JP4100634B2 - セラミックコアを配置した鋳造用消失性模型、およびこれを用いた鋳物の製造方法 - Google Patents

セラミックコアを配置した鋳造用消失性模型、およびこれを用いた鋳物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋳造に用いる鋳造用消失性模型、および、これを用いた鋳物の製造方法に関するものである。特に、例えばガスタービンの燃焼器に用いられ、鋳造成形されるガスタービン燃焼器用スワラー等の鋳造に係る鋳造用消失性模型、並びにこれを用いた鋳物の製造方法に関する。
例えば、発電用ガスタービンにおいて、ガスタービン翼を高速回転させるための高圧の燃焼ガスはガスタービン燃焼器によって生成される。このガスタービン燃焼器において、ガスタービン燃料と空気との混合物(以降、空気混合燃料という)を燃焼させるが、このときにガスタービン燃料と空気とを効率的に混合させるための機器が、ガスタービン燃焼器用スワラーである。ガスタービン燃焼器用スワラーは、一般に、ガスタービン燃料の噴射用ノズルの固定部を有する内胴と、この内胴に備えられ、取り込まれて高圧縮された空気を旋回流に変えてガスタービン燃料と混合する固定翼と、この空気混合燃料をさらに下流に導出する筒状の外胴とで構成されている。この内胴と外胴とは、狭隘な隙間を形成するように一体化され、形成された間隙から二次空気を導入して空気混合燃料の効率よい燃焼を行うように設計されている。
上述の構成を有するガスタービン燃焼器用スワラーにおいて、狭隘な隙間を形成する必要がある内胴と外胴との一体化は、内胴と外胴とを繋ぐための複数のリブにおいて溶接あるいはロー付等により接合固定して一体化させていた。
一方、燃焼器等の複雑な形状に対して、精密鋳造法の適用の提案もある。例えば、特許文献1は、ロストワックス鋳造法を適用し、燃焼器用部品として、内胴と、外胴と、これらを間隙を形成しつつ一体化するリブとを同時に形成する手法を提案している。特許文献1においては、鋳造に用いる鋳型を成形するための消失性模型の形成に特徴がある。具体的には、内胴を形成するための第1のロウ型と、外胴を形成するための第2のロウ型と、内胴と外胴とを繋ぐ複数のリブおよび間隙となるリブ間空隙部を形成するための円筒形のセラミック型とを各々別々に準備する。そして、第1のロウ型と第2のロウ型との間に円筒形セラミック型を挿入し、第1のロウ型の一部を第2のロウ型の中空部の内側に同軸心で挿入して組み立てることによって構成されるというものである。
この円筒形セラミック型を中子として消失性模型に具備させる手法は、上述の二次空気導入口となる狭隘な隙間であるリブ間空隙部に対し、耐火物スラリーや耐火物粒が浸入することなく精密な鋳型の成形が可能となる点で優れている。
特開2004−25239号公報
本発明者は、特許文献1にある円筒型セラミック型をガスタービン燃焼器用スワラーの製造に適用することを検討した。
ガスタービン燃焼器用スワラーの内胴と外胴との間隙となるリブ間空隙部は、円筒形セラミック型における円筒形部の肉厚により形成することとなる。そして、この円筒形セラミック型は、これに相当するキャビティを有する金型にセラミック原料を射出するか、または流し込んでグリーン体とした後に、金型から取り出したグリーン体を焼結して焼結体となすことにより製造することができると考えられた。
ここで、まず問題となったのは、リブ間空隙部を狭隘な隙間とするためには、円筒形セラミック型の円筒形部の肉厚を極めて薄くしなければならない点である。例えば特許文献1は、円筒形セラミック型の円筒形部の肉厚を約0.5〜5mmとする構成例を開示する。しかしながら、この円筒形部の肉厚が極めて薄い円筒形セラミック型を製造するにあたり、これを成形するための金型キャビティの形成、その金型によるグリーン体の成形、およびそのグリーン体の焼結等、これらの各工程において技術的問題が多いのである。例えば、薄肉の円筒形部へのセラミック原料の不廻りや充填密度不足、薄肉かつ一体の円筒形状であることによる自重変形や焼結時の収縮不均一、割れや損壊等である。
また、特許文献1に開示される円筒形セラミック型には、リブに貫通孔を形成しなければならないことも、製造を困難にしている要因である。つまり、内胴と外胴とを繋ぐための複数のリブは、円筒形セラミック型の肉厚の薄い円筒形部においては、内側から外側に貫通する複数の貫通穴を設けることによって形成しなければならない。この貫通孔を設けているために、セラミック原料を射出成形した後の型開きでは、円筒形部の中心軸方向に沿って型開きさせることが困難である。このため、円筒形部の内側あるいは外側において、その半径方向に放射状に可動可能な複数のスライド金型を組み合わせることにより、円筒形セラミック型を成形するためのキャビティを形成させる等の構成を採用することとなる。この構成の場合には、各スライド金型およびその可動機構の構造が複雑化し、また、円筒形部の肉厚を極めて薄く安定に形成し得るキャビティとするためには、各スライド金型の型締め時の位置決めを極めて高精度とすることが要求される。さらに、型締めにより組み合わされる各スライド金型の繋ぎ目であるパーティングラインでは、セラミック原料を射出したり流し込んだりするときに摩滅や差し込みを生じやすいといった不都合がある。
本発明の目的は、上記課題を解決し、内胴、外胴、およびリブとが一体に成形される新規な鋳造用消失性模型、および、これによる内胴と外胴との精密な間隙を精度良く形成できる鋳物の精密鋳造方法を提供することである。
本発明者は、内胴と外胴とを繋ぐ狭隘な隙間である各々のリブ間空隙部および各々のリブの成形手段、および鋳造用消失性模型の一体成形について検討し、リブ間空隙部に相当する個所に、リブ間空隙部に対応する形状であって周方向に分割された形状を有する鋳造中子となるセラミックコアを略筒形に各々配置することによって鋳造用消失性模型を一体に形成し、このセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型を用いて鋳造することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち本発明のセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型は、略筒形の内胴と、該内胴の片端を内挿する略筒形の外胴と、該外胴と前記内胴とを連結する複数のリブとが、ワックスにより一体に成形されてなり、隣接する前記リブ間に形成される前記内胴の軸方向に沿って貫通するリブ間空隙部に相当する個所には、前記リブ間空隙部に対応する形状であって周方向に分割された形状を有する鋳造中子となるセラミックコアが配置されているセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型である。
上述のセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型を用いることにより、内胴、外胴、およびリブとが一体に鋳造成形された新規な鋳物を得ることができる。すなわち本発明の鋳物の製造方法は、略筒形の内胴と、該内胴の片端を内挿する略筒形の外胴と、該外胴と前記内胴とを連結する複数のリブと、隣接する該リブ間に形成される前記内胴の軸方向に沿って貫通するリブ間空隙部とを具備し、前記内胴、前記外胴、および前記リブとが一体に鋳造成形される鋳物の製造方法であって、
(1)前記鋳物と実質的に同一の形状を有する鋳造用消失性模型の成形工程、
(2)該鋳造用消失性模型を耐火物でコーティング後に前記鋳造用消失性模型を除去する鋳型の成形工程、
(3)該鋳型へ鋳造する鋳造工程、
を有しており、前記リブ間空隙部は、前記リブ間空隙部に対応する形状であって周方向に分割された形状を有する鋳造中子となるセラミックコアを略筒形に各々配置した前記鋳造用消失性模型によって得る鋳物の製造方法である。
本発明においては、隣り合うセラミックコアの端面によって形成される空隙によりリブを形成することが好ましい。また、セラミックコアに前記鋳型に係止させる係止部を具備させることが好ましい。また、セラミックコアを、前記鋳造工程の後に、アルカリ溶液により溶出除去することが好ましい。
本発明のセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型は、内胴、外胴、およびリブに対応する部位がワックスにより一体に成形される、つまり、継ぎ目のない鋳造用消失性模型であって、鋳造用消失性模型の組み立てに起因する凹み状欠陥を有さない。そして、この鋳造用消失性模型を用いる本発明の鋳物の製造方法によれば、内胴と外胴との精密な間隙が精度良く形成され、内胴、外胴、およびリブとが一体に鋳造成形された新規な鋳物を得ることができ、工業上極めて有効な技術となる。
本発明のセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型における重要な特徴は、リブ間空隙部に相当する個所に、リブ間空隙部に対応する形状であって周方向に分割された形状を有する鋳造中子となるセラミックコアを略筒形に各々配置させたことである。周方向に分割された形状を有する鋳造中子となるセラミックコアとすることにより、各々のセラミックコアは薄板片状となるため自重変形や焼結時の収縮不均一は極めて微小となって寸法精度の良好なセラミックコアを得ることができる。これにより、従来の円筒形セラミック型で問題となっていた円筒形セラミック型製造時の充填密度の問題、寸法精度の問題、あるいは金型の動作の複雑化の問題を解決することができる。
また、隣り合うセラミックコアの端面によって形成される空隙によりリブが形成されるようにすることにより、セラミックコアに貫通孔を形成する必要がなくなり、単純形状化でき、中子としての精度を高めることが可能となる。さらに、すべて同一形状のセラミックコアによって各々のリブ間空隙部およびリブが形成されるようにすることにより、鋳造中子となるセラミックコアを略筒形に各々配列させる位置決め精度を向上させることができ、生産効率を向上させるためには好適である。
本発明の鋳物の製造方法における重要な特徴は、鋳物と実質的に同一の形状を有する継ぎ目のないセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型を用い、鋳物を一体に鋳造成形させることである。これにより、溶接あるいはロー付けされた部位や鋳造用消失性模型の継ぎ目に起因する凹み状の鋳造欠陥を有さず、従来に比べ、機械的強度や信頼性、耐熱性が飛躍的に向上した新規な鋳物を得ることができる。
また、本発明においては、上述のセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型の内胴の中空部には固定翼等をワックスにより内胴と一体に形成して具備させることもできる。これにより、略筒形の内胴と、内胴の中空部に形成される固定翼と、内胴の片端を内挿する略筒形の外胴と、外胴と内胴とを連結する複数のリブとが、ワックスにより一体に成形されてなり、隣接するリブ間に形成される内胴の軸方向に沿って貫通するリブ間空隙部に相当する個所には、リブ間空隙部に対応する形状であって周方向に分割された形状を有する鋳造中子となるセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型を得ることができる。また、これを用いることにより、略筒形の内胴と、内胴の中空部に形成される固定翼と、内胴の片端を内挿する略筒形の外胴と、外胴と内胴とを連結する複数のリブと、隣接するリブ間に形成される内胴の軸方向に沿って貫通するリブ間空隙部とを具備し、内胴、固定翼、外胴、およびリブとが一体に鋳造成形されてなる鋳物を得ることができる。
以下、本発明におけるセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型、およびこれを用いた鋳物の製造方法につき、具体例を挙げ、図を用いて詳細に説明する。
例えば、鋳物としてはガスタービン燃焼器用スワラー部品(以降、スワラー部品という)を一例とし、その代表的な形状を図5に示す。図5において、スワラー部品1は略筒形の内胴2と略筒形の外胴4を備えている。なお、内胴2には、高圧縮された空気を旋回流に変えて内胴2の内側に取り込むための固定翼(図示せず)や、ガスタービン燃料の噴射用ノズルを固定するノズル固定部(図示せず)を、内胴2に対し一体に形成することにより、あるいは組み立てにより設けることもできる。
外胴4は、内胴2の片端を挿入し、内胴2とは複数のリブ5によって固設される。また、隣接するリブ5間には、内胴2の外周側と外胴4の内周側との間を貫通する狭隘な隙間であって、内胴2から送られる空気混合燃焼を効率よく燃焼させるための二次空気導入口となるリブ間空隙部6が各々に形成される。
図5に示すスワラー部品1を一体に鋳造成形する本発明の製造方法の一例を、以下、所要の工程に即して詳細に説明する。
(1)消失性模型の成形工程
本発明の鋳物の製造方法においては、消失性模型の成形工程が最も重要な工程となる。一例として、金型内に、リブ間空隙部に対応するセラミックコア、内胴および外胴の中空部に対応する溶媒可溶性ワックスまたは金属製等の置き中子を各々配置し、金型の型締め後に金型内に消失性材料であるワックスを射出成形し、得られた成形体を金型から取り出すとともに上述の溶媒可溶性ワックスまたは金属製等の置き中子を除去して離型させ、リブ間空隙部に相当する個所にセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型を得る工程を、以下説明する。
まず、スワラー部品1と実質的に同一の形状を有するセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型に相当するキャビティを形成するための金型内の構成例について説明する。
図2に示すように、上型11と下型14に対し中型12、13を組み合せる金型構成とすることが好ましい。この金型構成により、スワラー部品1の外周面にアンダーカットを有する場合であっても、中型12、13をスワラー部品1の周方向に複数分割し、これら複数分割して中型12、13をスワラー部品1の中心軸に対する半径方向に各々開閉可能に構成することで、金型の型開きを容易に行うことができる。例えば、内胴2の外周面にアンダーカットを有する場合には中型12を、外胴4の外周面の場合には中型13を、スワラー部品1の周方向に複数分割すればよい。なお、外胴4の外周面にアンダーカットを有さない場合には、中型13と下型14とを一体に構成することもできる。
そして、上述のように構成した金型内において、下型14および中型13に対し、中子15、16を位置決めして配置し、さらに中子16に対し中子17を位置決めして配置する。中子16、17を分割させることは、内胴2の中空部におけるアンダーカットの有無に係らず、中子15の位置決め配置を容易とするので好適である。また、中子15、16は一体に構成した中子でもよいが、中子15、16を分割することにより、中子16を金属材料等からなる再利用可能な置き中子とすることができ、製造コストを低減するために有利である。なお、中子17に対しても置き中子を用いることができる。また、置き中子の場合には、例えば金属材料やセラミックからなる置き中子を使用できる。
次いで、中型13および中子15に対し係合させるように、リブ間空隙部6に対応する各々の個所に、セラミック原料からなり、リブ間空隙部6に対応する形状であって周方向に分割された形状を有する鋳造中子となるセラミックコア10を略筒形に各々配置させる。
金型内に配列させたセラミックコア10の位置決めおよび固定は重要であり、そのための手段としては、例えば、中型13および中子15に対し手掛かりとなる凹部21a、22aを設け、セラミックコア10にはその凹部21a、22aと対応する凸状の係止部21b、22bを具備させる。そして、この係止部21b、22bと凹部21a、22aとを嵌め合わすことにより、セラミックコア10を位置決めおよび固定させる手段がある。この手段によれば、金型内に消失性材料を射出あるいは流し込んでもセラミックコア10は動くことがなくなり、寸法精度の良好な消失性模型が得られるので好適である。
また、別の手段としては、例えば図3に示すように、セラミックコア10の端面の一部に隣り合うセラミックコア10と接触可能な接触部10aを設け、各々のセラミックコア10を互いに接触させ、かつ中型13に対し中型12と中子15とで挟持させるように配列させる。この構成により、隣り合うセラミックコア10は互いに係合し、略筒状に配列されるすべてのセラミックコア10は一体で係合することとなって位置決めおよび固定される。このように隣り合うセラミックコア10の端面の一部を接触させる接触部10aを設けることにより、格別の位置決めおよび固定の手段を設けることなく各々のセラミックコア10を精度よく位置決めさせつつ略筒状に配列させることができるので好適である。また、すべて同一形状のセラミックコア10とすることも可能となり、セラミックコア10およびスワラー部品1の生産効率を格段に向上させることができる。
上述のようにセラミックコア10および中子15、16、17を各々配置した後に上型11、中型12、13、下型14を型締めすることにより、スワラー部品1の内胴2、外胴4、リブ5の各々に対応する内胴対応キャビティ20a、外胴対応キャビティ20b、リブ対応キャビティ20cを金型内に形成させることができる。
次に、上述の金型内のキャビティに対し溶融もしくは半溶融状態の消失性材料であるワックスを射出することにより、セラミックコア10および中子15、16、17を配置させた模型(以降、中間模型という)を成形させる。そして、金型を型開きして成形された中間模型を取り出し、中間模型から中子15、16、17を除去することにより、スワラー部品1と実質的に同一の形状を有し、リブ間空隙部6に相当する個所にセラミックコア10を配置した鋳造用消失性模型をなすことができる。
中間模型に配列させる中子15としては、溶媒可溶性ワックスからなる中子15とすることが好ましく、これにより中間模型を溶媒に浸漬させるという簡易な手段によって中子15を中間模型から容易に溶出除去させることができる。また、溶媒としてはセラミックコア10と反応し難い水や5%塩酸等の酸性水溶液が好適である。そして、ワックスとしては溶媒である水や酸性水溶液に可溶するワックスを用いればよい。より好ましくは取り扱いが容易な水を溶媒とし、水溶性ワックスを用いることである。
以上説明した手順により、一例として図1に示すような鋳造用消失性模型1’を得ることができる。すなわち得られる鋳造用消失性模型1’は、略筒形の内胴2’と、内胴2’の片端を内挿する略筒形の外胴4’と、外胴4’と内胴2’とを連結する複数のリブ5’とが、ワックスにより一体に成形されてなり、隣接するリブ5’間に形成される内胴2’の軸方向に沿って貫通するリブ間空隙部6に相当する個所には、リブ間空隙部6に対応する形状であって周方向に分割された形状を有する鋳造中子となるセラミックコア10を配置した鋳造用消失性模型1’である。
(2)鋳型の成形工程
本発明の鋳物の製造方法における鋳型の成形工程は、上述のセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型の成形工程によって得られた鋳造用消失性模型に対し、押湯や湯道等を設け、これを耐火物でコーティングし、コーティング後に鋳造用消失性模型から消失性材料であるワックスを除去することにより、鋳物と実質的に同一の空間形状のキャビティを有する鋳型を形成させる工程である。
例えば、まず、鋳造用消失性模型と同様な消失性材料からなる押湯や湯道等を鋳造用消失性模型に対し接着してツリー状とする。ツリー状にした鋳造用消失性模型に対し耐火物をコーティングして所定の鋳型厚みを具備させる。耐火物のコーティングは、複数回繰り返すことによって複数の耐火物層をなすように形成させることにより、鋳型の強度向上や鋳造時の溶湯漏れ防止のために有効であるので好適である。コーティングする耐火物としては、鋳造工程において鋳造される溶湯に耐え得る材料であるジルコン、アルミナ、ムライト質等を用いることができる。また、複数個の鋳造用消失性模型をひとつのツリー状に組み立て、複数個の鋳造用消失性模型に対して同時に耐火物をコーティングすることも、生産効率が向上するので好適である。
次いで、上述のように成形した鋳型を十分に乾燥させた後、鋳型内から鋳造用消失性模型の消失性材料であるワックスを消失除去させる。この消失性材料の除去手段としては、例えば高温水蒸気オートクレーブなどによって加熱溶融させて除去する手段がある。これにより、鋳物と実質的に同一の形状を有し、リブ間空隙部に相当する個所にセラミックコアを配置させて残存させた鋳型を得ることができる。さらに好ましくは、得られた鋳型に対し、例えば1000℃以上で高温焼成することにより、鋳型に十分な強度を付与させることである。
(3)鋳造工程
本発明の鋳物の製造方法における鋳造工程は、上述の鋳型の成形工程によって得られた鋳型に対し、金属材料を溶解して得た溶湯を鋳型に鋳造し、冷却させた後に鋳型を除去し、そして残存するセラミックコアを除去することにより、上述の鋳造用消失性模型と実質的に同一形状を有する一体に鋳造成形された鋳物を得る工程である。
本発明の鋳物を、例えば燃焼用部品としての高温強度や耐食性が要求されるガスタービン燃焼器用スワラー部品に適用する場合には、これに用いる金属材料としてはオーステナイト系ステンレス鋼の例えばSCS13またはSUS304、各種の耐熱鋼や耐熱合金、Ni基やCo基の超耐熱合金等が好適である。そして、本発明の鋳物の製造方法においては、上述の金属材料を、その特性に合う大気中や不活性ガス中あるいは真空中で溶解して溶湯とし、この溶湯を鋳型へ供給する。
鋳型への鋳造は、溶湯の特性や鋳型内の湯回り等の諸条件を考慮し、減圧や吸引あるいは真空中において鋳造することができる。好ましくは吸引鋳造であって、これにより湯回り性が向上し、例えばスワラー部品1のように薄肉の内胴2や外胴4を具備する鋳物であっても確実に溶湯を充填させることができる。そして、鋳造後、冷却させた後に鋳型を除去し、鋳造品から不要な湯道や押し湯などを除去する。さらに、鋳造品に付着する鋳型屑やスケール等を除去するために、鋳造品に対しショットブラストやサンドブラストなどを施すことも好ましい。次いで、鋳造品に残存するセラミックコアを除去することにより、内胴、外胴、およびリブとが一体に鋳造形成される鋳物を得ることができる。また、必要に応じ、さらに機械加工等を施すこともできる。
上述のセラミックコアを鋳造品から除去する手段としては、機械振動や超音波による破砕や粉砕、溶媒による溶出等の手段がある。好ましくはセラミックコアを溶媒に浸漬させて溶出させるという簡易な手段により、セラミックコアを確実に溶出除去させることである。例えば、溶媒をアルカリ溶液とし、セラミックコアをアルカリ溶液での溶出除去が容易にできるSiO系の耐火物で形成させることができる。また、より溶出させ易くするためには、SiOの含有量を50重量%以上とすることである。また、ZrSiOやAlなどが混合されていてもよい。そして、上述のアルカリ溶液としては、濃度が30%程度の水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、あるいは両者混合の水溶液とし、水溶液の温度を100〜150℃程度とすることにより、取り扱いが容易になるとともに溶出効率もよくなるので好適である。なお、溶媒としては沸酸等の酸性溶液を用いることもできるが、鋳物となる金属材料と反応しやすい点が不利である。
本発明の鋳造用消失性模型の具体例を示す模式図である。 本発明の鋳物の製造方法における金型構成例を示す模式図である。 本発明におけるセラミックコアの配列例を示す模式図である。 本発明におけるセラミックコアの具体例を示す模式図である。 本発明における鋳物の具体例を示す模式図である。
符号の説明
1.スワラー部品、1’.鋳造用消失性模型、2、2’.内胴、4、4’.外胴、5、5’.リブ、6.リブ間空隙部、10.セラミックコア、10a.接触部、11.上型、12、13.中型、14.下型、15、16、17.中子、20a.内胴対応キャビティ、20b.外胴対応キャビティ、20c.リブ対応キャビティ、21a、22a.凹部、21b、22b.係止部

Claims (5)

  1. 略筒形の内胴と、該内胴の片端を内挿する略筒形の外胴と、該外胴と前記内胴とを連結する複数のリブとが、ワックスにより一体に成形されてなり、隣接する前記リブ間に形成される前記内胴の軸方向に沿って貫通するリブ間空隙部に相当する個所には、前記リブ間空隙部に対応する形状であって周方向に分割された形状を有する鋳造中子となるセラミックコアが配置されていることを特徴とするセラミックコアを配置した鋳造用消失性模型。
  2. 略筒形の内胴と、該内胴の片端を内挿する略筒形の外胴と、該外胴と前記内胴とを連結する複数のリブと、隣接する該リブ間に形成される前記内胴の軸方向に沿って貫通するリブ間空隙部とを具備し、前記内胴、前記外胴、および前記リブとが一体に鋳造成形される鋳物の製造方法であって、
    (1)前記鋳物と実質的に同一の形状を有する鋳造用消失性模型の成形工程、
    (2)該鋳造用消失性模型を耐火物でコーティング後に前記鋳造用消失性模型を除去する鋳型の成形工程、
    (3)該鋳型へ鋳造する鋳造工程、
    を有しており、前記リブ間空隙部は、前記リブ間空隙部に対応する形状であって周方向に分割された形状を有する鋳造中子となるセラミックコアを略筒形に各々配置した前記鋳造用消失性模型によって得ることを特徴とする鋳物の製造方法。
  3. 隣り合うセラミックコアの端面によって形成される空隙によりリブが形成されることを特徴とする請求項2に記載の鋳物の製造方法。
  4. 前記セラミックコアは前記鋳型に係止させる係止部を具備することを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の鋳物の製造方法。
  5. 前記セラミックコアは、前記鋳造工程の後に、アルカリ溶液により溶出除去されることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の鋳物の製造方法。
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