JP4099982B2 - Brake device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は加圧装置を備えたブレーキ装置に関するものであり、特に、加圧装置やマスタ遮断弁が正常であるか否かの検出に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−59389号公報には、(a)ブレーキ操作部材の操作に基づいて液圧が発生させられるマスタシリンダと、(b)液圧によりブレーキを作動させるブレーキシリンダと、(c)これらブレーキシリンダとマスタシリンダとの間に設けられ、これらを連通させる状態と遮断する状態とをとり得るマスタ遮断弁と、(d)前記ブレーキシリンダの液圧をそれぞれ検出するブレーキ液圧検出装置と、(e)動力により液圧を加圧し、その加圧された作動液を前記マスタ遮断弁より前記ブレーキシリンダ側に供給可能な加圧装置と、(f)前記ブレーキ操作部材の操作状態であって、かつ、前記マスタ遮断弁の連通状態におけるブレーキ液圧検出装置による検出ブレーキ液圧と、前記ブレーキ操作部材の非操作状態で、前記マスタ遮断弁の遮断状態であって、かつ、前記加圧装置の作動状態におけるブレーキ液圧検出装置による検出ブレーキ液圧とに基づいて前記加圧装置の異常を検出する異常検出装置とを含むブレーキ装置が記載されている。本ブレーキ装置においては、マスタ遮断弁よりブレーキシリンダ側の液圧に基づいて異常が検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、ブレーキ装置の異常をマスタ遮断弁よりマスタシリンダ側の液圧に基づいて検出可能とすることである。特に、ブレーキ操作部材が非操作状態にあって、かつ、マスタ遮断弁の遮断状態と連通状態との少なくとも一方の状態において加圧装置が加圧作動させられる場合に、マスタ遮断弁が遮断状態と連通状態との間で切り換わるように電流が制御された後の、予め定められた設定時間の間の、液圧検出装置による検出液圧の変化に基づいて、加圧装置とマスタ遮断弁との両方が正常であるか否かを検出可能とすることである。この課題は、ブレーキ装置を下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0004】
( 1 ) ブレーキ操作部材の操作に基づいて液圧が発生させられるマスタシリンダと、
液圧によりブレーキを作動させるブレーキシリンダと、
これらブレーキシリンダとマスタシリンダとを接続する液通路のマスタシリンダ側の部分とブレーキシリンダ側の部分との間に設けられ、少なくともこれらを連通させる状態と遮断する状態とに、ソレノイドへの供給電流の制御により切り換え可能なマスタ遮断弁と、
そのマスタ遮断弁より前記マスタシリンダ側に設けられ、そのマスタ遮断弁よりマスタシリンダ側の部分の液圧を検出する液圧検出装置と、
その液圧検出装置より前記マスタシリンダ側に設けられた絞りと、
動力により作動させられ、低圧側が前記マスタ遮断弁よりマスタシリンダ側に接続され、高圧側が前記マスタ遮断弁よりブレーキシリンダ側の作動液供給部に接続され、その作動液供給部に加圧した作動液を供給可能な加圧装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあって、かつ、前記マスタ遮断弁の遮断状態と連通状態との少なくとも一方の状態において前記加圧装置が加圧作動させられる場合に、前記マスタ遮断弁が遮断状態と連通状態との間で切り換わるように電流が制御された後の、予め定められた設定時間の間に、前記液圧検出装置による検出液圧が予め定められた設定値以上変化した場合に、前記加圧装置と前記マスタ遮断弁との両方が正常であると検出する検出装置であって、前記マスタ遮断弁が遮断状態に保たれるように前記供給電流が制御された状態で前記加圧装置が予め定められた設定時間の間加圧作動させられた後停止させられ、その後、前記マスタ遮断弁が遮断状態から連通状態へ切り換わるように前記供給電流が制御された後の、予め定められた設定時間の間に、前記液圧検出装置による検出液圧が前記設定値以上増加した場合に、前記両方が正常であるとする検出部を有するものと
を含むことを特徴とするブレーキ装置(請求項1)。
本項に記載のブレーキ装置においては、マスタ遮断弁の遮断状態と連通状態との間の切り換えに伴う液圧検出装置による検出液圧の変化状態に基づいて加圧装置とマスタ遮断弁との両方が正常であるか否かが検出される。マスタ遮断弁が遮断状態と連通状態との間で切り換わるように供給電流が制御された後の設定時間の間に検出液圧が設定値以上変化しない場合には、加圧装置とマスタ遮断弁との両方が正常ではないとされるのである。
具体的には、マスタ遮断弁の遮断状態において加圧装置を予め定められた設定時間の間作動させ、その後、連通状態に切り換える。液圧検出装置による検出液圧は設定値以上増加するはずであるが、液圧検出装置による検出液圧の増加勾配が設定勾配以下の場合、検出液圧の増加量が設定値以下の場合、検出液圧が設定液圧以下の場合等には、加圧装置とマスタ遮断弁との両方が正常ではないとすることができる。
加圧装置とマスタ遮断弁との両方が正常ではない場合(例えば、加圧装置の加圧機能の低下異常、マスタ遮断弁の遮断機能の低下異常等が生じた場合)には、加圧装置により、ブレーキシリンダの液圧をマスタシリンダの液圧より高くすることができなくなり、例えば、ブレーキ操作部材が非操作状態にある場合に、ブレーキシリンダに液圧を発生させることができなくなる。したがって、本項に記載のブレーキ装置において両方が正常ではないと検出された場合には、ブレーキ液圧制御不能な状態、ブレーキ液圧加圧不能な状態であると考えることができる。なお、液圧検出装置によれば、マスタシリンダの液圧を検出することができるため、マスタ圧検出装置と称することができる。
マスタ遮断弁の連通状態において、液圧検出装置側からマスタシリンダ側への作動液の流れが絞りにより抑制される。そのため、マスタ遮断弁の加圧装置側からマスタシリンダ側に流出した作動液による液圧上昇が十分な大きさとなり、液圧検出装置による検出液圧に基づく加圧装置とマスタ遮断弁との両方が正常であるか否かの検出の信頼性が高くなる。
絞りは、オリフィス,ノズル等固定絞りとすることができるが、可変絞りとすることもできる。例えば、供給電流に応じた開度で作動液の流れを抑制する流量制御弁とすることができる。絞りを流量制御弁とした場合には、後述する逆止弁が不要になる。作動液の流れを抑制する必要がある場合に開度を小さくし、流れを抑制する必要がない場合に開度を最大にすればよい。
絞りは、液圧検出装置よりマスタシリンダ側に設ければよく、マスタ遮断弁とマスタシリンダとの間であっても、マスタシリンダとマスタリザーバとの間であってもよい。
マスタシリンダは、運転者によるブレーキ操作部材の操作によって加圧ピストンが前進させられて、液圧が発生させられるものであっても、運転者による操作とは関係なく、運転者によるブレーキ操作部材の操作状態が操作状態検出装置によって検出されて、その検出された操作状態に対応した大きさの液圧が発生させられるものであってもよい。いずれにしても、ブレーキ操作部材が操作されていない状態においては、マスタシリンダに液圧が発生させられることはないのであり、マスタ遮断弁の加圧装置側よりマスタシリンダ側の方が液圧が低くなる。マスタシリンダは低圧源として機能する。
マスタ遮断弁は、マスタシリンダとブレーキシリンダとの間の液通路のマスタシリンダ側の部分とブレーキシリンダ側の部分との間に設けられたものであり、少なくとも連通状態と遮断状態とをとり得るものであればよく、連通状態において、前後の差圧を供給電流に応じた大きさに連続的に制御可能なリニア液圧制御弁としたり、供給電流のON・OFFにより連通状態と遮断状態とに切り換え可能な電磁開閉弁としたりすることができる。( 2 ) 前記両方が正常であるか否かを検出する検出装置が、さらに、前記マスタ遮断弁が連通状態に保たれるように前記供給電流が制御された状態で、前記加圧装置を加圧作動させた場合の前記液圧検出装置による検出液圧が予め定められた設定値以上になった場合に前記加圧装置が正常であるとする第1の手段と、その第1の手段により前記加圧装置が正常であるとされた場合に、前記加圧装置の加圧作動状態において、前記マスタ遮断弁を連通状態から遮断状態に切り換わるように前記供給電流を制御した後の予め定められた設定時間の間に、前記液圧検出装置による検出液圧が前記設定値以上低下した場合に、前記マス タ遮断弁が正常であるとする第2の手段とを含む(1) 項に記載のブレーキ装置(請求項2)。
( 3 )前記マスタシリンダと前記加圧装置の高圧側との間に、前記マスタ遮断弁と前記液圧検出装置とをバイパスして設けられ、前記加圧装置側の圧力が前記マスタシリンダ側の圧力よりリリーフ圧分大きくなった場合に遮断状態から連通状態に切り換わるリリーフ弁を設け、前記第2の手段が、前記加圧装置の加圧作動状態において、前記マスタ遮断弁が前後の差圧が前記リリーフ圧以上になっても遮断状態に保たれるように前記供給電流を制御する手段を含む(2) 項に記載のブレーキ装置(請求項3)。
( 4 )前記絞りと並列に、前記マスタシリンダから前記液圧検出装置に向かう向きの作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁が設けられた(1) 項ないし (3) 項のいずれか1つに記載のブレーキ装置(請求項4)。
本項に記載のブレーキ装置においては、絞りと並列に逆止弁が設けられる。逆止弁は、マスタシリンダから液圧検出装置に向かう方向、すなわち、マスタシリンダからブレーキシリンダに向かう方向の流れを許容するものである。
絞りおよび逆止弁がマスタシリンダとマスタ遮断弁との間に設けられれば、マスタシリンダからブレーキシリンダに向かう方向の作動液の流れが抑制されることがないため、ブレーキ操作部材が操作状態にされた場合にブレーキの効き遅れが生じることを回避することができる。
また、絞りおよび逆止弁がマスタシリンダとマスタリザーバとの間に設けられている場合には、マスタリザーバからマスタシリンダに向かう方向の流れが許容される。加圧ピストンの前進速度が大きくても、マスタシリンダの加圧室が負圧になることが回避される。
( 5 ) ブレーキ操作部材の操作に基づいて液圧が発生させられるマスタシリンダと、
液圧によりブレーキを作動させるブレーキシリンダと、
これらブレーキシリンダとマスタシリンダとを接続する液通路のマスタシリンダ側の部分とブレーキシリンダ側の部分との間に設けられ、少なくともこれらを連通させる状態と遮断する状態とに、ソレノイドへの供給電流の制御により切り換え可能なマスタ遮断弁と、
そのマスタ遮断弁より前記マスタシリンダ側に設けられ、そのマスタ遮断弁よりマスタシリンダ側の部分の液圧を検出する液圧検出装置と、
その液圧検出装置より前記マスタシリンダ側に設けられ、供給電流の制御により開状態と閉状態とに切り換え可能な電磁開閉弁と、
動力により作動させられ、低圧側が前記マスタ遮断弁よりマスタシリンダ側に接続され、高圧側が前記マスタ遮断弁よりブレーキシリンダ側の作動液供給部に接続され、その作動液供給部に加圧した作動液を供給可能な加圧装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあって、かつ、前記マスタ遮断弁の遮断状態と連通状態との少なくとも一方の状態において前記加圧装置が加圧作動させられる場合に、前記マスタ遮断弁が遮断状態と連通状態との間で切り換わるように電流が制御された後の、予め定められた設定時間の間に、前記液圧検出装置による検出液圧が予め定められた設定値以上変化した場合に、前記加圧装置と前記マスタ遮断弁との両方が正常であると検出する検出装置であって、前記マスタ遮断弁が遮断状態に保たれるように前記供給電流が制御された状態で前記加圧装置が予め定められた設定時間の間加圧作動させられた後停止させられ、その後、前記電磁開閉弁の閉状態において、前記マスタ遮断弁が遮断状態から連通状態へ切り換わるように前記供給電流が制御された後の、予め定められた設定時間の間に、前記液圧検出装置による検出液圧が前記設定値以上増加した場合に、前記両方が正常であるとする検出部を有するものと
を含むことを特徴とするブレーキ装置(請求項5)。
電磁開閉弁は、例えば、加圧装置とマスタ遮断弁との両方が正常であるか否かの検出時に閉状態とされ、ブレーキ作動時に開状態とされるようにすることができる。両方が正常であるか否かの検出時には、液圧検出装置側からマスタシリンダ側へ向かう方向の作動液の流れが阻止されるため、液圧検出装置による検出液圧に基づく加圧装置とマスタ遮断弁 との両方が正常であるか否かの検出の信頼性が高くなる。ブレーキ作動時には、マスタシリンダ側からブレーキシリンダ側に向かう方向と、ブレーキシリンダ側からマスタシリンダ側に向かう方向との双方向の作動液の流れが許容されるため、ブレーキの作動開始時、作動解除時に遅れが生じることを回避することができる。特に、ブレーキ作動解除時に、ブレーキシリンダ側の作動液をマスタシリンダ側に速やかに戻すことができる。
電磁開閉弁は、前述のように、マスタ遮断弁とマスタシリンダとの間に設けても、マスタシリンダとマスタリザーバとの間に設けてもよい。
なお、本項に記載の電磁開閉弁がマスタシリンダより下流側に設けられた場合には、前述のマスタ遮断弁を第1マスタ遮断弁と称し、本項に記載の電磁開閉弁を第2マスタ遮断弁と称することができる。この場合には、第1マスタ遮断弁と第2マスタ遮断弁とが、第1マスタ遮断弁が第2マスタ遮断弁より下流側に位置する状態で直列に設けられる。
( 6 ) 前記両方が正常であるか否かを検出する検出装置が、前記マスタ遮断弁が遮断状態にあり、かつ、前記加圧装置が作動させられる状態において、前記液圧検出装置による検出液圧が設定圧以上である場合には、前記マスタ遮断弁の遮断機能の低下異常であるとする手段を含む(1) 項ないし (5) 項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
( 7 )前記マスタ遮断弁よりブレーキシリンダ側に設けられ、(a)作動液を加圧状態で収容可能な収容器と、(b)前記加圧装置と前記収容器との間の作動液の流通を許容する状態と流通を阻止する状態とに切り換え可能な切換弁とを含む作動液収容装置を含み、前記両方が正常であるか否かを検出する検出装置が、前記切換弁の流通許容状態において、前記マスタ遮断弁が遮断状態から連通状態に切り換わるように前記供給電流が制御された後の、前記液圧検出装置による検出液圧の増加状態に基づいて前記両方が正常であるか否かを検出する (1) 項ないし (6) 項のいずれか1つに記載のブレーキ装置(請求項6)。
マスタ遮断弁の遮断状態において加圧装置が作動させられる場合に、加圧装置から出力された作動液が収容器に供給されるようにすれば、マスタ遮断弁を遮断状態から連通状態に切り換えた場合に、マスタ遮断弁より加圧装置側の液通路の作動液と収容器の作動液との両方がマスタシリンダ側に流出させられる。そのため、マスタシリンダ側に多量の作動液を流すことができ、収容器が設けられていない場合に比較して、液圧検出装置による検出液圧の変化を大きくすることができる。
収容器を、両方が正常であるか否かの検出に利用されるものとすれば、作動液を収容する容積を大きくする必要はない。
作動液収容装置は、ブレーキ遮断弁とマスタ遮断弁との間に設けることが望ましい。作動液供給部を含む閉回路内に設けるのが望ましいのであり、閉回路内に蓄えられる作動液量を多くすることができる。
ブレーキ遮断弁の開状態においては、ブレーキシリンダを収容器とすることができるのであり、収容器としてのブレーキシリンダと切換弁としてのブレーキ遮断弁とによって作動液収容装置が構成されると考えることができる。
( 8 )前記切換弁を、前記両方が正常であるか否かの検出時に流通許容状態とし、ブレーキ作動時に流通阻止状態とする切換弁制御装置を設けた(7)項に記載のブレーキ装置。
ブレーキ作動時に収容器への流入が阻止されるようにすれば、作動液が無駄に消費されることを回避し、ブレーキを速やかに作動させることができる。
( 9 ) 前記加圧装置の前記作動液供給部と前記ブレーキシリンダとの間に設けられ、これらを連通させる状態と遮断する状態とをとり得るブレーキ遮断弁を含み、前記両方が正常であるか否かを検出する検出装置が、前記ブレーキ遮断弁の遮断状態において、前記両方が正常であるか否かを検出する手段を含む(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置(請求項7)。
ブレーキ遮断弁が遮断状態にされれば、加圧装置からブレーキシリンダへの作動液の流入を阻止することができ、正常であるか否かの検出時にブレーキが作動させられることを阻止することができる。換言すれば、本項に記載のブレーキ装置においては、ブレーキを作動させる必要がない場合であっても、正常であるか否かを検出することができるのであり、ブレーキ遮断弁の遮断状態において加圧装置を作動させれば、ブレーキシリンダに作動液が供給されることを回避することができる。
例えば、マスタ遮断弁とブレーキ遮断弁との両方が閉状態とされれば、作動液供給部を含む閉回路が形成される。したがって、マスタ遮断弁のブレーキシリンダ側の液圧を加圧装置によって高くする場合には、ブレーキ遮断弁が開状態にある場合に比較して、閉回路が形成された場合の方が、液圧を同じ高さまで増加させる場合に、加圧装置の作動時間を短くすることができる。正常であるか否かの検出に要する時間を短くすることができ、消費エネルギの低減を図ることができる。
ブレーキ遮断弁は、正常であるか否かの検出専用に設けられたものとすることもできるが、ブレーキシリンダの液圧を制御可能な液圧制御弁としての機能を備えたものとすることができる。換言すれば、ブレーキシリンダの液圧を別個に制御可能な個別液圧制御装置の一構成要素である制御弁を正常であるか否かの検出の際に利用することができるのである。
( 10 )前記マスタ遮断弁が正常である場合に、前記加圧装置の作動状態における、前記マスタ遮断弁への供給電流の変化状態と前記液圧検出装置による検出液圧の増加状態との関係である前記加圧装置の加圧特性を取得する加圧特性取得装置を含む(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置(請求項8)。
加圧装置の作動状態において、マスタ遮断弁が遮断状態から連通状態に切り換えられると、液圧検出装置による検出液圧は加圧装置の加圧特性に応じて増加する。この液圧検出装置による検出液圧の増加状態に基づけば加圧装置の加圧特性を取得することができる。このように、正常であるか否かの検出時に加圧特性を取得することができるのである。
加圧装置の加圧特性が、正常であるか否かの検出とともに取得されるようにすれば、加圧特性取得のために加圧装置を作動させたり、マスタ遮断弁を開閉させたりする必要がなくなり、消費エネルギの低減を図ることができる。
( 11 )前記マスタ遮断弁が、前後の差圧を供給電流に応じた大きさに制御可能な液圧制御弁であり、
前記液圧制御弁への供給電流の変化状態と、前記液圧検出装置による検出液圧の増加状態とに基づいて前記液圧制御弁の制御特性を取得する制御特性取得装置を含む(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
マスタ遮断弁が遮断状態から連通状態に切り換えられる場合の供給電流の変化状態と、液圧検出装置による検出液圧の変化状態とに基づけば、液圧制御弁の制御特性を取得することができる。それ以降、これらに基づいてブレーキシリンダの液圧を制御することができる。
なお、マスタ遮断弁は加圧装置の一構成要素と考えることもできる。この場合には、加圧装置に、液圧発生装置と液圧制御弁としてのマスタ遮断弁とが含まれると考えることができる。
( 12 )前記加圧装置とマスタ遮断弁との少なくとも一方を制御することによって、前記ブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御装置を含む(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
加圧装置とマスタ遮断弁との少なくとも一方を制御すれば、ブレーキシリンダの液圧を制御することができる。
加圧装置が、ポンプとそのポンプを駆動するポンプモータとを含むポンプ装置を含む場合には、ポンプモータの制御によりポンプから吐出される作動液の液圧を制御することができ、ポンプの吐出側に連通させられるブレーキシリンダの液圧を制御することができる。ポンプは、マスタシリンダやマスタリザーバの作動液を汲み上げて加圧するものであっても、ブレーキシリンダの液圧の減圧制御時にブレーキシリンダから流出させられた作動液を蓄える減圧用リザーバの作動液を汲み上げて加圧するものであってもよい。スリップ制御用の還流式ポンプを利用することができるのである。
ポンプから吐出される作動液の液圧が制御されない場合には、マスタ遮断弁の制御により、マスタ遮断弁よりブレーキシリンダ側の液圧を制御することができる。マスタ遮断弁は、前述のように、供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であっても、前後の差圧を供給電流に応じた大きさに制御可能な液圧制御弁であってもよい。いずれにしても、加圧装置から出力される作動液の液圧を利用してブレーキシリンダ液圧を制御する場合は、マスタシリンダに液圧が発生させられていない状態、あるいは、マスタシリンダの液圧より高い状態であるため、マスタ遮断弁は減圧制御弁として機能することになる。
加圧装置は、ポンプ装置を含むものとすることは不可欠ではなく、液圧制御シリンダを含むものとすることができる。制御ピストンの前方の加圧室の液圧がブレーキシリンダに供給されるようにするのであり、動力の制御によって制御ピストンに加えられる駆動力が制御され、それによって、加圧室の液圧を制御することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるブレーキ装置としての液圧ブレーキ装置について説明する。
図1において、10がマスタシリンダであり、12がブレーキ操作部材としてのブレーキペダルであり、14がブースタである。マスタシリンダ10は2つの加圧ピストンを含むタンデム式のものであり、加圧ピストンのそれぞれの前方の加圧室には、液通路16,18によってそれぞれ前輪側、後輪側のブレーキシリンダ20,22が接続されている。ブレーキペダル12が踏み込まれると、ブースタ14が作動させられ、加圧ピストンが前進させられる。加圧室には、ブレーキ操作力がブースタ14によって倍力された大きさの液圧が発生させられる。ブレーキシリンダ20,22の液圧によりブレーキ23,24が作動させられ、前輪26,後輪27の回転が抑制される。
本実施形態において、液圧ブレーキ装置は前輪側のブレーキ系統と後輪側のブレーキ系統との2系統式とされている。前輪側のブレーキ系統と後輪側のブレーキ系統とでは構造は同じであるため、以下、前輪側のブレーキ系統について説明し、後輪側のブレーキ系統についての説明は省略する。
【0006】
液通路16は主液通路30と分岐通路32とを含むものであり、主液通路30にはマスタ遮断弁34が設けられ、分岐通路32には、それぞれ保持弁36が設けられる。保持弁36と並列にブレーキシリンダ側からマスタシリンダ側への作動液の流れを許容し逆向きの流れを阻止する逆止弁37が設けられている。逆止弁37によりブレーキ23の作動解除時に、ブレーキシリンダ20の作動液をマスタシリンダ10に早急に戻すことができる。また、ブレーキシリンダ20と減圧用リザーバ38とが減圧通路39によって接続され、減圧通路39に減圧弁40が設けられる。保持弁36および減圧弁40等によって個別液圧制御弁装置42が構成される。
保持弁36,減圧弁40は、コイルへの供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であり、保持弁36は、電流が供給されない場合に開状態にある常開弁であり、減圧弁40は、電流が供給されない場合に閉状態にある常閉弁である。
【0007】
マスタ遮断弁34は、図2に示すように、弁子50と弁座52とを含むシーティング弁54と、コイル56を含むソレノイドとを含む。コイル56に電流が供給されない間は、弁子50が弁座52からスプリング58の付勢力によって離間させられる開状態にある。コイル56に電流が供給されると、弁子50を弁座52に着座させる方向の電磁駆動力F1が作用する。また、シーティング弁54には、弁子50を弁座52から離間させる方向に前後の差圧に応じた差圧作用力F2、スプリング58の付勢力F3が作用し、これら電磁駆動力F1,差圧作用力F2,スプリングの付勢力F3の関係(F1:F2+F3)によって弁子50の弁座52に対する相対位置が決まる。この場合において、前後の差圧はマスタ遮断弁34のブレーキシリンダ側の液圧とマスタシリンダ側の液圧との差に対応するが、個別液圧制御弁装置42が図示する原位置にある状態においては、ブレーキシリンダ20の液圧とマスタシリンダ10の液圧との差に対応すると考えることができる。スプリング58の付勢力F3はほぼ一定であると考えることができるため、コイル56への供給電流の制御により、前後の差圧が制御されるのであり、マスタシリンダ10の液圧に対するブレーキシリンダ20の液圧の増分を制御することができる。
コイル56への供給電流に応じて発生させられる電磁駆動力F1が、差圧作用力F2,スプリングの付勢力F3に対して大きい場合には、シーティング弁54は閉状態にある。この状態において、ブレーキシリンダ20がマスタシリンダ10から遮断されるため、この電磁液圧制御弁をマスタ遮断弁と称することができる。
【0008】
マスタ遮断弁34と並列にマスタシリンダ側からブレーキシリンダ側への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁59が設けられ、マスタ遮断弁34が閉状態にあっても、マスタシリンダ10の液圧がブレーキシリンダ20の液圧より高くなると、マスタシリンダ10からブレーキシリンダ20への作動液の流れが許容される。
【0009】
主液通路30のマスタ遮断弁34よりマスタシリンダ側には、流通制限装置60とマスタ圧センサ62とが直列に設けられる。流通制限装置60は、互いに並列に設けられたオリフィス64および逆止弁66を含む。逆止弁66は、マスタシリンダ側からブレーキシリンダ側への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止するものである。マスタ圧センサ62は流通制限装置60のマスタ遮断弁側に設けられる。マスタ圧センサ62は、マスタシリンダ10の加圧室の液圧を検出することができるため、マスタ圧センサと称することができる。また、オリフィス64により、マスタ遮断弁36を閉状態から開状態に切り換えた場合にブレーキシリンダ側からマスタシリンダ側に向かって流れる作動液による液圧上昇を十分な大きさにすることができ、マスタ圧センサ62による検出液圧の変化量を大きくすることができる。
【0010】
主液通路30のマスタ遮断弁34のブレーキシリンダ側には作動液収容装置70が設けられている。作動液収容装置70は、作動液を加圧状態で蓄える収容器72と、供給電流のON・OFFにより開閉させられる切換弁74とを含む。切換弁74は電流が供給されない間閉状態にある常閉弁であり、閉状態においては、収容器72への作動液の流入が阻止される。切換弁74は、イニシャルチェック時に開状態にされ、ブレーキ作動時に閉状態に切り換えられる。収容器72には、イニシャルチェック時に作動液が供給されるだけであるため、収容器72の容積を大きくする必要はない。収容器72は、アキュムレータ、ダンパ等を利用することができる。
【0011】
減圧用リザーバ38からは、ポンプ通路80が伸び出させられ、主液通路30の作動液収容装置70のブレーキシリンダ側の接続部81に接続される。ポンプ通路80の途中には、ポンプ82,逆止弁84,85,86およびダンパ88が設けられる。ポンプ82はポンプモータ90によって駆動される。
ポンプ通路80の2つの逆止弁84,85の間にはマスタシリンダ10から伸び出させられた作動液供給通路92が接続されている。本実施形態においては、作動液供給通路92が、主液通路30の流通制限装置60よりマスタシリンダ側の接続部130から伸び出させられている。作動液供給通路92には流入制御弁94が設けられる。流入制御弁94は、供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であり、電流が供給されない場合に閉状態にある常閉弁である。ポンプ82の作動状態において流入制御弁94が開状態にされると、マスタシリンダ10の作動液がポンプ82によって汲み上げられる。減圧用リザーバ38から汲み上げられる場合より、ポンプ82の吐出圧が同じ場合のポンプモータ90の消費電力を低減させることができる。これらポンプ82,ポンプモータ90等によって加圧装置96が構成される。ポンプ82は、2つのブレーキ系統の各々に設けられるが、本実施形態においては、ポンプモータ90が2つの加圧装置96において共通とされる。
【0012】
本ブレーキ装置はブレーキECU100によって制御される。ブレーキECUは、図3に示すように、制御部102と複数の駆動回路とを含む。制御部102はコンピュータを主体とするものであって、CPU104,ROM106,RAM108,入出力部110等を含む。入出力部110には、ブレーキスイッチ112,踏力センサ114,マスタ圧センサ62,制御圧センサ118,車輪速センサ120,イグニッションスイッチ122等が接続される。制御圧センサ118は、主液通路30のマスタ遮断弁34よりブレーキシリンダ側に設けられ、個別液圧制御弁装置42が原位置にある状態では、マスタ遮断弁34により制御されたブレーキシリンダの液圧を検出する。また、駆動回路126を介して保持弁36,減圧弁40,マスタ遮断弁34,切換弁74,流入制御弁94のコイルが接続されるとともに、ポンプモータ90が接続される。
ROM106には、ブレーキ液圧制御プログラム、イニシャルチェックプログラム等が格納されている。
【0013】
ブレーキペダル12が踏み込まれると、ブースタ14が作動させられ、マスタシリンダ10に液圧が発生させられる。マスタシリンダ10の作動液はマスタ遮断弁34,保持弁36を経てブレーキシリンダ20,22に供給されて、ブレーキ23,24が作動させられる。主液通路30にはオリフィス64と並列に逆止弁66が設けられるため、マスタシリンダ10の作動液を速やかにブレーキシリンダ20,22に供給することができる。
【0014】
マスタ圧センサ62による検出液圧が予め定められた設定値に達すると、マスタ遮断弁34のコイル56に電流が供給され、加圧装置96が作動させられる。流入制御弁94が開状態にされて、ポンプ82によってマスタシリンダ10の作動液が汲み上げられて主液通路30に供給される。個別液圧制御弁装置42が図示する原位置にある場合には、ポンプ82によって吐出される作動液はブレーキシリンダ20,22に供給されるのであり、ブレーキシリンダ20,22の液圧はマスタシリンダ10の液圧より高くされる。ブレーキシリンダ20、22の液圧はマスタ遮断弁34の制御により制御される。マスタシリンダ10の加圧室の液圧はブレーキシリンダ20,22の液圧より低いため、マスタシリンダ10は低圧源として機能するのであり、マスタ遮断弁34は減圧制御弁として機能する。ポンプ82から吐出される作動液が減圧されて、ブレーキシリンダ20,22に供給される。
【0015】
設定値は、ブースタ14の助勢限界に対応するマスタ圧とされ、ブレーキシリンダ20,22の液圧は、ブースタ14の助勢限界後に、助勢限界前における場合と同じ倍力率でブレーキ操作力が倍力された場合に対応する高さになるように制御される。
なお、設定値は、ブースタの助勢限界に対応する高さにすることは不可欠ではなく、助勢限界とは関係ない値とすることもできる。
【0016】
車輪26,27の少なくとも1輪の制動スリップが過大になるとアンチロック制御が開始される。個別液圧制御弁装置42の制御により、各ブレーキシリンダ20,22の液圧が、各車輪26,27のスリップ状態が適正状態に保たれるように制御される。この場合には、加圧装置96が作動状態にある場合と非作動状態にある場合とがある。
それに対して、ブレーキペダル12の非操作状態であって、駆動スリップが過大になるとトラクション制御が行われる。マスタ遮断弁34への供給電流が予め定められた設定量とされて、ポンプ82の作動により主液通路30に加圧された作動液が供給される。駆動輪としての前輪26のブレーキシリンダ20の液圧が、加圧装置96の作動状態において、個別液圧制御弁装置42の制御により、駆動スリップ状態が適正状態に保たれるように制御される。マスタ遮断弁34への供給電流は最大とすることができるが、ブレーキ液圧がトラクション制御において必要な最大な大きさとなるように電流が供給されるようにすればよい。
【0017】
加圧装置96とマスタ遮断弁34との両方が正常ではない場合(例えば、加圧装置96の加圧機能が正常でなかったり、マスタ遮断弁34に開故障が生じた場合等)、すなわち、ブレーキシリンダの液圧をマスタシリンダの液圧より高くすることができない場合には、ブレーキ液圧制御が行われることはない。マスタ遮断弁34は、電流が供給されないことにより開状態に保たれ、個別液圧制御弁装置42は図示する原位置に保たれる。ブレーキ23,24はマスタシリンダ10の液圧によって作動させられる。
【0018】
ブレーキ液圧の制御は、図4のフローチャートに従って実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、ブレーキスイッチ112がON状態にあるか否かが判定される。ON状態にある場合には、S2において、イニシャルチェックの結果が異常であるか否かが検出される。正常である場合には、S3以降においてブレーキ液圧が制御される。S3においてマスタ圧が設定値以上であるか否かが判定され、設定値以下である場合には、前述のように、S4において、加圧装置96は非作動状態に保たれ、各制御弁は図示する原位置に保たれる。
それに対して、マスタ圧が設定値以上になれば、S5〜7において、流入制御弁94が開状態にされ、ポンプモータ90が作動させられ、マスタ遮断弁34が制御される。制御圧センサ118による検出液圧が、踏力センサ114によって検出されたブレーキ操作力がブースタ14の助勢限界以前と同じ倍力率で増加された場合に対応する高さとなるように、マスタ遮断弁34のコイル56に電流が供給される。なお、ブレーキ液圧制御時においては、切換弁74は閉状態のままである。
【0019】
加圧装置96とマスタ遮断弁34との両方が正常であるか否かの検出はイニシャルチェックにおいて検出される。イニシャルチェックは、イグニッションスイッチ122がOFFからONに切り換わった後の、最初にブレーキスイッチ112がOFFにされた場合に実行される。ブレーキペダル12の非操作状態において行われるのであり、マスタシリンダ10に液圧が発生していない状態において行われる。換言すれば、ブレーキスイッチ112のOFF状態にあることがイニシャルチェックが行われる条件なのである。なお、ブレーキスイッチ112がOFFにあり、かつ、車両が停止状態にあること、シフト位置がパーキング位置にあること等が満たされた場合にイニシャルチェック条件が満たされたとすることもできる。
また、イニシャルチェックにおいては保持弁36が閉状態に保たれる。加圧装置96を作動させても、ブレーキシリンダ20,22に高圧の作動液が供給されることがないため、イニシャルチェック時にブレーキが作動させられることを回避することができる。
【0020】
イニシャルチェックにおいては、マスタ遮断弁34の閉状態において、加圧装置96を予め定められた設定時間の間作動させ、その後停止させて、マスタ遮断弁34を開状態に切り換える。そして、マスタ遮断弁34を開状態に切り換えてから設定時間が経過するまでの間に、マスタ圧センサ62による検出液圧の増加量が設定量以上であれば、加圧装置96が正常で、かつ、マスタ遮断弁34が正常であるとされる。マスタ遮断弁34、保持弁36の両方が閉状態にされることによって形成される閉回路128(液通路30,32,80の一部および接続部81、作動液収容装置70等を含む)の作動液が低圧側、すなわち、マスタシリンダ側に急激に流出させられるのであり、図7の実線に示すように、マスタ圧センサ62による検出液圧は急激に増加する。
【0021】
それに対して、マスタ圧センサ62による検出液圧の増加量が設定量以下である場合(図7の破線あるいは一点鎖線で示す場合)には、加圧装置96とマスタ遮断弁34の両方が正常ではないとされる(例えば、加圧装置96の加圧機能の低下異常あるいはマスタ遮断弁34の遮断機能の低下異常(開故障)であると考えられる)。閉回路128の液圧が十分に高くなっていなかったのであり、加圧装置96による加圧機能が十分でなかった場合や閉回路128が形成されていなかった場合等が考えられる。
設定量は、例えば、加圧装置96による加圧時間、すなわち、閉回路における加圧量等に基づいて決定することができる。閉回路128における加圧量等に基づけば、マスタ遮断弁34を開状態に切り換えた後のマスタ圧センサ62の液圧を推定することができ、その推定される液圧に基づいて設定量が決定されるのである。
【0022】
閉回路128が形成されると、ポンプ82の吐出圧が過大になるおそれがある。しかし、マスタ遮断弁34においては、ブレーキシリンダ側の液圧とマスタシリンダ側の液圧との差に応じた差圧作用力F2が電磁駆動力F1からスプリング58の付勢力F3を引いた大きさより大きくなる(F2>F1−F3)と、シーティング弁54が開状態に切り換えられて、マスタ遮断弁34を経てブレーキシリンダ側からマスタシリンダ側に作動液が流出させられる。したがって、ポンプ82の吐出圧が過大になることが回避される。
また、上述のように、マスタ遮断弁34を経てブレーキシリンダ側からマスタシリンダ側に作動液が流出させられるため、主液通路30のマスタ遮断弁34よりマスタシリンダ側の液圧、すなわち、マスタ圧センサ62によって検出される液圧は0ではなく、ポンプ82から吐出される作動液の流量、オリフィス64の絞り効果、マスタ遮断弁34の開弁圧等によって決まる大きさとなる。この場合の主液通路30のマスタシリンダ側の液圧は予めわかっているため、検出する必要は必ずしもないが、検出して記憶しておいてもよい。例えば、記憶されている正常時の検出液圧と各時点における検出液圧との比較により、ポンプ82とマスタ遮断弁34との両方が正常であるか否かを検出することができるのである。
【0023】
本実施形態においては、マスタ遮断弁34の閉状態から開状態への切り換えに伴うマスタ圧の増加状態に基づいて加圧装置96の加圧特性やマスタ遮断弁34の制御特性も取得される。マスタ遮断弁34のコイル56への供給電流の減少状態とマスタ圧センサ62による検出液圧の増加状態との関係に基づけば、マスタ遮断弁34の制御特性や加圧装置96の加圧特性を取得することができるのである。
マスタ遮断弁34を制御する際の制御ゲインを取得することができるのであり、次に助勢制御が実行される際のゲインとして使用することができる。
また、加圧装置96の加圧特性を取得できれば、イニシャルチェックにおいて、加圧装置96の加圧機能が正常であるか否かを検出する際の前述のマスタ圧センサ62による検出液圧の増加量の設定量を決定したり、マスタ遮断弁34の遮断状態における加圧装置96の作動時間を決定したりするのに考慮することができ、異常であるか正常であるかを精度よく検出することができる。
【0024】
イニシャルチェックは、図5のフローチャートに従って実行される。
S11において、イグニッションスイッチ122がOFF状態からON状態に切り換えられるのが待たれる。ON状態に切り換わった場合には、S12において初期設定が行われる。イニシャルチェックに必要なフラグ等が初期値に設定されるのである。S13においてブレーキスイッチ112が正常であるか否かが判定される。ブレーキスイッチ112において断線が生じていないか否かが判定されるのである。ブレーキスイッチ112が正常である場合には、S14において、ブレーキスイッチ112がOFF状態にあるか否かが検出される。イグニッションスイッチ122がON状態からOFF状態に切り換えられる場合には、ブレーキペダル10が踏み込まれている場合が多いのである。ブレーキスイッチ112がOFF状態に切り換えられると(イニシャルチェック条件が満たされると)、S15においてイニシャルチェックが行われる。そして、イニシャルチェック完了フラグがセット状態にあるか否かが検出され、セット状態にあると判定された場合にはイニシャルチェックルーチンが終了させられる。
【0025】
イニシャルチェックは、図6のフローチャートで表されるイニシャルチェックプログラムの実行に従って行われる。S21,22において、閉回路128が一時的に形成されて、加圧装置96が作動させられる。保持弁36およびマスタ遮断弁34が閉状態とされて、ポンプモータ90が作動させられる。また、流入制御弁94が開状態とされるため、ポンプ82によりマスタシリンダ10の作動液が汲み上げられて加圧されて、主液通路30のマスタ遮断弁34よりブレーキシリンダ側に供給される。さらに、切換弁74が開状態にされるため、ポンプ82から吐出された作動液が収容器72に供給される。
【0026】
ポンプモータ90は、設定時間の間だけ作動させられる。
S23〜26において、カウンタCが0にされて、カウントアップされるのであるが、カウンタCのカウント値が設定時間Ta(図7参照)に対応する数aになると、S26における判定がYESとなって、S27においてポンプモータ90の作動が停止させられ、マスタ遮断弁34が開状態に切り換えられる。流入制御弁94が閉状態に戻されるが、切換弁74は開状態のままである。
なお、加圧装置96の作動状態においては、常にブレーキスイッチ112がON状態に切り換わったか否かが検出され、ON状態に切り換わったことが検出された場合には、S24における判定がYESとなり、S40において、加圧装置96が非作動状態にされる。また、マスタ遮断弁34および保持弁36が開状態にされて、流入制御弁94,切換弁74が閉状態にされる。
【0027】
マスタ遮断弁34の遮断状態から連通状態への切り換えに伴うマスタ圧が検出され、増加量が設定量以上であるか否かが検出される。
S28において、カウンタC1が0にリセットされて、ΔPmaxが0にされる。その後、S29〜34において、設定時間Tb(図7参照)の間、マスタ圧が読み取られ、マスタ遮断弁34を遮断状態から連通状態に切り換えてからの増加量ΔPがRAM108に記憶される。原時点のマスタ圧からマスタ遮断弁34が連通状態に切り換えられた時点のマスタ圧を引いた値が記憶されるのである。また、設定時間Tb内の増加量の最大値ΔPmaxが求められる。今回の増加量ΔPnがそれまでの最大値ΔPmaxより大きい場合には、今回値ΔPnが最大値ΔPmaxとされ、今回値ΔPnが最大値ΔPmaxより小さい場合には、最大値ΔPmaxがそのままとされる。
【0028】
設定時間Tbが経過した場合には、S34の判定がYESとなり、S35において、設定時間Tb内における増加量の最大値ΔPmaxが設定値ΔPsより大きいか否かが判定される。最大値ΔPmaxが設定値ΔPsより大きい場合には、S35における判定がYESとなり、S36において加圧装置96およびマスタ遮断弁34が正常であるとされる。設定値ΔPs以下である場合にはS35における判定がNOとなり、S38において異常である(両方が正常ではない)とされる。加圧装置96の加圧機能の低下異常と、マスタ遮断弁34の遮断機能の低下異常(例えば、開故障)との少なくとも一方であると考えられる。
【0029】
本実施形態においては、作動液収容装置70が閉回路内に接続されるため、マスタ遮断弁34の遮断状態において加圧装置96から吐出された作動液が作動液収容装置70に蓄えられる。そのため、マスタ遮断弁34を開状態に切り換えた場合に、閉回路内の作動液と収容器72内の作動液との両方がマスタシリンダ側に流出させられることになるのであり、マスタシリンダ側に流出させられる作動液の流量を多くすることができる。作動液収容装置70が設けられない場合に比較して、マスタ圧センサ62による検出液圧の変化量を大きくすることができ、異常であるか正常であるかの検出精度を向上させることができる。
【0030】
また、S37において増加量ΔPnと、増加量ΔPnが検出された時点のマスタ遮断弁34への供給電流量との関係に基づいてマスタ遮断弁34の制御ゲインが取得される。制御ゲインは、加圧装置96,マスタ遮断弁34が正常な場合に取得される。取得された制御ゲインが、次の助勢制御から使用される。マスタ遮断弁34の経時変化等に起因して制御ゲインが変化するが、現時点の制御ゲインが取得され、それに基づいて供給電流が制御されるため、ブレーキシリンダ液圧の制御精度を向上させることができる。
【0031】
いずれにしても、S39において、イニシャルチェック完了フラグがセットされて、S40において、イニシャルチェック開始前の状態に戻される。
前述のように、ブレーキスイッチ112がON状態になった場合には、S14における判定がYESとなり、S40が実行されるのであり、イニシャルチェック完了フラグがセットされることはない。
【0032】
このように、本実施形態によれば、マスタ遮断弁34のマスタシリンダ側の液圧に基づいて加圧装置96とマスタ遮断弁34との両方が正常であるか否かが検出される。また、マスタ圧センサ62の検出液圧に基づいて両方が正常であるか否かが検出されるため、両方が正常であるか否かの検出のための専用のセンサを設ける必要がなく、両方が正常であるか否かの検出のためのコストアップを回避することができる。
本実施形態においては、ブレーキECU100のイニシャルチェックプログラムを記憶し、実行する部分等によって両方が正常であるか否かを検出する検出装置が構成される。
【0033】
なお、上記実施形態においては、マスタ遮断弁34が開状態に切り換えられてから設定時間の間、マスタ圧の増加量が検出されるようにされていたが、この間においても、ブレーキスイッチ112がON状態に切り換えられたか否かが検出されるようにすることもできる。しかし、設定時間Tbは設定時間Taより短いため、ブレーキスイッチ112がON状態にされたか否かを検出することは不可欠ではない。
また、マスタ遮断弁34の制御ゲインを取得することも不可欠ではない。加圧装置96やマスタ遮断弁34が正常であるか否かが判定されればよいのである。この場合には、図8のフローチャートに示すように、増加量ΔPnを記憶する必要はなく、マスタ遮断弁34が開状態に切り換えられた後設定時間Tbの間に増加量ΔPが設定値ΔPs以上になれば(S31´:YES)正常であるとされる(S36)。
【0034】
さらに、上記実施形態においては、作動液収容装置70が設けられていたが、作動液収容装置70を設けることは不可欠ではない。作動液収容装置70がなくても、マスタ遮断弁34を閉状態から開状態に切り換えた場合のマスタ圧の変化量に基づいて両方が正常であるか否かを検出することができる。作動液収容装置70が設けられない場合には、閉回路の加圧時間を設定時間Taより短くしてもよい。また、ブレーキシリンダを作動液収容装置70として利用することもできる。車両が停止状態にあり、かつ、パーキングブレーキの作動状態(シフトレバー位置がパーキング)にある場合に、イニシャルチェックが行われる場合には、ブレーキを作動させても差し支えないのである。
また、マスタ遮断弁34は供給電流に応じて前後の差圧を連続的に制御可能なリニア液圧制御弁であったが、供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁とすることができる。電磁開閉弁のデューティ制御により、ブレーキシリンダ液圧を制御することができる。
【0035】
さらに、ポンプモータ90を2つのブレーキ系統のポンプ82に対応して、それぞれ設ければ、前輪側のブレーキ系統と後輪側のブレーキ系統とで、異なる時期にそれぞれ加圧装置、マスタ遮断弁の両方が正常であるか否かを検出することができる。また、マスタ圧センサ62,流通制限装置60,作動液収容装置70等は、2つのブレーキ系統の各々に設ける必要はなく、いずれか一方のみに設けてもよい。
【0036】
さらに、流通制限装置60自体を設けることは不可欠ではない。また、上記実施形態においては、流通制限装置60が、互いに並列に設けられたオリフィス64と逆止弁66とを含むものであったが、オリフィス64だけでもよい(逆止弁66を設けることは不可欠ではない)。さらに、オリフィス64の代わりに供給電流に応じて開度を制御可能な流量制御弁とすることができる。流量制御弁とすれば、ブレーキ作動時に主液通路30の流路を広く(開度を大きく)し、イニシャルチェック時に流路を狭くする(開度を小さくする)ことができるのであり、逆止弁66を設ける必要がなくなる。さらに、流通制限装置60の代わりに電磁開閉弁とすることもできる。ブレーキ作動時に開状態とし、イニシャルチェック時に閉状態とする。
【0037】
その一例を図9に示す。本実施形態においては、主液通路30のマスタ圧センサ62の上流側の、接続部130よりマスタシリンダ側の部分に電磁開閉弁150が設けられる。電磁開閉弁150は電流が供給されない場合に開状態にある常開弁であり、イニシャルチェック時に電流が供給されることにより閉状態に切り換えられる。電磁開閉弁150が閉状態にされれば、マスタ遮断弁34の閉状態と開状態との切り換えに伴う液圧変化の状態を良好に検出することができる。また、電磁開閉弁150は、ブレーキ作動時には開状態にあるため、作動開始時には、マスタシリンダ10の液圧をブレーキシリンダ22に早急に供給することができ、ブレーキ作動解除時には、ブレーキシリンダ22の作動液をマスタシリンダ10に速やかに戻すことができる。
また、上記実施形態においては、前輪側、後輪側の両方のブレーキ系統にそれぞれマスタ圧センサ62および電磁開閉弁150が設けられていたが、本実施形態においては、前輪側のブレーキ系統に設けられないで後輪側のブレーキ系統に設けられる。さらに、上記実施形態においては設けられていた作動液収容装置70が設けられていない。
【0038】
イニシャルチェックは図10のフローチャートで表されるイニシャルチェックプログラムの実行に従って行われる。本実施形態においては、加圧装置96が設定時間の間作動させられた後、S27aにおいてモータ90が停止させられ、設定時間経過後に、S27bにおいてマスタ遮断弁34が開状態に切り換えられるとともに電磁開閉弁150が閉状態に切り換えられる。加圧装置96が非作動状態に切り換えられた後にマスタ遮断弁34が開状態に切り換えられるのであり、換言すれば、マスタ遮断弁34が開状態に切り換えられる際には加圧装置96は非作動状態にある。以下、上記実施形態における場合と同様に、マスタ圧センサ62によって液圧が検出される。イニシャルチェックが終了した場合または中止させられた場合には、S40において電磁開閉弁150が開状態に戻される。
また、S24においては、イニシャルチェック条件が満たされるかどうかが判定される。本実施形態においては、ブレーキスイッチ112がOFF状態にあり、かつ、車両が停止状態にあること、シフト位置がパーキング位置にあること等が満たされた場合にイニシャルチェック条件が満たされたとされる。
【0039】
さらに、本実施形態においては、保持弁36が開状態に保たれたままで、イニシャルチェックが行われる。加圧装置96の作動によってブレーキシリンダ22の液圧が増加させられるのであるが、車両は停止状態にあるため、ブレーキ24が作動させられても差し支えない。ブレーキシリンダ22が作動液収容装置70であると考えることができるのであり、マスタ遮断弁34が閉状態から開状態に切り換えられた後に、ブレーキシリンダ22の作動液がマスタシリンダ側に流出させられる。
また、本実施形態においては、電磁開閉弁150が、主液通路30の作動液供給通路92との接続部130よりマスタシリンダ側の部分に設けられているため、マスタ遮断弁34が閉状態から開状態に切り換えられた場合には、流入制御弁94が閉状態にされる。加圧装置96の作動液が流通制御弁94を経て液通路92に流出させられることを回避するためである。ポンプモータ90が非作動状態にあるため、作動液が多量に流出させられることはないが、流出が防止された方が両方が正常であるか否かの検出の上で望ましい。
【0040】
イニシャルチェック時の液圧の変化状態を図11に示す。加圧装置96の作動状態、かつ、マスタ遮断弁34の閉状態においては、制御圧センサ118による出力値が増加させられる。その後、加圧装置96の作動が停止させられ、設定時間経過後に、マスタ遮断弁34が開状態にされ、電磁開閉弁150を閉状態にされると、制御圧センサ118による検出値が低下し、マスタ圧センサ62による検出値が増加する。この定常状態において、マスタ圧センサ62の出力値P1と制御圧センサ118の出力値P2とは同じ大きさになる。
イニシャルチェックの終了後、電磁開閉弁150は開状態に切り換えられる。電磁開閉弁150が開状態にされれば、下流側の作動液がマスタシリンダ10に戻される。この場合に、電磁開閉弁150が閉状態から開状態にゆっくり切り換えられるようにすれば(軟着陸制御)、電磁開閉弁150より下流側の液圧の急激な低下を抑制することができる。
【0041】
なお、加圧装置96が作動状態にされる場合には、上記各実施形態における場合と同様に、保持弁36が閉状態とされてもよい。この場合には、閉回路128の液圧が加圧されることになる。また、マスタ遮断弁34の閉状態において、加圧装置94は設定時間の間作動させられるのではなく、制御圧センサ118の液圧が設定値に達するまで作動させられるようにすることもできる。さらに、電磁開閉弁150は流通制限装置の一態様であると考えることもできる。
【0042】
さらに、図12に示すように、流通制限装置60等に限らず、マスタ圧センサ62も、主液通路30の接続部130よりマスタシリンダ側の部分に設けてもよい。
また、流通制限装置60や電磁開閉弁150等は、図13に示すように、マスタシリンダ10とマスタリザーバ132とを接続するリザーバ通路170に設けてもよい。マスタシリンダ10において加圧ピストンが作動位置(前進位置)にある場合には、加圧室とリザーバ132とは遮断されるが、加圧ピストンが後退端位置にある状態においては、加圧室とリザーバ132とが連通させられ、加圧室の作動液がリザーバ通路170を経てリザーバ132に戻される。本実施形態においては、イニシャルチェックがブレーキペダル12の非操作状態において行われるため、加圧ピストンは後退端位置にあり、加圧室とリザーバ132とが連通状態にある。したがって、流通制限装置60や電磁開閉弁150等をリザーバ通路170に設ければ、マスタ遮断弁34が開状態に切り換えられた場合に、加圧装置側の作動液がマスタシリンダ10を経てリザーバ132に流出させられることを抑制することができる。
【0043】
図13に示すブレーキ装置においては、マスタ圧センサ62が主液通路30のマスタ遮断弁34とマスタシリンダ10との間に設けられる。流通制限装置等とマスタ圧センサ62とがマスタシリンダ10の両側に設けられるのであり、流通制限装置等、マスタシリンダ10,マスタ圧センサ62が直列に設けられる。さらに、図13に示すように、流通制限装置等とマスタ圧センサ62とは、2つのブレーキ系統のそれぞれに設けるのではなく、前輪側、後輪側のいずれか一方のブレーキ系統にのみ設けられるようにすることもできる。なお、マスタ圧センサ62は、接続部130よりマスタシリンダ側に設けてもマスタ遮断弁側に設けてもよい。
【0044】
流通制限装置は、図14に示すように、本出願人によって先に出願された特願2000−402218号の明細書に記載された流出制限装置200とすることができる。流出制限装置200は、弁子202と弁座204とを備えたシーティング弁206を含む。弁子202は段付き形状を成したものであり、その段部とハウジングとの間に、弁子202を弁座204から離間させる方向に付勢するスプリング208が配設されている。弁子202の大径部側の液圧室210にはリザーバ通路170のマスタシリンダ側の部分が接続され、段部によって形成される液圧室212には、リザーバ通路170のマスタシリンダ側の部分が液通路213を介して接続される。液通路213にはオリフィス214が設けられる。
【0045】
図示する状態においては、シーティング弁206は、弁子202が弁座204からスプリング208の付勢力によって離間させられた開状態にある。液圧室212とリザーバ通路170のリザーバ側の部分とが連通させられリザーバ通路170が連通状態にある。加圧ピストンが後退端にある状態において、マスタシリンダ10の作動液はオリフィス214、液圧室212を経てマスタリザーバ132に流出させられる。
【0046】
それに対して、マスタシリンダ10からリザーバ側に作動液が多量に流出させられると、液圧室210の液圧が液圧室212の液圧に対して高くなる。液圧室210の液圧によって弁子202に作用する力がスプリング208の付勢力より大きくなると、弁子202が弁座204に着座させられ、シーティング弁206が閉状態にされる。液圧室212には、オリフィス214を介してマスタシリンダ10の液圧が伝達されるため、マスタシリンダ10から流出させられる作動液の流量が大きい場合、例えば、イニシャルチェック時等加圧装置96の作動液がマスタ遮断弁34,マスタシリンダ10を経てリザーバ側に流出させられる場合には、加圧室210と加圧室212との間に液圧差が生じ、シーティング弁206が閉状態に切り換えられるのである。リザーバ通路170が遮断状態とされ、マスタシリンダ10からリザーバ132への作動液の流出が阻止される。
このように、流出制限装置200によれば、イニシャルチェック時にマスタシリンダ10からリザーバ132への作動液の流出を阻止することができるため、マスタ圧センサ62による検出液圧の変化量を大きくすることができる。
なお、流出制限装置200は、パイロット圧により開閉させられる(供給電流の制御によらないで開閉させられる)メカ式の開閉弁と称することもできる。
【0047】
ブレーキ装置は、図15に示す液圧ブレーキ装置とすることができる。本実施形態においては、2つ逆止弁84,85の間に、作動液供給通路92に加えてマスタリザーバ132から伸び出させられた作動液供給通路250も接続される。作動液供給通路250には流入制御弁252が設けられている。2つの流入制御弁94、252を制御することによって、ポンプ82によって、マスタシリンダ10の作動液とマスタリザーバ132の作動液とが選択的に汲み上げられるようにすることができる。
【0048】
マスタシリンダ10から伸び出させられた作動液供給通路92の方が流路面積が小さくされるのが普通であるため、多量の作動液を汲み上げて供給する必要がある場合には、マスタリザーバ132から汲み上げた方がよい。例えば、助勢制御時には、マスタシリンダ10から汲み上げられるようにして、トラクション制御時には、マスタリザーバ132から汲み上げられるようにする。その結果、トラクション制御時には、多量の作動液を汲み上げることができ、ブレーキの作動遅れを小さくすることができる。また、前述のように、ポンプ82の吐出圧を同じにする場合には、マスタシリンダ10の作動液を汲み上げた方がポンプモータ90の消費エネルギを低減することができるため、助勢制御時にはポンプモータ90における消費エネルギの低減を図ることができる。イニシャルチェックは、マスタシリンダ10に液圧が発生させられていない状態で行われるため、流入制御弁94,252のいずれを開状態にしてもよいが、流入制御弁252を開状態にした方が、多量に作動液を汲み上げることができる。
イニシャルチェックおよびブレーキ液圧制御等は上記実施形態における場合と同様に行われる。
【0049】
ブレーキ装置は図16に示す構造のものとすることができる。本液圧ブレーキ装置においては、ポンプ通路80のポンプ82の吐出側とマスタシリンダ10との間、本実施形態においては、ポンプ82の吐出側と作動液供給通路92の流入制御弁94よりマスタシリンダ側の部分との間にリリーフ弁280が設けられている。リリーフ弁280とマスタ遮断弁34、マスタ圧センサ62,流通制限装置60とが互いに並列に設けられるのである。
ポンプ82の吐出圧がリリーフ圧以上になると、リリーフ弁280を経て作動液がマスタシリンダ側に流出させられる。リリーフ弁280によれば、ポンプ82を長時間作動させても、ポンプ82の吐出圧が過大になることを回避することができ、モータロックを回避することができる。
なお、ポンプ82がギヤポンプである場合にはリリーフ弁280は不可欠ではない。吐出圧が過大になることがないからである。
【0050】
本実施形態においては、イニシャルチェック時に、マスタ遮断弁34が連通状態から遮断状態に切り換えられる。また、マスタ遮断弁34が連通状態にあっても遮断状態にあってもポンプ82は連続して作動させられる。
マスタ遮断弁34の連通状態においては、ポンプ82から吐出された作動液はマスタ遮断弁34を経てマスタシリンダ側に供給され、その液圧がマスタ圧センサ62によって検出される。マスタ圧センサ62による検出液圧が設定圧Ps1以上であれば、加圧装置96の加圧機能は正常であることがわかる。この状態においては、マスタ遮断弁34からマスタシリンダ10に向かう方向に作動液が流れているため、マスタ圧センサ62による検出液圧は、ポンプ82の吐出流量、オリフィス64の絞り効果等によって決まる高さになる。
【0051】
マスタ圧センサ62による検出液圧が設定圧Ps1以上になった場合に、マスタ遮断弁34が遮断状態に切り換えられるのであるが、本実施形態においては、マスタ遮断弁34のコイル56に、前後の差圧がリリーフ弁280のリリーフ圧より高くなるような電流が供給される。そのため、ポンプ82から吐出された作動液はリリーフ弁280を経てマスタシリンダ側に流出させられ、マスタ遮断弁34を経て流出させられることはない。
また、マスタ遮断弁34の遮断状態においてもポンプ82は作動状態にあるため、リリーフ弁280を経て流出させられた作動液はポンプ82によって汲み上げられる。リリーフ弁280を経て流出させられた作動液が逆止弁66を経てマスタ圧センサ側に供給されることはなく、マスタ圧センサ側の作動液はオリフィス64を経てマスタシリンダ側に流出させられる。
【0052】
マスタ圧センサ62による検出液圧は図18に示すように低下する。マスタ遮断弁34のコイル56への供給電流が開弁圧がリリーフ圧以上になる大きさまで増加した後に、検出液圧が急激に低下するのである。本実施形態においては、マスタ遮断弁34が遮断状態に切り換えられてから、厳密に言えば、コイル56への電流の供給指令が出力されてから設定時間Te経過する間に、マスタ圧センサ62による検出液圧が設定圧Ps2以下まで低下しない場合には、マスタ遮断弁34の遮断機能の低下異常(例えば開故障)が生じたと考えられる(加圧装置96とマスタ遮断弁34との両方が正常ではないとされるのである)。
【0053】
図17のフローチャートにおいて、S41〜47において、保持弁36の遮断状態、かつ、マスタ遮断弁34の連通状態において加圧装置96が作動させられる。そして、設定時間Td内にマスタ圧センサ62による検出液圧が設定圧Ps1より大きくなった場合(S46:YES)には、加圧装置96が正常であるとされ、設定時間Td内に設定圧以上にならなかった場合(S46:NO,S47:YES)には、S48において加圧装置96が異常であると考えられる。
加圧装置96が正常である場合には、S49において、マスタ遮断弁34に電流が供給され、シーティング弁54が閉状態にされる。ここでは、マスタ遮断弁34の開弁圧がリリーフ弁280のリリーフ圧以上となる大きさの電流が供給される。そして、S50〜53において、設定時間Te経過するまでの間にマスタ圧センサ62による検出液圧が設定圧Ps2以下まで低下したか否かが検出される。設定圧以下まで低下した場合には、S54においてマスタ遮断弁34が正常であるとされ、設定時間Te内に設定圧以下に低下しなかった場合には、S55においてマスタ遮断弁34が異常であるとされる。加圧装置96またはマスタ遮断弁34が異常であるとされた場合には、S56において異常、すなわち、両方が正常ではないとされる。
【0054】
なお、上記実施形態においては、マスタ遮断弁34への供給電流が、差圧がリリーフ圧より大きくなるように制御されるようにされていたが、そのようにすることは不可欠ではない。図19のフローチャートに示すように、S49´において、マスタ遮断弁34への供給電流を設定勾配で増加させる。そして、S50´〜52´において、供給電流が電流値IaからIbの間にある場合(Ia<I<Ib)に、マスタ圧が設定圧以下であるかどうかが検出される。設定圧以下である場合には、マスタ遮断弁34が正常であるとされる。供給電流が電流値Ibを越えてもマスタ圧が設定圧以上の場合には、マスタ遮断弁34が異常であると考えられる。図20に示すように、マスタ遮断弁34への供給電流が電流値IaからIbの間にマスタ圧が設定圧以下まで低下するはずなのである。
【0055】
また、ポンプモータ90が前輪側のブレーキ系統と後輪側のブレーキ系統とで別個に設けられている場合には、前輪側と後輪側とのいずれか一方の加圧装置とマスタ遮断弁との両方が正常であるか否かのみを検出することができる。
さらに、マスタ圧センサがいずれか一方のブレーキ系統のみにしか設けられない場合もあり、その場合には、その系統の、マスタ遮断弁および加圧装置が正常であるか否かのみが検出されることになる。
【0060】
さらに、本発明は、上記各実施形態の特徴はそれぞれ組み合わせた態様で実施することもできる。また、ブレーキ装置の構造は、上記各実施形態におけるそれに限らない等、種々の構造のブレーキ装置に適用することができる等本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるブレーキ装置の回路図である。
【図2】 上記ブレーキ装置に含まれるマスタ遮断弁を表す概念図である。
【図3】 上記ブレーキ装置に含まれるブレーキECUの周辺を表す図である。
【図4】 上記ブレーキECUのROMに格納されたブレーキ液圧制御プログラムを表すフローチャートである。
【図5】 上記ブレーキECUのROMに格納されたイニシャルチェックプログラムを表すフローチャートである。
【図6】 上記イニシャルチェックプログラムの一部を表すフローチャートである。
【図7】 上記ブレーキ装置におけるイニシャルチェック時のマスタ圧センサによる検出液圧の変化状態を示す図である。
【図8】 上記ブレーキECUのROMに格納された別のイニシャルチェックプログラムの一部を表すフローチャートである。
【図9】 本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置の回路図の一部である。
【図10】 上記イニシャルチェックプログラムの一部を表すフローチャートである。
【図11】 上記ブレーキ装置におけるイニシャルチェック時のマスタ圧センサによる検出液圧の変化状態等を示す図である。
【図12】 本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置の回路図の一部である。
【図13】 本発明のさらに別の一実施形態であるブレーキ装置の回路図の一部である。
【図14】 本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置の回路図の一部である。
【図15】 本発明のさらに別の一実施形態であるブレーキ装置の回路図である。
【図16】 本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置の回路図である。
【図17】 上記ブレーキ装置に含まれるブレーキECUのROMに格納されたイニシャルチェックプログラムの一部を表すフローチャートである。
【図18】 上記ブレーキ装置におけるイニシャルチェック時のマスタ圧センサによる検出液圧の変化状態を示す図である。
【図19】 上記ブレーキECUのROMに格納された別のイニシャルチェックプログラムの一部を表すフローチャートである。
【図20】 上記ブレーキ装置におけるイニシャルチェック時のマスタ圧センサによる検出液圧の変化状態を示す図である。
【符号の説明】
34:マスタ遮断弁 62:マスタ圧センサ 36:保持弁 60:流通制限装置 64:オリフィス 66:逆止弁 70:作動液収容装置 72:収容器 92:作動液供給通路 94:流入制御弁 96:加圧装置 128:閉回路 150:電磁開閉弁 200:流通制限装置 280:リリーフ弁[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to a brake device provided with a pressurizing device, and in particular, a pressurizing device and a master shut-off valve.Whether or not is normalIt is about detection.
[0002]
[Prior art]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-59389 discloses (a) a master cylinder that generates hydraulic pressure based on operation of a brake operating member, (b) a brake cylinder that operates a brake by hydraulic pressure, and (c) these brakes. A master shut-off valve that is provided between the cylinder and the master cylinder and can take a state of communicating and a state of shutting them off, and (d) a brake fluid pressure detecting device that respectively detects a fluid pressure of the brake cylinder; e) pressurizing fluid pressure by power, and a pressurizing device capable of supplying the pressurized hydraulic fluid to the brake cylinder side from the master shut-off valve; and (f) an operating state of the brake operating member, And when the master shut-off valve is in the shut-off state, the brake fluid pressure detected by the brake fluid pressure detecting device in the communication state of the master shut-off valve, and the brake operating member is not operated, Braking system comprising said pressure device abnormality detecting device for detecting an abnormality of the pressure device on the basis of the detected brake fluid pressure by the brake fluid pressure detection device in the operating state of the are described. In this brake device, an abnormality is detected based on the hydraulic pressure on the brake cylinder side from the master shut-off valve.
[0003]
[Problems to be Solved by the Invention, Means for Solving Problems, and Effects]
An object of the present invention is to make it possible to detect an abnormality of a brake device based on a hydraulic pressure on the master cylinder side from a master cutoff valve.In particular, when the brake operating member is in a non-operating state and the pressurizing device is operated to pressurize in at least one of the shut-off state and the communication state of the master shut-off valve, the master shut-off valve is Based on the change in the hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detection device during a predetermined set time after the current is controlled to switch between the communication state, the pressurization device and the master cutoff valve It is possible to detect whether or not both are normal.This problem is solved by making the brake device have the configuration of each aspect described below. As with the claims, each aspect is divided into sections, each section is numbered, and is described in a form that cites the numbers of other sections as necessary. This is merely for the purpose of facilitating understanding of the technology described in this specification, and the technical features described in this specification and combinations thereof should not be interpreted as being limited to the following items. Absent. In addition, when a plurality of items are described in one section, it is not always necessary to employ all items together, and it is also possible to take out only some items and employ them.
[0004]
( 1 ) A master cylinder that generates hydraulic pressure based on the operation of the brake operating member;
A brake cylinder for operating the brake by hydraulic pressure;
Provided between the part on the master cylinder side and the part on the brake cylinder side of the fluid passage connecting these brake cylinders and the master cylinder. A master shut-off valve switchable by control,
A hydraulic pressure detection device that is provided on the master cylinder side from the master cutoff valve and detects the hydraulic pressure of the master cylinder side from the master cutoff valve;
A throttle provided on the master cylinder side from the hydraulic pressure detection device,
Actuated by power, the low pressure side is connected to the master cylinder side from the master cutoff valve, the high pressure side is connected to the hydraulic fluid supply part on the brake cylinder side from the master cutoff valve, and the hydraulic fluid pressurized to the hydraulic fluid supply part A pressure device capable of supplying
The master shut-off valve is shut off when the brake operating member is in a non-operating state and the pressurizing device is pressurized in at least one of a shut-off state and a communication state of the master shut-off valve. When the hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detection device changes by a predetermined value or more during a predetermined set time after the current is controlled to switch between the state and the communication state In addition, the detection device detects that both the pressurization device and the master cutoff valve are normal, and the supply current is controlled so that the master cutoff valve is maintained in a cutoff state. After the pressurization device is pressurized for a predetermined set time and then stopped, and then the supply current is controlled so that the master shut-off valve switches from the shut-off state to the communication state, Predetermined During the set time, and those with a detectable portion detecting fluid pressure by the fluid pressure detection device when increased above the set value, the both are to be normal
A brake device comprising: (Claim 1).
In the brake device described in this section, between the pressurizing device and the master shut-off valve based on the change state of the detected hydraulic pressure by the hydraulic pressure detecting device accompanying the switching between the shut-off state and the communication state of the master shut-off valve.Whether or not both are normal is detected.If the detected hydraulic pressure does not change more than the set value during the set time after the supply current is controlled so that the master shut-off valve switches between the shut-off state and the communication state,Both pressurizer and master shut-off valve are not normalIt is said.
Specifically, the pressurizing device is operated for a preset time in the shut-off state of the master shut-off valve, and then switched to the communication state. The detection fluid pressure by the fluid pressure detection device should increase more than the set value, but if the increase gradient of the detection fluid pressure by the fluid pressure detection device is less than the set gradient, if the increase amount of the detection fluid pressure is less than the set value, When the detected fluid pressure is lower than the set fluid pressure,Both pressurizer and master shut-off valve are not normalIt can be.
If both the pressurizer and the master shut-off valve are not normal (for exampleAn abnormality in the pressurization function of the pressurization device, an abnormal decrease in the shutoff function of the master shutoff valve, etc.If)The pressurizing device prevents the hydraulic pressure in the brake cylinder from being higher than the hydraulic pressure in the master cylinder. For example, when the brake operating member is in a non-operating state, the hydraulic pressure can be generated in the brake cylinder. Disappear. Therefore, in the brake device described in this sectionIf both are detected as unhealthy,Inability to control brake fluid pressureState, Brake hydraulic pressure cannot be appliedStateCan be considered. In addition, according to the hydraulic pressure detection apparatus, since the hydraulic pressure of the master cylinder can be detected, it can be referred to as a master pressure detection apparatus.
In the communication state of the master shut-off valve, the flow of hydraulic fluid from the hydraulic pressure detection device side to the master cylinder side is suppressed by the throttle. Therefore, the hydraulic pressure rise due to the hydraulic fluid flowing out from the pressurizing device side of the master shut-off valve to the master cylinder side is sufficiently large, and the pressurizing device based on the hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detecting deviceWhenMaster shut-off valveWhether both are normal or notIncreased detection reliability.
The diaphragm can be a fixed diaphragm such as an orifice or a nozzle, but can also be a variable diaphragm. For example, a flow control valve that suppresses the flow of hydraulic fluid at an opening degree corresponding to the supply current can be provided. When the throttle is a flow control valve, a check valve described later is unnecessary. The opening degree may be reduced when the flow of the hydraulic fluid needs to be suppressed, and the opening degree may be maximized when there is no need to suppress the flow.
The throttle may be provided on the master cylinder side from the hydraulic pressure detection device, and may be between the master shut-off valve and the master cylinder or between the master cylinder and the master reservoir.
Even if the master cylinder is one in which the pressure piston is advanced by the operation of the brake operation member by the driver and the hydraulic pressure is generated, the brake operation member of the driver is not related to the operation by the driver. The operation state may be detected by an operation state detection device, and a hydraulic pressure having a magnitude corresponding to the detected operation state may be generated. In any case, when the brake operating member is not operated, no hydraulic pressure is generated in the master cylinder, and the hydraulic pressure is higher on the master cylinder side than on the pressurizing device side of the master shut-off valve. Lower. The master cylinder functions as a low pressure source.
The master shut-off valve is provided between the part on the master cylinder side and the part on the brake cylinder side of the liquid passage between the master cylinder and the brake cylinder, and can take at least a communication state and a shut-off state. In the communication state, a linear hydraulic pressure control valve capable of continuously controlling the differential pressure before and after the supply current according to the supply current is used. It can be set as a switchable electromagnetic on-off valve.( 2 ) Detecting device for detecting whether both are normalBut,further,Predetermined setting of the hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detection device when the pressurization device is pressurized while the supply current is controlled so that the master shut-off valve is kept in communication. valueA first means that the pressurizing device is normal when it becomes the above;ThatFirstWhen the pressurizing device is normal by the means, in the pressurizing operation state of the pressurizing device, after the supply current is controlled to switch the master shut-off valve from the communication state to the shut-off state During a predetermined set time, the hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detection device decreases by more than the set value.if you did thisIn addition,The mass A second means that the data shut-off valve is normalInclude(1) In termsThe brake device described(Claim 2).
( 3 )Between the master cylinder and the high pressure side of the pressurizing device, the master shut-off valve and the fluid pressure detecting device are bypassed, and the pressure on the pressurizing device side is relieved from the pressure on the master cylinder side. A relief valve that switches from a shut-off state to a communication state when the pressure increases is provided,In a pressurizing operation state of the pressurizing device, the second means isThe master shut-off valve includes a means for controlling the supply current so that the master shut-off valve is maintained in the shut-off state even when the differential pressure across the front and the rear becomes the relief pressure or higher(2) TermBrake device according to(Claim 3).
( 4 )In parallel with the throttle, there is provided a check valve that allows the flow of hydraulic fluid in the direction from the master cylinder toward the hydraulic pressure detection device and prevents the reverse flow.(1) Term or (3) Any one of the termsBrake device according to(Claim 4).
In the brake device described in this section, a check valve is provided in parallel with the throttle. The check valve allows a flow in the direction from the master cylinder toward the hydraulic pressure detection device, that is, in the direction from the master cylinder toward the brake cylinder.
If the throttle and check valve are provided between the master cylinder and the master shut-off valve, the flow of hydraulic fluid in the direction from the master cylinder to the brake cylinder will not be suppressed. In this case, it is possible to avoid a delay in braking effectiveness.
Further, when the throttle and check valve are provided between the master cylinder and the master reservoir, flow in the direction from the master reservoir to the master cylinder is allowed. Even if the forward speed of the pressurizing piston is high, the pressurization chamber of the master cylinder is prevented from becoming negative pressure.
( 5 ) A master cylinder that generates hydraulic pressure based on the operation of the brake operating member;
A brake cylinder for operating the brake by hydraulic pressure;
Provided between the part on the master cylinder side and the part on the brake cylinder side of the fluid passage connecting these brake cylinders and the master cylinder. A master shut-off valve switchable by control,
A hydraulic pressure detection device that is provided on the master cylinder side from the master cutoff valve and detects the hydraulic pressure of the master cylinder side from the master cutoff valve;
An electromagnetic on-off valve provided on the master cylinder side from the hydraulic pressure detection device and switchable between an open state and a closed state by control of a supply current;
Actuated by power, the low pressure side is connected to the master cylinder side from the master cutoff valve, the high pressure side is connected to the hydraulic fluid supply part on the brake cylinder side from the master cutoff valve, and the hydraulic fluid pressurized to the hydraulic fluid supply part A pressure device capable of supplying
The master shut-off valve is shut off when the brake operating member is in a non-operating state and the pressurizing device is pressurized in at least one of a shut-off state and a communication state of the master shut-off valve. When the hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detection device changes by a predetermined value or more during a predetermined set time after the current is controlled to switch between the state and the communication state In addition, the detection device detects that both the pressurization device and the master cutoff valve are normal, and the supply current is controlled so that the master cutoff valve is maintained in a cutoff state. The pressurization device is stopped after being pressurized for a predetermined set time, and then the master shut-off valve is switched from the shut-off state to the communication state in the closed state of the electromagnetic on-off valve. Serving A detector that detects that both are normal when the hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detector increases more than the preset value during a preset time after the current is controlled; When
A brake device comprising: (Claim 5).
The electromagnetic on-off valve is, for example,Whether both the pressurizer and the master shut-off valve are normalIt can be closed when detected and opened when the brake is activated.Whether both are normalAt the time of detection, since the flow of hydraulic fluid in the direction from the hydraulic pressure detection device side to the master cylinder side is blocked, it is based on the detected hydraulic pressure by the hydraulic pressure detection device.Pressurizer and master shut-off valve Whether both are normal or notThe reliability will be higher. When the brake is operated, the flow of hydraulic fluid in both directions from the master cylinder side to the brake cylinder side and from the brake cylinder side to the master cylinder side is allowed. A delay can be avoided. In particular, when releasing the brake operation, the hydraulic fluid on the brake cylinder side can be quickly returned to the master cylinder side.
As described above, the electromagnetic open / close valve may be provided between the master cutoff valve and the master cylinder, or may be provided between the master cylinder and the master reservoir.
When the electromagnetic opening / closing valve described in this section is provided downstream from the master cylinder, the aforementioned master cutoff valve is referred to as a first master cutoff valve, and the electromagnetic switching valve described in this section is referred to as a second master cutoff valve. It can be called a shut-off valve. In this case, the first master cutoff valve and the second master cutoff valve are provided in series in a state where the first master cutoff valve is located on the downstream side of the second master cutoff valve.
( 6 ) Detecting device for detecting whether both are normalHowever, when the master shut-off valve is in a shut-off state and the pressurizing device is operated, and the detected hydraulic pressure by the hydraulic pressure detecting device is equal to or higher than a set pressure, the master shut-off valve is shut off. Includes a means of abnormal function deterioration(1) Term or (Five) Any one of the termsThe brake device described.
( 7 )Provided on the brake cylinder side from the master shut-off valve, (a) a container capable of storing the hydraulic fluid in a pressurized state, and (b) allowing the hydraulic fluid to flow between the pressurizing device and the container. A hydraulic fluid storage device including a switching valve that can be switched between a state to perform and a state to prevent circulation,A detection device for detecting whether or not both are normal,Based on the increase state of the detected hydraulic pressure by the hydraulic pressure detection device after the supply current is controlled so that the master cutoff valve switches from the cutoff state to the communication state in the flow allowable state of the switching valve.Detect if both are normal (1) Term or (6) Any one of the termsThe brake device described(Claim 6).
When the pressurization device is operated in the shut-off state of the master shut-off valve, the master shut-off valve is switched from the shut-off state to the communication state if the hydraulic fluid output from the pressurization device is supplied to the container. In this case, both the working fluid in the fluid passage on the pressurizing device side and the working fluid in the container are caused to flow out to the master cylinder side from the master shut-off valve. Therefore, a large amount of hydraulic fluid can be flowed to the master cylinder side, and the change in the detected hydraulic pressure by the hydraulic pressure detection device can be increased as compared with the case where no container is provided.
The containerWhether both are normalIf it is used for detection, it is not necessary to increase the volume for storing the hydraulic fluid.
The hydraulic fluid storage device is preferably provided between the brake cutoff valve and the master cutoff valve. It is desirable to provide in the closed circuit including the hydraulic fluid supply unit, and the amount of hydraulic fluid stored in the closed circuit can be increased.
In the open state of the brake cutoff valve, the brake cylinder can be used as a container, and it can be considered that the hydraulic fluid storage device is constituted by the brake cylinder as the container and the brake cutoff valve as the switching valve. it can.
( 8 )The switching valve,Whether both are normalProvided a switching valve control device that enables flow when detecting and prevents flow when braking(7)The brake device according to item.
If the inflow to the container is prevented when the brake is operated, it is possible to avoid wasteful consumption of the hydraulic fluid and to operate the brake quickly.
( 9 ) A brake cutoff valve provided between the hydraulic fluid supply part of the pressurizing device and the brake cylinder, and capable of taking a state in which they are communicated and a state in which they are shut off;Detecting device for detecting whether both are normalIn the shut-off state of the brake shut-off valve,Includes means to detect if both are normalItem (1) or(8)Brake device according to any one of the paragraphs (Claim 7).
If the brake shut-off valve is in the shut-off state, the inflow of hydraulic fluid from the pressurizer to the brake cylinder can be prevented,Whether it is normalIt is possible to prevent the brake from being operated at the time of detection. In other words, in the brake device described in this section, even if it is not necessary to operate the brake,Whether it is normalTherefore, if the pressurizing device is operated in the shut-off state of the brake shut-off valve, it is possible to avoid supplying hydraulic fluid to the brake cylinder.
For example, if both the master cutoff valve and the brake cutoff valve are closed, a closed circuit including a hydraulic fluid supply unit is formed. Therefore, when the hydraulic pressure on the brake cylinder side of the master cutoff valve is increased by the pressurizing device, the hydraulic pressure is higher when the closed circuit is formed than when the brake cutoff valve is open. When the pressure is increased to the same height, the operating time of the pressure device can be shortened.Whether it is normalThe time required for detection can be shortened, and energy consumption can be reduced.
The brake shut-off valveWhether it is normalAlthough it may be provided exclusively for detection, it may have a function as a hydraulic control valve capable of controlling the hydraulic pressure of the brake cylinder. In other words, the control valve that is one component of the individual hydraulic pressure control device that can control the hydraulic pressure of the brake cylinder separately.Whether it is normalIt can be used for detection.
( 10 )When the master shut-off valve is normal, the relationship between the state of change in the supply current to the master shut-off valve and the state of increase in the detected hydraulic pressure by the hydraulic pressure detecting device in the operating state of the pressurizing device Including the pressure characteristics acquisition device that acquires the pressure characteristics of the pressure device (1) to(9)Brake device according to any one of the paragraphs (Claim 8).
When the master shut-off valve is switched from the shut-off state to the communication state in the operating state of the pressurizer, the hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detector increases according to the pressurization characteristics of the pressurizer. The pressurization characteristic of the pressurizing device can be acquired based on the increased state of the detected hydraulic pressure by the hydraulic pressure detecting device. in this way,Whether it is normalThe pressurization characteristic can be acquired at the time of detection.
The pressure characteristics of the pressure device areWhether it is normalIf it is acquired together with the detection, it is not necessary to operate the pressurizing device or to open / close the master shut-off valve in order to acquire the pressurizing characteristic, and the energy consumption can be reduced.
( 11 )The master shut-off valve is a hydraulic control valve capable of controlling the differential pressure across the front and back to a magnitude corresponding to the supply current,
A control characteristic acquisition device that acquires a control characteristic of the hydraulic pressure control valve based on a change state of a supply current to the hydraulic pressure control valve and an increased state of a hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detection device (1) Term or(TenThe brake device according to any one of the items).
Based on the change state of the supply current when the master cutoff valve is switched from the cutoff state to the communication state and the change state of the detected hydraulic pressure by the hydraulic pressure detection device, the control characteristics of the hydraulic pressure control valve can be acquired. . Thereafter, the hydraulic pressure of the brake cylinder can be controlled based on these.
The master shut-off valve can also be considered as a component of the pressurizing device. In this case, it can be considered that the pressurizing device includes a hydraulic pressure generating device and a master cutoff valve as a hydraulic pressure control valve.
( 12 )A brake fluid pressure control device that controls the fluid pressure of the brake cylinder by controlling at least one of the pressurization device and the master shut-off valve (1) to(11)The brake device according to any one of the items.
By controlling at least one of the pressurizing device and the master shut-off valve, the hydraulic pressure of the brake cylinder can be controlled.
When the pressurizing device includes a pump device including a pump and a pump motor that drives the pump, the hydraulic pressure of the hydraulic fluid discharged from the pump can be controlled by controlling the pump motor. The hydraulic pressure of the brake cylinder communicated with the side can be controlled. Even if the pump pumps up and pressurizes the hydraulic fluid in the master cylinder or master reservoir, it pumps up the hydraulic fluid in the decompression reservoir that stores the hydraulic fluid that has flowed out of the brake cylinder during the decompression control of the hydraulic pressure in the brake cylinder. And pressurizing may be used. A reflux pump for slip control can be used.
When the hydraulic pressure of the hydraulic fluid discharged from the pump is not controlled, the hydraulic pressure on the brake cylinder side from the master cutoff valve can be controlled by controlling the master cutoff valve. As described above, the master shut-off valve is a hydraulic control valve that can control the differential pressure across the front and back to a magnitude corresponding to the supply current, even if it is an electromagnetic on-off valve that can be opened and closed by turning on and off the supply current. May be. In any case, when the hydraulic pressure of the hydraulic fluid output from the pressurizing device is used to control the brake cylinder hydraulic pressure, the master cylinder is not generating hydraulic pressure or the master cylinder hydraulic pressure Since the pressure is higher than the pressure, the master cutoff valve functions as a pressure reduction control valve.
It is not essential for the pressurizing device to include a pump device, and it may include a hydraulic control cylinder. The hydraulic pressure in the pressurizing chamber in front of the control piston is supplied to the brake cylinder, and the driving force applied to the control piston is controlled by controlling the power, thereby controlling the hydraulic pressure in the pressurizing chamber. can do.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a hydraulic brake device as a brake device according to an embodiment of the present invention will be described.
In FIG. 1, 10 is a master cylinder, 12 is a brake pedal as a brake operation member, and 14 is a booster. The
In this embodiment, the hydraulic brake device is a two-system system including a front-wheel brake system and a rear-wheel brake system. Since the front wheel side brake system and the rear wheel side brake system have the same structure, the front wheel side brake system will be described below, and the description of the rear wheel side brake system will be omitted.
[0006]
The
The holding
[0007]
As shown in FIG. 2, the
When the electromagnetic driving force F1 generated according to the supply current to the
[0008]
In parallel with the master shut-off
[0009]
A
[0010]
A hydraulic
[0011]
A
A hydraulic
[0012]
The brake device is controlled by the
The
[0013]
When the
[0014]
When the fluid pressure detected by the
[0015]
The set value is a master pressure corresponding to the assist limit of the
Note that it is not essential that the set value be a height corresponding to the booster's assistance limit, and it may be a value that is not related to the assistance limit.
[0016]
Anti-lock control is started when the braking slip of at least one of the
On the other hand, when the
[0017]
When both the pressurizing
[0018]
The brake fluid pressure is controlled according to the flowchart of FIG.
In step 1 (hereinafter abbreviated as S1. The same applies to other steps), it is determined whether or not the
On the other hand, if the master pressure is equal to or higher than the set value, in S5-7, the
[0019]
Whether both the pressurizing
In the initial check, the holding
[0020]
In the initial check, when the master shut-off
[0021]
On the other hand, when the increase amount of the detected hydraulic pressure by the
The set amount can be determined based on, for example, the pressurization time by the pressurizing
[0022]
If the
Further, as described above, since the hydraulic fluid flows out from the brake cylinder side to the master cylinder side via the
[0023]
In the present embodiment, the pressurizing characteristic of the pressurizing
A control gain for controlling the master shut-off
Further, if the pressurization characteristic of the
[0024]
The initial check is executed according to the flowchart of FIG.
In S11, it is awaited that the
[0025]
The initial check is performed according to the execution of the initial check program represented by the flowchart of FIG. In S21 and 22, the
[0026]
The
In S23 to 26, the counter C is set to 0 and counted up. When the count value of the counter C reaches the number a corresponding to the set time Ta (see FIG. 7), the determination in S26 is YES. In S27, the operation of the
In the operating state of the pressurizing
[0027]
The master pressure associated with the switching of the master shut-off
In S28, the counter C1 is reset to 0 and ΔPmax is set to 0. Thereafter, in S29 to S34, the master pressure is read for a set time Tb (see FIG. 7), and the increase ΔP after the master shut-off
[0028]
If the set time Tb has elapsed, the determination in S34 is YES, and in S35, it is determined whether or not the maximum value ΔPmax of the increase amount within the set time Tb is greater than the set value ΔPs. If the maximum value ΔPmax is greater than the set value ΔPs, the determination in S35 is YES, and the pressurizing
[0029]
In the present embodiment, since the hydraulic
[0030]
Further, the control gain of the
[0031]
In any case, the initial check completion flag is set in S39, and the state before the start of the initial check is returned in S40.
As described above, when the
[0032]
Thus, according to the present embodiment, based on the hydraulic pressure on the master cylinder side of the master shut-off
In the present embodiment, the initial check program of the
[0033]
In the above embodiment, the master pressure increase amount is detected for a set time after the master shut-off
In addition, it is not essential to obtain the control gain of the master shut-off
[0034]
Furthermore, in the said embodiment, although the hydraulic fluid
The master shut-off
[0035]
Further, if the
[0036]
Furthermore, it is not essential to provide the
[0037]
An example is shown in FIG. In the present embodiment, an electromagnetic on-off
Further, in the above embodiment, the
[0038]
The initial check is performed in accordance with the execution of the initial check program represented by the flowchart of FIG. In the present embodiment, after the pressurizing
In S24, it is determined whether the initial check condition is satisfied. In the present embodiment, it is assumed that the initial check condition is satisfied when the
[0039]
Furthermore, in this embodiment, the initial check is performed while the holding
Further, in the present embodiment, since the electromagnetic on-off
[0040]
FIG. 11 shows a change state of the hydraulic pressure at the initial check. In the operating state of the pressurizing
After completion of the initial check, the electromagnetic on-off
[0041]
When the pressurizing
[0042]
Furthermore, as shown in FIG. 12, not only the
Further, the
[0043]
In the brake device shown in FIG. 13, a
[0044]
As shown in FIG. 14, the distribution restriction device can be an
[0045]
In the illustrated state, the
[0046]
On the other hand, when a large amount of hydraulic fluid flows from the
Thus, according to the
The
[0047]
The brake device may be a hydraulic brake device shown in FIG. In the present embodiment, a hydraulic
[0048]
Normally, the hydraulic
The initial check and brake fluid pressure control are performed in the same manner as in the above embodiment.
[0049]
The brake device may have a structure shown in FIG. In this hydraulic brake device, the master cylinder is connected between the discharge side of the
When the discharge pressure of the
When the
[0050]
In the present embodiment, the
In the communication state of the master shut-off
[0051]
When the detected hydraulic pressure by the
Further, since the
[0052]
The fluid pressure detected by the
[0053]
In the flowchart of FIG. 17, in S <b> 41 to 47, the pressurizing
If the pressurizing
[0054]
In the above embodiment, the supply current to the
[0055]
Further, when the
Furthermore, in some cases, the master pressure sensor can be provided only in one of the brake systems.andPressurizing deviceWhether it is normalOnly will be detected.
[0060]
Furthermore, the present invention can also be implemented in a mode in which the features of the above embodiments are combined. In addition, the present invention can be applied to brake devices having various structures, such as the structure of the brake device is not limited to that in each of the above embodiments. In addition to the embodiments described above, the present invention can be implemented in various modifications and improvements based on the knowledge of those skilled in the art.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a circuit diagram of a brake device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a conceptual diagram showing a master cutoff valve included in the brake device.
FIG. 3 is a diagram showing the periphery of a brake ECU included in the brake device.
FIG. 4 is a flowchart showing a brake fluid pressure control program stored in a ROM of the brake ECU.
FIG. 5 is a flowchart showing an initial check program stored in a ROM of the brake ECU.
FIG. 6 is a flowchart showing a part of the initial check program.
FIG. 7 is a diagram showing a change state of a hydraulic pressure detected by a master pressure sensor at an initial check in the brake device.
FIG. 8 is a flowchart showing a part of another initial check program stored in the ROM of the brake ECU.
FIG. 9 is a part of a circuit diagram of a brake device according to another embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a flowchart showing a part of the initial check program.
FIG. 11 is a diagram showing a change state of a hydraulic pressure detected by a master pressure sensor at an initial check in the brake device.
FIG. 12 is a part of a circuit diagram of a brake device according to another embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a part of a circuit diagram of a brake device according to another embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a part of a circuit diagram of a brake device according to another embodiment of the present invention.
FIG. 15 is a circuit diagram of a brake device according to still another embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a circuit diagram of a brake device according to another embodiment of the present invention.
FIG. 17 is a flowchart showing a part of an initial check program stored in a ROM of a brake ECU included in the brake device.
FIG. 18 is a diagram illustrating a change state of a hydraulic pressure detected by a master pressure sensor at an initial check in the brake device.
FIG. 19 is a flowchart showing a part of another initial check program stored in the ROM of the brake ECU.
FIG. 20 is a diagram showing a change state of a hydraulic pressure detected by a master pressure sensor at the time of initial check in the brake device.
[Explanation of symbols]
34: Master shutoff valve 62: Master pressure sensor 36: Holding valve 60: Flow restricting device 64: Orifice 66: Check valve 70: Hydraulic fluid storage device 72: Container 92: Hydraulic fluid supply passage 94: Inflow control valve 96: Pressurizer 128: Closed circuit 150: Electromagnetic switching valve 200: Flow restriction device 280: Relief valve
Claims (8)
液圧によりブレーキを作動させるブレーキシリンダと、
これらブレーキシリンダとマスタシリンダとを接続する液通路のマスタシリンダ側の部分とブレーキシリンダ側の部分との間に設けられ、少なくともこれらを連通させる状態と遮断する状態とに、ソレノイドへの供給電流の制御により切り換え可能なマスタ遮断弁と、
そのマスタ遮断弁より前記マスタシリンダ側に設けられ、そのマスタ遮断弁よりマスタシリンダ側の部分の液圧を検出する液圧検出装置と、
その液圧検出装置より前記マスタシリンダ側に設けられた絞りと、
動力により作動させられ、低圧側が前記マスタ遮断弁よりマスタシリンダ側に接続され、高圧側が前記マスタ遮断弁よりブレーキシリンダ側の作動液供給部に接続され、その作動液供給部に加圧した作動液を供給可能な加圧装置と、
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあって、かつ、前記マスタ遮断弁の遮断状態と連通状態との少なくとも一方の状態において前記加圧装置が加圧作動させられる場合に、前記マスタ遮断弁が遮断状態と連通状態との間で切り換わるように電流が制御された後の、予め定められた設定時間の間に、前記液圧検出装置による検出液圧が予め定められた設定値以上変化した場合に、前記加圧装置と前記マスタ遮断弁との両方が正常であると検出する検出装置であって、前記マスタ遮断弁が遮断状態に保たれるように前記供給電流が制御された状態で前記加圧装置が予め定められた設定時間の間加圧作動させられた後停止させられ、その後、前記マスタ遮断弁が遮断状態から連通状態へ切り換わるように前記供給電流が制御された後の、予め定められた設定時間の間に、前記液圧検出装置による検出液圧が前記設定値以上増加した場合に、前記両方が正常であるとする検出部を有するものと
を含むことを特徴とするブレーキ装置。 A master cylinder that generates hydraulic pressure based on the operation of the brake operating member;
A brake cylinder for operating the brake by hydraulic pressure;
Provided between the part on the master cylinder side and the part on the brake cylinder side of the fluid passage connecting these brake cylinders and the master cylinder. A master shut-off valve switchable by control,
A hydraulic pressure detection device that is provided on the master cylinder side from the master cutoff valve and detects a hydraulic pressure of a portion on the master cylinder side from the master cutoff valve;
A throttle provided on the master cylinder side from the hydraulic pressure detection device,
Actuated by power, the low pressure side is connected to the master cylinder side from the master cutoff valve, the high pressure side is connected to the hydraulic fluid supply part on the brake cylinder side from the master cutoff valve, and the hydraulic fluid pressurized to the hydraulic fluid supply part A pressure device capable of supplying
The master shut-off valve is shut off when the brake operating member is in a non-operating state and the pressurizing device is pressurized in at least one of a shut-off state and a communication state of the master shut-off valve. state and communication state after the current to switch is controlled between, during the setting predetermined time, if the detected fluid pressure by the fluid-pressure detector is changed predetermined set value or more In addition, the detection device detects that both the pressurization device and the master cutoff valve are normal, and the supply current is controlled so that the master cutoff valve is maintained in a cutoff state. After the pressurization device is pressurized for a predetermined set time and then stopped, and then the supply current is controlled so that the master shut-off valve switches from the shut-off state to the communication state, Predetermined During the set time, and those with a detectable portion detecting fluid pressure by the fluid pressure detection device when increased above the set value, the both are to be normal
A brake device comprising:
液圧によりブレーキを作動させるブレーキシリンダと、 A brake cylinder for operating the brake by hydraulic pressure;
これらブレーキシリンダとマスタシリンダとを接続する液通路のマスタシリンダ側の部分とブレーキシリンダ側の部分との間に設けられ、少なくともこれらを連通させる状態と遮断する状態とに、ソレノイドへの供給電流の制御により切り換え可能なマスタ遮断弁と、 Provided between the part on the master cylinder side and the part on the brake cylinder side of the fluid passage connecting these brake cylinders and the master cylinder. A master shut-off valve switchable by control,
そのマスタ遮断弁より前記マスタシリンダ側に設けられ、そのマスタ遮断弁よりマスタシリンダ側の部分の液圧を検出する液圧検出装置と、 A hydraulic pressure detection device that is provided on the master cylinder side from the master cutoff valve and detects the hydraulic pressure of the master cylinder side from the master cutoff valve;
その液圧検出装置より前記マスタシリンダ側に設けられ、供給電流の制御により開状態と閉状態とに切り換え可能な電磁開閉弁と、 An electromagnetic on-off valve provided on the master cylinder side from the hydraulic pressure detection device and switchable between an open state and a closed state by control of a supply current;
動力により作動させられ、低圧側が前記マスタ遮断弁よりマスタシリンダ側に接続され、高圧側が前記マスタ遮断弁よりブレーキシリンダ側の作動液供給部に接続され、その作動液供給部に加圧した作動液を供給可能な加圧装置と、 Actuated by power, the low pressure side is connected to the master cylinder side from the master cutoff valve, the high pressure side is connected to the hydraulic fluid supply part on the brake cylinder side from the master cutoff valve, and the hydraulic fluid pressurized to the hydraulic fluid supply part A pressure device capable of supplying
前記ブレーキ操作部材が非操作状態にあって、かつ、前記マスタ遮断弁の遮断状態と連通状態との少なくとも一方の状態において前記加圧装置が加圧作動させられる場合に、前記マスタ遮断弁が遮断状態と連通状態との間で切り換わるように電流が制御された後の、予め定められた設定時間の間に、前記液圧検出装置による検出液圧が予め定められた設定値以上変化した場合に、前記加圧装置と前記マスタ遮断弁との両方が正常であると検出する検出装置であって、前記マスタ遮断弁が遮断状態に保たれるように前記供給電流が制御された状態で前記加圧装置が予め定められた設定時間の間加圧作動させられた後停止させられ、その後、前記電磁開閉弁の閉状態において、前記マスタ遮断弁が遮断状態から連通状態へ切り換わるように前記供給電流が制御された後の、予め定められた設定時間の間に、前記液圧検出装置による検出液圧が前記設定値以上増加した場合に、前記両方が正常であるとする検出部を有するものと The master shut-off valve is shut off when the brake operating member is in a non-operating state and the pressurizing device is pressurized in at least one of a shut-off state and a communication state of the master shut-off valve. When the hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detection device changes by a predetermined value or more during a predetermined set time after the current is controlled to switch between the state and the communication state In addition, the detection device detects that both the pressurization device and the master cutoff valve are normal, and the supply current is controlled so that the master cutoff valve is maintained in a cutoff state. The pressurization device is stopped after being pressurized for a predetermined set time, and then the master shut-off valve is switched from the shut-off state to the communication state in the closed state of the electromagnetic on-off valve. Serving A detector that detects that both are normal when the hydraulic pressure detected by the hydraulic pressure detector increases more than the preset value during a preset time after the current is controlled; When
を含むことを特徴とするブレーキ装置。A brake device comprising:
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