JP4096645B2 - Nickel powder manufacturing method, nickel powder, conductive paste, and multilayer ceramic electronic component - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、ニッケル粉末及びその製造方法、ならびに導電性ペーストに関し、さらに、導電性ペーストを用いて内部電極が形成される積層セラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品は、素子中に内部電極(内部導体)を備えており、この内部電極は、通常、金属粉末を導電成分として含有する導電性ペーストを用いて形成されている。
導電性ペーストとしては、従来より、Ag、Ag−Pdなどの貴金属粉末を導電成分とする導電性ペーストが一般的に用いられてきたが、近年、コスト削減のために、卑金属粉末を導電成分とする導電性ペーストが多く用いられるようになっており、その一つにニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストがある。
【0003】
ところで、近年、積層セラミック電子部品の小型化及び薄層化が進むに伴って、導電性ペーストにおいて用いられる金属粉末として、粒径がより小さく均一なものが求められるようになっている。
【0004】
このような微細な金属粉末の製造方法としては、
(1)噴霧熱分解法(特開平10−324906号公報)
(2)還元性ガスによる金属塩蒸気の還元法に代表される気相法(特開平11−80816号公報)
(3)水又は有機溶媒中で、還元剤により金属塩を還元する液相法(特開2000−87121号公報)
などが知られている。
【0005】
そして、上記(3)の液相法は、気相法によるものと比較して、粒度分布のバラツキの少ないシャープな金属粉末(ニッケル粉末など)を製造することが可能であることから、生産設備の簡便さとあいまって、微細な金属粒子の製造方法として、広く用いられるようになっている。
【0006】
しかしながら、上記(3)の液相法で、例えば、目標とする粒径が0.2μm以下というような微細なニッケル粉末を製造しようとすると、その還元反応は不純物の影響を受けやすく、ppmオーダーもしくはそれ以下の不純物混入によっても生成するニッケル粉末は大きな影響を受け、特に原料ロットに含まれる不純物によって、ニッケルの粒径が著しくばらつくという問題点がある。そして、ニッケル粉末に粗大粒子が含まれる場合には、かかるニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて積層セラミック電子部品の内部電極を形成した場合に、電極の表面粗さが粗くなり、内部電極間でショートが発生するという問題点がある。また、粒径の小さい粉末が含まれる場合には、焼成工程における急激な収縮挙動により、層間剥離(デラミネーション)などの欠陥が発生するという問題点がある。したがって、小型で、所望の特性を備えた、信頼性の高い積層セラミック電子部品を製造するためには、微細で、しかも粒径のばらつきの小さく均一なニッケル粉末を得ることが重要となる。
【0007】
また、粒径のばらつきを抑制するための方策として、予めニッケル粉末などの金属粉末の分級処理を行った後、ペースト化する方法もあるが、分級処理により金属粉末の歩留まりが著しく低下してしまうという問題点がある。
【0008】
本願発明は上記問題点を解決するものであり、微細で、粒径の均一なニッケル粉末を効率よく製造することが可能なニッケル粉末の製造方法、該製造方法により製造される微細で、粒径の均一なニッケル粉末、該ニッケル粉末を用いた導電性ペースト、及び該導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミック電子部品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手投】
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)のニッケル粉末の製造方法は、
(a)少なくともアルコールを含む溶媒に塩化ニッケルが溶解され、該塩化ニッケル中のNi100重量部に対して、Ca換算で0.001重量部以上、0.02重量部未満の割合でカルシウム塩が添加されたニッケル塩溶液を用意する工程と、
(b)少なくともアルコールを含む溶媒に還元剤が溶解された還元剤溶液を用意する工程と、
(c)前記ニッケル塩溶液と前記還元剤溶液を混合してニッケル粉末を析出させる工程と
を具備することを特徴としている。
【0010】
本願発明のニッケル粉末の製造方法においては、少なくともアルコールを含む溶媒に塩化ニッケルを溶解させたニッケル塩溶液に、Ni100重量部に対して、Ca換算で0.001重量部以上、0.02重量部未満の割合でカルシウム塩を含有させるようにしているので、このニッケル塩溶液と還元剤溶液を混合することにより、微細で、粒径のばらつきの小さく、均一なニッケル粉末を得ることが可能になる。このように、ニッケル塩溶液にカルシウム塩を含有させた場合に、微細で、粒径の均一なニッケル粉末を得ることが可能になるのは、ニッケルイオンの還元反応において、核生成と成長のバランスを崩し、粒径のばらつきを増大させる特定の不純物元素を、カルシウムがマスキングすることによるものと推測される。
【0011】
また、請求項2のニッケル粉末の製造方法は、前記ニッケル塩溶液及び還元剤溶液のうちの少なくとも一方が水酸化アルカリを含有していることを特徴としている。
【0012】
ニッケル塩溶液と還元剤溶液の少なくとも一方に、水酸化アルカリを含有させることにより、速やかにニッケルイオンを還元できるようになるとともに、水酸化アルカリ濃度によって還元反応速度を調整することが可能になる。
例えばヒドラジンなどの還元剤がニッケルイオンを還元する際には、水酸化物イオンを供給することが必要であるが、この水酸化物イオンの供給が水酸化アルカリによって行われる。なお、水酸化アルカリ濃度が高いほど還元反応速度を高めることが可能になるので、水酸化アルカリ濃度によって還元反応速度を調整することが可能になる。
【0013】
また、請求項3のニッケル粉末の製造方法は、前記カルシウム塩が、カルシウムの塩化物、硫酸塩、硝酸塩のうちの少なくとも1種であることを特徴としている。
【0014】
カルシウム塩として、カルシウムの塩化物、硫酸塩、硝酸塩のうちの少なくとも1種を用いることにより、微細で、粒径のばらつきが小さく、均一なニッケル粉末を確実に製造することが可能になる。
【0015】
また、請求項4のニッケル粉末の製造方法は、前記還元剤が、ヒドラジン、もしくはヒドラジン水和物であることを特徴としている。
【0016】
本願発明においては、種々の還元剤を用いることが可能であるが、ヒドラジン又はヒドラジン水和物を用いることにより、特殊な薬剤を用いることなく、ニッケル塩を確実に還元して、ニッケル粉末を析出させることができるようになり望ましい。なお、ヒドラジンはニッケルイオンを還元する際に、還元されたニッケル中に不純物がほとんど析出しない特徴を持つ還元剤であり、例えば、ホウ素などの不純物が析出した場合に見られるような融点の低下を防止することが可能になる。
【0017】
また、本願発明(請求項5)のニッケル粉末は、請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法によって製造されたものであることを特徴としている。
【0018】
本願発明(請求項5)のニッケル粉末は、請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法によって製造されたニッケル粉末であって、平均粒径が0.2μ m 以下のニッケル粉末であり、微細で粒径のばらつきが小さく、粒径がそろっているので、導電性ペーストの導電成分などの用途に好適に使用することが可能である。
【0019】
また、本願発明(請求項6)の導電性ペーストは、請求項5記載のニッケル粉末と有機ビヒクルとを含有することを特徴としている。
【0020】
本願発明(請求項6)の導電性ペーストは、請求項5記載の、微細で、粒径のばらつきが小さく均一なニッケル粉末を導電成分として用いているので、多層化、薄層化した積層セラミック電子部品の内部電極の形成に用いるのに好適である。
【0021】
また、本願発明(請求項7)の積層セラミック電子部品は、請求項6記載の導電性ペーストの焼結体をセラミック層間に備えていることを特徴としている。
【0022】
本願発明(請求項7)の積層セラミック電子部品は、請求項6の導電性ペーストを用いてセラミック層間に配設される内部電極(焼結体)を形成するようにしているので、緻密で、断線などのない信頼性の高い内部導体を確実に形成することが可能になり、信頼性の高い積層セラミック電子部品を提供することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本願発明のニッケル粉末の製造方法を実施するにあたっては、Ni100重量部に対して、Ca換算で0.001重量部以上、0.02重量部未満の割合でカルシウム塩を含有させたニッケル塩溶液と、還元剤溶液を混合し、ニッケル塩溶液中のニッケルイオンを還元することにより、微細で、粒径のばらつきが小さく、均一なニッケル粉末を析出させる。
【0024】
カルシウム塩の添加量は、ニッケル塩溶液中のNi100重量部に対して、Ca換算で0.001重量部以上、0.02重量部未満、より好ましくは0.015重量部以下の割合とする。これは、Caの添加量が0.001重量部より少ない場合には、不純物元素に対するマスキングが不十分になり、粒径のばらつき低減の効果を十分に奏さなくなり、また、Caの添加量が0.02重量部以上の場合には、添加されたCa自体がニッケルイオンの還元反応に影響を及ぼし、核生成、核成長のバランスを崩して、粒径のばらつきを増大させ、安定した粒径のニッケル粉末が得られなくなることによる。
【0025】
ニッケル塩溶液と還元剤溶液を混合して反応させる際に、ニッケル塩溶液と還元剤溶液の少なくとも一方に、苛性アルカリを含有させておくことにより、速やかにニッケルイオンを還元することが可能になるとともに、苛性アルカリ濃度によって還元反応速度が調整できる。これは、例えば、ヒドラジンなどの還元剤がニッケルイオンを還元する際には、水酸化物イオンの供給が必要であり、水酸化アルカリ濃度が高いほど還元反応速度が高くなることによる。
なお、水酸化アルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、アンモニアから選ばれた1種以上が用いられる。
また、カルシウム塩としては、カルシウムの塩化物、硫酸塩、硝酸塩などが用いられる。
【0026】
還元剤としては、ヒドラジン、もしくはヒドラジン水和物が好適に用いられる。ヒドラジンはニッケルイオンを還元する際に、還元された金属中に不純物がほとんど析出しない特徴を持つ還元剤であり、例えば、ホウ素などの不純物が析出した場合に見られるような融点の低下を防止することが可能になる。
なお、不純物の混入が問題にならない用途に使用されるニッケル粉末を製造する場合には、他の還元剤、例えば、ホルマリン、水素化硼素ナトリウム、ジメチルアミンボランなどを使用することも可能である。
【0027】
溶媒としては、アルコール、又はアルコールと水の混合溶液が用いられる。ここでアルコールとしては、好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール等の1価のアルコールの少なくとも1種が用いられる。
【0028】
上記のようなニッケル塩溶液と還元剤溶液を混合し、反応させることによって、ニッケル粒子の凝結が少なく、粒度分布がシャープで、例えば粒径0.2μm以下の微細なニッケル粉末を製造することが可能になる。
粗大粒子が少なく、粒径が均一で微細な(粒径0.2μm以下)ニッケル微粉末は、多層化、薄層化された積層セラミック電子部品の内部電極形成用の導電性ペーストの導電成分(金属粉末)として好適に用いることができる。
【0029】
本願発明の、より特定的に好ましい実施形態では、溶媒中に水酸化ナトリウムを0.5〜30モル/リットルの割合で溶解させるとともに、ヒドラジン又はヒドラジン水和物を、ニッケル塩を還元するために化学量論的に必要な量から、当該必要な量の15倍の量までの範囲で溶解させることにより還元剤溶液を調製する。
他方、溶媒中にニッケルの塩化物を0.01〜2.0モル/リットルの割合で、カルシウムの塩化物を、Ca換算でNi100重量部に対して0.001重量部以上、0.02重量部未満の割合でそれぞれ投入して溶解させることによりニッケル塩溶液を調製する。
【0030】
そして、上記のようにして調製した還元剤溶液とニッケル塩溶液を混合する。このときの液温は90℃以下とすることが好ましい。90℃以上では、還元反応が激しくなり、反応液の突沸などが生じる場合があり危険である。混合の手順は撹拌している還元剤溶液にニッケル塩溶液を滴下することが望ましい。このようにして還元剤溶液とニッケル塩溶液を混合することにより、ニッケルイオンが還元剤によって還元され、微細で、粒径のばらつきが小さく均一なニッケル粉末が析出する。
その後、析出したニッケル粉末を洗浄し、乾燥することにより、微細で、粒径のばらつきが小さく、均一な、例えば粒径が0.2μm以下のニッケル粉末が得られる。
【0031】
【実施例】
以下、本願発明の実施例を示して、発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
<ニッケル粉末の製造>
水酸化ナトリウム30gと、20%の水を含む抱水ヒドラジン80gを、3000mlのビーカーを用いて、エタノール1000mlに溶解して還元剤溶液を調製した。
【0032】
一方、塩化ニッケル・六水和物50gと、塩化カルシウム・二水和物を以下の割合で配合し、2000mlビーカーを用いてエタノール1000mlに溶解して、表1の試料番号1)〜8)に対応するニッケル塩溶液を調製した。
なお、塩化ニッケル・六水和物と塩化カルシウム・二水和物の配合割合は、前者の塩化ニッケル・六水和物が50g一定で、後者の塩化カルシウム・二水和物を、Ni100重量部に対してCa換算で以下の割合となるようにした。
1) 0重量部(添加なし)
2) 0.0001重量部
3) 0.001重量部
4) 0.005重量部
5) 0.01重量部
6) 0.015重量部
7) 0.02重量部
8) 0.025重量部
【0033】
そして、ニッケル塩溶液及び還元剤溶液の両方を液温を60℃に加熱し、撹拌が行われている状態の還元剤溶液にニッケル塩溶液を滴下した。なお、反応中は、直径30mmの3枚羽を用いて、200rpmの速度で撹拌を続けた。
ニッケル塩投入後、15分間撹拌を続け、反応終了後に反応溶液からニッケル粉末を分離・回収し、純水で洗浄した後、アセトンで洗浄しオーブン中で乾燥することにより、表1の試料番号1)〜8)のニッケル粉末を得た。
【0034】
それから、乾燥後のニッケル粉末を5万倍の走査型電子顕微鏡で観察し、無作為の粒子100個についてその粒径を測定した。そして、このときの100個の粉末の平均粒径と、標準偏差σを求め、粒径のばらつきの指標であるCV値((σ/平均粒径)×100%)を算出した。
【0035】
<導電性ペーストの調製>
表1の試料番号1)〜8)のニッケル粉末を導電成分として、以下の方法で導電性ペーストを調製した。
上述のようにして得た試料番号1)〜8)のニッケル粉末50重量部に対して、エチルセルロース系バインダ10重量部をテルピネオール90重量部に溶解させた有機ビヒクル50重量部を加えた。それから、3本ロールミルにより入念に分散混合処理を行うことにより、導電成分であるニッケル粉末が十分に分散された導電性ペーストを試料番号1)〜8)のそれぞれのニッケル粉末について調製した。
【0036】
<積層セラミックコンデンサの作製>
それから、この導電性ペーストを、BaTiO3を主成分とする、耐還元性セラミックを用いたグリーンシートに印刷した後、グリーンシートを積層し、焼成を行った後、外部電極を形成することにより、ニッケルからなる内部電極を備えた積層セラミックコンデンサを作製した。
【0037】
図1は、得られた積層セラミックコンデンサの概略構成を示す断面図である。
この積層セラミックコンデンサは、複数の内部電極2がセラミック層1を介して互いに対向するように配設され、かつ、その一端側が交互に異なる側の端面に引き出されたセラミック素子3の両端側に、内部電極2と導通するように一対の外部電極4,4が配設された構造を有している。なお、この積層セラミックコンデンサにおいて、焼成後のセラミック層1の厚みは3μmであり、内部電極2の積層数は50層である。
【0038】
次いで、得られた各積層セラミックコンデンサ(サンプル数n=100)について、以下の方法によりショート不良率及び層間の剥離発生率を調べた。
ショート不良率については、積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗を、IRメータにより測定し、全試料に対するショート不良の発生した試料の比率を求め、ショート不良率とした。
また、層間の剥離発生率については、試料断面を研磨し、顕微鏡観察することにより、層間剥離の有無を判定し、全試料に対する層間剥離の発生した試料の比率を求め、剥離発生率とした。
その結果を表1に示す。なお、試料番号に*印を付したものは本願発明の範囲外のものである。
【0039】
【表1】
【0040】
表1に示すように、カルシウム塩の添加量が、Ca換算でNi100重量部に対して0.001重量部以上、0.02重量部未満の条件で製造した、本願発明の範囲内の試料番号3),4),5),6)のニッケル粉末の場合、CV値は10%以下と小さく、粒径のばらつきは小さかった。
また、本願発明の範囲内の試料番号3),4),5),6)のニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサのショート不良率は3〜5%程度と低い値であり、また、剥離発生率はいずれも0%であった。
なお、試料番号3),4),5),6)のニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサにおいてショート不良が発生した数%の不良品を調べたところ、ショート不良はグリーンシートに含まれるピンホールなどの欠陥によるものであって、金属粉末中に含まれる粗大粒子の影響によるものではないことが確認された。
【0041】
これに対して、カルシウム塩の添加量が、Ca換算でNi100重量部に対して0.001重量部より少ない条件で製造した試料番号1),2)のニッケル粉末の場合、平均粒径は0.10μmで、本願発明の範囲内の試料番号3),4),5),6)のニッケル粉末と同じであったが、CV値は28%以上と大きく、粒径のばらつきが大きくなった。このニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサにおいては、ショート不良率、剥離発生率ともに、本願発明の範囲内の試料番号3),4),5),6)のニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサの場合よりも大きな値となった。なお、試料番号1),2)のニッケル粉末を用いた場合にショート不良率が大きくなったのは、ニッケル粉末中に粗大粒子が含まれていたことによるものであり、また、剥離発生率が大きくなったのは、ニッケル粉末中に粒径の小さいものが含まれていたことによるものである。
【0042】
また、カルシウム塩の添加量が、Ca換算でNi100重量部に対して0.02重量部より多い条件で製造した試料番号7),8)のニッケル粉末は、本願発明の範囲内の試料番号3),4),5),6)のニッケル粉末よりも平均粒径が大幅に小さく、CV値が大きくなった。これは、Caの割合が大きくなりすぎて、Ca自体がニッケルイオンの還元反応に影響を及ぼし、核生成と成長のバランスを崩してしまうことによるものと推測される。
また、試料番号7),8)のニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサにおいては、ショート不良率が31%以上と大きくなった。これは、ニッケル粉末の粒径のばらつきが大きいことによるものである。
また、試料番号7),8)のニッケル粉
末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサにおいては、剥離発生率が20%以上と大きかった。これは、ニッケル粉末の平均粒径が小さく、しかも、粒径のばらつきが大きいことによるものである。
【0043】
[実施例2]
<ニッケル粉末の製造>
水酸化カリウム30gと、20%の水を含む抱水ヒドラジン80gを、3000mlのビーカーを用いて、水とエタノールの50:50(容積比)の混合溶液1000mlに溶解して還元剤溶液を作製した。
【0044】
一方、塩化ニッケル・六水和物90gと、塩化カルシウム・二水和物を以下の割合で配合し、2000mlビーカーを用いて水とエタノールの50:50(容積比)の混合溶液1000mlに溶解して、表2の試料番号11)〜18)に対応するニッケル塩溶液を調製した。
なお、塩化ニッケル・六水和物と塩化カルシウム・二水和物の配合割合は、前者の塩化ニッケル・六水和物が90g一定で、後者の塩化カルシウム・二水和物を、Ni100重量部に対してCa換算で以下の割合となるようにした。
11) 0重量部(添加なし)
12) 0.0001重量部
13) 0.001重量部
14) 0.005重量部
15) 0.01重量部
16) 0.015重量部
17) 0.02重量部
18) 0.025重量部
【0045】
そして、ニッケル塩溶液及び還元剤溶液の両方を液温を60℃に加熱し、撹拌が行われている状態の還元剤溶液にニッケル塩溶液を滴下した。反応中は、直径30mmの3枚羽を用いて、150rpmの速度で撹拌を続けた。
ニッケル塩投入後、20分間撹拌を続け、反応終了に反応溶液からニッケル粉末を分離・回収し、純水で洗浄した後、アセトンで洗浄しオーブン中で乾燥することにより、表2の試料番号11)〜18)のニッケル粉末を得た。
【0046】
それから、乾燥後のニッケル粉末を5万倍の走査型電子顕微鏡で観察し、無作為の粒子100個についてその粒径を測定した。そして、このときの100個の粉末の平均粒径と、標準偏差σを求め、粒径のばらつきの指標であるCV値((σ/平均粒径)×100%)を算出した。
【0047】
<導電性ペーストの調製>
表2の試料番号11)〜18)のニッケル粉末を導電成分として、以下の方法で導電性ペーストを調製した。
上述のようにして得た試料番号11)〜18)のニッケル粉末50重量部に対して、エチルセルロース系バインダ10重量部をテルピネオール90重量部に溶解させた有機ビヒクル50重量部を加えた。それから、3本ロールミルにより入念に分散混合処理を行うことにより、導電成分であるニッケル粉末が十分に分散した導電性ペーストを試料番号11)〜18)のそれぞれのロットのニッケル粉末について調製した。
【0048】
<積層セラミックコンデンサの作製>
それから、この導電性ペーストを、BaTiO3を主成分とする、耐還元性セラミックを用いたグリーンシートに印刷した後、グリーンシートを積層し、焼成を行った後、外部電極を形成することにより、ニッケルからなる内部電極を備えた積層セラミックコンデンサを作製した。この積層セラミックコンデンサの構造は、上記実施例1の場合と同様であることから、その説明を省略する。なお、この実施例2の積層セラミックコンデンサにおいても、焼成後のセラミック層の厚みは3μm、内部電極の積層数は50層とした。
【0049】
次いで、得られた各積層セラミックコンデンサ(サンプル数n=100)について、上記実施例1の場合と同様の方法によりショート不良率及び層間の剥離発生率を調べた。
その結果を表2に示す。なお、試料番号に*印を付したものは本願発明の範囲外のものである。
【0050】
【表2】
【0051】
表2に示すように、カルシウム塩の添加量が、Ca換算でNi100重量部に対して0.001重量部以上、0.02重量部未満の条件で製造した、本願発明の範囲内の試料番号13),14),15),16)のニッケル粉末の場合、CV値は4〜7%と小さく、粒径のばらつきは小さかった。
また、本願発明の範囲内の試料番号13),14),15),16)のニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサのショート不良率は2〜5%程度と低い値であり、また、剥離発生率はいずれも0%であった。
なお、試料番号13),14),15),16)のニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサにおいてショート不良が発生した数%の不良品を調べたところ、ショート不良はグリーンシートに含まれるピンホールなどの欠陥によるものであって、金属粉末中に含まれる粗大粒子の影響によるものではないことが確認された。
【0052】
これに対して、カルシウム塩の添加量が、Ca換算でNi100重量部に対して0.001重量部より少ない条件で製造した試料番号11),12)のニッケル粉末の場合、平均粒径は0.18μmで、本願発明の範囲内の試料番号13),14),15),16)のニッケル粉末の場合と同じであったが、CV値は26%以上と大きく、粒径のばらつきが大きくなった。このニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサにおいては、ショート不良率、剥離発生率ともに、本願発明の範囲内の試料番号13),14),15),16)のニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサの場合よりも大きな値となった。なお、試料番号11),12)のニッケル粉末を用いた場合にショート不良率が大きくなったのは、ニッケル粉末中に粗大粒子が含まれていたことによるものであり、また、剥離発生率が大きくなったのは、ニッケル粉末中に粒径の小さいものが含まれていたことによるものである。
【0053】
また、カルシウム塩の添加量が、Ca換算でNi100重量部に対して0.02重量部より多い条件で製造した試料番号17),18)のニッケル粉末は、本願発明の範囲内の試料番号13),14),15),16)のニッケル粉末よりも平均粒径が大幅に小さく、CV値が大きくなった。これは、Caの割合が大きくなりすぎて、Ca自体がニッケルイオンの還元反応に影響を及ぼし、核生成と成長のバランスを崩してしまうことによるものと推測される。
また、試料番号17),18)のニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサにおいては、ショート不良率が26%以上と大きくなった。これは、ニッケル粉末の粒径のばらつきが大きいことによるものである。
また、試料番号17),18)のニッケル粉末を導電成分とする導電性ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサにおいては、剥離発生率が21%以上と大きかった。これは、ニッケル粉末の平均粒径が小さく、しかも、粒径のばらつきの大きいことによるものである。
【0054】
なお、上記実施例では、積層セラミックコンデンサ、それに用いられる導電性ペースト、及び該導電性ペーストの導電成分として用いられるニッケル粉末を例にとって説明したが、本願発明はこれらに限らず、積層型インダクタ、多層セラミック基板などの他の積層セラミック電子部品、それに用いられる導電性ペースト、及びその導電成分として用いられるニッケル粉末についても適用することも可能である。
【0055】
また、上記実施例では、ニッケル塩溶液に添加されるカルシウム塩が塩化物である場合について説明したが、カルシウム塩はこれに限られるものではなく、他の硫酸塩、硝酸塩などを用いても同様の効果を得ることが可能である。
【0056】
なお、本願発明は、その他の点においても上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、ニッケル粉末の製造方法の具体的な条件、導電性ペーストの組成、本願発明の導電性ペーストを用いて製造される積層セラミック電子部品の構成などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0057】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)のニッケル粉末の製造方法においては、少なくともアルコールを含む溶媒に塩化ニッケルを溶解させたニッケル塩溶液に、Ni100重量部に対して、Ca換算で0.001重量部以上、0.02重量部未満、より好ましくは0.015重量部以下の割合でカルシウム塩を含有させるようにしているので、このニッケル塩溶液と還元剤溶液を混合することにより、微細で、粒径のばらつきの小さく、均一なニッケル粉末を得ることができる。
【0058】
また、請求項2のニッケル粉末の製造方法のように、ニッケル塩溶液と還元剤溶液の少なくとも一方に、水酸化アルカリを含有させるようにした場合、速やかにニッケルイオンを還元できるようになるとともに、水酸化アルカリ濃度によって還元反応速度を調整することができる。
【0059】
また、請求項3のニッケル粉末の製造方法のように、カルシウム塩として、カルシウムの塩化物、硫酸塩、硝酸塩のうちの少なくとも1種を用いることにより、微細で、粒径のばらつきが小さく、均一なニッケル粉末を確実に製造することができるようになる。
【0060】
また、本願発明においては、種々の還元剤を用いることが可能であるが、請求項4のニッケル粉末の製造方法のように、ヒドラジン又はヒドラジン水和物を用いることにより、特殊な薬剤を用いることなく、ニッケル塩を確実に還元して、微細で、粒径のばらつきが小さく、均一なニッケル粉末を析出させることができるようになる。
【0061】
また、本願発明(請求項5)のニッケル粉末は、請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法によって製造されたニッケル粉末であって、平均粒径が0.2μ m 以下のものであり、微細で粒径のばらつきが小さく、粒径がそろっているので、導電性ペーストの導電成分などの用途に好適に用いることができる。
【0062】
また、本願発明(請求項6)の導電性ペーストは、請求項5記載の、微細で、粒径のばらつきが小さく均一なニッケル粉末を導電成分として含有させるようにしているので、多層化、薄層化を図った積層セラミック電子部品の内部電極の形成に好適に用いることができる。
【0063】
また、本願発明(請求項7)の積層セラミック電子部品は、請求項6の導電性ペーストを用いてセラミック層間に配設される内部電極(焼結体)を形成するようにしているので、緻密で、断線などのない信頼性の高い内部導体を確実に形成することが可能になり、信頼性の高い積層セラミック電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の一実施例にかかる積層セラミックコンデンサの概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック層
2 内部電極
3 セラミック素子
4 外部電極[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to nickel powder, a method for producing the same, and a conductive paste, and further relates to a multilayer ceramic electronic component in which internal electrodes are formed using the conductive paste.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
A multilayer ceramic electronic component such as a multilayer ceramic capacitor has an internal electrode (internal conductor) in the element, and this internal electrode is usually formed using a conductive paste containing metal powder as a conductive component. .
As a conductive paste, a conductive paste having a noble metal powder such as Ag or Ag-Pd as a conductive component has been generally used. However, in recent years, a base metal powder is used as a conductive component in order to reduce costs. In many cases, a conductive paste containing nickel powder as a conductive component is used.
[0003]
Incidentally, in recent years, with the progress of miniaturization and thinning of multilayer ceramic electronic components, metal powders having a smaller particle size and being uniform are required as metal powders used in conductive pastes.
[0004]
As a method for producing such a fine metal powder,
(1) Spray pyrolysis method (Japanese Patent Laid-Open No. 10-324906)
(2) Gas phase method represented by metal salt vapor reduction method using reducing gas (Japanese Patent Laid-Open No. 11-80816)
(3) Liquid phase method in which a metal salt is reduced with a reducing agent in water or an organic solvent (Japanese Patent Laid-Open No. 2000-87121)
Etc. are known.
[0005]
The liquid phase method (3) above can produce sharp metal powders (nickel powders, etc.) with less variation in particle size distribution compared to the vapor phase method. Combined with the simplicity of the method, it is widely used as a method for producing fine metal particles.
[0006]
However, when trying to produce a fine nickel powder with a target particle size of 0.2 μm or less, for example, by the liquid phase method of (3) above, the reduction reaction is easily affected by impurities and is in the order of ppm. Alternatively, the nickel powder produced by contamination with impurities less than that is greatly affected, and there is a problem that the particle size of nickel varies greatly depending on the impurities contained in the raw material lot. And when the coarse particles are included in the nickel powder, when the internal electrode of the multilayer ceramic electronic component is formed using a conductive paste having the nickel powder as a conductive component, the surface roughness of the electrode becomes rough, There is a problem that a short circuit occurs between the internal electrodes. In addition, when a powder having a small particle size is included, there is a problem that defects such as delamination occur due to a rapid shrinkage behavior in the firing process. Therefore, in order to manufacture a small-sized, highly reliable monolithic ceramic electronic component having desired characteristics, it is important to obtain a uniform nickel powder that is fine and has a small variation in particle size.
[0007]
In addition, as a measure for suppressing the variation in particle size, there is a method in which a metal powder such as nickel powder is classified in advance and then pasted, but the classification process significantly reduces the yield of the metal powder. There is a problem.
[0008]
The present invention solves the above-mentioned problems, and a nickel powder production method capable of efficiently producing a fine nickel particle having a uniform particle size, and the fine particle size produced by the production method. An object of the present invention is to provide a uniform nickel powder, a conductive paste using the nickel powder, and a multilayer ceramic electronic component in which internal electrodes are formed using the conductive paste.
[0009]
[Hand throws to solve problems]
In order to achieve the above object, the method for producing nickel powder of the present invention (Claim 1) comprises:
(a)Contains at least alcoholSolventNickel chlorideIs dissolvedNickel chlorideA step of preparing a nickel salt solution to which calcium salt is added in a proportion of 0.001 part by weight or more and less than 0.02 part by weight in terms of Ca with respect to 100 parts by weight of Ni inside,
(b)Contains at least alcoholPreparing a reducing agent solution in which a reducing agent is dissolved in a solvent;
(c) mixing the nickel salt solution and the reducing agent solution to precipitate nickel powder;
It is characterized by comprising.
[0010]
In the method for producing nickel powder of the present invention,Contains at least alcoholSolventDissolved nickel chlorideSince the nickel salt solution contains calcium salt at a ratio of 0.001 part by weight or more and less than 0.02 part by weight with respect to 100 parts by weight of Ni, this nickel salt solution and reducing agent solution It is possible to obtain a nickel powder that is fine, has a small variation in particle size, and is uniform. Thus, when a calcium salt is included in a nickel salt solution, it is possible to obtain a nickel powder having a fine particle size and a uniform particle size in the reduction reaction of nickel ions in the balance between nucleation and growth. It is presumed that calcium is masked by a specific impurity element that breaks down and increases the variation in particle size.
[0011]
The nickel powder manufacturing method according to
[0012]
By containing alkali hydroxide in at least one of the nickel salt solution and the reducing agent solution, nickel ions can be quickly reduced, and the reduction reaction rate can be adjusted by the alkali hydroxide concentration.
For example, when a reducing agent such as hydrazine reduces nickel ions, it is necessary to supply hydroxide ions, which are supplied by alkali hydroxide. Since the reduction reaction rate can be increased as the alkali hydroxide concentration is higher, the reduction reaction rate can be adjusted by the alkali hydroxide concentration.
[0013]
The method for producing nickel powder according to claim 3 is characterized in that the calcium salt is at least one of calcium chloride, sulfate and nitrate.
[0014]
By using at least one of calcium chloride, sulfate, and nitrate as the calcium salt, it is possible to reliably produce a nickel powder that is fine, has a small variation in particle size, and is uniform.
[0015]
The nickel powder production method of claim 4 is characterized in that the reducing agent is hydrazine or hydrazine hydrate.
[0016]
In the present invention, various reducing agents can be used, but by using hydrazine or hydrazine hydrate, the nickel salt is reliably reduced without using a special agent, and nickel powder is precipitated. This is desirable. Hydrazine is a reducing agent having a feature that impurities hardly precipitate in the reduced nickel when reducing nickel ions. For example, hydrazine has a lower melting point as seen when impurities such as boron are precipitated. It becomes possible to prevent.
[0017]
The nickel powder of the present invention (Claim 5) is manufactured by the nickel powder manufacturing method according to any one of Claims 1 to 4.
[0018]
The nickel powder of the present invention (Claim 5) was produced by the method for producing nickel powder according to any one of Claims 1 to 4.Nickel powder with an average particle size of 0.2μ m The following nickel powderSince it is fine and has a small variation in particle size and a uniform particle size, it can be suitably used for applications such as a conductive component of a conductive paste.
[0019]
A conductive paste according to the present invention (Claim 6) is characterized by containing the nickel powder according to Claim 5 and an organic vehicle.
[0020]
The conductive paste of the present invention (Claim 6) uses the fine, small variation in particle size and uniform nickel powder as claimed in claim 5 as the conductive component. It is suitable for use in forming internal electrodes of electronic components.
[0021]
A multilayer ceramic electronic component of the present invention (invention 7) is characterized in that a sintered body of the conductive paste according to claim 6 is provided between ceramic layers.
[0022]
Since the multilayer ceramic electronic component of the present invention (Claim 7) is configured to form internal electrodes (sintered bodies) disposed between ceramic layers using the conductive paste of Claim 6, It becomes possible to reliably form a highly reliable internal conductor without disconnection or the like, and to provide a highly reliable multilayer ceramic electronic component.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In carrying out the method for producing nickel powder of the present invention, a nickel salt solution containing calcium salt at a ratio of 0.001 parts by weight or more and less than 0.02 parts by weight in terms of Ca with respect to 100 parts by weight of Ni; Then, by mixing the reducing agent solution and reducing the nickel ions in the nickel salt solution, a fine nickel powder with a small variation in particle size and a uniform nickel powder is deposited.
[0024]
The addition amount of the calcium salt is 0.001 part by weight or more and less than 0.02 part by weight, more preferably 0.015 part by weight or less in terms of Ca with respect to 100 parts by weight of Ni in the nickel salt solution. This is because when the amount of Ca added is less than 0.001 part by weight, masking with respect to the impurity element becomes insufficient, and the effect of reducing the variation in particle size is not sufficiently achieved. In the case of 0.02 parts by weight or more, the added Ca itself affects the reduction reaction of nickel ions, disrupts the balance of nucleation and growth, increases the dispersion of the particle size, and stabilizes the particle size. This is because nickel powder cannot be obtained.
[0025]
When the nickel salt solution and the reducing agent solution are mixed and reacted, at least one of the nickel salt solution and the reducing agent solution contains caustic alkali, so that nickel ions can be rapidly reduced. At the same time, the reduction reaction rate can be adjusted by the caustic concentration. This is because, for example, when a reducing agent such as hydrazine reduces nickel ions, it is necessary to supply hydroxide ions, and the higher the alkali hydroxide concentration, the higher the reduction reaction rate.
In addition, as an alkali hydroxide, 1 or more types chosen from potassium hydroxide, sodium hydroxide, calcium hydroxide, barium hydroxide, and ammonia are used.
As the calcium salt, calcium chloride, sulfate, nitrate and the like are used.
[0026]
As the reducing agent, hydrazine or hydrazine hydrate is preferably used. Hydrazine is a reducing agent with the feature that impurities hardly precipitate in the reduced metal when nickel ions are reduced. For example, hydrazine prevents the melting point from being lowered when impurities such as boron are precipitated. It becomes possible.
In the case of producing nickel powder that is used for applications in which mixing of impurities does not become a problem, other reducing agents such as formalin, sodium borohydride, dimethylamine borane, and the like can be used.
[0027]
As a solvent, alcoholOrA mixed solution of alcohol and water is used. Here, as the alcohol, preferably, at least one monovalent alcohol such as methanol, ethanol, propanol or the like is used.
[0028]
By mixing and reacting the nickel salt solution and the reducing agent solution as described above, it is possible to produce a fine nickel powder with little aggregation of nickel particles and a sharp particle size distribution, for example, a particle size of 0.2 μm or less. It becomes possible.
Nickel fine powder with few coarse particles and uniform and fine particle size (particle size of 0.2 μm or less) is a conductive component of the conductive paste for forming internal electrodes of multilayered and thinned multilayer ceramic electronic components ( (Metal powder) can be suitably used.
[0029]
In a more particularly preferred embodiment of the present invention, sodium hydroxide is dissolved in a solvent at a rate of 0.5 to 30 mol / liter and hydrazine or hydrazine hydrate is used to reduce the nickel salt. A reducing agent solution is prepared by dissolving in a range from the stoichiometrically required amount to 15 times the required amount.
On the other hand, nickel chloride in the solvent at a rate of 0.01 to 2.0 mol / liter, calcium chloride is 0.001 part by weight or more and 0.02 weight per 100 parts by weight of Ni in terms of Ca. A nickel salt solution is prepared by adding and dissolving each at a ratio of less than 1 part.
[0030]
Then, the reducing agent solution prepared as described above and the nickel salt solution are mixed. The liquid temperature at this time is preferably 90 ° C. or lower. Above 90 ° C., the reduction reaction becomes violent, and the reaction solution may cause bumping, which is dangerous. In the mixing procedure, the nickel salt solution is preferably added dropwise to the stirring reducing agent solution. By mixing the reducing agent solution and the nickel salt solution in this manner, the nickel ions are reduced by the reducing agent, and a fine nickel powder having a small variation in particle size and a uniform particle is deposited.
Thereafter, the deposited nickel powder is washed and dried to obtain a fine nickel powder having a small variation in particle size and uniform, for example, a particle size of 0.2 μm or less.
[0031]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples of the present invention.
[Example 1]
<Manufacture of nickel powder>
A reducing agent solution was prepared by dissolving 30 g of sodium hydroxide and 80 g of hydrazine hydrate containing 20% water in 1000 ml of ethanol using a 3000 ml beaker.
[0032]
On the other hand, nickel chloride hexahydrate 50 g and calcium chloride dihydrate were blended in the following proportions and dissolved in 1000 ml of ethanol using a 2000 ml beaker, and sample numbers 1) to 8) in Table 1 were obtained. Corresponding nickel salt solutions were prepared.
The mixing ratio of nickel chloride / hexahydrate and calcium chloride / dihydrate is 50 g of the former nickel chloride / hexahydrate, and the latter calcium chloride / dihydrate is mixed with 100 parts by weight of Ni. In terms of Ca, the following ratio was set.
1) 0 parts by weight (no addition)
2) 0.0001 parts by weight
3) 0.001 part by weight
4) 0.005 parts by weight
5) 0.01 parts by weight
6) 0.015 part by weight
7) 0.02 part by weight
8) 0.025 part by weight
[0033]
Then, both the nickel salt solution and the reducing agent solution were heated to 60 ° C., and the nickel salt solution was dropped into the reducing agent solution in a state where stirring was performed. During the reaction, stirring was continued at a speed of 200 rpm using three blades with a diameter of 30 mm.
Stirring was continued for 15 minutes after the nickel salt was charged, and after completion of the reaction, nickel powder was separated and recovered from the reaction solution, washed with pure water, washed with acetone, and dried in an oven. ) To 8) nickel powder was obtained.
[0034]
Then, the dried nickel powder was observed with a scanning electron microscope of 50,000 times, and the particle size of 100 random particles was measured. And the average particle diameter and standard deviation (sigma) of 100 powders at this time were calculated | required, and the CV value (((sigma) / average particle diameter) x100%) which is a parameter | index of the dispersion | variation in a particle size was computed.
[0035]
<Preparation of conductive paste>
Using the nickel powders of sample numbers 1) to 8) in Table 1 as conductive components, conductive pastes were prepared by the following method.
50 parts by weight of an organic vehicle in which 10 parts by weight of an ethylcellulose binder was dissolved in 90 parts by weight of terpineol was added to 50 parts by weight of the nickel powders of sample numbers 1) to 8) obtained as described above. Then, a conductive paste in which nickel powder as a conductive component was sufficiently dispersed was prepared for each of the nickel powders of sample numbers 1) to 8) by carefully carrying out a dispersion and mixing treatment with a three roll mill.
[0036]
<Production of multilayer ceramic capacitor>
Then, this conductive paste is used as BaTiO.ThreeA multilayer ceramic with an internal electrode made of nickel by printing on a green sheet using a reduction-resistant ceramic, having the main component, and then laminating and firing the green sheet to form an external electrode A capacitor was produced.
[0037]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a schematic configuration of the obtained multilayer ceramic capacitor.
In this multilayer ceramic capacitor, a plurality of
[0038]
Next, for each of the obtained multilayer ceramic capacitors (sample number n = 100), the short-circuit defect rate and the delamination rate between layers were examined by the following method.
As for the short-circuit defect rate, the insulation resistance of the multilayer ceramic capacitor was measured with an IR meter, and the ratio of the samples in which the short-circuit defect occurred with respect to all the samples was obtained to obtain the short-circuit defect rate.
Moreover, about the peeling occurrence rate between layers, the cross section of a sample was grind | polished and the presence or absence of delamination was determined by microscope observation, the ratio of the sample which the delamination generate | occur | produced with respect to all the samples was calculated | required, and it was set as the peeling occurrence rate.
The results are shown in Table 1. Note that the sample number with * is outside the scope of the present invention.
[0039]
[Table 1]
[0040]
As shown in Table 1, the sample number within the scope of the present invention was manufactured under the condition that the addition amount of calcium salt was 0.001 part by weight or more and less than 0.02 part by weight with respect to 100 parts by weight of Ni. In the case of the nickel powders 3), 4), 5) and 6), the CV value was as small as 10% or less, and the variation in particle size was small.
Further, the short-circuit defect rate of the multilayer ceramic capacitor in which the internal electrode is formed using the conductive paste containing the nickel powder of the sample numbers 3), 4), 5) and 6) within the scope of the present invention is 3 to 3. The value was as low as about 5%, and the peeling occurrence rate was 0%.
In addition, a few percent defective products in which short-circuit failure occurred in the multilayer ceramic capacitor in which the internal electrode was formed using the conductive paste containing the nickel powder of sample numbers 3), 4), 5) and 6) as the conductive component were investigated. As a result, it was confirmed that the short-circuit failure was caused by defects such as pinholes contained in the green sheet and not by the influence of coarse particles contained in the metal powder.
[0041]
On the other hand, in the case of the nickel powders of Sample Nos. 1) and 2) produced under the condition that the addition amount of calcium salt is less than 0.001 part by weight with respect to 100 parts by weight of Ni in terms of Ca, the average particle size is 0. .10 μm, which was the same as the nickel powders of Sample Nos. 3), 4), 5) and 6) within the scope of the present invention, but the CV value was as large as 28% or more, and the variation in particle size was large. . In a multilayer ceramic capacitor in which an internal electrode is formed using a conductive paste containing this nickel powder as a conductive component, sample numbers 3), 4) and 5) within the scope of the present invention are both short-circuit defect rate and peeling rate. 6) The value was larger than that in the case of the multilayer ceramic capacitor in which the internal electrode was formed using a conductive paste containing nickel powder as a conductive component. In addition, when the nickel powder of sample numbers 1) and 2) was used, the reason why the short-circuit defect rate was large was due to the inclusion of coarse particles in the nickel powder and the rate of occurrence of peeling was low. The increase was due to the inclusion of small particles in the nickel powder.
[0042]
Further, the nickel powder of sample numbers 7) and 8) produced under the condition that the added amount of calcium salt is more than 0.02 parts by weight with respect to 100 parts by weight of Ni in terms of Ca is sample number 3 within the scope of the present invention. ), 4), 5), 6) The average particle size was significantly smaller than that of the nickel powder, and the CV value was increased. This is presumably due to the fact that the proportion of Ca becomes too large and Ca itself affects the reduction reaction of nickel ions, thereby losing the balance between nucleation and growth.
Further, in the multilayer ceramic capacitor in which the internal electrode was formed using the conductive paste containing the nickel powder of Sample Nos. 7) and 8) as the conductive component, the short-circuit defect rate increased to 31% or more. This is due to the large variation in the particle size of the nickel powder.
Also, nickel powder of sample numbers 7) and 8)
In a multilayer ceramic capacitor in which an internal electrode is formed using a conductive paste containing a powder as a conductive component, the occurrence rate of peeling was as high as 20% or more. This is because the average particle size of the nickel powder is small and the variation in the particle size is large.
[0043]
[Example 2]
<Manufacture of nickel powder>
30 g of potassium hydroxide and 80 g of hydrazine hydrate containing 20% water were dissolved in 1000 ml of a 50:50 (volume ratio) mixture of water and ethanol using a 3000 ml beaker to prepare a reducing agent solution. .
[0044]
On the other hand, nickel chloride hexahydrate 90g and calcium chloride dihydrate were blended in the following proportions and dissolved in 1000 ml of a 50:50 (volume ratio) mixture of water and ethanol using a 2000 ml beaker. Thus, nickel salt solutions corresponding to sample numbers 11) to 18) in Table 2 were prepared.
The mixing ratio of nickel chloride / hexahydrate and calcium chloride / dihydrate is 90 g of the former nickel chloride / hexahydrate, and the latter calcium chloride / dihydrate is mixed with 100 parts by weight of Ni. In terms of Ca, the following ratio was set.
11) 0 parts by weight (no addition)
12) 0.0001 parts by weight
13) 0.001 part by weight
14) 0.005 parts by weight
15) 0.01 parts by weight
16) 0.015 part by weight
17) 0.02 part by weight
18) 0.025 part by weight
[0045]
Then, both the nickel salt solution and the reducing agent solution were heated to 60 ° C., and the nickel salt solution was dropped into the reducing agent solution in a state where stirring was performed. During the reaction, stirring was continued at a speed of 150 rpm using three blades having a diameter of 30 mm.
Stirring was continued for 20 minutes after the nickel salt was charged, and after completion of the reaction, nickel powder was separated and recovered from the reaction solution, washed with pure water, washed with acetone, and dried in an oven. ) -18) nickel powder was obtained.
[0046]
Then, the dried nickel powder was observed with a scanning electron microscope of 50,000 times, and the particle size of 100 random particles was measured. And the average particle diameter and standard deviation (sigma) of 100 powders at this time were calculated | required, and the CV value (((sigma) / average particle diameter) x100%) which is a parameter | index of the dispersion | variation in a particle size was computed.
[0047]
<Preparation of conductive paste>
Using the nickel powders of Sample Nos. 11) to 18) in Table 2 as conductive components, conductive pastes were prepared by the following method.
50 parts by weight of an organic vehicle in which 10 parts by weight of an ethylcellulose binder was dissolved in 90 parts by weight of terpineol was added to 50 parts by weight of the nickel powders of Sample Nos. 11) to 18) obtained as described above. Then, a conductive paste in which nickel powder as a conductive component was sufficiently dispersed was prepared for each lot of nickel powders of sample numbers 11) to 18) by carefully carrying out a dispersion and mixing treatment with a three roll mill.
[0048]
<Production of multilayer ceramic capacitor>
Then, this conductive paste is used as BaTiO.ThreeA multilayer ceramic with an internal electrode made of nickel by printing on a green sheet using a reduction-resistant ceramic, having the main component, and then laminating and firing the green sheet to form an external electrode A capacitor was produced. Since the structure of this multilayer ceramic capacitor is the same as that of the first embodiment, description thereof is omitted. In the multilayer ceramic capacitor of Example 2, the thickness of the fired ceramic layer was 3 μm and the number of internal electrodes was 50.
[0049]
Next, for each of the obtained multilayer ceramic capacitors (sample number n = 100), the short-circuit defect rate and the delamination occurrence rate between layers were examined by the same method as in Example 1 above.
The results are shown in Table 2. Note that the sample number with * is outside the scope of the present invention.
[0050]
[Table 2]
[0051]
As shown in Table 2, the sample number within the scope of the present invention was manufactured under the condition that the added amount of calcium salt was 0.001 part by weight or more and less than 0.02 part by weight with respect to 100 parts by weight of Ni. In the case of the nickel powders 13), 14), 15) and 16), the CV value was as small as 4 to 7%, and the variation in particle size was small.
Moreover, the short-circuit defect rate of the multilayer ceramic capacitor in which the internal electrode is formed using the conductive paste containing the nickel powder of sample numbers 13), 14), 15) and 16) within the scope of the present invention as the conductive component is 2 to 2. The value was as low as about 5%, and the peeling occurrence rate was 0%.
In addition, a few percent defective products in which a short-circuit defect occurred in a multilayer ceramic capacitor in which internal electrodes were formed using a conductive paste containing nickel powder of sample numbers 13), 14), 15) and 16) as a conductive component were investigated. As a result, it was confirmed that the short-circuit failure was caused by defects such as pinholes contained in the green sheet and not by the influence of coarse particles contained in the metal powder.
[0052]
On the other hand, in the case of the nickel powders of sample numbers 11) and 12) manufactured under the condition that the amount of calcium salt added is less than 0.001 part by weight with respect to 100 parts by weight of Ni in terms of Ca, the average particle size is 0. 18 μm, which was the same as that of the nickel powders of sample numbers 13), 14), 15) and 16) within the scope of the present invention, but the CV value was as large as 26% or more, and the variation in particle size was large. became. In the multilayer ceramic capacitor in which the internal electrode is formed using the conductive paste containing the nickel powder as the conductive component, both the short-circuit defect rate and the peeling occurrence rate are sample numbers 13), 14), 15) within the scope of the present invention. 16), the value was larger than that in the case of the multilayer ceramic capacitor in which the internal electrode was formed using a conductive paste containing nickel powder as a conductive component. In addition, when the nickel powder of sample numbers 11) and 12) was used, the reason why the short-circuit defect rate increased was due to the inclusion of coarse particles in the nickel powder, and the occurrence rate of peeling was high. The increase was due to the inclusion of small particles in the nickel powder.
[0053]
In addition, the nickel powder of sample numbers 17) and 18) produced under the condition that the added amount of calcium salt is more than 0.02 parts by weight with respect to 100 parts by weight of Ni in terms of Ca is sample number 13 within the scope of the present invention. ), 14), 15), 16) The average particle size was significantly smaller than that of the nickel powder, and the CV value was increased. This is presumably due to the fact that the proportion of Ca becomes too large and Ca itself affects the reduction reaction of nickel ions, thereby losing the balance between nucleation and growth.
Moreover, in the multilayer ceramic capacitor in which the internal electrode was formed using the conductive paste containing the nickel powder of sample numbers 17) and 18) as a conductive component, the short-circuit defect rate was as high as 26% or more. This is due to the large variation in the particle size of the nickel powder.
Further, in the multilayer ceramic capacitor in which the internal electrode was formed using the conductive paste containing the nickel powder of sample numbers 17) and 18) as the conductive component, the peeling occurrence rate was as large as 21% or more. This is because the average particle size of the nickel powder is small and the variation in the particle size is large.
[0054]
In the above embodiment, the multilayer ceramic capacitor, the conductive paste used therefor, and the nickel powder used as the conductive component of the conductive paste have been described as examples. However, the present invention is not limited thereto, and the multilayer inductor, The present invention can also be applied to other multilayer ceramic electronic components such as a multilayer ceramic substrate, a conductive paste used therefor, and nickel powder used as a conductive component thereof.
[0055]
Further, in the above embodiment, the case where the calcium salt added to the nickel salt solution is chloride has been described. However, the calcium salt is not limited to this, and the same applies even when other sulfates, nitrates, and the like are used. It is possible to obtain the effect.
[0056]
The invention of the present application is not limited to the above-described embodiment and examples in other respects, and the specific conditions of the nickel powder manufacturing method, the composition of the conductive paste, and the conductive paste of the present invention are used. Various applications and modifications can be made within the scope of the invention with respect to the structure of the multilayer ceramic electronic component manufactured in this manner.
[0057]
【The invention's effect】
As described above, in the nickel powder manufacturing method of the present invention (Claim 1),Nickel chloride was dissolved in a solvent containing at least alcoholThe nickel salt solution is made to contain a calcium salt in a proportion of 0.001 part by weight or more and less than 0.02 part by weight, more preferably 0.015 part by weight or less with respect to 100 parts by weight of Ni. Therefore, by mixing the nickel salt solution and the reducing agent solution, it is possible to obtain a nickel powder that is fine, has a small variation in particle size, and is uniform.
[0058]
Further, as in the method for producing nickel powder according to
[0059]
Further, as in the method for producing nickel powder according to claim 3, by using at least one of calcium chloride, sulfate, and nitrate as the calcium salt, it is fine, has a small variation in particle size, and is uniform. A reliable nickel powder can be produced reliably.
[0060]
In the present invention, it is possible to use various reducing agents. However, as in the method for producing nickel powder of claim 4, a special agent is used by using hydrazine or hydrazine hydrate. Therefore, the nickel salt can be reliably reduced, and a fine nickel powder with a small variation in particle size can be deposited.
[0061]
Moreover, the nickel powder of the present invention (Claim 5) was produced by the method for producing nickel powder according to any one of Claims 1 to 4.Nickel powder with an average particle size of 0.2μ m belowSince it is fine and has a small variation in particle size and a uniform particle size, it can be suitably used for applications such as a conductive component of a conductive paste.
[0062]
Further, the conductive paste of the present invention (Claim 6) contains the fine nickel powder with a small variation in particle diameter and uniform conductivity as described in Claim 5, so that the conductive paste is multilayered, thinned. It can be suitably used for forming an internal electrode of a multilayer ceramic electronic component intended to be layered.
[0063]
In the multilayer ceramic electronic component of the present invention (invention 7), the internal electrode (sintered body) disposed between the ceramic layers is formed using the conductive paste of claim 6; Thus, it is possible to reliably form a highly reliable internal conductor without disconnection or the like, and it is possible to provide a highly reliable multilayer ceramic electronic component.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a schematic configuration of a multilayer ceramic capacitor according to an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Ceramic layer
2 Internal electrodes
3 Ceramic element
4 External electrode
Claims (7)
(b)少なくともアルコールを含む溶媒に還元剤が溶解された還元剤溶液を用意する工程と、
(c)前記ニッケル塩溶液と前記還元剤溶液を混合してニッケル粉末を析出させる工程と
を具備することを特徴とするニッケル粉末の製造方法。(a) is dissolved nickel chloride in a solvent containing at least an alcohol, relative Ni100 parts in the nickel chloride, Ca translated at 0.001 part by weight or more, calcium salt in a proportion of less than 0.02 part by weight additive Preparing a prepared nickel salt solution;
(b) preparing a reducing agent solution in which the reducing agent is dissolved in a solvent containing at least alcohol ;
(c) a step of mixing the nickel salt solution and the reducing agent solution to precipitate nickel powder.
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