JP4106611B2 - 触覚測定方法および触覚センサ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触覚を測定する方法および触覚センサに関し、特に、被測定物が生体のように柔らかい場合であっても好適に測定できる触覚センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透光性材料と弾性材料との組み合わせから触覚部等を構成し、触覚部等の一端側から入射光を投光し、触覚部等の内部に反射光を通過させ、触覚部等の他端側から出た出射光を受光する構造をもつ触覚センサが知られている。
例えば、非特許文献1に開示されている技術では、透光性材料である透明板と弾性材料である弾性シートとを組み合わせ、両者の間に隙間を形成し、触覚部を構成している。そして、透明板の側端から入射光を通過させている。
【0003】
また、例えば、非特許文献2に開示されている技術では、半球状の透光性材料と半球状の弾性材料とを組み合わせ、両者の間に隙間を形成して触覚部を構成している。
これら従来の技術では、弾性材料を被測定物に接触させると、その接触部分が変形する。そのため、接触部分で透光性材料と弾性材料との隙間が失われ、接触部分での屈折率が変わる。したがって、接触部分と非接触部分との違いを透光性材料側から観測することができる。
すなわち、このような構造の触覚センサは、触覚部等が被測定物に当接し、外力を受けて変形すると、入射光の程度に対して反射光の程度が変化する。この変化を検知して、触覚を測定している。
【0004】
【非特許文献1】
「光導波板型の分布形触覚センサによる触知対象の輪郭形状抽出」、日本機械学会論文集(C編)55巻516号(1989−8)
【非特許文献2】
「接触位置および法線の検知機能を有する半球面光導波路形触覚センサ」、日本機械学会論文集(C編)57巻535号(1991−3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の触覚センサは、触覚部等が外力を受けて変形しなければ、入射光の程度に対する反射光の程度は変化しない。そのため、被測定物が触覚部等よりも柔らかい場合は、触覚を測定することが困難であった。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、被測定物が、触覚部等よりも硬い場合に加えて、触覚部等よりも柔らかい場合であっても、触覚を測定しうる触覚測定方法および触覚センサを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、透光性があり断面が円弧形状からなる境界面をもった弾性材料に入射した光の反射と屈折との関係について研究した。
ここで、「透光性」とは、光が媒質としての弾性材料内部を進むことができ且つ媒質と測定雰囲気(例えば、空気)との境界面で媒質側の屈折率が大きくなる性質をいう。
【0007】
また、「円弧形状」とは、前記境界面の備える機能形状であって、媒質としての弾性材料の内部に向けた入射光が、前記境界面で入射、反射、屈折を繰り返しながら進み、投光位置に対し、一意的に決まる受光位置から反射光(以下、出射光と称す)として観測される形状を意味するものであり、かならずしも、幾何学的な円弧に限定されるものではない。
【0008】
すなわち、この条件を備えた媒質としての弾性材料は、測定雰囲気(例えば、空気)に対して屈折率が大きい。そして、弾性材料への入射光は、円弧形状をもつ境界面で入射、反射、屈折を繰り返しながら進む。このとき、境界面への入射光の投光位置に対し、弾性材料から出てくる出射光の受光位置は一意的に決まる。
【0009】
例えば、真円からなる円弧形状を備えた境界面に対して、円弧底面の外周付近から投光された入射光は、投光位置に対し、境界面に略対称な位置から出射光(以下、第一の出射光と称す)として受光される。同様に、円弧底面の外周付近より僅かに内側から投光された入射光は、その投光位置に対し、境界面に略対称な位置から出射光(以下、第二の出射光と称す)として受光される。
【0010】
さらに、本発明者らは、この弾性材料の境界面を対象物に押しつけた際の、上記、第一の出射光と第二の出射光との関係を調べたところ、次のことが判った。
対象物が弾性材料より硬い場合は、第一の出射光は、第二の出射光に比べて受光量の変化が多い。
対象物が弾性材料より柔らかい場合は、第一の出射光は、第二の出射光に比べて受光量の変化が少ない。
【0011】
本発明者らは、この原理に着目し、これを接触センサに応用したのである。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、断面が被測定物側に凸の円弧形状となっている境界面と前記境界面を挟んで前記被測定物に対向する基端面とを有し且つ透光性がある弾性材料から形成された触覚部に対し、前記基端面の一端側から前記触覚部の内部へ前記境界面に向けて入射光を投光し、該入射光が前記境界面で反射しながら通過し、前記基端面の他端側から出射した出射光を受光することによって前記被測定物からの触覚を測定する方法であって、前記境界面への最初の入射角が互いに異なる複数の入射光を前記基端面に投光し、該複数の入射光にそれぞれ対応する複数の出射光同士を比較することで触覚を測定することを特徴としている。
【0012】
ここで、「触覚」とは、被測定物に接触した際に得られる、被測定物の形状、硬さ(柔らかさ)または、それらの組み合わせからなる情報をいう。
次に、本発明のうち請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の触覚測定方法であって、前記触覚部は半球形状であり、前記複数の入射光を投光する前記基端面での位置は、前記半球形状の中心からの距離が互いに異なることを特徴としている。
【0013】
次に、本発明のうち請求項3に記載した発明は、断面が被測定物側に向けて凸の円弧形状となっている境界面および前記境界面を挟んで前記被測定物に対向する基端面を有し且つ透光性がある弾性材料から形成された触覚部と、前記触覚部の内部へ前記境界面に向けて入射光を投光するために前記基端面の一端側に配設された投光部と、該投光部からの前記入射光が前記境界面で反射し、前記基端面の他端側から出射した出射光を受光する受光部と、を備えた触覚センサであって、前記入射光の前記境界面への最初の入射角が互いに異なる複数の前記投光部と、前記複数の前記投光部に対応した複数の前記受光部と、前記複数の前記受光部から受光される出射光同士を比較する検出部と、を備えていることを特徴としている。
【0014】
次に、本発明のうち請求項4に記載した発明は、請求項3に記載の触覚センサであって、前記触覚部は半球形状であり、前記複数の前記投光部の位置は、前記半球形状の中心からの距離が互いに異なることを特徴としている。
本発明によれば、触覚部の内部へ触覚部の円弧に沿って2経路以上から入射光を通過させている。そして、2経路以上の通過経路に対応した受光部からそれぞれ観測される2以上の出射光同士を比較している。そのため、上述の原理から、触覚部における被測定物の外力による変形状態を判断することができる。したがって、被測定物が触覚部より柔らかい場合であっても、触覚を測定しうる触覚測定方法および触覚センサを提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についての実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る触覚センサのプローブ1を説明する概略図である。
同図に示すように、このプローブ1は、触覚部2と、接続カプラ3と、光ファイバ4とから主に構成されている。
【0016】
触覚部2は、境界面2b(後述する)としての円弧形状からなる半球状をなし、透光性がある弾性材料から形成されている。触覚部2を構成する弾性材料としては、透光性を有し且つ適度の弾性を有するものであれば適用可能である。通常、ゴムやエラストマーなどとして知られている各種の天然物や合成物、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、シリコンゴム、ポリウレタンゴムなどのゴムあるいはエラストマー類、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー類などが例示される。また、弾性材料に好適な弾性値は、触覚部2の寸法や外力の大きさなどによって異なるが、例えば、試験規格ASTMD695に従って測定した圧縮弾性率が10〜100程度のものが例示できる。触覚部2の寸法や外形は本発明の触覚センサの適用場所、所望のセンシング感度、検知せんとする外力の大きさなどによって適宜選択可能であるが、例えば、人型ロボットアームの指部分に本発明を適用するならば、触覚部2の直径は、15〜20mm程度の半球状とするのが好適である。
【0017】
接続カプラ3は、雄側3aと雌側3bとが雌雄のねじによって組み合わされており、略中央部から分離可能なように構成されている。そして、雄側3aの一端が半球状をした触覚部2の基端面2aの外周面に固着されている。触覚部2と接続カプラ3との固着方法は、例えば、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂、紫外線硬化樹脂などの接着剤による固着や、クランプ構造などによる機械的固着方法、また、それらの併用にて固着してもよい。なお、接続カプラ3は、通常の金属材料から製作してもよいが、本触覚センサの被検体が生体であり、生体内部に挿入するような場合は、接続カプラ3のエッジが被検体を損傷する可能性があったり、あるいは逆に被検体の壁面により接続カプラ3のエッジが引っ掛かって円滑な挿入が困難となる場合がある。このような場合は、接続カプラ3全体を、例えば、有機高分子弾性体等で覆うことが好ましい。
【0018】
雌側3bは、光ファイバ4の被覆4aと係合するために、環状の薄板ばねからなる係止爪3cを雌側3b円筒部の内部に有している。光ファイバ4を接続カプラ3の雌側3bから挿入すると、光ファイバ4の被覆4aが係止爪3cと係合して固定される。なお、光ファイバ4を取り外す場合は、接続カプラ3の近傍で光ファイバ4をファイバカッタ等で切断し、接続カプラ3のねじ部を外して、係止爪3cの非係合方向へ光ファイバ4を引き抜けばよい。
【0019】
図2は、光ファイバ4の拡大横断面図、図3は、プローブ1の触覚部2と光ファイバ4との光経路が接続する基端面2aを説明する概略斜視図である。なお、図3では、説明の簡便のために、投光ファイバ5と受光ファイバ6のみを示した。
図2,図3に示すように、この光ファイバ4は、複数の細い投光ファイバ5と、複数の細い受光ファイバ6と、一本の太い観測用ファイバ7とが被覆4aによって束ねられて形成されている。
【0020】
投光ファイバ5は、触覚部2の内部に入射光を投光するために触覚部2の基端面2aの一端側に投光ファイバ5の端面を基端面2aと対向させて配設されている。
投光ファイバ5は、第一の投光ファイバ5Aと、第二の投光ファイバ5Bとから構成される。詳しくは、円形断面である光ファイバ4外周側での円周方向に沿って第一の投光ファイバ5Aが、配置されている。そして、第一の投光ファイバ5Aの少し内側に、光ファイバ4の円周方向に沿って第二の投光ファイバ5Bが、並べて配置されている。なお、図2,図3では、第一の投光ファイバ5Aおよび第二の投光ファイバ5Bをそれぞれ2本ずつ配置した状態を示している。
【0021】
受光ファイバ6は、受光部として機能する。すなわち、投光ファイバ5からの入射光は触覚部2の円弧に沿って触覚部2の内部を、入射、反射を繰り返しながら通過する。そして、入射光は、基端面2aの投光ファイバ5の他端側から出射光として出てくる。受光ファイバ6は、この出射光を受光するために、基端面2aの他端側に受光ファイバ6の端面を基端面2aと対向させて配設される。
【0022】
受光ファイバ6は、投光ファイバ5と同様に、第一の受光ファイバ6Aと、第二の受光ファイバ6Bとから構成される。詳しくは、円形断面をした光ファイバ4外周側での円周方向に沿って第一の受光ファイバ6Aが、配置されている。そして、第一の受光ファイバ6Aの少し内側に、光ファイバ4の円周方向に沿って第二の受光ファイバ6Bが、並べて配置されている。なお、図2,図3では、第一の受光ファイバ6Aおよび第二の受光ファイバ6Bをそれぞれ2本ずつ配置した状態を示している。
【0023】
上述のように、プローブ1は、触覚部2の基端面2aに、投光ファイバ5(5A,5B)と受光ファイバ6(6A,6B)とによって構成された投受光位置を2経路備えていることになる。
すなわち、第一の投光ファイバ5Aから投光された第一の入射光5aは、触覚部2を通った後、第一の出射光6aとして第一の受光ファイバ6Aに受光される。また、第二の投光ファイバ5Bから投光された第二の入射光5bは、触覚部2を通った後、第二の出射光6bとして第二の受光ファイバ6Bに受光される。
【0024】
なお、図2,図3では、この2経路からなる光通過経路を2組備えている例である。
ここで、上記の構成によるプローブ1によって触覚を測定する原理を図4,5,6を参照して説明する。なお、以下の触覚を測定する原理の説明では、一組(第一の投光ファイバ5Aと第一の受光ファイバ6Aによって構成された第一の投受光経路、および、第二の投光ファイバ5Bと第二の受光ファイバ6Bとによって構成された第二の投受光経路の2経路)の投受光経路について説明し、その他の光ファイバ等(観測用ファイバ7等)については、図示を省略する。
【0025】
図4は、大気中における触覚部2に投光された光の反射と屈折についての説明図である。
同図に示すように、一般に、屈折率の大きい媒質から屈折率の小さな媒質に光が進むとき、媒質の境界面2bへの入射角が大きい場合は、入射光は境界面で全反射される。そのため、触覚部2の基端面2a一端から投光された入射光は、空気より触覚部2の屈折率が大きく、また、それらの境界面2bが球面であるため、入射、反射、屈折を繰り返しながら、触覚部2の基端面2a他端から出射光として受光される。このとき、その受光位置は、投光位置に対して一意的に決定される。すなわち、触覚部2の半球底面である基端面2aの外周面付近から投光された第一の入射光5aは、その投光位置での同心円上の反対側の外周底面付近に第一の出射光6aとして受光される。
【0026】
また、投光位置が第一の入射光5aの位置より、僅かに内側から投光した第二の入射光5bは、境界面2bとしての球面における入射角が第一の入射光5aよりも僅かに小さくなる。そのため、第二の入射光5bは、半球状の境界面2bで反射光と屈折光とに分かれ、反射光のみが受光位置に進む。そして、第一の出射光6aの受光位置より僅かに内側から、第二の出射光6bとして検出される。
【0027】
なお、レンズとしての触覚部2の基端面2aの内側から入射した光cは、屈折光の強度が強くなる。そのため、反射光c’は、光量が少なく、また、受光位置も明確には現れない。
次に、図5は、本発明に係る触覚センサにおいて、被測定物100が、触覚部2よりも硬い場合における測定原理の説明図である。
【0028】
同図に示すように、被測定物100が、触覚部2よりも硬い場合は、触覚部2が弾性変形する。このとき、触覚部2の半球状の境界面を伝播する入射角が大きい第一の入射光5aは、境界面2bで反射光と屈折光とに分かれる。しかも、反射光の一部は被測定物100表面の形状や粗さによって乱反射する。そのため、受光部に進行する第一の出射光6aは少なくなる。
【0029】
一方、第二の入射光5bも境界面2bで反射光と屈折光とに分かれる。しかし、触覚部2の半球状の境界面2bを伝播する第一の入射光5aよりも入射角が小さい第二の入射光5bは、被測定物100表面の形状や粗さによって乱反射する割合が第一の入射光5aよりも少ない。そのため、第一の出射光6aと比較して受光部に進行する第二の出射光6bは変化が少ない。
【0030】
次に、図6は、本発明に係る触覚センサにおいて、被測定物100が、触覚2部よりも柔らかい場合における測定原理の説明図である。
同図に示すように、被測定物100が、触覚部2よりも柔らかい場合は、被測定物100が変形する。このとき、触覚部2の半球状の境界面2bを伝播する入射角が大きい第一の入射光5aは、ほとんど散乱することがない。そのため、受光部に進行する第一の出射光6aはわずかに変化する程度である。
【0031】
一方、触覚部2の半球状の境界面2bを伝播する第一の入射光5aよりも入射角が小さい第二の入射光5bは、第一の入射光5aよりも境界面2bで反射光と屈折光とに分かれる割合が多い。そのため、第一の出射光6aと比較すると、受光部に進行する第二の出射光6bは少なくなる。また、受光部に進行する第二の出射光6bは、被測定物100に触覚部2が接触していないときの受光量よりも少なくなる。
【0032】
したがって、第一の出射光6aおよび第二の出射光6b相互の関係から、被測定物100に触覚部2が接触しているか否か、さらに、触覚部2よりも硬いのか、あるいは柔らかいのか、といった触覚を判断することができる。
そして、被測定物100が、触覚部2よりも硬い場合は、第一の入射光5aと第一の出射光6aとの関係から接触状態をより詳しく調べることができる。
また、被測定物100が、触覚部2よりも柔らかい場合は、第二の入射光5bと第二の出射光6bとの関係から接触状態をより詳しく調べることができる。
【0033】
【実施例】
次に、本発明に係る触覚センサを用いた触覚測定装置の一実施例について説明する。
図7は、触覚測定装置の全体構成を説明する概略構成図である。
同図に示すように、この装置は、上記のプローブ1と、プローブ1の触覚部2への投光量を制御する投光量制御器8と、触覚部2からの受光量を制御し、その受光量情報から触覚部2の接触または変形の状態を測定する検出器10と、プローブ1を支持,移動させる移動装置20と、プローブ1の移動量を制御,計測するドライバ30と、プローブ1の触覚部2と被測定物100との荷重を計測する荷重センサ40と、投光量,受光量,接触または変形の状態,移動量,荷重等を表示する表示装置50と、各装置を制御する主制御部60とから主に構成されている。
この触覚測定装置は、例えば、以下の手順により、予め用意されたプログラムに基づいて、被測定物100の触覚を測定することができる。
【0034】
まず、主制御部60の指令を受けたドライバ30が、移動装置20のアクチュエータによって、移動装置20に支持されたプローブ1を被測定物100に当接する方向に移動する。なお、アクチュエータには、通常の精密ボールねじを送り機構に使用し、これを通常のサーボモータによって駆動している。そのため、移動装置20のドライバ30は、移動装置20が移動を開始すると同時に、サーボモータの駆動したステップ数によって移動量を計測する測長センサとして機能する。
【0035】
移動装置20によって移動したプローブ1は、その先端の接触部2が被測定物100に当接することになる。このとき、荷重センサ40が、押圧力による信号を主制御部60に出力する。
押圧力信号の出力がされたとき、主制御部60は、移動装置20を停止し、サーボモータの駆動したステップ数をリセットする。
【0036】
このとき、プローブ1の触覚部2が弾性変形している(被測定物100が相対的に硬い)場合と、変形していない(被測定物100が相対的に柔らかい)場合とがある。
すなわち、上述の測定原理から、弾性変形している(被測定物100が相対的に硬い)場合は、第一の出射光6aは、第二の出射光6bに比べて受光量の変化が多くなる。また、変形していない(被測定物100が相対的に柔らかい)場合は、第一の出射光6aは、第二の出射光6bに比べて受光量の変化が少なくなる。そのため、第一の出射光6aと、第二の出射光6bとの受光量を検出器10によって比較することによって、被測定物100と触覚部2との相対的な硬さや柔らかさ、すなわち、触覚を容易に判断することができる。なお、検出器10は、例えば、フォトトランジスター等によって光エネルギーを電気量に変換し、その電気量を比較することによって触覚を判断することができる。
【0037】
そして、移動装置20をさらに微少駆動して、荷重の変化や、受光量の変化を総合的に判断することによって、被測定物100の触覚をより詳細に測定することが可能である。
また、プローブ1の触覚部2は、接続カプラ3の部分から容易に着脱して交換可能である。そのため、種々の硬さ(柔らかさ)の触覚部2を装着して測定を行うことができる。したがって、被測定物100の触覚を、より詳細に測定することが可能である。
【0038】
また、光ファイバ4中心の観測用ファイバ7を用いて、接触部分を触覚部2の内側からカメラ等によって目視観察することもできる。したがって、被測定物100の触覚を、より詳細に測定することが可能である。
上記実施形態では、複数経路による光同士の相互干渉を防止するために、それぞれの経路の投光制御部8からの投光周波数を異ならせて干渉を防止している。なお、投光制御部8の光源としては、赤外線、可視光、紫外線など、いずれであってもよい。もし、光ファイバ4が長尺であるために伝送損失が問題となる場合には、光ファイバ4の構成材料に応じて、伝送損失が少なくなる光源を選択して使用するとよい。
【0039】
以上説明したように、本発明に係る触覚センサとしてのプローブ1によれば、触覚部2の内部に触覚部2の半球面(境界面2b)に沿って複数の入射光5a,5bを通過させている。そして、複数の入射光5a,5bの通過経路を2経路有している。そのため、2経路の受光部6A,6Bからそれぞれ観測される第一の出射光6aと、第二の出射光6bとを比較することができる。そのため、上述の原理から、触覚部2が外力を受けて変形しない場合でも、弾性材料である触覚部2が接触している被測定物100の触覚を測定することができる。したがって、被測定物100が触覚部2より柔らかい場合であっても、触覚を測定しうる触覚測定方法および触覚センサを提供することができる。
【0040】
なお、以上説明した本発明の各構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
具体的には、以下に示すような種々の形態とすることもできる。
上記実施形態では、触覚部2の形状は、半球状であるが、本発明の触覚部2の形状はこれに限定されない。例えば、U字状断面が連続した、いわゆるかまぼこ形のような形状とすることもできる。また、円弧形状とは、曲率が必ずしも正円である必要がない。上記実施形態のように、二つの出射光を比較可能な範囲であれば複数の曲率を適宜組み合わせて構成してもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、2経路からの出射光を比較して、触覚を測定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、光の通過経路を3経路以上とし、これらを比較してもよい。また、光の通過経路を上記実施形態のように、2経路としこれを複数組配設し、各組を比較してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明を採用すると、被測定物が、触覚部よりも柔らかい場合であっても、触覚を測定しうる触覚測定方法および触覚センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触覚センサに用いられるプローブを説明する一部破断平面図である。
【図2】図1の光ファイバの横断面図である。
【図3】本発明に係る触覚センサの触覚部を説明する概略斜視図である。
【図4】本発明に係る触覚センサの測定原理の説明図である。
【図5】本発明に係る触覚センサの測定原理の説明図(被測定物が、触覚部よりも硬い場合)である。
【図6】本発明に係る触覚センサの測定原理の説明図(被測定物が、触覚部よりも柔らかい場合)である。
【図7】本発明に係る触覚センサを使用した触覚測定装置の一実施例を説明する概略構成図である。
【符号の説明】
1 プローブ
2 触覚部
3 接続カプラ
4 光ファイバ
5 投光ファイバ
6 受光ファイバ
7 観測用ファイバ
8 投光量制御器
10 検出器
20 移動装置
30 ドライバ
40 荷重センサ
50 表示装置
60 主制御部
100 被測定物
【発明の属する技術分野】
本発明は、触覚を測定する方法および触覚センサに関し、特に、被測定物が生体のように柔らかい場合であっても好適に測定できる触覚センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透光性材料と弾性材料との組み合わせから触覚部等を構成し、触覚部等の一端側から入射光を投光し、触覚部等の内部に反射光を通過させ、触覚部等の他端側から出た出射光を受光する構造をもつ触覚センサが知られている。
例えば、非特許文献1に開示されている技術では、透光性材料である透明板と弾性材料である弾性シートとを組み合わせ、両者の間に隙間を形成し、触覚部を構成している。そして、透明板の側端から入射光を通過させている。
【0003】
また、例えば、非特許文献2に開示されている技術では、半球状の透光性材料と半球状の弾性材料とを組み合わせ、両者の間に隙間を形成して触覚部を構成している。
これら従来の技術では、弾性材料を被測定物に接触させると、その接触部分が変形する。そのため、接触部分で透光性材料と弾性材料との隙間が失われ、接触部分での屈折率が変わる。したがって、接触部分と非接触部分との違いを透光性材料側から観測することができる。
すなわち、このような構造の触覚センサは、触覚部等が被測定物に当接し、外力を受けて変形すると、入射光の程度に対して反射光の程度が変化する。この変化を検知して、触覚を測定している。
【0004】
【非特許文献1】
「光導波板型の分布形触覚センサによる触知対象の輪郭形状抽出」、日本機械学会論文集(C編)55巻516号(1989−8)
【非特許文献2】
「接触位置および法線の検知機能を有する半球面光導波路形触覚センサ」、日本機械学会論文集(C編)57巻535号(1991−3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の触覚センサは、触覚部等が外力を受けて変形しなければ、入射光の程度に対する反射光の程度は変化しない。そのため、被測定物が触覚部等よりも柔らかい場合は、触覚を測定することが困難であった。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、被測定物が、触覚部等よりも硬い場合に加えて、触覚部等よりも柔らかい場合であっても、触覚を測定しうる触覚測定方法および触覚センサを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、透光性があり断面が円弧形状からなる境界面をもった弾性材料に入射した光の反射と屈折との関係について研究した。
ここで、「透光性」とは、光が媒質としての弾性材料内部を進むことができ且つ媒質と測定雰囲気(例えば、空気)との境界面で媒質側の屈折率が大きくなる性質をいう。
【0007】
また、「円弧形状」とは、前記境界面の備える機能形状であって、媒質としての弾性材料の内部に向けた入射光が、前記境界面で入射、反射、屈折を繰り返しながら進み、投光位置に対し、一意的に決まる受光位置から反射光(以下、出射光と称す)として観測される形状を意味するものであり、かならずしも、幾何学的な円弧に限定されるものではない。
【0008】
すなわち、この条件を備えた媒質としての弾性材料は、測定雰囲気(例えば、空気)に対して屈折率が大きい。そして、弾性材料への入射光は、円弧形状をもつ境界面で入射、反射、屈折を繰り返しながら進む。このとき、境界面への入射光の投光位置に対し、弾性材料から出てくる出射光の受光位置は一意的に決まる。
【0009】
例えば、真円からなる円弧形状を備えた境界面に対して、円弧底面の外周付近から投光された入射光は、投光位置に対し、境界面に略対称な位置から出射光(以下、第一の出射光と称す)として受光される。同様に、円弧底面の外周付近より僅かに内側から投光された入射光は、その投光位置に対し、境界面に略対称な位置から出射光(以下、第二の出射光と称す)として受光される。
【0010】
さらに、本発明者らは、この弾性材料の境界面を対象物に押しつけた際の、上記、第一の出射光と第二の出射光との関係を調べたところ、次のことが判った。
対象物が弾性材料より硬い場合は、第一の出射光は、第二の出射光に比べて受光量の変化が多い。
対象物が弾性材料より柔らかい場合は、第一の出射光は、第二の出射光に比べて受光量の変化が少ない。
【0011】
本発明者らは、この原理に着目し、これを接触センサに応用したのである。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、断面が被測定物側に凸の円弧形状となっている境界面と前記境界面を挟んで前記被測定物に対向する基端面とを有し且つ透光性がある弾性材料から形成された触覚部に対し、前記基端面の一端側から前記触覚部の内部へ前記境界面に向けて入射光を投光し、該入射光が前記境界面で反射しながら通過し、前記基端面の他端側から出射した出射光を受光することによって前記被測定物からの触覚を測定する方法であって、前記境界面への最初の入射角が互いに異なる複数の入射光を前記基端面に投光し、該複数の入射光にそれぞれ対応する複数の出射光同士を比較することで触覚を測定することを特徴としている。
【0012】
ここで、「触覚」とは、被測定物に接触した際に得られる、被測定物の形状、硬さ(柔らかさ)または、それらの組み合わせからなる情報をいう。
次に、本発明のうち請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の触覚測定方法であって、前記触覚部は半球形状であり、前記複数の入射光を投光する前記基端面での位置は、前記半球形状の中心からの距離が互いに異なることを特徴としている。
【0013】
次に、本発明のうち請求項3に記載した発明は、断面が被測定物側に向けて凸の円弧形状となっている境界面および前記境界面を挟んで前記被測定物に対向する基端面を有し且つ透光性がある弾性材料から形成された触覚部と、前記触覚部の内部へ前記境界面に向けて入射光を投光するために前記基端面の一端側に配設された投光部と、該投光部からの前記入射光が前記境界面で反射し、前記基端面の他端側から出射した出射光を受光する受光部と、を備えた触覚センサであって、前記入射光の前記境界面への最初の入射角が互いに異なる複数の前記投光部と、前記複数の前記投光部に対応した複数の前記受光部と、前記複数の前記受光部から受光される出射光同士を比較する検出部と、を備えていることを特徴としている。
【0014】
次に、本発明のうち請求項4に記載した発明は、請求項3に記載の触覚センサであって、前記触覚部は半球形状であり、前記複数の前記投光部の位置は、前記半球形状の中心からの距離が互いに異なることを特徴としている。
本発明によれば、触覚部の内部へ触覚部の円弧に沿って2経路以上から入射光を通過させている。そして、2経路以上の通過経路に対応した受光部からそれぞれ観測される2以上の出射光同士を比較している。そのため、上述の原理から、触覚部における被測定物の外力による変形状態を判断することができる。したがって、被測定物が触覚部より柔らかい場合であっても、触覚を測定しうる触覚測定方法および触覚センサを提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についての実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る触覚センサのプローブ1を説明する概略図である。
同図に示すように、このプローブ1は、触覚部2と、接続カプラ3と、光ファイバ4とから主に構成されている。
【0016】
触覚部2は、境界面2b(後述する)としての円弧形状からなる半球状をなし、透光性がある弾性材料から形成されている。触覚部2を構成する弾性材料としては、透光性を有し且つ適度の弾性を有するものであれば適用可能である。通常、ゴムやエラストマーなどとして知られている各種の天然物や合成物、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、シリコンゴム、ポリウレタンゴムなどのゴムあるいはエラストマー類、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー類などが例示される。また、弾性材料に好適な弾性値は、触覚部2の寸法や外力の大きさなどによって異なるが、例えば、試験規格ASTMD695に従って測定した圧縮弾性率が10〜100程度のものが例示できる。触覚部2の寸法や外形は本発明の触覚センサの適用場所、所望のセンシング感度、検知せんとする外力の大きさなどによって適宜選択可能であるが、例えば、人型ロボットアームの指部分に本発明を適用するならば、触覚部2の直径は、15〜20mm程度の半球状とするのが好適である。
【0017】
接続カプラ3は、雄側3aと雌側3bとが雌雄のねじによって組み合わされており、略中央部から分離可能なように構成されている。そして、雄側3aの一端が半球状をした触覚部2の基端面2aの外周面に固着されている。触覚部2と接続カプラ3との固着方法は、例えば、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂、紫外線硬化樹脂などの接着剤による固着や、クランプ構造などによる機械的固着方法、また、それらの併用にて固着してもよい。なお、接続カプラ3は、通常の金属材料から製作してもよいが、本触覚センサの被検体が生体であり、生体内部に挿入するような場合は、接続カプラ3のエッジが被検体を損傷する可能性があったり、あるいは逆に被検体の壁面により接続カプラ3のエッジが引っ掛かって円滑な挿入が困難となる場合がある。このような場合は、接続カプラ3全体を、例えば、有機高分子弾性体等で覆うことが好ましい。
【0018】
雌側3bは、光ファイバ4の被覆4aと係合するために、環状の薄板ばねからなる係止爪3cを雌側3b円筒部の内部に有している。光ファイバ4を接続カプラ3の雌側3bから挿入すると、光ファイバ4の被覆4aが係止爪3cと係合して固定される。なお、光ファイバ4を取り外す場合は、接続カプラ3の近傍で光ファイバ4をファイバカッタ等で切断し、接続カプラ3のねじ部を外して、係止爪3cの非係合方向へ光ファイバ4を引き抜けばよい。
【0019】
図2は、光ファイバ4の拡大横断面図、図3は、プローブ1の触覚部2と光ファイバ4との光経路が接続する基端面2aを説明する概略斜視図である。なお、図3では、説明の簡便のために、投光ファイバ5と受光ファイバ6のみを示した。
図2,図3に示すように、この光ファイバ4は、複数の細い投光ファイバ5と、複数の細い受光ファイバ6と、一本の太い観測用ファイバ7とが被覆4aによって束ねられて形成されている。
【0020】
投光ファイバ5は、触覚部2の内部に入射光を投光するために触覚部2の基端面2aの一端側に投光ファイバ5の端面を基端面2aと対向させて配設されている。
投光ファイバ5は、第一の投光ファイバ5Aと、第二の投光ファイバ5Bとから構成される。詳しくは、円形断面である光ファイバ4外周側での円周方向に沿って第一の投光ファイバ5Aが、配置されている。そして、第一の投光ファイバ5Aの少し内側に、光ファイバ4の円周方向に沿って第二の投光ファイバ5Bが、並べて配置されている。なお、図2,図3では、第一の投光ファイバ5Aおよび第二の投光ファイバ5Bをそれぞれ2本ずつ配置した状態を示している。
【0021】
受光ファイバ6は、受光部として機能する。すなわち、投光ファイバ5からの入射光は触覚部2の円弧に沿って触覚部2の内部を、入射、反射を繰り返しながら通過する。そして、入射光は、基端面2aの投光ファイバ5の他端側から出射光として出てくる。受光ファイバ6は、この出射光を受光するために、基端面2aの他端側に受光ファイバ6の端面を基端面2aと対向させて配設される。
【0022】
受光ファイバ6は、投光ファイバ5と同様に、第一の受光ファイバ6Aと、第二の受光ファイバ6Bとから構成される。詳しくは、円形断面をした光ファイバ4外周側での円周方向に沿って第一の受光ファイバ6Aが、配置されている。そして、第一の受光ファイバ6Aの少し内側に、光ファイバ4の円周方向に沿って第二の受光ファイバ6Bが、並べて配置されている。なお、図2,図3では、第一の受光ファイバ6Aおよび第二の受光ファイバ6Bをそれぞれ2本ずつ配置した状態を示している。
【0023】
上述のように、プローブ1は、触覚部2の基端面2aに、投光ファイバ5(5A,5B)と受光ファイバ6(6A,6B)とによって構成された投受光位置を2経路備えていることになる。
すなわち、第一の投光ファイバ5Aから投光された第一の入射光5aは、触覚部2を通った後、第一の出射光6aとして第一の受光ファイバ6Aに受光される。また、第二の投光ファイバ5Bから投光された第二の入射光5bは、触覚部2を通った後、第二の出射光6bとして第二の受光ファイバ6Bに受光される。
【0024】
なお、図2,図3では、この2経路からなる光通過経路を2組備えている例である。
ここで、上記の構成によるプローブ1によって触覚を測定する原理を図4,5,6を参照して説明する。なお、以下の触覚を測定する原理の説明では、一組(第一の投光ファイバ5Aと第一の受光ファイバ6Aによって構成された第一の投受光経路、および、第二の投光ファイバ5Bと第二の受光ファイバ6Bとによって構成された第二の投受光経路の2経路)の投受光経路について説明し、その他の光ファイバ等(観測用ファイバ7等)については、図示を省略する。
【0025】
図4は、大気中における触覚部2に投光された光の反射と屈折についての説明図である。
同図に示すように、一般に、屈折率の大きい媒質から屈折率の小さな媒質に光が進むとき、媒質の境界面2bへの入射角が大きい場合は、入射光は境界面で全反射される。そのため、触覚部2の基端面2a一端から投光された入射光は、空気より触覚部2の屈折率が大きく、また、それらの境界面2bが球面であるため、入射、反射、屈折を繰り返しながら、触覚部2の基端面2a他端から出射光として受光される。このとき、その受光位置は、投光位置に対して一意的に決定される。すなわち、触覚部2の半球底面である基端面2aの外周面付近から投光された第一の入射光5aは、その投光位置での同心円上の反対側の外周底面付近に第一の出射光6aとして受光される。
【0026】
また、投光位置が第一の入射光5aの位置より、僅かに内側から投光した第二の入射光5bは、境界面2bとしての球面における入射角が第一の入射光5aよりも僅かに小さくなる。そのため、第二の入射光5bは、半球状の境界面2bで反射光と屈折光とに分かれ、反射光のみが受光位置に進む。そして、第一の出射光6aの受光位置より僅かに内側から、第二の出射光6bとして検出される。
【0027】
なお、レンズとしての触覚部2の基端面2aの内側から入射した光cは、屈折光の強度が強くなる。そのため、反射光c’は、光量が少なく、また、受光位置も明確には現れない。
次に、図5は、本発明に係る触覚センサにおいて、被測定物100が、触覚部2よりも硬い場合における測定原理の説明図である。
【0028】
同図に示すように、被測定物100が、触覚部2よりも硬い場合は、触覚部2が弾性変形する。このとき、触覚部2の半球状の境界面を伝播する入射角が大きい第一の入射光5aは、境界面2bで反射光と屈折光とに分かれる。しかも、反射光の一部は被測定物100表面の形状や粗さによって乱反射する。そのため、受光部に進行する第一の出射光6aは少なくなる。
【0029】
一方、第二の入射光5bも境界面2bで反射光と屈折光とに分かれる。しかし、触覚部2の半球状の境界面2bを伝播する第一の入射光5aよりも入射角が小さい第二の入射光5bは、被測定物100表面の形状や粗さによって乱反射する割合が第一の入射光5aよりも少ない。そのため、第一の出射光6aと比較して受光部に進行する第二の出射光6bは変化が少ない。
【0030】
次に、図6は、本発明に係る触覚センサにおいて、被測定物100が、触覚2部よりも柔らかい場合における測定原理の説明図である。
同図に示すように、被測定物100が、触覚部2よりも柔らかい場合は、被測定物100が変形する。このとき、触覚部2の半球状の境界面2bを伝播する入射角が大きい第一の入射光5aは、ほとんど散乱することがない。そのため、受光部に進行する第一の出射光6aはわずかに変化する程度である。
【0031】
一方、触覚部2の半球状の境界面2bを伝播する第一の入射光5aよりも入射角が小さい第二の入射光5bは、第一の入射光5aよりも境界面2bで反射光と屈折光とに分かれる割合が多い。そのため、第一の出射光6aと比較すると、受光部に進行する第二の出射光6bは少なくなる。また、受光部に進行する第二の出射光6bは、被測定物100に触覚部2が接触していないときの受光量よりも少なくなる。
【0032】
したがって、第一の出射光6aおよび第二の出射光6b相互の関係から、被測定物100に触覚部2が接触しているか否か、さらに、触覚部2よりも硬いのか、あるいは柔らかいのか、といった触覚を判断することができる。
そして、被測定物100が、触覚部2よりも硬い場合は、第一の入射光5aと第一の出射光6aとの関係から接触状態をより詳しく調べることができる。
また、被測定物100が、触覚部2よりも柔らかい場合は、第二の入射光5bと第二の出射光6bとの関係から接触状態をより詳しく調べることができる。
【0033】
【実施例】
次に、本発明に係る触覚センサを用いた触覚測定装置の一実施例について説明する。
図7は、触覚測定装置の全体構成を説明する概略構成図である。
同図に示すように、この装置は、上記のプローブ1と、プローブ1の触覚部2への投光量を制御する投光量制御器8と、触覚部2からの受光量を制御し、その受光量情報から触覚部2の接触または変形の状態を測定する検出器10と、プローブ1を支持,移動させる移動装置20と、プローブ1の移動量を制御,計測するドライバ30と、プローブ1の触覚部2と被測定物100との荷重を計測する荷重センサ40と、投光量,受光量,接触または変形の状態,移動量,荷重等を表示する表示装置50と、各装置を制御する主制御部60とから主に構成されている。
この触覚測定装置は、例えば、以下の手順により、予め用意されたプログラムに基づいて、被測定物100の触覚を測定することができる。
【0034】
まず、主制御部60の指令を受けたドライバ30が、移動装置20のアクチュエータによって、移動装置20に支持されたプローブ1を被測定物100に当接する方向に移動する。なお、アクチュエータには、通常の精密ボールねじを送り機構に使用し、これを通常のサーボモータによって駆動している。そのため、移動装置20のドライバ30は、移動装置20が移動を開始すると同時に、サーボモータの駆動したステップ数によって移動量を計測する測長センサとして機能する。
【0035】
移動装置20によって移動したプローブ1は、その先端の接触部2が被測定物100に当接することになる。このとき、荷重センサ40が、押圧力による信号を主制御部60に出力する。
押圧力信号の出力がされたとき、主制御部60は、移動装置20を停止し、サーボモータの駆動したステップ数をリセットする。
【0036】
このとき、プローブ1の触覚部2が弾性変形している(被測定物100が相対的に硬い)場合と、変形していない(被測定物100が相対的に柔らかい)場合とがある。
すなわち、上述の測定原理から、弾性変形している(被測定物100が相対的に硬い)場合は、第一の出射光6aは、第二の出射光6bに比べて受光量の変化が多くなる。また、変形していない(被測定物100が相対的に柔らかい)場合は、第一の出射光6aは、第二の出射光6bに比べて受光量の変化が少なくなる。そのため、第一の出射光6aと、第二の出射光6bとの受光量を検出器10によって比較することによって、被測定物100と触覚部2との相対的な硬さや柔らかさ、すなわち、触覚を容易に判断することができる。なお、検出器10は、例えば、フォトトランジスター等によって光エネルギーを電気量に変換し、その電気量を比較することによって触覚を判断することができる。
【0037】
そして、移動装置20をさらに微少駆動して、荷重の変化や、受光量の変化を総合的に判断することによって、被測定物100の触覚をより詳細に測定することが可能である。
また、プローブ1の触覚部2は、接続カプラ3の部分から容易に着脱して交換可能である。そのため、種々の硬さ(柔らかさ)の触覚部2を装着して測定を行うことができる。したがって、被測定物100の触覚を、より詳細に測定することが可能である。
【0038】
また、光ファイバ4中心の観測用ファイバ7を用いて、接触部分を触覚部2の内側からカメラ等によって目視観察することもできる。したがって、被測定物100の触覚を、より詳細に測定することが可能である。
上記実施形態では、複数経路による光同士の相互干渉を防止するために、それぞれの経路の投光制御部8からの投光周波数を異ならせて干渉を防止している。なお、投光制御部8の光源としては、赤外線、可視光、紫外線など、いずれであってもよい。もし、光ファイバ4が長尺であるために伝送損失が問題となる場合には、光ファイバ4の構成材料に応じて、伝送損失が少なくなる光源を選択して使用するとよい。
【0039】
以上説明したように、本発明に係る触覚センサとしてのプローブ1によれば、触覚部2の内部に触覚部2の半球面(境界面2b)に沿って複数の入射光5a,5bを通過させている。そして、複数の入射光5a,5bの通過経路を2経路有している。そのため、2経路の受光部6A,6Bからそれぞれ観測される第一の出射光6aと、第二の出射光6bとを比較することができる。そのため、上述の原理から、触覚部2が外力を受けて変形しない場合でも、弾性材料である触覚部2が接触している被測定物100の触覚を測定することができる。したがって、被測定物100が触覚部2より柔らかい場合であっても、触覚を測定しうる触覚測定方法および触覚センサを提供することができる。
【0040】
なお、以上説明した本発明の各構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
具体的には、以下に示すような種々の形態とすることもできる。
上記実施形態では、触覚部2の形状は、半球状であるが、本発明の触覚部2の形状はこれに限定されない。例えば、U字状断面が連続した、いわゆるかまぼこ形のような形状とすることもできる。また、円弧形状とは、曲率が必ずしも正円である必要がない。上記実施形態のように、二つの出射光を比較可能な範囲であれば複数の曲率を適宜組み合わせて構成してもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、2経路からの出射光を比較して、触覚を測定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、光の通過経路を3経路以上とし、これらを比較してもよい。また、光の通過経路を上記実施形態のように、2経路としこれを複数組配設し、各組を比較してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明を採用すると、被測定物が、触覚部よりも柔らかい場合であっても、触覚を測定しうる触覚測定方法および触覚センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触覚センサに用いられるプローブを説明する一部破断平面図である。
【図2】図1の光ファイバの横断面図である。
【図3】本発明に係る触覚センサの触覚部を説明する概略斜視図である。
【図4】本発明に係る触覚センサの測定原理の説明図である。
【図5】本発明に係る触覚センサの測定原理の説明図(被測定物が、触覚部よりも硬い場合)である。
【図6】本発明に係る触覚センサの測定原理の説明図(被測定物が、触覚部よりも柔らかい場合)である。
【図7】本発明に係る触覚センサを使用した触覚測定装置の一実施例を説明する概略構成図である。
【符号の説明】
1 プローブ
2 触覚部
3 接続カプラ
4 光ファイバ
5 投光ファイバ
6 受光ファイバ
7 観測用ファイバ
8 投光量制御器
10 検出器
20 移動装置
30 ドライバ
40 荷重センサ
50 表示装置
60 主制御部
100 被測定物
Claims (4)
- 断面が被測定物側に凸の円弧形状となっている境界面と前記境界面を挟んで前記被測定物に対向する基端面とを有し且つ透光性がある弾性材料から形成された触覚部に対し、前記基端面の一端側から前記触覚部の内部へ前記境界面に向けて入射光を投光し、該入射光が前記境界面で反射しながら通過し、前記基端面の他端側から出射した出射光を受光することによって前記被測定物からの触覚を測定する方法であって、
前記境界面への最初の入射角が互いに異なる複数の入射光を前記基端面に投光し、該複数の入射光にそれぞれ対応する複数の出射光同士を比較することで触覚を測定することを特徴とする触覚測定方法。 - 前記触覚部は半球形状であり、前記複数の入射光を投光する前記基端面での位置は、前記半球形状の中心からの距離が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の触覚測定方法。
- 断面が被測定物側に向けて凸の円弧形状となっている境界面および前記境界面を挟んで前記被測定物に対向する基端面を有し且つ透光性がある弾性材料から形成された触覚部と、前記触覚部の内部へ前記境界面に向けて入射光を投光するために前記基端面の一端側に配設された投光部と、該投光部からの前記入射光が前記境界面で反射し、前記基端面の他端側から出射した出射光を受光する受光部と、を備えた触覚センサであって、
前記入射光の前記境界面への最初の入射角が互いに異なる複数の前記投光部と、
前記複数の前記投光部に対応した複数の前記受光部と、
前記複数の前記受光部から受光される出射光同士を比較する検出部と、を備えていることを特徴とする触覚センサ。 - 前記触覚部は半球形状であり、前記複数の前記投光部の位置は、前記半球形状の中心からの距離が互いに異なることを特徴とする請求項3に記載の触覚センサ。
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