を用いて有機EL素子の発光層を形成するのに適しており、また、形成された発光層中に、未溶解物が生じることが無く、発光層の均一性が優れている。
【0027】
有機EL素子の構造には、種々のものがあるが、原理的には、図1に示すように、陽極および陰極の間に発光層が挟まれた積層構造からなる。陽極は、ガラス基板等の基板上に積層されたものであることが多い。また、陰極の発光層とは反対側には、酸素や水蒸気から発光層等を遮断するためのバリア層が積層してあってもよい。
【0028】
発光層は、有機発光体(有機蛍光発光体である。)を専ら含む有機発光体層の単独からなるものであるほか、以下に示すように、発光層自体が、幾つかの層の積層構造からなっていることがある。
【0029】
図2に示すように、発光層は、正孔輸送材料からなる正孔輸送層を陽極側に伴ない、および/または、電子輸送材料からなる電子輸送層を陰極側に伴なった積層構造であってもよい。
【0030】
図3に示すように、有機発光体層が、正孔輸送層の性質を兼ね備えている場合には、発光層は、有機発光体層兼正孔輸送層の陰極側に電子輸送層が積層された積層構造であってもよい。また、図4に示すように、有機発光体層が電子輸送層の性質を兼ね備えて居る場合には、発光層は、電子輸送層兼有機発光体層の陽極側に正孔輸送層が積層された積層構造であってもよい。
【0031】
あるいは、発光層は、正孔輸送材料と有機発光体の両方を少なくとも混合して形成された正孔輸送材料/有機発光体の混合層と電子輸送層との積層構造であってもよく、もしくは、正孔輸送層と、有機発光体と電子輸送材料との両方を少なくとも混合して形成された有機発光体/電子輸送材料の混合層との積層構造であってもよい(いずれも図示せず。)
【0032】
さらに、発光層は、正孔輸送材料、有機発光体、および電子輸送材料の三者が少なくとも混合された混合層からなっていてもよい(図示せず。)
【0033】
一般式(1)のナフタルイミド系化合物は、上記した種々の態様の発光層における有機発光体層、もしくは、有機発光体を含むべき層に、有機発光体として適用することができる。このようなナフタルイミド系化合物を、有機EL素子における有機発光体層もしくは有機発光体を含むべき層に適用するには、必要に応じ、バインダ等の他に加えるべき成分と共に、適宜な溶媒で溶解もしくは分散、より好ましくは溶解して、組成物(溶液もしくは分散液、より好ましくは分散液である。)を調整し、適宜な適用方法により、所定の区域内に適用し、その後、乾燥させることにより行なう。組成物の適用方法としては、種々の方法を用いることができ、印刷方式を用いることもできるが、インクジェット法やディスペンサ法を用いることが好ましい。
【0034】
有機EL素子を構成するための正孔輸送材料としては、ポリフィリン、トリフェニルアミン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、ピラゾリン、テトラヒドロイミダゾール、ヒドラゾン、スチルベン、もしくはブタジエン、または、これらの誘導体を用いることができる。また、正孔注入バッファー形成用組成物として市販されている、例えばポリ(3、4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(略称PEDOT/PSS、バイエル社製、商品名;Baytron P AI 4083、水溶液として市販。)等も、正孔輸送材料として使用することができる。
【0035】
有機EL素子を構成するための電子輸送材料としては、アントラキノジメタン、フルオレニリデンメタン、テトラシアノエチレン、フルオレノン、ジフェノキノンオキサジアゾール、アントロン、チオピランジオキシド、ジフェノキノン、ベンゾキノン、マロノニトリル、ニジトロベンゼン、ニトロアントラキノン、無水マレイン酸、もしくはペリレンテトラカルボン酸、または、これらの誘導体を用いることができる。
【0036】
有機発光体を含有する層には、一般式(1)のナフタルイミド系化合物に加えて、他の有機発光体を併用することもでき、そのような有機発光体としては、ピレン、アントラセン、ナフタセン、フェナントレン、コロネン、クリセン、フルオレン、ペリレン、ペリノン、ジフェニルブタジエン、クマリン、スチリル、ピラジン、アミノキノリン、イミン、ジフェニルエチレン、メロシアニン、キナクリドン、もしくはルブレン、または、これらの誘導体を挙げることができる。
【0037】
発光層は、予め電極を形成してある基板上に形成されるのが普通である。基板は、板状、もしくはフィルム状の素材で構成され、具体的な素材としては、既に例示したガラスの他、石英等の無機材料、または樹脂板もしくは樹脂フィルム等を挙げることができる。ここでは、「基板」の用語は、フィルム状の物も含む意味で使うので、基材と言い換えてもよい。基板が樹脂フィルムであれば、得られる製品を、丸めたり曲げたりすることが可能なフレキシブルなものとすることができる。
【0038】
具体的な陽極の材料としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、金、もしくはポリアニリン等を、また、具体的な陰極の材料としては、マグネシウム合金(MgAg他)、アルミニウム合金(AlLi、AlCa、AlMg他)、もしくは金属カルシウムを挙げることができる。陽極材料および陰極材料とも、複数の材料の混合されたものであってもよい。陽極または/および陰極は、これらの材料を用いて、一面に層を形成するか、もしくは一面に形成された層を、感光性レジストを用いて、パターンエッチングすることにより、所定の電極パターンとすることができる。
【0039】
種々の態様の発光層における有機発光体層、もしくは、有機発光体を含むべき層は、その発光する際の発光色毎に、区分けされて形成される場合がある。このような場合、区分けされた各区域の境界に、隔壁を形成しておくと、溶液もしくは分散液の状態の組成物を用いて、有機発光体層、もしくは、有機発光体を含むべき層を形成する際に、予定された区域外に層が形成されることを防止し得るので好ましい。
【0040】
隔壁の形成は、厚膜の印刷によって形成するか、あるいは、感光性樹脂組成物の塗膜を一面に設けた後、パターン露光し、現像することにより、形成することができる。従って、隔壁は、感光性樹脂の硬化物で構成され得るが、電子線も含めた電離放射線の照射により硬化可能な樹脂の硬化物、熱硬化性樹脂の硬化物、もしくは熱可塑性樹脂でも構成され得る。隔壁自体に撥液性を持たせてもよい。
【0041】
【実施例】
(実施例1)
4−アミノ−1,8−ナフタルイミド20mg(和光純薬工業(株)製)、および1,4−ジヨードベンゼン(シグマアルドリッチ社製)を、脱水させたテトラヒドロフラン50ml中、80℃で3時間加熱還流して、反応させた後、不溶析出物を濾別し、カラムクロマトグラフィーにより未反応不純物を除去した後、減圧乾燥して残留溶剤を取り除き、式(3)で表される橙色粉末状のナフタルイミド系化合物(2)17mgを得た。得られたナフタルイミド系化合物(3)は、乳酸エチル、ジオキサン、シクロヘキサノン、もしくはジクロロエタンに対する溶解性を有していた。
【0042】
【化4】
Figure 0004109056
【0043】
(有機EL素子の作成)
ガラス基板上にITOの薄膜を積層し、感光性レジストを用いたパターンエッチングにより、パターン状の電極を形成したものを基板として用い、電極が形成された側を洗浄後、ポリ(3、4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネートの水溶液(略称PEDOT/PSS、バイエル社製、商品名;Baytron P AI 4083、水溶液として市販。)をスピンナーを用いてコーティングし、コーティング後、100℃の温度で乾燥させ、厚みが800Åの正孔注入バッファー層とした。
【0044】
電子輸送性発光層形成用組成物を次のようにして調製し、先に形成した正孔バッファー層上に、この電子輸送性発光層形成用組成物を、スピンナーを用いてコーティングし、コーティング後、100℃の温度で乾燥させ、厚みが800Åの電子輸送性発光層を形成した。なお、部数は質量基準である。
(電子輸送性発光層形成用組成物)
・ポリビニルカルバゾール 70部
・オキサジアゾール 30部
・ナフタルイミド系化合物(3) 1部
・ジクロロエタン 4900部
【0045】
電子輸送性発光層上に、蒸着法によりCaを厚みが500Åになるよう形成して陰極とし、さらにCa蒸着層上にAgを厚みが2500Åになるよう蒸着して保護層とし、有機EL素子とした。
【0046】
(有機EL素子の動作確認)
得られた有機EL素子のITOの電極を可変直流電源の正極に、Agの保護層を陽極にそれぞれ接続し、10Vの直流電圧を印可したところ、電子輸送性発光層からの黄色のEL発光が確認され、電子輸送性発光層形成用組成物中のナフタルイミド系化合物(3)を、汎用のナイルレッド等の色素に変更して作成した有機EL素子と目視で比較して同等以上の輝度が得られた。
【0047】
(実施例2)
脱水させたテトラヒドロフラン100ml中、水素化ナトリウムの存在下で、実施例1で得られたナフタルイミド系化合物(3)粉末1.00g、臭化オクチル0.68gを、激しく攪拌しながら15時間加熱還流して反応させた後、不溶分を濾別し、濾別後、溶剤を除去し、乾燥させて、ナフタルイミド系化合物(3)のイミドのHが、いずれもオクチル基に置換したナフタルイミド系化合物を得た。
【0048】
(実施例3)
1,4−ジヨードベンゼンを、1,4−ジブロモナフタレン(東京化成工業(株)製)に変更した以外は、実施例1におけるのと同様に行なって、ナフタルイミド系化合物を得た後、得られたナフタルイミド系化合物を、実施例2におけるのと同様に反応させ、ナフタルイミド系化合物のイミドのHが、いずれもオクチル基に置換したナフタルイミド系化合物を得た。
【0049】
各実施例により得られた有機EL素子のEL発光時の蛍光極大波長は次の通りである。
【0050】
【表1】
Figure 0004109056
【0051】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、有機EL素子を、電極間に特定のナフタルイミド系化合物を含む発光層が積層された積層構造で構成したので、発光層の均一性が優れ、黄色発光が充分な強度で得られる有機EL素子を提供することができる。
【0052】
請求項2の発明によれば、発光層の片側に電子輸送層もしくは正孔輸送層が積層されているか、もしくは両側に電子輸送層および正孔輸送層がそれぞれ積層された積層構造で構成され、請求項1の発明と同様な効果を発揮し得る有機EL素子を提供することができる。
【0053】
請求項3の発明によれば、電子輸送層の性質を兼ね備えた発光層と正孔輸送層との積層構造で構成され、請求項1の発明と同様な効果を発揮し得る有機EL素子を提供することができる。
【0054】
請求項4の発明によれば、正孔輸送層の性質を兼ね備えた発光層と電子輸送層との積層構造で構成され、請求項1の発明と同様な効果を発揮し得る有機EL素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の基本的な積層構造を示す図である。
【図2】電子輸送層、正孔輸送層を伴なう有機EL素子の積層構造を示す図である。
【図3】有機発光体層兼正孔輸送層を有する有機EL素子の積層構造を示す図である。
【図4】電子輸送層兼有機発光体層を有する有機EL素子の積層構造を示す図である。

Claims (4)

  1. 一対の電極間に、少なくとも、一方の電極から注入された電子と他方の電極から注入された正孔が再結合することにより発光し得る有機蛍光体を含む層からなる発光層が積層された積層構造を有しており、前記有機蛍光体が、下記一般式(1)で表されるナフタルイミド系化合物であることを特徴とする有機EL素子。
    Figure 0004109056
    (式(1)中、R1は芳香族環基を示し、R2は水素、もしくはアルキル基を示す。)
  2. 前記発光層は、前記有機蛍光体を含む層の両側に電子輸送層および正孔輸送層がそれぞれ積層されたものであるか、前記有機蛍光体を含む層の片側に電子輸送層もしくは正孔輸送層が積層されたものであることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。
  3. 前記発光層は、前記有機蛍光体層を含み、電子輸送層の性質を兼ね備えた層と正孔輸送層とが積層されたものであることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。
  4. 前記発光層は、前記有機蛍光体層を含み、正孔輸送層の性質を兼ね備えた層と電子輸送層とが積層されたものであることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。
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