JP4102109B2 - Optical wavelength conversion element - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CLBO結晶等の非線形光学結晶を用いてレーザ光の波長を変換する光波長変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CLBO結晶(セシウム・リチウム・ボレート結晶)を用いた光波長変換素子が高出力レーザ波長変換デバイスとして有望視されている。これは、CLBO結晶が、波長変換効率及び光損傷閾値が高く、しかも結晶育成が容易な非線形光学結晶だからである。ただし、CLBO結晶は潮解性を有しているため、CLBO結晶を用いた光波長変換素子においては、CLBO結晶を気密に維持する必要がある。
【0003】
そのため、例えば特開平4−204923号公報には、次のような光波長変換素子が記載されている。この公報に記載の光波長変換素子は、非線形光学結晶の両端面に接着剤を介して透明板を接合し、非線形光学結晶の側面を接着剤を介して筒状のホルダで覆ったものである。これにより、非線形光学結晶は接着剤により被覆され外気と遮断される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の光波長変換素子にあっては、レーザ光の照射によって接着剤が劣化することが懸念され、CLBO結晶等、潮解性を有する非線形光学結晶を用いた場合には、外気の侵入によって非線形光学結晶が破壊されるおそれがある。また、非線形光学結晶が接着剤により被覆されているため、レーザ光が入射して非線形光学結晶が発熱した際に非線形光学結晶の放熱が妨げられ、レーザ光の波長変換効率が低下するおそれがある。更に、非線形光学結晶と接着剤とが化学反応を起こしたり、両者間の熱膨張差によって非線形光学結晶に歪みが生じたり(特にCLBO結晶は歪みに弱い)するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、非線形光学結晶を気密に維持することができ、しかも非線形光学結晶の放熱を効率よく行うことができる光波長変換素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る光波長変換素子は、レーザ光の波長を非線形光学結晶であるCLBO結晶により変換する光波長変換素子であって、CLBO結晶が挿入された貫通孔を有する金属製のホルダと、貫通孔内でCLBO結晶を挟持すると共に、ホルダの端部に形成された凹部の底面から一部が突出している一対の光透過部材と、CLBO結晶と光透過板部材との間に介在され、その中央部にレーザ光が通る光通過孔が設けられたアルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるスペーサと、を備え、貫通孔の壁面と光透過部材の側面との間に形成された隙間の外方側の開口部分には、接着剤が充填され、凹部には、光透過部材の突出部分の側面を覆って樹脂が充填されていることを特徴とする。
【0007】
この光波長変換素子によれば、ホルダの貫通孔の壁面と光透過部材の側面との間に形成された隙間の外方側開口部分に接着剤が充填されているため、ホルダと一対の光透過部材と接着剤とにより非線形光学結晶を気密に維持することができる。そして、ホルダの貫通孔を通るようにレーザ光が照射されると、このレーザ光は、一方の光透過部材を通って非線形光学結晶内に入射し、非線形光学結晶により波長変換され、他方の光透過部材を通って出射する。このとき、レーザ光の入射によって非線形光学結晶が発熱するが、非線形光学結晶が金属製のホルダの貫通孔に挿入されているため、非線形光学結晶が発した熱は効率よくホルダに吸収される。したがって、非線形光学結晶の放熱を効率よく行うことができる。更に、光透過部材の一部がホルダの端面から突出しており、レーザ光が通る光透過部材の端面には接着剤が塗布されないため、接着剤へのレーザ光の照射量が低減される。したがって、レーザ光の照射によって接着剤が劣化するのを防止することができる。
【0008】
本発明に係る光波長変換素子において、端面は、ホルダの端部に形成された凹部の底面であり、凹部には、光透過部材の突出部分の側面を覆って樹脂が充填されていることが好ましい。接着剤が樹脂で覆われるため、接着剤と樹脂との相乗効果によって非線形光学結晶をより気密に維持することができる。
【0009】
また、本発明に係る光波長変換素子において、非線形光学結晶はCLBO結晶であることが好ましい。CLBO結晶は潮解性を有しているが、この光波長変換素子においては、上述したようにCLBO結晶を気密に維持することができる。したがって、波長変換効率及び光損傷閾値が高く、しかも結晶育成が容易というCLBO結晶の特性を有効に発揮することが可能になる。
【0010】
更に、本発明に係る光波長変換素子において、ホルダは、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金により、或いは銅又は銅を主成分とする合金により形成されていることが好ましい。これらの金属は熱伝導率が高い金属であるため、非線形光学結晶からホルダへの放熱をより効率よく行うことが可能になる。また、これらの金属は非線形光学結晶に比べ軟らかいため、ホルダと非線形光学結晶との接触による摩擦傷の発生を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光波長変換素子の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1及び図2に示すように、光波長変換素子10は、アルミニウム(アルミニウムを主成分とする合金でもよい)により形成された円柱状のホルダ12を有している。このホルダ12の両端面には、円形の凹部14,16がそれぞれ形成されており、凹部14の底面14aと凹部16の底面16aとの間には、断面矩形の貫通孔18が形成されている。このホルダ12の両端部には、ホルダ12のエッジ部分の損傷とレーザ光の直射による樹脂の損傷を防止するための保護キャップ20,22がそれぞれ取り付けられている。保護キャップ20の中央部には光通過孔20aが設けられており、同様に、保護キャップ22の中央部にも光通過孔22aが設けられている。この保護キャップ20の光通過孔20aと保護キャップ22の光通過孔22aとホルダ12の貫通孔18とにより形成された通路をレーザ光が通ることになる。なお、レーザ光の反射を防止するため、ホルダ12及び保護キャップ20,22の表面は、アルマイト処理等により黒染めされている。
【0013】
ホルダ12の貫通孔18には、直方体状に切り出されたCLBO結晶24が挿入されている。このCLBO結晶24は、その側面と貫通孔18の壁面との間において0.1〜0.2mm程度の隙間がもてるように形成されている。これにより、貫通孔18にCLBO結晶24を挿入することができ、更に、ホルダ12とCLBO結晶24との熱膨張差を吸収することもできる。また、ホルダ12がCLBO結晶24に比べ軟らかいアルミニウムにより形成されているため、ホルダ12とCLBO結晶24との接触による摩擦傷の発生を防止することができる。なお、貫通孔18の隅部に半径が0.3〜0.5mmの逃げを設けてもよい。これにより、CLBO結晶24の側面と貫通孔18の壁面との隙間を小さく維持しつつ、CLBO結晶24を貫通孔18に容易に挿入することが可能になる。更に、CLBO結晶24の切り出し加工においては、CLBO結晶24のエッジ部分の面取り加工を省略することも可能になる。
【0014】
更に、ホルダ12の貫通孔18には、CLBO結晶24の凹部14側端面に当接するスペーサ26と、CLBO結晶24の凹部16側端面に当接するスペーサ28とが挿入されている。スペーサ26,28は、アルミニウム(アルミニウムを主成分とする合金でもよい)により厚さ0.2〜0.5mm程度の板状に形成されている。スペーサ26の中央部には、レーザ光が通る光通過孔26aが設けられており、同様に、スペーサ28の中央部にも光通過孔28aが設けられている。なお、レーザ光の反射を防止するため、このスペーサ26,28の表面も、アルマイト処理等により黒染めされている。
【0015】
更に、ホルダ12の貫通孔18には、スペーサ26の凹部14側端面に当接する光透過板(光透過部材)30と、スペーサ28の凹部16側端面に当接する光透過板(光透過部材)32とが挿入されている。光透過板30,32は、石英ガラスにより直方体状に形成され、その側面と貫通孔18の壁面との間において0.1〜0.2mm程度の隙間がもてるように形成されている。これにより、貫通孔18に光透過板30,32を挿入することができ、更に、ホルダ12と光透過板30,32との熱膨張差を吸収することもできる。このようにCLBO結晶24と光透過板30,32との間にスペーサ26,28を介在させるのは、CLBO結晶24と光透過板30,32との直接接触による摩擦傷の発生やレーザ光の干渉歪みの発生を防止することができるからである。なお、光透過板30,32の材料としては、石英ガラスに限らず、入射するレーザ光に対し高い光透過性を有する材料であればよい。
【0016】
そして、光透過板30の外方側の端面30aは、凹部14の底面14aから突出しており、光透過板30の側面30bの突出部分と凹部14の底面14aとにより形成された隅部には接着剤34が充填されている。一方、光透過板32の外方側の端面32aは、凹部16の底面16aから突出しており、光透過板32の側面32bの突出部分と凹部16の底面16aとにより形成された隅部にも接着剤34が充填されている。この接着剤34は、接着性と気密性とを有するものであり、一例として、硬化過程においてガス放出量が極めて少ない接着剤(いわゆる真空用接着剤)がある。このような真空用接着剤は、加熱硬化すると、室温硬化した場合に比べ気密性が向上する。なお、接着剤34の充填作業は、粘性材料の収まりがよい隅部に対して行われ、しかも、ホルダ12の端面付近において行うことができるため、容易に且つ確実に接着剤34を所定の位置に充填することが可能になる。
【0017】
ホルダ12の凹部14,16にはポッティングにより樹脂36が充填され、この樹脂36は、光透過板30,32の側面30b,32bの突出部分を覆っている。樹脂36の材料としては、アルミニウム製のホルダ12と石英ガラス製の光透過板30,32とに対する接着性及び気密性を考慮して、粘性を有する室温硬化型のシリコーン系樹脂を用いた。そして、上述した接着剤34と樹脂36との充填により、図3に示すように、貫通孔18の壁面18aと光透過板30の側面30bとの間に形成された隙間38の外方側の開口部分38aが気密に封止される。同様に、貫通孔18の壁面18aと光透過板32の側面32bとの間に形成された隙間の外方側の開口部分も気密に封止される。なお、樹脂36の材料としては、可撓性を有する加熱硬化型のエポキシ系樹脂も好適である。
【0018】
以上のように構成された光波長変換素子10の防湿性を確認するため、加湿加熱試験を実施し、加湿加熱試験後更にP.C.T(プレッシャークッカーテスト)を実施した。なお、加湿加熱試験は、湿度85%、温度85℃の条件下で被試験対象を96時間放置する試験であり、P.C.Tは、2気圧、湿度85%、温度85℃の条件下で被試験対象を48時間放置する試験である。ここでは、吸湿すると青色から白色に変色(色抜け)するシリカゲルをCLBO結晶24に代えてホルダ12内に配置し、シリカゲルの変色度合いにより防湿性の評価を行った。
【0019】
その結果、加湿加熱試験に続けて実施したP.C.T終了後においてもシリカゲルの変色はまったく見られなかった。これは、ホルダ12と一対の光透過板30,32と接着剤34と樹脂36とにより形成された空間(すなわち、CLBO結晶24が配置される空間)が長期間に亘って極めて優れた気密性を維持し得ることを示している。したがって、光波長変換素子10においては、防湿性を維持するためのメンテナンス等を特に行わなくても、CLBO結晶24を気密に維持し、潮解性を有するCLBO結晶24が外気の侵入によって破壊されるのを防止することができる。なお、光波長変換素子10においては、CLBO結晶24の周囲に形成される隙間が極めて少ないため、CLBO結晶24をパッケージする際に真空引き等を行う必要もない。ただし、CLBO結晶24の防湿性を考慮すると、乾燥空気中或いは窒素雰囲気中においてCLBO結晶24のパッケージを行うことが好ましい。
【0020】
ところで、樹脂36を充填せずに接着剤34のみを充填したものに対しても、加湿加熱試験を実施し、加湿加熱試験後更にP.C.Tを実施した。この場合は、加湿加熱試験に続けて実施したP.C.T終了後においてはシリカゲルの変色が見られたが、加湿加熱試験に続けて実施したP.C.Tにおいて24時間経過後まではシリカゲルの変色は見られなかった。これは、樹脂36を充填せずに接着剤34のみを充填したものも優れた気密性を有しており、光波長変換素子として実用上有効に使用し得ることを示している。
【0021】
そして、上述した光波長変換素子10は、例えば、紫外線レーザ加工装置において、波長532nmのレーザ光を波長266nmのレーザ光に波長変換する高出力レーザ波長変換デバイスとして用いることができる。すなわち、波長532nmのレーザ光が保護キャップ20の光通過孔20aを通るように照射されると、波長532nmのレーザ光は、光透過板30を通りスペーサ26の光通過孔26aを通ってCLBO結晶24内に入射する。このCLBO結晶24内に入射した波長532nmのレーザ光は、CLBO結晶24によって波長266nmのレーザ光に波長変換される。この波長266nmのレーザ光は、スペーサ28の光通過孔28aを通り光透過板32を通って保護キャップ22の光通過孔22aから出射する。
【0022】
このとき、レーザ光の入射によってCLBO結晶24が発熱するが、CLBO結晶24がアルミニウム製のホルダ12の貫通孔18に挿入されているため、CLBO結晶24が発した熱はホルダ12に効率よく吸収される。したがって、CLBO結晶24の放熱を効率よく行うことができ、CLBO結晶24の温度が上昇してレーザ光の波長変換効率が低下するのを防止することができる。更に、レーザ光が通る光透過板30の端面30a及び光透過板32の端面32aには接着剤34が塗布されていないため、レーザ光が通過した際における接着剤34へのレーザ光の照射量が低減される。したがって、レーザ光の照射によって接着剤34が劣化するのを防止することができる。
【0023】
ここで、波長変換特性比較実験について、図4を参照して説明する。図4において、横軸は入射光(波長532nmのレーザ光)の1パルス当たりのエネルギであり、縦軸は出射光(波長266nmのレーザ光)の1パルス当たりのエネルギである。なお、入射光は、ランプ励起QスイッチNd:YAGレーザ(Powerlite 8000EP、パルス幅10ns、繰返し周波数10Hz)から出射された波長1064nmのレーザ光をType II SHG−CLBOデバイスにより波長532nmのレーザ光に波長変換したものである。
【0024】
この波長変換特性比較実験においては、実験対象として、本実施形態に係る光波長変換素子10a,10b、CLBO結晶を真空パッケージ内の真空空間中に配置したもの(以下「真空パッケージ」という)、及びCLBO結晶をパッケージせず空気中に剥き出しにしたもの(以下「リファレンス」という)を用意した。その結果、図4に示すように、光波長変換素子10a,10bは、リファレンスに比べ良好な波長変換特性を示した。これは、CLBO結晶の放熱が空気中に対して行われるリファレンスに比べ、CLBO結晶24の放熱がアルミニウム製のホルダ12に対して行われる光波長変換素子10a,10bのほうが放熱性に優れているためである。そして、真空パッケージは、CLBO結晶の周囲に熱伝達媒体が存在しないため、リファレンスよりも更に悪い波長変換特性を示した。
【0025】
このような光波長変換特性の差は、入射光の強度が高くなるに従って顕著となっている。これは、入射光の強度が高くなるとCLBO結晶の発熱量が増加するため、CLBO結晶の放熱性の差が大きく影響するからである。以上のように、本実施形態に係る光波長変換素子10は、高出力レーザ光の波長変換においてもCLBO結晶24の波長変換効率を良好に維持することができるため、高出力レーザ波長変換デバイスとして好適に用いることができる。
【0026】
ところで、上記波長変換特性比較実験においては、光波長変換素子10a,10bのホルダ12はアルミニウムにより形成されていたが、銅又は銅を主成分とする合金によりホルダ12を形成してもよい。これは、銅又は銅を主成分とする合金も熱伝導率が高い金属だからである。また、ホルダ12の貫通孔18の壁面とCLBO結晶24の側面との隙間にインジウム製のホイール(箔)を挿入すれば、CLBO結晶24の放熱性をより向上させることが可能になる。そして、ホルダ12の外周側面に括れを設けたり、或いは放熱フィンを設けたりしてもよい。これにより、ホルダ12の外周側面の表面積が増加するため、ホルダ12からホルダ12外部(例えば冷媒等)への放熱性を向上させることができ、ひいてはCLBO結晶24の放熱性をより安定化させることが可能になる。なお、ホルダ12を他の金属により形成しても、上記波長変換特性比較実験における真空パッケージやリファレンスに比べCLBO結晶24の放熱を効率よく行うことができる。
【0027】
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は、CLBO結晶を用いた光波長変換素子に限らず、BBOやLBO等、種々の非線形光学結晶を用いた光波長変換素子に適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光波長変換素子は、レーザ光の波長を非線形光学結晶により変換する光波長変換素子であって、非線形光学結晶が挿入された貫通孔を有する金属製のホルダと、貫通孔内で非線形光学結晶を挟持すると共に、ホルダの端面から一部が突出している一対の光透過部材とを備え、貫通孔の壁面と光透過部材の側面との間に形成された隙間の外方側の開口部分には、接着剤が充填されていることを特徴とすることによって、非線形光学結晶を気密に維持することができ、しかも非線形光学結晶の放熱を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光波長変換素子の斜視図である。
【図2】図1に示す光波長変換素子の縦断面図である。
【図3】図1に示す光波長変換素子の要部を示す拡大断面図である。
【図4】レーザ光の波長変換特性を示す図である。
【符号の説明】
10…光波長変換素子、12…ホルダ、14,16…凹部、14a,16a…底面(ホルダの端面)、18…貫通孔、18a…壁面、24…CLBO結晶(非線形光学結晶)、30,32…光透過板(光透過部材)、30b,32b…側面、34…接着剤、36…樹脂、38…隙間、38a…開口部分。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical wavelength conversion element that converts the wavelength of laser light using a nonlinear optical crystal such as a CLBO crystal.
[0002]
[Prior art]
In recent years, optical wavelength conversion elements using CLBO crystals (cesium, lithium, borate crystals) are promising as high-power laser wavelength conversion devices. This is because the CLBO crystal is a non-linear optical crystal that has high wavelength conversion efficiency and a high optical damage threshold and that can be easily grown. However, since the CLBO crystal has deliquescence, in the optical wavelength conversion element using the CLBO crystal, it is necessary to keep the CLBO crystal airtight.
[0003]
Therefore, for example, Japanese Patent Laid-Open No. 4-204923 discloses the following optical wavelength conversion element. The optical wavelength conversion element described in this publication has a transparent plate bonded to both end faces of a nonlinear optical crystal via an adhesive, and the side surfaces of the nonlinear optical crystal are covered with a cylindrical holder via an adhesive. . As a result, the nonlinear optical crystal is covered with the adhesive and blocked from the outside air.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the optical wavelength conversion element described in the above publication, there is a concern that the adhesive may deteriorate due to laser light irradiation. When a nonlinear optical crystal having deliquescence such as a CLBO crystal is used, the outside air There is a possibility that the nonlinear optical crystal is destroyed by the intrusion. In addition, since the nonlinear optical crystal is covered with an adhesive, when the nonlinear optical crystal generates heat due to incidence of laser light, heat radiation of the nonlinear optical crystal is hindered, and the wavelength conversion efficiency of the laser light may be reduced. . Furthermore, there is a possibility that the nonlinear optical crystal and the adhesive cause a chemical reaction, or the nonlinear optical crystal is distorted due to a difference in thermal expansion between them (particularly, the CLBO crystal is vulnerable to distortion).
[0005]
Therefore, the present invention has been made in view of such circumstances, and provides an optical wavelength conversion element capable of maintaining a nonlinear optical crystal in an airtight manner and efficiently performing heat dissipation of the nonlinear optical crystal. The purpose is to do.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an optical wavelength conversion element according to the present invention is an optical wavelength conversion element that converts the wavelength of a laser beam by a CLBO crystal that is a nonlinear optical crystal, and has a through-hole into which the CLBO crystal is inserted. A metal holder, a pair of light transmission members that sandwich the CLBO crystal in the through-hole, and a part of which protrudes from the bottom surface of the recess formed at the end of the holder, a CLBO crystal, and a light transmission plate member And a spacer made of aluminum or an alloy mainly composed of aluminum provided with a light passage hole through which a laser beam passes at the center thereof, and a wall surface of the through hole and a side surface of the light transmitting member The opening portion on the outer side of the gap formed between the two is filled with an adhesive, and the concave portion is filled with a resin covering the side surface of the protruding portion of the light transmitting member.
[0007]
According to this optical wavelength conversion element, since the outer side opening portion of the gap formed between the wall surface of the through hole of the holder and the side surface of the light transmitting member is filled with the adhesive, The nonlinear optical crystal can be kept airtight by the transmission member and the adhesive. Then, when the laser beam is irradiated so as to pass through the through hole of the holder, the laser beam is incident on the nonlinear optical crystal through one light transmitting member, wavelength-converted by the nonlinear optical crystal, and the other light. The light is emitted through the transmission member. At this time, the nonlinear optical crystal generates heat by the incidence of the laser beam, but since the nonlinear optical crystal is inserted into the through hole of the metal holder, the heat generated by the nonlinear optical crystal is efficiently absorbed by the holder. Therefore, the heat radiation of the nonlinear optical crystal can be efficiently performed. Further, a part of the light transmitting member protrudes from the end face of the holder, and the adhesive is not applied to the end face of the light transmitting member through which the laser light passes. Therefore, the irradiation amount of the laser light to the adhesive is reduced. Therefore, it is possible to prevent the adhesive from deteriorating due to the laser light irradiation.
[0008]
In the light wavelength conversion element according to the present invention, the end surface is a bottom surface of a recess formed at the end of the holder, and the recess is filled with resin so as to cover the side surface of the protruding portion of the light transmitting member. preferable. Since the adhesive is covered with the resin, the nonlinear optical crystal can be kept more airtight by the synergistic effect of the adhesive and the resin.
[0009]
In the optical wavelength conversion element according to the present invention, the nonlinear optical crystal is preferably a CLBO crystal. Although the CLBO crystal has deliquescence, in this optical wavelength conversion element, the CLBO crystal can be kept airtight as described above. Therefore, it is possible to effectively exhibit the characteristics of the CLBO crystal that has high wavelength conversion efficiency and a high optical damage threshold, and that crystal growth is easy.
[0010]
Furthermore, in the optical wavelength conversion element according to the present invention, the holder is preferably formed of aluminum or an alloy containing aluminum as a main component, or copper or an alloy containing copper as a main component. Since these metals are metals having high thermal conductivity, it is possible to more efficiently dissipate heat from the nonlinear optical crystal to the holder. Further, since these metals are softer than the nonlinear optical crystal, it is possible to prevent the occurrence of friction scratches due to the contact between the holder and the nonlinear optical crystal.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a preferred embodiment of an optical wavelength conversion element according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0012]
As shown in FIGS. 1 and 2, the optical
[0013]
A CLBO
[0014]
Further, a
[0015]
Further, in the through
[0016]
The
[0017]
The
[0018]
In order to confirm the moisture resistance of the optical
[0019]
As a result, the P.P. C. Even after the completion of T, no discoloration of the silica gel was observed. This is because the space formed by the
[0020]
By the way, a humidification heating test was carried out on the
[0021]
The optical
[0022]
At this time, although the
[0023]
Here, a wavelength conversion characteristic comparison experiment will be described with reference to FIG. In FIG. 4, the horizontal axis represents energy per pulse of incident light (laser light having a wavelength of 532 nm), and the vertical axis represents energy per pulse of emitted light (laser light having a wavelength of 266 nm). The incident light is a laser light having a wavelength of 1064 nm emitted from a lamp-pumped Q-switch Nd: YAG laser (Powerlite 8000EP,
[0024]
In this wavelength conversion characteristic comparison experiment, the optical wavelength conversion elements 10a and 10b according to the present embodiment, CLBO crystals arranged in a vacuum space in a vacuum package (hereinafter referred to as “vacuum package”), and A CLBO crystal exposed in the air without packaging (hereinafter referred to as “reference”) was prepared. As a result, as shown in FIG. 4, the optical wavelength conversion elements 10a and 10b exhibited better wavelength conversion characteristics than the reference. This is because the optical wavelength conversion elements 10a and 10b, in which the
[0025]
Such a difference in optical wavelength conversion characteristics becomes more prominent as the intensity of incident light increases. This is because when the intensity of incident light increases, the calorific value of the CLBO crystal increases, so that the difference in heat dissipation of the CLBO crystal greatly affects. As described above, since the optical
[0026]
By the way, in the said wavelength conversion characteristic comparison experiment, although the
[0027]
The preferred embodiment of the present invention has been described in detail above. However, the present invention is not limited to the optical wavelength conversion element using the CLBO crystal, but the optical wavelength conversion using various nonlinear optical crystals such as BBO and LBO. Applicable to devices.
[0028]
【The invention's effect】
As described above, the optical wavelength conversion element according to the present invention is an optical wavelength conversion element that converts the wavelength of laser light by a nonlinear optical crystal, and is a metal holder having a through hole in which the nonlinear optical crystal is inserted. And a pair of light transmitting members that sandwich the nonlinear optical crystal in the through hole and partly protrude from the end surface of the holder, and are formed between the wall surface of the through hole and the side surface of the light transmitting member Since the opening portion on the outer side of the gap is filled with an adhesive, the nonlinear optical crystal can be kept airtight, and heat radiation of the nonlinear optical crystal can be efficiently performed. it can.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of an optical wavelength conversion element according to an embodiment.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of the optical wavelength conversion element shown in FIG.
3 is an enlarged cross-sectional view showing a main part of the optical wavelength conversion element shown in FIG. 1. FIG.
FIG. 4 is a diagram illustrating wavelength conversion characteristics of laser light.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記CLBO結晶が挿入された貫通孔を有する金属製のホルダと、
前記貫通孔内で前記CLBO結晶を挟持すると共に、前記ホルダの端部に形成された凹部の底面から一部が突出している一対の光透過部材と、
前記CLBO結晶と前記光透過板部材との間に介在され、その中央部にレーザ光が通る光通過孔が設けられたアルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるスペーサと、を備え、
前記貫通孔の壁面と前記光透過部材の側面との間に形成された隙間の外方側の開口部分には、接着剤が充填され、
前記凹部には、前記光透過部材の突出部分の側面を覆って樹脂が充填されていることを特徴とする光波長変換素子。An optical wavelength conversion element that converts the wavelength of laser light by a CLBO crystal that is a nonlinear optical crystal,
A metal holder having a through-hole into which the CLBO crystal is inserted;
A pair of light transmitting members that sandwich the CLBO crystal in the through hole and that partially protrude from the bottom surface of the recess formed in the end of the holder;
A spacer made of aluminum or an alloy containing aluminum as a main component, which is interposed between the CLBO crystal and the light transmitting plate member, and has a light passage hole through which a laser beam passes in the center.
The opening portion on the outer side of the gap formed between the wall surface of the through hole and the side surface of the light transmitting member is filled with an adhesive,
The light wavelength conversion element, wherein the concave portion is filled with a resin so as to cover a side surface of the protruding portion of the light transmitting member.
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