JP4099934B2 - Labyrinth seal - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軸受及び潤滑油を内蔵する軸受箱と立軸との間をシールするラビリンスシールの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
立軸回転機の軸受部には,油漏れを防止する目的で、ラビリンスシールを設ける場合がある。
【0003】
図17は立軸回転機の軸受部の一例を示し、軸受箱1は軸受2及び潤滑油3を内部に保有している。立軸4は軸受箱1を貫通し、環状張出部5の側面が軸受2により支持されている。従って、立軸4が回転すると、軸受2の発生熱量により、潤滑油3の温度が上昇し、油しぶきや油露(以下、これらをオイルミストと呼ぶ)が生じる。そのため、軸受箱1内の圧力が周囲より高くなり、この内圧でオイルミストが軸貫通部の隙間から軸受箱1外へ漏れ出ようとする。このオイルミストの漏れを防止するために、ラビリンスシール6が軸貫通部分、つまり、軸受箱1と立軸4との間に設けられている。
【0004】
ラビリンスシール6は回転ラビリンス7と固定ラビリンス8からなり、回転ラビリンス7は立軸4の環状張出部5の上面に上向きに備えられ、固定ラビリンス8は回転ラビリンス7に対応して、軸受箱1の蓋部9の下面に下向きに備えられている。回転ラビリンス7は環状凹部と環状凸部を同心に有しており、固定ラビリンス8は回転ラビリンス7の環状凹凸部と嵌まり合う環状凹部と環状凸部を同心に有している。従って、回転ラビリンス7と固定ラビリンス8は相対的回転が可能であり、その間にできる屈曲した狭い隙間がシール効果を果たす。
【0005】
しかし、立軸4の回転速度が速くなると、軸受2の発生熱量も増加し、オイルミストがより多く発生するので、軸貫通部分のシール効果を更に上げる必要がある。
【0006】
この対策として、ラビリンスシール6内に外部から圧力空気を吹き込む構造を採る場合がある。図18はその構造例を示し、ラビリンスシール6に空気配管10を設け、空気配管10からラビリンスシール6内に矢印のように空気を吹き込み、オイルミストの漏れを防止する。
【0007】
しかし、軸受部という限られたスペースに空気配管10を設けなければならないため、作業性が悪く、コストも高くなる。
【0008】
一方、立軸回転機が停止すると回転ラビリンス7の凹部に、オイルミストが集まって潤滑油の状態で溜まるので、運転と停止を繰り返すと、潤滑油の溜まり量が増加する。そのため、停止した時に、溜まっていた潤滑油が内部圧力によって外部へ押し出され、漏れることがある。
【0009】
この対策として、実開昭56−108059号に開示されたラビリンスシール構造が知られている。この構造は、図19、図20に示すように、回転ラビリンス7の凸部の根元に貫通孔11を開けることにより、軸受箱1に開口する連通路を設けたものである。これにより、運転中は回転ラビリンス7凹部の潤滑油が遠心力により貫通孔11を通して軸受箱1に戻り、溜まり量が低減する。但し、各凸部根元の貫通孔11を半径方向には一致させず、流出経路を長くしている。これは、オイルミストの大部分が長い経路壁面に付着して、外部へ流出し難くなることを期待したものである。また、運転時には、回転ラビリンス7のラジアルファンファン作用により、オイルミストが軸受箱1へ戻ることも期待されている。
【0010】
しかし、回転ラビリンス7のラジアルファンファン効果はそれ程でもないので、立軸4の回転速度が速いとオイルミストの漏れが避けられない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、回転ラビリンスに凹凸構造を設けてファン効果を高めることにより、外部から圧力空気を吹き込む空気配管を設けることなく、回転時のオイルミストの漏れを効果的に防止できるラビリンスシールを提供することである。これに加えて、停止時の潤滑油の漏れを効果的に防止できるラビリンスシールを提供することも、本発明の課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のラビリンスシールは、軸受及び潤滑油を内蔵する軸受箱と立軸との間をシールするラビリンスシールにおいて、回転ラビリンスの環状凸部の上面に切欠を複数設け、前記環状凸部の上面に、前記切欠どうしの間にて、回転ラビリンスの回転方向に関して下流端が上流端より低い傾斜面を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明のラビリンスシールは、軸受及び潤滑油を内蔵する軸受箱と立軸との間をシールするラビリンスシールにおいて、回転ラビリンスの環状凸部の上面に切欠を複数設け、回転ラビリンスの回転方向に関し、前記切欠の底面の下流端が上流端より低く、該底面が傾斜していることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図17参照して、本発明の実施形態例を説明する。
【0017】
[第1参考例]
図1〜図3を参照して、第1参考例に係るラビリンスシールの構造を説明する。図1はラビリンスシールの縦断面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図2の円弧 III−III 線に沿う断面図である。
【0018】
これらの図1〜図3に示すラビリンスシール6は、図17に示した立軸回転機の軸受部をシールするものであり、同図を参照すれば、軸受2及び潤滑油3を内部に保有する軸受箱1と、この軸受箱1を貫通して環状張出部5の側面が軸受2により支持される立軸4との間(軸貫通部)をシールする。更に、同図を参照すれば、ラビリンスシール6は回転ラビリンス7と固定ラビリンス8からなり、回転ラビリンス7は立軸4の環状張出部5の上面に上向きに形成され、固定ラビリンス8は回転ラビリンス7に対応して、軸受箱1の蓋部9の下面に下向きに形成されている。回転ラビリンス7は環状凹部と環状凸部を同心に有し、固定ラビリンス8は回転ラビリンス7の環状凹凸部と嵌まり合う環状凹部と環状凸部を同心に有しており、両ラビリンス7、8は相対回転可能に嵌まり合っている。
【0019】
本例では、ラビリンスシール6を構成する回転ラビリンス7において、環状凹部の底面12に、深い穴13を多数、等間隔に加工してある。
【0020】
このように、回転ラビリンス7に穴13を設けたことにより、環状凹部の底面12に凹凸構造が形成され、この凹凸構造が簡易なファンと同等の作用を持つので、軸回転時にラビリンス6の室内の圧力が高くなり、オイルミストに対するシール効果が向上する。また、回転速度が速いほど圧力が高まりシール効果が高い。従って、従来のような外部から圧力空気を吹き込むための空気配管の配置を省略することができる。言い換えれば、穴ぐり加工のみでシール効果が向上するので、油漏れ防止構造の信頼性が向上し、また、部品(回転ラビリンス7)の製作費用、並びに、ラビリンスシール6を含め軸受部の組立作業コストが低減する。
【0021】
穴13を設ける環状凹部の数、環状凹部1つの当たりに設ける穴13の数、並びに、穴13の深さは、いずれもラビリンスシール6の室内の圧力をどの程度高めるかによって、適宜設定することができる。
【0022】
[第2参考例]
図4〜図6を参照して、第2参考例に係るラビリンスシールの構造を説明する。図4はラビリンスシールの縦断面図、図5は図4のV−V線断面図、図6は図5の円弧VI−VI線に沿う断面図である。
【0023】
図4〜図6に示すラビリンスシール6も、図17に示した立軸回転機の軸受部において、軸受及び潤滑油を内部に保有する軸受箱1と、この軸受箱を貫通して環状張出部の側面が軸受により支持される立軸4との間(軸貫通部分)をシールするものである。ラビリンスシール6は回転ラビリンス7と固定ラビリンス8からなり、回転ラビリンス7は立軸の環状張出部5の上面に上向きに形成され、固定ラビリンス8は回転ラビリンス7に対応して、軸受箱の蓋部9の下面に下向きに形成されている。回転ラビリンス7は環状凹部と環状凸部を同心に有し、固定ラビリンス8は回転ラビリンス7の環状凹凸部と嵌まり合う環状凹部と環状凸部を同心に有しており、両ラビリンス7、8は相対回転可能に嵌まり合っている。
【0024】
本例では、ラビリンスシール6を構成する回転ラビリンス7において、環状凸部の上面14に、切欠15を多数、等間隔に加工してある。この場合、切欠15を環状凸部上面14に加工するので、加工時の寸法確認等の作業を極めて容易に行うことができる。切欠15の深さは、本例では、環状凸部の根元には至らないが、その近くまで達する程度に深くしている。
【0025】
このように、回転ラビリンス7に切欠15を設けたことにより、環状凸部の上面14に凹凸構造が形成され、この凹凸構造が簡易なファンと同等の作用を持つので、軸回転時にラビリンス6の室内の圧力が高くなり、オイルミストに対するシール効果が向上する。また、回転速度が速いほど圧力が高まりシール効果が高い。従って、従来のような外部から圧力空気を吹き込むための空気配管を省略することができる。言い換えれば、切欠加工のみでシール効果が向上するので、油漏れ防止構造の信頼性が向上し、また、部品(回転ラビリンス7)の製作費用、並びに、ラビリンスシール6を含め軸受部の組立作業コストが低減する。
【0026】
切欠15を設ける環状凸部の数、並びに、環状凸部1つ当たりに設ける切欠15の数は、いずれもラビリンスシール6の室内の圧力をどの程度高めるかによって、適宜設定することができる。
【0027】
[第1実施形態例]
図7を参照して、本発明の第1実施形態例に係るラビリンスシールの構造を説明する。図7は図6に相当する断面図である。
【0028】
本例は、上述した第2参考例に、図7に示す傾斜面16を追加したものである。即ち、図7において、回転ラビリンス7の環状凸部上面14に、切欠15どうしの間にて、回転ラビリンス7の回転方向17に関して下流端16aが上流端16bより低くなるように傾斜面16を加工してある。
【0029】
これにより、回転時に傾斜面16が空気を切るので、切欠15だけよりも、ファン効果が向上し、シール効果が向上する。
【0030】
[第2実施形態例]
図8を参照して、本発明の第2実施形態例に係るラビリンスシールの構造を説明する。図8は図6に相当する断面図である。
【0031】
本例は、上述した第1実施形態例の変形例であり、図8に示すように、切欠15の底面18を傾斜して形成したものである。即ち、回転ラビリンス7の回転方向17に関し、切欠15の底面18の下流端18aがその上流端18bより低くなるような、傾斜底面18となっている。
【0032】
これにより、回転時に切欠15の傾斜底面18が空気を切るので、切欠15だけよりも、ファン効果が向上し、シール効果が向上する。なお、図6に比べて、切欠15の回転方向の幅を長くし、また、深さを浅くしてある。
【0033】
[第3参考例]
図9〜図11を参照して、第3参考例に係るラビリンスシールの構造を説明する。図9はラビリンスシールの縦断面図、図10は図9のX−X線断面、図11は図10の円弧XI−XI線に沿う断面図である。
【0034】
図9〜図11に示すラビリンスシール6も、図17に示した立軸回転機の軸受部において、軸受及び潤滑油を内部に保有する軸受箱1と、この軸受箱を貫通して環状張出部の側面が軸受により支持される立軸4との間(軸貫通部)をシールするものである。ラビリンスシール6は回転ラビリンス7と固定ラビリンス8からなり、回転ラビリンス7は立軸の環状張出部5の上面に上向きに形成され、固定ラビリンス8は回転ラビリンス7に対応して、軸受箱の蓋部9の下面に下向きに形成されている。回転ラビリンス7は環状凹部と環状凸部を同心に有し、固定ラビリンス8は回転ラビリンス7の環状凹凸部と嵌まり合う環状凹部と環状凸部を同心に有しており、両ラビリンス7、8は相対回転可能に嵌まり合っている。
【0035】
本例では、ラビリンスシール6を構成する回転ラビリンス7において、環状凹部の内周側面19及び外周側面20に、上下方向の溝21をそれぞれ多数、等間隔に加工してある。
【0036】
このように、回転ラビリンス7に溝21を設けたことにより、環状凹部の内外周側面19、20に凹凸構造が形成され、この凹凸構造が簡易なファンと同等の作用を持つので、軸回転時にラビリンスシール6の室内の圧力が高くなり、オイルミストに対するシール効果が向上する。また、回転速度が速いほど圧力が高まりシール効果が高い。従って、従来のような外部から圧力空気を吹き込むための空気配管を省略することができる。言い換えれば、溝加工のみでシール効果が向上するので、油漏れ防止構造の信頼性が向上し、また、部品(回転ラビリンス7)の製作費用、並びに、ラビリンスシール6を含め軸受部の組立作業コストが低減する。
【0037】
溝21を環状凹部の内周側面19、外周側面20の両方か、どちらか一方に設けるか、あるいは、溝21を設ける環状凹部の数、あるいは、1つの内周側面19当たり又は1つの外周側面20当たりに設ける溝21の数は、いずれもラビリンスシール6の室内の圧力をどの程度高めるかによって、適宜設定することができる。
【0038】
図12に示すように、溝21を傾斜させても良い。図12(a)に示す例では、回転ラビリンス7の回転方向17に関して、溝根元21aの方が溝先端21bよりも下流側に位置するように、溝21を傾斜溝に形成してある。図12(b)に示すように、溝21を逆方向に傾斜させることも可能である。このように、溝21が傾斜していても空気を切るので、ファン効果が得られる。
【0039】
上述した本発明の第1,第2実施形態例及び第1〜第3参考例では、回転ラビリンス7が上向きの場合でも、下向きの場合でも、ファン作用によるシール効果の向上が得られる。
【0040】
上記本発明の第1,第2実施形態例及び第1〜第3参考例を、任意のもの同士組み合わせて用いることが可能である。
【0041】
[第4参考例]
図13〜図14を参照して、第4参考例に係るラビリンスシールの構造を説明する。図13はラビリンスシールの縦断面図、図14は図13中の渦巻き状溝を有する環状凹部外周側面を示す斜視図である。
【0042】
図13〜図14に示すラビリンスシール6も、図17に示した立軸回転機の軸受部において、軸受2及び潤滑油3を内部に保有する軸受箱1と、この軸受箱を貫通して環状張出部5の側面が軸受2により支持される立軸4との間(軸貫通部)をシールするものである。ラビリンスシール6は回転ラビリンス7と固定ラビリンス8からなり、回転ラビリンス7は立軸の環状張出部5の上面に上向きに形成され、固定ラビリンス8は回転ラビリンス7に対応して、軸受箱の蓋部9の下面に下向きに形成されている。回転ラビリンス7は環状凹部と環状凸部を同心に有し、固定ラビリンス8は回転ラビリンス7の環状凹凸部と嵌まり合う環状凹部と環状凸部を同心に有しており、両ラビリンス7、8は相対回転可能に嵌まり合っている。
【0043】
本例では、ラビリンスシール6を構成する回転ラビリンス7において、環状凹部の内周側面19と外周側面20のうち、全ての外周側面20にその根元から先端まで、渦巻き状に溝22を加工してある。この渦巻き状溝(ねじ溝)22は回転ラビリンス7が右回転するものであれば右ねじ溝とし、左回転するものであれば左ねじ溝とされる。
【0044】
このように、回転ラビリンス7の環状凹部外周側面20に渦巻き状溝22を設けたことにより、この外周側面20に凹凸構造が形成され、この凹凸構造が簡易なファンと同等の作用を持つので、軸回転時にラビリンスシール6の室内の圧力が高くなり、オイルミストに対するシール効果が向上する。また、回転速度が速いほど圧力が高まりシール効果が高い。従って、従来のような外部から圧力空気を吹き込むための空気配管を省略することができる。言い換えれば、ねじ加工のみでシール効果が向上するので、油漏れ防止構造の信頼性が向上し、また、部品(回転ラビリンス7)の製作費用、並びに、ラビリンスシール6を含め軸受部の組立作業コストが低減する。
【0045】
更に、立軸回転機を運転後に停止した場合は、軸受箱内の内圧により回転ラビリンス7の環状凹部内に潤滑油が溜まるが、次の運転時に、遠心力により渦巻き状溝22を通して環状凹部の外部へ掻き出され、最終的に軸受箱内に戻るので、環状凹部内に潤滑油が溜まり続けることがない。従って、立軸回転機を停止しても潤滑油が漏れることはない。これは、回転ラビリンス7が上向きの場合に特に効果的である。
【0046】
渦巻き状溝22の溝形状は三角溝や丸溝等、適宜な形状で良い。
【0047】
渦巻き状溝22のファン作用によるシール効果の向上のみを目的とする場合は、回転ラビリンス7は上向きでも、下向きでも良く、渦巻き状溝22を環状凹部外周側面20の根元から先端まで全てに渡って形成しなくても良い。また、渦巻き状溝22を設ける環状凹部の数、溝ピッチや溝幅も、ラビリンス6の室内の圧力をどの程度高めるかによって、適宜設定することができる。
【0048】
更に、渦巻き状溝22よる潤滑油の掻き出効果を目的とする場合も、環状凹部内にどの程度潤滑油が溜まるかによって、溝ピッチや溝幅を適宜設定することができる。
【0049】
[第5参考例]
図15〜図16を参照して、第5参考例に係るラビリンスシールの構造を説明する。図15はラビリンスシールの縦断面図、図16は図15中の渦巻き状溝を有する環状凹部内周側面を示す斜視図である。
【0050】
図15〜図16に示すラビリンスシール6は、図13〜図14に示した第4参考例とは逆に、環状凹部の内周側面19に、渦巻き状に溝22を加工してある。この場合も、渦巻き状溝(ねじ溝)22は回転ラビリンス7が右回転するものであれば右ねじ溝とし、左回転するものであれば左ねじ溝とされる。
【0051】
このように、回転ラビリンス7の環状凹部内周側面19に渦巻き状溝22を設けたことにより、この内周側面19に凹凸構造が形成され、この凹凸構造が簡易なファンと同等の作用を持つので、軸回転時にラビリンスシール6の室内の圧力が高くなり、オイルミストに対するシール効果が向上する。また、回転速度が速いほど圧力が高まりシール効果が高い。従って、従来のような外部から圧力空気を吹き込むための空気配管を省略することができる。
【0052】
この場合、回転ラビリンス7は上向きでも、下向きでも良く、渦巻き状溝22を環状凹部内周側面19の根元から先端まで全てに渡って形成しても、あるいは、一部のみに形成しても良い。更に、渦巻き状溝22を設ける環状凹部の数、あるいは、溝ピッチや溝幅もラビリンス6の室内の圧力をどの程度高めるかによって、適宜設定することができる。
【0053】
上述の第4参考例と第5参考例を組み合わせて用いるようにしても良い。また、第4,第5参考例の両方又は一方に、前述の本発明の第1,第2実施形態例及び第1〜第3参考例のうち1つ又は複数を組み合わせて用いる用にしても良い。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のラビリンスシールによれば、回転ラビリンスに凹凸構造が形成され、この凹凸構造がファン作用を持つので、軸回転時にラビリンスシールの室内の圧力が高くなり、オイルミストに対するシール効果が向上する。また、回転速度が速いほどシール効果が高い。従って、従来のような外部から圧力空気を吹き込むための空気配管を省略することができる。また、穴ぐり加工や、切欠加工、溝加工、ねじ加工等でシール効果が向上するので、油漏れ防止構造の信頼性が向上し、また、部品製作費用、並びに、ラビリンスシールや軸受部の組立作業コストが低減する。
【0055】
また、凹凸構造が持つファン作用に加えて、回転ラビリンスの環状凹部内に溜まった潤滑油が、運転の都度、渦巻き状溝を通して掻き出されて軸受箱内に戻るので、停止時に潤滑油が漏れることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1参考例に係るラビリンスシールの縦断面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図3は図2の円弧 III−III 線に沿う断面図。
【図4】 第2参考例に係るラビリンスシールの縦断面図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】図5の円弧VI−VI線に沿う断面図。
【図7】 本発明の第1実施形態例に係るラビリンスシールの図6に相当する断面図。
【図8】 本発明の第2実施形態例に係るラビリンスシールの図6に相当する断面図。
【図9】 第3参考例に係るラビリンスシールの縦断面図。
【図10】図9のX−X線断面図。
【図11】図10の円弧XI−XI線に沿う断面図。
【図12】溝の傾斜例を示す図。
【図13】 第4参考例に係るラビリンスシールの縦断面図。
【図14】図13中の渦巻き状溝を有する環状凹部外周側面を示す斜視図。
【図15】 第5参考例に係るラビリンスシールの縦断面図。
【図16】図15中の渦巻き状溝を有する環状凹部内周側面を示す斜視図。
【図17】立軸回転機の軸受部におけるラビリンスシールを示す断面図。
【図18】従来のシール効果向上技術の一例を示す断面図。
【図19】従来のシール効果向上技術の他の例を示す断面図。
【図20】図19のXX−XX線断面図。
【符号の説明】
1 軸受箱
2 軸受
3 潤滑油
4 立軸
5 環状張出部
6 ラビリンスシール
7 回転ラビリンス
8 固定ラビリンス
9 蓋部
10 空気配管
11 貫通孔
12 環状凹部の底面
13 穴
14 環状凸部の上面
15 切欠
16 切欠間の傾斜面
16a 切欠間傾斜面の下流端
16b 切欠間傾斜面の上流端
17 回転方向
18 切欠の傾斜底面
18a 切欠傾斜底面の下流端
18b 切欠傾斜底面の上流端
19 環状凹部の内周側面
20 環状凹部の外周側面
21 溝
21a 溝根元
21b 溝先端
22 渦巻き状溝[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a structure of a labyrinth seal that seals between a bearing box and a bearing housing containing lubricating oil and a vertical shaft.
[0002]
[Prior art]
A labyrinth seal may be provided on the bearing part of a vertical shaft rotating machine for the purpose of preventing oil leakage.
[0003]
FIG. 17 shows an example of a bearing portion of a vertical shaft rotating machine, and the bearing housing 1 has a
[0004]
The
[0005]
However, when the rotational speed of the
[0006]
As a countermeasure, there is a case where a structure in which pressurized air is blown into the
[0007]
However, since the air pipe 10 must be provided in a limited space of the bearing portion, the workability is poor and the cost is increased.
[0008]
On the other hand, when the vertical axis rotating machine stops, oil mist collects in the concave portion of the rotating
[0009]
As a countermeasure, a labyrinth seal structure disclosed in Japanese Utility Model Laid-Open No. 56-108059 is known. As shown in FIGS. 19 and 20, this structure is provided with a communication path that opens to the bearing housing 1 by opening a through
[0010]
However, since the radial fan fan effect of the rotating
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a labyrinth seal that can effectively prevent leakage of oil mist during rotation without providing an air pipe for blowing pressurized air from the outside by providing an uneven structure on the rotation labyrinth to enhance the fan effect. Is to provide. In addition to this, it is also an object of the present invention to provide a labyrinth seal that can effectively prevent leakage of lubricating oil when stopped.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The labyrinth seal of the invention according to claim 1 is a labyrinth seal that seals between a bearing and a bearing box containing lubricating oil and a vertical shaft , wherein a plurality of notches are provided on the upper surface of the annular convex portion of the rotating labyrinth, and the annular convex portion An inclined surface having a downstream end lower than an upstream end with respect to the rotation direction of the rotation labyrinth is provided between the cutouts.
[0013]
A labyrinth seal according to a second aspect of the invention is a labyrinth seal that seals between a bearing and a bearing box containing lubricating oil and a vertical shaft, and a plurality of cutouts are provided on the upper surface of the annular convex portion of the rotating labyrinth to rotate the rotating labyrinth. Regarding the direction, the downstream end of the bottom surface of the notch is lower than the upstream end, and the bottom surface is inclined.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, exemplary embodiments of the present invention will be described with reference to FIGS.
[0017]
[ First Reference Example ]
With reference to FIGS. 1-3, the structure of the labyrinth seal which concerns on a 1st reference example is demonstrated. 1 is a longitudinal sectional view of the labyrinth seal, FIG. 2 is a sectional view taken along the line II-II in FIG. 1, and FIG. 3 is a sectional view taken along the arc III-III line in FIG.
[0018]
The
[0019]
In this example, in the rotating
[0020]
Thus, by providing the
[0021]
The number of the annular recesses provided with the
[0022]
[ Second Reference Example ]
With reference to FIGS. 4-6, the structure of the labyrinth seal which concerns on a 2nd reference example is demonstrated. 4 is a longitudinal sectional view of the labyrinth seal, FIG. 5 is a sectional view taken along the line VV of FIG. 4, and FIG. 6 is a sectional view taken along the arc VI-VI line of FIG.
[0023]
The
[0024]
In this example, in the
[0025]
Thus, by providing the
[0026]
The number of annular projections provided with the
[0027]
[ First Embodiment ]
With reference to FIG. 7, the structure of the labyrinth seal according to the first embodiment of the present invention will be described. FIG. 7 is a cross-sectional view corresponding to FIG.
[0028]
In this example, an
[0029]
Thereby, since the
[0030]
[ Second Embodiment ]
The structure of the labyrinth seal according to the second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 8 is a cross-sectional view corresponding to FIG.
[0031]
This example is a modification of the above-described first embodiment , and is formed by inclining the
[0032]
Thereby, since the
[0033]
[ Third reference example ]
With reference to FIGS. 9-11, the structure of the labyrinth seal which concerns on a 3rd reference example is demonstrated. 9 is a longitudinal sectional view of the labyrinth seal, FIG. 10 is a sectional view taken along the line XX of FIG. 9, and FIG. 11 is a sectional view taken along the arc XI-XI of FIG.
[0034]
The
[0035]
In this example, in the
[0036]
Thus, by providing the
[0037]
The
[0038]
As shown in FIG. 12, the
[0039]
In the first and second embodiment examples and the first to third reference examples of the present invention described above , the improvement of the sealing effect by the fan action can be obtained regardless of whether the
[0040]
Any of the first and second embodiments and the first to third reference examples of the present invention can be used in combination.
[0041]
[ Fourth Reference Example ]
The structure of the labyrinth seal according to the fourth reference example will be described with reference to FIGS. 13 is a longitudinal sectional view of the labyrinth seal, and FIG. 14 is a perspective view showing the outer peripheral side surface of the annular recess having the spiral groove in FIG.
[0042]
The
[0043]
In this example, in the
[0044]
As described above, by providing the
[0045]
Further, when the vertical shaft rotating machine is stopped after operation, the lubricating oil is accumulated in the annular recess of the
[0046]
The groove shape of the
[0047]
When the purpose is only to improve the sealing effect by the fan action of the
[0048]
Furthermore, also when aiming at the effect of scraping the lubricating oil by the
[0049]
[ Fifth Reference Example ]
With reference to FIGS. 15-16, the structure of the labyrinth seal which concerns on a 5th reference example is demonstrated. FIG. 15 is a longitudinal sectional view of the labyrinth seal, and FIG. 16 is a perspective view showing the inner peripheral side surface of the annular recess having the spiral groove in FIG.
[0050]
In the
[0051]
As described above, by providing the
[0052]
In this case, the
[0053]
The fourth reference example and the fifth reference example described above may be used in combination. Also, one or more of the first and second embodiments of the present invention and the first to third reference examples described above may be used in combination with one or more of the fourth and fifth reference examples. good.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, according to the labyrinth seal of the present invention , the concave / convex structure is formed in the rotating labyrinth, and this concave / convex structure has a fan action. The sealing effect is improved. Moreover, the higher the rotational speed, the higher the sealing effect. Therefore, the conventional air piping for blowing in pressure air from the outside can be omitted. In addition, since the sealing effect is improved by drilling, notching, grooving, screwing, etc., the reliability of the oil leakage prevention structure is improved, the cost of manufacturing parts, and the assembly of labyrinth seals and bearings Work cost is reduced.
[0055]
In addition to the fan action of the concavo-convex structure, the lubricating oil accumulated in the annular recess of the rotating labyrinth is scraped through the spiral groove and returned to the bearing box at every operation, so that the lubricating oil leaks when stopped. There is nothing.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a labyrinth seal according to a first reference example .
2 is a cross-sectional view taken along line II-II in FIG.
3 is a cross-sectional view taken along arc III-III in FIG.
FIG. 4 is a longitudinal sectional view of a labyrinth seal according to a second reference example .
5 is a cross-sectional view taken along line VV in FIG.
6 is a cross-sectional view taken along a line VI-VI in FIG.
7 is a cross-sectional view corresponding to FIG. 6 of the labyrinth seal according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a cross-sectional view corresponding to FIG. 6 of a labyrinth seal according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a longitudinal sectional view of a labyrinth seal according to a third reference example .
10 is a sectional view taken along line XX in FIG.
11 is a cross-sectional view taken along a line XI-XI in FIG.
FIG. 12 is a diagram showing an example of groove inclination.
FIG. 13 is a longitudinal sectional view of a labyrinth seal according to a fourth reference example .
14 is a perspective view showing an outer peripheral side surface of an annular recess having a spiral groove in FIG. 13;
FIG. 15 is a longitudinal sectional view of a labyrinth seal according to a fifth reference example .
16 is a perspective view showing an inner peripheral side surface of an annular recess having a spiral groove in FIG. 15;
FIG. 17 is a cross-sectional view showing a labyrinth seal in a bearing portion of a vertical shaft rotating machine.
FIG. 18 is a cross-sectional view showing an example of a conventional sealing effect improving technique.
FIG. 19 is a cross-sectional view showing another example of a conventional sealing effect improving technique.
20 is a sectional view taken along line XX-XX in FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
Claims (2)
回転ラビリンスの環状凸部の上面に切欠を複数設け、
前記環状凸部の上面に、前記切欠どうしの間にて、回転ラビリンスの回転方向に関して下流端が上流端より低い傾斜面を設けた
ことを特徴とするラビリンスシール。In the labyrinth seal that seals between the bearing housing and the bearing housing containing the lubricating oil and the vertical shaft,
A plurality of notches are provided on the upper surface of the annular convex portion of the rotating labyrinth,
A labyrinth seal characterized in that an inclined surface whose downstream end is lower than the upstream end in the rotational direction of the rotational labyrinth is provided on the upper surface of the annular convex portion between the notches.
回転ラビリンスの環状凸部の上面に切欠を複数設け、
回転ラビリンスの回転方向に関し、前記切欠の底面の下流端が上流端より低く、該底面が傾斜している
ことを特徴とするラビリンスシール。In the labyrinth seal that seals between the bearing housing and the bearing housing containing the lubricating oil and the vertical shaft,
Provide multiple notches on the upper surface of the annular convex part
The labyrinth seal characterized in that the downstream end of the bottom surface of the notch is lower than the upstream end with respect to the rotational direction of the rotational labyrinth, and the bottom surface is inclined.
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